通過点指定装置、及び経路管理システム
【課題】データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる通過点指定装置、及び経路管理システムを提供する。
【解決手段】通過点指定装置は、出発地位置から目的地位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、条件を満たす設備の位置を抽出する周辺設備抽出部1300及び対象設備抽出部1400と、出発地位置から設備群の位置を通過して目的地位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置200に、抽出された設備群の位置を指定する変更経路算出部1500と、出発地位置と抽出された設備群の位置と目的地位置とを結ぶ第2経路を表す情報を取得する変更経路算出部1500と、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させる経路判定部1600と、を備える。
【解決手段】通過点指定装置は、出発地位置から目的地位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、条件を満たす設備の位置を抽出する周辺設備抽出部1300及び対象設備抽出部1400と、出発地位置から設備群の位置を通過して目的地位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置200に、抽出された設備群の位置を指定する変更経路算出部1500と、出発地位置と抽出された設備群の位置と目的地位置とを結ぶ第2経路を表す情報を取得する変更経路算出部1500と、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させる経路判定部1600と、を備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路上の通過点を指定する通過点指定装置、及び経路管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線により設備からデータを収集するデータ収集装置を車両に搭載し、データを収集する対象と定められた各設備にその車両で近づいて、設備保全として、その設備からデータを収集することを目的としたシステムが、特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
特許文献1〜3に開示されたシステムのデータ収集装置は、設備を保全することを目的とした設備保全車両に搭載され、設備保全車両と共に各設備を巡回しながらデータを収集している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−199545号公報
【特許文献2】特開2009−218922号公報
【特許文献3】特開平11−232578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、設備を保全することを目的としない車両、例えば、営業車両にデータ収集装置を搭載し、その営業車両が通過した道路沿いの設備から、無線等により設備保全データを収集することを考える。設備保全車両と営業車両とを用いてデータを収集することで、設備保全車両のみを用いて設備保全データを収集する場合と比較して、より頻繁に設備保全データを収集することができる。
【0006】
しかしながら、営業車両は、出発地から目的地までの経路に沿って、主に幹線道路を走行することが多い。このため、幹線道路沿いに在る設備から設備保全データを収集する頻度は、幹線道路沿いに無い設備から設備保全データを収集する頻度よりも高くなり、設備保全データを収集する頻度に設備毎のばらつきが生じてしまうという問題がある。また、設備を保全することが営業車両の本来の目的ではないため、データ収集装置を搭載した営業車両の走行経路が変更される場合、その走行経路は、過度に変更されないようにする必要がある。
【0007】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる通過点指定装置、及び経路管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、第1位置から第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、前記第1位置から第3位置を通過して前記第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路を案内する経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、を備えることを特徴とする通過点指定装置である。
【0009】
また、本発明は、前記比較部が、前記第1位置から前記第1経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第1時間と、前記第1位置から前記第2経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第2時間と、を比較し、前記第1時間に対する前記第2時間の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする通過点指定装置である。
【0010】
また、本発明は、前記比較部が、前記第1経路の距離と、前記第2経路の距離と、を比較し、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする通過点指定装置である。
【0011】
また、本発明は、前記抽出部が、前記予め定められた条件に基づいて、優先順位の高い前記設備の位置を抽出し、前記通過点指定部は、前記優先順位の高い設備の位置を、前記経路検索装置に指定することを特徴とする通過点指定装置である。
【0012】
また、本発明は、前記通過点指定部が、複数の前記設備からなる設備群毎に、前記抽出された設備の位置を前記経路検索装置に指定することを特徴とする通過点指定装置である。
【0013】
また、本発明は、第1位置から第3位置を通過して第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置と、経路を案内する経路案内装置を有し、案内された経路に沿って前記第1位置から前記第2位置まで移動する移動体と、経路に沿って配置された設備の位置を前記経路検索装置に指定する通過点指定装置と、を備え、前記通過点指定装置が、前記第1位置から前記第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、前記経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、前記経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、を備えることを特徴とする経路管理システムである。
【0014】
また、本発明は、前記移動体が、前記設備からデータを収集するデータ収集装置を有することを特徴とする経路管理システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、出発地と目的地と各設備との位置関係の例を表す図である。
【図2】本発明の一実施形態における、経路を定める方法の概要を表す図である。
【図3】本発明の一実施形態における、設備保全データ収集システムの構成を表す図である。
【図4】本発明の一実施形態における、通過点指定装置の構成と、他の装置との関係を表す図である。
【図5】本発明の一実施形態における、設備保全データベースに記憶されている管理データテーブルの例である。
【図6】本発明の一実施形態における、設備保全データベースに記憶されている設備保全データテーブルの例である。
【図7】本発明の一実施形態における、設備データベースに記憶されている設備位置データテーブルの例である。
【図8】本発明の一実施形態における、設備データベースに記憶されている設備情報データテーブルの例である。
【図9】本発明の一実施形態における、監視対象設備管理データベースに記憶されている監視対象テーブルの例である。
【図10】本発明の一実施形態における、監視対象設備管理データベースに記憶されている設備群テーブルの例である。
【図11】本発明の一実施形態における、監視対象設備管理データベースに記憶されている群位置テーブルの例である。
【図12】本発明の一実施形態における、基本経路テーブルの基本データの例である。
【図13】本発明の一実施形態における、基本経路テーブルの通過点データの例である。
【図14】本発明の一実施形態における、経路の周辺領域内に位置する設備の位置を抽出する方法を表す図である。
【図15】本発明の一実施形態における、周辺設備テーブルの例である。
【図16】本発明の一実施形態における、対象設備テーブルの例である。
【図17】本発明の一実施形態における、経路を算出する際に用いられる優先順位の例である。
【図18】本発明の一実施形態における、変更経路テーブルの基本データの例である。
【図19】本発明の一実施形態における、変更経路テーブルの通過点データの例である。
【図20】本発明の一実施形態における、出発地、目的地、及び到着目標時刻を通過点指定装置に入力する際の入力装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態における、基本経路を算出する際の基本経路算出部の動作手順を表すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態における、経路の周辺に位置する設備の位置を抽出する際の周辺設備抽出部の動作手順を表すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態における、データ等を収集する対象とする設備の位置を抽出する際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施形態における、変更経路を算出する際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施形態における、経路を判定する際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施形態における、最終経路を算出する際の出力装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図27】本発明の一実施形態における、設備保全データが更新されたことを設備保全装置から通知された際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図28】本発明の一実施形態における、監視対象とする設備を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。
【図29】本発明の一実施形態における、予め定められた時刻にデータ収集間隔を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、出発地と目的地と各設備との位置関係の例が表されている。本実施形態では、設備保全することが本来の目的でない車両(移動体)、例えば、営業車両にデータ収集装置が搭載される。データ収集装置は、出発地から目的地までを不定期に営業車両と共に往復しながら、設備の状態等を表す設備保全データ、及び設備の外観画像を収集する。ここで、目的地は、営業車両が出動する毎に異なる位置の目的地であってもよい。
【0018】
データ収集装置は、無線によりデータを送受信する通信装置、設備の外観を撮像する撮像装置、測位(例えば、Global Positioning System、GPS)装置、及び経路案内(ナビゲーション)装置を備える。
【0019】
設備600−1〜600−48のそれぞれは、監視対象、すなわち、設備保全データの収集及び外観撮像の対象とされる設備である。ここで、設備600−1〜600−48のそれぞれは、道路沿いに位置している。また、設備600−1〜600−48は、その位置及びデータ収集に関する情報等がデータベースに管理される。設備600−1〜600−48は、設備毎に管理されてもよいが、複数の設備をまとめた設備群毎に、設備保全データ収集システムにより管理されるものとする。設備が設備群毎に管理されることで、設備保全データ収集システムは、営業車両の走行経路が必要以上に複雑にならないようにすることができる。
【0020】
図1では、1区画において同一道路に面する3つの設備がまとめられて、1つの設備群が構成されている。一例として、図1では、各設備は、設備群700−1〜700−16に分類されて、設備群毎に管理されている。
【0021】
設備保全データ収集システムの経路管理システム(図3を用いて後述する)は、目的地及び到着目標時刻に基づいて、設備保全データ等が未収集となっている設備に面している道路を走行するよう、営業車両が走行する経路を表す情報を、営業車両の経路案内装置(ナビゲーション装置)に送信する。
【0022】
営業車両は、経路案内装置が経路管理システムから受信した経路(往路及び復路)に従って道路を走行する。また、データ収集装置は、営業車両の現在の位置情報と、設備の位置情報とを比較し、営業車両が設備に接近した場合、設備保全データの収集及び外観撮像を実行する。営業車両が出発地に戻った(帰社した)場合、データ収集装置は、収集したデータを設備保全データ収集システムの設備保全データベースに登録する。設備保全システムは、設備保全データを設備毎に管理し、状態変化などを管理する。
【0023】
図2には、経路を定める方法の概要が表されている。設備を保全することが営業車両の本来の目的ではないため、営業車両の出発地から目的地までの経路が変更される場合、その走行経路は過度に変更されないようにする必要がある。走行経路が過度に変更されないようにするため、経路変更の回数の上限である経路変更可能数(閾値)が予め定められる。ここで、営業車両が出動する際、目的地の位置(例えば、経度、緯度)、及び到着目標時刻は、予め定められているものとする。
【0024】
経路は、データ等を収集する対象として通過点指定装置(図3及び4を用いて後述する)により指定された設備群の位置の組み合わせに基づいて、経路検索装置(図3及び4を用いて後述する)により算出される。このように、設備群に基づいて経路が定められることで、経路を検索する経路検索装置に入力されるパラメータの個数が少なくなるので、経路を算出するために必要と見積もられた時間は短縮される。営業車両が走行する最終的な経路(最終経路)は、経路検索装置が算出した複数の経路のうちから、経路変更可能数などに基づいて、通過点指定装置により選択される。
【0025】
図2では、設備600−a〜600−cから構成される設備群700−aは、経路3100に面しているとする。始点710−aは、設備群700−aと経路3100とが面している区間の経路の始点である。終点720−aは、設備群700−aと経路3100とが面している区間の経路の終点である。また、経路3100に面している設備群700−aの設備600−a〜600−cは、前回の監視(データ収集など)から100日が経過しているとする。
【0026】
