説明

通信装置、通信システム、及び通信方法

【課題】通信品質が悪くなった場合であっても、伝送速度を出来るだけ低下させないようにして、通信効率を向上させることができる、通信装置、通信システム、及び通信方法を提供すること目的とする。
【解決手段】画像装置5の伝送データ送信手段は、分割比設定手段が各伝送路の伝送速度を、送信すべきデータの分割比を設定することで制御し、それぞれの伝送路で分割された伝送データを他の通信装置5に送信するので、通信品質に応じて、各伝送路上を伝送するデータ量を制御することが出来、いずれかの伝送路の通信品質が悪くなった場合に、データ伝送を、他の伝送路が補間することが出来る。これにより、伝送速度を出来るだけ低下させないようにすることが出来るので、通信効率を向上させることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う通信装置、通信システム、及び通信方法に関し、詳しくは、通信品質が悪くなった場合であっても、伝送速度を出来るだけ低下させないようにして、通信の高速性を確保することが出来る、通信装置、通信システム、及び通信方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数の伝送路を利用した通信システムとして、例えば、有線通信と無線通信との間で通信方法を切り替える家庭内通信システムがある(例えば、特許文献1参照)。この家庭内通信システムでは、無線通信の通信品質を監視し、その通信品質が悪くなった場合に、無線通信から有線通信に切り替え、通信品質が回復した場合には、有線通信から無線通信に切り替えるようになっており、通信の高速性と信頼性を高めることが出来る。
【0003】
この家庭内通信システムについて、図6に沿って説明する。図6は、従来技術にかかる家庭内通信システムの構成を示す図であり、図7は、電子レンジに設置された通信装置の構成を示す図である。
【0004】
図6において、100は家、101はエアコン、102は電子レンジ、103は冷蔵庫、104は機器コントローラ、105は携帯電話、106は電灯線、107はモデム、108は公衆回線である。
【0005】
また、図7に示す電子レンジ102において、121はアンテナ、122はRF分配制御回路、123は送受信切替回路、124は受信RF回路、125は復号化回路、126は符号化回路、127は送信RF回路、128は100Vカットコンデンサ、129は制御データ、130は電子レンジ制御部、131は電子レンジ状態情報、波線で示す132は通信装置である。
【0006】
以上のように構成された通信装置および家庭内通信システムについて、その動作(特許文献1に記載された動作)を説明する。
【0007】
図6に示す家庭内通信システムにおいて、その構成要素として、例えば、エアコン101、電子レンジ102、冷蔵庫103、そしてアクセスポイントとしての機器コントローラ104、リモートコントロール手段としての携帯電話105があり、各家電機器101〜104は、電灯線106を利用した有線通信方式とISM周波数(2.4GHz〜2.5GHz)を利用する無線通信方式の両方で結ばれている。アクセスポイントとしての機器コントローラ104は、インターネットを接続するモデム107によって公衆回線108に接続されている。
【0008】
また、図7に示す電子レンジに設置された通信装置132において、RF分配制御回路122は、無線通信状況を監視し、通信状況が悪くなったり、無線通信が出来なくなったりした場合に、電灯線を利用した有線通信に切り替え、無線通信状況が回復すれば有線通信から無線通信に切り替える制御をし、アンテナ121からRF信号を取り込み、また逆にアンテナ121にRF信号を与えて送信させる。送受信切替回路123は、送信と受信を切り替える。受信RF回路124は、アンテナ121から又は100Vカットコンデンサ128からのRF信号を取り込み、検波する。復号化回路125は受信RF回路124の検波出力に対して復号処理をして制御データ129を取り出し、電子レンジ制御部130に出力する。この制御データ129は、ユーザーが外出先からインターネット、公衆回線108を通じて遠隔操作し、あるいは家100内で携帯電話105によりリモートコントロール操作するためのものである。符号化回路126は電子レンジ制御部130から電子レンジ状態情報131を受信して符号化する。送信RF回路127は、符号化回路126の出力をRF信号にして、送受信切替回路123を介してRF分配制御回路122に出力し、RF分配制御回路122はこれを無線信号としてアンテナ121から送信させ、若しくは100Vカットコンデンサ128を通じて電灯線106に送信させる。
【特許文献1】特開2002−319947号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、上述した従来の家庭内通信システムでは、RF分配制御回路の動作により、有線と無線の通信が同一時間帯にリンクしていることがないために、通信路状況により有線通信と無線通信を切り替える際に、アクセス制御信号やマネージメント信号等の制御信号の回線も切り替えることになる。つまり、通信方式の切り替え後は、毎回、PHY(物理層)における制御信号回線のリンクを確立する処理から開始する必要があり、それだけ大きな伝送遅延が発生し、音声や画像等の所要伝送遅延の小さくする必要がある情報(例えばAV[Audio Video]情報)の伝送においては通信品質の大きな劣化を招くことになる。
【0010】
