説明

通信装置、そのプログラム

【課題】ネットワークにおける帯域制御等に起因する送信の失敗を防止する通信装置を提供することを目的とする。
【解決手段】通信装置であって、前記通信装置の使用帯域幅である第1の使用帯域幅を取得する手段と、前記通信装置とネットワークを介して接続された他の通信装置と通信を行う際の送信速度に関して、前記第1の使用帯域幅に応じた情報を用いてネゴシエーションを行うネゴシエーション手段と、前記ネゴシエーション手段のネゴシエーション結果として第2の使用帯域幅を取得する手段と、前記第2の使用帯域幅に関する情報に応じて、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で、データを前記他の通信装置へ送信する通信手段と、を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置、及びそのプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ファクシミリ送信時に、リダイアルの判定を行い、リダイアルならば、前回のエラー状況を判断して、エラー状況に応じてファクシミリの送出レベルを調節するファクシミリ機器が、下記特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−150546号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ネットワークにおける帯域制御等に起因する送信の失敗を防止する通信装置またはそのプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1に記載の通信装置は、通信装置であって、前記通信装置の使用帯域幅である第1の使用帯域幅を取得する手段と、前記通信装置とネットワークを介して接続された他の通信装置と通信を行う際の送信速度に関して、前記第1の使用帯域幅に応じた情報を用いてネゴシエーションを行うネゴシエーション手段と、前記ネゴシエーション手段のネゴシエーション結果として第2の使用帯域幅を取得する手段と、前記第2の使用帯域幅に関する情報に応じて、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で、データを前記他の通信装置へ送信する通信手段と、を有することを特徴とする。
【0006】
請求項2に記載の通信装置は、請求項1に記載の発明において、更に、前記第1の使用帯域幅と前記第2の使用帯域幅を比較する比較手段を有し、前記第2の使用帯域幅に関する情報は、前記比較手段の比較結果であることを特徴とする。
【0007】
請求項3に記載の通信装置は、請求項2に記載の発明において、前記比較手段が、前記第1の使用帯域幅と前記第2の使用帯域幅が同じであると判断した場合は、前記通信手段は、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする。
【0008】
請求項4に記載の通信装置は、請求項2または3に記載の発明において、前記比較手段が、前記第2の使用帯域幅が、前記第1の使用帯域幅と異なると判断した場合は、前記通信手段は、前記第2の使用帯域幅による通信速度で、前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする。
【0009】
請求項5に記載の通信装置は、請求項3に記載の発明において、更に、前記ネットワークの保証帯域幅を取得する保証帯域幅取得手段と、前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とを比較する保証帯域幅比較手段とを有し、前記保証帯域幅比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが同じであると判断した場合であって、かつ、前記比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記第2の使用帯域幅が同じであると判断した場合に、前記通信手段は、前記第1の使用帯域幅による送信速度より低い送信速度で、前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする。
【0010】
請求項6に記載の通信装置は、請求項5に記載の発明において、前記保証帯域幅比較手段は、前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが異なると判断した場合には、前記通信手段は、前記第2の使用帯域幅による送信速度で、前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする。
【0011】
請求項7に記載の通信装置は、請求項1乃至6のいずれかに記載の発明において、更に、前記データを送信する間に、再送となったデータに基づく再送情報を取得する再送情報取得手段と、を有し、前記他の通信装置へ前記データを送信する前記送信速度は、前記再送情報に基づくことを特徴とする。
【0012】
請求項8に記載の通信装置は、請求項7に記載の発明において、更に、前記再送情報に応じた表示情報を表示する表示手段を有することを特徴とする。
【0013】
請求項9に記載の通信装置は、請求項1に記載の発明において、更に、前記第1の使用帯域幅からあらかじめ設定された割合だけ低下させた帯域幅である調整帯域幅情報を取得する手段を有し、前記ネゴシエーション手段は、前記第1の使用帯域幅に応じた情報として、前記調整帯域幅情報を用いることを特徴とする。
【0014】
請求項10に記載の通信装置は、請求項9に記載の発明において、前記通信装置は、更に、前記ネットワークの保証帯域幅を取得する保証帯域幅取得手段と、前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とを比較する保証帯域幅比較手段とを有し、前記ネゴシエーション手段は、前記帯域幅比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが同じあると判断した場合に、前記第2の使用帯域幅取得手段は、前記第1の使用帯域幅に応じた情報として、前記調整帯域幅情報を用いることを特徴とする。
【0015】
請求項11に記載の通信装置は、請求項10に記載の発明において、前記ネゴシエーション手段は、前記帯域幅比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが異なると判断した場合に、前記第2の使用帯域幅取得手段は、前記第1の使用帯域幅に応じた情報として、前記第1の使用帯域幅を用いることを特徴とする。
