説明

通信装置、通信方法、及びプログラム

【課題】あらかじめ通信帯域を予約できる通信装置を提供する。
【解決手段】空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置1は、通信データを、複数の周波数帯域を用いて、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する送信部11と、通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得部13と、他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、取得部13が取得した複数の空き周波数帯域を用いて送信部11に送信させ、実体通信データが通信される場合に、予約通信データの送信を終了させ、実体通信データが、予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする制御部17とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、ISM(Industry−Science−Medical)帯などにおいて、断片化した空き周波数帯域を集積し、一つの無線チャネルとして用いるダイナミックスペクトラムアクセス(DSA:Dynamic Spectrum Access)のコンセプトが提案されている(例えば、非特許文献1参照)。また、そのDSAに適したスペクトラム制御方式として、シングルキャリア変調のスペクトラムをバンドパスフィルタにより複数の帯域に分割し、それぞれを周波数変換して伝送するスペクトラム分割シングルキャリア変調方式も提案されている(例えば、特許文献1,非特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−232857号公報
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】太郎丸真、矢野一人、塚本悟司、上羽正純、「ISMバンドにおける高効率周波数共用に向けたダイナミックスペクトラムアクセスシステムのコンセプト提案」、信学技報,vol.108,no.446,SR2008−97,p.53−57,2009年3月
【非特許文献2】鈴木康夫、太郎丸真、矢野一人、上羽正純、「DSAのための帯域制限付きスペクトラム分割シングルキャリア伝送方式の基本性能」、信学技報,vol.109,no.164,RCS2009−81,p.19−23,2009年8月
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
従来のDSAにおけるスペクトラム分割シングルキャリア変調方式では、複数の空き周波数帯域を用いて通信を行うため、通信を開始しようとした場合に、十分な空き周波数帯域が存在しないこともあり、適切な通信を行うことができないこともあった。
【0006】
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、通信を開始する際にその通信で使用可能な周波数帯域が存在しうるようにできる通信装置等を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明による通信装置は、空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置であって、通信データを、複数の周波数帯域を用いて、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する送信部と、通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得部と、他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、取得部が取得した複数の空き周波数帯域を用いて送信部に送信させ、実体通信データが通信される場合に、予約通信データの送信を終了させ、実体通信データが、予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする制御部と、を備えたものである。
【0008】
このような構成により、実体通信データの通信前においても、予約通信データを送信することによって周波数帯域を確保しておくことができる。そのため、通信が開始される際に、その通信で用いる周波数帯域が存在しうることになり、通信を行うことができない事態を回避することができうる。
【0009】
また、本発明による通信装置では、予約通信データの時間的な占有率に関する時間占有情報、及び、予約通信データの帯域幅を示す帯域幅情報が記憶される予約属性記憶部をさらに備え、制御部は、予約通信データを、予約属性記憶部で記憶されている、時間占有情報の示す時間的な占有率、及び、帯域幅情報の示す帯域幅で送信部に送信させてもよい。
このような構成により、時間占有情報や、帯域幅情報によって、予約通信データの送信の属性を決定することができる。
【0010】
また、本発明による通信装置では、実体通信データの量に関するデータ属性情報が記憶されるデータ属性情報記憶部と、データ属性情報に応じて、実体通信データの量が多いほど、帯域幅が広くなるように帯域幅情報を決定して予約属性記憶部に蓄積する予約属性決定部と、をさらに備えてもよい。
このような構成により、実体通信データの量に応じて帯域幅情報が決定されることになり、実体通信データを送信する際に、十分な帯域幅が確保されているようにすることができる。
【0011】
また、本発明による通信装置では、データ属性情報は、実体通信データの緊急度をも示すものであり、予約属性決定部は、データ属性情報に応じて、実体通信データの緊急度が高いほど、時間的な占有率が高くなるように時間占有情報を決定して予約属性記憶部に蓄積してもよい。
このような構成により、実体通信データの緊急度に応じて時間占有情報が決定されることになり、例えば、緊急度の高い実体通信データを通信する際に、その通信で用いる周波数帯域がより確実に確保されているようにすることができる。
【0012】
また、本発明による通信装置では、時間占有情報を受信し、予約属性記憶部に蓄積する受信部をさらに備えてもよい。
このような構成により、例えば、他の装置で決定された時間占有情報に応じて予約通信データを送信することができるようになる。
【0013】
また、本発明による通信方法は、空き周波数帯域を用いて通信を行う通信方法であって、通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得ステップと、他の装置との間で通信するデータである実体通信データを送信しない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、取得ステップで取得した複数の空き周波数帯域を用いてスペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する予約送信ステップと、実体通信データが通信される場合に、予約通信データの送信を終了し、実体通信データが、予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする予約終了ステップと、を備えたものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明による通信装置等によれば、実体通信データの通信前においても、予約通信データを送信することによって、実体通信データの通信で使用される周波数帯域を確保しておくことができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態1による通信装置の構成を示すブロック図
【図2】同実施の形態による送信部及び受信部の構成を示すブロック図
【図3】同実施の形態による通信装置の動作を示すフローチャート
【図4】同実施の形態におけるセンシング等について説明するための図
【図5】同実施の形態におけるスペクトラム分割の具体例について説明するための図
【図6】同実施の形態におけるコンピュータシステムの外観一例を示す模式図
【図7】同実施の形態におけるコンピュータシステムの構成の一例を示す図
