通信装置およびその動作方法
【課題】2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させる。
【解決手段】通信装置1の通信部23は、通信方法Mによるポーリングの電文D1から、通信装置1の端末識別子ID1を取り出し、これを含む、通信方法Nによるポーリングの電文D2を作成し、外部に送出する(T17)。通信装置2の通信部23は、電文D2から端末識別子を取り出し、予め記憶した電文D1を読み出し、端末識別子を電文D1に含ませ、通信部22へ送信する(T21、T23)。通信部23は、通信部22から、電文D1に対する応答の電文D3を受信したら、電文D3から、通信装置2を示す端末識別子ID2を取り出し、これを含む応答の電文D4を作成し、外部に送出する(T33)。通信装置1の通信部13は、電文D4から端末識別子を取り出し、予め記憶した電文D3を読み出し、端末識別子を電文D3に含ませ、通信部12へ送信する(T35、T37)。
【解決手段】通信装置1の通信部23は、通信方法Mによるポーリングの電文D1から、通信装置1の端末識別子ID1を取り出し、これを含む、通信方法Nによるポーリングの電文D2を作成し、外部に送出する(T17)。通信装置2の通信部23は、電文D2から端末識別子を取り出し、予め記憶した電文D1を読み出し、端末識別子を電文D1に含ませ、通信部22へ送信する(T21、T23)。通信部23は、通信部22から、電文D1に対する応答の電文D3を受信したら、電文D3から、通信装置2を示す端末識別子ID2を取り出し、これを含む応答の電文D4を作成し、外部に送出する(T33)。通信装置1の通信部13は、電文D4から端末識別子を取り出し、予め記憶した電文D3を読み出し、端末識別子を電文D3に含ませ、通信部12へ送信する(T35、T37)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年にあっては、非接触ICカードを使った入退室システムや改札システムが増えている。
【0003】
これらのシステムは、ポーリングコマンドを作成する上位装置(例えば入退管理サーバ)と、ポーリングコマンドを所定の通信方法によるポーリング電文へ変換し送出する中継装置(例えばICカードRW)と、任意の通信手段と通信する変換部および入退時に必要な識別情報を管理する識別情報管理部を有するモバイル端末(例えばICカード)とを備える構成になっており、上位装置がポーリングコマンドを中継装置へ送り、中継装置はそれをトリガーにして任意の間隔でポーリング電文を繰り返し送出し、モバイル端末を検知している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ワイヤレスカードシステムの応用 技術資料 ARIB TR−T10 1.0版、P.13、[online]、社団法人 電波産業会、[平成23年3月8日検索]、インターネット<URL: http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/3−TR−T10v1_0.pdf>
【非特許文献2】五郎丸秀樹・池田実・細田泰弘「近接通信と連携する利便性の高い非接触ICカードシステムの考察」 『第146回 マルチメディア通信と分散処理・第52回コンピュータセキュリティ合同研究発表会』 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、既存の入退室システムにおいて、非接触ICカードに使用される既存の通信方法(以下、通信方法Mという)だけでなく、PAN(Personal Area Network)や電界通信等の新たな通信方法(以下、通信方法Nという)も使用できるようにし、通信方法Mの通信方法によるポーリング電文は変更せず、システムの変更を最小限にして、通信方法Nを使用できるようにする場合、下記の実現要件に対応することが必要となる。
【0006】
1)通信方法Mのポーリング電文および応答の電文は、中継装置とモバイル端末の間で送受信される必要があり、通信方法Nのポーリング電文および応答の電文も同様である。 2)通信方法Nを用いる通信部に対しては、通信方法Mを用いる通信部から通信方法Mのポーリング電文が送信される。かかるポーリング電文は、通信方法Nを用いる通信部にはデータにしか見えない。そのため、通信方法Nを用いる通信部は、通信方法Mのポーリング電文を含む電文を通信方法Nにより送信し、応答の電文から通信方法Mによるポーリング電文に対する応答の電文を取り出し、通信方法Mを用いる通信部に送信する必要がある。なお、通信方法Mを用いる通信装置から通信方法Nを用する通信装置に対してポーリング電文を送信する場合も同様の処理を要する。
【0007】
1)、2)の要件を満たすためには、既存のシステムと比べ、新たなシステムでの追加処理として、「通信方法Nによるポーリング処理」と「通信方法Nによるデータ(通信方法Mのポーリング電文とその応答電文)伝送処理」と「モバイル端末内での通信方法Mによるポーリング処理」が必要となる。
【0008】
しかし、1)、2)の実現要件に対応して新たな処理が追加されることにより新たな処理時間を要し、通信方法Mでは制限時間内に終わっていたポーリングが、通信方法M、Nを使用することでタイムアウトが発生し、制限時間以内にポーリングを終わらせることができない場合がある。
【0009】
これに対し、非特許文献1では、「通信方法Nによるポーリング処理」を事前に行うこと、あるいは「異なる通信方法のデータ変換処理や並行処理」を実施することで、「通信方法Nによるデータ伝送処理」と「モバイル端末内での通信方法Mによるポーリング処理」を回避したが、新たに通信方式毎の端末識別子を変換テーブルから検索して変換する「変換テーブルによる端末識別子変換処理」が発生する。
【0010】
以下、この「変換テーブルによる端末識別子変換処理」を伴う動作について説明する。
【0011】
図10において、通信装置100の通信部12は、通信方法Mにおける通信装置100の端末識別子M1を含む通信方法Mの電文D01を通信装置100の通信部13Aに送信する(T101)。
【0012】
これにより、通信部13Aは、通信方法Nにおける通信装置100の端末識別子N1を含む通信方法Nの電文D02を通信装置200に送信する(T103)。
【0013】
通信装置200の通信部23Aは、電文D02を受信したら、通信方法Nにおける通信装置200の端末識別子N2を含む通信方法Nの電文D04を通信装置100に送信する(T105)。
【0014】
通信部13Aは、電文D04を受信したら、電文D04から端末識別子N2を取り出し、予め記憶した変換テーブルに基づいて、これを端末識別子M2に変換し(T107)、端末識別子M2を含む通信方法Mの電文D03を通信部12に送信する(T109)。
【0015】
通信部23Aは、電文D02を受信した際には、電文D02から端末識別子N1を取り出し、予め記憶した変換テーブルに基づいて、これを端末識別子M1に変換し(T111)、端末識別子M1を含む通信方法Mの電文D01を通信部22に送信する(T113)。これにより、通信部22は、端末識別子M2を含む通信方法Mの電文D03を通信部23Aに送信する(T115)。
【0016】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部と、前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0018】
第2の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置であって、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部と、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出する中継処理部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0019】
