説明

通気性コーティング布帛

【課題】従来、透湿性と防水性を兼ね備えたコーティング布帛は存在したが、それに、通気性を兼ね備えたコーティング布帛は存在しなかった。そこで、通気性、透湿性、防水性の3機能を同時に兼ね備えたコーティング布帛の提供を課題とする。
【解決手段】ポリウレタン系、反応性ウレタンプレポリマー系、ポリアクリル酸エステル系化合物の少なくとも1種と、それらの架橋剤ならびに撥水剤からなる組成物に、CMC、PVA、水溶性ポリウレタンなどの水溶出性の化合物を配合してコーティング後、水溶出成分を溶出し、孔径が0.3〜20ミクロンの微多孔を形成せしめる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通気性ならびに透湿性があって、さらに防水性が兼ね備わっている着用快適性を追求した加工布帛(繊維布帛)ならびにその製造方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、透湿・防水性コーティング布帛は特許文献1〜7にも記載されているように広く知られており、世の中に製品としても広く出回っている。
【特許文献1】特開平6−002278号公報
【特許文献2】特開平10−251976号公報
【特許文献3】特開平11−228808号公報
【特許文献4】特開2001−240752号公報
【特許文献5】特開2001−354899号公報
【特許文献6】特開2002−194679号公報
【特許文献7】特開2003−201675号公報 しかしながら、これらの技術では、透湿性と防水性が兼ね備わっているが、それに通気性が備わったものは存在していないのが実状である。
【0003】
また、透湿・防水性コーティング技術においても、溶剤系のものが多く、環境に配慮した水系の技術は乏しく、ましてそれに通気性を兼ね備えた通気性、透湿、防水コーティング技術ならびに該技術で製造したコーティング布帛は世の中には存在していないのが実状である。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明のコーティング布帛は、良好な通気性、透湿性の他に、実用性にマッチした防水性能を併せ持ったものであり、着用快適性の向上を目的・課題とするものである。具体的には、従来の単なるアクリル・コーティング品などは、防水性はあるが透湿性はなく、ましてや通気性に至っては全くないのが実状で、したがって、着用時にはムレ感による不快感の強いのもにしか出来なかった。また、DMF、DMSOなどの溶剤系のポリウレタンをコーティング後、溶剤を水中に回収する際に、コーティング膜に微多孔を形成させる所謂透湿性防水コーティングでは透湿性があるため、前述の無孔膜コーティング品に比べると着用快適性は向上するが、通気性がないため、今一つ着用快適性が不十分であった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するために、次のような手段を講じるものである。すなわち、ポリウレタン系、反応性ウレタンプレポリマー系、ポリアクリル酸エステル系化合物の内の少なくとも一つを水不溶性の樹脂化合物として用い、それに水溶出性の添加物として、CMC、PVA、水溶性ポリウレタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水溶性糊剤の内の少なくとも一つが混合され、水不溶性の樹脂化合物と水溶出性の添加物の混合物をコーティング加工後、該水溶性の添加物の一部もしくは全部を除去し、孔径が0.3ミクロン〜20ミクロンで、該コーティング布帛の通気度が0.2〜10cc/cm/秒、JIS L−1092静水圧法による耐水圧が300mm・HO以上、JIS L−1099塩化カルシウム法による透湿度が5000g/m・24hrs.以上であるコーティング布帛とするものである。
【発明の効果】
【0006】
上述の手段により、コーティング布帛を製造することにより、従来は出来なかった、通気性を有しながら、防水性も兼ね備えた着用快適性に富んだ新規なコーティング布帛を得ることが出来るものである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明は、かかる透湿性、通気性機能を兼ね備えた着用快適性の良好な水系コーティング技術であり、ポリウレタン系、反応性ウレタンプレポリマー系、ポリアクリル酸エステル系化合物の内の少なくとも一つを水不溶性の樹脂化合物(A)として用い、それに水溶出性の添加物(B)として、CMC、PVA、水溶性ポリウレタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水溶性糊剤の内の少なくとも一つが混合され、水不溶性の樹脂化合物(A)と水溶出性の添加物(B)の混合割合が7:3〜1:4の混合物(1)で、特に好ましいのは3:2〜2:3の範囲の混合物で、水溶出性の添加物 (B)がこれ以下である場合は通気度が得られなくなり、これ以上である場合は連続的なウレタン皮膜が形成されず、脆くなる傾向にある。
