説明

通信接続システム

【課題】本発明の課題は、設備機器に対して遠隔からコントロールできる通信接続システムを提供することにある。
【解決手段】通信接続システム1は、複数の群A,B,Cと、センター装置2と、複数の通信回線と、回線自動割付手段21,31とを備える。複数の群は、複数の第1送受信手段と、第2送受信手段とを有する。複数の第1送受信手段は、複数の末端拠点に属する機器情報の送受信が可能である。第2送受信手段は、統括拠点に属する機器情報の送受信が可能である。複数の通信回線は、複数の第1送受信手段、第2送受信手段、またはセンター装置のいずれか2つの間を通信可能である。回線自動割付手段は、複数の第1送受信手段および第2送受信手段のうちの2つの間で群内通信を行い、群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての複数の群において行わせる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の機器設置拠点に設置される設備機器に関する機器情報の送受信を行う通信接続システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和装置を遠隔から監視するシステムに特許文献1(特許第3387000号公報)のような技術がある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、特許文献1(特許第3387000号公報)では、空気調和装置の運転状態を遠隔から監視でき、その運転データなどを手元で加工できるが、空気調和装置に異常が発生した場合に、遠隔から指示を出すことはできない。
【0004】
本発明の課題は、設備機器に対して遠隔からコントロールできる通信接続システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
第1発明に係る通信接続システムは、複数の設備機器に関する機器情報の送受信を行うことが可能な情報通信システムであって、複数の群と、センター装置と、複数の通信回線と、回線自動割付手段とを備える。複数の群は、複数の第1送受信手段と、第2送受信手段とを有する。複数の第1送受信手段は、複数の設備機器が設置された複数の末端拠点毎に配置され、複数の末端拠点に属する機器情報の送受信が可能である。第2送受信手段は、複数の末端拠点を統括する統括拠点に配置され、統括拠点に属する機器情報の送受信が可能である。センター装置は、複数の群とは遠隔の遠隔監視センターにある。複数の通信回線は、複数の第1送受信手段、第2送受信手段、またはセンター装置のいずれか2つの間を通信可能であり、1つの群に属する複数の第1送受信手段の数または複数の群の数よりも少ない。回線自動割付手段は、複数の群のうちの少なくとも任意の1つの群における複数の第1送受信手段および第2送受信手段のうちの2つの間を、通信回線を介して通信可能な状態にする機器間通信を少なくとも1回以上行う群内通信を行い、群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての複数の群において行わせる。
【0006】
本発明の通信接続システムでは、限られた通信回線を利用して、センター装置、複数の第1送受信手段、および第2送受信手段との間で、双方向通信可能である。そして、回線自動割付手段は、複数の群のうちの少なくとも任意の1つの群における複数の第1送受信手段および第2送受信手段のうちの2つの間を、通信回線を介して通信可能な状態にする機器間通信を少なくとも1回以上行う群内通信を行い、群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての複数の群において行わせる。
【0007】
したがって、限られた通信回線を用いて、群内における仮想的な常時双方向通信可能な状態を、時分割方式によりローテーションさせることにより、異なる複数の群内における通信を実現できる。
【0008】
第2発明に係る通信接続システムは、第1発明に係る通信接続システムであって、回線自動割付手段は、タイムスロット作成部と、タイムスロット送信部と、タイムスロット実行部とを有する。タイムスロット作成部は、1回の群内通信を行うことに割り当てられる第1通信可能時間と、機器間通信を行うことに割り当てられる第2通信可能時間と、1回の群内通信を行うのに割り当てられる複数の通信回線と、機器間通信を開始する時刻と、複数の第1送受信手段と、複数の第2送受信手段とを関連づけたタイムスロットを複数の群毎に作成する。タイムスロット送信部は、タイムスロットを複数の群それぞれに属する第2送受信手段に送信する。タイムスロット実行部は、複数の第1送受信手段と第2送受信手段との間においてタイムスロットに基づいて群内通信を行わせる。
【0009】
したがって、限られた通信回線を用いて、群内における仮想的な常時双方向通信可能な状態を、時分割方式によりローテーションさせることにより、異なる複数の群内における通信を実現できる。
【0010】
第3発明に係る通信接続システムは、第2発明に係る通信接続システムであって、第2送受信手段は、第2タイムスロット修正部を有する。第2タイムスロット修正部は、第1通信可能時間内の範囲または機器間通信の対象となる群内通信に利用される通信回線の数の範囲に基づいて、第2通信可能時間の時間、機器間通信の対象となる複数の第1送受信手段または第2送受信手段の組合せ、および/または、組合せの数を変更することによりタイムスロットを修正する。
【0011】
したがって、第2タイムスロット修正部が、タイムスロットを第1通信可能時間の範囲で自動調節できる。
【0012】
