説明

通信装置および受信方法、並びにプログラム

【課題】回路規模をより小さくして、消費電力をより少なくする。
【解決手段】パラメータ計算部62は、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)がマッピングされているRB(Resource Block)の特定に関するパラメータを計算する。カウンタ63およびインターリーバ64は、計算されたパラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB(Virtual Resource Block)番号をPRB(Physical Resource Block)番号に変換する。本発明は3GPP(3rd Generation Partnership Project)に準拠した通信装置に適用できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は通信装置および受信方法、並びにプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、無線通信分野ではさらなる通信速度向上のため、多アンテナを利用したMIMO(Multi Input Multi Output)技術やデジタル変調方式として直交周波数分割多重方式(Orthogonal Frequency Division Multiplexing(OFDM))が開発され、その使用が始まっている。
【0003】
MIMO技術とは、例えば複数のデータを複数のアンテナから同時に送信することで空間多重し、受信側では受信データからもとの複数のデータを取り出す技術である。同時刻に送信するデータ量を増やせるため、通信速度が向上する。また、OFDMはデータを多数のサブキャリアと呼ばれる搬送波で並列に伝送するマルチキャリア伝送技術であり、周波数利用効率が高く、シンボル間干渉低減等の特徴を持ち、伝送効率の良い方式であることが知られている。移動体通信においても現在3GPP(3rd Generation Partnership Project)において、Long Term Evolution(LTE)として新しい通信方式での標準化が進められており、このLTEでもOFDM通信方式が採用されている(例えば、非特許文献1および非特許文献2参照)。
【0004】
OFDMでは周波数スケジューリングを行うことで、どのサブキャリアにユーザデータを割り当てるか指定が可能である。これはリソース割当(Resource Allocation)と称される。3GPPで定義されている物理的下り共有チャネル(Physical Downlink Shared CHannel(PDSCH))は12サブキャリアを1単位としたリソースブロック(Resource Block(RB))で割り当てられる。リソース割当の結果は下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))を用いて移動局へ伝えられる。
【0005】
3GPPでは3種類のリソース割当指定方法を用意しており、それぞれType0、Type1、Type2と称される。Type0においては複数のRBを1つのグループとしたリソースブロックグループ(Resource Block Group(RBG))単位で割当が指定される。Type1においてはRBGサブセットと呼ばれる複数のRBGから成るサブセットが指定され、さらにサブセット内のどのRBにPDSCHを割り当てるかが指定される。Type2においては割当開始のRB番号と割当数が含まれたリソース指示値(Resource Indication Value(RIV))で割当が指定される。RIVと割当開始のRBであるRBstart及び割当数LCRBsの関係は式(1)で表わされる。
【数1】

・・・(1)
ここでLCRBsは1以上であり、かつLCRBsとRBstartの和は擬似リソースブロック(Virtual Resource Block(VRB))サイズを超えない。
【0006】
VRBは伝搬路に伝送される物理リソースブロック(Physical Resource Block(PRB))の元になるRBである。PDSCHはVRBにマッピングされた後、PRBにマッピングされる。VRBにはLocalized VRB(LVRB)とDistributed VRB(DVRB)があり、DCIによりどちらが使用されているかが受信側に通知される。LVRBはそのままPRBにマッピングされるが、DVRBはマッピングされるPRBが拡散するような仕様になっている。拡散アルゴリズムの詳細は次の通りである。
【0007】
システム帯域幅からパラメータNGAPが次の表1のように決定される。
【表1】

【0008】
システム帯域幅が49RB以下の場合、NGAPは1st GAP(NGAP,1)しか選択されない。50RB以上の場合はDCIにより1st GAP(NGAP,1)か2nd GAP(NGAP,2)が選択される。VRBの最大数は1st GAPの場合式(2)により、2nd GAPの場合式(3)により求められる。
【数2】

・・・(2)
【数3】

・・・(3)
【0009】
1つのVRB番号インターリーバで用いられる連続VRB番号は1st GAPの場合式(4)により、2nd GAPの場合式(5)によりに求められる。
【数4】

