説明

通信端末、歩行者誘導システム、交通信号情報通報システム、防犯システム、災害情報通報システム、ビル利用者誘導システム

【課題】 本発明は、障害者の誘導、災害発生時の誘導にかかる通信端末等を提供する。
【解決手段】 本願の歩行者誘導システム5は、歩行者7の位置情報を発信するための歩行者情報送信端末10と、当該位置情報に基づいて発光するための通信端末20と、を具備し、前記歩行者情報送信端末10は、歩行者7の位置情報を発信し、当該位置情報に基づいてGPSにより歩行者の位置情報を検出する位置情報検出手段11と、前記位置情報を発信する発信手段12と、を備え、前記通信端末20は、前記位置情報を受信する受信手段22と、前記位置情報に基づいて発光制御する制御手段24と、前記発光制御に基づいて発光する発光手段21と、を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、太陽電池を利用した無停止電源機能を有する通信端末等に関する。例えば、障害者の誘導、交通信号機の補助設備、防犯・災害時の通信システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、太陽電池と、太陽電池から出力される電気を蓄えるための電気二重層コンデンサと、電気二重層コンデンサから少しずつ出力される電気によって発光される発光部と、を備えるマーカと呼ばれる端末が存在する。この端末は、例えば、道路(車道、歩道上)に設置される。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、マーカは個々に独立して発光を繰り返すのみであるため、誘導灯として使用するには、不十分である。
【0004】
また、特に、障害者等の誘導においては、障害者は安心して歩行することができない等の問題点がある。
【0005】
また、複合ビル等における災害発生時の誘導にあっては、単に発光体を発光させるのみでは人を複合ビルの外部へ誘導できない等の問題点がある。また、複合ビル等における災害発生時においては、複合ビル内の各フロア内に存在する人員を把握することができれば便利である。
【0006】
本発明の目的は、障害者の誘導、災害発生時の誘導にかかる通信端末を提供するものであり、特に、第1の目的として、障害者が安心して歩行できる障害者誘導用の通信システムを提供する。また、第2の目的として複合ビル等における災害時の通報・誘導システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
【0008】
本発明の歩行者誘導システム(5)は、歩行者(7)の位置情報を発信するための歩行者情報送信端末(10)と、当該位置情報に基づいて発光するための通信端末(20)と、を具備する誘導システムであって、前記歩行者情報送信端末は、歩行者の位置情報を発信し、当該位置情報に基づいてGPSにより歩行者の位置情報を検出する位置情報検出手段(11)と、前記位置情報を発信する発信手段(12)と、を備え、前記通信端末は、前記位置情報を受信する受信手段(22)と、前記位置情報に基づいて発光制御する制御手段(24)と、前記発光制御に基づいて発光する発光手段(21)と、を備えていることを特徴とする。また、前記位置情報検出手段は、前記歩行者の位置情報を連続して検出する歩行者の移動状態を検出し、前記制御手段は、前記歩行者の移動状態に基づいて発光制御することを特徴とする。また、通信端末は、予め前記位置情報に対して時間差を設けて発光を行う発光タイミング情報を記憶する記憶手段(23)を具備し、前記制御手段は、前記位置情報及び発光タイミング情報に基づいて発光制御することを特徴とする。また、前記通信端末は歩行者用道路に所定の間隔を有して埋め込まれることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の交通信号情報通報システムは、歩行者の位置情報を発信するための歩行者情報送信端末と、交通信号機の点灯動作情報を検出するための点灯情報検出端末(36)と、当該位置情報及び点灯動作情報に基づいて発光するための通信端末と、を具備する交通信号情報通報システムであって、前記歩行者情報送信端末は、歩行者の位置情報を発信し、当該位置情報に基づいてGPSにより歩行者の位置情報を検出する位置情報検出手段と、前記位置情報を発信する発信手段と、を備え、前記点灯情報検出端末は、交通信号機の点灯動作情報を検出するための検出手段(37)と、前記点灯動作情報を通信端末に送信するための送信手段(38)と、を備え、前記通信端末は、前記歩行者の位置情報、及び前記点灯動作情報を受信するための受信手段と、前記歩行者の位置情報、及び点灯動作情報に基づいて発光制御する制御手段と、前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、を備えていることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の