第4発明に係る通信接続システムは、第1発明から第3発明のいずれかに記載の通信接続システムであって、第2送受信手段は、複数の第1送受信手段の全てと定期的に通信可能な状態となる。第2送受信手段はまた、任意の第1送受信手段が他の第1送受信手段への情報の送信を試みて、それら2つの第1送受信手段間において通信可能な状態ではなかった場合に、一旦第2送受信手段へ情報をキャッシュさせて、第2送受信手段から受け手側の第1送受信手段へ情報を送信させる。
【0013】
このように、一旦第2送受信手段へ情報をキャッシュさせてその後に、送り先の第1送受信手段が通信可能な状態になった場合に情報を送信することができる。このため、限られた通信回線を利用する通信であっても、比較的スムーズに情報の送受信を行うことができる。
【0014】
第5発明に係る通信接続システムは、第3発明または第4発明に係る通信接続システムであって、複数の第1送受信手段は、それぞれが確立した通信状況を履歴情報として第2送受信手段へ送信する。第2送受信手段は、履歴情報を記憶する履歴記憶部をさらに有する。第2タイムスロット修正部は、履歴情報にさらに基づいて、タイムスロットを修正する。
【0015】
このように、通信状況の履歴情報を記憶させるため、この履歴情報に基づいて例えばより頻繁に通信が行われた送受信手段同士を、予め、通信可能な状態とすることができる。これにより、通信頻度の多い送受信手段同士を優先して通信可能な状態とすることができ、限られた通信回線であっても効率の良い通信を実現できる。
【0016】
第6発明に係る通信接続システムは、第3発明から第5発明のいずれかに係る通信接続システムであって、回線自動割付手段は、第1タイムスロット修正部をさらに有する。第1タイムスロット修正部は、遠隔監視センターに属しており、第1通信可能時間内の範囲または機器間通信の対象となる群内通信に利用される通信回線の数の範囲に基づいて、第2通信可能時間の時間、機器間通信の対象となる複数の第1送受信手段または第2送受信手段の組合せ、および/または、組合せの数を変更することによりタイムスロットを修正する。第1タイムスロット修正部は、通信回線の帯域使用率、通信回線の通信セッションの数、または通信中継のためのキャッシュ容量のいずれかが許容量以下の場合にタイムスロットの修正を行い、通信回線の帯域使用率、通信回線の通信セッションの数、または通信中継のためのキャッシュ容量のいずれかが許容量を超える場合にタイムスロットの修正を第2タイムスロット修正部に行わせる。
【0017】
したがって、回線自動割付手段の通信回線に余裕がある場合に、タイムスロットの自動調整をセンター装置側が行なわせることができる。また、余裕がない場合には拠点側がタイムスロットの自動調整を行ことができる。
【0018】
第7発明に係る通信接続システムは、第1発明から第6発明のいずれかに係る通信接続システムであって、複数の第1送受信手段は、第2送受信手段と通信が可能になった場合に、第2送受信手段と時刻を同期させる。センター装置は、第2送受信手段と時刻を同期させる。
【0019】
一般的に時計は1ヶ月に1,2秒は狂いやすい。このため、本発明のように、センター装置と複数の送受信装置とをタイムスロットにより通信が行われるタイミングを厳密に計って行うようなシステムの場合に、センター装置と複数の送受信装置とが通信可能な状態になるたびに、それぞれの時刻を同期させることは、タイミングがずれることによる通信可能時間のロスを極力なくすことができることに有用である。
【0020】
第8発明に係る通信接続システムは、複数の機器に関する機器情報の送受信を行うことが可能な情報通信システムであって、複数の群と、センター装置と、複数の通信回線と、回線自動割付手段とを備える。複数の群は、複数の第1送受信手段と、第2送受信手段とを有する。複数の第1送受信手段は、複数の機器が設置された複数の末端拠点毎に配置され、複数の末端拠点に属する機器情報の送受信が可能である。第2送受信手段は、複数の末端拠点を統括する統括拠点に配置され、統括拠点に属する機器情報の送受信が可能である。センター装置は、複数の群とは遠隔にある。複数の通信回路は、複数の第1送受信手段、第2送受信手段、またはセンター装置のいずれか2つの間を通信可能であり、1つの群に属する複数の第1送受信手段の数または複数の群の数よりも少ない。回線自動割付手段は、複数の群のうちの少なくとも任意の1つの群における複数の第1送受信手段および第2送受信手段のうちの2つの間を、通信回線を介して通信可能な状態にする機器間通信を少なくとも1回以上行う群内通信を行い、群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての複数の群において行わせる。
【0021】
本発明の通信接続システムでは、限られた通信回線を利用して、センター装置、複数の第1送受信手段、および第2送受信手段との間で、双方向通信可能である。そして、回線自動割付手段は、複数の群のうちの少なくとも任意の1つの群における複数の第1送受信手段および第2送受信手段のうちの2つの間を、通信回線を介して通信可能な状態にする機器間通信を少なくとも1回以上行う群内通信を行い、群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての複数の群において行わせる。
【0022】
したがって、限られた通信回線を用いて、群内における仮想的な常時双方向通信可能な状態を、時分割方式によりローテーションさせることにより、異なる複数の群内における通信を実現できる。
【発明の効果】
【0023】
第1発明または第2発明に係る通信接続システムでは、限られた通信回線を用いて、群内における仮想的な常時双方向通信可能な状態を、時分割方式によりローテーションさせることにより、異なる複数の群内における通信を実現できる。
【0024】
第3発明に係る通信接続システムでは、第2タイムスロット修正部が、タイムスロットを第1通信可能時間の範囲で自動調節できる。
【0025】
