説明

通信システム及び通信システムの制御方法

【課題】着信時に電話装置の表示部に表示させる情報を自動的に変化させることができる通信システム及びその制御方法を提供する。
【解決手段】IP電話装置10の表示部10Bがサーバ11のCPU11Aにより制御され、ROM11Bに記憶された複数の情報のうちタイマ11Cで計測されたタイミングと発信元の電話番号とに対応した情報がIP電話装置10の着信時に表示部10Bに表示される。IP電話装置10が着信する度にタイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が表示部10Bに常に表示されるため、IP電話装置10のユーザにとって発信者を特定できるとともに新鮮な気持ちで応答することができる。IP電話装置10の表示部10Bで表示される情報がタイミングや発信元の電話番号に応じて自動的に変化するため、IP電話装置10のユーザにとって面白味があり、飽きがきてしまうことを防止できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、サーバと電話装置とを通信接続した通信システム及びその制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の通信システムとして、サーバと複数の電話装置(例えばIP電話装置)などを通信接続したものが知られている。この通信システムによれば、電話装置を外線又は内線として使用するときにはサーバを経由して通信接続されることにより、通話可能となる。
【0003】
なお、上記従来技術は公用の技術であり、本発明は公用の技術をもとに開発したものである。このため、出願人は、特許出願の時において本発明に関連する文献公知発明の存在を知らず、文献公知発明の名称その他の文献公知発明に関する情報の所在の記載を省略する。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、各電話装置には所定の情報を表示させる表示部がそれぞれ設けられており、この表示部で表示される情報として発信元の電話番号があるが、着信時に発信先の電話番号を常に表示させることは面白味に欠けるものとなる。また、表示部で表示される情報としてユーザが予め設定した情報が考えられるが、この場合には常に同一の情報が表示部に表示されるため、電話番号を表示させる場合と同様に、面白味に欠け、ユーザがすぐに飽きてしまう問題がある。
【0005】
そこで、本発明は、上記事情を考慮し、着信時に電話装置の表示部に表示させる情報を自動的に変化させることができる通信システム及びその制御方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、電話装置とサーバとを通信接続した通信システムであって、前記電話装置は、所定の情報を表示する表示部を有し、前記サーバは、タイミングに対応した複数の情報と発信元の電話番号とを関連付けて記憶する記憶部と、前記タイミングを計測する計測部と、前記記憶部に記憶された情報のうち前記計測部で計測された前記タイミングと前記発信元の電話番号とに対応した情報を前記電話装置の着信時に前記表示部に表示させる制御部と、を有することを特徴とする。
【0007】
請求項1に記載の発明によれば、電話装置の表示部がサーバの制御部により制御され、サーバの記憶部に記憶された複数の情報のうちサーバの計測部で計測されたタイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が電話装置の着信時に表示部に表示される。このように、電話装置が着信する度に、タイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が表示部に常に表示されるため、電話装置のユーザにとって発信者を特定できるとともに新鮮な気持ちで応答することができる。また、電話装置の表示部で表示される情報がタイミングや発信元の電話番号に応じて自動的に変化するため、電話装置のユーザにとって面白味があり、飽きがきてしまうことを防止できる。
【0008】
なお、本明細書において、「タイミング」とは、季節、日時などの時間に関するものを意味する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の通信システムであって、前記表示部で表示される前記情報は、季節によって変化することを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、電話装置の表示部で表示される情報は季節によって変化するため、季節(例えば、春、夏、秋、冬)毎にその季節に合致した情報を表示部に表示させることができる。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の通信システムにおいて、前記表示部で表示される前記情報は、日時によって変化することを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、電話装置の表示部で表示される情報は日時によって変化するため、時間(例えば、朝、昼、夕方、夜)毎にその時間に合致した情報を表示部に表示させることができる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、電話装置とサーバとを通信接続した通信システムの制御方法であって、前記電話装置の表示部が前記サーバの制御部により制御され、前記サーバの記憶部に記憶された複数の情報のうち前記サーバの計測部で計測されたタイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が前記電話装置の着信時に前記表示部に表示されることを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、電話装置の表示部がサーバの制御部により制御され、サーバの記憶部に記憶された複数の情報のうちサーバの計測部で計測されたタイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が電話装置の着信時に表示部に表示される。