また、設備600−d〜600−gから構成される設備群700−bは、出発地と目的地とを最短で結ぶ経路3000(基本経路)に面しているとする。例えば、経路3000は、幹線道路に定められた経路である。始点710−bは、設備群700−bと経路3000とが面している区間の経路の始点である。終点720−bは、設備群700−bと経路3000とが面している区間の経路の終点である。また、経路3000に面している設備群700−bの設備600−d〜600−gは、前回の監視から5日が経過しているとする。
【0027】
また、設備600−h〜600−jから構成される設備群700−cは、経路3200に面しているとする。始点710−cは、設備群700−cと経路3200とが面している区間の経路の始点である。終点720−aは、設備群700−aと経路3100とが面している区間の経路の終点である。また、経路3200に面している設備群700−cの設備600−h〜600−jは、前回の監視から60日が経過しているとする。
【0028】
この場合、各経路の優先順位は、前回の監視からの経過日数が多い順に、経路3100の優先順位(優先度)が最も高く、経路3000の優先順位が最も低いとされる。なお、前回の監視からの経過日数が一定期間(例えば、30日)を超過している場合のみ、この優先順位は有効とされる。
【0029】
また、車両が出発地から経路3000(基本経路)に沿って目的地まで走行するのに必要と見積もられた予想時間をT0とする。また、車両が出発地から経路3100に沿って目的地まで走行するのに必要と見積もられた予想時間をT1とする。また、車両が出発地から経路3200に沿って目的地まで走行するのに必要と見積もられた予想時間をT2とする。この場合、基本経路(例えば、最短の経路)である経路3000に対する経路3100の増分は、(T1−T0)/T0×100[%]となる。基本経路に対する増分の上限値(閾値)が予め定められることで、この上限値を超過しない(上限値以下である)範囲に収まる最終的な経路(最終経路)が定められる。
【0030】
なお、上限値(閾値)は、予想時間の増分の上限値であってもよいし、予想時間自体の上限値であってもよい。また、経路同士は、予想時間を基準に比較されてもよし、経路の距離を基準に比較されてもよい。
【0031】
次に、設備保全データ収集システムの構成を説明する。
図3には、設備保全データ収集システムの構成が表されている。設備保全データ収集システムは、経路管理システム2000と、設備データベース300と、設備保全装置400とを備える。設備データベース300は、設備に関する情報(例えば、設備の位置を表す情報)を記憶し、設備に関する情報を経路管理システム2000に出力する。
【0032】
設備保全装置400は、設備保全データベース410を備える。設備保全装置400は、営業車両500に搭載されたデータ収集装置530から、データ収集装置530が収集した設備保全データを取得し、取得した設備保全データを設備保全データベース410に記憶させる。設備保全装置400は、データ収集装置530から取得した設備保全データにより、設備保全データベース410が記憶する設備保全データを更新した場合、設備保全データが更新されたことを、経路管理システム2000に通知する。
【0033】
経路管理システム2000は、通過点指定装置1000と、経路検索装置200とを備える。また、通過点指定装置1000は、監視対象設備管理データベース1100を備える。通過点指定装置1000には、出発地位置(緯度、経度)、目的地位置(緯度、経度)、及び到着目標時刻を表す情報が、入力画面を備えた入力装置を介して経路案内装置540から入力される。
【0034】
通過点指定装置1000は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻に基づいて、設備保全データ等を収集する対象とする設備を定める。通過点指定装置1000は、設備保全データ等を収集する対象と定めた設備の位置を表す情報(例えば、緯度、経度)を、通過点位置として経路検索装置200に出力する。また、通過点指定装置1000は、経路検索装置200が算出(検索)した経路を表す情報を、経路検索装置200から取得する。
【0035】
また、通過点指定装置1000は、経路検索装置200が算出した経路のうち営業車両500が走行する最終経路を、監視対象設備管理データベース1100が記憶する監視対象テーブルに登録されているデータに基づいて、経路検索装置200が検索した複数の経路のうちから選択する。通過点指定装置1000は、選択した経路を表す情報を、営業車両500に搭載された経路案内装置540に出力する(走行経路指示)。
【0036】
経路検索装置200には、通過点位置(経由点位置)を表す情報が、通過点指定装置1000から入力される。経路検索装置200は、通過点位置を表す情報に基づいて、営業車両500が走行する経路を算出(検索)し、算出した経路を表す情報を通過点指定装置1000に出力する。
【0037】
営業車両(移動体)500は、通信装置510と、撮像装置520と、データ収集装置530と、経路案内装置540とを搭載する。営業車両500は、運転者による操作指示に応じて道路を走行する。ここで、運転者は、経路案内装置540により案内された経路に沿って、営業車両500を走行させる。
【0038】
経路案内装置540は、運転者による操作入力を受け付け、操作入力された出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報を、通過点指定装置1000に出力する。また、経路案内装置540は、経路を表す情報を、通過点指定装置1000から受信し、受信した経路を表す情報により指定された経路を、運転者に案内する。ここで、経路案内装置540は、自装置の位置を測位し、その測位結果を運転者とデータ収集装置530とに通知する。経路案内装置540は、例えば、衛星からの電波を受信することにより、自装置の位置を測位する。
【0039】
撮像装置520は、各設備の外観を撮影し、撮影した画像をデータ収集装置530に記憶させる。通信装置510は、各設備に備えられた通信装置を介して、設備保全データをその設備から無線により受信し、受信した設備保全データをデータ収集装置530に記憶させる。
【0040】
データ収集装置530は、経路案内装置540から通知された位置情報と、予め記憶された設備位置情報とに基づいて、データ収集装置530が設備に接近した場合、通信装置510を介して、設備保全データをその設備から受信する。また、データ収集装置530は、経路案内装置540から通知された位置情報と、データ収集装置530が設備に接近した場合、撮像装置520が撮像したその設備の外観画像を、設備保全データとして記憶する。
【0041】
設備600aは、センサ610と、記憶部620と、通信部630とを備える。センサ610は、例えば、温度及び湿度をセンシングし、センシングデータを記憶部620に記憶させる。記憶部620は、所定の設備保全データと、センシングデータとを記憶する。通信部630は、記憶部620が記憶している設備保全データ及びセンシングデータを、設備600aに接近した営業車両500に搭載された通信装置510に、無線により送信する。他の設備(設備600bなど)も同様である。
【0042】
次に、通過点指定装置の構成と、他の装置との関係を説明する。
図4には、通過点指定装置の構成と、他の装置との関係が表されている。通過点指定装置1000は、入力装置800と、経路検索装置200と、設備データベース300と、設備保全装置400と、設備保全データベース410と、出力装置900とで、所定データを送受信する。
【0043】
設備保全装置400は、設備保全データベース410を備える。設備保全装置400は、営業車両500(図3を参照)に搭載されたデータ収集装置530から、データ収集装置530が収集した設備保全データを取得し、取得した設備保全データを、設備保全データベース410に記憶させる。また、設備保全装置400は、設備保全データベース410が記憶する設備保全データ(図5及び6を用いて後述する)が更新されたことを、通過点指定装置1000に通知する。設備保全装置400は、設備に関する情報(例えば、設備の識別情報である設備ID)を設備データベース300から取得し、取得した情報を設備保全データとして、設備保全データベース410に記憶させる。
【0044】
設備保全データベース410は、管理データテーブル及び設備保全データテーブルを記憶する。図5には、設備保全データベースに記憶されている管理データテーブルの例が表されている。管理データテーブルの項目には、設備IDと、前回データ収集日と、データ収集状態とがある。設備IDは、設備の識別情報である。また、前回データ収集日は、設備保全データを収集した前回の日時である。データ収集状態は、未だ収集していない設備保全データがあるか否か、すなわち、未取得の設備保全データがあるか否かを表す。これらの項目は、互いに対応付けられて、管理データテーブルに登録される。なお、管理データテーブルの項目には、例えば、設備の湿度、設備の温度、設備の種類などを表す「その他のデータ」が、更に追加されてもよい。
【0045】
図6には、設備保全データベースに記憶されている設備保全データテーブルの例が表されている。設備保全データテーブルの項目には、設備IDと、収集日と、設備保全データとがある。収集日は、設備保全データを収集した日時である。設備保全データは、データ収集装置530(図4を参照)により各設備から収集された所定データである。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備保全データテーブルに登録される。
【0046】
図4に戻り、通過点指定装置の構成を説明する。通過点指定装置1000は、監視対象設備管理データベース1100と、基本経路算出部1200と、基本経路テーブル部1250と、周辺設備抽出部1300と、周辺設備テーブル部1350と、対象設備抽出部1400と、対象設備テーブル部1450と、変更経路算出部1500と、変更経路テーブル部1550と、経路判定部1600と、最終経路テーブル部1650と、監視対象設備更新部1700と、タイマ1750とを備える。
【0047】
設備データベース300は、設備位置テーブルを記憶する。図7には、設備データベースに記憶されている設備位置データテーブルの例が表されている。設備位置データテーブルの項目には、設備IDと、設備位置とがある。設備位置は、設備の位置を表す情報である。設備位置は、例えば、座標(緯度及び経度など)により表現される。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備位置テーブルに登録される。なお、設備位置データテーブルの項目には、例えば、通り(道路)の名称などを表す参考情報が、更に追加されてもよい。
【0048】
また、設備データベース300は、設備情報データテーブルを記憶してもよい。図8には、設備データベースに記憶されている設備情報データテーブルの例が表されている。設備情報データテーブルの項目には、設備IDと、設備種類と、製造者と、製造年とがある。設備種類は、設備の種類、例えば、変圧器、低圧分岐装置、キャビネットなどを表す。また、製造者は、設備を製造した者を表す。製造年は、設備が製造された西暦年を表す。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備情報データテーブルに登録される。
【0049】
監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)は、監視対象テーブル、設備群テーブル、群位置テーブルを記憶する。図9には、監視対象設備管理データベースに記憶されている監視対象テーブルの例が表されている。監視対象テーブルの項目には、設備IDと、設備位置と、前回データ収集日と、データ収集状態と、データ収集間隔と、データ収集指示とがある。データ収集間隔は、データを収集する時間間隔(例えば、1日毎)を表す。また、データ収集指示は、データを収集する対象の設備であるか否かを表す。データ収集指示は、具体的には、例えば、対象、対象外、指示済みの3種類を採り得る情報である。これらの項目は、互いに対応付けられて、監視対象テーブルに登録される。
【0050】
図10には、監視対象設備管理データベースに記憶されている設備群テーブルの例が表されている。監視対象テーブルの項目には、一例として、設備IDと、群ID1と、群ID2とがある。群ID1は、複数の設備をまとめて識別するための第1識別情報である。群ID2は、複数の設備をまとめて識別するための第2識別情報である。図10では、設備ID600−aが表す設備600−aは、群ID1に分類される第1識別情報700−a、又は、群ID2に分類される第2識別情報700−Aにより識別される。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備群テーブルに登録される。
【0051】
図11には、監視対象設備管理データベースに記憶されている群位置テーブルの例が表されている。群位置テーブルの項目には、群ID、始点及び終点(図2を参照)がある。これらの項目は、互いに対応付けられて、群位置テーブルに登録される。
【0052】
図4に戻り、通過点指定装置の構成の説明を続ける。基本経路算出部1200は、出発地位置(緯度、経度)、目的地位置(緯度、経度)、及び到着目標時刻を表す情報を、入力画面を有する入力装置800から取得する。基本経路算出部1200は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報を、経路検索装置200に入力する。基本経路算出部1200は、通過点位置(緯度、経度)及び予想時間T0を、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報に基づいて経路検索装置200に算出させる。ここで、予想時間T0とは、基本経路に沿って走行した場合に、出発地から目的地までの移動に必要と見積もられた時間である。
【0053】
基本経路算出部1200は、通過点位置及び予想時間T0を、経路検索装置200から取得する。また、基本経路算出部1200は、取得した通過点位置、予想時間T0、出発地位置及び目的地位置を、基本経路テーブル(図12及び13を用いて後述する)のデータとして、基本経路テーブル部1250(図4を参照)に記憶させる。ここで、基本経路算出部1200は、出発地位置を最初の通過点位置とし、目的地位置を最終の通過点位置とする基本経路を、基本経路テーブル部1250に記憶させる。
【0054】
基本経路テーブル部1250(図4を参照)は、基本経路テーブルの基本データ及び通過点データを記憶する。図12には、基本経路テーブルの基本データの例が表されている。基本経路テーブルの基本データの項目には、出発地位置と、目的地位置と、予想時間とがある。出発地位置は、営業車両500(図3を参照)が出動する出発地の位置(例えば、設備保全装置400が設置されている位置)である。また、目的地位置は、営業車両500が出動する目的地の位置(例えば、客先)である。これらの項目は、互いに対応付けられて、基本経路テーブルに登録される。
【0055】
図13には、基本経路テーブルの通過点データの例が表されている。基本経路テーブルの通過点データの項目には、通過点IDと、通過点位置とがある。通過点IDは、営業車両500(図3を参照)が走行することができる交差点及び角の位置を識別するための識別情報である。また、通過点位置とは、通過点IDに対応付けられた交差点及び角の位置を表す情報である。
【0056】