第4発明に係る通信接続システムでは、一旦第2送受信手段へ情報をキャッシュさせてその後に、送り先の第1送受信手段が通信可能な状態になった場合に情報を送信することができる。このため、限られた通信回線を利用する通信であっても、比較的スムーズに情報の送受信を行うことができる。
【0026】
第5発明に係る通信接続システムでは、通信状況の履歴情報を記憶させるため、この履歴情報に基づいて例えばより頻繁に通信が行われた送受信手段同士を、予め、通信可能な状態とすることができる。これにより、通信頻度の多い送受信手段同士を優先して通信可能な状態とすることができ、限られた通信回線であっても効率の良い通信を実現できる。
【0027】
第6発明に係る通信接続システムでは、回線自動割付手段の通信回線に余裕がある場合に、タイムスロットの自動調整をセンター装置側が行なわせることができる。また、余裕がない場合には拠点側がタイムスロットの自動調整を行ことができる。
【0028】
第7発明に係る通信接続システムでは、複数の装置間においてタイムスロットにより通信が行われるタイミングを厳密に計って行うようなシステムの場合に、センター装置と複数の送受信装置とが通信可能な状態になるたびに、それぞれの時刻を同期させることは、タイミングがずれることによる通信可能時間のロスを極力なくすことができることに有用である。
【0029】
第8発明に係る通信接続システムでは、限られた通信回線を用いて、群内における仮想的な常時双方向通信可能な状態を、時分割方式によりローテーションさせることにより、異なる複数の群内における通信を実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる通信接続システム1の概要構成を示す図。
【図2】センター管理装置の概要構成を示す図。
【図3】タイムスロットテーブル22a(郡単位タイムスロットTS1)を表す図。
【図4】拠点情報テーブル22bを表す図。
【図5】設備機器コントローラの概要構成を示す図。
【図6】タイムスロットテーブル32a(拠点内タイムスロット群TS2)を表す図。
【図7】テナントIDテーブル32bを表す図。
【図8】タイムスロット設定テーブル32cを表す図。
【図9】通信接続統計テーブル32dを表す図。
【図10】各建物A〜C内で行われる拠点内通信接続処理の流れを示すフローチャート図。
【図11】拠点内タイムスロット群の更新処理の流れを示すフローチャート図。
【図12】第2実施形態に係る通信キャパシティテーブル22cを表す図。
【図13】第2実施形態に係る通信キャパシティテーブル32eを表す図。
【図14】第2実施形態に係る各建物A〜C内で行われる拠点内通信接続処理の流れを示すフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
以下、図面を参照して、本発明の実施形態に係る通信接続システムを説明する。
【0032】
<第1実施形態>
(通信接続システム)
図1は、本発明の第1実施形態にかかる通信接続システム1の概要構成を示す図である。
【0033】
通信接続システム1は、主に、センター管理装置2と、センター管理装置2にネットワーク6を介して接続可能な建物A、建物B、および建物Cとにより構成される。建物A、建物B、および建物Cは、それぞれ複数のテナントが入ったビルである。建物Aには、5つのテナントが入っており、それぞれのテナントには各テナントの内部の設備機器の運転管理を行うテナント管理装置Ta1〜Ta5が配置されている。建物Bには、9つのテナントが入居しており、それぞれのテナントには各テナントの内部の設備機器の運転管理を行うテナント管理装置Tb1〜Tb9が配置されている。建物Cには、3つのテナントが入居しており、それぞれのテナントには各テナントの内部の設備機器の運転管理を行うテナント管理装置Tc1〜Tc3が配置されている。なお、それぞれの建物A〜Bに入っているテナントは、それぞれ独立した店舗や事務所などであり、同じ建物内のテナントであってもテナント同士は例えばLANなどのネットワークでは直接接続されていない。
【0034】
建物Aには、建物Aのテナント以外の領域(例えば、エントランスや廊下などの共有するスペース)の設備機器を管理する設備機器コントローラ3が配備される。建物Bにも、同様に、建物Bのテナント以外の領域(例えば、エントランスや廊下などの共有するスペース)の設備機器を管理する設備機器コントローラ4が配備される。建物Cにも、同様に、建物Cのテナント以外の領域(例えば、エントランスや廊下などの共有するスペース)の設備機器を管理する設備機器コントローラ5が配備される。これらの設備機器コントローラ3,4,5は、各建物A〜Cの共有スペースに配備される設備機器に関する機器運転情報を取得して管理したり、設備機器に対して指示情報を送ったりすることが可能である。
【0035】
(センター管理装置)
図2は、センター管理装置2の概要構成を示す図である。
【0036】
センター管理装置2は、主として、拠点通信管理部21と、メモリやハードディスクなどを含む記憶装置22と、センター管理装置2の時刻を管理する時計23とを有する。
【0037】
拠点通信管理部21は、タイムスロット作成部21aと、タイムスロット送信部21bと、時刻同期部21cとにより構成される。
【0038】