【0016】
請求項12に記載の通信装置は、請求項1乃至11いずれかに記載の発明において、前記通信手段は、複数のパケットに分割して前記データを送信することを特徴とする。
【0017】
請求項13に記載のプログラムは、通信装置の使用帯域幅である第1の使用帯域幅を取得する手段、前記通信装置とネットワークを介して接続された他の通信装置と通信を行う際の送信速度に関して、前記第1の使用帯域幅に応じた情報を用いてネゴシエーションを行うネゴシエーション手段、前記ネゴシエーション手段のネゴシエーション結果として第2の使用帯域幅を取得する手段、前記第2の使用帯域幅に関する情報に応じて、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で、データを前記他の通信装置へ送信する通信手段、としてコンピュータを機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
請求項1−3、5、8−13に記載の発明によれば、他の通信装置とのネゴシエーション結果に応じて、送信側の通信装置の使用帯域幅による速度よりも低い送信速度で、データを送信し、ネットワークにおける帯域制御等に起因する送信の失敗等を防止する。
【0019】
請求項4に記載の発明によれば、ネゴシエーション結果と送信側の通信装置の使用帯域幅とが異なる場合には、ネゴシエーション結果による速度でデータを送信し、不必要な送信速度の低下を防止する。
【0020】
請求項6に記載の発明によれば、送信側の通信装置の使用帯域幅と保障帯域幅が異なる場合には、ネゴシエーション結果による速度でデータを送信し、不必要な送信速度の低下を防止する。
【0021】
請求項7に記載の発明によれば、再送となったデータに基づく採用情報に基づいて、送信速度を低下する割合を調整する。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】第1の実施形態における通信装置を説明するための図である。
【図2】第1の実施形態における通信装置の構成を機能的に説明するための図である。
【図3】第1の実施形態における通信装置のシーケンスの概要を説明するための図である。
【図4】第1の実施形態における通信装置の処理フローについて説明するための図である。
【図5】第2の実施形態における送信側の通信装置を説明するための図である。
【図6】第2の実施形態における送信側の通信装置のフローを説明するための図である。
【図7】第3の実施形態における通信装置を説明するための図である。
【図8】第3の実施形態における再送情報と使用帯域幅の調整レートとの関係情報を説明するための図である。
【図9】第3の実施形態における通信装置のシーケンスの概要について説明するための図である。
【図10】第4の実施形態における送信側の通信装置を説明するための図である。
【図11】第4の実施形態における通信装置の処理フローについて説明するための図である。
【図12】第5の実施形態における通信装置を説明するための図である。
【図13】第5の実施形態における通信装置の処理フローについて説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しつつ説明する。なお、図面については、同一又は同等の要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
【0024】
[第1の実施形態]
図1は、第1の実施形態における通信装置を説明するための図である。図1に示すように、本実施の形態における通信装置101は、ネットワーク103を介して、他の通信装置102に接続される。
【0025】
なお、当該通信装置101、102は、例えば、公衆電話網以外に、ネットワークを用いて相手先とデータの送受信を行うネットワークファクシミリ装置であって、より具体的には、例えば、いわゆるT.38プロトコルに基づきIPファックス通信を行うネットワークファクシミリである。
【0026】
また、当該ネットワーク103とは、例えば、契約により、保証帯域幅が確保されるネットワークをいう。ここで、保証帯域幅とは、当該ネットワーク103の利用契約において決まる値であり、当該ネットワーク103自体の能力を意味し、当該ネットワーク103に接続された通信装置がネットワーク103利用時に最大限取り得るパケットの送信速度である。
【0027】
通信装置101は、ネットワーク103を介して、通信先である通信装置102に発呼し、通信装置101、102間に通信経路を設定し、データを送信する。ここで、通信装置101、102は、例えば、T.38に規定されている通信プロトコルを適用してデータ通信を行う。なお、T.38等の通信手順等については周知であることから、詳細な説明については省略する。
【0028】
図2は、本実施の形態における通信装置の構成を機能的に説明するための図である。図2に示すように、本実施の形態における通信装置101は、例えば、システム制御部201、画像蓄積部202、スキャナ203、プリンタ204、操作/表示部205、画像処理部206、記憶部207、伝送制御部208、第1の使用帯域幅取得部209、第2の使用帯域幅取得部210、比較部211、送信速度制御部212、調整レート設定部213、ネットワークI/F214を有する。
【0029】
これら各部の機能は、例えば、通信装置101に含まれるCPUやメモリ等により実現される。CPUは、メモリに記憶されるプログラムを実行するための処理ユニットであり、通信装置101の各部を制御するとともに、後述する各機能を実現する。なお、当該プログラムは、例えば、ネットワークを介して、ダウンロードされて提供されてもよいし、または、CD−ROMやDVD−ROM等のコンピュータで読み取り可能な各種の情報記録媒体によって提供されてもよい。
【0030】
システム制御部201は、通信装置101各部の制御処理を行う。
【0031】
画像蓄積部202は、例えば、スキャナ203で読み込まれた画像等または他の通信装置102等から受信した画像等を蓄積する。
【0032】
スキャナ203は、あらかじめ設定された解像度で原稿の画像等を読み込む。なお、当該解像度は、例えばユーザーにより設定される。
【0033】
プリンタ204は、あらかじめ設定された解像度で、例えば、スキャナ203で読み込まれた画像等または他の通信装置102等から受信した画像等を印刷する。なお、当該解像度は、例えばユーザーにより設定される。
