説明

通信装置、通信システム、および通信方法

【課題】電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことが可能な、通信装置、通信システム、および通信方法を提供する。
【解決手段】所定の周波数の電力と、電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を、外部装置に接続させる接続部と、電力線に接続され、少なくとも電力の周波数の信号を遮断し、高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、第1通信フィルタを介して伝達される高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、を備える通信装置が提供される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本開示は、通信装置、通信システム、および通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、社会的な環境への配慮の高まりに伴い、例えば、インテリジェントタップやスマートタップなどのように、電力線によって接続された機器への電力の供給を制御すること(例えば、供給が不要な機器への電力の供給を選択的に停止させるなどの制御)が可能な装置が登場している。上記のような装置では、例えば、PLC(Power Line Communication。電力線搬送通信)とよばれる電力線を通信回線として用いる技術が利用されている。PLCを用いて電力線を介して通信を行う技術としては、例えば、特許文献1が挙げられる。
【0003】
また、例えば電源タップやコンセントなどの、電力で動く機器に電力を供給するための給電側の装置の高機能化に係る様々な技術が開発されている。例えば、コンセントに認証機能を付加する技術としては、特許文献2に記載の技術が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−110471号公報
【特許文献2】特開2010−55845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、既存のPLC技術を用いて電力線による有線通信を行う場合には、通信を行う装置は、例えばPLCモデムとよばれる比較的大規模な回路で構成される通信デバイスを備える必要がある。そのため、既存のPLCを用いて有線で通信を行う場合には、通信を行う装置のコストの増大を招く恐れがあり、また、通信を行う装置のサイズにも制限がかかる恐れもある。さらに、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合、通信を行う装置に電力が供給されていないとき(例えば主電源がオフの状態などの休止状態のとき)には、通信を行うことができない。
【0006】
また、例えば特許文献2に記載の技術に係るコンセントは、例えば、NFC(Near Field Communication)による通信や、RFID(Radio Frequency IDentification)による通信、生体認証を行うことによって、認証を行い、警戒モードと非警戒モードとを切り替える。よって、特許文献2に記載の技術に係るコンセントは、警戒モードに設定されることによって、例えば、接続されている機器の盗難防止や、また、当該コンセントが勝手に使用されることの防止を図るので、セキュリティを高めることができる可能性がある。しかしながら、例えば特許文献2に記載の技術では、警戒モードと非警戒モードとを切り替えるために、無線通信などを利用した既存の認証機能をコンセントに付加しているに過ぎない。
【0007】
本開示では、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことが可能な、新規かつ改良された通信装置、通信システム、および通信方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本開示によれば、所定の周波数の電力と、上記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を、外部装置に接続させる接続部と、上記電力線に接続され、少なくとも上記電力の周波数の信号を遮断し、上記高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、上記第1通信フィルタを介して伝達される上記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、を備える、通信装置が提供される。
【0009】
また、本開示によれば、外部装置と直接的に通信を行う通信装置と、電力線により上記通信装置と接続され、上記通信装置を介して間接的に上記外部装置と通信を行う管理装置と、を備え、上記通信装置は、所定の周波数の電力と、上記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される上記電力線を、外部装置に接続させる接続部と、上記電力線に接続され、少なくとも上記電力の周波数の信号を遮断し、上記高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、上記第1通信フィルタを介して伝達される上記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、を備え、上記管理装置は、上記高周波信号を上記電力線を介して送信し、上記通信装置が備える上記接続部を介して有線で接続された外部装置、または、上記通信装置が備える上記通信アンテナを介して上記通信装置と非接触に通信を行うことが可能な外部装置と通信を行う電力線通信部と、上記電力線通信部と上記電力線との間に接続され、少なくとも上記電力の周波数の信号を遮断し、上記高周波信号を遮断しない第2通信フィルタと、を備える、通信システムが提供される。
【0010】
また、本開示によれば、所定の周波数の電力と、上記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を介して、および、上記電力線と電気的に接続され、上記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナを介して、上記高周波信号を送信するステップと、上記電力線により有線で接続された外部装置、または、上記通信アンテナを介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置から、負荷変調により送信された信号を受信するステップと、を有する、通信方法が提供される。
【発明の効果】
【0011】
本開示によれば、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】第1の実施形態に係る通信装置の構成の一例を説明するための説明図である。
【図2】第1の実施形態に係る通信装置が備える第1フィルタと通信アンテナとの構成の一例を示す説明図である。
【図3】第1の実施形態に係る通信装置が備える第1フィルタと通信アンテナとの構成の他の例を示す説明図である。
【図4】第1の実施形態に係る通信装置が備える電力線通信部の構成の一例を示す説明図である。
【図5】第1の実施形態に係る通信装置が備える電力線通信部の構成の他の例を示す説明図である。
【図6】第1の実施形態に係る通信装置が備える第2フィルタの構成の一例を示す説明図である。
【図7】第1の実施形態に係る通信装置が備える第3フィルタの構成の一例を示す説明図である。
【図8】本実施形態に係る電子装置が備える電力線通信部の構成の一例を示す説明図である。
【図9】本実施形態に係る電子装置が備える電力線通信部の他の例を示す説明図である。
【図10】第2の実施形態に係る通信装置の構成の一例を説明するための説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下に添付図面を参照しながら、本開示の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0014】
また、以下では、下記に示す順序で説明を行う。
1.本実施形態に係る通信方法
2.本実施形態に係る通信装置
【0015】
(本実施形態に係る通信方法)
本実施形態に係る通信装置の構成について説明する前に、本実施形態に係る通信方法について説明する。また、以下では、本実施形態に係る通信装置が、本実施形態に係る通信方法に係る処理を行うものとして説明する。
【0016】
上述したように、例えば既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、通信を行う装置のコストの増大を招く恐れがあり、また、通信を行う装置のサイズにも制限がかかる恐れもある。さらに、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合、通信を行う装置に電力が供給されていないとき(例えば主電源がオフの状態などの休止状態のとき)には、通信を行うことができない。
【0017】
また、単に、NFCによる通信技術やRFIDによる通信技術に係る無線通信機能を通信装置に付加し、無線通信を行う場合には、通信対象の装置が当該無線通信を行うことが可能な装置でなければ、通信を行うことができない。
【0018】
そこで、本実施形態に係る通信装置は、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方による、外部装置との間の通信を可能とする。以下、本実施形態に係る通信装置が行う電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信とについて説明する。
【0019】
[1]本実施形態に係る電力線による有線通信
本実施形態に係る電力線による有線通信について説明する前に、既存のPLCを用いた電力線による有線通信において生じうる問題について、より具体的に説明する。
【0020】
〔1−1〕既存のPLCを用いた電力線による有線通信において生じうる問題
上述したように、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合、電力線により接続されている、電力で動く装置(外部装置の一例。以下、「電子装置」と示す場合がある。)があったとしても、電子装置に電力が供給されていない限り、当該電子装置と通信を行うことはできない。
【0021】
また、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、さらに例えば下記の(a)、(b)に示すような問題が生じうる。
【0022】
(a)通信衝突(コリジョン)により通信障害が発生する可能性がある
既存のPLCは、電力線を介して通信を行う各装置が同一帯域を利用するバス型トポロジーである。よって、既存のPLCを用いる場合には同一帯域に多数の装置を接続すると通信衝突が生じる可能性があり、また、通信衝突が生じた場合には、例えば、通信ができない、通信に遅延が生じるなどの通信障害が発生する恐れがある。
【0023】
(b)通信に係るデバイスの小型化が困難であり、またコストが増大する可能性がある
