通信装置、通信切り替え方法及びプログラム
【課題】利用者の明示的な操作なしに、携帯電話としての通信か子機としての通信かを切り替える。
【解決手段】通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されている場合に、無線通信部102による通信を行い、装着部101にUIMカード199が装着されていない場合に、近距離通信部103による通信を行う。
【解決手段】通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されている場合に、無線通信部102による通信を行い、装着部101にUIMカード199が装着されていない場合に、近距離通信部103による通信を行う。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置との無線通信を行う通信装置、通信切り替え方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォン等の通信装置の中には、UIM(User Identity Module)カードやSIM(Subscriber Identity Module)カードなどのカードを装着して使用するものがある。これらのカードには、カードを一意に識別するための固有情報や、利用者を識別するための電話番号、顧客番号、氏名などの利用者情報が記憶されている。通信装置は、カードが記憶する情報に基づいて基地局装置との通信を行うことで、通話機能や通信機能を実現している(例えば、特許文献1を参照)。これにより、UIMカードの付け替えによって通信装置の機種を簡易に変更することができる。
【0003】
また、特許文献2には、家庭用無線基地局にSIMカードを装着することで、通信装置を家庭用無線基地局の子機として動作させる技術が開示されている。
また、特許文献3には、内線電話機にSIMカードを装着することで、当該内線電話機を携帯電話として動作させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−281745号公報
【特許文献2】特開2001−197557号公報
【特許文献3】特開2008−061059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、UIMカードが取り外された通信装置は、基地局装置との通信ができなくなり、機種変更前の通信装置を有効に使用することができないという問題があった。また、特許文献2、3に示すように、通信装置が子機としての機能と携帯電話としての機能のそれぞれを有する場合、通信を行うに当たっていずれの機能を用いて通信するかを選択する必要があり、利用者にとって不便であった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、UIMカードが取り外されても有効に使用することができる通信装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、無線通信により基地局装置との通信を行う第1の通信部と、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う第2の通信部と、前記第1の通信部による通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部と、前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合に、前記第1の通信部による通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合に、前記第2の通信部による通信を行う通信切り替え部とを備えることを特徴とする通信装置である。
【0007】
また、本発明は、基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を用いた通信切り替え方法であって、前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行うことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を、前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う通信切り替え部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、UIMカード等の記憶媒体が装着されているか否かに基づいて、携帯電話として基地局装置との通信を行うか、他の通信装置の子機として基地局装置との通信を行うかを切り替えることができる。これにより、UIMカード等の記憶媒体が取り外されても通信装置を有効に使うことができる。また、本発明によれば、記憶媒体の有無によって通信方法の選択を自動的に行うので、利用者が通信方法の選択を行う必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による通信装置を備える通信システムの構成図である。
【図2】通信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】UIMカードが記憶する情報の例を示す図である。
【図4】通信装置にUIMカードが装着されていないときの動作を示すフローチャートである。
【図5】通信装置にUIMカードが装着されているときの動作を示すフローチャートである。
【図6】通信装置による発信動作を示すフローチャートである。
【図7】親機通話処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】通常通話処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】子機通話処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】子機側の通信装置からの発信開始要求を受け付ける親機側の通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】通信装置による着信動作を示すフローチャートである。
【図12】親機側の通信装置からの通話開始要求を受け付ける子機側の通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】他の実施形態による通信装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による通信装置1を備える通信システムの構成図である。
通信装置1は、UIMカードが装着されている場合、基地局装置2との無線通信を行う。また、通信装置1は、UIMカードが装着されていない場合、他の通信装置1と無線通信を行い、当該他の通信装置1を介して基地局装置2との通信を行う。すなわち、通信装置1は、UIMカードが装着されていない場合、他の通信装置1の子機として通信を行う。なお、通信装置1は、基地局装置2との無線通信を行うことで、当該基地局装置2に接続された交換機を介し、通話やパケット通信を行う。
【0012】
図2は、通信装置1の構成を示す概略ブロック図である。
通信装置1は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等から構成されるコンピュータシステムと、UIMカード199(記憶媒体)を装着される装着部101とを備える。
通信装置1のコンピュータシステムは、無線通信部102(第1の通信部)、近距離通信部103(第2の通信部)、通信切り替え部104、取り外し検出部105、親機情報記録部106(他装置情報記録部)、親機情報記憶部107(他装置情報記憶部)、取り付け検出部108、子機情報記録部109(他装置情報記録部)、子機情報記憶部110(他装置情報記憶部)、媒体情報記録部111、媒体情報記憶部112、探索部113(情報取得部)、媒体情報送信部114、転送部115を備える。
【0013】
無線通信部102は、UIMカード199が記憶する情報を用いて、無線通信により基地局装置2との通信を行う。すなわち、無線通信部102は、携帯電話の通信機能を発揮する処理部である。
近距離通信部103は、無線LANや、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの近距離通信により、当該近距離通信の通信範囲内に存在する他の通信装置1との通信を行う。特に、自装置が他の通信装置1の子機として動作する場合、近距離通信部103は、親機情報記憶部107が記憶する情報が示す他の通信装置1を介して、基地局装置2との通信を行う。
【0014】
通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されているか否かを判定し、UIMカード199が装着されている場合、無線通信部102による基地局装置2との無線通信を行うよう通信方法を切り替える。他方、UIMカード199が装着されていない場合、近距離通信部103により他の通信装置1と無線通信を行い、当該他の通信装置1を介して基地局装置2との通信を行うよう通信方法を切り替える。
【0015】
取り外し検出部105は、装着部101からUIMカード199が取り外されたか否かを判定する。
親機情報記録部106は、取り外し検出部105が装着部101からUIMカード199が取り外されたと判定したときに、自装置の親機として動作させる他の通信装置1の情報の登録処理を行い、登録された情報を親機情報記憶部107に記録する。
親機情報記憶部107は、自装置の親機として動作させる他の通信装置1の情報を記憶する。
【0016】
取り付け検出部108は、装着部101にUIMカード199が取り付けられたか否かを判定する。
子機情報記録部109は、取り付け検出部108が装着部101にUIMカード199が取り付けられたと判定したときに、自装置の子機として動作させる他の通信装置1の情報の登録処理を行い、登録された情報を子機情報記憶部110に記録する。
子機情報記憶部110は、自装置の子機として動作させる他の通信装置1の情報を記憶する。
【0017】
媒体情報記録部111は、取り付け検出部108が装着部101にUIMカード199が取り付けられたと判定したときに、UIMカード199が記憶する情報を媒体情報記憶部112に記録する。
媒体情報記憶部112は、装着部101に最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を記憶する。
【0018】
探索部113は、近距離通信部103により近距離通信の通信範囲内に存在する他の通信装置1を探索する。また、探索部113は、探索された他の通信装置1に装着されているUIMカード199が記憶する情報、または当該通信装置1に最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を、取得する。
媒体情報送信部114は、近距離通信部103が他の通信装置1からUIMカード199の情報の送信要求を受け付けた場合、近距離通信部103を介して当該通信装置1に媒体情報記憶部112が記憶する情報を送信する。
転送部115は、近距離通信部103が、子機情報記憶部110が記憶する情報が示す通信装置1から、基地局装置2宛ての情報を受信した場合、無線通信部102を介して基地局装置2に当該情報を転送する。
【0019】
次に、UIMカード199が記憶する情報について説明する。
図3は、UIMカード199が記憶する情報の例を示す図である。
図3に示すように、UIMカード199は、当該カード毎に割り振られたカードに固有の情報であるカード固有情報と、利用者の個人情報である利用者識別情報とを記憶する。
利用者識別情報の例としては、通話に使用する電話番号、利用者毎に通信事業者に割り振られた番号である顧客ID、その他、氏名や住所等の情報が挙げられる。
【0020】
次に、本実施形態による通信装置1の動作について説明する。
図4は、通信装置1にUIMカード199が装着されていないときの動作を示すフローチャートである。
通信装置1にUIMカード199が装着されていない場合、取り付け検出部108は、装着部101にUIMカード199が取り付けられたか否かを判定する(ステップS401)。取り付け検出部108は、装着部101へのUIMカード199の取り付けを検出できなかった場合(ステップS401:NO)、ステップS401の判定処理を繰り返し実行する。
【0021】
他方、取り付け検出部108が、装着部101へのUIMカード199の取り付けを検出した場合(ステップS401:YES)、媒体情報記録部111は、UIMカード199から情報を読み出す(ステップS402)。次に、媒体情報記録部111は、読み出した情報を媒体情報記憶部112に記録する(ステップS403)。なお、このとき既に媒体情報記憶部112が他の情報を記憶していた場合、媒体情報記録部111は、読み出した情報を媒体情報記憶部112に上書きして記録する。
【0022】
次に、探索部113は、近距離通信部103による近距離通信を起動する(ステップS404)。次に、探索部113は、近距離通信部103を介して、応答要求を送信することで、当該近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かの探索を行う(ステップS405)。次に、探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かを判定する(ステップS406)。具体的には、近距離通信部103が他の通信装置1から応答を受信したか否かによって当該判定を行う。
【0023】