周辺設備抽出部1300(図4を参照)は、基本経路テーブル部1250の基本経路テーブル(図13を参照)から、通過点位置を取得する。周辺設備抽出部1300は、取得した通過点位置に基づいて、各通過点を通る経路の周辺領域の分布を算出する。周辺設備抽出部1300は、設備データベース300(図4を参照)が記憶する設備位置テーブル(図7を参照)に登録されている設備IDに基づいて、各設備の位置情報である設備位置(緯度、経度)を取得する。周辺設備抽出部1300は、各設備の設備位置と、算出した周辺領域の分布とに基づいて、周辺領域に在る設備の位置を抽出する。
【0057】
図14には、経路の周辺領域内に位置する設備の位置を抽出する方法が表されている。経路検索装置200が算出した経路上の2つの通過点の座標(x1,y1)、座標(x2,y2)を営業車両500が通過する場合、次のように考える。
2つの通過点を結ぶ直線f1(x)は、
【0058】
f1(x)=(y2−y1)/(x2−x1)×x+(x1×y2+x2×y1)/(x1−x2) …(1)
【0059】
となる。また、直線f1(x)と平行な直線であり、予め定められた間隔rだけ直線f1(x)から離れた直線f2(x)及びf3(x)と、通過点(x1,y1) で直線f1(x)に直交する直線f5(x)と、通過点(x2,y2) で直線f2(x)に直交する直線f4(x)とを定める。
【0060】
また、直線f2(x)、直線f3(x)、直線f4(x)及び直線f5(x)により囲まれる領域を、図14における周辺領域と定める。また、隣接する周辺領域同士の隙間を埋めるために、通過点(x1,y1)を中心とした半径rの円領域も周辺領域に含める。
【0061】
したがって、周辺領域は、
y<f2(x),y>f3(x),y>f4(x),y<f5(x) …(2)
及び、
(x−x1)2+(y−y1)2<r2 …(3)
と表される。
【0062】
周辺設備抽出部1300(図4を参照)は、経路の周辺領域内に位置する設備の位置を抽出する。周辺設備抽出部1300は、抽出した設備を示す設備IDを、周辺設備テーブルのデータとして、周辺設備テーブル部1350に記憶させる。
【0063】
周辺設備テーブル部1350は、周辺設備テーブルのデータを記憶する。図15には、周辺設備テーブルの例が表されている。周辺設備テーブルの項目には、経路の周辺領域に在る設備を識別するための設備IDがある。
【0064】
対象設備抽出部1400は、周辺設備テーブル部1350が記憶している周辺設備テーブルから、設備IDを取得する。また、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集間隔及びデータ収集指示を、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)から取得する。
【0065】
対象設備抽出部1400は、データ収集指示が採り得る「指示済み」、「対象」又は「対象外」のうち、周辺設備テーブル部1350の周辺設備テーブルから取得した設備IDのデータ収集指示が「対象」であるか否かを判定する。取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示が「対象」である場合、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDとデータ収集間隔とを対応付けて、バッファに記憶させる。
【0066】
対象設備抽出部1400は、取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350にあるか(残っているか)否かを判定する。取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350に無い場合、対象設備抽出部1400は、バッファに記憶させたデータ収集間隔を、間隔の長い順に整列させる。
【0067】
対象設備抽出部1400は、バッファから設備IDを取得する。また、対象設備抽出部1400は、設備IDに対応付けられた群IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する。対象設備抽出部1400は、取得した群IDを対象設備テーブル部1450に記憶させる。ここで、群IDが重複する場合、すなわち、対象設備テーブルに群IDがすでに記憶されている場合、対象設備抽出部1400は、その群IDを新たには記憶させない。
【0068】
対象設備抽出部1400は、バッファが空であるか否かを判定する。また、対象設備抽出部1400は、経路変更可能数まで処理したか否か、例えば、取得した群IDの個数が経路変更可能数以上であるか否かを判定する。バッファが空である、又は、経路変更可能数まで処理した場合、対象設備抽出部1400は、変更経路算出部1500(図4を参照)を呼び出す。
【0069】
対象設備テーブル部1450は、対象設備テーブルを記憶する。図16には、対象設備テーブルの例が表されている。対象設備テーブルには、優先順位と群IDとが対応付けられて登録されている。
【0070】
変更経路算出部1500(図4を参照)は、対象設備テーブル部1450が記憶している対象設備テーブルから、予め定められた個数(経路変更可能数)の群IDを、優先順位の高い順に取得する。また、変更経路算出部1500は、群IDが示す設備群と経路とが面している区間の経路の始点(緯度、経度)及び終点(緯度、経度)を、監視対象設備管理データベース1100が記憶する群位置テーブル(図11を参照)から取得する。
【0071】
図17には、経路を算出する際に用いられる優先順位の例が表されている。ここで、設備群の個数が3つ(設備群700−a〜700−c)であることから、経路変更可能数は3とする。また、始点710−a及び終点720−aが通過点位置と指定された場合における、設備群700−aの重み付けを4とする。また、始点710−b及び終点720−bが通過点位置と指定された場合における、設備群700−bの重み付けを1とする。また、始点710−c及び終点720−cが通過点位置と指定された場合における、設備群700−cの重み付けを2とする。また、その他の場合における、設備群の重み付けは0とする。
【0072】
この場合、設備群700−a〜700−cを全て通過する経路は、重み付けが7であり、最も優先順位が高い経路となる。同様に、設備群700−a及び700−cのみを通過する経路は、重み付けが6であり、2番目に優先順位が高い経路となる。以下、経路の優先順位が高い順に、それぞれの経路が経路検索装置200により算出される。
【0073】
基本経路の予想時間T0に対し、最も優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値(閾値)を越えていない場合、その経路は、最終的に定められた経路とされる。仮に、最も優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値を越えている場合、基本経路の予想時間T0に対して、2番目に優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値を越えているか否かが判定される。仮に、2番目に優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値を越えていない場合、その経路は、最終的に定められた経路とされる。以下、同様に判定されることで、最終的な経路が定められる。
【0074】
変更経路算出部1500(図4を参照)は、各群(図2では、設備群700−a、700−b、700−c)と各経路とが面している区間の経路の始点位置及び終点位置を、通過点位置として経路検索装置200(図4を参照)に入力することにより、変更経路の他の通過点位置、及び予想時間Tnを、経路検索装置200に算出させる。また、変更経路算出部1500は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550(図4を参照)に記憶させる。
【0075】
変更経路テーブル部1550は、変更経路テーブルの基本データと、変更経路テーブルの通過点データとを記憶する。図18には、変更経路テーブルの基本データの例が表されている。変更経路テーブルの基本データの項目には、出発地位置と、目的地位置と、予想時間T0とがある。これらの項目は、互いに対応付けられて、変更経路テーブルに登録される。ここで、nは、経路変更可能数である。
【0076】
図19には、変更経路テーブルの通過点データの例が表されている。変更経路テーブルの通過点データの項目には、通過点IDと、通過点位置とがある。ここで、nは、経路変更可能数である。
【0077】
経路判定部1600は、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18を参照)の基本データから予想時間Tnを取得する。また、経路判定部1600は、取得した予想時間Tnが上限値(閾値)以下であるか否かを判定する。取得した予想時間Tnが上限値(閾値)以下である場合、経路判定部1600は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18及び19を参照)の基本データ及び通過点データから取得する。
【0078】
経路判定部1600は、取得した群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、最終経路テーブルのデータとして、最終経路テーブル部1650(図4を参照)に記憶させる。このようにして、経路判定部1600は、データ等を収集する対象とする設備群又は設備を指定する。
【0079】
経路判定部1600は、取得した群IDに対応付けられた設備IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する。また、経路判定部1600は、監視対象設備管理データベース1100が記憶する監視対象テーブル(図9を参照)において、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示を、指示済みに変更する。
【0080】
最終経路テーブル部1650は、最終経路テーブルを記憶する。ここで、最終経路テーブルとは、営業車両500(図3を参照)が走行する経路として、データ収集装置530に最終的に送信される経路(最終経路)を表すデータテーブルである。最終経路テーブルの構成は、基本経路テーブル(図12及び13を参照)と同じである。
【0081】
監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブル(図5を参照)から取得する。
【0082】
監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを取得できたか否かを判定する。前回データ収集日が本日である設備IDを取得できた場合、取得した設備IDが表す設備に対応付けられたデータ収集状態を、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブルから取得する。
【0083】
また、監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集状態が「未取得あり」であるか否かを判定する。取得したデータ収集状態が「未取得あり」でない場合、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を、「対象外」に変更する。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルのデータ収集間隔を、値0に変更する。
【0084】
また、監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集状態が「未取得あり」である場合、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルのデータ収集指示を、「対象」に変更する。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルの各データ項目を更新する。
【0085】
タイマ1750は、予め定められた時刻に、監視対象設備更新部1700にトリガー信号を送信する。ここで、予め定められた時刻とは、例えば、毎日の午前3時である。
【0086】
出力装置900は、出動する営業車両500に搭載された経路案内装置540(図3を参照)に、最終経路を表す情報(出発地位置、目的地位置、及び通過点位置)を、記憶媒体又は通信回線等を介して送信する。
【0087】
次に、営業車両が出動する際の通過点指定装置の動作手順を説明する。
図20は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を通過点指定装置に入力する際の入力装置の動作手順を表すフローチャートである。入力装置800(図4を参照)は、通過点指定装置1000の入力画面を呼び出す(ステップS1)。入力装置800は、出発地位置(緯度、経度)、目的地位置(緯度、経度)、及び到着目標時刻を表す情報を、入力画面を介して通過点指定装置1000に入力する(ステップS2)。また、入力装置800は、基本経路算出部1200(図4を参照)を呼び出す(ステップS3)。
【0088】
図21は、基本経路を算出する際の基本経路算出部の動作手順を表すフローチャートである。基本経路算出部1200は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報を、経路検索装置200(図4を参照)に入力する。基本経路算出部1200は、通過点位置(緯度、経度)及び予想時間T0を、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報に基づいて経路検索装置200に算出させる(ステップS4)。
【0089】
基本経路算出部1200は、通過点位置及び予想時間T0を、経路検索装置200から取得する(ステップS5)。また、基本経路算出部1200は、取得した通過点位置、予想時間T0、出発地位置及び目的地位置を、基本経路テーブル(図12及び13を参照)のデータとして、基本経路テーブル部1250(図4を参照)に記憶させる。ここで、基本経路算出部1200は、出発地位置を最初の通過点位置とし、目的地位置を最終の通過点位置として、基本経路テーブル部1250に記憶させる(ステップS6)。基本経路算出部1200は、周辺設備抽出部1300(図4を参照)を呼び出す(ステップS7)。
【0090】
図22は、経路の周辺に位置する設備の位置を抽出する際の周辺設備抽出部の動作手順を表すフローチャートである。周辺設備抽出部1300は、基本経路テーブル部1250の基本経路テーブル(図13を参照)から、通過点位置を取得する(ステップS8)。周辺設備抽出部1300は、取得した通過点位置に基づいて、各通過点を通る経路の周辺領域の分布を算出する(ステップS9)。
【0091】
また、周辺設備抽出部1300は、設備データベース300(図4を参照)が記憶する設備位置テーブル(図7を参照)に登録されている設備IDに基づいて、各設備の位置情報である設備位置(緯度、経度)を取得する。周辺設備抽出部1300は、各設備の設備位置と、算出した周辺領域の分布とに基づいて、経路の周辺領域に在る設備の位置を抽出する(ステップS10)。周辺設備抽出部1300は、抽出した設備を示す設備IDを、周辺設備テーブル(図15を参照)のデータとして、周辺設備テーブル部1350(図4を参照)に記憶させる(ステップS11)。
