説明

通貨種の特徴を調べる

通貨種の特徴を調べることは、通貨種の照射のために少なくとも3つの特定の光源を含む照合装置を用いる。特定の光源の各々は、スペクトルの所定の集合の再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを有する。少なくとも1つのレシーバは、少なくとも3つの特定の光源から発光する光を受取る。移送ユニットは、照合装置内の通貨種を移送する。レシーバによって受取られた光は、通貨種によって反射される光または通貨種を通して透過される光の少なくとも1つである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
開示の分野
この開示は通貨種の特徴を調べることに関する。
【背景技術】
【0002】
背景
通貨種の特徴を調べるために多くの装置を用いることができる。例えば、通貨種の特徴を調べるために、照合ユニットを含む照合装置を用いることができる。この開示のために、通貨種という用語は、有価証券、証券、銀行券、小切手、紙幣、証書、クレジットカード、支払カード、マネーカード、ギフトカード、クーポン、鋳造貨幣、貨幣代用物、および身分証明書を含むが、それらに限定はされない。そのような現状技術の装置では、照合ユニットは、光を発するための光源と発光を受けるためのレシーバとをさらに含むことが多い、感知システムを含む。通貨種の照合(つまり分類)は反射光および通貨種を通して透過される光の一方または両方の測定および分析を含むことができる。
【0003】
典型的な照合ユニットは通貨種からの反射応答および/または透過応答を集めるために複数の発光源(例えば発光ダイオード(LED))を用いるよう構成される。一般的に、これらの光源は、それらがスペクトル内の波長の相対的に狭帯域内の光を発するように、構成される。特に、一般に公知の光源(例えば赤色LED、青色LEDおよび緑色LED)は、典型的には狭帯域(15nmと35nmとの間)を有する発光スペクトルを有する。一般的な光源の例は、640nmから700nmまでの範囲で光を発する赤色光源、450nmから480nmまでの範囲で光を発する青色光源、および520nmから555nmまでの範囲で光を発する緑色光源を含むことができる。しばしば、そのような一般的な光源は可視スペクトル内の公知の色(例えば赤色光、青色光および緑色光)と一致する波長帯内の光を発するよう構成される。可視光線の公知の色スペクトル内の発光を有する光源に照射されることに対する通貨種の応答は、通貨種についてのさまざまな特性を判断するよう用いることができる。ある場合には、赤外光を、通貨種の特性についての情報を集めるために用いることができる。
【0004】
文書の画像を再生または格納するために複数の光源および検出器を用いる画像処理マシン(例えば文書スキャナまたはコピー機)が存在する。カラー画像の場合には、視覚的に人間の目(つまり、人間の目が可能であるような識別)と等価であるように文書からの特性を再生することができるようそれらを集めることが、多くの場合、そのような画像処理マシンの目的である。人間の目が3色画像化システムのように作用するという事実は、カラー画像の再生が、人間の目(または同様の色限界を有する任意の画像化システム)が原画像と再生画像とを区別することができない態様で行なわれるように、そのような画像処理マシンの設計が開発されることを考慮する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
通貨種を分類するためのいくつかの現在の装置の限界は、用いられる典型的な一般的な光源が全体のスペクトル内においてギャップをもたらす結果となることであり、なぜならば、各光源は一般的にスペクトルの狭帯域中で発光するからである。この問題の1つの解決策は、全スペクトルをカバーする光源が十分にあるように、非常に多数の一般的な種類の光源を用いることである。この解決策は、非常に大きく費用のかかる照合装置に結びつくので、望ましくない。更に、そのような解決策は非常に大量のデータを処理するのに必要な装置に帰着し、したがって、照合が相対的に短期間(例えば1秒未満)においてなされることが必要な通貨照合装置(例えばゲーム機、自販機および券売機など)に必要なほど効率的ではない。
【0006】
現状技術の装置は、照合ユニット内の光源を用いて、連続する(つまり各エミッタが異なる波長帯で照射する)態様で、または同時に、通貨種を照射することができる。あるそのような照合システムが米国特許第5,632,367号によって開示されており、その全体をここに引用により援用する。加えて、照合ユニットは、複数の光源からの光を混合するよう光バー型システムを用いて、通貨種を照射することができる。あるそのような光混合システムが米国特許第6,994,203号に開示されており、その全体をここに引用により援用する。
【0007】
照合ユニットによって特徴を調べられる通貨種は、当該技術分野において一般に公知のさまざまな態様(例えばマハラノビス距離、特徴ベクトル選択またはサポートベクターマシン)において識別することができる。通貨種は、現在係属中の米国仮出願連続番号第61/137,386号に開示されるような、それらの色応答に基づいて特徴を調べることができ、それをここに引用により援用する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
概要
この開示は通貨種の特徴を調べることに関する。ある実現例では、通貨種の特徴を調べるための照合装置であって、少なくとも1つの光源と少なくとも1つの光源から発光を受取るための少なくとも1つのレシーバとを有する感知ユニットを含む照合ユニットを含み得る照合装置が提供される。いくつかの実現例では、照合装置は、この開示の方法の実行のためにプロセッサとメモリユニットとをさらに含む。いくつかの実現例では、照合装置は通貨種の特徴を調べるためにプロセッサとメモリユニットとを含む。さらにさらなる実現例では、照合装置は、挿入される通貨種を照合ユニットに、および照合ユニットを通して移動させるよう移送ユニットを含み、移送ユニットは、照合装置を通る連続的な通路を形成するよう構成される1つの連続的なユニットまたは複数の移送ユニットであり得る。照合装置はさらに保管部分および/または取出部分を含むことができる。通貨種は、照合ユニットから少なくとも1つの保管ユニットまで(および保管ユニットから)移送することができる。いくつかの実現例では、1方向の保管ユニットまたは2方向の保管ユニットの少なくとも1つがある。いくつかの実現例では、保管ユニットは、照合装置に取り外し可能に結合される。
