通信システムにおけるリソース割当方法及びリソース割当システム並びにそれに用いる基地局
【課題】効果的に送信遅延を抑制することができる通信システムにおけるリソース割当方法を提供する。
【解決手段】端末110と、基地局100とを含み、端末110にデータが発生し、基地局100は端末110にリソースを割当て、端末110はリソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、基地局100は、データの受信状況を監視する受信トラヒック監視部で監視し、データが規則的に発生すると判定した場合、周期的にリソースを割当てるリソース管理部102を備える。
【解決手段】端末110と、基地局100とを含み、端末110にデータが発生し、基地局100は端末110にリソースを割当て、端末110はリソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、基地局100は、データの受信状況を監視する受信トラヒック監視部で監視し、データが規則的に発生すると判定した場合、周期的にリソースを割当てるリソース管理部102を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムにおけるリソース割当方法及びリソース割当システム並びにそれに用いる基地局に関し、特に規則的にトラヒックが発生する通信システムにおけるリソース割当方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化が進められているLTE(Long Term Evolution )の上り回線では、スケジューリング方法として、いわゆるDynamic (動的)スケジューリングとPersistent(固定的)スケジューリングとの両スケジューリング方式が検討されている(非特許文献1参照)。
【0003】
前者のDynamic スケジューリングは、1TTI(Transmission Time Interval)毎に、通信端末(以下、単に端末と称す)にリソースを割当てるスケジューリングである。ここに、リソースとは、RB(Resource Block)と、MCS(Modulation and Coding Schemes )を指し、RBとは、1TTに割当てることができる周波数リソースの最小単位である。LTEの上り回線では、1つの端末に周波数軸上で連続した複数のRBを割り当てることが可能である。MCSとは、変調方式と誤り訂正の符号化率のセットである。割当てるRB数とMCSとの組み合わせによって送信ビット数が決定される。
【0004】
このDynamic スケジューリングによれば、チャネル品質に応じたリソース割当てができるので、高スループットが期待できるが、シグナリング情報が多いために、1TTIでの同時送信端末数が制限される。従って、規則的にトラヒックが発生する場合、例えば、VoIP(Voice over IP )トラヒックのように、1パケットのサイズが小さく、所定の周期でトラヒックが発生する場合、割当て可能なRB数に余裕があるにも関わらず、同時送信端末数の制限のために収容端末(ユーザ)数を増やせないという問題がある。
【0005】
かかる問題点を解決するために、後者のPersistentスケジューリングが検討されている。このPersistentスケジューリングは、所定の周期で使用できるリソースを割当てるスケジューリングであり、1度リソースを割当てれば、シグナリング情報を送信しないで済むという利点がある。チャネル品質に応じた動的なリソース割当てはできないが、シグナリング情報が削減できるので、1TTIの同時送信端末(ユーザ)数を増やすことができる。
【0006】
また、Persistentスケジューリングの1つとして、バンドリング(Bundling)が検討されている。このバンドリングは、複数のパケットをまとめて1TTIで送信する方法であり、オーバヘッドの削減が期待されている(非特許文献2参照)。
【0007】
なお、関連する技術として、特許文献1や2などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−163667号公報
【特許文献2】特開2007−104705号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.1.0 (2007-06), 3GPP Evolved Universal Terre strial Radio Access and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network, pp.56
【非特許文献2】R2-072630, 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #58bis, HARQ operation in case of UL Power Limitation
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
規則的に発生するトラヒックを、Persistentスケジューリングで送信する場合、特にバンドリングにおいて、送信遅延が問題となる。この問題点を図22を参照して説明する。トラヒックはVoIPトラヒックであり、音声パケットのエンコード周期を20msとし、バンドリングであると仮定し、1TTIで2音声パケットを送信し、RBの割当て周期をエンコード周期の2倍の40msとする。また、パケット発生から50ms以内に送信を完了できない場合には、QoS(Quality of Service)を満足できないものとする。
【0011】
いま、パケットP1,P2の送信直後の1ms後(時刻T0)に、パケットP3が発生すると仮定する。その20ms後にパケットP4が発生し、パケットP3,P4は、時刻T1に最初の送信がなされるとする(本送)。チャネル品質が悪いために、時刻T1での送信に失敗した場合、
時刻T2=T1+HARQ(Hybrid Automatic Repeat request )RTT(Round Trip Time )で再送がなされる(再1)。更に、時刻T2での再送に失敗した場合、
時刻T3=T1+2*HARQ RTT
で次の再送がなされる(再2)。
【0012】
ここで、1RTT=6msとし、2回目の再送で送信に成功した場合、以下のように、パケットP3の送信遅延が50msを超えてしまうことになる。
Delay(P3)=T3−T0=T1−T0+2*HARQ RTT
=39+2*6=51ms>50ms
Delay(P4)=T3−(T0+20)=31ms<50ms
【0013】
また、基地局が、トラヒックが規則的に発生することを事前に把握できない場合や、規則的なトラヒックであることは認識できても、トラヒックの発生周期やトラヒックのサイズなどがわからない場合、Persistentスケジューリングを実施できない点が問題となる。
【0014】
ここで、特許文献1及び2を参照すると、送信遅延を防止するために、前者では、蓄積パケット量を、後者では、キューの長さを、それぞれ監視して、この監視結果に基づいて送信遅延を抑制するようなリソース割当てを実施するというものである。これら特許文献1や2の技術では、蓄積パケット量やキューの長さ、すなわちバッファサイズに基づいて遅延を予測するものであるから、送信パケットの発生周期やそのタイミングの変化やずれに対しては、何等送信遅延を効果的に抑制するようなリソース割当てを実施することはできない。
【0015】
本発明の目的は、効果的に送信遅延を抑制することができる通信システムにおけるリソース割当方法及びリソース割当システム並びにそれに用いる基地局を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による第一の方法は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、基地局は前記端末にリソースを割当て、前記通信端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記端末は、前記データを監視する監視ステップと、前記データに所定の変化が発生したら前記基地局に報告する報告ステップとを備え、前記基地局は、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当てステップを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明による第二の方法は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記端末は、前記データの送信状況を監視する監視ステップと、前記送信状況が所定条件を満足しなければ前記基地局に報告する報告ステップとを備え、前記基地局は、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当てステップを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明による第三の方法は、端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視ステップと、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定ステップと、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいて周期的にリソースを割当てる割当てステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明による第四の方法は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが規則的に到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記基地局は、前記データの送信状況を監視する監視ステップと、前記送信状況が所定条件を満足しなければ、前記監視結果に基づいてリソース割当てを決定する割当てステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明による第五の方法は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割り当て方法であって、前記基地局は、前記データを監視する監視ステップと、前記監視結果に基づいて前記データが規則的に到着するか判定する判定ステップと、規則的に到着すると判定した場合、前記監視結果に基づいて前記リソースを割当てる割当てステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明による第一のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当てシステムであって、前記端末は、前記データを監視して前記データに所定の変化が発生したら前記基地局に報告する監視手段を備え、前記基地局は、前記報告に基づいてリソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明による第二のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当てシステムであって、前記端末は、前記データの送信状況を監視して前記送信状況が所定条件を満足しなければ前記基地局に報告する監視手段を備え、前記基地局は、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明による第三のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当システムであって、前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明による第四のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが規則的に到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割り当てシステムであって、前記基地局は、前記データの送信状況を監視する監視手段と、前記送信状況が所定の条件を満足しなければ、前記監視結果に基づいてリソース割当てを決定する割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明による第五のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割り当てシステムであって、前記基地局は、前記データを監視する監視手段と、前記監視結果に基づいて前記データが規則的に到着するか判定する判定手段と、規則的に到着すると判定した場合、前記監視結果に基づいて前記データの発生から所定の時間内に前記データを送信できるリソースを周期的に割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明による第一の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データに所定の変化が発生した旨の前記端末からの報告に基づいて、前記リソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明による第二の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データの送信状況が所定条件を満足しない旨の、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明による第三の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明による第四の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが規則的に到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データの送信状況を監視する監視手段と、前記送信状況が所定の条件を満足しなければ、前記監視結果に基づいてリソース割当てを決定する割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
