説明

通信装置、通信装置の制御方法及びプログラム

【課題】通信帯域を無駄に占有しないで同期データを効率的に得る技術を提供する。
【解決手段】N番目の周期において送信されたデータの他の通信装置の受信状況を判定し、判定結果に応じて、受信した他の通信装置宛てのデータをN番目の周期以降の周期において送信する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受信したデータを送信する通信装置、通信装置の制御方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線通信システムは、可搬性の優れたネットワークシステムとして利用され、無線通信区間の伝送速度の向上や携帯端末の普及、モバイル通信に適したアプリケーションの出現などにより、飛躍的な普及を見せている。特に、室内や構内などの比較的近距離においてコンピュータ機器類を無線接続する方式として、2.4GHzや5GHz帯の電波を用いたWLANシステムが広く普及している。その技術仕様は、IEEE802.11標準規格群で規定されている。
【0003】
また、コンピュータ周辺機器のみならずデジタルスチルカメラやデジタルビデオカメラなどのコンシューマ機器と、プリンタや携帯電話などを接続するような機器間無線通信に対する要求も高まっている。現在、これらは一般的に、USBやIEEE1394など有線ケーブルによって接続される形態が採用されているが、利用者が簡便にこれらの機器を接続できる方法として無線接続によるものも考えられている。
【0004】
このような極近距離における機器間無線通信方式はWLANと異なり、たかだか10メートル程度と考えられる一人の人間の周辺環境内での無線接続を志向しており、WLANとは区別されWPANと呼ばれる。現在、WPANに関しては、UWB(Ultra Wide Band)通信方式を使用するものとして標準規格策定団体であるECMA internationalからECMA-368標準規格として物理層及びMAC層の仕様が定義されている。更に、このECMA-368の上位で動作するプロトコルとしてはWireless USB規格などが定義されている。
【0005】
WLANやWPANでは複数の無線端末が同時に無線フレーム送信することにより発生する恐れのある無線フレームの衝突を防止するために、各無線端末が無線メディアへアクセスするタイミングの制御が行われる。この制御方式を定めたものがメディアアクセス制御(MAC)プロトコルである。このようなMACプロトコルには様々な方式が存在するが、代表的な分類方法として非同期式データ転送方式と同期式データ転送方式の2つに分類することができる。
【0006】
一般に、非同期式データ転送ではCSMA/CA(Carrier Sense Multiple Access/CollisionAvoidance)プロトコルなどによってメディアへのアクセス権を得た端末がデータ送信を行う。そして、当該データの宛先端末は当該データを正しく受信した場合、一般にアクノレッジフレームと呼ばれる認識応答を送信端末に対して返送する。データ送信端末はこの認識応答を受信した場合、データ転送が正常に完了したと判断する。逆に、この認識応答を受信しなかった場合、データ送信端末はデータ転送に失敗したと判断し、一定の期間後に当該データの再送を試みる。
【0007】
このようにして、非同期式データ転送方式では確実にデータを宛先端末に転送することが可能であるが、その反面、メディアアクセス権獲得の失敗や、上述したデータ再送などによりデータ転送の遅延量が変動する。ここでは、このようなデータ転送における遅延量の変動を遅延ジッタと呼ぶ。
【0008】
尚、音声や動画像などを転送するアプリケーションは、データ転送に対して同期性或いは等時性を必要とするため、遅延ジッタが大きくなってしまう非同期式データ転送方式は、このようなアプリケーションには適していない。
【0009】
一方、同期式データ転送方式では、各端末はTDMA(Time Division Multiple Access)プロトコルなどによって自局に割り当てられたタイムスロット内でデータ送信を行う。このようなプロトコルでは各端末は一定周期毎にデータ送信権を獲得することができるため、データ転送に対する遅延ジッタが小さい。従って、同期式データ転送方式は同期性或いは等時性を必要とするデータ転送に適している。
【0010】
更に、同期式データ転送方式では、データ転送における遅延ジッタを一定以内に収めるため、一般に送受信端末間で認識応答を交換したり、データ転送失敗時の再送処理を行ったりしない。このため、同期式データ転送方式では、通信状態によってはデータパケットが損失される場合が発生し得る。
【0011】
しかしながら、音声や動画像伝送では、通信の特性として常に、一定の平均転送速度と平均遅延を維持することが最優先されるため、ある程度のパケット損失が許容できるようにアプリケーションプロトコルが設計されている。
【0012】
このように、同期式データ転送方式では、音声や動画像のような同期性を必要とするアプリケーションに適している反面、パケット損失によるアプリケーションデータの消失が発生する。このようなデータ消失は再生される音声の途切れや動画像のブロックノイズなどを引き起こし、アプリケーション品質を劣化させてしまうという欠点があった。
【0013】
同期式データ転送方式におけるこのような問題を解決するために、同期性を維持しながらデータ消失の発生を抑制する信頼性の高い通信方式として、同一データを冗長的に複数回、転送する中継伝送方式が考えられている。そこで、このような中継伝送方式について説明する。
【0014】
図16は、中継伝送システムの構成の一例を示すシステム構成図である。このシステムは、例えば音声や動画像のような同期データの生成元としての制御局11と同期データの宛先となる4個の従属局12〜15から構成される。
【0015】
図17は、中継伝送システムのメディアアクセスタイミングを示す図である。ここで、システムはアクセスプロトコルとしてTDMAを採用しており、メディアへのアクセスタイミングはスーパーフレーム21と呼ばれる一定周期を単位として管理される。このスーパーフレーム21は制御局11及び従属局12〜15がそれぞれデータ送信するためのタイムスロット31〜35に分割されている。
