説明

通信システム、通信方法及びプログラム

【課題】通信が行われる通信端末相互間の設定を容易に行うことを可能とする。
【解決手段】2台のデジタルカメラ10相互間で通信を行う際に、送信元のデジタルカメラ10について、送信対象画像の設定、送信枚数の設定、及び通信規格の選択が行われた場合に、送信元のデジタルカメラに、送信対象画像に重ねて、選択された通信規格に応じたマークなど表示させる。そして、ユーザによって、送信先のデジタルカメラ10による送信元のデジタルカメラ10の表示部32の撮影が行われると、この送信先のデジタルカメラ10は、撮影した画像に基づいて最適な通信規格を選択し、所定の枚数の送信対象画像を受信する。したがって、送信先となるデジタルカメラ10のユーザは、送信元のデジタルカメラ10の表示部32を撮影するだけで、通信に必要な操作や、認証に必要なコードなどの情報を入力することなく、画像を取得することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システム、通信方法及びプログラムに関し、更に詳しくは、送信端末と受信端末とを有する通信システム、送信端末と受信端末との間で情報を通信するための通信方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
デジタルカメラや、撮影機能を有する携帯電話で撮影された画像を、例えばブルートゥース(Bluetooth)、無線LAN(Local Area Network)、或いはIrDA(Infrared Data Association)などの通信規格に基づいて、他の受信端末に送信する場合には、送信元の機器と送信先の機器の双方において、通信に関する所定の設定を行う必要がある。例えば、送信元の通信端末のユーザが、送信対象となる画像を選択し、通信規格の選択を行った後に、送信先の通信端末のユーザは、送信元の通信端末において選択された通信規格を選択するための操作を行って、通信端末相互間の通信規格を一致させる必要がある。
【0003】
一般に、通信端末に対する操作を完結するためには、例えば機能画面の表示を実行するためのコマンドや、特定の機能を選択するためのコマンドなど、複数のコマンドを通信端末に入力する必要がある。特に通信端末は、携帯性が重視されているため、この種の操作は、ある程度煩雑な作業となることが多い。そこで、この種の複数のコマンドからなる操作を、容易に行うための技術が種々提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−25075号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載された技術は、例えば、複数の記号や文字列で表された操作内容を撮影して通信端末に取り込むことで、複数のコマンドを通信端末に入力することなく、特定の操作を完結することを可能とする技術である。しかしながら、この技術では、操作内容が表示された媒体が必要となるため、携帯端末間で、通信方式等を統一させるなどの操作には適用することが困難である。
【0006】
本発明は、上述の事情の下になされたもので、通信が行われる通信端末相互間の設定を容易に行うことを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明の通信システムは、送信する画像とともに、前記画像を送信するための通信情報を表示する表示手段を有する送信端末と、前記表示手段に表示された画像から取得した前記通信情報を用いて、前記送信端末からの情報を受信する受信端末と、を備える。
【0008】
また、前記受信端末は、前記表示手段が表示した画像を撮影する撮影手段を備え、前記撮影手段によって撮影された画像から前記通信情報を取得することとしてもよい。
【0009】
また、前記通信情報は、前記送信端末の通信方式に関する情報を含み、前記受信端末は、前記通信方式に関する情報に基づいて前記送信端末からの情報を受信するための通信方式を選択することとしてもよい。
【0010】
また、前記通信情報は、前記送信端末と前記受信端末との間の認証情報を含み、前記送信端末は、前記画像を送信する前に、前記認証情報に基づく認証を実行することとしてもよい。
【0011】
また、前記通信情報は、通信情報の内容に応じた文字、数字、又は図形であることとしてもよい。
【0012】
また、前記通信情報は、前記画像に重なって表示されることとしてもよい。
【0013】
また、前記表示手段は、前記通信情報と、前記画像とを交互に表示することとしてもよい。
【0014】
また、前記通信情報は、送信する画像の数を含むこととしてもよい。
【0015】
上記目的を達成するために、本発明の通信方法は、送信端末と受信端末との間で情報を通信するための通信方法であって、前記送信端末に、送信する画像とともに、前記画像を送信するための通信情報を表示させる工程と、前記受信端末に、前記送信端末が表示した画像から前記通信情報を取得させる工程と、を含む。