既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合、通信を行うためには、信号の送信を行う送信側の装置と、信号の受信を行う受信側の装置双方が通信に用いる電力を得るための別途の電源が必要となる。そのため、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、電子装置は、既存のPLCにより通信を行うための電力を得るための、電源回路を備えなければならない。よって、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、電子装置は、上記電源回路を備えなければならない分小型化がより困難となり、また、上記電源回路を備えなければならない分コストが増大する。
【0024】
また、既存のPLCに係る通信デバイス(例えばPLCモデム)は、例えばIC(Integrated Circuit)チップのようなサイズまで小型化することは困難である。さらに、既存のPLCに係る通信デバイスは、現状普及が進んでいないこともあり、例えばICチップの形態の通信デバイスと比較して高価である。
【0025】
よって、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、通信に係るデバイスの小型化が困難である。また、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、電子装置は、高価な通信デバイスや別途の電源回路を備えなければならないので、電力線による有線通信を行うためにコストが増大する恐れがある。
【0026】
上記のように、既存のPLCを用いて電力線による有線通信を行う場合には、さらに上記(a)、(b)に示すような問題が生じる恐れがある。
【0027】
〔1−2〕本実施形態に係る電力線による有線通信の概要
そこで、本実施形態に係る通信装置は、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を、電力線による有線通信に適用する。
【0028】
ここで、本実施形態に係る電力線には、所定の周波数の電力と、電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される。本実施形態に係る電力の周波数としては、例えば、0[Hz](直流)や、50[Hz]、60[Hz]が挙げられる。また、本実施形態に係る高周波信号の周波数としては、例えば、13.56[MHz]が挙げられる。なお、本実施形態に係る高周波信号の周波数は、上記に限られない。本実施形態に係る高周波信号の周波数としては、例えば、130〜135[kHz]や、56[MHz]、433[MHz]、954.2[MHz]、954.8[MHz]、2441.75[MHz]、2448.875[MHz]など様々な周波数が挙げられる。
【0029】
また、本実施形態に係る高周波信号は、例えば、本実施形態に係る通信装置が生成して外部装置に送信してもよいし(後述する第1の実施形態に係る通信装置に対応する。)、管理装置などの他の装置により生成された高周波信号を、本実施形態に係る通信装置が外部装置に送信してもよい(後述する第2の実施形態に係る通信装置に対応する。)。
【0030】
NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスは、回路規模が既存のPLCモデムなどと比較して非常に小さいことから、例えばICチップのようなサイズまで小型化が可能である。また、例えばICカードやICチップを搭載した携帯電話など、NFCによる通信技術などの無線通信技術を用いて通信を行うことが可能な装置の普及が進んでいることから、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を用いた通信デバイスは、既存のPLCモデムと比較して安価である。
【0031】
さらに、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を有線通信に適用することによって、本実施形態に係る通信装置と電力線により有線で接続された外部装置である電子装置は、電力線を介して受信した高周波信号から電力を得て駆動し、負荷変調を行うことにより記憶している情報(データ)や、応答信号を送信することができる。つまり、本実施形態に係る通信装置が、電力線を介して有線で電子装置に高周波信号を送信することによって、電子装置に電力が供給され、当該電子装置は、供給された電力によって、例えば、記憶している情報(データ)や、応答信号を送信する。よって、本実施形態に係る電子装置は、通信を行うための別途の電源回路を備えなくとも、電力線による有線通信を行うことが可能である。
【0032】
したがって、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を、電力線による有線通信に適用することによって、例えば、既存のPLCを用いた電力線による有線通信が用いられる場合よりも、コストの低減や、通信デバイスのサイズの制限の緩和、消費電力の低減などを図ることが可能な、有線通信が実現される。なお、本実施形態に係る通信方法に係る有線通信は、電力線で接続された装置間の通信に適用されることに限られず、例えば2本以上の信号線で接続された装置間の通信に適用することが可能である。
【0033】
[2]本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信
次に、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信の概要について説明する。本実施形態に係る通信装置が上述した本実施形態に係る電力線による有線通信により電子装置などの外部装置と通信を行うことによって、既存のPLCを用いた電力線による有線通信が用いられる場合よりも、コストの低減や、通信デバイスのサイズの制限の緩和、消費電力の低減などを図ることが可能な、有線通信が実現される。
【0034】
しかしながら、本実施形態に係る通信装置と電力線により有線で接続された外部装置が、例えば、本実施形態に係る電力線による有線通信に係る通信デバイス(例えばICチップなど)を備えていない場合には、本実施形態に係る通信装置と当該外部装置とは、電力線による有線通信を行うことができない。
【0035】
ここで、本実施形態に係る通信装置と、外部装置との通信を可能となるための一の方法としては、本実施形態に係る通信装置が、NFCによる通信技術やRFID技術などの既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備えることが挙げられる。既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備えることによって、本実施形態に係る通信装置が外部装置と通信を行う通信経路が増えるので、本実施形態に係る通信装置が、外部装置と通信を行うことができる可能性をより高めることができる。
【0036】
しかしながら、NFCによる通信技術やRFID技術などの既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合には、本実施形態に係る通信装置は、本実施形態に係る電力線による有線通信と、既存の無線通信技術に係る無線通信とをそれぞれ独立に行うこととなる。そのため、既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合には、本実施形態に係る通信装置は、少なくとも無線通信を行うために、高周波信号を生成する機能を有する必要がある。さらに、本実施形態に係る通信装置が、本実施形態に係る電力線による有線通信に係る高周波信号を生成する機能を有する場合には、有線通信のための高周波信号の生成、送信に係る構成と、無線通信のための高周波信号の生成、送信に係る構成とを、それぞれ独立に備える必要がある。よって、既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合には、外部装置と通信を行うためのデバイスのコストが増大し、また、通信の管理が複雑となる恐れがある。
【0037】
そこで、本実施形態に係る通信装置は、本実施形態に係る電力線による有線通信に加え、さらに、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を外部装置との間で行う。より具体的には、本実施形態に係る通信装置は、電力線と電気的に接続され、電力線を介して送信される高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナを介して、非接触に外部装置と通信を行う。
【0038】
電力線と電気的に接続される通信アンテナを介して、外部装置と非接触に通信を行うことによって、本実施形態に係る通信装置では、本実施形態に係る電力線による有線通信と、当該通信アンテナを介した無線通信とが一体のものとなる。つまり、本実施形態に係る通信装置は、例えば、高周波信号を生成する機能を有しない構成をとることができる(例えば、後述する第2の実施形態に係る通信装置に対応する。)。また、本実施形態に係る通信装置は、例えば、高周波信号を生成する機能を有する場合であっても、高周波信号の生成、送信に係る構成(例えば、後述する電力線通信部)を、本実施形態に係る電力線による有線通信と、当該通信アンテナを介した無線通信とで共有することができる(例えば、後述する第1の実施形態に係る通信装置に対応する。)。
【0039】
よって、本実施形態に係る通信装置は、既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合よりも、外部装置と通信を行うためのデバイスのコストをより低減することができる。また、本実施形態に係る通信装置は、既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合よりも、より容易に通信の管理を行うことができる。
【0040】
本実施形態に係る通信装置は、例えば、上記[1]に示すような電力線による有線通信と、上記[2]に示すような電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方により、外部装置と通信を行う。
【0041】
より具体的には、本実施形態に係る通信装置は、電力と高周波信号とが伝送される電力線を介して、および、電力線と電気的に接続される通信アンテナを介して、高周波信号を送信する(送信処理)。また、本実施形態に係る通信装置は、電力線により有線で接続された外部装置、または、通信アンテナを介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置から、負荷変調により送信された信号を受信する(受信処理)。
【0042】
本実施形態に係る通信装置は、本実施形態に係る通信方法に係る処理として、(1)送信処理、および(2)受信処理を行うことによって、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことができる。
【0043】
(本実施形態に係る通信装置)
次に、本実施形態に係る通信方法に係る処理を行うことが可能な、本実施形態に係る通信装置の構成の一例について説明する。
【0044】
[I]第1の実施形態に係る通信装置
図1は、第1の実施形態に係る通信装置100の構成の一例を説明するための説明図である。図1では、電力線PLにより有線で接続された電子装置200と、サーバ300と、外部電源400とを併せて示している。
【0045】
ここで、サーバ300は、通信装置100と通信を行い、通信装置100から送信される識別情報(後述する)などのデータを受信し、また、通信装置100が処理に用いるデータや電子装置200に所定の処理を行わせるための命令などを通信装置100へ送信する。また、サーバ300は、例えば、通信装置100から受信した識別情報(後述する)や消費電力の情報(後述する)に基づく電子装置200の電源管理や、通信装置100と連携した電子装置200に対する課金処理に係る処理などを行う。
