説明

通信プロトコルの適応機能実現装置及びその方法

【課題】本発明は通信プロトコルの適応機能実現装置及びその方法に関し、通信技術に属し、スマートカード操作システムが端末の通信プロトコル種類に応じてこれに対応する通信プロトコルを自動選択可能にするためになされる。
【解決手段】本発明の実現装置は通信プロトコル設定モジュール、通信プロトコル検査モジュール、通信プロトコル選択モジュールを備える。本発明の実現方法は、スマートカード操作システムに通信プロトコルを選択し;スマートカード操作システムの通信プロトコル種類が端末の通信プロトコル種類と一致するか否かを判定し;不一致の場合、スマートカード操作システムに通信プロトコルを選択する。本発明の実現装置及び方法は、端末の通信プロトコル種類に応じてスマートカード操作システムの通信プロトコル種類を自動選択できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信技術に関し、特に通信プロトコルの適応機能実現装置及びその方法に関する。
【背景技術】
【0002】
通信プロトコルは、現代通信システムの不可欠で、非常に重要な構成部分である。通信プロトコルは、通信システムのソフトウェアと称され、ハードウェア(種々の通信設備)と共同で通信情報の伝搬を完成する。
【0003】
ISO14443規格ではType AとType Bの2種類の非接触通信プロトコルが規定されている。そのうち、Type AはPhilips社等の半導体会社が最初に開発、使用されたもので、主な特徴としては、設計が簡潔、アプリケーションプロジェクトの開発周期が短く、同時に多くの場所に適用する。Type Bはオープン式の非接触型スマートカード規格で、全てのリード・ライト操作が具体的なアプリケーションシステム開発者によって定義可能なため、Type Bは世界中の大勢のスマートカードメーカーに受け入れられている。
【0004】
現有のスマートカードチップは、通常物理的には全てこの2種類の通信プロトコルをサポートし、スマートカード操作システムも全てこの2種類の通信プロトコルに適応できるが、ユーザが手動方式にて現在スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルを選択することが必須となる。
【0005】
このような手動選択は、一般的に、一部の特定指令(設計者自分が定義した指令)によって完成される。例えば、ユーザはTYPE A通信プロトコルを選択しようとする場合、まずこれらの特定指令をスマートカードに発信しなければならない。これらの特定指令が実行終了後、スマートカード操作システムの現在通信プロトコルがType Aに変更される。同様に、ユーザはType B通信プロトコルを選択しようとする場合、上述過程を繰り返す必要がある。
【0006】
手動にてスマートカード操作システムの非接触通信プロトコルを選択する方案の不都合としては、ユーザはスマートカードが使用する時、端末が使用する通信プロトコルの種類を予め知ることが前提となり、種類を承知した上で始めて相応的にスマートカード操作システムの現在通信プロトコル種類を手動にて調整して、スマートカード操作システムの現在通信プロトコル種類を端末が使用する通信プロトコル種類と一致させうる。こうして、スマートカードが始めて正常に使用される。しかしながら、これでユーザに多くの不便をもたらし、なお、ユーザは殆どの場合どの種類の通信プロトコルを使用すべきかをはっきり分からないので、スマートカードによって相応の機能を完成できなくなる。特に多種の通信プロトコル、例えばType C/Type D/Type E/TypeF/Type G 等5種類の通信プロトコル仕様が存在した場合、順調な通信が到底保証できなくなる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、スマートカード操作システムが端末の通信プロトコル種類に応じてこれに対応する通信プロトコルを自動選択可能な、通信プロトコルの適応機能実現装置及びその方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は、下記の技術案を採用する。
【0009】
通信プロトコルの適応機能実現装置は、
スマートカード操作システムに通信プロトコルを設定するための通信プロトコル設定モジュールと;
スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定するための通信プロトコル検査モジュールと;
スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択するための通信プロトコル選択モジュールと、を備える。
【0010】
前記装置は更に、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致する場合、スマートカード操作システムと端末の間に通信を構築するための通信モジュールを備える。
【0011】
スマートカード操作システムの現在通信プロトコル標識を初期化するための初期化モジュールを更に備え;
前記通信プロトコル設定モジュールは、現在通信プロトコル標識に応じ、スマートカード操作システムに現在通信プロトコル標識に対応する通信プロトコルを設定する。
【0012】
前記通信プロトコル検査モジュールは、端末の通信接続構築コマンドに応じ、前記コマンドがスマートカード操作システムの現在通信プロトコル中のコマンドと一致するか否かを判定する。
【0013】
前記通信プロトコル選択モジュールは、端末の通信接続構築コマンドがスマートカード操作システムの現在通信プロトコル中のコマンドと不一致の場合、各種通信プロトコルの優先順位に応じ、スマートカード操作システムがサポートする通信プロトコルをポーリングし、且つ通信プロトコル標識を相応的に修正する。
【0014】
前記通信プロトコル設定モジュールは、少なくとも1つの通信プロトコル初期化サブモジュールを備え;
前記通信プロトコル初期化サブモジュールは、スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルのパラメータを初期化する。
【0015】