タイムスロット作成部21aは、限られた複数の接続IDによりセンター管理装置2と各設備機器コントローラ3,4,5と各テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3との通信を時分割方式により行うための群単位タイムスロットTS1を、各建物A〜Cの設備機器を管理する設備機器コントローラ3,4,5に割り当てる。なお、ここに言う「接続ID」とは、常時双方向通信が可能な通信回線において接続を確立するためのIDのことであり、この接続IDによりセンター管理装置2と、各設備機器コントローラ3,4,5および各テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3とが通信可能な状態とされる。本実施形態では、センター管理装置2と、各設備機器コントローラ3,4,5および各テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3とを接続可能な状態にさせる接続IDは、3つ有る。すなわち、本実施形態では、各設備機器コントローラ3,4,5と各テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3との内で、センター管理装置2と同時に通信可能な状態になることのできる数が接続IDの数である3となる。郡単位タイムスロットTS1の作成方法は、後述する。
【0039】
タイムスロット送信部21bは、タイムスロット作成部21aにより作成された郡単位タイムスロットTS1を各設備機器コントローラ3,4,5へ送信する。作成された郡単位タイムスロットTS1はまた、記憶装置22においてタイムスロットテーブル22aとして記憶される。
【0040】
時刻同期部22cは、センター管理装置2が有する時計23とおよび各拠点における設備機器コントローラ3,4,5の時刻管理をする時計32の時刻を必要時に同期させる。
【0041】
記憶装置22は、タイムスロットテーブル22aと、拠点情報テーブル22bと、タイムスロット設定テーブル22cとが格納されている。
【0042】
タイムスロットテーブル22aでは、図3に示すように、建物IDと、その建物A〜Cに割り当てられた通信時間帯と、割り当てられる接続IDとが関連づけられている。なお、ここに言う「建物ID」とは、建物A〜Cを識別するために、建物A〜Cに配置される設備機器コントローラ3,4,5に関連づけられるIDである。
【0043】
拠点情報テーブル22bでは、図4に示すように、各建物A〜CとそのIDである建物IDと各建物A〜Cに含まれる各テナントの数とが関連づけられている。
【0044】
時計23は、上述したようにセンター管理装置2の時刻を管理している。
【0045】
(設備機器コントローラ)
図5は、設備機器コントローラ3,4,5の概要構成を示す図である。
【0046】
設備機器コントローラ3,4,5は、主として、主として、テナント通信管理部31,41,51と、メモリやハードディスクなどを含む記憶装置32,42,52と、設備機器コントローラ3,4,5の時刻を管理する時計33,43,53とを有する。ここでは、設備機器コントローラ3,4,5の構成は全て同じであるので、設備機器コントローラ3のみの(すなわち建物Aに関する)説明とする。
【0047】
テナント通信管理部31は、タイムスロット作成部31aと、タイムスロット送信部31bと、時刻同期部31cとにより構成される。タイムスロット作成部31aは、限られた複数の接続IDによりセンター管理装置2と各テナントTa1〜Ta5との通信を時分割方式により行うためのタイムスロットを作成する。なお、上述したようにテナントTa1〜Ta5は相互にネットワークにより接続されていない。しかしながら、テナントTa1〜Ta5は、同じタイミングでセンター管理装置2と通信可能な状態となることで、その期間は、テナントTa1〜Ta5同士が相互に通信可能な状態となる。なお、センター管理装置2のタイムスロットテーブル22aに基づいて、所定の時間帯(接続時間帯)に所定の接続IDを建物Aの内部で利用できるようになっている。タイムスロット作成部31aは、タイムスロットテーブル22aに基づいて、与えられた接続時間帯と接続IDとを利用して、建物A内のテナントTa1〜Ta5とセンター管理装置2とが時分割方式で接続されるための拠点内タイムスロット群TS2を作成する。この拠点内タイムスロット群TS2の作成方法は、後述する。タイムスロット送信部31bは、タイムスロット作成部31aにより作成された拠点内タイムスロット群TS2を、拠点内のテナント管理装置Ta1〜Ta5に送信する。拠点内タイムスロット群TS2は、記憶装置32においてタイムスロットテーブル32aとして記憶される。時刻同期部32cは、センター管理装置2が有する時計23と、設備機器コントローラ3の時刻管理をする時計33との時刻を必要時に同期させる。
【0048】
記憶装置32は、タイムスロットテーブル32aと、各テナント管理装置Ta1〜Ta5とそのIDとを関連づけたテナントIDテーブル32bと、タイムスロット設定テーブル32cと、通信接続統計テーブル32dとが格納されている。
【0049】
タイムスロットテーブル32aでは、図6に示すように、接続IDと、テナントIDと、一つのタイムスロットの位置とが関連づけられている。図6は、拠点内タイムスロット群TS2を表す図である。なお、ここに言う「テナントID」とは、各テナントTa1〜Ta5を識別するために、各テナントTa1〜Ta5に関連づけられるIDである。また、ここに言う「位置」とは、タイムスロットが実行される順番のことである。また、ここに言う「タイムスロット」とは、一つの接続IDに対して設けられる通信可能時間の順番(位置)のことであり、図6の表の1つの枠(例えば、接続IDが「Cid01」であり、位置が「t1」である枠)において定義される時間間隔のことを言う。図6では、複数の接続IDに対して複数の位置が設けられており、タイムスロットの数は複数となる。これらの複数のタイムスロットの集合をタイムスロット群と呼ぶことにする。
【0050】
テナントIDテーブル32bでは、図7に示すように、テナントIDと、テナントTa1〜Ta5に接続するためのパスワードと、テナント管理装置35aのIPアドレスとが関連づけられている。
【0051】