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明による通信装置について、実施の形態を用いて説明する。なお、以下の実施の形態において、同じ符号を付した構成要素及びステップは同一または相当するものであり、再度の説明を省略することがある。
【0017】
(実施の形態1)
本発明の実施の形態1による通信装置について、図面を参照しながら説明する。本実施の形態による通信装置は、予約用の通信データを送信することによって実体的な通信データの送信で使用する周波数帯域を確保しておくものである。
【0018】
図1は、本実施の形態による通信装置1の構成を示すブロック図である。本実施の形態による通信装置1は、アンテナ2を介して無線通信を行うものであり、送信部11と、受信部12と、取得部13と、データ属性情報記憶部14と、予約属性決定部15と、予約属性記憶部16と、制御部17とを備える。なお、本実施の形態では、通信装置1がモバイルステーション(MS:Mobile Station)であり、通信装置1の通信先の装置であるアクセスポイント(AP:Access Point)が存在する場合について主に説明するが、そうでなくてもよいことは言うまでもない。通信装置1がAPであってもよい。
【0019】
送信部11は、通信データを、複数の周波数帯域を用いて、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する。その複数の周波数帯域は、使用されていない空き周波数帯域であり、後述するように、制御部17によって指定されるものである。
【0020】
図2(a)は、送信部11の詳細な構成を示すブロック図である。図2(a)において、送信部11は、変調部31と、S/P(シリアル/パラレル)変換部32と、フーリエ変換部33と、スペクトラムマッピング部34と、逆フーリエ変換部35と、P/S(パラレル/シリアル)変換部36と、DA変換部37と、局部発信部38と、周波数変換部39と、電力増幅部40とを備える。
【0021】
変調部31は、デジタル信号である通信データを受け付け、その通信データをデジタル変調する。なお、PAPR(Peak to Average Power Ratio)特性をよくするためなどの目的で、スペクトラム分割前の変調波形をロールオフフィルタにより整形してもよい(そのことについては、例えば、次の文献を参照されたい)。S/P変換部32は、デジタル変調された通信データを、複数の並列配列の信号に変換する。なお、デジタル変調時にロールオフフィルタを用いた場合には、IFFTフレーム境界付近の出力信号が歪んでしまうため、S/P変換部32及びP/S変換部36において、重複S/P変換及び重複P/S変換を行ってもよい。その重複率は、例えば、1/8であってもよい。
文献:鈴木康夫、矢野一人、上羽正純、「スペクトラム分割シングルキャリア伝送の波形整形効果」、2010年電子情報通信学会ソサイエティ大会,B−5−137,p.491,2010年9月
【0022】
フーリエ変換部33は、S/P変換後の複数の並列配列の信号を受け付け、それらの信号を並列に高速フーリエ変換することによって、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。スペクトラムマッピング部34は、高速フーリエ変換後の信号を受け付け、その信号に対してスペクトラムマッピングを行う。具体的には、スペクトラムマッピング部34は、高速フーリエ変換後の信号をバンドパスフィルタによってN個に分割し、分割後のN個の信号に対して、通信で用いる複数の周波数帯域に応じた周波数変換を行う。なお、スペクトラムマッピング部34は、高速フーリエ変換後の並列配列の信号である、複数の分割送信スペクトラムブロックに含まれる複数の周波数成分を、後述する制御部17によって設定される複数の周波数帯域に分割するためのマッピング行列を生成し、そのマッピング行列を用いて、複数の分割送信スペクトラムブロックに含まれる複数の周波数成分を複数の周波数帯域に分割してもよい。このスペクトラムマッピング部34の詳細な処理については、例えば、前述の特許文献1を参照されたい。なお、S/P変換時に重複S/P変換を行っている場合には、周波数変換後の信号位相が不連続となるため、位相補正も行う(上記文献参照)。このNは、通信で用いられるサブスペクトラムの個数であり、1以上の整数である。複数のサブスペクトラムを用いて通信を行う場合には、Nは2以上である。逆フーリエ変換部35は、スペクトラムマッピング後の信号に対して、逆高速フーリエ変換を行い、時間領域の信号に戻す。P/S変換部36は、逆高速フーリエ変換後の信号を受け付け、並列配列の信号を直列配列に変換する。なお、前述のように、P/S変換部36は、重複P/S変換を行ってもよい。DA変換部37は、P/S変換後の直列配列のデジタル信号を受け付け、そのデジタル信号をアナログ信号に変換する。局部発信部38は、周波数変換のための信号を生成する。周波数変換部39は、局部発信部38が生成した周波数変換のための信号を用いて、DA変換部37で生成された等価ベースバンド帯域送信信号を、送信周波数帯に変換する。電力増幅部40は、周波数変換部39により周波数変換された送信信号を、所望の電力まで増幅する。その送信信号が、アンテナ2を介して送信される。
【0023】
なお、送信部11の各構成要素が受け渡しを行う信号を、単に通信データと呼ぶこともある。また、送信部11の構成は、これに限定されるものではなく、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式による送信を行うことができるのであれば、他の構成であってもよい。例えば、S/P変換やP/S変換を行わなくてもよく、あるいは、高速フーリエ変換や逆高速フーリエ変換に代えて、離散フーリエ変換や逆離散フーリエ変換を用いてもよい。このように、送信部11の構成には任意性が存在する。また、送信部11は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な部分については、送信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0024】
受信部12は、通信先の装置からスペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信された通信データを受信する。また、受信部12は、後述する時間占有情報を含む通信データを受信し、その時間占有情報を予約属性記憶部16に蓄積してもよい。この時間占有情報は、例えば、APから送信されたものであってもよい。また、受信部12は、後述する帯域幅情報を含む通信データを受信し、その帯域幅情報を予約属性記憶部16に蓄積してもよい。この帯域幅情報は、例えば、APから送信されたものであってもよい。時間占有情報と帯域幅情報とは一緒に送信されてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。また、時間占有情報や帯域幅情報は、制御チャネルを介して送信されたものであってもよい。
【0025】
図2(b)は、受信部12の詳細な構成を示すブロック図である。図2(b)において、受信部12は、低雑音増幅部41と、周波数変換部42と、局部発信部43と、AD変換部44と、S/P変換部45と、フーリエ変換部46と、スペクトラムデマッピング部47と、逆フーリエ変換部48と、P/S変換部49と、復調部50とを備える。
【0026】