これに対して、伝送路の通信品質を監視し、通信品質が悪くなった場合に、送信するデータ量を減らすことで、それぞれの通信品質に応じて伝送速度を制御し、各制御信号の回線を完全に遮断させないようにすることも出来るが、単に伝送速度を制御するだけでは、通信品質が悪くなると、伝送速度が低下してしまい、通信効率が低下してしまう不都合があった。
【0011】
本発明は、上述した課題を解決するためになされたものであり、通信品質が悪くなった場合であっても、伝送速度を出来るだけ低下させないようにして、通信効率を向上させることが出来る、通信装置、通信システム、及び通信方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記課題を解決するために本発明の通信装置は、通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う通信装置であって、各伝送路の通信品質に基づいて、複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する分割比設定手段と、分割比設定手段により設定された分割比に基づいて、伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各伝送データを送信する伝送データ送信手段とを備えたことを主要な特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明の通信装置は、それぞれの伝送路に割り当てられた伝送データのデータ量が、通信品質に応じて制御されるので、いずれかの伝送路の通信品質が悪くなった場合に、データ伝送を、通信品質の良い他の伝送路が補間することが出来る。これにより、伝送速度を出来るだけ低下させないようにすることが出来るので、通信効率を向上させることが出来る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
上記課題を解決するためになされた第1の発明は、通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う通信装置であって、各伝送路の通信品質に基づいて、複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する分割比設定手段と、分割比設定手段により設定された分割比に基づいて、伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各伝送データを送信する伝送データ送信手段とを備えるものである。この構成により、それぞれの伝送路に割り当てられた伝送データのデータ量が、通信品質に応じて制御されるので、いずれかの伝送路の通信品質が悪くなった場合に、データ伝送を、通信品質の良い他の伝送路が補間することが出来る。これにより、伝送速度を出来るだけ低下させないようにすることが出来るので、通信効率を向上させることが出来る。なお、本発明において、以下に示す回線制御部などが、ここでいうところの分割比設定手段を具現する。また、以下に示す回線制御部、データ変換部などが、ここでいうところの伝送データ送信手段を具現する。
【0015】
上記課題を解決するためになされた第2の発明は、伝送データ送信手段は、更に、通信を制御するための制御信号を、通信に使用する周波数帯域の一部を用いた伝送路を介して送信するものである。通信装置の受信感度は、より狭帯域であるほど良好であるという特性があることから、この構成により、通信を制御するための制御信号を、受信感度の良好な帯域で送信することが出来るので、通信の信頼性を更に向上させることが出来る。
【0016】
上記課題を解決するためになされた第3の発明は、複数の伝送路は、有線通信を行うことが可能な第1の伝送路と、無線通信を行うことが可能な第2の伝送路とを含み、伝送データ送信手段は、通信を制御するための制御信号を、通信に使用する周波数帯域の一部を用いた第2の伝送路を介して送信するものである。この構成により、無線通信の信頼性を更に向上させることが出来る。
【0017】
上記課題を解決するためになされた第4の発明は、通信を制御するための制御信号は、通信装置間のリンクを制御する制御信号であるものである。この構成により、リンクを制御する制御信号を、受信感度の良好な帯域で送信することが出来るので、回線を完全に遮断しないようにすることが出来る。これにより、回線が遮断される確率を少なくすることが出来、伝送遅延を少なくすることが出来る。また、狭帯域で伝送される上記制御信号を、他の帯域に利用すれば、リンクの確立時間を短縮することが出来る。
【0018】
上記課題を解決するためになされた第5の発明は、複数の伝送路は、有線通信を行うことが可能な第1の伝送路と、無線通信を行うことが可能な第2の伝送路とを含み、伝送データ送信手段は、第1の伝送路と前記第2の伝送路との通信品質が同等になるように、第1の伝送路および前記第2の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定するものである。この構成により、第1の伝送路と前記第2の伝送路との通信品質について、いずれか一方だけを劣化させないようにすることが出来るので、回線が遮断される確率を更に少なくすることが出来る。
【0019】
上記課題を解決するためになされた第6の発明は、第1の伝送路は、電灯線を利用した伝送路であるものである。この構成により、電灯線に接続される家電機器などの負荷が接続されることにより、インピーダンスが変動する場合であっても、電灯線の通信品質が劣化した場合には、伝送データの送信を無線通信で補間することが出来るので、通信の信頼性を確保することが出来る。
