通信装置、及び接続先アドレス通知方法
【課題】複数のグローバルインタフェースを備えた通信装置において、あるインタフェースと接続不可能となった場合でも、他のインタフェースと接続可能とすることのできる通信装置を得る。
【解決手段】ネットワーク接続インタフェース11、12と、他の端末Bと通信するために使用するネットワーク接続インタフェースを管理するネットワーク管理部10と、他の端末Bに電子メールを送信する電子メール作成・送信APL15とを備え、ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度と、各ネットワーク接続インタフェースへの接続を可能とするIPアドレスの有効性とに基づいて、通信可能な1以上のネットワーク接続インタフェースを特定し、その特定したネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する電子メールを、他の端末Bに対して送信する。
【解決手段】ネットワーク接続インタフェース11、12と、他の端末Bと通信するために使用するネットワーク接続インタフェースを管理するネットワーク管理部10と、他の端末Bに電子メールを送信する電子メール作成・送信APL15とを備え、ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度と、各ネットワーク接続インタフェースへの接続を可能とするIPアドレスの有効性とに基づいて、通信可能な1以上のネットワーク接続インタフェースを特定し、その特定したネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する電子メールを、他の端末Bに対して送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワーク接続インタフェースを通じて他の通信装置と通信可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある通信装置Aに対して他の端末Bからアクセスする場合、端末Bは、通信装置Aに割り当てられたIPアドレスを指定してアクセスすることとなる。すなわち、通信装置AにはIPアドレスが設定されている必要がある。
ここで、IPアドレスの設定方法としては、固定アドレス設定と動的アドレス設定の2つの方式がある。
【0003】
固定アドレス設定は、通信装置Aに対してIPアドレスを手動設定する方式であり、一旦、通信装置Aに設定されたアドレスは原則として変更されない。
動的アドレス設定は、通信ネットワーク上に設けられたサーバーが、通信装置Aに対して動的にIPアドレスを割り当てる方式である。ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber To The Home)などの、いわゆるブロードバンドインターネット接続による常時接続回線はこの方式が主流である。
【0004】
端末Bから通信装置Aにアクセスする場合、端末Bは通信装置AのIPアドレスを指定する必要があるから、端末Bは何らかの方法で通信装置AのIPアドレスを入手しなければならない。
【0005】
通信装置Aのアドレスの入手に関し、固定アドレス設定方式の場合は、例えば端末B側のユーザは、通信装置A側のユーザに問い合わせるなどしてアドレスを一度入手すればよい。何らかの方法で通信装置Aのアドレスを取得した後は、端末Bは、継続して通信装置Aにアクセスできる。
【0006】
一方、動的アドレス設定方式の場合は、アドレスが変更される度にアドレスを入手する必要があり、そのための手法として、DDNS(Dynamic DNS)サーバーを利用する方法や電子メールによりアドレスを通知する方法が提案されている。
DDNSサーバーを利用する方法とは、動的に割り当てられたグローバルIPアドレスを一定時間おきにDNSサーバーに登録し、常に一定のドメイン名(ホスト名、FQDN:Fully Qualified Domain Name)によって通信装置Aへのアクセスを可能にするものである(例えば、非特許文献1参照)。
電子メールによりアドレスを通知する方法とは、予め登録しておいた送信先(端末B)に対し、アドレス情報を電子メールで送信するものである。
これらの他に、通信装置Aがネットワークに接続された時あるいはIPアドレスが変更されたときに、端末Bに対してアドレスを通知する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−275144号公報(第3頁〜第5頁、図3、図4)
【特許文献2】特開2006−279760号公報(第3頁、第4頁、図2)
【特許文献3】特開2003−298659号公報(第6頁)
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】http://tools.ietf.org/html/rfc2136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
固定アドレス設定の場合、端末Bは、一度通信装置Aのアドレスを取得すればアクセス可能となるので、アドレス取得に関してはあまり問題がない。しかし、動的アドレス設定方式と比べて、コスト高となる。すなわち、固定アドレス設定方式の場合、常に固定グローバルアドレスで接続する契約をインターネット・サービス・プロバイダ(以下、ISPと称する)と結ぶ必要があり、専用線の場合は月額数万円以上の費用がかかり、いわゆるブロードバンド回線での固定ネットワークサービスの場合は月額数千円から数万円の追加料金が必要となる場合がある。
【0010】
動的アドレス設定方式の場合において、上述したDDNSサーバーを利用する方法では、DNSレコードの更新がアドレス変更と必ずしも同時に行われるわけではないので、IPアドレスが変更されたときにアクセスできないタイミングが生じる可能性がある。また、DDNSサーバーに対応した、一定時間おきにIPアドレスを知らせる仕組みを、通信装置Aもしくは通信装置Aのローカルエリアネットワーク(以下、LANと称する)側の端末に設ける必要がある。さらに、ISPのネットワークによっては、Outbound Port 25 Blocking(以下、OP25Bと称する)の仕組みを導入しており、DDNSを使用できない場合もある。
【0011】
上記特許文献1に記載の技術によれば、発呼側は、ISPを介してインターネットに接続した場合に割り当てられるIPアドレスを取得し、そのIPアドレスを所望の通信相手(着呼側)に対して電子メールで送信し、着呼側は、電子メールによって送られてきたIPアドレスに対して接続処理を実行する。
また、上記特許文献2に記載の技術によれば、IPアドレスを取得したときに、それが変更されていた場合は、遠隔監視システムの利用者の自宅のパソコンにその変更後のIPアドレスを電子メールで通知する。
また、上記特許文献3に記載の技術によれば、ホームサーバは、ホームサーバシステムのルータに割り当てられたグローバルIPアドレスを定期的に問い合わせることにより監視し、IPアドレスが変化した場合に所定の通知先に電子メールを送信して通知する。
【0012】
料金面では、固定アドレス設定と比べて低料金である動的アドレス設定方式が望ましい。しかし、動的アドレス設定方式である上記特許文献1〜特許文献3に記載の技術のいずれも、複数のグローバルインタフェースを備えた通信装置に対する考慮がない。複数のネットワーク接続インタフェースを備えた通信装置においては、あるネットワーク接続インタフェースが他の端末と接続不可能となった場合でも、他のネットワーク接続インタフェースを用いて他の端末と接続可能とすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る通信装置は、1以上のネットワーク接続インタフェースと、他の通信装置と通信するために使用するネットワーク接続インタフェースを管理するネットワーク管理部と、ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するアドレス取得手段と、他の通信装置に電子メールを送信する電子メール送信手段とを備え、ネットワーク管理部は、ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度と、アドレス取得手段が取得したアドレスの有効性とに基づいて、通信可能な1以上のネットワーク接続インタフェースを特定し、その特定したネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する他の通信装置あての電子メールを、電子メール送信手段に送信させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る通信装置によれば、優先度とアドレスの有効性に基づいてネットワーク接続インタフェースを特定し、そのアドレスを通知する電子メールを他の通信装置に送信する。このため、有効かつ優先度の高いネットワーク接続インタフェースを用いて他の通信端末と接続できる。したがって、例えばあるネットワーク接続インタフェースでの接続が不可能な場合でも、他のネットワーク接続インタフェースを用いて接続するなど、通信接続の可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1に係るネットワークシステムの構成図である。
【図2】実施の形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る通信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る通信装置の動作を示す表である。
【図5】実施の形態1に係る、優先度の高いネットワークのIPアドレスが変更された場合の動作を説明する図である。
【図6】実施の形態1に係る、優先度の高いネットワークのIPアドレスが無効となった場合の動作を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る、優先度の低いネットワーク接続中に、優先度の高いネットワークのIPアドレスを取得した場合の動作を説明する図である。
【図8】実施の形態2に係るネットワークシステムの構成図である。
【図9】実施の形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る、優先度の高いネットワークのIPアドレスが無効となった場合の動作を説明する図である。
【図11】実施の形態3に係るネットワークシステムの構成図である。
【図12】実施の形態3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る通信装置Aを備えたネットワークシステムのネットワーク構成を説明する図である。なお、本実施の形態1においては、通信装置Aが本発明の「通信装置」に相当する。
【0017】
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース11を介して通信網ISP−Cと、ネットワーク接続インタフェース12を介して通信網ISP−Dと接続されている。また、インタフェース13を介して端末EとLAN接続されている。なお、以降の説明及び図面において、「インタフェース」を「IF」と表記する場合がある。
通信網ISP−Cと通信網ISP−Dは、それぞれ、通信事業者が提供する通信網であり、これらは互いにWANで接続されて通信可能な状態である。通信装置Aは、通信網ISP−Cを介してSMTPサーバーS1、PPPoEサーバーS2と通信可能である。また、通信装置Aは、通信網ISP−Dを介してSMTPサーバーS3、POPサーバーS4、端末Bと通信可能である。
【0018】
端末Bは、通信網ISP−Dと接続された例えばパソコンなどの端末であって、ネットワークを介して通信装置Aに遠隔アクセスを行うものである。
【0019】
本実施の形態1で説明するネットワークシステムは、端末Bがネットワークを介して通信装置Aに直接アクセスできるようにするものである。例えば保守担当のユーザーは、端末Bを用いてネットワーク経由で通信装置Aにアクセスし、保守等を行うものである。
そして、詳細は後述するが、通信装置Aは、アクセス可能なIPアドレスを電子メールで端末Bに通知し、端末Bは、受信した電子メールに記述されたIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスする。
【0020】
図2は、図1の通信装置Aの構成を示すブロック図である。
通信装置Aは、WAN側ネットワークN1(図1の通信網ISP−C)、WAN側ネットワークN2(図1の通信網ISP−D)、及びLAN側ネットワークN3と接続される。
通信装置Aは、ネットワーク管理部10と、ネットワーク接続インタフェース11、12、13と、IPアドレス取得/設定APL(APPLICATION)14と、電子メール作成・送信APL15と、遠隔アクセスAPL16と、記憶装置20を備える。
【0021】
ネットワーク管理部10は、記憶装置20に記憶されたプログラム(図示せず)に基づいて、通信装置Aの各種動作を制御するものである。
