説明

通勤時間機能を有する通信装置及びその使用方法

通信装置の通勤時間機能を動作する装置及び方法を説明する。一実施形態では、通勤時間機能は、事象に基づいて自動的にアクチベートされ、次いで、i)通勤情報に基づいて最新の通勤時間を決定し、及びii)その最新の通勤時間を装置に表示するか又は話すことにより、遂行される。カレンダー事象の発生により、又はその前にトリガーされる一実施形態では、装置は、現在通勤時間を含む(通勤情報に基づき及び現在交通状態に基づき)。この実施形態では、装置は、ユーザが誰と会うかの連絡先へ、カレンダー事象の変更を指示する更新を送信することにより、現在通勤時間に基づいてカレンダー事象をスケジュールし直す。他の実施形態についても説明する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明の実施形態は、ポータブル音声通信装置における通勤時間機能の動作に係る。他の実施形態についても説明する。
【背景技術】
【0002】
大都市エリアでは、交通渋滞が大きな問題となり続けている。テキサス・トランスポーテーション・インスティテュートは、2005年に、ロスアンジェルス地域でピーク時間中に移動者が経験した年間遅延が72時間であり、その遅延の46%が車の事故及び建設工事を含む出来事により生じたものであると報告している。その結果、自由に流れる状態ではなく渋滞状態において走行するための燃料消費の増加は、2005年にピーク移動者当たり57ガロンである。
【0003】
交通渋滞の主な寄与因子は、移動者が毎日の通勤に乗り出す前に交通状態が適切に通知されないことである。運転者は、主として、交通状態の情報としてはラジオ及びテレビの報告に依存している。これら慣習的な情報源の主な欠点は、(i)事故や故障した乗物による交通渋滞の報告が遅れること、及び(ii)運転者に関係のないルートでの交通状態が報告されることを含む。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
今日、通勤者は、最新の交通情報及び推定通勤時間を得るためにインターネットに頼ることもできる。インターネット上の多数のウェブサイト(例えば、www.SigAlert.com)は、ユーザが、移動速度、事故の場所及び時刻を含めて、フリーウェイの現在交通状態を見ることができるようにする。他のウェブサイト(例えば、GoogleMap)は、選択されたルートの推定通勤時間をユーザに与える。
【課題を解決するための手段】
【0005】
ポータブル音声通信装置(又は「移動装置」)の通勤時間機能を動作する方法及び装置について説明する。
【0006】
一実施形態では、移動装置の通勤時間機能は、最新の通勤時間を指示するために自動的にアクチベートされ、遂行される。この実施形態では、移動装置の通勤時間機能を動作するための方法は、ユーザにより与えられる出発アドレス及び行先アドレスを含む通勤情報を受け取って記憶することにより、開始される。次いで、ユーザは、その記憶された通勤情報に関連した時刻エントリー及び曜日エントリーを含む事象について促される。通勤時間機能は、その事象に基づいて、又はその事象の発生前に、自動的にアクチベートされ、次いで、通勤時間機能は、a)通勤情報に基づいて最新の通勤時間を決定し、そして任意であるが、b)事象の発生前に、最新の通勤時間を前記通勤情報と一緒に装置に表示し又は話すことにより、遂行される。
【0007】
通勤時間機能が自動的にアクチベートされる時点は、ユーザにより手動でセットすることができる。例えば、事象が、オフィスへの通勤に関連した「睡眠から覚める」アラームであり、そしてオフィスへの通勤が、1時間±15分の範囲内である場合に、ユーザは、通勤時間機能のアクチベーション時間を、そのような事象の15分前にセットすることを望む。通勤時間の変化がより長い場合は、通勤時間機能のアクチベーション時間を比例的により早くセットすることができる。一実施形態では、通勤時間の決定は、通勤情報をウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスへ送信し、そこで、通勤情報に対する現在又は最新のトラフィック状態に基づいて最新の通勤時間を計算することを含む。次いで、ウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスから最新の通勤時間を受け取ることができる。
【0008】