第3の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置であって、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部と、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出するとともに、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0020】
第4の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部の中継処理部が、前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、前記第2の通信部の中継処理部が、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0021】
第5の本発明は、第1の本発明に係る記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、前記第2の通信部の中継処理部が、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0022】
第6の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出し、前記第2の通信部の中継処理部が、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させることのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1〜2の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【図2】第1〜2の実施の形態で使用される各電文の構成図である。
【図3】第1の実施の形態における中継部132と中継部232の構成図である。
【図4】第1〜2の実施の形態の通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態における中継部232の構成図である。
【図8】第2の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図10】従来の通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1は、第1〜2の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【0027】
通信装置1は、通信装置2内の情報を用いて情報処理を行う情報処理部11と、情報処理部11と有線で接続された通信部12と、通信方法M(例えば、非接触カードに使用される磁界通信)によって通信部12と通信し、通信装置2とは通信方法N(例えば、電界通信)によって通信する通信部13を備える。
【0028】
例えば、情報処理部21は、ICカードに記憶される識別情報やPIN(パスワード)等の認証情報(鍵等)および識別情報を有し、情報処理部11も、情報処理部21を認証し正しく識別すべく、これらの情報を有している。
【0029】
例えば、この通信システムは、ICカードの通信で用いられ、かかる通信では、情報処理部11からのポーリングコマンドの送信で通信が始まり、情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、応答コマンドを送信する。つまり、この場合、通信システムは、マスタースレーブ構成になっている。このため、情報処理部11は、受信した情報の照合に用いるべく、情報処理部21内の情報を有している。
【0030】
通信部13は、通信装置1に新たに設けられたものであり、通信部13が設けられる前の通信装置1は通信装置2と、つまり、通信部12は、通信方法Mによって、通信装置2と通信していた。
【0031】
しかし、通信部13が設けられてからは、通信装置1は通信装置2と、つまり、通信部13は、新たな通信方法、つまり、通信方法Mとは異なる通信方法Nで、通信装置2と通信する。
【0032】
通信部13は、通信方法Mによって通信部12と通信する中継部131と、中継部131と有線で接続され、通信方法Nで通信装置2と通信する中継部132とを備える。
【0033】
通信装置2は、通信装置1にとって必要な情報を有する情報処理部21と、情報処理部21と有線で接続された通信部22と、通信方法Mによって通信部22と通信し、通信装置1とは通信方法Nによって通信する通信部23を備える。
【0034】
通信部23は、通信装置2に新たに設けられたものであり、通信部23が設けられる前の通信装置2は通信装置1と、つまり、通信部22は、通信方法Mによって、通信装置1と通信していた。
【0035】
しかし、通信部23が設けられてからは、通信装置2は通信装置1と、つまり、通信部23は、通信方法Nで、通信装置2と通信する。
【0036】
通信部23は、通信方法Mによって通信部22と通信する中継部231と、中継部231と有線で接続され、通信方法Nで通信装置1(つまり通信装置1の中継部132)と通信する中継部232とを備える。
【0037】
図2は、第1〜2の実施の形態で使用される各電文の構成図である。
【0038】
図2(a)に示す電文D1は、通信方法Mのポーリング電文であり、通信方法Mのヘッダおよびデータからなる。データには、情報処理部11から送信されるポーリングコマンドが含まれる。ヘッダには、通信装置1を示す端末識別子ID1が含まれる。
【0039】
端末識別子ID1は、通信方法M、Nで共用されるものである。例えば、一方の通信方法による端末識別子を端末識別子ID1とし、これを、以下のように、他方の通信方法でも用いるようにしてもよい。
【0040】
図2(b)に示す電文D2は、通信方法Nのポーリング電文であり、通信方法Nのヘッダおよびデータからなる。データには、電文D2がポーリング電文である旨の情報が含まれる。ヘッダには、通信装置1を示す端末識別子ID1が含まれる。
【0041】
図2(c)に示す電文D3は、電文D1(通信方法Mのポーリング電文)への応答の電文であり、通信方法Mのヘッダおよびデータからなる。データには、情報処理部21から送信される応答コマンドが含まれる。ヘッダには、通信装置2を示す端末識別子ID2が含まれる。
【0042】
端末識別子ID2は、端末識別子ID11と同様に、通信方法M、Nで共用されるものである。例えば、一方の通信方法による端末識別子を端末識別子ID2とし、これを、以下のように、他方の通信方法でも用いるようにしてもよい。
【0043】
図2(d)に示す電文D4は、電文D2(通信方法Nのポーリング電文)への応答の電文であり、通信方法Nのヘッダおよびデータからなる。データには、電文D4がポーリング電文の応答である旨の情報が含まれる。ヘッダには、通信装置2を示す端末識別子ID2が含まれる。
【0044】
図3は、第1の実施の形態における中継部132と中継部232の構成図である。
【0045】
中継部132は、電文D2を外部に送出する中継処理部1321と、予め電文D3が記憶された記憶部1322とを備える。電文D3は、通信方法Mの電文であり、通信方法Nを用いる通信部13は、例えば、電文D2は作成できるが、電文D3は作成できず、よって、予め電文D3を記憶している。
【0046】
中継部232は、電文D4を外部に送出する中継処理部2321と、予め電文D1が記憶された記憶部2322とを備える。電文D1は、通信方法Mの電文であり、通信方法Nを用いる通信部23は、例えば、電文D4は作成できるが、電文D1は作成できず、よって、予め電文D1を記憶している。
【0047】
図4は、第1〜2の実施の形態の通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
通信装置1が起動され、通信部13の中継部131が、通信部12から電文D1を受信した(S1:YES)なら、電文D1を中継部132へ転送する(S3)。
【0049】