【0016】
上記目的を達成するために、本発明のプログラムは、送信端末の制御手段に、送信する画像とともに、前記画像を送信するための通信情報を表示する手順を実行させる。
【0017】
また、本発明のプログラムは、受信端末の制御手段に、送信端末が表示した画像から、通信情報を取得する手順を実行させる。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、通信が行われる通信端末相互間の設定を容易に行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施形態に係るデジタルカメラのブロック図である。
【図2】デジタルカメラの表示部を示す図である。
【図3】情報を送信するデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】情報を受信するデジタルカメラの動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】マークの変形例を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図1〜図4を参照しつつ説明する。図1は本実施形態に係るデジタルカメラ10の概略的な構成を示すブロック図である。図1に示されるように、デジタルカメラ10は、撮影ユニット31、表示部32、表示バッファ33、コマンド画像作成部34、通信部35、コマンド画像抽出部36、コマンド画像解析部37、コマンド入力部38、上記各部を統括的に制御する制御部20、及び制御部20と表示部32等を接続するバス21を備えている。
【0021】
撮影ユニット31は、被写体を撮影することにより取得した画像を電気信号に変換して出力するユニットである。この撮影ユニット31では、光学系を介して入射する光が、CCDセンサ(Charge Coupled Device)或いはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサなどにより電気信号に変換され、制御部20へ出力される。
【0022】
表示部32は、例えばLCD(Liquid Crystal Display)などを含んで構成されている。この表示部32は、制御部20の指示により、表示バッファ33に蓄積された画像データに基づく画像を表示する。
【0023】
表示バッファ33は、撮影ユニット31から、制御部20を介して供給される画像データ、コマンド画像作成部34によって作成された画像データを順次保存する。
【0024】
コマンド画像作成部34は、ユーザがコマンド入力部38を介して入力したコマンドに応じた画像(以下、コマンド画像ともいう)を作成し、作成したコマンド画像に関するデータを出力する。
【0025】
通信部35は、例えば、無線LANインターフェイス、ブルートゥースユニット、IrDAユニットなどを含んで構成されている。そして、ブルートゥース、IrDAなどの通信規格に基づいて、他の情報通信機器と通信を行う。
【0026】
コマンド画像抽出部36は、制御部20の指示に基づいて、撮影ユニット31によって撮影された画像を参照し、参照した画像に所定のコマンドを表すコマンド画像が含まれている場合には、このコマンド画像を抽出する。
【0027】
コマンド画像解析部37は、制御部20の指示に基づいて、コマンド画像抽出部36によって抽出されたコマンド画像を解析し、当該コマンド画像に対応するコマンドの意味内容を特定する。
【0028】
コマンド入力部38は、図2を参照するとわかるように、デジタルカメラ10を駆動するための電源スイッチ、被写体の撮影を指示するためのシャッターボタン、光学系の焦点距離を設定するためのズームキー、撮影した画像データを管理するための各種ボタンスイッチなどを含んで構成されている。ユーザは、このコマンド入力部38を介して、デジタルカメラ10を操作することができる。
【0029】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)、CPUの作業領域として機能するRAM(Random Access Memory)等からなる主記憶部、ROM(Read Only Memory)、磁気ディスク等の不揮発性メモリから構成される補助記憶部などから構成されている。
【0030】
この制御部20は、補助記憶部に記憶されている各種パラメータやプログラムに従って、撮影ユニット31を制御して被写体を撮影する。そして、コマンド入力部38から入力されたユーザの指示に基づいて、各部を制御して、撮影ユニット31によって撮影された画像を他の受信端末に送信する。また、撮影ユニット31によって撮影された画像に、所定のコマンドを示すコマンド画像が含まれている場合には、コマンド画像に応じた処理を実行する。これにより、例えばデジタルカメラ10は、このデジタルカメラ10と同等の機能を有するデジタルカメラ10との間で、容易に撮影した画像の送信、及び受信を行うことができる。