ある実施形態では、移動装置の他のアプリケーションが最新の通勤時間によって影響を受ける。例えば、通勤時間が、ユーザにより手動でセットされた予想時間、又は通勤時間の記憶されたインスタンスの履歴に基づき自動的に計算された予想時間より長い場合は、ユーザが通勤に対して出発を準備するための時間が短いか、又は通勤時間がより長いことを反映するために、アプリケーションに対して調整を行うことができる。例えば、以前にセットされたアラームウェイクアップ時間を、より早い時間に調整したり、アラームウェイクアップ時間に、より大きな音楽選択を再生したり、或いは(より長い通勤中にユーザが経験する)より多数のニュースフィードを移動装置にダウンロードすることができる。一実施形態では、選択される音楽プレイリスト、又はダウンロードされるニュースフィードの数を、通勤時間に対応するようにタイミング合わせすることができ、例えば、プレイリスト又はダウンロードされるニュースフィードの全長(時間に関する)を、通勤時間に比例したものとすることができる。
【0009】
一実施形態では、通勤時間に基づいて、コーヒーマシン、アラーム及び電子カレンダーのような第三者装置のアクチベーション時間を調整することができる。例えば、より長い通勤時間が報告されて、移動時間の増加を補償するためにユーザがより早い時間に目覚める必要がある場合には、コーヒーマシンも、より早い時間に煎れ始めるようにアクチベートすることができる。
【0010】
一実施形態では、装置のユーザインターフェイスは、通勤に関連したカレンダー事象の前に現在通勤時間を、視覚及び/又は口頭出力を経て提示し、ユーザが事象の場所に遅れないように保証することができる。別の実施形態では、ユーザによって以前にセットされて、ユーザが会うべき人との連絡先を識別するカレンダー事象は、変更を指示又は要求するための連絡先の更新をそのカレンダー事象へ送信することにより、通勤時間に基づいてスケジュールし直すことができる。カレンダー事象は、ミーティングの時刻、日付、及び場所を含む。一実施形態では、ユーザが現在通勤時間を得られるようにする「ワン・クリック」アイコンもユーザインターフェイスに表示することができる。
【0011】
以上の概要は、本発明のあらゆる態様を余すところのなく述べたものではない。本発明は、上述した種々の態様、以下の詳細な説明に述べる態様、及び特許請求の範囲に指摘された態様の全ての適当な組み合わせから実施できる全てのシステム及び方法を包含することが意図される。このような組み合わせは、以上の概要に特に述べない特定の効果を発揮することができる。
【0012】
本発明の実施形態は、同様の要素が同じ参照番号で示された添付図面に一例として示すが、それに限定されない。この開示において、本発明の「一」実施形態、又は「1つの」実施形態とは、必ずしも同じ実施形態ではなく、少なくとも1つを意味することに注意されたい。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態が具現化される規範的移動装置の斜視図である。
【図2】規範的移動装置のブロック図である。
【図3】移動装置の通勤時間機能を動作する方法の1つの実施形態のフローチャートである。
【図4】通勤時間機能をサポートする電子装置の1つの実施形態のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下の説明では、多数の特定の細部について述べる。しかしながら、本発明の実施形態は、これらの特定の細部がなくても実施できることを理解されたい。他の点については、この説明の理解を不明瞭にしないために、良く知られた回路、構造及び技術は、示していない。
【0015】
以下の説明は、3つの部分に分けられる。パートIは、本発明の一実施形態が具現化される移動通信装置の簡単な概略である。パートIIは、移動装置の通勤時間機能を動作する方法について述べる。パートIIIは、通勤時間機能を具現化できる更に別の装置について述べる。
【0016】
I.移動通信装置の概略
図1は、本発明の一実施形態が具現化される規範的移動通信装置10を示す。この装置10は、ベゼル14を有するハウジング12を備えている。ベゼル14は、装置10の前面にディスプレイスクリーン16を保持するのに使用される。ディスプレイスクリーン16は、タッチスクリーンも含む。装置10は、1つ以上の物理的ボタン及び/又はバーチャルボタンも(タッチスクリーン上に)含む。ディスプレイスクリーン16は、通勤時間を視覚出力として表示するのに使用される。1つの実施形態では、ボタン19は、ユーザにより操作されたときに、例えば、iPhone(登録商標)装置により遂行されるように、装置のグラフィックユーザインターフェイスをそのホームメニュー又はメインメニューへもって行く物理的ボタンである。ホームメニューは、通勤時間機能の起動アイコンを含む。
【0017】
又、装置10は、ポート及びジャックのような入力/出力コンポーネントも含む。例えば、開口22は、マイクロホンポートを形成し、そして開口24は、スピーカポートを形成する。電話コール中の音は、コール中にユーザの耳の付近に配置される電話レシーバのためのスピーカポートを形成する開口23を通して放出される。例えば、口頭出力を経て通勤時間が提示されるときには、開口23及び24がスピーカポートとして使用される。
【0018】