探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在すると判定した場合(ステップS406:YES)、近距離通信部103を介して、当該他の通信装置1から最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を取得する(ステップS407)。具体的には、以下の手順で情報を取得する。近距離通信部103は、当該通信装置1に対して、最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報の送信要求を出力する。これにより、他の通信装置1の媒体情報送信部114は、近距離通信部103を介して媒体情報記憶部112が記憶する情報を当該通信装置1に送信する。次に、当該通信装置1の近距離通信部103は、当該他の通信装置1から最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を受信する。そして、探索部113は、近距離通信部103から当該情報を取得する。
【0024】
次に、子機情報記録部109は、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致するか否かを判定する(ステップS408)。なお、ここで一致の有無の判定対象となる情報は、媒体情報記憶部112が記憶する全ての情報でなくても良い。例えば、図3に示すカード固有情報が一致するか否かを判定しても良いし、利用者識別情報が一致するか否かを判定しても良い。また、利用者識別情報のうち氏名が一致するか否かを判定するようにしても良い。また、情報の一致は、完全一致に限られず、例えば家族割引などの情報によって、両者の情報が所定の関連性を有する場合に、一致すると判定するようにしても良い。
【0025】
ステップS408で子機情報記録部109が、情報が一致すると判定した場合(ステップS408:YES)、子機情報記録部109は、探索部113から他の通信装置1の識別情報(例えばMACアドレスなどの通信装置1に固有の情報)を取得する(ステップS409)。次に、子機情報記録部109は、取得した識別情報を子機情報記憶部110に記録する(ステップS410)。
【0026】
次に、親機情報記録部106は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS411)。親機情報記録部106は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS411:YES)、親機情報記憶部107が記憶する情報を削除する(ステップS412)。
【0027】
そして、ステップS406で探索部113が、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在しないと判定した場合(ステップS406:NO)、ステップS408で子機情報記録部109が、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致しないと判定した場合(ステップS408:NO)、ステップS411で親機情報記録部106が、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS411:NO)、またはステップS412で親機情報記憶部107が記憶する情報を削除した場合、UIMカード199が装着されていないときの処理を終了する。
【0028】
図5は、通信装置1にUIMカード199が装着されているときの動作を示すフローチャートである。
通信装置1にUIMカード199が装着されている場合、取り外し検出部105は、装着部101からUIMカード199が取り外されたか否かを判定する(ステップS501)。取り外し検出部105は、装着部101からのUIMカード199の取り外しを検出できなかった場合(ステップS501:NO)、ステップS501の判定処理を繰り返し実行する。
【0029】
他方、取り外し検出部105が、装着部101からのUIMカード199の取り外しを検出した場合(ステップS501:YES)、探索部113は、近距離通信部103による近距離通信を起動する(ステップS502)。次に、探索部113は、近距離通信部103を介して、応答要求を送信することで、当該近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かの探索を行う(ステップS503)。次に、探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かを判定する(ステップS504)。具体的には、近距離通信部103が他の通信装置1から応答を受信したか否かによって当該判定を行う。
【0030】
探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在すると判定した場合(ステップS504:YES)、近距離通信部103を介して、他の通信装置1に装着されているUIMカード199が記憶している情報を取得する(ステップS505)。具体的には、以下の手順で情報を取得する。近距離通信部103は、他の通信装置1に対して、装着されているUIMカード199が記憶する情報の送信要求を出力する。これにより、他の通信装置1の媒体情報送信部114は、近距離通信部103を介して媒体情報記憶部112が記憶する情報を当該通信装置1に送信する。次に、当該通信装置1の近距離通信部103は、他の通信装置1から最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を受信する。そして、探索部113は、近距離通信部103から当該情報を取得する。
【0031】
次に、親機情報記録部106は、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致するか否かを判定する(ステップS506)。なお、ここで一致の有無の判定対象となる情報は、媒体情報記憶部112が記憶する全ての情報でなくても良い。例えば、図3に示すカード固有情報が一致するか否かを判定しても良いし、利用者識別情報が一致するか否かを判定しても良い。また、利用者識別情報のうち氏名が一致するか否かを判定するようにしても良い。
【0032】
ステップS506で親機情報記録部106が、情報が一致すると判定した場合(ステップS506:YES)、親機情報記録部106は、探索部113から他の通信装置1の識別情報を取得する(ステップS507)。次に、親機情報記録部106は、取得した識別情報を親機情報記憶部107に記録する(ステップS508)。
【0033】
次に、子機情報記録部109は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS509)。子機情報記録部109は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS509:YES)、子機情報記憶部110が記憶する情報を削除する(ステップS510)。
【0034】
そして、ステップS504で探索部113が、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在しないと判定した場合(ステップS504:NO)、ステップS506で親機情報記録部106が、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致しないと判定した場合(ステップS506:NO)、ステップS509で子機情報記録部109が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS509:NO)、またはステップS510で子機情報記憶部110が記憶する情報を削除した場合、UIMカード199が装着されているときの処理を終了する。
【0035】
上述した処理により、2つの通信装置1が近距離通信の範囲内にあるときに、一方の通信装置1からUIMカード199を取り外し、他方の通信装置1に取り付けることで、一方の通信装置1の親機情報記憶部107に他方の通信装置1の情報が記録され、他方の通信装置1の子機情報記憶部110に一方の通信装置1の情報が記録される。これにより、一方の通信装置1は、他方の通信装置1の子機として通信を行うことができるようになる。つまり、利用者は、子機・親機の登録にあたり、ボタン操作などの特別な操作を行うことなく、子機・親機の関連付けを行うことができる。また、本実施形態によれば、一方の通信装置1に装着されていたUIMカード199の情報と、他方の通信装置1に装着されているUIMカード199の情報とが一致する場合に、子機・親機の関連付けを行う。これにより、他人が所有する通信装置1が誤って子機または親機として登録されてしまうことを防ぐことができる。
【0036】
次に、本実施形態による通信装置1による発信動作について説明する。
図6は、通信装置1による発信動作を示すフローチャートである。
通信装置1が、利用者によって発信操作を受け付けると(ステップS601)、通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されているか否かを判定する(ステップS602)。ここで、発信操作とは、例えば通信装置1に設けられたボタン等の操作により発信先の電話番号の入力を受けた後、発信ボタン等の押下をする操作のことをいう。
【0037】
通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されていると判定した場合(ステップS602:YES)、無線通信部102によって基地局装置2との通信を行うことを決定する。無線通信部102は、無線通信により基地局装置2との通信を行い、所定の発信処理を実行する(ステップS603)。基地局装置2との間で発信処理を完了すると、転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS604)。
【0038】
転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS604:YES)、無線通信部102が基地局装置2から発信相手からの応答を受信したか否かを判定する(ステップS605)。転送部115は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信していないと判定した場合(ステップS605:NO)、応答を受信するまでステップS605の判定を繰り返す。
【0039】
他方、転送部115は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したと判定した場合(ステップS605:YES)、近距離通信部103を介して、子機情報記憶部110が記憶する識別情報が示す通信装置1(以下、子機側の通信装置1と呼ぶ)に通信開始要求を送信する(ステップS606)。以降、通信装置1は、親機として情報の中継を行う親機通話処理を実行し(ステップS607)、処理を終了する。
【0040】
ここで、親機通話処理の動作について説明する。
図7は、親機通話処理の動作を示すフローチャートである。
まず、親機として動作する通信装置1の転送部115は、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1から、音声情報を受信する(ステップS701)。次に、転送部115は、受信した音声情報を、無線通信部102を介して基地局装置2に送信する(ステップS702)。
次に、転送部115は、無線通信部102を介して、基地局装置2から音声情報を受信する(ステップS703)。次に、転送部115は、近距離通信部103を介して、受信した音声情報を、子機側の通信装置1に送信する(ステップS704)。
【0041】
次に、転送部115は、利用者によって通話終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS705)。ここで、通話終了操作の例としては、例えば通信装置1に設けられた通話終了ボタンを押下する操作が挙げられる。転送部115は、利用者によって通話終了操作を受け付けたと判定した場合(ステップS705:YES)、無線通信部102を介して基地局装置2に通話終了要求を送信し、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS706)、通話処理を終了して(ステップS711)もとの処理に戻る。つまり、利用者が親機側の通信装置1に対して通話終了操作をした場合、親機側の通信装置1は、子機側の通信装置1と基地局装置2とに対して通話終了要求を送信することで、通話を終了する。
【0042】
他方、転送部115は、利用者によって通話終了操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS705:NO)、無線通信部102が基地局装置2から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS707)。転送部115は、基地局装置2から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS707:YES)、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS708)、通話処理を終了して(ステップS711)もとの処理に戻る。つまり、通話相手が通話終了操作をした場合、基地局装置2で通話の終了処理がなされているため、親機側の通信装置1は、子機側の通信装置1に対してのみ通話終了要求を送信することで、通話を終了する。
【0043】
