通信装置およびその制御方法
【課題】複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現する。
【解決手段】メイン表示装置は、相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備えている。サブ表示装置230は、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名をメイン表示装置に要求する。メイン表示装置は、記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、サブ表示装置230から要求された対象ユーザ名をサブ表示装置230へ送信する。
【解決手段】メイン表示装置は、相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備えている。サブ表示装置230は、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名をメイン表示装置に要求する。メイン表示装置は、記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、サブ表示装置230から要求された対象ユーザ名をサブ表示装置230へ送信する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信手段を用いて通信を行う通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザ間でコンテンツ(画像データなど)を共有するために、当該コンテンツを通信装置間で送受信することがしばしば行われている。その場合に、コンテンツに何らかの加工を行い、加工したコンテンツをファイルとして保存し、そのファイルを転送することで共有化を図ることもある。
【0003】
コンテンツをより確実かつより便利に送受信するために複数の通信手段を備える通信装置が提案されている。
【0004】
なお、特許文献1〜4には、メイン表示装置とサブ表示装置とを備える情報処理装置が開示されている。
【0005】
また、タッチパッドが液晶ディスプレイになったクリアパッドを搭載したパソコン(例えば、DynaBook G8シリーズ(東芝社製))が市販されている。
【特許文献1】特開2004−5105号公報(2004年1月8日公開)
【特許文献2】特開2004−5212号公報(2004年1月8日公開)
【特許文献3】特開2004−234504号公報(2004年8月19日公開)
【特許文献4】特開2000−339097号公報(2000年12月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、独立して動作可能な通信ユニットを備える通信装置において、これらの通信ユニットをどのように連携させれば、効率の良い通信形態を実現できるかについては、これまで提案されていない。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現することができる通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信装置は、上記の課題を解決するために、第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置であって、上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、上記第2通信ユニットは、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求し、上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信することを特徴としている。
【0009】
本発明に係る制御方法は、上記の課題を解決するために、第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置を制御する制御方法であって、上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、上記第2通信ユニットが、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求する要求工程と、上記第1通信ユニットが、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する対象ユーザ名送信工程とを含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、第1通信ユニットと第2通信ユニットとは、互いに独立して動作可能である。第2通信ユニットは、自装置と通信可能な相手装置を検出し、その相手装置の識別情報(例えば、Bluetooth(登録商標)デバイスアドレス)を取得する。
【0011】
相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部は、第1通信ユニットが備えているため、第2通信ユニットは、取得した識別情報に対応するユーザ名(対象ユーザ名)を取得するための要求を第1通信ユニットに送信する。この場合、第2通信ユニットは、アドレス情報全体を要求してもよいし、対象ユーザ名を少なくとも含む部分アドレス情報を要求してもよい。
【0012】
上記要求を第2通信ユニットから受信すると、第1通信ユニットは、記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を第2通信ユニットへ送信する。
【0013】
第2通信ユニットは、第1通信ユニットから送信された対象ユーザ名を表示部に表示するなどしてユーザに報知することができる。
【0014】
それゆえ、第2通信ユニットが、アドレス情報を格納した記憶部を備えていない場合でも、第1通信ユニットが備える記憶部を利用することにより、相手装置と通信でき、複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現することができる。
【0015】
また、上記第2通信ユニットは、上記要求として、取得した識別情報を上記第1通信ユニットに送信し、上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから送信された識別情報に対応するユーザの名称と当該識別情報とが対応付けられた部分アドレス情報を生成して上記第2通信ユニットへ送信することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記第2通信ユニットは、取得した識別情報を第1通信ユニットに送信することにより部分アドレス情報を要求する。第1通信ユニットは、上記識別情報に対応するユーザの名称と当該識別情報とが対応付けられた部分アドレス情報を、記憶部に格納されたアドレス情報から生成し、生成した部分アドレス情報を第2通信ユニットへ送信する。
【0017】
それゆえ、アドレス情報全体を第1通信ユニットから第2通信ユニットへ送信するよりもアドレス情報の送信にかかる処理時間を短縮できる。
【0018】
また、上記第1通信ユニットは、全体画像を表示する第1表示部を備え、上記第2通信ユニットは、上記第1表示部に表示された全体画像の部分画像を表示する第2表示部を備え、当該第2表示部に表示された部分画像を送信することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、第1通信ユニットに第1表示部が備えられており、第2通信ユニットに第2表示部が備えられている。この第2表示部は、第1表示部に表示された全体画像の部分画像を表示する。そして、第2通信ユニットは、第2表示部に表示された部分画像を上記相手装置へ送信する。
【0020】
それゆえ、第1表示部と第2表示部とで異なる画像を表示することができ、それらの画像の一方を第2通信ユニットから相手装置へ送信できる。また、第2通信ユニットが送信するのは部分画像であり、データ容量が小さいため、画像の送信にかかる処理量を低減できる。
【0021】
上記第1または第2通信ユニットは、上記部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに当該部分画像を上記相手装置へ送信し、上記第1通信ユニットは、上記部分画像識別情報とともに画像を上記相手装置から受信した場合に、当該画像を上記第2通信ユニットへ送信し、上記第2通信ユニットは、上記第1通信ユニットから送信された画像を上記第2表示部に表示することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、第1通信ユニットまたは第2通信ユニットが部分画像を相手装置へ送信する場合に、当該部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに部分画像を送信する。第1通信ユニットは、部分画像識別情報とともに相手装置から部分画像を受信した場合に、その部分画像を第2通信ユニットへ送信する。第2通信ユニットは、上記部分画像を第2表示部に表示する。
【0023】
それゆえ、第2表示部に表示することが好ましい部分画像を当該第2表示部に表示することができる。
【0024】
また、上記第2通信ユニットは、上記第2表示部に表示された部分画像を加工する加工手段をさらに備えることが好ましい。
【0025】
上記の構成により、第2表示部に表示された部分画像を加工することができる。
【0026】
また、上記第1通信ユニットは、上記加工手段によって加工された部分画像と上記全体画像とを合成する合成手段をさらに備え、当該合成手段が合成した合成画像を上記相手装置へ送信することが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、合成手段は、加工手段によって加工された部分画像と全体画像とを合成し、合成された画像が第1通信ユニットによって相手装置へ送信される。
【0028】
それゆえ、加工された部分画像だけではなく、全体画像も相手装置へ送信することが好ましい場合に、両者を含む合成画像を送信することができる。
【0029】
また、上記第2通信ユニットは、上記相手装置が有する表示部の表示サイズに基づいて、当該相手装置へ上記部分画像を送信するか上記合成画像を送信するかを決定する画像決定手段をさらに備え、上記画像決定手段が決定した画像を上記相手装置へ送信することが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、画像決定手段は、相手装置が有する表示部の表示サイズに基づいて、当該相手装置へ部分画像をへ送信するか合成画像を送信するかを決定する。そして、第1または第2通信ユニットは、画像決定手段が決定した部分画像または全体画像を相手装置へ送信する。
【0031】
例えば、上記表示サイズが所定のサイズ以下である場合に部分画像を相手装置へ送信し、所定のサイズより大きければ合成画像を送信する。
【0032】
それゆえ、相手装置が有する表示部の表示サイズに合わせて合成画像または部分画像を送ることができ、相手装置において見やすい画像を送信することができる。
【0033】
また、上記第1通信ユニットは、第1データ通信を行い、上記第2通信ユニットは、上記第1データ通信とは異なる様式の第2データ通信を行い、上記第2通信ユニットが、上記第2データ通信によって相手装置と通信できない場合に、上記第1通信ユニットは、上記第1データ通信によって当該相手装置と通信することが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、第1通信ユニットと第2通信ユニットとは、互いに異なる通信様式で通信を行うものである。そして、第2通信ユニットが、第2データ通信によって自身と通信可能な相手装置を検出できない場合に、第1通信ユニットは、第1データ通信によって相手装置と通信する。
【0035】
それゆえ、相手装置との間の通信環境に応じて異なる通信様式を選択することができ、より確実に通信を行うことができる。
【0036】
上記第1データ通信は広域通信であり、上記第2データ通信は近距離無線通信であることが好ましい。
【0037】
上記の構成により、近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)など)による通信ができない場合に、広域通信(例えば、インターネット)によって相手装置と通信することができる。それゆえ、近距離無線通信の利便性と広域通信の確実性と共に利用することができる。
【0038】
上記第2通信ユニットは、脱着可能に設けられていることが好ましい。
【0039】
上記の構成により、第2通信ユニットを第1通信ユニットから取り外して持ち歩くことや、第2通信ユニットを別の第2通信ユニットに入れ替えることができる。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、本発明に係る通信装置は、第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、第2通信ユニットは、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求し、上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する構成である。
【0041】
本発明に係る制御方法は、第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、第2通信ユニットが、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求する要求工程と、第1通信ユニットが、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する対象ユーザ名送信工程とを含む構成である。
【0042】
それゆえ、第2通信ユニットが、アドレス情報を格納した記憶部を備えていない場合でも、第1通信ユニットが備える記憶部を利用することにより、相手装置と通信でき、複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図22に基づいて説明すれば、以下のとおりである。まず、本実施形態の2画面表示装置(通信装置)200の概要について説明する。図17は、2画面表示装置200の概要を説明するための図である。2画面表示装置200は、図2(a)、(b)および図17に示すように、メイン表示装置(第1通信ユニット)210とセンサ付きサブ表示装置(第2通信ユニット)230とを備えている。メイン表示装置210とサブ表示装置230とは、互いに独立して動作可能である。
【0044】
メイン表示装置210は、画像(全体画像)を表示する液晶パネル(第1表示部)311を備え、サブ表示装置230は、全体画像の部分画像を表示するセンサ内蔵液晶パネル(第2表示部)301を備えている。センサ内蔵液晶パネル301は、液晶パネル311よりも表示領域(画面)が小さいものである。サブ表示装置230は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された部分画像を通信先の端末装置である相手端末(相手装置)へ送信する。
【0045】
上記全体画像は、例えば、地図画像であるが、どのような画像であってもよい。
【0046】
センサ内蔵液晶パネル301は、複数の光センサ回路(撮像センサ)32を内蔵しており、このセンサ内蔵液晶パネル301によって、当該センサ内蔵液晶パネル301に対してタッチされたユーザの指先が撮像される。ユーザは、センサ内蔵液晶パネル301にタッチした指先を移動させることにより、当該指先の軌跡に沿った線(図17における線23)を部分画像に書き込むことができる。
【0047】
そのため、ユーザは、液晶パネル311に表示された全体画像の一部をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させ、センサ内蔵液晶パネル301に表示された部分画像を加工し、加工した部分画像をサブ表示装置230から相手端末(パソコン21、携帯端末22)へ送信することができる。
【0048】
また、サブ表示装置230は、メイン表示装置210を介して部分画像を相手端末へ送信することもできる。
【0049】
また、相手装置がPC等、比較的大きな表示部を有している場合には、メイン表示装置210は、全体画像と加工された部分画像とを合成した合成画像を生成し、当該合成画像を相手装置へ送信してもよい。
【0050】
次に、2画面表示装置200の構成について詳細に説明する。
【0051】
(2画面表示装置の概要)
2画面表示装置200は、データの表示が可能な液晶パネル311を備えるメイン表示装置210と、データの表示に加え、近傍の対象物の画像検出が可能なセンサ内蔵液晶パネル301(後述する)を備えるセンサ付きサブ表示装置230とを有する装置である。
【0052】
メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とは、着脱可能な構成となっている。そして、メイン表示装置210にセンサ付きサブ表示装置230が装着されている場合、相互に有線通信可能な状態となり、互いに相手側の装置に「装置間コマンド」を送信することによって、相手側の装置を制御可能な構成となっている。装置間コマンドの詳細については後述する。
【0053】
なお、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、それぞれ、自装置を制御する制御部を備えている。そのため、メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とを分離した状態では、それぞれ単体で動作可能である。
【0054】
図2を参照しながら、2画面表示装置200の具体例について説明する。図2(a)は、2画面表示装置200の具体例を示す模式図である。図示のように、本実施の形態では、2画面表示装置200として、従来のタッチパッドの代わりにセンサ付きサブ表示装置230を内部に備える、ノートPC(Personal Computer)を想定している。この場合、センサ付きサブ表示装置230以外の部分(表示部310やキーボード920を含む部分)が、メイン表示装置210に相当する。なお、図2(a)に示した状態は、メイン表示装置210の内部にセンサ付きサブ表示装置230が装着されている状態である。メイン表示装置210のタッチパッドに相当する部分は透明であり、ユーザは、内部に装着されたセンサ付きサブ表示装置230のセンサ内蔵液晶パネル301を操作できるようになっている。
【0055】
図2(b)は、図2(a)に示したノートPCにおいて、センサ付きサブ表示装置230をメイン表示装置210の内部から取り出してメイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とを分離した状態を示す模式図である。上述したように、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、それぞれ単体でも動作可能であるので、この状態では、メイン表示装置210は、タッチパッド機能が無いノートPCとして動作することが可能である。また、センサ付きサブ表示装置230は、例えば、センサ内蔵液晶パネル301を備えるリモコンやPDA(Personal Digital Assistant)などとして動作することができる。
【0056】
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
上述したように、センサ付きサブ表示装置230が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、近傍の対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0057】
図3を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図3は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0058】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0059】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0060】
次に、図4(a)および図4(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした場合を例に挙げ、そのタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0061】
図4(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0062】
また、図4(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図4(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0063】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0064】
(メイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の要部構成)
次に、図5を参照しながら、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の要部構成について説明する。図5は、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の要部構成を示すブロック図である。
【0065】
(センサ付きサブ表示装置の要部構成)
まず、センサ付きサブ表示装置230の要部構成について説明する。図示のように、センサ付きサブ表示装置230は、表示/光センサ部(第2表示部)330、表示/光センサ回路制御部630、データ処理部730、サブ側主制御部830、記憶部931、一次記憶部932、通信制御部(第2通信制御手段)933、有線通信部934、近距離無線通信部935、電界強度検出部936、バッテリー937、および電源切替部938を備えている。
【0066】
表示/光センサ部330は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部330は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。表示/光センサ部330の詳細な構成については後述する。
【0067】
次に、表示/光センサ回路制御部630は、表示/光センサ部330の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。表示/光センサ回路制御部630の詳細な構成については後述する。
【0068】
次に、データ処理部730は、サブ側主制御部830から受信する「サブ表示装置内コマンド」に基づいて、表示/光センサ回路制御部630に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。データ処理部730の詳細な構成については後述する。また、サブ表示装置内コマンドの詳細についても後述する。
【0069】
次に、サブ側主制御部830は、センサ付きサブ表示装置230が備える各部の動作を制御するものである。サブ側主制御部830は、記憶部931に記憶されている各種プログラムを読み出して、センサ付きサブ表示装置230の各部を制御し、センサ付きサブ表示装置230が備える各種機能を実現する。
【0070】
サブ側主制御部830は、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行なわせるために、データ処理部730に対して、サブ表示装置内コマンドおよび表示データを送信する。なお、サブ表示装置内コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該サブ表示装置内コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部730から受信する。
【0071】
また、サブ側主制御部830は、メイン表示装置210からの制御を受け付ける。具体的には、メイン表示装置210のメイン側主制御部810が送信した装置間コマンドを受信し、当該受信した装置間コマンドの種類に応じて、下記(1)から(3)のいずれかに示す処理を実行する。
【0072】
まず、(1)受信した装置間コマンドが、表示/光センサ部330の近傍に位置する対象物のスキャンを行なわせることを指定する「スキャンコマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該受信したスキャンコマンドを、サブ表示装置内コマンドに変換するとともに、当該変換後のサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。なお、上記変換は、スキャンコマンドから「第0」フィールド(後述する)を取り除くことにより行なわれる。
【0073】
なお、サブ側主制御部830は、上記変換後のサブ表示装置内コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つをデータ処理部730から受信した場合、当該受信したデータを、メイン側主制御部810に送信する。
【0074】
次に、(2)受信した装置間コマンドが、表示/光センサ部330に、写真やアイコンなどの画像データの表示を行なわせることを指定する「表示コマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該表示コマンドに指定された情報に基づいて表示データを生成するとともに、当該生成した表示データをデータ処理部730に送信する。
【0075】
次に、(3)受信した装置間コマンドが、所定処理を実行させることを指定する「処理コマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該処理コマンドに指定された所定処理を実行する。
【0076】
サブ側主制御部830が実行する上記所定処理とは、例えば、データ処理部730から得られた画像データに対する文字認識処理や画像処理、センサ付きサブ表示装置230の通信制御部933を用いた通信接続処理やファイル転送処理など、センサ付きサブ表示装置230が有する各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理である。
【0077】
