説明

通信システム、通信制御方法、通信装置、通信装置制御方法、及び、通信装置制御プログラム

【課題】処理負荷を低減することが可能な通信システムを提供すること。
【解決手段】システム100は、第1の通信装置110及び第2の通信装置120を経由する複数のVLANが構築される。第1の通信装置は、VLANにて送信したフレームの数を表すフレーム数情報を取得する。第2の通信装置は、VLANにて受信したフレームの数を表すフレーム数情報を取得する。通信装置の一方は、複数のVLANの1つ(代表VLAN)にて通信装置間で通信セッションを確立し、VLANを識別するフロー識別情報と当該VLANに対して取得されたフレーム数情報とを含む保守用フレームを通信セッションを介して送信する。通信装置の他方は、受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、保守用フレームに対応するVLANに対して取得されたフレーム数情報と、に基づいて当該VLANにおけるフレームロスを算出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、消失したフレームの数を算出する通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
第1の通信装置から第2の通信装置へ送信されたフレームが消失した数(フレームロス)を算出する通信システムが知られている。この種の通信システムの1つとして特許文献1に記載の通信システム(第1の通信システム)において、第1の通信装置は、第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する。更に、第2の通信装置は、第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する。
【0003】
そして、第1の通信装置は、取得されたフレーム数情報を含む保守用フレームを、第2の通信装置へ送信する。第2の通信装置は、第1の通信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、取得されたフレーム数情報と、に基づいて、第1の通信装置から第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する。
【0004】
一方、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築された通信システムが知られている(例えば、特許文献2を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−182925号公報
【特許文献2】特開2003−318937号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、第1の通信システムにおいて、複数のVLANを構築するとともに、各VLANに対してフレームロスを算出する場合を想定する。この場合、複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて通信セッションを確立するとともに、当該VLANに対する保守用フレームを、当該通信セッションを介して送受信することによりフレームロスを算出する通信システム(第3の通信システム)が容易に想到される。
【0007】
しかしながら、第3の通信システムにおいては、保守用フレームを送受信するために、構築されているVLANの数だけ通信セッションが確立される。即ち、構築されているVLANが増加するほど、確立される通信セッションの数が増加する。従って、保守用フレームを送受信するための処理負荷が過大となる虞があった。
【0008】
このため、本発明の目的は、上述した課題である「保守用フレームを送受信するための処理負荷が過大となる場合が生じること」を解決することが可能な通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
かかる目的を達成するため本発明の一形態である通信システムは、
第1の通信装置、及び、第2の通信装置を含み、且つ、当該第1の通信装置、及び、当該第2の通信装置を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築されたシステムである。
【0010】
更に、上記第1の通信装置は、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて上記第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の送信フレーム数取得手段を備え、
上記第2の通信装置は、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて上記第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の受信フレーム数取得手段を備え、
上記第1の通信装置、及び、上記第2の通信装置のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置は、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記第1の通信装置、及び、上記第2の通信装置のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、上記第1の保守用フレーム受信装置へ上記確立された通信セッションを介して送信する第1の保守用フレーム送信手段と、
を備え、
上記第1の保守用フレーム受信装置は、
上記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて上記第1の通信装置から上記第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する第1のフレームロス算出手段を備える。
【0011】
また、本発明の他の形態である通信制御方法は、
第1の通信装置、及び、第2の通信装置を含み、且つ、当該第1の通信装置、及び、当該第2の通信装置を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築された通信システムに適用され、
上記第1の通信装置が、上記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて上記第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
上記第2の通信装置が、上記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて上記第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
上記第1の通信装置、及び、上記第2の通信装置のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置が、上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記第1の通信装置、及び、上記第2の通信装置のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立し、
上記第1の保守用フレーム送信装置が、VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、上記第1の保守用フレーム受信装置へ上記確立された通信セッションを介して送信し、
上記第1の保守用フレーム受信装置が、上記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて上記第1の通信装置から上記第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する方法である。
【0012】
また、本発明の他の形態である通信装置は、
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する装置である。
【0013】
更に、この通信装置は、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、上記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得するフレーム数取得手段と、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記通信先装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、上記通信先装置へ上記確立された通信セッションを介して送信する保守用フレーム送信手段と、
を備える。
【0014】
また、本発明の他の形態である通信装置は、
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する装置である。
【0015】