・・・(4)
【数5】

・・・(5)
【0010】
式(2)から式(5)より、インターリーバ数は式(6)のように求められる。
【数6】

・・・(6)
【0011】
それぞれのインターリーバで使用されるインターリーブ行列の列数は4固定であり、行数は式(7)のように求められる。
【数7】

・・・(7)
PはRBGサイズであり、次の表2のように定義されている。
【表2】

【0012】
VRB番号はインターリーブ行列の行方向に書かれ、列方向に読み出される。NNULLは2番目と4番目の列の最後のNNULL/2行目に挿入される。NNULLは式(8)のように求められる。
【数8】

・・・(8)
NULLは読み出す際に無視される。
【0013】
インターリーブの結果はスロット番号nが偶数の場合式(9)のように求められる。
【数9】

・・・(9)
ここでnVRBはVRB番号である。スロット番号nが奇数の場合式(10)のように求められる。
【数10】

・・・(10)
【0014】
最終的にVRB番号に対応するPRB番号nPRBは式(11)のように求められる。
【数11】

・・・(11)
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0015】
【非特許文献1】3GPP TS36.211
【非特許文献2】3GPP TS36.213
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0016】
しかしながら、従来は、3GPPで定義されたリソースブロック割当計算式を解くことで割当位置を特定していた為、回路規模が大きくなる問題があった。
【0017】
すなわち、上記のようにDVRBが選択された場合にはPRBを求めるのに様々な演算を行う必要がある。特に乗算、除算、剰余算は回路規模が大きくなり、演算を行う際の消費電力も増えるため、携帯電話機のような移動局にはこのような演算は不向きである。
【0018】
そこで、本発明は、上記課題を解決すること、すなわち、式(9)から式(11)にかけて、乗算、除算、剰余算を使用せずにVRB番号に対応するPRB番号を検出するようにして、回路規模をより小さくして、消費電力をより少なくできる通信装置および受信方法、並びにプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記課題を解決するために、本発明の通信装置の一側面は、3GPP(3rd Generation Partnership Project)に準拠して、リソース割当を行う通信装置であって、PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)がマッピングされているRB(Resource Block)の特定に関するパラメータを計算する計算手段と、計算された上記パラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB(Virtual Resource Block)番号をPRB(Physical Resource Block)番号に変換する変換手段とを有するものとされている。
【0020】
また、本発明の通信装置の一側面は、上述の構成に加えて、前記計算手段が、RB(Resource Block)ギャップ値、VRB数、連続VRB番号、インターリーバ数、およびインターリーブ行列の行数を計算し、前記変換手段が、RBギャップ値、VRB数、連続VRB番号、インターリーバ数、およびインターリーブ行列の行数に、加減算、シフト、および比較の演算のみを適用することにより、VRB番号をPRB番号に変換するものとされている。
【0021】
また、本発明の通信方法の一側面は、3GPPに準拠して、リソース割当を行う通信装置の通信方法であって、PDSCHがマッピングされているRBの特定に関するパラメータを計算する計算ステップと、計算された上記パラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB番号をPRB番号に変換する変換ステップとを含むものとされている。
【0022】
さらに、本発明のプログラムの一側面は、3GPPに準拠して、リソース割当を行う通信装置を制御するコンピュータに、PDSCHがマッピングされているRBの特定に関するパラメータを計算する計算ステップと、計算された上記パラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB番号をPRB番号に変換する変換ステップとを含む処理を行わせるものとされている。
【発明の効果】
【0023】
本発明の一側面によれば、回路規模をより小さくして、消費電力をより少なくできる通信装置および受信方法、並びにプログラムを提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】本発明の一実施の形態の通信システムの例の全体構成図である。
【図2】復調部22の構成の例を示す図である。
【図3】VRB番号の例を示す図である。
【図4】PRB番号の例を示す図である。
【図5】VRBからPRBへの変換の処理を説明するフローチャートである。
【図6】VRBからPRBへの変換の処理を説明するフローチャートである。
【図7】コンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明の一実施の形態の通信装置について、図1〜図6を参照しながら説明する。