【0016】
スーパーフレーム21において、タイムスロット31は、制御局11がデータ送信する時間、タイムスロット32〜35までは従属局12〜15がそれぞれ順番にデータ送信を行う時間である。
【0017】
図18は、スーパーフレーム中の各タイムスロットで送信される無線フレームを示す図である。最初に、制御局11はスーパーフレーム中のタイムスロット31において各従属局宛ての同期データを保持した同報フレーム41を全従属局に向かってブロードキャスト送信する。
【0018】
図19は、ブロードキャスト送信される同報フレームのフレームフォーマットを示す図である。同報フレーム41において、フィールド51には、ISO_DATA1フィールドが配置されるが、このフィールド51には従属局12宛ての同期データ本体が格納されている。また同様に、フィールド52〜54には、それぞれ従属局13〜15宛ての同期データがそれぞれ格納されている。また、フィールド55には、CHECKSUM_FRAMEフィールドが配置されており、同報フレーム41を受信した局はこのチェックサムを検証することによって同報フレーム41の中で発生したビット誤りを検出する。尚、この例では、各同期データの長さは固定長とする。
【0019】
図20は、各タイムスロットにおけるデータ転送の向きを示す模式図である。図20に示す(A)は、第一のタイムスロット31において制御局11から各従属局12〜15へ同報フレーム41が送信される様子を示している。同報フレーム41を受信した各従属局12〜15は、同報フレーム41を受信した時点を基準として、予め決められた送信順序を参照して自己の送信タイミングを決定する。また、従属局12〜15は受信された同報フレーム41に含まれる同期データの中から自局宛てのデータをアプリケーションデータとして利用する。また同時に、従属局12〜15は同報フレーム41を他の従属局に中継伝送するために、同報フレーム41全体を内部に記憶しておく。
【0020】
同報フレーム41を受信し自己の送信タイミングを決定した従属局12は、制御局11から受信した同報フレーム41の複製として、中継フレーム42をタイムスロット32において送信する。この様子を図20の(B)に示す。そして、従属局12を除く他の従属局13〜15は、この中継フレーム42を受信し記憶する。また同様に、タイムスロット33では、従属局13が同報フレーム41の複製として中継フレーム43を送信し、従属局13を除く他の従属局12、14、15がこの中継フレーム43を受信する。
【0021】
このようにして、タイムスロット31で制御局11から送信された同報フレーム41は、図20の(B)〜(E)に示すようにタイムスロット32〜35において従属局12〜15から中継伝送される。また、中継伝送される中継フレーム42〜45は同報フレーム41と同じフォーマットを持つ。従って、各々の従属局にとっては、同一の同期データを制御局11からの同報フレーム及び他の従属局からの中継フレームとして、合計4回受信する機会が得られる。
【0022】
本システムでは、このように複数の回数だけデータ転送するため、従属局が制御局からの同報フレームを正しく受信できなかった場合でも、他の従属局が送信する中継フレームから自局宛ての同期データを獲得することができる。従って、本システムでは、通信路の遮断などが発生した場合であっても、1つのスーパーフレーム内でデータ転送が完了するため、データ転送の同期性を維持することが可能である。
【0023】
尚、特許文献1には、同報データを確実に宛先ノードに送信するための技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】特開2007-266876号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0025】
上述の中継伝送システムでは、同一のデータを従属局間で中継伝送することにより、パケット損失を抑制し信頼性の高い同期式データ通信を行うことができる。しかしながら、この方法は、通信帯域の利用効率という観点から考えた場合、同じデータを5回繰り返して冗長に伝送しているため、通信帯域を無駄に占有しているという側面もある。
【0026】
例えば、ある従属局が制御局からの同報データを正常に受信できていれば、それ以降のタイムスロットにおける中継伝送は不必要な通信となり、通信帯域が無駄に浪費されていることになる。このような冗長中継伝送システムでは、本質的にデータ中継転送によって通信帯域が占有されてしまい、より多くのデータを転送することが不可能であった。
【0027】
その結果、通信帯域の利用を最適化してシステム全体のデータ転送量を増大させることが困難であるという問題があった。
【0028】
本発明は、受信データの送信を柔軟に実施することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0029】
本発明は、第1の通信装置であって、
少なくとも第1の通信装置の送信期間と第2の通信装置の送信期間を含む期間のN番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信する受信手段と、
前記第2の通信装置から前記N番目の周期において送信されたデータの第3の通信装置の受信状況を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、少なくとも前記受信手段により受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信する送信手段と、
を有することを特徴とする。
【0030】
また、第1の通信装置の制御方法であって、
少なくとも第1の通信装置の送信期間と第2の通信装置の送信期間を含む期間のN番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信する受信工程と、
前記第2の通信装置から前記N番目の周期において送信されたデータの第3の通信装置の受信状況を判定する判定工程と、