【0034】
操作/表示部205は、ユーザーが通信装置101を操作するために用いられ、操作キーや液晶表示画面等の画面を有する。具体的には、例えば、ユーザーが、操作キーを用いて通信先の通信装置102を指定したり、送信する画像の拡大・縮小を指示する等である。
【0035】
画像処理部206は、例えば、スキャナ203で読み込まれた画像や他の通信装置102等から受信した画像等に関するデータの符号化や復号化、拡大、縮小等の処理を行う。
【0036】
ネットワークI/F214は、ネットワーク103に接続され、ネットワーク103からの信号を受信するとともに、ネットワーク103に信号やデータを送信する。また、ネットワークI/F214は、信号変換及びプロトコル変換等のインターフェース処理を実行する。
【0037】
記憶部207は、本実施の形態を実施するためのプログラムやデータ、通信装置101の使用帯域幅等を記憶する。ここで、使用帯域幅とは、ネットワーク103利用時に通信装置として最大限取り得るデータの送信速度(単位時間当たりの送信量)をいい、ネットワーク103の利用契約における値と同じ値またはネットワーク103の利用契約における値未満の値として設定される。なお、本実施の形態では、使用帯域幅は、当該通信装置101の接続されたネットワーク103にて確保される上記保証帯域幅と同じであることを前提として説明する。
【0038】
第1の使用帯域幅取得部209は、記憶部207に記憶されている通信装置(送信側)101の使用帯域幅(第1の使用帯域幅)を取得する。なお、当該使用帯域幅は、ネットワーク103からDHCP等の通信により取得される構成としてもよい。
【0039】
伝送制御部208は、ネットワークI/F214及びネットワーク103を介して、他の通信装置101との間で種々のデータのやり取りを行うための通信制御処理を行う。具体的には、例えば、伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、取得された通信装置(送信側)101の使用帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。そして、伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、当該呼接続要求に対する通信装置(受信側)102からの応答を受信する。また、呼接続中は、例えば、画像蓄積部202等に蓄積された画像データ等を通信装置(受信側)102へ送信する。なお、当該データは、例えば、複数のパケットに分割されて送信される。また、伝送制御部208のその他の具体的な処理については、後述する。
【0040】
第2の使用帯域幅取得部210は、上記呼接続要求に対する応答から、データ送信の際の使用帯域幅についてのネゴシエーション結果(第2の使用帯域幅)を取得する。なお、ネゴシエーション結果は、通信装置(送信側)101と通信装置(受信側)102の各使用帯域幅に基づいて決定される。
【0041】
具体的には、例えば、通信装置(送信側)101が自己の使用帯域幅についての情報として1.0Mbpsを呼接続要求に含めて、通信装置(受信側)102に送信した場合を用いて下記に説明する。
【0042】
通信装置(受信側)102の使用帯域幅が、例えば1.0Mbpsである場合、通信装置(受信側)102は、当該1.0Mbpsをネゴシエーション結果として通信装置(送信側)101に送信する。つまり、通信装置(受信側)102の使用帯域幅が通信装置(送信側)101の使用帯域幅と同じ場合には、通信装置(受信側)102は、ネゴシエーション結果として、通信装置(受信側)102の自己の使用帯域幅を送信する。なお、当該ネゴシエーション結果は、上記呼接続要求に対する応答に含められる。
【0043】
また、通信装置(受信側)102の使用帯域幅が、例えば0.5Mbpsである場合、通信装置(受信側)102は、0.5Mbpsをネゴシエーション結果として、送信する。つまり、通信装置(受信側)102の使用帯域幅が通信装置(送信側)101の使用帯域幅よりも小さい値を有する場合には、通信装置(受信側)102はネゴシエーション結果として、自己の使用帯域幅を送信する。
【0044】
一方、通信装置(受信側)102の使用帯域幅が、例えば1.5Mbpsである場合、通信装置(受信側)102は、1.0Mbpsをネゴシエーション結果として、送信する。つまり、通信装置(受信側)102の使用帯域幅が通信装置(送信側)101の使用帯域幅よりも大きい値を有する場合には、通信装置(受信側)102はネゴシエーション結果として、送信されてきた使用帯域幅を送信する。
【0045】
比較部211は、上記ネゴシエーション結果と第1の使用帯域幅取得部209で取得された自装置内、つまり通信装置(送信側)101に設定された使用帯域幅(第1の使用帯域幅)とを比較する。
【0046】
送信速度制御部212は、上記比較結果に応じた送信速度で、伝送制御部208が通信装置(受信側)102へデータを送信するよう制御する。具体的には、上記ネゴシエーション結果と上記設定された使用帯域幅とが同じであると判断した場合には、上記調整レート設定部213に設定された割合分使用帯域幅を低下させた送信速度で、データを送信するよう伝送制御部208へ指示する。なお、ここで、調整レート設定部213は、使用帯域幅を低下させる割合を保持し、所定の割合とは、例えば5%や20%等である。
【0047】
具体的には、例えば、通信装置(送信側)101の使用帯域幅が1.0Mbpsであり、ネゴシエーション結果も1.0Mbpsである場合であって、調整レートが5%に設定されている場合、送信速度制御部212は、使用帯域幅1.0Mbpsから5%低下させた送信速度である0.95Mbpsでデータを送信するよう伝送制御部208へ指示する。
【0048】
一方、比較部211が、使用帯域幅が上記ネゴシエーション結果と異なると判断した場合には、ネゴシエーション結果の使用帯域幅による送信速度で、データを送信するよう伝送制御部208へ指示する。
【0049】
具体的には、例えば、通信装置(送信側)101の使用帯域幅が1.0Mbpsであり、ネゴシエーション結果が0.5Mbpsである場合、送信速度制御部212は、ネゴシエーション結果の送信速度である0.5Mbpsの送信速度でデータを送信するよう伝送制御部208へ指示する。
【0050】