【0026】
図1は、本発明の一実施の形態の通信システムの例の全体構成図である。図1に示すように、送信側は、例えば、基地局10であり、基地局10は、符号化部11、変調部12、D/A(Digital Analog)変換部13、及び複数のアンテナ14を有する。受信側は、例えば、移動局20であり、移動局20は、複数のアンテナ24、A/D(Analog Digital)変換部21、復調部22、および復号部23を有する。
【0027】
基地局10では、例えば、まず基地局10のCPU(central processing unit)(図示せず)が、送信したいデータを情報ビットとして符号化部11に入力する。符号化部11は、入力された情報ビットに対しCRC(cyclic redundancy check)を付加し、ターボ符号化を施す。変調部12は、入力された符号データを変調し、変調後のデータである複数の変調データをD/A変換部13に出力する。D/A変換部13は、変調部12から出力された変調データをデジタル信号からアナログ信号に変換する。そしてアナログ信号に変換された変調データは、複数のアンテナ14を介して送信される。
【0028】
移動局20は、複数のアンテナ24を介して送信側10のアンテナ14から送信された変調データを受信する。ただし、アンテナ24が受信した変調データは、アンテナ14から出力された後、空間を伝播する際のノイズなどの影響を受ける。アンテナ24が受信した変調データはA/D変換部21に入力される。A/D変換部21は、入力された変調データをアナログ信号からデジタル信号に変換する。A/D変換部21は、変換後のデジタル信号を復調部22に出力する。そして、復調部22は、A/D変換部21から出力されたデジタル信号を復調する。復調部22は、復調して得た復調データを復号部23に出力する。復号部23は、入力された復調データに対して誤り訂正復号の処理を行う。その結果得られる復号データを使用して後段のCPUなどの処理回路が所定の処理を実施する。以下、送信側の基地局から送信される変調データを送信データ、受信側の移動局20のA/D変換部21から出力されるデジタル信号を受信データと称する。
【0029】
移動局20の復調部22は、難解な演算処理を行うことなく、拡散型擬似リソースブロック(Distributed Virtual Resource Block(DVRB))で割り当てられた物理的下り共有チャネル(Physical Downlink Shared CHannel(PDSCH))の物理的リソースブロック(Physical Resource Block(PRB))を特定する。
【0030】
復調部22は、必要最低限の加減算、シフト演算、比較を組み合わせることでリソースブロック割当計算式と同等の結果を得る。
【0031】
復調部22の構成の例を図2に示す。復調部22は、復調制御部40、マップ位置検出部41、データ入出力部42、伝搬路推定部43、プリコード部44、尤度計算部45から構成される。
【0032】
まず、復調制御部40は、復調したいチャネルの情報を各ブロックへ送信する。ただし、復調制御部40への設定は予め外部から行っておく。マップ位置検出部41は、制御情報からチャネルが乗っているサブキャリアを特定する。マップ位置検出部41は、特定した情報をデータ入出力部42に送り、必要な受信データを外部(例えば、図示せぬメモリ)から受け取る。伝搬路推定部43は、受け取った受信データ内にある参照信号から伝搬路を推定する。受信チャネルにプリコーディングが施されている場合、プリコード部44は、伝搬路推定値に対しプリコーディングを行う。尤度計算部45は、受信データの軟判定復調を行う。復調された結果はデータ入出力部42を通じて外部へ報告される。
【0033】
マップ位置検出部41は、大きく分けて、受信した下り制御情報(Downlink Control Information(DCI))からPDSCHがマッピングされているRBを特定する機能と、特定したRBの情報(以下、マップ位置情報と称する)を必要に応じてデータ入出力部42に展開する機能とを有している。マップ位置検出部41は、下り制御情報からPDSCHがマッピングされているRBを特定する機能に特徴を有する。
【0034】
マップ位置検出部41は、マップ位置検出制御部61、パラメータ計算部62、カウンタ63、インターリーバ64、マップ位置特定部65、およびマップ位置情報供給部66を有している。マップ位置検出制御部61は、マップ位置検出部41全体を制御する。
【0035】
パラメータ計算部62は、PDSCHがマッピングされているRBの特定に関するパラメータを計算する。カウンタ63は、VRB番号やPRB番号などをカウントする。インターリーバ64は、インターリーブ処理を行う。マップ位置特定部65は、PDSCHがマッピングされているRBを特定する。マップ位置情報供給部66は、PDSCHがマッピングされているRBを示すマップ位置情報をデータ入出力部42に供給する。
【0036】
ここで、PDSCHがマッピングされているRBの特定について、具体例を挙げて説明する。今、与えられるシステム帯域幅が15RB(3MHz)で最初のスロットとすると、RBギャップ値は表1から8と求めることが出来る。DVRBのVRB数は式(2)より14となる。連続VRB番号は式(4)より14となる。インターリーバ数は式(6)より1となり、インターリーブ行列の行数は式(7)より、4となる。