前記通信プロトコルのパラメータは、変調・復調方式と通信速度を含む。
【0016】
本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は、設定されたスマートカード操作システムの通信プロトコルに応じて、通信プロトコル検査モジュールによりスマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判断し;且つ、二者が不一致の場合、通信プロトコル選択モジュールによりスマートカード操作システムに端末の通信プロトコル種類と一致する通信プロトコルを選択する。これにより、手動にてスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択する不便を避けられ、従って、たとえ多種の通信プロトコルが同時に存在する状況下でも、スマートカード操作システムは端末の通信プロトコル種類に応じて自動的に好適な通信プロトコルを選択できる。
【0017】
本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法は、下記技術案を採用する。
【0018】
通信プロトコルの適応機能実現方法は、以下のステップを有する:
(1)スマートカード操作システムに、少なくとも端末の通信プロトコルを含有するスマートカード操作システム通信プロトコルを設定する;
(2)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定する;
(3)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択する。
【0019】
前記方法において、更に、
(4)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致する場合、スマートカード操作システムと端末の間に通信を構築するステップを有する。
【0020】
前記ステップ(1)と(2)の間には、更に、
(11)スマートカード操作システムの通信プロトコル標識を初期化すること、及び
(12)通信プロトコル標識に応じて、スマートカード操作システムに現在通信プロトコル標識に対応する通信プロトコルを設定し、スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルのパラメータを初期化することを有する。
【0021】
前記ステップ(2)は、具体的には、端末の通信接続構築コマンドに応じ、前記コマンドがスマートカード操作システムの通信プロトコル中のコマンドと一致するか否かを判定することである。
【0022】
前記ステップ(3)は、具体的には、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、各種通信プロトコルの優先順位に応じ、スマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルをポーリングし、通信プロトコル標識を相応的に修正することである。
【0023】
前記スマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルをポーリングすることは、具体的には、
スマートカード操作システムに現在通信プロトコルより1位低い通信プロトコルを選択し、現在通信プロトコルの優先順位が最低位である場合、スマートカード操作システムに優先順位が最高位の通信プロトコルを選択し、且つ現在通信プロトコル標識をスマートカード操作システムに新たに選択した通信プロトコルに対応する標識に修正する。
【0024】
前記ステップ(11)は、具体的には、
(111)各種通信プロトコルに唯一の標識を割当てること;
(121)前回成功した通信の通信プロトコル標識を現在通信プロトコル標識に設定する、ことである。
【0025】
前記通信プロトコルのパラメータは、変調・復調方式と通信速度を含む。
【0026】
前記ステップ(121)は、現在通信プロトコル標識をスマートカード操作システムがサポートする何れか1種の通信プロトコルに対応する標識に設定することでも良い。
【0027】
前記通信プロトコルはType A、 Type B、Type C、Type D、Type E、Type F又はType Gである。
【0028】
本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法は、設定されたスマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し、不一致の場合、自動的にスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択することにより、二者の通信プロトコル種類を最終的に一致させる。これにより、手動にてスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択するための面倒な指令修正作業を避けて、スマートカード操作システムが端末の通信プロトコル種類に応じて好適な通信プロトコルを自動選択可能にする。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置の構造図である。
【図2】図1をベースに通信モジュールを増設した後の構造図である。
【図3】図2をベースに初期化モジュールを増設した後の構造図である。
【図4】本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法のフローチャート図である。
【図5】本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法の具体的なフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0030】
以下、図面に合わせて本発明を詳しく説明する。
【0031】