更に、この通信装置は、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、上記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得するフレーム数取得手段と、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記通信先装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
上記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて上記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出するフレームロス算出手段と、
を備える。
【0016】
また、本発明の他の形態である通信装置制御方法は、
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に適用され、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、上記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、上記通信先装置へ上記確立された通信セッションを介して送信する方法である。
【0017】
また、本発明の他の形態である通信装置制御方法は、
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に適用され、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、上記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
上記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて上記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出する方法である。
【0018】
また、本発明の他の形態である通信装置制御プログラムは、
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、上記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、上記通信先装置へ上記確立された通信セッションを介して送信する、処理を実行させるためのプログラムである。
【0019】
また、本発明の他の形態である通信装置制御プログラムは、
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、上記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
上記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて上記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、処理を実行させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、以上のように構成されることにより、保守用フレームを送受信するための処理負荷を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明の第1実施形態に係る通信システムの概略構成を表す図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る通信装置の機能の概略を表すブロック図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る保守用フレームの内容を概念的に示した説明図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る通信システムの作動を表すシーケンス図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る通信装置がフレームロスを算出するために用いるフレーム数情報が取得された時点、及び、当該フレーム数情報が通信装置間で授受される時点を概念的に示したタイムチャートである。
【図6】本発明の第2実施形態に係る通信システムの機能の概略を表すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、本発明に係る、通信システム、通信制御方法、通信装置、通信装置制御方法、及び、通信装置制御プログラム、の各実施形態について図1〜図6を参照しながら説明する。
【0023】
<第1実施形態>
(構成)
図1に示したように、第1実施形態に係る通信システム1は、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12を含む複数の通信装置11,12,…を備える。複数の通信装置11,12,…は、互いに通信可能に接続されている。
【0024】
本例では、複数の通信装置11,12,…のそれぞれは、スイッチである。なお、複数の通信装置11,12,…のそれぞれは、ルータ、又は、サーバであってもよい。
複数の通信装置11,12,…のそれぞれには、図示しないユーザ端末が接続されている。
【0025】
通信システム1は、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築されている。換言すると、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12は、複数のVLANを構成している。
【0026】
通信システム1は、各VLANにおいて、複数の通信装置11,12,…間でフレームを送受信する。
本例では、複数のVLANのそれぞれは、当該VLANにおいて通信されるフレームが、当該VLANを識別するためのVLAN識別情報(VLANタグ)を含むことにより構築される。
【0027】
また、本例では、複数のVLANは、親VLANと、第1の子VLANと、第2の子VLANと、第3の子VLANと、を含む。なお、本例では、親VLANは、代表VLANである。第1の子VLAN、第2の子VLAN、及び、第3の子VLAN、のそれぞれは、親VLANにおいて構築されている。
【0028】
本例では、第1の子VLANにおいて通信されるフレームは、親VLANを識別するための親VLAN識別情報と、親VLANにおいて第1の子VLANを識別するための子VLAN識別情報と、を含むVLAN識別情報を含む。第2の子VLAN、又は、第3の子VLANにおいて通信されるフレームも、第1の子VLANと同様のVLAN識別情報を含む。親VLANにおいて通信されるフレームは、親VLAN識別情報をVLAN識別情報として含む。
【0029】
(機能)
図2は、上記のように構成された第1の通信装置11の機能を表すブロック図である。
第1の通信装置11の機能は、送信フレーム数取得部21と、フレーム数情報記憶部22と、保守用フレームスケジューラ部23と、保守用フレーム生成部24と、送信フレーム調停部25と、受信フレーム数取得部26と、保守用フレーム取得部27と、フレームロス算出部28と、を含む。
【0030】
送信フレーム数取得部21は、複数のVLANの任意の1つにおいて、第1の通信装置11から第2の通信装置12へ送信される予定のデータ用フレーム(ユーザフレーム)を、他の装置(例えば、通信装置、又は、ユーザ端末等)から受信する。
【0031】
フレーム数情報記憶部22は、VLANを識別するためのフロー識別情報と対応付けて、ローカル送信フレーム数情報、及び、ローカル受信フレーム数情報を記憶している。
【0032】
ローカル送信フレーム数情報は、当該情報と対応付けて記憶されているフロー識別情報により識別されるVLANにおいて第2の通信装置12へ送信したデータ用フレームの数(送信フレーム数)を表すフレーム数情報である。
【0033】
ローカル受信フレーム数情報は、当該情報と対応付けて記憶されているフロー識別情報により識別されるVLANにおいて第2の通信装置12から受信したデータ用フレームの数(受信フレーム数)を表すフレーム数情報である。
【0034】
送信フレーム数取得部21は、第2の通信装置12へ送信される予定のデータ用フレームが受信された場合、当該データ用フレームを受信するために用いられたVLANを識別するためのフロー識別情報を特定する。本例では、送信フレーム数取得部21は、受信されたデータ用フレームに含まれるVLAN識別情報に基づいてフロー識別情報を特定する。なお、フロー識別情報は、VLAN識別情報と同一の情報であってもよい。
【0035】
そして、送信フレーム数取得部21は、特定されたフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されているローカル送信フレーム数情報が表す送信フレーム数に1を加算することにより当該ローカル送信フレーム数情報を更新する。なお、本例では、送信フレーム数取得部21は、フレーム数情報記憶部22にローカル送信フレーム数情報が記憶されていない場合、1を表すローカル送信フレーム数情報をフレーム数情報記憶部22に記憶させる。
【0036】