タイムスロット設定テーブル32cでは、図8に示すように、タイムスロットの開始時刻(初期時刻)と、タイムスロットの単位時間とが関連づけられている。なお、ここに言う「タイムスロットの開始時刻」とは、そのタイムスロットによりセンター管理装置2と設備機器コントローラ3またはテナント管理装置Ta1〜Ta5のいずれかが接続開始される初めの時刻である。また、ここに言う「タイムスロットの単位時間」とは、一つのタイムスロットにおける接続時間(すなわち通信可能時間)のことである。本実施形態においてタイムスロットの単位時間は、5秒間である。
【0052】
通信接続統計テーブル32dでは、図9に示すように、設備機器コントローラ3およびテナント管理装置Ta1〜Ta5の内で2つの装置間で行われる通信における、通信回数、および、累計時間が積算されている。そして、それらが多い順にランク付けされる。
【0053】
時計33は、上述したように設備機器コントローラ3の時刻を管理している。
【0054】
<センター管理装置と設備機器コントローラおよびテナント管理装置との通信接続>
図10に、各建物A〜C内で行われる拠点内通信接続処理の流れを示すフローチャート図を示す。なお、この説明においても、建物A〜Cのどれについても同じ処理を行うことになるため建物Aについての説明のみ行う。
【0055】
(拠点内通信の確立)
まず、ステップS1では、センター管理装置2のタイムスロット作成部21aが、拠点IDテーブル22bに基づいて、設備機器コントローラ3およびテナント管理装置Ta1〜Ta5(以下、複数の管理装置とする、建物Aでは6つの管理装置である)が建物Aの内部での拠点内通信を初めに確立するための初期動作タイムスロットTS11を作成し、タイムスロット送信部21bが建物Aの複数の管理装置へ送信する。本実施形態においては同時に接続できる接続IDが3つであるので、この場合にセンター管理装置2と同時に接続される機器は複数の管理装置の内で3つまでとなる。このため、初めに3つの管理装置との通信が確立した後で、残りの3つの管理装置との通信が行われる。なお、初期動作タイムスロットTS11を実行することにより、建物Aの内部でセンター管理装置2を介さずに互いに通信することが可能となる。
【0056】
ステップS2では、タイムスロット送信部21bが、記憶装置22にタイムスロットテーブル22aとして格納されている郡単位タイムスロットTS1を、設備機器コントローラ3へ送信する。
【0057】
ステップS3では、設備機器コントローラ3のタイムスロット作成部31aが、ステップS2により受信した郡単位タイムスロットTS1と、タイムスロット設定テーブル32cとに基づいて、拠点内タイムスロット群TS2を作成する。
【0058】
ステップS4では、タイムスロット送信部32bが、初期動作タイムスロットTS11に基づいて、拠点内タイムスロット群TS2をテナント管理装置Ta1〜Ta5へ送信する。
【0059】
ステップS5では、拠点内タイムスロット群TS2に基づく通信接続が開始される。これにより、これ以降は、建物Aの複数の管理装置間の通信接続がセンター装置を介さずに実現されることになる。
【0060】
なお、拠点内タイムスロット群TS2では、接続ID「Cid03」に必ず設備機器コントローラ3が登録される。これは、例えば、テナント管理装置Ta1がテナント管理装置Ta3へのデータ送信が試みられた場合を考える。この場合であって、テナント管理装置Ta3がテナント管理装置Ta1と同時に通信可能な状態でなかったことが原因で、データ送信が失敗した場合に、テナント管理装置Ta1は常に通信可能な状態となっている設備機器コントローラ3へ一旦そのデータを預ける。そして、設備機器コントローラ3は、受け取ったデータを一旦キャッシュメモリ34にキャッシュして、テナント管理装置Ta3が通信可能状態になった場合に、そのデータをテナント管理装置Ta3へ送信する。このように、キャッシュメモリ34を有する設備機器コントローラ3を常に通信可能状態とすることで、限られた数の接続IDによる通信であっても比較的スムーズにデータの送受信を行うことができる。
【0061】
(ランク付けによる拠点内タイムスロット群の更新)
拠点内タイムスロット群TS2は、拠点内通信を確立してから1日経過すると、次のステップS11〜S14による処理(図11参照)で更新される。
【0062】
まず、ステップS11では、最初に拠点内通信が確立されてから1日経過したか否かを判定し、1日経過していればステップS12へ移行し、そうでなければステップS11へ戻る。
【0063】
ステップS12では、設備機器コントローラ3は、通信接続統計テーブル32dに基づいて、ランクの大きい2つの管理装置間の通信接続が優先的に行われるように、拠点内タイムスロット群TS2を再作成する。具体的には、ランクの大きい管理装置間の通信が確立されやすいように、ランクの大きい2つの管理装置を優先的に同じタイミング(例えば位置t2のタイミング)のタイムスロットに登録し直す。
【0064】
ステップS13では、タイムスロット送信部31bが、更新後の拠点内タイムスロット群TS2を、更新前の拠点内タイムスロット群TS2による通信接続においてテナント管理装置Ta1〜Ta5に送信する。
【0065】
ステップS14では、所定の時刻になると、更新後の拠点内タイムスロット群TSが適用される、もしくは、新しい拠点内タイムスロット群TSに更新される。
【0066】
このように、設備機器コントローラ3およびテナント管理装置Ta1〜Ta5の間の通信を、LANなどで直接接続されていなくても時分割方式に接続することができる。また、設備機器コントローラ3は、テナント管理装置Ta1〜Ta5と同時に接続されることになるため、PCリモコンなどでテナント管理装置Ta1〜Ta5を通じてテナント内の設備機器をコントロールすることが可能となる。例えば、ビルの管理者が、設備機器コントローラ3が備えられる本部で建物A内の設備機器を管理している場合に、照明の消し忘れがあったり、空気調和装置の消し忘れがあったりしても、それを本部の設備機器コントローラ3により認識することができ、さらに、照明を落としたり、空気調和装置の電源を落としたりする指示を送信することができる。
