説明

通話中継装置、管理サーバ、通話システムおよび通話方法

【課題】通話端末から特定接続先へ電話をかける通話料を事業体に課金して集約可能とする。通話端末から電話番号等の情報が漏れることを防ぐ。
【解決手段】接続元端末と接続先端末との間の通話を中継装置により中継する。中継装置は、管理サーバとデータ通信するデータ送受信部と、第一通話回線の確立及び第二通話回線の確立並びにこれら第一・第二通話回線の接合を行う回線連結部と、回線連結部を制御する呼制御部を備える。データ送受信部は、データ通信回線を介し管理サーバから送信されかつ接続元端末を特定する情報と接続先端末を特定する情報とを含む中継要求を受信し、呼制御部は、この中継要求に応えて回線連結部を介し接続元端末との間に第一通話回線を、接続先端末との間に第二通話回線を夫々確立し、これらの通話回線を接合して接続元と接続先との間の通話を可能とする。接続元端末には、管理サーバが接続先名のみを送信して接続先を選択させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通話中継装置、管理サーバ、通話システムおよび通話方法に係り、特に、電話による音声通話を中継装置によって中継する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、携帯電話機の進歩普及により、プライベートな使用と共に、企業をはじめとする様々な事業体の業務においても携帯電話機が日常的に使用されるようになった。特に、社外で業務を行う営業スタッフやメンテナンスサポートスタッフあるいは出張や打ち合わせで外出する社員は、出先から自社へ報告や指示を行ったり各種の問い合わせや次の顧客へのアポイントメントを取るなど業務上の連絡で携帯電話機を使用する機会は多い。
【0003】
このため、業務使用に供する携帯電話機(PHSや所謂スマートフォン等の音声通話可能な移動通信端末を広く含む/以下本出願において同様)を各社員に支給する事業体も一部にはあるが、比較的規模の小さな企業を中心に大部分の事業体では、業務においても個人所有の携帯電話機を使用させているケースが少なくない。この場合、業務上の通話料金は経費となるから、申請さえすれば通話料金を会社(事業体)が負担するのが通常である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、個人所有の携帯電話機を業務で使用する場合、当該電話機は業務だけに使用することはなく、一般にプライベートな通話もランダムに含まれているから、会社に申請するにしても私用通話を逐一除外して業務使用の通話のみを特定して申請を行う必要がある。このため、作業の煩わしさから申請を行わず、業務上の通話料金が個人負担となっていることも現実には少なくない。また申請がきちんと行われたとしても、提出された通話記録の1件1件を業務かプライベートか確認し、業務通話のみの合計金額を社員1人1人について算出することは会社側にとっても事務処理負担が増える難がある。
【0005】
また、個人所有の携帯電話機を業務に使用する場合、プライベートな電話番号が業務上の相手に知られてしまう問題もある。特に、不特定多数の相手に連絡を取る必要がある者(例えば保険の女性外交員やセールススタッフのような)にとって、携帯電話番号を個人的な付き合いのない大勢の相手に知られてしまう抵抗感あるいはリスクは無視できるものではない。
【0006】
また、携帯電話機を落としたり紛失した場合には、当該電話機に登録されている様々な人間の個人情報(個人名と電話番号)が流出するおそれがある。
【0007】
さらに、学校等の教育機関においては、児童生徒の家庭に順次電話により伝言して学校からの連絡事項を全児童生徒にいわゆる伝言ゲームのように伝達する電話連絡網が旧来から使用されていた。ところが近年、このような連絡網を作成すれば自宅の電話番号がいわば“公開”されてしまうから、保護者がこのリスクを避けたいがために学校において連絡網が作成できない事態も生じている。
【0008】
したがって、電話をかける者が自分の電話番号を知られず、更に相手先の電話番号をも知ることなく通話を行うことが出来れば、上記のような連絡網を作成するにしても電話番号が“公開”される不安は取り除かれ、上記のような電話連絡網も比較的抵抗無く作成することが可能となるものと考えられる。
【0009】
したがって、本発明の目的は、通話端末から特定接続先へ電話をかけるときの通話料金を事業体に課金して集約できるようにする点にある。また本発明の別の目的は、接続元通話端末から電話をかける端末自身の電話番号が接続先に知られることを防ぐ点にある。また本発明のさらに別の目的は、通話端末を紛失した場合に当該端末に記憶させた他端末の電話番号等の情報が漏洩することを防ぐ点にある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記課題を解決し目的を達成するため、本発明に係る通話システムは、接続元通話端末と接続先通話端末との間の通話を中継する通話中継装置と、接続元通話端末からの通話要求を受信して前記通話中継装置に対し通話の中継を指示する中継要求を送信する管理サーバとを備える。
【0011】
通話中継装置は、管理サーバとのデータ通信を可能とするデータ送受信部と、第一の通話回線の確立および第二の通話回線の確立ならびにこれら第一の通話回線と第二の通話回線との接合を行う回線連結部と、当該回線連結部による通話回線の確立および接合を制御する呼制御部とを有する。そして、データ送受信部は、データ通信回線を通じて管理サーバから送信されかつ前記接続元通話端末を特定する接続元特定情報と前記接続先通話端末を特定する接続先特定情報とを含む中継要求を受信する。また呼制御部は、当該中継要求に応えて、回線連結部を介し、前記接続元特定情報により特定される接続元通話端末との間に前記第一の通話回線を確立すると共に、前記接続先特定情報により特定される接続先通話端末との間に前記第二の通話回線を確立し、これら第一の通話回線と第二の通話回線とを接合して前記接続元通話端末と前記接続先通話端末との間の通話を可能とする。