中継部132の中継処理部1321は、電文D1から端末識別子ID1を取り出す(S5)。
【0050】
次に、中継処理部1321は、端末識別子ID1をヘッダに含む電文D2を作成し(S7)、電文D2を外部に送出する(S9)。
【0051】
次に、中継処理部1321は、外部から電文D4を受信したか否かを判定する(S11)。中継処理部1321は、電文D4を受信していないなら(S11:NO)、タイムアウト(ステップS9の時刻から所定の時間が経過した)か否かを判定し(S13)、タイムアウトでないなら、ステップS11へ戻り、タイムアウトなら、ステップS9へ戻る。
【0052】
中継処理部1321は、外部から電文D4を受信したなら(S11:YES)、電文D4から端末識別子(例えば、端末識別子ID2)を取り出し(S15)、記憶部1322から電文D3を読み出し、端末識別子を電文D3のヘッダに含ませ(S17)、電文D3を中継部131を介して、通信部12へ送信し(S19)、処理を終える。
【0053】
図5は、第1の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
通信装置2が起動され、通信部23では、中継部232の中継処理部2321が、外部から電文D2を受信したなら(S101:YES)、電文D2から端末識別子(例えば、端末識別子ID1)を取り出し(S103)、記憶部2322から電文D1を読み出すとともに、端末識別子を電文D1のヘッダに含ませ(S105)、電文D1を中継部231を介して、通信部22へ送信する(S107)。
【0055】
次に、中継部231は、通信部22から電文D3を受信したか否かを判定する(S109)。
【0056】
中継部231は、電文D3を受信していないと判定したら(S109:NO)、タイムアウト(ステップS107の時刻から所定の時間が経過した)か否かを判定し(S111)、タイムアウトでないなら、ステップS109へ戻り、タイムアウトなら、ステップS113へ進む。
【0057】
ステップS113では、中継処理部2321は、電文D1の送信回数が予め設定された規定回数より多いか否かを判定し、超えていないなら、ステップS107へ戻る。
【0058】
中継処理部2321は、規定回数より多いなら、返信がないことを示す電文を通信装置2へ通知し(S115)、処理が終了する。
【0059】
中継部231は、電文D3を受信したなら(S109:YES)、電文D3を中継部232へ転送する(S121)。
【0060】
中継部232の中継処理部2321は、電文D3から端末識別子(例えば、端末識別子ID2)を取り出し(S123)、端末識別子をヘッダに含む電文D4を作成し(S125)、電文D4を外部に送出し(S127)、処理が終了する。
【0061】
図6は、第1の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0062】
図6は、通信装置1、2が互いに近づき、通信が開始される様子を示すものである。
【0063】
通信装置1が起動されると、情報処理部11は、ポーリングコマンドを通信部12に送信する(T11)。
【0064】
通信部12は、ポーリングコマンドを含む電文D1を作成し、中継部131を介して、中継部132に送信する(T13、T15)。
【0065】
また、中継部132は、電文D1から端末識別子ID1を取り出し、端末識別子ID1を含む電文D2を作成し、外部に送出する(T17)。
【0066】
通信装置1、2の間の距離が長いと、電文D2は通信装置2に届かず、通信部13は、タイムアウトと電文D2の送信を繰り返す。例えば、通信部12も同様にタイムアウトとなり、電文D1が再び送信される。以降も同様に、通信装置1、2の間の距離が長いと、通信部13は、タイムアウトと電文D2の送信を繰り返す。
【0067】
情報処理部11については、ここでは、タイムアウトとなるような設定がなされていないこととする。よって、情報処理部11は、ポーリングコマンドに対する応答を待機する。
【0068】
通信装置1、2が互いに近づき、通信部23の中継部232は、電文D2を受信したら、電文D2から端末識別子ID1を取り出し、予め記憶した電文D1を読み出し、端末識別子ID1を電文D1のヘッダに含ませ、中継部231を介して、通信部22へ送信する(T21、T23)。
【0069】
通信部22は、電文D1からポーリングコマンドを取り出し、情報処理部21に送信する(T25)。
【0070】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンド(例えば、肯定応答のコマンド)を作成し、通信部22に送信する(T27)。
【0071】
通信部22は、ポーリングコマンドを含む電文D3を作成し、中継部231を介して、中継部232に送信する(T29、T31)。
【0072】
中継部232は、電文D3から端末識別子ID2を取り出し、端末識別子ID2をヘッダに含む電文D4を作成し、外部に送出する(T33)。
【0073】
通信装置1の通信部13では、中継部132が、電文D4を受信したら、電文D4から端末識別子ID2を取り出し、予め記憶した電文D3を読み出し、端末識別子ID2を電文D3のヘッダに含ませ、中継部131を介して、通信部12へ送信する(T35、T37)。
【0074】
通信部12は、電文D3から応答コマンドを取り出し、情報処理部11に送信する(T39)。
【0075】
こうして、第1の実施の形態では、情報処理部11、21間のポーリングが終了し、その期間においては、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングも終了する。
【0076】
なお、情報処理部11は、同様のシーケンスで、通信部12、通信部13、通信部23、通信部22を介して、情報処理部21に対し通信を行う。ここでは、上記のICカードの通信における認証情報や識別情報のやりとりがなされる。
【0077】
したがって、第1の実施の形態によれば、通信装置1において、中継処理部1321は、通信部12から通信方法Mによる電文D1(ポーリング電文)を受信したなら(T13、T15)、電文D1から通信装置1を示す端末識別子ID1を取り出し、通信方法Nによる、端末識別子ID1を含む電文D2(ポーリング電文)を作成し、外部に送出し(T17)、外部から電文D2に対する応答の電文D4を受信したなら(T33)、電文D4から電文D4を送信した通信装置2を示す端末識別子ID2を取り出し、記憶部1322から電文D3(通信方法Mによるポーリング電文D1に対する応答の電文)を読み出し、端末識別子ID2を電文D3に含ませ、電文D3を通信部12へ送信する(T35、T37)。
【0078】
また、第1の実施の形態によれば、通信装置2において、中継処理部2321は、外部から電文D2(通信方法Nによるポーリング電文)を受信したなら(T17)、電文D2から、電文D2を送信した通信装置1を示す端末識別子ID1を取り出し、記憶部2322から電文D1(通信方法Mによるポーリング電文)を読み出し、端末識別子ID1を電文D1に含ませ、電文D1を通信部22へ送信し(T21、T23)、通信部22から電文D1に対する応答の電文D3を受信したなら(T29、T31)、電文D3から通信部23を備える通信装置2を示す端末識別子ID2を取り出し、外部から受信した電文D2に対する、当該端末識別子ID2を含む応答の電文D4を作成し、外部に送出する(T33)ので、変換テーブルによる端末識別子の変換が不要であり、よって、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングを早期に終了させることができる。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に同一または類似の装置および装置構成を用い、同一または類似のものについては第1の実施の形態で使用した符号を使用して重複説明を略し、第1の実施の形態とは異なる事項を中心に説明を行う。
【0080】
図7は、第2の実施の形態における中継部232の構成図である。
【0081】