さらに、サブ側主制御部830は、メイン表示装置210に対して所定処理の実行を指示する。具体的には、処理コマンドとしての装置間コマンドを、メイン表示装置210のメイン側主制御部810に送信する。メイン側主制御部810が実行する上記所定処理とは、例えば、メイン表示装置210のOS(Operating System)の起動処理、メイン表示装置210の通信制御部(第1通信制御手段)913を用いた通信接続処理やファイル転送処理などの、メイン表示装置210が有する各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理である。
【0078】
なお、表示/光センサ回路制御部630、データ処理部730、およびサブ側主制御部830は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部730は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0079】
次に、記憶部931は、サブ側主制御部830が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部931は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0080】
一次記憶部932は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、サブ側主制御部830が上述の各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用される。
【0081】
次に、通信制御部933は、センサ付きサブ表示装置230が、メイン表示装置210と通信を行なうための有線通信部934、並びに、メイン表示装置210および図示しない外部装置のいずれかと通信を行なうための近距離無線通信部935を制御するものである。
【0082】
すなわち、通信制御部933は、メイン表示装置210から、有線通信部934および近距離無線通信部935のいずれかを介して送信される装置間コマンドおよび各種データをサブ側主制御部830に送信する。また、通信制御部933は、サブ側主制御部830からの指示に応じて、サブ側主制御部830から送信される装置間コマンドおよび各種データを、有線通信部934および近距離無線通信部935のいずれかを介して、メイン表示装置210へ送信する。
【0083】
また、通信制御部933は、近距離無線通信部935を介して、外部装置との間で各種データをやりとりする。
【0084】
有線通信部934は、メイン表示装置210の有線通信部914と接続可能な構成となっている。本実施の形態では、有線通信部934と、メイン表示装置210の有線通信部914とは、USB(universal serial bus)接続されることを想定している。
【0085】
そして、接続時には、有線通信部934は、通信線を用いて、メイン表示装置210の有線通信部914と相互に信号の送受信が可能であるとともに、電力線を用いて、メイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けることができる。そして、メイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けると、有線通信部934は、電源切替部938へ電力を供給する。
【0086】
近距離無線通信部935は、メイン表示装置210の近距離無線通信部915との間、および、外部装置との間で形成される無線通信経路を用いて、相互に通信可能な構成となっている。本実施の形態では、上記無線通信経路に、Bluetooth(登録商標)(以下、単にBluetoothと表記する)通信を適用することを想定している。すなわち、近距離無線通信部935は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行なうことのできる通信部である。なお、上記無線通信経路は、信号の送受信を行なえるものであればよく、IEEE802.11無線やZigBee(登録商標)等を適用してもよい。
【0087】
次に、電界強度検出部936は、サブ側主制御部830からの指示に応じて、近距離無線通信部935が受信する信号の強度(RSSI(Received Signal Strength Indication):受信電界強度)を検出するものである。そして、当該検出の結果を、サブ側主制御部830に送信する。
【0088】
次に、電源切替部938は、有線通信部934がメイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けている場合、センサ付きサブ表示装置230が備える各部に、メイン表示装置210から供給されている電力を供給する。一方、有線通信部934がメイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けていない場合、電源切替部938は、センサ付きサブ表示装置230が備える各部に、バッテリー937の電力を供給する。
【0089】
(メイン表示装置の要部構成)
次に、メイン表示装置210の要部構成について説明する。図示のように、メイン表示装置210は、表示部(第1表示部)310、表示回路制御部610、表示データ処理部710、メイン側主制御部810、記憶部911、一次記憶部912、通信制御部913、有線通信部914、近距離無線通信部915、有線/無線ネットワーク通信部916、電源917、操作部919、音声出力部924、および音声入力部925を備えている。
【0090】
表示部310は、データを表示するためのものであって、液晶パネル311、バックライト317、それらを駆動するための周辺回路319を含んで構成される。表示回路制御部610は、周辺回路319を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。表示データ処理部710は、メイン側主制御部810から受信する表示データに基づいて、表示回路制御部610に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、表示部310、表示回路制御部610、および表示データ処理部710は、一般的に知られている技術を用いて構成することができる。
【0091】
次に、メイン側主制御部810は、メイン表示装置210が備える各部の動作を制御するものである。メイン側主制御部810は、記憶部911に記憶されている各種プログラムを読み出して、メイン表示装置210の各部を制御し、メイン表示装置210が備える各種機能を実現する。
【0092】
メイン側主制御部810は、センサ付きサブ表示装置230のサブ側主制御部830に装置間コマンドを送信し、センサ付きサブ表示装置230に所定処理を実行させる。なお、装置間コマンドの一つであるスキャンコマンドに「データ種別」(後述する)を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、サブ側主制御部830から受信する。
【0093】
また、メイン側主制御部810は、センサ付きサブ表示装置230のサブ側主制御部830から装置間コマンドの一つである処理コマンドを受信し、当該受信した装置間コマンドに指定された所定処理(OSの起動処理、各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理)を行なう。
【0094】
なお、表示回路制御部610、表示データ処理部710、およびメイン側主制御部810は、それぞれ、CPUおよびメモリ等で構成することができる。
【0095】
次に、記憶部911は、メイン側主制御部810が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部911は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0096】
一次記憶部912は、RAMなどの揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、メイン側主制御部810が上述の各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用される。
【0097】
通信制御部913は、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230と通信を行なうための有線通信部914、センサ付きサブ表示装置230および図示しない外部装置と通信を行なうための近距離無線通信部915、並びに、図示しない外部装置と通信を行なうための有線/無線ネットワーク通信部916を制御するものである。
【0098】
すなわち、通信制御部913は、センサ付きサブ表示装置230から、有線通信部914および近距離無線通信部915のいずれかを介して送信される装置間コマンドおよび各種データをメイン側主制御部810に送信する。また、通信制御部913は、メイン側主制御部810からの指示に応じて、メイン側主制御部810から送信される装置間コマンドおよび各種データを、有線通信部914および近距離無線通信部915のいずれかを介して、センサ付きサブ表示装置230へ送信する。
【0099】
また、通信制御部933は、近距離無線通信部935および有線/無線ネットワーク通信部916のいずれかを介して、外部装置との間で各種データをやりとりする。
【0100】
有線通信部914は、上述したように、センサ付きサブ表示装置230の有線通信部934と接続可能な構成となっており、有線通信部914と、センサ付きサブ表示装置230の有線通信部934とは、USB接続されることを想定している。
【0101】
近距離無線通信部915は、センサ付きサブ表示装置230の近距離無線通信部935との間、および、外部装置との間で形成される無線通信経路を用いて、相互に通信可能な構成となっており、上記無線通信経路には、Bluetooth通信を適用することを想定している。すなわち、近距離無線通信部915は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行なうことのできる通信部である。
【0102】
有線/無線ネットワーク通信部916は、外部の通信ネットワークと通信可能に接続される構成となっており、外部装置との間で通信を行なうものである。上記通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0103】
上述したようにサブ表示装置230は、有線/無線ネットワーク通信部を備えておらず、この点においてメイン表示装置210とサブ表示装置230とは通信様式において互いに異なっている。
【0104】
電源917は、メイン表示装置210が備える各部に電力を供給するものである。また、有線通信部914がセンサ付きサブ表示装置230の有線通信部934と接続されているときは、有線通信部914を介して、センサ付きサブ表示装置230へも電力を供給する。なお、電源のオン/オフは、ユーザが電源スイッチ922を操作することによって、切り替えることができる。
【0105】
次に、操作部919は、メイン表示装置210のユーザの入力操作を受け付けるものである。操作部919は、例えば、キーボード920、スイッチ、マウス、リモコンなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部919は、メイン表示装置210のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号をメイン側主制御部810へ送信する。
【0106】
なお、上記スイッチの例としては、メイン表示装置210の筐体のヒンジ部分に設けられ、筐体の開閉状態を検出するヒンジ部スイッチ921、電源のオン/オフを切り替える電源スイッチ922、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ923などのハードウェアスイッチを想定している。
【0107】
その他、メイン表示装置210は、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部924、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部925を備えている。
【0108】
(センサ付きサブ表示装置の詳細な構成)
次に、図6を参照しながら、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、およびデータ処理部730のより詳細な構成について説明する。図6は、表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、およびデータ処理部730のより詳細な構成を示すブロック図である。
【0109】
まず、表示/光センサ部330のより詳細な構成について説明する。図示のように、表示/光センサ部330は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0110】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0111】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0112】
液晶パネル駆動回路304は、表示/光センサ回路制御部630の液晶パネル制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0113】
光センサ駆動回路305は、表示/光センサ回路制御部630のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0114】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0115】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0116】
バックライト駆動回路308は、表示/光センサ回路制御部630のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0117】
次に、表示/光センサ回路制御部630について説明する。表示/光センサ回路制御部630は、液晶パネル制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0118】
液晶パネル制御部601は、データ処理部730の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部330の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0119】
なお、液晶パネル制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0120】
センサ制御部602は、データ処理部730のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部330の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0121】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0122】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部330のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0123】
次に、データ処理部730について説明する。データ処理部730は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。
【0124】
表示データ処理部701は、サブ側主制御部830から表示データを受信するとともに、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、液晶パネル制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0125】
センサデータ処理部703は、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0126】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、サブ側主制御部830に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、サブ表示装置内コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0127】
(メイン表示装置の詳細な構成)
上述したように、メイン表示装置210の表示部310および表示回路制御部610は、一般的に知られている技術を用いて構成することができるが、図7を参照しながら、これらの構成例について簡単に説明する。図7は、表示部310および表示回路制御部610の構成例を示すブロック図である。
【0128】
表示部310は、マトリクス状に配置された複数の画素回路38を含む液晶パネル311と、複数の白色LEDを含んでおり、液晶パネル311の背面に配置されるバックライト317と、それらを駆動するための周辺回路319とを含んで構成される。なお、バックライト317は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよいし、LEDに代えて冷陰極管を含むものであってもよい。
【0129】
周辺回路319は、画素回路38を駆動する液晶パネル駆動回路314、および、バックライト317に電源電圧を印加するバックライト駆動回路318を含む。なお、バックライト駆動回路318から電源電圧が印加されると、バックライト317は点灯し、液晶パネル311に光を照射する。
【0130】
次に、表示回路制御部610は、液晶パネル制御部611、バックライト制御部613、および表示データ記憶部614を備えている。
【0131】
液晶パネル制御部611は、表示データ処理部710から表示データを受信するとともに、表示データ処理部710からの指示に従って、液晶パネル駆動回路314に制御信号およびデータ信号を送信し、上記受信した表示データを液晶パネル311に表示させる。なお、液晶パネル制御部611は、表示データ処理部710から受信した表示データを、表示データ記憶部614(VRAMなど)に一次記憶させ、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号を生成する。
【0132】
バックライト制御部613は、表示データ処理部710からの指示に従って、バックライト駆動回路318に制御信号を送信し、バックライト317を駆動させる。
【0133】
(サブ表示装置内コマンド)
次に、図8および図9を参照しながら、サブ側主制御部830からデータ処理部730に送信されるサブ表示装置内コマンドの詳細について説明する。図8は、サブ表示装置内コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図9は、サブ表示装置内コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0134】
図8に示すように、サブ表示装置内コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図9に示す値が指定可能である。
【0135】
「ヘッダ」フィールドは、サブ表示装置内コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。フレームの開始であることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0136】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、センサデータ処理部703からデータを取得するタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0137】
ここで、“センス”は、センサデータ処理部703に対して、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、サブ側主制御部830に送信する。
【0138】
また、“イベント”は、センサデータ処理部703に対して、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、サブ側主制御部830に送信する。
【0139】
また、“オール”は、センサデータ処理部703に対して、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、サブ側主制御部830に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行なう周期と一致する。
【0140】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0141】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものをサブ側主制御部830に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0142】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データをサブ側主制御部830に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。
【0143】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像データのそれぞれをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした領域のそれぞれを部分画像データとして抽出し、サブ側主制御部830に送信する。
【0144】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信したとき、部分画像における代表点を検出し、当該代表点の部分画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。なお、上記代表点とは、例えば、上記部分画像データの中心、上記部分画像データの重心などが挙げられる。
【0145】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像データのそれぞれの代表点を検出し、当該検出された各代表点の、部分画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした各領域の代表点の、各領域における位置を示す代表座標の座標データを、サブ側主制御部830に送信する。
【0146】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、上記代表点の、全体画像データにおける位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。
【0147】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像のそれぞれの代表点の、全体画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした各領域の代表点の、全体画像における位置を示す代表座標の座標データを、サブ側主制御部830に送信する。
【0148】
すなわち、センサ付きサブ表示装置230は、ユーザが指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301をタッチした数に関わらず、該タッチした領域の代表点を検出することができる(多点検出)。そして、該検出された代表点の、部分画像における位置を示す代表座標の座標データ、および、全体画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830にすることができる。
【0149】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0150】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0151】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0152】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行なうことを指定するものである。
【0153】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0154】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、サブ側主制御部830に送信する。
【0155】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、サブ側主制御部830に送信する。
【0156】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0157】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度でサブ側主制御部830に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行なう対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0158】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度でサブ側主制御部830に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0159】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0160】
なお、サブ表示装置内コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0161】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信することとなるが、指やペンなど動きを検出したい場合には、さらに、当該サブ表示装置内コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、この場合には、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記サブ表示装置内コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0162】