【0012】
このように本発明では、通話中継装置が接続元端末と接続先端末とに回線を繋ぎ、これらの回線を接合して両者(接続元端末と接続先端末)間の通話を可能とするから、接続元端末は電話をかけることはない。したがって、通話課金は通話中継装置に適用され、通話中継装置に通話料金を集約することが可能となる。なお、本発明において「回線を確立」するとは、相手先に発呼して(電話をかけて)当該相手先が応答することにより回線が繋がった状態(当該相手との間で通話可能な状態)となったことを言う。
【0013】
また、上記管理サーバは、公衆回線に接続可能な接続元通話端末と当該接続元通話端末と通話を行う接続先通話端末との間の通話を中継する上記通話中継装置に対してデータ通信回線を通じて通信が可能なサーバであり、接続元通話端末を特定する前記接続元特定情報と、接続元通話端末から上記通話中継装置を介して通話することを許可する接続先を特定する接続先特定情報とを関連付けて予め記憶する記憶部を備えている。
【0014】
そしてこの管理サーバは、接続元通話端末からデータ通信回線を通じて送信された通話要求と接続先を選択する情報とを受信した場合にこれに応えて上記通話中継装置に接続元通話端末と接続先通話端末との間の通話を中継させるため、前記接続先を選択する情報に従って、当該選択された接続先に関する接続先特定情報を接続元特定情報と共に通話中継装置にデータ通信回線を通じて中継要求として送信する。
【0015】
ここで、上記接続元通話端末(以下単に「接続元端末」又は「接続元」と言う)は、典型的には外出先で使用可能な携帯電話機であるがこれに限られず、固定電話やIP電話等であっても良い。ただし、データ通信回線を介して管理サーバに接続可能な通信機能を有し、かつ管理サーバから送信される接続先のリストを少なくとも表示できるディスプレイを備える必要がある。なお、本出願において「携帯電話」乃至「携帯電話機」とは、ディスプレイを備え音声通話が可能な通話端末であれば良く、PHSや所謂スマートフォンなどの各種の移動通信端末が広く含まれる。
【0016】
一方、接続先通話端末(以下単に「接続先端末」又は「接続先」と言う)は、必ずしもディスプレイを備える必要はなく(備えていても勿論構わない)、固定電話やIP電話、携帯電話、内線電話等の音声通話が可能な各種の通信端末が含まれる。
【0017】
また、本発明において「データ通信回線」とは、典型的にはインターネット等の公衆データ回線を意味するが、これに限定されず、専用回線やLAN(特に管理サーバと通話中継装置間の通信において)を除外するものではない。例えば、本発明の1つの運用態様(後に述べる実施形態)では、管理サーバと通話中継装置とが異なる事業体にそれぞれ属して別々の場所に設置される。しかしながら、本発明はこのような利用形態に限られるものではなく、例えば同一の事業体に複数の通話中継装置が設置されていても勿論良いし、管理サーバと通話中継装置が同一の事業体に属していても構わない(ある事業体が管理サーバと通話中継装置の両方を所有又はリースしている)。さらに、管理サーバと通話中継装置とが同一の場所(例えば同じ建物内)や敷地内に設置されることもある。このような場合、管理サーバと通話中継装置間では、公衆回線や外部ネットワークを経由するのではなく、LAN経由で通信を行えば良い。
【0018】
他方、接続元端末と管理サーバ間の通信では、出先からの通話や携帯電話機の使用を可能とするため、当該データ通信回線は、一般に公衆データ回線(インターネット等)を意味する。
【0019】
また、前記「接続元特定情報」には、電話機の固体識別情報(例えば携帯電話機の固体識別番号)と、接続用情報(典型的には公衆回線網における携帯電話の電話番号であるがこのほかにも例えば固定電話やIP電話の電話番号等が含まれる)とが含まれる。さらに「接続先特定情報」には、接続先を表示する接続先ラベルと、接続先に回線を繋げるための接続用情報(例えば公衆回線網における固定電話や携帯電話、IP電話の電話番号、内線電話の内線番号等)とが含まれる。なお、上記接続先ラベルは、当該接続先が誰であるか分かりさえすれば良いから、必ずしも正確な或いは正式な氏名や名称である必要はなく、重複するラベルがない限り、例えば愛称やイニシャル、記号等であっても構わない。
【0020】
接続先特定情報は、接続元端末に予め記憶させておくことも出来るが、前記通話要求に応えて管理サーバが接続元端末に送信するようにしても良い。特に、端末を紛失したときに格納してある個人情報が漏洩することを防ぐ観点からは、接続元端末には接続先の情報を記憶させておかず、管理サーバから接続先特定情報を送信して表示するようにすることが好ましい。
【0021】
この具体的な構成例としては、管理サーバが、前記記憶部に記憶された、前記接続元通話端末に関連付けられた接続先特定情報から接続先のリストを作成する接続先リスト作成部をさらに備え、当該接続先リスト作成部が作成した接続先リストの中から接続先を選択させるため、通話要求を受信したときに当該接続先リストを前記接続先特定情報として接続元通話端末にデータ通信回線を通じて送信する。またこの場合、接続元端末の利用者は接続先ラベルさえあれば本発明のシステムによって接続先に電話をかけることが可能であるから、接続元通話端末に送信する接続先リストには接続用情報を含める必要はなく、接続先ラベルのみで良い。
【0022】