中継部232は、中継処理部2321と、予め電文D1ならびに端末識別子ID2が記憶された記憶部2322とを備える。
【0082】
図8は、第2の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
通信装置2が起動され、通信部23では、中継部232の中継処理部2321が、外部から電文D2を受信したなら(S101:YES)、記憶部2322から端末識別子ID2を読み出し(S131)、端末識別子ID2をヘッダに含む電文D4を作成し(S133)、電文D4を外部に送出する(S135)。
【0084】
また、第1の実施の形態と同様に、ステップS103〜S121が行われ、中継部232の中継処理部2321は、電文D3を廃棄し(S141)、処理が終了する。
【0085】
図9は、第2の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0086】
まず、第1の実施の形態と同様に、ステップT11〜T17が行われる。
【0087】
通信部23の中継部232は、電文D2を受信したなら、予め記憶した端末識別子ID2を読み出し、端末識別子ID2をヘッダに含む電文D4を作成し、電文D4を外部に送出する(T33)。
【0088】
以降、第1の実施の形態と同様に、ステップT35〜T39が行われ、ポーリングが終了する。
【0089】
また、通信部23の中継部232は、受信した電文D2から端末識別子ID1を取り出し、予め記憶した電文D1を読み出し、端末識別子ID1を電文D1のヘッダに含ませ、中継部231を介して、通信部22へ送信する(T21、T23)。
【0090】
通信部22は、電文D1からポーリングコマンドを取り出し、情報処理部21に送信する(T25)。
【0091】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンドを作成し、通信部22に送信する(T27)。
【0092】
通信部22は、ポーリングコマンドを含む電文D3を作成し、中継部231を介して、中継部232に送信する(T29、T31)。中継部232は、電文D3を廃棄する。
【0093】
したがって、第2の実施の形態によれば、通信装置2において、中継処理部2321は、外部から電文D2(通信方法Nによるポーリング電文)を受信したなら(T17)、記憶部2322から、通信装置2を示す端末識別子ID2を読み出し、電文D2に対する、端末識別子ID2を含む応答の電文D4を作成し、外部に送出する(T33)とともに、電文D2から、電文D2を送信した通信装置1を示す端末識別子ID1を取り出し、記憶部2322から電文D1(通信方法Mによるポーリング電文)を読み出し、端末識別子ID1を電文D1に含ませ、電文D1を通信部22へ送信する(T21、T23)ので、変換テーブルによる端末識別子の変換が不要であり、よって、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングを早期に終了させることができる。
【0094】
なお、各実施の形態において、情報処理部11、21は、通信装置1、2でなく、外部の装置に設けてもよい。
【0095】
また、通信装置1は、通信部12の機能と情報処理部11の機能を備えた通信部ならびに通信部13を備える構成としてもよい。
【0096】
また、通信装置2は、通信部22の機能と情報処理部21の機能を備えた通信部ならびに通信部23を備える構成としてもよい。
【0097】
また、各実施の形態に係る通信装置1や通信装置2の動作方法を装置に実行させるためのコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録でき、また、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【符号の説明】
【0098】
1、2…通信装置
11、21…情報処理部
12、13、22、23…通信部
131、132、231、232…中継部
1321、2321…中継処理部
1322、2322…記憶部
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信装置およびその動作方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年にあっては、非接触ICカードを使った入退室システムや改札システムが増えている。
【0003】
これらのシステムは、ポーリングコマンドを作成する上位装置(例えば入退管理サーバ)と、ポーリングコマンドを所定の通信方法によるポーリング電文へ変換し送出する中継装置(例えばICカードRW)と、任意の通信手段と通信する変換部および入退時に必要な識別情報を管理する識別情報管理部を有するモバイル端末(例えばICカード)とを備える構成になっており、上位装置がポーリングコマンドを中継装置へ送り、中継装置はそれをトリガーにして任意の間隔でポーリング電文を繰り返し送出し、モバイル端末を検知している。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0004】
【非特許文献1】ワイヤレスカードシステムの応用 技術資料 ARIB TR−T10 1.0版、P.13、[online]、社団法人 電波産業会、[平成23年3月8日検索]、インターネット<URL: http://www.arib.or.jp/english/html/overview/doc/3−TR−T10v1_0.pdf>
【非特許文献2】五郎丸秀樹・池田実・細田泰弘「近接通信と連携する利便性の高い非接触ICカードシステムの考察」 『第146回 マルチメディア通信と分散処理・第52回コンピュータセキュリティ合同研究発表会』 2011
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ところで、既存の入退室システムにおいて、非接触ICカードに使用される既存の通信方法(以下、通信方法Mという)だけでなく、PAN(Personal Area Network)や電界通信等の新たな通信方法(以下、通信方法Nという)も使用できるようにし、通信方法Mの通信方法によるポーリング電文は変更せず、システムの変更を最小限にして、通信方法Nを使用できるようにする場合、下記の実現要件に対応することが必要となる。
【0006】
1)通信方法Mのポーリング電文および応答の電文は、中継装置とモバイル端末の間で送受信される必要があり、通信方法Nのポーリング電文および応答の電文も同様である。 2)通信方法Nを用いる通信部に対しては、通信方法Mを用いる通信部から通信方法Mのポーリング電文が送信される。かかるポーリング電文は、通信方法Nを用いる通信部にはデータにしか見えない。そのため、通信方法Nを用いる通信部は、通信方法Mのポーリング電文を含む電文を通信方法Nにより送信し、応答の電文から通信方法Mによるポーリング電文に対する応答の電文を取り出し、通信方法Mを用いる通信部に送信する必要がある。なお、通信方法Mを用いる通信装置から通信方法Nを用する通信装置に対してポーリング電文を送信する場合も同様の処理を要する。
【0007】
1)、2)の要件を満たすためには、既存のシステムと比べ、新たなシステムでの追加処理として、「通信方法Nによるポーリング処理」と「通信方法Nによるデータ(通信方法Mのポーリング電文とその応答電文)伝送処理」と「モバイル端末内での通信方法Mによるポーリング処理」が必要となる。
【0008】
しかし、1)、2)の実現要件に対応して新たな処理が追加されることにより新たな処理時間を要し、通信方法Mでは制限時間内に終わっていたポーリングが、通信方法M、Nを使用することでタイムアウトが発生し、制限時間以内にポーリングを終わらせることができない場合がある。
【0009】
これに対し、非特許文献1では、「通信方法Nによるポーリング処理」を事前に行うこと、あるいは「異なる通信方法のデータ変換処理や並行処理」を実施することで、「通信方法Nによるデータ伝送処理」と「モバイル端末内での通信方法Mによるポーリング処理」を回避したが、新たに通信方式毎の端末識別子を変換テーブルから検索して変換する「変換テーブルによる端末識別子変換処理」が発生する。