本発明による第五の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データを監視する監視手段と、前記監視結果に基づいて前記データが規則的に到着するか判定する判定手段と、規則的に到着すると判定した場合、前記監視結果に基づいて前記データの発生から所定の時間内に前記データを送信できるリソースを周期的に割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明による第1の効果は、規則的に発生するトラヒックに対し、送信遅延を抑制したPersistentスケジューリングを実施できることである。その第1の理由は、トラヒックを監視して、トラヒックに所定の変化が生じれば、基地局に報告し、基地局は、報告に基づいて、報告に基づいて送信遅延が小さくなるタイミングの周期的なリソースを割当てるからである。また、その第2の理由は、トラヒックの送信状況を監視して、送信状況が所定の条件を満足しなければ、基地局に報告し、基地局は、報告に基づいて、報告に基づいて送信遅延が小さくなるタイミングの周期的なリソースを割当てるからである。
【0032】
また、本発明による第2の効果は、基地局が事前に規則的なトラヒックであることを把握できなくても、送信遅延を抑制したPersistentスケジューリングを実施できることである。その理由は、基地局が、トラヒックの受信状況を監視し、規則的なトラヒックか否かの判定を行ない、規則的なトラヒックであれば、送信遅延が小さくなるタイミングの周期的なリソースを割当てるからである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第一の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第一の実施の形態の端末の動作手順を示すフローチャート図である。
【図3】第一の実施の形態の基地局の動作手順を示すフローチャート図である。
【図4】発生するトラヒックのイメージ図である。
【図5】トラヒックの発生状態の変更のイメージ図である。
【図6】RBの割当て状態の管理イメージ図である。
【図7】パケットの発生タイミングとRBの割当て状態のイメージ図である。
【図8】第一の実施の形態のデータ送信タイミング図である。
【図9】第二の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図10】第三の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図11】第三の実施の形態の端末の動作手順を示すフローチャート図である。
【図12】第三の実施の形態の基地局の動作手順を示すフローチャート図である。
【図13】第三の実施の形態の割当リソースの計算方法の動作手順を示すフローチャート図である。
【図14】第四の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図15】第四の実施の形態の端末の動作手順を示すフローチャート図である。
【図16】第四の実施の形態の基地局の動作手順を示すフローチャート図である。
【図17】第四の実施の形態のデータ受信タイミング図である。
【図18】第四の実施の形態のデータ送信タイミング図である。
【図19】第一と第四の実施の形態を組み合わせた場合のシグナリングフローイメージ図である。
【図20】第五の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図21】第六の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図22】既存の技術におけるデータ送信タイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第一の実施の形態>
図1は、本発明が適用される通信システムの基本構成の例を示す図である。本実施の形態では、通信システムとして、LTEの上り回線を例にとって説明する。図1を参照すると、本通信システムは、基地局100と端末110とから構成される。基地局100は、端末110と無線チャネルによって接続される。基地局100は図示せぬネットワークと接続されている。また、図示していないが、基地局100は複数の端末と接続することができる。また、基地局も複数存在することができる。
【0035】
図1を参照すると、基地局100は、基地局動作部101と、リソース管理部102とを含んでいる。また、端末110は、端末動作部111と、トラヒック発生部112と、発生トラヒック監視部113を含んでいる。基地局動作部101は、LTEシステムにおいて一般的に用いられる基地局と同等の機能を有しており、その構成及び動作については周知であるので、その説明を省略する。本実施の形態においては、一般的な機能ではあるが、端末110から送信されるトラヒックを受信する機能を有する。リソース管理部102は、RBの割当状態を管理し、端末に割当てるリソースを決定する機能を有する。
【0036】
端末動作部111は、LTEシステムにおいて一般的に用いられる端末と同等の機能を有しており、その構成及び動作については周知であるので、その説明を省略する。本実施の形態においては、一般的な機能ではあるが、割当てられたリソースで、トラヒックを送信する機能を有する。トラヒック発生部112は、トラヒック発生の開始と終了を端末動作部111に通知する機能と、トラヒックを発生する機能とを有する。発生トラヒック監視部113は、トラヒックを監視し、監視結果を基地局100に報告する機能を有する。
【0037】
次に、本実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図2及び図3は、規則的なトラヒックが発生する端末110に対して、基地局100がPersistentスケジューリングでリソース割当てを行なう動作手順を示すもであり、端末110及び基地局100の各フローチャートである。
【0038】
図2を参照して、端末110の実際の動作手順を説明する。端末動作部111は、トラヒック発生時、基地局100にトラヒック情報を送信する(S101)。トラヒック情報とは、パケットの発生周期、発生タイミング、発生サイズの各パラメータを指す。パケットとは、トラヒックの到着単位である。図4に、トラヒック情報のイメージ図を示す。発生周期をt_gp 、発生タイミングをt_gt 、発生サイズをS(Size)として、各パラメータは変動しないと仮定している。
【0039】
t_gt は現在時刻を発生周期t_gp で割った余りで表され、以下の式で定義される。
t_gt =MOD(Tgn ,t_gp )
ここで、Tgnは、パケットPn が端末の送信バッファに到着した時刻を表す。発生タイミングを考慮せず、Tgn+1の直前のRBを割当てると、遅延が増大してQoSを満足できない問題が発生し易くなる。但し、端末110と基地局100間で既知のトラヒック情報のパラメータは送信する必要はない。例えば、端末110と基地局100間で、発生周期と発生サイズとは、事前に既知の情報であれば、発生タイミングのみを送信すればよい。
【0040】
次に、基地局100より、割当リソース情報を受信できれば(S102、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を記憶し(S103)、周期的に割当てられたリソースでのトラヒックの送信を開始する。割当リソース情報を受信できなければ(S102、No)、リソースが割当てられなかったので、処理を終了する。
【0041】
次に、発生トラヒック監視部113は、トラヒックを監視し(S104)、トラヒックに所定の変化があれば(S105、Yes)、基地局100にトラヒック情報を送信する(S106)。送信するのは、変化があったパラメータだけでよい。図5に、トラヒックの発生状態の変化のイメージ図を示す。a)は初期状態である。b)は発生タイミングの変化例である。c)は発生周期の変化例である。d)は発生サイズの変化例である。
【0042】
例えば、図5のパラメータを用いれば、以下のいずれかの条件を満足できない場合、所定の変化が発生したと判定する。
|t_gt k+1 −t_gt k |<Th_tgt
|t_gp k+1 −t_gp k |<Th_tgp
|Sk+1 −Sk |<Th_S
ここに、Th_tgt,Th_tgp,Th_Sは、それぞれしきい値を表す。
【0043】
次に、基地局100より、トラヒックの変化による割当リソースの更新情報を受信した場合(S107、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を更新する(S108)。割当リソース情報を受信しなければ(S107、No)、引き続き、割当て済みのリソースでデータを送信する。次に、端末動作部111は、トラヒック終了時(S109)、基地局100にトラヒック終了報告を送信し(S110)、処理を終了する。
【0044】
次に、図3を参照して、基地局100の実際の動作手順を説明する。リソース管理部102は、端末110から、トラヒック情報を受信した場合(S121、Yes)、割当リソースを計算し(S122)、RBの割当状態から、割当リソースを更新できる場合(S123、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S124)。割当リソースの計算方法は後述する。
【0045】
図6に、RBの割当状態の管理イメージを示す。縦軸はRB番号(RB Index)、横軸はTTI番号(TTI Index)であり、1TTI当たり最大7個のRBを、20TTIの周期で繰り返し使用できるRBの管理テーブルを示している。3個のRBを割当てる場合、割当可能なTTI Index =5、RB Index=3〜5を選択する例を示している。なお、網かけ部分は割当て済みのRBを示し、白い部分は未割当のRBを示し、太線内の3個のRBが割当てるRBを示す。
【0046】
次に、リソース管理部102は、端末110から、トラヒック終了報告を受信した場合(S125、Yes)、端末のリソースの解放処理を行い、処理を終了する(S126)。次に、割当リソース、即ち、MCSとRBとの計算方法を説明する。本実施の形態では、MCSは予め決められた唯一の固定値を選択する。また、1RB当たりの送信データサイズをTDU(Transmission Data Unit)と定義する。TDUはMCSよって一意に決まり、例えば、3個のRBを割当てる場合、送信データサイズは3*TDUとなるとする。また、1TTIで送信するパケット数をN_tp とし、固定値とする。
【0047】
RBに関するパラメータとしては、割当RB数(N_RBs)と、割当周期(t_ap )と、TTI Index (tti_idx )とを計算する。また、tti_idx =0に該当する時刻(Tbase[TTI] )を基地局100と端末110とにより共有し、かつ現在時刻も共有する。Tbaseは以下を満足する。
【0048】
MOD(Tbase,Tap)=0
現在時刻の共有は、GPS(Global Positioning System)を用いる方法や、所定のタイミングで、基地局100が端末110に、現在時刻を通知する方法などが考えられる。また、Tbaseの共有は、所定のタイミングや、割当リソース情報を送信するに、基地局100が端末110に通知する方法などが考えられる。
【0049】
N_RBsは以下となる。
N_RBs=CEIL((N_tp *S)/TDU)
ここに、CEILは、少数点以下を切り上げる整数を返す関数を表す。例えば、CEIL(1.5)=2となる。t_ap は、以下となる。
t_ap =N_tp *t_gp
tti_idx は、送信遅延を少なくするため、送信バッファへのパケット到着からt_gp /2以内のタイミングで送信するよう、以下を満足する中で、RBの割当状態を考慮して決定する。
MOD(tti_idx +t_gp −t_gt ,t_gp )≦t_gp /2
【0050】
また、再送データのリソース割当て方法をPersistentスケジューリングと、Dynamic スケジューリングのどちらにするかは、任意に選択できるものとする。例えば、チャネル品質が悪く、再送回数の期待値が大きい場合、Persistentスケジューリングで、再送分のリソースを確保しておくことが考えられる。
【0051】
また、本実施の形態では、MCSは唯一のものを選択したが、パイロット信号や制御信号やトラヒックの受信時に、端末110のチャネル品質を測定しておき、チャネル品質に応じてMCSを選択することも可能である。また、本実施の形態では、トラヒックの発生周期、発生タイミング、発生サイズを、固定的としたが、変動してもよい。その場合、以下のような測定を行い、発生トラヒックの状況を監視する。例えば、発生周期t_gp については、ある所定の時間内の平均値(t_gp_ave t )を測定する。次に、前回の平均値(t_gp_ave t-1 )と比較し、以下の条件式を満足できなければ、所定の変化が発生したと判定するなどである。
|t_gp_ave t −t_gp_avet-1 |>Th_tgp
発生タイミングt_gt 、発生サイズSも同様である。
【0052】
次に、割当リソースの計算に関する具体例について説明する。TTIはms単位とし、トラヒック情報のうち、発生周期t_gp =20ms、発生サイズS=320ビットは不変で、基地局100、端末110間で既知とする。また、端末110から、発生タイミングt_gt =5msが、基地局100に送信されたと仮定する。また、リソース管理部102のパラメータは以下を仮定する。
TDU=170ビット、N_tp =2
【0053】
先ず、割当RB数N_RBsは以下となる。
N_RBs=CEIL((N_tp *S)/TDU)=CEIL(2*320/170)=4
次に、割当周期t_ap は以下となる。
t_ap =N_tp *t_gp =2*20=40ms
次に、パケットの発生タイミングとRBの割当状態を図7とすると、tti_idx は、選択可能な直近のTTIの25を選択する。上記より、端末110は、40msに1回、4RBを使ってトラヒックの本送を行なうことができる。
【0054】
本実施の形態を適用した場合の、図22の既存の例に対する効果を図8に示す。パケットが発生してから本送するまでのT1 −T0 の期待値が、従来例の30ms(=(20+39)/2)から25ms(=(20+30)/2)に改善されることになる。
【0055】
<第二の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。図9は本実施の形態による通信システムの基本構成の例を示す図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。図9の構成を図1の例と比較すると、端末110のトラヒック発生部112が削除され、代わりに、端末110の外部にトラヒック発生装置120が追加された点が異なる。
