説明

通信システム

【課題】第1の端末が存在する位置の情報および当該情報の履歴を、第2の端末において、当該位置情報の精度とともに受信することができる通信システムを提供する。
【解決手段】第1端末10と、基地局20と、位置情報管理装置30と、第2端末40と、を含む通信システムにおいて、位置情報管理装置30は、第1端末10が取得した位置と、第1端末10の位置に関する情報とを記録することにより、第1端末10の位置に関する情報を第2端末40に通知する際、第1端末10の位置が取得されていれば、その情報を高い精度である旨の情報とともに通知することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信システムに関するものであり、より詳細には、本発明は、第1の端末の位置を、第2の端末において把握することができる通信システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば保護者が迷子になっている我が子を探す際に利用される技術のように、ある人物の現在位置を特定する技術は数多く提案されている(例えば、特許文献1および2参照)。
【0003】
特許文献1に記載の通信システムによれば、博覧会やテーマパーク等の会場において、迷子が発生し、その迷子が係員により発見された場合、保護者に短時間で連絡を取ることができる。また、特許文献2に記載の迷子探索システムによれば、各種移動体の位置情報を探索するシステムに関し、大規模ショッピングモールやテーマパーク等の所定領域内において、例えば迷子になった子供など移動体の位置情報を探索することができる。
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の通信システムにおいては、システム利用時に保護者自身がリーダライタに接続することにより、子供に保持させるICタグに電話番号を記録するということが必要になる。したがって、この技術においては、保護者に対する負担が少ないとは言えず、ICタグに電話番号を記録という事前の準備を忘れてしまった場合などは、この通信システムは意味を成さなくなる。
【0005】
また、特許文献2に記載の探索システムにおいては、保護者に対する負担は軽減されているが、迷子になるおそれのある子供に所持させる無線タグの位置を検出するために、リーダライタを備える検出ゲートを設置する必要がある。したがって、無線タグを所持する子供の位置を高精度で検出するためには、リーダライタを備える検出ゲートを多数設置する必要があり、相当な設備投資が必要になる。さらに、この特許文献2に記載の探索システムは、もともとテーマパークなどの所定領域内における使用を想定したものであり、リーダライタを備える多数の検出ゲートなどのインフラが整っていない領域においては、使用することができない。
【0006】
そこで、事業者が提供する専用ホームページに保護者がアクセスすることにより、保護者が子供など被保護者の位置情報を確認することができるサービスが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2004−48357
【特許文献2】特開2006−349383
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】セコム株式会社のウェブサイト内「ココセコム」の紹介ページ:Internet URL http://www.855756.com/child/
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この非特許文献1に記載のサービスにおいては、保護者は、サービス事業者が提供する専用ホームページにアクセスして、子供など被保護者の位置情報を要求する。このように保護者より位置情報の要求があった場合、サービス事業者のオペレーションセンターが位置検索を行い、当該位置検索の結果を保護者の端末(携帯電話やパソコンなど)に通知する。
【0010】
したがって、この非特許文献1に記載のサービスにおいては、保護者は専用ホームページにアクセスするだけで事足りるため、位置の探索に費やす負担は非常に少ない。また、このサービスにおいては、子供が所持する端末は必要であるものの、端末の位置を検出するゲートなどを多数設置する必要はない。すなわち、このサービスは、テーマパークなど所定領域以外の一般的な場所での使用が想定されている。
【0011】
しかしながら、この非特許文献1に記載のサービスにおいて、定期的に子供の位置情報を確認しようとする場合、保護者は、毎回、専用ホームページにアクセスする必要がある。また、保護者は専用ホームページにアクセスすることにより、子供の現在の位置情報は確認できるものの、位置情報の履歴を後から検索することはできない。さらに、このサービスにおいても子供が無線端末を所持している必要があり、このように無線通信技術を利用する以上、電波状況などの要因によって、位置情報の精度(正確さ)が安定しないことも想定される。しかしながら、この非特許文献1に記載のサービスにおいては、位置情報の精度は保護者へ通知されないため、保護者は、通知された位置情報がどの程度の精度を有する情報なのかを知る術がない。