前記判定工程における判定結果に応じて、少なくとも前記受信工程において受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信する送信工程と、
を有することを特徴とする。
【0031】
更に、本発明は、本発明の通信装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラムを提供する。
【発明の効果】
【0032】
本発明によれば、他の通信装置のデータの受信状況に応じて受信データを送信するので、受信データの送信を柔軟に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】第一の実施形態における無線中継伝送システムの構成の一例を示す図である。
【図2】第一の実施形態における制御局の構成の一例を示す図である。
【図3】第一の実施形態における従属局の内部構成の一例を示す図である。
【図4】第一の実施形態におけるスーパーフレームの構成を示す図である。
【図5】第一の実施形態における中継フレームの構成を示す図である。
【図6】従属局102の中継フレーム407及び従属局105の中継フレーム410のフレームフォーマットを示す図である。
【図7】従属局103の中継フレーム408及び従属局104の中継フレーム409のフレームフォーマットを示す図である。
【図8】従属局102及び103が同期データ以外の他のデータとして非同期データを送信する場合のスーパーフレームを示す図である。
【図9】従属局102が非同期データを伝送する中継フレームのフレームフォーマットを示す図である。
【図10】中継フレーム808のフレームフォーマットを示す図である。
【図11】制御局が非同期フレームを送信する場合のスーパーフレームの構成を示す図である。
【図12】制御局が送信する非同期フレームの構成の一例を示す図である。
【図13】第三の実施形態における問題を説明するための図である。
【図14】制御局が送信する同報フレームのフォーマット例を示す図である。
【図15】第三の実施形態におけるスーパーフレームの構成を示す図である。
【図16】中継伝送システムの構成の一例を示すシステム構成図である。
【図17】中継伝送システムのメディアアクセスタイミングを示す図である。
【図18】スーパーフレーム中の各タイムスロットで送信される無線フレームを示す図である。
【図19】ブロードキャスト送信される同報フレームのフレームフォーマットを示す図である。
【図20】各タイムスロットにおけるデータ転送の向きを示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0034】
以下、図面を参照しながら発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
【0035】
[第一の実施形態]
第一の実施形態における無線中継伝送システムの構成及び動作を、図1〜図7を用いて説明する。
【0036】
図1は、第一の実施形態における無線中継伝送システムの構成の一例を示す図である。図1に示すように、無線中継伝送システムは、例えば音声や動画像のような同期データの生成元としての制御局101及び同期データの宛先となる従属局102〜105から構成される。尚、この例においてもTDMAが採用され、メディアアクセスタイミングは図17に示すスーパーフレーム21を単位として管理される。そして、このスーパーフレーム21は制御局101及び従属局102〜105がそれぞれデータ送信するための複数のタイムスロット31〜35に分割されている。
【0037】
図2は、第一の実施形態における制御局の構成の一例を示す図である。図2において、スーパーフレームタイミング生成部206は、後述するスーパーフレームのタイミングを生成する。スーパーフレームタイミング生成部206によって生成されたタイミング情報は送信タイミング生成部207に伝えられる。送信タイミング生成部207からの指示に従って送信フレーム生成部204がアプリケーション処理部201から同期データ生成部202を経由して受領した各従属局宛ての同期データを用いて送信フレームを生成する。また、非同期データ生成部203を経由して受領した非同期データの場合も同様に、送信フレームを生成する。この非同期データについては、更に後述する。
【0038】
ここで、生成された送信フレームには、チェックサム生成部205において誤り検出のためのチェックサムが付加され、変調部250及び高周波部252により無線信号に変換された後、アンテナ253から無線メディアへ送出される。
【0039】
一方、各従属局からの中継フレームはアンテナ253で受信され、高周波部252及び復調部251を介してチェックサム検証部210に入力される。そして、チェックサムが検証され、フレーム長判定部208又は非同期データ受信部209へ送られる。
【0040】
図3は、第一の実施形態における従属局の内部構成の一例を示す図である。尚、図3において、アプリケーション処理部301、非同期データ生成部302、送信フレーム生成部303、チェックサム生成部304、送信タイミング生成部305、スーパーフレームタイミング同期部308は図2に示す制御局の各部と同様である。また、変調部350、復調部351、高周波部352、アンテナ353も制御局の各部と同じ機能を有するものである。
【0041】
図3において、アンテナ353によって受信された同報フレームは高周波部352及び復調部351によって受信データに変換される。この受信データは、チェックサム検証部312においてビット誤りを含んでいるか検証される。ここで受信データにビット誤りが無いと判定されると、この受信データは受信フレーム解析部309及び中継データ蓄積部306へ送られる。各従属局によって正常に受信された全ての同期データは他の従属局へ中継伝送するために、中継データ蓄積部306に一時的に記憶される。更に、受信データは、受信フレーム解析部309で解析された結果に応じて、同期データ受信部310又は非同期データ受信部311へ送られる。
【0042】