なお、図2に示すように、上記システム制御部201、画像蓄積部202、スキャナ203、プリンタ204、操作/表示部205、画像処理部206、伝送制御部208、第1の使用帯域幅取得部209は、それぞれ内部バス215に接続され、これら各部は内部バス215を通じて制御される。
【0051】
図3は、本実施の形態における通信装置のシーケンスの概要を説明するための図である。図3に示すように、まず、通信装置(送信側)101と通信装置(受信側)102で呼接続を行い、通信装置(受信側)102へのデータの送信速度(使用帯域幅)についてネゴシエーションする(S101)。次に、ネゴシエーション結果に応じた送信速度で、データを送信する(S102)。その後、呼接続を切断する(S103)。なお、通信装置(送信側)101のより詳細なフローについては、図4を用いて下記に説明する。
【0052】
図4は、本実施の形態における通信装置101の処理フローについて説明するための図である。
【0053】
図4に示すように、第1の使用帯域幅取得部209は、通信装置101、即ち、自装置内に設定されている使用帯域幅を取得する(S201)。なお、当該使用帯域幅は、例えば、記憶部207に記憶されている。
【0054】
伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、取得された使用帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する(S202)。なお、使用帯域幅についての情報とは、上述のように、通信装置101がネットワーク103利用時に通信装置として最大限取り得る送信速度(単位時間当たりの送信量)をいい、ネットワーク103の利用契約における値と同じ値またはネットワーク103の利用契約における値未満の値として設定される情報である。
【0055】
伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、上記呼接続要求に対する通信装置(受信側)102からの応答を受信する(S203)。
【0056】
伝送制御部208は、通信装置(受信側)102が付加した使用帯域幅(送信速度)を受諾したか否かを、上記応答結果に基づいて判断する(S204)。そして、受諾しなかったと判断した場合には、呼接続を切断して処理を終了する(S212)。
【0057】
一方、受諾したと判断した場合には、第2の使用帯域幅取得部210は、上記応答結果から、使用帯域幅についてのネゴシエーション結果(第2の使用帯域幅)を取得する(S205)。
【0058】
送信速度制御部212は、上記ネゴシエーション結果を、通信装置(送信側)101及び通信装置(受信側)102の通信におけるデータの送信速度として設定する(S206)。
【0059】
比較部211は、上記ネゴシエーション結果と第1の使用帯域幅取得部209で取得された使用帯域幅(第1の使用帯域幅)とを比較する(S207)。
【0060】
比較部211がネゴシエーション結果と上記第1の使用帯域幅とが同じであると判断した場合には、送信速度制御部212は、上記第1の使用帯域幅による送信速度から、調整レート設定部213に設定された所定の割合分低下させた送信速度を、データ送信における速度として設定する(S208)。なお、この場合、上記第1の使用帯域幅による送信速度とネゴシエーション結果は同じとなることから、上記第2の使用帯域幅による送信速度から、調整レート設定部213に設定された所定の割合分低下させた送信速度を、データ送信における速度として設定してもよいことはいうまでもない。
【0061】
伝送制御部208は、上記送信速度制御部212により設定された送信速度で、通信装置(受信側)102へデータを送信する(S209)。
【0062】
つまり、上記のように比較部211がネゴシエーション結果と上記設定された使用帯域幅とが同じであると判断した場合には、上記低下させた使用帯域幅の送信速度で、データを送信する。
【0063】
一方、比較部211が、使用帯域幅が上記ネゴシエーション結果と異なると判断した場合には、伝送制御部208は、上記S206で設定された使用帯域幅、つまりネゴシエーション結果の使用帯域幅(第2の使用帯域幅)による送信速度で、通信装置(受信側)102へデータを送信する。
【0064】
次に、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102へ呼切断要求を送信し(S210)、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102から呼切断要求に対する応答を受信する(S211)。そして、呼接続を終了する(S212)。
【0065】
上記のように、本実施の形態における通信装置101は、通信装置101、102間の通信におけるデータの送信速度を、通信装置(送信側)101にあらかじめ設定されている使用帯域幅(第1の使用帯域幅)と、ネゴシエーション結果(第2の使用帯域幅)との比較結果に応じて調整する。
【0066】
より具体的には、ネゴシエーション結果と通信装置101の使用帯域幅とが同じであると判断した場合には、通信装置101の使用帯域幅による速度よりも低い送信速度で、データを送信し、ネットワーク103における帯域制御に起因する送信の失敗、例えば、通信装置101の処理がソフトウェアで行われること等により、パケットの送出レートが一時的に使用帯域幅を超え、結果としてパケットが破棄されること等、を防止する。一方、使用帯域幅が上記ネゴシエーション結果と異なると判断した場合には、伝送制御部208は、ネゴシエーション結果の使用帯域幅で、通信装置(受信側)102へデータを送信し、不必要に通信装置101の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度でデータを送信することを防止する。
【0067】
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。また、特許請求の範囲におけるネゴシエーション手段は、例えば、上記伝送制御部208に相当し、通信手段は、例えば、送信速度制御部212、伝送制御部208、ネットワークI/F214に相当する。
【0068】
[第2の実施形態]
図5は、本発明の第2の実施形態における通信装置を説明するための図である。本実施の形態では、主に、通信装置101が、保証帯域幅取得部501及び保証帯域幅比較部502を有する点が、上記第1の実施形態と異なる。なお、下記において、上記第1の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0069】