他方、転送部115は、無線通信部102が基地局装置2から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS707:NO)、近距離通信部103が子機側の通信装置1から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS709)。転送部115は、子機側の通信装置1から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS709:YES)、無線通信部102を介して、基地局装置2に通話終了要求を送信し(ステップS710)、通話処理を終了して(ステップS711)もとの処理に戻る。つまり、利用者が子機側の通信装置1に対して通話終了操作をした場合、子機側の通信装置1は通話の終了処理がなされているため、親機側の通信装置1は、基地局装置2に対してのみ通話終了要求を送信することで、通話を終了する。
【0044】
他方、転送部115は、近距離通信部103が子機側通信装置1から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS709:NO)、通話を継続するため、ステップS701に戻り、処理を繰り返す。
【0045】
次に、上述したステップS604(図6)において転送部115が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS604:NO)の動作について説明する。
転送部115が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS604:NO)、無線通信部102は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したか否かを判定する(ステップS608)。無線通信部102は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信していないと判定した場合(ステップS608:NO)、応答を受信するまでステップS608の判定を繰り返す。
【0046】
他方、無線通信部102は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したと判定した場合(ステップS608:YES)、以降、当該通信装置1を用いて基地局装置2を介して通話相手と通話を行う通常通話処理を実行し(ステップS609)、処理を終了する。
【0047】
ここで、通常通話処理の動作について説明する。
図8は、通常通話処理の動作を示すフローチャートである。
まず、通信装置1の無線通信部102は、基地局装置2から、音声情報を受信する(ステップS801)。次に、無線通信部102は、受信した音声情報を、スピーカに出力することで、スピーカから音声を出力させる(ステップS802)。
次に、無線通信部102は、マイクから音声を入力する(ステップS803)。次に、無線通信部102は、入力した音声から音声情報を生成し、当該音声情報を基地局装置2に送信する(ステップS804)。
【0048】
次に、無線通信部102は、利用者によって通話終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS805)。無線通信部102は、利用者によって通話終了操作を受け付けたと判定した場合(ステップS805:YES)、基地局装置2に通話終了要求を送信し(ステップS806)、通話処理を終了して(ステップS709)もとの処理に戻る。
【0049】
他方、無線通信部102は、利用者によって通話終了操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS805:NO)、基地局装置2から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS807)。無線通信部102は、基地局装置2から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS807:YES)、子機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS808)、通話処理を終了して(ステップS709)もとの処理に戻る。
【0050】
他方、無線通信部102は、基地局装置2から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS807:NO)、通話を継続するため、ステップS801に戻り、処理を繰り返す。
【0051】
次に、上述したステップS602(図6)において通信切り替え部104が、装着部101にUIMカード199が装着されていないと判定した場合(ステップS602:NO)の動作について説明する。
通信切り替え部104が、装着部101にUIMカード199が装着されていないと判定した場合(ステップS602:NO)、近距離通信部103は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS610)。近距離通信部103は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS610:NO)、親機とすべき通信装置1が存在しないため、発信ができない旨をディスプレイ等に表示し、処理を終了する。
【0052】
近距離通信部103は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS610:YES)、親機情報が記憶する識別情報が示す通信装置1(以下、親機側の通信装置1と呼ぶ)に、発信開始要求を送信する(ステップS611)。次に、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通信開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS612)。近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通信開始要求を受信していないと判定した場合(ステップS612:NO)、通信開始要求を受信するまでステップS612の判定を繰り返す。
【0053】
他方、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通信開始要求を受信したと判定した場合(ステップS612:YES)、以降、親機側の通信装置1を介して通話相手と通話を行う子機通話処理を実行し(ステップS613)、処理を終了する。
【0054】
ここで、子機通話処理の動作について説明する。
図9は、子機通話処理の動作を示すフローチャートである。
まず、子機側の通信装置1の近距離通信部103は、親機側の通信装置1から、音声情報を受信する(ステップS901)。次に、近距離通信部103は、受信した音声情報を、スピーカに出力することで、スピーカから音声を出力させる(ステップS902)。
次に、近距離通信部103は、マイクから音声を入力する(ステップS903)。次に、近距離通信部103は、入力した音声から音声情報を生成し、当該音声情報を親機側の通信装置1に送信する(ステップS904)。
【0055】
次に、近距離通信部103は、利用者によって通話終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS905)。近距離通信部103は、利用者によって通話終了操作を受け付けたと判定した場合(ステップS905:YES)、親機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS906)、通話処理を終了して(ステップS908)もとの処理に戻る。
【0056】
他方、近距離通信部103は、利用者によって通話終了操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS905:NO)、親機側の通信装置1から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS907)。近距離通信部103は、ステップS706により親機側の通信装置1から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS907:YES)、通話処理を終了して(ステップS908)もとの処理に戻る。
【0057】
他方、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS907:NO)、通話を継続するため、ステップS901に戻り、処理を繰り返す。
【0058】
ここで、子機側の通信装置1から図6のステップS611で発信開始要求が送信された親機側の通信装置1の動作について説明する。
図10は、子機側の通信装置1からの発信開始要求を受け付ける親機側の通信装置1の動作を示すフローチャートである。
親機側の通信装置1の近距離通信部103は、まず子機側の通信装置1から発信開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1001)。近距離通信部103は、発信開始要求を受信していない場合(ステップS1001:NO)、発信開始要求を受信するまでステップS1001の判定を繰り返す。
【0059】
次に、無線通信部102は、無線通信により基地局装置2との通信を行い、所定の発信処理を実行する(ステップS1002)。基地局装置2との間で発信処理を完了すると、無線通信部102は、基地局装置2から応答を受信したか否かを判定する(ステップS1003)。無線通信部102は、基地局装置2から応答を受信していないと判定した場合(ステップS1003:NO)、応答を受信するまでステップS1003の判定を繰り返す。
【0060】
他方、無線通信部102が、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したと判定した場合(ステップS1003:YES)、転送部115は、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通信開始要求を送信する(ステップS1004)。以降、通信装置1は、親機として情報の中継を行う親機通話処理を実行し(ステップS1005)、処理を終了する。
【0061】
次に、本実施形態による通信装置1による着信動作について説明する。
図11は、通信装置1による着信動作を示すフローチャートである。
まず、通信装置1の無線通信部102は、他の通信装置1から、基地局装置2を介して着信を受けたか否かを判定する(ステップS1101)。無線通信部102は、着信を受けていないと判定した場合(ステップS1101:NO)、着信を受けるまでステップS1101の判定を繰り返す。
【0062】
他方、無線通信部102は、基地局装置2から着信を受けたと判定した場合(ステップS1001:YES)、スピーカ等に着信の報知命令を出力する(ステップS1102)。これにより、スピーカが着信音を出力したり、バイブレータが震動したりすることで、着信していることを利用者に報知する。
次に、転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS1103)。転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS1103:YES)、近距離通信部103を介して子機側の通信装置1に着信開始要求を送信する(ステップS1104)。
【0063】
次に、転送部115は、利用者によって通話開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1105)。ここで、通話開始操作の例としては、例えば通信装置1に設けられた通話開始ボタンを押下する操作が挙げられる。転送部115は、利用者によって通話開始操作を受け付けたと判定した場合(ステップS1105:YES)、無線通信部102を介して基地局装置2に通話開始要求を送信し、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通話開始要求を送信する(ステップS1106)。そして、通話装置は、親機通話処理を実行し(ステップS1107)、処理を終了する。
【0064】
他方、ステップS1105で転送部115が、利用者によって通話開始操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS1105:NO)、近距離通信部103は、子機側の通信装置1から通話開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1108)。近距離通信部103が、子機側の通信装置1から通話開始要求を受信したと判定した場合(ステップS1108:YES)、転送部115は、無線通信部102を介して基地局装置2に通話開始要求を送信する(ステップS1109)。そして、通話装置は、親機通話処理を実行し(ステップS1107)、処理を終了する。
【0065】
また、ステップS1103で、転送部115が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS1103:NO)、無線通信部102は、利用者によって通話開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1110)。無線通信部102は、利用者によって通話開始操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS1110:NO)、通話開始操作を受け付けるまでステップS1110の処理を繰り返す。
【0066】
他方、無線通信部102は、利用者によって通話開始操作を受け付けたと判定した場合(ステップS1110:YES)、基地局装置2に通話開始要求を送信する(ステップS1111)。そして、通信装置1は、通常通話処理を実行し(ステップS1112)、処理を終了する。
【0067】