【0008】
混合物(2)は、混合物(1)の水不溶性の樹脂化合物(A)と無機系 もしくは、有機系の微粒子(C)の固形分重量比率が1:1〜100:1が好ましく、無機系 もしくは、有機系の微粒子(C)がこれ以下である場合は、多孔質層の弾性の向上が期待できず、圧力により孔壁が接着し塞がり、良好な透湿度が得られなくなる傾向にある。これ以上である場合は、多孔質層がコーティング布より剥離しやすい傾向にある。また、連続的なウレタン皮膜が形成されず脆くなる傾向にある。また、無機系 もしくは、有機系の微粒子(C)の粒径は、30μm以下が好ましく、特に好ましいのは0.01〜10μmの範囲であり、30μm以上の場合連続的なウレタン皮膜が形成されず脆くなる傾向にある。
【0009】
混合物(3)は、混合物(1)(2)の水不溶性の樹脂化合物(A)と架橋剤(D)を固形分重量比率で200:1以上含有することが好ましく、特に好ましい固形分重量比率は100:1〜1:1である。これ以下である場合は、家庭洗濯およびドライクリーニングの耐久性の向上を期待できない傾向にあり、多孔質層が剥離する傾向にある。
【0010】
混合物(4)は、混合物(1)〜(3)の水不溶性の樹脂化合物(A)とフッ素系の撥水剤(E)の固形分重量比率が100:1〜1:2の範囲が好ましく、9:1〜3:2が特に好ましい。これ以下の場合は、望ましい撥水性がでず、耐水性の向上を期待できない傾向にあり、これ以上の場合は、連続的なウレタン皮膜が形成されず、脆くなる傾向にある。
【0011】
これらの混合物をコーティング加工後、該添加物(B)の一部もしくは全部が除去された後の孔径が0.3ミクロン〜20ミクロンであり、該コーティング布帛の通気度が0.2〜10cc/cm/秒、JIS L−1092静水圧法による耐水圧が300mm・HO以上、JIS L−1099塩化カルシウム法による透湿度が5000g/m・24hrs.以上であるコーティング布帛を提供するものである。その際、布帛の片面、もしくは両面が樹脂化合物でコーティングされるが、樹脂化合物がポリウレタン系化合物と反応性ウレタンプレポリマー化合物もしくは、ポリアクリル酸エステル系化合物と反応性ウレタンプレポリマー化合物からなり、その配合比が9:1〜1:4であり、添加物がCMCで樹脂化合物の重量対比20〜70%添加し、コーティング後、該添加物を除去することを特徴とする。また、コーティングに使用する化合物が非溶剤系で有ることも本発明の大きな特徴であり、用途的には、ダウンプルーフテストにおいて、羽毛の吹き出しが10本/25cm以下であることを特徴とする通気性ダウンプルーフ布団側地、布団カバーの他、スポーツカジュアル分野の通気性・防水アノラックや通気性・防水パンツ、通気性・防水雨合羽など、幅広い用途が考えられる。
【0012】
以下、本発明の加工布帛における、透湿性能及び防水性能を発揮する樹脂含浸層もしくは、コーティング層を形成するのに使用される各成分について説明する。まず、本発明で言う水不溶性の樹脂化合物について説明する。本発明におけるポリウレタン系化合物とは、乳化剤を使用するノニオン系の強制乳化型のポリウレタンエマルジョンもしくは、乳化剤を使用しない自己乳化型のポリウレタンエマルジョンで特に限定されるものではない。強制乳化型のポリウレタンエマルジョンは、乳化剤としてポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンセカンダリーアルコールエーテル、ポリオキシエチレンスチレン化フェニルエーテル、ポリオキシエチレンイソデシルエーテル、ポリオキシアルキレントリデシルエーテル等のエチレンオキサイド付加タイプの乳化剤でこれらは単独もしくは、2種以上の併用使用して用いられる。自己乳化型のポリウレタンエマルジョンは、アニオン性及びカチオン性を示す物質をウレタン骨格中に導入する通常公知の方法による。アニオン性を付与するものとしては、例えば、2,2−ジメチロールプロピオン酸、2,2−ジメチロールブタン酸などを挙げる事が出来る。またこれらは単独 もしくは、2種以上の併用使用して用いられる。これらは、アンモニア、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−プロピルアミンなどのアミン類、水酸化カリウム、水酸化ナトリウムなどで中和して使用される。カチオン性を付与するものとしては、例えば、N−メチルジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどを挙げることが出来る。また、これらは単独もしくは、2種以上の併用使用して用いられる。これらは、塩酸、硝酸、酢酸などの有機酸や無機酸などで中和して使用されたり、ジメチル塩酸、ジエチル硫酸、エピクロルヒドリンなどで4級化して使用される。
【0013】