【0009】
いくつかの実現例では、反射(または透過)スペクトルの近似および元の基準スペクトルの再構築のために、スペクトルの基準集合を第2の空間(つまりフィルタ空間)に圧縮して、近似関数(つまり、フィルタ)の集合を得るよう、スペクトルの基準集合を確立し、次元削減技術(例えば主成分分析または非負値行列因子分解)を適用するための方法が提供される。
【0010】
いくつかの実現例では、負でない近似関数を生じさせるよう、非負値行列因子分解を適用する方法が提供される。
【0011】
いくつかの実現例では、少なくとも1つの特定の光源を確立し、それによって、少なくとも1つの特定の光源は、スペクトルの元の基準集合の再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを有する、方法が提供される。
【0012】
いくつかの実現例では、照合装置に挿入される通貨種の特徴を調べるよう、スペクトルの元の基準集合を再構築するための近似フィルタに類似する発光スペクトルを有する特定の光源から受取られた(例えば、通貨種によって反射されるか、または通貨種を通して透過される)光を用いる方法が提供される。
【0013】
いくつかの実現例では、スペクトルの元の基準集合の再構築のための近似フィルタに類似する発光スペクトルを有する少なくとも1つの特定の光源を含む照合装置が提供される。
【0014】
いくつかの実現例では、少なくとも1つの特定の光源は発光素子と励起要素とを含み、発光素子から発せられるエネルギが、基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを生じさせるよう、励起要素を励起する。
【0015】
いくつかの実現例では、少なくとも1つの広帯域光源が、基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する透過スペクトルを有する少なくとも1つの物理的要素に結合される。
【0016】
いくつかの実現例では、少なくとも1つのレシーバは、基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する透過スペクトルを有する少なくとも1つの物理的要素に結合される。
【0017】
いくつかの実現例では、特定の光源は、蛍光体(または励起要素の他の特定の成分)を含有する励起要素に結合された発光ダイオード(LED)である。いくつかの実現例では、発光ダイオードは、元の基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを生じさせるよう、各蛍光体の変動する相対量(つまり、混合された)を有する複数の異なる蛍光体を含む励起要素に結合される。いくつかの実現例では、励起要素において構成される異なる蛍光体の相対量は、元のスペクトルの再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを生じさせるために、それらの組合せから起因するエネルギの損失および/または吸収を計上するよう、特定された量から調節される。
【0018】
いくつかの実現例では、特定の光源の群は、それらの発光を光ミキサ(例えばライトパイプコア)において混合することができるように、構成される。群における各々の特定の光源の発光の強度は、それに印加される励起電流の制御により制御することができる。いくつかの実現例では、ライトパイプ構成において配される各々の特定の光源に印加される電流の量は、照合装置においてソフトウェアによって制御することができる。いくつかの実現例では、複数の特定の光源に印加される電流の制御は、照合装置においてプロセッサを用いて制御することができる。
【0019】
いくつかの実現例では、複数の特定の光源の各々から発したエネルギの量は、ライトパイプにおいて混合するために用いられるそれぞれの光の量を管理するために、各々の特定の光源に印加されるパルスを変えること(例えばパルス幅変調(PWM)または振幅)によって制御することができる。
【0020】
いくつかの実現例では、照合装置は、元の基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを各々有する複数の特定の光源と、各々の特定の光源から発光を受取るための少なくとも1つのレシーバとを含む。他の実現例では、各々の広帯域光源および各々の特定の物理的フィルタに起因するスペクトルが、基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似するように、照合装置は、各々物理的フィルタが関連付けられる複数の広帯域光源を含む。
【0021】
いくつかの実現例では、照合装置は、単一の広帯域光源と、特定の物理的フィルタが各々関連付けられる複数のレシーバとを含み、各々のレシーバによる受けられる光は、基準スペクトルの再構築のための近似関数に匹敵するようにされる。
【0022】
いくつかの実現例では、照合装置は、公知の色(例えば赤色、緑色、青色、赤外線)に類似する発光スペクトルを各々有する複数の標準的光源と、少なくとも1つの特定の通貨種と関係のあるスペクトルに類似する発光スペクトルを有する少なくとも1つの特定の光源とを含む。
【0023】
この発明のさまざまな局面が、さらに以下に記載され、特許請求の範囲に述べられる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】照合ユニットを含む文書処理装置の例を示す。
