説明

通信システム、端末装置及びそれらに用いるアクセス集線装置選択方法並びにそのプログラム

【課題】 アクセス集線装置の使用状況によって最適な通信状況のアクセス集線装置を選択可能とし、安定的な通信を実現可能なPPPoE通信システムを提供する。
【解決手段】 端末1はPADIパケットを送信すると、複数のアクセス集線装置4−1〜4−n各々のうちのサービスを提供することができるアクセス集線装置から端末1に対してPADOパケットが送信される。アクセス集線装置4−1〜4−nはそれぞれPADOパケットを送信する際、使用可能なPPPoEセッション数及び現在通信しているセッション数等の情報をPADOパケットのタグに埋め込み、端末1に送信する。端末1はPADOパケットを受信した後、複数のアクセス集線装置4−1〜4−nからのPPPoEセッションの使用率を分析し、最適なアクセス集線装置を選択する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システム、端末装置及びそれらに用いるアクセス集線装置選択方法並びにそのプログラムに関し、特にPPPoE[PPP(Point−to−Point Protocol) over Ethernet(登録商標)]通信システムを構成するアクセス集線装置(AC:Access Concentrator)の選択方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、PC(パーソナルコンピュータ)からインタネットに接続する方法としては、ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やCATV(Cable Television)、FTTH(Fiber To The Home)等を利用したブロードバンド・インタネット常時接続サービスが普及しつつある。
【0003】
特に、ADSLでは伝送制御のためのプロトコルとしてPPPoEが用いられている。このPPPoEはRFC(Request For Comments)で規定されており(非特許文献1参照)、イーサネット(登録商標)上にPPP接続を確立させる技術(PPPフレームを伝送するための仕組み)であり、上記の常時接続環境によく使用されている。
【0004】
このPPP接続を確立させる手順を図3に示す。図3において、PPPoEプロトコルを使用するADSLまたは無線通信システムにおいて、ディスカバリステージで端末(ホスト)側がPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットを送信する。
【0005】
このPADIパケットに対しては、ネットワーク上の複数のアクセス集線装置がそれぞれ応答し、サービスを提供することができるアクセス集線装置から端末に対してPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットが送信される。端末側では、通常、上記のPADOパケットを最初に受信することができたアクセス集線装置を用いて、PPPoEによるPPP接続を確立させることとなる。
【0006】
ここで、上記の非特許文献1によると、PPPoEには、ディスカバリーステージ(Discovery Stage)とPPPセッションステージとの2つの異なるステージがある。端末がPPPoEステージを開始する場合、ピアのイーサネット(登録商標)MAC(Media Access Control)アドレスの識別とPPPoEセッションID(SESSION_ID)とを確立するため、最初にディスカバリーステージを実行しなければならない。
【0007】
ディスカバリーステージは、1)端末のInitiationパケットのブロードキュスティング、2)1つか複数のアクセス集線装置からのOfferパケットの送信、3)端末からのSession Requestパケットのユニキャスト送信、4)選択されたアクセス集線装置からのConfirmationパケットの送信、という4つのステップで構成されている。
【0008】
【特許文献1】“A Method for Transmitting PPP Over Ethernet(登録商標) (PPPoE)”[RFC(Request For Comments)2516,February 1999]
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上述した従来のPPPoE通信システムでは、複数のアクセス集線装置が存在する場合でも、端末側が複数のアクセス集線装置の中から最適な通信状況のアクセス集線装置を選択する方法がない。
【0010】
そこで、本発明の目的は上記の問題点を解消し、アクセス集線装置の使用状況によって特定(最適な通信状況)のアクセス集線装置を選択することができ、安定的な通信を実現することができる通信システム、端末装置及びそれらに用いるアクセス集線装置選択方法並びにそのプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明による通信システムは、端末装置をネットワークに接続するための複数のアクセス集線装置が存在する通信システムであって、