【0046】
なお、図1では、通信装置100がサーバ300と通信を行う例を示しているが、本実施形態に係る通信装置100の構成は、上記に限られない。例えば、通信装置100は、サーバ300と通信を行わず、サーバ300との通信により実現する上記処理を、通信装置100単独で行う構成であってもよい。
【0047】
また、外部電源400は、通信装置100からみた外部の電源である。外部電源400としては、例えば、商用電源や、電池、発電機などが挙げられる。
【0048】
なお、図1では、通信装置100が外部電源400と接続され、外部電源400から電力の供給を受ける例を示しているが、本実施形態に係る通信装置100の構成は、上記に限られない。例えば、通信装置100が内部電源を備える場合には、通信装置100は、外部電源400と接続されていなくてもよい。
【0049】
以下、通信装置100の構成の一例について説明すると共に、本実施形態に係る電力線による有線通信を行う電子装置200の構成の一例、および本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置(図示せず)の構成の一例についても併せて説明する。
【0050】
〔i〕第1の実施形態に係る通信装置100
通信装置100は、接続部102と、第1フィルタ104(第1通信フィルタ)と、通信アンテナ106と、電力線通信部108と、管理部110と、第2フィルタ112(第2通信フィルタ)と、電力供給部114と、消費電力測定部116と、第3フィルタ118と、通信部120とを備える。
【0051】
また、通信装置100は、例えば、ROM(Read Only Memory。図示せず)や、RAM(Random Access Memory。図示せず)、記憶部(図示せず)、表示部(図示せず)などを備えてもよい。通信装置100は、例えば、データの伝送路としてのバス(bus)により各構成要素間を接続する。ここで、ROM(図示せず)は、例えば、管理部110が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM(図示せず)は、例えば、管理部110により実行されるプログラムなどを一時的に記憶する。
【0052】
記憶部(図示せず)は、電子装置200などの外部装置から取得した識別情報(後述する)や、アプリケーションなど、様々なデータを記憶する。ここで、記憶部(図示せず)としては、例えば、ハードディスクなどの磁気記録媒体や、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory)、フラッシュメモリ(flash memory)などの不揮発性メモリ(nonvolatile memory)が挙げられる。また、記憶部(図示せず)は、通信装置100から着脱可能であってもよい。
【0053】
表示部(図示せず)は、通信装置100が備える表示手段であり、表示画面に様々な情報(例えば、画像、および/または、文字など)を表示する。表示部(図示せず)の表示画面に表示される画面としては、例えば所望する動作を通信装置100に対して行わせるための操作画面などが挙げられる。ここで、表示部(図示せず)としては、例えば、LCD(Liquid Crystal Display)や有機ELディスプレイ(organic ElectroLuminescence display。または、OLEDディスプレイ(Organic Light Emitting Diode display)ともよばれる。)などが挙げられる。なお、表示部(図示せず)は、例えばタッチスクリーンなどのように、表示とユーザ操作とが可能なデバイスであってもよい。また、通信装置100は、表示部(図示せず)の有無に関わらず、通信装置100の外部装置としての表示デバイス(例えば、外部ディスプレイなど)と接続することもできる。
【0054】
また、通信装置100は、表示部(図示せず)を備えているか否かによらず、ネットワークを介して(または直接的に)外部端末と通信を行い、当該外部端末の表示画面に上記操作画面や様々な情報を表示させることも可能である。例えば、上記外部端末が通信装置100のユーザが所有する外部端末(例えば、携帯型通信装置やリモート・コントローラなど)である場合には、ユーザは、自己が所有する外部端末を操作して通信装置100に所望の処理を行わせることができ、また、当該外部端末を用いて通信装置100から送信される情報を確認することができる。よって、上記の場合には、例えば通信装置100が机の下に設置されているときなど、ユーザが通信装置100を直接操作したり、表示部(図示せず)に表示された情報をみることが容易ではないときであっても、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0055】
接続部102は、例えば端子を備え、電力線を外部装置に接続させる。ここで、本実施形態に係る“電力線を外部装置に接続させる”とは、例えば、図1に示すように外部装置(電子装置200)と接続された外部電力線EPLの先端のプラグと、接続部102が備える端子(例えばコンセント)とを物理的、電気的に繋ぐことや、延長コードをさらに介して外部電力線EPLと接続部102とを電気的に繋ぐことなどをいう。
【0056】
また、接続部102は、例えば、外部電力線EPLの接続状態の変化(未接続状態から接続状態への変化/接続状態から未接続状態への変化)を検出してもよい。接続部102が外部電力線EPLの接続状態の変化を検出する場合には、接続部102は、例えば、検出されたこと(検出結果)を示す検出信号を、管理部110へ伝達する。なお、後述する電力線通信部108が、検出信号の伝達に応じて高周波信号を送信する機能を有している構成である場合には、接続部102は、検出信号を電力線通信部108へ伝達してもよい。
【0057】
ここで、接続部102が外部電力線EPLの接続状態の変化を検出する場合、接続部102は、例えば、プラグの物理的な接続状態を検出するスイッチを備え、当該スイッチの状態が変化したときに検出信号を管理部110などに伝達する。なお、接続部102における外部電力線EPLの接続状態の変化の検出に係る構成が、上記に限られないことは、言うまでもない。
【0058】
第1フィルタ104は、電力線PLに接続され、電力線PLを介して伝送される信号のうち、所定の周波数の信号を遮断する。より具体的には、第1フィルタ104は、少なくとも電力の周波数の信号を遮断し、高周波信号を遮断しない。
【0059】
通信アンテナ106は、第1通信フィルタ104を介して伝達される高周波信号に応じた搬送波を送信する。また、通信アンテナ106は、外部装置から負荷変調によって送信された高周波信号(例えば、後述する識別情報を示す応答信号などに対応する。)を受信する。つまり、通信アンテナ106は、外部装置との間において非接触に信号の送受信を行う役目を果たす。
【0060】
図2は、第1の実施形態に係る通信装置100が備える第1フィルタ104と通信アンテナ106との構成の一例を示す説明図である。
【0061】
第1フィルタ104は、例えば、キャパシタC1およびインダクタL1が直列に接続されたバンドパスフィルタと、キャパシタC2およびインダクタL2が直列に接続されたバンドパスフィルタとを有する。ここで、キャパシタC1、キャパシタC2の静電容量の値と、インダクタL1、インダクタL2のインダクタンスの値とは、例えば、高周波信号の周波数に応じて設定される。より具体的には、キャパシタC1、キャパシタC2の静電容量の値と、インダクタL1、インダクタL2のインダクタンスの値とは、例えば、後述する数式1を満たすように設定される。
【0062】
なお、本実施形態に係る第1フィルタ104の構成は、図2に示す構成に限られない。例えば、第1フィルタ104は、高周波信号を遮断せず、電力の周波数の信号を遮断することが可能な、任意の構成のフィルタ(例えば、ハイパスフィルタなど)とすることが可能である。
【0063】
通信アンテナ106は、所定のインダクタンスを有するインダクタL3と、インダクタL3と並列に接続され、所定の静電容量を有するキャパシタC3(容量素子)とからなる、並列共振回路を有する。ここで、図2では、インダクタL3が、ループアンテナである例を示している。
【0064】
通信アンテナ106が図2に示す並列共振回路で構成される場合、例えばICカードやICチップを備える携帯電話などの外部装置が通信可能範囲にあるとき(例えば、外部装置が通信アンテナ106にかざされた場合)と、外部装置が通信可能範囲にないときとで、通信アンテナ106のインピーダンスが変化する。つまり、通信アンテナ106が図2に示す並列共振回路で構成される場合、外部装置が通信可能範囲にないときには、並列共振回路は開放状態となり、電力線PLにより伝送される高周波信号は、通信アンテナ106には伝達されない。一方、外部装置が通信可能範囲にあるときには、通信アンテナ106と外部装置が備えるアンテナ回路とが結合して負荷がかかることから、電力線PLにより伝送される高周波信号が、通信アンテナ106に伝達され、通信アンテナ106は、高周波信号に応じた搬送波を送信する。
【0065】
ここで、通信アンテナ106を構成する並列共振回路における共振周波数は、例えば、高周波信号の周波数に設定される。より具体的には、インダクタL3のインダクタンスの値Lと、キャパシタC3の静電容量の値Cとは、例えば、下記の数式1を満たすように設定される。ここで、数式1に示す“f”は、例えば13.56[MHz]などの高周波信号の周波数を示している。
【0066】
【数1】

【0067】
通信装置100は、例えば図2に示す構成の第1フィルタ104と通信アンテナ106とを備えることによって、本実施形態に係る電力線PLを介した無線通信を、外部装置との間で行うことができる。なお、第1の実施形態に係る通信装置100が備える第1フィルタ104と通信アンテナ106との構成は、図2に示す構成に限られない。
【0068】
図3は、第1の実施形態に係る通信装置100が備える第1フィルタ104と通信アンテナ106との構成の他の例を示す説明図である。
【0069】
第1フィルタ104は、図2に示す第1フィルタ104と同様に、例えば、キャパシタC1およびインダクタL1からなるバンドパスフィルタと、キャパシタC2およびインダクタL2からなるバンドパスフィルタとを有する。ここで、キャパシタC1、キャパシタC2の静電容量の値と、インダクタL1、インダクタL2のインダクタンスの値とは、例えば、高周波信号の周波数に応じて設定される。
【0070】
通信アンテナ106は、所定のインダクタンスを有するインダクタL3と、インダクタL3と直列に接続され、所定の静電容量を有するキャパシタC3(容量素子)とからなる、直列共振回路を有する。ここで、図3では、インダクタL3が、図2に示すインダクタL3と同様に、ループアンテナである例を示している。
【0071】
通信アンテナ106が図3に示す直列共振回路で構成される場合、例えばICカードやICチップを備える携帯電話などの外部装置が通信可能範囲にあるときと、外部装置が通信可能範囲にないときとで、通信アンテナ106のインピーダンスが変化する。つまり、通信アンテナ106が図3に示す直列共振回路で構成される場合、外部装置が通信可能範囲にないときには、直列共振回路は短絡状態となり、電力線PLにより伝送される高周波信号は、通信アンテナ106を介して接続部102へと伝達される。一方、外部装置が通信可能範囲にあるときには、通信アンテナ106と外部装置が備えるアンテナ回路とが結合して負荷がかかることから、電力線PLにより伝送される高周波信号が、通信アンテナ106に伝達される。
【0072】