ここで、親機側の通信装置1から図11のステップS1104で通話開始要求が送信された子機側の通信装置1の動作について説明する。
図12は、親機側の通信装置1からの通話開始要求を受け付ける子機側の通信装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、子機側の通信装置1の近距離通信部103は、親機側の通信装置1から、通話開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1201)。近距離通信部103は、通話開始要求を受信していないと判定した場合(ステップS1201:NO)、通話開始要求を受信するまでステップS1201の判定を繰り返す。
【0068】
他方、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通話開始要求を受信したと判定した場合(ステップS1201:YES)、スピーカ等に着信の報知命令を出力する(ステップS1202)。これにより、スピーカが着信音を出力したり、バイブレータが震動したりすることで、親機側の通信装置1が着信していることを利用者に報知する。
次に、近距離通信部103は、利用者によって通話開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1203)。近距離通信部103は、利用者によって通話開始操作を受け付けたと判定した場合(ステップS1203:YES)、親機側の通信装置1に通話開始要求を送信する(ステップS1204)。そして、子機側の通話装置は、子機通話処理を実行し(ステップS1205)、処理を終了する。
【0069】
他方、ステップS1203で近距離通信部103が、利用者によって通話開始操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS1203:NO)、近距離通信部103は、ステップS1106の処理によって親機側の通信装置1から通話開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1206)。近距離通信部103が、親機側の通信装置1から通話開始要求を受信したと判定した場合(ステップS1206:YES)、子機側の通話装置は、子機通話処理を実行し(ステップS1205)、処理を終了する。
【0070】
また、ステップS1206で、近距離通信部103が、親機側の通信装置1から通話開始要求を受信していないと判定した場合(ステップS1206:NO)、ステップS1203に戻り、判定処理を繰り返す。
【0071】
以上、本実施形態によれば、通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されている場合に、無線通信部102による通信を行い、装着部101にUIMカード199が装着されていない場合に、近距離通信部103による通信を行う。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、携帯電話としての通信か子機としての通信かを切り替えることができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、親機情報記録部106は、取り外し検出部105によってUIMカード199の取り外しが検出された場合に、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報を記録する。また、子機情報記録部109は、取り付け検出部108によってUIMカード199の取り付けが検出された場合に、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報を記録する。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、親機または子機とする通信装置1の登録動作を実行することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば親機情報記録部106及び子機情報記録部109は、探索部113によって探索された他の通信装置1の識別情報を親機情報記憶部107または子機情報記憶部110に記録する。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、親機または子機とする通信装置1を特定することができる。つまり、利用者は、機種変更などをして、古い通信装置1から新しい通信装置1にUIMカード199を映したとしても、古い通信装置1を子機として利用することができる。特に、新しい通信装置1がタブレット端末など通話に適さない形状であり、古い通信装置1が通話に適した形状である場合に便利である。
【0074】
また、本実施形態によれば、親機情報記録部106及び子機情報記録部109は、他の通信装置1に装着されたUIMカード199の情報と自装置に装着されたUIMカード199の情報とが一致する場合に、他の通信装置1の識別情報を親機情報記憶部107または子機情報記憶部110に記録する。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、当該利用者が所有する通信装置1を親機または子機として設定することができる。
【0075】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0076】
図13は、他の実施形態による通信装置1の構成を示す概略ブロック図である。
例えば、本実施形態では、通信装置1が子機として動作する場合は、近距離通信部103を常時起動させておき、親機側の通信装置1と通信する場合を説明したが、これに限られない。図13に示すように、通信装置1が無線通信部102が用いる周波数帯の電波を捕捉する電波捕捉部116を備え、子機側の通信装置1の電波捕捉部116が、当該周波数帯の電波強度が所定の閾値以上になったと判定したときに、近距離通信部103を起動させるよう制御しても良い。なお、通信装置1からUIMカード199が取り外されたとしても、無線通信部102が用いるアンテナは、無線通信部102が用いる周波数の電波を捕捉することはできるため、電波捕捉部116は、当該アンテナを介して電波の補足を行う。無線通信部102が用いる周波数帯の電波強度が大きくなったということは、子機側の通信装置1の近傍に存在する通信装置1に着信があったか、または当該通信装置1が発信したかのいずれかである可能性が高い。したがって、子機側の通信装置1は、親機側の通信装置1との通信が発生する可能性が高い適切なタイミングで近距離通信部103を起動することができ、省電力を図ることができる。
【0077】
また、例えば、本実施形態では、通信装置1が携帯電話やスマートフォンである場合を説明したが、これに限られず、PC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末など、基地局装置2を介して通話することができる他の端末であっても良い。
【0078】
また、本実施形態では、各記憶部が通信端末の内部に設けられる場合を説明したが、これに限られず、例えばメモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置に設けられていても良い。
【0079】
また、本実施形態では、ステップS407、S408で一方の通信装置1がUIM情報の照合を行う際、一方の通信装置1が他方の通信装置1からUIM情報を取得した後、当該情報が自装置のUIM情報と一致するか否かを判定することで照合を行う場合を説明したが、これに限られない。例えば、一方の通信装置1が他方の通信装置1へUIM情報を送信し、他方の通信装置1においてUIM情報の照合を行い、照合結果を一方の通信装置1に送信することで、一方の通信装置1において照合結果を得るようにしても良い。
【0080】
また、本実施形態では、UIMカード199が抜き差しされたときに、他の通信装置1の探索を行う場合を説明したが、これに限られず、利用者の操作によって任意のタイミングで探索を開始するようにしても良い。
【0081】
また、本実施形態では、親機情報記憶部107と子機情報記憶部110とを別個に備える場合を説明したが、これに限られず、1つの記憶部(他装置情報記憶部)に他の通信装置1の情報を記録するようにしても良い。
【0082】
なお、上述の通信装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0083】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1…通信装置 102…無線通信部 103…近距離通信部 104…通信切り替え部 105…取り外し検出部 106…親機情報記録部 107…親機情報記憶部 108…取り付け検出部 109…子機情報記録部 110…子機情報記憶部 111…媒体情報記録部 112…媒体情報記憶部 113…探索部 114…媒体情報送信部 115…転送部 199…UIMカード 2…基地局装置
【技術分野】
【0001】
本発明は、基地局装置との無線通信を行う通信装置、通信切り替え方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
携帯電話やスマートフォン等の通信装置の中には、UIM(User Identity Module)カードやSIM(Subscriber Identity Module)カードなどのカードを装着して使用するものがある。これらのカードには、カードを一意に識別するための固有情報や、利用者を識別するための電話番号、顧客番号、氏名などの利用者情報が記憶されている。通信装置は、カードが記憶する情報に基づいて基地局装置との通信を行うことで、通話機能や通信機能を実現している(例えば、特許文献1を参照)。これにより、UIMカードの付け替えによって通信装置の機種を簡易に変更することができる。
【0003】
また、特許文献2には、家庭用無線基地局にSIMカードを装着することで、通信装置を家庭用無線基地局の子機として動作させる技術が開示されている。
また、特許文献3には、内線電話機にSIMカードを装着することで、当該内線電話機を携帯電話として動作させる技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2007−281745号公報
【特許文献2】特開2001−197557号公報
【特許文献3】特開2008−061059号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、UIMカードが取り外された通信装置は、基地局装置との通信ができなくなり、機種変更前の通信装置を有効に使用することができないという問題があった。また、特許文献2、3に示すように、通信装置が子機としての機能と携帯電話としての機能のそれぞれを有する場合、通信を行うに当たっていずれの機能を用いて通信するかを選択する必要があり、利用者にとって不便であった。
本発明は、上記の問題に鑑みてなされたものであり、UIMカードが取り外されても有効に使用することができる通信装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記の課題を解決するためになされたものであり、無線通信により基地局装置との通信を行う第1の通信部と、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う第2の通信部と、前記第1の通信部による通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部と、前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合に、前記第1の通信部による通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合に、前記第2の通信部による通信を行う通信切り替え部とを備えることを特徴とする通信装置である。
【0007】
また、本発明は、基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を用いた通信切り替え方法であって、前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行うことを特徴とする。
【0008】
また、本発明は、基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を、前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う通信切り替え部として機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、UIMカード等の記憶媒体が装着されているか否かに基づいて、携帯電話として基地局装置との通信を行うか、他の通信装置の子機として基地局装置との通信を行うかを切り替えることができる。これにより、UIMカード等の記憶媒体が取り外されても通信装置を有効に使うことができる。また、本発明によれば、記憶媒体の有無によって通信方法の選択を自動的に行うので、利用者が通信方法の選択を行う必要が無くなる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の一実施形態による通信装置を備える通信システムの構成図である。
【図2】通信装置の構成を示す概略ブロック図である。
【図3】UIMカードが記憶する情報の例を示す図である。
【図4】通信装置にUIMカードが装着されていないときの動作を示すフローチャートである。
【図5】通信装置にUIMカードが装着されているときの動作を示すフローチャートである。
【図6】通信装置による発信動作を示すフローチャートである。