【0037】
VRB番号は図3に示されるように行方向に描かれる。NNULLは式(8)より2である。VRBからPRBへの変換は、図5および図6を参照して説明する処理によって行われる。その、結果、図4に示されるように、PRBが得られる。なお、図4の「GAP」は、PDSCHがマッピングされないRBである。
【0038】
次に、図5および図6のフローチャートを参照して、VRBからPRBへの変換の処理を説明する。ステップS101において、まず、外部より制御情報が報告される。すなわち、ステップS101において、マップ位置検出部41のマップ位置検出制御部61は、システム帯域幅、NGAP,type、Nslot、およびリソース指示値RIVを設定する。ステップS102において、その情報を元に式(1)から式(8)までの計算が行われる。言い換えれば、ステップS102において、パラメータ計算部62は、式(1)〜式(8)に示される演算により、パラメータNGAP、VRBの最大数、連続VRB番号、インターリーバ数、インターリーブ行列の行数、Nnull、RBstart、および割当数を算出する。
【0039】
ステップS103において、RBstartとLCBRsからPDSCHがマッピングされているVRB番号の特定が行われ、PDSCHマッピング情報がマーキングされる。すなわち、ステップS103において、マップ位置特定部65は、PDSCHがマッピングされているVRBを特定する。
【0040】
ステップS104およびステップS105において、カウンタ63の初期化が行われる。すなわち、ステップS104において、カウンタ63は、変数jを0とし、変数INTCNTを0とする。また、ステップS105において、カウンタ63は、変数ROWCNTを0とし、変数TILDECNTを0とする。また、ステップS105において、カウンタ63は、Nslotと1との論理積を演算して、演算結果を1ビット左にシフトし、その結果得られた値を変数CLMNCNTに代入する。さらに、ステップS105において、カウンタ63は、Nnullを1ビット右にシフトして得られた値をインターリーブ行列の行数から減算し、その結果得られた値を変数NULLPNTに代入する。
【0041】
ステップS106において、初期VRB番号が設定される。すなわち、インターリーバ64は、VRB番号を示す変数iに変数CLMNCNTを代入する。ステップS107およびステップS108において、インターリーブカウントが0でなければ初期VRB番号にインターリーブ回数に応じてオフセットが掛けられる。言い換えれば、ステップS107において、インターリーバ64は、変数INTCNTが0より大きいか否かを判定し、ステップS107において、変数INTCNTが0より大きいと判定された場合、手続きはステップS108に進み、インターリーバ64は、変数INTCNTから1を減算して得られた値で示されるビット数だけ連続VRB番号を左にシフトし、その結果得られた値を変数iに加算する。ステップS108の後、手続きはステップS109に進む。一方、ステップS107において、変数INTCNTが0より大きくないと判定された場合、ステップS108の手続きはスキップされて、手続きはステップS109に進む。
【0042】
ステップS109において、VRB番号のPDSCHマッピング情報がPRB番号へコピーされ、その後、PRB番号が1つ増やされる。すなわち、ステップS109において、インターリーバ64は、VRB(i)をPRB(j)に代入し、その後jを1だけインクリメントする。ここで、j++は、jを1だけインクリメントする演算を示す。
【0043】
ステップS110において、必要なコピー回数の半分が経過したかが判定される。言い換えれば、ステップS110において、インターリーバ64は、変数TILDECNTと、連続VRB番号を右に1ビットシフトした値から1を減算して得られた結果とが等しいか否かを判定する。
【0044】
ステップS111において、GAPを挿入する為のカウンタ63が初期化される。すなわち、ステップS110において、変数TILDECNTと、連続VRB番号を右に1ビットシフトした値から1を減算して得られた結果とが等しいと判定された場合、手続きはステップS111に進み、カウンタ63は、変数GAPCNTを0とし、変数ROWCNTを0とする。さらに、ステップS111において、カウンタ63は、変数CLMNCNTに1を加算した値と3の論理積を計算して、その結果を変数CLMNCNTに代入する。さらにまた、ステップS111において、カウンタ63は、変数TILDECNTを1だけインクリメントする。ステップS111の後、手続きはステップS112に進む。
【0045】
ステップS112において、GAPが必要数挿入されているかが判定される。ステップS113において、PRBにGAPが挿入される。なお、GAPにはPDSCHがマッピングされていない。その後、PRB番号が1つ増やされる。
【0046】