低雑音増幅部41は、アンテナ2で受信された通信データのアナログ信号を受信し、その受信したアナログ信号(受信信号)を増幅する。周波数変換部42は、局部発信部43によって生成された信号を用いて、受信信号を周波数変換し、AD変換部44で変換できる等価ベースバンド帯域受信信号に変換する。局部発信部43は、その周波数変換部42での周波数変換のための信号を生成する。AD変換部44は、等価ベースバンド帯域受信信号であるアナログ信号をデジタル信号に変換する。S/P変換部45は、AD変換後のデジタル信号を受け付け、そのデジタル信号を複数の並列配列の信号に変換する。フーリエ変換部46は、S/P変換後の複数の並列配列の信号を受け付け、それらの信号を並列に高速フーリエ変換することによって、時間領域の信号を周波数領域の信号に変換する。スペクトラムデマッピング部47は、高速フーリエ変換後の信号を受け付け、その信号に対してスペクトラムデマッピングを行う。具体的には、スペクトラムデマッピング部47は、高速フーリエ変換後の信号をバンドパスフィルタによって通信で用いられた複数の周波数帯域に応じたM個の周波数帯域の信号に分割し、分割後のM個の周波数帯域に応じた信号に対して周波数変換を行うことによって一つの周波数帯域の信号に結合する。なお、スペクトラムデマッピング部47は、スペクトラムマッピング部34と同様の手法によって、通信データの通信で用いられた複数の周波数帯域に応じたマッピング行列を生成し、そのマッピング行列の転置行列であるデマッピング行列を算出し、そのデマッピング行列を用いて、高速フーリエ変換後の並列配列の信号を一つの周波数帯域に結合してもよい。このスペクトラムデマッピング部47の詳細な処理については、例えば、前述の特許文献1を参照されたい。なお、Mは、通信で用いられるサブスペクトラムの個数であり、1以上の整数である。複数のサブスペクトラムを用いて通信が行われる場合には、Mは2以上である。また、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により通信を行う場合には、通常、送信する通信データのサブスペクトラムの個数と、受信する通信データのサブスペクトラムの個数とは等しいため、N=Mとなるが、場合によっては異なっていてもよい。逆フーリエ変換部48は、スペクトラムデマッピング後の信号に対して、逆高速フーリエ変換を行い、時間領域の信号に戻す。P/S変換部49は、逆高速フーリエ変換後の信号を受け付け、並列配列の信号を直列配列に変換する。復調部50は、P/S変換後の直列配列のデジタル信号を受け付け、そのデジタル信号をデジタル復調する。
【0027】
ここで、受信部12においても、スペクトラムデマッピング部47の後段においてロールオフフィルタを用いてもよい。その場合には、逆フーリエ変換部48は、ロールオフフィルタから受け取った信号に対して逆フーリエ変換を行うことになる。また、ロールオフフィルタを用いる場合には、S/P変換部45及びP/S変換部49において、重複S/P変換及び重複P/S変換を行ってもよい。また、S/P変換時に重複変換を行っている場合には、信号位相が不連続とならないように、スペクトラムデマッピング部47において位相補正も行う。
【0028】
なお、受信部12の各構成要素が受け渡しを行う信号を、単に通信データと呼ぶこともある。また、受信部12の構成は、これに限定されるものではなく、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式による受信を行うことができるのであれば、他の構成であってもよい。例えば、S/P変換やP/S変換を行わなくてもよく、あるいは、高速フーリエ変換や逆高速フーリエ変換に代えて、離散フーリエ変換や逆離散フーリエ変換を用いてもよい。また、受信部12において、フーリエ変換部46とスペクトラムデマッピング部47との間において等化器(イコライザ)による等化処理を行ってもよい。このように、受信部12の構成には任意性が存在する。また、受信部12は、ハードウェアによって実現されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な部分については、受信デバイスを駆動するドライバ等のソフトウェアによって実現されてもよい。
【0029】
また、送信部11における局部発信部38と、受信部12における局部発信部43とは、同一のものであってもよい。すなわち、同一の局部発信部を用いて、周波数変換部39,42における周波数変換が行われてもよい。また、例えば、局部発信部38,43が生成する周波数が2.4GHzであり、周波数変換部39による周波数変換後の送信信号の周波数と、アンテナ2で受信された受信信号の周波数とが2.4GHzであり、等価ベースバンド帯域の送信信号、受信信号の周波数が0GHzであってもよい。なお、これらの周波数は一例であり、これらに限定されないことは言うまでもない。
【0030】
取得部13は、通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する。取得部13は、その複数の空き周波数帯域を検出(センシング)することにより取得してもよく、あるいは、他の装置(例えば、APなど)が送信した通信データに空き周波数帯域を示す情報が含まれる場合には、受信部12が受信した通信データから取得してもよい。複数の空き周波数帯域を検出する場合には、取得部13は、受信部12の高速フーリエ変換後の信号を用いて、その検出を行ってもよい。すなわち、取得部13は、高速フーリエ変換後の周波数領域の信号から得たパワースペクトルを、あらかじめ設定されているしきい値と比較し、そのしきい値よりも振幅の大きい周波数帯域は使用されていると判断し、そのしきい値よりも振幅の小さい周波数帯域は使用されていないと判断してもよい。本実施の形態では、このように取得部13が複数の空き周波数帯域を検出する場合について説明する。また、複数の空き周波数帯域を受信された通信データから取得する場合には、他の装置から送信された通信データに空き周波数帯域を示す情報が含まれており、取得部13は、デジタル復調後の通信データから、その空き周波数帯域を示す情報を取得してもよい。なお、空き周波数帯域は、例えば、周波数帯域の上限の周波数と下限の周波数とによって示されてもよく、あるいは、あらかじめ周波数帯域ごとにインデックスが付与されており、そのインデックスによって示されてもよい。本実施の形態では、後者の場合について主に説明する。そして、そのインデックスのことを周波数インデックスと呼ぶこともある。また、取得部13は、例えば、取得した複数の空き周波数帯域を特定可能な情報(例えば、周波数そのものでもよく、周波数インデックス等でもよい)を図示しない記録媒体に蓄積してもよい。また、結果として、空き周波数帯域を知ることができるのであれば、取得部13が行う処理内容は問わない。例えば、取得部13は、使用中の周波数帯域を取得してもよい。その場合でも、結果として、空き周波数帯域を知ることができるからである。
【0031】
データ属性情報記憶部14では、実体通信データの量に関するデータ属性情報が記憶される。ここで、予約通信データと、実体通信データとについて説明する。予約通信データは、通信帯域を予約するために送信される通信データである。したがって、通常、予約通信データには他の装置に伝送したい有意な情報が含まれていない。一方、実体通信データは、他の装置に伝送したい有意な情報(実体)を含むものである。実体通信データの量は、例えば、実体通信データの全体の容量(例えば、100MB等)であってもよく、あるいは、実体通信データの時間当たりの容量、すなわち、転送速度(例えば、100kbps)であってもよい。また、データ属性情報は、実体通信データの緊急度をも示すものであってもよい。緊急度は、例えば、緊急度が高いほど大きな値となる数値(例えば、1から10までの10段階の数値でもよい)によって示されてもよく、「高」「中」「低」などによって示されてもよい。
【0032】
データ属性情報記憶部14にデータ属性情報が記憶される過程は問わない。例えば、記録媒体を介してデータ属性情報がデータ属性情報記憶部14で記憶されるようになってもよく、通信回線等を介して送信されたデータ属性情報がデータ属性情報記憶部14で記憶されるようになってもよく、あるいは、入力デバイスを介して入力されたデータ属性情報がデータ属性情報記憶部14で記憶されるようになってもよい。データ属性情報記憶部14での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。また、データ属性情報記憶部14は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0033】