ポリウレタンを形成するイソシアネート成分は、従来からよく用いられている芳香族、脂肪族、および脂環族のポリイソシアネートを使用する。例えば、キシレンジイソシアネート、ナフタレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート、ジフェニルメタンジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、イソホロンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、ノルボランジイソシアネートなどのポリイソシアネートがあげられる。特に好ましいポリイソシアネートとしては、キシレンジイソシアネート、1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン、ヘキサメチレンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタンジイソシアネート、イソホロンジイソシアネートが挙げられる。
【0014】
ポリウレタンを形成するポリオール成分としては、例えば、エチレンオキシド、プロピレンオキシド、テトラヒドロフランなどの環状エーテルを単独または、2種以上を重合して得られるポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコールなどのポリエーテルポリオール、n−ブチルグリシジルエーテル、2−エチルヘキシルグリシジルエーテルなどのアルキルグリシジルエーテル、バーサティック酸グリシジルエステルなどのモノカルボン酸グリシジルエステルもしくは、ダイマー酸などを還元させて得られるアルコール成分、または、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−プロパンジオール、1,6−ヘキサンジオール、オクタンジオール、ジプロピレングリコールなどの低分子量グリコールと前記多塩基酸とを脱水縮合させて得られる脱水縮合系ポリエステルポリオール、ε−カプロラクトン、β−メチル−δ−バレロラクトンなどのラクトンを開環重合させて得られる開環重合系ポリエステルポリオール、ポリヘキサメチレンカーボネートジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオールと1,6−ヘキサンジオールからなるポリカーボネートジオールなどが挙げられる。これらの各種イソシアネート成分ならびに、ポリオール成分は単独もしくは、2種以上の併用使用をして用いられる。
【0015】
鎖伸長剤としては、各種の低分子ポリオールや低分子ポリアミンを用いることができ、例えば低分子ポリオールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル1,5−ペンタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどが挙げられる。低分子ポリアミンとしては、エチレンジアミン、プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ヒドラジン、ピペラジン、イソホロンジアミン、ノルボランジアミン、ジアノジフェニルメタン、トリレンジアミン、キシレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、イミノビスプロピルアミンなどが挙げられる。これらは、単独もしくは、2種以上の併用使用をして用いられる。ポリウレタンエマルジョンの合成は、必要に応じ溶剤中でポリイソシアネート成分、鎖伸長成分を同時に仕込み反応させ、ポリマー化をするワンショット法、ポリオールとポリイソシアネートを反応させ、鎖伸長成分を仕込みポリマー化するプレポリマー法、ポリイソシアネート成分の一部とポリオールを反応後、残りのポリイソシアネート成分と鎖伸長成分を仕込みポリマー化するプレポリマー法等が挙げられる。
【0016】
次に、本発明に言う反応性ウレタンプレポリマーについて説明する。本発明の反応性ウレタンプレポリマーは、その分子末端にブロック剤でブロックしたイソシアネート基、水酸基、アミノ基、カルボキシル基、スルホン酸基、アルカリ金属で置換されたカルボキシル基ならびにスルホン酸基を有していることが好ましい。
【0017】
ブロック剤としては、メタノール、エタノールなどの低級アルコール、エチルメルカプタン等の脂肪族メルカプタン、β‐チオナフトール等の芳香族メルカプタン、メチルエチルケトオキシム等のオキシム類、フェノール、重亜硫酸塩などが挙げられる。
【0018】
本発明において、反応性ウレタンは2個以上の活性水素原子を有するポリオール化合物と有機ポリイソシアネート化合物を反応させることにより製造することが出来る。2個以上の活性水素原子を有するポリオール化合物としては、ポリエーテルポリオール、ポリエステルポリオールなどを例示することが出来る。ポリエーテルポリオールの例としては、三官能であるグリセリン、ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンなどのトリオール類、トリエタノールアミン、トリイソプロパノールアミン、トリブタノールアミンなどのアルカノールアミン類、ペンタエリスリトールなどの四官能のアルコールなどを出発点とし、塩基性触媒の存在下にアルキレンオキサイドを重付加してポリエーテルポリオールを挙げることが出来る。アルキレンオキサイドとしては、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイドなどが挙げられる。