【0022】
ネットワーク接続IF11、12、13は、それぞれ、ネットワークN1、N2、N3に対応し、各ネットワークに接続するための物理的構成あるいは論理的構成のいずれか又は両方を含むものである。
【0023】
ネットワーク接続インタフェースの切り分けは、例えば、通信装置Aが接続するネットワークに応じて以下のようにすることができる。
(1)一のネットワークを1000Mbpsイーサネット(登録商標)、他のネットワークを64kbpsのISDN、とした場合は、前者のネットワーク接続インタフェースを1000Mbpsのイーサネットインタフェースに、後者をISDNインタフェースにする。これは、物理的にインタフェースを切り分けた場合の例である。
(2)複数のISP(例えば、X社、Y社)と接続契約を行った場合は、X社の通信網のネットワーク接続インタフェースと、Y社の通信網のネットワーク接続インタフェースとを切り分けることができる。このように、ネットワーク接続インタフェースを論理的に切り分けることもできる。
【0024】
IPアドレス取得/設定APL14は、例えば、DHCPやPPPoEなどのプロトコルを用いて、各ネットワークのIPアドレス払い出しサーバー(図示せず)からWAN側ネットワークN1、N2のIPアドレスを取得するアプリケーションである。また、IPアドレス取得/設定APL14は、認証情報などネットワークへの接続に必要な情報の設定も行う。IPアドレス取得/設定APL14は、本発明のアドレス取得手段に相当する。
【0025】
電子メール作成・送信APL15は、電子メールを作成して送信するアプリケーションであり、送信先メールサーバーに関する情報や、ユーザ認証情報を保持している。
【0026】
遠隔アクセスAPL16は、ネットワークを介して接続された遠隔装置である端末Bから通信装置Aへのアクセスを可能とするアプリケーションであり、例えば、保守用HTTPサーバー、FTPサーバーなどである。
【0027】
記憶装置20は、ネットワーク管理部10の動作プログラムを記憶する領域(図示せず)のほか、書き換え可能な記憶領域である、IF優先度保持領域111、112、113、IPアドレス保持領域121、122、123、送信IPアドレス保持領域21、送信IF保持領域22、送信先電子メールアドレス保持領域23を有する。
【0028】
IF優先度保持領域111、112、113は、それぞれ、ネットワーク接続インタフェース11、12、13の優先度に関する情報を保持する領域である。なお、以下において、IF優先度保持領域111、112、113を総称する場合にはIF優先度保持領域110という。
【0029】
IPアドレス保持領域121、122、123は、それぞれ、ネットワーク接続インタフェース11、12、13に対応するIPアドレスを保持する領域である。なお、以下において、IPアドレス保持領域121、122、123を総称する場合にはIPアドレス保持領域120という。IPアドレス保持領域120は、本発明のアドレス保持手段に相当する。
【0030】
送信IPアドレス保持領域は、端末Bに対して電子メールで送信するIPアドレスを保持する領域である。
送信IF保持領域22は、端末Bに対して電子メールで送信するIPアドレスに対応するネットワーク接続IFを保持する領域である。
【0031】
送信先電子メールアドレス保持領域23は、送信先の電子メールアドレスを保持する領域であり、本実施の形態1では、端末Bの電子メールアドレスを保持する。
【0032】
次に、通信装置AへアクセスするためのIPアドレスを、通信装置Aが端末Bに通知する際の動作について説明する。
【0033】
図3は、通信装置Aの動作を説明するフローチャートである。
送信先電子メールアドレス保持領域23には、予め、端末Bの電子メールアドレスが格納され、また、電子メールを作成・送信するための設定が電子メール作成・送信APL15になされているものとする。
また、IF優先度保持領域111、112、113には、それぞれ、ネットワーク接続IF11、12、13の優先度が予め設定されているものとする。
また、送信IPアドレス保持領域21には、優先度が高い方のネットワーク接続IFに対応するIPアドレスが格納されており、送信IF保持領域22には、送信IPアドレス保持領域21のIPアドレスに対応するネットワーク接続IFの情報が格納されているものとする。
以下、図3の各ステップについて説明する。
【0034】
通信装置AのIPアドレス取得/設定APL14は、所定タイミングでWAN側ネットワークN1もしくはN2のIPアドレス払い出しサーバーに対し、IPアドレス払い出し要求を行う(S101)。
IPアドレス払い出し要求に対する応答イベントを待ち、応答イベントを取得したところでIPアドレス更新イベントを発生させ、次のステップへ進む(S102)。ここで、応答イベントとは、IPアドレス払い出しサーバーからIPアドレスを取得した場合の取得イベントと、IPアドレスを取得できなかった場合の取得なしイベントがある。IPアドレスを取得できた場合は、取得IPアドレスを付与した更新イベントを発生させ、取得なしの場合には、無効IPアドレスを付与した更新イベントを発生させる。
【0035】
ネットワーク管理部10は、IPアドレス更新イベントを受信した場合、IPアドレスの払い出し要求に対する応答イベントが、いずれのネットワーク接続IFのものか判断し、そのネットワーク接続IFに対応するIPアドレス保持領域120に格納されたIPアドレスが、取得したIPアドレスと一致するか否か判断する(S103)。なお、図3及びこれ以降の説明において、応答イベントに対応するネットワーク接続IFを、応答IFと称する。
一致する場合には、そのネットワーク接続IFについてのIPアドレスの更新が発生したと判断でき、そのまま処理を終了する(S104)。この場合は、送信IFに変更はない。
一致しない場合は、新たなIPアドレスが通知されたか、あるいは、IPアドレスが通知されなかったか、のいずれかが考えられ、次のステップへ進む。
【0036】
応答IFのIPアドレス保持領域120のIPアドレスを、通知されたIPアドレスに書き換える(S105)。なお、IPアドレスが通知されなかった場合には、IPアドレスが無効であることが分かる情報に書き換える。
【0037】
応答IFの優先度と、送信IFの優先度とを比較する(S106)。優先度の比較は、IF優先度保持領域110に格納されている情報に基づいて行う。
応答IFよりも送信IFの方が優先度が高い場合は、現在、端末Bに対して接続可能としているIF(送信IF)よりも優先度の低いIFのIPアドレスの更新が生じたと判断できる。この場合は、そのまま処理を終了する(S107)。
応答IFの優先度が送信IFの優先度以上である場合は、次のステップへ進む。
【0038】
取得したIPアドレスが、有効なアドレスか否か判断する(S108)。ステップS101でのIPアドレス払い出し要求の応答として有効なIPアドレスが通知された場合は、有効である。一方、無効なIPアドレスが通知された場合、あるいは、IPアドレスが通知されなかった場合は、無効である。
【0039】
ここで、取得したIPアドレスが有効なアドレスか否かの判断は、取得したIPアドレスがIPv4の場合とIPv6の場合とで異なる。
まず、IPアドレスがIPv4の場合、取得したIPアドレスが8ビットずつ4つに区切られた、32ビットで表記されたIPアドレスであり、かつ、ブロードキャストアドレスやCurrent networkアドレス(0.0.0.0)でないIPアドレスであるときに有効と判断する。なお、ブロードキャストアドレスにはリミテッドブロードキャストアドレスとディレクティッドブロードキャストアドレスがあるので、双方のブロードキャストアドレスでないIPアドレスを有効と判断する。つまり、リミテッドブロードキャストアドレスは、すべてのビットが1となる255.255.255.255のIPアドレスなので、「255.255.255.255」は無効となり、ディレクティッドブロードキャストアドレスは、例えばIPアドレス更新が生じたIFのネットマスクが「255.255.255.0」のときホストアドレスのすべてのビットが1となる「x.x.x.255」は無効となる。
次に、IPアドレスがIPv6の場合、取得したIPアドレスが16ビットずつ8つに区切られた、128ビットで表記されたIPアドレスであるとき有効と判断する。
つまり、上述した判断により、取得したIPアドレスがIPv4またはIPv6として有効なアドレスか否かを自動に判断できるものである。
【0040】
有効なアドレスであれば、現在、端末Bに対して接続先として指定しているネットワーク接続IF(送信IF)よりも優先度が高いネットワーク接続IFのIPアドレスを取得した、もしくは、現在のネットワーク接続IFのIPアドレスが更新されたものと判断できる。この場合は、送信IPアドレス保持領域21を、取得したIPアドレスに書き換える(S116)。そして、送信IF保持領域22を、応答IFに書き換える(S117)。続けて、電子メール作成・送信APLを使用して、送信IPアドレスと、これに対応するネットワーク接続IFを記述した電子メールを作成、送信し(S118)、処理を終了する(S119)。
【0041】
ステップS108において、応答IPアドレスが無効なアドレスであれば、送信IPアドレスが失効したと判断できる。この場合は、現在、端末Bに対してアクセス先として指定しているIPアドレス及びネットワーク接続IFが、アクセス不可能であることを意味する。したがって、以降に述べる処理により、端末Bに対して指定すべき他のネットワーク接続インタフェース及びIPアドレスを特定する。
【0042】
まず、変数PRIORITYに現在の送信IFの優先度を代入し(S109)、優先度がPRIORITYであるネットワーク接続インタフェースに対応するIPアドレスのうち、有効なものがあるか否か判断する(S111)。有効なIPアドレスがあれば処理を抜けて(S113)ステップS114に進み、有効なIPアドレスがなければPRIORITYの値を1つ小さくして(S112)、ステップS111に進む。このようなIPアドレスの検索処理を、PRIORITYの値よりも優先度の低いネットワーク接続IFが存在する間繰り返す(S110)。
【0043】
そして、有効なIPアドレスが発見できたか否か判断する(S112)。
有効なIPアドレスが発見できなかった場合は、端末Bからアクセス可能なネットワーク接続IFが存在しないということを意味し、この場合は、ネットワーク異常が発生していると判断して処理を終了する(S113)。
有効なIPアドレスが発見できた場合は、前述したようにしてIPアドレスとネットワーク接続IFを記述した電子メールを端末Bに送信し(S114〜S116)、処理を終了する(S117)。
【0044】
図4は、以上説明した通信装置Aの動作を表にまとめたものであり、IPアドレス払い出し要求に対する応答を受けたときに、通信装置Aがどのような動作を行うかについて、取得IF及び送信IFの優先度の関係ごとに示している。
【0045】
次に、通信装置Aとこれにネットワーク接続される端末等の動作を、具体的な場面を想定して説明する。
【0046】
図5は、通信装置Aが、優先度の高いWAN側ネットワークN2に接続中において、WAN側ネットワークN2のIPアドレスが変更された場合の動作を説明する図である。なお、図5において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5は、WAN側ネットワークN2のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0047】
(S201)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S202、S203)
IPアドレス払い出しサーバーは、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0048】
(S204)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。
(S205)
通信装置Aは、送信先電子メールアドレス保持領域23に格納された端末Bの電子メールアドレス宛に、更新されたIPアドレスと対応するネットワーク接続IF(この例ではネットワーク接続インタフェース12)の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0049】
(S206、S207)
端末Bは、メールサーバーに対して電子メールの受信要求を行い、通信装置Aにより送信された電子メールを受信する。
(S208)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース12にアクセスする。
【0050】
このように、優先度の高いネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが変更された場合でも、端末Bは変更後のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスすることができる。
【0051】