【0010】
以下、この「変換テーブルによる端末識別子変換処理」を伴う動作について説明する。
【0011】
図10において、通信装置100の通信部12は、通信方法Mにおける通信装置100の端末識別子M1を含む通信方法Mの電文D01を通信装置100の通信部13Aに送信する(T101)。
【0012】
これにより、通信部13Aは、通信方法Nにおける通信装置100の端末識別子N1を含む通信方法Nの電文D02を通信装置200に送信する(T103)。
【0013】
通信装置200の通信部23Aは、電文D02を受信したら、通信方法Nにおける通信装置200の端末識別子N2を含む通信方法Nの電文D04を通信装置100に送信する(T105)。
【0014】
通信部13Aは、電文D04を受信したら、電文D04から端末識別子N2を取り出し、予め記憶した変換テーブルに基づいて、これを端末識別子M2に変換し(T107)、端末識別子M2を含む通信方法Mの電文D03を通信部12に送信する(T109)。
【0015】
通信部23Aは、電文D02を受信した際には、電文D02から端末識別子N1を取り出し、予め記憶した変換テーブルに基づいて、これを端末識別子M1に変換し(T111)、端末識別子M1を含む通信方法Mの電文D01を通信部22に送信する(T113)。これにより、通信部22は、端末識別子M2を含む通信方法Mの電文D03を通信部23Aに送信する(T115)。
【0016】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させることのできる技術を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0017】
上記の課題を解決するために、第1の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部と、前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0018】
第2の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置であって、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部と、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出する中継処理部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0019】
第3の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置であって、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部と、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出するとともに、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部とを備えることを特徴とする通信装置をもって解決手段とする。
【0020】
第4の本発明は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部の中継処理部が、前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、前記第2の通信部の中継処理部が、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0021】
第5の本発明は、第1の本発明に係る記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、前記第2の通信部の中継処理部が、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【0022】
第6の本発明は、第1の本発明に係る通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、前記第2の通信部は、前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部を備え、前記動作方法は、前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出し、前記第2の通信部の中継処理部が、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信することを特徴とする通信装置の動作方法をもって解決手段とする。
【発明の効果】
【0023】
本発明によれば、2つの通信方法を使用する通信装置におけるポーリングを早期に終了させることのできる技術を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1〜2の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【図2】第1〜2の実施の形態で使用される各電文の構成図である。
【図3】第1の実施の形態における中継部132と中継部232の構成図である。
【図4】第1〜2の実施の形態の通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【図5】第1の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【図6】第1の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図7】第2の実施の形態における中継部232の構成図である。
【図8】第2の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【図9】第2の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【図10】従来の通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0026】
[第1の実施の形態]
図1は、第1〜2の実施の形態に係る通信システムの構成図である。
【0027】
通信装置1は、通信装置2内の情報を用いて情報処理を行う情報処理部11と、情報処理部11と有線で接続された通信部12と、通信方法M(例えば、非接触カードに使用される磁界通信)によって通信部12と通信し、通信装置2とは通信方法N(例えば、電界通信)によって通信する通信部13を備える。
【0028】
例えば、情報処理部21は、ICカードに記憶される識別情報やPIN(パスワード)等の認証情報(鍵等)および識別情報を有し、情報処理部11も、情報処理部21を認証し正しく識別すべく、これらの情報を有している。
【0029】
例えば、この通信システムは、ICカードの通信で用いられ、かかる通信では、情報処理部11からのポーリングコマンドの送信で通信が始まり、情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、応答コマンドを送信する。つまり、この場合、通信システムは、マスタースレーブ構成になっている。このため、情報処理部11は、受信した情報の照合に用いるべく、情報処理部21内の情報を有している。
【0030】
通信部13は、通信装置1に新たに設けられたものであり、通信部13が設けられる前の通信装置1は通信装置2と、つまり、通信部12は、通信方法Mによって、通信装置2と通信していた。
【0031】
しかし、通信部13が設けられてからは、通信装置1は通信装置2と、つまり、通信部13は、新たな通信方法、つまり、通信方法Mとは異なる通信方法Nで、通信装置2と通信する。
【0032】
通信部13は、通信方法Mによって通信部12と通信する中継部131と、中継部131と有線で接続され、通信方法Nで通信装置2と通信する中継部132とを備える。
【0033】