【0031】
なお、上述の本実施形態に係るデジタルカメラ10では、制御部20が、コマンド画像作成部34、コマンド画像抽出部36、コマンド画像解析部37を制御する構成としたが、この構成に限定されず、制御部20が、補助記憶部に記憶されている各種パラメータやプログラムに従って、コマンド画像作成部34、コマンド画像抽出部36、コマンド画像解析部37の一部又は全ての機能を実現してもよい。また、制御部20に接続された画像処理プロセッサなどにおいて、コマンド画像作成部34、コマンド画像抽出部36、コマンド画像解析部37の一部又は全ての機能を実現してもよい。
【0032】
以下、図3及び図4を参照しつつ、送信元のデジタルカメラ10と送信先のデジタルカメラ10との間の画像の送受信について説明する。なお、以下の説明では、便宜上送信元のデジタルカメラ10をデジタルカメラ10と、送信先のデジタルカメラ10をデジタルカメラ10と表示する。また、デジタルカメラ10,10を構成する各部については例えば制御部10、或いは制御部10などと表示する。
【0033】
図3のフローチャートは、画像を送信する側の通信端末としてのデジタルカメラ10によって実行されるプログラムに対応したフローチャートである。また、図4のフローチャートは、画像を受信する側の通信端末としてのデジタルカメラ10によって実行されるプログラムに対応したフローチャートである。
【0034】
デジタルカメラ10の制御部20、及びデジタルカメラ10の制御部20それぞれは、ユーザによって電源スイッチがオンにされると、それぞれ図3或いは図4に示されるフローチャートに示される処理を実行する。
【0035】
まず、デジタルカメラ10の制御部20は、最初のステップS201で、ユーザからの指令の有無を確認する。例えば、ユーザがコマンド入力部38を操作することによって、送信の対象となる送信対象画像及び送信枚数を入力し、ブルートゥース、IrDA等の通信規格を選択した場合には、ステップS201での判断が肯定される。一方、送信対象画像、送信枚数、及び通信規格のうちのいずれかが入力されていない場合には、ステップS201での判断は否定される。制御部20は、ここでの判断が肯定されると次のステップS202へ移行する。
【0036】
ステップS202では、制御部20は、ユーザからの入力に応じて、送信対象となる画像を選択する。そして、制御部20は、送信対象画像に関する情報を表示バッファ33へ格納する。これにより、送信対象画像が表示部32に表示される。
【0037】
次のステップS203では、制御部20は、ユーザからの入力に応じて、送信対象となる画像の送信すべき枚数を決定する。
【0038】
次のステップS204では、制御部20は、コマンド画像作成部34にコマンド画像の作成を指示する。コマンド画像作成部34は、ユーザの入力に対応するコマンドに対応したコマンド画像を作成し、このコマンド画像に関する情報を表示バッファ33へ格納する。例えば、ユーザによって、通信規格としてブルートゥースが選択された場合には、コマンド画像作成部34は、通信規格としてブルートゥースが選択されたことを意味するマークM1に関する画像情報を作成し、表示バッファ33へ格納する。これにより、一例として図2を参照するとわかるように、マークM1が、表示部32に表示された送信対象画像に重畳された状態で表示される。
【0039】
また、コマンド画像作成部34は、送信対象画像を3枚送信することを意味するコマンド画像M2に関する画像情報を作成し、表示バッファ33へ格納する。これにより、図2を参照するとわかるように、コマンド画像M2が、表示部32に表示された送信対象画像に重畳された状態で表示される。
【0040】
次のステップS205では、制御部20は、通信部35に、デジタルカメラ10からの通信接続要求の待ち受けを指示する。そして、通信部35が、デジタルカメラ10からの通信接続要求を受信すると(ステップS205:Yes)、制御部20は、次のステップS206へ移行する。これにより、デジタルカメラ10とデジタルカメラ10との間の通信が開始される。
【0041】
一方、デジタルカメラ10の制御部20は、ユーザによって電源スイッチがオンにされると、ユーザによる撮影の準備を行う。そして、ユーザによってデジタルカメラ10のシャッターボタンが押下されると、撮影ユニット31に撮影を指示する。そして、制御部20は、撮影結果としての画像が、図2に示されるデジタルカメラ10の表示部32であると判断した場合には(ステップS301:Yes)、次のステップS302へ移行する。