【0067】
<第1実施形態の特徴>
(1)
本実施形態の通信接続システム1では、限られた数の接続IDを利用して、センター管理装置2、テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3、および設備機器コントローラ3,4,5との間で、双方向通信可能である。そして、各建物A〜Cのうちの1つの群におけるテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3、および設備機器コントローラ3,4,5のうちの2つの間を、接続IDを介して通信可能な状態にする機器間通信を複数回行う拠点内通信を行う。そして、拠点内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての建物A〜Cにおいて拠点内通信を行わせる。
【0068】
したがって、限られた接続IDを用いて、建物内における仮想的な常時双方向通信可能な状態を、時分割方式によりローテーションさせることにより、異なる複数の建物A〜Cにおける通信を実現できる。
【0069】
(2)
本実施形態の通信接続システム1は、設備機器コントローラ3,4,5は、テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3の全てと定期的に通信可能な状態となる。設備機器コントローラ3,4,5はまた、同じ建物内のテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3が他のテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3への情報の送信を試みて、それら2つのテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3間において通信可能な状態ではなかった場合に、一旦設備機器コントローラ3,4,5へ情報をキャッシュさせて、第2送受信手段から受け手側のテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3へ情報を送信させる。
【0070】
このように、一旦設備機器コントローラ3,4,5へ情報をキャッシュさせてその後に、送り先のテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3が通信可能な状態になった場合に情報を送信することができる。このため、限られた通信回線を利用する通信であっても、比較的スムーズに情報の送受信を行うことができる。
【0071】
(3)
本実施形態に係る通信接続システム1は、テナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3は、それぞれが確立した通信状況が履歴情報として設備機器コントローラ3,4,5の通信接続統計テーブル32dとして記憶装置32に保存される。タイムスロット作成部31aは、この通信接続統計テーブル32dに基づいて、拠点内タイムスロット群TS2を修正する。
【0072】
このように、通信状況の履歴情報を通信接続統計テーブル32dとして記憶させるため、この通信接続統計テーブル32dに基づいて例えばより頻繁に通信が行われた管理装置同士を、予め、通信可能な状態とすることができる。これにより、通信頻度の多い管理装置同士を優先して通信可能な状態とすることができ、限られた数の接続IDにおける通信であっても効率の良い通信を実現できる。
【0073】
(4)
本実施形態に係る通信接続システム1は、センター管理装置2、設備機器コントローラ3,4,5、およびテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3のいずれかが通信されると時刻の同期が行われる。
【0074】
これにより本実施形態の通信接続システム1のように、通信が行われるタイミングを厳密に計って行うようなシステムの場合に、センター管理装置2と設備機器コントローラ3,4,5、およびテナント管理装置Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3とが通信可能な状態になるたびに、それぞれの時刻を同期させることは、タイミングがずれることによる通信可能時間のロスを極力なくすことができることに有用である。
【0075】
<第2実施形態>
(通信接続システム)
第2実施形態に係る通信接続システム1aの構成は、第1実施形態の通信接続システム1とほぼ同じであり、センター管理装置2aに通信キャパシティテーブル22cが有ることと、設備機器コントローラ3に通信キャパシティテーブル32eが有ることとが異なる。
【0076】
通信キャパシティテーブル22cは、図12のように、通信回線の帯域使用率、通信回線のセッション数、および通信中継用のキャッシュ容量を、それぞれセンター管理装置2の通信に係る最大値、許容量(最大値の70%)、各建物A〜Cによる実際の通信に係る使用量とを関連づけたものである。
【0077】
通信キャパシティテーブル32eは、図13のように、通信回線の帯域使用率、通信回線のセッション数、および通信中継用のキャッシュ容量を、それぞれ設備機器コントローラ3の通信に係る最大値、許容量(最大値の70%)、各建物A〜Cによる実際の通信に係る使用量とを関連づけたものである。
【0078】
<センター管理装置と設備機器コントローラおよびテナント管理装置との通信接続>
第1実施形態では、各建物A〜C内で行われる拠点内通信を実現する拠点内タイムスロット群TS2は、各建物A〜C内の設備機器コントローラ3,4,5が作成しているが、第2実施形態では、センター管理装置2が基本的に作成する。
【0079】