【0019】
また、ポリエステルポリオール成分を構成する二塩基酸成分としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸のような芳香族二塩基酸が挙げられる。ポリエステルポリオールを構成する二価アルコール成分としては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチルー1,5−ペンタジオールなどの脂肪族グリコール、シクロヘキサンジオールなどの脂環式グリコール、ビスフェノールらの二価アルコール成分と上記二塩基酸成分とを縮合反応することにより、ポリエステルポリオールが得られる。
【0020】
次に反応性ウレタンプレポリマーに用いる有機ポリイソシアネート化合物としては、ウレタン業界で周知のものを使用することができ、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、ポリメリックMDI、ヘキサメチレンジイソシアネート(HMDI)、キシリレンジイソシアネート(XDI)、テトラメチルキシリレンジイソシアネート(TMXDI)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)、水素添加MDI、(H12MDI)などを挙げることが出来る。これらの内、無黄変性を要求される場合には、脂肪族イソシアネートではHMDI、脂環族イソシアネートではIPDI、H12MDI、芳脂環族イソシアネートではXDI、TMXDIを使用することが好ましい。
【0021】
なお、反応性ウレタンプレポリマーに用いる鎖伸長成分としては、前述したポリウレタン系化合物に使用する鎖伸長成分と同様のものを用いることができる。
【0022】
次に本発明に言う無機系微粒子とは、シリカ、シリカゾル、コロイダルシリカ、アルミナ、アルミナゾル、炭酸カルシウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硼素、酸化硼素、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウムなどの1種あるいは、2種以上の配合で使用する。また、有機系微粒子とは、ポリエチレン、アクリル系ポリマー、ポリエチレン、シリコーンポリマーなどの1種あるいは、2種以上の配合で使用する。
【0023】
次に本発明に言うアクリル酸エステル系化合物について説明する。本発明において使用するアクリル酸エステルとしては、例えばエステル部がメチル、エチル、n−プロピル、n−ブチル、2−エチルへキシル、n−ラウリルなどの炭素数1〜12のアルキルエステル、アクリル酸クロルエチルなどのハロアルキルエステル、アクリル酸ベンジルまたは、フェネチルなどの芳香族エステルなどが挙げられる。具体的には、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸i−プロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸i−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸シクロヘキシル、アクリル酸ベンジル、アクリル酸2−エチルへキシルなどを挙げることが出来るが、これらに限定されるものではない。また、架橋アクリル酸エステル系重合体としては、例えばメタクリル酸メチル、メタクリル酸ブチルなどのメタクリル酸エステルとアクリルニトリル、スチレンなどのアクリル酸エステルと共重合可能な単量体を重合体の構成単位50重量%未満の範囲で使用することができる。
【0024】
次に本発明に言う水溶出性の添加物(B)について説明する。本発明に言う水溶出性の添加物とは、通常のCMC、PVA、水溶性ポリウレタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水溶性糊剤などを意味するが、中でも水溶性ポリウレタンが好適である。この水溶性ポリウレタンとは、2個の活性水素基を有する化合物にエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドを付加した水溶性ポリオキシアルキレン化合物とポリイソシアネートから誘導され、重量平均分子量が1万〜50万で、オキシエチレン単位の含有重量%が70%以上のものを言う。2個の活性水素を有する化合物とは、通常のものが利用でき、例えば水、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリオキシエチレンポリオキシプロピレングリコール、N−メチルジエタノールアミン、モノアルキルアミン、ハイドロキノン、ビスフェノールAなどが挙げられる。これらの内、水、エチレングリコール、プロピレングリコール、ポリプロピレングリコールが好ましい。