図2は、本発明の一実施形態が具現化される規範的移動装置のブロック図である。しかしながら、本発明の全ての実施形態が、図2に示す全アーキテクチャーを要求するのではないことに注意されたい。図2に示すように、装置10は、入力/出力装置38、処理回路36、及び記憶装置34を含む。
【0019】
入力/出力装置38は、装置10がデータを受け取ると共にデータを供給できるようにする。1つの実施形態では、入力/出力装置38は、ユーザ入力/出力装置40、ディスプレイ・オーディオ装置42、及びワイヤレス通信装置44を含む。
【0020】
ユーザ入力/出力装置40を使用して、ユーザは、装置10の動作を制御するためのコマンドを供給することができる。1つの実施形態では、ユーザ入力/出力装置40は、ディスプレイスクリーン16、ボタン19、マイクロホンポート22、スピーカホン又はスピーカポート24、及びイヤホンスピーカポート23(イヤレシーバポートに接近して使用される)を含む。
【0021】
入力/出力装置38は、ディスプレイ・オーディオ装置42を含む。ディスプレイ・オーディオ装置42は、外部装置のためのジャック及び他のコネクタのようなオーディオ/ビデオインターフェイス装置を含む。
【0022】
又、入力/出力装置38は、高周波(RF)トランシーバ回路、アンテナ、等の通信回路を有するワイヤレス通信装置44も含む。1つの実施形態では、マイクロホンポート22、スピーカポート23及び24は、ユーザがワイヤレス電話又はビデオコールに参加できるようにするために通信回路に結合することができる。ワイヤレス通信装置44では、種々の異なるワイヤレス通信ネットワーク及びプロトコルをサポートすることができる。これらは、現在の2G、3G及び4Gネットワーク及びそれに関連したコール及びデータプロトコルを含むセルラー移動電話ネットワーク(例えば、移動通信用のグローバルシステムGSMネットワーク)と、ワイヤレスボイスオーバーインターネットプロトコル(VOIP)コーリングもサポートするIEEE802.11データネットワーク(WiFi又はワイヤレスローカルエリアネットワークWLAN)とを含む。
【0023】
装置10に含まれる処理回路36は、マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、デジタル信号プロセッサ、又は中央処理ユニットのようなプロセッサと、グルーロジックのような他の必要とされた集積回路とを含む。「プロセッサ」という語は、2つ以上の処理ユニット又は要素を有する装置、例えば、複数の処理コアを伴うCPUを指す。処理回路36は、記憶装置34に記憶されたソフトウェアインストラクション又はコードを実行することにより装置10の動作を制御するのに使用される。記憶装置34は、ハードディスクドライブ記憶装置、不揮発性メモリ、及び揮発性メモリ、例えば、ダイナミックランダムアクセスメモリ、等の1つ以上の異なる形式の記憶装置を含む。あるケースでは、以下に述べる特定の機能は、プロセッサの異なるハードウェアユニットにより実行される記憶装置34内のソフトウェアの2つ以上の断片として具現化することができる。
【0024】
処理回路36(又は単にプロセッサ)は、以下に述べる通勤時間機能を遂行するために通勤時間モジュール(記憶装置34内の)によってプログラムすることができる。又、これは、カレンダー事象レスケジューラー(これも、記憶装置34内のソフトウェアによりプログラムされる)として働くこともできる。それに加えて、装置10のワイヤレス通信機能を使用して、出呼びを開始し及び/又はショートメッセージサービスSMSのテキストメッセージを送信すると共に、インターネットを経てリモートサーバーとのTCP/IP接続を(ワイヤレスリンクを経て)確立する。このようなワイヤレス通信は、例えば、カレンダー事象を再スケジューリングしそして最後の又は最新の通勤時間を取得することに関して装置のユーザの連絡先に警告するのに使用される。
【0025】
1つの実施形態では、処理回路36は、以下に述べるように、通勤情報を含むデータ及び通勤情報に関連した事象を受け取り、そしてそのデータの分析を遂行する。例えば、そのデータは、人為的インテリジェントプロセスにより、又はここに述べる他の仕方で分析される。その分析の結果として、処理回路36は、通勤時間機能を自動的にアクチベートさせる。「自動的」という語は、変更又は変化した結果に向けられるユーザ入力又はアクションを受け取ることなく何かが変更され、変化され又はセットされるような原因と結果の関係を記述する。あるケースでは、「自動的」という語は、受け取ったユーザ設定又は選択に基づいて二次的な結果であるか又は一次的な結果に加えてのものである結果を記述する。
【0026】