図1に示されるように、本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は、通信プロトコル設定モジュール、通信プロトコル検査モジュール及び通信プロトコル選択モジュールを備える。前記通信プロトコル設定モジュールは、スマートカード操作システムに通信プロトコルを設定し、前記通信プロトコルは少なくとも端末に含まれた通信プロトコルを含有し;前記通信プロトコル検査モジュールは、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し;前記通信プロトコル選択モジュールは、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択する。
【0032】
これにより、本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は、設定されたスマートカード操作システムの通信プロトコルに応じ、通信プロトコル検査モジュールによりスマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判断し;且つ、二者が不一致の場合、通信プロトコル選択モジュールによりスマートカード操作システムに端末の通信プロトコル種類と一致する通信プロトコルを選択する。従って、手動にてスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択する不便を避けられ、特に多種の通信プロトコルが同時に存在する状況下でも、スマートカード操作システムは端末の通信プロトコル種類に応じて好適な通信プロトコルを自動選択可能にする。
【0033】
図2に示されるように、本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は、図2に示された装置をベースに、更に通信モジュールを備える。該通信モジュールは、スマートカード操作システムと端末の間の通信構築に用いられると共に、現在通信プロトコル標識を修正する、即ち前回成功した通信標識を現在通信プロトコル標識に変更する。
【0034】
更なる改善としては、図3に示されるように、本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は、更に、スマートカード操作システムの現在通信プロトコル標識を初期化するための初期化モジュールを備える。前記通信プロトコル設定モジュールは、現在通信プロトコル標識に応じ、スマートカード操作システムに現在通信プロトコル標識に対応する通信プロトコルを設定する。前記通信プロトコル選択モジュールは、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択し、現在通信プロトコル標識を修正する。
【0035】
初期化モジュールは現在通信プロトコル標識を初期化する過程中、スマートカード操作システムは、まず、サポートする各種通信プロトコルのためにそれぞれ唯一の標識を設定する;しかる後、Type A、 Type B、Type C、Type D、Type E、Type F又はType G等の通信プロトコルから選択された1種の通信プロトコルに対応する標識を現在通信プロトコル標識のデフォルトに設定する。
【0036】
勿論、スマートカード操作システムは、各種通信プロトコルに唯一の標識を割当てた後に、前回成功した通信の通信プロトコル標識に応じて現在通信プロトコル標識を初期化しても良い。前記現在通信プロトコル標識は現在スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルを示す。前記前回成功した通信の通信プロトコル標識はスマートカード操作システムと端末が前回成功通信時に使用した通信プロトコルを示す。この方法は、特に多種の通信プロトコルが同時に存在する状況下でのアプリケーションに適する。
【0037】
こうして、通信プロトコル設定モジュールは現在通信プロトコル標識に応じ、スマートカード操作システムに通信プロトコルを設定可能となり、よって通信プロトコル設定モジュールに通信プロトコル設定過程中に目的性を持たせ、特にスマートカード操作システムが多種の通信プロトコルをサポートする状況下、適応の効率を大いに向上できる。
【0038】
更なる改善としては、前記通信プロトコル設定モジュールは、スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルのパラメータを初期化するための少なくとも1つの通信プロトコル初期化モジュールを備える。前記パラメータは、スマートカード操作システムに使用される通信プロトコルに対応する変調・復調方式及び通信速度を含む。Type A通信プロトコルにとって設定必要のあるパラメータは、変調・復調方式をType A、変調の深さを100%の振幅偏移変調(ASK)、符号化方式をミラー符号化、通信速度を106kBpsに設定する、等がある。Type B通信プロトコルにとって設定必要のあるパラメータは、変調・復調方式をType B、変調の深さを10%の振幅偏移変調(ASK)、符号化方式を非ゼロ復帰、通信速度を106kBpsに設定する、等がある。スマートカード操作システムがサポートする通信プロトコルによって、異なる通信プロトコル初期化モジュールを設定しても良い。これにより、本発明の通信プロトコルの適応機能実現装置は多種の通信プロトコルが同時に存在する状況に対応できる。
【0039】
各通信プロトコルは通信接続を構築する過程中、端末がスマートカードに発信するコマンドが非同一である。Type AとType Bの通信プロトコルを例に挙げると、Type Aの通信プロトコルは通信接続を構築する時、端末がまずREQA又はWUPAコマンドを発信し、これに対してType Bの通信プロトコルは通信接続を構築する時、端末がREQB又はWUPBコマンドを発信する。従って、前記通信プロトコル検査モジュールは、通信接続の構築過程中、スマートカード操作システムが端末から受信したデータが現在使用されている通信プロトコル中の規定コマンドでないことを発見する場合、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致であることが示される。例えば、端末がType A プロトコルを使用するが、スマートカード操作システムが使用するのがType Bプロトコルである場合、端末は通信接続構築要請中、REQA又はWUPAコマンドを発信する時、スマートカード操作システムがこのコマンドを受信すると、エラー信号を生成し、これによって端末とスマートカード操作システムの通信プロトコルが不一致だと判定できる。