図6は、通信装置Aが優先度が高いWAN側ネットワークN2に接続中において、WAN側ネットワークN2に生じた何らかの問題によりIPアドレスが無効となり、優先度が低いネットワークN2に接続する場合の動作を説明する図である。なお、図6において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5、S6は、それぞれ、WAN側ネットワークN2、N1のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0052】
(S301)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーに対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S302、S303)
WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーは、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0053】
(S304)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。そして、IPアドレス保持領域122のIPアドレスの書き換え、及び送信IPアドレス保持領域21、送信IF保持領域22の書き換えを行う。
(S305)
通信装置Aは、端末Bの電子メールアドレス宛に、変更されたIPアドレスとネットワーク接続インタフェース12の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。なお、図示しないが、ここで端末Bが電子メールを受信すれば、端末Bは変更されたネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセス可能な状態である。
【0054】
(S306)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN1のIPアドレス払い出しサーバーに対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S307、S308)
WAN側ネットワークN1のIPアドレス払い出しサーバーは、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0055】
(S309)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスを取得すると、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスに変更が生じたと判断し、IPアドレス保持領域121を書き換える。なお、ネットワーク接続インタフェース11はネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低いため、送信IPアドレス保持領域21の更新は行われず、送信IPアドレス保持領域21にはネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが保持された状態である。
【0056】
(S310、S311)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーに対してIPアドレスの払い出し要求を行う。ここでは、IPアドレス払い出しサーバーS5からIPアドレスの通知がなされないものとする。
(S312)
通信装置Aは、IPアドレス払い出し要求を所定回数繰り返して行ってもIPアドレスが取得できないため、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが無効であると判断する。
(S313)
通信装置Aは、現在の送信IFであるネットワーク接続インタフェース12へのアクセスが不可能となったため、ネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低く、かつ、有効なIPアドレスを有するネットワーク接続インタフェース11を新たな送信IFとする。そして、通信装置Aは、端末Bの電子メールアドレス宛に、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスとネットワーク接続インタフェース11の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0057】
(S314、S315)
端末Bは、メールサーバーに対して電子メールの受信要求を行い、通信装置Aにより送信された電子メールを受信する。
(S316)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース11にアクセスする。
【0058】
このように、優先度の高いネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが無効となった場合には、端末Bは、優先度の低いネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスすることができる。
【0059】
図7は、通信装置Aが優先度の低いネットワークN1に接続中において、ネットワークN1よりも優先度の高いネットワークN2のIPアドレスを取得する場合の動作を説明する図である。なお、図7において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5、S6は、それぞれ、WAN側ネットワークN2、N1のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0060】
(S401、S402)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを消失しているが、ネットワーク接続インタフェース11の有効なIPアドレスを取得した状態である。したがって、送信IPアドレス保持領域21にはネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが保持され、送信IF保持領域22にはネットワーク接続インタフェース11が保持されている。また、端末Bに対して、ネットワーク接続インタフェース11にアクセスするためのIPアドレス等を記述した電子メールを送信済みである。
(S403)
端末Bは、ネットワーク接続インタフェース11にアクセス可能な状態である。
(S404)
通信装置Aは、所定タイミングでIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S405、S406)
IPアドレス払い出しサーバーS5は、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを割り当て、通信装置Aに対して割り当てたIPアドレスを通知する。
(S407)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、現在装置Bがアクセス可能なネットワーク接続インタフェース11よりも優先度の高いネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得したと判断できる。そして、送信IPアドレス保持領域21を取得したIPアドレスに書き換え、送信IF保持領域22をネットワーク接続インタフェース12に書き換える。
(S408)
通信装置Aは、送信先電子メールアドレス保持領域23に格納された端末Bの電子メールアドレス宛に、取得したIPアドレスとネットワーク接続インタフェース12の情報を記述した電子メールを送信する。
(S409、S410)
端末Bは、メールサーバーに対する電子メールの受信要求を行い、通信装置Aから送信された電子メールを受信する。
(S411)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース12にアクセスする。
【0061】
このように、通信装置Aが優先度の低いネットワーク接続インタフェース11と接続中において、より優先度の高いネットワークN2のIPアドレスが取得できた場合は、ネットワークN2のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスすることができる。
【0062】
以上のように、本実施の形態1に係る通信装置Aは、1以上のネットワーク接続インタフェースを備え、ネットワーク接続インタフェースごとに予め優先度を設定しておき、より優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを電子メールで端末Bに送信するようにした。このため、端末Bは、より優先度の高いネットワーク接続インタフェースを通じて通信装置Aにアクセスすることができる。また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが変更された場合には、端末Bに変更されたIPアドレスを通知するようにした。このため、端末Bは、ネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが変更された場合でも、優先度の高いネットワーク接続インタフェースに継続してアクセスすることができる。
また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となった場合には、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスであってアクセス可能なものを電子メールで端末Bに送信するようにした。このため、端末Bは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースにアクセスできない場合でも、代替案として、優先度の低いネットワーク接続インタフェースを用いて通信装置Aにアクセスすることができる。
したがって、例えばあるネットワーク接続インタフェースでの接続が不可能な場合でも、他のネットワーク接続インタフェースを用いて接続しうるので、通信接続の可能性を高めることができる。
【0063】
例えば、前述の特許文献2に記載の技術は、IPアドレスを取得したときにそれが変更されていた場合は、その変更後のIPアドレスを電子メールで通知するものであったが、複数のグローバルインタフェースを備えた通信装置に対する考慮がなかった。しかし、本実施の形態1に係る通信装置Aによれば、複数のグローバルインタフェースを備えているときにはより優先度の高いネットワーク接続インタフェースを用いて端末Bと通信することができる。
また、例えば、前述の特許文献1に記載の技術によれば、発呼側は、ISPを介してインターネットに接続した場合にのみ着呼側にIPアドレスを電子メールで送信するものであり、常時接続中にアドレス変更が発生した場合に対応できなかった。しかし、本実施の形態1に係る通信装置Aによれば、常時接続中にIPアドレスが変更された場合でも、変更後のIPアドレスを端末Bに送信することができる。
【0064】
また、通信装置Aは、最も優先度の高いネットワーク接続インタフェースに対応するIPアドレスのみを端末Bに電子メールで送信するようにした。すなわち、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが変更されたときには、端末Bに対して電子メールを送信しないようにした。このため、端末Bに対する電子メールの送信回数を抑制することができる。
【0065】
また、通信装置A自身がネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを通知する電子メールを送信して、端末Bにアクセス先のIPアドレスを通知するようにした。このため、通信装置AのIPアドレスの変更の有無を監視する他の端末を設ける必要がない。また、通信装置A自身が電子メールを送信するので、IPアドレスの変更に即座に対応することができる。このため、IPアドレスの変更から電子メールの送信までの時間を極力短くすることができ、端末Bが通信装置Aにアクセスできない時間を低減させることができる。
【0066】
また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となった場合には、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを端末Bに電子メールで送信するようにした。このため、端末B側のユーザは、通信装置Aの優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となったことを知ることができる。そして、優先度の低いネットワーク接続インタフェースを用い、遠隔アクセスAPL16を介して通信装置Aにアクセスすれば、例えば優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが消失した理由を知得することも可能であり、通信装置Aの保守に役立つ。
【0067】
実施の形態2.