また、サブ表示装置内コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0163】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0164】
(装置間コマンド)
次に、図10および図11を参照しながら、装置間コマンドのフレーム構造について説明する。まず、図10は、装置間コマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。図示のように、装置間コマンドは、先頭から順に、「ヘッダ」フィールド、「第0」から「第5」までの各フィールド、および、「予備」フィールドを含んでいる。
【0165】
「ヘッダ」フィールドは、装置間コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。フレームの開始であることが識別可能であれば、ヘッダフィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0166】
次に、「第0」フィールドは、装置間コマンドの種類を識別するための「コマンド識別子」を指定するフィールドである。
【0167】
コマンド識別子の値が“000”である装置間コマンドを、ここでは「スキャンコマンド」と称する。スキャンコマンドは、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230に対して、センサ内蔵液晶パネル301の近傍に位置する対象物のスキャンを行なわせるために、メイン側主制御部810からサブ側主制御部830に送信される。なお、スキャンコマンドを受信したサブ側主制御部830は、スキャンコマンドから第0フィールドを取り除くことによって、スキャンコマンドをサブ表示装置内コマンドに変換するとともに、当該変換後のサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。
【0168】
また、コマンド識別子の値が、“001”である装置間コマンドを、ここでは「表示コマンド」と称する。表示コマンドは、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230に対して、表示/光センサ部330に写真やアイコンなどの画像データの表示を行なわせるために、メイン側主制御部810からサブ側主制御部830に送信される。
【0169】
また、コマンド識別子の値が、“010”である装置間コマンドを、ここでは「処理コマンド」と称する。処理コマンドは、センサ付きサブ表示装置230およびメイン表示装置210のいずれかが、相手側に所定処理を実行させるために、メイン側主制御部810とサブ側主制御部830との間で送受信される。
【0170】
次に、「第1」から「第5」までの各フィールドに指定可能な情報は、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれで異なる。第1から第5までの各フィールドに指定可能な情報については、後述する。
【0171】
次に、「予備」フィールドは、上述した各フィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0172】
なお、上述した各フィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0173】
次に、図11を参照しながら、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報について説明する。図11は、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報を示す説明図である。
【0174】
図示のように、スキャンコマンドでは、第1から第5フィールドに、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、および「スキャン解像度」を指定することができる。なお、スキャンコマンドの第1から第5までの各フィールドに指定可能な情報は、サブ表示装置内コマンドの各フィールドに指定可能な情報と同じである。
【0175】
なお、スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な情報と、サブ表示装置内コマンドの各フィールドに指定可能な情報とを同じにしていることによって、スキャンコマンドを受信したサブ側主制御部830が、メイン側主制御部810から受信したスキャンコマンドの第0フィールドを取り除くだけで、当該受信したスキャンコマンドをサブ表示装置内コマンドに変換することができるようにしている。
【0176】
また、表示コマンドでは、第1および第2フィールドに、「表示個数」、および「表示データ/表示位置」を指定することができる。なお、第3から第5フィールドは使用されない(NULL値である)。
【0177】
また、処理コマンドでは、第1から第3フィールドに、「実行処理種別」、「引数個数」、および「引数情報」を指定することができる。なお、第4および第5フィールドは使用されない(NULL値である)。
【0178】
次に、図12から図14を参照しながら、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する。
【0179】
図12は、スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。図示のとおり、スキャンコマンドの第1から第5までの各フィールドは、サブ表示装置内コマンドの各フィールドと同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0180】
次に、表示コマンドについて説明する。図13は、表示コマンドの第1および第2フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【0181】
表示コマンドの第1フィールド(表示個数)は、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330に表示させるデータの数を指定するフィールドである。つまり、第2フィールド(表示データ/表示位置)に指定する組の数を示すものである。
【0182】
表示コマンドの第2フィールド(表示データ/表示位置)は、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330に表示させる画像データそのものと、当該データの表示位置(座標)との組を示すフィールドである。複数の画像データを表示させる場合、第2フィールドには、上記組を複数指定する。
【0183】
次に、処理コマンドについて説明する。図14は、処理コマンドの第1から第3フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【0184】
処理コマンドの第1フィールド(実行処理種別)は、処理コマンドの送信先の主制御部に実行させる処理(各種アプリケーション、ミドルウェア、OS等)の識別情報を指定するフィールドである。当該識別情報は、処理が識別可能なものであれば、どのような値であってもよい。
【0185】
処理コマンドの第2フィールド(引数個数)は、第1フィールドにて指定した識別情報で示される処理が、起動時または起動後に用いる各種情報(引数)の個数を指定するフィールドである。つまり、第3フィールド(引数情報)に指定するデータの数を示すものである。
【0186】
処理コマンドの第3フィールド(引数情報)は、第1フィールドにて指定した識別情報で示される処理が、起動時または起動後に用いる各種情報(引数)を指定するフィールドである。
【0187】
起動時に用いる情報とは、例えば、第1フィールドにて指定された所定処理の動作モードや、表示領域などを指定するパラメータなどが挙げられる。
【0188】
また、起動後に用いる情報とは、例えば、第1フィールドに文字認識アプリケーションが指定されている場合、当該文字認識アプリケーションが文字認識する対象の画像データなどが挙げられる。また、第1フィールドにファイル転送アプリケーションが指定されている場合、当該ファイル転送アプリケーションが転送する対象のファイルなどが挙げられる。
【0189】
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図15を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図15(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図15(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0190】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0191】
図15(b)に示す画像データでは、図15(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図15(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0192】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0193】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0194】
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図16を参照しながら、センサ付きサブ表示装置230が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図16は、表示/光センサ部330の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0195】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0196】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0197】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0198】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0199】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード6のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード6に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード6に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード6のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0200】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0201】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0202】
走査信号線駆動回路3041は、液晶パネル制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0203】
データ信号線駆動回路3042は、液晶パネル制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0204】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0205】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0206】
(サブ側主制御部830の構成)
次に、センサ付きサブ表示装置230(以下、サブ表示装置230と略称する)が備えるサブ側主制御部830の構成について図1を参照しつつ説明する。図1は、サブ側主制御部830の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、サブ側主制御部830は、部分画像加工部(加工手段)801、探索信号生成部802、リスト生成部803、送信先決定部804、送信画像決定部(画像決定手段)805および表示画像生成部(表示制御手段)806を備えている。
【0207】
部分画像加工部801は、ユーザの指示に従い、センサ内蔵液晶パネル301に表示された部分画像を加工する。特に、部分画像加工部801は、センサ内蔵液晶パネル301にタッチしたユーザの指先の軌跡に沿った線を部分画像に書き込む。部分画像加工部801における処理の詳細については後述する。
【0208】
探索信号生成部802は、近距離無線通信部915により自装置と通信可能な、待機状態にある相手端末を探索(検出)するために、相手端末の識別情報であるBluetooth(登録商標)デバイスアドレス(以下、BDアドレスと称する)を問い合わせる探索信号を、通信制御部933を介して近距離無線通信部915からブロードキャストにより送信する。
【0209】
探索信号を受信した相手端末は、当該相手端末のBDアドレスを含む応答信号をサブ表示装置230へ送信する。サブ表示装置230は、応答信号を受信すると電界強度検出部936によって応答信号の電界強度を測定し、その測定結果を応答信号と対応付けてリスト生成部803へ出力する。
【0210】
リスト生成部803は、受信した応答信号に含まれるBDアドレスを列挙したBDアドレスリスト91を生成し、当該BDアドレスリスト91をメイン表示装置210へ送信することにより、当該BDアドレスリスト91に示されたBDアドレスに対応するユーザの名称(対象ユーザ名)をメイン表示装置210に要求する。
【0211】
このとき、リスト生成部803は、電界強度検出部936が測定した応答信号の電界強度が所定の値以上であるかどうかを判定し、所定の値以上であれば、通信可能であることを示す通信可能情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。また、リスト生成部803は、上記電界強度が所定の値より小さければ、通信困難であることを示す通信困難情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。
【0212】
なお、電界強度が所定の値より小さい応答信号に含まれるBDアドレスをBDアドレスリスト91に記録しない構成にしてもよい。
【0213】
以上のように、探索信号生成部802およびリスト生成部803は、通信可能な相手端末を検出し、当該相手端末の識別情報を取得する識別情報取得手段として機能する。また、リスト生成部803は、識別情報に対応するユーザの名称をメイン表示装置210に要求する要求手段として機能する。
【0214】
送信先決定部804は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された送信先リスト中のどの送信先をユーザが選択したのかを判定し、ユーザが選択した送信先に対応するBDアドレスを送信画像決定部805へ送信する。送信先決定部804における処理の詳細については後述する。
【0215】
送信画像決定部805は、送信画像決定部805から送信されたBDアドレスを有する相手端末へ、表示サイズ情報を要求する情報要求信号を、通信制御部933を介して送信する。そして、送信画像決定部805は、相手装置から表示サイズ情報を受け取ると、その表示サイズ情報に基づいて相手装置へ合成画像を送信するか部分画像を送信するかを決定する。
【0216】
具体的には、相手装置が所定のサイズ以上の表示部を有している場合は、合成画像を送信する指示をメイン表示装置210へ出力し、所定のサイズより小さい表示部を有している場合は、部分画像を送信する指示を通信制御部933へ出力する。
【0217】
上記所定のサイズは、PC等が有する大型の表示部と、携帯電話等が有する小型の表示部とを区別する基準となるサイズであり、適宜設定されればよい。
【0218】
表示画像生成部806は、センサ内蔵液晶パネル301に表示するための表示用画像を生成し、表示データ処理部701へ送信することにより表示用画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示する。
【0219】
(メイン側主制御部810の構成)
次にメイン側主制御部810の構成について、図18を参照しつつ説明する。図18は、メイン側主制御部810の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、メイン側主制御部810は、部分画像生成部811、部分アドレス帳生成部(部分アドレス情報生成手段)812、画像判定部813、合成画像生成部(合成手段)814、表示画像生成部815およびメール送受信部816を備えている。
【0220】
部分画像生成部811は、操作部919を介して入力されたユーザの指示に従って、全体画像の一部である部分画像93を生成する。例えば、部分画像生成部811は、ユーザがマウスをドラッグすることにより指定した範囲を全体画像から切り取り、部分画像とする。この部分画像は、サブ表示装置230へ送信される。
【0221】
部分アドレス帳生成部812は、記憶部911に格納されたアドレス帳(アドレス情報)95を参照することにより、サブ表示装置230から送信されたBDアドレスリスト91に示されたBDアドレスを有する相手端末のユーザ名(対象ユーザ名)と、当該BDアドレスおよび通信可能/困難情報とを対応付けた部分アドレス帳(部分アドレス情報)を生成する。
【0222】
アドレス帳95は、1つまたは複数の相手端末のユーザ名と、当該相手端末のBDアドレスと、当該相手端末の電子メールアドレスとが対応付けられているテーブルである。ユーザは操作部919を介してアドレス帳95を編集することができる。また、アドレス帳95にユーザの住所、電話番号等のユーザ情報が記録されていてもよい。
【0223】
サブ表示装置230は、操作部を備えていないためアドレス帳を編集することが困難であるため、アドレス帳95は、操作部919を備えるメイン表示装置210が有する記憶部911に格納されている。
【0224】
図19は、部分アドレス帳の一例を概念的に示す図である。同図に示す例では、「A君」というユーザ名と、「A君」が有する端末のBDアドレスと、通信可能情報とが対応付けられているとともに、「B君」というユーザ名と、「B君」が有する端末のBDアドレスと、通信困難情報とが対応付けられている。
【0225】
画像判定部813は、相手端末から受信した画像または当該画像が添付された電子メールに、部分画像を示す部分画像識別情報が付与されているかどうかを判定する。
【0226】
この部分画像識別情報は、メイン表示装置210が相手端末へ部分画像を送信する時に、メール送受信部816によって部分画像または当該部分画像が添付された電子メールに付与される。また、部分画像識別情報は、部分画像のファイル名に組み込まれてもよいし、部分画像の作成者情報を記録する箇所など部分画像のファイルの内部に組み込まれてもよいし、上記電子メールのヘッダ等に組み込まれてもよく、部分画像識別情報とともに部分画像が相手端末へ送信されればよい。また、部分画像識別情報は、サブ表示装置230が相手装置へ部分画像を送信する場合に、例えば、通信制御部933によって当該部分画像に付与されてもよい。また、部分画像識別情報は、ユーザの指示に従って付与されてもよく、部分画像識別情報を付与するタイミングおよび方法は特に限定されない。
【0227】
画像判定部813は、相手装置から受信した画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されている場合(すなわち、上記画像が部分画像である場合)、当該部分画像をサブ表示装置230へ送信する。一方、部分画像識別情報が付与されていない場合、画像判定部813は、当該画像を液晶パネル311に表示するために表示画像生成部815へ出力する。
【0228】
合成画像生成部814は、サブ表示装置230から合成画像を生成する指示を受けて、サブ表示装置230から送信された部分画像と当該部分画像に対応する全体画像とを合成することにより合成画像を生成する。
【0229】
表示画像生成部815は、液晶パネル311に表示する表示用データを生成し、表示データ処理部710へ出力する。
【0230】
メール送受信部816は、相手装置と電子メールのやり取りを行うメールソフトとして機能する。
【0231】
(部分画像加工部801における処理の詳細)
サブ表示装置230の部分画像加工部801は、メイン表示装置210の部分画像生成部811から送信された部分画像がセンサ内蔵液晶パネル301に表示されると、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“オール”または“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。センサデータ処理部703は、センサ内蔵液晶パネル301が撮像した撮像画像におけるユーザの指先の像の位置を示す座標データを所定の時間間隔で部分画像加工部801へ送信する。そして、部分画像加工部801は、センサデータ処理部703から送信された座標データが示すユーザの指先の軌跡に沿った線を部分画像に記入する。このとき記入する線の太さおよび色は、ユーザの指定に従って設定されればよい。
【0232】
また、文字、予め設定されているスタンプ(各種の図形、キャラクターの画像など)、外枠等を部分画像に加えることもできる。文字の入力は、メイン表示装置210の操作部919を介して行えばよい。スタンプ、外枠等については、使用可能なものを一覧表示して、ユーザに選択させればよい。
【0233】
部分画像加工部801は、加工した部分画像(図1において93の符号を付している)を記憶部931に格納する。
【0234】
(送信先決定部804における処理の詳細)
サブ表示装置230の送信先決定部804は、メイン表示装置210の部分アドレス帳生成部812から部分アドレス帳94を受信すると、当該部分アドレス帳94を記憶部931に格納するとともに、表示画像生成部806へ出力する。
【0235】
表示画像生成部806は、受け取った部分アドレス帳94に基づいて通信可能な相手端末のリスト(送信先リスト)を示す表示用画像を生成し、表示データ処理部701に出力することにより、送信先リストをセンサ内蔵液晶パネル301に表示する。この送信先リストには、近距離無線通信部915によって通信できるかどうかについても示されていることが好ましい。
【0236】
送信先決定部804は、部分アドレス帳94を表示画像生成部806へ出力すると、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。センサデータ処理部703から座標データを受信すると、当該座標データが示す位置と、センサ内蔵液晶パネル301における送信先リストの表示位置(各送信先を示す表示領域の位置)とを比較することにより、ユーザがどの送信先を選択したのかを判定する。
【0237】
送信先決定部804は、ユーザが選択した送信先に対応するBDアドレスを送信画像決定部805へ送信する。
【0238】
(画像送信処理の流れ)
次に、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの一例について図20を参照しつつ説明する。図20は、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの一例を示す図である。なお、メイン表示装置210とサブ表示装置230との間の通信は、通信制御部913、有線通信部914、有線通信部934および通信制御部933を介して行われるが、以下の説明では、説明を簡単にするために、これらの部材の説明を省略する場合がある。また、全体画像は、予め記憶部911に格納されているものとする。
【0239】
まず、メイン表示装置210の表示画像生成部815は、ユーザの指示に従い全体画像を液晶パネル311に表示する(S1)。
【0240】
ユーザがマウス等を用いてドラッグなどにより全体画像の一部の領域を指定し、選択部分画像を生成する指示を入力する(例えば、「サブ画面へ転送」などの処理をポップアップメニューなどから選択する)と、部分画像生成部811は、当該領域を含む部分画像を生成し、生成した部分画像を表示コマンドとともにサブ表示装置230の表示画像生成部806へ送信する(S2)。
【0241】
表示画像生成部806は、表示コマンドおよび部分画像を受け取ると、当該部分画像を含む表示用画像を生成し、センサ内蔵液晶パネル301に表示する(S3)。
【0242】
部分画像がセンサ内蔵液晶パネル301に表示されると、部分画像加工部801は、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“オール”または“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。そして、部分画像加工部801は、センサデータ処理部703から送信された座標データが示すユーザの指先の軌跡に沿った線を部分画像に記入する(S4)。部分画像加工部801は、加工した部分画像を記憶部931に格納する。
【0243】
その後、ユーザから部分画像を送信する指示を取得すると、探索信号生成部802は、近距離無線通信部915により自装置と通信可能な、待機状態にある相手端末のBDアドレスを問い合わせる探索信号を近距離無線通信部915から送信する(S5)。
【0244】
探索信号を受信した相手端末(相手端末A・Bと称する)は、当該相手端末のBDアドレスを含む応答信号をサブ表示装置230へ送信する(S6)。
【0245】
応答信号を受信すると、電界強度検出部936は、応答信号の電界強度を測定し、その測定結果を応答信号と対応付けてリスト生成部803へ出力する。
【0246】
リスト生成部803は、電界強度検出部936が測定した応答信号の電界強度が所定の値以上であるかどうかを判定し、所定の値以上であれば、通信可能であることを示す通信可能情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。一方、上記電界強度が所定の値より小さければ、リスト生成部803は、通信困難であることを示す通信困難情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。
【0247】