また、送信フレーム数取得部21は、第2の通信装置12へ送信される予定のデータ用フレームが受信された場合、当該データ用フレームを送信フレーム調停部25へ出力する。
【0037】
更に、フレーム数情報記憶部22は、フロー識別情報と対応付けて、受信時ローカル受信フレーム数情報、受信リモート送信フレーム数情報、受信リモート受信フレーム数情報、及び、受信ローカル送信フレーム数情報を記憶している。
【0038】
受信時ローカル受信フレーム数情報は、第2の通信装置12から、第1の通信装置11と第2の通信装置12との間の通信を保守するための保守用フレームを受信した時点の(即ち、その時点にて、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて記憶されている)ローカル受信フレーム数情報である。本例では、保守用フレームは、通信装置間の接続を確認するためのCCM(Continuity Check Message)である。
【0039】
後述するように、フレーム数情報記憶部22は、第2の通信装置12から上記保守用フレームを受信した場合、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて記憶されているローカル受信フレーム数情報を、当該フロー識別情報と対応付けて、受信時ローカル受信フレーム数情報として記憶する。
【0040】
受信リモート送信フレーム数情報は、第2の通信装置12から受信した上記保守用フレームに含まれるリモート送信フレーム数情報(TxFCf)である。
【0041】
後述するように、このリモート送信フレーム数情報は、第2の通信装置12から第1の通信装置11へ送信されたデータ用フレームの数を表す情報であり、且つ、第2の通信装置12によって取得された情報である。即ち、このリモート送信フレーム数情報は、第2の通信装置12にとってのローカル送信フレーム数情報である。
【0042】
また、後述するように、フレーム数情報記憶部22は、第2の通信装置12から上記保守用フレームを受信した場合、当該保守用フレームに含まれるリモート送信フレーム数情報を、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて、受信リモート送信フレーム数情報として記憶する。
【0043】
受信リモート受信フレーム数情報は、第2の通信装置12から受信した上記保守用フレームに含まれるリモート受信フレーム数情報(RxFCb)である。
【0044】
後述するように、このリモート受信フレーム数情報は、第2の通信装置12が第1の通信装置11から受信したデータ用フレームの数を表す情報であり、且つ、第2の通信装置12によって取得された情報である。即ち、このリモート受信フレーム数情報は、第2の通信装置12にとっての受信時ローカル受信フレーム数情報である。
【0045】
また、後述するように、フレーム数情報記憶部22は、第2の通信装置12から上記保守用フレームを受信した場合、当該保守用フレームに含まれるリモート受信フレーム数情報を、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて、受信リモート受信フレーム数情報として記憶する。
【0046】
受信ローカル送信フレーム数情報は、第2の通信装置12から受信した上記保守用フレームに含まれるローカル送信フレーム数情報(TxFCb)である。
【0047】
後述するように、このローカル送信フレーム数情報は、第1の通信装置11から第2の通信装置12へ送信されたデータ用フレームの数を表す情報であり、第1の通信装置11によって取得された情報であり、且つ、第1の通信装置11から第2の通信装置12へ送信された保守用フレームに含まれていた情報である。即ち、このローカル送信フレーム数情報は、第2の通信装置12にとっての受信リモート送信フレーム数情報である。
【0048】
また、後述するように、フレーム数情報記憶部22は、第2の通信装置12から上記保守用フレームを受信した場合、当該保守用フレームに含まれるローカル送信フレーム数情報を、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて、受信ローカル送信フレーム数情報として記憶する。
【0049】
保守用フレームスケジューラ部23は、フレームロスを算出する対象となるVLANのそれぞれを識別するためのフロー識別情報を予め記憶している。本例では、保守用フレームスケジューラ部23は、第1の子VLAN〜第3の子VLANのそれぞれを識別するためのフロー識別情報を予め記憶している。
【0050】
保守用フレームスケジューラ部23は、予め設定された送信周期(本例では、3.3ms)が経過する毎に、記憶されているフロー識別情報の中から、ラウンドロビン方式に従って、1つのフロー識別情報を選択する。そして、保守用フレームスケジューラ部23は、選択されたフロー識別情報を含み、且つ、保守用フレームを生成する旨を指示する生成指示を保守用フレーム生成部24へ出力する。なお、保守用フレームスケジューラ部23は、送信周期を変更可能に構成されていてもよい。
【0051】
保守用フレーム生成部24は、保守用フレームスケジューラ部23により生成指示が出力された場合、第1の通信装置11と第2の通信装置12との間の通信を保守するための保守用フレームを生成する。
【0052】
具体的には、保守用フレーム生成部24は、生成指示に含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されている、ローカル送信フレーム数情報、受信時ローカル受信フレーム数情報、及び、受信リモート送信フレーム数情報を取得する。
【0053】
そして、保守用フレーム生成部24は、図3に示したように、保守する通信の通信先(本例では、第2の通信装置12)を識別するための保守通信先識別情報(MEP ID)と、代表VLANを識別するためのVLAN識別情報と、生成指示に含まれるフロー識別情報(FLOW ID)と、取得された、ローカル送信フレーム数情報(TxFCf)、受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCb)、及び、受信リモート送信フレーム数情報(TxFCb)と、を含む保守用フレームを生成する。
【0054】
保守用フレーム生成部24は、生成された保守用フレームを送信フレーム調停部25へ出力する。
【0055】
送信フレーム調停部25は、送信フレーム数取得部21によりデータ用フレームが出力された場合、当該データ用フレームを、当該データ用フレームを受信するために用いられたVLAN(即ち、当該データ用フレームに含まれるVLAN識別情報により識別されるVLAN)において、第2の通信装置12へ送信する。
【0056】
更に、送信フレーム調停部25は、保守用フレーム生成部24により保守用フレームが出力された場合、代表VLANにおいて第2の通信装置12との間で通信セッション(本例では、OAM(Operations, Administration and Maintenance)セッション)を確立する。
【0057】
そして、送信フレーム調停部25は、確立された通信セッションを介して、上記保守用フレームを第2の通信装置12へ送信する。
【0058】
なお、送信フレーム調停部25は、データ用フレーム、及び、保守用フレームの両方が同時に出力された場合、保守用フレームをデータ用フレームに優先して送信する。
このようにして、送信フレーム調停部25は、データ用フレーム、及び、保守用フレームの調停を行う。
【0059】
受信フレーム数取得部26は、複数のVLANの任意の1つにおいて、第2の通信装置12を経由した(即ち、第2の通信装置12からの)フレームを受信する。
【0060】
受信フレーム数取得部26は、データ用フレームが受信された場合、当該データ用フレームを受信するために用いられたVLANを識別するためのフロー識別情報を特定する。
【0061】
そして、受信フレーム数取得部26は、特定されたフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されているローカル受信フレーム数情報が表す受信フレーム数に1を加算することにより当該ローカル受信フレーム数情報を更新する。なお、本例では、受信フレーム数取得部26は、フレーム数情報記憶部22にローカル受信フレーム数情報が記憶されていない場合、1を表すローカル受信フレーム数情報をフレーム数情報記憶部22に記憶させる。
【0062】
受信フレーム数取得部26は、受信されたデータ用フレームを、当該データ用フレームを受信するために用いられたVLANにおいて、当該データ用フレームに含まれる宛先アドレスへ送信する。
【0063】
保守用フレーム取得部27は、受信フレーム数取得部26により保守用フレームが受信された場合において、当該保守用フレームに含まれる保守通信先識別情報により識別される通信先が自装置(第1の通信装置11)でないとき、当該保守用フレームを、代表VLANにおいて、当該保守用フレームに含まれる宛先アドレスへ送信する。
【0064】
一方、保守用フレーム取得部27は、受信フレーム数取得部26により保守用フレームが受信された場合において、当該保守用フレームに含まれる保守通信先識別情報により識別される通信先が自装置であるとき、下記の記憶処理を実行する。
