説明

通信装置および表示方法

【課題】 複数のフレームのうち、一のフレームを表示するとともに、表示内容に変更が合った場合、ユーザにとって適切なフレームを自動的に表示することができる。
【解決手段】 データ通信部101により受信された複数のフレームを含むウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームを拡大して画面データを表示部105は表示する。ユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたことをフレーム構成管理部104は判断する。表示内容に変更が生じたことが判断された場合、受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを表示部105に表示させるようにデータ処理部103は、データ処理を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のフレームを含むウエブデータを表示する通信装置および表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
携帯端末などの表示画面の小さな情報機器において、受信した複数のフレームを含むウエブデータの中の、任意の一つのフレームを表示画面全体で表示することができる技術として、特許文献1に記載の技術が知られている。この特許文献1には、受信したウエブデータに複数のフレームが含まれている場合には、まずタイトル情報を表示し、その後ユーザの操作により本文を、画面全体を使って表示する、ことが記載されている。
【特許文献1】特開2003−122770号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1に記載の表示方法は、携帯端末など小さい表示画面を備える端末においては、表示画面全体を使って一フレームを表示させることになるため、有効である。しかしながら、ウエブデータ内のフレーム同士で関連をもたせ、一のフレーム内で操作した結果を、別のフレームの表示内容に反映させることができるウエブデータを扱う場合には、上述の表示方法は、ユーザにとって使い勝手の悪いものである。すなわち、上述の表示方法は、表示していない他のフレームの表示内容に変更が生じても、ユーザは変更があったことを知ることができない、という問題があった。
【0004】
そこで、本発明は、複数のフレームのうち、一のフレームを表示するとともに、表示内容に変更が合った場合、ユーザにとって適切なフレームを自動的に表示することができる通信装置および表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の課題を解決するために、本発明の通信装置は、画面データを表示する複数のフレームを含むウエブデータを受信する受信手段と、上記受信手段により受信されたウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームを拡大して画面データを表示する表示手段と、上記表示手段によりユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたか否かを判断する判断手段と、上記判断手段により表示内容に変更が生じたと判断された場合、上記受信手段により受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを上記表示手段に表示させるデータ処理手段と、を備えている。
【0006】
また、本発明の表示方法は、受信したウエブデータを表示する表示手段を備えた通信装置の表示方法において、画面データを表示する複数のフレームを含むウエブデータを受信する受信ステップと、上記受信ステップにより受信されたウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームを拡大して画面データを上記表示手段に表示する表示ステップと、上記表示ステップによりユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたか否かを判断する判断ステップと、上記判断ステップにより表示内容に変更が生じたと判断された場合、上記受信ステップにより受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを上記表示手段に表示させるデータ処理ステップと、を備えている。
【0007】
この発明によれば、画面データを表示する複数のフレームを含むウエブデータを受信し、受信されたウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームを拡大して画面データを表示し、ユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたか否かを判断し、表示内容に変更が生じたと判断された場合、受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを表示させることができる。
【0008】
これにより、一のフレームを表示している状態において、表示内容に変更が生じた他のフレームの画面データを表示することができ、ユーザは、どのフレームに変更が生じたかをすぐに知ることができる。よって、使い勝手のよい通信装置を提供することができる。
【0009】