そして、リスト生成部803は、生成したBDアドレスリスト91を、部分アドレス帳を生成することを命じる処理コマンドとともにメイン表示装置210の部分アドレス帳生成部812へ送信する(S7)。なお、このときメイン表示装置210へ送信されるBDアドレスリスト91に通信可能/困難情報が含まれている必要は必ずしもない。
【0248】
部分アドレス帳生成部812は、上記処理コマンドおよびBDアドレスリスト91を受け取ると、記憶部911に格納されたアドレス帳95を参照することにより、受け取ったBDアドレスリスト91に示されたBDアドレスを有する相手端末のユーザ名(対象ユーザ名)と、当該BDアドレスおよび通信可能/困難情報とを対応付けた部分アドレス帳を生成する。部分アドレス帳生成部812は、生成した部分アドレス帳をサブ表示装置230の送信先決定部804へ出力する(S8)。換言すれば。部分アドレス帳生成部812は、記憶部911にアクセスすることにより、サブ表示装置230から要求された対象ユーザ名をサブ表示装置230へ送信する。
【0249】
送信先決定部804は、部分アドレス帳生成部812から部分アドレス帳94を受信すると、当該部分アドレス帳94を記憶部931に格納するとともに、表示画像生成部806へ出力する。
【0250】
表示画像生成部806は、部分アドレス帳94が示す送信先リストの表示用画像を表示データ処理部701に出力することにより、当該送信先リストをセンサ内蔵液晶パネル301に表示する(S9)。
【0251】
その後、送信先決定部804は、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。センサデータ処理部703は、センサ内蔵液晶パネル301が撮像した撮像画像におけるユーザの指先の像の位置を示す座標データを送信先決定部804へ送信する。そして、送信先決定部804は、センサデータ処理部703から座標データを受信すると、当該座標データが示す位置と、センサ内蔵液晶パネル301における送信先リストの表示位置とを比較することにより、ユーザがどの送信先(ユーザ名)を選択したのかを判定する(S10)。
【0252】
送信先決定部804は、記憶部931に格納された部分アドレス帳94を参照することにより、ユーザが選択した送信先に対応するBDアドレスを送信画像決定部805へ送信する。
【0253】
送信画像決定部805は、BDアドレスを受け取ると、当該BDアドレスを有する相手端末へ、表示サイズ情報を要求する情報要求信号を送信する(S11)。ここでは、ユーザが相手端末Aを送信先に選択したものとする。この場合、情報要求信号は、相手端末Aへ送信される。
【0254】
相手端末Aは、情報要求信号を受け取ると、自身が有する表示部のサイズを示す表示サイズ情報をサブ表示装置230へ送信する(S12)。ここで相手端末Aは携帯端末であり、小型の表示部を備えているものとする。
【0255】
送信画像決定部805は、相手端末Aから表示サイズ情報を受け取ると、その表示サイズ情報が示す表示サイズが所定のサイズ以上であるかどうかを判定する。相手端末Aが携帯端末の場合、表示サイズ情報が示す表示サイズは所定のサイズより小さいため、送信画像決定部805は、部分画像を送信する指示を通信制御部933へ出力する(S13)。
【0256】
通信制御部933は、記憶部931に格納されている部分画像93を、近距離無線通信部935を介して相手端末Aへ送信する(S14)。相手端末AのBDアドレスは、部分アドレス帳94に示されているため、通信制御部933は、当該部分アドレス帳94を参照することにより相手端末AのBDアドレスを取得すればよい。このとき、通信制御部933は、送信する画像が部分画像であることを示す部分画像識別情報を当該部分画像に付与し、部分画像識別情報が付与された部分画像を相手端末Aへ送信してもよい。
【0257】
なお、表示サイズ情報を要求する情報要求信号を、探索信号に含めてもよいが、部分画像を送信する相手端末のみから表示サイズ情報を得る方が、送受信されるデータの総量が少なくて済むため好ましい。
【0258】
(画像送信処理の流れの別の例)
次に、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの別の例について図21を参照しつつ説明する。図21は、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの別の例を示す図である。ここでは、相手端末AがPCであり、所定のサイズ以上の表示サイズを有する表示部を備えている場合の処理について説明する。
【0259】
図21に示すステップS21〜S32は、ステップS1〜S12と同様のため、その説明を省略する。
【0260】
相手端末Aが、表示サイズ情報をサブ表示装置230へ送信すると、送信画像決定部805は、その表示サイズ情報が示す表示サイズが所定のサイズ以上であるかどうかを判定する(S33)。相手端末AがPCの場合、表示サイズ情報が示す表示サイズは所定のサイズ以上であるため、送信画像決定部805は、合成画像を相手端末Aへ送信するための処理コマンドをメイン表示装置210の合成画像生成部814へ出力する(S34)。このとき送信画像決定部805は、上記処理コマンドとともに、相手端末AのBDアドレスおよび記憶部931に格納されている部分画像93を合成画像生成部814へ送信する。
【0261】
合成画像生成部814は、上記処理コマンド、BDアドレスおよび部分画像93を受信すると、受信した部分画像と当該部分画像に対応する全体画像とを合成し、合成画像を生成する(S35)。より詳細には、合成画像生成部814は、全体画像における部分画像に対応する領域に、加工された後の部分画像を組み込むことにより、新たな全体画像を生成する。
【0262】
そして、合成画像生成部814は、生成した合成画像を送信先のBDアドレスとともにメール送受信部816へ出力する。メール送受信部816は、上記合成画像を上記BDアドレスを有する相手端末Aへ、有線/無線ネットワーク通信部916を介して送信する(S36)。このとき、メール送受信部816は、アドレス帳95を参照することにより相手端末Aの電子メールアドレスを取得すればよい。アドレス帳95では、各相手端末に関して、BDアドレスと電子メールアドレスとが対応付けられている。
【0263】
なお、上記の説明では、2画面表示装置200は、全体画像と部分画像とを合成した画像を送信しているが、実際に送信する場合には、送信先相手端末やユーザの要求に応じて、上記の通り合成後の画像を送信しても良いし、上記の合成の処理を行わず、上記部分画像93のみを送信しても良いし、加工前の全体画像95と部分画像93との両方を送信しても良い。
【0264】
(画像受信処理の流れ)
次に、部分画像識別情報が付与された画像をメイン表示装置210が受信した場合の処理の流れについて、図22を参照しつつ説明する。図22は、2画面表示装置200における画像受信処理の流れの一例を示す図である。
【0265】
メイン表示装置210のメール送受信部816は、相手端末Aから画像が添付された電子メールを受け取ると(S41)、当該画像または電子メールを画像判定部813へ出力する。画像判定部813は、当該画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されているかどうかを判定する(S42)。上記画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されている場合、画像判定部813は、表示コマンドとともに当該部分画像をサブ表示装置230へ送信する(S43)。
【0266】
表示コマンドとともに部分画像を受け取ると、表示画像生成部806は、当該部分画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示する(S44)。
【0267】
一方、上記画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されていない場合には、画像判定部813は、当該部分画像を表示部310へ表示するよう表示画像生成部815へ指示する。
【0268】
以上のように、2画面表示装置200は、メイン表示装置210と、メイン表示装置210とは独立して動作可能なサブ表示装置230とを備え、メイン表示装置210は、全体画像を表示する液晶パネル311(第1表示部)を備え、サブ表示装置230は、液晶パネル311に表示された全体画像の部分画像を表示するセンサ内蔵液晶パネル301(第2表示部)を備えている。サブ表示装置230は、上記部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに当該部分画像を自身と通信可能な相手装置へ送信し、メイン表示装置210は、上記部分画像識別情報とともに画像を受信した場合に、当該画像をサブ表示装置230へ送信する。サブ表示装置230は、メイン表示装置210から送信された画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示する。
【0269】
このような処理により、部分画像識別情報が付与された画像をメイン表示装置210が受信した場合に、当該画像がメイン表示装置210によって表示されることなくサブ表示装置230に転送される。それゆえ、メイン表示装置210において当該画像に関する処理を省略でき、処理の効率化を図ることができる。
【0270】
(2画面表示装置200の効果)
以上のように、2画面表示装置200では、アドレス帳を有していないサブ表示装置230が、自装置と通信可能な相手端末のユーザ名をメイン表示装置210に問い合わせ、得られたユーザ名を表示することで、通信可能な相手端末の中からユーザの所望する相手端末をユーザに選択させる。そして、サブ表示装置230は、ユーザが選択した相手端末にデータ(例えば、部分画像)を送信する。
【0271】
それゆえ、サブ表示装置230がアドレス帳を有していなくても、メイン表示装置210との連携をとることにより、データを送信すべき相手端末に当該データを送信することができる。
【0272】
また、全体画像から部分画像を生成し、その部分画像を相手端末に送信することにより、相手端末が小さい表示部を有する携帯端末であっても、快適に画像を閲覧することができる。また、部分画像は、全体画像よりもデータ容量が小さいため、画像の送受信にかかる処理量を低減できる。
【0273】
(変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0274】
例えば、サブ表示装置230が、近距離無線通信(第2データ通信)によってユーザが指定する相手装置と通信できない場合に、メイン表示装置210が、有線/無線ネットワーク通信(広域通信、第1データ通信)によって相手端末と通信してもよい。
【0275】
この場合、サブ表示装置230は、加工した部分画像および当該部分画像の送信先の相手端末が有するBDアドレスをメイン表示装置210へ送信する。メイン表示装置210は、アドレス帳95を参照することにより、上記BDアドレスに対応する電子メールアドレスを取得し、当該電子メールアドレスへ部分画像を送信すればよい。このとき、メール送受信部816は、送信する電子メールに、添付された画像が部分画像であることを示す部分画像識別情報を付与してもよい。
【0276】
また、メイン表示装置210およびサブ表示装置230が送信するデータは、画像データに限定されず、文字データなど他のデータであってもよい。
【0277】
また、上述した2画面表示装置200の各ブロック、特にサブ側主制御部830およびメイン側主制御部810は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0278】
すなわち、2画面表示装置200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである2画面表示装置200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記2画面表示装置200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0279】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0280】
また、2画面表示装置200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0281】
複数の独立した通信ユニットを連携させた通信形態を実現できるため、複数の独立した通信ユニットを備える端末装置(例えば、パソコン、携帯電話、PDA(personal digital assistance)等)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0282】
【図1】本発明の一実施の形態に係る2画面表示装置が備えるセンサ付きサブ表示装置が備えるサブ側主制御部の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)および(b)は、本発明の一実施の形態に係る2画面表示装置の具体例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置が備えるセンサ付きサブ表示装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図4】図4(a)は、上記センサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図4(b)は、上記センサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置が備えるメイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】上記センサ付きサブ表示装置が備える表示/光センサ部、表示/光センサ回路制御部およびデータ処理部のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】上記メイン表示装置が備える表示部および表示回路制御部の構成例を示すブロック図である。
【図8】サブ表示装置内コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図9】サブ表示装置内コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図10】装置間コマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。
【図11】スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報を示す図である。
【図12】スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図13】表示コマンドの第1および第2フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図14】処理コマンドの第1から第3フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図15】図15(a)は、本発明の一実施形態に係る2画面表示装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データである。図15(b)は、上記データ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【図16】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置が備える表示/光センサ部の要部、特に、センサ内蔵液晶パネルの構成および周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置の概要を説明するための図である。
【図18】上記データ表示/センサ装置が備えるメイン側主制御部の構成を示すブロック図である。
【図19】部分アドレス帳の一例を概念的に示す図である。
【図20】上記2画面表示装置における画像送信処理の流れの一例を示す図である。
【図21】上記2画面表示装置における画像送信処理の流れの別の例を示す図である。
【図22】上記2画面表示装置における画像受信処理の流れの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0283】
93 部分画像
94 部分アドレス帳(部分アドレス情報)
95 アドレス帳(アドレス情報)
200 2画面表示装置(通信装置)
210 メイン表示装置(第1通信ユニット)
230 センサ付きサブ表示装置(第2通信ユニット)
310 表示部(第1表示部)
330 表示/光センサ部(第2表示部)
801 部分画像加工部(加工手段)
805 送信画像決定部(画像決定手段)
814 合成画像生成部(合成手段)
911 記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の通信手段を用いて通信を行う通信装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
ユーザ間でコンテンツ(画像データなど)を共有するために、当該コンテンツを通信装置間で送受信することがしばしば行われている。その場合に、コンテンツに何らかの加工を行い、加工したコンテンツをファイルとして保存し、そのファイルを転送することで共有化を図ることもある。
【0003】
コンテンツをより確実かつより便利に送受信するために複数の通信手段を備える通信装置が提案されている。
【0004】
なお、特許文献1〜4には、メイン表示装置とサブ表示装置とを備える情報処理装置が開示されている。
【0005】
また、タッチパッドが液晶ディスプレイになったクリアパッドを搭載したパソコン(例えば、DynaBook G8シリーズ(東芝社製))が市販されている。
【特許文献1】特開2004−5105号公報(2004年1月8日公開)
【特許文献2】特開2004−5212号公報(2004年1月8日公開)
【特許文献3】特開2004−234504号公報(2004年8月19日公開)
【特許文献4】特開2000−339097号公報(2000年12月8日公開)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかし、独立して動作可能な通信ユニットを備える通信装置において、これらの通信ユニットをどのように連携させれば、効率の良い通信形態を実現できるかについては、これまで提案されていない。
【0007】
本発明は、上記の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現することができる通信装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る通信装置は、上記の課題を解決するために、第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置であって、上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、上記第2通信ユニットは、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求し、上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信することを特徴としている。
【0009】
本発明に係る制御方法は、上記の課題を解決するために、第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置を制御する制御方法であって、上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、上記第2通信ユニットが、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求する要求工程と、上記第1通信ユニットが、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する対象ユーザ名送信工程とを含むことを特徴としている。
【0010】
上記の構成によれば、第1通信ユニットと第2通信ユニットとは、互いに独立して動作可能である。第2通信ユニットは、自装置と通信可能な相手装置を検出し、その相手装置の識別情報(例えば、Bluetooth(登録商標)デバイスアドレス)を取得する。
【0011】
相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部は、第1通信ユニットが備えているため、第2通信ユニットは、取得した識別情報に対応するユーザ名(対象ユーザ名)を取得するための要求を第1通信ユニットに送信する。この場合、第2通信ユニットは、アドレス情報全体を要求してもよいし、対象ユーザ名を少なくとも含む部分アドレス情報を要求してもよい。
【0012】
上記要求を第2通信ユニットから受信すると、第1通信ユニットは、記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を第2通信ユニットへ送信する。
【0013】
第2通信ユニットは、第1通信ユニットから送信された対象ユーザ名を表示部に表示するなどしてユーザに報知することができる。
【0014】
それゆえ、第2通信ユニットが、アドレス情報を格納した記憶部を備えていない場合でも、第1通信ユニットが備える記憶部を利用することにより、相手装置と通信でき、複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現することができる。
【0015】
また、上記第2通信ユニットは、上記要求として、取得した識別情報を上記第1通信ユニットに送信し、上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから送信された識別情報に対応するユーザの名称と当該識別情報とが対応付けられた部分アドレス情報を生成して上記第2通信ユニットへ送信することが好ましい。
【0016】
上記の構成によれば、上記第2通信ユニットは、取得した識別情報を第1通信ユニットに送信することにより部分アドレス情報を要求する。第1通信ユニットは、上記識別情報に対応するユーザの名称と当該識別情報とが対応付けられた部分アドレス情報を、記憶部に格納されたアドレス情報から生成し、生成した部分アドレス情報を第2通信ユニットへ送信する。
【0017】
それゆえ、アドレス情報全体を第1通信ユニットから第2通信ユニットへ送信するよりもアドレス情報の送信にかかる処理時間を短縮できる。
【0018】
また、上記第1通信ユニットは、全体画像を表示する第1表示部を備え、上記第2通信ユニットは、上記第1表示部に表示された全体画像の部分画像を表示する第2表示部を備え、当該第2表示部に表示された部分画像を送信することが好ましい。
【0019】
上記の構成によれば、第1通信ユニットに第1表示部が備えられており、第2通信ユニットに第2表示部が備えられている。この第2表示部は、第1表示部に表示された全体画像の部分画像を表示する。そして、第2通信ユニットは、第2表示部に表示された部分画像を上記相手装置へ送信する。
【0020】
それゆえ、第1表示部と第2表示部とで異なる画像を表示することができ、それらの画像の一方を第2通信ユニットから相手装置へ送信できる。また、第2通信ユニットが送信するのは部分画像であり、データ容量が小さいため、画像の送信にかかる処理量を低減できる。
【0021】
上記第1または第2通信ユニットは、上記部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに当該部分画像を上記相手装置へ送信し、上記第1通信ユニットは、上記部分画像識別情報とともに画像を上記相手装置から受信した場合に、当該画像を上記第2通信ユニットへ送信し、上記第2通信ユニットは、上記第1通信ユニットから送信された画像を上記第2表示部に表示することが好ましい。
【0022】
上記の構成によれば、第1通信ユニットまたは第2通信ユニットが部分画像を相手装置へ送信する場合に、当該部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに部分画像を送信する。第1通信ユニットは、部分画像識別情報とともに相手装置から部分画像を受信した場合に、その部分画像を第2通信ユニットへ送信する。第2通信ユニットは、上記部分画像を第2表示部に表示する。
【0023】
それゆえ、第2表示部に表示することが好ましい部分画像を当該第2表示部に表示することができる。
【0024】
また、上記第2通信ユニットは、上記第2表示部に表示された部分画像を加工する加工手段をさらに備えることが好ましい。
【0025】
上記の構成により、第2表示部に表示された部分画像を加工することができる。
【0026】
また、上記第1通信ユニットは、上記加工手段によって加工された部分画像と上記全体画像とを合成する合成手段をさらに備え、当該合成手段が合成した合成画像を上記相手装置へ送信することが好ましい。
【0027】
上記の構成によれば、合成手段は、加工手段によって加工された部分画像と全体画像とを合成し、合成された画像が第1通信ユニットによって相手装置へ送信される。
【0028】
それゆえ、加工された部分画像だけではなく、全体画像も相手装置へ送信することが好ましい場合に、両者を含む合成画像を送信することができる。
【0029】
また、上記第2通信ユニットは、上記相手装置が有する表示部の表示サイズに基づいて、当該相手装置へ上記部分画像を送信するか上記合成画像を送信するかを決定する画像決定手段をさらに備え、上記画像決定手段が決定した画像を上記相手装置へ送信することが好ましい。
【0030】
上記の構成によれば、画像決定手段は、相手装置が有する表示部の表示サイズに基づいて、当該相手装置へ部分画像をへ送信するか合成画像を送信するかを決定する。そして、第1または第2通信ユニットは、画像決定手段が決定した部分画像または全体画像を相手装置へ送信する。
【0031】
例えば、上記表示サイズが所定のサイズ以下である場合に部分画像を相手装置へ送信し、所定のサイズより大きければ合成画像を送信する。
【0032】
それゆえ、相手装置が有する表示部の表示サイズに合わせて合成画像または部分画像を送ることができ、相手装置において見やすい画像を送信することができる。
【0033】
また、上記第1通信ユニットは、第1データ通信を行い、上記第2通信ユニットは、上記第1データ通信とは異なる様式の第2データ通信を行い、上記第2通信ユニットが、上記第2データ通信によって相手装置と通信できない場合に、上記第1通信ユニットは、上記第1データ通信によって当該相手装置と通信することが好ましい。
【0034】