装置10は、経路50及び51で示すように、アクセサリ46、コンピューティング装置48及びワイヤレスネットワーク49のような外部装置と通信することができる。経路50は、ワイヤード及びワイヤレス経路を含み、一方、経路51は、ワイヤレス経路である。アクセサリ46は、ヘッドホン(例えば、ワイヤレスセルラーヘッドセット又はオーディオヘッドホン)を含む。ワイヤレスネットワーク49は、セルラー電話ベースステーション、セルラータワー、ワイヤレスデータネットワーク、ワイヤレスネットワークに関連したコンピュータ、等を含む。
【0027】
パートII:通勤時間機能を動作する方法
本発明の実施形態は、通常、フローチャート、フローダイヤグラム、構造図、又はブロック図として示されるプロセスとして以下に説明する。フローチャートは、オペレーションを順次プロセスとして記述するが、多数のオペレーションを並列に又は同時に遂行することができる。更に、オペレーションの順序を整頓し直すことができる。プロセスは、そのオペレーションが完了したときに終了となる。プロセスは、方法、プログラム、手順、等に対応する。
【0028】
移動装置の通勤時間機能を動作するための方法300の一実施形態のフローチャートが図3に示されている。
【0029】
方法300は、ユーザにより与えられた通勤情報を受け取って記憶することにより開始する(ブロック301)。通勤時間情報は、出発ストリートアドレス及び行先ストリートアドレスを含む。例えば、ユーザは、自分の家のアドレスを出発アドレスとして入力し、自分の職場のアドレスを行先アドレスとして入力する。
【0030】
ブロック302において、ユーザは、記憶された通勤情報に関連した事象について促される。例えば、この事象は、月曜日午前7:00として入力される。この事象は、時刻エントリー及び曜日エントリーを含み、任意であるが、記述エントリーも含む(ブロック302)。1つの実施形態では、事象は、スケジュールに基づいて繰り返すためにユーザによりセットされるルーチン事象である。例えば、ユーザは、事象が月曜日から金曜日まで午前7:00に繰り返されるように「メインオフィス、平日、午前7:00」として事象をセットする。
【0031】
ブロック303において、通勤時間機能は、事象に基づいて自動的にアクチベートされ、次いで、通勤時間機能が遂行される(ブロック303)。自動的アクチベーションは、次のようにセットされる。「メインオフィス、平日、午前7:00」の事象を一例として考える。この事象に対する関連通勤は、ユーザの家からメインオフィスまでのトリップである。この通勤は、平均で約1時間の範囲にあると仮定する。ユーザがオフィスへの出発までに準備に約45分かかる場合には、ユーザは、通勤時間機能に対する自動アクチベーション時間を平日に午前5:00にセットすることを希望する。
【0032】
ブロック303において通勤時間機能を遂行することは、記憶された通勤情報に基づき最新の通勤時間を決定することを含む(ブロック303a)。1つの実施形態では、以前に記憶された通勤情報を、インターネットを経て輸送情報サービスプロバイダーに送出することにより通勤時間が決定される。例えば、通勤情報は、ウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスへ送られ、そこで、所与の通勤情報に対して現在又は最新の交通状態に基づいて最新又は現在の通勤時間が計算される。最新の通勤時間は、次いで、ウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスから装置10により受け取られる。この実施形態では、通勤時間機能を遂行することは、装置に最新の通勤時間を表示し又は話すことも含む(ブロック303b)。従って、前記例を使用すると、午前5:00に始まって、移動装置は、ユーザの家のアドレス及び職場のアドレス、又は通勤の他の識別、並びにこの通勤に対する最新の通勤時間を、ディスプレイスクリーン16に表示し、及び/又はスピーカポート24を経て話す。ブロック303bは、近づきつつある通勤に関してユーザを更新状態に保つために、例えば、5分ごとに、又は他の適当なインターバルで、繰り返される。
【0033】
ある実施形態では、得られた最新の通勤時間に基づいて、移動装置における他のアプリケーションの機能を変更することができる。例えば、通勤時間が、ユーザにより手動でセットされた予想時間、又は通勤時間の記憶されたインスタンスの履歴に基づいて自動的に計算された予想時間より長い場合には、ユーザが通勤に対して出発を準備するための時間が短いか、又は通勤時間がより長いことを反映するために、アプリケーションに対して調整を行うことができる。上述した例では、午前5:00にチェックされた現在通勤時間が通常より15分長い場合には、午前7:00のターゲット時間までにオフィスに到着するための付加的な時間をユーザに与えるように、以前に午前5:15にセットされたアラームウェイクアップ時間を午前5:05のより早い時間に調整することができる。
【0034】