【0092】
周辺設備テーブル部1350は、周辺領域の算出に用いられていない通過点位置があるか否かを判定する(ステップS12)。周辺領域の算出に用いられていない通過点位置がある場合(ステップS12−Yes)、周辺設備テーブル部1350の処理は、ステップS8に戻る。一方、周辺領域の算出に用いられていない通過点位置が無い場合(ステップS12−No)、周辺設備テーブル部1350は、対象設備抽出部1400(図4を参照)を呼び出す(ステップS13)。
【0093】
図23は、データ等を収集する対象とする設備の位置を抽出する際の対象設備抽出部の動作手順を表すフローチャートである。対象設備抽出部1400は、周辺設備テーブル部1350が記憶している周辺設備テーブルから、設備IDを取得する(ステップS14)。また、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集間隔及びデータ収集指示を、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)から取得する(ステップS15)。
【0094】
対象設備抽出部1400は、データ収集指示が採り得る「指示済み」、「対象」又は「対象外」のうち、周辺設備テーブル部1350の周辺設備テーブルから取得した設備IDのデータ収集指示が「対象」であるか否かを判定する(ステップS16)。取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示が「対象」である場合(ステップS16−Yes)、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDとデータ収集間隔とを対応付けて、バッファに記憶させる(ステップS17)。
【0095】
対象設備抽出部1400は、取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350にあるか否かを判定する(ステップS18)。取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350に無い場合(ステップS18−No)、対象設備抽出部1400は、バッファに記憶させたデータ収集間隔を、間隔の長い順に整列させる(ステップS19)。
【0096】
対象設備抽出部1400は、バッファから設備IDを取得する。また、対象設備抽出部1400は、設備IDに対応付けられた群IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する(ステップS20)。対象設備抽出部1400は、取得した群IDを対象設備テーブル(図16を参照)のデータとして対象設備テーブル部1450に記憶させる。ここで、群IDが重複する場合、すなわち、対象設備テーブルに群IDがすでに記憶されている場合、対象設備抽出部1400は、その群IDを新たには記憶させない(ステップS21)。
【0097】
対象設備抽出部1400は、バッファが空であるか否かを判定する。また、対象設備抽出部1400は、経路変更可能数まで処理したか否か、例えば、取得した群IDの個数が経路変更可能数以上であるか否かを判定する(ステップS22)。バッファが空である、又は、経路変更可能数まで処理した場合(ステップS22−Yes)、対象設備抽出部1400は、変更経路算出部1500(図4を参照)を呼び出す(ステップS23)。
【0098】
一方、ステップS16において、取得した設備IDのデータ収集指示が「対象」でない場合(ステップS16−No)、対象設備抽出部1400の処理は、ステップS18に進む。また、ステップS18において、取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350に無い場合(ステップS18−Yes)、対象設備抽出部1400は、対象設備抽出部1400の処理は、ステップS14に戻る。また、ステップS22において、バッファが空でない、且つ、経路変更可能数まで処理していない場合、対象設備抽出部1400の処理は、ステップS20に戻る。
【0099】
図24は、変更経路を算出する際の変更経路算出部の動作手順を表すフローチャートである。変更経路算出部1500は、対象設備テーブル部1450が記憶している対象設備テーブル(図16を参照)から、予め定められた個数(経路変更可能数)の群IDを、優先順位の高い順に取得する(ステップS24)。また、変更経路算出部1500は、群IDが示す設備群と経路とが面している区間の経路の始点(緯度、経度)及び終点(緯度、経度)を、監視対象設備管理データベース1100が記憶する群位置テーブル(図11を参照)から取得する(ステップS25)。
【0100】
変更経路算出部1500は、各群(図2では、設備群700−a、700−b、700−c)と各経路とが面している区間の経路の始点位置及び終点位置を、通過点位置として経路検索装置200(図4を参照)に入力することにより、変更経路として、他の通過点位置及び予想時間Tnを経路検索装置200に算出させる(ステップS26)。また、変更経路算出部1500は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550(図4を参照)に記憶させる(ステップS27)。また、変更経路算出部1500は、経路判定部1600(図4を参照)を呼び出す(ステップS28)。
【0101】
図25は、経路を判定する際の経路判定部の動作手順を表すフローチャートである。経路判定部1600は、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18を参照)の基本データから予想時間Tnを取得する(ステップS29)。また、経路判定部1600は、取得した予想時間Tnが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS30)。取得した予想時間Tnが閾値以下である場合(ステップS30−Yes)、経路判定部1600は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18及び19を参照)の基本データ及び通過点データから取得する。
【0102】
経路判定部1600は、取得した群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、最終経路テーブル(図12及び13を参照)のデータとして、最終経路テーブル部1650(図4を参照)に記憶させる(ステップS31)。このようにして、経路判定部1600は、データ等を収集する対象とする設備群又は設備を指定する。
【0103】
経路判定部1600は、取得した群IDに対応付けられた設備IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する(ステップS32)。また、経路判定部1600は、監視対象設備管理データベース1100が記憶する監視対象テーブル(図9を参照)において、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示を、指示済みに変更する(ステップS33)。
【0104】
図26は、最終経路を算出する際の出力装置の動作手順を表すフローチャートである。出力装置は、通過点位置及び予想時間Tnを、最終経路テーブル部1650が記憶する最終経路テーブル(図12及び13を参照)から取得する(ステップS34)。出力装置900は、出動する営業車両500に搭載された経路案内装置540に、最終経路を表す情報(出発地位置、目的地位置、及び通過点位置)を、記憶媒体又は通信回線等を介して送信する(ステップS35)。
【0105】
次に、データ収集装置を搭載した営業車両が帰社し、設備保全装置の設備保全データベースが記憶する設備保全データが更新された際の通過点指定装置の動作手順を説明する。
図27は、設備保全データが更新されたことを設備保全装置から通知された際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。設備保全データベース410が記憶する設備保全データが更新されたことを、設備保全装置400が通過点指定装置1000に通知する(ステップSa1)。通過点指定装置1000は、監視対象設備更新部1700を呼び出す(ステップSa2)。
【0106】
図28は、監視対象とする設備を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブル(図5を参照)から取得する(ステップSa3)。
【0107】
監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを取得できたか否かを判定する(ステップSa4)。前回データ収集日が本日である設備IDを取得できた場合(ステップSa4−Yes)、取得した設備IDが表す設備に対応付けられたデータ収集状態を、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブルから取得する(ステップSa5)。
【0108】
また、監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集状態が「未取得あり」であるか否かを判定する(ステップSa6)。取得したデータ収集状態が「未取得あり」でない場合(ステップSa6−No)、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を、「対象外」に変更する(ステップSa7)。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルのデータ収集間隔を、値0に変更する(ステップSa8)。
【0109】
監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルの各データ項目を更新し(ステップSa9)、処理をステップSa3に戻す。
【0110】
一方、ステップSa4において、前回データ収集日が本日である設備IDを取得できなかった場合(ステップSa4−No)、通過点指定装置1000の各部は、処理を終了する。また、ステップSa6において、取得したデータ収集状態が「未取得あり」である場合(ステップSa6−Yes)、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を、「対象」に変更し(ステップSa10)、処理をステップSa9に進める。
【0111】
次に、予め定められた時刻に、データ収集間隔を更新する際の通過点指定装置の動作手順を説明する。
図29は、予め定められた時刻にデータ収集間隔を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。タイマ1750は、予め定められた時刻になると、監視対象設備更新部1700にトリガー信号を送信する。トリガー信号を受信した場合、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)からデータ収集間隔を取得し、取得したデータ収集間隔を1日増加させる(ステップSb1)。
【0112】
監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集間隔が規定値以上であるか否かを判定する(ステップSb2)。取得したデータ収集間隔が規定値以上である場合(ステップSb2−Yes)、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を「対象」に変更する(ステップSb3)。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルの各データを更新する(ステップSb4)。
【0113】
監視対象設備更新部1700は、監視対象テーブルの各データを全設備について更新したか否かを判定する(ステップSb5)。監視対象テーブルの各データを全設備について更新した場合(ステップSb5−Yes)、監視対象設備更新部1700は、処理を終了する。一方、ステップSb2において、取得したデータ収集間隔が規定値以上でない場合(ステップSb2−No)、監視対象設備更新部1700の処理は、ステップSb4に進む。このようにして、監視対象テーブルのデータ収集間隔は、予め定められた時刻(例えば、毎日の午前3時)に更新される。
【0114】
以上のように、通過点指定装置1000は、出発地位置から目的地位置までを結ぶ第1経路(例えば、基本経路)の周辺に在る設備のうち、前回の監視(データ収集など)から所定の日数が経過しているなど予め定められた条件を満たす前記設備群の始点及び終点の位置を抽出する周辺設備抽出部1300及び対象設備抽出部1400と、出発地位置から設備群の始点及び終点の位置を通過して目的地位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置200に、前記抽出された設備群の始点及び終点の位置を指定する変更経路算出部1500と、出発地位置と前記抽出された設備群の始点及び終点の位置と目的地位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、経路検索装置200から取得する変更経路算出部1500と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路を案内する経路案内装置540に前記第1経路又は前記第2経路を最終経路として案内させる経路判定部1600と、を備える。
この構成により、予め定められた条件を満たす設備群の位置を抽出し、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0115】
また、経路判定部1600は、出発地位置から前記第1経路に沿って目的地位置まで移動するのに必要と見積もられた第1予想時間と、出発地位置から前記第2経路に沿って目的地位置まで移動するのに必要と見積もられた第2予想時間と、を比較し、前記第1予想時間に対する前記第2予想時間の増分が上限値(閾値)以下である場合、前記第2経路を表す情報を経路案内装置540に出力装置900を介して出力し、経路案内装置540に前記第2経路を最終経路として案内させる。
この構成により、前記第1予想時間に対する前記第2予想時間の増分が上限値(閾値)以下である場合、経路案内装置540に前記第2経路を最終経路として案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0116】
また、経路判定部1600は、前記第1経路の距離と、前記第2経路の距離と、を比較し、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が上限値(閾値)以下である場合、経路案内装置540に前記第2経路を案内させる。
この構成により、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が上限値(閾値)以下である場合、経路案内装置540に前記第2経路を案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0117】
また、変更経路算出部1500は、前記予め定められた条件に基づいて、優先順位の高い前記設備の位置を抽出し、変更経路算出部1500は、前記優先順位の高い設備群の始点及び終点の位置を、経路検索装置200に指定する。