【0025】
前述の化合物にエチレンオキサイドを含むアルキレンオキサイドを付加することにより、水溶性ポリアルキレンオキサイドが得られるが、アルキレンオキサイドはエチレンオキサイドの他にプロピレンオキサイド、1,2−ブチレンオキサイド、α−オレフィンオキサイド、テトラヒドロフラン、スチレンオキサイドなどが使用できる。この付加様式は単独、ブロック、ランダムのいずれでも可能である。
【0026】
この水溶性ポリアルキレンオキサイドのオキシエチレン基の含有重量%は70%以上、好ましくは80%以上である。また、末端は反応性が良好な一級ヒドロキシ基が残るように調整した方が好ましい。また、重量平均分子量が1000〜30000、好ましくは2000〜25000のものが使用できる。また、必要に応じて水溶性ポリウレタンの水溶性を阻害しない程度であれば非水溶性ジオールを水溶性ポリアルキレンオキサイドに混合してウレタン化反応を行っても良い。その非水溶性ジオールとしてはポリプロピレングリコールやポリテトラメチレングリコールなどが使用でき、その使用量は通常の場合、15%以下である。
【0027】
本発明における水溶性ポリウレタンに使用するポリイソシアネートは、前記、水不溶性のポリウレタン系化合物の製造に用いるポリイソシアネートと同一のものが使用できる。
【0028】
水溶性ポリアルキレンオキサイドとポリイソシアネートの反応は通常のウレタン化反応で行いうる。例えば、塊状重合、溶剤中の重合などで、水溶性ポリアルキレンオキサイド中のヒドロキシル基とポリイソシアネート中のイソシアネート基の当量比が0.8〜1.2:1の範囲で行う。反応後の重量平均分子量は通常1万〜50万、好ましくは2万〜30万である。
【0029】
本発明に言うフッ素系撥水剤とは特に限定はなく、通常公知のパーフルオロアルキル基を主成分とするものであればよい。例えば、パーフルオロアルキル基を含有するアクリル酸または、メタアクリル酸の如きポリフルオロアルキル基含有の重合し得る化合物の単独あるいは、これとエチレン、酢酸ビニル、弗化ビニル、スチレン、アクリル酸とそのアルキルエステル、メタアクリル酸とそのアルキルエステル、無水マレイン酸、クロロプレン、ブタジエン、ビニルアルキルケトン、ビニルアルキルエーテル、アクリルアミド、メタアクリルアミド、グリシジルアクリレート等の1種もしくは2種以上との共重合体などが挙げられる。
【0030】
本発明に言う架橋剤とはポリイソシアネート系架橋剤、カルボジイミド系架橋剤、エポキシ系架橋剤、エチレンイミン系架橋剤、オキサゾリン系架橋剤、または、カルシウムやマグネシウムなどの多価金属塩を意味し、これらの1種 もしくは、2種以上の組み合わせで用いる。
【0031】
本発明において水不溶性の樹脂化合物(A)と水溶出性の添加物(B)を7:3〜1:4の割合で混合するが、この範囲を外れ、水不溶性の樹脂化合物(A)の混合割合が多くなると繊維布帛にコーティングした場合、防水性は良くなるが通気性が悪くなり、所期の目的とする通気性のある着用快適性に富んだ布帛とすることができない。また、水不溶性の樹脂化合物(A)の混合割合が前記範囲を外れ、小さくなると繊維布帛にコーティング加工を施し、水溶出性の添加物を溶出させた場合、連続的な皮膜が形成されず、脆くなる傾向になり、加工布帛の通気性は大きくなるが、防水性が著しく低下し、所期の目標である雨天時のスポーツウエアなどに要求される防水性能が不足し、商品価値のある製品にはならない。したがって、本発明では水不溶性の樹脂化合物(A)と水溶出性の添加物(B)の混合割合を前記の範囲に設定することが必須条件である。
【0032】
本発明において、水不溶性の樹脂化合物(A)をポリウレタン系化合物もしくは、ポリアクリル酸エステル系化合物と反応性ウレタンプレポリマー化合物を配合し、それに水溶出性の添加物を添加したものを布帛にコーティングせしめ、しかる後に水溶出性の添加物を溶出除去すると、繊維布帛上の残存樹脂被膜がソフトで強度の高いものになり、より本発明の目的を達しやすくなる。その際の混合割合としては、ポリウレタン系樹脂成分またはアクリル酸エステル系樹脂成分:反応性ウレタンプレポリマー化合物が9:1〜1:4の範囲が好ましく、この範囲を外れるとコーティング膜がソフト性のある高強度のコーティング膜にならない。なお、この際の水不溶性樹脂化合物(A)と水溶出性の添加物(B)の混合割合も本発明に限定している7:3〜1:4の範囲が必要である。
【0033】
また、本発明において前述の水不溶性樹脂化合物ならびに、水溶出性の添加物を用い、しかも前述の混合割合に限定することにより、水溶出性添加物の溶出後の孔径が本発明に言う0.3〜20ミクロンになり、これも本発明に言う防水性能と通気性能を併せ持ったコーティング布帛を得るための必須条件となる。
【0034】