【図2】電磁波源およびレシーバを含み、文書を照射するための、照合ユニットの感知ユニットを示す。
【図3】独自の電磁波源およびレシーバを含み、文書を照射するための、照合ユニットの感知ユニットを示す。
【図4】この開示の実現例のステップのフローチャートを示す。
【図5】この開示の実現例からのフィルタの組のためのスペクトルを示す。
【図6】基準スペクトルSおよび再構築されたスペクトルRの比較を示す。
【図7】例示的な再構築されたスペクトルRのためのデルタE CIE LAB誤差を示す。
【図8】基準スペクトルSおよび再構築されたスペクトルRの色比較を示す。
【図9】例示的な実現例を、文書を照射するための6つの独自の光源および6つのレシーバからなる組を含む照合ユニットとともに示す。
【図10】文書で反射する光および文書を通して透過される光の両方を示す、3つの独自の光源およびレシーバを含む照合ユニットを有するこの開示の例示的な実現例を示す。
【図11】発光ダイオードを作成するために用いられる例示的な9つの蛍光体の群のためのスペクトルの集合を示す。
【図12】実現例による、通貨種からの反射および通貨種を介する透過を示す。
【図13】広帯域光源に結合された少なくとも1つの特定の物理的フィルタを利用する実現例を示す。
【図14】少なくとも1つのレシーバに結合された少なくとも1つの特定の物理的フィルタを利用する実現例を示す。
【図15】フィルタ装置の例を示す。
【図16】センサアレイの例を示す。
【図17】感知ユニットの例を示す。
【図18】感知ユニットの例を示す。
【発明を実施するための形態】
【0025】
詳細な記載
この発明のさまざまな局面は特許請求の範囲で述べられる。
【0026】
この開示は通貨種の分類に関する。この開示に関し、通貨種の分類は、額面金額の認識、検証、照合、認証および判断を含むが、それに制限されない。
【0027】
ある実現例では、通貨照合システム10はそこに挿入された通貨種(図示せず)の分類のために照合ユニット100を含む。いくつかの実現例では、照合ユニット100は、少なくとも1つの光源130および少なくとも1つのレシーバ140で構成された感知ユニット120を含む。例えば、感知ユニット120は、少なくとも1つの発光ダイオード(LED)130と、LED130から発せられた光を受けるための少なくとも1つのレシーバ140とを含めるよう構成することができる。いくつかの実現例では、LED130は、可視光線スペクトルまたは非可視光線スペクトルの少なくとも1つにおいて光を発する。
【0028】
いくつかの実現例では、ある方法が、文書処理ユニット10で実現される光源の数を判断するために用いられる。より特定的には、少なくとも1つの通貨種50またはその一部に関連した基準スペクトルの集合を、次元削減技術への入力として用いることができる。例えば、スペクトルSの基準集合は、基準スペクトルSのデータ圧縮のある形式を達成するために、次元削減技術への入力として用いることができる。いくつかの実現例では、スペクトルSの基準集合はスペクトル応答の行列によって表される。他の実現例では、増分(例えば1nmごと)において走査された一連のスペクトルのパッチ(例えばマンセルパッチまたはパントンパッチ)を、基準集合Sを形成するために用いることができる。
【0029】
いくつかの実現例では、ある方法を用いて、基準スペクトルをシミュレーションし、例えば、偽物またはコピーのような本物でない文書のスペクトルを再構築する。
【0030】
一旦、基準集合Sが、例えばここに記載された方法の少なくとも1つによって確立されると、データ縮約技術を用いて、元のスペクトルSの全体の集合を推定するために用いられるデータの量を縮約することができる。データ縮約技術(または次元削減技術)の例は、主成分分析(PCA)、非負値行列因子分解(NMF)または次元選択アルゴリズムを含むが、それらに制限されない。いくつかの実現例では、基準集合S全体(またはその任意の部分集合)を分類に使用することができる。
【0031】
いくつかの実現例では、(1nmごとに走査された)スペクトルのマンセル集合は、データ縮約技術(またはデータ圧縮技術)への入力として用いられる。例えば、380nmから800nmまで1nm波長ごとに各々走査される1269のマンセルパッチ(つまりマンセル集合)は、最も関係のあるPCA軸を見つけるためにPCAへの入力として用いることができる。より具体的には、PCAをツールとして用いて、マンセル集合は、元の多次元の空間から、PCA空間の各軸が元の空間からのすべての変数の線形結合(つまり関数)であるPCA空間に変換される。この技術を用いると、PCA空間の第1の少しの軸は、元のデータ集合(例えば基準集合またはマンセル集合)において大部分の分散を説明することが判断できる。PCA変換を用いる結果の一つは、元の基準集合Sの新しく結合した線形結合(つまり関数)に関連した重みが、負値および非負値の両方になり得るということである。元の基準集合SにPCAを適用することから非負値結果を生じさせるために、すべての係数が正であるフィルタ(つまり関数)の新しい集合を確立するよう、ある変換が必要である。
【0032】
非負値行列因子分解(NMF)は、近似関数が正であり、したがって、物理的な意味を有するように、正の係数で新しい空間(つまりフィルタ空間)を見つけるために用いることができる別の次元削減技術の例である。
【0033】
非負値行列因子分解を用いる場合、関数の係数が非負値行列因子分解によって得られた重みであるときに、変数を得ることができる。これらの関数は、物理的にフィルタ(または光源)として構築することができ、なぜならば、それらは、すべての重みが正という意味において、物理的な意味を有するからである。例えば異なる制約を有する(例えば直交基底を見つける)NMFなど、NMFの多くの変形が存在する。
【0034】