図5に示すように、本実施の形態における送信側の通信装置101は、更に、保証帯域幅取得部501及び保証帯域幅比較部502を有する。
【0070】
保証帯域幅取得部501は、通信装置101に接続されているネットワーク103の保証帯域幅を取得する。なお、当該ネットワーク103の保証帯域幅は、例えば、記憶部207に保持され、記憶部207から取得される。また、当該ネットワーク103の保証帯域幅は、ネットワーク103からDHCP等の通信により取得される構成としてもよい。
【0071】
保証帯域幅比較部502は、自装置内、つまり通信装置101に設定された使用帯域幅と上記取得された保証帯域幅とを比較する。当該使用帯域幅と保証帯域幅が異なると判断した場合は、送信速度制御部212は、ネゴシエーション結果の使用帯域幅による送信速度で、データを送信するよう設定する。
【0072】
一方、当該使用帯域幅と保証帯域幅が同じであると判断した場合、比較部211は、上記ネゴシエーション結果と自装置内、つまり通信装置101に設定された使用帯域幅とを比較する等、上記第1の実施の形態と同様の処理を行う。したがって、説明を省略する。
【0073】
図6は、本実施の形態における送信側の通信装置のフローを説明するための図である。
【0074】
図6に示すように、上記第1の実施形態のS101乃至S106と同様に、第1の使用帯域幅取得部209は、通信装置(送信側)101、即ち、自装置内に設定されている使用帯域幅を取得する(S301)。
【0075】
伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、取得された使用帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する(S302)。
【0076】
伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、上記呼接続要求に対する通信装置(受信側)102からの応答を受信する(S303)。
【0077】
伝送制御部208は、通信装置(受信側)102が付加した使用帯域幅によるデータの送信速度を受諾したか否かを、上記応答結果に基づいて判断する(S304)。そして、受諾しなかったと判断した場合には、呼接続を切断して処理を終了する(S314)。
【0078】
一方、受諾したと判断した場合には、第2の使用帯域幅取得部210は、上記応答結果から、使用帯域幅についてのネゴシエーション結果を取得する(S305)。
【0079】
送信速度制御部212は、上記ネゴシエーション結果による送信速度を、通信装置(送信側)101及び通信装置(受信側)102の通信における送信速度として設定する(S306)。
【0080】
次に、保証帯域幅取得部501は、通信装置(送信側)101に設定されている保証帯域幅を取得する(S307)。
【0081】
保証帯域幅比較部502は、自装置内、つまり通信装置(送信側)101に設定された使用帯域幅(第1の使用帯域幅)と保証帯域幅とを比較する(S308)。
【0082】
当該使用帯域幅(第1の使用帯域幅)と保証帯域幅とが同じであると判断した場合には、比較部211は、上記ネゴシエーション結果と第1の使用帯域幅取得部209で取得された使用帯域幅(第1の使用帯域幅)とを比較する(S309)。一方、使用帯域幅と保証帯域幅が異なると判断した場合には、S311へ進む。
【0083】
比較部211がネゴシエーション結果と上記第1の使用帯域幅が同じであると判断した場合には、送信速度制御部212は、第1の使用帯域幅による送信速度から調整レート設定部213に設定された所定の割合分低下させた送信速度を、データ通信における送信速度として設定する(S310)。
【0084】
伝送制御部208は、送信速度制御部212から取得した送信速度で、通信装置(受信側)102へデータを送信する(S311)。
【0085】
通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102へ呼切断要求を送信し(S312)、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102から呼切断要求に対する応答を受信する(S313)。そして、呼接続を終了する(S314)。
【0086】
上記のように、第2の実施の形態の通信装置101は、通信装置101、102間の送信速度を、通信装置(送信側)101にあらかじめ設定されている使用帯域幅(第1の使用帯域幅)と、ネゴシエーション結果との比較結果に応じて調整する。具体的には、通信装置(送信側)101の保証帯域幅と使用帯域幅が同じであり、かつ、ネゴシエーション結果と通信装置(送信側)101の使用帯域幅が同じである場合に、通信装置(送信側)101の使用帯域幅による送信速度よりも低下させた送信速度で、データを通信装置(受信側)102へ送信し、通信装置(送信側)101の保証帯域幅と使用帯域幅が異なる場合に、上記低下させた送信速度でデータが送信させることを防止する。
【0087】
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0088】
[第3の実施形態]
図7は、本発明の第3の実施形態における通信装置を説明するための図である。本実施の形態では、主に、送信側の通信装置101が再送情報取得部701を有する点が、上記第1の実施形態と異なる。なお、上記第1の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0089】
再送情報取得部701は、データを送信する間に再送となったデータに基づく再送情報を取得する。具体的には、例えば、通信装置101がIPファックスである場合、当該IPファックスの1通信において、送信したデータのパケット数と、当該データの送信中に再送となったパケット数を計数し、その比率(再送発生比率)を再送情報として検出し、取得する。
【0090】
調整レート設定部213は、再送情報と使用帯域幅の調整レートとの関係情報を保持し、当該関係情報に基づいて調整レートを設定する。具体的には、例えば、図8に示すような再送情報と使用帯域幅の調整レートとの関係情報を表の形式で保持し、既に設定されている調整レートに当該表の値を加算した値を調整レートとして設定する。
【0091】
つまり、例えば、既に使用帯域幅の調整レートが5%であって、再送情報としての再送発生比率が10%の場合には、図8において、当該10%に対応する調整レートは5%であることから、調整レート設定部213は、これらの和、つまり、10%(=5%+5%)を求め、10%低下させた使用帯域幅を送信速度として設定する。