前述の実施の形態1では、通信装置Aが遠隔アクセスAPL16を備え、端末Bは、ネットワーク接続インタフェース11又はネットワーク接続インタフェース12を介して通信装置Aにアクセスし、通信装置Aの遠隔アクセスAPL16により通信装置Aの保守等を行った。しかし、本実施の形態2では、通信装置Aは遠隔アクセスAPL16を備えておらず、通信装置Aが接続されたLAN上に、通信装置Aにアクセスするための遠隔アプリケーションを備えた遠隔アクセスサーバーFが接続されている。そして、端末Bは、通信装置Aを介して、遠隔アクセスサーバーFへのアクセスを行うものとし、通信装置Aは、端末Bが遠隔アクセスサーバーFへアクセスできるようにするためのIPアドレス通知を行うものである。
【0068】
図8は、実施の形態2に係る通信装置Aを備えたネットワークシステムのネットワーク構成を説明する図である。
図8において、通信装置Aが接続されたLAN上に遠隔アクセスサーバーFを備えた点が、前述の図1と異なる。なお、その他の構成は図1と同様である。
【0069】
遠隔アクセスサーバーFは、通信装置AとLANで接続された端末であり、通信装置Aの保守等を目的としたアクセスを可能とする遠隔アクセスアプリケーションを備えている。
【0070】
図9は、本実施の形態2に係る通信装置Aの構成を示すブロック図である。
通信装置AのLANインタフェース13には、遠隔アクセスサーバーFが接続されている。なお、図2で示した遠隔アクセスAPL16は備えていない。
【0071】
このような構成において、通信装置Aは、前述の図3と同様の動作を行う。
【0072】
次に、具体的な場面を想定して、通信装置Aの動作と、端末Bから遠隔アクセスサーバーFへのアクセス動作とを併せて説明する。
【0073】
図10は、通信装置Aの優先度が高いネットワーク接続インタフェース12に何らかの問題が発生してIPアドレスが無効となった場合であって、優先度の低いネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが有効である場合の動作を説明する図である。なお、図10において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5、S6は、それぞれ、WAN側ネットワークN2、N1のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0074】
(S501)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S502、S503)
IPアドレス払い出しサーバーS5は、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0075】
(S504)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。IPアドレス保持領域122のIPアドレスの書き換え、及び送信IPアドレス保持領域21、送信IF保持領域22の書き換えを行う。
(S505)
通信装置Aは、送信先電子メールアドレス保持領域23に格納された端末Bの電子メールアドレス宛に、更新されたIPアドレスと対応するネットワーク接続インタフェースの情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0076】
(S506)
通信装置Aは、所定タイミングで、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレス払い出しサーバーS6に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S507、S508)
IPアドレス払い出しサーバーS6は、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0077】
(S509)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスを通知すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。IPアドレス保持領域121のIPアドレスの書き換えを行う。なお、ネットワーク接続インタフェース11はネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低いため、送信IPアドレス保持領域21の更新は行われず、送信IPアドレス保持領域21にはネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが保持された状態である。
【0078】
(S510、S511)
所定時間後、通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。ここでは、IPアドレス払い出しサーバーS5からIPアドレスの通知がなされないものとする。
(S512)
通信装置Aは、IPアドレス払い出し要求を所定回数繰り返して行ってもIPアドレスが取得できないため、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが無効であると判断する。
(S513)
通信装置Aは、現在の送信IFであるネットワーク接続インタフェース12へのアクセスが不可能となったため、ネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低く、かつ、有効なIPアドレスを有するネットワーク接続インタフェース11を新たな送信IFとする。そして、通信装置Aは、端末Bの電子メールアドレス宛に、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスとネットワーク接続インタフェース11の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0079】
(S514、S515)
端末Bは、メールサーバーに対して電子メールの受信要求を行い、通信装置Aから送信された電子メールを受信する。
(S516)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース11を経由して、遠隔アクセスサーバーFにアクセスする。
【0080】
以上のように、本実施の形態2では、端末Bから通信装置Aを介して遠隔アクセスサーバーFにアクセスするシステム構成において、前述の実施の形態1と同様に通信装置Aがより優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを電子メールで端末Bに送信するようにした。このため、端末Bは、より優先度の高い通信装置Aのネットワーク接続インタフェースを経由して、遠隔アクセスサーバーFにアクセスすることができるほか、前述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となった場合には、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを端末Bに電子メールで送信するようにした。このため、端末B側のユーザは、通信装置Aの優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが消失したことを知ることができる。例えば、端末Bは、通信装置Aの優先度の高いネットワーク接続インタフェースを介してVoIP通信とHTTPサーバーが使用でき、優先度の低いネットワーク接続インタフェースを介してHTTPサーバーのみが使用できるシステム構成であったとする。この場合、本実施の形態2によれば、端末Bは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスの消失や取得を電子メールの受信により知ることができるので、VoIP通信の障害発生や復旧をも知ることができる。
【0082】
実施の形態3.
本実施の形態3では、通信装置Aが、複数の電子メール送信APLを備えた構成である場合を例に説明する。
【0083】
図11は、実施の形態3に係る通信装置Aを備えたネットワークシステムのネットワーク構成を説明する図である。
図11において、通信網ISP−Dには、WEBメールサーバーS7が接続されている。その他の構成については前述の図1と同様である。
【0084】
図12は、実施の形態3に係る通信装置Aの構成を示すブロック図である。
本実施の形態3に係る通信装置Aが、前述の実施の形態1、2と異なる点は、複数の電子メール作成・送信APL15a、15bを備えた点と、これら複数の電子メール作成・送信APLに対応した送信メールサーバー情報保持領域141〜143を備えた点である。
【0085】
このような構成において、通信装置Aの動作は、基本的には前述の図3と同様であるが、電子メールを送信する際の動作(図3のステップS116)が異なる。
【0086】
実施の形態3に係る通信装置Aの電子メール送信動作を説明する(図3のステップS116)。
通信装置Aは、予め、ネットワーク接続インタフェース11、12、13に対応して、送信メールサーバー情報141、142、143が設定されている。送信メールサーバー情報141〜143には、使用するメールサーバーを含め必要な情報が設定される。例えば、ネットワーク接続インタフェース11の送信メールサーバー情報141には、電子メールサーバーとしてISP−A SMTPサーバーS1の情報を設定する。また、ネットワーク接続インタフェース12の送信メールサーバー情報142には、電子メールサーバーとしてWEBメールサーバーS7の情報を設定する。なお、ここで、ネットワーク接続インタフェース11は優先度が高く、ネットワーク接続インタフェース12は優先度が低いものとする。
【0087】
ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが変更された場合、電子メール作成・送信APL15aで電子メールを作成し、ISP−A SMTPサーバーS1に対してネットワーク接続インタフェース11から電子メールを送信する。送信された電子メールは、サーバー間を送信され、送信先電子メールアドレス保持領域23に保持されたメールアドレスのPOPサーバーへ届けられる。このようにして、受信側の端末は電子メールを受信することができる。
【0088】
ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが無効となった場合であってネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを通知する電子メールを送信する場合には、電子メール作成・送信APL15bで電子メールを作成し、WEBメールサーバーS7に対してネットワーク接続インタフェース12から電子メールを送信する。送信された電子メールは、サーバー間を送信され、送信先電子メールアドレス保持領域23に保持されたメールアドレスのPOPサーバーへ届けられる。このようにして、受信側の端末は電子メールを受信することができる。
【0089】
以上のように、本実施の形態3では、複数の電子メール送信サーバーに対応した複数の電子メール作成・送信APLを設けた。このため、OP25B対策となる。ここで、OP25Bとは、プロバイダーのSMTPサーバーを利用しないメール送信のパケットをブロックする仕組みであるから、常に有効なSMTPサーバーを選択することができれば、OP25B対策になる。
また、電子メール作成・送信APLとしてWEBメール送信システム等を利用することで、有効なIPアドレスを持つネットワーク接続インタフェースに対応したSMTPサーバーがない場合でも電子メールを送信することができる。
【0090】
なお、上記実施の形態1〜3では、複数のネットワーク接続インタフェースにそれぞれ異なる優先度が設定されているものとして説明した。しかし、複数のネットワーク接続インタフェースのうちの一部に同じ優先度を設定することもできる。この場合、同じ優先度を有する複数のネットワーク接続インタフェースのうちの一つを選択するときには、ラウンドロビン方式で有効なIPアドレスを有するものを選択する。このようにすることで、同じ優先度が設定されたネットワーク接続インタフェースが複数存在する場合でも、前述の実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
また、優先度が同じで有効なIPアドレスを有するネットワーク接続インタフェースが複数存在する場合は、それらすべてのアドレスを電子メールで送信することもできる。
【符号の説明】
【0091】
10 ネットワーク管理部、11 ネットワーク接続インタフェース、12 ネットワーク接続インタフェース、13 ネットワーク接続インタフェース、14 IPアドレス取得/設定APL、15 電子メール作成・送信APL、16 遠隔アクセスAPL、20 記憶装置、21 送信IPアドレス保持領域、22 送信インタフェース保持領域、23 送信先電子メールアドレス保持領域、110、111、112、113 インタフェース優先度保持領域、120、121、122、123 IPアドレス保持領域、141、142、143 送信メールサーバー情報保持領域。
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のネットワーク接続インタフェースを通じて他の通信装置と通信可能な通信装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ある通信装置Aに対して他の端末Bからアクセスする場合、端末Bは、通信装置Aに割り当てられたIPアドレスを指定してアクセスすることとなる。すなわち、通信装置AにはIPアドレスが設定されている必要がある。
ここで、IPアドレスの設定方法としては、固定アドレス設定と動的アドレス設定の2つの方式がある。
【0003】
固定アドレス設定は、通信装置Aに対してIPアドレスを手動設定する方式であり、一旦、通信装置Aに設定されたアドレスは原則として変更されない。
動的アドレス設定は、通信ネットワーク上に設けられたサーバーが、通信装置Aに対して動的にIPアドレスを割り当てる方式である。ADSL(Asymmetric Digital Subscriber Line)やFTTH(Fiber To The Home)などの、いわゆるブロードバンドインターネット接続による常時接続回線はこの方式が主流である。
【0004】
端末Bから通信装置Aにアクセスする場合、端末Bは通信装置AのIPアドレスを指定する必要があるから、端末Bは何らかの方法で通信装置AのIPアドレスを入手しなければならない。
【0005】