いくつかの実現例では、スペクトルSの基準集合は関数Fの集合を確立するために用いられる。より具体的には、PCA軸は、基準集合Sを用いて構築され、次いで、主成分は新しい係数はすべて正であるという制約を用いて、別の空間(つまり関数空間)に変換される。図4を参照して、スペクトルSの基準集合はステップ200で確立される。ステップ210で、関数空間の中へのスペクトル圧縮(つまり次元削減)Cは、以下の等式により与えられる:
【0035】
【数1】

【0036】
関数(F)の性能は、例えば、以下の等式により与えられる擬似逆演算子を用いた、(再構築空間での)演算の逆算および反射スペクトルRの推定により評価することができる(ステップ220)。
【0037】
【数2】

【0038】
いくつかの実現例では、反射スペクトルRの再構築の誤差は、例えばフロベニウスノルムを用いることにより得られる(ステップ230)。他の実現例では、色再構築(ステップ235)の誤差は、実(または基準)スペクトルSおよび再構築されたスペクトルRの、LAB値間のデルタE CIE LAB誤差を用いて得られる。誤差情報の使用は、所望の性能レベル(または許容できる誤差)に基づいて、関数集合Fにおける関数の数を判断することができるように、基準スペクトルSを再構築する際に性能の比較を可能にする。例えば、誤差(例えばデルタE CIE LAB誤差またはフロベニウスノルム)の所定のしきい値または許容可能な範囲を確立することができ、関数集合Fの内の関数の数は、誤差性能のための所定のしきい値を満たすために必要とされる関数の数を判断するために変えることができる。
【0039】
いくつかの実現例では、スペクトルSの基準集合は、次元削減技術(例えばPCA)を用いて分解され、以下の特異値分解によって表される:
【0040】
【数3】

【0041】
等式4では、Fは固有ベクトル(つまり関数)の集合である。固有ベクトル(つまり関数)の数は、スペクトルSの基準集合を再構築する際に所望の性能レベルとの関係において確立することができる。例えば、Fは6つの固有ベクトル(つまり関数)の集合になり得るが、他の数の固有ベクトルも、本開示から範囲が変動せずに用いることができる。他の実現例では、集合Fにおける関数の最初の数を選択することができ、ステップ230および/またはステップ235から得られた結果を、(図4に示されるように)集合Fにおいてより多いまたはより少ない関数が必要かどうかを判断するために用いることができる。いくつかの実現例では、少なくとも1つの関数が、複数の標準LEDまたは光源(例えば赤、青、緑および赤外線)と組み合わせての使用のために確立できる。そのような実現例では、標準LEDの組(例えば赤、青および緑)は、図11に示されるような基準集合Sの分解から判断される少なくとも1つの特定の光源133を備えた照合装置10に配置される。他の実現例では、特定の物理的フィルタ135が関連付けられる少なくとも1つの広帯域光源131が、複数の標準LEDと共に配置される。
【0042】
この開示のため、用語「広帯域光源」は、完全なスペクトル(例えば、可視および/または非可視)にわたり相対的に一定の強度または非常に広範囲の波長にわたり相対的に一定の強度を有する発光スペクトルを有する光源を指す。
【0043】
(例えば、PCAを用いた)スペクトルSの基準集合の分解に続いて、Fの条件付き一次変換が、正の関数を得るために行われる。より具体的には、以下の等式から与えられる新しい関数
【0044】
【数4】

【0045】
の集合を見つけることが望ましくあり得る:
【0046】
【数5】

【0047】
図5は、関数Fの集合が6つの関数(F1−F6)を含む場合の、上記の方法からの結果の例を示す。図6は、6つの関数を用いた、スペクトルSの基準集合および再構築されたスペクトルRの比較を示す。図7は、6つの関数を有する関数Fの集合に基づいた基準集合における各パッチに対するデルタE CIE LAB誤差を示す。図8は、関数集合Fにおける6つの関数を用いた、色空間におけるスペクトルSの基準集合および再構築されたスペクトルRの比較を示す。
【0048】
いくつかの実現例では、光源133は、各特定の光源133が集合Fにおける関数のうちの1つに類似する発光スペクトルを有するように関数Fの集合を確立するために、開示された方法を用いて指定される。より特定的には、ある光源を製造するために用いられる材料(例えばLEDにおける蛍光体)は、関数集合Fの関数に類似する性能特性を得るために所定の態様で選択および/または混合することができる。例えば、各々特定のスペクトルを有するLEDを構築するために用いられる蛍光体Pの集合があり得る。他の実現例では、蛍光体Pの集合は、発光源に結合された励起要素の構成要素になり得る。前の例から、関数集合Fは図5に示されるようなそれぞれのスペクトルを有する。したがって、関数の集合F=F1、F2、F3、F4、F5、F6が与えられるとして、各関数の近似は、非負最小二乗問題の形成により蛍光体スペクトルの混合を用いてなすことができる。我々が、例えば、9つの蛍光体{P=P1、P2、P3、P4、P5、P6、P7、P8、P9}を用いる場合、複数(例えば6つ)の特定の光源133を確立することができる。各Fごとに、
【0049】
【数6】

【0050】
を最小にする行列Aを見つけることができる。
行列Aは、以下に示されるような各特定の光源133に存在する各蛍光体の量をあたえる:
【0051】
【数7】

【0052】
行列Aの例を用いると、6つの特定の光源133の群が、蛍光体P1−P9の混合物で構築できる。例えば、特定の光源#1を、関数F1に近似するように、蛍光体(P1F1;P2F1;P3F1;P4F1;P5F1;P6F1;P7F1;P8F1;P9F1)の組合せで構築することができるかもしれない。いくつかの実現例では、蛍光体の混合物を有する特定の光源133の発光スペクトルが、元の基準スペクトルSを再構築するために用いられる近似関数に類似するように、蛍光体の実際の混合物を、複数の蛍光体の組合せのために生じるかもしれない損失および/または吸収を斟酌するよう調節することができる。
【0053】