【図7】親機通話処理の動作を示すフローチャートである。
【図8】通常通話処理の動作を示すフローチャートである。
【図9】子機通話処理の動作を示すフローチャートである。
【図10】子機側の通信装置からの発信開始要求を受け付ける親機側の通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図11】通信装置による着信動作を示すフローチャートである。
【図12】親機側の通信装置からの通話開始要求を受け付ける子機側の通信装置の動作を示すフローチャートである。
【図13】他の実施形態による通信装置1の構成を示す概略ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について詳しく説明する。
図1は、本発明の一実施形態による通信装置1を備える通信システムの構成図である。
通信装置1は、UIMカードが装着されている場合、基地局装置2との無線通信を行う。また、通信装置1は、UIMカードが装着されていない場合、他の通信装置1と無線通信を行い、当該他の通信装置1を介して基地局装置2との通信を行う。すなわち、通信装置1は、UIMカードが装着されていない場合、他の通信装置1の子機として通信を行う。なお、通信装置1は、基地局装置2との無線通信を行うことで、当該基地局装置2に接続された交換機を介し、通話やパケット通信を行う。
【0012】
図2は、通信装置1の構成を示す概略ブロック図である。
通信装置1は、CPU(Central Processing Unit)やメモリ等から構成されるコンピュータシステムと、UIMカード199(記憶媒体)を装着される装着部101とを備える。
通信装置1のコンピュータシステムは、無線通信部102(第1の通信部)、近距離通信部103(第2の通信部)、通信切り替え部104、取り外し検出部105、親機情報記録部106(他装置情報記録部)、親機情報記憶部107(他装置情報記憶部)、取り付け検出部108、子機情報記録部109(他装置情報記録部)、子機情報記憶部110(他装置情報記憶部)、媒体情報記録部111、媒体情報記憶部112、探索部113(情報取得部)、媒体情報送信部114、転送部115を備える。
【0013】
無線通信部102は、UIMカード199が記憶する情報を用いて、無線通信により基地局装置2との通信を行う。すなわち、無線通信部102は、携帯電話の通信機能を発揮する処理部である。
近距離通信部103は、無線LANや、Bluetooth(登録商標)、赤外線通信などの近距離通信により、当該近距離通信の通信範囲内に存在する他の通信装置1との通信を行う。特に、自装置が他の通信装置1の子機として動作する場合、近距離通信部103は、親機情報記憶部107が記憶する情報が示す他の通信装置1を介して、基地局装置2との通信を行う。
【0014】
通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されているか否かを判定し、UIMカード199が装着されている場合、無線通信部102による基地局装置2との無線通信を行うよう通信方法を切り替える。他方、UIMカード199が装着されていない場合、近距離通信部103により他の通信装置1と無線通信を行い、当該他の通信装置1を介して基地局装置2との通信を行うよう通信方法を切り替える。
【0015】
取り外し検出部105は、装着部101からUIMカード199が取り外されたか否かを判定する。
親機情報記録部106は、取り外し検出部105が装着部101からUIMカード199が取り外されたと判定したときに、自装置の親機として動作させる他の通信装置1の情報の登録処理を行い、登録された情報を親機情報記憶部107に記録する。
親機情報記憶部107は、自装置の親機として動作させる他の通信装置1の情報を記憶する。
【0016】
取り付け検出部108は、装着部101にUIMカード199が取り付けられたか否かを判定する。
子機情報記録部109は、取り付け検出部108が装着部101にUIMカード199が取り付けられたと判定したときに、自装置の子機として動作させる他の通信装置1の情報の登録処理を行い、登録された情報を子機情報記憶部110に記録する。
子機情報記憶部110は、自装置の子機として動作させる他の通信装置1の情報を記憶する。
【0017】
媒体情報記録部111は、取り付け検出部108が装着部101にUIMカード199が取り付けられたと判定したときに、UIMカード199が記憶する情報を媒体情報記憶部112に記録する。
媒体情報記憶部112は、装着部101に最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を記憶する。
【0018】
探索部113は、近距離通信部103により近距離通信の通信範囲内に存在する他の通信装置1を探索する。また、探索部113は、探索された他の通信装置1に装着されているUIMカード199が記憶する情報、または当該通信装置1に最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を、取得する。
媒体情報送信部114は、近距離通信部103が他の通信装置1からUIMカード199の情報の送信要求を受け付けた場合、近距離通信部103を介して当該通信装置1に媒体情報記憶部112が記憶する情報を送信する。
転送部115は、近距離通信部103が、子機情報記憶部110が記憶する情報が示す通信装置1から、基地局装置2宛ての情報を受信した場合、無線通信部102を介して基地局装置2に当該情報を転送する。
【0019】
次に、UIMカード199が記憶する情報について説明する。
図3は、UIMカード199が記憶する情報の例を示す図である。
図3に示すように、UIMカード199は、当該カード毎に割り振られたカードに固有の情報であるカード固有情報と、利用者の個人情報である利用者識別情報とを記憶する。
利用者識別情報の例としては、通話に使用する電話番号、利用者毎に通信事業者に割り振られた番号である顧客ID、その他、氏名や住所等の情報が挙げられる。
【0020】
次に、本実施形態による通信装置1の動作について説明する。
図4は、通信装置1にUIMカード199が装着されていないときの動作を示すフローチャートである。
通信装置1にUIMカード199が装着されていない場合、取り付け検出部108は、装着部101にUIMカード199が取り付けられたか否かを判定する(ステップS401)。取り付け検出部108は、装着部101へのUIMカード199の取り付けを検出できなかった場合(ステップS401:NO)、ステップS401の判定処理を繰り返し実行する。
【0021】
他方、取り付け検出部108が、装着部101へのUIMカード199の取り付けを検出した場合(ステップS401:YES)、媒体情報記録部111は、UIMカード199から情報を読み出す(ステップS402)。次に、媒体情報記録部111は、読み出した情報を媒体情報記憶部112に記録する(ステップS403)。なお、このとき既に媒体情報記憶部112が他の情報を記憶していた場合、媒体情報記録部111は、読み出した情報を媒体情報記憶部112に上書きして記録する。
【0022】
次に、探索部113は、近距離通信部103による近距離通信を起動する(ステップS404)。次に、探索部113は、近距離通信部103を介して、応答要求を送信することで、当該近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かの探索を行う(ステップS405)。次に、探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かを判定する(ステップS406)。具体的には、近距離通信部103が他の通信装置1から応答を受信したか否かによって当該判定を行う。
【0023】
探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在すると判定した場合(ステップS406:YES)、近距離通信部103を介して、当該他の通信装置1から最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を取得する(ステップS407)。具体的には、以下の手順で情報を取得する。近距離通信部103は、当該通信装置1に対して、最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報の送信要求を出力する。これにより、他の通信装置1の媒体情報送信部114は、近距離通信部103を介して媒体情報記憶部112が記憶する情報を当該通信装置1に送信する。次に、当該通信装置1の近距離通信部103は、当該他の通信装置1から最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を受信する。そして、探索部113は、近距離通信部103から当該情報を取得する。
【0024】
次に、子機情報記録部109は、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致するか否かを判定する(ステップS408)。なお、ここで一致の有無の判定対象となる情報は、媒体情報記憶部112が記憶する全ての情報でなくても良い。例えば、図3に示すカード固有情報が一致するか否かを判定しても良いし、利用者識別情報が一致するか否かを判定しても良い。また、利用者識別情報のうち氏名が一致するか否かを判定するようにしても良い。また、情報の一致は、完全一致に限られず、例えば家族割引などの情報によって、両者の情報が所定の関連性を有する場合に、一致すると判定するようにしても良い。
【0025】
ステップS408で子機情報記録部109が、情報が一致すると判定した場合(ステップS408:YES)、子機情報記録部109は、探索部113から他の通信装置1の識別情報(例えばMACアドレスなどの通信装置1に固有の情報)を取得する(ステップS409)。次に、子機情報記録部109は、取得した識別情報を子機情報記憶部110に記録する(ステップS410)。
【0026】
次に、親機情報記録部106は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS411)。親機情報記録部106は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS411:YES)、親機情報記憶部107が記憶する情報を削除する(ステップS412)。
【0027】
そして、ステップS406で探索部113が、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在しないと判定した場合(ステップS406:NO)、ステップS408で子機情報記録部109が、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致しないと判定した場合(ステップS408:NO)、ステップS411で親機情報記録部106が、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS411:NO)、またはステップS412で親機情報記憶部107が記憶する情報を削除した場合、UIMカード199が装着されていないときの処理を終了する。
【0028】
図5は、通信装置1にUIMカード199が装着されているときの動作を示すフローチャートである。
通信装置1にUIMカード199が装着されている場合、取り外し検出部105は、装着部101からUIMカード199が取り外されたか否かを判定する(ステップS501)。取り外し検出部105は、装着部101からのUIMカード199の取り外しを検出できなかった場合(ステップS501:NO)、ステップS501の判定処理を繰り返し実行する。
【0029】
他方、取り外し検出部105が、装着部101からのUIMカード199の取り外しを検出した場合(ステップS501:YES)、探索部113は、近距離通信部103による近距離通信を起動する(ステップS502)。次に、探索部113は、近距離通信部103を介して、応答要求を送信することで、当該近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かの探索を行う(ステップS503)。次に、探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在するか否かを判定する(ステップS504)。具体的には、近距離通信部103が他の通信装置1から応答を受信したか否かによって当該判定を行う。
【0030】
探索部113は、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在すると判定した場合(ステップS504:YES)、近距離通信部103を介して、他の通信装置1に装着されているUIMカード199が記憶している情報を取得する(ステップS505)。具体的には、以下の手順で情報を取得する。近距離通信部103は、他の通信装置1に対して、装着されているUIMカード199が記憶する情報の送信要求を出力する。これにより、他の通信装置1の媒体情報送信部114は、近距離通信部103を介して媒体情報記憶部112が記憶する情報を当該通信装置1に送信する。次に、当該通信装置1の近距離通信部103は、他の通信装置1から最後に装着されたUIMカード199が記憶していた情報を受信する。そして、探索部113は、近距離通信部103から当該情報を取得する。
【0031】
次に、親機情報記録部106は、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致するか否かを判定する(ステップS506)。なお、ここで一致の有無の判定対象となる情報は、媒体情報記憶部112が記憶する全ての情報でなくても良い。例えば、図3に示すカード固有情報が一致するか否かを判定しても良いし、利用者識別情報が一致するか否かを判定しても良い。また、利用者識別情報のうち氏名が一致するか否かを判定するようにしても良い。