また、本発明の通信装置の上記判断手段は、さらに、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたか、またはユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたかを判断し、上記データ処理手段は、上記判断手段により表示内容に変更が生じたと判断された場合、上記受信手段により受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを上記表示手段に表示させる処理に代えて、上記判断手段により、ユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合、上記ウエブデータのすべてのフレームを上記表示手段に表示させ、上記判断手段により、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合には、ユーザに指定されたフレームを継続して表示させることが好ましい。
【0010】
また、本発明の表示方法の上記判断ステップは、さらに、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたか、またはユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたかを判断し、上記データ処理ステップは、上記判断ステップにより表示内容に変更が生じたと判断された場合、上記受信ステップにより受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを上記表示手段に表示させる処理に代えて、上記判断ステップにより、ユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合、上記ウエブデータのすべてのフレームを上記表示手段に表示させ、上記判断ステップにより、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合には、ユーザに指定されたフレームを継続して表示させることが好ましい。
【0011】
この発明によれば、さらに、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたか、またはユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたかを判断し、ユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合、ウエブデータのすべてのフレームを表示させ、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合には、ユーザに指定されたフレームを継続して表示させることができる。
【0012】
これにより、ユーザ操作を行うことなく、フレームの表示内容に変更が生じた場合には、いきなり画面表示が変わることによりユーザが混乱することを防止することができる。逆に、ユーザ操作を行うことにより、フレームの表示内容に変更が生じた場合には、ユーザは画面表示が変わることを意識している可能性があるため、ユーザは混乱することなく、変更のあったフレームをユーザに知らせることができる。
【0013】
また、本発明の通信装置の上記判断手段は、さらに、上記表示手段により表示されている自フレームおよび他のフレームに変更が生じたか否かを判断し、自フレームおよび他のフレームに変更が生じたと判断した場合、上記データ処理手段は、上記受信手段により受信されたウエブデータに含まれているすべてのフレームを上記表示手段に表示させることが好ましい。
【0014】
この発明によれば、表示されているフレームおよび他のフレームに変更が生じたと判断した場合、受信されたウエブデータに含まれているすべてのフレームを表示させる。これにより、ユーザ操作の有無を判断することなく、変更があったフレームをユーザに知らせることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明は、変更が生じたフレームの画面データを表示することができ、ユーザに、どのフレームに変更が生じたかを知らせることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
本発明は、一実施形態のために示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解することができる。引き続いて、添付図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付して、重複する説明を省略する。
【0017】
図1は、本実施形態の移動機100の機能を表すブロック構成図である。図1に示すように、移動機100は、CPU、ROM、RAM等のハードウエアから構成されているものであって、その機能として、データ通信部101(受信手段)、コンテンツ解析部102、データ処理部103(データ処理手段)、フレーム構成管理部104(判断手段)、表示部105(表示手段)、および操作部106を含んで構成されており、ウエブサーバ300から複数のフレームを含んだウエブデータを取得することができる。以下、各構成要素について説明する。
【0018】
データ通信部101は、ネットワーク200を経由して、ウエブサーバ300と、データを用いて通信する部分であり、データ通信部101は、ウエブサーバ300から複数のフレームを含んだウエブデータを取得し、取得したウエブデータをコンテンツ解析部102に出力する。
【0019】