同様に、任意の数の特定の光源を、この開示の方法によって確立された関数Fの所定の群および光源製造材料の群を用いて作成することができる。他の種類の光源およびしたがって他の種類の材料を、本開示から範囲が変動せずに、特定の光源133を構築するために用いることができることが企図される。例えば、有機LED、蛍光灯または当業者に一般に公知の他の光源に使用される材料を、特定の光源133の組を作成するために用いることができる。
【0054】
いくつかの実現例では、通貨照合装置10は、基準スペクトルSの集合から反射スペクトルRを推定するための近似関数に各々対応する、特定の光源133の組を含む。例えば、照合装置10は、基準スペクトルSの集合から反射スペクトルRを近似することにより確立された近似関数Fに類似する発光スペクトルを各々が有するように構築された、6つの特定の光源133を含む。照合装置10において用いられる特定の光源133の数は、先の例において開示された6つの特定の光源より多くも少なくもあり得る。
【0055】
実際には、照合装置10において用いられる光源133の数は、所望の性能(例えばデルタE CIE LAB誤差またはフロベニウスノルム)および/またはある制約(例えば費用、合格率または不良率)に基づいて選択することができる。いくつかの実現例では、照合装置10は、複数の標準LED180(例えば赤色、緑色、および青色;または赤色、緑色、青色、および赤外線)、少なくとも1つの特定の光源190、ならびに光源180および190から光を受けるための少なくとも1つのレシーバ140を含むよう構成される。代替的に、照合装置10の性能が(例えばデルタE CIE LAB誤差の改善によって)増強されるように、特定の光源190は、既存の照合装置10(つまり、既に複数の標準LEDを有する)の中へ後付けされ得る。特に、特定の光源190の構成は、そのスペクトルの発光が、照合装置10によって分類されるべき少なくとも1つの通貨種のそれに類似するように、なされ得る。
【0056】
いくつかの実現例では、特定の光源の特性を判断するために用いられる基準集合Sは、照合装置10の性能を最適化するために、他の基準集合とは異なる。
【0057】
他の実現例では、元のスペクトルSの再構築を達成することができるように、関数集合Fから導出される複数の特定のフィルタが装置10に含まれるように、照合装置10は、概して広い発光スペクトルを有する広帯域光源160を含む。等式1〜等式5の関係が満たされるように、関数Fの集合が導出される。物理的フィルタが広帯域光源(または複数の広帯域光源)180と結合される実現例は、性能が任意の所定の基準(例えばデルタE CIE LAB誤差またはフロベニウスノルム)を満たすよう装置10を調整することができるように、設計における柔軟性を可能にする。
【0058】
いくつかの実現例では、この開示の方法から確立された少なくとも1つの関数は、特定のスペクトル形状に帰着する。例えば、6つの物理的フィルタ(または光源または混合光)の実現例では、図5に示されるような大きな帯域および少なくとも2つのローブを有するスペクトルの形状(例えばF2)を有する少なくとも1つのフィルタがあり得る。いくつかの構成では、あるフィルタは、35nmより高い(例えば、ピーク強度の半分でおよそ50nm以上の)大きな帯域を有することができる。実現されるフィルタの数は変動し得る。結果としての各フィルタに対するスペクトルの形状における対応する変化は限定ではなく、したがって、変形はこの開示の範囲内である。
【0059】
通貨種の分類は、関数空間(つまり、少なくとも1つのレシーバから得られた直接のデータを用いて)、または再構築されたスペクトル空間(つまり、元のスペクトルを再構築するために近似関数を用いて)において達成することができる。分類が関数空間において生じる実現例では、挿入された種の分類は、従来の分類技術(例えばマハラノビス距離、特徴ベクトル選択またはサポートベクターマシン)を用いてなすことができる。分類が再構築された空間において生じる実現例では、再構築された反射測定の集合は、少なくとも1つの種50を分類するためにメタメリズム理論とともに用いることができる。再構築された空間における分類は、メタメリックマッチの判断をなすことができるように、(例えば、メモリに格納された)基準応答と挿入された種の再構築された応答との比較を含むことができる。米国仮特許出願連続番号第61/137,386号(引用により援用)は、メタメリズム理論ならびにさまざまな分類技術およびアルゴリズムを用いて、通貨種を分類するためのさまざまな技術を開示する。
【0060】
いくつかの実現例では、広帯域光源180は、開示された方法からの近似関数に類似する分光透過スペクトルを各々有する複数の物理的フィルタ195と結合される。例えば、広帯域光源180は図15に示されるような移動可能なフィルタ装置300に結合することができる。より具体的には、移動可能なフィルタ装置300は複数の物理的フィルタ(F1、F2、F3...)で構成され、広帯域光源180に関して複数の位置間で選択的に移動可能である。図15は、広帯域光源180がフィルタ装置300に位置Z1で結合され、それによってフィルタF1が広帯域光源180からフィルタ処理された光を透過するために位置決めされるのを示す。同様に、複数のフィルタのうちの任意の1つを、広帯域光源180からそこを通ってフィルタ処理された光を透過するために位置決めすることができるように、フィルタ装置300を移動させることができる。
【0061】
例えば、フィルタ装置300は図15に示されるような複数のフィルタを含む、概して湾曲したハウジングとして実現することができる。いくつかの実現例では、特定のフィルタを広帯域光源180と結合して、そこを通って発せられた光を透過するよう、フィルタ装置300は、複数の位置1〜3(例えば、3つのフィルタを有する)間で摺動するように移動させることができる。
【0062】