受信データが制御局101からの同報フレームの場合、受信フレーム解析部309から同期制御信号がスーパーフレームタイミング同期部308へ送られる。このようにして、従属局102〜105は制御局101が管理するスーパーフレームに対して同期追従することが可能となり、自従属局に割り当てられているタイムスロットで中継フレームを送信する。
【0043】
また、同報フレームを受信した従属局102〜105は、同報フレームを受信した時点を基準として、予め決められた送信順序を参照して自己の送信タイミングを決定し、それぞれ中継フレームを送信する。
【0044】
図4は、第一の実施形態におけるスーパーフレームの構成を示す図である。この例では、描画の便宜のため、上段にN番目のスーパーフレームを、下段にN+1番目のスーパーフレームを図示しているが、N番目のスーパーフレームが先になるように時間的に連続して配置される。
【0045】
まず、N番目のスーパーフレームの最初のタイムスロットで制御局101が従属局宛ての同期データを保持したN番目の同報フレーム401を全ての従属局に向かってブロードキャスト送信する。この同報フレーム401のフレームフォーマットは図19に示すものと同じである。
【0046】
図4において、402は従属局102が送信する中継フレーム、403は従属局103が送信する中継フレーム、404は従属局104が送信する中継フレーム、405は従属局105が送信する中継フレームである。
【0047】
ここで、本発明の特徴となる中継フレームのフレームフォーマット例を、図5〜図7を用いて説明する。
【0048】
図5は、第一の実施形態における中継フレームの構成を示す図である。中継フレームは、フレーム開始部分にフレーム全体の長さを示すLEN_FRAMEフィールドと、同じスーパーフレームで受信された同報フレームへの認識応答を示すACKNOWLEDGEフィールドを持っている。尚、LEN_FRAMEフィールドで示されるフレーム長の単位としては、実装に依存してバイト(8ビット)やワード(16ビット)などが挙げられるが、何れの単位を採用しても本発明を適用することが可能である。
【0049】
これら中継フレームを受信した局は、LEN_FRAMEフィールドの値を参照することにより当該中継フレームの長さを知ることが可能であり、同時に当該フレームが通信帯域を占有する時間も算出することができる。
【0050】
ACKNOWLEDGEフィールドに格納される値の例としては、ACK及びNACKなどが挙げられる。この例では、同報フレームを正常に受信した従属局は、ACKNOWLEDGEフィールドに値としてACKを設定する。一方、同報フレームの受信に失敗した従属局はACKNOWLEDGEフィールドに値としてNACKを設定する。
【0051】
図5に示す中継フレームの3番目のフィールドはデータペイロード部である。ここで、データペイロード部には中継伝送される同期データや他の非同期データが格納されるが、詳しくは後述する。
【0052】
そして、中継フレームの最後となる4番目のフィールドは、中継フレーム全体に対してビット誤りが含まれているか否かを検出するためのチェックサムである。チェックサムとしては、一般に16ビット或いは32ビットなどのCRC(Cyclic Redundancy Code)などが利用されるが、ビット誤りを検出できるものであれば、如何なる符号も適用可能である。
【0053】
ここで、図1に示すように、制御局101から送信される同報フレーム401を従属局102及び従属局105は正常に受信できたが、従属局103及び従属局104は受信に失敗した場合を考える。
【0054】
各従属局は、チェックサム検証部312における誤り検出結果を参照して認識応答生成部307でACKNOWLEDGEフィールドへ設定される値を決定する。今、従属局102の中継フレーム402及び従属局105の中継フレーム405におけるACKNOWLEDGEフィールドには、これら従属局がN番目の同報フレーム401を正常に受信したため、値ACKが格納される。また、従属局103の中継フレーム403及び従属局104の中継フレーム405におけるACKNOWLEDGEフィールドには、これら従属局がN番目の同報フレーム401の受信に失敗したため値としてNACKが格納される。
【0055】
これにより、各従属局がACKNOWLEDGEフィールドを用いて送信した認識応答を他の従属局が受信することにより、各従属局は同報フレームに含まれる同期データの転送が必要であるか否かを判断することができる。例えば、従属局102は自局がN番目の同報フレーム401を正常に受信したことは理解しており、更に従属局105が認識応答として送信した値ACKを保持したACKNOWLEDGEフレームを受信している。
【0056】
従って、従属局102は、N番目の同期フレームにおいて従属局103及び従属局104に宛てられた同期データのみを、N+1番目のスーパーフレームで中継すれば良いと判断する。また、従属局105は自局がN番目の同報フレーム401を正常に受信したことは理解しており、更に従属局102が認識応答として送信した値ACKを保持したACKNOWLEDGEフレームを受信している。
【0057】
従って、従属局105も同様に、N番目の同期フレームにおいて従属局103及び従属局104に宛てられた同期データのみを、N+1番目のスーパーフレームで中継すれば良いと判断する。
【0058】
ここで、N番目の同報フレーム401を従属局103及び104が受信に失敗した場合のN+1番目のスーパーフレームにおける各局の動作を説明する。N+1番目のスーパーフレームも、第一のタイムスロットで制御局101が各従属局宛ての同期データを保持したN+1番目の同報フレーム406をブロードキャスト送信する。そして、同報フレーム406を受信した従属局102〜105は、N番目のスーパーフレームと同様にして自己の送信タイミングを決定し、中継フレームを送信する。
【0059】
図4において、407は従属局102が送信する中継フレーム、408は従属局103が送信する中継フレーム、409は従属局104が送信する中継フレーム、410は従属局105が送信する中継フレームである。
【0060】