予約属性決定部15は、データ属性情報に応じて、実体通信データの量が多いほど、帯域幅が広くなるように帯域幅情報を決定して予約属性記憶部16に蓄積してもよい。予約属性決定部15は、例えば、実体通信データの量と、帯域幅とを対応付けるテーブル等の情報を用いて、データ属性情報の示す実体通信データの量に応じた帯域幅情報を決定してもよい。また、予約属性決定部15は、例えば、実体通信データの量を引数として帯域幅を算出する関数を用いて、データ属性情報の示す実体通信データの量に応じた帯域幅情報を決定してもよい。その関数は、実体通信データの量に関する増加関数となる。また、その他の方法によって、帯域幅情報が決定されてもよいことは言うまでもない。また、データ属性情報が実体通信データの緊急度をも示すものである場合には、予約属性決定部15は、データ属性情報に応じて、実体通信データの緊急度が高いほど、予約通信データの時間的な占有率が高くなるように時間占有情報を決定して予約属性記憶部16に蓄積してもよい。予約通信データの時間的な占有率とは、予約通信データが送信されている期間に関する時間軸方向における占有率である。したがって、予約通信データが全く送信されない場合には、占有率は0%(あるいは0)となり、予約通信データが中断されることなく連続して送信される場合には、占有率は100%(あるいは1)となる。時間占有情報は、予約通信データの時間的な占有率に関する情報であり、例えば、予約通信データの送信頻度(例えば、1回/50msや10回/s等)と、予約通信データの時間的な長さ(例えば、10msや50ms等)とを示すものであってもよく、予約通信データの時間的な長さ(例えば、10msや50ms等)と、予約通信データを送信しないブランクの期間(ある予約通信データが送信されてから次の予約通信データが送信されるまでの期間)の時間的な長さ(例えば、10msや50ms等)とを示すものであってもよく、あるいは、予約通信データの時間的な占有率そのもの(例えば、50%や80%等)を示すものであってもよい。また、時間占有情報は、その他の情報によって示されるものであってもよい。例えば、送信頻度の代わりに、予約通信データの時間的な送信間隔(例えば、100ms等)が時間占有情報によって示されてもよい。予約属性決定部15は、例えば、実体通信データの緊急度と、時間占有情報とを対応付けるテーブル等の情報を用いて、データ属性情報の示す緊急度に応じた時間占有情報を決定してもよい。また、予約属性決定部15は、例えば、実体通信データの緊急度を引数として時間占有情報を算出する関数を用いて、データ属性情報の示す実体通信データの緊急度に応じた時間占有情報を決定してもよい。その関数は、予約通信データの時間的な占有率について、緊急度の増加関数となるものである。例えば、その関数は、予約通信データの送信頻度や予約通信データの時間的な長さについては、緊急度の増加関数となり、予約通信データを送信しないブランクの期間の時間的な長さについては、緊急度の減少関数となってもよいが、必ずしもそうでなくてもよい。なぜなら、その関数は、例えば、送信頻度については緊急度の増加関数であり、予約通信データの時間的な長さについては緊急度の減少関数であるが、結果として、予約通信データの時間的な占有率について、緊急度の増加関数となることもできるからである。また、予約属性決定部15は、他の装置の通信状況も考慮して時間占有情報を決定してもよい。例えば、予約属性決定部15は、通信が混んでいる場合、すなわち、周波数方向及び時間方向において使用中の周波数帯域や使用時間割合が大きい(広い)場合には、占有率の小さい時間占有情報を決定してもよい。また、予約属性決定部15は、通信が混んでいない場合、すなわち、周波数方向及び時間方向において使用中の周波数帯域や使用時間割合が小さい(狭い)場合には、占有率の大きい時間占有情報を決定してもよい。なお、予約属性決定部15は、例えば、取得部13によるセンシングの結果を受け取ることにより、他の装置の通信状況を取得してもよい。また、その他の方法によって、時間占有情報が決定されてもよいことは言うまでもない。また、予約属性決定部15が関数を用いて時間占有情報等を決定する場合であって、引数に対応する情報が数値以外の情報(例えば、「高」「中」「低」など)である場合には、予約属性決定部15は、その情報を数値に変換してから関数の値を算出してもよい。数値への変換は、例えば、数値以外の情報と、数値とを対応付けるテーブル等の情報を用いてなされてもよい。
【0034】
予約属性記憶部16では、予約通信データの時間的な占有率に関する時間占有情報、及び、予約通信データの帯域幅を示す帯域幅情報が記憶される。予約属性記憶部16に時間占有情報や帯域幅情報が記憶される過程は問わない。例えば、予約属性決定部15が、時間占有情報や帯域幅情報を予約属性記憶部16に蓄積してもよく、あるいは、受信部12が、受信した時間占有情報や帯域幅情報を予約属性記憶部16に蓄積してもよい。本実施の形態では、時間占有情報は受信部12によって蓄積され、帯域幅情報は予約属性決定部15によって蓄積される場合について主に説明する。予約属性記憶部16での記憶は、RAM等における一時的な記憶でもよく、あるいは、長期的な記憶でもよい。予約属性記憶部16は、所定の記録媒体(例えば、半導体メモリや磁気ディスク、光ディスクなど)によって実現されうる。
【0035】
制御部17は、他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、取得部13が取得した複数の空き周波数帯域を用いて送信部11に送信させる。その予約通信データは、いわゆるダミーのデータである。また、制御部17は、実体通信データが通信される場合に、予約通信データの送信を終了させ、その実体通信データが、予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする。すなわち、予約通信データによって周波数帯域をあらかじめ確保しておき、実体通信データによる実際の通信が行われる際には、その予約通信データによって確保されていた周波数帯域を用いて通信が行われるようになる。そのため、実体通信データの通信が開始されると、予約通信データの送信は終了される。なお、実体通信データの通信が終了すると、その実体通信データの通信で用いられていた周波数帯域を確保しておくため、制御部17は、予約通信データの送信を送信部11に再開させてもよい。また、予約通信データによって予約されていた通信帯域を用いた通信は、通信装置1から他の装置に実体通信データを送信することであってもよく、他の装置から通信装置1に実体通信データを送信することであってもよく、その両方であってもよい。予約されていた通信帯域を用いた通信が、通信装置1から他の装置に実体通信データを送信することである場合には、制御部17は、その実体通信データを、予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて送信部11に送信させる。また、予約されていた通信帯域を用いた通信が、他の装置から通信装置1に実体通信データを送信することである場合には、制御部17が予約通信データの送信を終了させる処理を行い、その結果として、予約されていた複数の周波数帯域を用いた通信が行われるようになってもよい。なお、その場合には、受信部12が、その予約されていた通信帯域を用いて送信された実体通信データを受信することになる。また、予約通信データによって予約されていた通信帯域を用いた通信が、他の装置から通信装置1に実体通信データを送信することである場合には、他の装置は、例えば、次のようにして、予約されている周波数帯域を知ることができる。他の装置は、例えば、制御チャネル等を介した通信装置1からの通知によって、予約されている周波数帯域を取得してもよい。また、予約通信データに通信装置1を識別する情報が含まれている場合には、他の装置は、例えば、その予約通信データを受信することによって、通信装置1によって予約されている周波数帯域を検出してもよい。その場合には、送信部11が送信する予約通信データは、通信装置1の識別情報を含むものであり、また、他の装置によって予約通信データであると認識される特徴を有するもの(例えば、予約通信データであることを示す情報が含まれていてもよい)であることが好適である。
【0036】