【0092】
なお、当該関係情報は、上記表の形式に限定されるものではなく、その他の形式であってもよい。また、当該関係情報は、記憶部207に保持され、調整レート設定部213は記憶部207から当該関係情報を取得する構成としてもよい。
【0093】
なお、上記においては、上記表に応じて調整レートが設定される構成としたが、例えば操作/表示部205に表示させる構成とし、当該表示された再送情報をユーザーが参照することにより、当該調整レートをユーザーが決定し、調整レート設定部213に保持される構成としてもよい。
【0094】
次に、図9を用いて、本実施の形態における通信装置101のシーケンスの概要について説明する。なお、下記の説明において、最初の呼接続から呼切断までの処理については、例えば、使用帯域幅の調整レートが0%に設定されている場合であって、通信装置101、102間の送信速度、つまり使用帯域幅についてのネゴシエーション結果が1.0Mbpsとなる場合を想定して説明する。
【0095】
まず、図9に示すように、通信装置(送信側)101と通信装置(受信側)102で呼接続を行い、送信速度をネゴシエーションする(S401)。次に、ネゴシエーション結果に応じた送信速度で、通信装置(送信側)101は通信装置(受信側)102へデータを送信する(S402)。
【0096】
このとき、例えば、データが複数のパケットに分割して送信される場合、通信装置101の各処理が、ソフトウェアで処理されること等により、データの送信速度が一時的に使用帯域幅を超え、結果としてパケットが破棄されること等により、通信装置(受信側)102にパケットが到達しない場合がある。この場合、到達しなかったパケットは、再送される。具体的には、例えば、計300パケットを送信する場合において、30パケットが再送される等である。その後、呼接続が切断される(S403)。なお、上記の例においては、使用帯域幅の調整レートが0%に設定されている場合を想定しているため、上記パケットの送信は1.0Mbpsで送信される。
【0097】
ここで、上記のように、例えば、計300パケットを送信する場合において30パケットが再送される場合は、再送発生比率は、30/300、つまり、10%となる。当該再送発生率10%について、図8の表を参照すると、この場合における調整レートは、5%であるので、当該5%が調整レート設定部213に設定される。
【0098】
次のデータ送信においては、上記と同様に、通信装置(送信側)101と通信装置(受信側)102で呼接続を行い、送信速度をネゴシエーションする(S404)。次に、ネゴシエーション結果に応じた送信速度で、パケットを送信する(S405)。このとき、上記のように、調整レートが5%に設定されているので、当該パケットの送信は、上記1.0Mbpsから5%低下させた送信速度、つまり、0.95Mbpsの送信速度で行われる。その後、呼接続が切断される(S406)。
【0099】
上記のように、第3の実施の形態における通信装置101は、通信装置101、102間の送信速度を、通信装置(送信側)101の使用帯域幅と、ネゴシエーション結果との比較に応じて調整し、ネットワーク103における帯域制御に起因する送信の失敗を防止する。具体的には、データを送信する間に再送となったデータに基づいて使用帯域幅を調整する。
【0100】
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0101】
[第4の実施形態]
図10は、本発明の第4の実施形態における送信側の通信装置を説明するための図である。第4の実施の形態では、主に、第1の使用帯域幅と第2の使用帯域幅を比較せずに、第1の使用帯域幅よりも所定の割合分低下させた使用帯域幅に応じた情報を用いて、通信における送信速度をネゴシエーションする点が第1の実施形態と異なる。なお、上記第1の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0102】
調整レート設定部213は、第1の使用帯域幅から所定の割合分低下させた調整帯域幅についての情報(調整帯域幅情報)を生成する。
【0103】
伝送制御部208は、当該調整帯域幅情報を調整レート設定部213から取得するとともに、当該調整帯域幅情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。そして、伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、上記呼接続要求に対する通信装置(受信側)102からの応答を受信する。
【0104】
図11は、本実施の形態における通信装置の処理フローについて説明するための図である。
【0105】
図11に示すように、第1の使用帯域幅取得部209は、例えば、通信装置(送信側)101、即ち、自装置内に設定されている使用帯域幅を取得する(S501)。
【0106】
調整レート設定部213は、第1の使用帯域幅から所定の割合分低下させた使用帯域幅である調整帯域幅を生成し保持する(S502)。
【0107】
伝送制御部208は、当該調整帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する(S503)。
【0108】
伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、上記呼接続要求に対する通信装置(受信側)102からの応答を受信する(S504)。
【0109】
伝送制御部208は、通信装置(受信側)102からの調整帯域幅を付加した呼接続要求を受諾したか否かを、上記応答結果に基づいて判断する(S505)。そして、受諾しなかったと判断した場合には、呼接続を切断して処理を終了する(S511)。
【0110】
一方、受諾したと判断した場合には、第2の使用帯域幅取得部210は、上記応答結果から、送信速度についてのネゴシエーション結果を取得する(S506)。
【0111】
送信速度制御部212は、上記ネゴシエーション結果を、通信装置(送信側)101及び通信装置(受信側)102の通信における送信速度として設定する(S507)。
【0112】
伝送制御部208は、上記S507で設定されたネゴシエーション結果による送信速度で、通信装置(受信側)102へデータを送信する(S508)。
【0113】