【0065】
記憶処理は、保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されているローカル受信フレーム数情報を、当該フロー識別情報と対応付けて、受信時ローカル受信フレーム数情報としてフレーム数情報記憶部22に記憶させる処理を含む。
【0066】
更に、記憶処理は、保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて、当該保守用フレームに含まれるリモート送信フレーム数情報(TxFCf)(第2の通信装置12にとってのローカル送信フレーム数情報)を受信リモート送信フレーム数情報としてフレーム数情報記憶部22に記憶させる処理を含む。
【0067】
加えて、記憶処理は、保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて、当該保守用フレームに含まれるリモート受信フレーム数情報(RxFCb)(第2の通信装置12にとっての受信時ローカル受信フレーム数情報)を受信リモート受信フレーム数情報としてフレーム数情報記憶部22に記憶させる処理を含む。
【0068】
更に、記憶処理は、保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けて、当該保守用フレームに含まれるローカル送信フレーム数情報(TxFCb)(第2の通信装置12にとっての受信リモート送信フレーム数情報)を受信ローカル送信フレーム数情報としてフレーム数情報記憶部22に記憶させる処理を含む。
【0069】
フレームロス算出部28は、受信フレーム数取得部26により保守用フレームが受信された場合において、当該保守用フレームに含まれる保守通信先識別情報により識別される通信先が自装置であるとき、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANにおける、リモート側フレームロス、及び、ローカル側フレームロス、のそれぞれを算出する。
【0070】
また、リモート側フレームロスは、第1の通信装置11から第2の通信装置12へ送信されたデータ用フレームが消失した数である。
ローカル側フレームロスは、第2の通信装置12から第1の通信装置11へ送信されたデータ用フレームが消失した数である。
【0071】
先ず、リモート側フレームロスを算出する方法について説明する。
フレームロス算出部28は、今回受信された保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されている、受信リモート受信フレーム数情報のうちの、前回受信保守用フレームに含まれていた情報(前回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tp]))を取得する。ここで、前回受信保守用フレームは、今回受信された保守用フレームに含まれるフロー識別情報と同一のフロー識別情報を含む保守用フレームのうちの前回受信された保守用フレームである。
【0072】
更に、フレームロス算出部28は、今回受信された保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されている、受信ローカル送信フレーム数情報のうちの、前回受信保守用フレームに含まれていた情報(前回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tp]))を取得する。
【0073】
なお、本例では、フレームロス算出部28は、前回受信保守用フレームに含まれていた情報がフレーム数情報記憶部22に記憶されていない場合、当該情報として0を表す情報を用いる。
【0074】
加えて、フレームロス算出部28は、今回受信された保守用フレームに含まれるリモート受信フレーム数情報(RxFCb)を今回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tc])として取得する。
【0075】
更に、フレームロス算出部28は、今回受信された保守用フレームに含まれるローカル送信フレーム数情報(TxFCb)を今回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tc])として取得する。
【0076】
そして、フレームロス算出部28は、数式1と、上記取得された、前回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tp])、前回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tp])、今回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tc])、及び、今回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tc])と、に基づいて、リモート側フレームロスFLfarを算出する。
【数1】

【0077】
なお、リモート側フレームロスの算出においては、受信リモート受信フレーム数情報、及び、受信ローカル送信フレーム数情報のそれぞれがフレーム数情報を構成している。
【0078】
次に、ローカル側フレームロスを算出する方法について説明する。
フレームロス算出部28は、上記保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されている、受信時ローカル受信フレーム数情報のうちの、前回受信保守用フレームが受信された時点にて記憶された情報(前回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tp]))を取得する。
【0079】
更に、フレームロス算出部28は、上記保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されている、受信リモート送信フレーム数情報のうちの、前回受信保守用フレームに含まれていた情報(前回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tp]))を取得する。
【0080】
なお、本例では、フレームロス算出部28は、前回受信保守用フレームが受信された時点にて記憶された情報がフレーム数情報記憶部22に記憶されていない場合、当該情報として0を表す情報を用いる。
【0081】
加えて、フレームロス算出部28は、今回、保守用フレームが受信された時点にて、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報と対応付けてフレーム数情報記憶部22に記憶されているローカル受信フレーム数情報を、今回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tc])として取得する。
【0082】
更に、フレームロス算出部28は、今回受信された保守用フレームに含まれるリモート送信フレーム数情報(TxFCf)を今回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tc])として取得する。
【0083】
そして、フレームロス算出部28は、数式2と、上記取得された、前回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tp])、前回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tp])、今回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tc])、及び、今回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tc])と、に基づいて、ローカル側フレームロスFLnearを算出する。
【数2】

【0084】
なお、ローカル側フレームロスの算出においては、受信時ローカル受信フレーム数情報、及び、受信リモート送信フレーム数情報のそれぞれがフレーム数情報を構成している。
【0085】
第2の通信装置12の機能は、第1の通信装置11の機能と同様である。第2の通信装置12の機能は、第1の通信装置11の機能の説明において、第1の通信装置11と第2の通信装置12とを置換することにより、説明される。
【0086】
なお、第1の通信装置11が備える送信フレーム数取得部21は、第1の送信フレーム数取得手段、及び、フレーム数取得手段のそれぞれを構成している。
また、第2の通信装置12が備える送信フレーム数取得部21は、第2の送信フレーム数取得手段、及び、フレーム数取得手段のそれぞれを構成している。
【0087】
更に、第1の通信装置11が備える受信フレーム数取得部26は、第2の受信フレーム数取得手段、及び、フレーム数取得手段のそれぞれを構成している。
また、第2の通信装置12が備える受信フレーム数取得部26は、第1の受信フレーム数取得手段、及び、フレーム数取得手段のそれぞれを構成している。
【0088】