【0012】
昨今の社会における安全に対する不安から、我が子が迷子にならずとも、その存在位置を必要に応じて確認したいという保護者の要望は多い。近年、携帯電話が急速に普及したことにより、保護者は、年少の子供にも携帯電話を所持させていることも多い。位置を特定したい相手が携帯電話を所持していれば、保護者が直接連絡を取ることにより、相手の安否を確認したり、相手の居場所を直接問うことにより特定したりすることもできる。しかしながら、携帯電話を所持させるには子供が幼過ぎる場合もあり、保護者は、そのような幼い子供の居場所に絶えず注意する必要がある。また、保護者が子供の居場所を確認したい場合であっても、例えば子供が学習塾や習い事をしている時間など、子供が直接通話を行ったり電子メールの送受信を行ったりすることができない場面も想定される。このような場合、子供と直接連絡を取らずとも、その居場所が確認することができれば、保護者の心配や不安感が著しく軽減されることも多い。
【0013】
したがって、かかる事情に鑑みてなされた本発明の目的は、第1の端末が存在する位置の情報および当該情報の履歴を、第2の端末において、当該位置情報の精度とともに受信することができる通信システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成する第1の観点に係る通信システムの発明は、
自端末の位置を取得可能な第1の端末(子供端末)と、
当該第1の端末に無線接続する基地局と、
前記基地局にネットワークを介して接続された位置情報管理装置(オペレーションセンタ端末)と、
前記位置情報管理装置からの情報を取得可能な第2の端末(保護者端末)と、
を含む通信システムにおいて、
前記位置情報管理装置は、前記第1の端末が取得した当該第1の端末の位置とともに、前記第2の端末に通知すべき前記第1の端末の位置に関する情報を記録することにより、前記第1の端末の位置に関する情報を前記第2の端末に通知する際、前記第1の端末の位置が取得されていれば、当該第1の端末の位置を示す情報を当該情報が高い精度である旨の情報とともに前記第2の端末に通知することを特徴とするものである。
【0015】
また、第2の観点に係る発明は、第1の観点に係る通信システムにおいて、
前記位置情報管理装置は、前記第1の端末の位置が取得されずに当該第1の端末に無線接続された前記基地局の位置が取得されていれば、当該第1の端末の位置を示す情報を当該情報の精度が高くない旨とともに前記第2の端末に通知するものである。
【0016】
また、第3の観点に係る発明は、第1の観点に係る通信システムにおいて、
前記位置情報管理装置は、前記第1の端末の位置が取得されずに当該第1の端末に無線接続された前記基地局の位置も取得されなければ、当該第1の端末の位置が不明である旨を示す情報を前記第2の端末に通知するものである。
【0017】
また、第4の観点に係る発明は、第1の観点に係る通信システムにおいて、
前記位置情報管理装置は、前記基地局を介して前記第1の端末から当該第1の端末の位置を所定のタイミングで定期的に取得し、前記第1の端末の位置情報が所定のタイミングにおいて取得できない場合、当該基地局の位置を送信するよう要求することにより、前記基地局の位置を取得するものである。
【発明の効果】
【0018】
本発明によれば、第1の端末が取得した位置とともに、第2の端末に通知すべき第1の端末の位置に関する情報が定期的に記録される。したがって、保護者は、第2の端末を使用することにより、第1の端末の位置の履歴情報をいつでも確認することができる。また、本発明によれば、第1の端末の位置に関する情報を第2の端末に定期的に通知する際、第1の端末の位置が取得されていれば、その情報が高い精度である旨の情報とともに通知される。したがって、保護者は、第1の端末の位置に関する情報の通知を定期的に受信することができるのみならず、位置情報管理装置から第2の端末に通知される第1の端末の位置に関する情報の精度を容易に認識することができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の実施の形態に係る子供端末および基地局の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図2】本発明の実施の形態に係る位置情報管理装置および保護者端末の概略構成を示す機能ブロック図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る通信システム全体の構成を説明する概念図である。
【図4】本発明の実施の形態に係る位置情報管理装置の動作を説明するフローチャートである。
【図5】本発明の実施の形態に係る通信システムによる情報の送受信の一例を説明するシーケンス図である。