【0020】
上記課題を解決するためになされた第7の発明は、複数の伝送路を介して行う通信の少なくとも一つがマルチキャリア通信であって、分割比設定手段は、伝送路のサブキャリアごとの通信品質に基づいて、サブキャリアのそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定するものである。この構成により、分割比をきめ細かい設定することが出来るので、通信効率を更に向上させることが出来る。
【0021】
上記課題を解決するためになされた第8の発明は、伝送データ送信手段は、通信品質が良好なサブキャリアの伝送路のみを介して前記伝送データを送信するものである。この構成により、伝送データを確実に送信することが出来るので、通信効率を更に向上させることが出来る。
【0022】
上記課題を解決するためになされた第9の発明は、通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う複数の通信装置を有する通信システムであって、通信装置は、各伝送路の通信品質に基づいて、複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する分割比設定手段と、分割比設定手段により設定された分割比に基づいて、伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各伝送データを送信する伝送データ送信手段とを備えるものである。この構成により、それぞれの伝送路に割り当てられた伝送データのデータ量が、通信品質に応じて制御されるので、いずれかの伝送路の通信品質が悪くなった場合に、データ伝送を、通信品質の良い他の伝送路が補間することが出来る。これにより、伝送速度を出来るだけ低下させないようにすることが出来るので、通信効率を向上させることが出来る。なお、本発明において、以下に示す回線制御部などが、ここでいうところの分割比設定手段を具現する。また、以下に示す回線制御部、データ変換部などが、ここでいうところの伝送データ送信手段を具現する。
【0023】
上記課題を解決するためになされた第10の発明は、通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う通信方法であって、各伝送路の通信品質に基づいて、複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定し、設定された分割比に基づいて、前記伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各前記伝送データを送信するものである。この構成により、この構成により、それぞれの伝送路に割り当てられた伝送データのデータ量が、通信品質に応じて制御されるので、いずれかの伝送路の通信品質が悪くなった場合に、データ伝送を、通信品質の良い他の伝送路が補間することが出来る。これにより、伝送速度を出来るだけ低下させないようにすることが出来るので、通信効率を向上させることが出来る。
【0024】
以下、本発明にかかる通信装置および通信システムの実施の形態を図1〜図15の各図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。以下に示す実施の形態では、通信システムの一例として、一戸建てや集合住宅の屋内における家電機器間で通信を行う、家庭内通信システムについて、説明するが、通信システムを特にこれに限るものではない。通信システムとしては、家庭内通信システムの他、オフィスや工場の屋内における電気機器間で通信を行う構内通信システムや、自動車や電車の車内における電気機器間で通信を行う車内通信システムなどある。また、特に屋内に限る必要はなく、屋外の電気機器同士や、屋外及び屋内の電気機器同士で、通信行う通信システムであってもよい。
【0025】
(実施の形態1)
図1は本発明の実施の形態1による家庭内通信システム500の構成を示す図で、図2は、家庭内通信システムの各デバイス間の通信を行うための通信装置5の構成を示す図である。
【0026】
図1に示す家庭内通信システム500において、1は家、2はTV(テレビ用)アンテナ、3は情報配電盤、4は機器コントローラ、5は通信装置、6はテレビ、7はパソコン、9はコードレス電話、10はモデムである。C1は電灯線(例えばVVFケーブルなどの平行ケーブル)、C2は公衆回線、C3はCATV(Cable Television)ケーブル、C4は宅内通信回線である。なお、電灯線C1が搬送する電圧として(交流)100Vを示しているが、特にこれに限る必要はなく、例えば、110V、120V、220V、240Vなどであってもよく、更に直流であってもよい。従って、有線通信の伝送路は、VVFケーブルなどの平行ケーブルに限らず、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやLAN(Local Area Network)ケーブルであってもよい。
【0027】
図2に示す通信装置5において、20はアンテナ、21は分波結合器、22は狭帯域無線通信モデム、23は広帯域無線通信モデム、24は電灯線通信モデム、25は回線制御部、26はデータ変換部、27はブリッジ、28は100Vカットコンデンサである。
【0028】