よって、通信装置100は、例えば図3に示す構成の第1フィルタ104と通信アンテナ106とを備えることによって、本実施形態に係る電力線PLを介した無線通信を、外部装置との間で行うことができる。ここで、通信アンテナ106を構成する直列共振回路における共振周波数は、例えば、高周波信号の周波数に設定される。より具体的には、インダクタL3のインダクタンスの値Lと、キャパシタC3の静電容量の値Cとは、例えば、上記数式1を満たすように設定される。
【0073】
なお、通信アンテナ106が図3に示す直列共振回路で構成される場合には、直列共振回路を構成するキャパシタC3によって、電力線PLにより伝達される電力が高電圧の信号であったとしても、当該電力を遮断することが可能である。よって、通信アンテナ106が図3に示す直列共振回路で構成される場合には、通信装置100は、第1フィルタ104を備えない構成をとってもよい。
【0074】
また、通信アンテナ106が図3に示す直列共振回路で構成される場合、通信装置100は、第1フィルタ104が電力線PLに接続される2つの接点間に、高周波信号を遮断し、電力の周波数の信号を遮断しないフィルタ122をさらに備える。ここで、図3では、フィルタ122が、キャパシタC4とインダクタL4とが並列に接続されたバンドストップフィルタである例を示している。キャパシタC4の静電容量の値と、インダクタL4のインダクタンスの値とは、例えば、高周波信号の周波数に応じて設定される。
【0075】
なお、本実施形態に係るフィルタ122の構成は、図3に示す構成に限られない。例えば、フィルタ122は、電力の周波数の信号を遮断せず、高周波信号を遮断することが可能な、任意の構成のフィルタ(例えばローパスフィルタなど)とすることが可能である。
【0076】
再度図1を参照して、第1の実施形態に係る通信装置100の構成の一例について説明する。電力線通信部108は、電源線PLを介して電子装置200などの外部装置との間で通信を行う役目を果たす。
【0077】
図4は、第1の実施形態に係る通信装置100が備える電力線通信部108の構成の一例を示す説明図である。ここで、図4では、管理部110と第2フィルタ112とを併せて示している。電力線通信部108は、例えば、高周波信号生成部150と、復調部152とを備え、NFCなどにおけるリーダ/ライタ(または質問器)としての役目を果たす。また、電力線通信部108は、例えば、暗号化回路(図示せず)や通信衝突防止(アンチコリジョン)回路などをさらに備えてもよい。
【0078】
高周波信号生成部150は、例えば管理部110から伝達される高周波信号生成命令を受け、高周波信号生成命令に応じた高周波信号を生成する。また、高周波信号生成部150は、例えば管理部110から伝達される、高周波信号の送信停止を示す高周波信号送信停止命令を受け、高周波信号を生成を停止する。ここで、図4では、高周波信号生成部150として交流電源が示されているが、本実施形態に係る高周波信号生成部150は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波信号生成部132は、ASK変調(Amplitude Shift Keying)を行う変調回路(図示せず)と、変調回路の出力を増幅する増幅回路(図示せず)とを備えていてもよい。
【0079】
ここで、高周波信号生成部150が生成する高周波信号としては、例えば、第1高周波信号や、第2高周波信号が挙げられる。本実施形態に係る第1高周波信号とは、例えば、外部装置に識別情報を送信させるための送信命令を含む高周波信号である。また、本実施形態に係る第2高周波信号とは、例えば、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置(すなわち、電力線PLにより有線で接続された外部装置や、電力線PLに接続されたアンテナを介して行う無線通信を行った外部装置)に、所定の処理を行わせるための処理実行命令や、処理するデータなどを含む高周波信号である。
【0080】
また、本実施形態に係る識別情報とは、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置の識別に用いることが可能な情報(データ)である。識別情報としては、例えば、装置固有の識別番号を示すデータや、装置の種類を示すデータ(例えばメーカや型番などを示すデータ)が挙げられる。なお、本実施形態に係る識別情報は、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置の識別に用いることが可能な情報であれば、上記の例に限られない。
【0081】
なお、本実施形態に係る高周波信号は、上記に限られない。例えば、本実施形態に係る高周波信号は、外部装置(より具体的には、例えば、後述する電子装置200が備える電力線通信部204などの、本実施形態に係る有線通信、無線通信を行うために外部装置が備えるデバイス)に対して電力供給を行う役目を果たす信号(例えば、無変調の信号)であってもよい。なお、上記電力供給を行う役目を果たす信号は、第1高周波信号としての役目を果たすことも可能である(すなわち、第1高周波信号が無変調の信号の場合)。
【0082】
復調部152は、例えば、高周波信号生成部150と第2フィルタ112との間における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、電子装置200などの外部装置から送信される応答信号(より具体的には、例えば、負荷変調により送信される応答信号)を復調する。そして、復調部152は、復調した応答信号(例えば、識別情報を示す応答信号や、第2高周波信号に応じた処理に基づく応答を示す応答信号)を、管理部110へ伝達する。なお、復調部152における応答信号の復調手段は、上記に限られず、例えば、高周波信号生成部150と第2フィルタ112との間における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調することもできる。
【0083】
なお、第1の実施形態に係る電力線通信部108の構成は、図4に示す構成に限られない。図5は、第1の実施形態に係る通信装置100が備える電力線通信部108の構成の他の例を示す説明図である。ここで、図5では、図4と同様に、管理部110と第2フィルタ112とを併せて示している。
【0084】
図5に示す電力線通信部108は、高周波信号生成部150と、復調部152と、第1高周波送受信部154と、第2高周波送受信部156とを備える。また、電力線通信部108は、例えば、暗号化回路(図示せず)や通信衝突防止(アンチコリジョン)回路などをさらに備えてもよい。
【0085】
高周波信号生成部150は、図4に示す高周波信号生成部150と同様に、高周波信号生成命令に応じた高周波信号を生成し、高周波信号送信停止命令に応じて高周波信号の生成を停止する。
【0086】
復調部152は、高周波信号生成部150のアンテナ端における電圧の振幅変化を包絡線検波し、検波した信号を2値化することによって、電子装置200から送信される応答信号を復調する。なお、復調部152における応答信号の復調手段は、上記に限られない。例えば、復調部152は、高周波信号生成部150のアンテナ端における電圧の位相変化を用いて応答信号を復調してもよい。
【0087】
第1高周波送受信部154は、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL5と所定の静電容量を有するキャパシタC5とを備え、共振回路を構成する。ここで、第1高周波送受信部154の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第1高周波送受信部154は、上記構成により、高周波信号生成部150が生成した高周波信号を送信し、また、第2高周波送受信部156から送信される、電子装置200などの外部装置から送信された応答信号を受信する。つまり、第1高周波送受信部154は、電力線通信部108内における第1の通信アンテナとしての役目を果たす。
【0088】
第2高周波送受信部156は、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL6と所定の静電容量を有するキャパシタC6とを備え、共振回路を構成する。ここで、第2高周波送受信部156の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第2高周波送受信部156は、上記構成により、第1高周波送受信部154から送信された高周波信号を受信し、また、電子装置200などの外部装置から送信された応答信号を送信する。つまり、第2高周波送受信部156は、電力線通信部108内における第2の通信アンテナとしての役目を果たす。
【0089】
第1の実施形態に係る電力線通信部108は、図5に示す構成であっても、図4に示す構成と同様に、NFCなどにおけるリーダ/ライタとしての役目を果たし、電源線PLを介して電子装置200などの外部装置との間で通信を行う役目を果たすことができる。
【0090】
再度図1を参照して、第1の実施形態に係る通信装置100の構成について説明する。管理部110は、MPU(Micro Processing Unit)や、各種処理回路が集積された集積回路などで構成され、通信装置100の各部を制御する制御部としての役目を果たす。より具体的には、管理部110は、例えば、接続部102から伝達される検出信号や、電力線通信部108から伝達される電子装置200などの外部装置からの応答信号に基づいて、高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達して、電力線通信部108における通信を制御する。
【0091】
管理部110が、例えば、上記検出信号に基づいて、高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、通信装置100は、実際に電力線PLを介して有線で接続されている電子装置200などの外部装置と通信を行うことができる。また、管理部110が、上記のように高周波信号生成命令や高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、電力線通信部108は、例えば、接続部102における検出結果に基づいて第1高周波信号を送信することが可能となる。
【0092】
また、管理部110が、上記応答信号に基づいて高周波信号生成命令や、高周波信号送信停止命令を電力線通信部108に対して伝達することによって、管理部110は、外部装置との間における電力線PLによる有線通信と、外部装置との間における電力線PLを介した無線通信とを制御することができる。なお、管理部110は、定期的/非定期的に高周波信号生成命令を電力線通信部108に対して伝達して、電力線通信部108に第1高周波信号を定期的/非定期的に送信させてもよい。
【0093】
また、管理部110は、例えば、電力供給部114に対して、電力供給部114における電力線PLへの選択的な電力の供給を制御する制御信号を伝達することによって、電力供給部114の動作を制御する。
【0094】
また、管理部110は、例えば、消費電力測定部116に対して、消費電力測定部116における、電子装置200などの電力線PLにより有線で接続された外部装置が消費する消費電力の測定の開始や、当該消費電力の測定の停止を制御する制御信号を伝達することによって、消費電力測定部116の動作を制御する。
【0095】
また、管理部110は、通信部120における通信を制御してもよい。
【0096】