【0056】
トラヒック発生装置120は、図1のトラヒック発生部112と同等の機能を有する。また、端末110とトラヒック発生装置120とは、無線リンクで接続されている。例えば、トラヒック発生装置120をパソコン(パーソナルコンピュータ)とし、端末110を無線モデムとして、両者はBluetooth (登録商標)等の無線リンクで接続されており、パソコンでインターネット電話をする場合が、本実施の形態に該当することになる。
【0057】
本実施の形態の動作は、図2及び図3に示された第一の実施の形態のそれと同じである。なお、Persistentスケジューリングのリソース割当ての更新契機としては、端末110とトラヒック発生装置120間の無線リンクが不安定で、トラヒック発生装置120から端末110に到着するパケットのタイミングがずれた場合など、が考えられる。
【0058】
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。図10は本実施の形態による通信システムの基本構成の例を示す図である。図1と同等部分は同一符号により示している。図10の構成を図1の例と比較すると、端末110において、発生トラヒック監視部113が削除され、代わりに送信トラヒック監視部114が追加された点が異なる。
【0059】
送信トラヒック監視部114は、トラヒックの送信状況を監視し、監視結果を基地局100に報告する機能を有する。また、リソース管理部102は、第一の実施の形態の機能に加えて、トラヒックの受信状況から、リソースの使用状態を監視する機能を、更に有する。
【0060】
次に、本実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図11及び図12は、規則的なトラヒックが発生する端末110に対して、基地局100がPersistentスケジューリングでリソース割当てを行なう動作手順を示すフローチャートであり、図11が端末110、図12が基地局100の、各フローチャートである。
【0061】
図11を参照して、端末110の実際の動作手順を説明する。端末動作部111は、トラヒック発生時、基地局100にリソース割当要求を送信し(S141)、基地局100より、割当リソース情報を受信できれば(S142、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を記憶し(S143)、割当てられたリソースでのトラヒックの送信を開始する。割当リソース情報を受信できなければ(S142、No)、リソースが割当てられなかったので、処理終了となる。
【0062】
次に、送信トラヒック監視部114は、トラヒックの送信状況を監視する(S144)。トラヒックの送信状況として、送信バッファにあるパケット数(N_buff )と、パケットiの送信遅延(delayi )の各パラメータを監視する。delayi の測定には、上位レイヤの確認応答を用いることが考えられる。
【0063】
次に、送信バッファにあるパケット数N_Buff と新規に測定したdelayi を各しきい値(Th_N_buff ,Th_delay)と比較し、以下の条件式(1),(2)を1つでも満足しない場合、トラヒックの送信状況に問題ありと判定し(S145)、基地局100に、トラヒックの送信情報として、条件式を満足できなかったパラメータを送信する(S146)。
N_buff <Th_N_buff ……(1)
delayi <Th_delay……(2)
【0064】
例えば、式(1)を満足できないのは、割当リソース不足が原因と考えることができる。また、式(2)を満足できないのは、割当リソース不足と、不適切な送信タイミングの少なくとも1つが原因と考えることができる。次に、基地局100より、割当リソースの更新情報を受信した場合(S147、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を更新する(S148)。割当リソース情報を受信できなければ(S147、No)、引き続き、割当済みのリソースでデータを送信する。次に、端末動作部111は、トラヒック終了時(S149)、基地局100にトラヒック終了報告を送信し(S150)、処理を終了する。
【0065】
図12を参照して、基地局100の実際の動作手順を説明する。リソース管理部102は、端末110からリソース割当要求を受信した場合(S161、Yes)、初期設定で決められた割当リソースを計算し(S162)、RBの割当状態から、割当て可能なリソースがある場合(S163、Yes)、端末110にリソースを割当て、割当リソース情報を端末110に送信する(S164)。
【0066】
次に、端末110から、トラヒックの送信情報を受信した場合(S165、Yes)、割当リソースを計算し、RBの割当状態から割当リソースを更新できる場合(S166、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S167)。
【0067】
図13を参照して、図12のステップS166の割当リソースの計算方法を詳細に説明する。MCSは、第一の実施の形態と同様に、予め決められた唯一の固定値を選択する。また、1TTIで送信するパケット数N_tp も固定値とする。RBに関するパラメータの種類は、第一の実施の形態と同じく、割当RB数N_RBsと、割当周期t_ap と、tti_idxとする。このうち、トラヒックの送信情報を受信しても、割当周期t_ap は更新しないとする。
【0068】
先ず、トラヒックの送信情報として、送信バッファにあるパケット数N_Buff を受信した場合(S181、Yes)、リソース不足が原因と判定し、以下の式に従って、更新する場合のN_RBsを計算し、リソース管理部102は、RBの割当状態から、図9の第一の実施の形態と同様に、割当可能なtti_idx を検索する(S182)。
N_RBs=N_RBs+1
【0069】
tti_idx は、送信タイミングよって、送信遅延が増加しないよう、割当済みのtti_idxから、降順に検索するのが望ましい。例えば、割当済みのtti_idx を5とし、割当周期を20TTIとすると、以下の順に検索することになる。
tti_idx 候補→5,4…1,20,19…7,6
【0070】
また、トラヒックの送信情報として、送信バッファにあるパケット数N_Buff を受信しなかった場合(S181、No)、送信遅延だけを受信しているので、不適切な送信タイミングが原因と判定し、送信遅延が増加しないよう、割当済みのtti_idx 以外から、降順に検索する(S183)。例えば、割当済みのtti_idx を1とし、割当周期を20TTIとすると、以下の順に検索することになる。
tti_idx 候補→20,19…3,2
【0071】
S182,S183による検索の結果、割当可能なRBがあれば(S184、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S167)。
【0072】
次に、リソース管理部102は、リソースの使用状態を監視し(S168)、リソース使用率が所定のしきい値よりも小さければ、割当リソースが過剰である判定し(S169、Yes)、割当リソースを削減し(S170)、割当リソース情報を端末110に送信する(S171)。リソース使用率の判定は、以下の条件式を用いる。
Σ{TD/(N_RBs*TDU)}<Th_band
【0073】
ここに、TDはあるTTIで実際に送信されたトラヒックサイズを表し、N_RBs*TDUは割当RBで送信可能なトラヒックサイズを表す。従って、TD/(N_RBs*TDU)は、割当られた帯域の使用率を表す。Σは、RBの割当タイミング(tti_idx )で測定した結果の合計を取ることを示す。Th_band は、リソース使用率しきい値である。
【0074】
割当リソースを削減する場合、以下のように、N_RBsを更新する。
N_RBs=MAX(N_RBs−1,1)
次に、リソース管理部102は、端末110から、トラヒック終了報告を受信した場合(S172、Yes)、端末のリソースの解放処理を行い、処理を終了する(S173)。
【0075】
なお、本実施の形態では、N_RBsを1ずつ増減する例を示したが、送信バッファにあるパケット数N_Buff と、しきい値Th_N_buff とを比較して、2以上増加させることも可能である。また、本実施の形態では、トラヒックの送信状態として、送信バッファにあるパケット数と送信遅延とを用いたが、例えば、パケット数はデータサイズに、送信遅延はスループットに、それぞれ置換えることも可能である。
【0076】
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。図14は、本発明の第四の実施の形態による通信システムの基本構成の例を示す図であり、図1と同等部分は同一符号により示す。図14の構成において、図1のそれと比較すると、端末110から発生トラヒック監視部113が削除され、代わりに基地局100に受信トラヒック監視部103が追加された点が異なる。
【0077】
受信トラヒック監視部103は、トラヒックの受信状況を監視し、リソース管理部102と監視結果を共有する機能を有する。また、基地局動作部101は、第一の実施の形態の機能に加えて、端末110のチャネル品質を測定する機能を、更に有する。チャネル品質は、パイロット信号や制御信号やトラヒックの受信時に測定されるものとする。
【0078】
次に、本実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図15及び図16は、トラヒックが発生した端末110に対して、基地局100は受信状況から規則的なトラヒックか判定し、規則的なトラヒックであれば、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう動作手順を示すフローチャートであり、端末110及び基地局100の各フローチャートである。
【0079】
図16の基地局100のフローチャートは、主に、大きく2つ部分から構成されている。第1の部分は、Learning Period (Dynamic スケジューリング)と記載した部分である。この部分は、トラヒックを解析し、規則的に発生するトラヒックか否かを判定する処理を行なうものである。また、第2の部分は、Learning based Persistent スケジューリングと記載した部分であり、判定の結果、VoIPなど、規則的なトラヒックであれば、解析結果に基づいて周期的なリソースを割当てる処理を行なうものである。
【0080】
一方、FTP(File Transfer Protocol)ファイル転送など、バースト的に発生する非規則的なトラヒックであれば、Dynamic スケジューリングの適用を継続する。図15の端末110のフローチャートの構成も、Learning Period と、Learning based Persistentスケジューリングに対応している。
【0081】
図15を参照して、端末110の実際の動作手順を説明する。端末動作部111は、送信するトラヒックがある場合(S201)、基地局100にリソース要求を送信する(S202)。次に、基地局100から瞬時的な割当リソース情報を受信した場合(S203、Yes)、端末動作部111は割当リソース情報を記憶し、指定された送信タイミングでトラヒックを送信する(S204)。
【0082】
一方、基地局100から周期的な割当リソース情報を受信した場合(S205、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を記憶し、周期的なトラヒック送信が開始できることになる(S206)。次に、周期的な割当リソースの解放通知を受信した場合(S207)、端末110は、基地局100に受信に対する確認応答を送信し、Persistentスケジューリングでのトラヒックの送信を終了する(S208)。発生するのが非規則的なトラヒックであれば、S201〜S205の処理を繰り返し、Dynamic スケジューリングが継続される。
【0083】
図16を参照して、基地局100の実際の動作手順を説明する。リソース管理部102は、端末110からリソース要求を受信した場合(S221、Yes)、トラヒックが規則的か否か判定済みでなければ(S222、No)、判定を実施する期間であるLearningPeriod を開始する(S223)。次に、測定したチャネル品質から、MCSと割当RBとを計算し、瞬時的な割当リソース情報を端末110に送信する(S224)。
【0084】
次に、受信トラヒック監視部103は、端末110からのトラヒックの受信状況を監視する(S225)。トラヒックの受信状況として、受信したパケット数(NumPacket)、受信したパケットiのサイズ(Srxi )、パケットiの一部を最初に受信した時刻と、次のパケットi+1の一部を最初に受信した時刻の間隔(t_periodk )を監視する。t_periodk は、NumPacket−1個測定できる。次に、所定のLearning period が経過したら(S226)、トラヒックを解析し、規則的か否か判定する(S227)。判定は以下のように行なう。
【0085】
先ず、パケットの発生間隔の平均値(tperiod_ave)、偏差(tperiod_dev)を以下の式から推定する。
Tperiod_ave=Σ(t_periok k )/(NumPacket−1)
Tperiod_dev=[Σ(t_period k −tperiod_ave)^2/(NumPacket−1)]^(1/2)
【0086】
ここで、ΣはLearning period 間の合計を計算することを示している。また、パケットの発生サイズの平均値(S_ave)及び偏差(S_dev)を同様に計算する。
S_ave=Σ(Srxi )/NumPacket
S_dev=[Σ(Srxi −S_ave)^2/NumPacket]^(1/2)
【0087】
次に、以下の条件式をいずれも満足する場合、規則的なトラヒックと判定する。
tperiod_dev/tperiod_ave<Th_period ……(3)
S_dev/S_ave<Th_size ……(4)
【0088】
ここに、Th_period ,Th_size は、規則的トラヒックと判定するためのしきい値である。規則的なトラヒックであれば、平均値に対する偏差が小さいと考えるからである。
【0089】
本実施の形態では、規則的なトラヒックの判定のために、平均値と偏差とを用いたが、判定方法はこれに限らない。例えば、以下のように、各測定値の最大値と最小値とが、所定のしきい値よりも小さい場合を判定条件にすることも考えられる。