通信装置2は、通信装置1にとって必要な情報を有する情報処理部21と、情報処理部21と有線で接続された通信部22と、通信方法Mによって通信部22と通信し、通信装置1とは通信方法Nによって通信する通信部23を備える。
【0034】
通信部23は、通信装置2に新たに設けられたものであり、通信部23が設けられる前の通信装置2は通信装置1と、つまり、通信部22は、通信方法Mによって、通信装置1と通信していた。
【0035】
しかし、通信部23が設けられてからは、通信装置2は通信装置1と、つまり、通信部23は、通信方法Nで、通信装置2と通信する。
【0036】
通信部23は、通信方法Mによって通信部22と通信する中継部231と、中継部231と有線で接続され、通信方法Nで通信装置1(つまり通信装置1の中継部132)と通信する中継部232とを備える。
【0037】
図2は、第1〜2の実施の形態で使用される各電文の構成図である。
【0038】
図2(a)に示す電文D1は、通信方法Mのポーリング電文であり、通信方法Mのヘッダおよびデータからなる。データには、情報処理部11から送信されるポーリングコマンドが含まれる。ヘッダには、通信装置1を示す端末識別子ID1が含まれる。
【0039】
端末識別子ID1は、通信方法M、Nで共用されるものである。例えば、一方の通信方法による端末識別子を端末識別子ID1とし、これを、以下のように、他方の通信方法でも用いるようにしてもよい。
【0040】
図2(b)に示す電文D2は、通信方法Nのポーリング電文であり、通信方法Nのヘッダおよびデータからなる。データには、電文D2がポーリング電文である旨の情報が含まれる。ヘッダには、通信装置1を示す端末識別子ID1が含まれる。
【0041】
図2(c)に示す電文D3は、電文D1(通信方法Mのポーリング電文)への応答の電文であり、通信方法Mのヘッダおよびデータからなる。データには、情報処理部21から送信される応答コマンドが含まれる。ヘッダには、通信装置2を示す端末識別子ID2が含まれる。
【0042】
端末識別子ID2は、端末識別子ID11と同様に、通信方法M、Nで共用されるものである。例えば、一方の通信方法による端末識別子を端末識別子ID2とし、これを、以下のように、他方の通信方法でも用いるようにしてもよい。
【0043】
図2(d)に示す電文D4は、電文D2(通信方法Nのポーリング電文)への応答の電文であり、通信方法Nのヘッダおよびデータからなる。データには、電文D4がポーリング電文の応答である旨の情報が含まれる。ヘッダには、通信装置2を示す端末識別子ID2が含まれる。
【0044】
図3は、第1の実施の形態における中継部132と中継部232の構成図である。
【0045】
中継部132は、電文D2を外部に送出する中継処理部1321と、予め電文D3が記憶された記憶部1322とを備える。電文D3は、通信方法Mの電文であり、通信方法Nを用いる通信部13は、例えば、電文D2は作成できるが、電文D3は作成できず、よって、予め電文D3を記憶している。
【0046】
中継部232は、電文D4を外部に送出する中継処理部2321と、予め電文D1が記憶された記憶部2322とを備える。電文D1は、通信方法Mの電文であり、通信方法Nを用いる通信部23は、例えば、電文D4は作成できるが、電文D1は作成できず、よって、予め電文D1を記憶している。
【0047】
図4は、第1〜2の実施の形態の通信部13における処理の流れを示すフローチャートである。
【0048】
通信装置1が起動され、通信部13の中継部131が、通信部12から電文D1を受信した(S1:YES)なら、電文D1を中継部132へ転送する(S3)。
【0049】
中継部132の中継処理部1321は、電文D1から端末識別子ID1を取り出す(S5)。
【0050】
次に、中継処理部1321は、端末識別子ID1をヘッダに含む電文D2を作成し(S7)、電文D2を外部に送出する(S9)。
【0051】
次に、中継処理部1321は、外部から電文D4を受信したか否かを判定する(S11)。中継処理部1321は、電文D4を受信していないなら(S11:NO)、タイムアウト(ステップS9の時刻から所定の時間が経過した)か否かを判定し(S13)、タイムアウトでないなら、ステップS11へ戻り、タイムアウトなら、ステップS9へ戻る。
【0052】
中継処理部1321は、外部から電文D4を受信したなら(S11:YES)、電文D4から端末識別子(例えば、端末識別子ID2)を取り出し(S15)、記憶部1322から電文D3を読み出し、端末識別子を電文D3のヘッダに含ませ(S17)、電文D3を中継部131を介して、通信部12へ送信し(S19)、処理を終える。
【0053】
図5は、第1の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【0054】
通信装置2が起動され、通信部23では、中継部232の中継処理部2321が、外部から電文D2を受信したなら(S101:YES)、電文D2から端末識別子(例えば、端末識別子ID1)を取り出し(S103)、記憶部2322から電文D1を読み出すとともに、端末識別子を電文D1のヘッダに含ませ(S105)、電文D1を中継部231を介して、通信部22へ送信する(S107)。
【0055】
次に、中継部231は、通信部22から電文D3を受信したか否かを判定する(S109)。
【0056】
中継部231は、電文D3を受信していないと判定したら(S109:NO)、タイムアウト(ステップS107の時刻から所定の時間が経過した)か否かを判定し(S111)、タイムアウトでないなら、ステップS109へ戻り、タイムアウトなら、ステップS113へ進む。
【0057】
ステップS113では、中継処理部2321は、電文D1の送信回数が予め設定された規定回数より多いか否かを判定し、超えていないなら、ステップS107へ戻る。
【0058】
中継処理部2321は、規定回数より多いなら、返信がないことを示す電文を通信装置2へ通知し(S115)、処理が終了する。
【0059】
中継部231は、電文D3を受信したなら(S109:YES)、電文D3を中継部232へ転送する(S121)。
【0060】
中継部232の中継処理部2321は、電文D3から端末識別子(例えば、端末識別子ID2)を取り出し(S123)、端末識別子をヘッダに含む電文D4を作成し(S125)、電文D4を外部に送出し(S127)、処理が終了する。
【0061】
図6は、第1の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0062】
図6は、通信装置1、2が互いに近づき、通信が開始される様子を示すものである。
【0063】
通信装置1が起動されると、情報処理部11は、ポーリングコマンドを通信部12に送信する(T11)。
【0064】
通信部12は、ポーリングコマンドを含む電文D1を作成し、中継部131を介して、中継部132に送信する(T13、T15)。
【0065】
また、中継部132は、電文D1から端末識別子ID1を取り出し、端末識別子ID1を含む電文D2を作成し、外部に送出する(T17)。
【0066】
通信装置1、2の間の距離が長いと、電文D2は通信装置2に届かず、通信部13は、タイムアウトと電文D2の送信を繰り返す。例えば、通信部12も同様にタイムアウトとなり、電文D1が再び送信される。以降も同様に、通信装置1、2の間の距離が長いと、通信部13は、タイムアウトと電文D2の送信を繰り返す。
【0067】
情報処理部11については、ここでは、タイムアウトとなるような設定がなされていないこととする。よって、情報処理部11は、ポーリングコマンドに対する応答を待機する。
【0068】
通信装置1、2が互いに近づき、通信部23の中継部232は、電文D2を受信したら、電文D2から端末識別子ID1を取り出し、予め記憶した電文D1を読み出し、端末識別子ID1を電文D1のヘッダに含ませ、中継部231を介して、通信部22へ送信する(T21、T23)。
【0069】
通信部22は、電文D1からポーリングコマンドを取り出し、情報処理部21に送信する(T25)。