他の実現例では、文書照合装置10は、ライトパイプに結合された複数の特定の光源、および統合するセンサを含むことができる。そのような例示的な実現例では、複数の特定の光源の各々は、パルス幅変調を用いることによって、各光源からライトパイプの中に発光される光量を管理するよう、制御することができる。そのような実現例は、励起要素において構成要素として用いられる蛍光体または他の物質を混合するという、先に開示された実現例に類似する、特定の光源の組の混合が、基準スペクトルRの再構築のための近似関数に類似する、ライトパイプからの全体の発光スペクトルを生成することを可能にする。
【0063】
ある実現例では、文書照合装置10は、少なくとも1つの広帯域光源、および(図16に示されるように)それと関連する複数の特定の物理的フィルタ(または励起要素)を有するCCDセンサ500を含むことができる。例示的な実現例では、広帯域光源から発せられる光は、センサ500に結合されたセンサアレイ550を通して透過され、したがって、CCDセンサ500によって受取られる。CCDセンサにおける各画素は、ここに記載されるような近似関数に匹敵するように「混合」光が受取られるのを見出すために例えばベイヤーアルゴリズムを用いて推定することができる。図16は、そのような構成の例示的な実現例を示す。示されるようなフィルタアレイ550の他の構成が企図され、そこでは、特定のフィルタの異なる分布がそこに構成され、したがって、それは、この開示の範囲外ではない。
【0064】
図16におけるような実現例では、画素の中心の計算は、元の基準スペクトルSの再構築のための近似関数に類似する応答を感知するために、センサ500の特定の画素で受取られた実際の光がフィルタアレイ550の取り囲むフィルタの組合せになり得るように、ベイヤー型アルゴリズムを用いて行われ得る。
【0065】
変形および修正を含む他の実現例は、特許請求の範囲内である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
照合装置であって:
通貨種を照射するための少なくとも3つの特定の光源を含み、少なくとも3つの特定の光源の各々はスペクトルの所定の集合の再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを有し;照合装置はさらに、
少なくとも3つの特定の光源から発光する光を受取るための少なくとも1つのレシーバと;
照合装置内の通貨種を移送するための移送ユニットとを含み;
少なくとも1つのレシーバによって受取られた光は、通貨種によって反射される光または通貨種によって透過される光の少なくとも1つである、照合装置。
【請求項2】
少なくとも3つの特定の光源は、可視および非可視光スペクトルにおいて光をまとめて発する、請求項1に記載の照合装置。
【請求項3】
少なくとも3つの特定の光源は可視光スペクトルにおいて光を発する、請求項1に記載の照合装置。
【請求項4】
少なくとも3つの特定の光源は非可視光スペクトルにおいて光を発する、請求項1に記載の照合装置。
【請求項5】
少なくとも3つの特定の光源の各々は所定の態様においてエネルギを与えられる、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項6】
移送ユニットは、連続的な移送通路を形成するよう構成される複数の移送サブユニットを含むよう構成される、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項7】
移送ユニットは少なくとも3つの特定の光源および少なくとも1つのレシーバを通り過ぎて文書を移送するよう構成される、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項8】
少なくとも3つの特定の光源の各々から受けられる光を用いて通貨種を分類するよう構成される、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項9】
関数空間において通貨種の分類を行うよう構成される、請求項8に記載の照合装置。
【請求項10】
再構築空間において通貨種の分類を行うよう構成される、請求項8に記載の照合装置。
【請求項11】
プロセッサをさらに含む、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項12】
プロセッサは通貨種の分類のために構成される、請求項8〜10の1つに記載の照合装置。
【請求項13】
プロセッサに作動的に結合されるメモリユニットをさらに含む、請求項11または13に記載の照合装置。
【請求項14】
メモリユニットは、通貨種を分類するよう用いられる情報を格納するよう構成される、請求項13に記載の照合装置。
【請求項15】
少なくとも3つの特定の光源は、少なくとも1つの所定の蛍光体を用いて構築され、各蛍光体は特定の発光スペクトルに対応する、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項16】
少なくとも3つの特定の光源の構築は、少なくとも3つの特定の光源の各々の発光スペクトルが基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似するように、複数の所定の蛍光体の混合物を用いて行われる、請求項15に記載の照合装置。
【請求項17】
少なくとも3つの特定の光源は有機LEDである、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項18】
少なくとも3つの特定の光源の少なくとも1つは、少なくとも50ナノメートルの帯域を有する発光スペクトルを有する、先行する請求項の1つに記載の照合装置。
【請求項19】
少なくとも3つの特定の光源の少なくとも1つは、大きな帯域および少なくとも2つのローブを有する発光スペクトルを有する、請求項18に記載の照合装置。
【請求項20】
照合装置であって:
通貨種を照射するための少なくとも3つの広帯域光源と;
少なくとも3つの広帯域光源のうちの1つに各々結合される、少なくとも3つの特定の物理的フィルタとを含み、少なくとも3つの特定の物理的フィルタの各々は、所定の基準スペクトルの再構築のための少なくとも1つの近似関数に類似する透過スペクトルを有し;照合装置はさらに、