(t_period max −t_period min )<Th_period2
(Srxmax −Srxmin )<Th_size2
ここで、max,minは、測定値の最大値、最小値をそれぞれ表す。
【0090】
上記条件式のいずれかを満足しない場合、非規則的なトラヒックと判定し(S227、No)、本トラヒックに関しては、Dynamic スケジューリングの適用を継続する(S228)。上記条件式(3),(4)を何れも満足する場合、規則的なトラヒックと判定し(S227、Yes)、周期的に割当てるリソースを計算する(S229)。割当リソースの計算方法は、第一の実施の形態と同じとする。発生周期t_gp 、発生サイズSは、それぞれ以下のように計算する。
t_gp =tperiod_ave
S=S_ave
【0091】
また、発生タイミングt_gt は、Learning period 中の最後に受信したパケットの一部を最初に受信した時刻(T_last )を使って、以下の式で計算する。
t_gt =MOD(T_last ,t_gp )
【0092】
図17に受信タイミングのイメージ図を示す。図17の例では、Learning Period 中に監視できる受信トラヒックはパケット3個である。各パラメータは以下のように計算できる。
tperiod_ave=(t_period 1 +t_period 2 )/(3−1)
tperiod_dev=[{(t_period 1 −t_period_ave )^2+(t_period 2 −tperiod_ave)^2}/(3−1)]^(1/2)
S_ave=(Srx1 +Srx2 +Srx3 )/3
S_dev=[{(Srx1 −S_ave)+(Srx2 −S_ave)+(Srx3 −S_ave)}/3]^(1/2)
【0093】
次に、RBの割当状態から、割当てるリソースがある場合(S230、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S231)。割当てるリソースがない場合、リソースが割当てられるまで、Persistentスケジューリングの割当候補として、Dynamic スケジューリングを継続するが(S232)、所定時間、リソース要求を受信できなくなれば(S233、Yes)、トラヒックの発生が終了したと判断し、Persistentスケジューリングの割当候補としては除外し、処理を終了する。
【0094】
次に、受信トラヒック監視部103は、受信トラヒックを監視し(S234)、所定時間、端末110がトラヒックを送信しない場合(S235、Yes)、トラヒックの発生が終了したと判定し、端末110に周期的に割当てたリソースを解放することを通知する(S236)。この通知に対する確認応答を受信できれば(S237、Yes)、周期的に割当てたリソースを解放し、端末110に対するPersistentスケジューリングを終了する(S238)。
【0095】
本実施の形態を適用した場合のデータ送信のイメージ図を図18に示す。本実施の形態では、端末は送信するトラヒックがある場合、リソース要求のみ送信しているが、例えば、送信バッファサイズを送信してもよい。この場合、基地局は、Dynamic スケジューリングにおいて、送信バッファのデータを送信可能なだけのリソースを割当てればよいので、無線リソースの利用効率が改善する。
【0096】
また、本実施の形態において、更に第一の実施の形態のように、端末100でトラヒックを監視すれば、トラヒックの状態に変更があっても、適切なリソースの再割当てが可能となる。また、ハンドオーバー時、基地局100は、判定した端末110の周期的なトラヒックの情報を、ハンドオーバー先の基地局に転送すれば、ハンドオーバー先の基地局は、Learning Period を実施する手間が省け、効率的である。
【0097】
VoIPトラヒック等で、本第四の実施の形態と第一の実施の形態を組み合わせた場合のシグナリングフローのイメージ例を図19に示す。UE(端末)は、トラヒックを送信する場合、Source cell (ハンドオーバー基の基地局のセル)と、Call Setup(コールセットアップ)を行い(S301)、無線リンクを確立する。次に、Source Cell は、Learning Periodで、トラヒックの解析を行なう(S302)。次に、解析結果に基づいて、Source Cell は、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう(S303)。
【0098】
ハンドオーバーを実施する場合、例えば、以下の手順でシグナリングを実施する。先ず、UEは、Source cell にHO request(ハンドオーバー要求)を送信し(S304)、Source cell は、Target cell(ハンドオーバー先の基地局のセル)に、HO requestを送信する(S305)。次に、ハンドオーバーが可能であれば、Target cell は、ネットワーク側のGW(ゲートウェイ)にHO(ハンドオーバー)の実施を通知し(S306)、同時に、HO command(ハンドオーバーコマンド)をSource cell に送信する(S307)。
【0099】
次に、Source cell は、HO commandをUEに送信し(S308)、同時に、Learning Periodで解析した情報をTarget cell にForwarding(転送)する(S309)。次に、UEはHO complete をTarget cell に送信し(S310)、ハンドオーバーが完了する。ハンドオーバー後、Target cell は、Learning Period を実施せず、Persistentスケジューリングを実施できる(S311)。
【0100】
Learning Periodで解析した情報の転送は、Source cell とTarget cell とにおいて実施している無線システムが異なっている場合でも、効果がある。無線システムに関わらず、Persistentスケジューリングをサポートしてれば、Learning Period を省略できるからである。例えば、Source cell では、LTEが実施されており、Target cell では、WCDMAや無線LANが実施されている場合などである。
【0101】
<第五の実施の形態>
次に、本発明の第五の実施の形態について説明する。図20は、上述した第三の実施の形態を下り回線に適用した場合の基本構成の例を示す図であり、図10と同等部分は同一符号により示す。図20において、端末110は端末動作部11のみを有しており、基地局100は、基地局動作部101と、リソース管理部102と、トラヒック発生部104と、送信トラヒック監視部105とを有している。トラヒック発生部104及び送信トラヒック監視部105は、図10のトラヒック発生部112及び送信トラヒック監視部114とそれぞれ同等機能を有する。
【0102】
本実施の形態における動作は、図2,3に示された第一の実施の形態と同様であるので、説明を省略するが、下り回線の場合、ネットワークを介してトラヒックが基地局の送信バッファに到着するので、トラヒックのゆらぎ等が発生する。従って、本実施の形態のように、送信状況を監視し、割当リソースを再割当て、即ち、割当リソースを調整することは、送信遅延に対して効果が大きい。
【0103】
<第六の実施の形態>
次に、本発明の第六の実施の形態について説明する。図21は、上述した第四の実施の形態を下り回線に適用した場合の基本構成の例を示す図であり、図14と同等部分は同一符号により示す。図21において、端末110は端末動作部11のみを有しており、基地局100は、基地局動作部101と、リソース管理部102と、トラヒック発生部104と、トラヒック判定部106とを有している。トラヒック判定部106は、第四の実施の形態の受信トラヒック監視部103と同様に、トラヒックを監視し、トラヒックが規則的に到着するかを判定する機能を有する。
【0104】
本実施の形態の動作は、図15及び図16に示された第四の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0105】
以上述べたように、本発明では、端末は、規則的に発生するトラヒックを監視し、トラヒックに所定の変化が発生したら、基地局に報告する。基地局は、報告に基づいて、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう。これにより、送信遅延を満足できる適切なリソースを割当てることができる。また、トラヒックに所定の変化が発生した場合だけ報告するので、シグナリングに伴うリソース消費を抑制できる。
【0106】
また、本発明では、規則的に発生するトラヒックの送信状況を監視し、送信状況が所定の条件を満足しなければ、基地局に送信状況を報告する。基地局は、報告に基づいて、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう。これにより、送信遅延を満足できるリソースを割当てることができる。更に、本発明では、基地局は、端末に割当てたリソースの使用率を監視し、使用率が低ければ、割当てたリソースを削減する。これにより、過剰なリソース割当てを回避できる。
【0107】
更にはまた、本発明では、基地局は、端末から送信されるトラヒックの受信状況を監視し、規則的なトラヒックか否かの判定を行ない、規則的なトラヒックであれば、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう。これにより、基地局が事前に規則的なトラヒックであることを把握できなくても、Persistentスケジューリングでリソースを割当てることができる。
【0108】
また、本発明では、基地局は、端末に割当てたリソースの使用率を監視し、使用率が低ければ、リソースを割当てたリソースを解放する。これにより、無駄なリソース割り当てを回避することができる。また、ハンドオーバー時、判定したトラヒック情報を、ハンドオーバー先の基地局に転送できる。これにより、ハンドオーバー先の基地局は、トラヒックが周期的か否かを判定する手間が省ける。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上の各実施の形態では、LTEを例に説明したが、トラヒックが規則的に発生し、そのトラヒックの送信に、周期的に使用できるリソースを割当てる通信システムであれば、他の通信システムにも適用できる。また、フローチャートを用いて説明した各実施の形態の動作は、その動作手順を予めプログラムとしてROMなどの記録媒体に格納しておき、これをコンピュータにより読取らせて実行させるように構成できることは明白である。
【符号の説明】
【0110】
100 基地局
101 基地局動作部
102 リソース管理部
103 受信トラヒック監視部
104 基地局
105 送信トラヒック監視部(基地局)
106 トラヒック判定部
110 端末
111 端末動作部
112 トラヒック発生部
113 発生トラヒック監視部
114 送信トラヒック監視部(端末)
【技術分野】
【0001】
本発明は通信システムにおけるリソース割当方法及びリソース割当システム並びにそれに用いる基地局に関し、特に規則的にトラヒックが発生する通信システムにおけるリソース割当方式に関するものである。
【背景技術】
【0002】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)において標準化が進められているLTE(Long Term Evolution )の上り回線では、スケジューリング方法として、いわゆるDynamic (動的)スケジューリングとPersistent(固定的)スケジューリングとの両スケジューリング方式が検討されている(非特許文献1参照)。
【0003】
前者のDynamic スケジューリングは、1TTI(Transmission Time Interval)毎に、通信端末(以下、単に端末と称す)にリソースを割当てるスケジューリングである。ここに、リソースとは、RB(Resource Block)と、MCS(Modulation and Coding Schemes )を指し、RBとは、1TTに割当てることができる周波数リソースの最小単位である。LTEの上り回線では、1つの端末に周波数軸上で連続した複数のRBを割り当てることが可能である。MCSとは、変調方式と誤り訂正の符号化率のセットである。割当てるRB数とMCSとの組み合わせによって送信ビット数が決定される。
【0004】
このDynamic スケジューリングによれば、チャネル品質に応じたリソース割当てができるので、高スループットが期待できるが、シグナリング情報が多いために、1TTIでの同時送信端末数が制限される。従って、規則的にトラヒックが発生する場合、例えば、VoIP(Voice over IP )トラヒックのように、1パケットのサイズが小さく、所定の周期でトラヒックが発生する場合、割当て可能なRB数に余裕があるにも関わらず、同時送信端末数の制限のために収容端末(ユーザ)数を増やせないという問題がある。
【0005】
かかる問題点を解決するために、後者のPersistentスケジューリングが検討されている。このPersistentスケジューリングは、所定の周期で使用できるリソースを割当てるスケジューリングであり、1度リソースを割当てれば、シグナリング情報を送信しないで済むという利点がある。チャネル品質に応じた動的なリソース割当てはできないが、シグナリング情報が削減できるので、1TTIの同時送信端末(ユーザ)数を増やすことができる。
【0006】
また、Persistentスケジューリングの1つとして、バンドリング(Bundling)が検討されている。このバンドリングは、複数のパケットをまとめて1TTIで送信する方法であり、オーバヘッドの削減が期待されている(非特許文献2参照)。
【0007】
なお、関連する技術として、特許文献1や2などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2003−163667号公報
【特許文献2】特開2007−104705号公報
【非特許文献】
【0009】
【非特許文献1】3GPP TS36.300 V8.1.0 (2007-06), 3GPP Evolved Universal Terre strial Radio Access and Evolved Universal Terrestrial Radio Access Network, pp.56