本発明の製造方法には、前記成分(A)〜(E)の他に種々の薬剤を併用することができる。一般にコーティング加工に用いられている顔料、濡れ性向上剤、消泡剤などの添加剤や酸化防止剤、紫外線防止剤などの劣化防止剤などが挙げられる。以下実施例により、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
以下、部は重量部、%は重量%を示す。表1中の耐水圧は、JIS L−1092静水圧法(単位:mm・HO)、透湿度は、JIS L−1099塩化カルシウム法(単位:g/m・24hrs.)で測定した。羽毛吹き出しテストは、試料25cm×25cmを座布団状に縫い、羽毛20gを充填して、軟球15個(150g/個)と共にタンブラー乾燥機入れ、60分間回転させ、羽毛吹き出しの本数を確認した。孔の大きさ(単位:μm)は、SEMにて観察した。
【0035】
〔合成例1〕
・攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量1000)152部、ポリオキシエチレングリコール(重量平均分子量1000)8部、ジメチロールブタン酸4.8部、トリメチロールプロパン3.2部、を仕込み、均一に混合後、イソホロンジイソシアネート37.4部を加え85℃にて120分反応後、遊離イソシアネート基含有量1.8%のウレタンプレポリマーを得た、このプレポリマーを35℃以下に冷却後、トリエチルアミン3.2部を添加し、均一に混合後、水522.7部を徐々に加えて乳化、分散させ、これにイソホロンジアミン8.3部を25部の水で希釈溶解した水溶液を添加後、120分攪拌した。不揮発分30%、粘度400mPa・s、100%モジュラス0.8MPa、破断伸度1000%以上の安定なウレタンエマルジョンが得られた。
【0036】
〔合成例2〕
・攪拌機、還流冷却管および温度計を備えた3つ口フラスコに、ポリエチレングリコール#6000(重量平均分子量8770)87.7部とトルエン200部および粉末苛性カリウム0.1部を採り、脱水してトルエン還流下で30分撹拌した後、イソホロンジイソシアネート2.0部を滴下し、110℃で1時間撹拌した。その後トルエンを除去しながら水と置換して、固形分50%で溶液粘度100000mPa・sの粘稠な水溶液を得た。この水溶性ポリウレタンの重量平均分子量は75000であった。
【0037】
〔合成例3〕
・攪拌機、還流冷却管および温度計を備えた3つ口フラスコにポリエチレングリコール#4000(重量平均分子量3100)310部とポリテトラメチレングリコール(重量平均分子量2000)25部およびヘキサメチレンジイソシアネート18.9部を170℃で3時間反応させた後、水中に投下して水溶液を得た。この水溶液は固形分35%で60000mPa・sの粘度で重量平均分子量は40000であった。
【0038】
〔合成例4〕
攪拌機、還流冷却管、温度計および窒素吹き込み管を備えた4つ口フラスコにポリオキシアルキレントリオール(重量平均分子量3000)300部とヘキサメチレンジイソシアネート50.4部を加え、100℃で120分反応後、遊離イソシアネート基含有量3.6%のウレタンプレポリマーを得た、このプレポリマーを35℃以下に冷却後、20%重亜硫酸Na水溶液156gを加え、40℃以下を維持しながら60分ブロック化反応をし、水希釈して20%のブロックタイプ反応型ウレタンプレポリマー化合物を得た。
【実施例1】
【0039】
合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン70部、合成例2にて得られた水溶性ウレタン液70部を均一に混合後、フッ素系撥水剤「パラガードEC−400」(大原パラヂウム化学(株)製)の1%水溶液に含浸させ、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした撥水性5級(JIS L−1092)のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分の乾燥をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した。
【実施例2】
【0040】
合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン70部、合成例2にて得られた水溶性ウレタン液70部を均一に混合する、さらに酸化亜鉛(粒径:20nm)2部を加え均一に混合後、実施例1同様のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分の乾燥をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分の乾燥をした。
【実施例3】
【0041】
合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン70部、合成例2にて得られた水溶性ウレタン液70部、フッ素系撥水剤「パラガードEC−400」(大原パラヂウム化学(株)製)10部、ポリイソシアネート系架橋剤「パラキャットPGE」(大原パラヂウム化学(株)製)4部を均一に混合する、さらに酸化亜鉛(粒径:20nm)2部を加え均一に混合後、実施例1同様のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した。