更に、第1の通信装置11が備える送信フレーム調停部25は、通信セッション確立手段を構成している。同様に、第2の通信装置12が備える送信フレーム調停部25は、通信セッション確立手段を構成している。
【0089】
更に、第1の通信装置11が備える、保守用フレームスケジューラ部23、保守用フレーム生成部24、及び、送信フレーム調停部25は、第1の保守用フレーム送信手段、第2の保守用フレーム送信手段、及び、保守用フレーム送信手段、のそれぞれを構成している。
【0090】
同様に、第2の通信装置12が備える、保守用フレームスケジューラ部23、保守用フレーム生成部24、及び、送信フレーム調停部25は、第1の保守用フレーム送信手段、第2の保守用フレーム送信手段、及び、保守用フレーム送信手段、のそれぞれを構成している。
【0091】
更に、第1の通信装置11が備えるフレームロス算出部28は、第1のフレームロス算出手段、第2のフレームロス算出手段、及び、フレームロス算出手段、のそれぞれを構成している。
【0092】
同様に、第2の通信装置12が備えるフレームロス算出部28は、第1のフレームロス算出手段、第2のフレームロス算出手段、及び、フレームロス算出手段、のそれぞれを構成している。
【0093】
(作動)
次に、上述した通信システム1の作動について図4を参照しながら説明する。
先ず、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12は、両者の間で、保守用フレームを送受信するための通信セッションを、代表VLANにおいて確立する。
【0094】
その後、第1の通信装置11は、第1の子VLANに対する保守用フレーム(即ち、第1の子VLANを識別するためのフロー識別情報を含む保守用フレーム)を、確立された通信セッションを介して第2の通信装置12へ送信する(ステップS101)。
【0095】
一方、第2の通信装置12は、第1の通信装置11により送信された保守用フレームを受信する。そして、第2の通信装置12は、第1の子VLANに対するフレームロス(リモート側フレームロス、及び、ローカル側フレームロス)を算出する(ステップS102)。
【0096】
次いで、第2の通信装置12は、第1の子VLANに対する保守用フレームを、確立された通信セッションを介して第1の通信装置11へ送信する(ステップS103)。一方、第1の通信装置11は、第2の通信装置12により送信された保守用フレームを受信する。そして、第1の通信装置11は、第1の子VLANに対するフレームロスを算出する(ステップS104)。
【0097】
第1の子VLANに対する保守用フレームを送信してから送信周期が経過すると、第1の通信装置11は、第2の子VLANに対する保守用フレームを、確立された通信セッションを介して第2の通信装置12へ送信する(ステップS105)。一方、第2の通信装置12は、第1の通信装置11により送信された保守用フレームを受信する。そして、第2の通信装置12は、第2の子VLANに対するフレームロスを算出する(ステップS106)。
【0098】
第1の子VLANに対する保守用フレームを送信してから送信周期が経過すると、第2の通信装置12は、第2の子VLANに対する保守用フレームを、確立された通信セッションを介して第1の通信装置11へ送信する(ステップS107)。一方、第1の通信装置11は、第2の通信装置12により送信された保守用フレームを受信する。そして、第1の通信装置11は、第2の子VLANに対するフレームロスを算出する(ステップS108)。
【0099】
次いで、通信システム1は、ステップS105〜ステップS108と同様の処理を、第3の子VLANに対しても実行する(ステップS109〜ステップS112)。その後、通信システム1は、ステップS101〜ステップS104と同様の処理を、第1の子VLANに対して、再び実行する(ステップS113〜ステップS116)。
【0100】
このように、通信システム1は、ラウンドロビン方式に従って、第1の子VLAN〜第3の子VLANのそれぞれに対して順に、ステップS101〜ステップS104と同様の処理を繰り返し実行する。
【0101】
ここで、ステップS116の処理において、第1の通信装置11がフレームロスを算出するために用いるフレーム数情報について説明する。
【0102】
図5は、上記フレーム数情報が取得された時点、及び、上記フレーム数情報が第1の通信装置11と第2の通信装置12との間で授受される時点を概念的に示したタイムチャートである。
【0103】
第1の通信装置11がリモート側フレームロスFLfarを算出するために用いるフレーム数情報は、前回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tp])、前回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tp])、今回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tc])、及び、今回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tc])である。
【0104】
前回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tp])は、ステップS101にて第1の通信装置11により送信された保守用フレームが、第2の通信装置12によって受信された時点にて、第2の通信装置12が記憶しているローカル受信フレーム数情報(RxFCl)である。この前回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tp])は、ステップS103にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームにRxFCbとして含まれる。
【0105】
また、前回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tp])は、ステップS101にて第1の通信装置11により保守用フレームが送信された時点にて、第1の通信装置11が記憶しているローカル送信フレーム数情報(TxFCl)である。この前回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tp])は、ステップS101にて第1の通信装置11により送信された保守用フレームにTXFCfとして含まれ、その後、ステップS103にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームにTxFCbとして含まれる。
【0106】
更に、今回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tc])は、ステップS113にて第1の通信装置11により送信された保守用フレームが、第2の通信装置12によって受信された時点にて、第2の通信装置12が記憶しているローカル受信フレーム数情報(RxFCl)である。この今回受信リモート受信フレーム数情報(RxFCb[Tc])は、ステップS115にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームにRxFCbとして含まれる。
【0107】
また、今回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tc])は、ステップS113にて第1の通信装置11により保守用フレームが送信された時点にて、第1の通信装置11が記憶しているローカル送信フレーム数情報(TxFCl)である。この今回受信ローカル送信フレーム数情報(TxFCb[Tc])は、ステップS113にて第1の通信装置11により送信された保守用フレームにTXFCfとして含まれ、その後、ステップS115にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームにTxFCbとして含まれる。
【0108】
また、第1の通信装置11がローカル側フレームロスFLnearを算出するために用いるフレーム数情報は、前回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tp])、前回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tp])、今回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tc])、及び、今回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tc])である。
【0109】
前回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tp])は、ステップS103にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームが、第1の通信装置11によって受信された時点にて、第1の通信装置11が記憶しているローカル受信フレーム数情報(RxFCl)である。
【0110】