上記の構成によれば、第1通信ユニットと第2通信ユニットとは、互いに異なる通信様式で通信を行うものである。そして、第2通信ユニットが、第2データ通信によって自身と通信可能な相手装置を検出できない場合に、第1通信ユニットは、第1データ通信によって相手装置と通信する。
【0035】
それゆえ、相手装置との間の通信環境に応じて異なる通信様式を選択することができ、より確実に通信を行うことができる。
【0036】
上記第1データ通信は広域通信であり、上記第2データ通信は近距離無線通信であることが好ましい。
【0037】
上記の構成により、近距離無線通信(例えば、Bluetooth(登録商標)など)による通信ができない場合に、広域通信(例えば、インターネット)によって相手装置と通信することができる。それゆえ、近距離無線通信の利便性と広域通信の確実性と共に利用することができる。
【0038】
上記第2通信ユニットは、脱着可能に設けられていることが好ましい。
【0039】
上記の構成により、第2通信ユニットを第1通信ユニットから取り外して持ち歩くことや、第2通信ユニットを別の第2通信ユニットに入れ替えることができる。
【発明の効果】
【0040】
以上のように、本発明に係る通信装置は、第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、第2通信ユニットは、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求し、上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する構成である。
【0041】
本発明に係る制御方法は、第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、第2通信ユニットが、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求する要求工程と、第1通信ユニットが、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する対象ユーザ名送信工程とを含む構成である。
【0042】
それゆえ、第2通信ユニットが、アドレス情報を格納した記憶部を備えていない場合でも、第1通信ユニットが備える記憶部を利用することにより、相手装置と通信でき、複数の独立した通信ユニットを連携させた効率の良い通信形態を実現することができるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0043】
〔実施の形態1〕
本発明の実施の一形態について図1〜図22に基づいて説明すれば、以下のとおりである。まず、本実施形態の2画面表示装置(通信装置)200の概要について説明する。図17は、2画面表示装置200の概要を説明するための図である。2画面表示装置200は、図2(a)、(b)および図17に示すように、メイン表示装置(第1通信ユニット)210とセンサ付きサブ表示装置(第2通信ユニット)230とを備えている。メイン表示装置210とサブ表示装置230とは、互いに独立して動作可能である。
【0044】
メイン表示装置210は、画像(全体画像)を表示する液晶パネル(第1表示部)311を備え、サブ表示装置230は、全体画像の部分画像を表示するセンサ内蔵液晶パネル(第2表示部)301を備えている。センサ内蔵液晶パネル301は、液晶パネル311よりも表示領域(画面)が小さいものである。サブ表示装置230は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された部分画像を通信先の端末装置である相手端末(相手装置)へ送信する。
【0045】
上記全体画像は、例えば、地図画像であるが、どのような画像であってもよい。
【0046】
センサ内蔵液晶パネル301は、複数の光センサ回路(撮像センサ)32を内蔵しており、このセンサ内蔵液晶パネル301によって、当該センサ内蔵液晶パネル301に対してタッチされたユーザの指先が撮像される。ユーザは、センサ内蔵液晶パネル301にタッチした指先を移動させることにより、当該指先の軌跡に沿った線(図17における線23)を部分画像に書き込むことができる。
【0047】
そのため、ユーザは、液晶パネル311に表示された全体画像の一部をセンサ内蔵液晶パネル301に表示させ、センサ内蔵液晶パネル301に表示された部分画像を加工し、加工した部分画像をサブ表示装置230から相手端末(パソコン21、携帯端末22)へ送信することができる。
【0048】
また、サブ表示装置230は、メイン表示装置210を介して部分画像を相手端末へ送信することもできる。
【0049】
また、相手装置がPC等、比較的大きな表示部を有している場合には、メイン表示装置210は、全体画像と加工された部分画像とを合成した合成画像を生成し、当該合成画像を相手装置へ送信してもよい。
【0050】
次に、2画面表示装置200の構成について詳細に説明する。
【0051】
(2画面表示装置の概要)
2画面表示装置200は、データの表示が可能な液晶パネル311を備えるメイン表示装置210と、データの表示に加え、近傍の対象物の画像検出が可能なセンサ内蔵液晶パネル301(後述する)を備えるセンサ付きサブ表示装置230とを有する装置である。
【0052】
メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とは、着脱可能な構成となっている。そして、メイン表示装置210にセンサ付きサブ表示装置230が装着されている場合、相互に有線通信可能な状態となり、互いに相手側の装置に「装置間コマンド」を送信することによって、相手側の装置を制御可能な構成となっている。装置間コマンドの詳細については後述する。
【0053】
なお、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、それぞれ、自装置を制御する制御部を備えている。そのため、メイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とを分離した状態では、それぞれ単体で動作可能である。
【0054】
図2を参照しながら、2画面表示装置200の具体例について説明する。図2(a)は、2画面表示装置200の具体例を示す模式図である。図示のように、本実施の形態では、2画面表示装置200として、従来のタッチパッドの代わりにセンサ付きサブ表示装置230を内部に備える、ノートPC(Personal Computer)を想定している。この場合、センサ付きサブ表示装置230以外の部分(表示部310やキーボード920を含む部分)が、メイン表示装置210に相当する。なお、図2(a)に示した状態は、メイン表示装置210の内部にセンサ付きサブ表示装置230が装着されている状態である。メイン表示装置210のタッチパッドに相当する部分は透明であり、ユーザは、内部に装着されたセンサ付きサブ表示装置230のセンサ内蔵液晶パネル301を操作できるようになっている。
【0055】
図2(b)は、図2(a)に示したノートPCにおいて、センサ付きサブ表示装置230をメイン表示装置210の内部から取り出してメイン表示装置210とセンサ付きサブ表示装置230とを分離した状態を示す模式図である。上述したように、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230は、それぞれ単体でも動作可能であるので、この状態では、メイン表示装置210は、タッチパッド機能が無いノートPCとして動作することが可能である。また、センサ付きサブ表示装置230は、例えば、センサ内蔵液晶パネル301を備えるリモコンやPDA(Personal Digital Assistant)などとして動作することができる。
【0056】
(センサ内蔵液晶パネルの概要)
上述したように、センサ付きサブ表示装置230が備えるセンサ内蔵液晶パネル301は、データの表示に加え、近傍の対象物の画像検出が可能な液晶パネルである。ここで、対象物の画像検出とは、例えば、ユーザが指やペンなどでポインティング(タッチ)した位置の検出や、印刷物等の画像の読み取り(スキャン)である。なお、表示に用いるデバイスは、液晶パネルに限定されるものではなく、有機EL(Electro Luminescence)パネルなどであってもよい。
【0057】
図3を参照しながら、センサ内蔵液晶パネル301の構造について説明する。図3は、センサ内蔵液晶パネル301の断面を模式的に示す図である。なお、ここで説明するセンサ内蔵液晶パネル301は一例であり、表示面と読取面とが共用されているものであれば、任意の構造のものが利用できる。
【0058】
図示のとおり、センサ内蔵液晶パネル301は、背面側に配置されるアクティブマトリクス基板51Aと、表面側に配置される対向基板51Bとを備え、これら基板の間に液晶層52を挟持した構造を有している。アクティブマトリクス基板51Aには、画素電極56、データ信号線57、光センサ回路32(図示せず)、配向膜58、偏光板59などが設けられる。対向基板51Bには、カラーフィルタ53r(赤)、53g(緑)、53b(青)、遮光膜54、対向電極55、配向膜58、偏光板59などが設けられる。また、センサ内蔵液晶パネル301の背面には、バックライト307が設けられている。
【0059】
なお、光センサ回路32に含まれるフォトダイオード6は、青のカラーフィルタ53bを設けた画素電極56の近傍に設けられているが、この構成に限定されるものではない。赤のカラーフィルタ53rを設けた画素電極56の近傍に設けてもよいし、緑のカラーフィルタ53gを設けた画素電極56の近傍に設けてもよい。
【0060】
次に、図4(a)および図4(b)を参照しながら、ユーザが、指やペンで、センサ内蔵液晶パネル301上をタッチした場合を例に挙げ、そのタッチした位置を検出する2種類の方法について説明する。
【0061】
図4(a)は、反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。バックライト307から光63が出射されると、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、指などの対象物64により反射された光63を検知する。これにより、対象物64の反射像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、反射像を検知することにより、タッチした位置を検出することができる。
【0062】
また、図4(b)は、影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図4(b)に示すように、フォトダイオード6を含む光センサ回路32は、対向基板51Bなどを透過した外光61を検知する。しかしながら、ペンなどの対象物62がある場合は、外光61の入射が妨げられるので、光センサ回路32が検知する光量が減る。これにより、対象物62の影像を検知することができる。このように、センサ内蔵液晶パネル301は、影像を検知することにより、タッチした位置を検出することもできる。
【0063】
上述のように、フォトダイオード6は、バックライト307より出射された光の反射光(影像)を検知してもよいし、外光による影像を検知してもよい。また、上記2種類の検知方法を併用して、影像と反射像とを両方を同時に検知するようにしてもよい。
【0064】
(メイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の要部構成)
次に、図5を参照しながら、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の要部構成について説明する。図5は、メイン表示装置210およびセンサ付きサブ表示装置230の要部構成を示すブロック図である。
【0065】
(センサ付きサブ表示装置の要部構成)
まず、センサ付きサブ表示装置230の要部構成について説明する。図示のように、センサ付きサブ表示装置230は、表示/光センサ部(第2表示部)330、表示/光センサ回路制御部630、データ処理部730、サブ側主制御部830、記憶部931、一次記憶部932、通信制御部(第2通信制御手段)933、有線通信部934、近距離無線通信部935、電界強度検出部936、バッテリー937、および電源切替部938を備えている。
【0066】
表示/光センサ部330は、いわゆる光センサ内蔵液晶表示装置である。表示/光センサ部330は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。表示/光センサ部330の詳細な構成については後述する。
【0067】
次に、表示/光センサ回路制御部630は、表示/光センサ部330の周辺回路309を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。表示/光センサ回路制御部630の詳細な構成については後述する。
【0068】
次に、データ処理部730は、サブ側主制御部830から受信する「サブ表示装置内コマンド」に基づいて、表示/光センサ回路制御部630に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。データ処理部730の詳細な構成については後述する。また、サブ表示装置内コマンドの詳細についても後述する。
【0069】
次に、サブ側主制御部830は、センサ付きサブ表示装置230が備える各部の動作を制御するものである。サブ側主制御部830は、記憶部931に記憶されている各種プログラムを読み出して、センサ付きサブ表示装置230の各部を制御し、センサ付きサブ表示装置230が備える各種機能を実現する。
【0070】
サブ側主制御部830は、センサ内蔵液晶パネル301に表示データを表示させたり、センサ内蔵液晶パネル301にて対象物のスキャンを行なわせるために、データ処理部730に対して、サブ表示装置内コマンドおよび表示データを送信する。なお、サブ表示装置内コマンドに「データ種別」を指定した場合は、当該サブ表示装置内コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、データ処理部730から受信する。
【0071】
また、サブ側主制御部830は、メイン表示装置210からの制御を受け付ける。具体的には、メイン表示装置210のメイン側主制御部810が送信した装置間コマンドを受信し、当該受信した装置間コマンドの種類に応じて、下記(1)から(3)のいずれかに示す処理を実行する。
【0072】
まず、(1)受信した装置間コマンドが、表示/光センサ部330の近傍に位置する対象物のスキャンを行なわせることを指定する「スキャンコマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該受信したスキャンコマンドを、サブ表示装置内コマンドに変換するとともに、当該変換後のサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。なお、上記変換は、スキャンコマンドから「第0」フィールド(後述する)を取り除くことにより行なわれる。
【0073】
なお、サブ側主制御部830は、上記変換後のサブ表示装置内コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つをデータ処理部730から受信した場合、当該受信したデータを、メイン側主制御部810に送信する。
【0074】
次に、(2)受信した装置間コマンドが、表示/光センサ部330に、写真やアイコンなどの画像データの表示を行なわせることを指定する「表示コマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該表示コマンドに指定された情報に基づいて表示データを生成するとともに、当該生成した表示データをデータ処理部730に送信する。
【0075】
次に、(3)受信した装置間コマンドが、所定処理を実行させることを指定する「処理コマンド」(詳細は後述する)である場合、サブ側主制御部830は、当該処理コマンドに指定された所定処理を実行する。
【0076】
サブ側主制御部830が実行する上記所定処理とは、例えば、データ処理部730から得られた画像データに対する文字認識処理や画像処理、センサ付きサブ表示装置230の通信制御部933を用いた通信接続処理やファイル転送処理など、センサ付きサブ表示装置230が有する各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理である。
【0077】
さらに、サブ側主制御部830は、メイン表示装置210に対して所定処理の実行を指示する。具体的には、処理コマンドとしての装置間コマンドを、メイン表示装置210のメイン側主制御部810に送信する。メイン側主制御部810が実行する上記所定処理とは、例えば、メイン表示装置210のOS(Operating System)の起動処理、メイン表示装置210の通信制御部(第1通信制御手段)913を用いた通信接続処理やファイル転送処理などの、メイン表示装置210が有する各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理である。
【0078】
なお、表示/光センサ回路制御部630、データ処理部730、およびサブ側主制御部830は、それぞれ、CPU(Central Processing Unit)およびメモリ等で構成することができる。また、データ処理部730は、ASIC(application specific integrate circuit)などの回路で構成されていてもよい。
【0079】
次に、記憶部931は、サブ側主制御部830が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部931は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0080】
一次記憶部932は、RAM(Random Access Memory)などの揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、サブ側主制御部830が上述の各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用される。
【0081】
次に、通信制御部933は、センサ付きサブ表示装置230が、メイン表示装置210と通信を行なうための有線通信部934、並びに、メイン表示装置210および図示しない外部装置のいずれかと通信を行なうための近距離無線通信部935を制御するものである。
【0082】
すなわち、通信制御部933は、メイン表示装置210から、有線通信部934および近距離無線通信部935のいずれかを介して送信される装置間コマンドおよび各種データをサブ側主制御部830に送信する。また、通信制御部933は、サブ側主制御部830からの指示に応じて、サブ側主制御部830から送信される装置間コマンドおよび各種データを、有線通信部934および近距離無線通信部935のいずれかを介して、メイン表示装置210へ送信する。
【0083】
また、通信制御部933は、近距離無線通信部935を介して、外部装置との間で各種データをやりとりする。
【0084】
有線通信部934は、メイン表示装置210の有線通信部914と接続可能な構成となっている。本実施の形態では、有線通信部934と、メイン表示装置210の有線通信部914とは、USB(universal serial bus)接続されることを想定している。
【0085】
そして、接続時には、有線通信部934は、通信線を用いて、メイン表示装置210の有線通信部914と相互に信号の送受信が可能であるとともに、電力線を用いて、メイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けることができる。そして、メイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けると、有線通信部934は、電源切替部938へ電力を供給する。
【0086】
近距離無線通信部935は、メイン表示装置210の近距離無線通信部915との間、および、外部装置との間で形成される無線通信経路を用いて、相互に通信可能な構成となっている。本実施の形態では、上記無線通信経路に、Bluetooth(登録商標)(以下、単にBluetoothと表記する)通信を適用することを想定している。すなわち、近距離無線通信部935は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行なうことのできる通信部である。なお、上記無線通信経路は、信号の送受信を行なえるものであればよく、IEEE802.11無線やZigBee(登録商標)等を適用してもよい。
【0087】
次に、電界強度検出部936は、サブ側主制御部830からの指示に応じて、近距離無線通信部935が受信する信号の強度(RSSI(Received Signal Strength Indication):受信電界強度)を検出するものである。そして、当該検出の結果を、サブ側主制御部830に送信する。
【0088】
次に、電源切替部938は、有線通信部934がメイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けている場合、センサ付きサブ表示装置230が備える各部に、メイン表示装置210から供給されている電力を供給する。一方、有線通信部934がメイン表示装置210の有線通信部914から電力の供給を受けていない場合、電源切替部938は、センサ付きサブ表示装置230が備える各部に、バッテリー937の電力を供給する。
【0089】
(メイン表示装置の要部構成)
次に、メイン表示装置210の要部構成について説明する。図示のように、メイン表示装置210は、表示部(第1表示部)310、表示回路制御部610、表示データ処理部710、メイン側主制御部810、記憶部911、一次記憶部912、通信制御部913、有線通信部914、近距離無線通信部915、有線/無線ネットワーク通信部916、電源917、操作部919、音声出力部924、および音声入力部925を備えている。
【0090】
表示部310は、データを表示するためのものであって、液晶パネル311、バックライト317、それらを駆動するための周辺回路319を含んで構成される。表示回路制御部610は、周辺回路319を制御するデバイスドライバとしての機能を備えるものである。表示データ処理部710は、メイン側主制御部810から受信する表示データに基づいて、表示回路制御部610に指示を与えるミドルウェアとしての機能を備えるものである。なお、表示部310、表示回路制御部610、および表示データ処理部710は、一般的に知られている技術を用いて構成することができる。
【0091】
次に、メイン側主制御部810は、メイン表示装置210が備える各部の動作を制御するものである。メイン側主制御部810は、記憶部911に記憶されている各種プログラムを読み出して、メイン表示装置210の各部を制御し、メイン表示装置210が備える各種機能を実現する。
【0092】
メイン側主制御部810は、センサ付きサブ表示装置230のサブ側主制御部830に装置間コマンドを送信し、センサ付きサブ表示装置230に所定処理を実行させる。なお、装置間コマンドの一つであるスキャンコマンドに「データ種別」(後述する)を指定した場合は、当該コマンドの応答として、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの少なくともいずれか1つを、サブ側主制御部830から受信する。
【0093】
また、メイン側主制御部810は、センサ付きサブ表示装置230のサブ側主制御部830から装置間コマンドの一つである処理コマンドを受信し、当該受信した装置間コマンドに指定された所定処理(OSの起動処理、各種アプリケーションやミドルウェア等の実行処理)を行なう。
【0094】
なお、表示回路制御部610、表示データ処理部710、およびメイン側主制御部810は、それぞれ、CPUおよびメモリ等で構成することができる。
【0095】
次に、記憶部911は、メイン側主制御部810が実行する(1)各部の制御プログラム、(2)OSプログラム、(3)アプリケーションプログラム、および、(4)これらプログラムを実行するときに読み出す各種データを記録するものである。記憶部911は、フラッシュメモリなどの不揮発性の記憶装置によって構成される。
【0096】
一次記憶部912は、RAMなどの揮発性の記憶装置によって構成されるものであり、メイン側主制御部810が上述の各種プログラムを実行する過程でデータを一時的に保持するための作業領域として使用される。
【0097】
通信制御部913は、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230と通信を行なうための有線通信部914、センサ付きサブ表示装置230および図示しない外部装置と通信を行なうための近距離無線通信部915、並びに、図示しない外部装置と通信を行なうための有線/無線ネットワーク通信部916を制御するものである。
【0098】
すなわち、通信制御部913は、センサ付きサブ表示装置230から、有線通信部914および近距離無線通信部915のいずれかを介して送信される装置間コマンドおよび各種データをメイン側主制御部810に送信する。また、通信制御部913は、メイン側主制御部810からの指示に応じて、メイン側主制御部810から送信される装置間コマンドおよび各種データを、有線通信部914および近距離無線通信部915のいずれかを介して、センサ付きサブ表示装置230へ送信する。
【0099】
また、通信制御部933は、近距離無線通信部935および有線/無線ネットワーク通信部916のいずれかを介して、外部装置との間で各種データをやりとりする。
【0100】
有線通信部914は、上述したように、センサ付きサブ表示装置230の有線通信部934と接続可能な構成となっており、有線通信部914と、センサ付きサブ表示装置230の有線通信部934とは、USB接続されることを想定している。
【0101】
近距離無線通信部915は、センサ付きサブ表示装置230の近距離無線通信部935との間、および、外部装置との間で形成される無線通信経路を用いて、相互に通信可能な構成となっており、上記無線通信経路には、Bluetooth通信を適用することを想定している。すなわち、近距離無線通信部915は、Bluetooth通信にて信号の送受信を行なうことのできる通信部である。
【0102】
有線/無線ネットワーク通信部916は、外部の通信ネットワークと通信可能に接続される構成となっており、外部装置との間で通信を行なうものである。上記通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。
【0103】
上述したようにサブ表示装置230は、有線/無線ネットワーク通信部を備えておらず、この点においてメイン表示装置210とサブ表示装置230とは通信様式において互いに異なっている。