また、制御部17は、予約通信データを、予約属性記憶部16で記憶されている、時間占有情報の示す時間的な占有率、及び、帯域幅情報の示す帯域幅で送信部11に送信させる。時間占有情報が、予約通信データの送信頻度と時間的な長さとを示す場合や、予約通信データの時間的な長さと、ブランクの期間の時間的な長さとを示す場合に、制御部17は、厳密にその送信頻度等となるように予約通信データを送信させてもよく、あるいは、平均としてその送信頻度等となるように予約通信データを送信させてもよい。前者の場合には、予約通信データと同じ周波数帯域において、他の装置が、ちょうど同じ周期でブランクの期間に通信データを送信することを許容してしまうため、周波数帯域を適切に確保する観点から、後者のように予約通信データを送信させることが好適である。後者のように予約通信データを送信させる場合であり、例えば、送信頻度が1回/50msである場合(すなわち、予約通信データの送信間隔は50msである)には、制御部17は、予約通信データの送信間隔を、45ms、50ms、55ms、50ms、45ms、…と揺らがせながら予約通信データを送信させてもよい。また、時間占有情報が時間的な占有率を示す場合には、制御部17は、その時間的な占有率となるように、予約通信データの送信頻度や時間的な長さを決定し、それに応じて予約通信データを通信させることになる。その送信頻度等の決定は、例えば、時間的な占有率と、送信頻度等とを対応付けるテーブル等の情報を用いて行われてもよく、あるいは、その他の方法によって行われてもよい。また、取得部13が取得した空き周波数帯域を合計した帯域幅が、帯域幅情報の示す帯域幅よりも広い場合には、制御部17は、適宜、帯域幅情報の示す帯域幅に応じた空き周波数帯域を選択し、その選択した空き周波数帯域を用いて予約通信データが送信されるようにしてもよい。その選択は、例えば、スペクトラムの分割数が少なくなり、各サブスペクトラムの帯域幅が均等となるように行われてもよい。また、例えば、通信データの通信で使用される単位となる単位帯域幅(例えば、一の周波数インデックスに対応した帯域幅でもよい)が決まっている場合には、制御部17は、帯域幅情報の示す帯域幅を単位帯域幅で除算し、その結果に応じた個数の単位帯域幅を、空き周波数帯域において選択してもよい。また、取得部13が取得した空き周波数帯域を合計した帯域幅が、帯域幅情報の示す帯域幅よりも狭い場合には、制御部17は、取得部13が取得したすべての空き周波数帯域を用いて予約通信データが送信されるようにしてもよい。
【0037】
なお、データ属性情報記憶部14と、予約属性記憶部16とは、同一の記録媒体によって実現されてもよく、あるいは、別々の記録媒体によって実現されてもよい。前者の場合には、データ属性情報を記憶している領域がデータ属性情報記憶部14となり、時間占有情報や帯域幅情報を記憶している領域が予約属性記憶部16となる。
【0038】
次に、通信装置1の動作について図3のフローチャートを用いて説明する。なお、図3のフローチャートでは、時間占有情報は受信部12が受信して予約属性記憶部16に蓄積し、帯域幅情報は予約属性決定部15が決定して予約属性記憶部16に蓄積する場合について説明する。
【0039】
(ステップS101)制御部17は、予約通信データの送信を行うかどうか判断する。そして、予約通信データの送信を行う場合には、ステップS102に進み、そうでない場合には、予約通信データの送信を行うまでステップS101の処理を繰り返す。なお、制御部17は、例えば、通信装置1の電源がオンになった場合や、通信装置1の通信機能がオンになった場合に、予約通信データの送信を行うと判断してもよく、あるいは、その他のタイミングで予約通信データの送信を行うと判断してもよい。
【0040】
(ステップS102)制御部17は、時間占有情報の送信を要求する通信データをAPに送信するように送信部11を制御する。その結果、送信部11は、その通信データをAPに送信する。その通信データは、制御チャネルを介して送信される。
【0041】
なお、図示しないAPは、その送信された通信データを受信し、その要求に応じて使用中の周波数帯域のセンシングを行う。そして、そのセンシングの結果に応じて、全体のQoSが満たされるように時間占有情報を決定し、その時間占有情報を含む通信データを、制御チャネルを介して通信装置1に送信する。なお、APは、センシングの結果、例えば、周波数方向及び時間方向において使用中の周波数帯域や使用時間割合が大きい(広い)場合には、占有率の小さい時間占有情報を決定し、逆に周波数方向及び時間方向において使用中の周波数帯域や使用時間割合が小さい(狭い)場合には、占有率の大きい時間占有情報を決定してもよい。また、送信部11は、APに送信する、時間占有情報の送信を要求する通信データに、緊急度を示す情報を含めてもよい。その緊急度は、例えば、データ属性情報記憶部14で記憶されているデータ属性情報から取得したものであってもよい。送信部11がAPに送信する通信データに緊急度を示す情報が含まれている場合には、APは、前述の予約属性決定部15と同様に、緊急度が高いほど時間的な占有率が高くなるように時間占有情報を決定してもよい。
【0042】
(ステップS103)受信部12は、APから送信された時間占有情報を含む通信データを受信したかどうか判断する。そして、受信した場合にはステップS104に進み、そうでない場合には、受信するまでステップS103の処理を繰り返す。
【0043】
(ステップS104)受信部12は、受信した通信データに含まれる時間占有情報を予約属性記憶部16に蓄積する。
【0044】
(ステップS105)予約属性決定部15は、データ属性情報記憶部14で記憶されているデータ属性情報の示す実体通信データの量を用いて帯域幅情報を決定し、その決定した帯域幅情報を予約属性記憶部16に蓄積する。
【0045】
(ステップS106)取得部13は、複数の空き周波数帯域を取得する。
【0046】
(ステップS107)制御部17は、取得部13が取得した複数の空き周波数帯域のうち、予約属性記憶部16で記憶されている帯域幅情報で示される帯域幅に応じた複数の周波数帯域を用いて、予約通信データを送信するように送信部11を制御する。すなわち、制御部17は、帯域幅情報で示される帯域幅に応じた複数の周波数帯域を、送信部11が通信データを送信する周波数帯域に設定する。また、制御部17は、予約属性記憶部16で記憶されている時間占有情報に応じた予約通信データの時間的な長さを、送信部11が送信する予約通信データの時間的な長さに設定する。その結果、送信部11は、制御部17によって設定された時間的な長さの予約通信データを、その設定された複数の周波数帯域に応じた複数のサブスペクトラムに分割して送信する。
【0047】
(ステップS108)制御部17は、実体通信データを送信するかどうか判断する。そして、実体通信データを送信する場合には、ステップS109に進み、そうでない場合には、ステップS110に進む。なお、制御部17は、例えば、実体通信データを送信する旨の指示をアプリケーション等の上位レイヤ等から受け付けた場合に、実体通信データを送信すると判断してもよく、その他のタイミングで実体通信データを送信すると判断してもよい。
【0048】
(ステップS109)制御部17は、実体通信データを送信するように送信部11を制御する。例えば、制御部17は、実体通信データを送信部11に渡してもよい。その結果、送信部11は、あらかじめ設定されている予約通信データを送信する周波数帯域を用いて、予約通信データに代えて実体通信データを送信する。そして、ステップS108に戻る。なお、実体通信データの送信は、データチャネル、すなわち、予約通信データによって予約されていた周波数帯域を用いて行われる。実体通信データの受信も同様である。
【0049】
(ステップS110)制御部17は、予約通信データを送信するかどうか判断する。そして、予約通信データを送信する場合には、ステップS107に戻り、そうでない場合には、ステップS111に進む。なお、制御部17は、送信対象の実体通信データが存在する場合には、予約通信データを送信すると判断しないものとする。また、制御部17は、受信部12が実体通信データを受信した場合には、予約通信データを送信すると判断しないものとする。すなわち、通信装置1が実体通信データの送信を開始した場合、あるいは、通信装置1が実体通信データの受信を開始した場合には、それに応じて、制御部17が予約通信データを送信すると判断しないことにより、予約通信データの送信が終了されることになる。また、実体通信データの送信や受信が行われない場合には、制御部17は、時間占有情報に応じて、予約通信データの送信タイミングかどうか判断し、送信タイミングである場合には、予約通信データを送信すると判断する。なお、実体通信データの送信や受信が終了した場合にも、制御部17は、時間占有情報に応じて、予約通信データの送信タイミングかどうか判断し、送信タイミングである場合には、予約通信データを送信すると判断してもよい。このようにして、予約通信データの送信が再開されることになる。