以上のように構成された通信装置5および家庭内通信システム500について、以下図面を参照して本発明の実施の形態1を説明する。
【0029】
まず、図1に示す家庭内通信システムについて説明する。同図において、その構成要素として、例えば、テレビやCATV、公衆回線C2の接続端子をまとめた情報配電盤3、通信装置5が搭載され、またセットトップボックス及びアクセスポイントとして、情報配電盤3に直接接続される機器コントローラ4の他、テレビ6、パソコン7、コードレス電話9がある。各家電機器6、7間は、複数の通信路を介した通信を行う。具体的には、通信装置5により、電灯線C1の有線通信伝送路(第1の伝送路)を利用して通信を行う有線通信と、例えば、2.4GHz帯や5GHz帯等の無線周波数を使用した無線通信伝送路(第2の伝送路)を利用して通信を行う無線通信との通信方式で結ばれている。各家電機器4、6、7に通信装置5が搭載されていない場合には、LANやUSB等を介して通信装置5が外付けされる。また、アクセスポイントとしての機器コントローラ4は、インターネットを接続するモデム10によって公衆回線に接続されている。コードレス電話9は電灯線に接続されていないが、その無線通信方式は通信装置5の無線通信方式と同じであり、それによりコードレス電話9は通信装置5と通信可能であり、通信装置5の搭載された機器コントローラ4を介して公衆回線に接続されている。また、各家電機器は、外出先からインターネット、公衆回線及び機器コントローラ4を通じて遠隔操作され、更に家1内でもコードレス電話9によりリモートコントロール操作される。
【0030】
つぎに、通信装置5について図2を用いて説明する。通信装置5が通信に使用する周波数帯域のうち、無線通信に用いられる無線周波数は、広帯域周波数と狭帯域周波数とを有している。狭帯域周波数と広帯域周波数との帯域は、使用する周波数帯域のうち、前者が後者より相対的に狭い関係にあるものである。
【0031】
広帯域周波数を使用した広帯域無線通信では、実際に伝送したい情報(以下、「伝送データ」という。)の他、伝送路推定のためのパイロット信号が伝送される。一方、狭帯域周波数を使用した狭帯域無線通信では、有線通信及び無線通信を制御するための制御信号が伝送させる。この制御信号には、リンクの確立や終了などを制御するアクセス制御信号(通信装置間のリンクを制御する制御信号)、チャネル割り当てなどに関する回線制御信号、ハンドオフやローミングなどに関するマネージメント制御信号などがある。
【0032】
ここでは、アクセス制御信号、回線制御信号、マネージメント制御信号が伝送されるものとするが、狭帯域無線通信で、少なくともアクセス制御信号を伝送すれば、必ずしも全ての制御信号を狭帯域無線通信で伝送する必要はない。狭帯域周波数と広帯域周波数との帯域は、前者が後者より相対的に狭い関係にあれば、その帯域は任意であり、例えば、広帯域無線通信としては、2.4GHz帯を使うIEEE802.11gや5GHz帯を使うIEEE802.11a等の方式でよく、狭帯域無線通信としては、400MHz帯又は1.2GHz帯又は2.4GHz帯を使う特定小電力無線方式でよい。
【0033】
そこで、まず通信を開始するにあたり、回線制御部25からの送信要求信号に基づき、狭帯域無線通信モデム22から送信要求信号が分波結合器21とアンテナ20を介して通信相手に送信される。以後、アクセス制御信号やマネージメント制御信号などの制御信号が狭帯域無線通信モデム22により送受信される。分波結合器21では信号伝送に方向性があり、狭帯域無線通信モデム22からの信号は広帯域無線通信モデム23に漏れることなくアンテナ20に送られ,逆に広帯域無線通信モデム23からの信号は狭帯域無線通信モデム22に漏れることなくアンテナ20に送られる。また、各家電機器等で送信したい情報は、LANやUWB(Ultra Wide Band)等を介してブリッジ27にまず送られ、ここで、通信装置5間を接続する広帯域無線通信方式及び電灯線のような有線通信方式のデータフォーマットに変換される。
【0034】
そして、回線制御部25からの要求に基づいた比率で、データ変換部26では、入力された伝送データを、広帯域無線通信モデム23と電灯線通信モデム24とに分割して送り、広帯域無線通信モデム23では分波結合器21を介してアンテナ20から、また電灯線通信モデム24では100Vカットコンデンサ28を介して電灯線C1から通信相手に送信される。
【0035】
ここで、広帯域無線通信モデム23と電灯線通信モデム24では、各々伝送路推定のためのパイロット信号が周期的に送信され、通信相手の広帯域無線通信モデム23と電灯線通信モデム24で抽出された、その受信信号品質(例えばパケットエラーレート)を、通信相手から狭帯域無線通信モデム22を介して受信して、それに基づき、回線制御部25では、通信相手での広帯域無線通信モデム23と電灯線通信モデム24の受信信号品質が同等になるように、データ変換部26での、入力された伝送データに対する広帯域無線通信モデム23と電灯線通信モデム24との分割比を設定する。つまり、例えば、通信相手の広帯域無線通信モデム23の受信信号品質が電灯線通信モデム24のそれより良好な場合には、データ変換部26での、入力された伝送データに対する広帯域無線通信モデム23の分割比を上げ、逆に、通信相手の広帯域無線通信モデム23の受信信号品質が電灯線通信モデム24でのそれより悪い場合には、データ変換部26での、入力された伝送データに対する広帯域無線通信モデム23の分割比を下げる。そしてその情報は、狭帯域無線通信モデム22を介して通信相手と共有され、通信相手の了解信号受信後に新しい分割比での伝送が開始される。即ち、いずれかの伝送路の通信品質が悪くなった場合に、データ伝送を、他の伝送路が補間することが出来る。