このように、電話装置が着信する度に、タイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が表示部に常に表示されるため、電話装置のユーザにとって発信者を特定できるとともに新鮮な気持ちで応答することができる。また、電話装置の表示部で表示される情報がタイミングや発信元の電話番号に応じて自動的に変化するため、電話装置のユーザにとって面白味があり、飽きがきてしまうことを防止できる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の通信システムの制御方法において、前記表示部で表示される前記情報は、季節によって変化することを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、電話装置の表示部で表示される情報は季節によって変化するため、季節(例えば、春、夏、秋、冬)毎にその季節に合致した情報を表示部に表示させることができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項4に記載の通信システムの制御方法において、前記表示部で表示される前記情報は、日時によって変化することを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、電話装置の表示部で表示される情報は日時によって変化するため、時間(例えば、朝、昼、夕方、夜)毎にその時間に合致した情報を表示部に表示させることができる。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、着信時に電話装置の表示部に表示させる情報をタイミングに基づいて自動的に変化させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
次に、本発明の第1実施形態に係る通信システムについて、図面を参照して説明する。
【0021】
図1に示すように、本実施形態の通信システム1は、ボタン式のIP(Internet Protocol、以下、単に「IP」と略する。)電話装置(電話装置)10を有している。このIP電話装置10は複数本の電話回線を有し各電話回線に対応した電話番号を設定することができるものである。また、このIP電話装置10は、外線設定、すなわちルータ12及びインターネット網を介して他のIP電話装置14と通信(通話)することができるようになっており、また公衆回線網を利用した電話装置13とも通信(通話)することができるようになっている。さらに、このIP電話装置10は、内線設定、すなわち、所定のグループで共有されたグループ共有回線により他のボタン式のIP電話装置16、18とも通信(通話)することができるようになっている。
【0022】
また、IP電話装置10は、所定の数字などを入力する入力部10Aと、所定の情報を表示する表示部10Bと、所定の情報などを記憶するメモリ10Cと、メモリ10Cの記憶内容に基づいて所定の判断処理を行う制御回路10Dと、を有している。
【0023】
また、IP電話装置10は、ルータ12及びインターネット網を介して他のIP電話装置14と通信する場合や公衆回線網を利用した電話装置13と通信する場合の他に、所定のグループで共有されたグループ共有回線により他のIP電話装置16、18と通信する場合にも、サーバ11を介して通信状態が実現される。
【0024】
ここで、サーバ11は、所定の演算処理及び制御を実行するCPU(制御部)11Aと、所定の情報を記憶するROM(記憶部)11Bと、時間(季節)を計測するタイマ(計測部)11Cと、を備えている。このROM11Bには、発信元の各電話番号に対応した複数の画像(情報)が予め記憶されている。すなわち、ROM11Bには、発信元の第1電話番号に対応した画像Aが記憶されている。この画像Aは、季節(春、夏、秋、冬)に対応した4つの画像A1、A2、A3、A4で構成されている。また、ROM11Bには、発信元の第2電話番号に対応した画像Bが記憶されている。この画像Bは、時間(朝、昼、夕方)に対応した3つの画像B1、B2、B3で構成されている。具体的には、画像Aは、同一人物(例えば、恋人や家族の画像など)における異なる画像A1、A2、A3、A4(例えば、春は恋人のピクニックに行くときの服装姿(A1)、夏は恋人の水着姿(A2)、秋は恋人の運動会をするときの姿(A3)、冬は恋人のスキーをするときの姿(A4))でもよいし、異なる人物(例えば、取引先担当者の画像など)における異なる画像でもよい。また、画像Bも同様に、同一人物(例えば、恋人や家族の画像など)における異なる画像B1、B2、B3(例えば、朝は恋人のパジャマ姿(B1)、昼は恋人の部屋着姿(B2)、夕方は恋人のエプロン姿(B3))でもよいし、異なる人物(例えば、取引先担当者の画像など)における異なる画像でもよい。
【0025】
また、本実施形態では、2つの発信元の電話番号(第1電話番号、第2電話番号)に対応する画像A、Bを説明したが、1つの発信元の電話番号に対応する画像のみをROM11Bに記憶させてもよいし、3つ以上の発信元の電話番号に対応する3種類の画像をROM11Bに記憶させるようにしてもよい。また、サーバ11のROM11Bには、発信元の電話番号に対する画像をIP電話装置10の入力部10Aから記憶設定できるようになっている。
【0026】
また、サーバ11のCPU11Aは、ROM11Bに記憶された画像のうちタイマ11Cで計測されたタイミングと発信元の電話番号とに対応した画像をIP電話装置10の表示部10Bに表示させるように制御する。