少なくとも3つの広帯域光源から発せられる、フィルタ処理された光を受取るための少なくとも1つのレシーバと;
照合装置内の通貨種を移送するための移送ユニットとを含み;
少なくとも1つのレシーバによって受取られた光は、通貨種によって反射される光または通貨種によって透過される光の少なくとも1つである、照合装置。
【請求項21】
少なくとも3つの特定のフィルタの各々は、生じる透過スペクトルが、所定の基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似するように、各それぞれの広帯域光源から発せられる光をフィルタ処理する、請求項20に記載の照合装置。
【請求項22】
少なくとも3つの特定のフィルタによってフィルタ処理された、生じる光が、可視または非可視光線の少なくとも1つである、請求項20または21に記載の照合装置。
【請求項23】
少なくとも3つの広帯域光源の各々は所定の態様においてエネルギを与えられる、請求項20〜22の1つに記載の照合装置。
【請求項24】
移送ユニットは、連続的な移送通路を形成するよう構成される複数の移送ユニットを含むよう構成される、請求項20〜23の1つに記載の照合装置。
【請求項25】
移送ユニットは、少なくとも3つの広帯域光源および少なくとも1つのレシーバを通り過ぎて通貨種を移送するよう構成される、請求項20〜24の1つに記載の照合装置。
【請求項26】
少なくともフィルタ処理された広帯域光源の各々から受けられる光を用いることによって通貨種を分類する、請求項20〜25の1つに記載の照合装置。
【請求項27】
通貨種の分類は関数空間において行われる、請求項26に記載の照合装置。
【請求項28】
通貨種の分類は再構築空間において行われる、請求項26に記載の照合装置。
【請求項29】
プロセッサをさらに含む、請求項20〜28の1つに記載の照合装置。
【請求項30】
プロセッサは通貨種の分類のために構成される、請求項29に記載の照合装置。
【請求項31】
プロセッサに作動的に結合されるメモリユニットをさらに含む、請求項20〜30の1つに記載の照合装置。
【請求項32】
メモリユニットは、少なくとも1つの通貨種を分類するよう用いられる分類部を格納するよう構成される、請求項31に記載の照合装置。
【請求項33】
少なくとも3つの特定のフィルタの少なくとも1つは、少なくとも50ナノメートルの帯域を有する発光スペクトルを有する、請求項20〜32の1つに記載の照合装置。
【請求項34】
少なくとも3つの特定のフィルタの少なくとも1つは、大きな帯域および少なくとも2つのローブを有する発光スペクトルを有する、請求項33に記載の照合装置。
【請求項35】
照合装置であって:
通貨種を照射するための少なくとも1つの広帯域光源と;
少なくとも1つの広帯域光源から発せられる光を受取るための少なくとも3つのレシーバと;
少なくとも3つのレシーバのうちの1つに各々結合される、少なくとも3つの特定の物理的フィルタとを含み、少なくとも3つの特定の物理的フィルタの各々は所定の基準スペクトルの再構築のための少なくとも1つの近似関数に類似する透過スペクトルを有し;照合装置はさらに、
照合装置内の通貨種を移送するための移送ユニットを含み;
少なくとも3つのレシーバの各々によって受けられる光は、通貨種によって反射される光または通貨種を通して透過される光の少なくとも1つである、照合装置。
【請求項36】
少なくとも3つの特定のフィルタの各々は、生じる発光スペクトルが、所定の基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似するように、各それぞれの広帯域光源から発せられる光をフィルタ処理する、請求項35に記載の照合装置。
【請求項37】
少なくとも3つの特定のフィルタによってフィルタ処理された、生じる光は、可視または非可視光線の少なくとも1つである、請求項35または36に記載の照合装置。
【請求項38】
少なくとも3つの広帯域光源の各々は所定の態様においてエネルギを与えられる、請求項35〜37の1つに記載の照合装置。
【請求項39】
移送ユニットは、連続的な移送通路を形成するよう構成される複数の移送ユニットを含むよう構成される、請求項35〜38の1つに記載の照合装置。
【請求項40】
移送ユニットは少なくとも3つの広帯域光源およびレシーバを通り過ぎて文書を移送するよう構成される、請求項35〜39の1つに記載の照合装置。
【請求項41】
通貨は、少なくともフィルタ処理された広帯域光源の各々から受けられる光を用いて分類される、請求項35〜40の1つに記載の照合装置。
【請求項42】
通貨種の分類は関数空間において行われる、請求項41に記載の照合装置。
【請求項43】
通貨種の分類は再構築空間において行われる、請求項41に記載の照合装置。
【請求項44】
プロセッサをさらに含む、請求項35〜43の1つに記載の照合装置。
【請求項45】
プロセッサは通貨種の分類のために構成される、請求項44に記載の照合装置。
【請求項46】
プロセッサに作動的に結合されるメモリユニットをさらに含む、請求項35〜45の1つに記載の照合装置。
【請求項47】
メモリユニットは、少なくとも1つの通貨種を分類するために用いられる分類部を格納するよう構成される、請求項46に記載の照合装置。
【請求項48】
少なくとも3つの特定のフィルタの少なくとも1つは、少なくとも50ナノメートルの帯域を有する透過スペクトルを有する、請求項35〜47の1つに記載の照合装置。
【請求項49】
少なくとも3つの特定のフィルタの少なくとも1つは、大きな帯域および少なくとも2つのローブを有する透過スペクトルを有する、請求項48に記載の照合装置。
【請求項50】
照合装置であって:
通貨種を分類するための感知ユニットを含み、感知ユニットは、ハウジングと、光ミキサと、光ミキサに結合される複数の特定の光源と、光ミキサから発せられる光を受取るようにハウジングから紙幣通路にわたって位置決めされるレシーバとを含み、複数の特定の光源の各々は、所定の基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを有するよう構成され;照合装置はさらに、