【0040】
同時に、前記通信プロトコル選択モジュールは、予めスマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルに異なる優先順位を設定する。例えば、Type A通信プロトコルの優先順位を最高位に設定し、Type B通信プロトコルの優先順位を次位に設定し、次をType C通信プロトコル、Type D通信プロトコル……のように設置する。スマートカード操作システムの通信プロトコル種類が端末の通信種類と不一致の場合、通信プロトコル選択モジュールは、現在通信プロトコル標識に応じ、スマートカード操作システムに現在通信プロトコルの優先順位より1位低い通信プロトコルをスマートカード操作システムの現在使用通信プロトコルとして選択する。現在通信プロトコル標識が現在通信プロトコルの優先順位が最低位と示す場合、優先順位が最高位の通信プロトコルをスマートカード操作システムが使用する現在通信プロトコルとして選択し、且つ現在通信プロトコル標識を修正する。通信プロトコル設定モジュールは修正後の通信プロトコル標識に応じ、通信プロトコルのパラメータを設定し、そして通信プロトコル検査モジュールにより、スマートカード操作システムに新たに選択した通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し、二者の通信プロトコルが仍然として不一致の場合、二者の通信プロトコルが一致するまでに上述過程を繰り返す。
【0041】
通信プロトコル選択モジュールはポーリングメカニズムを構築したので、スマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルをトラバースできるので、たとえ多種の通信プロトコルが同時に存在する状況下でも、スマートカードと端末の通信成功を保証できる。
【0042】
通信プロトコルの適応機能実現装置に対し、本発明は更に通信プロトコルの適応機能実現方法を提供する。
【0043】
図4に示されるように、前記通信プロトコルの適応機能実現方法は、以下のステップを有する。
【0044】
(1)スマートカード操作システムに、少なくとも端末に含まれた通信プロトコルを含有するスマートカード操作システム通信プロトコルを設定する;
(2)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判断する;
(3)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択する。
【0045】
本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法は、設定されたスマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し、不一致の場合、自動的にスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択することにより、最終的に二者の通信プロトコル種類を一致させる。これにより、手動にてスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択する作業中の面倒な指令送信を避けられ、スマートカード操作システムが端末の通信プロトコル種類に応じて好適な通信プロトコルを自動選択可能にする。
【0046】
図5に示されるように、本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法の具体的な過程は、以下の通りである。
【0047】
(S1)通信プロトコル毎にそれぞれ唯一の標識を割当て、現在通信プロトコル標識を前回成功した通信プロトコル標識にする;
前記現在通信プロトコル標識は現在スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルを示す。前記前回成功した通信プロトコル標識はスマートカード操作システムと端末が前回通信成功時に使用した通信プロトコルを示す。
【0048】
(S2)現在通信プロトコル標識に応じ、通信プロトコル設定モジュール中の相応する通信プロトコル初期化サブモジュールを呼び出し、スマートカード操作システムの現在通信プロトコルのパラメータを設定する;
前記パラメータは、スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルに対応する変調・復調方式と通信速度を含む。Type A通信プロトコルにとって設置必要のあるパラメータとしては、変調・復調方式をType A、変調の深さを100%の振幅偏移変調(ASK)、符号化方式をミラー符号化、通信速度を106kBpsに設定する。Type B通信プロトコルにとって設置必要のあるパラメータとしては、変調・復調方式をType B、変調の深さを10%の振幅偏移変調(ASK)、符号化方式を非ゼロ復帰、通信速度を106kBpsに設定する。
【0049】
(S3)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し、一致の場合、ステップ(S5)へ移行し;不一致の場合、(S4)へ移行する;
(S4)スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択し、現在通信プロトコル標識を設定する。
【0050】
このステップは具体的には、スマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルのために異なる優先順位を設定し、そして、現在通信プロトコル標識に応じ、スマートカード操作システムに現在通信プロトコル優先順位より1位低い通信プロトコルをスマートカード操作システムの現在使用通信プロトコルとして選択する。現在通信プロトコル標識が現在通信プロトコルの優先順位が最低位であると示す場合、優先順位が最高位の通信プロトコルをスマートカード操作システムが使用する現在通信プロトコルとして選択し、且つ現在通信プロトコル標識を変更する。ステップ(S2)へ移行する。
【0051】