【非特許文献2】R2-072630, 3GPP TSG-RAN WG2 Meeting #58bis, HARQ operation in case of UL Power Limitation
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
規則的に発生するトラヒックを、Persistentスケジューリングで送信する場合、特にバンドリングにおいて、送信遅延が問題となる。この問題点を図22を参照して説明する。トラヒックはVoIPトラヒックであり、音声パケットのエンコード周期を20msとし、バンドリングであると仮定し、1TTIで2音声パケットを送信し、RBの割当て周期をエンコード周期の2倍の40msとする。また、パケット発生から50ms以内に送信を完了できない場合には、QoS(Quality of Service)を満足できないものとする。
【0011】
いま、パケットP1,P2の送信直後の1ms後(時刻T0)に、パケットP3が発生すると仮定する。その20ms後にパケットP4が発生し、パケットP3,P4は、時刻T1に最初の送信がなされるとする(本送)。チャネル品質が悪いために、時刻T1での送信に失敗した場合、
時刻T2=T1+HARQ(Hybrid Automatic Repeat request )RTT(Round Trip Time )で再送がなされる(再1)。更に、時刻T2での再送に失敗した場合、
時刻T3=T1+2*HARQ RTT
で次の再送がなされる(再2)。
【0012】
ここで、1RTT=6msとし、2回目の再送で送信に成功した場合、以下のように、パケットP3の送信遅延が50msを超えてしまうことになる。
Delay(P3)=T3−T0=T1−T0+2*HARQ RTT
=39+2*6=51ms>50ms
Delay(P4)=T3−(T0+20)=31ms<50ms
【0013】
また、基地局が、トラヒックが規則的に発生することを事前に把握できない場合や、規則的なトラヒックであることは認識できても、トラヒックの発生周期やトラヒックのサイズなどがわからない場合、Persistentスケジューリングを実施できない点が問題となる。
【0014】
ここで、特許文献1及び2を参照すると、送信遅延を防止するために、前者では、蓄積パケット量を、後者では、キューの長さを、それぞれ監視して、この監視結果に基づいて送信遅延を抑制するようなリソース割当てを実施するというものである。これら特許文献1や2の技術では、蓄積パケット量やキューの長さ、すなわちバッファサイズに基づいて遅延を予測するものであるから、送信パケットの発生周期やそのタイミングの変化やずれに対しては、何等送信遅延を効果的に抑制するようなリソース割当てを実施することはできない。
【0015】
本発明の目的は、効果的に送信遅延を抑制することができる通信システムにおけるリソース割当方法及びリソース割当システム並びにそれに用いる基地局を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明による第一の方法は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、基地局は前記端末にリソースを割当て、前記通信端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記端末は、前記データを監視する監視ステップと、前記データに所定の変化が発生したら前記基地局に報告する報告ステップとを備え、前記基地局は、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当てステップを備えることを特徴とする。
【0017】
本発明による第二の方法は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記端末は、前記データの送信状況を監視する監視ステップと、前記送信状況が所定条件を満足しなければ前記基地局に報告する報告ステップとを備え、前記基地局は、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当てステップを備えることを特徴とする。
【0018】
本発明による第三の方法は、端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視ステップと、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定ステップと、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいて周期的にリソースを割当てる割当てステップとを備えることを特徴とする。
【0019】
本発明による第四の方法は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが規則的に到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、前記基地局は、前記データの送信状況を監視する監視ステップと、前記送信状況が所定条件を満足しなければ、前記監視結果に基づいてリソース割当てを決定する割当てステップとを備えることを特徴とする。
【0020】
本発明による第五の方法は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割り当て方法であって、前記基地局は、前記データを監視する監視ステップと、前記監視結果に基づいて前記データが規則的に到着するか判定する判定ステップと、規則的に到着すると判定した場合、前記監視結果に基づいて前記リソースを割当てる割当てステップとを備えることを特徴とする。
【0021】
本発明による第一のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当てシステムであって、前記端末は、前記データを監視して前記データに所定の変化が発生したら前記基地局に報告する監視手段を備え、前記基地局は、前記報告に基づいてリソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0022】
本発明による第二のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当てシステムであって、前記端末は、前記データの送信状況を監視して前記送信状況が所定条件を満足しなければ前記基地局に報告する監視手段を備え、前記基地局は、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0023】
本発明による第三のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当システムであって、前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0024】
本発明による第四のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが規則的に到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割り当てシステムであって、前記基地局は、前記データの送信状況を監視する監視手段と、前記送信状況が所定の条件を満足しなければ、前記監視結果に基づいてリソース割当てを決定する割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0025】
本発明による第五のシステムは、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割り当てシステムであって、前記基地局は、前記データを監視する監視手段と、前記監視結果に基づいて前記データが規則的に到着するか判定する判定手段と、規則的に到着すると判定した場合、前記監視結果に基づいて前記データの発生から所定の時間内に前記データを送信できるリソースを周期的に割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0026】
本発明による第一の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データに所定の変化が発生した旨の前記端末からの報告に基づいて、前記リソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0027】
本発明による第二の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記端末に規則的にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データの送信状況が所定条件を満足しない旨の、前記端末からの報告に基づいてリソース割当てを決める割当て手段を備えることを特徴とする。
【0028】
本発明による第三の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0029】
本発明による第四の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが規則的に到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データの送信状況を監視する監視手段と、前記送信状況が所定の条件を満足しなければ、前記監視結果に基づいてリソース割当てを決定する割当て手段とを備えることを特徴とする。
【0030】
本発明による第五の基地局は、端末と、基地局とを含み、前記基地局に、前記端末に送信するデータが到着し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前基地局は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、前記データを監視する監視手段と、前記監視結果に基づいて前記データが規則的に到着するか判定する判定手段と、規則的に到着すると判定した場合、前記監視結果に基づいて前記データの発生から所定の時間内に前記データを送信できるリソースを周期的に割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0031】
本発明による第1の効果は、規則的に発生するトラヒックに対し、送信遅延を抑制したPersistentスケジューリングを実施できることである。その第1の理由は、トラヒックを監視して、トラヒックに所定の変化が生じれば、基地局に報告し、基地局は、報告に基づいて、報告に基づいて送信遅延が小さくなるタイミングの周期的なリソースを割当てるからである。また、その第2の理由は、トラヒックの送信状況を監視して、送信状況が所定の条件を満足しなければ、基地局に報告し、基地局は、報告に基づいて、報告に基づいて送信遅延が小さくなるタイミングの周期的なリソースを割当てるからである。
【0032】
また、本発明による第2の効果は、基地局が事前に規則的なトラヒックであることを把握できなくても、送信遅延を抑制したPersistentスケジューリングを実施できることである。その理由は、基地局が、トラヒックの受信状況を監視し、規則的なトラヒックか否かの判定を行ない、規則的なトラヒックであれば、送信遅延が小さくなるタイミングの周期的なリソースを割当てるからである。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第一の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図2】第一の実施の形態の端末の動作手順を示すフローチャート図である。
【図3】第一の実施の形態の基地局の動作手順を示すフローチャート図である。
【図4】発生するトラヒックのイメージ図である。
【図5】トラヒックの発生状態の変更のイメージ図である。
【図6】RBの割当て状態の管理イメージ図である。
【図7】パケットの発生タイミングとRBの割当て状態のイメージ図である。
【図8】第一の実施の形態のデータ送信タイミング図である。
【図9】第二の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図10】第三の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図11】第三の実施の形態の端末の動作手順を示すフローチャート図である。
【図12】第三の実施の形態の基地局の動作手順を示すフローチャート図である。
【図13】第三の実施の形態の割当リソースの計算方法の動作手順を示すフローチャート図である。
【図14】第四の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図15】第四の実施の形態の端末の動作手順を示すフローチャート図である。
【図16】第四の実施の形態の基地局の動作手順を示すフローチャート図である。
【図17】第四の実施の形態のデータ受信タイミング図である。
【図18】第四の実施の形態のデータ送信タイミング図である。
【図19】第一と第四の実施の形態を組み合わせた場合のシグナリングフローイメージ図である。
【図20】第五の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図21】第六の実施の形態の通信システムの構成を示すブロック図である。
【図22】既存の技術におけるデータ送信タイミング図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下に、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
<第一の実施の形態>
図1は、本発明が適用される通信システムの基本構成の例を示す図である。本実施の形態では、通信システムとして、LTEの上り回線を例にとって説明する。図1を参照すると、本通信システムは、基地局100と端末110とから構成される。基地局100は、端末110と無線チャネルによって接続される。基地局100は図示せぬネットワークと接続されている。また、図示していないが、基地局100は複数の端末と接続することができる。また、基地局も複数存在することができる。
【0035】