すなわち、ステップS112において、インターリーバ64は、変数GAPCNTと、連続VRB番号を右に1ビットシフトした値をNGAPから減算して得られた値とが等しいか否かを判定する。ステップS112において、変数GAPCNTと、連続VRB番号を右に1ビットシフトした値をNGAPから減算して得られた値とが等しくないと判定された場合、手続きは、ステップS113に進み、インターリーバ64は、変数GAPをPRB(j)に代入する。また、ステップS113において、インターリーバ64は、変数GAPCNTを1だけインクリメントする。ステップS113の後、手続きステップS112に戻る。ステップS112において、変数GAPCNTと、連続VRB番号を右に1ビットシフトした値をNGAPから減算して得られた値とが等しいと判定された場合、手続きはステップS106に進む。
【0047】
ステップS110において、変数TILDECNTと、連続VRB番号を右に1ビットシフトした値から1を減算して得られた結果とが等しくないと判定された場合、手続きはステップS114に進む。
【0048】
ステップS114において、必要なコピー回数を実行したかが判定される。必要回数に満たしていない場合はインターリーブ処理の続きが行われる。すなわち、ステップS114において、インターリーバ64は、変数TILDECNTと、連続VRB番号から1を減算して得られた結果とが小さいか否かを判定する。
【0049】
ステップS114において、変数TILDECNTが、連続VRB番号から1を減算して得られた結果より小さいと判定された場合、手続きはステップS115に進む。
【0050】
ステップS115およびステップS116において、行数カウントが変数NULLPNTより大きい場合はVRB番号に2が加えられる。言い換えれば、ステップS115において、インターリーバ64は、変数ROWCNTが変数NULLPNTより大きいか否かを判定し、ステップS115において、変数ROWCNTが変数NULLPNTより大きいと判定された場合、手続きはステップS116に進み、インターリーバ64は、変数iに2を加算して、手続きはステップS120に進む。
【0051】
ステップS115において、変数ROWCNTが変数NULLPNTより大きくないと判定された場合、手続きはステップS117に進む。
【0052】
ステップS117およびステップS118において、列数カウントが2で行数カウントが変数NULLPNTと等しい場合はVRB番号に3が加えられる。そうでない場合はVRB番号に4が加えられる。すなわち、ステップS117において、インターリーバ64は、変数CLMNCNTが2に等しく、かつ、変数ROWCNTと変数NULLPNTとが等しいか否かを判定し、ステップS117において、変数CLMNCNTが2に等しく、かつ、変数ROWCNTと変数NULLPNTとが等しいと判定された場合、手続きはステップS118に進み、インターリーバ64は、変数iに3を加算して、手続きはステップS120に進む。
【0053】
ステップS117において、変数CLMNCNTが2に等しくないか、または、変数ROWCNTと変数NULLPNTとが等しくないと判定された場合、手続きはステップS119に進む。ステップS119において、インターリーバ64は、変数iに4を加算して、手続きはステップS120に進む。
【0054】
ステップS120およびステップS121において、行数カウントが規定回数に達していない場合は行数カウントが1増加させられる。ステップS122において、規定回数に達している場合は行数カウントが初期化され、列数カウントが1つ増やされる。
【0055】
すなわち、ステップS120において、インターリーバ64は、変数ROWCNTが、インターリーブ行列の行数から1を減算した値よりも小さいか否かを判定し、ステップS120において、変数ROWCNTが、インターリーブ行列の行数から1を減算した値よりも小さいと判定された場合、手続きはステップS121に進み、カウンタ63は、変数TILDECNTを1だけインクリメントして、変数ROWCNTを1だけインクリメントし、手続きはステップS109に進む。
【0056】
ステップS120において、変数ROWCNTが、インターリーブ行列の行数から1を減算した値よりも小さくないと判定された場合、手続きはステップS122に進む。
【0057】
ステップS122において、カウンタ63は、変数TILDECNTを1だけインクリメントして、変数ROWCNTを0とし、変数CLMNCNTに1を加算した値と3の論理積を計算して、その結果を変数CLMNCNTに代入する。ステップS122の後、手続きはステップS106に進む。
【0058】
ステップS114において、変数TILDECNTが、連続VRB番号から1を減算して得られた結果より小さくないと判定された場合、手続きはステップS123に進む。
【0059】
ステップS123において、インターリーブ回数が規定回行われたかが判定され、行われていない場合はステップS124において、インターリーブカウントに1を加えてインターリーブが再開される。すなわち、ステップS123において、インターリーバ64は、変数INTCNTがインターリーバ数から1を減算した値より小さいか否かを判定し、ステップS123において、変数INTCNTがインターリーバ数から1を減算した値より小さいと判定された場合、手続きはステップS124に進み、カウンタ63は、変数INTCNTを1だけインクリメントする。ステップS124の後、手続きはステップS105に進む。
【0060】
ステップS123において、変数INTCNTがインターリーバ数から1を減算した値より小さくないと判定された場合、手続きはステップS125に進む。
【0061】