なお、本実施形態に係る通信装置100は、例えば電力供給部114や消費電力測定部116、通信部120などの、通信装置100の各部を制御する制御部(図示せず)を別途備える構成をとることも可能である。
【0097】
また、管理部110は、電力線通信部108が電力線PLを介して電子装置200などの外部装置から受信した識別情報に基づいて、電力線PLにより有線で接続された外部装置、または、電力線PLに接続されたアンテナを介して行う無線通信を行った外部装置を特定する。ここで、管理部110は、上記のように、受信した識別情報に基づいて通信対象の外部装置を特定することが可能であるので、識別情報を用いて通信対象の外部装置を認証してもよい。管理部110は、例えば、識別情報と実行可能な処理の種別とが対応付けられたデータベースと、受信した識別情報とに基づいて、通信対象の外部装置を認証するが、管理部110における認証方法は、上記に限られない。例えば、管理部110は、通信対象の外部装置を認証することができれば、任意の方法を用いて通信対象の外部装置を認証することが可能である。
【0098】
第2フィルタ112は、電力線通信部108と電力線PLとの間に接続され、電力線PLから伝達される信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第2フィルタ112は、電力線PLから伝達される信号のうち、少なくとも電力線PLにより伝送される電力を遮断し、高周波信号を遮断しない機能を有する。通信装置100は、第2フィルタ112を備えることによって、ノイズとなりうる電力を電力線通信部108へ伝達しないので、電力線通信部108と、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置との間の通信の精度を向上させることができる。
【0099】
図6は、第1の実施形態に係る通信装置100が備える第2フィルタ112の構成の一例を示す説明図である。第2フィルタ112は、例えば、インダクタL7、L8と、キャパシタC7〜C9と、サージアブソーバSA1〜SA3とで構成される。なお、本実施形態に係る第2フィルタ112の構成が、図6に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0100】
再度図1を参照して、第1の実施形態に係る通信装置100の構成について説明する。電力供給部114は、管理部110(または、別途の制御部(図示せず)を備える場合には、当該制御部)から伝達される制御信号に基づいて、内部電源(図示せず)または外部電源400と電力線PLとを選択的に接続し、電力線PLに選択的に電力を供給する。ここで、電力供給部114としては、例えば、制御信号に基づいてオン/オフするスイッチが挙げられる。ここで、上記スイッチは、例えば、pチャネル型のMOSFET(Metal-Oxide-Semiconductor Field-Effect Transistor)や、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、上記スイッチの構成は、上記に限られない。なお、第1の実施形態に係る通信装置100は、電力供給部114を備えない構成であってもよい。
【0101】
消費電力測定部116は、接続部102を介して電力線PLに接続された、電子装置200などの外部装置が消費している消費電力を測定する。そして、消費電力測定部116は、測定した消費電力の情報を管理部110へ伝達する。また、消費電力測定部116は、管理部110(または、別途の制御部(図示せず)を備える場合には、当該制御部)から伝達される制御信号に基づいて、選択的に消費電力の測定を行ってもよい。ここで、消費電力測定部116としては、例えば消費電力測定器が挙げられる。なお、第1の実施形態に係る通信装置100は、消費電力測定部116を備えない構成であってもよい。
【0102】
第3フィルタ118は、接続部102と消費電力測定部116との間の電力線PL上に設けられ、接続部102側から伝達されうる信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第3フィルタ118は、少なくとも電力線通信部108が送信する高周波信号や、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置により送信される高周波信号を遮断し、接続部102を介して電力線PLに接続された電子装置200などの外部装置に供給される電力を遮断しない機能を有する。通信装置100は、第3フィルタ118を備えることによって、電力線を介した通信に係る高周波信号や、接続部102を介して電力線PLに接続された電子装置200などの外部装置側から伝達されうる雑音成分を遮断することができる。つまり、第3フィルタ118は、いわゆるパワースプリッタとしての役目を果たす。
【0103】
図7は、第1の実施形態に係る通信装置100が備える第3フィルタ118の構成の一例を示す説明図である。第3フィルタ118は、インダクタL9、L10と、キャパシタC10と、サージアブソーバSA4とで構成される。なお、本実施形態に係る第3フィルタ118の構成が、図7に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0104】
通信部120は、通信装置100が備える通信手段であり、サーバ300と有線または無線で通信を行う。また、通信部120は、管理部110(または、別途の制御部(図示せず)を備える場合には、当該制御部)により通信が制御される。ここで、通信部120としては、例えば、LAN(Local Area Network)端子および送受信回路や、IEEE802.11gポートおよび送受信回路、IEEE802.15.4ポートおよび送受信回路、通信アンテナおよびRF(Radio Frequency)回路などが挙げられる。なお、第1の実施形態に係る通信部120の構成は、上記に限られない。例えば、通信部120は、ネットワークを介して(または直接的に)サーバ300などの外部装置と通信可能な任意の構成をとることができる。なお、第1の実施形態に係る通信装置100は、通信部120を備えない構成であってもよい。
【0105】
第1の実施形態に係る通信装置100は、電力と高周波信号とが伝送される電力線PLを介して、および、電力線PLと電気的に接続される通信アンテナ106を介して、高周波信号を送信する。また、通信装置100は、電力線PLにより有線で接続された外部装置、または、通信アンテナ106を介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置から、負荷変調により送信された信号を受信する。つまり、通信装置100は、例えば図1に示す構成によって、本実施形態に係る通信方法に係る処理(例えば、(1)の処理(送信処理)、および(2)の処理(受信処理))を行うことができる。
【0106】
したがって、通信装置100は、例えば図1に示す構成によって、電力線PLによる有線通信と、電力線PLに接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことができる。
【0107】
〔ii〕電子装置200
次に、図1に示す本実施形態に係る電子装置200について説明する。電子装置200は、電力線を介して供給される電力により、自装置が有する機能に応じた処理や動作を行う。
【0108】
また、電子装置200は、電力線PLを介した電力の供給の有無によらず、例えば、電力線PLを介して受信した高周波信号から電力を得て駆動し、通信装置100との間で電力線を介した有線通信を行う。
【0109】
より具体的には、電子装置200は、例えば、第1高周波信号を受信した場合には、第1高周波信号から得られた電力を用いて、記憶している識別情報を読み出す。そして、電子装置200は、上記電力を用いた負荷変調によって、識別情報を、高周波信号として電力線PLに重畳させることによって送信する。
【0110】
また、電子装置200は、第2高周波信号を受信した場合には、第2高周波信号から得られた電力を用いて、第2高周波信号が要求する所定の処理を行う。そして、電子装置200は、上記電力を用いた負荷変調によって、所定の処理に応じた応答信号を、高周波信号として電力線PLに重畳させることによって送信する。ここで、電子装置200が行う第2高周波信号が要求する所定の処理としては、例えば、記憶する電子バリューの値の送信や当該電子バリューの値の更新などの課金処理に係る処理などが挙げられる。なお、本実施形態に係る電子装置200が行う第2高周波信号が要求する所定の処理は、上記課金処理に限られない。例えば、電子装置200は、電子装置200の主電源をオン/オフさせる、省電力モードへ移行させるなどの電源を制御させる処理や、認証処理などを、受信した第2高周波信号に基づいて行うことができる。
【0111】
図1を参照すると、電子装置200は、第1フィルタ202と、電力線通信部204と、第2フィルタ206とを備える。
【0112】
また、電子装置200は、第2フィルタ206の後段(図1に示す第2フィルタ206における通信装置100と反対側)に、例えば、バッテリ(図示せず)や、電子装置200が有する機能を実現するための各種デバイス(図示せず)などを備える。つまり、電子装置200は、例えば、通信装置100から電力線PLを介して供給される電力に応じた電力を上記バッテリ(図示せず)に充電することができ、また、当該供給される電力を用いて電子装置200が有する機能を実現する。例えば、電子装置200が、電気自動車(Electric Vehicle:EV)などの車両である場合には、電子装置200は、例えば、電力供給を受けて内蔵するバッテリを充電し、バッテリの電力を使ってモータを駆動させる。また、電子装置200が、画像(動画像/静止画像)および/または文字を表示することが可能な表示デバイスを備える場合には、電子装置200は、電力供給を受けて、表示デバイスの表示画面に、画像や文字を表示させる。
【0113】
第1フィルタ202は、電力線(厳密には、電子装置200内の外部電力線EPL。以下、同様とする。)と電力線通信部204との間に接続され、電力線から伝達される信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第1フィルタ202は、電力線から伝達される信号のうち、少なくとも電力を遮断し、高周波信号を遮断しない機能を有する。電子装置200は、第1フィルタ202を備えることによってノイズとなりうる電力を電力線通信部204へ伝達しないので、通信装置100の電力線通信部108と電力線通信部204との間の通信の精度を向上させることができる。
【0114】
ここで、第1フィルタ202は、例えば図6に示す通信装置100が備える第2フィルタ112と同様の構成をとることができる。なお、本実施形態に係る電子装置200が備える第1フィルタ202の構成が、図6に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0115】
電力線通信部204は、高周波信号によって電力線を介して通信装置100と通信を行う。より具体的には、電力線通信部204は、通信装置100から送信された高周波信号を受信した場合には、当該高周波信号から電力を得て駆動して受信した高周波信号が示す処理を行う。そして、電力線通信部204は、上記処理に応じた応答信号を、負荷変調によって高周波信号として送信する。例えば、電力線通信部204は、第1高周波信号を受信した場合、第1高周波信号に応じて、記憶する識別情報を、負荷変調によって電力線に重畳させて送信する。また、電力線通信部204は、例えば、第2高周波信号を受信した場合、第2高周波信号に基づく処理を行い、当該処理に基づく応答信号を電力線に重畳させて送信する。つまり電力線通信部204は、NFCなどにおける応答器としての役目を果たすこととなる。
