説明

通信端末装置

【課題】ネットワークを介した通信端末間の連携において、取得する情報や操作対象の機器が多いとき、使用者への情報の通知や操作に関する使用者の操作負荷が大きくなり、スムーズな連携操作を行なうことができない。
【解決手段】通信端末101の内部/外部の状態情報をもとに遠隔端末103の状態や機能の情報を選択し、取得要求を行なう。また取得した情報を内部の状態情報に基づき選択表示を行うことで、使用状況に合わせた情報の通知を実現する。また通信端末101において、操作部207による操作要求を、遠隔端末103にも選択要求することで、遠隔操作や連携操作の負荷を軽減する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ネットワーク上の通信端末間での状態情報の取得、表示、および端末の遠隔操作を行う通信端末装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネットの普及により、遠隔地から番組録画予約などの操作が可能なAV機器が出現してきた。
【0003】
このようなネットワークを介した機器の遠隔操作について、メーカー間での相互操作性を確保するために、規格化活動を行なうユニバーサル・プラグ・アンド・プレイ・フォーラム(以下、UPnPフォーラム)がある。このUPnPフォーラムでは、ネットワーク上の通信端末間でお互いの状態取得や機器操作を行う基本プロトコル仕様である「UPnP Device Architecture」、AV機能の遠隔操作を行うプロトコル仕様である「UPnP AV Architecture」、など通信端末の基本機能を遠隔地から操作できるプロトコル仕様の規格化を行っている。そして、既に多くのUPnP対応商品が市販されている。
【0004】
また、ネットワークを用いた遠隔操作の一例として録画サーバに録画予約を行い、視聴時にはサーバから、必要であれば視聴用の端末に適したトランスコーデックを行った、録画コンテンツを取得することで、どこでも録画コンテンツの視聴が可能になる方法も提案されている(特許文献1および特許文献2)。
【特許文献1】特開2003−234984号公報
【特許文献2】特開2002−77839号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながらUPnPフォーラムでの規格化では、標準の情報および操作以外にベンダー独自の拡張も可能であるため、通信端末の使用者にとっては取得した情報から必要な情報の取捨選択、遠隔操作の選択など使用者が遠隔操作を行うまでに多くの判断を必要とする課題を有していた。
【0006】
また、小型の携帯端末など表示領域や操作手段が制限される通信端末においては取得される情報の表示、遠隔操作の選択が困難あるいは制限されるという課題を有していた。
【0007】
さらに、端末機器が録画サーバの場合、コンテンツ録画と視聴は、トランスコーデック処理、転送によりネットワーク負荷の増加や遅延の発生し、またネットワーク上を放送コンテンツが流れることによる著作権保護機能を必要とするなどの課題を有していた。
【0008】
本発明は、遠隔地の通信端末の状態の取得、表示、操作を簡便に連携可能な通信端末装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の通信端末装置は、少なくとも1以上の外部機器と通信可能な通信端末であって、通信端末内部の情報を取得する内部情報管理手段と、通信端末内部の状態を取得する内部状態管理手段と、内部の情報または状態に基づき、外部機器に特定の情報を要求する要求手段と、要求に基づき外部機器の情報を取得する通信手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
本発明の通信端末装置によれば、遠隔地の通信端末の情報(状態など)の取得やその表示および操作要求が自身の通信端末情報に基づいて行われるため、使用者が有する情報や使用者の嗜好に基づく操作の取捨選択を軽減することができる。
【0011】
さらに、録画サーバによるトランスコーデック処理や転送によるネットワーク負荷および遅延の発生を軽減しながら、視聴する機器に適したコンテンツを視聴できる。
【0012】
さらに、放送コンテンツの著作権保護による視聴者の視聴に付随する負荷を軽減することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の通信端末装置は、少なくとも1以上の外部機器と通信可能な通信端末であって、通信端末内部の情報を取得する内部情報管理手段と、通信端末内部の状態を取得する内部状態管理手段と、前記内部の情報または状態に基づき、外部機器に特定の情報を要求する要求手段と、前記要求に基づき前記外部機器の情報を取得する通信手段と、を備える。