さらに、前記管理サーバには、接続元通話端末の認証を行う認証部を備え、前記接続元特定情報は当該接続元通話端末を特定する固体識別情報を含み、前記認証部は、接続元通話端末から送信された固体識別情報と、前記記憶部に予め記憶させた固体識別情報とを比較し、当該接続元通話端末から送信された固体識別情報が前記記憶部に予め記憶させたいずれかの固体識別情報と一致する場合に、認証成功として前記接続先特定情報を当該接続元通話端末に送信するよう構成することも出来る。
【0023】
また、前記通話中継装置については、内線電話への接続を可能とする内線電話インターフェース、および、IP電話への接続を可能とするIP電話インターフェースのうちのいずれか一方または双方をさらに備え、前記回線連結部が、前記接続元特定情報および前記接続先特定情報のうちのいずれか一方または双方に従って発呼する回線の種類を選択する回線選択部を含み、当該回線選択部により選択された回線を通じて発呼して前記第一の通話回線および第二の通話回線のうちのいずれか一方または双方を確立するようにしても良い。
【0024】
また、前記通話中継装置に、接続元通話端末と接続先通話端末との間の通話記録を記憶する通話履歴記憶部をさらに備えることも可能である。この「通話記録」は、当該通話中継装置が中継した通話に関する情報である。具体的には、接続元端末および接続先端末を特定する情報や通話時間、通話内容(音声の録音)等の通話に関する情報を言い、これらのうちの1つ又は2つ以上を上記通話履歴記憶部に記録することが出来る。
【0025】
また、前記通話中継装置が、前記呼制御部として機能する第一の呼制御部と、この第一の呼制御部と同一の機能を有する第二の呼制御部と、呼制御部を切り替える切替制御部とを備えるようにしても良い。切替制御部は、第一の呼制御部に障害が発生したときに、呼制御部を第一の呼制御部から第二の呼制御部に切り替える。これによりシステムの信頼性を高めることが出来る。
【0026】
さらに、前記通話中継装置において、処理能力を向上させるために、呼制御部として複数の呼制御部を備え、これら複数の呼制御部の各々にタスクを分配して負荷を分散する負荷分散制御部をさらに備えることも可能である。
【0027】
通話中継装置は、1台に限られず複数備えることが出来る。この場合、前記管理サーバは、接続元通話端末と、複数の通話中継装置のうちの1つとを関連付けて前記記憶部に予め記憶し、接続元通話端末から前記通話要求を受信したときに、当該接続元通話端末に関連付けられた通話中継装置に対して前記中継要求を送信する。
【0028】
また本発明は、システム乃至装置としてだけでなく通話方法の発明として把握することも可能である。具体的には、本発明に係る通話方法は、公衆回線に接続可能な接続元通話端末と、当該接続元通話端末と通話を行う接続先通話端末との間の通話を通話中継装置が中継する通話方法であって、管理サーバが、データ通信回線を通じて前記接続元通話端末からの通話要求を受信する工程と、当該接続元通話端末から前記通話中継装置を介して通話することを許可する予め記憶された接続先のリストを前記通話要求に応えて前記管理サーバが前記接続元通話端末に送信する工程と、前記リストから選択された1つの接続先を示す通知を前記接続元通話端末から前記管理サーバが受信する工程と、前記接続元通話端末から通知された接続先を特定する情報と、前記接続元通話端末を特定する情報とを含む中継要求を前記管理サーバが前記通話中継装置にデータ回線を通じて送信する工程と、前記中継要求を受信した前記通話中継装置が、前記接続元通話端末に発呼して当該接続元通話端末との間に第一の通話回線を確立すると共に、前記中継要求により特定される接続先通話端末に発呼して当該接続先通話端末との間に第二の通話回線を確立する工程と、前記通話中継装置がこれら第一の通話回線と第二の通話回線とを接合して前記接続元通話端末と前記接続先通話端末との間の通話を可能とする工程とを含む。
【0029】
さらに上記通話方法においては、前記通話要求が、接続元通話端末に一意に割り付けられている固体識別情報を含み、前記通話方法が、前記通話要求を受信する工程と前記接続先のリストを接続元通話端末に送信する工程との間に、接続元通話端末を認証する工程をさらに含む場合がある。なお、当該認証する工程は、管理サーバが、接続元通話端末から送信された通話要求に含まれる固体識別情報と、通話中継装置を介して通話することを許可する接続先と関連付けて記憶部に予め記憶してある固体識別情報とを比較し、当該接続元通話端末から送信された固体識別情報が前記記憶部に予め記憶させたいずれかの固体識別情報と一致する場合に認証成功として、当該固体識別情報に関連付けられている接続先のリストを接続元通話端末に送信するものである。
【0030】
また上記通話方法において、前記通話中継装置として複数の通話中継装置を備えると共に、前記管理サーバは、接続元通話端末と当該複数の通話中継装置のうちの1つとを関連付けて前記記憶部に予め記憶し、かつ、接続元通話端末から通話要求を受信したときに、当該接続元通話端末に関連付けられた通話中継装置を前記記憶部を検索することにより特定してこの特定した通話中継装置に対して前記中継要求を送信するようにしても良い。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、通話端末から特定接続先へ電話をかけるときの通話料金を事業体等に課金して集約することが出来る。また、接続元通話端末から電話をかける端末自身の電話番号が接続先に知られることを防ぐことが出来る。さらに、通話端末を紛失した場合に当該端末に記憶させた他端末の電話番号等の情報が漏洩することを防ぐことが出来る。
【0032】
本発明の他の目的、特徴および利点は、図面に基づいて述べる以下の本発明の実施の形態の説明により明らかにする。なお、本発明は下記の実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載の範囲内で種々の変更を行うことができることは当業者に明らかである。また各図中、同一の符号は、同一又は相当部分を示す。