【図6】本発明の実施の形態に係る通信システムによる情報の送受信の他の一例を説明するシーケンス図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る通信システムによる情報の送受信のさらに他の一例を説明するシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照して説明する。
【0021】
図1および図2は、本発明の実施の形態による通信システムを構成する最小限の要素の機能を説明する概略ブロック図である。図1および図2に示すように、本実施の形態による通信システムは、最小限の構成として、子供端末10と、基地局20と、位置情報管理装置30と、保護者端末40と、を含む。
【0022】
図1は、上述した構成要素のうち、子供端末10および基地局20の構成を説明する概略ブロック図である。図1(A)は本実施の形態において第1の端末を構成する子供端末10を示し、図1(B)は基地局20を示している。
【0023】
なお、本明細書において「子供端末」とは、主として子供などが所持することを想定した端末であって、当該端末を携帯所持している者の居場所を、保護者などが保護者端末40を用いて把握することができるようにした端末を意味するものとする。したがって、子供端末10を所持する者は当然子供に限定されず、保護者端末40を用いることにより存在場所を把握することを望む人物など、任意の者とすることができる。子供端末10は、位置の探索を行うための専用の端末であってもよいし、またはGPS機能などの自端末の位置を取得可能な携帯電話などとすることもできる。
【0024】
また、本明細書において「基地局」とは、子供端末に無線接続することにより、電波の届く範囲内であれば、子供端末と無線通信を行うことができる基地局を意味するものとする。この基地局も、上述したように位置の探索を行うための専用の子供端末に無線接続する専用の基地局とすることもできる。しかしながら、例えば子供端末を一般的な携帯電話とする場合などにおいては、この基地局は、携帯電話に無線接続する一般的なマクロセルを構成する基地局とすることもできる。
【0025】
図1(A)に示すように、子供端末10は制御部12を備え、この制御部12は、位置情報取得部14と、位置情報通知部16と、を含んでいる。位置情報取得部14は、例えばGPS情報取得部とすることができ、自端末の位置をある程度高精度で取得することを可能にする要素であれば、公知の任意の方式のものを用いることができる。位置情報通知部16は、位置情報取得部14が取得した自端末の位置情報を、基地局20に無線通信により通知する。この位置情報通知部16は、公知の任意の方式の無線通信部(送信部)とすることができる。
【0026】
図1(B)に示すように、基地局20は制御部22を備え、この制御部22は、位置情報受信部24と、位置情報取得部26と、位置情報通知部28と、を含んでいる。位置情報受信部24は、子供端末10から無線通信により通知される子供端末10の位置情報を受信する。この位置情報受信部24も、公知の任意の方式の無線通信部(受信部)とすることができる。
【0027】
位置情報取得部26は、例えばGPS情報取得部とすることができ、自局の位置をある程度高精度で取得することを可能にする要素であれば、公知の任意の方式のものを用いることができる。なお、基地局20が移動しない据付型のものである場合には、位置情報取得部26は、自局の位置を記憶した記憶部として、当該自局の位置を読み出して供給するものとしてもよい。
【0028】
位置情報通知部28は、子供端末10から無線通信により通知される子供端末10の位置情報および/または位置情報取得部26が取得した自局の位置情報を、位置情報管理装置30にネットワークなどを介することにより通知する。この位置情報通知部28は、有線であるか無線であるかを問わず、公知の任意の方式の通信部とすることができる。
【0029】
図2は、上述した本実施の形態による通信システムに含まれる構成要素のうち、位置情報管理装置30および保護者端末40の構成を説明する概略ブロック図である。図2(A)は位置情報管理装置30を示し、図2(B)は本実施の形態において第2の端末を構成する保護者端末40を示している。
【0030】
なお、本明細書において「位置情報管理装置」とは、位置情報通知サービスを提供する事業者のオペレーションセンター内に設置される装置を想定したものである。本実施の形態による位置情報管理装置30は、各地に設置された複数の基地局20と、ネットワークを介して接続され、有線または無線の通信を行う。このような通信により、位置情報管理装置30は、子供端末10から無線通信により通知された子供端末10の位置情報および/または位置情報取得部26が取得した基地局20の位置情報を、基地局20から受信する。
【0031】