【0042】
次のステップS302では、制御部20は、コマンド画像抽出部36に、コマンド画像の抽出を指示する。コマンド画像抽出部36は、デジタルカメラ10によって撮影された画像に含まれるすべてのコマンド画像の抽出を行う。例えば、コマンド画像の抽出は、予めデジタルカメラ10にコマンド画像に対応したテンプレートを記憶させておき、撮影して得られた画像に対してテンプレートマッチング処理を行うことにより実現できる。本実施形態では、例えば図2に示されるマークM1の画像、及びマークM2の画像が抽出される。
【0043】
次のステップS303では、制御部20は、コマンド画像解析部37に、コマンド画像の解析を指示する。コマンド画像解析部37は、ステップS302で抽出されたコマンド画像の解析を行い、コマンド画像に対応するコマンドを特定する。例えば、コマンド画像解析部37は、マークM1の画像の解析により、デジタルカメラ10の制御部20は、通信規格としてブルートゥースを選択したことを把握する。また、コマンド画像解析部37は、マークM2の画像の解析により、デジタルカメラ10の制御部20は、送信対象となる画像を3枚送信する準備をしたことを把握する。
【0044】
次のステップS304では、制御部20は、通信部35に、デジタルカメラ10へのアクセスを指示する。通信部35は、ステップS303での解析結果に基づいて、通信規格としてブルートゥースを選択し、デジタルカメラ10にアクセスする。これにより、デジタルカメラ10とデジタルカメラ10とが接続される。次に、通信部35は、ステップS303での解析結果を、デジタルカメラ10に通知する。なお、解析結果とは、例えばマークM1及びマークM2に対応するコマンドの内容等である。
【0045】
デジタルカメラ10の制御部20は、ステップS206で、デジタルカメラ10の制御部20によって通知された解析結果としてのマークM1及びマークM2に対応するコマンドの内容が、デジタルカメラ10の表示部32に表示されているマークM1及びマークM2のコマンド内容と一致するか否かを判断する。制御部20によって通知された解析結果としてのマークM1及びマークM2に対応するコマンドの内容が、デジタルカメラ10の表示部32に表示されているマークM1及びマークM2のコマンド内容と一致する場合には、ステップS206での判断が肯定され、一致しない場合には、ステップS206での判断が否定される。制御部20は、ステップS206での判断が否定された場合には(ステップS206:No)、通信接続を切断した後、処理を終了する。また、ステップS206での判断が肯定された場合には(ステップS206:Yes)、制御部20は、次のステップS207へ移行する。
【0046】
次のステップS207では、制御部20は、通信部35に送信対象画像の送信を指示する。通信部35は、所定枚数の送信対象画像の送信を実行する。
【0047】
次のステップS208では、制御部20は、通信部35による送信対象画像の送信の実行が終了したか否かを判断する。通信部35による送信が完了していない場合には、ステップS208での判断が否定され、通信部35による送信が完了した場合には、ステップS208での判断は肯定される。制御部20は、ステップS208での判断が否定された場合には、ステップS207へ戻り、ステップS208での判断が肯定されるまで、ステップS207及びステップS208での処理を繰り返し実行する。一方、ステップS208での判断が肯定された場合には、制御部20は、次のステップS209へ移行する。
【0048】
次のステップS209では、制御部20は、通信部35に、通信の終了を指示する。これにより、デジタルカメラ10とデジタルカメラ10との通信が切断される。
【0049】
一方、デジタルカメラ10の制御部20は、ステップS305において、通信部35に送信対象の画像の受信を指示する。通信部35は、デジタルカメラ10から送信される送信対象画像の受信を行う。
【0050】
次のステップS306では、制御部20は、受信した送信対象画像を例えば表示バッファ33、或いは不図示の記憶媒体などに保存する。
【0051】
次のステップS307では、制御部20は、送信対象画像の受信が完了したか否かを判断する。例えば、3枚すべての送信対象画像の受信が完了した場合には、ここでの判断は肯定され、3枚すべての送信対象画像の受信が完了していない場合には、ここでの判断は否定される。制御部20は、ステップS307での判断が否定された場合には、ステップS305に戻り、ステップS307での判断が肯定されるまで、ステップS305〜ステップS307までの処理を繰り返し実行する。一方、ステップS307での判断が肯定された場合には、次のステップS308へ移行する。
【0052】
次のステップS308では、制御部20は、通信部35に、通信の終了を指示する。これにより、デジタルカメラ10とデジタルカメラ10との通信が切断される。