また、前回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tp])は、ステップS103にて第2の通信装置12により保守用フレームが送信された時点にて、第2の通信装置12が記憶しているローカル送信フレーム数情報(TxFCl)である。この前回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tp])は、ステップS103にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームにTXFCfとして含まれる。
【0111】
更に、今回受信時ローカル受信フレーム数情報(RxFCl[Tc])は、ステップS115にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームが、第1の通信装置11によって受信された時点にて、第1の通信装置11が記憶しているローカル受信フレーム数情報(RxFCl)である。
【0112】
また、今回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tc])は、ステップS115にて第2の通信装置12により保守用フレームが送信された時点にて、第2の通信装置12が記憶しているローカル送信フレーム数情報(TxFCl)である。この今回受信リモート送信フレーム数情報(TxFCf[Tc])は、ステップS115にて第2の通信装置12により送信された保守用フレームにTXFCfとして含まれる。
【0113】
以上、説明したように、本発明の第1実施形態に係る通信システム1によれば、複数の子VLANのそれぞれにおいて、第1の通信装置11から第2の通信装置12へ送信されたフレームが消失した数(フレームロス)を算出することができる。更に、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12は、代表VLANにおいて確立された通信セッションを介して、各子VLANに対する保守用フレームを送受信する。これにより、保守用フレームを送受信するために確立される通信セッションの数を低減することができる。即ち、保守用フレームを送受信するための処理負荷を低減することができる。
【0114】
更に、本発明の第1実施形態に係る通信システム1によれば、複数の子VLANのそれぞれにおいて、第2の通信装置12から第1の通信装置11へ送信されたフレームが消失した数(フレームロス)も算出することができる。更に、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12は、代表VLANにおいて確立された通信セッションを介して、各子VLANに対する保守用フレームを送受信する。これにより、保守用フレームを送受信するために確立される通信セッションの数を低減することができる。即ち、保守用フレームを送受信するための処理負荷を低減することができる。
【0115】
なお、第1実施形態に係る通信システム1においては、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12の両方がフレームロスを算出するように構成されていたが、第1の通信装置11、及び、第2の通信装置12のいずれか一方のみがフレームロスを算出するように構成されていてもよい。
【0116】
また、第1実施形態に係る通信システム1は、フレームロスとして、リモート側フレームロス、及び、ローカル側フレームロスの両方を算出するように構成されていたが、リモート側フレームロス、及び、ローカル側フレームロスのいずれか一方のみを算出するように構成されていてもよい。
【0117】
また、第1実施形態に係る通信システム1は、複数のVLANの一部(本例では、複数の子VLAN)に対してのみフレームロスを算出するように構成されていたが、複数のVLANのすべてに対してフレームロスを算出するように構成されていてもよい。
【0118】
また、第1実施形態に係る通信システム1は、代表VLANとして親VLANを用いるように構成されていたが、第1の子VLAN〜第3の子VLANのいずれか1つを代表VLANとして用いるように構成されていてもよい。
【0119】
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態に係る通信システムについて図6を参照しながら説明する。
第2実施形態に係る通信システム100は、
第1の通信装置110、及び、第2の通信装置120を含み、且つ、当該第1の通信装置110、及び、当該第2の通信装置120を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築されたシステムである。
【0120】
更に、上記第1の通信装置110は、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて上記第2の通信装置120へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の送信フレーム数取得部(第1の送信フレーム数取得手段)111を備える。
【0121】
加えて、上記第2の通信装置120は、
上記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて上記第1の通信装置110から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の受信フレーム数取得部(第1の受信フレーム数取得手段)121を備える。
【0122】
上記第1の通信装置110、及び、上記第2の通信装置120のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置は、
上記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、上記第1の通信装置110、及び、上記第2の通信装置120のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立部(通信セッション確立手段)131と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、上記第1の保守用フレーム受信装置へ上記確立された通信セッションを介して送信する第1の保守用フレーム送信部(第1の保守用フレーム送信手段)132と、
を備える。
【0123】
上記第1の保守用フレーム受信装置は、
上記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して上記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて上記第1の通信装置110から上記第2の通信装置120へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する第1のフレームロス算出部(第1のフレームロス算出手段)133を備える。
【0124】
これによれば、複数のVLANのそれぞれにおいて、第1の通信装置110から第2の通信装置120へ送信されたフレームが消失した数(フレームロス)を算出することができる。更に、第1の通信装置110、及び、第2の通信装置120は、代表VLANにおいて確立された通信セッションを介して、各VLANに対する保守用フレームを送受信する。これにより、保守用フレームを送受信するために確立される通信セッションの数を低減することができる。即ち、保守用フレームを送受信するための処理負荷を低減することができる。
【0125】
以上、上記実施形態を参照して本願発明を説明したが、本願発明は、上述した実施形態に限定されるものではない。本願発明の構成及び詳細に、本願発明の範囲内において当業者が理解し得る様々な変更をすることができる。
【0126】
なお、上記各実施形態において通信装置11,12,…の各機能は、回路等のハードウェアにより実現されていた。ところで、通信装置11,12,…のそれぞれは、処理装置と、プログラム(ソフトウェア)を記憶する記憶装置と、を備えるとともに、処理装置がそのプログラムを実行することにより、各機能を実現するように構成されていてもよい。この場合、プログラムは、コンピュータが読み取り可能な記録媒体に記憶されていてもよい。例えば、記録媒体は、フレキシブルディスク、光ディスク、光磁気ディスク、及び、半導体メモリ等の可搬性を有する媒体である。
【0127】
また、上記実施形態の他の変形例として、上述した実施形態及び変形例の任意の組み合わせが採用されてもよい。
【0128】
<付記>
上記実施形態の一部又は全部は、以下の付記のように記載され得るが、以下には限られない。
【0129】
(付記1)
第1の通信装置、及び、第2の通信装置を含み、且つ、当該第1の通信装置、及び、当該第2の通信装置を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築された通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の送信フレーム数取得手段を備え、