【0032】
ステップS506で親機情報記録部106が、情報が一致すると判定した場合(ステップS506:YES)、親機情報記録部106は、探索部113から他の通信装置1の識別情報を取得する(ステップS507)。次に、親機情報記録部106は、取得した識別情報を親機情報記憶部107に記録する(ステップS508)。
【0033】
次に、子機情報記録部109は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS509)。子機情報記録部109は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS509:YES)、子機情報記憶部110が記憶する情報を削除する(ステップS510)。
【0034】
そして、ステップS504で探索部113が、近距離通信の範囲内に他の通信装置1が存在しないと判定した場合(ステップS504:NO)、ステップS506で親機情報記録部106が、探索部113が取得した情報と媒体情報記憶部112が記憶する情報とが一致しないと判定した場合(ステップS506:NO)、ステップS509で子機情報記録部109が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS509:NO)、またはステップS510で子機情報記憶部110が記憶する情報を削除した場合、UIMカード199が装着されているときの処理を終了する。
【0035】
上述した処理により、2つの通信装置1が近距離通信の範囲内にあるときに、一方の通信装置1からUIMカード199を取り外し、他方の通信装置1に取り付けることで、一方の通信装置1の親機情報記憶部107に他方の通信装置1の情報が記録され、他方の通信装置1の子機情報記憶部110に一方の通信装置1の情報が記録される。これにより、一方の通信装置1は、他方の通信装置1の子機として通信を行うことができるようになる。つまり、利用者は、子機・親機の登録にあたり、ボタン操作などの特別な操作を行うことなく、子機・親機の関連付けを行うことができる。また、本実施形態によれば、一方の通信装置1に装着されていたUIMカード199の情報と、他方の通信装置1に装着されているUIMカード199の情報とが一致する場合に、子機・親機の関連付けを行う。これにより、他人が所有する通信装置1が誤って子機または親機として登録されてしまうことを防ぐことができる。
【0036】
次に、本実施形態による通信装置1による発信動作について説明する。
図6は、通信装置1による発信動作を示すフローチャートである。
通信装置1が、利用者によって発信操作を受け付けると(ステップS601)、通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されているか否かを判定する(ステップS602)。ここで、発信操作とは、例えば通信装置1に設けられたボタン等の操作により発信先の電話番号の入力を受けた後、発信ボタン等の押下をする操作のことをいう。
【0037】
通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されていると判定した場合(ステップS602:YES)、無線通信部102によって基地局装置2との通信を行うことを決定する。無線通信部102は、無線通信により基地局装置2との通信を行い、所定の発信処理を実行する(ステップS603)。基地局装置2との間で発信処理を完了すると、転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS604)。
【0038】
転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS604:YES)、無線通信部102が基地局装置2から発信相手からの応答を受信したか否かを判定する(ステップS605)。転送部115は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信していないと判定した場合(ステップS605:NO)、応答を受信するまでステップS605の判定を繰り返す。
【0039】
他方、転送部115は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したと判定した場合(ステップS605:YES)、近距離通信部103を介して、子機情報記憶部110が記憶する識別情報が示す通信装置1(以下、子機側の通信装置1と呼ぶ)に通信開始要求を送信する(ステップS606)。以降、通信装置1は、親機として情報の中継を行う親機通話処理を実行し(ステップS607)、処理を終了する。
【0040】
ここで、親機通話処理の動作について説明する。
図7は、親機通話処理の動作を示すフローチャートである。
まず、親機として動作する通信装置1の転送部115は、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1から、音声情報を受信する(ステップS701)。次に、転送部115は、受信した音声情報を、無線通信部102を介して基地局装置2に送信する(ステップS702)。
次に、転送部115は、無線通信部102を介して、基地局装置2から音声情報を受信する(ステップS703)。次に、転送部115は、近距離通信部103を介して、受信した音声情報を、子機側の通信装置1に送信する(ステップS704)。
【0041】
次に、転送部115は、利用者によって通話終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS705)。ここで、通話終了操作の例としては、例えば通信装置1に設けられた通話終了ボタンを押下する操作が挙げられる。転送部115は、利用者によって通話終了操作を受け付けたと判定した場合(ステップS705:YES)、無線通信部102を介して基地局装置2に通話終了要求を送信し、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS706)、通話処理を終了して(ステップS711)もとの処理に戻る。つまり、利用者が親機側の通信装置1に対して通話終了操作をした場合、親機側の通信装置1は、子機側の通信装置1と基地局装置2とに対して通話終了要求を送信することで、通話を終了する。
【0042】
他方、転送部115は、利用者によって通話終了操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS705:NO)、無線通信部102が基地局装置2から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS707)。転送部115は、基地局装置2から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS707:YES)、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS708)、通話処理を終了して(ステップS711)もとの処理に戻る。つまり、通話相手が通話終了操作をした場合、基地局装置2で通話の終了処理がなされているため、親機側の通信装置1は、子機側の通信装置1に対してのみ通話終了要求を送信することで、通話を終了する。
【0043】
他方、転送部115は、無線通信部102が基地局装置2から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS707:NO)、近距離通信部103が子機側の通信装置1から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS709)。転送部115は、子機側の通信装置1から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS709:YES)、無線通信部102を介して、基地局装置2に通話終了要求を送信し(ステップS710)、通話処理を終了して(ステップS711)もとの処理に戻る。つまり、利用者が子機側の通信装置1に対して通話終了操作をした場合、子機側の通信装置1は通話の終了処理がなされているため、親機側の通信装置1は、基地局装置2に対してのみ通話終了要求を送信することで、通話を終了する。
【0044】
他方、転送部115は、近距離通信部103が子機側通信装置1から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS709:NO)、通話を継続するため、ステップS701に戻り、処理を繰り返す。
【0045】
次に、上述したステップS604(図6)において転送部115が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS604:NO)の動作について説明する。
転送部115が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS604:NO)、無線通信部102は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したか否かを判定する(ステップS608)。無線通信部102は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信していないと判定した場合(ステップS608:NO)、応答を受信するまでステップS608の判定を繰り返す。
【0046】
他方、無線通信部102は、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したと判定した場合(ステップS608:YES)、以降、当該通信装置1を用いて基地局装置2を介して通話相手と通話を行う通常通話処理を実行し(ステップS609)、処理を終了する。
【0047】
ここで、通常通話処理の動作について説明する。
図8は、通常通話処理の動作を示すフローチャートである。
まず、通信装置1の無線通信部102は、基地局装置2から、音声情報を受信する(ステップS801)。次に、無線通信部102は、受信した音声情報を、スピーカに出力することで、スピーカから音声を出力させる(ステップS802)。
次に、無線通信部102は、マイクから音声を入力する(ステップS803)。次に、無線通信部102は、入力した音声から音声情報を生成し、当該音声情報を基地局装置2に送信する(ステップS804)。
【0048】
次に、無線通信部102は、利用者によって通話終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS805)。無線通信部102は、利用者によって通話終了操作を受け付けたと判定した場合(ステップS805:YES)、基地局装置2に通話終了要求を送信し(ステップS806)、通話処理を終了して(ステップS709)もとの処理に戻る。
【0049】
他方、無線通信部102は、利用者によって通話終了操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS805:NO)、基地局装置2から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS807)。無線通信部102は、基地局装置2から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS807:YES)、子機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS808)、通話処理を終了して(ステップS709)もとの処理に戻る。
【0050】
他方、無線通信部102は、基地局装置2から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS807:NO)、通話を継続するため、ステップS801に戻り、処理を繰り返す。
【0051】
次に、上述したステップS602(図6)において通信切り替え部104が、装着部101にUIMカード199が装着されていないと判定した場合(ステップS602:NO)の動作について説明する。
通信切り替え部104が、装着部101にUIMカード199が装着されていないと判定した場合(ステップS602:NO)、近距離通信部103は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS610)。近距離通信部103は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS610:NO)、親機とすべき通信装置1が存在しないため、発信ができない旨をディスプレイ等に表示し、処理を終了する。
【0052】
近距離通信部103は、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS610:YES)、親機情報が記憶する識別情報が示す通信装置1(以下、親機側の通信装置1と呼ぶ)に、発信開始要求を送信する(ステップS611)。次に、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通信開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS612)。近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通信開始要求を受信していないと判定した場合(ステップS612:NO)、通信開始要求を受信するまでステップS612の判定を繰り返す。
【0053】