通信装置Aのアドレスの入手に関し、固定アドレス設定方式の場合は、例えば端末B側のユーザは、通信装置A側のユーザに問い合わせるなどしてアドレスを一度入手すればよい。何らかの方法で通信装置Aのアドレスを取得した後は、端末Bは、継続して通信装置Aにアクセスできる。
【0006】
一方、動的アドレス設定方式の場合は、アドレスが変更される度にアドレスを入手する必要があり、そのための手法として、DDNS(Dynamic DNS)サーバーを利用する方法や電子メールによりアドレスを通知する方法が提案されている。
DDNSサーバーを利用する方法とは、動的に割り当てられたグローバルIPアドレスを一定時間おきにDNSサーバーに登録し、常に一定のドメイン名(ホスト名、FQDN:Fully Qualified Domain Name)によって通信装置Aへのアクセスを可能にするものである(例えば、非特許文献1参照)。
電子メールによりアドレスを通知する方法とは、予め登録しておいた送信先(端末B)に対し、アドレス情報を電子メールで送信するものである。
これらの他に、通信装置Aがネットワークに接続された時あるいはIPアドレスが変更されたときに、端末Bに対してアドレスを通知する技術が提案されている(例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開平11−275144号公報(第3頁〜第5頁、図3、図4)
【特許文献2】特開2006−279760号公報(第3頁、第4頁、図2)
【特許文献3】特開2003−298659号公報(第6頁)
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】http://tools.ietf.org/html/rfc2136
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
固定アドレス設定の場合、端末Bは、一度通信装置Aのアドレスを取得すればアクセス可能となるので、アドレス取得に関してはあまり問題がない。しかし、動的アドレス設定方式と比べて、コスト高となる。すなわち、固定アドレス設定方式の場合、常に固定グローバルアドレスで接続する契約をインターネット・サービス・プロバイダ(以下、ISPと称する)と結ぶ必要があり、専用線の場合は月額数万円以上の費用がかかり、いわゆるブロードバンド回線での固定ネットワークサービスの場合は月額数千円から数万円の追加料金が必要となる場合がある。
【0010】
動的アドレス設定方式の場合において、上述したDDNSサーバーを利用する方法では、DNSレコードの更新がアドレス変更と必ずしも同時に行われるわけではないので、IPアドレスが変更されたときにアクセスできないタイミングが生じる可能性がある。また、DDNSサーバーに対応した、一定時間おきにIPアドレスを知らせる仕組みを、通信装置Aもしくは通信装置Aのローカルエリアネットワーク(以下、LANと称する)側の端末に設ける必要がある。さらに、ISPのネットワークによっては、Outbound Port 25 Blocking(以下、OP25Bと称する)の仕組みを導入しており、DDNSを使用できない場合もある。
【0011】
上記特許文献1に記載の技術によれば、発呼側は、ISPを介してインターネットに接続した場合に割り当てられるIPアドレスを取得し、そのIPアドレスを所望の通信相手(着呼側)に対して電子メールで送信し、着呼側は、電子メールによって送られてきたIPアドレスに対して接続処理を実行する。
また、上記特許文献2に記載の技術によれば、IPアドレスを取得したときに、それが変更されていた場合は、遠隔監視システムの利用者の自宅のパソコンにその変更後のIPアドレスを電子メールで通知する。
また、上記特許文献3に記載の技術によれば、ホームサーバは、ホームサーバシステムのルータに割り当てられたグローバルIPアドレスを定期的に問い合わせることにより監視し、IPアドレスが変化した場合に所定の通知先に電子メールを送信して通知する。
【0012】
料金面では、固定アドレス設定と比べて低料金である動的アドレス設定方式が望ましい。しかし、動的アドレス設定方式である上記特許文献1〜特許文献3に記載の技術のいずれも、複数のグローバルインタフェースを備えた通信装置に対する考慮がない。複数のネットワーク接続インタフェースを備えた通信装置においては、あるネットワーク接続インタフェースが他の端末と接続不可能となった場合でも、他のネットワーク接続インタフェースを用いて他の端末と接続可能とすることが望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明に係る通信装置は、1以上のネットワーク接続インタフェースと、他の通信装置と通信するために使用するネットワーク接続インタフェースを管理するネットワーク管理部と、ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するアドレス取得手段と、他の通信装置に電子メールを送信する電子メール送信手段とを備え、ネットワーク管理部は、ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度と、アドレス取得手段が取得したアドレスの有効性とに基づいて、通信可能な1以上のネットワーク接続インタフェースを特定し、その特定したネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する他の通信装置あての電子メールを、電子メール送信手段に送信させるものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る通信装置によれば、優先度とアドレスの有効性に基づいてネットワーク接続インタフェースを特定し、そのアドレスを通知する電子メールを他の通信装置に送信する。このため、有効かつ優先度の高いネットワーク接続インタフェースを用いて他の通信端末と接続できる。したがって、例えばあるネットワーク接続インタフェースでの接続が不可能な場合でも、他のネットワーク接続インタフェースを用いて接続するなど、通信接続の可能性を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】実施の形態1に係るネットワークシステムの構成図である。
【図2】実施の形態1に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図3】実施の形態1に係る通信装置の動作を説明するフローチャートである。
【図4】実施の形態1に係る通信装置の動作を示す表である。
【図5】実施の形態1に係る、優先度の高いネットワークのIPアドレスが変更された場合の動作を説明する図である。
【図6】実施の形態1に係る、優先度の高いネットワークのIPアドレスが無効となった場合の動作を説明する図である。
【図7】実施の形態1に係る、優先度の低いネットワーク接続中に、優先度の高いネットワークのIPアドレスを取得した場合の動作を説明する図である。
【図8】実施の形態2に係るネットワークシステムの構成図である。
【図9】実施の形態2に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【図10】実施の形態2に係る、優先度の高いネットワークのIPアドレスが無効となった場合の動作を説明する図である。
【図11】実施の形態3に係るネットワークシステムの構成図である。
【図12】実施の形態3に係る通信装置の構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
実施の形態1.
図1は、本実施の形態1に係る通信装置Aを備えたネットワークシステムのネットワーク構成を説明する図である。なお、本実施の形態1においては、通信装置Aが本発明の「通信装置」に相当する。
【0017】
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース11を介して通信網ISP−Cと、ネットワーク接続インタフェース12を介して通信網ISP−Dと接続されている。また、インタフェース13を介して端末EとLAN接続されている。なお、以降の説明及び図面において、「インタフェース」を「IF」と表記する場合がある。
通信網ISP−Cと通信網ISP−Dは、それぞれ、通信事業者が提供する通信網であり、これらは互いにWANで接続されて通信可能な状態である。通信装置Aは、通信網ISP−Cを介してSMTPサーバーS1、PPPoEサーバーS2と通信可能である。また、通信装置Aは、通信網ISP−Dを介してSMTPサーバーS3、POPサーバーS4、端末Bと通信可能である。
【0018】
端末Bは、通信網ISP−Dと接続された例えばパソコンなどの端末であって、ネットワークを介して通信装置Aに遠隔アクセスを行うものである。
【0019】
本実施の形態1で説明するネットワークシステムは、端末Bがネットワークを介して通信装置Aに直接アクセスできるようにするものである。例えば保守担当のユーザーは、端末Bを用いてネットワーク経由で通信装置Aにアクセスし、保守等を行うものである。
そして、詳細は後述するが、通信装置Aは、アクセス可能なIPアドレスを電子メールで端末Bに通知し、端末Bは、受信した電子メールに記述されたIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスする。
【0020】
図2は、図1の通信装置Aの構成を示すブロック図である。
通信装置Aは、WAN側ネットワークN1(図1の通信網ISP−C)、WAN側ネットワークN2(図1の通信網ISP−D)、及びLAN側ネットワークN3と接続される。
通信装置Aは、ネットワーク管理部10と、ネットワーク接続インタフェース11、12、13と、IPアドレス取得/設定APL(APPLICATION)14と、電子メール作成・送信APL15と、遠隔アクセスAPL16と、記憶装置20を備える。
【0021】
ネットワーク管理部10は、記憶装置20に記憶されたプログラム(図示せず)に基づいて、通信装置Aの各種動作を制御するものである。
【0022】
ネットワーク接続IF11、12、13は、それぞれ、ネットワークN1、N2、N3に対応し、各ネットワークに接続するための物理的構成あるいは論理的構成のいずれか又は両方を含むものである。
【0023】
ネットワーク接続インタフェースの切り分けは、例えば、通信装置Aが接続するネットワークに応じて以下のようにすることができる。
(1)一のネットワークを1000Mbpsイーサネット(登録商標)、他のネットワークを64kbpsのISDN、とした場合は、前者のネットワーク接続インタフェースを1000Mbpsのイーサネットインタフェースに、後者をISDNインタフェースにする。これは、物理的にインタフェースを切り分けた場合の例である。
(2)複数のISP(例えば、X社、Y社)と接続契約を行った場合は、X社の通信網のネットワーク接続インタフェースと、Y社の通信網のネットワーク接続インタフェースとを切り分けることができる。このように、ネットワーク接続インタフェースを論理的に切り分けることもできる。
【0024】
IPアドレス取得/設定APL14は、例えば、DHCPやPPPoEなどのプロトコルを用いて、各ネットワークのIPアドレス払い出しサーバー(図示せず)からWAN側ネットワークN1、N2のIPアドレスを取得するアプリケーションである。また、IPアドレス取得/設定APL14は、認証情報などネットワークへの接続に必要な情報の設定も行う。IPアドレス取得/設定APL14は、本発明のアドレス取得手段に相当する。
【0025】
電子メール作成・送信APL15は、電子メールを作成して送信するアプリケーションであり、送信先メールサーバーに関する情報や、ユーザ認証情報を保持している。
【0026】
遠隔アクセスAPL16は、ネットワークを介して接続された遠隔装置である端末Bから通信装置Aへのアクセスを可能とするアプリケーションであり、例えば、保守用HTTPサーバー、FTPサーバーなどである。
【0027】
記憶装置20は、ネットワーク管理部10の動作プログラムを記憶する領域(図示せず)のほか、書き換え可能な記憶領域である、IF優先度保持領域111、112、113、IPアドレス保持領域121、122、123、送信IPアドレス保持領域21、送信IF保持領域22、送信先電子メールアドレス保持領域23を有する。
【0028】
IF優先度保持領域111、112、113は、それぞれ、ネットワーク接続インタフェース11、12、13の優先度に関する情報を保持する領域である。なお、以下において、IF優先度保持領域111、112、113を総称する場合にはIF優先度保持領域110という。
【0029】
IPアドレス保持領域121、122、123は、それぞれ、ネットワーク接続インタフェース11、12、13に対応するIPアドレスを保持する領域である。なお、以下において、IPアドレス保持領域121、122、123を総称する場合にはIPアドレス保持領域120という。IPアドレス保持領域120は、本発明のアドレス保持手段に相当する。
【0030】
送信IPアドレス保持領域は、端末Bに対して電子メールで送信するIPアドレスを保持する領域である。
送信IF保持領域22は、端末Bに対して電子メールで送信するIPアドレスに対応するネットワーク接続IFを保持する領域である。
【0031】
送信先電子メールアドレス保持領域23は、送信先の電子メールアドレスを保持する領域であり、本実施の形態1では、端末Bの電子メールアドレスを保持する。
【0032】
次に、通信装置AへアクセスするためのIPアドレスを、通信装置Aが端末Bに通知する際の動作について説明する。
【0033】
図3は、通信装置Aの動作を説明するフローチャートである。
送信先電子メールアドレス保持領域23には、予め、端末Bの電子メールアドレスが格納され、また、電子メールを作成・送信するための設定が電子メール作成・送信APL15になされているものとする。
また、IF優先度保持領域111、112、113には、それぞれ、ネットワーク接続IF11、12、13の優先度が予め設定されているものとする。
また、送信IPアドレス保持領域21には、優先度が高い方のネットワーク接続IFに対応するIPアドレスが格納されており、送信IF保持領域22には、送信IPアドレス保持領域21のIPアドレスに対応するネットワーク接続IFの情報が格納されているものとする。
以下、図3の各ステップについて説明する。
【0034】
通信装置AのIPアドレス取得/設定APL14は、所定タイミングでWAN側ネットワークN1もしくはN2のIPアドレス払い出しサーバーに対し、IPアドレス払い出し要求を行う(S101)。
IPアドレス払い出し要求に対する応答イベントを待ち、応答イベントを取得したところでIPアドレス更新イベントを発生させ、次のステップへ進む(S102)。ここで、応答イベントとは、IPアドレス払い出しサーバーからIPアドレスを取得した場合の取得イベントと、IPアドレスを取得できなかった場合の取得なしイベントがある。IPアドレスを取得できた場合は、取得IPアドレスを付与した更新イベントを発生させ、取得なしの場合には、無効IPアドレスを付与した更新イベントを発生させる。