【0050】
(ステップS111)受信部12は、通信データを受信したかどうか判断する。そして、通信データを受信した場合には、ステップS112に進み、そうでない場合には、ステップS108に戻る。その通信データは、実体通信データであってもよい。
【0051】
(ステップS112)受信部12あるいはその他の構成要素によって、受信された通信データに応じた処理が行われる。そして、ステップS108に戻る。なお、通信装置1が予約通信データを送信している際に、他の装置から実体通信データを受信した場合には、その実体通信データの受信に応じて、予約通信データの送信が終了され、実体通信データが受信されることになる。
なお、図3のフローチャートにおいて、電源オフや処理終了の割り込みにより処理は終了する。
【0052】
次に、本実施の形態による通信装置1の動作について、具体例を用いて説明する。この具体例では、通信装置1がMSであり、APから時間占有情報を受信し、その時間占有情報と、通信装置1で決定した帯域幅情報とを用いて、予約通信データを送信する場合について説明する。なお、データ属性情報記憶部14では、1から10までの緊急度のうち、緊急度「5」が記憶されており、実体通信データの量として、「AAA(bps)」が記憶されているものとする。なお、緊急度は数値が大きいほど緊急度が高いものとする。
【0053】
通信装置1の電源が投入されると、制御部17は、予約通信データの送信を行うと判断し(ステップS101)、図示しない経路を介してデータ属性情報記憶部14から緊急度「5」を読み出し、その緊急度を含む時間占有情報の送信を要求する通信データを送信部11に渡す。すると、送信部11は、その通信データを、制御チャネルを介してAPに送信する(ステップS102)。APは、その通信データを受信すると、前述のように、その時点での周波数方向及び時間方向における通信状況の検出結果と、受け取った緊急度「5」とに応じて時間占有情報を決定する。その決定された時間占有情報は、送信頻度「BBB(回/s)」、予約通信データの時間的な長さ「CCC(ms)」であったとする。その時間占有情報は、制御チャネルを介してAPから送信され、受信部12で受信される(ステップS103)。そして、その時間占有情報は、予約属性記憶部16に蓄積される(ステップS104)。次に、制御部17は、図示しない経路を介して、予約属性決定部15に、帯域幅情報の決定を行うように指示する。すると、予約属性決定部15は、データ属性情報記憶部14で記憶されている実体通信データの量「AAA(bps)」を読み出す。また、予約属性決定部15は、図示しない記録媒体で記憶されている、帯域幅情報を生成するための関数を読み出し、その関数に「AAA」を代入することによって、帯域幅情報「DDD(Hz)」を算出する。そして、予約属性決定部15は、その算出した帯域幅情報を予約属性記憶部16に蓄積する(ステップS105)。
【0054】
次に、制御部17は、取得部13に空き周波数帯域を取得する旨を指示する。すると、取得部13は、図4で示されるように、その時点(t1)でのセンシングを行う。すなわち、受信部12がその時点で受信した電波の高速フーリエ変換の結果を用いて、周波数インデックスごとに、周波数帯域が使用されているかどうか判断する。この場合には、センシングの結果、図4,図5(a)で示されるように、周波数インデックス#3,#5に応じた周波数帯域の使用されていることが検出されたとする(ステップS106)。すると、制御部17は、その空き周波数帯域の取得結果と、帯域幅情報「DDD(Hz)」とを用いて、その帯域幅情報の示す帯域幅を確保できるように、予約通信データの送信で使用する周波数インデックスを決定する。この場合には、周波数インデックス#2,#4,#6に応じた周波数帯域を予約通信データの送信で用いるように決定されたとする。すると、制御部17は、周波数インデックス#2,#4,#6に応じた周波数帯域を予約通信データの送信で用いる周波数帯域に設定する。また、制御部17は、送信部11に「CCC(ms)」の予約通信データを送信する旨の指示を渡す。すると、送信部11は、図5(b)で示されるように、予約通信データを設定された3個の周波数帯域に応じたサブスペクトラムに分割して送信する(ステップS107)。なお、その予約通信データの時間的な長さは「CCC(ms)」である。その後、図4で示されるように、実体通信データの通信が行われるまで、送信頻度「BBB(回/s)」に応じて、「CCC(ms)」の長さの予約通信データが、周波数インデックス#2,#4,#6に応じた周波数帯域を用いて送信される(ステップS110,S107)。
【0055】
その後、実体通信データを通信する必要が生じた場合には、制御部17は、予約通信データの送信を終了するように送信部11を制御する。その結果、予約通信データの送信で用いていた周波数インデックス#2,#4,#6に応じた周波数帯域を用いた実体通信データの通信が可能となる。例えば、図5(c)で示されるように、送信部11は、周波数インデックス#2,#4,#6に応じた周波数帯域を用いて、実体通信データを送信してもよい(ステップS108,S109)。なお、実体通信データの送信や受信が終了するまで、制御部17は、予約通信データ行わないものとする。また、その実体通信データの通信が終了した場合には、制御部17は、再度、送信部11に予約通信データを送信させる(ステップS110,S107)。そのようにして、次の実体通信データの通信まで、周波数インデックス#2,#4,#6に応じた周波数帯域を予約しておくことができる。
【0056】
なお、この具体例では、時間占有情報が受信部12によって受信されて予約属性記憶部16に蓄積され、帯域幅情報が予約属性決定部15によって決定されて予約属性記憶部16に蓄積される場合について説明したが、そうでなくてもよいことは言うまでもない。時間占有情報が予約属性決定部15によって決定されてもよく、また、帯域幅情報が受信部12によって受信されてもよい。
【0057】
また、時間の経過と共に、他の装置等による周波数帯域の使用状況も異なってくるため、通信装置1は、例えば、定期的にAPから時間占有情報を受信するようにしてもよい。そのため、例えば、APが定期的に時間占有情報を通信装置1に送信してもよく、あるいは、通信装置1が定期的に時間占有情報の送信要求をAPに送信し、それに応じて時間占有情報が通信装置1に送信されてもよい。また、実体通信データの量が変化する場合には、その変化に応じて、帯域幅情報も更新されてもよい。例えば、予約属性決定部15は、データ属性情報の示す実体通信データの量が更新されたことを検知した場合には、その更新後の実体通信データの量を用いて帯域幅情報を決定し、その帯域幅情報を予約属性記憶部16に上書きで蓄積してもよい。
【0058】
また、予約通信データの時間的な占有率が低い場合には、実体通信データの通信を開始する際に、予約通信データを送信していた複数の周波数帯域において、他の装置が通信を行っていることもありうる。そのため、実体通信データの通信を開始する直前にセンシングを行い、予約されていた複数の周波数帯域が使用されていないことを確認してから実体通信データの通信を行うようにしてもよい。なお、センシングの結果、予約されていた複数の周波数帯域が使用されていることを検出した場合には、他の空き周波数帯域を用いて、あるいは、他の装置による通信が終了するのを待って、実体通信データの通信を開始してもよい。
【0059】