前記複数のアクセス集線装置各々は、前記端末装置からのアクセス要求に応答して前記端末装置に返信する応答信号に少なくとも自装置の使用状況を示す情報を付加する手段を備え、
前記端末装置は、前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加された情報を解析する手段と、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択する手段とを備えている。
【0012】
本発明による端末装置は、通信システム内において、自装置を複数のアクセス集線装置のうちのいずれかを介してネットワークに接続する端末装置であって、
前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加されかつ少なくとも前記複数のアクセス集線装置各々の使用状況を示す情報を解析する手段と、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択する手段とを備えている。
【0013】
本発明によるアクセス集線装置選択方法は、端末装置をネットワークに接続するための複数のアクセス集線装置が存在する通信システムに用いられるアクセス集線装置選択方法であって、
前記端末装置が、前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加されかつ少なくとも前記複数のアクセス集線装置各々の使用状況を示す情報を解析するステップと、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択するステップとを実行している。
【0014】
本発明によるアクセス集線装置選択方法のプログラムは、端末装置をネットワークに接続するための複数のアクセス集線装置が存在する通信システムに用いられるアクセス集線装置選択方法のプログラムであって、コンピュータに、前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加されかつ少なくとも前記複数のアクセス集線装置各々の使用状況を示す情報を解析する処理と、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択する処理とを実行させている。
【0015】
すなわち、本発明の通信システムは、複数のアクセス集線装置(AC:Access Concentrator){PPPoE[PPP(Point−to−Point Protocol) over Ethernet(登録商標)]サーバ}が存在するPPPoE通信システムにおいて、RFC2516に準拠したPPPoE パケットのタグを有効に利用し、端末側が特定のアクセス集線装置を選択可能としている。
【0016】
より具体的に説明すると、本発明の通信システムでは、PPPoEを使用するADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)または無線通信システムにおいて、PPPoEのディスカバリステージにて端末(ホスト)側がPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットを送信した後、ネットワーク上の複数のアクセス集線装置がそのPADIパケットに応答し、端末側にPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットを送信する。
【0017】
従来、端末側が最初にPADOパケットを受信することができたアクセス集線装置を選択するが、本発明のPPPoE通信システムでは、端末側がPADOパケットに付加されたアクセス集線装置の使用状況等を示す情報を解析し、その解析結果に基づいてアクセス集線装置を選択することで、常に最適な通信状況のアクセス集線装置を選択可能としている。
【0018】
アクセス集線装置側では、PADOパケットを送信する際、使用可能なPPPoEセッション数、現在通信しているセッション数等の情報をPADOパケットのタグに埋め込み、端末側に送信する。端末側では、PADOパケットを受信した後、複数のアクセス集線装置からPPPoEセッションの使用率等を分析し、その分析結果に基づいて最適なアクセス集線装置を選択している。
【0019】
無線通信システムの場合には、アクセス集線装置側が接続している基地局等の情報をPADOパケットのタグに埋め込み、端末側に送信する。端末側ではPADOパケットを受信した後、基地局のRSSI(Receive Signal Strength Indication)等の情報を分析し、その分析結果に基づいて最適なアクセス集線装置を選択している。
【0020】
上記のように、本発明の通信システムでは、上記の非特許文献1に準拠したPPPoEパケットのタグを有効に利用することで、端末側において特定(最適な通信状況)のアクセス集線装置が選択可能となる。
【発明の効果】
【0021】
本発明は、以下に述べるような構成及び動作とすることで、アクセス集線装置の使用状況によって特定(最適な通信状況)のアクセス集線装置を選択することができ、安定的な通信を実現することができるという効果が得られる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