【図面の簡単な説明】
【0033】
【図1】図1は、本発明の一実施形態に係る通話システムを示すブロック図である。
【図2】図2は、前記実施形態のシステムにおいて管理サーバの記憶部(ユーザ情報記憶部)に格納したデータの一例を示す図である。
【図3】図3は、前記実施形態に係るシステムにおける管理サーバへの登録処理を示すタイムチャートである。
【図4】図4は、前記実施形態のシステムによる通話中継処理を示すタイムチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0034】
図1は、本発明の一実施形態に係る通話システムを示すものである。同図に示すようにこの通話システムは、接続元端末31と接続先端末41,41a,41bとの間の通話を中継する通話中継装置11(以下単に、中継装置と言う)と、本システムを運用するための管理サーバ21とを備えている。
【0035】
管理サーバ21は、中継装置11ならびに接続元端末31とそれぞれデータ通信網1(本実施形態の場合はインターネット)を通じて通信を行うことを可能とするデータ送受信部26を有する。また管理サーバ21は、本システムを利用するユーザ(接続元端末31および中継装置11等)に関する情報を格納するユーザ情報記憶部22と、後に述べる接続元端末31に対する認証処理(接続元端末31からの登録要求に対する登録認証および接続元端末31からの通話要求に対する接続認証)ならびにユーザ情報記憶部22への登録処理を行う認証登録部23と、接続元端末31から中継装置11を介した通話が可能な接続先のリストをユーザ情報記憶部22に格納された接続先に関する情報から抽出して作成する接続先リスト作成部24と、中継装置11に送信する中継要求を作成する中継要求作成部25を備えている。
【0036】
一方、中継装置11は、データ通信網1を介して管理サーバ11と通信を行うことを可能とするデータ送受信部15と、接続元端末31および接続先端末41,41a,41bに対する回線操作(発呼、回線の確立・接合・切断等)を行う通話中継部12と、管理サーバ21からの中継要求に応えてこの通話中継部12を制御する呼制御部14と、通話中継部12により中継した通話の履歴を記憶する通話履歴記憶部16と、公衆電話回線2を介しての通信を行うための公衆回線インターフェース17と、内線電話41aとの通信を行うための内線電話インターフェース18と、IP電話41bとの通信を行うためのIP電話インターフェース19とを有する。なお、公衆回線インターフェース17は公衆回線網2に、内線電話インターフェース18は屋内電話線3に、IP電話インターフェース19は中継装置11が設置された事業所内に構築されたLAN4にそれぞれ接続されている。
【0037】
また、通話中継部12は、接続すべき接続先端末41,41a,41bの種類に対応した回線を選択する回線選択部13を有する。この回線選択部13は、管理サーバ21から送信された中継要求に基づいて接続すべき接続先端末41,41a,41bの種類に対応した回線を、公衆回線2、内線3およびIP電話回線(LAN)4の中から選択する。通話中継部12はこの回線選択部13によって選択された回線(対応するインターフェース17,18又は19)を通じて接続先端末41,41a,41bへの回線を確立する。
【0038】
中継装置11は、データ通信網(インターネット)1を通じて管理サーバ21と通信が可能であり、また公衆回線網2を通じて接続元端末31および接続先端末41,41a,41bと通信(通話回線の確立)が可能である。なお、当該公衆回線網2には、固定電話網のほか携帯電話等の移動通信端末に対して通信サービスを提供する移動体通信網が含まれる。また、管理サーバ21は、データ通信網1を介して接続元端末31および中継装置11と通信が可能である。なお、この実施形態の中継装置11(データ送受信部15)は、本システムを利用する事業所内に構築されたLANに接続し、当該LAN経由で上記データ通信網1に接続してある。
【0039】
また本実施形態では、接続元端末31、接続先端末41,41a,41bおよび中継装置11は、それぞれ複数台存在し(図面では1台ずつしか示していない)、管理サーバ21はこれら複数台の中継装置11および接続元端末31を管理し、接続元端末31から接続先端末41,41a,41bへの通話を可能とする。すなわち、詳細は後に述べるが、管理サーバ21は接続元端末31からの通話要求に応えて当該接続元端末31に予め関連付けられている中継装置11を前記複数台の中継装置11の中から特定し、この特定された中継装置11(接続元端末31に対応する中継装置11)に対して接続元31が望む接続先端末41,41a,41bへ通話を中継するように中継要求を送信する。管理サーバ21が管理する上記複数の中継装置11は、同一の事業体に属するものであっても互いに異なる事業体に属するものであっても良い。また、1台の中継装置11には複数の接続元端末31が関連付けられており、各中継装置11は関連付けられたこれら複数の接続元端末31の通話中継をそれぞれ行うことが出来る。
【0040】
本実施形態のシステムを利用するに当たっては、中継装置11、接続先41,41a,41bおよび接続元端末31に関する情報を管理サーバ21(ユーザ情報記憶部22)に事前に登録する。この登録処理を、前記ユーザ情報記憶部22に格納されたデータの一例(図2)、ならびに管理サーバ21への登録処理を示すタイムチャート(図3)を参照しつつ説明する。
【0041】
〔管理サーバへの中継装置および接続先の登録〕