【0116】
図8は、本実施形態に係る電子装置200が備える電力線通信部204の構成の一例を示す説明図である。ここで、図8では、第1フィルタ202を併せて示している。電力線通信部204は、受信された高周波信号を復調して処理し、負荷変調により応答信号を送信させるICチップ220を備える。なお、本実施形態に係る電力線通信部204は、図8に示すICチップ220を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
【0117】
ICチップ220は、検出部222と、検波部224と、レギュレータ226と、復調部228と、データ処理部230と、負荷変調部232とを備える。なお、図8では示していないが、ICチップ220は、例えば、過電圧や過電流がデータ処理部230に印加されることを防止するための保護回路(図示せず)をさらに備えていてもよい。ここで、保護回路(図示せず)としては、例えば、ダイオード等で構成されたクランプ回路が挙げられる。
【0118】
また、ICチップ220は、ROM234や、RAM236、内部メモリ238などを備える。データ処理部230と、ROM234、RAM236、内部メモリ238とは、例えば、データの伝送路としてのバス240によって接続される。
【0119】
ROM234は、データ処理部230が使用するプログラムや演算パラメータなどの制御用データを記憶する。RAM236は、データ処理部230により実行されるプログラム、演算結果、実行状態などを一時的に記憶する。
【0120】
内部メモリ238は、ICチップ220が備える記憶手段であり、例えば耐タンパ性を有し、データ処理部230によって、データの読出しや、データの新規書込み、データの更新が行われる。内部メモリ238には、例えば、識別情報や電子バリュー、アプリケーションデータなど様々なデータが記憶される。ここで、図8は、内部メモリ238が識別情報250と電子バリュー252とを記憶している例を示している。
【0121】
検出部222は、高周波信号に基づいて、例えば矩形の検出信号を生成し、当該検出信号をデータ処理部230へ伝達する。また、データ処理部230は、伝達される上記検出信号を、例えば、データ処理のための処理クロックとして用いる。ここで、上記検出信号は、通信装置100から送信される高周波信号に基づくものであるので、当該高周波信号の周波数と同期することとなる。したがって、ICチップ220は、検出部222を備えることによって、通信装置100との間の処理を、通信装置100と同期して行うことができる。
【0122】
検波部224は、受信した高周波信号に応じた電圧(以下、「受信電圧」とよぶ場合がある)を整流する。ここで、検波部224は、例えば、ダイオードD1と、キャパシタC11とで構成されるが、検波部224の構成は、上記に限られない。
【0123】
レギュレータ226は、受信電圧を平滑、定電圧化し、データ処理部230へ駆動電圧を出力する。ここで、レギュレータ226は、例えば、受信電圧の直流成分を駆動電圧として用いる。
【0124】
復調部228は、受信電圧に基づいて高周波信号を復調し、高周波信号に対応するデータ(例えば、ハイレベルとローレベルとの2値化されたデータ信号)を出力する。ここで、復調部228は、例えば、受信電圧の交流成分をデータとして出力する。
【0125】
データ処理部230は、レギュレータ226から出力される駆動電圧を電源として駆動し、復調部228において復調されたデータの処理を行う。ここで、データ処理部230は、例えば、MPUで構成されるが、データ処理部230の構成は、上記に限られない。
【0126】
また、データ処理部230は、通信装置100への応答に係る負荷変調を制御する制御信号を処理結果に応じて選択的に生成する。そして、データ処理部230は、制御信号を負荷変調部232へと選択的に出力する。
【0127】
負荷変調部232は、例えば、負荷ZとスイッチSW1とを備え、データ処理部230から伝達される制御信号に応じて負荷Zを選択的に接続する(有効化する)ことによって負荷変調を行う。ここで、負荷Zは、例えば、所定の抵抗値を有する抵抗で構成されるが、負荷Zの構成は、上記に限られない。また、スイッチSW1は、例えば、pチャネル型のMOSFETや、nチャネル型のMOSFETで構成されるが、スイッチSW1の構成は、上記に限られない。
【0128】
ICチップ220は、例えば図8に示す構成によって、受信した高周波信号を処理し、負荷変調によって応答信号を電力線に重畳させて送信させる。なお、本実施形態に係るICチップ220の構成が、図8に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0129】
電力通信部204は、例えば図8に示す構成によって、受信した高周波信号から電力を得て駆動して受信した高周波信号が示す処理を行い、負荷変調によって当該処理に応じた応答信号を送信することができる。
【0130】
なお、本実施形態に係る電力通信部204の構成は、図8に示す構成に限られない。図9は、本実施形態に係る電子装置200が備える電力線通信部204の他の例を示す説明図である。ここで、図9では、図8と同様に、第1フィルタ202を併せて示している。なお、本実施形態に係る電力通信部204は、図9に示すICチップ220を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
【0131】
図9に示す電力通信部204は、第1高周波送受信部242と、第2高周波送受信部244と、ICチップ220とを備える。
【0132】
第1高周波送受信部242は、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL11と所定の静電容量を有するキャパシタC12とを備え、共振回路を構成する。ここで、第1高周波送受信部242の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第1高周波送受信部242は、上記構成により、第1フィルタ202から伝達される高周波信号を送信し、また、第2高周波送受信部244から送信される応答信号を受信する。つまり、第1高周波送受信部242は、電力線通信部204内における第1の通信アンテナとしての役目を果たす。
【0133】
第2高周波送受信部244は、例えば、所定のインダクタンスをもつインダクタL12と所定の静電容量を有するキャパシタC13とを備え、共振回路を構成する。ここで、第2高周波送受信部244の共振周波数としては、例えば、13.56[MHz]などの高周波信号の周波数が挙げられる。第2高周波送受信部244は、上記構成により、第1高周波送受信部242から送信された高周波信号を受信し、また、応答信号を送信する。より具体的には、第2高周波送受信部244は、高周波信号の受信に応じて電磁誘導により誘起電圧を生じさせ、所定の共振周波数で誘起電圧を共振させた受信電圧をICチップ220へと出力する。また、第2高周波送受信部244は、ICチップ220が備える負荷変調部232において行われる負荷変調によって応答信号の送信を行う。つまり、第2高周波送受信部244は、電力線通信部204内における第2の通信アンテナとしての役目を果たす。
【0134】
ICチップ220は、図8に示すICチップ220と同様の構成を有し、第2高周波送受信部244から伝達される受信電圧に基づいて、図8に示すICチップ220と同様に処理を行う。
【0135】
電力通信部204は、図9に示す構成であっても、図8に示す構成と同様に、受信した高周波信号から電力を得て駆動して受信した高周波信号が示す処理を行い、負荷変調によって当該処理に応じた応答信号を送信することができる。また、電力通信部204が図9に示す構成を有する場合には、NFCやRFIDに係るICチップを流用することが可能であるので、実装がより容易となるという利点がある。
【0136】
再度図1を参照して、本実施形態に係る電子装置200の構成について説明する。第2フィルタ206は、外部電力線EPLを介して通信装置100側から伝達されうる信号をフィルタリングする役目を果たす。より具体的には、第2フィルタ206は、少なくとも通信装置100により送信される高周波信号や、電力線通信部204が送信する高周波信号を遮断し、電力線を介して供給される電力を遮断しない機能を有する。電子装置200は、第2フィルタ206を備えることによって、電力線を介した通信に係る高周波信号や、雑音成分を遮断することができる。つまり、第2フィルタ206は、通信装置100が備える第3フィルタ118と同様に、いわゆるパワースプリッタとしての役目を果たす。
【0137】
ここで、第2フィルタ206は、例えば図7に示す通信装置100が備える第3フィルタ118と同様の構成をとることができる。なお、本実施形態に係る第2フィルタ206の構成が、図7に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0138】
電子装置200は、例えば図1に示す構成によって、通信装置100との間において、本実施形態に係る電力線PLによる有線通信を行うことができる。なお、本実施形態に係る電子装置200の構成が、図1に示す構成に限られないことは、言うまでもない。
【0139】
〔iii〕本実施形態に係る電力線PLに接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置
次に、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置の構成の一例について説明する。本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置は、例えば、図9に示す第2高周波送受信部244と同様の構成を有する通信アンテナと、図9に示すICチップ220と同様の構成を有するICチップとを備える。なお、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置は、図9に示すICチップ220を構成する各構成要素を、ICチップの形態で備えていなくてもよい。
【0140】
例えば上記のような構成を有する装置は、NFCによる通信を行うことが可能である。よって、例えば上記のような構成によって、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置が実現される。
【0141】
なお、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置の構成は、上記に示す構成に限られない。例えば、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置としては、ICカードや、ICチップを備える携帯電話など、NFCによる通信を行うことが可能な任意の装置が挙げられる。よって、本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信を行うことが可能な外部装置は、例えば、通話機能や画像処理機能などの様々な機能を実現するためのデバイスをさらに備えていてもよい。
【0142】
[II]第2の実施形態に係る通信装置
例えば図1に示す、第1の実施形態に係る通信装置100の構成によって、本実施形態に係る通信方法に係る処理を実現することができる。よって、例えば図1に示す、第1の実施形態に係る通信装置100の構成によって、電力線PLによる有線通信と、電力線PLに接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方による外部装置との通信が実現される。しかしながら、本実施形態に係る通信方法に係る処理を実現することが可能な、本実施形態に係る通信装置の構成は、図1に示す構成に限られない。