図14に、第2実施形態に係る各建物A〜C内で行われる拠点内通信接続処理の流れを示すフローチャート図を示す。なお、この説明においても、建物A〜Cのどれについても同じ処理を行うことになるため建物Aについての説明のみ行う。
【0080】
まず、ステップS21では、センター管理装置2の通信キャパシティが許容量を超えているか否かを、通信キャパシティテーブル22cに基づいて判定する。センター管理装置2の通信キャパシティが許容量を超えている場合には、ステップS22へ移行し、そうでない場合には、ステップS21へ戻る。
【0081】
ステップS22では、センター管理装置2が、建物A〜Cの中に設備機器コントローラ3,4,5が拠点内タイムスロット群TS2を作成していない建物があるか否かを判定する。設備機器コントローラ3,4,5が拠点内タイムスロット群TS2を作成していない建物が有れば次のステップS23へ移行し、そうでない場合には、ステップS25へ移行する。
【0082】
ステップS23では、ステップS22で判定された設備機器コントローラ3,4,5が拠点内タイムスロット群TS2を作成していない建物の中で、最も通信使用量の割合が大きい建物を選択する。なお、最も通信使用量の割合が大きい建物を選択する判断方法として、次のように判断する。センター管理装置2の通信帯域、セッション、キャッシュは、2つの管理装置間のFromToのIPアドレスにより、どの建物に属している通信かが判別できる。そして、センター管理装置2の通信帯域を最も使用している建物を選択し、その建物内で使用されている通信帯域とその建物がセンター管理装置2において使用している通信帯域とを加えた値が、その建物の許容量を超えるか否かを判定する。この値が超えていなかったら、センター管理装置2からこの建物へと通信を譲渡することができると判断する。また、ここでその建物の許容量を超えている場合には、次に多くセンター管理装置2の通信帯域を使用している建物に対して上述と同様の判定を行う。これを順に繰り返して通信を委譲する建物を決定する。
【0083】
例えば図13によると、建物Aが最もセンター管理装置の通信帯域(1.0Mbps)を使用している。しかしながら、建物Aは、その建物内で使用されている現在の通信帯域の値が0.1Mbpsであり、その値にセンター管理装置2において使用している通信帯域の値の1.0Mbpsを加えることにより1.1Mbpsとなる。この1.1Mbpsは、建物Aの許容量である0.7Mbpsを超えているため、建物Aにはセンター管理装置2の通信帯域を委譲できない。建物Aの次にセンター管理装置2の通信帯域を使用している建物Bの場合には、センター管理装置2の通信帯域を0.5Mbps使用しており、建物B内において使用されている現在の通信帯域の値の0.1Mbpsを加えることにより0.6Mbpsとなる。この0.6Mbpsは、建物Bの許容量である0.7Mbpsを超えないため、建物Bにセンター管理装置2の通信帯域を委譲できることになる。このようにして、通信帯域が委譲される建物が決定される。
【0084】
ステップS24では、ステップS23で選択された建物に対して第1実施形態のステップS1〜S5およびステップS11〜S14における処理に基づいた通信接続を行わせる。ステップS24が終了すると、処理を終了する。
【0085】
ステップS25では、センター管理装置2に係る通信のキャパシティが100%になる日を予測する。具体的には、センター管理装置2に係る通信回線のキャパシティは、通信帯域の実際の使用量の最大値を毎日計測し、直近の1年分を記録しておく。そして、通信帯域の実際の使用量の最大値が、通信帯域の許容量を超えた場合に、過去2,3ヶ月分のデータに基づいて通信帯域の使用率の割合を1週間ごとの平滑平均を求め、さらにそこから一次回帰線を求めて100%の使用率と交わった時点を通信のキャパシティが100%になる日と予測する。
【0086】
ステップS26では、センター管理装置2に係る通信回線の増強をオペレータに促す指示およびステップS25で予測した予測日を報知する。ステップS26が終了すると、処理を終了する。
【0087】
<第2実施形態の特徴>
(1)
本実施形態に係る通信接続システム1aは、センター管理装置2が、通信回線の帯域使用率、通信回線の通信セッションの数、または通信中継のためのキャッシュ容量のいずれかが許容量以下の場合にタイムスロットの修正を行う。
【0088】
したがって、センター管理装置2の通信回線に余裕がある場合に、タイムスロットの自動調整をセンター管理装置2側が行なわせることができる。
【0089】
<他の実施形態>
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0090】
1 通信接続システム
2 センター管理装置(センター装置)
3,4,5 設備機器コントローラ(第2送受信手段)
A,B,C 建物(複数の群)
Cid01〜Cid03 接続ID(複数の通信回線)
21,31 拠点通信管理部(回線自動割付手段)
21a,31a タイムスロット作成部
21b,31b タイムスロット送信部
【先行技術文献】
【特許文献】
【0091】
【特許文献1】特許第3387000号公報

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の設備機器に関する機器情報の送受信を行うことが可能な通信接続システム(1)であって、
前記複数の設備機器が設置された複数の末端拠点毎に配置され、前記複数の末端拠点に属する前記機器情報の送受信が可能な複数の第1送受信手段(Ta1〜Ta5,Tb1〜Tb9,Tc1〜Tc3)と、前記複数の末端拠点を統括する統括拠点に配置され、前記統括拠点に属する前記機器情報の送受信が可能な第2送受信手段(3,4,5)と、を有する複数の群(A,B,C)と、
前記複数の群とは遠隔の遠隔監視センターにあるセンター装置(2)と、