まず、図3に示すように管理サーバ21への登録処理として、中継装置11に固有の情報である識別情報D1と、後に接続元端末31が自身の登録認証に使用する登録認証用のデータD2とを中継装置11から管理サーバ21へ送信する。ここで、中継装置11の識別情報D1は、本実施形態では当該中継装置11のMACアドレス(Media Access Control Address)とするが、中継装置11を一意に特定できる情報であれば他の情報(例えばグローバルIPアドレス等)であっても構わない。また、登録認証用のデータD2は、例えば適当な数字や文字を組み合わせたパスワードとする。
【0042】
なお、中継装置11が接続された前記LANには、パーソナルコンピュータ等の端末装置(図示せず)が接続されており、中継装置11や接続先41,41a,41bの管理サーバ21(ユーザ情報記憶部22)への登録、また登録内容の変更削除等(中継装置11から管理サーバ21へのデータ送信)は、当該端末装置からの操作により行う。
【0043】
管理サーバ21は、データ送受信部26を通じて受信した上記中継装置11の識別情報D1と登録認証用データD2とを認証登録部23を介してユーザ情報記憶部22に格納する。
【0044】
さらに、本システムによる中継通話を許可する接続先の登録を行うため、接続先端末41,41a,41bの接続情報D4を中継装置11から管理サーバ21へ送信する。この接続情報D4は、接続先41,41a,41bを表示する接続先ラベルD4iと、このラベルが表す接続先41,41a,41bに回線を繋ぐための接続用情報(電話番号)D4jとからなり、当該中継装置11によって中継を行う複数の接続先41,41a,41bの情報(接続先ラベルD4iと接続用情報D4jの組が複数)が含まれる。
【0045】
管理サーバ21は、データ送受信部26で受信した上記接続情報D4(接続先ラベルD4iと接続用情報D4jの組)を、当該中継装置11(前述のように登録した中継装置11の識別情報D1)と関連付けて認証登録部23を通じユーザ情報記憶部22に格納する。
【0046】
なお、このような中継装置11および接続先41,41a,41bに関する情報D1,D2,D4は、管理サーバ21に登録可能であるだけでなく、中継装置11を介して取得(例えば登録済み情報の確認のため)し、あるいは選択的に削除(例えば接続先の一部を削除)することが可能である。また、管理サーバ21への上記登録作業は、必ずしも中継装置11を使用しなくても、別の通信経路や通知手段(例えば上記情報D1,D2,D4を書面に記載し或いは記憶媒体に格納してサーバ21の管理者に送付し登録を依頼する等)によってこれを行うことも可能である。
【0047】
さらに、上記登録処理において中継装置11‐管理サーバ21間で送受信されるデータ(通信電文)、ならびに次に述べる接続元端末31の登録処理において接続元端末31‐管理サーバ21間で送受信されるデータ、さらに後述の通話要求や中継要求等はいずれも暗号化して送信するようにする(例えばデータ送受信部15,26が暗号化処理を行いその後送信するようにすれば良い)ことがセキュリティの観点から好ましい。
【0048】
〔管理サーバへの接続元端末の登録〕
接続元端末31の登録は、次のようにして行う。まず、接続元端末31からデータ通信網1を通じて管理サーバ21に登録要求を送信する。なお、管理サーバ21にアクセスするための情報(本実施形態の場合、管理サーバ21のURL)は、後に登録認証で使用する前記登録認証用のデータD2と共に、中継装置11の管理者(例えば当該事業体の管理スタッフ)が接続元端末31の所有者(例えば当該事業体の社員)に通知しておけば良い。また、上記登録要求は、例えば管理サーバ21側が設けたWebページ内のボタンをクリックさせるなど適当な方法によれば良い。
【0049】
登録要求を受信した管理サーバ21は、当該接続元端末31の登録の可否を判定する登録認証を認証登録部23で行うため、当該接続元端末31に対して、登録認証用のデータD2の送信を要求する。これに応えて接続元端末31の所有者は、前記中継装置11の管理者から知らされた登録認証用のデータD2を当該接続元端末31に入力して管理サーバ21に送信する。接続元端末31から登録認証用のデータD2が送信されてくると管理サーバ21(認証登録部23)は、登録認証用データD2と一致するデータが登録されているかユーザ情報記憶部22内のユーザ管理情報(図2)を検索する。
【0050】
そして、一致する登録認証用データD2を発見した場合には、認証成功として、接続元端末31に固有情報を要求する。この固有情報は、接続元端末31に一意に割り付けられている識別情報(例えば携帯電話機の固体識別番号)D3iと、当該接続元端末31の電話番号D3jとからなる。接続元端末31の所有者は、当該固有情報D3i,D3jを管理サーバ21に送信する。管理サーバ21(認証登録部23)は、接続元端末31から受信した当該固有情報D3i,D3jを前記登録認証用データD2によって特定される(当該D2に関連付けられて登録されている)中継装置11(識別情報D1)に関連付けてユーザ情報記憶部22に格納する。なお、一致する登録認証用データD2を発見できない場合には、認証不成功として管理サーバ21は登録処理を中止し、その旨接続元端末31に通知する。
【0051】
以上により登録処理は完了する。図2はユーザ情報記憶部22に格納された登録データの一例を示すものである。この図に示すようにユーザ管理情報としてユーザ情報記録部22には、1台の中継装置11(識別情報D1)に対して、接続元端末登録用の認証データD2と、複数の接続元端末31(固有情報D3)と、複数の接続先端末41,41a,41b(接続情報D4:接続先名D4iと電話番号D4jの組が複数)とが関連付けられて登録(記憶)されている。各中継装置11は、同一の事業体に属する(設置された)ものであっても、異なる事業体に属するものであっても良い。例えば、同一の事業体であっても、複数台の(例えば事業部ごとや部署ごと等に)中継装置11を設置して登録することも可能であり、この場合、中継装置11ごとに異なる接続先ラベルを登録しておけば、同一の事業体に属する社員であっても所属や職務等によって異なる接続先リストを送信して表示させることが出来る。なお、利用態様としてはこのほかにも様々なものであって良い。