【0104】
電源917は、メイン表示装置210が備える各部に電力を供給するものである。また、有線通信部914がセンサ付きサブ表示装置230の有線通信部934と接続されているときは、有線通信部914を介して、センサ付きサブ表示装置230へも電力を供給する。なお、電源のオン/オフは、ユーザが電源スイッチ922を操作することによって、切り替えることができる。
【0105】
次に、操作部919は、メイン表示装置210のユーザの入力操作を受け付けるものである。操作部919は、例えば、キーボード920、スイッチ、マウス、リモコンなどの入力デバイスで構成される。そして、操作部919は、メイン表示装置210のユーザの入力操作に応じた制御信号を生成し、該生成した制御信号をメイン側主制御部810へ送信する。
【0106】
なお、上記スイッチの例としては、メイン表示装置210の筐体のヒンジ部分に設けられ、筐体の開閉状態を検出するヒンジ部スイッチ921、電源のオン/オフを切り替える電源スイッチ922、予め所定の機能が割り当てられているユーザスイッチ923などのハードウェアスイッチを想定している。
【0107】
その他、メイン表示装置210は、音声を出力するためのスピーカ等の音声出力部924、音声信号を入力するためのマイク等の音声入力部925を備えている。
【0108】
(センサ付きサブ表示装置の詳細な構成)
次に、図6を参照しながら、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、およびデータ処理部730のより詳細な構成について説明する。図6は、表示/光センサ部330、表示/光センサ回路制御部630、およびデータ処理部730のより詳細な構成を示すブロック図である。
【0109】
まず、表示/光センサ部330のより詳細な構成について説明する。図示のように、表示/光センサ部330は、センサ内蔵液晶パネル301、バックライト307、それらを駆動するための周辺回路309を含んで構成される。
【0110】
センサ内蔵液晶パネル301は、マトリクス状に配置された複数の画素回路31および光センサ回路32を含んで構成される。センサ内蔵液晶パネル301の詳細な構成については後述する。
【0111】
周辺回路309は、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、信号変換回路306、バックライト駆動回路308を含む。
【0112】
液晶パネル駆動回路304は、表示/光センサ回路制御部630の液晶パネル制御部601からのタイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)に従って、制御信号(G)およびデータ信号(S)を出力し、画素回路31を駆動する回路である。画素回路31の駆動方法の詳細については後述する。
【0113】
光センサ駆動回路305は、表示/光センサ回路制御部630のセンサ制御部602からのタイミング制御信号(TC2)に従って、信号線(R)に電圧を印加し、光センサ回路32を駆動する回路である。光センサ回路32の駆動方法の詳細については後述する。
【0114】
信号変換回路306は、光センサ回路32から出力されるセンサ出力信号(SS)をデジタル信号(DS)に変換し、該変換後の信号をセンサ制御部602に送信する回路である。
【0115】
バックライト307は、複数の白色LED(Light Emitting Diode)を含んでおり、センサ内蔵液晶パネル301の背面に配置される。そして、バックライト駆動回路308から電源電圧が印加されると、バックライト307は点灯し、センサ内蔵液晶パネル301に光を照射する。なお、バックライト307は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよい。また、バックライト307は、LEDに代えて、例えば、冷陰極管(CCFL:Cold Cathode Fluorescent Lamp)を含むものであってもよい。
【0116】
バックライト駆動回路308は、表示/光センサ回路制御部630のバックライト制御部603からの制御信号(BK)がハイレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加し、逆に、バックライト制御部603からの制御信号がローレベルであるときは、バックライト307に電源電圧を印加しない。
【0117】
次に、表示/光センサ回路制御部630について説明する。表示/光センサ回路制御部630は、液晶パネル制御部601、センサ制御部602、バックライト制御部603、および表示データ記憶部604を備えている。
【0118】
液晶パネル制御部601は、データ処理部730の表示データ処理部701から表示データを受信するとともに、表示データ処理部701からの指示に従って、表示/光センサ部330の液晶パネル駆動回路304に、タイミング制御信号(TC1)およびデータ信号(D)を送信し、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0119】
なお、液晶パネル制御部601は、表示データ処理部701から受信した表示データを、表示データ記憶部604に一次記憶させる。そして、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号(D)を生成する。表示データ記憶部604は、例えば、VRAM(video random access memory)などである。
【0120】
センサ制御部602は、データ処理部730のセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部330の光センサ駆動回路305に、タイミング制御信号(TC2)を送信し、センサ内蔵液晶パネル301にてスキャンを実行させる。
【0121】
また、センサ制御部602は、信号変換回路306からデジタル信号(DS)を受信する。そして、センサ内蔵液晶パネル301に含まれる全ての光センサ回路32から出力されたセンサ出力信号(SS)に対応するデジタル信号(DS)に基づいて、画像データを生成する。つまり、センサ内蔵液晶パネル301の読み取り領域全体で読み取った画像データを生成する。そして、該生成した画像データをセンサデータ処理部703に送信する。
【0122】
バックライト制御部603は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703からの指示に従って、表示/光センサ部330のバックライト駆動回路308に制御信号(BK)を送信し、バックライト307を駆動させる。
【0123】
次に、データ処理部730について説明する。データ処理部730は、表示データ処理部701およびセンサデータ処理部703を備えている。
【0124】
表示データ処理部701は、サブ側主制御部830から表示データを受信するとともに、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、液晶パネル制御部601およびバックライト制御部603に指示を与え、上記受信した表示データをセンサ内蔵液晶パネル301に表示させる。
【0125】
センサデータ処理部703は、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、センサ制御部602およびバックライト制御部603に指示を与える。
【0126】
また、センサデータ処理部703は、センサ制御部602から画像データを受信し、当該画像データをそのまま画像データバッファ704に格納する。そして、センサデータ処理部703は、データ処理部730が受信したサブ表示装置内コマンドに従って、画像データバッファ704に記憶されている画像データに基づいて、「全体画像データ」、「部分画像データ(部分画像の座標データを含む)」、および「座標データ」の少なくともいずれか1つを、サブ側主制御部830に送信する。なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについては、後述する。また、サブ表示装置内コマンドに応じた、センサデータ処理部703の動作については、後述する。
【0127】
(メイン表示装置の詳細な構成)
上述したように、メイン表示装置210の表示部310および表示回路制御部610は、一般的に知られている技術を用いて構成することができるが、図7を参照しながら、これらの構成例について簡単に説明する。図7は、表示部310および表示回路制御部610の構成例を示すブロック図である。
【0128】
表示部310は、マトリクス状に配置された複数の画素回路38を含む液晶パネル311と、複数の白色LEDを含んでおり、液晶パネル311の背面に配置されるバックライト317と、それらを駆動するための周辺回路319とを含んで構成される。なお、バックライト317は、白色LEDに限らず、他の色のLEDを含んでいてもよいし、LEDに代えて冷陰極管を含むものであってもよい。
【0129】
周辺回路319は、画素回路38を駆動する液晶パネル駆動回路314、および、バックライト317に電源電圧を印加するバックライト駆動回路318を含む。なお、バックライト駆動回路318から電源電圧が印加されると、バックライト317は点灯し、液晶パネル311に光を照射する。
【0130】
次に、表示回路制御部610は、液晶パネル制御部611、バックライト制御部613、および表示データ記憶部614を備えている。
【0131】
液晶パネル制御部611は、表示データ処理部710から表示データを受信するとともに、表示データ処理部710からの指示に従って、液晶パネル駆動回路314に制御信号およびデータ信号を送信し、上記受信した表示データを液晶パネル311に表示させる。なお、液晶パネル制御部611は、表示データ処理部710から受信した表示データを、表示データ記憶部614(VRAMなど)に一次記憶させ、当該一次記憶させた表示データに基づいて、データ信号を生成する。
【0132】
バックライト制御部613は、表示データ処理部710からの指示に従って、バックライト駆動回路318に制御信号を送信し、バックライト317を駆動させる。
【0133】
(サブ表示装置内コマンド)
次に、図8および図9を参照しながら、サブ側主制御部830からデータ処理部730に送信されるサブ表示装置内コマンドの詳細について説明する。図8は、サブ表示装置内コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。また、図9は、サブ表示装置内コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する図である。
【0134】
図8に示すように、サブ表示装置内コマンドは、「ヘッダ」、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、「スキャン解像度」、および「予備」の各フィールドを含んでいる。そして、各フィールドには、例えば、図9に示す値が指定可能である。
【0135】
「ヘッダ」フィールドは、サブ表示装置内コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。フレームの開始であることが識別可能であれば、「ヘッダ」フィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0136】
次に、「データ取得タイミング」フィールドは、センサデータ処理部703からデータを取得するタイミングを指定するフィールドである。「データ取得タイミング」フィールドには、例えば、“00”(センス)、“01”(イベント)、および“10”(オール)という値が指定可能である。
【0137】
ここで、“センス”は、センサデータ処理部703に対して、最新のデータを直ちに送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“センス”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されている最新のデータを、直ちに、サブ側主制御部830に送信する。
【0138】
また、“イベント”は、センサデータ処理部703に対して、センサ制御部602から受信する画像データに変化が生じたタイミングで送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“イベント”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、センサ制御部602から受信する画像データに、所定の閾値より大きい変化が生じたタイミングで、サブ側主制御部830に送信する。
【0139】
また、“オール”は、センサデータ処理部703に対して、所定周期でデータを送信することを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「データ取得タイミング」フィールドの値が“オール”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、「データ種別」フィールドにて指定されているデータを、所定周期で、サブ側主制御部830に送信する。なお、上記所定周期は、光センサ回路32にてスキャンを行なう周期と一致する。
【0140】
次に、「データ種別」フィールドは、センサデータ処理部703から取得するデータの種別を指定するフィールドである。なお、「データ種別」フィールドには、例えば、“001”(座標)、“010”(部分画像)、および“100”(全体画像)という値が指定可能である。さらに、これらの値を加算することによって、“座標”と、“部分画像”/“全体画像”とを、同時に指定可能である。例えば、“座標”と“部分画像”とを同時に指定する場合、“011”と指定することができる。
【0141】
センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“全体画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、画像データバッファ704に記憶している画像データそのものをサブ側主制御部830に送信する。画像データバッファ704に記憶している画像データそのものを、「全体画像データ」と称する。
【0142】
また、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、センサ制御部602から受信する画像データから、所定の閾値より大きい変化が生じた部分を含む領域を抽出し、該抽出した領域の画像データをサブ側主制御部830に送信する。ここで、当該画像データを、「部分画像データ」と称する。
【0143】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像データのそれぞれをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした領域のそれぞれを部分画像データとして抽出し、サブ側主制御部830に送信する。
【0144】
さらに、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“部分画像”であるサブ表示装置内コマンドを受信したとき、部分画像における代表点を検出し、当該代表点の部分画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。なお、上記代表点とは、例えば、上記部分画像データの中心、上記部分画像データの重心などが挙げられる。
【0145】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像データのそれぞれの代表点を検出し、当該検出された各代表点の、部分画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした各領域の代表点の、各領域における位置を示す代表座標の座標データを、サブ側主制御部830に送信する。
【0146】
次に、センサデータ処理部703は、「データ種別」フィールドの値が“座標”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、上記代表点の、全体画像データにおける位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。
【0147】
なお、センサ制御部602から受信する画像データから、複数の部分画像データが抽出された場合、センサデータ処理部703は、該抽出された複数の部分画像のそれぞれの代表点の、全体画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830に送信する。したがって、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301上の複数箇所を同時にタッチした場合、センサデータ処理部703は、該タッチした各領域の代表点の、全体画像における位置を示す代表座標の座標データを、サブ側主制御部830に送信する。
【0148】
すなわち、センサ付きサブ表示装置230は、ユーザが指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301をタッチした数に関わらず、該タッチした領域の代表点を検出することができる(多点検出)。そして、該検出された代表点の、部分画像における位置を示す代表座標の座標データ、および、全体画像における位置を示す代表座標の座標データをサブ側主制御部830にすることができる。
【0149】
なお、全体画像データ、部分画像データ、および座標データの具体例については、模式図を参照しながら後述する。
【0150】
次に、「スキャン方式」フィールドは、スキャン実行時に、バックライト307を点灯するか否かを指定するフィールドである。「スキャン方式」フィールドには、例えば、“00”(反射)、“01”(透過)、および“10”(反射/透過)という値が指定可能である。
【0151】
“反射”は、バックライト307を点灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“反射”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、光センサ駆動回路305とバックライト駆動回路308とが同期して動作するように、センサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。
【0152】
また、“透過”は、バックライト307を消灯した状態でスキャンを行なうことを指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン方式」フィールドの値が“透過”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、光センサ駆動回路305を動作させ、バックライト駆動回路308と動作させないようにセンサ制御部602とバックライト制御部603とに指示を与える。なお、“反射/透過”は、“反射”と“透過”とを併用してスキャンを行なうことを指定するものである。
【0153】
次に、「スキャン画像階調」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの階調を指定するフィールドである。「スキャン画像階調」フィールドには、例えば、“00”(2値)、および“01”(多値)という値が指定可能である。
【0154】
ここで、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“2値”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データをモノクロデータとして、サブ側主制御部830に送信する。
【0155】
また、センサデータ処理部703は、「スキャン画像階調」フィールドの値が“多値”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを多階調データとして、サブ側主制御部830に送信する。
【0156】
次に、「スキャン解像度」フィールドは、部分画像データおよび全体画像データの解像度を指定するフィールドである。「スキャン解像度」フィールドには、例えば、“0”(高)および“1”(低)という値が指定可能である。
【0157】
ここで、“高”は、高解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“高”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを高解像度でサブ側主制御部830に送信する。例えば、画像認識などの画像処理を行なう対象の画像データ(指紋などの画像データ)には、“高”を指定することが望ましい。
【0158】
また、“低”は、低解像度を指定するものである。よって、センサデータ処理部703は、「スキャン解像度」フィールドの値が“低”であるサブ表示装置内コマンドを受信すると、部分画像データおよび全体画像データを低解像度でサブ側主制御部830に送信する。例えば、タッチした位置等が分かる程度でよい画像データ(タッチした指や手の画像データなど)には、“低”を指定することが望ましい。
【0159】
次に、「予備」フィールドは、上述したフィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0160】
なお、サブ表示装置内コマンドを送信するにあたり、上述したフィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0161】
また、ユーザが指やペンなどでタッチした位置の座標データを取得したいときは、「データ種別」フィールドに“座標”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信することとなるが、指やペンなど動きを検出したい場合には、さらに、当該サブ表示装置内コマンドの「データ取得タイミング」フィールドに“オール”を指定し、座標データを取得するようにすることが望ましい。また、この場合には、タッチした位置の座標データが取得できればよいため、スキャンの精度は高くなくてもよい。したがって、上記サブ表示装置内コマンドの「スキャン解像度」フィールドの値は“低”を指定しておけばよい。
【0162】
また、サブ表示装置内コマンドの「データ種別」フィールドに“座標”を指定した場合において、例えば、ユーザが、複数の指やペンなどでセンサ内蔵液晶パネル301を同時にタッチした場合は、該タッチした位置の座標データのそれぞれを取得することができる(多点検出)。
【0163】
また、原稿などの対象物の画像データを取得する場合、「データ種別」フィールドに“全体画像”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信することとなるが、原稿などの対象物は、通常、静止させた状態でスキャンを実行することが一般的であるため、周期的にスキャンを実行する必要はない。従って、この場合は、「データ取得タイミング」フィールドに“センス”または“イベント”を指定することが望ましい。なお、原稿などの対象物をスキャンするときは、ユーザが文字を読みやすいように、スキャン精度は高い方が望ましい。したがって、「スキャン解像度」フィールドには“高”を指定することが望ましい。
【0164】
(装置間コマンド)
次に、図10および図11を参照しながら、装置間コマンドのフレーム構造について説明する。まず、図10は、装置間コマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。図示のように、装置間コマンドは、先頭から順に、「ヘッダ」フィールド、「第0」から「第5」までの各フィールド、および、「予備」フィールドを含んでいる。
【0165】
「ヘッダ」フィールドは、装置間コマンドのフレームの開始を示すフィールドである。フレームの開始であることが識別可能であれば、ヘッダフィールドの値は、どのような値であってもよい。
【0166】
次に、「第0」フィールドは、装置間コマンドの種類を識別するための「コマンド識別子」を指定するフィールドである。
【0167】
コマンド識別子の値が“000”である装置間コマンドを、ここでは「スキャンコマンド」と称する。スキャンコマンドは、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230に対して、センサ内蔵液晶パネル301の近傍に位置する対象物のスキャンを行なわせるために、メイン側主制御部810からサブ側主制御部830に送信される。なお、スキャンコマンドを受信したサブ側主制御部830は、スキャンコマンドから第0フィールドを取り除くことによって、スキャンコマンドをサブ表示装置内コマンドに変換するとともに、当該変換後のサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。
【0168】
また、コマンド識別子の値が、“001”である装置間コマンドを、ここでは「表示コマンド」と称する。表示コマンドは、メイン表示装置210が、センサ付きサブ表示装置230に対して、表示/光センサ部330に写真やアイコンなどの画像データの表示を行なわせるために、メイン側主制御部810からサブ側主制御部830に送信される。
【0169】
また、コマンド識別子の値が、“010”である装置間コマンドを、ここでは「処理コマンド」と称する。処理コマンドは、センサ付きサブ表示装置230およびメイン表示装置210のいずれかが、相手側に所定処理を実行させるために、メイン側主制御部810とサブ側主制御部830との間で送受信される。
【0170】
次に、「第1」から「第5」までの各フィールドに指定可能な情報は、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれで異なる。第1から第5までの各フィールドに指定可能な情報については、後述する。
【0171】
次に、「予備」フィールドは、上述した各フィールドにて指定可能な情報以外の情報をさらに指定する必要がある場合に、適宜指定されるフィールドである。
【0172】
なお、上述した各フィールドを全て使用する必要はなく、使用しないフィールドには無効値(NULL値など)を設定しておけばよい。
【0173】
次に、図11を参照しながら、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報について説明する。図11は、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報を示す説明図である。
【0174】