【実施例4】
【0042】
合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン70部、合成例3にて得られた水溶性ウレタン液100部、ポリイソシアネート系架橋剤「パラキャットPGE」(大原パラヂウム化学(株)製)4部を均一に混合する、さらに酸化亜鉛(粒径:20nm)2部を加え均一に混合後、実施例1同様のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した。
【実施例5】
【0043】
実施例2にて得られたコーティング布をフッ素系撥水剤「パラガードEC−400」(大原パラヂウム化学(株)製)の5%水溶液に含浸させ、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした。
【実施例6】
【0044】
合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン30部、合成例4にて得られた反応型ウレタンプレポリマー化合物20部を均一に混合する、さらにカルボキシメチルセルロース「セロゲン5A」(第一工業製薬(株)製)の30%水溶液(粘度80000mPa・s)を50部加え均一に混合後、反応型ウレタンプレポリマー化合物の反応促進剤として重曹(NaHCO)の10%水溶液を5部加え均一に混合後、フッ素系撥水剤「パラガードEC−400」(大原パラヂウム化学(株)製)の3%水溶液に含浸させ、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした撥水性5級(JIS L−1092)の綿サテン(80S 310本)上にフローティングナイフにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分の乾燥をし、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分の乾燥をした。
【実施例7】
【0045】
ポリアクリル酸エステル共重合化合物「パラゾールGH−55EN 固形分:50%」(大原パラヂウム化学(株)製)20部、合成例4にて得られた反応型ウレタンプレポリマー化合物20部を均一に混合する、さらにカルボキシメチルセルロース「セロゲン5A」(第一工業製薬(株)製)の30%水溶液を50部加え均一に混合後、反応型ウレタンプレポリマー化合物の反応促進剤として重曹(NaHCO)の10%水溶液を5部加え均一に混合後、フッ素系撥水剤「パラガードEC−400」(大原パラヂウム化学(株)製)の3%水溶液に含浸させ、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした撥水性5級(JIS L−1092)の綿サテン(80S 310本)上にフローティングナイフにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分の乾燥をし、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分の乾燥をした。
【0046】
(比較例1)合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン100部、増粘剤「パラゾールV−10」(大原パラヂウム化学(株)製)5部を均一に混合する、さらに酸化亜鉛(粒径:20nm)2部を加え均一に混合後、実施例1同様のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした。
【0047】
(比較例2)合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン20部、合成例2にて得られた水溶性ウレタン液100部、ポリイソシアネート系架橋剤「パラキャットPGE」(大原パラヂウム化学(株)製)4部を均一に混合する、さらに酸化亜鉛(粒径:20nm)2部を加え均一に混合後、実施例1同様のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した。
【0048】
(比較例3)合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン70部、合成例2にて得られた水溶性ウレタン液70部、ポリイソシアネート系架橋剤「パラキャットPGE」(大原パラヂウム化学(株)製)4部を均一に混合する、さらに酸化亜鉛(粒径:20nm)22部を加え均一に混合後、実施例1同様のナイロンタフタ上に厚さ0.2mmにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り100℃×4分にて乾燥した。
【0049】