次に、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の実施の形態によるPPPoE[PPP(Point−to−Point Protocol) over Ethernet(登録商標)]通信システムの構成を示すブロック図である。図1は、本発明の実施の形態によるPPPoE通信システムとしてADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)を用いた通信システムを示している。
【0023】
図1において、本発明の実施の形態によるPPPoE通信システムは、端末(PPPoEクライント)1と、端末1にアナログ電話線またはEthernet(登録商標)ケーブルで接続されるモデム[DSLAM(Digital Subscriber Line Access Multiplexer)集合モデム]2と、ハブ(HUB)3と、複数のアクセス集線装置(AC:Access Concentrator)(PPPoEサーバ)4−1〜4−nと、複数のアクセス集線装置4−1〜4−nに接続されるISP(Internet Service Provider)100と、ISP100に接続されるインタネット200とから構成されている。
【0024】
図2は本発明の実施の形態によるPPP接続を確立させる手順を示す図であり、図3は従来のPPP接続を確立させる手順を示す図である。図3において、PPPoEプロトコルを使用するADSLにおいて、ディスカバリステージで端末1側がPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットを送信する。
【0025】
このPADIパケットに対しては、ネットワーク上の複数のアクセス集線装置4−1〜4−nがそれぞれ応答し、サービスを提供することができるアクセス集線装置から端末1に対してPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットが送信される。端末1側では、従来、上記のPADOパケットを最初に受信することができたアクセス集線装置4−2を用いて、PPPoEによるPPP接続を確立させることとなる。
【0026】
ここで、上記の非特許文献1によると、PPPoEには、ディスカバリーステージ(Discovery Stage)とPPPセッションステージとの2つの異なるステージがある。端末がPPPoEステージを開始する場合、ピアのイーサネット(登録商標)MAC(Media Access Control)アドレスの識別とPPPoEセッションID(SESSION_ID)とを確立するため、最初にディスカバリーステージを実行しなければならない。
【0027】
ディスカバリーステージは、1)端末のInitiationパケットのブロードキュスティング、2)1つか複数のアクセス集線装置からのOfferパケットの送信、3)端末からのSession Requestパケットのユニキャスト送信、4)選択されたアクセス集線装置からのConfirmationパケットの送信、という4つのステップで構成されている。
【0028】
これに対し、本発明の実施の形態では、アクセス集線装置4−1〜4−n側がPADOパケットを送信する際、使用可能なPPPoEセッション数及び現在通信しているセッション数等の情報をPADOパケットのタグに埋め込み、端末1側に送信する。端末1側がPADOパケットを受信した後、複数のアクセス集線装置4−1〜4−nからのPPPoEセッションの使用率を分析し、最適なアクセス集線装置を選択する。
【0029】
これによって、本発明の実施の形態では、上記の非特許文献1に準拠したPPPoEパケットのタグを有効に利用することで、端末1側が常に最適な通信状況のアクセス集線装置を選択することができる。
【実施例1】
【0030】
図4は本発明の一実施例による端末(PPPoEクライント)の構成を示すブロック図である。本発明の一実施例によるPPPoE通信システムは上記の図1に示す本発明の実施の形態によるPPPoE通信システムと同様の構成となっているので、そのシステムの構成についてはその説明を省略する。
【0031】
図4において、端末1はCPU(中央処理装置)11と、CPU11が実行する制御プログラム12aを格納するメインメモリ12と、AC(アクセス集線装置)選択情報保持部131を含む記憶装置13と、パケットの作成、組立、分割を制御するパケット制御部14と、モデム2との間の通信を制御する通信制御部15とから構成されている。また、CPU11、メインメモリ12、記憶装置13、パケット制御部14、通信制御部15はそれぞれ内部バス110によって相互に接続されている。
【0032】
図5は本発明の一実施例によるPPP接続を確立させる手順を示す図である。これら図1と図4と図5とを参照して本発明の一実施例によるPPP接続を確立させる手順について説明する。
【0033】
端末1はPPPoEセッションを開始するため、通信システムにあるすべてのアクセス集線装置4−1〜4−nに対してPADIパケットを送信する(ブロードキャスト)(図5のa1)。
【0034】