【0070】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンド(例えば、肯定応答のコマンド)を作成し、通信部22に送信する(T27)。
【0071】
通信部22は、ポーリングコマンドを含む電文D3を作成し、中継部231を介して、中継部232に送信する(T29、T31)。
【0072】
中継部232は、電文D3から端末識別子ID2を取り出し、端末識別子ID2をヘッダに含む電文D4を作成し、外部に送出する(T33)。
【0073】
通信装置1の通信部13では、中継部132が、電文D4を受信したら、電文D4から端末識別子ID2を取り出し、予め記憶した電文D3を読み出し、端末識別子ID2を電文D3のヘッダに含ませ、中継部131を介して、通信部12へ送信する(T35、T37)。
【0074】
通信部12は、電文D3から応答コマンドを取り出し、情報処理部11に送信する(T39)。
【0075】
こうして、第1の実施の形態では、情報処理部11、21間のポーリングが終了し、その期間においては、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングも終了する。
【0076】
なお、情報処理部11は、同様のシーケンスで、通信部12、通信部13、通信部23、通信部22を介して、情報処理部21に対し通信を行う。ここでは、上記のICカードの通信における認証情報や識別情報のやりとりがなされる。
【0077】
したがって、第1の実施の形態によれば、通信装置1において、中継処理部1321は、通信部12から通信方法Mによる電文D1(ポーリング電文)を受信したなら(T13、T15)、電文D1から通信装置1を示す端末識別子ID1を取り出し、通信方法Nによる、端末識別子ID1を含む電文D2(ポーリング電文)を作成し、外部に送出し(T17)、外部から電文D2に対する応答の電文D4を受信したなら(T33)、電文D4から電文D4を送信した通信装置2を示す端末識別子ID2を取り出し、記憶部1322から電文D3(通信方法Mによるポーリング電文D1に対する応答の電文)を読み出し、端末識別子ID2を電文D3に含ませ、電文D3を通信部12へ送信する(T35、T37)。
【0078】
また、第1の実施の形態によれば、通信装置2において、中継処理部2321は、外部から電文D2(通信方法Nによるポーリング電文)を受信したなら(T17)、電文D2から、電文D2を送信した通信装置1を示す端末識別子ID1を取り出し、記憶部2322から電文D1(通信方法Mによるポーリング電文)を読み出し、端末識別子ID1を電文D1に含ませ、電文D1を通信部22へ送信し(T21、T23)、通信部22から電文D1に対する応答の電文D3を受信したなら(T29、T31)、電文D3から通信部23を備える通信装置2を示す端末識別子ID2を取り出し、外部から受信した電文D2に対する、当該端末識別子ID2を含む応答の電文D4を作成し、外部に送出する(T33)ので、変換テーブルによる端末識別子の変換が不要であり、よって、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングを早期に終了させることができる。
【0079】
[第2の実施の形態]
次に、本発明の第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態では、第1の実施の形態に同一または類似の装置および装置構成を用い、同一または類似のものについては第1の実施の形態で使用した符号を使用して重複説明を略し、第1の実施の形態とは異なる事項を中心に説明を行う。
【0080】
図7は、第2の実施の形態における中継部232の構成図である。
【0081】
中継部232は、中継処理部2321と、予め電文D1ならびに端末識別子ID2が記憶された記憶部2322とを備える。
【0082】
図8は、第2の実施の形態の通信部23における処理の流れを示すフローチャートである。
【0083】
通信装置2が起動され、通信部23では、中継部232の中継処理部2321が、外部から電文D2を受信したなら(S101:YES)、記憶部2322から端末識別子ID2を読み出し(S131)、端末識別子ID2をヘッダに含む電文D4を作成し(S133)、電文D4を外部に送出する(S135)。
【0084】
また、第1の実施の形態と同様に、ステップS103〜S121が行われ、中継部232の中継処理部2321は、電文D3を廃棄し(S141)、処理が終了する。
【0085】
図9は、第2の実施の形態における通信システムの動作の一例を示すシーケンス図である。
【0086】
まず、第1の実施の形態と同様に、ステップT11〜T17が行われる。
【0087】
通信部23の中継部232は、電文D2を受信したなら、予め記憶した端末識別子ID2を読み出し、端末識別子ID2をヘッダに含む電文D4を作成し、電文D4を外部に送出する(T33)。
【0088】
以降、第1の実施の形態と同様に、ステップT35〜T39が行われ、ポーリングが終了する。
【0089】
また、通信部23の中継部232は、受信した電文D2から端末識別子ID1を取り出し、予め記憶した電文D1を読み出し、端末識別子ID1を電文D1のヘッダに含ませ、中継部231を介して、通信部22へ送信する(T21、T23)。
【0090】
通信部22は、電文D1からポーリングコマンドを取り出し、情報処理部21に送信する(T25)。
【0091】
情報処理部21は、ポーリングコマンドを受信し、ポーリングコマンドに対する応答コマンドを作成し、通信部22に送信する(T27)。
【0092】
通信部22は、ポーリングコマンドを含む電文D3を作成し、中継部231を介して、中継部232に送信する(T29、T31)。中継部232は、電文D3を廃棄する。
【0093】
したがって、第2の実施の形態によれば、通信装置2において、中継処理部2321は、外部から電文D2(通信方法Nによるポーリング電文)を受信したなら(T17)、記憶部2322から、通信装置2を示す端末識別子ID2を読み出し、電文D2に対する、端末識別子ID2を含む応答の電文D4を作成し、外部に送出する(T33)とともに、電文D2から、電文D2を送信した通信装置1を示す端末識別子ID1を取り出し、記憶部2322から電文D1(通信方法Mによるポーリング電文)を読み出し、端末識別子ID1を電文D1に含ませ、電文D1を通信部22へ送信する(T21、T23)ので、変換テーブルによる端末識別子の変換が不要であり、よって、通信部12、22間のポーリング、および、通信部13、23間のポーリングを早期に終了させることができる。
【0094】
なお、各実施の形態において、情報処理部11、21は、通信装置1、2でなく、外部の装置に設けてもよい。
【0095】
また、通信装置1は、通信部12の機能と情報処理部11の機能を備えた通信部ならびに通信部13を備える構成としてもよい。
【0096】
また、通信装置2は、通信部22の機能と情報処理部21の機能を備えた通信部ならびに通信部23を備える構成としてもよい。
【0097】
また、各実施の形態に係る通信装置1や通信装置2の動作方法を装置に実行させるためのコンピュータを機能させるためのコンピュータプログラムは、半導体メモリ、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、磁気テープなどのコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録でき、また、インターネットなどの通信網を介して伝送させて、広く流通させることができる。
【符号の説明】
【0098】
1、2…通信装置
11、21…情報処理部
12、13、22、23…通信部
131、132、231、232…中継部
1321、2321…中継処理部
1322、2322…記憶部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部と、
前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置であって、