また、本明細書において「保護者端末」とは、主として保護者などが所持することを想定した端末であって、上述した子供端末10の位置を把握する際に保護者などが用いる端末を意味するものとする。したがって、保護者端末40を所持する者は当然保護者に限定されず、保護者端末40を用いることにより子供端末10の存在場所を把握することを望む人物など、任意の者とすることができる。保護者端末40は、子供端末10の位置の探索を行う際に用いる専用の端末であってもよいし、または通常の無線通信機能を備えた携帯電話などとすることもできる。さらに、保護者端末40は、無線通信を行うものに限定されず、例えばインターネットに接続可能なパソコン(PC)など種々の端末とすることができる。
【0032】
図2(A)に示すように、位置情報管理装置30は制御部32を備え、この制御部32は、位置情報受信部34と、位置情報記録部36と、位置情報通知部38と、を含んでいる。位置情報受信部34は、基地局20から、子供端末10から無線通信により通知された子供端末10の位置情報および/または位置情報取得部26が取得した基地局20の位置情報を、受信する。この位置情報受信部34も、公知の任意の方式の無線通信部(受信部)とすることができる。
【0033】
位置情報記録部36は、例えばNAND型フラッシュメモリ等によって構成されるメモリとすることができる。この位置情報記録部36は、位置情報受信部34が受信した子供端末10の位置情報および/または基地局20の位置情報を所定時間ごとに定期的に記録する。このようにして位置情報記録部36が記録した、所定時間ごとの子供端末10の位置情報および/または基地局20の位置情報を読み出すことにより、これらの情報の履歴を提供することができる。
【0034】
位置情報通知部38は、位置情報記録部36に記録された子供端末10の位置情報および/または基地局20の位置情報を、保護者端末40に例えば無線通信またはネットワークなどを介することにより通知する。位置情報通知部38は、子供端末10の位置情報および/または基地局20の位置情報を保護者端末40に通知する際に、保護者端末40からの要求に応じて、最新の位置情報を通知したり、または記録された位置情報の履歴を読み出すことができる。この位置情報通知部28も、有線であるか無線であるかを問わず、公知の任意の方式の通信部とすることができる。
【0035】
図2(B)に示すように、保護者端末40は制御部42を備え、この制御部42は、位置情報受信部44を含んでいる。位置情報受信部44は、位置情報管理装置30から通知された子供端末10の位置情報および/または基地局20の位置情報を、受信する。この位置情報受信部44も、公知の任意の方式の無線通信部(受信部)とすることができる。このような構成により、保護者端末40は、位置情報記録部36からの情報を取得することができる。
【0036】
次に、本実施の形態による通信システム全体の構成に言及しながら、当該通信システムの想定される使用態様について説明する。
【0037】
図3は、本実施の形態に係る通信システム全体の構成を説明する概念図である。
【0038】
図3において、子供端末10a,10b,および10cは、何れも上述した子供端末10と同一の端末を表しているが、それぞれ存在する位置が異なる。また、上述したように、基地局20は、電波の届く範囲であるセルを構成し、図3においては、当該セルを、基地局20を含む楕円によって示してある。すなわち、当該セルの内部であれば、子供端末10と基地局20とは無線接続を行うことができるが、当該セルの外部においては、子供端末10と基地局20とは無線接続を行うことができない。
【0039】
また、図3に示すように、基地局20は、位置情報管理装置30とネットワークを介して接続されている。さらに、図3に示すように、保護者端末40は、位置情報管理装置30に無線接続することができる。
【0040】
なお、図3に示す子供端末10aが存在する位置において、子供端末10aは、基地局20と無線通信することができ、さらにGPS機能などにより自端末の位置を取得可能であるものとする。また、図3に示す子供端末10bが存在する位置において、子供端末10bは、例えば地下に存在するなどの理由により、GPS機能などにより自端末の位置を取得できないものとする。さらに、図3に示す子供端末10cが存在する位置において、子供端末10cは、基地局20の電波の届く範囲外に存在するため、基地局20と無線通信することができないものとする。
【0041】
次に、本実施の形態に係る通信システムにおいて、位置情報管理装置30を中心とする動作を説明する。
【0042】
図4は、本発明の実施の形態に係る位置情報管理装置30の動作を説明するフローチャートである。以下、例えば図3に示すような状況下において、位置情報管理装置30が動作を開始することを想定して説明する。本発明の実施の形態に係る位置情報管理装置30の動作が開始すると、位置情報管理装置30の制御部32は、内蔵のタイマなどで時間を計測することにより、所定のタイミングが到来するまで待ち状態となる(ステップS11)。