【0035】
ネットワーク管理部10は、IPアドレス更新イベントを受信した場合、IPアドレスの払い出し要求に対する応答イベントが、いずれのネットワーク接続IFのものか判断し、そのネットワーク接続IFに対応するIPアドレス保持領域120に格納されたIPアドレスが、取得したIPアドレスと一致するか否か判断する(S103)。なお、図3及びこれ以降の説明において、応答イベントに対応するネットワーク接続IFを、応答IFと称する。
一致する場合には、そのネットワーク接続IFについてのIPアドレスの更新が発生したと判断でき、そのまま処理を終了する(S104)。この場合は、送信IFに変更はない。
一致しない場合は、新たなIPアドレスが通知されたか、あるいは、IPアドレスが通知されなかったか、のいずれかが考えられ、次のステップへ進む。
【0036】
応答IFのIPアドレス保持領域120のIPアドレスを、通知されたIPアドレスに書き換える(S105)。なお、IPアドレスが通知されなかった場合には、IPアドレスが無効であることが分かる情報に書き換える。
【0037】
応答IFの優先度と、送信IFの優先度とを比較する(S106)。優先度の比較は、IF優先度保持領域110に格納されている情報に基づいて行う。
応答IFよりも送信IFの方が優先度が高い場合は、現在、端末Bに対して接続可能としているIF(送信IF)よりも優先度の低いIFのIPアドレスの更新が生じたと判断できる。この場合は、そのまま処理を終了する(S107)。
応答IFの優先度が送信IFの優先度以上である場合は、次のステップへ進む。
【0038】
取得したIPアドレスが、有効なアドレスか否か判断する(S108)。ステップS101でのIPアドレス払い出し要求の応答として有効なIPアドレスが通知された場合は、有効である。一方、無効なIPアドレスが通知された場合、あるいは、IPアドレスが通知されなかった場合は、無効である。
【0039】
ここで、取得したIPアドレスが有効なアドレスか否かの判断は、取得したIPアドレスがIPv4の場合とIPv6の場合とで異なる。
まず、IPアドレスがIPv4の場合、取得したIPアドレスが8ビットずつ4つに区切られた、32ビットで表記されたIPアドレスであり、かつ、ブロードキャストアドレスやCurrent networkアドレス(0.0.0.0)でないIPアドレスであるときに有効と判断する。なお、ブロードキャストアドレスにはリミテッドブロードキャストアドレスとディレクティッドブロードキャストアドレスがあるので、双方のブロードキャストアドレスでないIPアドレスを有効と判断する。つまり、リミテッドブロードキャストアドレスは、すべてのビットが1となる255.255.255.255のIPアドレスなので、「255.255.255.255」は無効となり、ディレクティッドブロードキャストアドレスは、例えばIPアドレス更新が生じたIFのネットマスクが「255.255.255.0」のときホストアドレスのすべてのビットが1となる「x.x.x.255」は無効となる。
次に、IPアドレスがIPv6の場合、取得したIPアドレスが16ビットずつ8つに区切られた、128ビットで表記されたIPアドレスであるとき有効と判断する。
つまり、上述した判断により、取得したIPアドレスがIPv4またはIPv6として有効なアドレスか否かを自動に判断できるものである。
【0040】
有効なアドレスであれば、現在、端末Bに対して接続先として指定しているネットワーク接続IF(送信IF)よりも優先度が高いネットワーク接続IFのIPアドレスを取得した、もしくは、現在のネットワーク接続IFのIPアドレスが更新されたものと判断できる。この場合は、送信IPアドレス保持領域21を、取得したIPアドレスに書き換える(S116)。そして、送信IF保持領域22を、応答IFに書き換える(S117)。続けて、電子メール作成・送信APLを使用して、送信IPアドレスと、これに対応するネットワーク接続IFを記述した電子メールを作成、送信し(S118)、処理を終了する(S119)。
【0041】
ステップS108において、応答IPアドレスが無効なアドレスであれば、送信IPアドレスが失効したと判断できる。この場合は、現在、端末Bに対してアクセス先として指定しているIPアドレス及びネットワーク接続IFが、アクセス不可能であることを意味する。したがって、以降に述べる処理により、端末Bに対して指定すべき他のネットワーク接続インタフェース及びIPアドレスを特定する。
【0042】
まず、変数PRIORITYに現在の送信IFの優先度を代入し(S109)、優先度がPRIORITYであるネットワーク接続インタフェースに対応するIPアドレスのうち、有効なものがあるか否か判断する(S111)。有効なIPアドレスがあれば処理を抜けて(S113)ステップS114に進み、有効なIPアドレスがなければPRIORITYの値を1つ小さくして(S112)、ステップS111に進む。このようなIPアドレスの検索処理を、PRIORITYの値よりも優先度の低いネットワーク接続IFが存在する間繰り返す(S110)。
【0043】
そして、有効なIPアドレスが発見できたか否か判断する(S112)。
有効なIPアドレスが発見できなかった場合は、端末Bからアクセス可能なネットワーク接続IFが存在しないということを意味し、この場合は、ネットワーク異常が発生していると判断して処理を終了する(S113)。
有効なIPアドレスが発見できた場合は、前述したようにしてIPアドレスとネットワーク接続IFを記述した電子メールを端末Bに送信し(S114〜S116)、処理を終了する(S117)。
【0044】
図4は、以上説明した通信装置Aの動作を表にまとめたものであり、IPアドレス払い出し要求に対する応答を受けたときに、通信装置Aがどのような動作を行うかについて、取得IF及び送信IFの優先度の関係ごとに示している。
【0045】
次に、通信装置Aとこれにネットワーク接続される端末等の動作を、具体的な場面を想定して説明する。
【0046】
図5は、通信装置Aが、優先度の高いWAN側ネットワークN2に接続中において、WAN側ネットワークN2のIPアドレスが変更された場合の動作を説明する図である。なお、図5において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5は、WAN側ネットワークN2のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0047】
(S201)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S202、S203)
IPアドレス払い出しサーバーは、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0048】
(S204)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。
(S205)
通信装置Aは、送信先電子メールアドレス保持領域23に格納された端末Bの電子メールアドレス宛に、更新されたIPアドレスと対応するネットワーク接続IF(この例ではネットワーク接続インタフェース12)の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0049】
(S206、S207)
端末Bは、メールサーバーに対して電子メールの受信要求を行い、通信装置Aにより送信された電子メールを受信する。
(S208)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース12にアクセスする。
【0050】
このように、優先度の高いネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが変更された場合でも、端末Bは変更後のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスすることができる。
【0051】
図6は、通信装置Aが優先度が高いWAN側ネットワークN2に接続中において、WAN側ネットワークN2に生じた何らかの問題によりIPアドレスが無効となり、優先度が低いネットワークN2に接続する場合の動作を説明する図である。なお、図6において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5、S6は、それぞれ、WAN側ネットワークN2、N1のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0052】
(S301)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーに対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S302、S303)
WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーは、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0053】
(S304)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。そして、IPアドレス保持領域122のIPアドレスの書き換え、及び送信IPアドレス保持領域21、送信IF保持領域22の書き換えを行う。
(S305)
通信装置Aは、端末Bの電子メールアドレス宛に、変更されたIPアドレスとネットワーク接続インタフェース12の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。なお、図示しないが、ここで端末Bが電子メールを受信すれば、端末Bは変更されたネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセス可能な状態である。
【0054】
(S306)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN1のIPアドレス払い出しサーバーに対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S307、S308)
WAN側ネットワークN1のIPアドレス払い出しサーバーは、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0055】
(S309)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスを取得すると、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスに変更が生じたと判断し、IPアドレス保持領域121を書き換える。なお、ネットワーク接続インタフェース11はネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低いため、送信IPアドレス保持領域21の更新は行われず、送信IPアドレス保持領域21にはネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが保持された状態である。
【0056】
(S310、S311)
通信装置Aは、所定タイミングで、WAN側ネットワークN2のIPアドレス払い出しサーバーに対してIPアドレスの払い出し要求を行う。ここでは、IPアドレス払い出しサーバーS5からIPアドレスの通知がなされないものとする。
(S312)
通信装置Aは、IPアドレス払い出し要求を所定回数繰り返して行ってもIPアドレスが取得できないため、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが無効であると判断する。
(S313)
通信装置Aは、現在の送信IFであるネットワーク接続インタフェース12へのアクセスが不可能となったため、ネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低く、かつ、有効なIPアドレスを有するネットワーク接続インタフェース11を新たな送信IFとする。そして、通信装置Aは、端末Bの電子メールアドレス宛に、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスとネットワーク接続インタフェース11の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0057】
(S314、S315)
端末Bは、メールサーバーに対して電子メールの受信要求を行い、通信装置Aにより送信された電子メールを受信する。
(S316)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース11にアクセスする。
【0058】
このように、優先度の高いネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが無効となった場合には、端末Bは、優先度の低いネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスすることができる。
【0059】
図7は、通信装置Aが優先度の低いネットワークN1に接続中において、ネットワークN1よりも優先度の高いネットワークN2のIPアドレスを取得する場合の動作を説明する図である。なお、図7において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5、S6は、それぞれ、WAN側ネットワークN2、N1のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0060】
(S401、S402)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを消失しているが、ネットワーク接続インタフェース11の有効なIPアドレスを取得した状態である。したがって、送信IPアドレス保持領域21にはネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが保持され、送信IF保持領域22にはネットワーク接続インタフェース11が保持されている。また、端末Bに対して、ネットワーク接続インタフェース11にアクセスするためのIPアドレス等を記述した電子メールを送信済みである。
(S403)
端末Bは、ネットワーク接続インタフェース11にアクセス可能な状態である。
(S404)