【0053】
以上説明したように、本実施形態では、デジタルカメラ10について、送信対象画像の設定、送信枚数の設定、及び通信規格の選択が行われると、送信対象画像に重ねて、送信枚数に応じた例えばマークM2、及び選択された通信規格に応じた例えばマークM1が、表示部32に表示される。そして、ユーザによって、デジタルカメラ10によるデジタルカメラ10の表示部32の撮影が行われると、デジタルカメラ10の制御部20は、撮影した画像に基づいて最適な通信規格を選択し、所定の枚数の送信対象画像を受信する。したがって、送信先となるデジタルカメラ10のユーザは、デジタルカメラ10の表示部32を撮影するだけで、通信に必要な操作や、認証に必要なコードなどの情報を入力することなく、デジタルカメラ10から画像を取得することができる。
【0054】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態によって限定されるものではない。
【0055】
例えば、上記実施形態では、送信元のデジタルカメラ10は、表示部32に示される数字と図形との組み合わせからなるマークM2によって、送信枚数を表示したが、例えば図5に示される4角形のマークM3に応じたコマンドについては、その内容を例えば送信枚数が4枚であるなどと規定してもよい。また、送信先のデジタルカメラ10は、表示部32の左上のコーナー部分などの所定の位置に示される数字を読み取って、その数字を送信枚数として把握することとしてもよい。
【0056】
要するに、送信先のデジタルカメラ10が、送信元のデジタルカメラ10の表示部32の表示内容に基づいて、送信規格等の設定を自動的に行うことができれば、送信元のデジタルカメラ10の表示部32に表示される図形等の形式は限定されない。
【0057】
また、本実施形態では、ユーザが送信先のデジタルカメラ10のシャッターボタンを押下することにより取得した画像に基づいて、通信規格等の設定が行われる場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、送信元のデジタルカメラ10の表示部32が、送信先のデジタルカメラ10の視野内に位置するときのプレビュー画面に基づいて、送信先のデジタルカメラ10の制御部20が通信規格等の設定を実行することとしてもよい。
【0058】
また、本実施形では、送信先のデジタルカメラ10の制御部20が、マークM1及びマークM2に応じたコマンドの内容を、送信元のデジタルカメラ10に通知し、送信元のデジタルカメラ10の制御部20が、通知された内容を用いて認証を行う場合について説明した。しかしながら、本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、送信元のデジタルカメラ10の表示部32が、送信対象画像とともに、記号、文字、或いは数字等から構成されるコードを表示し、これを用いて、送信先のデジタルカメラ10と送信元のデジタルカメラ10との間の認証を行うこととしてもよい。
【0059】
また、本実施形態では、送信元のデジタルカメラ10の表示部32には、マークM1等と、送信対象画像とが重ねて表示される場合について説明したが、これに限らず、送信元のデジタルカメラ10の表示部32には、マークM1等と、送信対象画像とが別個に表示されてもよい。また、送信元のデジタルカメラ10の表示部32には、送信対象画像とマークM1等とが、交互に表示されることとしてもよい。例えば、ユーザが肉眼で認識することが不可能な時間だけ、送信元のデジタルカメラ10の表示部32にマークM1等を表示させることとすれば、ユーザに送信対象画像のみを認識させることもできる。
【0060】
また、本実施形では、送信元のデジタルカメラ10の表示部32に、通信規格に対応したマークM1、及び送信枚数に対応したマークM2のみが表示されることとしたが、通信に関する情報は、これらに限られるものではない。例えば、送信対象となる画像のサイズ、及びファイル形式などの情報それぞれに対応したマークを、送信元のデジタルカメラ10の表示部32に表示させることとしてもよい。
【0061】
また、例えば送信対象画像の露光時間、シャッター速度などの撮影条件を、送信元のデジタルカメラ10の表示部32に表示し、送信先のデジタルカメラ10は、当該デジタルカメラ10によって撮影された画像からマークを抽出することで、送信対象画像の上記撮影条件を把握することとしてもよい。
【0062】
また、上記実施形態においてデジタルカメラ10の制御部に実行されるプログラムは、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disk Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disk)、MO(Magneto-Optical disk)等のコンピュータで読み取り可能な記録媒体に格納して配布し、そのプログラムを、デジタルカメラ10にインストールすることにより、上述の処理を実行する装置を構成することとしてもよい。