【0143】
例えば、上記では、第1の実施形態に係る通信装置として、高周波信号を生成して送信する電力線通信部108を備える通信装置100を示したが、本実施形態に係る通信装置は、管理装置などの他の装置により生成された高周波信号を電力線PLを介して受信し、受信した高周波信号を、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置に送信する構成であってもよい。また、上記の構成の場合、本実施形態に係る通信装置は、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置から送信された応答信号を受信し、例えば、受信した応答信号を、高周波信号を生成した装置へと電力線PLを介して伝送する。つまり、本実施形態に係る通信装置は、高周波信号を生成する管理装置などの他の装置と、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置との間の通信を中継する中継装置の役目を果たすことが可能である。
【0144】
そこで、次に、上記中継装置の役目を果たすことが可能な、第2の実施形態に係る通信装置の構成の一例について、説明する。
【0145】
図10は、第2の実施形態に係る通信装置500の構成の一例を説明するための説明図である。ここで、図10では、外部電源400と、電力線PLにより通信装置500と接続されている管理装置600とを併せて示している。以下、通信装置500の構成の一例について説明すると共に、本実施形態に係る管理装置600の構成の一例についても併せて説明する。
【0146】
〔iv〕第2の実施形態に係る通信装置500
通信装置500は、接続部102と、第1フィルタ104(第1通信フィルタ)と、通信アンテナ106とを備える。ここで、接続部102、第1フィルタ104、および通信アンテナ106は、例えば、それぞれ図1に示す第1の実施形態に係る通信装置100が備える接続部102、第1フィルタ104、および通信アンテナ106と同様の構成をとる。
【0147】
図10に示す構成によって、第2の実施形態に係る通信装置500は、電力と高周波信号とが伝送される電力線PLを介して、および、電力線PLと電気的に接続される通信アンテナ106を介して、高周波信号を送信する。また、通信装置500は、電力線PLにより有線で接続された外部装置、または、通信アンテナ106を介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置から、負荷変調により送信された信号を受信する。つまり、通信装置500は、例えば図10に示す構成によって、本実施形態に係る通信方法に係る処理(例えば、(1)の処理(送信処理)、および(2)の処理(受信処理))を行うことができる。
【0148】
したがって、第2の実施形態に係る通信装置500は、例えば図10に示す構成によって、電力線PLによる有線通信と、電力線PLを介した無線通信との双方で外部装置と直接的に通信を行うことができる。
【0149】
また、通信装置500は、例えば、電力線PLの先端にプラグを備える。上記プラグが管理装置600の接続部(後述する)の端子(例えばコンセント)に接続されることによって、通信装置500と管理装置600とは、電力線PLにより接続される。なお、通信装置500と管理装置600とは、例えば、延長コードなどを介して接続されてもよい。
【0150】
〔v〕管理装置600
管理装置600は、電力線PLにより通信装置500と接続され、通信装置500を介して間接的に、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置と、通信を行う。
【0151】
管理装置600は、例えば、接続部602と、電力線通信部108と、管理部110と、第2フィルタ112(第2通信フィルタ)と、電力供給部114と、消費電力測定部116と、第3フィルタ118と、通信部120とを備える。ここで、接続部602は、例えば、図1に示す第1の実施形態に係る通信装置100が備える接続部102と同様の構成をとる。また、電力線通信部108、管理部110、第2フィルタ112、電力供給部114、消費電力測定部116、第3フィルタ118、および通信部120は、例えば、それぞれ図1に示す第1の実施形態に係る通信装置100が備える電力線通信部108、管理部110、第2フィルタ112、電力供給部114、消費電力測定部116、第3フィルタ118、および通信部120と同様の構成をとる。
【0152】
図1に示す第1の実施形態に係る通信装置100が備える電力線通信部108と同様の構成、機能を有する電力線通信部108を備えることによって、管理装置600は、電源線PLを介して(より厳密には、通信装置500を介して)、電子装置200などの本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置との間で間接的に通信を行うことができる。
【0153】
なお、本実施形態に係る管理装置600の構成は、図10に示す構成に限られない。例えば、本実施形態に係る管理装置600は、管理装置600の各部を制御する制御部(図示せず)を備えていてもよい。また、本実施形態に係る管理装置600は、図10に示す電力供給部114や、消費電力測定部116、通信部120を備えない構成をとることも可能である。
【0154】
例えば図10に示す構成によって、通信装置500は、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置と直接的に通信を行うことができ、また、管理装置600は、本実施形態に係る有線通信、無線通信の通信対象の外部装置と間接的に通信を行うことができる。したがって、例えば図10に示す通信装置500と管理装置600によって、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことが可能な、通信システムが実現される。
【0155】
以上のように、本実施形態に係る通信装置は、本実施形態に係る通信方法に係る処理として、例えば、(1)の処理(送信処理)、および(2)の処理(受信処理)を行う。ここで、本実施形態に係る通信装置は、NFCによる通信技術やRFID技術などの無線通信技術を、電力線による有線通信に適用する。上記によって、例えば、既存のPLCを用いた電力線による有線通信が用いられる場合よりも、コストの低減や、通信デバイスのサイズの制限の緩和、消費電力の低減などを図ることが可能な、有線通信が実現される。また、本実施形態に係る通信装置は、さらに、電力線と電気的に接続される通信アンテナを介して、外部装置と非接触に通信を行う。上記によって、本実施形態に係る通信装置は、既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合よりも、外部装置と通信を行うためのデバイスのコストをより低減することができる。また、本実施形態に係る通信装置は、既存の無線通信技術に係る通信デバイスをさらに備える場合よりも、通信の管理をより容易に行うことができる。
【0156】
したがって、本実施形態に係る通信装置は、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことができる。
【0157】
また、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置を介して間接的に外部装置と通信を行う本実施形態に係る管理装置)は、本実施形態に係る電力線による有線通信、または本実施形態に係る電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信により外部装置から取得した識別情報に基づいて、通信対象の外部装置を特定し、また、当該外部装置を認証することが可能である。よって、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置を介して間接的に外部装置と通信を行う本実施形態に係る管理装置)は、認証の結果に応じて処理を行うことができる。ここで、認証の結果に応じて行われる処理としては、例えば、認証が正常になされた場合に、接続部を介して電力線に接続された外部装置に対して選択的に電力を供給する処理や、供給した電力に応じた課金処理(第2高周波信号を用いた処理の一例)などが挙げられる。
【0158】
ここで、本実施形態に係る通信装置は、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うことが可能である。つまり、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置を介して間接的に外部装置と通信を行う本実施形態に係る管理装置)に、外部装置の特定や認証を行わせるための通信手段が複数存在する。よって、仮に、本実施形態に係る電力線による有線通信を行うことができない外部装置が、電力線により有線で接続された場合であっても、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置を介して間接的に外部装置と通信を行う本実施形態に係る管理装置)は、例えば、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信によって取得された識別情報に基づいて外部装置の認証を行い、認証の結果に応じて処理を行うことができる。
【0159】
したがって、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置と本実施形態に係る管理装置とを有する、本実施形態に係る通信システム)は、ユーザの利便性の向上を図ることができる。
【0160】
さらに、本実施形態に係る通信装置は、電力線による有線通信と、電力線に接続されたアンテナを介して行う無線通信との双方で外部装置と通信を行うので、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置を介して間接的に外部装置と通信を行う本実施形態に係る管理装置)は、本実施形態に係る有線通信、無線通信を外部装置との間で行うための高周波信号を生成、送信する電力線通信部を、複数備える必要はない。したがって、本実施形態に係る通信装置(または、本実施形態に係る通信装置を介して間接的に外部装置と通信を行う本実施形態に係る管理装置)は、構成をより簡略化することができる。
【0161】
以上、本実施形態として、第1の実施形態に係る通信装置100、第2の実施形態に係る通信装置500を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PC(Personal Computer)や、サーバなどのコンピュータ、電源タップ、電気自動車(EV)や電力で動く機器などに対して電力を供給可能な給電装置、表示装置など、様々な機器に適用することができる。また、本実施形態は、例えば、給電装置の役目を果たす車両に適用することもできる。
【0162】
また、本実施形態として、電子装置200を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PCなどのコンピュータや、携帯電話やスマートフォンなどの通信装置、映像/音楽再生装置(または映像/音楽記録再生装置)、ゲーム機、表示装置、テレビ受像機、照明機器、トースター、電気自動車(EV)などの車両など、電力で動く様々な機器に適用することができる。
【0163】