通信装置Aは、所定タイミングでIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S405、S406)
IPアドレス払い出しサーバーS5は、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを割り当て、通信装置Aに対して割り当てたIPアドレスを通知する。
(S407)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、現在装置Bがアクセス可能なネットワーク接続インタフェース11よりも優先度の高いネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得したと判断できる。そして、送信IPアドレス保持領域21を取得したIPアドレスに書き換え、送信IF保持領域22をネットワーク接続インタフェース12に書き換える。
(S408)
通信装置Aは、送信先電子メールアドレス保持領域23に格納された端末Bの電子メールアドレス宛に、取得したIPアドレスとネットワーク接続インタフェース12の情報を記述した電子メールを送信する。
(S409、S410)
端末Bは、メールサーバーに対する電子メールの受信要求を行い、通信装置Aから送信された電子メールを受信する。
(S411)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース12にアクセスする。
【0061】
このように、通信装置Aが優先度の低いネットワーク接続インタフェース11と接続中において、より優先度の高いネットワークN2のIPアドレスが取得できた場合は、ネットワークN2のIPアドレスを参照して通信装置Aにアクセスすることができる。
【0062】
以上のように、本実施の形態1に係る通信装置Aは、1以上のネットワーク接続インタフェースを備え、ネットワーク接続インタフェースごとに予め優先度を設定しておき、より優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを電子メールで端末Bに送信するようにした。このため、端末Bは、より優先度の高いネットワーク接続インタフェースを通じて通信装置Aにアクセスすることができる。また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが変更された場合には、端末Bに変更されたIPアドレスを通知するようにした。このため、端末Bは、ネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが変更された場合でも、優先度の高いネットワーク接続インタフェースに継続してアクセスすることができる。
また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となった場合には、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスであってアクセス可能なものを電子メールで端末Bに送信するようにした。このため、端末Bは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースにアクセスできない場合でも、代替案として、優先度の低いネットワーク接続インタフェースを用いて通信装置Aにアクセスすることができる。
したがって、例えばあるネットワーク接続インタフェースでの接続が不可能な場合でも、他のネットワーク接続インタフェースを用いて接続しうるので、通信接続の可能性を高めることができる。
【0063】
例えば、前述の特許文献2に記載の技術は、IPアドレスを取得したときにそれが変更されていた場合は、その変更後のIPアドレスを電子メールで通知するものであったが、複数のグローバルインタフェースを備えた通信装置に対する考慮がなかった。しかし、本実施の形態1に係る通信装置Aによれば、複数のグローバルインタフェースを備えているときにはより優先度の高いネットワーク接続インタフェースを用いて端末Bと通信することができる。
また、例えば、前述の特許文献1に記載の技術によれば、発呼側は、ISPを介してインターネットに接続した場合にのみ着呼側にIPアドレスを電子メールで送信するものであり、常時接続中にアドレス変更が発生した場合に対応できなかった。しかし、本実施の形態1に係る通信装置Aによれば、常時接続中にIPアドレスが変更された場合でも、変更後のIPアドレスを端末Bに送信することができる。
【0064】
また、通信装置Aは、最も優先度の高いネットワーク接続インタフェースに対応するIPアドレスのみを端末Bに電子メールで送信するようにした。すなわち、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが変更されたときには、端末Bに対して電子メールを送信しないようにした。このため、端末Bに対する電子メールの送信回数を抑制することができる。
【0065】
また、通信装置A自身がネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを通知する電子メールを送信して、端末Bにアクセス先のIPアドレスを通知するようにした。このため、通信装置AのIPアドレスの変更の有無を監視する他の端末を設ける必要がない。また、通信装置A自身が電子メールを送信するので、IPアドレスの変更に即座に対応することができる。このため、IPアドレスの変更から電子メールの送信までの時間を極力短くすることができ、端末Bが通信装置Aにアクセスできない時間を低減させることができる。
【0066】
また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となった場合には、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを端末Bに電子メールで送信するようにした。このため、端末B側のユーザは、通信装置Aの優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となったことを知ることができる。そして、優先度の低いネットワーク接続インタフェースを用い、遠隔アクセスAPL16を介して通信装置Aにアクセスすれば、例えば優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが消失した理由を知得することも可能であり、通信装置Aの保守に役立つ。
【0067】
実施の形態2.
前述の実施の形態1では、通信装置Aが遠隔アクセスAPL16を備え、端末Bは、ネットワーク接続インタフェース11又はネットワーク接続インタフェース12を介して通信装置Aにアクセスし、通信装置Aの遠隔アクセスAPL16により通信装置Aの保守等を行った。しかし、本実施の形態2では、通信装置Aは遠隔アクセスAPL16を備えておらず、通信装置Aが接続されたLAN上に、通信装置Aにアクセスするための遠隔アプリケーションを備えた遠隔アクセスサーバーFが接続されている。そして、端末Bは、通信装置Aを介して、遠隔アクセスサーバーFへのアクセスを行うものとし、通信装置Aは、端末Bが遠隔アクセスサーバーFへアクセスできるようにするためのIPアドレス通知を行うものである。
【0068】
図8は、実施の形態2に係る通信装置Aを備えたネットワークシステムのネットワーク構成を説明する図である。
図8において、通信装置Aが接続されたLAN上に遠隔アクセスサーバーFを備えた点が、前述の図1と異なる。なお、その他の構成は図1と同様である。
【0069】
遠隔アクセスサーバーFは、通信装置AとLANで接続された端末であり、通信装置Aの保守等を目的としたアクセスを可能とする遠隔アクセスアプリケーションを備えている。
【0070】
図9は、本実施の形態2に係る通信装置Aの構成を示すブロック図である。
通信装置AのLANインタフェース13には、遠隔アクセスサーバーFが接続されている。なお、図2で示した遠隔アクセスAPL16は備えていない。
【0071】
このような構成において、通信装置Aは、前述の図3と同様の動作を行う。
【0072】
次に、具体的な場面を想定して、通信装置Aの動作と、端末Bから遠隔アクセスサーバーFへのアクセス動作とを併せて説明する。
【0073】
図10は、通信装置Aの優先度が高いネットワーク接続インタフェース12に何らかの問題が発生してIPアドレスが無効となった場合であって、優先度の低いネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが有効である場合の動作を説明する図である。なお、図10において、通信装置Aは、WAN側ネットワークN1、N2に対応したネットワーク接続インタフェース11、12のみ記載している。また、IPアドレス払い出しサーバーS5、S6は、それぞれ、WAN側ネットワークN2、N1のIPアドレスを払い出すサーバーである。メールサーバーは、通信装置Aの電子メール送信サーバーと端末Bの電子メール送信・受信サーバーを合わせて概念的に示したものである。
以下、各ステップについて説明する。
【0074】
(S501)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S502、S503)
IPアドレス払い出しサーバーS5は、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0075】
(S504)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを取得すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。IPアドレス保持領域122のIPアドレスの書き換え、及び送信IPアドレス保持領域21、送信IF保持領域22の書き換えを行う。
(S505)
通信装置Aは、送信先電子メールアドレス保持領域23に格納された端末Bの電子メールアドレス宛に、更新されたIPアドレスと対応するネットワーク接続インタフェースの情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0076】
(S506)
通信装置Aは、所定タイミングで、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレス払い出しサーバーS6に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。
(S507、S508)
IPアドレス払い出しサーバーS6は、通信装置Aの要求に応じてIPアドレスを払い出し、通信装置Aに対して払い出したIPアドレスを通知する。ここでは、前回通知したIPアドレスとは異なるIPアドレスを通知したものとする。
【0077】
(S509)
通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスを通知すると、IPアドレスの変更が生じたと判断する。IPアドレス保持領域121のIPアドレスの書き換えを行う。なお、ネットワーク接続インタフェース11はネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低いため、送信IPアドレス保持領域21の更新は行われず、送信IPアドレス保持領域21にはネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが保持された状態である。
【0078】
(S510、S511)
所定時間後、通信装置Aは、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレス払い出しサーバーS5に対してIPアドレスの払い出し要求を行う。ここでは、IPアドレス払い出しサーバーS5からIPアドレスの通知がなされないものとする。
(S512)
通信装置Aは、IPアドレス払い出し要求を所定回数繰り返して行ってもIPアドレスが取得できないため、ネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスが無効であると判断する。
(S513)
通信装置Aは、現在の送信IFであるネットワーク接続インタフェース12へのアクセスが不可能となったため、ネットワーク接続インタフェース12よりも優先度が低く、かつ、有効なIPアドレスを有するネットワーク接続インタフェース11を新たな送信IFとする。そして、通信装置Aは、端末Bの電子メールアドレス宛に、ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスとネットワーク接続インタフェース11の情報を記述した電子メールを、メールサーバーに送信する。
【0079】
(S514、S515)
端末Bは、メールサーバーに対して電子メールの受信要求を行い、通信装置Aから送信された電子メールを受信する。
(S516)
端末Bは、受信した電子メールに記述されているIPアドレスを参照することにより、通信装置Aのネットワーク接続インタフェース11を経由して、遠隔アクセスサーバーFにアクセスする。
【0080】
以上のように、本実施の形態2では、端末Bから通信装置Aを介して遠隔アクセスサーバーFにアクセスするシステム構成において、前述の実施の形態1と同様に通信装置Aがより優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを電子メールで端末Bに送信するようにした。このため、端末Bは、より優先度の高い通信装置Aのネットワーク接続インタフェースを経由して、遠隔アクセスサーバーFにアクセスすることができるほか、前述の実施の形態1と同様の効果を得ることができる。
【0081】
また、通信装置Aは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが無効となった場合には、優先度の低いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスを端末Bに電子メールで送信するようにした。このため、端末B側のユーザは、通信装置Aの優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスが消失したことを知ることができる。例えば、端末Bは、通信装置Aの優先度の高いネットワーク接続インタフェースを介してVoIP通信とHTTPサーバーが使用でき、優先度の低いネットワーク接続インタフェースを介してHTTPサーバーのみが使用できるシステム構成であったとする。この場合、本実施の形態2によれば、端末Bは、優先度の高いネットワーク接続インタフェースのIPアドレスの消失や取得を電子メールの受信により知ることができるので、VoIP通信の障害発生や復旧をも知ることができる。
【0082】
実施の形態3.