この構成により、前回の監視(データ収集など)から所定の日数が経過しているなどの理由により優先順位の高い設備群の始点及び終点の位置を、経路検索装置200に指定するので、これにより、通過点指定装置は、データを収集する頻度に設備毎のばらつきを無くすことができる。
【0118】
また、変更経路算出部1500は、複数の前記設備からなる設備群毎に、前記抽出された設備(設備群の始点及び終点)の位置を経路検索装置200に指定する。
この構成により、設備群の始点及び終点の位置を、経路検索装置に指定するので、これにより、通過点指定装置は、車両の走行経路が必要以上に複雑にならないようにすることができる。
【0119】
また、経路管理システムは、出発地位置から第3位置を通過して目的地位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置200と、経路を案内する経路案内装置540を有し、案内された経路に沿って出発地位置から目的地位置まで移動する営業車両500と、経路に沿って配置された設備の位置を経路検索装置200に指定する通過点指定装置1000と、を備え、通過点指定装置1000は、出発地位置から目的地位置までを結ぶ第1経路(例えば、基本経路)の周辺に在る設備のうち、前回の監視(データ収集など)から所定の日数が経過しているなど予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する周辺設備抽出部1300及び対象設備抽出部1400と、経路検索装置200に、前記抽出された設備群の始点及び終点の位置を前記第3位置として指定する変更経路算出部1500と、出発地位置と前記抽出された設備群の始点及び終点の位置と目的地位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、経路検索装置200から取得する変更経路算出部1500と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置540に前記第1経路又は前記第2経路を最終経路として案内させる経路判定部1600と、を備える。
この構成により、予め定められた条件を満たす設備群の位置を抽出し、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させるので、これにより、経路管理システムは、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0120】
また、営業車両500は、前記設備からデータを収集するデータ収集装置530を有する。
この構成により、設備からデータを収集するデータ収集装置530を営業車両が有するので、これにより、経路管理システムは、設備を保全することが本来の目的ではない営業車両を用いて、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、その車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0121】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0122】
例えば、通過点指定装置は、予め定められた期間(例えば、150日間)内にデータ収集されなかった設備の位置等を表す情報を、設備を保全するための車両である設備保全車両に搭載された経路案内装置に、まとめて通知してもよい。これにより、設備保全車両に搭載されたデータ収集装置は、データ収集されなかった各設備を巡回して、それらの設備からデータを収集することができる。
【0123】
また、例えば、設備保全データ収集システムは、複数の営業車両を備えてもよい。
【0124】
なお、上記の通過点指定装置、及び経路管理システムを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
200…経路検索装置、300…設備データベース、400…設備保全装置、410…設備保全データベース、500…営業車両(移動体)、510…通信装置、520…撮像装置、530…データ収集装置、540…経路案内装置、600−1〜600−48,600−a〜600−j…設備、610…センサ、620…記憶部、630…通信部、700−1〜700−16,700−a〜700−c…設備群、710−a〜710−c…始点、720−a〜720−c…終点、800…入力装置、900…出力装置、1000…通過点指定装置、1100…監視対象設備管理データベース、1200…基本経路算出部、1250…基本経路テーブル部、1300…周辺設備抽出部、1350…周辺設備テーブル部、1400…対象設備抽出部、1450…対象設備テーブル部、1500…変更経路算出部(通過点指定部、経路取得部)、1550…変更経路テーブル部、1600…経路判定部(比較部)、1650…最終経路テーブル部、1700…監視対象設備更新部、1750…タイマ、2000…経路管理システム
【技術分野】
【0001】
本発明は、経路上の通過点を指定する通過点指定装置、及び経路管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
無線により設備からデータを収集するデータ収集装置を車両に搭載し、データを収集する対象と定められた各設備にその車両で近づいて、設備保全として、その設備からデータを収集することを目的としたシステムが、特許文献1〜3に開示されている。
【0003】
特許文献1〜3に開示されたシステムのデータ収集装置は、設備を保全することを目的とした設備保全車両に搭載され、設備保全車両と共に各設備を巡回しながらデータを収集している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−199545号公報
【特許文献2】特開2009−218922号公報
【特許文献3】特開平11−232578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ここで、設備を保全することを目的としない車両、例えば、営業車両にデータ収集装置を搭載し、その営業車両が通過した道路沿いの設備から、無線等により設備保全データを収集することを考える。設備保全車両と営業車両とを用いてデータを収集することで、設備保全車両のみを用いて設備保全データを収集する場合と比較して、より頻繁に設備保全データを収集することができる。
【0006】
しかしながら、営業車両は、出発地から目的地までの経路に沿って、主に幹線道路を走行することが多い。このため、幹線道路沿いに在る設備から設備保全データを収集する頻度は、幹線道路沿いに無い設備から設備保全データを収集する頻度よりも高くなり、設備保全データを収集する頻度に設備毎のばらつきが生じてしまうという問題がある。また、設備を保全することが営業車両の本来の目的ではないため、データ収集装置を搭載した営業車両の走行経路が変更される場合、その走行経路は、過度に変更されないようにする必要がある。
【0007】
本発明は、前記の諸点に鑑みてなされたものであり、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる通過点指定装置、及び経路管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであり、第1位置から第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、前記第1位置から第3位置を通過して前記第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路を案内する経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、を備えることを特徴とする通過点指定装置である。
【0009】
また、本発明は、前記比較部が、前記第1位置から前記第1経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第1時間と、前記第1位置から前記第2経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第2時間と、を比較し、前記第1時間に対する前記第2時間の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする通過点指定装置である。
【0010】
また、本発明は、前記比較部が、前記第1経路の距離と、前記第2経路の距離と、を比較し、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする通過点指定装置である。
【0011】
また、本発明は、前記抽出部が、前記予め定められた条件に基づいて、優先順位の高い前記設備の位置を抽出し、前記通過点指定部は、前記優先順位の高い設備の位置を、前記経路検索装置に指定することを特徴とする通過点指定装置である。
【0012】
また、本発明は、前記通過点指定部が、複数の前記設備からなる設備群毎に、前記抽出された設備の位置を前記経路検索装置に指定することを特徴とする通過点指定装置である。
【0013】
また、本発明は、第1位置から第3位置を通過して第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置と、経路を案内する経路案内装置を有し、案内された経路に沿って前記第1位置から前記第2位置まで移動する移動体と、経路に沿って配置された設備の位置を前記経路検索装置に指定する通過点指定装置と、を備え、前記通過点指定装置が、前記第1位置から前記第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、前記経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、前記経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、を備えることを特徴とする経路管理システムである。
【0014】
また、本発明は、前記移動体が、前記設備からデータを収集するデータ収集装置を有することを特徴とする経路管理システムである。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態における、出発地と目的地と各設備との位置関係の例を表す図である。
【図2】本発明の一実施形態における、経路を定める方法の概要を表す図である。
【図3】本発明の一実施形態における、設備保全データ収集システムの構成を表す図である。
【図4】本発明の一実施形態における、通過点指定装置の構成と、他の装置との関係を表す図である。
【図5】本発明の一実施形態における、設備保全データベースに記憶されている管理データテーブルの例である。
【図6】本発明の一実施形態における、設備保全データベースに記憶されている設備保全データテーブルの例である。
【図7】本発明の一実施形態における、設備データベースに記憶されている設備位置データテーブルの例である。
【図8】本発明の一実施形態における、設備データベースに記憶されている設備情報データテーブルの例である。
【図9】本発明の一実施形態における、監視対象設備管理データベースに記憶されている監視対象テーブルの例である。
【図10】本発明の一実施形態における、監視対象設備管理データベースに記憶されている設備群テーブルの例である。
【図11】本発明の一実施形態における、監視対象設備管理データベースに記憶されている群位置テーブルの例である。
【図12】本発明の一実施形態における、基本経路テーブルの基本データの例である。
【図13】本発明の一実施形態における、基本経路テーブルの通過点データの例である。
【図14】本発明の一実施形態における、経路の周辺領域内に位置する設備の位置を抽出する方法を表す図である。
【図15】本発明の一実施形態における、周辺設備テーブルの例である。
【図16】本発明の一実施形態における、対象設備テーブルの例である。
【図17】本発明の一実施形態における、経路を算出する際に用いられる優先順位の例である。
【図18】本発明の一実施形態における、変更経路テーブルの基本データの例である。
【図19】本発明の一実施形態における、変更経路テーブルの通過点データの例である。
【図20】本発明の一実施形態における、出発地、目的地、及び到着目標時刻を通過点指定装置に入力する際の入力装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図21】本発明の一実施形態における、基本経路を算出する際の基本経路算出部の動作手順を表すフローチャートである。
【図22】本発明の一実施形態における、経路の周辺に位置する設備の位置を抽出する際の周辺設備抽出部の動作手順を表すフローチャートである。
【図23】本発明の一実施形態における、データ等を収集する対象とする設備の位置を抽出する際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図24】本発明の一実施形態における、変更経路を算出する際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図25】本発明の一実施形態における、経路を判定する際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図26】本発明の一実施形態における、最終経路を算出する際の出力装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図27】本発明の一実施形態における、設備保全データが更新されたことを設備保全装置から通知された際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。
【図28】本発明の一実施形態における、監視対象とする設備を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。
【図29】本発明の一実施形態における、予め定められた時刻にデータ収集間隔を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の一実施形態について図面を参照して詳細に説明する。図1には、出発地と目的地と各設備との位置関係の例が表されている。本実施形態では、設備保全することが本来の目的でない車両(移動体)、例えば、営業車両にデータ収集装置が搭載される。データ収集装置は、出発地から目的地までを不定期に営業車両と共に往復しながら、設備の状態等を表す設備保全データ、及び設備の外観画像を収集する。ここで、目的地は、営業車両が出動する毎に異なる位置の目的地であってもよい。
【0018】
データ収集装置は、無線によりデータを送受信する通信装置、設備の外観を撮像する撮像装置、測位(例えば、Global Positioning System、GPS)装置、及び経路案内(ナビゲーション)装置を備える。
【0019】
設備600−1〜600−48のそれぞれは、監視対象、すなわち、設備保全データの収集及び外観撮像の対象とされる設備である。ここで、設備600−1〜600−48のそれぞれは、道路沿いに位置している。また、設備600−1〜600−48は、その位置及びデータ収集に関する情報等がデータベースに管理される。設備600−1〜600−48は、設備毎に管理されてもよいが、複数の設備をまとめた設備群毎に、設備保全データ収集システムにより管理されるものとする。設備が設備群毎に管理されることで、設備保全データ収集システムは、営業車両の走行経路が必要以上に複雑にならないようにすることができる。