防犯システム(50)は、複合ビルのフロアごとに前記フロアに進入者が侵入した侵入情報を検出する検出手段(56)と、前記検出手段と接続される通信端末(70)と、前記通信端末と接続される管理端末(80)と、前記管理端末と接続される所定の機関(85)と、を具備する防犯システムであって、前記通信端末は、予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段(73)と、前記侵入情報を受信する受信手段(72)と、前記侵入情報に前記フロアの位置情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信する送信手段(74)と、を具備し、前記管理端末は、前記進入者位置情報を所定の機関に通報する通報手段(82)と、を具備することを特徴とする。
【0011】
また、本発明の災害情報通報システムは、災害が発生した旨の災害情報を検出する検出端末(60)と、複合ビルのフロアごとに前記フロア内に入室している人数情報を検出する検出手段(71)を備える通信端末と、前記通信端末と接続される管理端末と、前記管理端末と接続される所定の機関と、を具備する災害情報通報システムであって、前記検出端末は、災害情報を検出するための検出手段(61)と、前記災害情報を通信端末に送信するための送信手段(62)と、を備え、前記通信端末は、予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、前記災害情報を受信する受信手段と、前記災害情報に前記フロアの位置情報に前記人数情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信する送信手段と、を備え、前記管理端末は、前記進入者位置情報を所定の機関に通報する通報手段と、を具備することを特徴とする。
【0012】
また、本発明のビル利用者誘導システムは、災害が発生した旨の災害情報を検出する災害検出端末と、当該災害情報に基づいて発光するための発光部を備える通信端末と、前記通信端末と接続される管理端末と、を具備する誘導システムであって、前記災害検出端末は、災害情報を検出するための検出部と、災害情報を前記通信端末に送信するための送信手段と、を備え、前記通信端末は、予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、前記災害情報を受信するとともに前記管理端末からの誘導経路情報を受信するための受信手段と、前記災害情報にフロアの位置情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信するための送信手段と、前記管理端末からの誘導経路情報に基づいて発光制御するための制御手段と、前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、を備え、前記管理端末は、前記総合情報を受信するための受信手段と、前記総合情報に基づいて、誘導経路情報を生成するとともに前記誘導経路情報に基づいて発光する通信端末を選定するための制御手段と、選定された通信端末に誘導経路情報を送信するための送信手段と、を具備していることを特徴とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
−第1の実施形態−
―歩道における歩行者誘導システム―
以下、本実施形態の歩行者誘導システムについて図1乃至図4を用いて説明する。図1は本実施形態の歩行者誘導システムの概略図、図2は本実施形態の歩行者誘導システムの構成図、図3は通信端末の外観の一例を示す図、図4は、通信端末による歩行者の誘導処理を示すフローチャート図である。
【0014】
図示のように、歩行者誘導システム5は、歩行者7の位置情報を送信(誘導要求)することによって、その誘導要求(歩行者の位置情報)に基づいて、歩行者7の歩行状態から誘導経路9上に複数設置された通信端末20の発光部21を発光させ、歩行者7を誘導するものである。
【0015】
図2に示すように、歩行者誘導システム5は、歩行者7の位置情報を送信することによって誘導要求するための歩行者情報送信端末10と、その誘導要求に基づいて発光するための発光部21を備えた通信端末20と、を備える。また、歩行者情報送信端末10は、例えば、図上に示すように杖15等が考えられるがこれに限定されるものではない。また、歩行者7の位置情報は、GPSによって連続して歩行者7の位置情報を受信し、外部に発信する。このため、発光位置情報によって、歩行者の移動状態を知ることが可能となる。
【0016】
歩行者情報送信端末10は、歩行者7の位置情報を衛星航法で検出するためのGPS受信部11と、歩行者の位置情報を外部に発信するための発信部12と、各部11、12を制御するための制御部13と、各部11〜13に電気を供給するための電源部14と、を備えている。
【0017】
GPS受信部11は、歩行者の位置情報を発信し、この位置情報に基づいて衛星航法(GPS)により歩行者の正確な位置情報を検出する。