コンテンツ解析部102は、データ通信部101により取得されたウエブデータを解析し、この解析に基づいてコンテンツの取得を行う部分である。具体的には、コンテンツ解析部102は、ウエブデータがフレームにより分割されたデータ形式をとるものであるか否かを判断する。そして、コンテンツ解析部102は、この判断結果に基づいて、ウエブデータが複数のフレームに分割されていると判断した場合には、各フレーム内に記述されているコンテンツ(htmlファイルおよびイメージファイルなど)の取得処理を行う。この取得処理後、コンテンツ解析部102は、さらに各フレーム内のコンテンツの解析を行い、さらに、一のフレームが複数のフレームに分割されているか否かを判断する。
【0020】
このようにコンテンツ解析部102は、受信したウエブデータに含まれているすべてのフレームに対して、分割の有無を判断し、フレームごとに取得したコンテンツをデータ処理部103に出力し、コンテンツの表示を表示部105に行わせる。
【0021】
コンテンツ解析部102は、フレームが分割されていないと判断した場合には、ウエブデータに記述されているコンテンツの取得処理を行って、データ処理部103に出力し、表示部105にコンテンツの表示を行わせる。
【0022】
ここで、コンテンツ解析部102によるフレームの有無の判断の方法について説明する。図2は、ウエブデータのフレーム構成の概要を示す概要図であり、図3は、当該ウエブデータのソースコードを示す説明図である。
【0023】
図2に示すように、frame1〜frame3から構成されているウエブデータは、図3に示されているソースコードを用いてフレームが分割するよう構成されている。図3では、記述部分301には、「FRAMESET」と「/FRAMESET」との間に記述されている文字列を一つのフレームとして扱うことが定義されており、frame1に相当するframe1.htmlが記述されている。さらに、図3では、記述部分301には、記述部分302が記述され、この記述部分302には、「FRAMESET」と「/FRAMESET」とが記述され、分割されたフレームの中にさらにフレームが分割されていることが示されている。ここでは、記述部分302には、frame2およびframe3に対応するframe2.htmlおよびframe3.htmlがそれぞれ記述されている。
【0024】
このようにコンテンツ解析部102は、「FRAMESET」および「/FRAMESET」を認識することで、フレームの存在を判断することができる。そして、データ処理部103は、ユーザにより選択され、分割されたフレームとして記述されている一のhtmlファイルを取り出す。データ処理部103は、取り出したhtmlファイルのみを表示するようウエブデータのソースコードを書換えるか、または新たなソースコードを作成することで、一のフレームのみを拡大して表示部105に表示させることができる。
【0025】
図1に戻り、引き続き説明する。データ処理部103は、コンテンツ解析部102から出力されたウエブデータを表示部105に表示させるためのスクリプト処理などのデータ処理を行う部分であり、データ処理されたウエブデータを表示部105に出力する。
【0026】
また、データ処理部103は、操作部106から出力された操作指示に基づいて、ウエブデータまたはウエブデータ内のフレームの更新処理を行うように、データ通信部101に指示を出力する。そして、データ処理部103は、新たなウエブデータまたはフレームに表示すべき新たなデータを、コンテンツ解析部102を介して受信することにより、ウエブデータまたはフレームに表示されるデータの更新処理を行う。
【0027】
また、データ処理部103は、操作部106から出力される操作指示により、ウエブデータ内の一のフレームを拡大してフレーム内のデータを表示させる旨の指示を受信すると、選択された一のフレームに対応するhmtlファイルをソースコードから取り出す。そして、データ処理部103は、取り出したhtmlファイルのみを表示部105に出力する。これにより、表示されているデータは、フレームが拡大された状態で表示されることになり、ユーザにとって見やすいものとなる。
【0028】
フレーム構成管理部104は、表示部105に表示しているウエブデータのうち、表示されていない他のフレームの表示内容に変更があったか否かを判断する部分である。例えば、フレーム構成管理部104は、ユーザによりアンカーが押下されたことを判断することにより、表示されているフレームではない他のフレーム表示内容の変更処理があったことを判断する。なお、フレーム構成管理部104は、アンカー押下による変更処理があった場合において、他のフレームの変更処理があったことを、フレーム内に記述されているtarget属性を用いて判断する。また、このほか、フレーム構成管理部104は、JavaScriptの特定メソッド(例えば、Location.hrefなど)におけるウエブデータの変更が示されている処理が行われたことを判断することでフレームの表示内容の変更処理があったことを判断する。また、フレーム構成管理部104は、METAタグrefresh属性を用いて、タイマー制御による所定時間経過後にフレームの表示内容に変更処理があったことを判断する。
【0029】
このようにフレーム構成管理部104は、表示部105で表示されていない他のフレームの表示内容に変更があったと判断した場合、データ処理部103に対して表示するフレームを切り換える指示を出力する。データ処理部103は、フレーム構成管理部104から切り換え指示を受けると、受信したウエブデータに含まれている全フレームを表示するように、取得した全フレームを含むウエブデータを表示部105に出力する。
【0030】