【0020】
図1では、1区画において同一道路に面する3つの設備がまとめられて、1つの設備群が構成されている。一例として、図1では、各設備は、設備群700−1〜700−16に分類されて、設備群毎に管理されている。
【0021】
設備保全データ収集システムの経路管理システム(図3を用いて後述する)は、目的地及び到着目標時刻に基づいて、設備保全データ等が未収集となっている設備に面している道路を走行するよう、営業車両が走行する経路を表す情報を、営業車両の経路案内装置(ナビゲーション装置)に送信する。
【0022】
営業車両は、経路案内装置が経路管理システムから受信した経路(往路及び復路)に従って道路を走行する。また、データ収集装置は、営業車両の現在の位置情報と、設備の位置情報とを比較し、営業車両が設備に接近した場合、設備保全データの収集及び外観撮像を実行する。営業車両が出発地に戻った(帰社した)場合、データ収集装置は、収集したデータを設備保全データ収集システムの設備保全データベースに登録する。設備保全システムは、設備保全データを設備毎に管理し、状態変化などを管理する。
【0023】
図2には、経路を定める方法の概要が表されている。設備を保全することが営業車両の本来の目的ではないため、営業車両の出発地から目的地までの経路が変更される場合、その走行経路は過度に変更されないようにする必要がある。走行経路が過度に変更されないようにするため、経路変更の回数の上限である経路変更可能数(閾値)が予め定められる。ここで、営業車両が出動する際、目的地の位置(例えば、経度、緯度)、及び到着目標時刻は、予め定められているものとする。
【0024】
経路は、データ等を収集する対象として通過点指定装置(図3及び4を用いて後述する)により指定された設備群の位置の組み合わせに基づいて、経路検索装置(図3及び4を用いて後述する)により算出される。このように、設備群に基づいて経路が定められることで、経路を検索する経路検索装置に入力されるパラメータの個数が少なくなるので、経路を算出するために必要と見積もられた時間は短縮される。営業車両が走行する最終的な経路(最終経路)は、経路検索装置が算出した複数の経路のうちから、経路変更可能数などに基づいて、通過点指定装置により選択される。
【0025】
図2では、設備600−a〜600−cから構成される設備群700−aは、経路3100に面しているとする。始点710−aは、設備群700−aと経路3100とが面している区間の経路の始点である。終点720−aは、設備群700−aと経路3100とが面している区間の経路の終点である。また、経路3100に面している設備群700−aの設備600−a〜600−cは、前回の監視(データ収集など)から100日が経過しているとする。
【0026】
また、設備600−d〜600−gから構成される設備群700−bは、出発地と目的地とを最短で結ぶ経路3000(基本経路)に面しているとする。例えば、経路3000は、幹線道路に定められた経路である。始点710−bは、設備群700−bと経路3000とが面している区間の経路の始点である。終点720−bは、設備群700−bと経路3000とが面している区間の経路の終点である。また、経路3000に面している設備群700−bの設備600−d〜600−gは、前回の監視から5日が経過しているとする。
【0027】
また、設備600−h〜600−jから構成される設備群700−cは、経路3200に面しているとする。始点710−cは、設備群700−cと経路3200とが面している区間の経路の始点である。終点720−aは、設備群700−aと経路3100とが面している区間の経路の終点である。また、経路3200に面している設備群700−cの設備600−h〜600−jは、前回の監視から60日が経過しているとする。
【0028】
この場合、各経路の優先順位は、前回の監視からの経過日数が多い順に、経路3100の優先順位(優先度)が最も高く、経路3000の優先順位が最も低いとされる。なお、前回の監視からの経過日数が一定期間(例えば、30日)を超過している場合のみ、この優先順位は有効とされる。
【0029】
また、車両が出発地から経路3000(基本経路)に沿って目的地まで走行するのに必要と見積もられた予想時間をT0とする。また、車両が出発地から経路3100に沿って目的地まで走行するのに必要と見積もられた予想時間をT1とする。また、車両が出発地から経路3200に沿って目的地まで走行するのに必要と見積もられた予想時間をT2とする。この場合、基本経路(例えば、最短の経路)である経路3000に対する経路3100の増分は、(T1−T0)/T0×100[%]となる。基本経路に対する増分の上限値(閾値)が予め定められることで、この上限値を超過しない(上限値以下である)範囲に収まる最終的な経路(最終経路)が定められる。
【0030】
なお、上限値(閾値)は、予想時間の増分の上限値であってもよいし、予想時間自体の上限値であってもよい。また、経路同士は、予想時間を基準に比較されてもよし、経路の距離を基準に比較されてもよい。
【0031】
次に、設備保全データ収集システムの構成を説明する。
図3には、設備保全データ収集システムの構成が表されている。設備保全データ収集システムは、経路管理システム2000と、設備データベース300と、設備保全装置400とを備える。設備データベース300は、設備に関する情報(例えば、設備の位置を表す情報)を記憶し、設備に関する情報を経路管理システム2000に出力する。
【0032】
設備保全装置400は、設備保全データベース410を備える。設備保全装置400は、営業車両500に搭載されたデータ収集装置530から、データ収集装置530が収集した設備保全データを取得し、取得した設備保全データを設備保全データベース410に記憶させる。設備保全装置400は、データ収集装置530から取得した設備保全データにより、設備保全データベース410が記憶する設備保全データを更新した場合、設備保全データが更新されたことを、経路管理システム2000に通知する。
【0033】
経路管理システム2000は、通過点指定装置1000と、経路検索装置200とを備える。また、通過点指定装置1000は、監視対象設備管理データベース1100を備える。通過点指定装置1000には、出発地位置(緯度、経度)、目的地位置(緯度、経度)、及び到着目標時刻を表す情報が、入力画面を備えた入力装置を介して経路案内装置540から入力される。
【0034】
通過点指定装置1000は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻に基づいて、設備保全データ等を収集する対象とする設備を定める。通過点指定装置1000は、設備保全データ等を収集する対象と定めた設備の位置を表す情報(例えば、緯度、経度)を、通過点位置として経路検索装置200に出力する。また、通過点指定装置1000は、経路検索装置200が算出(検索)した経路を表す情報を、経路検索装置200から取得する。
【0035】
また、通過点指定装置1000は、経路検索装置200が算出した経路のうち営業車両500が走行する最終経路を、監視対象設備管理データベース1100が記憶する監視対象テーブルに登録されているデータに基づいて、経路検索装置200が検索した複数の経路のうちから選択する。通過点指定装置1000は、選択した経路を表す情報を、営業車両500に搭載された経路案内装置540に出力する(走行経路指示)。
【0036】
経路検索装置200には、通過点位置(経由点位置)を表す情報が、通過点指定装置1000から入力される。経路検索装置200は、通過点位置を表す情報に基づいて、営業車両500が走行する経路を算出(検索)し、算出した経路を表す情報を通過点指定装置1000に出力する。
【0037】
営業車両(移動体)500は、通信装置510と、撮像装置520と、データ収集装置530と、経路案内装置540とを搭載する。営業車両500は、運転者による操作指示に応じて道路を走行する。ここで、運転者は、経路案内装置540により案内された経路に沿って、営業車両500を走行させる。
【0038】
経路案内装置540は、運転者による操作入力を受け付け、操作入力された出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報を、通過点指定装置1000に出力する。また、経路案内装置540は、経路を表す情報を、通過点指定装置1000から受信し、受信した経路を表す情報により指定された経路を、運転者に案内する。ここで、経路案内装置540は、自装置の位置を測位し、その測位結果を運転者とデータ収集装置530とに通知する。経路案内装置540は、例えば、衛星からの電波を受信することにより、自装置の位置を測位する。
【0039】
撮像装置520は、各設備の外観を撮影し、撮影した画像をデータ収集装置530に記憶させる。通信装置510は、各設備に備えられた通信装置を介して、設備保全データをその設備から無線により受信し、受信した設備保全データをデータ収集装置530に記憶させる。
【0040】
データ収集装置530は、経路案内装置540から通知された位置情報と、予め記憶された設備位置情報とに基づいて、データ収集装置530が設備に接近した場合、通信装置510を介して、設備保全データをその設備から受信する。また、データ収集装置530は、経路案内装置540から通知された位置情報と、データ収集装置530が設備に接近した場合、撮像装置520が撮像したその設備の外観画像を、設備保全データとして記憶する。
【0041】
設備600aは、センサ610と、記憶部620と、通信部630とを備える。センサ610は、例えば、温度及び湿度をセンシングし、センシングデータを記憶部620に記憶させる。記憶部620は、所定の設備保全データと、センシングデータとを記憶する。通信部630は、記憶部620が記憶している設備保全データ及びセンシングデータを、設備600aに接近した営業車両500に搭載された通信装置510に、無線により送信する。他の設備(設備600bなど)も同様である。
【0042】
次に、通過点指定装置の構成と、他の装置との関係を説明する。
図4には、通過点指定装置の構成と、他の装置との関係が表されている。通過点指定装置1000は、入力装置800と、経路検索装置200と、設備データベース300と、設備保全装置400と、設備保全データベース410と、出力装置900とで、所定データを送受信する。
【0043】
設備保全装置400は、設備保全データベース410を備える。設備保全装置400は、営業車両500(図3を参照)に搭載されたデータ収集装置530から、データ収集装置530が収集した設備保全データを取得し、取得した設備保全データを、設備保全データベース410に記憶させる。また、設備保全装置400は、設備保全データベース410が記憶する設備保全データ(図5及び6を用いて後述する)が更新されたことを、通過点指定装置1000に通知する。設備保全装置400は、設備に関する情報(例えば、設備の識別情報である設備ID)を設備データベース300から取得し、取得した情報を設備保全データとして、設備保全データベース410に記憶させる。
【0044】
設備保全データベース410は、管理データテーブル及び設備保全データテーブルを記憶する。図5には、設備保全データベースに記憶されている管理データテーブルの例が表されている。管理データテーブルの項目には、設備IDと、前回データ収集日と、データ収集状態とがある。設備IDは、設備の識別情報である。また、前回データ収集日は、設備保全データを収集した前回の日時である。データ収集状態は、未だ収集していない設備保全データがあるか否か、すなわち、未取得の設備保全データがあるか否かを表す。これらの項目は、互いに対応付けられて、管理データテーブルに登録される。なお、管理データテーブルの項目には、例えば、設備の湿度、設備の温度、設備の種類などを表す「その他のデータ」が、更に追加されてもよい。
【0045】
図6には、設備保全データベースに記憶されている設備保全データテーブルの例が表されている。設備保全データテーブルの項目には、設備IDと、収集日と、設備保全データとがある。収集日は、設備保全データを収集した日時である。設備保全データは、データ収集装置530(図4を参照)により各設備から収集された所定データである。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備保全データテーブルに登録される。
【0046】
図4に戻り、通過点指定装置の構成を説明する。通過点指定装置1000は、監視対象設備管理データベース1100と、基本経路算出部1200と、基本経路テーブル部1250と、周辺設備抽出部1300と、周辺設備テーブル部1350と、対象設備抽出部1400と、対象設備テーブル部1450と、変更経路算出部1500と、変更経路テーブル部1550と、経路判定部1600と、最終経路テーブル部1650と、監視対象設備更新部1700と、タイマ1750とを備える。
【0047】
設備データベース300は、設備位置テーブルを記憶する。図7には、設備データベースに記憶されている設備位置データテーブルの例が表されている。設備位置データテーブルの項目には、設備IDと、設備位置とがある。設備位置は、設備の位置を表す情報である。設備位置は、例えば、座標(緯度及び経度など)により表現される。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備位置テーブルに登録される。なお、設備位置データテーブルの項目には、例えば、通り(道路)の名称などを表す参考情報が、更に追加されてもよい。
【0048】
また、設備データベース300は、設備情報データテーブルを記憶してもよい。図8には、設備データベースに記憶されている設備情報データテーブルの例が表されている。設備情報データテーブルの項目には、設備IDと、設備種類と、製造者と、製造年とがある。設備種類は、設備の種類、例えば、変圧器、低圧分岐装置、キャビネットなどを表す。また、製造者は、設備を製造した者を表す。製造年は、設備が製造された西暦年を表す。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備情報データテーブルに登録される。
【0049】
監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)は、監視対象テーブル、設備群テーブル、群位置テーブルを記憶する。図9には、監視対象設備管理データベースに記憶されている監視対象テーブルの例が表されている。監視対象テーブルの項目には、設備IDと、設備位置と、前回データ収集日と、データ収集状態と、データ収集間隔と、データ収集指示とがある。データ収集間隔は、データを収集する時間間隔(例えば、1日毎)を表す。また、データ収集指示は、データを収集する対象の設備であるか否かを表す。データ収集指示は、具体的には、例えば、対象、対象外、指示済みの3種類を採り得る情報である。これらの項目は、互いに対応付けられて、監視対象テーブルに登録される。
【0050】
