説明

通信端末装置

【課題】撮影手段を備えた通信端末装置を用いて、同時にそれぞれの通信端末の撮影手段により撮影した画像を、通信手段で送受信し、画像合成手段で即時に合成画像を生成することを目的とし、それにより、通信中の利用者間で、互いの友好関係をより深め、一体感をより高めるツールを実現することができる。
【解決手段】被写体を撮影する撮影手段を有する通信端末装置において、通信相手の撮影手段で撮影した画像を受信する画像受信手段と、前記撮影手段で撮影した画像と通信相手から受信した受信画像とを並べて合成する画像合成手段と、前記撮影画像と受信画像と合成画像を記憶する画像記憶手段と、合成画像をコンピュータなどの外部端末に送信する手段と、さらに通信相手の撮影手段と同時に撮影を行う同時撮影手段から構成される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、撮影手段を備えた通信端末装置に関わる。
【背景技術】
【0002】
遊戯施設などに置いてあるシール作成システムなどのような、利用者の顔を撮影し、撮影した顔画像を飾るための絵柄を選択でき、撮影した顔画像とその絵柄を合成して出力する顔画像合成システムがある。
【0003】
また、特許文献1で提案されているように、複数の利用者を一度に撮影するのではなく、それぞれ別々に撮影していき、順次、利用者から指定された領域に撮影した顔画像を合成していく画像サービスシステムがある。
【0004】
これらのシステムを利用する利用者は、お互いに友好関係のある複数の人物であり、互いの友好関係をより深め、また一体感をより高めるツールとしてこれらシステムを利用している。
【特許文献1】特開平10−124651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上記従来例において、遊戯施設などに置いてあるシール作成システムなどのような場合、例えば2人で撮影する際、そのシステムの設置場所に2人がそろっている必要があった。
【0006】
また、特許文献1で提案されているような場合においては、2人を同時に撮影するわけではないので、合成画像が完成するまで時間がかかり、即時性にかける点があった。
【0007】
そこで本発明は、撮影手段を備えた通信端末装置を用いて、通信を行っている通信端末同士でそれぞれ撮影手段により、同時に撮影した画像を、通信手段で送受信し、画像合成手段で即時に合成画像を生成することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するため、本出願に係わる第1の発明は、通信中のそれぞれの通信端末の撮影手段で同時に撮影を行う同時撮影手段と、通信相手の撮影手段で撮影した画像を受信する画像受信手段と、前記撮影手段で撮影した画像と通信相手から受信した受信画像とを並べて合成する画像合成手段と、前記撮影画像と受信画像と合成画像を記憶する画像記憶手段を有する。
【発明の効果】
【0009】
以上説明したように、請求項1の通信携帯端末によれば、撮影手段で撮影した画像と通信相手が撮影手段で撮影した画像とを合成した画像を生成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下本発明を実施するための最良の形態を、実施例により詳しく説明する。
【実施例】
【0011】
本実施例は、撮影機能のついた通信端末装置(例えば携帯電話など)における、本発明の画像合成機能について説明する。
【0012】
図2は本発明の機能を持った通信端末装置の外観概要を示す図である。本通信端末は、アンテナ201、カメラ202、受話器203、表示用LCD204、画像合成開始ボタン205、カメラ202のシャッターボタン206、メニューなどを選択するための十字キー207、画像送信ボタン208、ダイアルボタンなどのボタン群209、送話器210、コンピュータなどの外部機器と通信を行うための外部機器インターフェイス211から構成される。
【0013】
図1に本実施例のブロック図を示す。メイン処理部101は、本実施例全体の制御を行う。撮影部102は、カメラ202の制御を行う。表示部103は、表示用LCD(Liquid Crystal Display)204の制御を行う。公衆回線通信部104は、カメラ202で撮影され符号化された画像データや、マイク207からの音声信号をデジタル化し符号化した符号化音声データやメイン処理部101で生成されるその他データを多重化し、アンテナ201を介して、公衆回線を介して伝送させる。画像合成部105はカメラ202で撮影され、撮影部102から送られた画像データと公衆回線を介して公衆回線通信部104にて受信した通話相手側で撮影された画像を合成する。外部機器通信部106は、外部機器インターフェイス211を介して、コンピュータやプリンター、PDA(Personal Digital Assistants)などとデータのやり取りを行う。入力部107は、画像合成開始ボタン205、シャッターボタン206、十字キー207、画像送信ボタン208、ダイアルボタンなどのボタン群209を介して入力されたユーザーからのボタン操作を処理する。記憶部108はカメラ202で撮影された画像や通話相手側で撮影され、公衆回線を介して受信した画像、および画像合成部105で合成した画像を記憶する。また記憶部108は、通信端末装置として必要な各種データを記憶する。