(S5)前回成功した通信の通信プロトコル標識を現在通信プロトコル標識にする。
【0052】
(S6)スマートカードと端末の通信接続を構築し、通信を行う。
【0053】
前記ステップ(S1)は、また次の方式にて実現されうる:各種の通信プロトコルにそれぞれ唯一の標識を割当てた後、現在通信プロトコル標識をスマートカード操作システムにサポートされる何れか1種の通信プロトコルに対応する標識に設定し、前記通信プロトコルはType A、Type B、Type C、Type D、Type E、TypeF又はType Gである。
【0054】
以下、例を挙げて本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法を詳しく説明する。
【0055】
ISO14443規格中に規定されたスマートカード操作システムがサポート可能なType A、 Type Bの2種類の通信プロトコルを例にすると、Type A通信プロトコルの優先順位を1に、Type B通信プロトコルの優先順位を0に設定するように、Type Aの優先順位をType Bよりも高くする。Type AとType Bの通信プロトコルはそれぞれ1と0に示される。スマートカード操作システム通信プロトコルの適応過程は、以下の通りとなる:
(1)現在通信プロトコル標識を前回成功した通信プロトコル標識に等しくする。前回成功した通信プロトコル標識が不存在の場合、現在通信プロトコル標識を1に設定する、即ちType A通信プロトコルを選択する。
【0056】
(2)現在通信プロトコル標識が1である場合、通信プロトコル設定モジュールがType A通信プロトコル初期化サブモジュールを呼び出してType Aのパラメータを初期化し、そうでない場合、Type B通信プロトコルサブモジュールを呼び出してType Bのパラメータを初期化する。
【0057】
(3)通信検査モジュールが現在スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し、二者が一致の場合、ステップ(5)へ移行し、不一致の場合、ステップ(4)へ移行する。
【0058】
(4)現在通信プロトコル標識が1である、即ちスマートカード操作システムの現在通信プロトコルがType A通信プロトコルである場合、現在通信プロトコル標識を0に変更する、即ちスマートカード操作システムにType B通信プロトコルを選択する。現在通信プロトコル標識が0である、即ちスマートカード操作システムの現在通信プロトコルがType B通信プロトコルである場合、現在通信プロトコルを1に変更する、即ち、スマートカード操作システムにType A通信プロトコルを選択する。しかる後、ステップ(2)へ移行する。
【0059】
(5)前回成功した通信の通信プロトコル標識を現在通信プロトコル標識に等しくする。
【0060】
(6)スマートカードは通信モジュールを介して端末と通信接続を構築し、通信を行う。
【0061】
本発明の通信プロトコルの適応機能実現方法は、設定されたスマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定し、不一致の場合、自動的にスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択することにより、二者の通信プロトコル種類を最終的に一致させる。これにより、手動にてスマートカード操作システムに通信プロトコルを選択する方式での面倒な指令修正作業を避けられ、スマートカード操作システムが端末の通信プロトコル種類に応じて好適な通信プロトコルを自動選択可能にする。
【0062】
勿論、本発明は他の多種の実施例があり得る。本発明の精神及び本質から逸脱しない範囲において、当分野の技術者が本発明をベースに種々の修飾、変更を施すことができるが、これらの修飾、変更も皆本発明が請求する特許範囲に属するものとする。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信プロトコルの適応機能実現装置であって、
スマートカード操作システムに通信プロトコルを設定するための通信プロトコル設定モジュールと;
スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定するための通信プロトコル検査モジュールと;
スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択するための通信プロトコル選択モジュールと、を備える、
ことを特徴とする通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項2】
前記装置は更に、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致する場合、スマートカード操作システムと端末の間に通信を構築するための通信モジュールを備える、ことを特徴とする請求項1に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項3】
請求項1に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置であって、
スマートカード操作システムの現在通信プロトコル標識を初期化するための初期化モジュールを更に備え;
前記通信プロトコル設定モジュールは、現在通信プロトコル標識に応じ、スマートカード操作システムに現在通信プロトコル標識に対応する通信プロトコルを設定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項4】
前記通信プロトコル検査モジュールは、端末の通信接続構築コマンドに応じ、前記コマンドがスマートカード操作システムの現在通信プロトコル中のコマンドと一致するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項5】
前記通信プロトコル選択モジュールは、端末の通信接続構築コマンドがスマートカード操作システムの現在通信プロトコル中のコマンドと不一致の場合、各種通信プロトコルの優先順位に応じ、スマートカード操作システムがサポートする通信プロトコルをポーリングし、且つ通信プロトコル標識を相応的に修正する、