【0043】
ステップS11において所定のタイミングが到来すると、制御部32は、基地局20に子供端末10の位置情報を要求するように位置情報受信部34を制御する(ステップS12)。ステップS12において位置情報受信部34から位置情報要求が送信されると、制御部32は、子供端末10の位置情報が基地局20から受信できたか否かを判定する(ステップS13)。
【0044】
ステップS13において、基地局20が子供端末10の位置情報を受信できている場合には、位置情報管理装置30は、基地局20から当該位置情報を受信することができる。このように、ステップS13において基地局20から当該位置情報を受信できたら、制御部32は、当該位置情報を位置情報記録部36に記録する(ステップS14)。
【0045】
ステップS14において位置情報を位置情報記録部36に記録したら、制御部32は、当該位置情報を保護者端末40に通知するように位置情報通知部38を制御する(ステップS15)。この際、制御部32は、当該位置情報を、この位置情報が高精度であることを示す情報とともに通知する(ステップS15)。
【0046】
ステップS15において子供端末10の位置情報を保護者端末40に通知したら、制御部32は、ステップS11に戻ることにより、再び待ち状態になり、その後の処理を継続する。
【0047】
すなわち、位置情報管理装置30は、子供端末10の位置に関する情報を定期的に保護者端末40に通知する際、子供端末10の位置が取得されていれば、子供端末10の位置を示す情報を、当該情報が高い精度である旨の情報とともに、保護者端末40に通知する。
【0048】
以上の動作を、本実施の形態の情報システムにおける情報の送受信の観点から、さらに説明する。図5は、本発明の実施の形態に係る通信システムによる情報の送受信の一例を説明するシーケンス図である。なお、図5における説明は、図3において子供端末が10aの位置に存在する場合に対応する。
【0049】
図5に示すように、まず、位置情報管理装置30が、基地局20に、子供端末の位置情報を要求する(ステップS12)。すると、基地局20は、子供端末10の位置情報を受信できているため、当該位置情報を位置情報管理装置30に通知する(ステップS13においてYes)。そして、当該位置情報を通知された位置情報管理装置30は、当該位置情報を記録してから(ステップS14)、当該位置情報の精度が高い旨の情報とともに、保護者端末に通知する(ステップS15)。
【0050】
このように、本実施の形態に係る通信システムによれば、保護者端末40は、子供端末10の位置を正確に把握することができ、さらに当該位置情報の精度が高いことも併せて把握することができる。
【0051】
また、子供端末10の位置情報を受信できる場合、位置情報管理装置30は当該位置情報を所定のタイミングごとに定期的に記録する。したがって、位置情報管理装置30は、保護者端末40からの要求に応じて、子供端末10の位置情報の履歴を通知することもできる。
【0052】
一方、図4に示したステップS13において、基地局20が子供端末10の位置情報を受信できていない場合、位置情報管理装置30は、基地局20から当該位置情報を受信することができない。このようにステップS13にて基地局20から子供端末10の位置情報が受信できない場合、制御部32は、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局20に対して当該局の位置情報を要求するように位置情報受信部34を制御する(ステップS16)。
【0053】
なお、位置情報管理装置30は、位置情報記録部36に記録された子供端末10の位置情報の履歴を参照することにより、子供端末10の位置情報がどの時点まで受信できていたかを把握することができる。したがって、位置情報管理装置30は、子供端末10の位置情報を最後まで受信していた基地局20を特定し、当該特定された基地局20に対して、当該特定された基地局20の位置情報を通知するように要求する。
【0054】
ステップS16において位置情報受信部34から基地局20に当該局の位置情報要求が送信されると、制御部32は、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局の位置情報が基地局20から受信できたか否かを判定する(ステップS17)。ステップS17において位置情報管理装置30が基地局20の位置情報を受信できたら、制御部32は、当該位置情報を位置情報記録部36に記録する(ステップS18)。
【0055】
すなわち、位置情報管理装置30は、子供端末10が取得した子供端末10の位置とともに、保護者端末40に通知すべき子供端末10の位置に関する情報を定期的に記録する。ここで、保護者端末40に通知すべき子供端末10の位置に関する情報とは、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局の位置情報を意味する。
【0056】