【0052】
〔中継通話処理〕
次に、本実施形態のシステムによる通話中継処理について図4に基づいて説明する。図4に示すように通話を望む者はまず、前記中継装置11の管理者から知らされた管理サーバ21のURLによってデータ通信網1を通じ接続元端末31から管理サーバ21にアクセスし、通話要求として自端末31の固体識別情報D3iを送信する。
【0053】
この通話要求を受信した管理サーバ21は、接続認証を行う。具体的には、当該送信された固体識別情報D3iがユーザ情報記憶部22にユーザ管理情報として登録されているか認証登録部23により検索を行う。送信された固体識別情報D3iと一致する固体識別情報D3iが発見できなかった場合には、接続認証不成功として接続処理を中止し、通話を拒否する旨の通知を当該接続元端末31に送信する。
【0054】
一方、接続元端末31から送信された固体識別情報D3iと一致する固体識別情報D3iをユーザ管理情報中に発見できた場合には、当該登録されている固体識別情報D3iに関連付けられている中継装置11を、中継装置11の識別情報D1を取得することにより特定する。識別情報D1を取得できなかった場合には、接続認証不成功として接続処理を中止し、通話を拒否する旨の通知を当該接続元端末31に送信する。
【0055】
一方、識別情報D1を取得できた場合には、接続先リスト作成部24が、当該識別情報D1に関連付けられた接続先端末41,41a,41bの接続情報D4(図2参照)から接続先ラベルD4i(当該中継装置11に関連付けて登録されている接続先ラベルD4iの総て)を抽出して接続先リスト(接続先ラベルの一覧)を作成し、データ送受信部26を介して接続元端末31に送信する。接続元端末31は、受信したこの接続先リストを表示する。接続元端末31の所有者は、当該接続先リストの中から電話をかけたい接続先を選択する。接続元端末31は、この選択された接続先41,41a,41bを示す情報(接続先選択情報)を管理サーバ21に送信する。
【0056】
管理サーバ21(中継要求作成部25)は、上記接続先選択情報を接続元端末31から受信すると、当該選択された接続先ラベルに対応する電話番号D4jと、当該接続元端末31の電話番号D3jとを含む中継要求を作成し、これを対応する(当該接続元端末31に関連付けられてユーザ情報記憶部22に記憶されている)中継装置11にデータ通信網1を通じて送信する。
【0057】
なお、本実施形態では上記のように、予めユーザ情報記憶部22に登録された接続先の中から接続先41,41a,41bを選択させたが、このような接続先リストからの選択に加えて任意の接続先41,41a,41bの接続用情報(電話番号等)を接続元端末31から直接入力させて当該入力された接続先41,41a,41bと接続元端末31との間の通話を中継装置11が中継できるようにすることも可能である。この場合、上記中継要求には、選択された接続先ラベルに対応する電話番号D4jに代え、当該直接入力された任意接続先41,41a,41bの電話番号を含める。そして、後に述べる中継処理では、中継装置11は当該任意接続先41,41a,41bに電話をかけて回線を確立し、この回線と接続元端末31への回線とを接合して中継を行えば良い。
【0058】
中継装置11が管理サーバ21からの中継要求を受信すると、当該中継装置11の呼制御部14は、通話中継部12を介して接続元端末31に発呼し(電話をかけ)、当該接続元31からの応答を受けることにより当該接続元端末31との間に回線を確立する。そしてこの接続元31との回線が確立できた直後に、呼制御部14は、通話中継部12を介して接続先端末41,41a,41bに発呼し、当該接続先41,41a,41bからの応答を受けることにより接続先端末41,41a,41bとの間に回線を確立する。なお、これら接続元31および接続先41,41a,41bへの発呼は、前記中継要求に含まれる接続元電話番号D3jおよび接続先電話番号D4jをそれぞれ使用して行う。
【0059】
また、この回線確立処理において通話中継部12では、回線選択部13により接続先端末41,41a,41bに対応するインターフェースが公衆回線・内線電話・IP電話用の各インターフェース17,18,19の中から選択され、この選択されたインターフェースを介して接続先41,41a,41bへの発呼が行われる。回線選択部13は、接続先端末41,41a,41bの接続用情報(電話番号)によって回線(接続先端末)の種別を判断(例えば電話番号の先頭番号が「050」であればIP電話と判定)する。
【0060】
そして、通話中継部12は、上記のように接続元31への回線と接続先41,41a,41bへの回線とをそれぞれ確立できると、これら接続元31への回線と接続先41,41a,41bへの回線とを接合する。これにより当該接続元端末31と接続先端末41,41a,41bとの間の通話が可能となる。なお、通話中継部12は、複数の接続元31および複数の接続先41,41a,41bへの回線の確立を行い、複数の接合した回線を維持することにより同時に複数の接続元31‐接続先41,41a,41b間の通話を中継することが可能である。
【0061】
また、中継装置11に呼制御部14および通話中継部12を複数備えると共に、処理の監視・配分を行う負荷分散制御部(図示せず)を設け、これら複数の呼制御部14および通話中継部12に上記回線の確立接合処理を分散して処理させるようにしても良い。このような装置構成によれば、例えば当該中継装置11が管轄する(当該中継装置11に関連付けられた)接続元端末31が多数あり、多くの通話要求が同時に、したがって多くの中継要求が重なった場合にもこれらを処理することが可能となる。さらに障害の発生時に備えて、呼制御部14および通話中継部12を複数系統設け(例えば二重化する)、常時稼動させている主系統に障害が生じた場合に、従系統に切り替えるように構成することによりシステムの信頼性を高めることも可能である。