図1を参照すると、基地局100は、基地局動作部101と、リソース管理部102とを含んでいる。また、端末110は、端末動作部111と、トラヒック発生部112と、発生トラヒック監視部113を含んでいる。基地局動作部101は、LTEシステムにおいて一般的に用いられる基地局と同等の機能を有しており、その構成及び動作については周知であるので、その説明を省略する。本実施の形態においては、一般的な機能ではあるが、端末110から送信されるトラヒックを受信する機能を有する。リソース管理部102は、RBの割当状態を管理し、端末に割当てるリソースを決定する機能を有する。
【0036】
端末動作部111は、LTEシステムにおいて一般的に用いられる端末と同等の機能を有しており、その構成及び動作については周知であるので、その説明を省略する。本実施の形態においては、一般的な機能ではあるが、割当てられたリソースで、トラヒックを送信する機能を有する。トラヒック発生部112は、トラヒック発生の開始と終了を端末動作部111に通知する機能と、トラヒックを発生する機能とを有する。発生トラヒック監視部113は、トラヒックを監視し、監視結果を基地局100に報告する機能を有する。
【0037】
次に、本実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図2及び図3は、規則的なトラヒックが発生する端末110に対して、基地局100がPersistentスケジューリングでリソース割当てを行なう動作手順を示すもであり、端末110及び基地局100の各フローチャートである。
【0038】
図2を参照して、端末110の実際の動作手順を説明する。端末動作部111は、トラヒック発生時、基地局100にトラヒック情報を送信する(S101)。トラヒック情報とは、パケットの発生周期、発生タイミング、発生サイズの各パラメータを指す。パケットとは、トラヒックの到着単位である。図4に、トラヒック情報のイメージ図を示す。発生周期をt_gp 、発生タイミングをt_gt 、発生サイズをS(Size)として、各パラメータは変動しないと仮定している。
【0039】
t_gt は現在時刻を発生周期t_gp で割った余りで表され、以下の式で定義される。
t_gt =MOD(Tgn ,t_gp )
ここで、Tgnは、パケットPn が端末の送信バッファに到着した時刻を表す。発生タイミングを考慮せず、Tgn+1の直前のRBを割当てると、遅延が増大してQoSを満足できない問題が発生し易くなる。但し、端末110と基地局100間で既知のトラヒック情報のパラメータは送信する必要はない。例えば、端末110と基地局100間で、発生周期と発生サイズとは、事前に既知の情報であれば、発生タイミングのみを送信すればよい。
【0040】
次に、基地局100より、割当リソース情報を受信できれば(S102、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を記憶し(S103)、周期的に割当てられたリソースでのトラヒックの送信を開始する。割当リソース情報を受信できなければ(S102、No)、リソースが割当てられなかったので、処理を終了する。
【0041】
次に、発生トラヒック監視部113は、トラヒックを監視し(S104)、トラヒックに所定の変化があれば(S105、Yes)、基地局100にトラヒック情報を送信する(S106)。送信するのは、変化があったパラメータだけでよい。図5に、トラヒックの発生状態の変化のイメージ図を示す。a)は初期状態である。b)は発生タイミングの変化例である。c)は発生周期の変化例である。d)は発生サイズの変化例である。
【0042】
例えば、図5のパラメータを用いれば、以下のいずれかの条件を満足できない場合、所定の変化が発生したと判定する。
|t_gt k+1 −t_gt k |<Th_tgt
|t_gp k+1 −t_gp k |<Th_tgp
|Sk+1 −Sk |<Th_S
ここに、Th_tgt,Th_tgp,Th_Sは、それぞれしきい値を表す。
【0043】
次に、基地局100より、トラヒックの変化による割当リソースの更新情報を受信した場合(S107、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を更新する(S108)。割当リソース情報を受信しなければ(S107、No)、引き続き、割当て済みのリソースでデータを送信する。次に、端末動作部111は、トラヒック終了時(S109)、基地局100にトラヒック終了報告を送信し(S110)、処理を終了する。
【0044】
次に、図3を参照して、基地局100の実際の動作手順を説明する。リソース管理部102は、端末110から、トラヒック情報を受信した場合(S121、Yes)、割当リソースを計算し(S122)、RBの割当状態から、割当リソースを更新できる場合(S123、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S124)。割当リソースの計算方法は後述する。
【0045】
図6に、RBの割当状態の管理イメージを示す。縦軸はRB番号(RB Index)、横軸はTTI番号(TTI Index)であり、1TTI当たり最大7個のRBを、20TTIの周期で繰り返し使用できるRBの管理テーブルを示している。3個のRBを割当てる場合、割当可能なTTI Index =5、RB Index=3〜5を選択する例を示している。なお、網かけ部分は割当て済みのRBを示し、白い部分は未割当のRBを示し、太線内の3個のRBが割当てるRBを示す。
【0046】
次に、リソース管理部102は、端末110から、トラヒック終了報告を受信した場合(S125、Yes)、端末のリソースの解放処理を行い、処理を終了する(S126)。次に、割当リソース、即ち、MCSとRBとの計算方法を説明する。本実施の形態では、MCSは予め決められた唯一の固定値を選択する。また、1RB当たりの送信データサイズをTDU(Transmission Data Unit)と定義する。TDUはMCSよって一意に決まり、例えば、3個のRBを割当てる場合、送信データサイズは3*TDUとなるとする。また、1TTIで送信するパケット数をN_tp とし、固定値とする。
【0047】
RBに関するパラメータとしては、割当RB数(N_RBs)と、割当周期(t_ap )と、TTI Index (tti_idx )とを計算する。また、tti_idx =0に該当する時刻(Tbase[TTI] )を基地局100と端末110とにより共有し、かつ現在時刻も共有する。Tbaseは以下を満足する。
【0048】
MOD(Tbase,Tap)=0
現在時刻の共有は、GPS(Global Positioning System)を用いる方法や、所定のタイミングで、基地局100が端末110に、現在時刻を通知する方法などが考えられる。また、Tbaseの共有は、所定のタイミングや、割当リソース情報を送信するに、基地局100が端末110に通知する方法などが考えられる。
【0049】
N_RBsは以下となる。
N_RBs=CEIL((N_tp *S)/TDU)
ここに、CEILは、少数点以下を切り上げる整数を返す関数を表す。例えば、CEIL(1.5)=2となる。t_ap は、以下となる。
t_ap =N_tp *t_gp
tti_idx は、送信遅延を少なくするため、送信バッファへのパケット到着からt_gp /2以内のタイミングで送信するよう、以下を満足する中で、RBの割当状態を考慮して決定する。
MOD(tti_idx +t_gp −t_gt ,t_gp )≦t_gp /2
【0050】
また、再送データのリソース割当て方法をPersistentスケジューリングと、Dynamic スケジューリングのどちらにするかは、任意に選択できるものとする。例えば、チャネル品質が悪く、再送回数の期待値が大きい場合、Persistentスケジューリングで、再送分のリソースを確保しておくことが考えられる。
【0051】
また、本実施の形態では、MCSは唯一のものを選択したが、パイロット信号や制御信号やトラヒックの受信時に、端末110のチャネル品質を測定しておき、チャネル品質に応じてMCSを選択することも可能である。また、本実施の形態では、トラヒックの発生周期、発生タイミング、発生サイズを、固定的としたが、変動してもよい。その場合、以下のような測定を行い、発生トラヒックの状況を監視する。例えば、発生周期t_gp については、ある所定の時間内の平均値(t_gp_ave t )を測定する。次に、前回の平均値(t_gp_ave t-1 )と比較し、以下の条件式を満足できなければ、所定の変化が発生したと判定するなどである。
|t_gp_ave t −t_gp_avet-1 |>Th_tgp
発生タイミングt_gt 、発生サイズSも同様である。
【0052】
次に、割当リソースの計算に関する具体例について説明する。TTIはms単位とし、トラヒック情報のうち、発生周期t_gp =20ms、発生サイズS=320ビットは不変で、基地局100、端末110間で既知とする。また、端末110から、発生タイミングt_gt =5msが、基地局100に送信されたと仮定する。また、リソース管理部102のパラメータは以下を仮定する。
TDU=170ビット、N_tp =2
【0053】
先ず、割当RB数N_RBsは以下となる。
N_RBs=CEIL((N_tp *S)/TDU)=CEIL(2*320/170)=4
次に、割当周期t_ap は以下となる。
t_ap =N_tp *t_gp =2*20=40ms
次に、パケットの発生タイミングとRBの割当状態を図7とすると、tti_idx は、選択可能な直近のTTIの25を選択する。上記より、端末110は、40msに1回、4RBを使ってトラヒックの本送を行なうことができる。
【0054】
本実施の形態を適用した場合の、図22の既存の例に対する効果を図8に示す。パケットが発生してから本送するまでのT1 −T0 の期待値が、従来例の30ms(=(20+39)/2)から25ms(=(20+30)/2)に改善されることになる。
【0055】
<第二の実施の形態>
次に、本発明の第二の実施の形態について説明する。図9は本実施の形態による通信システムの基本構成の例を示す図であり、図1と同等部分は同一符号により示している。図9の構成を図1の例と比較すると、端末110のトラヒック発生部112が削除され、代わりに、端末110の外部にトラヒック発生装置120が追加された点が異なる。
【0056】
トラヒック発生装置120は、図1のトラヒック発生部112と同等の機能を有する。また、端末110とトラヒック発生装置120とは、無線リンクで接続されている。例えば、トラヒック発生装置120をパソコン(パーソナルコンピュータ)とし、端末110を無線モデムとして、両者はBluetooth (登録商標)等の無線リンクで接続されており、パソコンでインターネット電話をする場合が、本実施の形態に該当することになる。
【0057】
本実施の形態の動作は、図2及び図3に示された第一の実施の形態のそれと同じである。なお、Persistentスケジューリングのリソース割当ての更新契機としては、端末110とトラヒック発生装置120間の無線リンクが不安定で、トラヒック発生装置120から端末110に到着するパケットのタイミングがずれた場合など、が考えられる。
【0058】
<第三の実施の形態>
次に、本発明の第三の実施の形態について説明する。図10は本実施の形態による通信システムの基本構成の例を示す図である。図1と同等部分は同一符号により示している。図10の構成を図1の例と比較すると、端末110において、発生トラヒック監視部113が削除され、代わりに送信トラヒック監視部114が追加された点が異なる。
【0059】
送信トラヒック監視部114は、トラヒックの送信状況を監視し、監視結果を基地局100に報告する機能を有する。また、リソース管理部102は、第一の実施の形態の機能に加えて、トラヒックの受信状況から、リソースの使用状態を監視する機能を、更に有する。
【0060】
次に、本実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図11及び図12は、規則的なトラヒックが発生する端末110に対して、基地局100がPersistentスケジューリングでリソース割当てを行なう動作手順を示すフローチャートであり、図11が端末110、図12が基地局100の、各フローチャートである。
【0061】
図11を参照して、端末110の実際の動作手順を説明する。端末動作部111は、トラヒック発生時、基地局100にリソース割当要求を送信し(S141)、基地局100より、割当リソース情報を受信できれば(S142、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を記憶し(S143)、割当てられたリソースでのトラヒックの送信を開始する。割当リソース情報を受信できなければ(S142、No)、リソースが割当てられなかったので、処理終了となる。
【0062】
次に、送信トラヒック監視部114は、トラヒックの送信状況を監視する(S144)。トラヒックの送信状況として、送信バッファにあるパケット数(N_buff )と、パケットiの送信遅延(delayi )の各パラメータを監視する。delayi の測定には、上位レイヤの確認応答を用いることが考えられる。
【0063】
次に、送信バッファにあるパケット数N_Buff と新規に測定したdelayi を各しきい値(Th_N_buff ,Th_delay)と比較し、以下の条件式(1),(2)を1つでも満足しない場合、トラヒックの送信状況に問題ありと判定し(S145)、基地局100に、トラヒックの送信情報として、条件式を満足できなかったパラメータを送信する(S146)。
N_buff <Th_N_buff ……(1)
delayi <Th_delay……(2)
【0064】
例えば、式(1)を満足できないのは、割当リソース不足が原因と考えることができる。また、式(2)を満足できないのは、割当リソース不足と、不適切な送信タイミングの少なくとも1つが原因と考えることができる。次に、基地局100より、割当リソースの更新情報を受信した場合(S147、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を更新する(S148)。割当リソース情報を受信できなければ(S147、No)、引き続き、割当済みのリソースでデータを送信する。次に、端末動作部111は、トラヒック終了時(S149)、基地局100にトラヒック終了報告を送信し(S150)、処理を終了する。
【0065】
図12を参照して、基地局100の実際の動作手順を説明する。リソース管理部102は、端末110からリソース割当要求を受信した場合(S161、Yes)、初期設定で決められた割当リソースを計算し(S162)、RBの割当状態から、割当て可能なリソースがある場合(S163、Yes)、端末110にリソースを割当て、割当リソース情報を端末110に送信する(S164)。