ステップS18において位置情報を位置情報記録部36に記録したら、制御部32は、当該位置情報を保護者端末40に通知するように位置情報通知部38を制御する(ステップS19)。この際、制御部32は、当該位置情報を、この位置情報の精度が高くないことを示す情報とともに通知する(ステップS19)。
【0057】
ステップS19において基地局20の位置情報を保護者端末40に通知したら、制御部32は、ステップS11に戻ることにより、再び待ち状態になり、その後の処理を継続する。
【0058】
すなわち、位置情報管理装置30は、子供端末10の位置が取得されずに子供端末10に無線接続された基地局20の位置が取得されていれば、子供端末10の位置を示す情報を、当該情報の精度が高くない旨とともに、保護者端末40に通知する。ここで、子供端末10の位置を示す情報とは、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局の位置情報を意味する。
【0059】
このような処理を行うため、位置情報管理装置30は、基地局20を介して子供端末10の位置を所定のタイミングで定期的に子供端末10から取得する。また、位置情報管理装置30は、子供端末10の位置情報が、所定のタイミングにおいて取得できない場合、当該基地局の位置を送信するよう要求することにより、基地局20の位置を取得する。
【0060】
以上の動作を、本実施の形態の情報システムにおける情報の送受信の観点から、さらに説明する。図6は、本発明の実施の形態に係る通信システムによる情報の送受信の他の例を説明するシーケンス図である。なお、図6における説明は、図3において子供端末が10bの位置に存在する場合に対応する。
【0061】
図6に示すように、まず、位置情報管理装置30が、基地局20に、子供端末の位置情報を要求する(ステップS12)。すると、基地局20は、子供端末10の位置情報を受信できていないため、当該位置情報を位置情報管理装置30に通知しない(ステップS13においてNo)。この場合、位置情報管理装置30は、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局を特定し、当該基地局に対して位置情報を要求する(ステップS16)。そして、当該位置情報を通知された位置情報管理装置30は、当該位置情報を記録してから(ステップS18)、当該位置情報の精度が高くない旨の情報とともに、保護者端末に通知する(ステップS19)。
【0062】
このように、本実施の形態に係る通信システムによれば、保護者端末40は、子供端末10の位置情報を直接受信できない場合であっても、そのおおよその位置を把握することができ、さらに当該位置情報の精度が高くないことも併せて把握することができる。
【0063】
一方、図4に示したステップS17において、基地局20が子供端末10の位置情報を受信できていない場合、位置情報管理装置30は、基地局20から当該位置情報を受信することができない。例えば、子供端末10が、もともと何れの基地局20からも電波の届かい場所に存在した場合、すなわちもともと圏外であった場合などのように、位置情報管理装置30が、子供端末10の位置情報も、基地局20の位置情報も受信できない事態もあり得る。このようにステップS17にて直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局20の位置情報も受信できない場合、制御部32は、子供端末10の位置が特定できない旨を保護者端末40に通知する。(ステップS20)。
【0064】
すなわち、位置情報管理装置30は、子供端末10の位置が取得されずに、子供端末10に無線接続された基地局20の位置も取得されなければ、子供端末10の位置が不明である旨を示す情報を保護者端末40に通知する。
【0065】
以上の動作を、本実施の形態の情報システムにおける情報の送受信の観点から、さらに説明する。図7は、本発明の実施の形態に係る通信システムによる情報の送受信のさらに他の例を説明するシーケンス図である。なお、図7における説明は、図3において子供端末が10cの位置に存在する場合に対応する。
【0066】
図7に示すように、まず、位置情報管理装置30が、基地局20に、子供端末の位置情報を要求する(ステップS12)。すると、基地局20は、子供端末10の位置情報を受信できていないため、当該位置情報を位置情報管理装置30に通知しない(ステップS13においてNo)。この場合、位置情報管理装置30は、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局を特定し、特定できた場合には、当該基地局に対して位置情報を要求する(ステップS16)。しかしながら、直前まで子供端末10の位置情報を受信していた基地局が特定できない場合、または特定した基地局が何らかの理由により位置を通知しない場合、位置情報管理装置30は、基地局の位置情報を受信できない(ステップS17においてNo)。この場合、子供端末10の位置の特定ができない旨の情報を保護者端末に通知する(ステップS20)。