アクセス集線装置4−1〜4−n各々は端末1からPADIパケットを受信すると、それぞれ現在の使用状況をPADOパケットに付加して端末1に送信する(図5のa2)。
【0035】
端末1はアクセス集線装置4−1〜4−n各々からPADOパケットを受信すると、アクセス集線装置4−1〜4−n各々の使用状況(PPPoEセッションの使用率等)を分析し、例えばアクセス集線装置4−1〜4−n各々の中から最適なアクセス集線装置4−3を選択してPADR(PPPoE Active Discovery Request)パケットを送信する(図5のa3)。
【0036】
ここで、PPPoEプロトコルに使用できるタグは、図6に示すように、上記の非特許文献1に規定されているが、タグタイプ「AC−Name」(タイプ値:0x0102)が可変長であるため、上記の方法はアクセス集線装置4−1〜4−nがPADOパケットを送信する際、現在の使用状況を「AC−Name」タグ(アクセス集線装置名の後)に付加して送信するものとする。
【0037】
つまり、PADIパケットを受信したアクセス集線装置4−1〜4−nは、送信元の端末1にPADOパケットを送信し、アクセス集線装置4−1〜4−nがサポートするサービス名、アクセス集線装置名を通知する。このPADOパケットを送信する際、アクセス集線装置4−1〜4−nがアクセス集線装置4−1〜4−n側の使用状況等の選択用情報をアクセス集線装置名(「AC−Name」タグ)の後に付加して端末1に送信する。
【0038】
尚、選択用情報とアクセス集線装置名との間は、0x00で区切る。具体的には、「端末側MACアドレス:00:60:B9:11:22:33」、「アクセス集線装置側MACアドレス:00:60:B9:44:55:66」、「アクセス集線装置名:AC001」、「アクセス集線装置使用率:50%(100セッションのうちの50セッションが確立中)」とした場合、図7に示すように、タグタイプ{0x01},{0x02}、タグ値の長さ{0x00},{0x07}、タグ値{0x41(“A”)},{0x43(“C”)},{0x30(“0”)},{0x30(“0”)},{0x31(“1”)},{0x00},{0x32}となる。
【0039】
また、端末1側のPADIパケットの送信値Service−Nameが「0x0000」、Host−uniqが端末1側のMACアドレス「00:60:B9:11:22:33」とすれば、アクセス集線装置が図8に示すフォーマットのPADOパケットを作成して端末1に送信する。この場合のPADOパケットは「00 60 B9 11 22 33 00 60 B9 44 55 66 11 07 00 00 00 19 01 03 00 06 00 60 B9 11 22 33 01 02 00 07 41 43 30 30 31 00 32 01 01 00 00」となる。
【0040】
尚、非特許文献1に規定されるタグは、図6において、タグタイプ「AC−Name」のほかに、タグタイプ「End−Of−List」(タイプ値:0x0000)、タグタイプ「Service−Name」(タイプ値:0x0101)、タグタイプ「Host−Uniq」(タイプ値:0x0103)、タグタイプ「AC−Cookie」(タイプ値:0x0104)、タグタイプ「Vendor−Specific」(タイプ値:0x0105)、タグタイプ「Relay−Session−Id」(タイプ値:0x0110)、タグタイプ「Service−Name−Error」(タイプ値:0x0201)、タグタイプ「AC−System−Error」(タイプ値:0x0202)、タグタイプ「Generic−Error」(タイプ値:0x0203)がある。
【0041】
アクセス集線装置4−3は端末1からPADRパケットを受信すると、端末1にPADS(PPPoE Active Discovery Session−confirmation)パケットを送信するので(図5のa4)、端末1とアクセス集線装置4−3との間にPPPセッション(PPP認証等)が確立される(図5のa5)。
【0042】
図9は図4に示す端末1によるPPP接続を確立させるための手順を示すフローチャートである。これら図4及び図9を参照して端末1によるPPP接続を確立させるための手順について説明する。尚、図9に示す手順はCPU11が制御プログラム12aを実行することで実現される。
【0043】
端末1はPPPoEセッションを開始する場合、アクセス集線装置4−1〜4−n各々にPADIパケットを送信する(図9ステップS1)。端末1は予め設定された受信時間がオーバするまで(図9ステップS2)、アクセス集線装置4−1〜4−n各々からのPADOパケットを受信し、PADOパケットを受信すると(図9ステップS3)、AC−Nameタグから選択用情報を取得してAC選択情報保持部131に保存する(図9ステップS4)。
【0044】
端末1は受信時間がオーバすると(図9ステップS2)、PADOパケットの受信があれば(図9ステップS5)、AC選択情報保持部131に保存されたAC選択情報から最適なアクセス集線装置4−3を選択する(図9ステップS6)。端末1はPADRパケットを作成し、それを上記の選択したアクセス集線装置4−3に送信する(図9ステップS7)。