以上のように、本実施の形態による通信装置1によれば、実体通信データの通信前においても、予約通信データを送信することによって周波数帯域を確保しておくことができる。そのため、通信を開始する際に、その通信で用いる周波数帯域が存在しうることになり、通信を行うことができない事態を回避することができるようになる。特に、自律分散システムが多数存在する場合にも、空き周波数帯域を予約することができるようになるメリットがある。本実施の形態による通信装置1と同一周波数を使用する、例えば、IEEE802.11g等の無線LAN方式は、CSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/Collision Avoidance:搬送波感知多重アクセス/衝突回避方式)方式を採用しており、送信しようとする前に当該周波数の使用状況をRSSI(Received Signal Strength Indicator)を検出することで調べ、一定の電力の信号が存在する場合は送信しない。したがって、通信装置1が予約通信データを送信することで、無線LANシステムの送信を抑え、その結果、周波数帯域を確保できることになる。
【0060】
また、緊急度や、実体通信データの量に応じて、時間占有情報や帯域幅情報を決定することによって、送信対象の実体通信データの属性に応じた、適切な周波数帯域の確保を行うことができるようになる。例えば、医療通信や緊急通信のように優先度の高い通信に対して、無線リソースを優先的に確保することができるようになる。
【0061】
なお、本実施の形態では、帯域幅情報を予約属性決定部15が決定する場合について主に説明したが、そうでなくてもよい。例えば、前述のように、時間占有情報や帯域幅情報は、受信部12によって受信され、予約属性記憶部16に蓄積されてもよい。その場合には、通信装置1は、データ属性情報記憶部14や予約属性決定部15を備えていなくてもよい。なお、その場合であっても、APに送信するための緊急度を示すデータ属性情報が記憶される図示しない記憶部が存在してもよく、あるいは、そうでなくてもよい。
【0062】
また、本実施の形態では、時間占有情報及び帯域幅情報が予約属性記憶部16で記憶され、両情報に応じて予約通信データの送信が行われる場合について説明したが、そうでなくてもよい。例えば、いずれか一方の情報のみに応じて予約通信データが送信されてもよく、あるいは、いずれの情報にも関係なく予約通信データが送信されてもよい。後者の場合には、例えば、ランダムな頻度や長さで予約通信データが送信されてもよく、全く途切れることのない連続した予約通信データが送信されてもよい。
【0063】
また、本実施の形態では、通信装置1がMSである場合について主に説明したが、通信装置1がAPであってもよいことは言うまでもない。通信装置1がAPである場合には、通信装置1は、MSとの通信のために、あらかじめ通信帯域を確保しておき、MSとの通信を行う際に、その確保しておいた通信帯域を用いて通信を行うものであってもよい。
また、本実施の形態による通信は、例えば、ISM帯において行われてもよく、あるいは、それ以外の帯域において行われてもよい。
【0064】
また、上記実施の形態において、各処理または各機能は、単一の装置または単一のシステムによって集中処理されることによって実現されてもよく、あるいは、複数の装置または複数のシステムによって分散処理されることによって実現されてもよい。
【0065】
また、上記実施の形態において、各構成要素間で行われる情報の受け渡しは、例えば、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に異なるものである場合には、一方の構成要素による情報の出力と、他方の構成要素による情報の受け付けとによって行われてもよく、あるいは、その情報の受け渡しを行う2個の構成要素が物理的に同じものである場合には、一方の構成要素に対応する処理のフェーズから、他方の構成要素に対応する処理のフェーズに移ることによって行われてもよい。
【0066】
また、上記実施の形態において、各構成要素が実行する処理に関係する情報、例えば、各構成要素が受け付けたり、取得したり、選択したり、生成したり、送信したり、受信したりした情報や、各構成要素が処理で用いるしきい値や数式、アドレス等の情報等は、上記説明で明記していない場合であっても、図示しない記録媒体において、一時的に、あるいは長期にわたって保持されていてもよい。また、その図示しない記録媒体への情報の蓄積を、各構成要素、あるいは、図示しない蓄積部が行ってもよい。また、その図示しない記録媒体からの情報の読み出しを、各構成要素、あるいは、図示しない読み出し部が行ってもよい。
【0067】
また、上記実施の形態において、各構成要素等で用いられる情報、例えば、各構成要素が処理で用いるしきい値やアドレス、各種の設定値等の情報がユーザによって変更されてもよい場合には、上記説明で明記していない場合であっても、ユーザが適宜、それらの情報を変更できるようにしてもよく、あるいは、そうでなくてもよい。それらの情報をユーザが変更可能な場合には、その変更は、例えば、ユーザからの変更指示を受け付ける図示しない受付部と、その変更指示に応じて情報を変更する図示しない変更部とによって実現されてもよい。その図示しない受付部による変更指示の受け付けは、例えば、入力デバイスからの受け付けでもよく、通信回線を介して送信された情報の受信でもよく、所定の記録媒体から読み出された情報の受け付けでもよい。
【0068】
また、上記実施の形態において、通信装置1に含まれる2以上の構成要素が通信デバイスや入力デバイス等を有する場合に、2以上の構成要素が物理的に単一のデバイスを有してもよく、あるいは、別々のデバイスを有してもよい。
【0069】
また、上記実施の形態において、各構成要素は専用のハードウェアにより構成されてもよく、あるいは、ソフトウェアにより実現可能な構成要素については、プログラムを実行することによって実現されてもよい。例えば、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体に記録されたソフトウェア・プログラムをCPU等のプログラム実行部が読み出して実行することによって、各構成要素が実現され得る。なお、上記実施の形態における通信装置1を実現するソフトウェアは、以下のようなプログラムである。つまり、このプログラムは、コンピュータを、空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置として機能させるためのプログラムであって、通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得部、他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、取得部が取得した複数の空き周波数帯域を用いて、通信データを、複数の周波数帯域を用いて、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する送信部に送信させ、実体通信データが通信される場合に、予約通信データの送信を終了させ、実体通信データが、予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする制御部として機能させるためのプログラムである。
【0070】
なお、上記プログラムにおいて、上記プログラムが実現する機能には、ハードウェアでしか実現できない機能は含まれない。すなわち、ハードウェアでしか実現できない機能は、上記プログラムが実現する機能には少なくとも含まれないものとする。
【0071】
また、このプログラムは、サーバなどからダウンロードされることによって実行されてもよく、所定の記録媒体(例えば、CD−ROMなどの光ディスクや磁気ディスク、半導体メモリなど)に記録されたプログラムが読み出されることによって実行されてもよい。また、このプログラムは、プログラムプロダクトを構成するプログラムとして用いられてもよい。
【0072】
また、このプログラムを実行するコンピュータは、単数であってもよく、複数であってもよい。すなわち、集中処理を行ってもよく、あるいは分散処理を行ってもよい。
【0073】
図6は、上記プログラムを実行して、上記実施の形態による通信装置1を実現するコンピュータの外観の一例を示す模式図である。上記実施の形態は、コンピュータハードウェア及びその上で実行されるコンピュータプログラムによって実現されうる。