【0018】
制御部13は、コンピュータとして、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM等を備えており、例えばROMに記憶された各種処理プログラムを実行する。制御部13は、例えば、GPS受信部11により受信された歩行者7の位置情報を発信部12により外部に発信するために各部11、12を制御する。
【0019】
通信端末20は、歩行者7の位置情報を受信するための受信部22と、歩行者7の位置情報に対して時間差を設けて発光する発光タイミング情報を記憶するための記憶部23と、発光するための発光部21と、各部21〜23を制御するための制御部24と、太陽光を電気に変換(発電)するための太陽電池25と、発電した電気を蓄えるとともに各部に電気を供給するための蓄電部26と、を備えている。また、蓄電部26は、好適には電気二重層コンデンサを使用する。
【0020】
制御部24は、コンピュータとして、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM等を備えており、例えばROMに記憶された各種処理プログラムを実行する。制御部24は、例えば、受信部22により歩行者情報送信端末10から発信される歩行者7の位置情報を受信し、その位置情報と予め記憶部23に記憶されている発光タイミング情報に基づいて発光部21を発光するために各部21〜23を制御する。
【0021】
また、通信端末20は、歩行者7を誘導するための基準となる誘導経路(歩道)9上に配置される。また、通信端末20は、障害者等を誘導するための点字ブロックの一部に設けるようにしてもよい。
【0022】
また、図3に示すように、通信端末20は、円筒形状の筒体27の一端に太陽電池25、受信部22等として機能するセンサ類、及び発光部21として機能する発光体28を備える。筒体27の胴体27aは地中に埋め込まれる。また、筒体27の内部には、蓄電部26として機能する例えば電気二重層コンデンサや制御部24として機能するCPU等が設けられる。
【0023】
歩行者誘導システムの動作について説明する。
【0024】
図4は、歩行者が歩行中に所定の区間(誘導可能な経路)内で誘導要求を行った場合における通信端末による誘導処理を示すフローチャートである。なお、理解しやすいように図2に対応する箇所に符号を付するがこの実施形態に限定されるものではない。
【0025】
図4の処理において、ステップS1では、歩行者の誘導要求をするために歩行者は電源を入力すると、歩行者情報送信端末10の受信部11は、GPSによる歩行者の位置情報の受信を開始する。
【0026】
次に、ステップS2では、歩行者情報送信端末10の発信部12は、GPSにより受信した歩行者の位置情報を外部へ発信する。また、受信部12は、歩行者の位置情報は所定の時間ごとに連続して受信するとともに発信部12によって外部へ発信する。これにより、歩行者の移動状態情報を得ることができる。
【0027】
次に、ステップS3では、通信端末20の受信部22は、歩行者の位置情報を受信する。
【0028】
ステップS4では、通信端末20の制御部24は、歩行者の位置情報と予め記憶部23に記憶されている発光タイミング情報に基づいて発光制御する。具体的には、歩行者7の移動状態に基づいて、通信端末20の発光部21を歩行者7の移動方向に順番に点灯するように制御する。
【0029】
ステップS5では、通信端末20の発光部21は、発光する。発光は、常時、点灯するように発光してもよいし、点滅するように発光してもよい。
【0030】
次に、ステップS6では、再度歩行者の位置情報が受信部により受信されたか否かを判断し、この判断が肯定されれば、ステップS2に戻り、ステップS2〜ステップS5の処理を繰り返す。また、この判断が否定されれば、処理を終了する。
【0031】
これにより、歩行者の歩行状態にしたがって誘導経路上に設置された通信端末20の発光部21が順番に点灯し、歩行者を誘導できる。
【0032】
―横断歩道近辺における歩行者誘導システム―
以下、本実施形態の歩行者誘導システムについて、図1、図5、図6を用いて説明する。なお、図2と重複する部分については同一符号を付する。図5は本実施形態の歩行者誘導システムの構成図、図6は通信装置による誘導処理を示すフローチャート図である。
【0033】
図示のように、交通信号機30を有する横断歩道近辺における歩行者誘導システム35は、交通信号機30の点灯動作情報、及び歩行者7の位置情報に基づいて横断歩道近辺の誘導経路上に複数設置された通信端末20aの発光部21を発光させ、歩行者7に注意を喚起するとともに誘導するものである。
【0034】
図4に示すように、歩行者誘導システム35は、交通信号機30の点灯動作情報を検出するための点灯情報検出端末36と、その点灯動作情報に基づいて歩行者7に交通信号機30の点灯情報を知らせるために発光する発光部21を備えた通信端末20と、を備える。また、交通信号機30の点灯動作情報は、所定の時間ごとに連続して受信する。このため、交通信号機30と連動して交通信号機30の点灯動作状態がわかる。