ことを特徴とする請求項4に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項6】
前記通信プロトコル設定モジュールは、少なくとも1つの通信プロトコル初期化サブモジュールを備え;
前記通信プロトコル初期化サブモジュールは、スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルのパラメータを初期化する、
ことを特徴とする請求項3に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項7】
前記通信プロトコルのパラメータは、変調・復調方式と通信速度を含む、ことを特徴とする請求項6に記載の通信プロトコルの適応機能実現装置。
【請求項8】
(1)スマートカード操作システムにスマートカード操作システム通信プロトコルを設定するステップと;
(2)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致するか否かを判定するステップと;
(3)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、スマートカード操作システムに端末の通信プロトコルと一致する通信プロトコルを選択するステップと、を有する、
ことを特徴とする通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項9】
請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法において、更に、
(4)スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと一致する場合、スマートカード操作システムと端末の間に通信を構築するステップを有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項10】
請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法において、前記ステップ(1)と(2)の間には、更に、
(11)スマートカード操作システムの通信プロトコル標識を初期化すること、及び
(12)通信プロトコル標識に応じて、スマートカード操作システムに現在通信プロトコル標識に対応する通信プロトコルを設定し、スマートカード操作システムが使用する通信プロトコルのパラメータを初期化することを有する、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項11】
前記ステップ(2)は、具体的には、端末の通信接続構築コマンドに応じ、前記コマンドがスマートカード操作システムの通信プロトコル中のコマンドと一致するか否かを判定することである、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項12】
前記ステップ(3)は、具体的には、スマートカード操作システムの通信プロトコルが端末の通信プロトコルと不一致の場合、各種通信プロトコルの優先順位に応じ、スマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルをポーリングし、通信プロトコル標識を相応的に修正することである、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項13】
前記スマートカード操作システムがサポートする各種通信プロトコルをポーリングすることは、具体的には、
スマートカード操作システムに現在通信プロトコルより1位低い通信プロトコルを選択し、現在通信プロトコルの優先順位が最低位である場合、スマートカード操作システムに優先順位が最高位の通信プロトコルを選択し、且つ現在通信プロトコル標識をスマートカード操作システムに新たに選択した通信プロトコルに対応する標識に修正する、
ことを特徴とする請求項12に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項14】
前記ステップ(11)は、具体的には、
(111)各種通信プロトコルに唯一の標識を割当てること;
(121)前回成功した通信の通信プロトコル標識を現在通信プロトコル標識に設定する、ことである、
ことを特徴とする請求項10に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項15】
前記通信プロトコルのパラメータは、変調・復調方式と通信速度を含む、ことを特徴とする請求項10に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項16】
前記ステップ(121)は、現在通信プロトコル標識をスマートカード操作システムがサポートする何れか1種の通信プロトコルに対応する標識に設定することでも良い、
ことを特徴とする請求項14に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。
【請求項17】
前記通信プロトコルはType A、 Type B、Type C、Type D、Type E、Type F又はType Gである、
ことを特徴とする請求項8に記載の通信プロトコルの適応機能実現方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公表番号】特表2010−532599(P2010−532599A)
【公表日】平成22年10月7日(2010.10.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−512490(P2010−512490)
【出願日】平成20年6月16日(2008.6.16)
【国際出願番号】PCT/CN2008/001163
【国際公開番号】WO2008/154815
【国際公開日】平成20年12月24日(2008.12.24)
【出願人】(507287744)北京握奇数据系統有限公司 (5)
【氏名又は名称原語表記】BEIJING WATCH DATA SYSTEM CO, LTD.
【Fターム(参考)】