【0074】
図6において、コンピュータシステム900は、CD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)ドライブ905、FD(Floppy(登録商標) Disk)ドライブ906を含むコンピュータ901と、キーボード902と、マウス903と、モニタ904とを備える。
【0075】
図7は、コンピュータシステム900の内部構成を示す図である。図7において、コンピュータ901は、CD−ROMドライブ905、FDドライブ906に加えて、MPU(Micro Processing Unit)911と、ブートアッププログラム等のプログラムを記憶するためのROM912と、MPU911に接続され、アプリケーションプログラムの命令を一時的に記憶すると共に、一時記憶空間を提供するRAM(Random Access Memory)913と、アプリケーションプログラム、システムプログラム、及びデータを記憶するハードディスク914と、MPU911、ROM912等を相互に接続するバス915とを備える。なお、コンピュータ901は、前述の送信や受信の処理を行うためのハードウェア、例えば、DA変換器やAD変換器、変調器や復調器等を含んでいてもよく、あるいは、それらのハードウェアに接続されていてもよい。また、コンピュータ901は、LANへの接続を提供する図示しないネットワークカードを含んでいてもよい。
【0076】
コンピュータシステム900に、上記実施の形態による通信装置1の機能を実行させるプログラムは、CD−ROM921、またはFD922に記憶されて、CD−ROMドライブ905、またはFDドライブ906に挿入され、ハードディスク914に転送されてもよい。これに代えて、そのプログラムは、図示しないネットワークを介してコンピュータ901に送信され、ハードディスク914に記憶されてもよい。プログラムは実行の際にRAM913にロードされる。なお、プログラムは、CD−ROM921やFD922、またはネットワークから直接、ロードされてもよい。
【0077】
プログラムは、コンピュータ901に、上記実施の形態による通信装置1の機能を実行させるオペレーティングシステム(OS)、またはサードパーティプログラム等を必ずしも含んでいなくてもよい。プログラムは、制御された態様で適切な機能(モジュール)を呼び出し、所望の結果が得られるようにする命令の部分のみを含んでいてもよい。コンピュータシステム900がどのように動作するのかについては周知であり、詳細な説明は省略する。
【0078】
また、本発明は、以上の実施の形態に限定されることなく、種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることは言うまでもない。
【産業上の利用可能性】
【0079】
以上より、本発明による通信装置等によれば、あらかじめ通信帯域を予約することができるという効果が得られ、空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置等として有用である。
【符号の説明】
【0080】
1 通信装置
2 アンテナ
11 送信部
12 受信部
13 取得部
14 データ属性情報記憶部
15 予約属性決定部
16 予約属性記憶部
17 制御部
31 変調部
32、45 S/P変換部
33、46 フーリエ変換部
34 スペクトラムマッピング部
35、48 逆フーリエ変換部
36、49 P/S変換部
37 DA変換部
38、43 局部発信部
39、42 周波数変換部
40 電力増幅部
41 低雑音増幅部
44 AD変換部
47 スペクトラムデマッピング部
50 復調部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置であって、
通信データを、複数の周波数帯域を用いて、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する送信部と、
通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得部と、
他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、前記取得部が取得した複数の空き周波数帯域を用いて前記送信部に送信させ、実体通信データが通信される場合に、当該予約通信データの送信を終了させ、当該実体通信データが、当該予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする制御部と、を備えた通信装置。
【請求項2】
予約通信データの時間的な占有率に関する時間占有情報、及び、予約通信データの帯域幅を示す帯域幅情報が記憶される予約属性記憶部をさらに備え、
前記制御部は、予約通信データを、前記予約属性記憶部で記憶されている、時間占有情報の示す時間的な占有率、及び、帯域幅情報の示す帯域幅で前記送信部に送信させる、請求項1記載の通信装置。
【請求項3】
実体通信データの量に関するデータ属性情報が記憶されるデータ属性情報記憶部と、
前記データ属性情報に応じて、実体通信データの量が多いほど、帯域幅が広くなるように帯域幅情報を決定して前記予約属性記憶部に蓄積する予約属性決定部と、をさらに備えた、請求項2記載の通信装置。
【請求項4】
前記データ属性情報は、実体通信データの緊急度をも示すものであり、
前記予約属性決定部は、前記データ属性情報に応じて、実体通信データの緊急度が高いほど、時間的な占有率が高くなるように時間占有情報を決定して前記予約属性記憶部に蓄積する、請求項3記載の通信装置。
【請求項5】
時間占有情報を受信し、前記予約属性記憶部に蓄積する受信部をさらに備えた、請求項2または請求項3記載の通信装置。
【請求項6】
空き周波数帯域を用いて通信を行う通信方法であって、
通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得ステップと、
他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、前記取得ステップで取得した複数の空き周波数帯域を用いてスペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する予約送信ステップと、
実体通信データが通信される場合に、当該予約通信データの送信を終了し、当該実体通信データが、当該予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする予約終了ステップと、を備えた通信方法。
【請求項7】
コンピュータを、
空き周波数帯域を用いて通信を行う通信装置として機能させるためのプログラムであって、
通信に用いられていない周波数帯域である複数の空き周波数帯域を取得する取得部、
他の装置との間で通信するデータである実体通信データが通信されない場合に、通信帯域を予約するための予約通信データを、前記取得部が取得した複数の空き周波数帯域を用いて、通信データを、複数の周波数帯域を用いて、スペクトラム分割シングルキャリア変調方式により送信する送信部に送信させ、実体通信データが通信される場合に、当該予約通信データの送信を終了させ、当該実体通信データが、当該予約通信データによって予約されていた複数の周波数帯域を用いて通信されるようにする制御部として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2012−169955(P2012−169955A)
【公開日】平成24年9月6日(2012.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−30418(P2011−30418)
【出願日】平成23年2月16日(2011.2.16)
【国等の委託研究の成果に係る記載事項】(出願人による申告)平成22年度、支出負担行為担当官、総務省大臣官房会計課企画官、研究テーマ「同一周波数帯における複数無線システム間無線リソース制御技術の研究開発」に関する委託研究、産業技術力強化法第19条の適用を受ける特許出願
【出願人】(393031586)株式会社国際電気通信基礎技術研究所 (905)
【Fターム(参考)】