【0036】
以上のように、本発明に係る通信装置及び通信システムでは、各伝送路の伝送速度を、送信すべき伝送データの分割比を設定することで制御し、それぞれの伝送路で分割されたデータを他の通信装置に送信するので、各制御信号の回線を完全に遮断しないようにしながら、通信効率を出来るだけ向上させることが出来る。これにより、通信品質が悪くなった場合であっても、伝送速度を出来るだけ低下させないようにすることが出来るので、通信の高速性が図ることが出来る。
【0037】
また、伝送データの伝送シーケンスに関わりなく、少なくともアクセス制御信号やマネージメント制御信号の伝送が可能なので、PHY(物理層)における制御信号回線のリンクを、また初めから確立する必要をなくすことが出来る。これにより、電灯線通信モデムと広帯域無線通信モデムでの伝送量の比率の切り替え処理が発生しても、それに起因する伝送遅延を発生させないようにすることが出来る。また、狭帯域で伝送されるアクセス制御信号を、他の帯域に利用すれば、リンクの確立時間を短縮することが出来る。
【0038】
また、一旦、電灯線通信と広帯域無線通信の両方の回線が遮断されることがあっても、一般に、通信装置の受信感度は、より狭帯域であるほど良好であるという特性があることから、狭帯域無線通信モデムを通じて、制御回線は出来るだけ接続されたままにすることが出来る。これにより、電灯線通信と広帯域無線通信との一方の回線が回復することで、速やかに伝送データの接続がなされ、発生する伝送遅延を抑えることが出来る。
【0039】
なお、上記では通信相手方における広帯域無線通信モデム23と電灯線通信モデム24の受信信号品質とが同等になるように、入力された伝送データに対する両者への分割比を設定することについて説明したが、受信信号品質が同等という意味は、厳密な意味の同等である必要はない。また、この条件はより好ましい条件を提示したものであって、両者の通信のいずれかに伝送遅延が発生したり、両者のいずれかの回線に接続断が発生するなどの不具合が生じない範囲において、異なる受信信号品質であっても構わない。
【0040】
(実施の形態2)
図3は本発明の実施の形態2による家庭内通信システム501の構成を示す図で、図4は、家庭内通信システムの各デバイス間の通信を行うための通信装置45の構成を示す図である。
【0041】
図3に示す家庭内通信システム501において、41は家、42はTVアンテナ、43は情報配電盤、44は機器コントローラ、45は通信装置、46はテレビ、47はパソコン、48は電灯線、49は照明、50はコードレス電話、51はモデムである。C1は電灯線(例えばVVFケーブルなどの平行ケーブル)、C2は公衆回線、C3はCATV(Cable Television)ケーブル、C4は宅内通信回線である。なお、電灯線C1が搬送する電圧として(交流)100Vを示しているが、特にこれに限る必要はなく、例えば、110V、120V、220V、240Vなどであってもよく、更に直流であってもよい。従って、有線通信の伝送路は、VVFケーブルなどの平行ケーブルに限らず、USB(Universal Serial Bus)ケーブルやLAN(Local Area Network)ケーブルであってもよい。
【0042】
図4に示す通信装置45において、60はアンテナ、61は分波結合器、62は狭帯域無線通信モデム、63は広帯域無線通信モデム、64は電灯線通信モデム、65は回線制御部、66はデータ変換部、67はブリッジ、68は100Vカットコンデンサ、69はルーターである。即ち、図4に示す通信装置45では、実施の形態1と異なり、ルーター69を有している。
【0043】
以上のように構成された通信装置45および家庭内通信システム501について、以下図面を参照して本発明の実施の形態2を説明する。
【0044】
図3に示す家庭内通信システム501において、その構成要素として、例えば、テレビやCATV、公衆回線C2の接続端子をまとめた情報配電盤43、通信装置45が搭載され、またセットトップボックス及びアクセスポイントとして、情報配電盤43に直接接続される機器コントローラ44の他、テレビ46、パソコン47、照明49、コードレス電話50がある。各家電機器46、47、49間は、複数の通信路を介した通信を行う。具体的には、通信装置45により、電灯線C1の有線通信伝送路を利用して通信を行う有線通信と、例えば、2.4GHz帯や5GHz帯等の無線周波数を使用した無線通信伝送路を利用して通信を行う無線通信との通信方式で結ばれている。各家電機器44、46、47に通信装置45が搭載されていない場合には、LANやUSB等を介して通信装置5が外付けされる。また、アクセスポイントとしての機器コントローラ44は、インターネットを接続するモデム51によって公衆回線に接続されている。コードレス電話50は電灯線に接続されていないが、その無線通信方式は通信装置45の無線通信方式と同じであり、それによりコードレス電話50は通信装置45と通信可能であり、通信装置45の搭載された機器コントローラ44を介して公衆回線に接続されている。また、各家電機器は、外出先からインターネット、公衆回線及び機器コントローラ44を通じて遠隔操作され、更に家41内でもコードレス電話50によりリモートコントロール操作される。
【0045】