図示のように、スキャンコマンドでは、第1から第5フィールドに、「データ取得タイミング」、「データ種別」、「スキャン方式」、「スキャン画像階調」、および「スキャン解像度」を指定することができる。なお、スキャンコマンドの第1から第5までの各フィールドに指定可能な情報は、サブ表示装置内コマンドの各フィールドに指定可能な情報と同じである。
【0175】
なお、スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な情報と、サブ表示装置内コマンドの各フィールドに指定可能な情報とを同じにしていることによって、スキャンコマンドを受信したサブ側主制御部830が、メイン側主制御部810から受信したスキャンコマンドの第0フィールドを取り除くだけで、当該受信したスキャンコマンドをサブ表示装置内コマンドに変換することができるようにしている。
【0176】
また、表示コマンドでは、第1および第2フィールドに、「表示個数」、および「表示データ/表示位置」を指定することができる。なお、第3から第5フィールドは使用されない(NULL値である)。
【0177】
また、処理コマンドでは、第1から第3フィールドに、「実行処理種別」、「引数個数」、および「引数情報」を指定することができる。なお、第4および第5フィールドは使用されない(NULL値である)。
【0178】
次に、図12から図14を参照しながら、スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明する。
【0179】
図12は、スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。図示のとおり、スキャンコマンドの第1から第5までの各フィールドは、サブ表示装置内コマンドの各フィールドと同じであるので、ここでは説明を省略する。
【0180】
次に、表示コマンドについて説明する。図13は、表示コマンドの第1および第2フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【0181】
表示コマンドの第1フィールド(表示個数)は、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330に表示させるデータの数を指定するフィールドである。つまり、第2フィールド(表示データ/表示位置)に指定する組の数を示すものである。
【0182】
表示コマンドの第2フィールド(表示データ/表示位置)は、センサ付きサブ表示装置230の表示/光センサ部330に表示させる画像データそのものと、当該データの表示位置(座標)との組を示すフィールドである。複数の画像データを表示させる場合、第2フィールドには、上記組を複数指定する。
【0183】
次に、処理コマンドについて説明する。図14は、処理コマンドの第1から第3フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要の説明図である。
【0184】
処理コマンドの第1フィールド(実行処理種別)は、処理コマンドの送信先の主制御部に実行させる処理(各種アプリケーション、ミドルウェア、OS等)の識別情報を指定するフィールドである。当該識別情報は、処理が識別可能なものであれば、どのような値であってもよい。
【0185】
処理コマンドの第2フィールド(引数個数)は、第1フィールドにて指定した識別情報で示される処理が、起動時または起動後に用いる各種情報(引数)の個数を指定するフィールドである。つまり、第3フィールド(引数情報)に指定するデータの数を示すものである。
【0186】
処理コマンドの第3フィールド(引数情報)は、第1フィールドにて指定した識別情報で示される処理が、起動時または起動後に用いる各種情報(引数)を指定するフィールドである。
【0187】
起動時に用いる情報とは、例えば、第1フィールドにて指定された所定処理の動作モードや、表示領域などを指定するパラメータなどが挙げられる。
【0188】
また、起動後に用いる情報とは、例えば、第1フィールドに文字認識アプリケーションが指定されている場合、当該文字認識アプリケーションが文字認識する対象の画像データなどが挙げられる。また、第1フィールドにファイル転送アプリケーションが指定されている場合、当該ファイル転送アプリケーションが転送する対象のファイルなどが挙げられる。
【0189】
(全体画像データ/部分画像データ/座標データ)
次に、図15を参照しながら、全体画像データ、部分画像データ、および座標データについて、例を挙げて説明する。図15(a)に示す画像データは、対象物がセンサ内蔵液晶パネル301上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。また、図15(b)に示す画像データは、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル301全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【0190】
ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネル301をタッチしたとき、当該タッチした近傍の光センサ回路32が受光する光量が変化するため、当該光センサ回路32が出力する電圧に変化が生じ、その結果として、センサ制御部602が生成する画像データのうち、ユーザがタッチした部分の画素値の明度に変化が生じることとなる。
【0191】
図15(b)に示す画像データでは、図15(a)に示す画像データと比べると、ユーザの指に該当する部分の画素値の明度が高くなっている。そして、図15(b)に示す画像データにおいて、明度が所定の閾値より大きく変化している画素値を全て含む最小の矩形領域(領域PP)が、“部分画像データ”である。
【0192】
なお、領域APで示される画像データが、“全体画像データ”である。
【0193】
また、部分画像データ(領域PP)の代表座標Zの、全体画像データ(領域AP)における座標データは(Xa,Ya)であり、部分画像データ(領域PP)における座標データは(Xp,Yp)である。
【0194】
(センサ内蔵液晶パネルの構成)
次に、図16を参照しながら、センサ付きサブ表示装置230が備えるセンサ内蔵液晶パネル301の構成、および、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路309の構成について説明する。図16は、表示/光センサ部330の要部、特に、センサ内蔵液晶パネル301の構成および周辺回路309の構成を示すブロック図である。
【0195】
センサ内蔵液晶パネル301は、光透過率(輝度)を設定するための画素回路31、および、自身が受光した光の強度に応じた電圧を出力する光センサ回路32を備えている。なお、画素回路31は、赤色、緑色、青色のカラーフィルタのそれぞれに対応するR画素回路31r、G画素回路31g、B画素回路31bの総称として用いる。
【0196】
画素回路31は、センサ内蔵液晶パネル301上の列方向(縦方向)にm個、行方向(横方向)に3n個配置される。そして、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bの組が、行方向(横方向)に連続して配置される。この組が1つの画素を形成する。
【0197】
画素回路31の光透過率を設定するには、まず、画素回路31に含まれるTFT(Thin Film Transistor)33のゲート端子に接続される走査信号線Giにハイレベル電圧(TFT33をオン状態にする電圧)を印加する。その後、R画素回路31rのTFT33のソース端子に接続されているデータ信号線SRjに、所定の電圧を印加する。同様に、G画素回路31gおよびB画素回路31bについても、光透過率を設定する。そして、これらの光透過率を設定することにより、センサ内蔵液晶パネル301上に画像が表示される。
【0198】
次に、光センサ回路32は、一画素毎に配置される。なお、R画素回路31r、G画素回路31g、およびB画素回路31bのそれぞれの近傍に1つずつ配置されてもよい。
【0199】
光センサ回路32にて光の強度に応じた電圧を出力させるためには、まず、コンデンサ35の一方の電極に接続されているセンサ読み出し線RWiと、フォトダイオード6のアノード端子に接続されているセンサリセット線RSiとに所定の電圧を印加する。この状態において、フォトダイオード6に光が入射されると、入射した光量に応じた電流がフォトダイオード6に流れる。そして、当該電流に応じて、コンデンサ35の他方の電極とフォトダイオード6のカソード端子との接続点(以下、接続ノードV)の電圧が低下する。そして、センサプリアンプ37のドレイン端子に接続される電圧印加線SDjに電源電圧VDDを印加すると、接続ノードVの電圧は増幅され、センサプリアンプ37のソース端子からセンシングデータ出力線SPjに出力される。そして、当該出力された電圧に基づいて、光センサ回路32が受光した光量を算出することができる。
【0200】
次に、センサ内蔵液晶パネル301の周辺回路である、液晶パネル駆動回路304、光センサ駆動回路305、およびセンサ出力アンプ44について説明する。
【0201】
液晶パネル駆動回路304は、画素回路31を駆動するための回路であり、走査信号線駆動回路3041およびデータ信号線駆動回路3042を含んでいる。
【0202】
走査信号線駆動回路3041は、液晶パネル制御部601から受信したタイミング制御信号TC1に基づいて、1ライン時間毎に、走査信号線G1〜Gmの中から1本の走査信号線を順次選択し、該選択した走査信号線にハイレベル電圧を印加するとともに、その他の走査信号線にローレベル電圧を印加する。
【0203】
データ信号線駆動回路3042は、液晶パネル制御部601から受信した表示データD(DR、DG、およびDB)に基づいて、1ライン時間毎に、1行分の表示データに対応する所定の電圧を、データ信号線SR1〜SRn、SG1〜SGn、SB1〜SBnに印加する(線順次方式)。なお、データ信号線駆動回路3042は、点順次方式で駆動するものであってもよい。
【0204】
光センサ駆動回路305は、光センサ回路32を駆動するための回路である。光センサ駆動回路305は、センサ制御部602から受信したタイミング制御信号TC2に基づいて、センサ読み出し信号線RW1〜RWmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサ読み出し信号線に所定の読み出し用電圧を印加するとともに、その他のセンサ読み出し信号線には、所定の読み出し用電圧以外の電圧を印加する。また、同様に、タイミング制御信号TC2に基づいて、センサリセット信号線RS1〜RSmの中から、1ライン時間毎に1本ずつ選択したセンサリセット信号線に所定のリセット用電圧を印加するとともに、その他のセンサリセット信号線には、所定のリセット用電圧以外の電圧を印加する。
【0205】
センシングデータ出力信号線SP1〜SPnはp個(pは1以上n以下の整数)のグループにまとめられ、各グループに属するセンシングデータ出力信号線は、時分割で順次オン状態になるスイッチ47を介して、センサ出力アンプ44に接続される。センサ出力アンプ44は、スイッチ47により接続されたセンシングデータ出力信号線のグループからの電圧を増幅し、センサ出力信号SS(SS1〜SSp)として、信号変換回路306へ出力する。
【0206】
(サブ側主制御部830の構成)
次に、センサ付きサブ表示装置230(以下、サブ表示装置230と略称する)が備えるサブ側主制御部830の構成について図1を参照しつつ説明する。図1は、サブ側主制御部830の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、サブ側主制御部830は、部分画像加工部(加工手段)801、探索信号生成部802、リスト生成部803、送信先決定部804、送信画像決定部(画像決定手段)805および表示画像生成部(表示制御手段)806を備えている。
【0207】
部分画像加工部801は、ユーザの指示に従い、センサ内蔵液晶パネル301に表示された部分画像を加工する。特に、部分画像加工部801は、センサ内蔵液晶パネル301にタッチしたユーザの指先の軌跡に沿った線を部分画像に書き込む。部分画像加工部801における処理の詳細については後述する。
【0208】
探索信号生成部802は、近距離無線通信部915により自装置と通信可能な、待機状態にある相手端末を探索(検出)するために、相手端末の識別情報であるBluetooth(登録商標)デバイスアドレス(以下、BDアドレスと称する)を問い合わせる探索信号を、通信制御部933を介して近距離無線通信部915からブロードキャストにより送信する。
【0209】
探索信号を受信した相手端末は、当該相手端末のBDアドレスを含む応答信号をサブ表示装置230へ送信する。サブ表示装置230は、応答信号を受信すると電界強度検出部936によって応答信号の電界強度を測定し、その測定結果を応答信号と対応付けてリスト生成部803へ出力する。
【0210】
リスト生成部803は、受信した応答信号に含まれるBDアドレスを列挙したBDアドレスリスト91を生成し、当該BDアドレスリスト91をメイン表示装置210へ送信することにより、当該BDアドレスリスト91に示されたBDアドレスに対応するユーザの名称(対象ユーザ名)をメイン表示装置210に要求する。
【0211】
このとき、リスト生成部803は、電界強度検出部936が測定した応答信号の電界強度が所定の値以上であるかどうかを判定し、所定の値以上であれば、通信可能であることを示す通信可能情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。また、リスト生成部803は、上記電界強度が所定の値より小さければ、通信困難であることを示す通信困難情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。
【0212】
なお、電界強度が所定の値より小さい応答信号に含まれるBDアドレスをBDアドレスリスト91に記録しない構成にしてもよい。
【0213】
以上のように、探索信号生成部802およびリスト生成部803は、通信可能な相手端末を検出し、当該相手端末の識別情報を取得する識別情報取得手段として機能する。また、リスト生成部803は、識別情報に対応するユーザの名称をメイン表示装置210に要求する要求手段として機能する。
【0214】
送信先決定部804は、センサ内蔵液晶パネル301に表示された送信先リスト中のどの送信先をユーザが選択したのかを判定し、ユーザが選択した送信先に対応するBDアドレスを送信画像決定部805へ送信する。送信先決定部804における処理の詳細については後述する。
【0215】
送信画像決定部805は、送信画像決定部805から送信されたBDアドレスを有する相手端末へ、表示サイズ情報を要求する情報要求信号を、通信制御部933を介して送信する。そして、送信画像決定部805は、相手装置から表示サイズ情報を受け取ると、その表示サイズ情報に基づいて相手装置へ合成画像を送信するか部分画像を送信するかを決定する。
【0216】
具体的には、相手装置が所定のサイズ以上の表示部を有している場合は、合成画像を送信する指示をメイン表示装置210へ出力し、所定のサイズより小さい表示部を有している場合は、部分画像を送信する指示を通信制御部933へ出力する。
【0217】
上記所定のサイズは、PC等が有する大型の表示部と、携帯電話等が有する小型の表示部とを区別する基準となるサイズであり、適宜設定されればよい。
【0218】
表示画像生成部806は、センサ内蔵液晶パネル301に表示するための表示用画像を生成し、表示データ処理部701へ送信することにより表示用画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示する。
【0219】
(メイン側主制御部810の構成)
次にメイン側主制御部810の構成について、図18を参照しつつ説明する。図18は、メイン側主制御部810の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、メイン側主制御部810は、部分画像生成部811、部分アドレス帳生成部(部分アドレス情報生成手段)812、画像判定部813、合成画像生成部(合成手段)814、表示画像生成部815およびメール送受信部816を備えている。
【0220】
部分画像生成部811は、操作部919を介して入力されたユーザの指示に従って、全体画像の一部である部分画像93を生成する。例えば、部分画像生成部811は、ユーザがマウスをドラッグすることにより指定した範囲を全体画像から切り取り、部分画像とする。この部分画像は、サブ表示装置230へ送信される。
【0221】
部分アドレス帳生成部812は、記憶部911に格納されたアドレス帳(アドレス情報)95を参照することにより、サブ表示装置230から送信されたBDアドレスリスト91に示されたBDアドレスを有する相手端末のユーザ名(対象ユーザ名)と、当該BDアドレスおよび通信可能/困難情報とを対応付けた部分アドレス帳(部分アドレス情報)を生成する。
【0222】
アドレス帳95は、1つまたは複数の相手端末のユーザ名と、当該相手端末のBDアドレスと、当該相手端末の電子メールアドレスとが対応付けられているテーブルである。ユーザは操作部919を介してアドレス帳95を編集することができる。また、アドレス帳95にユーザの住所、電話番号等のユーザ情報が記録されていてもよい。
【0223】
サブ表示装置230は、操作部を備えていないためアドレス帳を編集することが困難であるため、アドレス帳95は、操作部919を備えるメイン表示装置210が有する記憶部911に格納されている。
【0224】
図19は、部分アドレス帳の一例を概念的に示す図である。同図に示す例では、「A君」というユーザ名と、「A君」が有する端末のBDアドレスと、通信可能情報とが対応付けられているとともに、「B君」というユーザ名と、「B君」が有する端末のBDアドレスと、通信困難情報とが対応付けられている。
【0225】
画像判定部813は、相手端末から受信した画像または当該画像が添付された電子メールに、部分画像を示す部分画像識別情報が付与されているかどうかを判定する。
【0226】
この部分画像識別情報は、メイン表示装置210が相手端末へ部分画像を送信する時に、メール送受信部816によって部分画像または当該部分画像が添付された電子メールに付与される。また、部分画像識別情報は、部分画像のファイル名に組み込まれてもよいし、部分画像の作成者情報を記録する箇所など部分画像のファイルの内部に組み込まれてもよいし、上記電子メールのヘッダ等に組み込まれてもよく、部分画像識別情報とともに部分画像が相手端末へ送信されればよい。また、部分画像識別情報は、サブ表示装置230が相手装置へ部分画像を送信する場合に、例えば、通信制御部933によって当該部分画像に付与されてもよい。また、部分画像識別情報は、ユーザの指示に従って付与されてもよく、部分画像識別情報を付与するタイミングおよび方法は特に限定されない。
【0227】
画像判定部813は、相手装置から受信した画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されている場合(すなわち、上記画像が部分画像である場合)、当該部分画像をサブ表示装置230へ送信する。一方、部分画像識別情報が付与されていない場合、画像判定部813は、当該画像を液晶パネル311に表示するために表示画像生成部815へ出力する。
【0228】
合成画像生成部814は、サブ表示装置230から合成画像を生成する指示を受けて、サブ表示装置230から送信された部分画像と当該部分画像に対応する全体画像とを合成することにより合成画像を生成する。
【0229】
表示画像生成部815は、液晶パネル311に表示する表示用データを生成し、表示データ処理部710へ出力する。
【0230】
メール送受信部816は、相手装置と電子メールのやり取りを行うメールソフトとして機能する。
【0231】
(部分画像加工部801における処理の詳細)
サブ表示装置230の部分画像加工部801は、メイン表示装置210の部分画像生成部811から送信された部分画像がセンサ内蔵液晶パネル301に表示されると、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“オール”または“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。センサデータ処理部703は、センサ内蔵液晶パネル301が撮像した撮像画像におけるユーザの指先の像の位置を示す座標データを所定の時間間隔で部分画像加工部801へ送信する。そして、部分画像加工部801は、センサデータ処理部703から送信された座標データが示すユーザの指先の軌跡に沿った線を部分画像に記入する。このとき記入する線の太さおよび色は、ユーザの指定に従って設定されればよい。
【0232】
また、文字、予め設定されているスタンプ(各種の図形、キャラクターの画像など)、外枠等を部分画像に加えることもできる。文字の入力は、メイン表示装置210の操作部919を介して行えばよい。スタンプ、外枠等については、使用可能なものを一覧表示して、ユーザに選択させればよい。
【0233】
部分画像加工部801は、加工した部分画像(図1において93の符号を付している)を記憶部931に格納する。
【0234】
(送信先決定部804における処理の詳細)
サブ表示装置230の送信先決定部804は、メイン表示装置210の部分アドレス帳生成部812から部分アドレス帳94を受信すると、当該部分アドレス帳94を記憶部931に格納するとともに、表示画像生成部806へ出力する。
【0235】
表示画像生成部806は、受け取った部分アドレス帳94に基づいて通信可能な相手端末のリスト(送信先リスト)を示す表示用画像を生成し、表示データ処理部701に出力することにより、送信先リストをセンサ内蔵液晶パネル301に表示する。この送信先リストには、近距離無線通信部915によって通信できるかどうかについても示されていることが好ましい。
【0236】
送信先決定部804は、部分アドレス帳94を表示画像生成部806へ出力すると、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。センサデータ処理部703から座標データを受信すると、当該座標データが示す位置と、センサ内蔵液晶パネル301における送信先リストの表示位置(各送信先を示す表示領域の位置)とを比較することにより、ユーザがどの送信先を選択したのかを判定する。
【0237】
送信先決定部804は、ユーザが選択した送信先に対応するBDアドレスを送信画像決定部805へ送信する。
【0238】
(画像送信処理の流れ)
次に、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの一例について図20を参照しつつ説明する。図20は、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの一例を示す図である。なお、メイン表示装置210とサブ表示装置230との間の通信は、通信制御部913、有線通信部914、有線通信部934および通信制御部933を介して行われるが、以下の説明では、説明を簡単にするために、これらの部材の説明を省略する場合がある。また、全体画像は、予め記憶部911に格納されているものとする。
【0239】
まず、メイン表示装置210の表示画像生成部815は、ユーザの指示に従い全体画像を液晶パネル311に表示する(S1)。
【0240】
ユーザがマウス等を用いてドラッグなどにより全体画像の一部の領域を指定し、選択部分画像を生成する指示を入力する(例えば、「サブ画面へ転送」などの処理をポップアップメニューなどから選択する)と、部分画像生成部811は、当該領域を含む部分画像を生成し、生成した部分画像を表示コマンドとともにサブ表示装置230の表示画像生成部806へ送信する(S2)。
【0241】
表示画像生成部806は、表示コマンドおよび部分画像を受け取ると、当該部分画像を含む表示用画像を生成し、センサ内蔵液晶パネル301に表示する(S3)。
【0242】
部分画像がセンサ内蔵液晶パネル301に表示されると、部分画像加工部801は、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“オール”または“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。そして、部分画像加工部801は、センサデータ処理部703から送信された座標データが示すユーザの指先の軌跡に沿った線を部分画像に記入する(S4)。部分画像加工部801は、加工した部分画像を記憶部931に格納する。
【0243】
その後、ユーザから部分画像を送信する指示を取得すると、探索信号生成部802は、近距離無線通信部915により自装置と通信可能な、待機状態にある相手端末のBDアドレスを問い合わせる探索信号を近距離無線通信部915から送信する(S5)。
【0244】
探索信号を受信した相手端末(相手端末A・Bと称する)は、当該相手端末のBDアドレスを含む応答信号をサブ表示装置230へ送信する(S6)。
【0245】
応答信号を受信すると、電界強度検出部936は、応答信号の電界強度を測定し、その測定結果を応答信号と対応付けてリスト生成部803へ出力する。
【0246】
リスト生成部803は、電界強度検出部936が測定した応答信号の電界強度が所定の値以上であるかどうかを判定し、所定の値以上であれば、通信可能であることを示す通信可能情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。一方、上記電界強度が所定の値より小さければ、リスト生成部803は、通信困難であることを示す通信困難情報を、当該応答信号に含まれるBDアドレスと対応付けてBDアドレスリスト91に記録する。
【0247】
そして、リスト生成部803は、生成したBDアドレスリスト91を、部分アドレス帳を生成することを命じる処理コマンドとともにメイン表示装置210の部分アドレス帳生成部812へ送信する(S7)。なお、このときメイン表示装置210へ送信されるBDアドレスリスト91に通信可能/困難情報が含まれている必要は必ずしもない。
【0248】
部分アドレス帳生成部812は、上記処理コマンドおよびBDアドレスリスト91を受け取ると、記憶部911に格納されたアドレス帳95を参照することにより、受け取ったBDアドレスリスト91に示されたBDアドレスを有する相手端末のユーザ名(対象ユーザ名)と、当該BDアドレスおよび通信可能/困難情報とを対応付けた部分アドレス帳を生成する。部分アドレス帳生成部812は、生成した部分アドレス帳をサブ表示装置230の送信先決定部804へ出力する(S8)。換言すれば。部分アドレス帳生成部812は、記憶部911にアクセスすることにより、サブ表示装置230から要求された対象ユーザ名をサブ表示装置230へ送信する。
【0249】