【0066】
次に、端末110から、トラヒックの送信情報を受信した場合(S165、Yes)、割当リソースを計算し、RBの割当状態から割当リソースを更新できる場合(S166、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S167)。
【0067】
図13を参照して、図12のステップS166の割当リソースの計算方法を詳細に説明する。MCSは、第一の実施の形態と同様に、予め決められた唯一の固定値を選択する。また、1TTIで送信するパケット数N_tp も固定値とする。RBに関するパラメータの種類は、第一の実施の形態と同じく、割当RB数N_RBsと、割当周期t_ap と、tti_idxとする。このうち、トラヒックの送信情報を受信しても、割当周期t_ap は更新しないとする。
【0068】
先ず、トラヒックの送信情報として、送信バッファにあるパケット数N_Buff を受信した場合(S181、Yes)、リソース不足が原因と判定し、以下の式に従って、更新する場合のN_RBsを計算し、リソース管理部102は、RBの割当状態から、図9の第一の実施の形態と同様に、割当可能なtti_idx を検索する(S182)。
N_RBs=N_RBs+1
【0069】
tti_idx は、送信タイミングよって、送信遅延が増加しないよう、割当済みのtti_idxから、降順に検索するのが望ましい。例えば、割当済みのtti_idx を5とし、割当周期を20TTIとすると、以下の順に検索することになる。
tti_idx 候補→5,4…1,20,19…7,6
【0070】
また、トラヒックの送信情報として、送信バッファにあるパケット数N_Buff を受信しなかった場合(S181、No)、送信遅延だけを受信しているので、不適切な送信タイミングが原因と判定し、送信遅延が増加しないよう、割当済みのtti_idx 以外から、降順に検索する(S183)。例えば、割当済みのtti_idx を1とし、割当周期を20TTIとすると、以下の順に検索することになる。
tti_idx 候補→20,19…3,2
【0071】
S182,S183による検索の結果、割当可能なRBがあれば(S184、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S167)。
【0072】
次に、リソース管理部102は、リソースの使用状態を監視し(S168)、リソース使用率が所定のしきい値よりも小さければ、割当リソースが過剰である判定し(S169、Yes)、割当リソースを削減し(S170)、割当リソース情報を端末110に送信する(S171)。リソース使用率の判定は、以下の条件式を用いる。
Σ{TD/(N_RBs*TDU)}<Th_band
【0073】
ここに、TDはあるTTIで実際に送信されたトラヒックサイズを表し、N_RBs*TDUは割当RBで送信可能なトラヒックサイズを表す。従って、TD/(N_RBs*TDU)は、割当られた帯域の使用率を表す。Σは、RBの割当タイミング(tti_idx )で測定した結果の合計を取ることを示す。Th_band は、リソース使用率しきい値である。
【0074】
割当リソースを削減する場合、以下のように、N_RBsを更新する。
N_RBs=MAX(N_RBs−1,1)
次に、リソース管理部102は、端末110から、トラヒック終了報告を受信した場合(S172、Yes)、端末のリソースの解放処理を行い、処理を終了する(S173)。
【0075】
なお、本実施の形態では、N_RBsを1ずつ増減する例を示したが、送信バッファにあるパケット数N_Buff と、しきい値Th_N_buff とを比較して、2以上増加させることも可能である。また、本実施の形態では、トラヒックの送信状態として、送信バッファにあるパケット数と送信遅延とを用いたが、例えば、パケット数はデータサイズに、送信遅延はスループットに、それぞれ置換えることも可能である。
【0076】
<第四の実施の形態>
次に、本発明の第四の実施の形態について説明する。図14は、本発明の第四の実施の形態による通信システムの基本構成の例を示す図であり、図1と同等部分は同一符号により示す。図14の構成において、図1のそれと比較すると、端末110から発生トラヒック監視部113が削除され、代わりに基地局100に受信トラヒック監視部103が追加された点が異なる。
【0077】
受信トラヒック監視部103は、トラヒックの受信状況を監視し、リソース管理部102と監視結果を共有する機能を有する。また、基地局動作部101は、第一の実施の形態の機能に加えて、端末110のチャネル品質を測定する機能を、更に有する。チャネル品質は、パイロット信号や制御信号やトラヒックの受信時に測定されるものとする。
【0078】
次に、本実施の形態の動作について図面を参照して説明する。図15及び図16は、トラヒックが発生した端末110に対して、基地局100は受信状況から規則的なトラヒックか判定し、規則的なトラヒックであれば、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう動作手順を示すフローチャートであり、端末110及び基地局100の各フローチャートである。
【0079】
図16の基地局100のフローチャートは、主に、大きく2つ部分から構成されている。第1の部分は、Learning Period (Dynamic スケジューリング)と記載した部分である。この部分は、トラヒックを解析し、規則的に発生するトラヒックか否かを判定する処理を行なうものである。また、第2の部分は、Learning based Persistent スケジューリングと記載した部分であり、判定の結果、VoIPなど、規則的なトラヒックであれば、解析結果に基づいて周期的なリソースを割当てる処理を行なうものである。
【0080】
一方、FTP(File Transfer Protocol)ファイル転送など、バースト的に発生する非規則的なトラヒックであれば、Dynamic スケジューリングの適用を継続する。図15の端末110のフローチャートの構成も、Learning Period と、Learning based Persistentスケジューリングに対応している。
【0081】
図15を参照して、端末110の実際の動作手順を説明する。端末動作部111は、送信するトラヒックがある場合(S201)、基地局100にリソース要求を送信する(S202)。次に、基地局100から瞬時的な割当リソース情報を受信した場合(S203、Yes)、端末動作部111は割当リソース情報を記憶し、指定された送信タイミングでトラヒックを送信する(S204)。
【0082】
一方、基地局100から周期的な割当リソース情報を受信した場合(S205、Yes)、端末動作部111は、割当リソース情報を記憶し、周期的なトラヒック送信が開始できることになる(S206)。次に、周期的な割当リソースの解放通知を受信した場合(S207)、端末110は、基地局100に受信に対する確認応答を送信し、Persistentスケジューリングでのトラヒックの送信を終了する(S208)。発生するのが非規則的なトラヒックであれば、S201〜S205の処理を繰り返し、Dynamic スケジューリングが継続される。
【0083】
図16を参照して、基地局100の実際の動作手順を説明する。リソース管理部102は、端末110からリソース要求を受信した場合(S221、Yes)、トラヒックが規則的か否か判定済みでなければ(S222、No)、判定を実施する期間であるLearningPeriod を開始する(S223)。次に、測定したチャネル品質から、MCSと割当RBとを計算し、瞬時的な割当リソース情報を端末110に送信する(S224)。
【0084】
次に、受信トラヒック監視部103は、端末110からのトラヒックの受信状況を監視する(S225)。トラヒックの受信状況として、受信したパケット数(NumPacket)、受信したパケットiのサイズ(Srxi )、パケットiの一部を最初に受信した時刻と、次のパケットi+1の一部を最初に受信した時刻の間隔(t_periodk )を監視する。t_periodk は、NumPacket−1個測定できる。次に、所定のLearning period が経過したら(S226)、トラヒックを解析し、規則的か否か判定する(S227)。判定は以下のように行なう。
【0085】
先ず、パケットの発生間隔の平均値(tperiod_ave)、偏差(tperiod_dev)を以下の式から推定する。
Tperiod_ave=Σ(t_periok k )/(NumPacket−1)
Tperiod_dev=[Σ(t_period k −tperiod_ave)^2/(NumPacket−1)]^(1/2)
【0086】
ここで、ΣはLearning period 間の合計を計算することを示している。また、パケットの発生サイズの平均値(S_ave)及び偏差(S_dev)を同様に計算する。
S_ave=Σ(Srxi )/NumPacket
S_dev=[Σ(Srxi −S_ave)^2/NumPacket]^(1/2)
【0087】
次に、以下の条件式をいずれも満足する場合、規則的なトラヒックと判定する。
tperiod_dev/tperiod_ave<Th_period ……(3)
S_dev/S_ave<Th_size ……(4)
【0088】
ここに、Th_period ,Th_size は、規則的トラヒックと判定するためのしきい値である。規則的なトラヒックであれば、平均値に対する偏差が小さいと考えるからである。
【0089】
本実施の形態では、規則的なトラヒックの判定のために、平均値と偏差とを用いたが、判定方法はこれに限らない。例えば、以下のように、各測定値の最大値と最小値とが、所定のしきい値よりも小さい場合を判定条件にすることも考えられる。
(t_period max −t_period min )<Th_period2
(Srxmax −Srxmin )<Th_size2
ここで、max,minは、測定値の最大値、最小値をそれぞれ表す。
【0090】
上記条件式のいずれかを満足しない場合、非規則的なトラヒックと判定し(S227、No)、本トラヒックに関しては、Dynamic スケジューリングの適用を継続する(S228)。上記条件式(3),(4)を何れも満足する場合、規則的なトラヒックと判定し(S227、Yes)、周期的に割当てるリソースを計算する(S229)。割当リソースの計算方法は、第一の実施の形態と同じとする。発生周期t_gp 、発生サイズSは、それぞれ以下のように計算する。
t_gp =tperiod_ave
S=S_ave
【0091】
また、発生タイミングt_gt は、Learning period 中の最後に受信したパケットの一部を最初に受信した時刻(T_last )を使って、以下の式で計算する。
t_gt =MOD(T_last ,t_gp )
【0092】
図17に受信タイミングのイメージ図を示す。図17の例では、Learning Period 中に監視できる受信トラヒックはパケット3個である。各パラメータは以下のように計算できる。
tperiod_ave=(t_period 1 +t_period 2 )/(3−1)
tperiod_dev=[{(t_period 1 −t_period_ave )^2+(t_period 2 −tperiod_ave)^2}/(3−1)]^(1/2)
S_ave=(Srx1 +Srx2 +Srx3 )/3
S_dev=[{(Srx1 −S_ave)+(Srx2 −S_ave)+(Srx3 −S_ave)}/3]^(1/2)
【0093】
次に、RBの割当状態から、割当てるリソースがある場合(S230、Yes)、割当リソース情報を端末110に送信する(S231)。割当てるリソースがない場合、リソースが割当てられるまで、Persistentスケジューリングの割当候補として、Dynamic スケジューリングを継続するが(S232)、所定時間、リソース要求を受信できなくなれば(S233、Yes)、トラヒックの発生が終了したと判断し、Persistentスケジューリングの割当候補としては除外し、処理を終了する。
【0094】
次に、受信トラヒック監視部103は、受信トラヒックを監視し(S234)、所定時間、端末110がトラヒックを送信しない場合(S235、Yes)、トラヒックの発生が終了したと判定し、端末110に周期的に割当てたリソースを解放することを通知する(S236)。この通知に対する確認応答を受信できれば(S237、Yes)、周期的に割当てたリソースを解放し、端末110に対するPersistentスケジューリングを終了する(S238)。
【0095】
本実施の形態を適用した場合のデータ送信のイメージ図を図18に示す。本実施の形態では、端末は送信するトラヒックがある場合、リソース要求のみ送信しているが、例えば、送信バッファサイズを送信してもよい。この場合、基地局は、Dynamic スケジューリングにおいて、送信バッファのデータを送信可能なだけのリソースを割当てればよいので、無線リソースの利用効率が改善する。
【0096】
また、本実施の形態において、更に第一の実施の形態のように、端末100でトラヒックを監視すれば、トラヒックの状態に変更があっても、適切なリソースの再割当てが可能となる。また、ハンドオーバー時、基地局100は、判定した端末110の周期的なトラヒックの情報を、ハンドオーバー先の基地局に転送すれば、ハンドオーバー先の基地局は、Learning Period を実施する手間が省け、効率的である。
【0097】
VoIPトラヒック等で、本第四の実施の形態と第一の実施の形態を組み合わせた場合のシグナリングフローのイメージ例を図19に示す。UE(端末)は、トラヒックを送信する場合、Source cell (ハンドオーバー基の基地局のセル)と、Call Setup(コールセットアップ)を行い(S301)、無線リンクを確立する。次に、Source Cell は、Learning Periodで、トラヒックの解析を行なう(S302)。次に、解析結果に基づいて、Source Cell は、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう(S303)。
【0098】