つぎに、通信装置45について図4を用いて説明する。通信装置45が通信に使用する周波数帯域のうち、無線通信に用いられる無線周波数は、広帯域周波数と狭帯域周波数とを有している。狭帯域周波数と広帯域周波数との帯域は、使用する周波数帯域のうち、前者が後者より相対的に狭い関係にあるものである。
【0046】
広帯域周波数を使用した広帯域無線通信では、伝送データの他、伝送路推定のためのパイロット信号が伝送させる。一方、狭帯域周波数を使用した狭帯域無線通信では、有線通信及び無線通信を制御するための制御信号が伝送させる。ここでも、実施の形態1と同様に、アクセス制御信号、回線制御信号、マネージメント制御信号が伝送されるものとするが、狭帯域無線通信で、少なくともアクセス制御信号を伝送すれば、必ずしも全ての制御信号を狭帯域無線通信で伝送する必要はない。狭帯域周波数と広帯域周波数との帯域は、前者が後者より相対的に狭い関係にあれば、その帯域は任意であり、例えば、広帯域無線通信としては、2.4GHz帯を使うIEEE802.11gや5GHz帯を使うIEEE802.11a等の方式でよく、狭帯域無線通信としては、400MHz帯又は1.2GHz帯又は2.4GHz帯を使う特定小電力無線方式でよい。
【0047】
そこで、まず通信を開始するにあたり、回線制御部65からの送信要求信号に基づき、狭帯域無線通信モデム62から送信要求信号が分波結合器61とアンテナ60を介して通信相手に送信される。以後、アクセス制御信号やマネージメント制御信号などの制御信号が狭帯域無線通信モデム62により送受信される。分波結合器61では信号伝送に方向性があり、狭帯域無線通信モデム62からの信号は広帯域無線通信モデム63に漏れることなくアンテナ60に送られ,逆に広帯域無線通信モデム63からの信号は狭帯域無線通信モデム62に漏れることなくアンテナ60に送られる。また、各家電機器等で送信したい情報は、LANやUWB等を介してブリッジ67にまず送られ、ここで、通信装置45間を接続する広帯域無線通信方式及び電灯線のような有線通信方式のデータフォーマットに変換される。
【0048】
そして、回線制御部25からの要求に基づいた比率で、データ変換部66では、入力された伝送データを、広帯域無線通信モデム63と電灯線通信モデム64とに分割して送り、広帯域無線通信モデム63では分波結合器61を介してアンテナ60から、また電灯線通信モデム64では100Vカットコンデンサ68を介して電灯線C1から通信相手に送信される。
【0049】
ここで、広帯域無線通信モデム63と電灯線通信モデム64では、各々伝送路推定のためのパイロット信号が周期的に送信され、その受信信号品質を、通信相手から狭帯域無線通信モデム62を介して受信する。そしてこの処理は各通信装置45間で総当り的になされ、得られた各通信装置間45の伝送路の受信信号品質を示す品質情報が、機器コントローラ44に送られ、ルーティングテーブルとして格納され、周期的に更新される。
【0050】
装置規模で許容されるならば、このルーティングテーブルは各通信装置のルーター69で各々格納してもよい。なお、この場合、各狭帯域無線通信モデム62間での品質情報の伝送量が大きくなるが、もともとの品質情報の所要ビット数が小さく、また実データの伝送シーケンスに関わりなく伝送出来るため、大きな負荷になることはない。そこで、狭帯域無線通信モデム62を介した機器コントローラからのルーティングテーブル、もしくは、ルーター69に格納されたルーティングテーブルに基づいて、通信相手での受信信号品質が最も良好となるルーティングがルーター69で計算され、ルート選択がなされ、これは周期的に更新される。
【0051】
そしてまた、それらの情報に基づき、回線制御部65では、通信相手での広帯域無線通信モデム63と電灯線通信モデム64の受信信号品質が同等になるように、データ変換部66での、入力されたデータに対する広帯域無線通信モデム63と電灯線通信モデム64への分割比を設定する。つまり、例えば、通信相手での広帯域無線通信モデム63での受信信号品質が電灯線通信モデム64でのそれより良好な場合には、データ変換部66での、入力されたデータに対する広帯域無線通信モデム63への分割比を上げ、逆に、通信相手での広帯域無線通信モデム63での受信信号品質が電灯線通信モデム64でのそれより悪い場合には、データ変換部66での、入力されたデータに対する広帯域無線通信モデム63への分割比を下げる。そしてその情報は、狭帯域無線通信モデム62を介して通信相手と共有され、通信相手の了解信号受信後に新しい分割比での伝送が開始される。
【0052】
この場合、システムに大きな負荷を与えることなく伝送路品質がより最適化されるため、それだけ安価に通信品質が改善されると共に、電灯線通信と広帯域無線通信の両方の回線が遮断される確率が低減され、それだけ安価に、平均的な伝送遅延量が低減される。
【0053】
(実施の形態3)
図5は、家庭内通信システムの各デバイス間の通信を行うための通信装置95の構成を示す図である。図5において、80はアンテナ、81は分波結合器、82は狭帯域無線通信モデム、83は広帯域無線通信モデム、84は電灯線通信モデム、85は回線制御部、86はデータ変換部、87はブリッジ、88は100Vカットコンデンサ、89はサブキャリア制御部である。即ち、図5に示す通信装置95では、実施の形態1,2と異なり、サブキャリア制御部89を有している。
【0054】
以上のように構成された家庭内通信システム用通信装置の通信装置95について、以下図面を参照して本発明の実施の形態3を説明する。