また、フレーム構成管理部104は、フレームの表示内容に変更があったか否かを判断する際、現に表示部105で表示している自フレームを含めて他のフレームに変更があったか、または他のフレームのみ変更があったかを判断する。フレーム構成管理部104は、自フレームを含めた他のフレームに変更があったと判断した場合には、すべてのフレームを表示するように表示画面切換処理を行う。また、フレーム構成管理部104は、他のフレームのみに変更があったと判断した場合には、後述するように、自動的に変更があったか、手動により変更があったかを判断して、それぞれユーザにとって違和感を与えることのない適切な処理を行う。
【0031】
また、フレーム構成管理部104は、フレームの表示内容に変更があったか否かを判断する際、ウエブデータの一のフレームに記述されているアンカーがユーザにより選択されたことにより、他のフレームの表示内容に変更が生じたか、または所定時間が経過したか等により自動的に他のフレームの表示内容に変更が生じたか、を判断する。つまり、フレーム構成管理部104は、フレームの表示内容に変更が生じた場合、自動的に変更されたものか、ユーザの操作により変更されたものかを判断する。
【0032】
フレーム構成管理部104は、ユーザの操作によりフレームの表示内容が変更されたと判断した場合は、全フレームを含むウエブデータを表示部105で表示するように、データ処理部103に指示を出力する。また、フレーム構成管理部104は、自動的にフレームの表示内容が変更されたと判断した場合には、表示部105における表示内容を変えずに、そのまま継続して現に表示していている内容を表示させるようにする。
【0033】
表示部105は、データ処理部103から表示制御されているウエブデータを表示する部分である。
【0034】
操作部106は、移動機100のユーザによる操作を受け付ける部分であり、例えば、テンキー、十字キー、そのほか機能キーから構成されている部分である。操作部106により受け付けられたユーザの指示に基づいて、データ通信部101は、ウエブサーバ300からウエブデータの取得処理を行い、また、データ処理部103は、表示制御されているウエブデータに記述されているアンカーに対する選択処理を行い、ウエブデータまたはフレームの取得処理を行うことができる。
【0035】
このように構成された移動機100は、複数のフレームを含んだウエブデータを受信し、複数のフレームのうち任意のフレームを選択することにより、選択したフレームに含まれているデータのみを表示部105に表示させることによりデータを拡大表示させることができる。また、移動機100は、フレームの表示内容に変更が生じた場合には、ユーザの操作性を考慮して全フレームを表示させるか、または表示部105に表示させることなく、バックグラウンドで変更処理を行うか、いずれかユーザにとって適切な処理を実行することができる。
【0036】
つぎに、このように構成された移動機100の動作について説明する。図4は、本実施形態の移動機100において、フレーム分割の有無を判断するときの動作を示すフローチャートである。移動機100のデータ通信部101により、ウエブデータが受信される(S101)。そして、受信したウエブデータに含まれているコンテンツの解析が、コンテンツ解析部102により行われる(S102)。そして、受信したウエブデータは複数のフレームに分割されているか否かが、コンテンツ解析部102により判断される(S103)。ここでは、上述したとおり、ウエブデータに記述されている「FRAMESET」および「/FRAMESET」に基づいて、フレームが分割されているか否かが、コンテンツ解析部102により判断される。
【0037】
ここで、ウエブデータに「FRAMESET」および「/FRAMESET」の記述がなく、フレームが分割されていないと、コンテンツ解析部102により判断された場合は(S103:No)、コンテンツ解析部102により、ウエブデータに記述されているイメージファイルなどの取得処理が行われる。そして、コンテンツ解析部102により取得されたファイルおよびウエブデータは、データ処理部103に出力される。その後、データ処理部103によりデータ処理およびスクリプト処理が行われて、表示部105によりウエブデータが表示される(S104)。
【0038】
S103において、コンテンツ解析部102により、受信したウエブデータは複数のフレームに分割されていると判断された場合は(S103:Yes)、コンテンツ解析部102により、ウエブデータに記述されているhtmlファイル、またはイメージファイルなどの取得処理が行われ(S105)、フレームのコンテンツの解析がさらに行われる(S106)。ここで、一のフレームが、さらに複数のフレームに分割されているか否かが、コンテンツ解析部102により、判断される(S107)。コンテンツ解析部102により、さらにフレームが分割されていると、判断された場合(S107:Yes)、S105に戻り、フレーム内のコンテンツの取得が行われる。このように、コンテンツ解析部102によりウエブデータに含まれているすべてのフレームが認識されると共に、フレームに含まれているhtmlファイルおよびイメージファイルなどのコンテンツが取得される。
【0039】
そして、フレームごとに、htmlファイル、およびイメージファイルなどのコンテンツの取得が行われると、これらフレームから構成されるウエブデータが、データ処理部103によるデータ処理およびスクリプト処理を経た後、表示部105に表示される(S108)。
【0040】
つぎに、移動機100において、ユーザにより指定された一のフレームのみを拡大して表示しているときに、他のフレームに変更が生じたときの動作について説明する。図5は、移動機100における、他のフレームに変更が生じたときの動作を示すフローチャートである。
【0041】