【0035】
点灯情報検出端末36は、交通信号機30を点灯制御している制御装置30aから点灯動作情報を検出するための検出部37と、点灯動作情報を通信端末20に送信するための送信部38と、各部37、38を制御する制御部39と、各部37〜39に電気を供給するための電源部40と、を備えている。
【0036】
制御部39は、例えば、検出部37により検出された点灯動作情報を送信部38により通信端末20に送信するために各部37、38を制御する。
【0037】
通信端末20は、点灯動作情報を受信するための受信部22と、歩行者の位置情報、及び点灯動作情報に基づいて発光制御するための制御部24と、発光するための発光部21と、太陽光を電気に変換(発電)するための太陽電池25と、発電した電気を蓄えるとともに各部21〜24に電気を供給するための蓄電部26と、を備えている。
【0038】
制御部24は、例えば、受信部22により点灯情報検出端末36から送信される点灯動作情報情報を受信するとともに、歩行者情報送信端末10から発信される歩行者7の位置情報を受信し、その点灯動作情報、及び歩行者の位置情報に基づいて発光部21を発光するために各部21、22を制御する。
【0039】
また、通信端末20は、歩行者7を誘導するための基準となる誘導経路(歩道)上であって、横断歩道近辺に配置される。また、通信端末20は、障害者を誘導する点字ブロックの一部に設けてもよい。
【0040】
次に、交通信号機を備える横断歩道近辺における歩行者誘導システムの動作について説明する。
【0041】
図6は、交通信号機を備える横断歩道近辺における歩行者誘導システムにおける通信端末による誘導処理を示すフローチャートである。
【0042】
図6の処理において、ステップS11では、点灯情報検出端末36の検出部37は、交通信号機30の点灯動作情報を検出する。また、検出部37は、交通信号機30の点灯動作情報を所定の時間ごとに連続して検出する。
【0043】
次に、ステップS12では、点灯情報検出端末36の送信部38は、点灯動作情報を通信端末20aに送信する。
【0044】
次に、ステップS13では、通信端末20の受信部22は、点灯動作情報を受信するとともに、歩行者の位置情報を受信する。
【0045】
ステップS14では、通信端末20の制御部24は、点灯動作情報、及び歩行者の位置情報に基づいて発光制御する。
【0046】
ステップS15では、通信端末20の発光部21は、発光し、処理を終了する。
【0047】
これにより、交通信号機の点灯状態にしたがって誘導経路上の通信端末20の発光部21が点灯し、歩行者に注意を喚起できるとともに誘導できる。
【0048】
−第2の実施形態−
―防犯・災害情報通報システム―
以下、本実施形態の防犯・災害情報通報システムについて図7乃至図10を用いて説明する。図7は本実施形態の防犯・災害情報通報システムの概略図、図8は本実施形態の防犯・災害情報通報システムの構成図、図9は侵入者がビル内に侵入した際の通報処理を示すフローチャート図、図10は災害発生時の通報処理を示すフローチャート図である。
である。
【0049】
図示のように、防犯・災害情報通報システム50は、様々な店舗や事務所等が入居する複合ビル51の各フロア52、52、…、52に侵入者の侵入、又は災害等の発生を検出し、検出した情報を通信端末70に送信し、通信端末70は検出した情報に自己の通信端末70の位置情報を追加して管理端末80に送信し、管理端末80によって所定の機関85(例えば、消防署や警察署)に通報するものである。
【0050】
図7に示すように、防犯・災害情報通報システム50は、侵入者を検出する侵入者検出端末55と、火事等の災害の発生を検出する災害検出端末60と、侵入者情報、及び災害情報を受信するための通信端末70と、侵入者情報、又は災害情報に基づいて所定の機関85に通報するための管理端末80と、を備える。
【0051】
また、侵入者検出端末55、及び災害検出端末60と通信端末70、通信端末70と管理端末80、は通信回線を介して接続される。通信回線は無線、有線のどちらであっても構わない。また、通信回線は専用線等であってもよい。また、侵入者検出端末55、災害検出端末60は、各フロア52内に備えられる。また、各フロア52の出入口には通信端末70がそれぞれ備えられる。
【0052】
侵入者検出端末55は、侵入者の侵入を検出するための侵入検出部56と、侵入検出部56により検出された侵入情報を通信端末70に送信するための送信部57と、各部56、57を制御するための制御部58と、を備える。
【0053】
制御部58は、コンピュータとして機能し、各種処理プログラムを実行する。また、制御部58は、例えば、検出した侵入情報を通信端末70に送信するために各部56、57を制御する。
【0054】