また、本実施形態として、サーバ300を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PCやサーバなどのコンピュータや、クラウドコンピューティングなどのネットワークへの接続を前提としたシステムを構成するコンピュータ群などに適用することができる。
【0164】
また、本実施形態として、管理装置600を挙げて説明したが、本実施形態は、かかる形態に限られない。本実施形態は、例えば、PCや、サーバなどのコンピュータや、電力で動く機器などに対して電力を供給可能な給電装置など、様々な機器に適用することができる。
【0165】
以上、添付図面を参照しながら本開示の好適な実施形態について詳細に説明したが、本開示の技術的範囲はかかる例に限定されない。本開示の技術分野における通常の知識を有する者であれば、特許請求の範囲に記載された技術的思想の範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、これらについても、当然に本開示の技術的範囲に属するものと了解される。
【0166】
なお、以下のような構成も本開示の技術的範囲に属する。
(1)
所定の周波数の電力と、前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を、外部装置に接続させる接続部と、
前記電力線に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、
前記第1通信フィルタを介して伝達される前記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、
を備える、通信装置。
(2)
前記通信アンテナは、
所定のインダクタンスを有するインダクタと、
前記インダクタと並列に接続され、所定の静電容量を有する容量素子と、
を備える、(1)に記載の通信装置。
(3)
前記通信アンテナは、
所定のインダクタンスを有するインダクタと、
前記インダクタと直列に接続され、所定の静電容量を有する容量素子と、
を備え、
前記第1通信フィルタが前記電力線に接続される2つの接点間に、前記高周波信号を遮断し、前記電力の周波数の信号を遮断しないフィルタをさらに備える、(1)に記載の通信装置。
(4)
前記高周波信号を前記電力線を介して送信し、前記接続部を介して有線で接続された外部装置、または、前記通信アンテナを介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置と通信を行う電力線通信部と、
前記電力線通信部と前記電力線との間に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第2通信フィルタと、
をさらに備える、(1)〜(3)のいずれか1つに記載の通信装置。
(5)
前記電力線通信部が、前記第2通信フィルタを介して受信した、外部装置の識別に用いることが可能な識別情報に基づいて、前記外部装置を特定する管理部をさらに備える、(4)に記載の通信装置。
(6)
前記管理部から伝達される制御信号に基づいて、前記電力線に選択的に前記電力を供給する電力供給部をさらに備え、
前記管理部は、
前記識別情報に基づいて前記外部装置を認証し、
認証が正常に行われた場合に、前記電力供給部に前記電力を供給させるための制御信号を伝達する、(5)に記載の通信装置。
(7)
前記電力線通信部は、
前記識別情報を外部装置に送信させるための前記高周波信号である第1高周波信号を送信し、
前記第1高周波信号から電力を得て駆動した前記外部装置が、負荷変調によって前記高周波信号として送信した、前記識別情報を受信する、(4)〜(6)のいずれか1つに記載の通信装置。
(8)
前記電力線通信部は、
外部装置に所定の処理を行わせるための前記高周波信号である第2高周波信号を送信し、
前記第2高周波信号から電力を得て駆動した前記外部装置が、負荷変調によって前記高周波信号として送信した、前記第2高周波信号に対する応答信号を受信する、(4)〜(7)のいずれか1つに記載の通信装置。
(9)
外部装置と直接的に通信を行う通信装置と、
電力線により前記通信装置と接続され、前記通信装置を介して間接的に前記外部装置と通信を行う管理装置と、
を備え、
前記通信装置は、
所定の周波数の電力と、前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される前記電力線を、外部装置に接続させる接続部と、
前記電力線に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、
前記第1通信フィルタを介して伝達される前記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、
を備え、
前記管理装置は、
前記高周波信号を前記電力線を介して送信し、前記通信装置が備える前記接続部を介して有線で接続された外部装置、または、前記通信装置が備える前記通信アンテナを介して前記通信装置と非接触に通信を行うことが可能な外部装置と通信を行う電力線通信部と、
前記電力線通信部と前記電力線との間に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第2通信フィルタと、
を備える、通信システム。
(10)
所定の周波数の電力と、前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を介して、および、前記電力線と電気的に接続され、前記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナを介して、前記高周波信号を送信するステップと、
前記電力線により有線で接続された外部装置、または、前記通信アンテナを介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置から、負荷変調により送信された信号を受信するステップと、
を有する、通信方法。
【符号の説明】
【0167】
100、500 通信装置
102、602 接続部
104、202 第1フィルタ
106 通信アンテナ
108、204 電力線通信部
110 管理部
112、206 第2フィルタ
114 電力供給部
116 消費電力測定部
118 第3フィルタ
120 通信部
200 電子装置
300 サーバ
400 外部電源
600 管理装置



【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の周波数の電力と、前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を、外部装置に接続させる接続部と、
前記電力線に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、
前記第1通信フィルタを介して伝達される前記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、
を備える、通信装置。
【請求項2】
前記通信アンテナは、
所定のインダクタンスを有するインダクタと、
前記インダクタと並列に接続され、所定の静電容量を有する容量素子と、
を備える、請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記通信アンテナは、
所定のインダクタンスを有するインダクタと、
前記インダクタと直列に接続され、所定の静電容量を有する容量素子と、
を備え、
前記第1通信フィルタが前記電力線に接続される2つの接点間に、前記高周波信号を遮断し、前記電力の周波数の信号を遮断しないフィルタをさらに備える、請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記高周波信号を前記電力線を介して送信し、前記接続部を介して有線で接続された外部装置、または、前記通信アンテナを介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置と通信を行う電力線通信部と、
前記電力線通信部と前記電力線との間に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第2通信フィルタと、
をさらに備える、請求項1に記載の通信装置。
【請求項5】
前記電力線通信部が、前記第2通信フィルタを介して受信した、外部装置の識別に用いることが可能な識別情報に基づいて、前記外部装置を特定する管理部をさらに備える、請求項4に記載の通信装置。
【請求項6】
前記管理部から伝達される制御信号に基づいて、前記電力線に選択的に前記電力を供給する電力供給部をさらに備え、
前記管理部は、
前記識別情報に基づいて前記外部装置を認証し、
認証が正常に行われた場合に、前記電力供給部に前記電力を供給させるための制御信号を伝達する、請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
前記電力線通信部は、
前記識別情報を外部装置に送信させるための前記高周波信号である第1高周波信号を送信し、
前記第1高周波信号から電力を得て駆動した前記外部装置が、負荷変調によって前記高周波信号として送信した、前記識別情報を受信する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項8】
前記電力線通信部は、
外部装置に所定の処理を行わせるための前記高周波信号である第2高周波信号を送信し、
前記第2高周波信号から電力を得て駆動した前記外部装置が、負荷変調によって前記高周波信号として送信した、前記第2高周波信号に対する応答信号を受信する、請求項4に記載の通信装置。
【請求項9】
外部装置と直接的に通信を行う通信装置と、
電力線により前記通信装置と接続され、前記通信装置を介して間接的に前記外部装置と通信を行う管理装置と、
を備え、
前記通信装置は、
所定の周波数の電力と、前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される前記電力線を、外部装置に接続させる接続部と、
前記電力線に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第1通信フィルタと、
前記第1通信フィルタを介して伝達される前記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナと、
を備え、
前記管理装置は、
前記高周波信号を前記電力線を介して送信し、前記通信装置が備える前記接続部を介して有線で接続された外部装置、または、前記通信装置が備える前記通信アンテナを介して前記通信装置と非接触に通信を行うことが可能な外部装置と通信を行う電力線通信部と、
前記電力線通信部と前記電力線との間に接続され、少なくとも前記電力の周波数の信号を遮断し、前記高周波信号を遮断しない第2通信フィルタと、
を備える、通信システム。
【請求項10】
所定の周波数の電力と、前記電力の周波数よりも高い周波数の高周波信号とが伝送される電力線を介して、および、前記電力線と電気的に接続され、前記高周波信号に応じた搬送波を送信する通信アンテナを介して、前記高周波信号を送信するステップと、
前記電力線により有線で接続された外部装置、または、前記通信アンテナを介して非接触に通信を行うことが可能な外部装置から、負荷変調により送信された信号を受信するステップと、
を有する、通信方法。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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