【0055】
図5に示す通信装置95が通信に使用する周波数帯域のうち、無線通信に用いられる無線周波数は、広帯域周波数と狭帯域周波数とを有している。狭帯域周波数と広帯域周波数との帯域は、使用する周波数帯域のうち、前者が後者より相対的に狭い関係にあるものである。広帯域周波数を使用した広帯域無線通信では、伝送データの他、伝送路推定のためのパイロット信号が伝送させる。
【0056】
ここでも、実施の形態1、2と同様に、アクセス制御信号、回線制御信号、マネージメント制御信号が伝送されるものとするが、狭帯域無線通信で、少なくともアクセス制御信号を伝送すれば、必ずしも全ての制御信号を狭帯域無線通信で伝送する必要はない。狭帯域周波数と広帯域周波数との帯域は、前者が後者より相対的に狭い関係にあれば、その帯域は任意であり、例えば、広帯域無線通信としては、2.4GHz帯を使うIEEE802.11gや5GHz帯を使うIEEE802.11a等の方式でよく、狭帯域無線通信としては、400MHz帯又は1.2GHz帯又は2.4GHz帯を使う特定小電力無線方式でよい。
【0057】
そこで、まず通信を開始するにあたり、回線制御部85からの送信要求信号に基づき、狭帯域無線通信モデム82から送信要求信号が分波結合器81とアンテナ80を介して通信相手に送信される。以後、アクセス制御信号やマネージメント制御信号などの制御信号が狭帯域無線通信モデム82により送受信される。分波結合器81では信号伝送に方向性があり、狭帯域無線通信モデム82からの信号は広帯域無線通信モデム83に漏れることなくアンテナ80に送られ,逆に広帯域無線通信モデム83からの信号は狭帯域無線通信モデム82に漏れることなくアンテナ80に送られる。また、各家電機器等で送信したい情報は、LANやUWB等を介してブリッジ87にまず送られ、ここで、通信装置85間を接続する広帯域無線通信方式及び電灯線のような有線通信方式のデータフォーマットに変換される。
【0058】
そして、回線制御部85からの要求に基づいた比率で、データ変換部86では、入力された伝送データを、広帯域無線通信モデム83と電灯線通信モデム84とに分割して送り、広帯域無線通信モデム83では分波結合器81を介してアンテナ80から、また電灯線通信モデム84では100Vカットコンデンサ88を介して電灯線C1から通信相手に送信される。
【0059】
ここで、広帯域無線通信モデム83と電灯線通信モデム84では、各々伝送路推定のためのパイロット信号が周期的に送信され、通信相手の広帯域無線通信モデム83と電灯線通信モデム84では共に、その受信信号品質がサブキャリア毎に抽出され、その受信信号品質(例えばパケットエラーレート)を、通信相手から狭帯域無線通信モデム82を介して受信して、それに基づき、回線制御部85では、通信相手での広帯域無線通信モデム83と電灯線通信モデム84の受信信号品質が同等になるように、データ変換部86での、入力されたデータに対する広帯域無線通信モデム83と灯線通信モデム84と分割比を設定する。つまり、例えば、通信相手での広帯域無線通信モデム83での受信信号品質が電灯線通信モデム84でのそれより良好な場合には、データ変換部86での、入力された伝送データに対する広帯域無線通信モデム83の分割比を上げ、逆に、通信相手での広帯域無線通信モデム83での受信信号品質が電灯線通信モデム84でのそれより悪い場合には、データ変換部86での、入力された伝送データに対する広帯域無線通信モデム83の分割比を下げる。この分割比に応じて、広帯域無線通信モデム83と電灯線通信モデム84の伝送速度を変える際、サブキャリア制御部89により、前記サブキャリア毎の受信信号品質の情報に基づき、最も受信信号品質の良い、分割比に応じた数のサブキャリアが選択される。そしてその情報は、狭帯域無線通信モデム82を介して通信相手と共有され、通信相手の了解信号受信後に新しい分割比での伝送が開始される。
【0060】
このように、周囲の人や物の移動や通信装置の位置の変化に起因するフェージング環境において、通信品質の悪い周波数のサブキャリアによる伝送を適応的に回避出来る為、それだけ、通信品質が改善されると共に、電灯線通信と広帯域無線通信との両方の回線が遮断される確率が低減され、それだけ平均的な伝送遅延量を低減することが出来る。
【産業上の利用可能性】
【0061】
本発明の通信装置および通信システムは、所要伝送速度が大きくて所要伝送遅延の小さい通信システムに有用であり、特に、音声や画像等のAV情報の伝送が必要とされるマルチメディア通信システムに好適である。
【図面の簡単な説明】
【0062】
【図1】本発明の実施の形態1による家庭内通信システムの構成図
【図2】本発明の実施の形態1による家庭内通信システム用通信装置の構成図
【図3】本発明の実施の形態2による家庭内通信システムの構成図
【図4】本発明の実施の形態2による家庭内通信システム用通信装置の構成図
【図5】本発明の実施の形態3による家庭内通信システム用通信装置の構成図
【図6】従来の家庭内通信システムの構成図
【図7】従来の家庭内通信システム用通信装置の構成図
【符号の説明】
【0063】
1 家
2 TVアンテナ
3 情報配電盤
4 機器コントローラ
5 通信装置
6 テレビ
7 パソコン
9 コードレス電話
10 モデム
20 アンテナ
21 分波結合器
22 狭帯域無線通信モデム
23 広帯域無線通信モデム
24 電灯線通信モデム
25 回線制御部
26 データ変換部
27 ブリッジ
28 100Vカットコンデンサ
41 家