ユーザにより操作部106を操作することにより、受信したウエブデータに含まれているすべてのフレームから一のフレームが選択される(S201)。一のフレームが選択されたことがデータ処理部103により判断される。そして、選択された一のフレームのみが拡大されて、当該一のフレームのデータが表示部105で表示されるよう、データ処理部103により当該一のフレームに対応するhtmlファイルは表示部105に出力され、表示部105において選択されたフレームが拡大して、当該フレームのデータが表示される(S202)。本実施形態では、表示部105の画面全体を使ってデータが表示されることになり、結果的にフレームが拡大されたことと同じ技術的効果を奏することになる。
【0042】
ここで、S201からS202において処理されたときの表示画面の遷移例を説明する。図6は、フレームCのみを拡大表示するときの画面遷移例を示す説明図である。図6に示すように、3つのフレームを含むウエブデータの表示画面105aが、表示部105に表示されている。ここで、フレームCがユーザの操作により選択された場合、データ処理部103により、フレームCのみが表示部105に表示されるように処理され、表示画面105bとして表示部105に表示される。
【0043】
図5に戻り、引き続き説明する。つぎに、一のフレームのみが拡大されて表示されている状態において、表示されていない他のフレームの表示内容の変更処理があったか否かが、フレーム構成管理部104により判断される(S203)。ここでは、フレーム構成管理部104により、ユーザによりアンカーが押下されたことが判断されたことにより、フレーム表示内容の変更処理があったことが判断される。なお、アンカー押下による変更処理があった場合において、他のフレームの変更処理があったことは、フレームに記述されているtarget属性を用いることにより、フレーム構成管理部104により判断される。また、このほか、JavaScriptの特定メソッド(例えば、Location.hrefなど)におけるウエブデータの変更が示されている処理が実行されたことが、フレーム構成管理部104により判断されることで、フレームの表示内容の変更処理があったことが判断される。また、METAタグrefresh属性を用いることにより、タイマー制御による所定時間経過後にフレームの表示内容に変更処理があったことを示す処理が行われたことが、フレーム構成管理部104により判断される。
【0044】
フレーム構成管理部104により、現に表示部105により表示されている自フレームを含んだ他のフレームの表示内容の変更処理があったと判断された場合(S203:自フレームを含む)、ウエブデータ内に含まれるすべてのフレームを表示するように、データ処理部103によりソースコードが書き換えられ、当該ソースコードに基づいた表示用データが表示部105に出力され、表示部105によりすべてのフレームを含んだウエブデータが表示される(S204)。そして、各フレームにおけるコンテンツの取得処理および表示処理などの、フレーム内容変更処理が、データ処理部103により行われる(S205)。
【0045】
ここで、S201からS204により表示されたときの、表示画面の遷移例を説明する。図7は、フレームCを拡大表示している状態において、フレームCを含む他のフレーム(例えば、フレームAまたはB)の表示内容に変更処理があったときの、表示画面の遷移例を示す。表示部105による表示画面は、表示画面105aおよび表示画面105bに移り変わる(S202参照)。そして、表示画面105bで示される、フレームCに記述されているアンカーがユーザ操作により選択された場合、表示画面105cが表示部105に表示される(S204参照)。表示画面105cは、フレームAおよびフレームDから構成されているものであり、フレームBおよびCに代えて、フレームDが表示される。ここで、フレームDがユーザによりフレーム拡大表示の選択がされると表示画面105dに示すようにフレームDが拡大表示される。
【0046】
図5に戻り、引き続き説明する。S203において、フレーム構成管理部104により、現に表示部105により表示されている自フレーム以外の他のフレームのみに変更処理があったと判断された場合(S203:他フレームのみ)、さらにその変更処理は、自動的に行われたものか、手動で行われたものかが、フレーム構成管理部104により判断される(S206)。S206において、自動的にフレームの表示内容の変更処理が行われたと、フレーム構成管理部104により判断された場合(S206:自動)、表示画面を切り換える処理を行うことなく(S207)、変更された他のフレームにおけるコンテンツの取得処理および表示処理などの、他のフレーム内容変更処理がデータ処理部103により行われる(S208)。S207において、表示画面を切り換える処理が行われない理由として、自動的にフレームの表示内容に変更があった場合に表示画面を切り換える処理を行ってしまうと、ユーザにとって、いきなり画面表示が変わることになる。よって、ユーザはどういった状態になったのか混乱してしまい、使い勝手が悪くなるためである。
【0047】
S206において、ユーザが操作部106を操作し、アンカーなどのクリック(選択)操作を行うことなど、手動で他のフレームの表示内容の変更処理があったと、フレーム構成管理部104により判断された場合、ウエブデータに含まれるすべてのフレームを表示するように処理が行われる。例えば、データ処理部103によりソースコードが書き換えられ、当該ソースコードに基づいた表示用データが表示部105に出力され、表示部105によりすべてのフレームを含んだウエブデータが表示される(S209)。
【0048】