次に、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102へ呼切断要求を送信し(S509)、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102から呼切断要求に対する応答を受信する(S510)。そして、呼接続を終了する(S511)。
【0114】
上記のように、第4の実施形態の通信装置101は、通信装置101の使用帯域幅よりも所定の割合分低下させた調整帯域幅を用いて、通信における送信速度をネゴシエーションし、ネットワーク103における帯域制御に起因する送信の失敗等を防止する。また、第1の実施形態における通信装置101と比べ、比較部211における処理が不要で、通信装置101の処理がより簡潔になる。
【0115】
なお、本発明は、本実施の形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。
【0116】
[第5の実施形態]
図12は、本発明の第5の実施形態における送信側の通信装置を説明するための図である。第5の実施の形態では、主に、保証帯域幅取得部501及び保証帯域幅比較部502を有する点が第4の実施形態と異なる。なお、上記第4の実施形態と同様である点については説明を省略する。
【0117】
保証帯域幅取得部501は、送信側の通信装置101の保証帯域幅を取得する。例えば、当該保証帯域幅は、記憶部207に記憶されている。
【0118】
保証帯域幅比較部502は、自装置内、つまり通信装置(送信側)101に設定された使用帯域幅(第1の使用帯域幅)と上記取得された保証帯域幅とを比較する。
【0119】
伝送制御部208は、使用帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。具体的には、保証帯域幅比較部502が当該使用帯域幅と保証帯域幅が同じであると判断した場合は、上記第4の実施形態と同様に、調整レート設定部213が第1の使用帯域幅から所定の割合分低下させた使用帯域幅である調整帯域幅に応じた情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。
【0120】
一方、保証帯域幅比較部502が当該調整帯域幅と保証帯域幅が異なると判断した場合は、第1の使用帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。なお、各部のより詳細な処理については下記の処理フローに基づいて説明する。
【0121】
図13は、本実施の形態における通信装置の送信の際の処理フローについて説明するための図である。
【0122】
図10に示すように、第1の使用帯域幅取得部209は、例えば、通信装置(送信側)101、即ち、自装置内に設定されている使用帯域幅を取得する(S601)。
【0123】
保証帯域幅取得部501は、通信装置(送信側)101に設定されている保証帯域幅を取得する(S602)
【0124】
保証帯域幅比較部502は、取得した通信装置(送信側)101に設定された使用帯域幅と保証帯域幅とを比較する(S603)。
【0125】
そして、保証帯域幅比較部502が当該使用帯域幅と保証帯域幅が同じであると判断した場合は、上記第4の実施形態と同様に、調整レート設定部213は、第1の使用帯域幅から所定の割合分低下させた調整帯域幅を生成する(S604)。
【0126】
一方、保証帯域幅比較部502が使用帯域幅と保証帯域幅が異なると判断した場合は、S605へ進む。
【0127】
伝送制御部208は、使用帯域幅についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する(S605)。具体的には、上記のように、保証帯域幅比較部502が当該使用帯域幅と保証帯域幅が同じであると判断した場合は、調整帯域幅を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。一方、保証帯域幅比較部502が、S501及びS502でそれぞれ取得された使用帯域幅及び保証帯域幅が異なると判断した場合は、当該S501で取得された使用帯域幅(第1の使用帯域幅)についての情報を付加した呼接続要求を通信装置(受信側)102へ送信する。
【0128】
伝送制御部208は、ネットワーク103を介して、上記呼接続要求に対する通信装置(受信側)102からの応答を受信する(S606)。
【0129】
伝送制御部208は、通信装置(受信側)102が付加した使用帯域幅を受諾したか否かを、上記応答結果に基づいて判断する(S607)。そして、受諾しなかったと判断した場合には、呼接続を切断して処理を終了する(S613)。
【0130】
一方、受諾したと判断した場合には、第2の使用帯域幅取得部210は、上記応答結果から、使用帯域幅についてのネゴシエーション結果を取得する(S608)。
【0131】
送信速度制御部212は、上記ネゴシエーション結果を、通信装置(送信側)101及び通信装置(受信側)102の通信におけるデータの送信速度として設定する(S609)。
【0132】
伝送制御部208は、上記S609で設定された送信速度で、通信装置(受信側)102へデータを送信する(S610)。
【0133】
次に、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102へ呼切断要求を送信し(S611)、通信装置(送信側)101は、通信装置(受信側)102から呼切断要求に対する応答を受信する(S612)。そして、呼接続を終了する(S613)。
【0134】
上記のように、第5の実施形態の通信装置101は、保証帯域幅比較部502が当該使用帯域幅と保証帯域幅が同じであると判断した場合に、通信装置101の使用帯域幅による送信速度よりも所定の割合分低下させた送信速度を用いて、通信における送信速度をネゴシエーションし、ネットワーク103における帯域制御に起因する送信の失敗等を防止する。また、第2の実施形態における通信装置101と比べ、比較部211における処理が不要で、通信装置101の処理がより簡潔になる。
【0135】
なお、本発明は、上記第1乃至第5の実施形態に限定されるものではなく、上記実施の形態で示した構成と実質的に同一の構成、同一の作用効果を奏する構成又は同一の目的を達成することができる構成で置き換えてもよい。また、本発明は、互いに矛盾しない限り、上記第1乃至第5の実施形態を組み合わせて用いてもよい。
【符号の説明】
【0136】