図6は、従属局102の中継フレーム407及び従属局105の中継フレーム410のフレームフォーマットを示す図である。これらの中継フレームも図5に示すものと同様に、LEN_FRAMEフィールド及びACKNOWLEDGEフィールドを含むヘッダ部を持っている。
【0061】
まず、LEN_FRAMEフィールドは中継フレーム全体の長さを示し、ACKNOWLEDGEフィールドは同じスーパーフレームにおける同報フレームを正常に受信したか否かを示す認識応答である。そして、中継フレームには中継伝送されるべき同期データが格納された同期データ部を持つ。
【0062】
図6では、3番目のフィールドとしてDATA_TYPEフィールドが示されており、この同期データが従属局103宛てのデータであることを示すために、このフィールドは値としてISO2に設定されている。そして、4番目のフィールドとしてISO_DATAフィールドを持ち、このフィールドには従属局103宛ての同期データ本体が格納されている。
【0063】
また同様に、5番目のフィールドとしてDATA_TYPEフィールドを持ち、次の同期データが従属局104宛てのデータであることを示すために、このフィールドは値としてISO3に設定されている。そして、6番目のフィールドとしてISO_DATAフィールドを持ち、このフィールドには従属局104宛ての同期データ本体が格納されている。
【0064】
このようなフォーマットの中継データを送信することにより、従属局103及び104宛ての同期データのみが従属局102及び105から中継伝送される。
【0065】
図7は、従属局103の中継フレーム408及び従属局104の中継フレーム409のフレームフォーマットを示す図である。従属局103及び104は制御局101から送信されたN番目の同報フレーム401を正常に受信していないため、N+1番目のスーパーフレームにおいて他の従属局へ中継伝送可能な同期データを保持していない。
【0066】
従って、従属局103及び104はN+1番目の同報フレーム406に対する認識応答を送信するだけであり、同期データの中継は行わない。
【0067】
以上説明したように、認識応答を用いることにより、同期データの不必要な中継伝送を抑制する。このため、図4に示すように、本発明を適用した中継フレーム407〜410は、図18で既に示した従来の中継伝送システムにおける中継フレーム42〜45よりもフレーム長が短くなる。
【0068】
その結果、図4に示すように、中継伝送のために予約されている期間(タイムスロットの後半部分)が実際に中継伝送に使用されなくなり、通信メディア上に非占有時間を設けることができる。また、N番目のスーパーフレームにおいて制御局より各従属局に送信された同期データを、各従属局は少なくともN+1番目のスーパーフレームで受信できるので、遅延ジッタが少なく、かつ通信帯域を有効利用な通信システムが構築される。
【0069】
ここまでの説明では、各従属局は非同期データなど伝送を求められる他のデータを保持していないことを前提とし、中継フレームとして図5〜図7に示すフォーマットを用いていた。これ以降、このようにして得られた非占有時間を各従属局がどのように他のデータ伝送のために利用するかについて説明する。
【0070】
図8は、従属局102及び103が同期データ以外の他のデータとして非同期データを送信する場合のスーパーフレームを示す図である。非同期データとは、中継伝送によって同期式に伝送されるデータ以外のデータであり、非同期データとして様々な形式や特性を持つデータを伝送することが可能である。
【0071】
図8において、801〜806、809、810は図4に示す401〜406、409、410と同じフレームである。807は従属局102が送信する中継フレームである。図9は、従属局102が非同期データを伝送する中継フレームのフレームフォーマットを示す図である。
【0072】
図9において、1〜6番目のフィールドは図6に示すものと同じである。そして、これらのフィールドを用いることにより、従属局102はN+1番目の同報フレーム806に対して認識応答し、また同時にN番目の同報フレーム801に含まれる同期データを従属局103及び104へ中継伝送する。ここで、従属局102が送信するべき非同期データを保持している場合、図9に示すフレームフォーマットのように、非同期データ送信用のフィールドとして7〜9番目のフィールドが追加される。
【0073】
まず、7番目のフィールドとなるDATA_TYPEフィールドは、値としてASYNCを保持している。中継フレーム807を受信した各局は、このフィールドを参照することにより非同期データが送信されていることを識別できる。次に、8番目のフィールドとなるLEN_ASYNCフィールドは非同期データのデータ長を示す。同期データと異なり、一般に非同期データのデータ長は可変であることが多く、中継フレーム807を受信した各局はこのフィールドを参照することにより非同期データのデータ長を知ることができる。最後に、可変長となる9番目のフィールドとなるASYNC_DATAフィールドに非同期データが格納される。
【0074】
ここでは、どのように従属局が非占有時間を用いて非同期データを送信するかを説明するものであり、このASYNC_DATAフィールドに対する詳細な内部フォーマットには特に言及しない。しかしながら、このASYNC_DATAフィールドの内部構成としては、非同期データの通信プロトコルに従って、例えば非同期データの宛先局のアドレスやデータ種別を識別するための各種タグなどを含むことが想定される。
【0075】
また、複数の宛先局に非同期データを伝送するために、ASYNC_DATAフィールドを複数のサブフィールドに分割することも可能である。このASYNC_DATAフィールドの内部に対してどのような使用方法を採用するにしても、本発明を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0076】
次に、従属局103の動作を説明する。図8に示すように、従属局103はN+1番目のスーパーフレームにおいて中継フレーム808を送信する。この中継フレーム808のフレームフォーマットを図10に示す。このフレームフォーマットにおいて、1〜2番目のフィールドは図7に示すものと同じであり、従属局103はN+1番目の同報フレーム806に対する認識応答を送信する。