1つの実施形態では、ユーザにより以前にセットされた時間に再生されるべき音楽を、通勤時間が指定時間より長いか短いかに基づいて選択することができる。再生されるべき音楽又は歌の形式は、仕事の準備をするためにユーザが目覚める必要のある緊急性を反映する。例えば、クラシックのシンフォニーは、通勤時間が指定時間より短いことを指示するために以前にセットされたアラームウェイクアップ時間に再生され、一方、パンクバンドによる歌は、より長い通勤時間が待ち受けていることを指示するために再生される。
【0035】
1つの実施形態では、移動装置へダウンロードされるニュースフィードの数も、報告された通勤時間に基づいて調整することができる。装置は、通勤時間に対応する数のニュースフィードを移動装置へダウンロードすることができる。例えば、通勤時間が更に15分必要とすると決定された場合には、装置は、より長い通勤時間中にユーザが経験するべく1つ以上の付加的なニュースフィードをダウンロードすることができる。
【0036】
1つの実施形態では、再生されるべく選択された1つ以上の歌の収集体(プレイリスト)及び/又はダウンロードされるニュースフィードの数が、通勤時間に対応するようにタイミング合わせされる。プレイリスト又はダウンロードされるニュースフィードの、時間に関する全長は、通勤時間に比例するようにされる。例えば、プレイリスト又はダウンロードされるニュースフィードの時間巾は、ほぼ通勤時間以上である。この時間巾が通勤時間にほぼ等しい場合には、ユーザが行先アドレスに到着したときに、プレイリストの最後の歌、又は再生されるべき最後のニュースフィードが終了となる。
【0037】
ある実施形態では、第三者装置のアクチベーション時間を通勤時間に基づいて調整することができる。例えば、第三者装置は、以前にセットされたアクチベーション時間が午前7:30であるアラームクロックである。上述したように、通勤時間が午前7:00にチェックされ、そして15分長いことが決定された場合には、ユーザにその行先へ通勤するための余計な時間を与えるために、アラームクロックのウェイクアップ時間を15分早くするように調整することができる。同様に、第三者装置は、煎れ始める時間が装置10により自動的にシグナリングされ、15分早くなるように調整されて、早い時間にコーヒーの準備をするコーヒーマシンである。
【0038】
1つの実施形態では、第三者装置は、電子カレンダーでもよい。電子カレンダーのアクチベーション時間を調整することは、電子カレンダーに記憶されたスケジュールされたミーティングを現在通勤時間に基づいてスケジュールし直し、そしてそのスケジュールされたミーティングに含まれた人々にスケジュールし直しを警告することを含む。
【0039】
パートIII:通勤時間機能を動作するための一般化された装置
図4は、通勤時間機能を具現化できる一般化された電子装置の一実施形態のブロック図である。装置400は、ユーザインターフェイス401、通信ネットワークインターフェイス402、及びプログラムされた処理回路403を備えている。装置400は、ハンドヘルド式の移動装置である必要がなく、例えば、デスクトップ又はラップトップパーソナルコンピュータでよい。
【0040】
ユーザインターフェイス401は、ディスプレイ(例えば、タッチ感知スクリーンを含む)、スピーカ、マイクロホン、キーボード及びマウス(触覚入力装置)のようなユーザ入力装置、並びにそれに関連したインターフェイス回路及びソフトウェアを備えている。通信ネットワークインターフェイス402は、ローカルエリアネットワークインターフェイスコントローラ又はアダプタ或いはセルラーネットワークベースバンドプロセッサ、並びにそれに関連したインターフェイス回路及びソフトウェア(例えば、TCP/IPソフトウェアスタック)を備えている。例えば、ユーザインターフェイス401は、内蔵のタッチ感知スクリーン及びそれに関連したジェスチャー検出ソフトウェアを伴うディスプレイスクリーン16を備えている。プログラムされた処理回路403は、装置400のオペレーションを制御するのに使用される。プログラムされた処理回路403は、装置内の記憶装置のソフトウェアを実行するプロセッサを備え、これは、例えば、マップモジュール404、カレンダーモジュール405、通勤時間モジュール406、及び通勤時間アクチベータ407を含む。
【0041】
ユーザインターフェイス401を通して、マップモジュール404は、(実行時に)ユーザから通勤情報を取得し、そして例えば、出発アドレス及び終了アドレスを示すストリートマップの形態でユーザへ通勤情報を戻すように表示する。マップモジュール404は、装置400のユーザから触覚入力及び/又は口頭入力を経て通勤情報を取得することができる。同様に、ユーザの電子カレンダーを管理するカレンダーモジュール405は、通勤情報を関連したカレンダー事象を取得する。1つの実施形態では、ユーザは、タッチ感知スクリーンも含むディスプレイスクリーン16を使用することにより通勤情報及びカレンダー事象を入力することができる。1つの実施形態では、ユーザは、通勤情報及びカレンダー事象を装置10(図2)のマイクロホンポート22へ話すことができる。