ステップS125およびステップS126において、全てのPRB番号に情報が挿入されたか確認し、不足している場合はGAPが挿入される。全てのPRB番号に情報が挿入されたら処理は終了する。より詳細には、ステップS125において、インターリーバ64は、変数jがシステム帯域幅より小さいか否かを判定し、ステップS125において、変数jがシステム帯域幅より小さいと判定された場合、手続きはステップS126に進み、インターリーバ64は、GAPをPRB(j)に代入して、手続きはステップS125に戻る。ステップS125において、変数jがシステム帯域幅より小さくないと判定された場合、VRBからPRBへの変換の処理は終了する。
【0062】
このように、式(9)から式(11)の演算において、加減算、シフト、および比較のみにより、乗算、除算、剰余算を行うこと無く同等の結果を得ることが可能となる。乗算器、除算器、剰余算器を用意する必要が無いため回路規模の削減を行うことが出来る。
【0063】
図5および図6のフローチャートを参照して、受信側の処理について説明したが、送信側でVRBをPRBにマッピングする際の計算に上述の処理を適用するようにしてもよい。送信側でVRBをPRBにマッピングする際にはPDSCHがマッピングされるVRB番号は既知のため、図5のステップS102のRBstartとLCBRs(割当数)の算出及びステップS103が省略可能である。
【0064】
上述した一連の処理は、ハードウェアにより実行することもできるし、ソフトウエアにより実行することもできる。一連の処理をソフトウエアにより実行する場合には、そのソフトウエアを構成するプログラムが、専用のハードウェアに組み込まれているコンピュータ、または、各種のプログラムをインストールすることで、各種の機能を実行することが可能な、例えば汎用のパーソナルコンピュータなどに、プログラム記録媒体からインストールされる。
【0065】
図7は、上述した一連の処理をプログラムにより実行するコンピュータのハードウェアの構成例を示すブロック図である。
【0066】
コンピュータにおいて、CPU(Central Processing Unit)101,ROM(Read Only Memory)102,RAM(Random Access Memory)103は、バス104により相互に接続されている。
【0067】
バス104には、さらに、入出力インタフェース105が接続されている。入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、マイクロホンなどよりなる入力部106、ディスプレイ、スピーカなどよりなる出力部107、ハードディスクや不揮発性のメモリなどよりなる記憶部108、ネットワークインタフェースなどよりなる通信部109、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111を駆動するドライブ110が接続されている。
【0068】
以上のように構成されるコンピュータでは、CPU101が、例えば、記憶部108に記憶されているプログラムを、入出力インタフェース105及びバス104を介して、RAM103にロードして実行することにより、上述した一連の処理が行われる。
【0069】
コンピュータ(CPU101)が実行するプログラムは、例えば、磁気ディスク(フレキシブルディスクを含む)、光ディスク(CD-ROM(Compact Disc-Read Only Memory),DVD(Digital Versatile Disc)等)、光磁気ディスク、もしくは半導体メモリなどよりなるパッケージメディアであるリムーバブルメディア111に記録して、あるいは、ローカルエリアネットワーク、インターネット、デジタル衛星放送といった、有線または無線の伝送媒体を介して提供される。
【0070】
そして、プログラムは、リムーバブルメディア111をドライブ110に装着することにより、入出力インタフェース105を介して、記憶部108に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。また、プログラムは、有線または無線の伝送媒体を介して、通信部109で受信し、記憶部108に記憶することで、コンピュータにインストールすることができる。その他、プログラムは、ROM102や記憶部108にあらかじめ記憶しておくことで、コンピュータにあらかじめインストールしておくことができる。
【0071】
なお、コンピュータが実行するプログラムは、本明細書で説明する順序に沿って時系列に処理が行われるプログラムであっても良いし、並列に、あるいは呼び出しが行われたとき等の必要なタイミングで処理が行われるプログラムであっても良い。
【0072】
また、本発明の実施の形態は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0073】
10…基地局、11…符号化部、12…変調部、13…D/A変換部、14…アンテナ、20…移動局、21…A/D変換部、22…復調部、23…復号部、24…アンテナ、40…復調制御部、41…マップ位置検出部、42…データ入出力部、43…伝搬路推定部、44…プリコード部、45…尤度計算部、61…マップ位置検出制御部、62…パラメータ計算部、63…カウンタ、64…インターリーバ、65…マップ位置特定部、66…マップ位置情報供給部、101…CPU、102…ROM、103…RAM、108…記憶部、109…通信部、111…リムーバブルメディア