【0077】
ここで、従属局103が送信するべき非同期データを保持している場合、図10に示すように、非同期データ送信用のフィールドとして3〜5番目のフィールドが追加される。これらのフィールドは、図9に示す従属局102が送信する中継フレーム807における7〜9番目のフィールドにそれぞれ対応する。
【0078】
従属局103はN+1番目のスーパーフレームにおいて中継伝送を行わないが、3〜5番目のフィールドを利用することにより、従属局102と同様に、非占有時間を利用して非同期データを伝送することが可能となる。
【0079】
以上説明したように、従属局が認識応答を送信することによって通信帯域に非占有時間が設けられ、この非占有時間を利用して従属局が非同期データを送信できるようになる。その結果、新たに非同期データの転送が可能となり、同期データ及び非同期データの両方を含めた全体のデータ転送量を増大させるという効果が得られた。
【0080】
尚、一般に同期データは固定長として扱われることが多いため、固定長の同期データを用いて説明したが、可変長となる同期データに対しても本発明を適用することもできる。更に、認識応答の送信、同期データの中継伝送、非同期データの伝送を単一のフレームで送信するためのフォーマットを例示したが、これらを個別のフレームとして従属局から送信することも可能である。
【0081】
[第二の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第二の実施形態を詳細に説明する。第一の実施形態では、本発明が適用された無線中継伝送システムにおいて、従属局が非同期データを送信することができることを説明した。この第二の実施形態では、制御局101が従属局102及び103と同様に、非同期データを送信する方法を説明する。
【0082】
第二の実施形態における無線中継伝送システムの構成は、図1を用いて説明した第一の実施形態の構成と同様であり、説明は省略する。また、制御局101及び従属局102〜105の内部構成も、図2及び図3を用いて説明した第一の実施形態の内部構成と同様であり、説明は省略する。
【0083】
第二の実施形態における中継伝送システムの動作例として、第一の実施形態で説明した図8に示すフレームを送信する場合を説明する。第一の実施形態で説明したように、従属局102〜105はN+1番目のスーパーフレームにおいて中継フレーム807〜810を送信することにより、中継伝送と非同期データの伝送を同時に実行している。
【0084】
図8に示すN+1番目のスーパーフレームでは、従属局103が中継フレーム808を送信しているが、中継フレーム808の終了時点から次のタイムスロットまで、まだ非占有時間が残されている。第二の実施形態では、この非占有時間に、制御局101が非同期データを保持した非同期フレームを送信する。
【0085】
ここで、制御局101は図8に示す中継フレームを受信する。それぞれの中継フレームには、前述したようにLEN_FRAMEフィールドが含まれるため、制御局101はフレーム長判定部208がLEN_FRAMEフィールドの値を参照することで、当該中継フレームの長さを知ることができる。更に、制御局101はTDMAプロトコルを制御しているため、各タイムスロットの開始時点も既知である。
【0086】
従って、制御局101は各タイムスロットで送信される中継データの終了時点から次のタイムスロットまで通信メディアが利用されていない非占有時間を正確に検出することが可能である。
【0087】
図2において、送信タイミング生成部207は、フレーム長判定部208から受信フレーム終了時点、スーパーフレームタイミング生成部206から次タイムスロット開始時点に関する情報を得る。これらの情報に基づいて送信タイミング生成部207が送信フレーム生成部204に対してフレーム送信を指示する。このように、制御局101は、非占有時間において非同期フレームを送信することにより、他の従属局とのフレーム衝突を発生させることなく非同期データを伝送できる。
【0088】
図11は、制御局が非同期フレームを送信する場合のスーパーフレームの構成を示す図である。図11において、1101〜1110は第一の実施形態での図8に示す801〜810と同じフレームである。
【0089】
N+1番目のスーパーフレームにおいて、従属局103の中継フレーム1108を受信している制御局101は、中継フレーム1108の終了を検知し、直ちに非同期フレーム1111の送信を開始する。
【0090】
図12は、制御局が送信する非同期フレームの構成の一例を示す図である。この1番目のフィールドは非同期フレーム1111の全体の長さを示すLEN_FRAMEフィールドである。尚、LEN_FRAMEフィールドで示されるフレーム長の単位としては、実装に依存してバイト(8ビット)やワード(16ビット)などが挙げられるが、如何なる単位を採用しても本発明を適用することが可能である。
【0091】
制御局101は、この非同期フレーム1111が次のタイムスロットの開始時点よりも前に終了するように、非同期フレーム1111の長さを決定し、LEN_FRAMEフィールドを設定する。
【0092】
図12に示す2番目のフィールドはASYNC_DATAフィールドであり、ここに制御局101から送信される非同期データが格納される。尚、第二の実施形態では、制御局101が非占有時間を用いてどのように非同期データを送信するかを説明するものであり、このASYNC_DATAフィールドに対する詳細な内部フォーマットには特に言及しない。しかしながら、このASYNC_DATAフィールド内部に対してどのような使用方法を採用するにしても、本発明を適用することが可能であることは言うまでもない。
【0093】
以上説明したように、従属局102〜105が非占有時間を利用して非同期データの送信を行った場合、制御局101も同様に非同期データを送信することができる。本発明を適用することにより、制御局及び従属局が同期データ及び非同期データの両方を送信することが可能となる。
【0094】
更に、通信状態に応じて、必要な中継伝送の回数を最適化し、非占有時間のほぼ全てを非同期データの伝送に利用できるため、システム全体のデータ転送量を増大させることができる。