送信先決定部804は、部分アドレス帳生成部812から部分アドレス帳94を受信すると、当該部分アドレス帳94を記憶部931に格納するとともに、表示画像生成部806へ出力する。
【0250】
表示画像生成部806は、部分アドレス帳94が示す送信先リストの表示用画像を表示データ処理部701に出力することにより、当該送信先リストをセンサ内蔵液晶パネル301に表示する(S9)。
【0251】
その後、送信先決定部804は、「データ種別」フィールドに“座標”を指定し、「データ取得タイミング」フィールドに“イベント”を指定したサブ表示装置内コマンドをデータ処理部730に送信する。センサデータ処理部703は、センサ内蔵液晶パネル301が撮像した撮像画像におけるユーザの指先の像の位置を示す座標データを送信先決定部804へ送信する。そして、送信先決定部804は、センサデータ処理部703から座標データを受信すると、当該座標データが示す位置と、センサ内蔵液晶パネル301における送信先リストの表示位置とを比較することにより、ユーザがどの送信先(ユーザ名)を選択したのかを判定する(S10)。
【0252】
送信先決定部804は、記憶部931に格納された部分アドレス帳94を参照することにより、ユーザが選択した送信先に対応するBDアドレスを送信画像決定部805へ送信する。
【0253】
送信画像決定部805は、BDアドレスを受け取ると、当該BDアドレスを有する相手端末へ、表示サイズ情報を要求する情報要求信号を送信する(S11)。ここでは、ユーザが相手端末Aを送信先に選択したものとする。この場合、情報要求信号は、相手端末Aへ送信される。
【0254】
相手端末Aは、情報要求信号を受け取ると、自身が有する表示部のサイズを示す表示サイズ情報をサブ表示装置230へ送信する(S12)。ここで相手端末Aは携帯端末であり、小型の表示部を備えているものとする。
【0255】
送信画像決定部805は、相手端末Aから表示サイズ情報を受け取ると、その表示サイズ情報が示す表示サイズが所定のサイズ以上であるかどうかを判定する。相手端末Aが携帯端末の場合、表示サイズ情報が示す表示サイズは所定のサイズより小さいため、送信画像決定部805は、部分画像を送信する指示を通信制御部933へ出力する(S13)。
【0256】
通信制御部933は、記憶部931に格納されている部分画像93を、近距離無線通信部935を介して相手端末Aへ送信する(S14)。相手端末AのBDアドレスは、部分アドレス帳94に示されているため、通信制御部933は、当該部分アドレス帳94を参照することにより相手端末AのBDアドレスを取得すればよい。このとき、通信制御部933は、送信する画像が部分画像であることを示す部分画像識別情報を当該部分画像に付与し、部分画像識別情報が付与された部分画像を相手端末Aへ送信してもよい。
【0257】
なお、表示サイズ情報を要求する情報要求信号を、探索信号に含めてもよいが、部分画像を送信する相手端末のみから表示サイズ情報を得る方が、送受信されるデータの総量が少なくて済むため好ましい。
【0258】
(画像送信処理の流れの別の例)
次に、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの別の例について図21を参照しつつ説明する。図21は、2画面表示装置200における画像送信処理の流れの別の例を示す図である。ここでは、相手端末AがPCであり、所定のサイズ以上の表示サイズを有する表示部を備えている場合の処理について説明する。
【0259】
図21に示すステップS21〜S32は、ステップS1〜S12と同様のため、その説明を省略する。
【0260】
相手端末Aが、表示サイズ情報をサブ表示装置230へ送信すると、送信画像決定部805は、その表示サイズ情報が示す表示サイズが所定のサイズ以上であるかどうかを判定する(S33)。相手端末AがPCの場合、表示サイズ情報が示す表示サイズは所定のサイズ以上であるため、送信画像決定部805は、合成画像を相手端末Aへ送信するための処理コマンドをメイン表示装置210の合成画像生成部814へ出力する(S34)。このとき送信画像決定部805は、上記処理コマンドとともに、相手端末AのBDアドレスおよび記憶部931に格納されている部分画像93を合成画像生成部814へ送信する。
【0261】
合成画像生成部814は、上記処理コマンド、BDアドレスおよび部分画像93を受信すると、受信した部分画像と当該部分画像に対応する全体画像とを合成し、合成画像を生成する(S35)。より詳細には、合成画像生成部814は、全体画像における部分画像に対応する領域に、加工された後の部分画像を組み込むことにより、新たな全体画像を生成する。
【0262】
そして、合成画像生成部814は、生成した合成画像を送信先のBDアドレスとともにメール送受信部816へ出力する。メール送受信部816は、上記合成画像を上記BDアドレスを有する相手端末Aへ、有線/無線ネットワーク通信部916を介して送信する(S36)。このとき、メール送受信部816は、アドレス帳95を参照することにより相手端末Aの電子メールアドレスを取得すればよい。アドレス帳95では、各相手端末に関して、BDアドレスと電子メールアドレスとが対応付けられている。
【0263】
なお、上記の説明では、2画面表示装置200は、全体画像と部分画像とを合成した画像を送信しているが、実際に送信する場合には、送信先相手端末やユーザの要求に応じて、上記の通り合成後の画像を送信しても良いし、上記の合成の処理を行わず、上記部分画像93のみを送信しても良いし、加工前の全体画像95と部分画像93との両方を送信しても良い。
【0264】
(画像受信処理の流れ)
次に、部分画像識別情報が付与された画像をメイン表示装置210が受信した場合の処理の流れについて、図22を参照しつつ説明する。図22は、2画面表示装置200における画像受信処理の流れの一例を示す図である。
【0265】
メイン表示装置210のメール送受信部816は、相手端末Aから画像が添付された電子メールを受け取ると(S41)、当該画像または電子メールを画像判定部813へ出力する。画像判定部813は、当該画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されているかどうかを判定する(S42)。上記画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されている場合、画像判定部813は、表示コマンドとともに当該部分画像をサブ表示装置230へ送信する(S43)。
【0266】
表示コマンドとともに部分画像を受け取ると、表示画像生成部806は、当該部分画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示する(S44)。
【0267】
一方、上記画像または電子メールに部分画像識別情報が付与されていない場合には、画像判定部813は、当該部分画像を表示部310へ表示するよう表示画像生成部815へ指示する。
【0268】
以上のように、2画面表示装置200は、メイン表示装置210と、メイン表示装置210とは独立して動作可能なサブ表示装置230とを備え、メイン表示装置210は、全体画像を表示する液晶パネル311(第1表示部)を備え、サブ表示装置230は、液晶パネル311に表示された全体画像の部分画像を表示するセンサ内蔵液晶パネル301(第2表示部)を備えている。サブ表示装置230は、上記部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに当該部分画像を自身と通信可能な相手装置へ送信し、メイン表示装置210は、上記部分画像識別情報とともに画像を受信した場合に、当該画像をサブ表示装置230へ送信する。サブ表示装置230は、メイン表示装置210から送信された画像をセンサ内蔵液晶パネル301に表示する。
【0269】
このような処理により、部分画像識別情報が付与された画像をメイン表示装置210が受信した場合に、当該画像がメイン表示装置210によって表示されることなくサブ表示装置230に転送される。それゆえ、メイン表示装置210において当該画像に関する処理を省略でき、処理の効率化を図ることができる。
【0270】
(2画面表示装置200の効果)
以上のように、2画面表示装置200では、アドレス帳を有していないサブ表示装置230が、自装置と通信可能な相手端末のユーザ名をメイン表示装置210に問い合わせ、得られたユーザ名を表示することで、通信可能な相手端末の中からユーザの所望する相手端末をユーザに選択させる。そして、サブ表示装置230は、ユーザが選択した相手端末にデータ(例えば、部分画像)を送信する。
【0271】
それゆえ、サブ表示装置230がアドレス帳を有していなくても、メイン表示装置210との連携をとることにより、データを送信すべき相手端末に当該データを送信することができる。
【0272】
また、全体画像から部分画像を生成し、その部分画像を相手端末に送信することにより、相手端末が小さい表示部を有する携帯端末であっても、快適に画像を閲覧することができる。また、部分画像は、全体画像よりもデータ容量が小さいため、画像の送受信にかかる処理量を低減できる。
【0273】
(変更例)
本発明は上述した各実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能であり、実施形態にそれぞれ開示された技術的手段を適宜組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【0274】
例えば、サブ表示装置230が、近距離無線通信(第2データ通信)によってユーザが指定する相手装置と通信できない場合に、メイン表示装置210が、有線/無線ネットワーク通信(広域通信、第1データ通信)によって相手端末と通信してもよい。
【0275】
この場合、サブ表示装置230は、加工した部分画像および当該部分画像の送信先の相手端末が有するBDアドレスをメイン表示装置210へ送信する。メイン表示装置210は、アドレス帳95を参照することにより、上記BDアドレスに対応する電子メールアドレスを取得し、当該電子メールアドレスへ部分画像を送信すればよい。このとき、メール送受信部816は、送信する電子メールに、添付された画像が部分画像であることを示す部分画像識別情報を付与してもよい。
【0276】
また、メイン表示装置210およびサブ表示装置230が送信するデータは、画像データに限定されず、文字データなど他のデータであってもよい。
【0277】
また、上述した2画面表示装置200の各ブロック、特にサブ側主制御部830およびメイン側主制御部810は、ハードウェアロジックによって構成してもよいし、次のようにCPUを用いてソフトウェアによって実現してもよい。
【0278】
すなわち、2画面表示装置200は、各機能を実現する制御プログラムの命令を実行するCPU(central processing unit)、上記プログラムを格納したROM(read only memory)、上記プログラムを展開するRAM(random access memory)、上記プログラムおよび各種データを格納するメモリ等の記憶装置(記録媒体)などを備えている。そして、本発明の目的は、上述した機能を実現するソフトウェアである2画面表示装置200の制御プログラムのプログラムコード(実行形式プログラム、中間コードプログラム、ソースプログラム)をコンピュータで読み取り可能に記録した記録媒体を、上記2画面表示装置200に供給し、そのコンピュータ(またはCPUやMPU)が記録媒体に記録されているプログラムコードを読み出し実行することによっても、達成可能である。
【0279】
上記記録媒体としては、例えば、磁気テープやカセットテープ等のテープ系、フロッピー(登録商標)ディスク/ハードディスク等の磁気ディスクやCD−ROM/MO/MD/DVD/CD−R等の光ディスクを含むディスク系、ICカード(メモリカードを含む)/光カード等のカード系、あるいはマスクROM/EPROM/EEPROM/フラッシュROM等の半導体メモリ系などを用いることができる。
【0280】
また、2画面表示装置200を通信ネットワークと接続可能に構成し、上記プログラムコードを通信ネットワークを介して供給してもよい。この通信ネットワークとしては、特に限定されず、例えば、インターネット、イントラネット、エキストラネット、LAN、ISDN、VAN、CATV通信網、仮想専用網(virtual private network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が利用可能である。また、通信ネットワークを構成する伝送媒体としては、特に限定されず、例えば、IEEE1394、USB、電力線搬送、ケーブルTV回線、電話線、ADSL回線等の有線でも、IrDAやリモコンのような赤外線、Bluetooth(登録商標)、802.11無線、HDR(high data rate)、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。なお、本発明は、上記プログラムコードが電子的な伝送で具現化された、搬送波に埋め込まれたコンピュータデータ信号の形態でも実現され得る。
【産業上の利用可能性】
【0281】
複数の独立した通信ユニットを連携させた通信形態を実現できるため、複数の独立した通信ユニットを備える端末装置(例えば、パソコン、携帯電話、PDA(personal digital assistance)等)に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0282】
【図1】本発明の一実施の形態に係る2画面表示装置が備えるセンサ付きサブ表示装置が備えるサブ側主制御部の構成を示すブロック図である。
【図2】図2(a)および(b)は、本発明の一実施の形態に係る2画面表示装置の具体例を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置が備えるセンサ付きサブ表示装置が備えるセンサ内蔵液晶パネルの断面を模式的に示す図である。
【図4】図4(a)は、上記センサ内蔵液晶パネルにて反射像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。図4(b)は、上記センサ内蔵液晶パネルにて影像を検知することにより、ユーザがタッチした位置を検出する様子を示す模式図である。
【図5】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置が備えるメイン表示装置およびセンサ付きサブ表示装置の要部構成を示すブロック図である。
【図6】上記センサ付きサブ表示装置が備える表示/光センサ部、表示/光センサ回路制御部およびデータ処理部のより詳細な構成を示すブロック図である。
【図7】上記メイン表示装置が備える表示部および表示回路制御部の構成例を示すブロック図である。
【図8】サブ表示装置内コマンドのフレーム構造の一例を模式的に示す図である。
【図9】サブ表示装置内コマンドに含まれる各フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図10】装置間コマンドのフレーム構造の一例を示す模式図である。
【図11】スキャンコマンド、表示コマンド、および処理コマンドのそれぞれについて、各フィールドに指定可能な情報を示す図である。
【図12】スキャンコマンドの第1から第5フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図13】表示コマンドの第1および第2フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図14】処理コマンドの第1から第3フィールドに指定可能な値の一例、および、その概要を説明するための図である。
【図15】図15(a)は、本発明の一実施形態に係る2画面表示装置にて、対象物がセンサ内蔵液晶パネル上に置かれていないときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データである。図15(b)は、上記データ表示/センサ装置にて、ユーザが指でセンサ内蔵液晶パネルをタッチしているときに、センサ内蔵液晶パネル全体をスキャンした結果として得られる画像データである。
【図16】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置が備える表示/光センサ部の要部、特に、センサ内蔵液晶パネルの構成および周辺回路の構成を示すブロック図である。
【図17】本発明の一実施形態に係る2画面表示装置の概要を説明するための図である。
【図18】上記データ表示/センサ装置が備えるメイン側主制御部の構成を示すブロック図である。
【図19】部分アドレス帳の一例を概念的に示す図である。
【図20】上記2画面表示装置における画像送信処理の流れの一例を示す図である。
【図21】上記2画面表示装置における画像送信処理の流れの別の例を示す図である。
【図22】上記2画面表示装置における画像受信処理の流れの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0283】
93 部分画像
94 部分アドレス帳(部分アドレス情報)
95 アドレス帳(アドレス情報)
200 2画面表示装置(通信装置)
210 メイン表示装置(第1通信ユニット)
230 センサ付きサブ表示装置(第2通信ユニット)
310 表示部(第1表示部)
330 表示/光センサ部(第2表示部)
801 部分画像加工部(加工手段)
805 送信画像決定部(画像決定手段)
814 合成画像生成部(合成手段)
911 記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置であって、
上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、
上記第2通信ユニットは、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求し、
上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
上記第2通信ユニットは、上記要求として、取得した識別情報を上記第1通信ユニットに送信し、
上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから送信された識別情報に対応する対象ユーザ名と当該識別情報とが対応付けられた部分アドレス情報を生成して上記第2通信ユニットへ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
上記第1通信ユニットは、全体画像を表示する第1表示部を備え、
上記第2通信ユニットは、上記第1表示部に表示された全体画像の部分画像を表示する第2表示部を備え、当該第2表示部に表示された部分画像を上記相手装置へ送信することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
上記第1または第2通信ユニットは、上記部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに当該部分画像を上記相手装置へ送信し、
上記第1通信ユニットは、上記部分画像識別情報とともに画像を上記相手装置から受信した場合に、当該画像を上記第2通信ユニットへ送信し、
上記第2通信ユニットは、上記第1通信ユニットから送信された画像を上記第2表示部に表示することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
上記第2通信ユニットは、上記第2表示部に表示された部分画像を加工する加工手段をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載の通信装置。
【請求項6】
上記第1通信ユニットは、上記加工手段によって加工された部分画像と上記全体画像とを合成する合成手段をさらに備え、当該合成手段が合成した合成画像を上記相手装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
上記第2通信ユニットは、上記相手装置が有する表示部の表示サイズに基づいて、当該相手装置へ上記部分画像を送信するか上記合成画像を送信するかを決定する画像決定手段をさらに備え、
上記画像決定手段が決定した画像を上記相手装置へ送信することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
上記第1通信ユニットは、第1データ通信を行い、
上記第2通信ユニットは、上記第1データ通信とは異なる様式の第2データ通信を行い、
上記第2通信ユニットが、上記第2データ通信によって相手装置と通信できない場合に、上記第1通信ユニットは、上記第1データ通信によって当該相手装置と通信することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
上記第1データ通信は広域通信であり、上記第2データ通信は近距離無線通信であることを特徴とする請求項8項に記載の通信装置。
【請求項10】
上記第2通信ユニットは、脱着可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置を制御する制御方法であって、
上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、
上記第2通信ユニットが、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求する要求工程と、
上記第1通信ユニットが、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する対象ユーザ名送信工程とを含むことを特徴とする制御方法。
【請求項1】
第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置であって、
上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、
上記第2通信ユニットは、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求し、
上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
上記第2通信ユニットは、上記要求として、取得した識別情報を上記第1通信ユニットに送信し、
上記第1通信ユニットは、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから送信された識別情報に対応する対象ユーザ名と当該識別情報とが対応付けられた部分アドレス情報を生成して上記第2通信ユニットへ送信することを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
上記第1通信ユニットは、全体画像を表示する第1表示部を備え、
上記第2通信ユニットは、上記第1表示部に表示された全体画像の部分画像を表示する第2表示部を備え、当該第2表示部に表示された部分画像を上記相手装置へ送信することを特徴とする請求項1または2に記載の通信装置。
【請求項4】
上記第1または第2通信ユニットは、上記部分画像を識別するための部分画像識別情報とともに当該部分画像を上記相手装置へ送信し、
上記第1通信ユニットは、上記部分画像識別情報とともに画像を上記相手装置から受信した場合に、当該画像を上記第2通信ユニットへ送信し、
上記第2通信ユニットは、上記第1通信ユニットから送信された画像を上記第2表示部に表示することを特徴とする請求項3に記載の通信装置。
【請求項5】
上記第2通信ユニットは、上記第2表示部に表示された部分画像を加工する加工手段をさらに備えることを特徴とする請求項3または4に記載の通信装置。
【請求項6】
上記第1通信ユニットは、上記加工手段によって加工された部分画像と上記全体画像とを合成する合成手段をさらに備え、当該合成手段が合成した合成画像を上記相手装置へ送信することを特徴とする請求項5に記載の通信装置。
【請求項7】
上記第2通信ユニットは、上記相手装置が有する表示部の表示サイズに基づいて、当該相手装置へ上記部分画像を送信するか上記合成画像を送信するかを決定する画像決定手段をさらに備え、
上記画像決定手段が決定した画像を上記相手装置へ送信することを特徴とする請求項6に記載の通信装置。
【請求項8】
上記第1通信ユニットは、第1データ通信を行い、
上記第2通信ユニットは、上記第1データ通信とは異なる様式の第2データ通信を行い、
上記第2通信ユニットが、上記第2データ通信によって相手装置と通信できない場合に、上記第1通信ユニットは、上記第1データ通信によって当該相手装置と通信することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項9】
上記第1データ通信は広域通信であり、上記第2データ通信は近距離無線通信であることを特徴とする請求項8項に記載の通信装置。
【請求項10】
上記第2通信ユニットは、脱着可能に設けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の通信装置。
【請求項11】
第1通信ユニットと、上記第1通信ユニットとは独立して動作可能な第2通信ユニットとを備える通信装置を制御する制御方法であって、
上記第1通信ユニットは、通信先の装置である相手装置の識別情報と当該相手装置のユーザの名称とを対応付けたアドレス情報を格納した記憶部を備え、
上記第2通信ユニットが、自身と通信可能な相手装置を検出し、当該相手装置の識別情報を取得した場合に、当該識別情報に対応するユーザの名称である対象ユーザ名を上記第1通信ユニットに要求する要求工程と、
上記第1通信ユニットが、上記記憶部に格納されたアドレス情報を参照することにより、上記第2通信ユニットから要求された対象ユーザ名を含む情報を上記第2通信ユニットへ送信する対象ユーザ名送信工程とを含むことを特徴とする制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2010−108449(P2010−108449A)
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−282490(P2008−282490)
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年5月13日(2010.5.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成20年10月31日(2008.10.31)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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