【特許請求の範囲】
【請求項1】
3GPP(3rd Generation Partnership Project)に準拠して、リソース割当を行う通信装置において、
PDSCH(Physical Downlink Shared CHannel)がマッピングされているRB(Resource Block)の特定に関するパラメータを計算する計算手段と、
計算された上記パラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB(Virtual Resource Block)番号をPRB(Physical Resource Block)番号に変換する変換手段と
を有することを特徴とする通信装置。
【請求項2】
請求項1に記載の通信装置において、
前記計算手段は、RB(Resource Block)ギャップ値、VRB数、連続VRB番号、インターリーバ数、およびインターリーブ行列の行数を計算し、
前記変換手段は、RBギャップ値、VRB数、連続VRB番号、インターリーバ数、およびインターリーブ行列の行数に、加減算、シフト、および比較の演算のみを適用することにより、VRB番号をPRB番号に変換する
ことを特徴とする通信装置。
【請求項3】
3GPPに準拠して、リソース割当を行う通信装置の通信方法において、
PDSCHがマッピングされているRBの特定に関するパラメータを計算する計算ステップと、
計算された上記パラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB番号をPRB番号に変換する変換ステップと
を含むことを特徴とする通信方法。
【請求項4】
3GPPに準拠して、リソース割当を行う通信装置を制御するコンピュータに、
PDSCHがマッピングされているRBの特定に関するパラメータを計算する計算ステップと、
計算された上記パラメータを参照して、加減算、シフト、および比較のみにより、VRB番号をPRB番号に変換する変換ステップと
を含む処理を行わせるプログラム。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−151545(P2011−151545A)
【公開日】平成23年8月4日(2011.8.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−10112(P2010−10112)
【出願日】平成22年1月20日(2010.1.20)
【出願人】(000004237)日本電気株式会社 (19,353)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】