【0014】
図3には、画像合成開始ボタン205が押されたときの本発明の機能のフローチャートを示す。ここで本実施例の説明では、画像合成開始ボタン205が押された側の通信端末を通信端末(A)と呼び、その通信相手の通信端末を通信端末(B)と呼ぶ。
【0015】
まず、S301で通信端末(A)は、通信端末(B)に対して、本発明の機能に対応するための手段を有しているかを確認する。対応するため有しなければならない具体的な手段は、後述のS302で説明するトリミングパターン設定手段、S304で説明する撮影手段、S305、S310で説明する画像送受信手段である。確認する手段は、通信端末同士での公衆回線を使ったデータ通信により、通信端末(B)に対し、通信端末(A)は確認のためのコマンドを送信し、通信端末(B)から「OK」の返答を受信すれば、確認できたとし、それ以外の返答、もしくは一定時間通信端末(B)からの返答を受信できなければ、未確認とする。S301で、通信端末(B)に対して、本発明の機能に対応するための手段を有していることが確認できれば、S302に進む。もし、未確認ならば、S311に進み、「通信相手の通信端末が本機能に対して未対応」である旨のメッセージを表示用LCD204に表示して本機能を終了する。
【0016】
S302では、トリミングパターンを選択する。トリミングパターンとは、S308で後述するように、それぞれの通信端末で撮影した画像を上下/左右に並べて合成するため、図6(a)で撮影範囲の幅を、(b)では高さを1/2とするものである。以下、図6(a)(b)のトリミングパターンを、それぞれ縦方向のトリミングパターンと横方向のトリミングパターンと呼ぶ。
【0017】
選択方法はまず通信端末(A)の表示用LCD204に図6(a)に示す画面が表示される。次に、通信端末(A)の利用者は、十字キー207を用いて、ボタン603を選択する。選択されたボタンは図6(a)のボタン603が示すように、黒地に白文字で表示される。さらに十字キー207の中心を押してその選択を決定する。このボタンを選択し、決定する一連の操作を以後「ボタンを押下する」と表現する。ボタン603が押下された場合は、図6(b)に画面が移行する。同様に、さらに(a)に移行するには、十字キー207を用いて、ボタン601を押下する。トリミングパターンの選択を決定するには、選択したパターンの画面(図6(a)、もしくは(b))にて、決定ボタン602を押下する。
【0018】
なお、以後の説明では、S302にて図6(a)が選択された(つまり縦方向トリミングパターンが選択された)として説明する。
【0019】
S302にて、トリミングパターンが選択されると、S303に移行する。
【0020】
S303では、S302で選択したトリミングパターンを通信端末(A)は、通信端末(B)に通知する。
【0021】
S304で通信端末(A)には、図7(a)の画面が表示され、通信端末(B)には、図7(b)の画面が表示される。ここで、通信端末(A)の利用者がシャッターボタン206を押下すると、通信端末(A)は、通信端末(B)に対して、シャッターボタンが押下されたことを通知する。シャッターが押下されたことが通知されると、通信端末(A)、(B)それぞれで、図11に示すように、撮影までのカウントダウンが始まり、図11(a)〜(d)が1秒ごとに表示されていく。なお、図11での説明では、カウントダウンを撮影の3秒前から行っている。図11が(d)が表示されたのと同時に通信端末(A)、(B)それぞれで、撮影を行う。通信端末(A)、(B)それぞれで撮影した画像は、それぞれの記憶部108に保存する。
【0022】
S305では、まず、通信端末(A)には、図8(a)の画面が表示用LCD204に表示され、相手からの画像データの受信待ちであることを利用者に伝える。通信端末(B)では、図9の画面が表示用LCD204に表示され、利用者に対して画像送信ボタン208を押下し、通信端末(B)でS304にて撮影された画像データを通信端末(A)に送信するよう指示する。その指示に従い、画像データを通信端末(A)に送信すると、通信端末(A)では、それを受信する。受信完了後、受信した画像を通信端末(A)にある記憶部108に保存し、通信端末(A)は、図8(b)に示すように、受信完了のメッセージを一定時間表示し、S306に移る。
【0023】
S306では、人物の配置を選択する。S302で決定したトリミングパターンが縦方向(図6(a))を選択した場合は、図4(a)(b)に示す様に自分と相手の位置関係が左右並びの2つのパターンから選択する。同様にS302で決定したトリミングパターンが横方向(図6(b))を選択した場合は、図5(a)(b)に示す様に自分と相手の位置関係が上下並びの2つのパターンから選択する。
【0024】
S307では、外枠柄を選択する。ここで外枠柄とは、本発明で生成される合成画像を装飾するためにその合成画像内に合成される絵柄である。S307では、ボタン501〜509を操作し、好みの外枠柄を選択し、決定する。ここで、外枠柄の選択決定方法の説明については、S302の説明において図6を用いてトリミングパターンの選択決定方法について説明したものと同様であるので、詳細には行わない。