(比較例4)合成例1にて得られたポリウレタンエマルジョン20部、合成例4にて得られた反応型ウレタンプレポリマー化合物20部を均一に混合する、さらにカルボキシメチルセルロース「セロゲン5A」(第一工業製薬(株)製)の30%水溶液(粘度80000mPa・s)を150部加え均一に混合後、反応型ウレタンプレポリマー化合物の反応促進剤として重曹(NaHCO)の10%水溶液を5部加え均一に混合後、フッ素系撥水剤「パラガードEC−400」(大原パラヂウム化学(株)製)の3%水溶液に含浸させ、マングルで絞り、100℃×4分にて乾燥した後、160℃×3分の熱処理をした撥水性5級(JIS L−1092)の綿サテン(80S 310本)上にフローティングナイフにてコーティングし、直ちにピンテンター乾燥機にて100℃×4分の乾燥をし、160℃×3分の熱処理をした。次に50℃の温水層にて10分洗い処理をし、マングルで絞り100℃×4分の乾燥をした。
【0050】
表1



耐水圧:mm・HO、透湿度:g/m・24hrs.、孔の径:μm、羽毛吹き出し本数:本
【0051】
本発明の実施例(表1)の結果より、多孔質構造の耐水圧、透湿度及び通気性機能を兼ね備えた着用快適性の優れた布帛が得られたことがわかる。また、比較例3は、50℃の温水層にて10分洗い処理をした際に、皮膜が脆くなり完全に剥離した。比較例2、4は、50℃の温水層にて10分洗い処理をした際に、皮膜の剥離が見られ脆くなっており、透湿度及び通気度は良好であるが、実用に耐えられないものであることがわかった。
【産業上の利用可能性】
【0052】
・本発明の加工布帛は、製造の際に溶剤を使用しないために環境に優しく、しかも優れた
通気性能、透湿性能ならびに防水性能を有し、着用快適性の点において優れた製品である。又、本発明の製造方法は、上記の特性を有した加工布帛を製造するのに好適である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ポリウレタン系、反応性ウレタンプレポリマー系、ポリアクリル酸エステル系化合物の内の少なくとも一つを水不溶性の樹脂化合物(A)として用い、それに水溶出性の添加物(B)として、CMC、PVA、水溶性ポリウレタン、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、水溶性糊剤の内の少なくとも一つが混合され、水不溶性の樹脂化合物(A)と水溶出性の添加物(B)の混合割合が7:3〜1:4の混合物(1)で、コーティング加工後、該添加物(B)の一部もしくは全部が除去された後の孔径が0.3ミクロン〜20ミクロンであり、該コーティング布帛の通気度が0.2〜10cc/cm/秒、JIS L−1092静水圧法による耐水圧が300mm・HO以上、JIS L−1099塩化カルシウム法による透湿度が5000g/m・24hrs.以上であることを特徴とするコーティング布帛。
【請求項2】
混合物(1)に粒子径が30ミクロン以下である無機系 もしくは、有機系の微粒子(C)を添加した混合物(2)をコーティングすることを特徴とする請求項1に記載のコーティング布帛。
【請求項3】
請求項1、2の混合物(1)、(2)に架橋剤(D)を添加した混合物(3)をコーティング加工することを特徴とする請求項1、2記載のコーティング布帛。
【請求項4】
請求項1〜3の混合物(1)〜(3)にフッ素系の撥水剤(E)を添加した混合物(4)をコーティング加工することを特徴とする請求項1〜3記載のコーティング布帛。
【請求項5】
請求項1〜3の混合物(1)〜(3)でコーティング後、該添加物(B)の一部もしくは全部を除去するか、もしくは、除去−乾燥後、フッ素系の撥水剤(E)単独もしくはフッ素系の撥水剤(E)と架橋剤(D)併用を含浸させ、乾燥・熱処理をすることにより、コーティング布帛を製造する方法。
【請求項6】
布帛の片面、もしくは両面が樹脂化合物でコーティングされていることを特徴とする請求項1〜5に記載のコーティング布帛。
【請求項7】
水不溶性樹脂化合物がポリウレタン系化合物と反応性ウレタンプレポリマー化合物もしくは、ポリアクリル酸エステル系化合物と反応性ウレタンプレポリマー化合物からなり、その配合比が9:1〜1:4であり、添加物がCMCで樹脂化合物の重量対比20〜70%添加し、コーティング後、該添加物を除去することを特徴とする請求項1に記載のコーティング布帛。
【請求項8】
ダウンプルーフテストにおいて、羽毛の吹き出しが10本/25cm以下であることを特徴とする請求項7に記載のコーティング布帛。
【請求項9】
コーティングに使用する化合物が非溶剤系で有ることを特徴とする請求項1〜8に記載のコーティング布帛。

【公開番号】特開2008−81877(P2008−81877A)
【公開日】平成20年4月10日(2008.4.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−262366(P2006−262366)
【出願日】平成18年9月27日(2006.9.27)
【出願人】(391034938)大原パラヂウム化学株式会社 (19)
【Fターム(参考)】