42 TVアンテナ
43 情報配電盤
44 機器コントローラ
45 通信装置
46 テレビ
47 パソコン
49 照明
50 コードレス電話
51 モデム
60 アンテナ
61 分波結合器
62 狭帯域無線通信モデム
63 広帯域無線通信モデム
64 電灯線通信モデム
65 回線制御部
66 データ変換部
67 ブリッジ
68 100Vカットコンデンサ
69 ルーター
80 アンテナ
81 分波結合器
82 狭帯域無線通信モデム
83 広帯域無線通信モデム
84 電灯線通信モデム
85 回線制御部
86 データ変換部
87 ブリッジ
88 100Vカットコンデンサ
89 サブキャリア制御部
95 通信装置
500 家庭内通信システム
501 家庭内通信システム
502 家庭内通信システム
C1 電灯線
C2 公衆回線
C3 CATVケーブル
C4 宅内通信回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う通信装置であって、
各前記伝送路の通信品質に基づいて、前記複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する分割比設定手段と、
前記分割比設定手段により設定された分割比に基づいて、前記伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各前記伝送データを送信する伝送データ送信手段とを備える、
ことを特徴とする通信装置。
【請求項2】
前記伝送データ送信手段は、更に、前記通信を制御するための制御信号を、前記通信に使用する周波数帯域の一部を用いた伝送路を介して送信する、
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記複数の伝送路は、有線通信を行うことが可能な第1の伝送路と、無線通信を行うことが可能な第2の伝送路とを含み、
前記伝送データ送信手段は、前記通信を制御するための制御信号を、前記通信に使用する周波数帯域の一部を用いた前記第2の伝送路を介して送信する、
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記通信を制御するための制御信号は、前記通信装置間のリンクを制御する制御信号である、
ことを特徴とする請求項2または3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記複数の伝送路は、有線通信を行うことが可能な第1の伝送路と、無線通信を行うことが可能な第2の伝送路とを含み、
前記伝送データ送信手段は、前記第1の伝送路と前記第2の伝送路との通信品質が同等になるように、前記第1の伝送路および前記第2の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する、
ことを特徴とする請求項1ないし4いずれか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
前記第1の伝送路は、電灯線を利用した伝送路である、
ことを特徴とする請求項3ないし5いずれか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記複数の伝送路を介して行う通信の少なくとも一つがマルチキャリア通信であり、
前記分割比設定手段は、前記伝送路のサブキャリアごとの通信品質に基づいて、該サブキャリアのそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する、
ことを特徴とする請求項1ないし6のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記伝送データ送信手段は、前記通信品質が良好なサブキャリアの伝送路のみを介して前記伝送データを送信する、
ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う複数の通信装置を有する通信システムであって、
前記通信装置は、
各前記伝送路の通信品質に基づいて、前記複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定する分割比設定手段と、
前記分割比設定手段により設定された分割比に基づいて、前記伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各前記伝送データを送信する伝送データ送信手段とを備える、
ことを特徴とする通信システム。
【請求項10】
通信相手との間で複数の伝送路を介して通信を行う通信方法であって、
各前記伝送路の通信品質に基づいて、前記複数の伝送路のそれぞれに割り当てる伝送データの分割比を設定し、
設定された分割比に基づいて、前記伝送路のそれぞれの伝送速度を制御して、各前記伝送データを送信する、
ことを特徴とする通信方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2006−197304(P2006−197304A)
【公開日】平成18年7月27日(2006.7.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−7410(P2005−7410)
【出願日】平成17年1月14日(2005.1.14)
【出願人】(000005821)松下電器産業株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】