照合装置内の通貨種を移送するための移送ユニットと;
光ミキサにおいて光の所定の混合を引起すように複数の特定の光源の各々の発光量を制御するためのプロセッサとを含み;
照合装置は、通貨種に反射される光または通貨種を透過される光の少なくとも1つに部分的に基づいて通貨種を分類する、照合装置。
【請求項51】
感知ユニットは、複数の発光を連続して発するよう構成され、複数の発光の各々は、所定の基準スペクトルの再構築のための近似関数に類似する発光スペクトルを有する、請求項50に記載の照合装置。
【請求項52】
光ミキサから発せられた生じる光は、可視または非可視光線の少なくとも1つである、請求項50または51に記載の照合装置。
【請求項53】
移送ユニットは、連続的な移送通路を形成するよう構成される複数の移送ユニットを含むよう構成される、請求項50〜52の1つに記載の照合装置。
【請求項54】
移送ユニットは、少なくとも3つの広帯域光源およびレシーバを通り過ぎて通貨種を移送するよう構成される、請求項50〜53の1つに記載の照合装置。
【請求項55】
通貨種は光ミキサから受けられる光を用いて分類される、請求項50〜54の1つに記載の照合装置。
【請求項56】
通貨種の分類は関数空間において行われる、請求項55に記載の照合装置。
【請求項57】
通貨種の分類は再構築空間において行われる、請求項55に記載の照合装置。
【請求項58】
プロセッサをさらに含む、請求項50〜57の1つに記載の照合装置。
【請求項59】
プロセッサは通貨種の分類のために構成される、請求項58に記載の照合装置。
【請求項60】
プロセッサに作動的に結合されるメモリユニットをさらに含む、請求項50〜59の1つに記載の照合装置。
【請求項61】
メモリユニットは、少なくとも1つの通貨種を分類するために用いられる分類部を格納するよう構成される、請求項60に記載の照合装置。
【請求項62】
複数の発光の少なくとも1つは、少なくとも50ナノメートルの帯域を有する発光スペクトルを有する、請求項50〜61の1つに記載の照合装置。
【請求項63】
複数の発光の少なくとも1つは大きな帯域および少なくとも2つのローブを有する発光スペクトルを有する、請求項62に記載の照合装置。
【請求項64】
複数の特定の光源は、1種類の蛍光体を用いて構築されるLEDである、請求項50〜63の1つに記載の照合装置。
【請求項65】
複数の特定の光源は、少なくとも2つの蛍光体の混合物を用いて構築されるLEDである、請求項64に記載の照合装置。
【請求項66】
複数の特定の光源は有機LEDである、請求項64または65に記載の照合装置。
【請求項67】
照合装置であって:
通貨種を照射するための複数の一般的な光源を含み、少なくとも1つの一般的な光源は、赤色光、青色光、緑色光または赤外線光の少なくとも1つに類似する発光スペクトルを有し;照合装置はさらに、
通貨種を照射するための少なくとも1つの特定の光源を含み、少なくとも1つの特定の光源の発光スペクトルは、照合装置によって分類される少なくともある通貨種に類似し;照合装置はさらに、
複数の一般的な光源または少なくとも1つの特定の光源の少なくとも1つから発せられる光を受取るためのレシーバと;
照合装置内の通貨種を移送するための移送ユニットとを含み;
照合装置は、通貨種に反射される光または通貨種を透過される光の少なくとも1つに部分的に基づいて通貨種を分類する、照合装置。
【請求項68】
一般的な光源のうちの1つは、640nmと700nmとの間の発光帯を有する、請求項67に記載の照合装置。
【請求項69】
少なくとも1つの特定の光源は、照合装置によって分類されるべきある特定の通貨種に類似する発光スペクトルを有する、請求項67または68に記載の照合装置。
【請求項70】
少なくとも1つの特定の光源は複数の蛍光体から構築されるLEDである、請求項67〜69の1つに記載の照合装置。
【請求項71】
少なくとも1つの特定の光源は、特定の物理的フィルタが結合される広帯域光源であり、特定の物理的フィルタからの透過スペクトルは、照合装置によって分類されるべき少なくとも1つの通貨種に類似する、請求項67〜70の1つに記載の文書処理装置。
【請求項72】
少なくとも1つの特定の光源は照合装置の後付け構成要素である、請求項67〜71の1つに記載の照合装置。
【請求項73】
通貨種を分類する方法であって:
スペクトルの基準集合を選択するステップと;
コンピューティング・プラットフォームを用いて、スペクトルの基準集合上で次元削減技術を実行するステップと;
スペクトルの基準集合上で次元削減技術を実行することの結果として、スペクトルの基準集合を再構築するために用いることができる、近似関数の集合を決定するステップと;
スペクトルの基準集合を再構築するよう用いることができる少なくとも1つの近似関数に類似する発光スペクトルを有する少なくとも1つの特定の光源を識別するステップと;
少なくとも1つの特定の光源からの、通貨種から反射または通貨種を透過される光に部分的に基づいて、通貨種を分類するステップとを含む、方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate


【公表番号】特表2012−523628(P2012−523628A)
【公表日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−504833(P2012−504833)
【出願日】平成22年4月7日(2010.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2010/030277
【国際公開番号】WO2010/118160
【国際公開日】平成22年10月14日(2010.10.14)
【出願人】(506258187)エムイーアイ インコーポレーテッド (27)
【Fターム(参考)】