【0027】
次に、第1実施形態に係る通信システムの制御方法について説明する。
【0028】
図1及び図2に示すように、サーバ11のCPU11AによりIP電話装置10の着信の有無が判断される(S100)。CPU11AによりIP電話装置10に着信が有ると判断されると、発信元の電話番号が第1電話番号であるか否かがCPU11Aにより判断される(S120)。発信元の電話番号が第1電話番号であるとCPU11Aにより判断されると、タイマ11Cにより計測された時間(季節)が読み取られる(S140)。そして、タイマ11Cにより計測された時間(季節)とROM11Bに記憶された画像とから所定の画像(A1、A2、A3、A4のうちの一つ)がCPU11Aにより特定される(S160)。CPU11Aにより特定された画像がIP電話装置10の表示部10Bで表示される(S180)。一方、発信元の電話番号が第1電話番号ではないとCPU11Aにより判断されると、発信元の電話番号が第2電話番号であるか否かがCPU11Aにより判断される(S200)。発信元の電話番号が第2電話番号であるとCPU11Aにより判断されると、タイマ11Cにより計測された時間(季節)が読み取られる(S220)。そして、タイマ11Cにより計測された時間(季節)とROM11Bに記憶された画像とから所定の画像(B1、B2、B3のうちの一つ)がCPU11Aにより特定される(S240)。CPU11Aにより特定された画像がIP電話装置10の表示部10Bで表示される(S260)。
【0029】
ここで、表示部10Bで表示される画像は、図3(A)に示すように、発信元が第1電話番号である場合、タイマ11Cにより春が計測されると画像A1が表示され、夏が計測されると画像A2が表示され、秋が計測されると画像A3が表示され、冬が計測されると画像A4が表示される。また、図3(B)に示すように、発信元が第2電話番号である場合、タイマ11Cにより朝が計測されると画像B1が表示され、昼が計測されると画像B2が表示され、夕方が計測されると画像B3が表示される。
【0030】
以上のように、本実施形態によれば、IP電話装置10が着信する度に、タイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が表示部10Bに常に表示されるため、IP電話装置10のユーザにとって発信者を特定できるとともに新鮮な気持ちで応答することができる。また、IP電話装置10の表示部10Bで表示される情報がタイミングや発信元の電話番号に応じて自動的に変化するため、IP電話装置10のユーザにとって面白味があり、飽きがきてしまうことを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の第1実施形態に係る電話装置を含めた電話回線網を示すブロック図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る電話装置の制御方法を示すフローチャートである。
【図3】(A)は第1電話番号から着信があったときに表示部に表示される各画像A1、A2、A3、A4であり、(B)は第2電話番号から着信があったときに表示部に表示される各画像B1、B2、B3である。
【符号の説明】
【0032】
1 通信システム
10 IP電話装置(電話装置)
10B 表示部
11 サーバ
11A CPU(制御部)
11B ROM(記憶部)
11C タイマ(計測部)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電話装置とサーバとを通信接続した通信システムであって、
前記電話装置は、所定の情報を表示する表示部を有し、
前記サーバは、タイミングに対応した複数の情報と発信元の電話番号とを関連付けて記憶する記憶部と、前記タイミングを計測する計測部と、前記記憶部に記憶された情報のうち前記計測部で計測された前記タイミングと前記発信元の電話番号とに対応した情報を前記電話装置の着信時に前記表示部に表示させる制御部と、を有することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記表示部で表示される前記情報は、季節によって変化することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記表示部で表示される前記情報は、日時によって変化することを特徴とする請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
電話装置とサーバとを通信接続した通信システムの制御方法であって、
前記電話装置の表示部が前記サーバの制御部により制御され、前記サーバの記憶部に記憶された複数の情報のうち前記サーバの計測部で計測されたタイミングと発信元の電話番号とに対応した情報が前記電話装置の着信時に前記表示部に表示されることを特徴とする通信システムの制御方法。
【請求項5】
前記表示部で表示される前記情報は、季節によって変化することを特徴とする請求項4に記載の通信システムの制御方法。
【請求項6】
前記表示部で表示される前記情報は、日時によって変化することを特徴とする請求項4に記載の通信システムの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−345424(P2006−345424A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−171366(P2005−171366)
【出願日】平成17年6月10日(2005.6.10)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)鳥取三洋電機株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】