図10には、監視対象設備管理データベースに記憶されている設備群テーブルの例が表されている。監視対象テーブルの項目には、一例として、設備IDと、群ID1と、群ID2とがある。群ID1は、複数の設備をまとめて識別するための第1識別情報である。群ID2は、複数の設備をまとめて識別するための第2識別情報である。図10では、設備ID600−aが表す設備600−aは、群ID1に分類される第1識別情報700−a、又は、群ID2に分類される第2識別情報700−Aにより識別される。これらの項目は、互いに対応付けられて、設備群テーブルに登録される。
【0051】
図11には、監視対象設備管理データベースに記憶されている群位置テーブルの例が表されている。群位置テーブルの項目には、群ID、始点及び終点(図2を参照)がある。これらの項目は、互いに対応付けられて、群位置テーブルに登録される。
【0052】
図4に戻り、通過点指定装置の構成の説明を続ける。基本経路算出部1200は、出発地位置(緯度、経度)、目的地位置(緯度、経度)、及び到着目標時刻を表す情報を、入力画面を有する入力装置800から取得する。基本経路算出部1200は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報を、経路検索装置200に入力する。基本経路算出部1200は、通過点位置(緯度、経度)及び予想時間T0を、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報に基づいて経路検索装置200に算出させる。ここで、予想時間T0とは、基本経路に沿って走行した場合に、出発地から目的地までの移動に必要と見積もられた時間である。
【0053】
基本経路算出部1200は、通過点位置及び予想時間T0を、経路検索装置200から取得する。また、基本経路算出部1200は、取得した通過点位置、予想時間T0、出発地位置及び目的地位置を、基本経路テーブル(図12及び13を用いて後述する)のデータとして、基本経路テーブル部1250(図4を参照)に記憶させる。ここで、基本経路算出部1200は、出発地位置を最初の通過点位置とし、目的地位置を最終の通過点位置とする基本経路を、基本経路テーブル部1250に記憶させる。
【0054】
基本経路テーブル部1250(図4を参照)は、基本経路テーブルの基本データ及び通過点データを記憶する。図12には、基本経路テーブルの基本データの例が表されている。基本経路テーブルの基本データの項目には、出発地位置と、目的地位置と、予想時間とがある。出発地位置は、営業車両500(図3を参照)が出動する出発地の位置(例えば、設備保全装置400が設置されている位置)である。また、目的地位置は、営業車両500が出動する目的地の位置(例えば、客先)である。これらの項目は、互いに対応付けられて、基本経路テーブルに登録される。
【0055】
図13には、基本経路テーブルの通過点データの例が表されている。基本経路テーブルの通過点データの項目には、通過点IDと、通過点位置とがある。通過点IDは、営業車両500(図3を参照)が走行することができる交差点及び角の位置を識別するための識別情報である。また、通過点位置とは、通過点IDに対応付けられた交差点及び角の位置を表す情報である。
【0056】
周辺設備抽出部1300(図4を参照)は、基本経路テーブル部1250の基本経路テーブル(図13を参照)から、通過点位置を取得する。周辺設備抽出部1300は、取得した通過点位置に基づいて、各通過点を通る経路の周辺領域の分布を算出する。周辺設備抽出部1300は、設備データベース300(図4を参照)が記憶する設備位置テーブル(図7を参照)に登録されている設備IDに基づいて、各設備の位置情報である設備位置(緯度、経度)を取得する。周辺設備抽出部1300は、各設備の設備位置と、算出した周辺領域の分布とに基づいて、周辺領域に在る設備の位置を抽出する。
【0057】
図14には、経路の周辺領域内に位置する設備の位置を抽出する方法が表されている。経路検索装置200が算出した経路上の2つの通過点の座標(x1,y1)、座標(x2,y2)を営業車両500が通過する場合、次のように考える。
2つの通過点を結ぶ直線f1(x)は、
【0058】
f1(x)=(y2−y1)/(x2−x1)×x+(x1×y2+x2×y1)/(x1−x2) …(1)
【0059】
となる。また、直線f1(x)と平行な直線であり、予め定められた間隔rだけ直線f1(x)から離れた直線f2(x)及びf3(x)と、通過点(x1,y1) で直線f1(x)に直交する直線f5(x)と、通過点(x2,y2) で直線f2(x)に直交する直線f4(x)とを定める。
【0060】
また、直線f2(x)、直線f3(x)、直線f4(x)及び直線f5(x)により囲まれる領域を、図14における周辺領域と定める。また、隣接する周辺領域同士の隙間を埋めるために、通過点(x1,y1)を中心とした半径rの円領域も周辺領域に含める。
【0061】
したがって、周辺領域は、
y<f2(x),y>f3(x),y>f4(x),y<f5(x) …(2)
及び、
(x−x1)2+(y−y1)2<r2 …(3)
と表される。
【0062】
周辺設備抽出部1300(図4を参照)は、経路の周辺領域内に位置する設備の位置を抽出する。周辺設備抽出部1300は、抽出した設備を示す設備IDを、周辺設備テーブルのデータとして、周辺設備テーブル部1350に記憶させる。
【0063】
周辺設備テーブル部1350は、周辺設備テーブルのデータを記憶する。図15には、周辺設備テーブルの例が表されている。周辺設備テーブルの項目には、経路の周辺領域に在る設備を識別するための設備IDがある。
【0064】
対象設備抽出部1400は、周辺設備テーブル部1350が記憶している周辺設備テーブルから、設備IDを取得する。また、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集間隔及びデータ収集指示を、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)から取得する。
【0065】
対象設備抽出部1400は、データ収集指示が採り得る「指示済み」、「対象」又は「対象外」のうち、周辺設備テーブル部1350の周辺設備テーブルから取得した設備IDのデータ収集指示が「対象」であるか否かを判定する。取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示が「対象」である場合、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDとデータ収集間隔とを対応付けて、バッファに記憶させる。
【0066】
対象設備抽出部1400は、取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350にあるか(残っているか)否かを判定する。取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350に無い場合、対象設備抽出部1400は、バッファに記憶させたデータ収集間隔を、間隔の長い順に整列させる。
【0067】
対象設備抽出部1400は、バッファから設備IDを取得する。また、対象設備抽出部1400は、設備IDに対応付けられた群IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する。対象設備抽出部1400は、取得した群IDを対象設備テーブル部1450に記憶させる。ここで、群IDが重複する場合、すなわち、対象設備テーブルに群IDがすでに記憶されている場合、対象設備抽出部1400は、その群IDを新たには記憶させない。
【0068】
対象設備抽出部1400は、バッファが空であるか否かを判定する。また、対象設備抽出部1400は、経路変更可能数まで処理したか否か、例えば、取得した群IDの個数が経路変更可能数以上であるか否かを判定する。バッファが空である、又は、経路変更可能数まで処理した場合、対象設備抽出部1400は、変更経路算出部1500(図4を参照)を呼び出す。
【0069】
対象設備テーブル部1450は、対象設備テーブルを記憶する。図16には、対象設備テーブルの例が表されている。対象設備テーブルには、優先順位と群IDとが対応付けられて登録されている。
【0070】
変更経路算出部1500(図4を参照)は、対象設備テーブル部1450が記憶している対象設備テーブルから、予め定められた個数(経路変更可能数)の群IDを、優先順位の高い順に取得する。また、変更経路算出部1500は、群IDが示す設備群と経路とが面している区間の経路の始点(緯度、経度)及び終点(緯度、経度)を、監視対象設備管理データベース1100が記憶する群位置テーブル(図11を参照)から取得する。
【0071】
図17には、経路を算出する際に用いられる優先順位の例が表されている。ここで、設備群の個数が3つ(設備群700−a〜700−c)であることから、経路変更可能数は3とする。また、始点710−a及び終点720−aが通過点位置と指定された場合における、設備群700−aの重み付けを4とする。また、始点710−b及び終点720−bが通過点位置と指定された場合における、設備群700−bの重み付けを1とする。また、始点710−c及び終点720−cが通過点位置と指定された場合における、設備群700−cの重み付けを2とする。また、その他の場合における、設備群の重み付けは0とする。
【0072】
この場合、設備群700−a〜700−cを全て通過する経路は、重み付けが7であり、最も優先順位が高い経路となる。同様に、設備群700−a及び700−cのみを通過する経路は、重み付けが6であり、2番目に優先順位が高い経路となる。以下、経路の優先順位が高い順に、それぞれの経路が経路検索装置200により算出される。
【0073】
基本経路の予想時間T0に対し、最も優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値(閾値)を越えていない場合、その経路は、最終的に定められた経路とされる。仮に、最も優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値を越えている場合、基本経路の予想時間T0に対して、2番目に優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値を越えているか否かが判定される。仮に、2番目に優先順位が高い経路の予想時間の増分が、予め定められた上限値を越えていない場合、その経路は、最終的に定められた経路とされる。以下、同様に判定されることで、最終的な経路が定められる。
【0074】
変更経路算出部1500(図4を参照)は、各群(図2では、設備群700−a、700−b、700−c)と各経路とが面している区間の経路の始点位置及び終点位置を、通過点位置として経路検索装置200(図4を参照)に入力することにより、変更経路の他の通過点位置、及び予想時間Tnを、経路検索装置200に算出させる。また、変更経路算出部1500は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550(図4を参照)に記憶させる。
【0075】
変更経路テーブル部1550は、変更経路テーブルの基本データと、変更経路テーブルの通過点データとを記憶する。図18には、変更経路テーブルの基本データの例が表されている。変更経路テーブルの基本データの項目には、出発地位置と、目的地位置と、予想時間T0とがある。これらの項目は、互いに対応付けられて、変更経路テーブルに登録される。ここで、nは、経路変更可能数である。
【0076】
図19には、変更経路テーブルの通過点データの例が表されている。変更経路テーブルの通過点データの項目には、通過点IDと、通過点位置とがある。ここで、nは、経路変更可能数である。
【0077】
経路判定部1600は、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18を参照)の基本データから予想時間Tnを取得する。また、経路判定部1600は、取得した予想時間Tnが上限値(閾値)以下であるか否かを判定する。取得した予想時間Tnが上限値(閾値)以下である場合、経路判定部1600は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18及び19を参照)の基本データ及び通過点データから取得する。
【0078】
経路判定部1600は、取得した群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、最終経路テーブルのデータとして、最終経路テーブル部1650(図4を参照)に記憶させる。このようにして、経路判定部1600は、データ等を収集する対象とする設備群又は設備を指定する。
【0079】
経路判定部1600は、取得した群IDに対応付けられた設備IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する。また、経路判定部1600は、監視対象設備管理データベース1100が記憶する監視対象テーブル(図9を参照)において、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示を、指示済みに変更する。
【0080】
最終経路テーブル部1650は、最終経路テーブルを記憶する。ここで、最終経路テーブルとは、営業車両500(図3を参照)が走行する経路として、データ収集装置530に最終的に送信される経路(最終経路)を表すデータテーブルである。最終経路テーブルの構成は、基本経路テーブル(図12及び13を参照)と同じである。
【0081】
監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブル(図5を参照)から取得する。
【0082】
監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを取得できたか否かを判定する。前回データ収集日が本日である設備IDを取得できた場合、取得した設備IDが表す設備に対応付けられたデータ収集状態を、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブルから取得する。
【0083】
また、監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集状態が「未取得あり」であるか否かを判定する。取得したデータ収集状態が「未取得あり」でない場合、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を、「対象外」に変更する。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルのデータ収集間隔を、値0に変更する。
【0084】
また、監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集状態が「未取得あり」である場合、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルのデータ収集指示を、「対象」に変更する。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルの各データ項目を更新する。
【0085】
タイマ1750は、予め定められた時刻に、監視対象設備更新部1700にトリガー信号を送信する。ここで、予め定められた時刻とは、例えば、毎日の午前3時である。
【0086】
出力装置900は、出動する営業車両500に搭載された経路案内装置540(図3を参照)に、最終経路を表す情報(出発地位置、目的地位置、及び通過点位置)を、記憶媒体又は通信回線等を介して送信する。