災害検出端末60は、災害の発生を検出するための災害検出部61と、災害検出部61により検出された災害情報を通信端末に送信するための送信部62と、各部61、62を制御するための制御部63と、を備える。
【0055】
制御部63は、コンピュータとして機能し、各種処理プログラムを実行する。また、制御部63は、例えば、検出した災害情報を通信端末70に送信するために各部61、62を制御する。
【0056】
通信端末70は、各フロア52内の人数をカウントするためのカウント部71と、侵入者情報、又は災害情報を受信するための受信部72と、予め衛星航法(GPS)で検出した自己の通信端末の位置情報を記憶するための記憶部73と、侵入者情報、又は災害情報に位置情報とカウント部によりカウントされた人数情報を追加して総合情報を管理端末80に送信するための送信部74と、各部71〜74を制御するための制御部75と、を備えている。
【0057】
カウント部71は、フロア利用者がフロア52に入室する際にカウントし、退室する際にカウントした数から減算する。これにより、常時、フロア内に入している人数情報を得ることが可能となる。
【0058】
制御部75は、コンピュータとして、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM等を備えており、例えばROMに記憶された各種処理プログラムを実行する。制御部75は、例えば、侵入者検出端末55、又は災害検出端末60により検出された侵入者情報、又は災害情報に侵入者が侵入、又は災害が発生した位置を特定するための位置情報と各フロアに存在する人数情報を追加した総合情報を管理端末80に送信するために各部71〜74を制御する。
【0059】
管理端末80は、総合情報を受信するための受信部81と、総合情報を所定の機関に通報するための通報部82と、各部81、82を制御するための制御部83と、を備えている。
【0060】
制御部83は、コンピュータとして、演算機能を有するCPU(Central Processing Unit)、作業用RAM、不揮発性メモリ、及び各種処理プログラムやデータを記憶するROM等を備えており、例えばROMに記憶された各種処理プログラムを実行する。制御部83は、例えば、通信端末70から送信された総合情報を受信し、その総合情報を消防署や警察署等の所定の機関85に通報(連絡)するために各部81、82を制御する。
【0061】
また、管理端末80は、受信部81により災害情報を受信した際に各フロアに設置されているすべての通信端末70にフロア内の人数情報を送信するように通知するための通知指示部85と、すべての通信端末70にフロア内の人数情報を送信するように指示するための通知を送信するための送信部84と、を備えていてもよい。管理端末80の通知指示部85により各フロア(複合ビル内)のすべての通信端末70は、その指示にしたがって、フロア内の人数情報を管理端末80に送信する。管理端末80の制御部83は、その人数情報を集計する。これにより複合ビル内の利用者数を得ることができる。
【0062】
防犯システムの動作について説明する。
【0063】
図9は、侵入者がビル内のフロアに侵入した場合の所定機関への通報処理を示すフローチャートである。
【0064】
図9の処理において、ステップS21では、侵入者が複合ビル51内のフロア52に侵入すると、当該侵入者が侵入したフロア82に対応する侵入者検出端末55の検出部56は侵入者を検出し、通信端末70にフロア52内に侵入者が侵入した旨の情報を送信する。
【0065】
次に、ステップS22では、通信端末70の受信部72は、当該侵入情報を受信する。
【0066】
ステップS23では、通信端末70の制御部75は、当該侵入情報に予め記憶されている自己の通信端末の位置情報(フロアの位置情報)を追加して総合情報として、管理端末80に送信する。
【0067】
次に、ステップS24では、管理端末80の受信部81は、総合情報を受信する。
【0068】
ステップS25では、管理端末80の通報部82は、所定の機関85(この場合、警察署)に総合情報を通報して、処理を終了する。
【0069】
これにより、複合ビル内に侵入者が入っても、迅速に侵入場所を特定した侵入情報を所定の機関(警察等)に通報できる。
【0070】
災害発生時の誘導システムの動作について説明する。
【0071】
図10は、災害発生時の通報処理を示すフローチャートである。
【0072】
図10の処理において、ステップS31では、複合ビル51内のフロア52において火事等の災害が発生すると、災害が発生したフロア52に対応する災害検出端末60の検出部61は災害を検出し、通信端末70にフロア52内に災害が発生した旨の情報を送信する。
【0073】
次に、ステップS32では、通信端末70の受信部72は、当該災害情報を受信する。
【0074】
ステップS33では、通信端末70の制御部75は、当該災害情報に予め記憶されている自己の通信端末70の位置情報とフロア52内に存在する人数情報を追加して総合情報として、管理端末80に送信する。