【0045】
このように、本実施例では、端末1側がPPPoEセッションを開始する時、アクセス集線装置4−1〜4−nの使用状況によって特定のアクセス集線装置を選択できることによって、安定的な通信を実現することができる。また、本実施例では、特定のアクセス集線装置に負荷をかけずに、通信システムにおいて全体的にバランスをよく保って通信することができる。
【実施例2】
【0046】
図10は本発明の他の実施例によるPPPoE通信システムの構成を示すブロック図である。図10は、本発明の他の実施例によるPPPoE通信システムとして無線通信システムを用いた通信システムを示している。
【0047】
図10において、本発明の他の実施例によるPPPoE通信システムは、端末(PPPoEクライント)1と、端末1に無線にて接続される基地局(#1〜#m)6−1〜6−mと、ハブ(HUB)7と、複数のアクセス集線装置(AC#1〜#n)8−1〜8−nと、複数のアクセス集線装置8−1〜8−nに接続されるISP100と、ISP100に接続されるインタネット200とから構成されている。
【0048】
本実施例では、アクセス集線装置8−1〜8−n側がPADOパケットを送信する際、使用可能なPPPoEセッション数及び現在通信しているセッション数等の情報をPADOパケットのタグに埋め込み、端末1側に送信する。端末1側ではPADOパケットを受信した後、複数のアクセス集線装置8−1〜8−nの通信情報と基地局6−1〜6−mのRSSI(Receive Signal Strength Indication)等の情報を総合的に分析し、最適なアクセス集線装置を選択する。
【0049】
本実施例では、上記の動作が異なる以外は、上述した本発明の一実施例と同様の動作を行っており、その効果も上述した本発明の一実施例と同様である。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】本発明の実施の形態によるPPPoE通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態によるPPP接続を確立させる手順を示す図である。
【図3】従来のPPP接続を確立させる手順を示す図である。
【図4】本発明の一実施例による端末の構成を示すブロック図である。
【図5】本発明の一実施例によるPPP接続を確立させる手順を示す図である。
【図6】RFC2516に規定されているPPPoEタグを示す図である。
【図7】選択用情報とアクセス集線装置名との関係を示す図である。
【図8】PADOパケットのフォーマットを示す図である。
【図9】図4に示す端末によるPPP接続を確立させるための手順を示すフローチャートである。
【図10】本発明の他の実施例によるPPPoE通信システムの構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
【0051】
1 端末
2 モデム
3 ハブ
4−1〜4−n アクセス集線装置
11 CPU
12 メインメモリ
12a 制御プログラム
13 記憶装置
14 パケット制御部
15 通信制御部
100 ISP
110 内部バス
131 AC選択情報保持部
200 インタネット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末装置をネットワークに接続するための複数のアクセス集線装置が存在する通信システムであって、
前記複数のアクセス集線装置各々は、前記端末装置からのアクセス要求に応答して前記端末装置に返信する応答信号に少なくとも自装置の使用状況を示す情報を付加する手段を有し、
前記端末装置は、前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加された情報を解析する手段と、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択する手段とを有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記使用状況は、少なくとも使用可能なセッション数及び現在通信しているセッション数を示すセッションの使用率であることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項3】
前記使用状況は、少なくとも無線通信における基地局のRSSI(Receive Signal Strength Indication)であることを特徴とする請求項1記載の通信システム。
【請求項4】
伝送制御のためにPPPoE[PPP(Point−to−Point Protocol) over Ethernet(登録商標)]を用いることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか記載の通信システム。
【請求項5】
前記アクセス集線装置は、前記端末装置からのPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットに応答して送信するPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットに前記使用状況を付加することを特徴とする請求項4記載の通信システム。