【0042】
ある実施形態では、通勤情報は、出発アドレス及び行先アドレスを含み、そしてカレンダー事象は、時刻エントリーと、曜日を特定するエントリーとを含む。他の実施形態では、カレンダー事象は、ミーティングの時刻、日付及び場所を含む。例えば、ユーザは、カレンダー事象として、カリフォルニア州クパチーノのアップル社インフィニットループ1における2008年8月28日午前9:00のミーティングを入力する。別の実施形態として、出発アドレスは、装置の現在位置として自動的に入力されてもよく、そして行先アドレスは、カレンダー事象の場所として自動的に入力されてもよい。装置400は、その現在位置を決定するのに使用できるGPSシステムを含んでもよい。
【0043】
通勤時間モジュール406は、通勤情報に基づき、及び通信ネットワークインターフェイス402を経て得た現在トラフィック情報体に基づき、現在通勤時間を得る。例えば、1つの実施形態では、通勤時間は、現在の交通状態及び与えられた通勤情報に基づいて通勤時間を計算するウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスのような輸送情報サービスプロバイダーから得ることができる。この実施形態では、通勤時間モジュール406は、インターネットを経て輸送情報サービスプロバイダーへ通勤情報を送信する。次いで、通勤時間モジュール406は、サービスプロバイダーから現在通勤時間を受け取る。
【0044】
通勤時間モジュール406は、現在通勤時間を得ると、視覚及び/又は口頭出力を経て現在通勤時間を提示することをユーザインターフェイス401にシグナリングする。例えば、ユーザインターフェイス401は、現在通勤時間をディスプレイスクリーン16に表示し、そして任意であるが、それと同時に、通勤を識別することにより(例えば、出発及び終了アドレスを表示することで)、視覚出力を与えることができる。又、ユーザインターフェイス401は、例えば、スピーカポート24、或いはレシーバ又はイヤホンポート23を使用して現在通勤時間を話すことにより口頭出力を発生することもできる。
【0045】
1つの実施形態では、ユーザインターフェイス401は、ユーザが通勤時間モジュール406をコマンド時に手動でアクチベートして現在通勤時間を表示できるようにする「ワン・クリック」アイコンを表示する。このアイコンは、タッチスクリーン上のバーチャルボタンに関連している。
【0046】
通勤時間アクチベータ407は、カレンダー事象の発生前にそれに基づいて通勤時間モジュール406をアクチベートする。例えば、ユーザが、所与の通勤に関連付けられるべきカレンダー事象として月曜日午前8:00を入力し、そして予想される通勤時間が約30分である場合には、通勤時間アクチベータ407は、月曜日の午前7:00に通勤時間モジュール406をアクチベートするようにプログラムされる。このようにして、ユーザの出発アドレスから終了アドレスへ移動するのに必要な時間が、特定された時間より長い場合には、その付加的な移動時間がユーザに警告され、ユーザが出発時間を適宜に調整できるようにする。
【0047】
1つの実施形態では、通勤時間モジュール406は、1つ以上のニュースフィードをダウンロードすることができ、その数又は合計聴取時間は、通勤時間に基づく。上述したように、ニュースフィードの数又は合計聴取時間は、通勤時間にほぼ等しいか又はそれより長く、長い通勤時間が報告される場合には、より多数のニュースフィードを装置400へダウンロードすることができる。
【0048】
別の実施形態では、カレンダー事象は、ユーザにより事前にセットされ、そしてユーザが誰と会うかの連絡先を識別する。この実施形態では、プログラムされた処理回路403は、更に、更新メッセージを連絡先に送信させることにより現在通勤時間に基づいてカレンダー事象をスケジュールし直すためのカレンダー事象レスケジューラーを具現化することができる。更新は、カレンダー事象の変更を指示し又は要求し、そしてSMSテキストメッセージ、e−メール、及び/又は電話の出呼びを介して連絡先へ送信される。
【0049】
1つの実施形態において、プログラムされた処理回路403は、装置400に記憶されたサウンドファイルを再生するためのデジタルメディアプレーヤを具現化する。この実施形態では、通勤時間モジュール406は、通勤時間が特定された時間より長い場合には、プレーヤにより再生するための第1の音楽選択を、或いは通勤時間が特定された時間より短い場合には、第2の異なる音楽選択を、選択する。例えば、得られる通勤時間に基づいて、ユーザが自身の通勤に乗り出すために必要な緊急性を音楽の形式に反映させることができる。
【0050】