前記第2の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の受信フレーム数取得手段を備え、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置は、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する第1の保守用フレーム送信手段と、
を備え、
前記第1の保守用フレーム受信装置は、
前記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から前記第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する第1のフレームロス算出手段を備える、通信システム。
【0130】
これによれば、複数のVLANのそれぞれにおいて、第1の通信装置から第2の通信装置へ送信されたフレームが消失した数(フレームロス)を算出することができる。更に、第1の通信装置、及び、第2の通信装置は、代表VLANにおいて確立された通信セッションを介して、各VLANに対する保守用フレームを送受信する。これにより、保守用フレームを送受信するために確立される通信セッションの数を低減することができる。即ち、保守用フレームを送受信するための処理負荷を低減することができる。
【0131】
(付記2)
付記1に記載の通信システムであって、
前記第2の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第2の送信フレーム数取得手段を備え、
前記第1の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第2の受信フレーム数取得手段を備え、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第2の保守用フレーム送信装置は、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第2の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する第2の保守用フレーム送信手段を備え、
前記第2の保守用フレーム受信装置は、
前記第2の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する第2のフレームロス算出手段を備える、通信システム。
【0132】
これによれば、複数のVLANのそれぞれにおいて、第2の通信装置から第1の通信装置へ送信されたフレームが消失した数(フレームロス)も算出することができる。更に、第1の通信装置、及び、第2の通信装置は、代表VLANにおいて確立された通信セッションを介して、各VLANに対する保守用フレームを送受信する。これにより、保守用フレームを送受信するために確立される通信セッションの数を低減することができる。即ち、保守用フレームを送受信するための処理負荷を低減することができる。
【0133】
(付記3)
付記1又は付記2に記載の通信システムであって、
前記複数のVLANのうちの前記代表VLAN以外のVLANのそれぞれは、当該代表VLANにおいて構築されている通信システム。
【0134】
(付記4)
付記1乃至付記3のいずれかに記載の通信システムであって、
前記複数のVLANのそれぞれは、当該VLANにおいて通信されるフレームが、当該VLANを識別するためのVLAN識別情報を含むことにより構築される通信システム。
【0135】
(付記5)
付記1乃至付記4のいずれかに記載の通信システムであって、
前記第1の保守用フレーム送信手段は、前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれを識別するためのフロー識別情報の中から、ラウンドロビン方式に従って、1つのフロー識別情報を選択し、当該選択されたフロー識別情報と、当該フロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む前記保守用フレームを前記第1の保守用フレーム受信装置へ送信するように構成された通信システム。
【0136】
(付記6)
第1の通信装置、及び、第2の通信装置を含み、且つ、当該第1の通信装置、及び、当該第2の通信装置を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築された通信システムに適用され、
前記第1の通信装置が、前記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記第2の通信装置が、前記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置が、前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立し、
前記第1の保守用フレーム送信装置が、VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信し、
前記第1の保守用フレーム受信装置が、前記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から前記第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、通信制御方法。
【0137】
(付記7)
付記6に記載の通信制御方法であって、
前記第2の通信装置が、前記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記第1の通信装置が、前記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第2の保守用フレーム送信装置が、VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第2の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信し、
前記第2の保守用フレーム受信装置が、前記第2の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、通信制御方法。
【0138】
(付記8)
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置であって、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得するフレーム数取得手段と、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記通信先装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する保守用フレーム送信手段と、
を備える通信装置。
【0139】
(付記9)
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置であって、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得するフレーム数取得手段と、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
前記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出するフレームロス算出手段と、
を備える通信装置。
【0140】
(付記10)
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に適用され、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記通信先装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する、通信装置制御方法。
【0141】
(付記11)
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に適用され、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
前記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、通信装置制御方法。
【0142】
(付記12)
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記通信先装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する、処理を実行させるための通信装置制御プログラム。
【0143】
(付記13)
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
前記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、処理を実行させるための通信装置制御プログラム。
【産業上の利用可能性】
【0144】
本発明は、消失したフレームの数を算出する通信システム等に適用可能である。
【符号の説明】
【0145】
1 通信システム
11,12,… 通信装置
21 送信フレーム数取得部
22 フレーム数情報記憶部