そして、データ処理部103により、表示内容の変更処理があったフレームにフォーカスがあてられる(S210)。具体的には、フレームの外枠を太く表示することにより、どのフレームがアクティブ状態であることを示すように、データ処理部103によりデータ処理がなされる。その後、当該変更のあった他フレームにおけるコンテンツの取得処理および表示処理などのフレーム内容変更処理が、データ処理部103により行われる(S211)。
【0049】
ここで、S201からS209により表示されたときの、表示画面の遷移例を説明する。図8は、フレームCを拡大表示している状態において、他のフレームのみ(フレームAまたはB)に表示内容に変更処理があったときの、表示画面の遷移例を示す。表示部105による表示画面は、表示画面105aおよび表示画面105bに移り変わる(S202参照)。そして、表示画面105bで示される、フレームCに記述されているアンカーがユーザ操作により選択された場合、表示画面105eが表示部105に表示される(S209参照)。表示画面105eは、フレームA、フレームB1およびフレームCから構成されているものであり、フレームBに代えて、フレームB1が表示される。ここで、フレームB1がユーザにより拡大表示の選択がされると表示画面105fに示すようにフレームB1が拡大表示される。
【0050】
以上のとおり、ユーザにより一のフレームのみが拡大表示されている状態において、表示されていないフレームの表示内容に変更処理があった場合に、表示内容の変更処理に応じて、ユーザにとって使い勝手がよいように、画面表示を切り換えることができる。なお、本実施形態では、一のフレームのみを選択した場合に拡大表示することに基づいて説明したが、これに限られず、複数のフレームを選択した場合でも同様に複数のフレームを拡大表示した状態において、フレームの切り替えの処理を行うことができる。また、本実施形態におけるフレームを拡大するとは、表示部105の表示画面全体を使って画面データを表示することとしているが、これに限るものではなく、フレーム自体を拡大して画面データを表示するようにしてもよい。また、S203において、フレーム表示内容に変更があった場合には、S206における自動・手動の判断処理を行うことなく、全フレームを表示するように表示画面を切り換えるようにしてもよい。
【0051】
つぎに、本実施形態の移動機100の作用効果について説明する。本実施形態の移動機100は、画面データを表示する複数のフレームを含むウエブデータをデータ通信部101で受信し、受信されたウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームをデータ処理部103で拡大して、表示部105は拡大されたフレームの画面データを表示し、ユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたか否かをフレーム構成管理部104が判断し、表示内容に変更が生じたと判断された場合、受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを表示させるように、データ処理部103でデータ処理して、表示部105が表示することができる。これにより、一のフレームを表示している状態において、他のフレームである変更が生じたフレームの画面データを表示することができ、ユーザは、どのフレームに変更が生じたかをすぐに知ることができる。よって、使い勝手のよい通信装置を提供することができる。
【0052】
また、移動機100のフレーム構成管理部104は、さらに、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたか、またはユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたかを判断し、データ処理部103は、フレーム構成管理部104により、ユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合、ウエブデータのすべてのフレームを表示部105に表示させ、フレーム構成管理部104により、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合には、ユーザに指定されたフレームを継続して表示させることができる。
【0053】
これにより、ユーザ操作を行うことなく、フレームの表示内容に変更が生じた場合には、いきなり画面表示が変わることによりユーザが混乱することを防止することができる。逆に、ユーザ操作を行うことにより、フレームの表示内容に変更が生じた場合には、ユーザは画面表示が変わることを意識している可能性があるため、ユーザが混乱することなく、変更のあったフレームをユーザに知らせることができる。
【0054】
また、移動機100のフレーム構成管理部104は、表示されている自フレームおよび他のフレームに変更が生じたか否かを判断し、自フレームおよび他のフレームに変更が生じたと判断した場合、受信されたウエブデータに含まれているすべてのフレームを表示部105に表示させる。これにより、ユーザ操作の有無を判断することなく、変更があったフレームをユーザに知らせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本実施形態の移動機100の機能を表すブロック構成図である。
【図2】ウエブデータのフレーム構成の概要を示す概要図である。
【図3】ウエブデータのソースコードを示す説明図である。
【図4】フレーム分割の有無を判断するときの動作を示すフローチャートである。
【図5】他のフレームに変更が生じたときの動作を示すフローチャートである。