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部と、
外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出する中継処理部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置であって、
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部と、
外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出するとともに、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部の中継処理部が、前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、
前記第2の通信部の中継処理部が、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項5】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、
当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、
前記第2の通信部の中継処理部が、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項6】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、
当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出し、
前記第2の通信部の中継処理部が、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項1】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部と、
前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置であって、
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部と、
外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出する中継処理部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項3】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置であって、
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部と、
外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出するとともに、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する中継処理部と
を備えることを特徴とする通信装置。
【請求項4】
第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備える通信装置の動作方法であって、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文に対する応答の電文が予め記憶された記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部の中継処理部が、前記第1の通信部から前記第1の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記第2の通信方法による、当該端末識別子を含むポーリング電文を作成し、外部に送出し、
前記第2の通信部の中継処理部が、外部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部から電文を読み出し、当該端末識別子を当該電文に含ませ、当該電文を前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項5】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、
当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文が予め記憶された記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信し、
前記第2の通信部の中継処理部が、当該第1の通信部から当該ポーリング電文に対する応答の電文を受信したなら、当該電文から当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子を取り出し、当該外部から受信したポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【請求項6】
請求項1記載の通信装置とともに使用される通信装置の動作方法であって、
当該通信装置は、第1の通信方法で通信する第1の通信部と第2の通信方法で通信する第2の通信部とを備え、
前記第2の通信部は、
前記第1の通信方法によるポーリング電文ならびに当該第2の通信部を備える通信装置を示す端末識別子が予め記憶された記憶部を備え、
前記動作方法は、
前記第2の通信部の中継処理部が、外部から前記第2の通信方法によるポーリング電文を受信したなら、前記記憶部から端末識別子を読み出し、当該ポーリング電文に対する、当該端末識別子を含む応答の電文を作成し、外部に送出し、
前記第2の通信部の中継処理部が、当該ポーリング電文から当該ポーリング電文を送信した通信装置を示す端末識別子を取り出し、前記記憶部からポーリング電文を読み出し、当該端末識別子を当該ポーリング電文に含ませ、当該ポーリング電文を前記第1の通信部へ送信する
ことを特徴とする通信装置の動作方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【公開番号】特開2012−222788(P2012−222788A)
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−90156(P2011−90156)
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人情報処理学会主催、2011.3.10〜3.11 第146回マルチメディア通信と分散処理・第52回コンピュータセキュリティ合同研究発表会 「近距離通信技術を利用した利便性の高い非接触ICカードシステムの考察」(情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)Vol.2011−DPS−146 No.18 1〜6頁 2011年3月3日発行」に発表
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年11月12日(2012.11.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 社団法人情報処理学会主催、2011.3.10〜3.11 第146回マルチメディア通信と分散処理・第52回コンピュータセキュリティ合同研究発表会 「近距離通信技術を利用した利便性の高い非接触ICカードシステムの考察」(情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS)Vol.2011−DPS−146 No.18 1〜6頁 2011年3月3日発行」に発表
【出願人】(000004226)日本電信電話株式会社 (13,992)
【Fターム(参考)】
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