23 保守用フレームスケジューラ部
24 保守用フレーム生成部
25 送信フレーム調停部
26 受信フレーム数取得部
27 保守用フレーム取得部
28 フレームロス算出部
100 通信システム
110 第1の通信装置
111 第1の送信フレーム数取得部
120 第2の通信装置
121 第1の受信フレーム数取得部
131 通信セッション確立部
132 第1の保守用フレーム送信部
133 第1のフレームロス算出部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置、及び、第2の通信装置を含み、且つ、当該第1の通信装置、及び、当該第2の通信装置を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築された通信システムであって、
前記第1の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の送信フレーム数取得手段を備え、
前記第2の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第1の受信フレーム数取得手段を備え、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置は、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する第1の保守用フレーム送信手段と、
を備え、
前記第1の保守用フレーム受信装置は、
前記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から前記第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する第1のフレームロス算出手段を備える、通信システム。
【請求項2】
請求項1に記載の通信システムであって、
前記第2の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第2の送信フレーム数取得手段を備え、
前記第1の通信装置は、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得する第2の受信フレーム数取得手段を備え、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第2の保守用フレーム送信装置は、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第2の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する第2の保守用フレーム送信手段を備え、
前記第2の保守用フレーム受信装置は、
前記第2の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第2の通信装置から前記第1の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する第2のフレームロス算出手段を備える、通信システム。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の通信システムであって、
前記複数のVLANのうちの前記代表VLAN以外のVLANのそれぞれは、当該代表VLANにおいて構築されている通信システム。
【請求項4】
第1の通信装置、及び、第2の通信装置を含み、且つ、当該第1の通信装置、及び、当該第2の通信装置を経由する、複数のVLAN(Virtual Local Area Network)が構築された通信システムに適用され、
前記第1の通信装置が、前記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第2の通信装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記第2の通信装置が、前記複数のVLANのそれぞれに対して、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの一方である第1の保守用フレーム送信装置が、前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記第1の通信装置、及び、前記第2の通信装置のうちの他方である第1の保守用フレーム受信装置との間で通信セッションを確立し、
前記第1の保守用フレーム送信装置が、VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記第1の保守用フレーム受信装置へ前記確立された通信セッションを介して送信し、
前記第1の保守用フレーム受信装置が、前記第1の保守用フレーム送信装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記第1の通信装置から前記第2の通信装置へ送信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、通信制御方法。
【請求項5】
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置であって、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得するフレーム数取得手段と、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記通信先装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する保守用フレーム送信手段と、
を備える通信装置。
【請求項6】
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置であって、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得するフレーム数取得手段と、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立する通信セッション確立手段と、
前記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出するフレームロス算出手段と、
を備える通信装置。
【請求項7】
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に適用され、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記通信先装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する、通信装置制御方法。
【請求項8】
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に適用され、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
前記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、通信装置制御方法。
【請求項9】
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
VLANを識別するためのフロー識別情報と、当該VLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、を含む保守用フレームを、前記通信先装置へ前記確立された通信セッションを介して送信する、処理を実行させるための通信装置制御プログラム。
【請求項10】
複数のVLAN(Virtual Local Area Network)を構成する通信装置に、
前記複数のVLANの少なくとも一部のそれぞれに対して、当該VLANにおいて、前記複数のVLANを構成する他の通信装置である通信先装置へ送信したデータ用フレームの数である送信フレーム数、又は、当該通信先装置から受信したデータ用フレームの数である受信フレーム数を表すフレーム数情報を取得し、
前記複数のVLANの1つである代表VLANにおいて、前記通信先装置との間で通信セッションを確立し、
前記通信先装置から受信した保守用フレームに含まれるフレーム数情報と、当該保守用フレームに含まれるフロー識別情報により識別されるVLANに対して前記取得されたフレーム数情報と、に基づいて、当該VLANにおいて前記通信先装置との間で通信されたデータ用フレームが消失した数を算出する、処理を実行させるための通信装置制御プログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−42363(P2013−42363A)
【公開日】平成25年2月28日(2013.2.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−177901(P2011−177901)
【出願日】平成23年8月16日(2011.8.16)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】