本実施の形態3では、通信装置Aが、複数の電子メール送信APLを備えた構成である場合を例に説明する。
【0083】
図11は、実施の形態3に係る通信装置Aを備えたネットワークシステムのネットワーク構成を説明する図である。
図11において、通信網ISP−Dには、WEBメールサーバーS7が接続されている。その他の構成については前述の図1と同様である。
【0084】
図12は、実施の形態3に係る通信装置Aの構成を示すブロック図である。
本実施の形態3に係る通信装置Aが、前述の実施の形態1、2と異なる点は、複数の電子メール作成・送信APL15a、15bを備えた点と、これら複数の電子メール作成・送信APLに対応した送信メールサーバー情報保持領域141〜143を備えた点である。
【0085】
このような構成において、通信装置Aの動作は、基本的には前述の図3と同様であるが、電子メールを送信する際の動作(図3のステップS116)が異なる。
【0086】
実施の形態3に係る通信装置Aの電子メール送信動作を説明する(図3のステップS116)。
通信装置Aは、予め、ネットワーク接続インタフェース11、12、13に対応して、送信メールサーバー情報141、142、143が設定されている。送信メールサーバー情報141〜143には、使用するメールサーバーを含め必要な情報が設定される。例えば、ネットワーク接続インタフェース11の送信メールサーバー情報141には、電子メールサーバーとしてISP−A SMTPサーバーS1の情報を設定する。また、ネットワーク接続インタフェース12の送信メールサーバー情報142には、電子メールサーバーとしてWEBメールサーバーS7の情報を設定する。なお、ここで、ネットワーク接続インタフェース11は優先度が高く、ネットワーク接続インタフェース12は優先度が低いものとする。
【0087】
ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが変更された場合、電子メール作成・送信APL15aで電子メールを作成し、ISP−A SMTPサーバーS1に対してネットワーク接続インタフェース11から電子メールを送信する。送信された電子メールは、サーバー間を送信され、送信先電子メールアドレス保持領域23に保持されたメールアドレスのPOPサーバーへ届けられる。このようにして、受信側の端末は電子メールを受信することができる。
【0088】
ネットワーク接続インタフェース11のIPアドレスが無効となった場合であってネットワーク接続インタフェース12のIPアドレスを通知する電子メールを送信する場合には、電子メール作成・送信APL15bで電子メールを作成し、WEBメールサーバーS7に対してネットワーク接続インタフェース12から電子メールを送信する。送信された電子メールは、サーバー間を送信され、送信先電子メールアドレス保持領域23に保持されたメールアドレスのPOPサーバーへ届けられる。このようにして、受信側の端末は電子メールを受信することができる。
【0089】
以上のように、本実施の形態3では、複数の電子メール送信サーバーに対応した複数の電子メール作成・送信APLを設けた。このため、OP25B対策となる。ここで、OP25Bとは、プロバイダーのSMTPサーバーを利用しないメール送信のパケットをブロックする仕組みであるから、常に有効なSMTPサーバーを選択することができれば、OP25B対策になる。
また、電子メール作成・送信APLとしてWEBメール送信システム等を利用することで、有効なIPアドレスを持つネットワーク接続インタフェースに対応したSMTPサーバーがない場合でも電子メールを送信することができる。
【0090】
なお、上記実施の形態1〜3では、複数のネットワーク接続インタフェースにそれぞれ異なる優先度が設定されているものとして説明した。しかし、複数のネットワーク接続インタフェースのうちの一部に同じ優先度を設定することもできる。この場合、同じ優先度を有する複数のネットワーク接続インタフェースのうちの一つを選択するときには、ラウンドロビン方式で有効なIPアドレスを有するものを選択する。このようにすることで、同じ優先度が設定されたネットワーク接続インタフェースが複数存在する場合でも、前述の実施の形態1〜3と同様の効果を得ることができる。
また、優先度が同じで有効なIPアドレスを有するネットワーク接続インタフェースが複数存在する場合は、それらすべてのアドレスを電子メールで送信することもできる。
【符号の説明】
【0091】
10 ネットワーク管理部、11 ネットワーク接続インタフェース、12 ネットワーク接続インタフェース、13 ネットワーク接続インタフェース、14 IPアドレス取得/設定APL、15 電子メール作成・送信APL、16 遠隔アクセスAPL、20 記憶装置、21 送信IPアドレス保持領域、22 送信インタフェース保持領域、23 送信先電子メールアドレス保持領域、110、111、112、113 インタフェース優先度保持領域、120、121、122、123 IPアドレス保持領域、141、142、143 送信メールサーバー情報保持領域。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
1以上のネットワーク接続インタフェースと、
他の通信装置と通信するために使用する前記ネットワーク接続インタフェースを管理するネットワーク管理部と、
前記ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するアドレス取得手段と、
前記他の通信装置に電子メールを送信する電子メール送信手段とを備え、
前記ネットワーク管理部は、
前記ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度と、前記アドレス取得手段が取得したアドレスの有効性とに基づいて、通信可能な1以上の前記ネットワーク接続インタフェースを特定し、
その特定した前記ネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する前記他の通信装置あての電子メールを、前記電子メール送信手段に送信させる
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記ネットワーク接続インタフェースごとに取得したアドレスに関する情報を保持するアドレス保持手段を備え、
前記ネットワーク管理部は、
前記アドレス保持手段に保持されたアドレスが有効であって、高い優先度が設定された前記ネットワーク接続インタフェースを、前記通信可能なネットワーク接続インタフェースとして特定する
ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記ネットワーク管理部は、
前記通信可能なネットワーク接続インタフェースとして特定した前記ネットワーク接続インタフェースに対応するアドレスが無効となった場合には、
前記アドレス保持手段に保持されたアドレスが有効であって、高い優先度が設定された前記ネットワーク接続インタフェースを、前記通信可能なネットワーク接続インタフェースとして新たに特定し、
その特定した前記ネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する前記他の通信装置あての電子メールを、前記電子メール送信手段に送信させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記1以上のネットワーク接続インタフェースに対応した1以上の前記電子メール送信手段を備え、
前記ネットワーク管理部は、通知するアドレスのネットワーク接続インタフェースに対応した前記電子メール送信手段に、前記電子メールを送信させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか記載の通信装置。
【請求項5】
ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するステップと、
前記ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度を比較するステップと、
前記割り当てられたアドレスの有効性を判断するステップと、
有効であると判断された前記アドレスであって、高い優先度が設定されたネットワーク接続インタフェースに対応するアドレスを特定するステップと、
前記特定したアドレスを他の通信装置に電子メールで送信するステップと、を備えた
ことを特徴とする接続先アドレス通知方法。
【請求項6】
ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するステップと、
前記ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度を比較するステップと、
前記アドレスの有効性を判断するステップと、
有効であると判断された前記アドレスであって、高い優先度が設定されたネットワーク接続インタフェースに対応するものを特定するステップと、
前記特定されたアドレスに対応する電子メール送信手段を選択するステップと、
前記選択した電子メール送信手段を用いて、前記特定したアドレスを他の通信装置に電子メールで送信するステップと、を備えた
ことを特徴とする接続先アドレス通知方法。
【請求項1】
1以上のネットワーク接続インタフェースと、
他の通信装置と通信するために使用する前記ネットワーク接続インタフェースを管理するネットワーク管理部と、
前記ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するアドレス取得手段と、
前記他の通信装置に電子メールを送信する電子メール送信手段とを備え、
前記ネットワーク管理部は、
前記ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度と、前記アドレス取得手段が取得したアドレスの有効性とに基づいて、通信可能な1以上の前記ネットワーク接続インタフェースを特定し、
その特定した前記ネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する前記他の通信装置あての電子メールを、前記電子メール送信手段に送信させる
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記ネットワーク接続インタフェースごとに取得したアドレスに関する情報を保持するアドレス保持手段を備え、
前記ネットワーク管理部は、
前記アドレス保持手段に保持されたアドレスが有効であって、高い優先度が設定された前記ネットワーク接続インタフェースを、前記通信可能なネットワーク接続インタフェースとして特定する
ことを特徴とする請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
前記ネットワーク管理部は、
前記通信可能なネットワーク接続インタフェースとして特定した前記ネットワーク接続インタフェースに対応するアドレスが無効となった場合には、
前記アドレス保持手段に保持されたアドレスが有効であって、高い優先度が設定された前記ネットワーク接続インタフェースを、前記通信可能なネットワーク接続インタフェースとして新たに特定し、
その特定した前記ネットワーク接続インタフェースのアドレスを通知する前記他の通信装置あての電子メールを、前記電子メール送信手段に送信させる
ことを特徴とする請求項1または請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記1以上のネットワーク接続インタフェースに対応した1以上の前記電子メール送信手段を備え、
前記ネットワーク管理部は、通知するアドレスのネットワーク接続インタフェースに対応した前記電子メール送信手段に、前記電子メールを送信させる
ことを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか記載の通信装置。
【請求項5】
ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するステップと、
前記ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度を比較するステップと、
前記割り当てられたアドレスの有効性を判断するステップと、
有効であると判断された前記アドレスであって、高い優先度が設定されたネットワーク接続インタフェースに対応するアドレスを特定するステップと、
前記特定したアドレスを他の通信装置に電子メールで送信するステップと、を備えた
ことを特徴とする接続先アドレス通知方法。
【請求項6】
ネットワーク接続インタフェースへのアドレスの割り当てを受け、該アドレスに関する情報を取得処理するステップと、
前記ネットワーク接続インタフェースごとに設定された優先度を比較するステップと、
前記アドレスの有効性を判断するステップと、
有効であると判断された前記アドレスであって、高い優先度が設定されたネットワーク接続インタフェースに対応するものを特定するステップと、
前記特定されたアドレスに対応する電子メール送信手段を選択するステップと、
前記選択した電子メール送信手段を用いて、前記特定したアドレスを他の通信装置に電子メールで送信するステップと、を備えた
ことを特徴とする接続先アドレス通知方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2011−49818(P2011−49818A)
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−196529(P2009−196529)
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年3月10日(2011.3.10)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年8月27日(2009.8.27)
【出願人】(308033722)株式会社OKIネットワークス (165)
【Fターム(参考)】
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