【0075】
次に、ステップS34では、管理端末80の受信部81は、総合情報を受信する。
【0076】
次に、ステップS35では、管理端末80の通知指示部85は、複合ビル内の各フロアに設置されているすべての通信端末70にフロア内の人数情報を通知するように指示する。
【0077】
ステップS36では、各フロアに設置されているすべての通信端末70の受信部はその通知を受信し、カウント部71によりカウントされている人数情報を送信部74により通信端末80に送信する。
【0078】
ステップS37では、管理端末80の制御部83は、すべての通信端末70から送信された人数情報を集計する。
【0079】
ステップS38では、管理端末80の通報部82は、所定の機関85(この場合、警察署)に総合情報に集計した人数情報を通報して、処理を終了する。
【0080】
これにより、複合ビル内において火事等の災害があった場合に、迅速に災害場所を特定した災害情報を所定の機関(消防署等)に通報できる。また、ビル全体、又は災害発生場所にビル利用者が何名残っているのか、又はビルのどの場所に何名残っているのかを特定できるため、消防署等の職員は、ビル利用者の救出等を迅速に行うことができる。
【0081】
―災害時におけるビル利用者誘導システム―
以下、本実施形態の災害時における誘導システムについて、図11、図12を用いて説明する。なお、図8と同一部分については同一符号を付し、説明を省略する。図11は本実施形態の災害時におけるビル利用者誘導システムの構成図、図12は災害発生時のビル利用者誘導処理を示すフローチャート図である。
【0082】
図示のように、管理端末80は、通信端末70に誘導経路情報を送信するための送信部84を備える。また、管理端末80の制御部83は、災害情報と災害が発生した位置を特定するための(通信端末70の)位置情報に基づいて、誘導経路情報を生成するとともに、誘導経路情報に基づいて発光する通信端末70を選定する。また、管理端末80の送信部84は、選定された通信端末70に誘導経路情報を送信する。
【0083】
また、通信端末70は、誘導経路情報に基づいて発光するための発光部76を備える。また、通信端末70の記憶部73は、所定の時間差を設けて発光する発光タイミング情報を記憶する。また、通信端末70の制御部75は、発光部76から発光するための発光制御をする。具体的には、通信端末70の制御部75は、誘導経路情報に基づいて所定の発光タイミングで発光部を発光制御する。なお、所定の発光タイミングとは発光順に所定の時間遅らせて発光させるための時間情報である。このため制御部75は、避難方向に複数の通信端末の発光部が発光順に所定の時間遅らせて発光するように発光制御する。これにより、通信端末70の複数の発光部76は、避難経路に沿って順番に発光する。
【0084】
災害発生時のビル利用者誘導システムの動作について説明する。
【0085】
図12は、災害発生時のビル利用者誘導処理を示すフローチャートである。
【0086】
図12の処理において、ステップS41では、複合ビル51内のフロア52において火事等の災害が発生すると、災害が発生したフロア52に対応する災害検出端末60の検出部61は災害を検出し、通信端末70にフロア52内に災害が発生した旨の情報を送信する。
【0087】
次に、ステップS42では、通信端末70の受信部72は、当該災害情報を受信する。
【0088】
ステップS43では、通信端末70の制御部75は、当該災害情報に予め記憶部に記憶されているフロアの位置情報を追加した総合情報を管理端末80に送信する。
【0089】
次に、ステップS44では、管理端末80の受信部81は、総合情報を受信する。
【0090】
次に、ステップS45では、管理端末80の制御部83は、総合情報に基づいて、誘導経路情報を生成するとともに、誘導経路情報に基づいて発光する通信端末70を選定する。ここで、誘導経路情報とは、ビルの利用者を誘導するための経路情報と、その経路情報に基づく通信端末70の発光順序情報等である。
【0091】
次に、ステップS46では、管理端末80の送信部84は、選定された通信端末70に誘導経路情報を送信する。
【0092】
次に、ステップS47では、通信端末70の受信部72は、誘導経路情報を受信し、制御部75によって、その誘導経路情報に基づいて発光制御する。
【0093】
ステップS48では、通信端末70の発光部76は、発光し、処理を終了する。
【0094】
これにより、火事等の災害発生時において、通信端末の発光部が避難経路に沿って順番に発光するため、ビル利用者を迅速に誘導する(避難させる)ことができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本実施形態の歩行者誘導システムの概略図である。
【図2】本実施形態の歩行者誘導システムの構成図である。
【図3】通信端末の外観の一例を示す図である。
【図4】通信装置による誘導処理を示すフローチャート図である。