【0062】
また、上記回線接合が完了(通話開始)すると、通話中継部12は、通話時間のカウントを開始し、当該通話終了後に通話当事者を特定する情報(例えば接続元電話番号と接続先電話番号)および通話時間を通話履歴部16に格納して記録する。さらに、これらの情報に加えて、通話の音声データ(通話音声の録音)を通話履歴部16に記録するようにすることも出来る。また、この通話履歴部16を中継装置11の外部に設置した記憶装置(図示せず)内に設け、例えばLANや外部ネットワークを経由して当該記憶装置に上記通話履歴情報を送信して記憶するようにしても良い。
【0063】
本発明ないし本実施形態による利点を纏めて述べれば、次のとおりである。
(1)接続元端末31および接続先端末41,41a,41bへはいずれも中継装置11から発呼するから、接続元31が通話料金を負担することはなく、課金を中継装置11(事業体)に集約することが出来る。したがって、例えば個人所有の携帯電話機を業務に使用しても、当該個人が通話料金を負担することがなく、通話料金を会社負担するための申請手続やこれを会社側が審査する事務処理負担を省くことが出来る。
(2)接続先41,41a,41bへの発呼を中継装置11から行うから、接続元端末31の電話番号が接続先41,41a,41bに通知されることはなく、接続元端末31の電話番号を隠蔽する(中継装置11の電話番号に代替する)ことが出来る。
(3)接続先端末41,41a,41bを特定する情報を、接続元端末31と分離して管理サーバ21に保持し、接続元端末31から参照できる情報は接続先41,41a,41bのラベルだけあるから、例えば接続元端末31が携帯端末で当該端末を遺失した場合においても個人情報(接続先の名前等と電話番号の組)が漏洩することがなく、個人情報を保護することが出来る。
(4)また、電話をかける者自身も相手先の電話番号を知らなくても電話をかけて通話することが可能となるから、電話連絡網を作成するような場合に接続先ラベルのみの表示(電話番号は不要)で済み、連絡網を作りやすくなる。
【符号の説明】
【0064】
1 データ通信網(インターネット)
2 公衆回線網(電話回線)
11 通話中継装置
12 通話中継部
13 回線選択部
14 呼制御部
15,26 データ送受信部
16 通話履歴記憶部
17 公衆回線インターフェース
18 内線電話インターフェース
19 IP電話インターフェース
21 管理サーバ
22 ユーザ情報記憶部
23 認証登録部
24 接続先リスト作成部
25 中継要求作成部
31 接続元端末
41 接続先端末
41a 接続先端末(内線電話)
41b 接続先端末(IP電話)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
公衆回線に接続可能な接続元通話端末と、当該接続元通話端末と通話を行う接続先通話端末との間の通話を中継する通話中継装置であって、
管理サーバとのデータ通信を可能とするデータ送受信部と、
第一の通話回線の確立および第二の通話回線の確立ならびにこれら第一の通話回線と第二の通話回線との接合を行う回線連結部と、
当該回線連結部による通話回線の確立および接合を制御する呼制御部と、
を備え、
前記データ送受信部は、データ通信回線を通じて管理サーバから送信されかつ前記接続元通話端末を特定する接続元特定情報と前記接続先通話端末を特定する接続先特定情報とを含む中継要求を受信し、
前記呼制御部は、当該中継要求に応えて、前記回線連結部を介し、前記接続元特定情報により特定される接続元通話端末との間に前記第一の通話回線を確立すると共に、前記接続先特定情報により特定される接続先通話端末との間に前記第二の通話回線を確立し、これら第一の通話回線と第二の通話回線とを接合して前記接続元通話端末と前記接続先通話端末との間の通話を可能とする
ことを特徴とする通話中継装置。
【請求項2】
内線電話への接続を可能とする内線電話インターフェース、および、IP電話への接続を可能とするIP電話インターフェースのうちのいずれか一方または双方をさらに備え、
前記回線連結部は、前記接続元特定情報および前記接続先特定情報のうちのいずれか一方または双方に従って発呼する回線の種類を選択する回線選択部を含み、当該回線選択部により選択された回線を通じて発呼して前記第一の通話回線および第二の通話回線のうちのいずれか一方または双方を確立する
請求項1に記載の通話中継装置。
【請求項3】
前記接続元通話端末と前記接続先通話端末との間の通話記録を記憶する通話履歴記憶部をさらに備える
請求項1または2に記載の通話中継装置。
【請求項4】
前記呼制御部として機能する第一の呼制御部と、
この第一の呼制御部と同一の機能を有する第二の呼制御部と、
呼制御部を切り替える切替制御部と、
を備え、
前記切替制御部は、前記第一の呼制御部に障害が発生したときに、前記呼制御部を前記第一の呼制御部から前記第二の呼制御部に切り替える
請求項1から3のいずれか一項に記載の通話中継装置。
【請求項5】
前記呼制御部として複数の呼制御部を備えると共に、
これら複数の呼制御部の各々にタスクを分配して負荷を分散する負荷分散制御部をさらに備える
請求項1から4のいずれか一項に記載の通話中継装置。
【請求項6】
公衆回線に接続可能な接続元通話端末と当該接続元通話端末と通話を行う接続先通話端末との間の通話を中継する通話中継装置に対してデータ通信回線を通じて通信が可能な管理サーバであって、