【0025】
S308では画像合成を行う。画像合成について、図10を用いて説明する。ここで、図10の1001が通信端末(A)で撮影した画像とし、1002が通信端末(B)で撮影された画像とする。また、図10では、S302で選択したトリミングパターンが縦方向(図6(a))であり、S306で選択した人物配置が図4(a)であり、S307で選択した外枠柄が図5(c)であったと仮定して説明する。
【0026】
まず、図10(a)に示すように、通信端末(A)で撮影した画像1001と通信端末(B)で撮影した画像1002をS306で選択した人物配置に従い並べて合成した画像1003を生成する。そのあと、図10(a)に示すように、生成された画像1003とS307で選択した外枠柄1004を重ねて合成した画像1005を生成する。
【0027】
S309では、S308で生成した合成画像1005を通信端末(A)にある記憶部108に保存する。
【0028】
S310で合成画像1005を通信端末(B)に送信する。通信端末(B)では、それを受信し、受信した画像を記憶部108に保存する。
【0029】
なお、S309、あるいはS310で保存した画像は、外部機器インターフェイス211を通して、外部のコンピュータやプリンターに送信することが可能である。
【0030】
また、通信端末の電子メール機能を用いれば、その画像を添付ファイルとした電子メールを送信することも可能である。
【0031】
以上のように、本実施例では、離れた場所にいる二人がそれぞれ自分自身を撮影した画像を並べて、ひとつの画像に即時に合成し、保存する通信端末装置が可能である。
【0032】
また、撮影を同時タイミングで行うことで、互いの一体感をよりいっそう高めることが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の概略構成を示すブロック図である。
【図2】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の外観概要を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の画像合成処理手順を示すフローチャートである。
【図4】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の人物配置選択画面を示す説明図ある。
【図5】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の外枠柄選択画面を示す説明図ある。
【図6】本発明の実施形態に係わる通信端末装置のトリミングパターン選択画面を示す説明図ある。
【図7】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の撮影指示画面と撮影待機画面を示す説明図ある。
【図8】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の画像受信待機画面を示す説明図ある。
【図9】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の画像送信指示画面を示す説明図ある。
【図10】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の画像合成手順を示す概念図ある。
【図11】本発明の実施形態に係わる通信端末装置の撮影までのカウントダウン画面を示す説明図ある。
【符号の説明】
【0034】
101 メイン処理部
102 撮影部
103 表示部
104 公衆回線通信部
105 画像合成部
106 外部機器通信部
107 入力部
108 記憶部
201 アンテナ
202 カメラ
203 受話器
204 表示用LCD
205 画像合成開始ボタン
206 シャッターボタン
207 十字キー
208 画像送信ボタン
209 ダイアルボタンなどのボタン群
210 送話器
211 外部機器インターフェイス

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被写体を撮影する撮影手段を有する通信端末装置において、前記撮影手段と通信相手の撮影手段とで同時に撮影を行う同時撮影手段と、通信相手の撮影手段で撮影した画像を受信する画像受信手段と、前記撮影手段で撮影した画像と通信相手から受信した受信画像とを並べて合成する画像合成手段と、前記撮影画像と受信画像と合成画像を記憶する画像記憶手段を有することを特徴とする通信端末装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−217439(P2006−217439A)
【公開日】平成18年8月17日(2006.8.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−29940(P2005−29940)
【出願日】平成17年2月7日(2005.2.7)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】