【0067】
このように、本実施の形態に係る通信システムによれば、保護者端末40は、子供端末10の位置情報を直接受信できず、子供端末10に無線接続していた基地局20の位置情報も受信できない場合、子供端末10の位置が特定できないことを把握することができる。
【0068】
以上説明したように、本発明による通信システムによれば、位置情報通知サービスを提供するオペレーションセンターの位置情報管理装置が、保護者へ定期的に位置情報を通知するとともに、履歴情報を確認することもできる。したがって、例えば子供の位置を把握したい保護者は、毎回専用ホームページにアクセスする必要はなく、また必要に応じて、後から位置情報の履歴を検索することも容易である。さらに、本発明による通信システムによれば、位置情報通知サービスを提供するオペレーションセンターの位置情報管理装置は、位置情報の通知の際に、当該情報の制度も併せて通知する。したがって、例えば子供の位置を把握したい保護者は、通知された位置情報がどの程度正確なものであるのかを即座に把握することができる。
【0069】
なお、本発明は、上記実施の形態にのみ限定されるものではなく、幾多の変形または変更が可能である。例えば、図1および図2において説明した実施の形態に係る通信システムの各要素の構成は、それぞれ代表的な最小限の構成を例示したに過ぎず、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で種々の構成を採ることができる。
【0070】
また、図4にて説明したステップS17において、子供端末10の位置情報を最後まで受信していた基地局20を特定できたとしても、基地局20が直前まで子供端末10の位置情報を受信していた時点から現在まで相当な時間が経過している場合もあり得る。このような場合は、位置情報記録部36に記録された履歴を参照することにより、子供端末10の位置情報を基地局20が受信していた時点からの経過時間も容易にわかるため、ステップS19において、経過時間などの情報もともに通知することもできる。
【符号の説明】
【0071】
10 子供端末
12 制御部
14 位置情報取得部
16 位置情報通知部
20 基地局
22 制御部
24 位置情報受信部
26 位置情報取得部
28 位置情報通知部
30 位置情報管理装置
32 制御部
34 位置情報受信部
36 位置情報記録部
38 位置情報通知部
40 保護者端末
42 制御部
44 位置情報受信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
自端末の位置を取得可能な第1の端末と、
当該第1の端末に無線接続する基地局と、
前記基地局にネットワークを介して接続された位置情報管理装置と、
前記位置情報管理装置からの情報を取得可能な第2の端末と、
を含む通信システムにおいて、
前記位置情報管理装置は、前記第1の端末が取得した当該第1の端末の位置とともに、前記第2の端末に通知すべき前記第1の端末の位置に関する情報を記録することにより、前記第1の端末の位置に関する情報を前記第2の端末に通知する際、前記第1の端末の位置が取得されていれば、当該第1の端末の位置を示す情報を当該情報が高い精度である旨の情報とともに前記第2の端末に通知することを特徴とする通信システム。
【請求項2】
前記位置情報管理装置は、前記第1の端末の位置が取得されずに当該第1の端末に無線接続された前記基地局の位置が取得されていれば、当該第1の端末の位置を示す情報を当該情報の精度が高くない旨とともに前記第2の端末に通知する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項3】
前記位置情報管理装置は、前記第1の端末の位置が取得されずに当該第1の端末に無線接続された前記基地局の位置も取得されなければ、当該第1の端末の位置が不明である旨を示す情報を前記第2の端末に通知する、請求項1に記載の通信システム。
【請求項4】
前記位置情報管理装置は、前記基地局を介して前記第1の端末から当該第1の端末の位置を所定のタイミングで定期的に取得し、前記第1の端末の位置情報が所定のタイミングにおいて取得できない場合、当該基地局の位置を送信するよう要求することにより、前記基地局の位置を取得する、請求項1に記載の通信システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−124661(P2012−124661A)
【公開日】平成24年6月28日(2012.6.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−272655(P2010−272655)
【出願日】平成22年12月7日(2010.12.7)
【出願人】(000006633)京セラ株式会社 (13,660)
【Fターム(参考)】