他方、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通信開始要求を受信したと判定した場合(ステップS612:YES)、以降、親機側の通信装置1を介して通話相手と通話を行う子機通話処理を実行し(ステップS613)、処理を終了する。
【0054】
ここで、子機通話処理の動作について説明する。
図9は、子機通話処理の動作を示すフローチャートである。
まず、子機側の通信装置1の近距離通信部103は、親機側の通信装置1から、音声情報を受信する(ステップS901)。次に、近距離通信部103は、受信した音声情報を、スピーカに出力することで、スピーカから音声を出力させる(ステップS902)。
次に、近距離通信部103は、マイクから音声を入力する(ステップS903)。次に、近距離通信部103は、入力した音声から音声情報を生成し、当該音声情報を親機側の通信装置1に送信する(ステップS904)。
【0055】
次に、近距離通信部103は、利用者によって通話終了操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS905)。近距離通信部103は、利用者によって通話終了操作を受け付けたと判定した場合(ステップS905:YES)、親機側の通信装置1に通話終了要求を送信し(ステップS906)、通話処理を終了して(ステップS908)もとの処理に戻る。
【0056】
他方、近距離通信部103は、利用者によって通話終了操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS905:NO)、親機側の通信装置1から通話終了要求を受信したか否かを判定する(ステップS907)。近距離通信部103は、ステップS706により親機側の通信装置1から通話終了操作を受信したと判定した場合(ステップS907:YES)、通話処理を終了して(ステップS908)もとの処理に戻る。
【0057】
他方、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通話終了要求を受信していないと判定した場合(ステップS907:NO)、通話を継続するため、ステップS901に戻り、処理を繰り返す。
【0058】
ここで、子機側の通信装置1から図6のステップS611で発信開始要求が送信された親機側の通信装置1の動作について説明する。
図10は、子機側の通信装置1からの発信開始要求を受け付ける親機側の通信装置1の動作を示すフローチャートである。
親機側の通信装置1の近距離通信部103は、まず子機側の通信装置1から発信開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1001)。近距離通信部103は、発信開始要求を受信していない場合(ステップS1001:NO)、発信開始要求を受信するまでステップS1001の判定を繰り返す。
【0059】
次に、無線通信部102は、無線通信により基地局装置2との通信を行い、所定の発信処理を実行する(ステップS1002)。基地局装置2との間で発信処理を完了すると、無線通信部102は、基地局装置2から応答を受信したか否かを判定する(ステップS1003)。無線通信部102は、基地局装置2から応答を受信していないと判定した場合(ステップS1003:NO)、応答を受信するまでステップS1003の判定を繰り返す。
【0060】
他方、無線通信部102が、基地局装置2から発信相手からの応答を受信したと判定した場合(ステップS1003:YES)、転送部115は、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通信開始要求を送信する(ステップS1004)。以降、通信装置1は、親機として情報の中継を行う親機通話処理を実行し(ステップS1005)、処理を終了する。
【0061】
次に、本実施形態による通信装置1による着信動作について説明する。
図11は、通信装置1による着信動作を示すフローチャートである。
まず、通信装置1の無線通信部102は、他の通信装置1から、基地局装置2を介して着信を受けたか否かを判定する(ステップS1101)。無線通信部102は、着信を受けていないと判定した場合(ステップS1101:NO)、着信を受けるまでステップS1101の判定を繰り返す。
【0062】
他方、無線通信部102は、基地局装置2から着信を受けたと判定した場合(ステップS1001:YES)、スピーカ等に着信の報知命令を出力する(ステップS1102)。これにより、スピーカが着信音を出力したり、バイブレータが震動したりすることで、着信していることを利用者に報知する。
次に、転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されているか否かを判定する(ステップS1103)。転送部115は、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていると判定した場合(ステップS1103:YES)、近距離通信部103を介して子機側の通信装置1に着信開始要求を送信する(ステップS1104)。
【0063】
次に、転送部115は、利用者によって通話開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1105)。ここで、通話開始操作の例としては、例えば通信装置1に設けられた通話開始ボタンを押下する操作が挙げられる。転送部115は、利用者によって通話開始操作を受け付けたと判定した場合(ステップS1105:YES)、無線通信部102を介して基地局装置2に通話開始要求を送信し、近距離通信部103を介して、子機側の通信装置1に通話開始要求を送信する(ステップS1106)。そして、通話装置は、親機通話処理を実行し(ステップS1107)、処理を終了する。
【0064】
他方、ステップS1105で転送部115が、利用者によって通話開始操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS1105:NO)、近距離通信部103は、子機側の通信装置1から通話開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1108)。近距離通信部103が、子機側の通信装置1から通話開始要求を受信したと判定した場合(ステップS1108:YES)、転送部115は、無線通信部102を介して基地局装置2に通話開始要求を送信する(ステップS1109)。そして、通話装置は、親機通話処理を実行し(ステップS1107)、処理を終了する。
【0065】
また、ステップS1103で、転送部115が、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報が記憶されていないと判定した場合(ステップS1103:NO)、無線通信部102は、利用者によって通話開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1110)。無線通信部102は、利用者によって通話開始操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS1110:NO)、通話開始操作を受け付けるまでステップS1110の処理を繰り返す。
【0066】
他方、無線通信部102は、利用者によって通話開始操作を受け付けたと判定した場合(ステップS1110:YES)、基地局装置2に通話開始要求を送信する(ステップS1111)。そして、通信装置1は、通常通話処理を実行し(ステップS1112)、処理を終了する。
【0067】
ここで、親機側の通信装置1から図11のステップS1104で通話開始要求が送信された子機側の通信装置1の動作について説明する。
図12は、親機側の通信装置1からの通話開始要求を受け付ける子機側の通信装置1の動作を示すフローチャートである。
まず、子機側の通信装置1の近距離通信部103は、親機側の通信装置1から、通話開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1201)。近距離通信部103は、通話開始要求を受信していないと判定した場合(ステップS1201:NO)、通話開始要求を受信するまでステップS1201の判定を繰り返す。
【0068】
他方、近距離通信部103は、親機側の通信装置1から通話開始要求を受信したと判定した場合(ステップS1201:YES)、スピーカ等に着信の報知命令を出力する(ステップS1202)。これにより、スピーカが着信音を出力したり、バイブレータが震動したりすることで、親機側の通信装置1が着信していることを利用者に報知する。
次に、近距離通信部103は、利用者によって通話開始操作を受け付けたか否かを判定する(ステップS1203)。近距離通信部103は、利用者によって通話開始操作を受け付けたと判定した場合(ステップS1203:YES)、親機側の通信装置1に通話開始要求を送信する(ステップS1204)。そして、子機側の通話装置は、子機通話処理を実行し(ステップS1205)、処理を終了する。
【0069】
他方、ステップS1203で近距離通信部103が、利用者によって通話開始操作を受け付けていないと判定した場合(ステップS1203:NO)、近距離通信部103は、ステップS1106の処理によって親機側の通信装置1から通話開始要求を受信したか否かを判定する(ステップS1206)。近距離通信部103が、親機側の通信装置1から通話開始要求を受信したと判定した場合(ステップS1206:YES)、子機側の通話装置は、子機通話処理を実行し(ステップS1205)、処理を終了する。
【0070】
また、ステップS1206で、近距離通信部103が、親機側の通信装置1から通話開始要求を受信していないと判定した場合(ステップS1206:NO)、ステップS1203に戻り、判定処理を繰り返す。
【0071】
以上、本実施形態によれば、通信切り替え部104は、装着部101にUIMカード199が装着されている場合に、無線通信部102による通信を行い、装着部101にUIMカード199が装着されていない場合に、近距離通信部103による通信を行う。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、携帯電話としての通信か子機としての通信かを切り替えることができる。
【0072】
また、本実施形態によれば、親機情報記録部106は、取り外し検出部105によってUIMカード199の取り外しが検出された場合に、親機情報記憶部107に他の通信装置1の識別情報を記録する。また、子機情報記録部109は、取り付け検出部108によってUIMカード199の取り付けが検出された場合に、子機情報記憶部110に他の通信装置1の識別情報を記録する。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、親機または子機とする通信装置1の登録動作を実行することができる。
【0073】
また、本実施形態によれば親機情報記録部106及び子機情報記録部109は、探索部113によって探索された他の通信装置1の識別情報を親機情報記憶部107または子機情報記憶部110に記録する。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、親機または子機とする通信装置1を特定することができる。つまり、利用者は、機種変更などをして、古い通信装置1から新しい通信装置1にUIMカード199を映したとしても、古い通信装置1を子機として利用することができる。特に、新しい通信装置1がタブレット端末など通話に適さない形状であり、古い通信装置1が通話に適した形状である場合に便利である。
【0074】
また、本実施形態によれば、親機情報記録部106及び子機情報記録部109は、他の通信装置1に装着されたUIMカード199の情報と自装置に装着されたUIMカード199の情報とが一致する場合に、他の通信装置1の識別情報を親機情報記憶部107または子機情報記憶部110に記録する。これにより、通信装置1は、利用者の明示的な操作なしに、当該利用者が所有する通信装置1を親機または子機として設定することができる。
【0075】
以上、図面を参照してこの発明の一実施形態について詳しく説明してきたが、具体的な構成は上述のものに限られることはなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲内において様々な設計変更等をすることが可能である。
【0076】
図13は、他の実施形態による通信装置1の構成を示す概略ブロック図である。
例えば、本実施形態では、通信装置1が子機として動作する場合は、近距離通信部103を常時起動させておき、親機側の通信装置1と通信する場合を説明したが、これに限られない。図13に示すように、通信装置1が無線通信部102が用いる周波数帯の電波を捕捉する電波捕捉部116を備え、子機側の通信装置1の電波捕捉部116が、当該周波数帯の電波強度が所定の閾値以上になったと判定したときに、近距離通信部103を起動させるよう制御しても良い。なお、通信装置1からUIMカード199が取り外されたとしても、無線通信部102が用いるアンテナは、無線通信部102が用いる周波数の電波を捕捉することはできるため、電波捕捉部116は、当該アンテナを介して電波の補足を行う。無線通信部102が用いる周波数帯の電波強度が大きくなったということは、子機側の通信装置1の近傍に存在する通信装置1に着信があったか、または当該通信装置1が発信したかのいずれかである可能性が高い。したがって、子機側の通信装置1は、親機側の通信装置1との通信が発生する可能性が高い適切なタイミングで近距離通信部103を起動することができ、省電力を図ることができる。
【0077】