当該管理サーバは、
前記接続元通話端末を特定する接続元特定情報と、前記接続元通話端末から前記通話中継装置を介して通話することを許可する接続先を特定する接続先特定情報とを関連付けて予め記憶する記憶部を備え、
前記接続元通話端末からデータ通信回線を通じて送信された通話要求と接続先を選択する情報とを受信した場合にこれに応えて前記通話中継装置に前記接続元通話端末と前記接続先通話端末との間の通話を中継させるため、前記接続先を選択する情報に従って、当該選択された接続先に関する前記接続先特定情報を前記接続元特定情報と共に前記通話中継装置にデータ通信回線を通じて中継要求として送信する
ことを特徴とする管理サーバ。
【請求項7】
前記記憶部に記憶された、前記接続元通話端末に関連付けられた接続先特定情報から接続先のリストを作成する接続先リスト作成部をさらに備え、
当該接続先リスト作成部が作成した接続先リストの中から前記接続先を選択させるため、前記通話要求を受信したときに当該接続先リストを前記接続先特定情報として前記接続元通話端末にデータ通信回線を通じて送信する
請求項6に記載の管理サーバ。
【請求項8】
前記接続先特定情報は、前記接続先を表示する接続先ラベルと、当該接続先に回線を繋ぐための接続用情報とを含む一方、
前記接続元通話端末に送信する接続先リストは、接続先ラベルを含みかつ接続用情報を含まない
請求項7に記載の管理サーバ。
【請求項9】
前記管理サーバは、接続元通話端末の認証を行う認証部をさらに備え、
前記接続元特定情報は、当該接続元通話端末に一意に割り付けられている固体識別情報を含み、
前記認証部は、接続元通話端末から送信された固体識別情報と、前記記憶部に予め記憶させた固体識別情報とを比較し、当該接続元通話端末から送信された固体識別情報が前記記憶部に予め記憶されたいずれかの固体識別情報と一致する場合に、認証成功として当該固体識別情報に関連付けられている接続先特定情報を前記接続元通話端末に送信する
請求項6から8のいずれか一項に記載の管理サーバ。
【請求項10】
請求項1から5のいずれか一項に記載の前記通話中継装置と、
請求項6から9のいずれか一項に記載の前記管理サーバと
を備えたことを特徴とする通話システム。
【請求項11】
前記通話中継装置として複数の通話中継装置を備えると共に、
前記管理サーバは、
接続元通話端末と、当該複数の通話中継装置のうちの1つとを関連付けて前記記憶部に予め記憶しており、
接続元通話端末から前記通話要求を受信したときに、当該接続元通話端末に関連付けられた通話中継装置に対して前記中継要求を送信する
請求項10に記載の通話システム。
【請求項12】
公衆回線に接続可能な接続元通話端末と、当該接続元通話端末と通話を行う接続先通話端末との間の通話を通話中継装置が中継する通話方法であって、
管理サーバが、データ通信回線を通じて前記接続元通話端末からの通話要求を受信する工程と、
当該接続元通話端末から前記通話中継装置を介して通話することを許可する予め記憶部に記憶された接続先のリストを前記通話要求に応えて前記管理サーバが前記接続元通話端末に送信する工程と、
前記リストから選択された1つの接続先を示す通知を前記接続元通話端末から前記管理サーバが受信する工程と、
前記接続元通話端末から通知された接続先を特定する情報と、前記接続元通話端末を特定する情報とを含む中継要求を前記管理サーバが前記通話中継装置にデータ回線を通じて送信する工程と、
前記中継要求を受信した前記通話中継装置が、前記接続元通話端末に発呼して当該接続元通話端末との間に第一の通話回線を確立すると共に、前記中継要求により特定される接続先通話端末に発呼して当該接続先通話端末との間に第二の通話回線を確立する工程と、
前記通話中継装置がこれら第一の通話回線と第二の通話回線とを接合して前記接続元通話端末と前記接続先通話端末との間の通話を可能とする工程と
を含むことを特徴とする通話方法。
【請求項13】
前記通話要求は、接続元通話端末に一意に割り付けられている固体識別情報を含み、
前記通話方法は、前記通話要求を受信する工程と、前記接続先のリストを接続元通話端末に送信する工程との間に、接続元通話端末を認証する工程をさらに含み、
この認証する工程は、前記管理サーバが、接続元通話端末から送信された通話要求に含まれる固体識別情報と、通話中継装置を介して通話することを許可する接続先と関連付けて記憶部に予め記憶してある固体識別情報とを比較し、当該接続元通話端末から送信された固体識別情報が前記記憶部に予め記憶させたいずれかの固体識別情報と一致する場合に認証成功として、当該固体識別情報に関連付けられている接続先のリストを接続元通話端末に送信するものである
請求項12に記載の通話方法。
【請求項14】
前記通話中継装置として複数の通話中継装置を備えると共に、
前記管理サーバは、接続元通話端末と、当該複数の通話中継装置のうちの1つとを関連付けて前記記憶部に予め記憶しており、
前記管理サーバは、前記接続元通話端末から通話要求を受信したときに、当該接続元通話端末に関連付けられた通話中継装置を前記記憶部を検索することにより特定し、この特定した通話中継装置に対して前記中継要求を送信する
請求項12または13に記載の通話方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2010−199745(P2010−199745A)
【公開日】平成22年9月9日(2010.9.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−39839(P2009−39839)
【出願日】平成21年2月23日(2009.2.23)
【出願人】(507385545)株式会社インテリボイス (5)
【出願人】(504173471)国立大学法人北海道大学 (971)
【Fターム(参考)】