【0014】
更には、少なくとも1以上の外部機器から取得した情報を管理する外部情報管理手段を備える。
【0015】
更には、前記外部情報管理手段における情報を通信端末内部の情報または状態に基づき選択的に表示する表示手段を備える。
【0016】
更に、前記要求手段は、通信端末内部の情報または状態に基づき外部機器を操作する。
【0017】
更に、前記要求手段は、外部情報管理手段における情報と、通信端末内部の情報または状態に基づき外部機器を操作する。
【0018】
更に、前記要求手段は、操作手段からの要求に基づき外部機器を操作する。
【0019】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
【0020】
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態による通信端末装置を含む各通信端末の関係を示す概念図である。
【0021】
図1において、101は、例えば放送コンテンツの録画、視聴が可能な通信端末であり、本実施の形態による通信端末装置とする。また、102は、例えば放送コンテンツの視聴が可能な通信端末であり、103は、例えば放送コンテンツの録画が可能な通信端末である。ここで、通信端末102と通信端末103が宅内にあり、通信端末101が宅外にあるとすると、通信端末102、103は通信端末101から見て遠隔端末と呼ぶ。
【0022】
図2は、通信端末101の構成を示すブロック図である。通信端末101は、遠隔端末103と所定の通信網を介して通信可能に接続される。また、通信端末101は、装置内部の状態を管理する内部状態管理部201と、装置内部の情報を取得する内部情報取得部202と、遠隔端末103からの情報を得る通信部203と、通信部203で得た情報を管理する外部端末管理部204と、内部状態管理部201、内部情報取得部202及び外部端末管理部204の少なくとも1つを選択する選択管理部205と、選択管理部205で選択された情報を表示する表示部206と、使用者が操作するための操作部207と、選択管理部205または操作部207に基づき遠隔端末103に要求を出す要求部208とを備える。
【0023】
図3は、遠隔端末103の構成を示すブロック図であり、要求部208から要求を受け付ける要求受付部301と、これに基づく処理を実施する処理部302と、遠隔端末103の各種状態などを制御する制御部304と、遠隔端末の状態などの情報を送信するための通信部303を備える。なお、遠隔端末103が有する機能は様々であり、録画機能、再生機能、表示機能など機能ブロックを制御部304が制御する。
【0024】
上記図1から図3に示した通信端末について、その動作を図4から図6を用いて説明する。
【0025】
通信端末101が放送コンテンツを視聴中あるいは録画中であるとする。通信端末101は、その一方で通信可能である遠隔端末102、103に対して、その状態や情報を取得する。取得する状態や情報としては、動作状態(電源のオン・オフ、視聴、録画、再生など)、番組情報(録画等の対象の番組を特定可能なEPGなどにより得られる番組内容情報やチャンネル番号)、チャンネル番号体系を特定するための情報(端末がある住所や郵便番号、固定電話番号、GPS情報など)、録画可能な時間情報(あるいは記録媒体の容量)などである。
【0026】
取得した情報は、図4に示すように端末毎に管理される。図4は、通信端末101における管理している情報の概念図である。端末名と、その場所の情報、その端末の状態を示している。この例では、端末名「自宅のDVDレコーダー」は、△△県△△市の自宅にあり、2チャンネル(を記録中であり、端末名「実家のTV」は、○○県○○市にあり、2チャンネルを視聴中であり、端末名「カーナビ」は、現在××府××市を走行中である。
【0027】
管理する項目は、この限りではなく、情報の利用目的に応じて設定すればよい。また、自宅に据え置かれているなどして移動不可のものであれば、住所の再取得など不要な処理を次回以降は省略することも可能である。
【0028】
この様に取得管理している遠隔端末の情報は、通信端末101の表示部206に、テキスト、アイコン、サムネイル、ストリーミング画像、一覧表など、様々な方法で表示可能である。図5は、表示部206における情報表示の例を示す概念図である。図5(a)は、現在、自端末が1チャンネルを視聴であり、自宅の端末は、2チャンネルを録画中で、実家の端末は、その場所と状態を示している。ここで、実家の端末は、自端末と同じ1チャンネルを視聴中であるので、チャンネルの表示を省略している。また、図5(b)は、自端末が録画中か録画要求された場合の状態であり、自端末が15分録画可能であり、自宅は、同じく2チャンネルを録画中であり、カーナビは4時間の録画可能な状態であることを示している。