前記複数の第1送受信手段、前記第2送受信手段、または前記センター装置のいずれか2つの間を通信可能であり、1つの前記群に属する前記複数の第1送受信手段の数または前記複数の群の数よりも少ない複数の通信回線(Cid01〜Cid03)と、
前記複数の群のうちの少なくとも任意の1つの群における前記複数の第1送受信手段および前記第2送受信手段のうちの2つの間を、前記通信回線を介して通信可能な状態にする機器間通信を少なくとも1回以上行う群内通信を行い、前記群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての前記複数の群において行わせる回線自動割付手段(21,31)と、
を備える通信接続システム(1)。
【請求項2】
前記回線自動割付手段(21,31)は、
1回の前記群内通信を行うことに割り当てられる第1通信可能時間と、前記機器間通信を行うことに割り当てられる第2通信可能時間と、1回の前記群内通信を行うのに割り当てられる前記複数の通信回線と、前記機器間通信を開始する時刻と、前記複数の第1送受信手段と、前記複数の第2送受信手段とを関連づけたタイムスロットを前記複数の群毎に作成するタイムスロット作成部(21a,31a)と、
前記タイムスロットを前記複数の群それぞれに属する前記第2送受信手段に送信するタイムスロット送信部(21b,31b)と、
前記複数の第1送受信手段と前記第2送受信手段との間において前記タイムスロットに基づいて前記群内通信を行わせるタイムスロット実行部と、
を有する、
請求項1に記載の通信接続システム(1)。
【請求項3】
前記第2送受信手段は、前記第1通信可能時間内の範囲または前記機器間通信の対象となる前記群内通信に利用される前記通信回線の数の範囲に基づいて、前記第2通信可能時間の時間、前記機器間通信の対象となる前記複数の第1送受信手段または前記第2送受信手段の組合せ、および/または、前記組合せの数を変更することにより前記タイムスロットを修正する第2タイムスロット修正部を有する、
請求項2に記載の通信接続システム(1)。
【請求項4】
前記第2送受信手段は、前記複数の第1送受信手段の全てと定期的に通信可能な状態となり、
任意の第1送受信手段が他の第1送受信手段への情報の送信を試みて、それら2つの第1送受信手段間において通信可能な状態ではなかった場合に、一旦前記第2送受信手段へ前記情報をキャッシュさせて、前記第2送受信手段から受け手側の第1送受信手段へ前記情報を送信させる、
請求項1から3のいずれかに記載の通信接続システム(1)。
【請求項5】
前記複数の第1送受信手段は、それぞれが確立した通信状況を履歴情報として前記第2送受信手段へ送信し、
前記第2送受信手段は、前記履歴情報を記憶する履歴記憶部をさらに有し、
前記第2タイムスロット修正部は、前記履歴情報にさらに基づいて、前記タイムスロットを修正する、
請求項3または4に記載の通信接続システム(1)。
【請求項6】
前記回線自動割付手段は、前記遠隔監視センターに属しており、前記第1通信可能時間内の範囲または前記機器間通信の対象となる前記群内通信に利用される前記通信回線の数の範囲に基づいて、前記第2通信可能時間の時間、前記機器間通信の対象となる前記複数の第1送受信手段または前記第2送受信手段の組合せ、および/または、前記組合せの数を変更することにより前記タイムスロットを修正する第1タイムスロット修正部をさらに有し、
前記第1タイムスロット修正部は、前記通信回線の帯域使用率、前記通信回線の通信セッションの数、または通信中継のためのキャッシュ容量のいずれかが許容量以下の場合に前記タイムスロットの修正を行い、前記通信回線の帯域使用率、前記通信回線の通信セッションの数、または通信中継のためのキャッシュ容量のいずれかが許容量を超える場合に前記タイムスロットの修正を前記第2タイムスロット修正部に行わせる、
請求項3から5のいずれかに記載の通信接続システム(1)。
【請求項7】
前記複数の第1送受信手段は、前記第2送受信手段と通信が可能になった場合に、前記第2送受信手段と時刻を同期させ、
前記センター装置は、前記第2送受信手段と時刻を同期させる、
請求項1から6のいずれかに記載の通信接続システム(1)。
【請求項8】
複数の機器に関する機器情報の送受信を行うことが可能な情報通信システムであって、
前記複数の機器が設置された複数の末端拠点毎に配置され、前記複数の末端拠点に属する前記機器情報の送受信が可能な複数の第1送受信手段と、前記複数の末端拠点を統括する統括拠点に配置され、前記統括拠点に属する前記機器情報の送受信が可能な第2送受信手段と、を有する複数の群と、
前記複数の群とは遠隔にあるセンター装置と、
前記複数の第1送受信手段、前記第2送受信手段、または前記センター装置のいずれか2つの間を通信可能であり、1つの前記群に属する前記複数の第1送受信手段の数または前記複数の群の数よりも少ない複数の通信回線と、
前記複数の群のうちの少なくとも任意の1つの群における前記複数の第1送受信手段および前記第2送受信手段のうちの2つの間を、前記通信回線を介して通信可能な状態にする機器間通信を少なくとも1回以上行う群内通信を行い、前記群内通信を時間毎に区切って切り換えることにより全ての前記複数の群において行わせる回線自動割付手段と、
を備える通信接続システム(1)。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2011−193218(P2011−193218A)
【公開日】平成23年9月29日(2011.9.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−57596(P2010−57596)
【出願日】平成22年3月15日(2010.3.15)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】