【請求項6】
RFC(Request For Comments)2516に準拠したPPPoEパケットのタグを用いて前記使用状況を付加することを特徴とする請求項5記載の通信システム。
【請求項7】
通信システム内において、自装置を複数のアクセス集線装置のうちのいずれかを介してネットワークに接続する端末装置であって、
前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加されかつ少なくとも前記複数のアクセス集線装置各々の使用状況を示す情報を解析する手段と、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択する手段とを有することを特徴とする端末装置。
【請求項8】
前記使用状況は、少なくとも使用可能なセッション数及び現在通信しているセッション数を示すセッションの使用率であることを特徴とする請求項7記載の端末装置。
【請求項9】
前記使用状況は、少なくとも無線通信における基地局のRSSI(Receive Signal Strength Indication)であることを特徴とする請求項7記載の端末装置。
【請求項10】
前記通信システムは、伝送制御のためにPPPoE[PPP(Point−to−Point Protocol) over Ethernet(登録商標)]を用いるPPPoE通信システムであることを特徴とする請求項7から請求項9のいずれか記載の端末装置。
【請求項11】
自装置からのPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットに応答して前記アクセス集線装置から送信されるPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットに前記使用状況が付加されることを特徴とする請求項10記載の端末装置。
【請求項12】
RFC(Request For Comments)2516に準拠したPPPoEパケットのタグを用いて前記使用状況が付加されることを特徴とする請求項11記載の端末装置。
【請求項13】
端末装置をネットワークに接続するための複数のアクセス集線装置が存在する通信システムに用いられるアクセス集線装置選択方法であって、
前記端末装置が、前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加されかつ少なくとも前記複数のアクセス集線装置各々の使用状況を示す情報を解析するステップと、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択するステップとを実行することを特徴とするアクセス集線装置選択方法。
【請求項14】
前記使用状況が、少なくとも使用可能なセッション数及び現在通信しているセッション数を示すセッションの使用率であることを特徴とする請求項13記載のアクセス集線装置選択方法。
【請求項15】
前記使用状況が、少なくとも無線通信における基地局のRSSI(Receive Signal Strength Indication)であることを特徴とする請求項13記載のアクセス集線装置選択方法。
【請求項16】
前記通信システムが、伝送制御のためにPPPoE[PPP(Point−to−Point Protocol) over Ethernet(登録商標)]を用いるPPPoE通信システムであることを特徴とする請求項13から請求項15のいずれか記載のアクセス集線装置選択方法。
【請求項17】
前記アクセス集線装置が、前記端末装置からのPADI(PPPoE Active Discovery Initiation)パケットに応答して送信するPADO(PPPoE Active Discovery Offer)パケットに前記使用状況を付加することを特徴とする請求項16記載のアクセス集線装置選択方法。
【請求項18】
RFC(Request For Comments)2516に準拠したPPPoEパケットのタグを用いて前記使用状況を付加することを特徴とする請求項17記載のアクセス集線装置選択方法。
【請求項19】
端末装置をネットワークに接続するための複数のアクセス集線装置が存在する通信システムに用いられるアクセス集線装置選択方法のプログラムであって、コンピュータに、前記複数のアクセス集線装置各々からの応答信号に付加されかつ少なくとも前記複数のアクセス集線装置各々の使用状況を示す情報を解析する処理と、その解析結果に基づいて前記アクセス集線装置を選択する処理とを実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2006−148726(P2006−148726A)
【公開日】平成18年6月8日(2006.6.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−338262(P2004−338262)
【出願日】平成16年11月24日(2004.11.24)
【出願人】(000227205)NECインフロンティア株式会社 (1,047)
【Fターム(参考)】