【図5】本実施形態の歩行者誘導システムの構成図である。
【図6】通信装置による誘導処理を示すフローチャート図である。
【図7】本実施形態の防犯・災害情報通報システムの概略図である。
【図8】本実施形態の防犯・災害情報通報システムの構成図である。
【図9】通信端末による通報処理を示すフローチャート図である。
【図10】災害発生時の通報処理を示すフローチャート図である。
【図11】本実施形態の災害時におけるビル利用者誘導システムの構成図である。
【図12】災害発生時の誘導処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
【0096】
5 歩行者誘導システム
7 歩行者
10 歩行者情報送信端末
12 発信手段(発信部)
21 発光手段(発光部)
22、72 受信手段(受信部)
23、73 記憶手段(記憶部)
24 制御手段(制御部)
20、70 通信端末
37、56、61、71 検出手段(検出部)
38、、62、74 送信手段(送信部)
50 防犯システム
60 検出端末
80 管理端末
82 通報手段(通報部)
85 所定の機関

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歩行者の位置情報を発信するための歩行者情報送信端末と、当該位置情報に基づいて発光するための通信端末と、を具備する歩行者誘導システムであって、
前記歩行者情報送信端末は、
歩行者の位置情報を発信し、当該位置情報に基づいてGPSにより歩行者の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記位置情報を発信する発信手段と、を備え、
前記通信端末は、
前記位置情報を受信する受信手段と、
前記位置情報に基づいて発光制御する制御手段と、
前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、
を備えていることを特徴とする歩行者誘導システム。
【請求項2】
請求項2に記載の歩行者誘導システムであって、
前記位置情報検出手段は、前記歩行者の位置情報を連続して検出する歩行者の移動状態を検出し、
前記制御手段は、前記歩行者の移動状態に基づいて発光制御することを特徴とする歩行者誘導システム。
【請求項3】
請求項1、又は2に記載の歩行者誘導システムに含まれる通信端末であって、
前記通信端末は、
前記位置情報を受信する受信手段と、
前記位置情報に基づいて発光制御する制御手段と、
前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、
を備えていることを特徴とする通信端末。
【請求項4】
請求項3に記載の通信端末は、
予め前記位置情報に対して時間差を設けて発光を行う発光タイミング情報を記憶する記憶手段を具備し、
前記制御手段は、前記位置情報及び発光タイミング情報に基づいて発光制御することを特徴とする通信端末。
【請求項5】
前記通信端末は歩行者用道路に所定の間隔を有して埋め込まれることを特徴とする請求項1に記載の歩行者誘導システム。
【請求項6】
歩行者の位置情報を発信するための歩行者情報送信端末と、交通信号機の点灯動作情報を検出するための点灯情報検出端末と、当該位置情報及び点灯動作情報に基づいて発光するための通信端末と、を具備する交通信号情報通報システムであって、
前記歩行者情報送信端末は、
歩行者の位置情報を発信し、当該位置情報に基づいてGPSにより歩行者の位置情報を検出する位置情報検出手段と、
前記位置情報を発信する発信手段と、を備え、
前記点灯情報検出端末は、
交通信号機の点灯動作情報を検出するための検出手段と、
前記点灯動作情報を通信端末に送信するための送信手段と、を備え、
前記通信端末は、
前記歩行者の位置情報、及び前記点灯動作情報を受信するための受信手段と、
前記歩行者の位置情報、及び点灯動作情報に基づいて発光制御する制御手段と、
前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、
を備えていることを特徴とする交通信号情報通報システム。
【請求項7】
請求項6に記載の交通信号情報通報システムに含まれる通信端末であって、
前記通信端末は、
前記歩行者の位置情報、及び前記点灯動作情報を受信するための受信手段と、
前記歩行者の位置情報、及び点灯動作情報に基づいて発光制御する制御手段と、
前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、
を備えていることを特徴とする通信端末。
【請求項8】
複合ビルのフロアごとに前記フロアに侵入者が侵入した侵入情報を検出する検出手段と、前記検出手段と接続される通信端末と、前記通信端末と接続される管理端末と、を具備する防犯システムであって、
前記通信端末は、
予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記侵入情報を受信する受信手段と、