【0029】
図6は、通信端末101における処理を示すフローチャートである。以下、図6に従って、本実施の形態における通信端末の処理を説明する。
【0030】
まず、ステップS601として、内部情報取得部202が自身の機器の情報を取得し、ステップS602として、内部情報管理部201で自身の危機の状態を取得する。取得する機能情報や状態情報としては、上述の遠隔地端末から取得するものと同様である。
【0031】
次に、ステップS603として、遠隔地の端末情報を取得し、管理する。まず、要求部208により遠隔端末103へ機能情報や状態情報の送信要求を行なう。遠隔端末103は、要求受付部301、処理部302、制御部304により自身の機能情報や状態情報を取得し、通信部303より通信端末101へ送信する。通信部203で外部端末の情報を受け、これを外部端末管理部204で管理する。その例が図4に示したものである。このステップは、通信可能な複数の外部端末に対して実行される。
【0032】
ステップS604で、表示情報の選択を行い、表示部206に対して図5のように各種情報が出力される。例えば、自端末が録画要求中なら録画機能を有する外部端末の関連する情報を表示する。
【0033】
ステップS605で、遠隔端末に対して機能を要求する。例えば、自端末が図5(b)の様に録画中なら、選択管理部205でチャンネル体系とコンテンツを特定して遠隔端末103で録画するように指示する。この要求は、操作部207に基づき発生させるようにしてもよい。
【0034】
以上のように本実施の形態によれば、通信端末101や他の遠隔端末の状態と連動して、遠隔端末103の状態の監視や操作要求を行なうことができる。
【産業上の利用可能性】
【0035】
本発明にかかる通信端末装置は、遠隔地の端末状態の取得、表示、操作を、自端末の状況に関連させるなどして簡便に行なうことができ、ネットワークを利用した機器の相互利用を行なう機器、装置または端末に有用である。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本発明の実施の形態による通信端末の関係を示す概念図
【図2】同通信端末の構成を示すブロック図
【図3】同通信端末とネットワークを介して接続される遠隔端末の構成を示すブロック図
【図4】同通信端末における情報の管理状態を示す概念図
【図5】同通信端末における表示状態を示す概念図
【図6】同通信端末の動作を示すフローチャート
【符号の説明】
【0037】
101 通信端末
102、103 遠隔端末
201 内部状態管理部
202 内部情報取得部
203 通信部
204 外部端末管理部
205 選択管理部
206 表示部
207 操作部
208 要求部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも1以上の外部機器と通信可能な通信端末であって、
通信端末内部の情報を取得する内部情報管理手段と、
通信端末内部の状態を取得する内部状態管理手段と、
前記内部の情報または状態に基づき、外部機器に特定の情報を要求する要求手段と、
前記要求に基づき前記外部機器の情報を取得する通信手段と、を備える通信端末装置。
【請求項2】
少なくとも1以上の外部機器から取得した情報を管理する外部情報管理手段を備える請求項1記載の通信端末装置。
【請求項3】
前記外部情報管理手段における情報を通信端末内部の情報または状態に基づき選択的に表示する表示手段を備える請求項1または2に記載の通信端末装置。
【請求項4】
前記要求手段は、通信端末内部の情報または状態に基づき外部機器を操作する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項5】
前記要求手段は、外部情報管理手段における情報と、通信端末内部の情報または状態に基づき外部機器を操作する請求項1記載の通信端末装置。
【請求項6】
前記要求手段は、操作手段からの要求に基づき外部機器を操作する請求項1記載の通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−203727(P2006−203727A)
【公開日】平成18年8月3日(2006.8.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−15081(P2005−15081)
【出願日】平成17年1月24日(2005.1.24)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】