1つの実施形態では、プログラムされた処理回路403は、アラームクロックを具現化する。この実施形態では、ユーザによって事前にセットされたアラームクロックウェイクアップ時間を自動的に調整することができる。通勤時間モジュール406は、通勤時間が特定時間より長い場合にはウェイクアップ時間をより早い時間に自動的に変更し、ユーザが行先へ移動するための付加的な時間を与えることができる。
【0051】
本発明の一実施形態は、上述したオペレーションの幾つか又は全部を遂行するようにプロセッサをプログラムするインストラクションが記憶されたマシン読み取り可能な媒体である。マシン読み取り可能な媒体は、マシン(例えば、コンピュータ)が読み取れる形態で情報を記憶又は送信するためのメカニズム、例えば、コンパクトディスクリードオンリメモリ(CD−ROM)、リードオンリメモリ(ROM)、ランダムアクセスメモリ(RAM)、及び消去可能なプログラマブルリードオンリメモリ(EPROM)を含む。他の実施形態では、これらオペレーションの幾つかが、ハードワイヤードロジックを含む特定のハードウェアコンポーネントにより遂行される。これらのオペレーションは、プログラム可能なコンピュータコンポーネント及び固定ハードウェア回路コンポーネントの組み合わせにより遂行されてもよい。
【0052】
以上、本発明を幾つかの実施形態について説明したが、当業者であれば、本発明は、上述した実施形態に限定されず、特許請求の範囲の精神及び範囲内で変更や修正がなされ得ることが理解されよう。従って、この説明は、単なる例示に過ぎず、何らそれに限定されるものではない。上述した本発明の異なる態様に対して多数の他の変形例もあるが、簡明化のために詳細に述べなかった。従って、それら他の実施形態も特許請求の範囲内に包含される。
【符号の説明】
【0053】
10:移動通信装置
12:ハウジング
14:ベゼル
16:ディスプレイスクリーン
19:ボタン
22、23、24:開口
34:記憶装置
36:処理回路
38:入力/出力装置
40:ユーザ入力装置
42:ディスプレイ・オーディオ装置
44:ワイヤレス通信装置
46:アクセサリ
48:コンピューティング装置
49:ワイヤレスネットワーク
401:ユーザインターフェイス
402:通信ネットワークインターフェイス
403:プログラムされた処理回路
404:マップモジュール
405:カレンダーモジュール
406:通勤時間モジュール
407:通勤時間アクチベータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
通勤時間機能を有する電子装置を動作するためのマシン実施方法において、
ユーザによって与えられる出発アドレス及び行先アドレスを含む通勤情報を受け取って記憶するステップと、
時刻エントリー及び曜日エントリーを含む事象についてユーザを促し、その事象を前記記憶された通勤情報に関連付けるステップと、
前記事象に基づき前記通勤時間機能を自動的にアクチベートし、次いで、a)前記記憶された通勤情報に基づいて最新の通勤時間を決定し、及びb)その最新の通勤時間を表示するか又は話すことにより、前記通勤時間機能を遂行するステップと、
を備えた方法。
【請求項2】
前記通勤時間が特定時間より長い場合には、ユーザにより以前にセットされたアラームウェイクアップ時間を調整するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記通勤時間が特定時間より長い場合には第1の音楽選択を、又は前記通勤時間が特定時間より短い場合には第2の異なる音楽選択を、選択するステップを更に備えた、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記通勤時間に基づいて第三者装置のアクチベーション時間を調節するステップを更に備え、その第三者装置は、コーヒーマシン、アラームクロック、及び電子カレンダー、のうちの1つである、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
電子カレンダーのアクチベーション時間を調整するステップは、
その電子カレンダーに記憶されたスケジュールされたミーティングをスケジュールし直すことを含み、そのスケジュールされたミーティングは、選択人を含み、更に、
前記スケジュールし直しに関して前記選択人に警告することを含む、
請求項4に記載の方法。
【請求項6】
ある数のニュースフィードをダウンロードするステップを更に備え、そのニュースフィードの数は、前記通勤時間に基づく、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
ニュースフィード及び/又は歌のプレイリストの収集体をダウンロードするステップを更に備え、そのニュースフィード及び/又は歌のプレイリストの収集体の時間巾は、前記通勤時間にほぼ等しいか又はそれより長い、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記特定時間は、ユーザにより手動でセットされる、請求項2に記載の方法。