【0095】
[第三の実施形態]
次に、図面を参照しながら本発明に係る第三の実施形態を詳細に説明する。第三の実施形態では、中継伝送を最適化するものである。
【0096】
第三の実施形態における無線中継伝送システムの構成は、図1を用いて説明した第一の実施形態の構成と同様であり、説明は省略する。また、制御局101及び従属局102〜105の内部構成も、図2及び図3を用いて説明した第一の実施形態の内部構成と同様であり、説明は省略する。
【0097】
第三の実施形態でも、N番目の同報フレーム401を従属局103及び104が受信に失敗した場合を想定する。この時、図13に示すように、受信した同報フレーム401中で3番目のフィールドに格納されている従属局104宛ての同期データであるISO_DATA3フィールドのみにビット誤りが発生していることもあり得る。
【0098】
ここで、同報フレーム401全部が正しく受信できなくとも、従属局103にとってはISO_DATA2フィールドに格納されている自局宛ての同期データが取得できてさえいれば、以後の他の従属局からの中継伝送は不要である。それにもかかわらず、このような状態において、第一の実施形態では従属局102及び105は従属局103宛ての同期データを中継伝送しており、これらは無駄な通信として通信帯域を浪費することとなる。
【0099】
第三の実施形態では、このような事態を鑑み、制御局101が送信する同報フレームのフォーマット例として図14に示すフォーマットを使用する。図14において、各従属局宛ての同期データはそれぞれISO_DATA1〜4フィールドに格納されている。更に、ISO_DATA1〜4フィールドの直後には、それぞれ同期データ毎に誤り検出符号によるチェックサムとしてCHECKSUM1〜4フィールドが備えられている。
【0100】
図15は、第三の実施形態におけるスーパーフレームの構成を示す図である。まず、N番目のスーパーフレームで制御局101が同報フレーム1501をブロードキャスト送信する。同報フレーム1501は図14に示すフレームフォーマットを持つ。同報フレーム1501を受信した従属局103は、各同期データに対するチェックサムであるCHECKSUM_ISO1〜4を検証する。その後、自局のタイムスロットで従属局103は中継フレーム1503を送信するが、第一の実施形態と同様に、中継フレーム1503にはACKNOWLEDGEフィールドが含まれている。
【0101】
ここで、ISO_DATA3のみにビット誤りが発生している場合、従属局103は自局宛ての同期データとなるISO_DATA2を正常に受信できているため、中継フレーム1503のACKNOWLEDGEフィールドには値ACKを設定する。そして、このACKNOWLEDGEフィールドを受信した他の従属局が従属局103に対してN番目の同報フレーム1501を中継伝送する必要がないことを認識する。
【0102】
このN番目の同報フレーム1501に対する中継伝送はN+1番目のスーパーフレームで実施され、従属局102は中継フレーム1507を、従属局105は中継フレーム1510を送信する。但し、従属局102及び105は、既に中継フレーム1503によって従属局103へ中継伝送する必要がないことを知っているため、中継フレーム1507及び1510には従属局103宛ての同期データは含まれない。
【0103】
従って、従属局102から送信される中継フレーム1507の長さは、図4に示す中継フレーム407よりも短くなる。また同様に、従属局105から送信される中継フレーム1510の長さも図4に示す中継フレーム410よりも短くなる。従って、N+1番目のスーパーフレームにおける非占有時間は図4に示す場合よりも長くなる。
【0104】
以上のように、チェックサムと認識応答方式を改善することにより、中継伝送を最適化することが可能となり、より長い非占有時間を設けることができる。
【0105】
また、制御局及び従属局は、第一及び第二の実施形態と同様の方式で、この非占有時間を利用して非同期データを送信する。これにより、中継伝送システムにおける同期データ及び非同期データ全体としてのデータ転送量を更に増大させることができる。
【0106】
以上説明した実施形態によれば、無線中継伝送システムにおいて受信局が正常にデータフレームを受信した場合に不必要となるデータ中継転送の回数を削減することが可能となる。従って、中継伝送に利用されなくなった通信時間を非同期データなど他のデータ転送のために使用することができるようになるため、ネットワーク全体としてのデータ転送量を増大させるという効果が得られる。
【0107】
尚、本発明は複数の機器(例えば、ホストコンピュータ、インターフェース機器、リーダ、プリンタなど)から構成されるシステムに適用しても、1つの機器からなる装置(例えば、複写機、ファクシミリ装置など)に適用しても良い。
【0108】
また、前述した実施形態の機能を実現するソフトウェアのプログラムコードを記録した記録媒体を、システム或いは装置に供給し、そのシステム或いは装置のコンピュータ(CPU若しくはMPU)が記録媒体に格納されたプログラムコードを読出し実行する。これによっても、本発明の目的が達成されることは言うまでもない。
【0109】
この場合、コンピュータ読み取り可能な記録媒体から読出されたプログラムコード自体が前述した実施形態の機能を実現することになり、そのプログラムコードを記憶した記録媒体は本発明を構成することになる。
【0110】
このプログラムコードを供給するための記録媒体として、例えばフレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、CD−R、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROMなどを用いることができる。
【0111】
また、コンピュータが読出したプログラムコードを実行することにより、前述した実施形態の機能が実現されるだけでなく、次の場合も含まれることは言うまでもない。即ち、プログラムコードの指示に基づき、コンピュータ上で稼働しているOS(オペレーティングシステム)などが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合である。