101、102 通信装置、103 ネットワーク、201 システム制御部、202 画像蓄積部、203 スキャナ、204 プリンタ、205 操作/表示部、206 画像処理部、207 記憶部、208 伝送制御部、209 第1の使用帯域幅取得部、210 第2の使用帯域幅取得部、211 比較部、212 送信速度制御部、213 調整レート設定部、214 ネットワークI/F、501 保証帯域幅取得部、502 保証帯域幅比較部、701 再送情報取得部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信装置であって、
前記通信装置の使用帯域幅である第1の使用帯域幅を取得する手段と、
前記通信装置とネットワークを介して接続された他の通信装置と通信を行う際の送信速度に関して、前記第1の使用帯域幅に応じた情報を用いてネゴシエーションを行うネゴシエーション手段と、
前記ネゴシエーション手段のネゴシエーション結果として第2の使用帯域幅を取得する手段と、
前記第2の使用帯域幅に関する情報に応じて、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で、データを前記他の通信装置へ送信する通信手段と、
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記通信装置は、更に、
前記第1の使用帯域幅と前記第2の使用帯域幅を比較する比較手段を有し、
前記第2の使用帯域幅に関する情報は、前記比較手段の比較結果であることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記比較手段が、前記第1の使用帯域幅と前記第2の使用帯域幅が同じであると判断した場合は、前記通信手段は、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記比較手段が、前記第2の使用帯域幅が、前記第1の使用帯域幅と異なると判断した場合は、前記通信手段は、前記第2の使用帯域幅による通信速度で、前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記通信装置は、更に、
前記ネットワークの保証帯域幅を取得する保証帯域幅取得手段と、
前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とを比較する保証帯域幅比較手段とを有し、
前記保証帯域幅比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが同じであると判断した場合であって、かつ、前記比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記第2の使用帯域幅が同じであると判断した場合に、前記通信手段は、前記第1の使用帯域幅による送信速度より低い送信速度で、前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする請求項3記載の通信装置。
【請求項6】
前記保証帯域幅比較手段は、前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが異なると判断した場合には、前記通信手段は、前記第2の使用帯域幅による送信速度で、前記他の通信装置へ前記データを送信することを特徴とする請求項5記載の通信装置。
【請求項7】
前記通信装置は、更に、
前記データを送信する間に、再送となったデータに基づく再送情報を取得する再送情報取得手段と、を有し、
前記他の通信装置へ前記データを送信する前記送信速度は、前記再送情報に基づくことを特徴とする請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の通信装置。
【請求項8】
前記通信装置は、更に、
前記再送情報に応じた表示情報を表示する表示手段を有することを特徴とする請求項7記載の通信装置。
【請求項9】
前記通信装置は、更に、
前記第1の使用帯域幅からあらかじめ設定された割合だけ低下させた帯域幅である調整帯域幅情報を取得する手段を有し、
前記ネゴシエーション手段は、前記第1の使用帯域幅に応じた情報として、前記調整帯域幅情報を用いることを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項10】
前記通信装置は、更に、
前記ネットワークの保証帯域幅を取得する保証帯域幅取得手段と、
前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とを比較する保証帯域幅比較手段とを有し、
前記ネゴシエーション手段は、前記帯域幅比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが同じあると判断した場合に、前記第2の使用帯域幅取得手段は、前記第1の使用帯域幅に応じた情報として、前記調整帯域幅情報を用いることを特徴とする請求項9記載の通信装置。
【請求項11】
前記第2の使用帯域幅を取得する手段は、前記帯域幅比較手段が前記第1の使用帯域幅と前記保証帯域幅とが異なると判断した場合に、前記ネゴシエーション手段は、前記第1の使用帯域幅に応じた情報として、前記第1の使用帯域幅を用いることを特徴とする請求項10記載の通信装置。
【請求項12】
前記通信手段は、複数のパケットに分割して前記データを送信することを特徴とする請求項1乃至11いずれかに記載の通信装置。
【請求項13】
通信装置の使用帯域幅である第1の使用帯域幅を取得する手段、
前記通信装置とネットワークを介して接続された他の通信装置と通信を行う際の送信速度に関して、前記第1の使用帯域幅に応じた情報を用いてネゴシエーションを行うネゴシエーション手段、
前記ネゴシエーション手段のネゴシエーション結果として第2の使用帯域幅を取得する手段、
前記第2の使用帯域幅に関する情報に応じて、前記第1の使用帯域幅による送信速度よりも低い送信速度で、データを前記他の通信装置へ送信する通信手段、
としてコンピュータを機能させるプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【公開番号】特開2012−4811(P2012−4811A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−137449(P2010−137449)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】