【図6】フレームCのみを拡大表示するときの画面遷移例を示す説明図である。
【図7】フレームCを拡大表示している状態において、フレームCを含むフレームの表示内容に変更処理があったときの、表示画面の遷移例を示す説明図である。
【図8】フレームCを拡大表示している状態において、他のフレームのみに表示内容に変更処理があったときの、表示画面の遷移例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0056】
100…移動機、101…データ処理部、102…コンテンツ解析部、103…データ処理部、104…フレーム構成管理部、105…表示部、106…操作部、200…ネットワーク、300…ウエブサーバ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画面データを表示する複数のフレームを含むウエブデータを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信されたウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームを拡大して画面データを表示する表示手段と、
前記表示手段によりユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたか否かを判断する判断手段と、
前記判断手段により表示内容に変更が生じたと判断された場合、前記受信手段により受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを前記表示手段に表示させるデータ処理手段と、
を備える通信装置。
【請求項2】
前記判断手段は、さらに、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたか、またはユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたかを判断し、
前記データ処理手段は、
前記判断手段により表示内容に変更が生じたと判断された場合、前記受信手段により受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを前記表示手段に表示させる処理に代えて、
前記判断手段により、ユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合、前記ウエブデータのすべてのフレームを前記表示手段に表示させ、前記判断手段により、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合には、ユーザに指定されたフレームを継続して表示させることを特徴とする請求項1に記載の通信装置。
【請求項3】
前記判断手段は、さらに、前記表示手段により表示されている自フレームおよび他のフレームに変更が生じたか否かを判断し、自フレームおよび他のフレームに変更が生じたと判断した場合、前記データ処理手段は、前記受信手段により受信されたウエブデータに含まれているすべてのフレームを前記表示手段に表示させることを特徴とする請求項2に記載の通信装置。
【請求項4】
受信したウエブデータを表示する表示手段を備えた通信装置の表示方法において、
画面データを表示する複数のフレームを含むウエブデータを受信する受信ステップと、
前記受信ステップにより受信されたウエブデータに含まれ、ユーザにより指定されたフレームを拡大して画面データを前記表示手段に表示する表示ステップと、
前記表示ステップによりユーザに指定されたフレームの画面データが表示されているときに、表示されていない他のフレームの表示内容に変更が生じたか否かを判断する判断ステップと、
前記判断ステップにより表示内容に変更が生じたと判断された場合、前記受信ステップにより受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを前記表示手段に表示させるデータ処理ステップと、
を備える表示方法。
【請求項5】
前記判断ステップは、さらに、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたか、またはユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたかを判断し、
前記データ処理ステップは、
前記判断ステップにより表示内容に変更が生じたと判断された場合、前記受信ステップにより受信されたウエブデータに含まれるすべてのフレームを前記表示手段に表示させる処理に代えて、
前記判断ステップにより、ユーザの操作によりフレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合、前記ウエブデータのすべてのフレームを前記表示手段に表示させ、前記判断ステップにより、ユーザの操作がなされることなく、フレームの表示内容に変更が生じたと判断された場合には、ユーザに指定されたフレームを継続して表示させることを特徴とする請求項4に記載の表示方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−350856(P2006−350856A)
【公開日】平成18年12月28日(2006.12.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−178423(P2005−178423)
【出願日】平成17年6月17日(2005.6.17)
【出願人】(392026693)株式会社エヌ・ティ・ティ・ドコモ (5,876)
【Fターム(参考)】