【請求項9】
前記特定時間は、前記通勤時間の記憶されたインスタンスの履歴に基づいて自動的に計算される、請求項2に記載の方法。
【請求項10】
前記事象は、スケジュールに基づいて繰り返すようにユーザによりセットされるルーチン事象である、請求項1に記載の方法。
【請求項11】
通勤時間を決定する前記ステップは、
前記通勤情報をウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスへ送信して、それが前記通信情報に対する現在又は最新の交通状態に基づき最新の通勤時間を計算するようにさせ、
前記ウェブサイト又はインターネットアクセス可能なサービスから前記最新の通勤時間を受け取る、
ことを含む請求項1に記載の方法。
【請求項12】
通信ネットワークインターフェイスと、
ユーザインターフェイスと、
プログラムされた処理回路と、
を備え、前記プログラムされた処理回路は、
ユーザインターフェイスを通して、及び装置のユーザからの触覚及び/又は口頭入力を経て、通勤情報を取得するためのマップモジュール、
ユーザのカレンダーを管理し、そしてユーザインターフェイスを通して、及びユーザからの触覚及び/又は口頭入力を経て、通勤情報に関連したカレンダー事象を取得するためのカレンダーモジュール、
通勤情報に基づき及びネットワークインターフェイスを通して得た現在トラフィック状態に基づき、現在通勤時間を得ると共に、視覚及び/又は口頭出力を経てその現在通勤時間を提示するようにユーザインターフェイスにシグナリングするための通勤時間モジュール、及び
カレンダー事象の発生前にそれに基づいて前記通勤時間モジュールをアクチベートするための通勤時間アクチベータ、
を具現化するものである、電子装置。
【請求項13】
前記通勤時間モジュールは、インターネットを経て輸送情報サービスプロバイダーへ通勤情報を送信し、そしてそのサービスプロバイダーから現在通勤時間を受け取る、請求項12に記載の装置。
【請求項14】
前記ユーザインターフェイスは、クリックすると、前記通勤時間モジュールをアクチベートするアイコンを表示する、請求項12に記載の装置。
【請求項15】
前記カレンダー事象は、時刻、日付、及びミーティングの場所を含む、請求項12に記載の装置。
【請求項16】
前記通勤情報は、ユーザにより与えられる出発アドレス及び行先アドレスを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項17】
前記カレンダー事象は、時刻エントリーと、曜日を特定するエントリーとを含む、請求項12に記載の装置。
【請求項18】
前記カレンダー事象は、ユーザが誰に会うかの連絡先を識別し、
前記プログラムされた処理回路は、更に、前記カレンダー事象の変更を指示する更新を前記連絡先へ送信させることにより、現在通勤時間に基づいて前記カレンダー事象をスケジュールし直すためのカレンダー事象レスケジューラーを具現化する、請求項12に記載の装置。
【請求項19】
前記プログラムされた処理回路は、更に、前記装置に記憶されたサウンドファイルを再生するためのデジタルメディアプレーヤを具現化し、
前記通勤時間モジュールは、通勤時間が特定時間より長い場合には、プレーヤにより再生するための第1の音楽選択を、又は通勤時間が特定時間より短い場合には、第2の異なる音楽選択を、選択する、請求項12に記載の装置。
【請求項20】
前記プログラムされた処理回路は、更に、アラームクロックを具現化し、
前記通勤時間モジュールは、ユーザにより以前にセットされたアラームクロックのアラームウェイクアップ時間を、通勤時間が特定時間より長い場合には、より早い時間へ調整する、請求項12に記載の装置。
【請求項21】
前記通勤時間モジュールは、1つ以上のニュースフィードをダウンロードし、その数又は合計聴取時間は、前記通勤時間に基づく、請求項12に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公表番号】特表2012−503201(P2012−503201A)
【公表日】平成24年2月2日(2012.2.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−527945(P2011−527945)
【出願日】平成21年9月16日(2009.9.16)
【国際出願番号】PCT/US2009/057210
【国際公開番号】WO2010/033636
【国際公開日】平成22年3月25日(2010.3.25)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.GSM
【出願人】(503260918)アップル インコーポレイテッド (568)
【Fターム(参考)】