ハンドオーバーを実施する場合、例えば、以下の手順でシグナリングを実施する。先ず、UEは、Source cell にHO request(ハンドオーバー要求)を送信し(S304)、Source cell は、Target cell(ハンドオーバー先の基地局のセル)に、HO requestを送信する(S305)。次に、ハンドオーバーが可能であれば、Target cell は、ネットワーク側のGW(ゲートウェイ)にHO(ハンドオーバー)の実施を通知し(S306)、同時に、HO command(ハンドオーバーコマンド)をSource cell に送信する(S307)。
【0099】
次に、Source cell は、HO commandをUEに送信し(S308)、同時に、Learning Periodで解析した情報をTarget cell にForwarding(転送)する(S309)。次に、UEはHO complete をTarget cell に送信し(S310)、ハンドオーバーが完了する。ハンドオーバー後、Target cell は、Learning Period を実施せず、Persistentスケジューリングを実施できる(S311)。
【0100】
Learning Periodで解析した情報の転送は、Source cell とTarget cell とにおいて実施している無線システムが異なっている場合でも、効果がある。無線システムに関わらず、Persistentスケジューリングをサポートしてれば、Learning Period を省略できるからである。例えば、Source cell では、LTEが実施されており、Target cell では、WCDMAや無線LANが実施されている場合などである。
【0101】
<第五の実施の形態>
次に、本発明の第五の実施の形態について説明する。図20は、上述した第三の実施の形態を下り回線に適用した場合の基本構成の例を示す図であり、図10と同等部分は同一符号により示す。図20において、端末110は端末動作部11のみを有しており、基地局100は、基地局動作部101と、リソース管理部102と、トラヒック発生部104と、送信トラヒック監視部105とを有している。トラヒック発生部104及び送信トラヒック監視部105は、図10のトラヒック発生部112及び送信トラヒック監視部114とそれぞれ同等機能を有する。
【0102】
本実施の形態における動作は、図2,3に示された第一の実施の形態と同様であるので、説明を省略するが、下り回線の場合、ネットワークを介してトラヒックが基地局の送信バッファに到着するので、トラヒックのゆらぎ等が発生する。従って、本実施の形態のように、送信状況を監視し、割当リソースを再割当て、即ち、割当リソースを調整することは、送信遅延に対して効果が大きい。
【0103】
<第六の実施の形態>
次に、本発明の第六の実施の形態について説明する。図21は、上述した第四の実施の形態を下り回線に適用した場合の基本構成の例を示す図であり、図14と同等部分は同一符号により示す。図21において、端末110は端末動作部11のみを有しており、基地局100は、基地局動作部101と、リソース管理部102と、トラヒック発生部104と、トラヒック判定部106とを有している。トラヒック判定部106は、第四の実施の形態の受信トラヒック監視部103と同様に、トラヒックを監視し、トラヒックが規則的に到着するかを判定する機能を有する。
【0104】
本実施の形態の動作は、図15及び図16に示された第四の実施の形態と同様であるので、説明を省略する。
【0105】
以上述べたように、本発明では、端末は、規則的に発生するトラヒックを監視し、トラヒックに所定の変化が発生したら、基地局に報告する。基地局は、報告に基づいて、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう。これにより、送信遅延を満足できる適切なリソースを割当てることができる。また、トラヒックに所定の変化が発生した場合だけ報告するので、シグナリングに伴うリソース消費を抑制できる。
【0106】
また、本発明では、規則的に発生するトラヒックの送信状況を監視し、送信状況が所定の条件を満足しなければ、基地局に送信状況を報告する。基地局は、報告に基づいて、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう。これにより、送信遅延を満足できるリソースを割当てることができる。更に、本発明では、基地局は、端末に割当てたリソースの使用率を監視し、使用率が低ければ、割当てたリソースを削減する。これにより、過剰なリソース割当てを回避できる。
【0107】
更にはまた、本発明では、基地局は、端末から送信されるトラヒックの受信状況を監視し、規則的なトラヒックか否かの判定を行ない、規則的なトラヒックであれば、Persistentスケジューリングでリソース割当てを行なう。これにより、基地局が事前に規則的なトラヒックであることを把握できなくても、Persistentスケジューリングでリソースを割当てることができる。
【0108】
また、本発明では、基地局は、端末に割当てたリソースの使用率を監視し、使用率が低ければ、リソースを割当てたリソースを解放する。これにより、無駄なリソース割り当てを回避することができる。また、ハンドオーバー時、判定したトラヒック情報を、ハンドオーバー先の基地局に転送できる。これにより、ハンドオーバー先の基地局は、トラヒックが周期的か否かを判定する手間が省ける。
【産業上の利用可能性】
【0109】
以上の各実施の形態では、LTEを例に説明したが、トラヒックが規則的に発生し、そのトラヒックの送信に、周期的に使用できるリソースを割当てる通信システムであれば、他の通信システムにも適用できる。また、フローチャートを用いて説明した各実施の形態の動作は、その動作手順を予めプログラムとしてROMなどの記録媒体に格納しておき、これをコンピュータにより読取らせて実行させるように構成できることは明白である。
【符号の説明】
【0110】
100 基地局
101 基地局動作部
102 リソース管理部
103 受信トラヒック監視部
104 基地局
105 送信トラヒック監視部(基地局)
106 トラヒック判定部
110 端末
111 端末動作部
112 トラヒック発生部
113 発生トラヒック監視部
114 送信トラヒック監視部(端末)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、
前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視ステップと、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定ステップと、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいて周期的にリソースを割当てる割当てステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記判定ステップは、前記データの受信状況から、前記データの発生間隔と、前記データの発生サイズとを計算し、各々が所定条件を満足するか判定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基地局は、割当てたリソースの使用率を測定するステップと、前記使用率が所定しきい値よりも低ければ、割当てたリソースを解放するステップとを、更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記基地局は、ハンドオーバー時、前記受信状況の監視結果をハンドオーバー先の基地局に転送するステップを、更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当システムであって、
前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記判定手段は、前記データの受信状況から、前記データの発生間隔と前記データの発生サイズとを計算し、各々が所定条件を満足するか判定することを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記基地局は、割当てたリソースの使用率を測定する測定手段と、前記使用率が所定のしきい値よりも低ければ、割当てたリソースを解放する解放手段とを、更に備えることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項8】
前記基地局は、ハンドオーバー時、前記監視結果をハンドオーバー先の基地局に転送する転送手段を、更に備えることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項9】
端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、
前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする基地局。
【請求項10】
前記判定手段は、前記データの受信状況から、前記データの発生間隔と前記データの発生サイズとを計算し、各々が所定条件を満足するか判定することを特徴とする請求項9記載の基地局。
【請求項11】
割当てたリソースの使用率を測定する測定手段と、前記使用率が所定のしきい値よりも低ければ、割当てたリソースを解放する解放手段とを、更に備えることを特徴とする請求項9記載の基地局。
【請求項12】
ハンドオーバー時、前記監視結果をハンドオーバー先の基地局に転送する転送手段を、更に備えることを特徴とする請求項9記載の基地局。
【請求項1】
端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当方法であって、
前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視ステップと、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定ステップと、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいて周期的にリソースを割当てる割当てステップとを備えることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記判定ステップは、前記データの受信状況から、前記データの発生間隔と、前記データの発生サイズとを計算し、各々が所定条件を満足するか判定することを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記基地局は、割当てたリソースの使用率を測定するステップと、前記使用率が所定しきい値よりも低ければ、割当てたリソースを解放するステップとを、更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項4】
前記基地局は、ハンドオーバー時、前記受信状況の監視結果をハンドオーバー先の基地局に転送するステップを、更に備えることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項5】
端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおけるリソース割当システムであって、
前記基地局は、前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とするシステム。
【請求項6】
前記判定手段は、前記データの受信状況から、前記データの発生間隔と前記データの発生サイズとを計算し、各々が所定条件を満足するか判定することを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項7】
前記基地局は、割当てたリソースの使用率を測定する測定手段と、前記使用率が所定のしきい値よりも低ければ、割当てたリソースを解放する解放手段とを、更に備えることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項8】
前記基地局は、ハンドオーバー時、前記監視結果をハンドオーバー先の基地局に転送する転送手段を、更に備えることを特徴とする請求項5記載のシステム。
【請求項9】
端末と、基地局とを含み、前記端末にデータが発生し、前記基地局は前記端末にリソースを割当て、前記端末は前記リソースを用いてデータを送信する通信システムにおける基地局であって、
前記データの受信状況を監視する監視手段と、前記受信状況に基づいて前記データが規則的に発生するか判定する判定手段と、規則的に発生すると判定した場合、前記監視結果に基づいてリソースを割当てる割当て手段とを備えることを特徴とする基地局。
【請求項10】
前記判定手段は、前記データの受信状況から、前記データの発生間隔と前記データの発生サイズとを計算し、各々が所定条件を満足するか判定することを特徴とする請求項9記載の基地局。
【請求項11】
割当てたリソースの使用率を測定する測定手段と、前記使用率が所定のしきい値よりも低ければ、割当てたリソースを解放する解放手段とを、更に備えることを特徴とする請求項9記載の基地局。
【請求項12】
ハンドオーバー時、前記監視結果をハンドオーバー先の基地局に転送する転送手段を、更に備えることを特徴とする請求項9記載の基地局。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2012−213200(P2012−213200A)
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−130692(P2012−130692)
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【分割の表示】特願2009−538978(P2009−538978)の分割
【原出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月1日(2012.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成24年6月8日(2012.6.8)
【分割の表示】特願2009−538978(P2009−538978)の分割
【原出願日】平成20年9月16日(2008.9.16)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.WCDMA
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【Fターム(参考)】
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