また、例えば、本実施形態では、通信装置1が携帯電話やスマートフォンである場合を説明したが、これに限られず、PC(Personal Computer)やPDA(Personal Digital Assistant)、タブレット端末など、基地局装置2を介して通話することができる他の端末であっても良い。
【0078】
また、本実施形態では、各記憶部が通信端末の内部に設けられる場合を説明したが、これに限られず、例えばメモリカードや外付けハードディスクなど、任意の外部記憶装置に設けられていても良い。
【0079】
また、本実施形態では、ステップS407、S408で一方の通信装置1がUIM情報の照合を行う際、一方の通信装置1が他方の通信装置1からUIM情報を取得した後、当該情報が自装置のUIM情報と一致するか否かを判定することで照合を行う場合を説明したが、これに限られない。例えば、一方の通信装置1が他方の通信装置1へUIM情報を送信し、他方の通信装置1においてUIM情報の照合を行い、照合結果を一方の通信装置1に送信することで、一方の通信装置1において照合結果を得るようにしても良い。
【0080】
また、本実施形態では、UIMカード199が抜き差しされたときに、他の通信装置1の探索を行う場合を説明したが、これに限られず、利用者の操作によって任意のタイミングで探索を開始するようにしても良い。
【0081】
また、本実施形態では、親機情報記憶部107と子機情報記憶部110とを別個に備える場合を説明したが、これに限られず、1つの記憶部(他装置情報記憶部)に他の通信装置1の情報を記録するようにしても良い。
【0082】
なお、上述の通信装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した各処理部の動作は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0083】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【符号の説明】
【0084】
1…通信装置 102…無線通信部 103…近距離通信部 104…通信切り替え部 105…取り外し検出部 106…親機情報記録部 107…親機情報記憶部 108…取り付け検出部 109…子機情報記録部 110…子機情報記憶部 111…媒体情報記録部 112…媒体情報記憶部 113…探索部 114…媒体情報送信部 115…転送部 199…UIMカード 2…基地局装置
【特許請求の範囲】
【請求項1】
無線通信により基地局装置との通信を行う第1の通信部と、
無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部による通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部と、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合に、前記第1の通信部による通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合に、前記第2の通信部による通信を行う通信切り替え部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
他の通信装置を識別する識別情報を記憶する他装置情報記憶部と、
前記他装置情報記憶部に他の通信装置の識別情報を記録する他装置情報記録部と
を備え、
前記第2の通信部は、前記他装置情報記憶部が記憶する識別情報が示す通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記記憶媒体の前記装着部からの取り外しを検出する取り外し検出部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記取り外し検出部によって前記記憶媒体の取り外しが検出された場合に、前記他装置情報記憶部に前記他の通信装置の識別情報を記録する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2の通信部による通信範囲内に存在する他の通信装置を探索する探索部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記探索部によって探索された他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記装着部に最後に装着された記憶媒体が記憶する情報を記憶する媒体情報記憶部と、
前記装着部に記憶媒体が装着されたときに、前記記憶媒体が記憶する情報を、前記媒体情報記憶部に上書きする媒体情報記録部と
を備え、
前記他装置情報記録部は、他の通信装置に装着されている記憶媒体が、前記媒体情報記憶部が記憶する情報と一致する情報を記憶している場合に、当該他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
無線通信により他の通信装置から情報を受信し、当該情報を前記基地局装置に転送する転送部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
他の通信装置を識別する識別情報を記憶する他装置情報記憶部と、
前記他装置情報記憶部に他の通信装置の識別情報を記録する他装置情報記録部と
を備え、
前記転送部は、前記他装置情報記憶部が記憶する識別情報が示す通信装置から情報を受信し、当該情報を前記基地局装置に転送する
ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記記憶媒体の前記装着部への取り付けを検出する取り付け検出部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記取り付け検出部によって前記記憶媒体の取り付けが検出された場合に、前記他装置情報記憶部に前記他の通信装置の識別情報を記録する
ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記転送部による他の通信装置との通信範囲内に存在する他の通信装置を探索する探索部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記探索部によって探索された他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
他の通信装置が記憶する情報を取得する情報取得部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記情報取得部が取得した情報が、前記装着部に装着されている記憶媒体が記憶する情報と一致する場合に、当該他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項7から請求項9の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を用いた通信切り替え方法であって、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う
ことを特徴とする通信切り替え方法。
【請求項12】
基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う通信切り替え部
として機能させるためのプログラム。
【請求項1】
無線通信により基地局装置との通信を行う第1の通信部と、
無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う第2の通信部と、
前記第1の通信部による通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部と、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合に、前記第1の通信部による通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合に、前記第2の通信部による通信を行う通信切り替え部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
他の通信装置を識別する識別情報を記憶する他装置情報記憶部と、
前記他装置情報記憶部に他の通信装置の識別情報を記録する他装置情報記録部と
を備え、
前記第2の通信部は、前記他装置情報記憶部が記憶する識別情報が示す通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う
ことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記記憶媒体の前記装着部からの取り外しを検出する取り外し検出部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記取り外し検出部によって前記記憶媒体の取り外しが検出された場合に、前記他装置情報記憶部に前記他の通信装置の識別情報を記録する
ことを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
前記第2の通信部による通信範囲内に存在する他の通信装置を探索する探索部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記探索部によって探索された他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項2または請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
前記装着部に最後に装着された記憶媒体が記憶する情報を記憶する媒体情報記憶部と、
前記装着部に記憶媒体が装着されたときに、前記記憶媒体が記憶する情報を、前記媒体情報記憶部に上書きする媒体情報記録部と
を備え、
前記他装置情報記録部は、他の通信装置に装着されている記憶媒体が、前記媒体情報記憶部が記憶する情報と一致する情報を記憶している場合に、当該他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項2から請求項4の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項6】
無線通信により他の通信装置から情報を受信し、当該情報を前記基地局装置に転送する転送部
を備えることを特徴とする請求項1から請求項5の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
他の通信装置を識別する識別情報を記憶する他装置情報記憶部と、
前記他装置情報記憶部に他の通信装置の識別情報を記録する他装置情報記録部と
を備え、
前記転送部は、前記他装置情報記憶部が記憶する識別情報が示す通信装置から情報を受信し、当該情報を前記基地局装置に転送する
ことを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
前記記憶媒体の前記装着部への取り付けを検出する取り付け検出部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記取り付け検出部によって前記記憶媒体の取り付けが検出された場合に、前記他装置情報記憶部に前記他の通信装置の識別情報を記録する
ことを特徴とする請求項7に記載の通信装置。
【請求項9】
前記転送部による他の通信装置との通信範囲内に存在する他の通信装置を探索する探索部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記探索部によって探索された他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項7または請求項8に記載の通信装置。
【請求項10】
他の通信装置が記憶する情報を取得する情報取得部を備え、
前記他装置情報記録部は、前記情報取得部が取得した情報が、前記装着部に装着されている記憶媒体が記憶する情報と一致する場合に、当該他の通信装置の識別情報を前記他装置情報記憶部に記録する
ことを特徴とする請求項7から請求項9の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を用いた通信切り替え方法であって、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う
ことを特徴とする通信切り替え方法。
【請求項12】
基地局装置との通信に必要な情報を記憶する記憶媒体を装着される装着部を備える通信装置を、
前記装着部に前記記憶媒体が装着されている場合、無線通信により基地局装置との通信を行い、前記装着部に前記記憶媒体が装着されていない場合、無線通信により他の通信装置との通信を行い、当該他の通信装置を介して前記基地局装置との通信を行う通信切り替え部
として機能させるためのプログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−48330(P2013−48330A)
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−185659(P2011−185659)
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年3月7日(2013.3.7)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年8月29日(2011.8.29)
【出願人】(310006855)NECカシオモバイルコミュニケーションズ株式会社 (1,081)
【Fターム(参考)】
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