【0063】
また、プログラムをインターネット等の通信ネットワーク上の所定のサーバ装置が有するディスク装置等に格納しておき、例えば、搬送波に重畳させて、ダウンロード等するようにしても良い。
【0064】
なお、上述の機能を、OS(Operating System)が分担して実現する場合又はOSとアプリケーションとの協働により実現する場合等には、OS以外の部分のみを媒体に格納して配布してもよく、また、ダウンロード等しても良い。
【0065】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施形態は、本発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。つまり、本発明の範囲は、実施形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、本発明の範囲内とみなされる。
【産業上の利用可能性】
【0066】
本発明の通信システム、通信方法及びプログラムは、情報の通信を行うのに適している。
【符号の説明】
【0067】
10…デジタルカメラ、20…制御部、21…バス、31…撮影ユニット、32…表示部、33…表示バッファ、34…コマンド画像作成部、35…通信部、36…コマンド画像抽出部、37…コマンド画像解析部、38…コマンド入力部、M1、M2、M3…マーク

【特許請求の範囲】
【請求項1】
送信する画像とともに、前記画像を送信するための通信情報を表示する表示手段を有する送信端末と、
前記表示手段に表示された画像から取得した前記通信情報を用いて、前記送信端末からの情報を受信する受信端末と、
を備える通信システム。
【請求項2】
前記受信端末は、前記表示手段が表示した画像を撮影する撮影手段を備え、
前記撮影手段によって撮影された画像から前記通信情報を取得する請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記通信情報は、前記送信端末の通信方式に関する情報を含み、
前記受信端末は、前記通信方式に関する情報に基づいて前記送信端末からの情報を受信するための通信方式を選択する請求項1又は2に記載の通信システム。
【請求項4】
前記通信情報は、前記送信端末と前記受信端末との間の認証情報を含み、
前記送信端末は、前記画像を送信する前に、前記認証情報に基づく認証を実行する請求項1乃至3のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項5】
前記通信情報は、通信情報の内容に応じた文字、数字、又は図形である請求項1乃至4のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項6】
前記通信情報は、前記画像に重なって表示される請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項7】
前記表示手段は、前記通信情報と、前記画像とを交互に表示する請求項1乃至5のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項8】
前記通信情報は、送信する画像の数を含む請求項1乃至7のいずれか一項に記載の通信システム。
【請求項9】
送信端末と受信端末との間で情報を通信するための通信方法であって、
前記送信端末に、送信する画像とともに、前記画像を送信するための通信情報を表示させる工程と、
前記受信端末に、前記送信端末が表示した画像から前記通信情報を取得させる工程と、
を含む通信方法。
【請求項10】
送信端末の制御手段に、送信する画像とともに、前記画像を送信するための通信情報を表示する手順を実行させるためのプログラム。
【請求項11】
受信端末の制御手段に、送信端末が表示した画像から、通信情報を取得する手順を実行させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−283791(P2010−283791A)
【公開日】平成22年12月16日(2010.12.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−137755(P2009−137755)
【出願日】平成21年6月8日(2009.6.8)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.Bluetooth
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】