前記侵入情報に前記フロアの位置情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信する送信手段と、を備え、
前記管理端末は
前記進入者位置情報を所定の機関に通報する通報手段と、
を備えていることを特徴とする防犯システム。
【請求項9】
請求項8に記載の防犯システムに含まれる通信端末であって、
前記通信端末は、
予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記侵入情報を受信する受信手段と、
前記侵入情報に前記フロアの位置情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信する送信手段と、
を備えていることを特徴とする通信端末。
【請求項10】
災害が発生した旨の災害情報を検出する災害検出端末と、複合ビルのフロアごとに前記フロア内に入室している人数情報を検出する検出手段を備える通信端末と、前記通信端末と接続される管理端末と、を具備する災害情報通報システムであって、
前記災害検出端末は、
災害情報を検出するための検出手段と、
災害情報を前記通信端末に送信するための送信手段と、を備え、
前記通信端末は、
予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記災害情報を受信する受信手段と、
前記災害情報に前記フロアの位置情報と前記人数情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信する送信手段と、を備え、
前記管理端末は
前記進入者位置情報を所定の機関に通報する通報手段と、
を備えていることを特徴とする災害情報通報システム。
【請求項11】
請求項10に記載の災害情報通報システムに含まれる通信端末であって、
前記通信端末は、
予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記災害情報を受信する受信手段と、
前記災害情報に前記フロアの位置情報と前記人数情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信する送信手段と、
を具備することを特徴とする通信端末。
【請求項12】
災害が発生した旨の災害情報を検出する災害検出端末と、当該災害情報に基づいて発光するための発光部を備える通信端末と、前記通信端末と接続される管理端末と、を具備するビル利用者誘導システムであって、
前記災害検出端末は、
災害情報を検出するための検出部と、
災害情報を前記通信端末に送信するための送信手段と、を備え、
前記通信端末は、
予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記災害情報を受信するとともに前記管理端末からの誘導経路情報を受信するための受信手段と、
前記災害情報にフロアの位置情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信するための送信手段と、
前記管理端末からの誘導経路情報に基づいて発光制御するための制御手段と、
前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、を備え、
前記管理端末は、
前記総合情報を受信するための受信手段と、
前記総合情報に基づいて、誘導経路情報を生成するとともに前記誘導経路情報に基づいて発光する通信端末を選定するための制御手段と、
選定された通信端末に誘導経路情報を送信するための送信手段と、
を備えていることを特徴とするビル利用者誘導システム。
【請求項13】
請求項12に記載のビル利用者誘導システムに含まれる通信端末であって、
前記通信端末は、
予めフロアの位置情報を記憶するための記憶手段と、
前記災害情報を受信するとともに前記管理端末からの誘導経路情報を受信するための受信手段と、
前記災害情報にフロアの位置情報を追加した総合情報を前記管理端末に送信するための送信手段と、
前記管理端末からの誘導経路情報に基づいて発光制御するための制御手段と、
前記発光制御に基づいて発光する発光手段と、
を備えていることを特徴とする通信端末。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2007−47844(P2007−47844A)
【公開日】平成19年2月22日(2007.2.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2003−353014(P2003−353014)
【出願日】平成15年10月10日(2003.10.10)
【出願人】(503374525)技術研究組合広島県福祉関連産業創生機構 (1)
【出願人】(390010401)新明和オートエンジニアリング株式会社 (3)
【出願人】(501299141)辻プラスチック株式会社 (6)
【出願人】(300081224)南国工業株式会社 (1)
【Fターム(参考)】