【0112】
更に、記録媒体から読出されたプログラムコードがコンピュータに挿入された機能拡張ボードやコンピュータに接続された機能拡張ユニットに備わるメモリに書込む。その後、そのプログラムコードの指示に基づき、その機能拡張ボードや機能拡張ユニットに備わるCPUなどが実際の処理の一部又は全部を行い、その処理により前述した実施形態の機能が実現される場合も含まれることは言うまでもない。
【符号の説明】
【0113】
101 制御局
102 従属局
103 従属局
104 従属局
105 従属局

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信装置であって、
少なくとも第1の通信装置の送信期間と第2の通信装置の送信期間を含む期間のN番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信する受信手段と、
前記第2の通信装置から前記N番目の周期において送信されたデータの第3の通信装置の受信状況を判定する判定手段と、
前記判定手段による判定結果に応じて、少なくとも前記受信手段により受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信する送信手段と、
を有することを特徴とする第1の通信装置。
【請求項2】
前記送信手段は、前記第3の通信装置が前記N番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信できなかった場合、少なくとも前記受信手段により受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信し、前記第3の通信装置が前記N番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信できた場合、前記第3の通信装置宛てのデータを送信する期間を他のデータの送信に利用することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記送信手段は、前記第3の通信装置が前記N番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信できなかった場合、少なくとも前記受信手段により受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信し、前記第3の通信装置が前記N番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信できた場合、前記第3の通信装置宛てのデータを送信しないことを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項4】
前記判定手段は、前記第3の通信装置が送信する受信確認信号に基づいて、前記第3の通信装置の受信状況を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか1項に記載の第1の通信装置。
【請求項5】
前記判定手段は、データを正常に受信できなかったことを示す信号に基づいて、前記第3の通信装置の受信状況を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項4の何れか1項に記載の第1の通信装置。
【請求項6】
前記送信手段は、前記受信手段により前記第3の通信装置宛てのデータを受信し、かつ、前記第3の通信装置がデータを受信できなかった場合に、少なくとも前記受信手段により受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信することを特徴とする請求項1乃至請求項5の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項7】
前記判定手段は、前記第2の通信装置が送信した前記第1の通信装置宛てのデータ及び前記第3の通信装置宛てのデータを含むデータの受信状況を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項8】
前記判定手段は、前記第2の通信装置が送信した前記第3の通信装置宛てのデータの受信状況を判定することを特徴とする請求項1乃至請求項6の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
前記受信手段によるデータの受信及び前記送信手段によるデータの送信は、無線通信により行われることを特徴とする請求項1乃至請求項8の何れか1項に記載の通信装置。
【請求項10】
第1の通信装置の制御方法であって、
少なくとも第1の通信装置の送信期間と第2の通信装置の送信期間を含む期間のN番目の周期において前記第2の通信装置から送信されたデータを受信する受信工程と、
前記第2の通信装置から前記N番目の周期において送信されたデータの第3の通信装置の受信状況を判定する判定工程と、
前記判定工程における判定結果に応じて、少なくとも前記受信工程において受信した前記第3の通信装置宛てのデータを前記N番目の周期以降の周期において送信する送信工程と、
を有することを特徴とする第1の通信装置の制御方法。
【請求項11】
請求項1乃至請求項9の何れか1項に記載の通信装置としてコンピュータを機能させることを特徴とするコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−93895(P2013−93895A)
【公開日】平成25年5月16日(2013.5.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2013−4042(P2013−4042)
【出願日】平成25年1月11日(2013.1.11)
【分割の表示】特願2008−220501(P2008−220501)の分割
【原出願日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】