【0087】
次に、営業車両が出動する際の通過点指定装置の動作手順を説明する。
図20は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を通過点指定装置に入力する際の入力装置の動作手順を表すフローチャートである。入力装置800(図4を参照)は、通過点指定装置1000の入力画面を呼び出す(ステップS1)。入力装置800は、出発地位置(緯度、経度)、目的地位置(緯度、経度)、及び到着目標時刻を表す情報を、入力画面を介して通過点指定装置1000に入力する(ステップS2)。また、入力装置800は、基本経路算出部1200(図4を参照)を呼び出す(ステップS3)。
【0088】
図21は、基本経路を算出する際の基本経路算出部の動作手順を表すフローチャートである。基本経路算出部1200は、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報を、経路検索装置200(図4を参照)に入力する。基本経路算出部1200は、通過点位置(緯度、経度)及び予想時間T0を、出発地位置、目的地位置、及び到着目標時刻を表す情報に基づいて経路検索装置200に算出させる(ステップS4)。
【0089】
基本経路算出部1200は、通過点位置及び予想時間T0を、経路検索装置200から取得する(ステップS5)。また、基本経路算出部1200は、取得した通過点位置、予想時間T0、出発地位置及び目的地位置を、基本経路テーブル(図12及び13を参照)のデータとして、基本経路テーブル部1250(図4を参照)に記憶させる。ここで、基本経路算出部1200は、出発地位置を最初の通過点位置とし、目的地位置を最終の通過点位置として、基本経路テーブル部1250に記憶させる(ステップS6)。基本経路算出部1200は、周辺設備抽出部1300(図4を参照)を呼び出す(ステップS7)。
【0090】
図22は、経路の周辺に位置する設備の位置を抽出する際の周辺設備抽出部の動作手順を表すフローチャートである。周辺設備抽出部1300は、基本経路テーブル部1250の基本経路テーブル(図13を参照)から、通過点位置を取得する(ステップS8)。周辺設備抽出部1300は、取得した通過点位置に基づいて、各通過点を通る経路の周辺領域の分布を算出する(ステップS9)。
【0091】
また、周辺設備抽出部1300は、設備データベース300(図4を参照)が記憶する設備位置テーブル(図7を参照)に登録されている設備IDに基づいて、各設備の位置情報である設備位置(緯度、経度)を取得する。周辺設備抽出部1300は、各設備の設備位置と、算出した周辺領域の分布とに基づいて、経路の周辺領域に在る設備の位置を抽出する(ステップS10)。周辺設備抽出部1300は、抽出した設備を示す設備IDを、周辺設備テーブル(図15を参照)のデータとして、周辺設備テーブル部1350(図4を参照)に記憶させる(ステップS11)。
【0092】
周辺設備テーブル部1350は、周辺領域の算出に用いられていない通過点位置があるか否かを判定する(ステップS12)。周辺領域の算出に用いられていない通過点位置がある場合(ステップS12−Yes)、周辺設備テーブル部1350の処理は、ステップS8に戻る。一方、周辺領域の算出に用いられていない通過点位置が無い場合(ステップS12−No)、周辺設備テーブル部1350は、対象設備抽出部1400(図4を参照)を呼び出す(ステップS13)。
【0093】
図23は、データ等を収集する対象とする設備の位置を抽出する際の対象設備抽出部の動作手順を表すフローチャートである。対象設備抽出部1400は、周辺設備テーブル部1350が記憶している周辺設備テーブルから、設備IDを取得する(ステップS14)。また、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集間隔及びデータ収集指示を、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)から取得する(ステップS15)。
【0094】
対象設備抽出部1400は、データ収集指示が採り得る「指示済み」、「対象」又は「対象外」のうち、周辺設備テーブル部1350の周辺設備テーブルから取得した設備IDのデータ収集指示が「対象」であるか否かを判定する(ステップS16)。取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示が「対象」である場合(ステップS16−Yes)、対象設備抽出部1400は、取得した設備IDとデータ収集間隔とを対応付けて、バッファに記憶させる(ステップS17)。
【0095】
対象設備抽出部1400は、取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350にあるか否かを判定する(ステップS18)。取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350に無い場合(ステップS18−No)、対象設備抽出部1400は、バッファに記憶させたデータ収集間隔を、間隔の長い順に整列させる(ステップS19)。
【0096】
対象設備抽出部1400は、バッファから設備IDを取得する。また、対象設備抽出部1400は、設備IDに対応付けられた群IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する(ステップS20)。対象設備抽出部1400は、取得した群IDを対象設備テーブル(図16を参照)のデータとして対象設備テーブル部1450に記憶させる。ここで、群IDが重複する場合、すなわち、対象設備テーブルに群IDがすでに記憶されている場合、対象設備抽出部1400は、その群IDを新たには記憶させない(ステップS21)。
【0097】
対象設備抽出部1400は、バッファが空であるか否かを判定する。また、対象設備抽出部1400は、経路変更可能数まで処理したか否か、例えば、取得した群IDの個数が経路変更可能数以上であるか否かを判定する(ステップS22)。バッファが空である、又は、経路変更可能数まで処理した場合(ステップS22−Yes)、対象設備抽出部1400は、変更経路算出部1500(図4を参照)を呼び出す(ステップS23)。
【0098】
一方、ステップS16において、取得した設備IDのデータ収集指示が「対象」でない場合(ステップS16−No)、対象設備抽出部1400の処理は、ステップS18に進む。また、ステップS18において、取得していない設備IDが周辺設備テーブル部1350に無い場合(ステップS18−Yes)、対象設備抽出部1400は、対象設備抽出部1400の処理は、ステップS14に戻る。また、ステップS22において、バッファが空でない、且つ、経路変更可能数まで処理していない場合、対象設備抽出部1400の処理は、ステップS20に戻る。
【0099】
図24は、変更経路を算出する際の変更経路算出部の動作手順を表すフローチャートである。変更経路算出部1500は、対象設備テーブル部1450が記憶している対象設備テーブル(図16を参照)から、予め定められた個数(経路変更可能数)の群IDを、優先順位の高い順に取得する(ステップS24)。また、変更経路算出部1500は、群IDが示す設備群と経路とが面している区間の経路の始点(緯度、経度)及び終点(緯度、経度)を、監視対象設備管理データベース1100が記憶する群位置テーブル(図11を参照)から取得する(ステップS25)。
【0100】
変更経路算出部1500は、各群(図2では、設備群700−a、700−b、700−c)と各経路とが面している区間の経路の始点位置及び終点位置を、通過点位置として経路検索装置200(図4を参照)に入力することにより、変更経路として、他の通過点位置及び予想時間Tnを経路検索装置200に算出させる(ステップS26)。また、変更経路算出部1500は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550(図4を参照)に記憶させる(ステップS27)。また、変更経路算出部1500は、経路判定部1600(図4を参照)を呼び出す(ステップS28)。
【0101】
図25は、経路を判定する際の経路判定部の動作手順を表すフローチャートである。経路判定部1600は、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18を参照)の基本データから予想時間Tnを取得する(ステップS29)。また、経路判定部1600は、取得した予想時間Tnが閾値以下であるか否かを判定する(ステップS30)。取得した予想時間Tnが閾値以下である場合(ステップS30−Yes)、経路判定部1600は、群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、変更経路テーブル部1550が記憶する変更経路テーブル(図18及び19を参照)の基本データ及び通過点データから取得する。
【0102】
経路判定部1600は、取得した群ID、通過点位置、及び予想時間Tnを、最終経路テーブル(図12及び13を参照)のデータとして、最終経路テーブル部1650(図4を参照)に記憶させる(ステップS31)。このようにして、経路判定部1600は、データ等を収集する対象とする設備群又は設備を指定する。
【0103】
経路判定部1600は、取得した群IDに対応付けられた設備IDを、監視対象設備管理データベース1100が記憶している設備群テーブル(図10を参照)から取得する(ステップS32)。また、経路判定部1600は、監視対象設備管理データベース1100が記憶する監視対象テーブル(図9を参照)において、取得した設備IDに対応付けられたデータ収集指示を、指示済みに変更する(ステップS33)。
【0104】
図26は、最終経路を算出する際の出力装置の動作手順を表すフローチャートである。出力装置は、通過点位置及び予想時間Tnを、最終経路テーブル部1650が記憶する最終経路テーブル(図12及び13を参照)から取得する(ステップS34)。出力装置900は、出動する営業車両500に搭載された経路案内装置540に、最終経路を表す情報(出発地位置、目的地位置、及び通過点位置)を、記憶媒体又は通信回線等を介して送信する(ステップS35)。
【0105】
次に、データ収集装置を搭載した営業車両が帰社し、設備保全装置の設備保全データベースが記憶する設備保全データが更新された際の通過点指定装置の動作手順を説明する。
図27は、設備保全データが更新されたことを設備保全装置から通知された際の通過点指定装置の動作手順を表すフローチャートである。設備保全データベース410が記憶する設備保全データが更新されたことを、設備保全装置400が通過点指定装置1000に通知する(ステップSa1)。通過点指定装置1000は、監視対象設備更新部1700を呼び出す(ステップSa2)。
【0106】
図28は、監視対象とする設備を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブル(図5を参照)から取得する(ステップSa3)。
【0107】
監視対象設備更新部1700は、前回データ収集日が本日である設備IDを取得できたか否かを判定する(ステップSa4)。前回データ収集日が本日である設備IDを取得できた場合(ステップSa4−Yes)、取得した設備IDが表す設備に対応付けられたデータ収集状態を、設備保全データベース410が記憶する管理データテーブルから取得する(ステップSa5)。
【0108】
また、監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集状態が「未取得あり」であるか否かを判定する(ステップSa6)。取得したデータ収集状態が「未取得あり」でない場合(ステップSa6−No)、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を、「対象外」に変更する(ステップSa7)。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルのデータ収集間隔を、値0に変更する(ステップSa8)。
【0109】
監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルの各データ項目を更新し(ステップSa9)、処理をステップSa3に戻す。
【0110】
一方、ステップSa4において、前回データ収集日が本日である設備IDを取得できなかった場合(ステップSa4−No)、通過点指定装置1000の各部は、処理を終了する。また、ステップSa6において、取得したデータ収集状態が「未取得あり」である場合(ステップSa6−Yes)、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を、「対象」に変更し(ステップSa10)、処理をステップSa9に進める。
【0111】
次に、予め定められた時刻に、データ収集間隔を更新する際の通過点指定装置の動作手順を説明する。
図29は、予め定められた時刻にデータ収集間隔を更新する際の監視対象設備更新部の動作手順を表すフローチャートである。タイマ1750は、予め定められた時刻になると、監視対象設備更新部1700にトリガー信号を送信する。トリガー信号を受信した場合、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)からデータ収集間隔を取得し、取得したデータ収集間隔を1日増加させる(ステップSb1)。
【0112】
監視対象設備更新部1700は、取得したデータ収集間隔が規定値以上であるか否かを判定する(ステップSb2)。取得したデータ収集間隔が規定値以上である場合(ステップSb2−Yes)、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100(図4を参照)が記憶している監視対象テーブル(図9を参照)のデータ収集指示を「対象」に変更する(ステップSb3)。また、監視対象設備更新部1700は、監視対象設備管理データベース1100が記憶している監視対象テーブルの各データを更新する(ステップSb4)。
【0113】
監視対象設備更新部1700は、監視対象テーブルの各データを全設備について更新したか否かを判定する(ステップSb5)。監視対象テーブルの各データを全設備について更新した場合(ステップSb5−Yes)、監視対象設備更新部1700は、処理を終了する。一方、ステップSb2において、取得したデータ収集間隔が規定値以上でない場合(ステップSb2−No)、監視対象設備更新部1700の処理は、ステップSb4に進む。このようにして、監視対象テーブルのデータ収集間隔は、予め定められた時刻(例えば、毎日の午前3時)に更新される。
【0114】
以上のように、通過点指定装置1000は、出発地位置から目的地位置までを結ぶ第1経路(例えば、基本経路)の周辺に在る設備のうち、前回の監視(データ収集など)から所定の日数が経過しているなど予め定められた条件を満たす前記設備群の始点及び終点の位置を抽出する周辺設備抽出部1300及び対象設備抽出部1400と、出発地位置から設備群の始点及び終点の位置を通過して目的地位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置200に、前記抽出された設備群の始点及び終点の位置を指定する変更経路算出部1500と、出発地位置と前記抽出された設備群の始点及び終点の位置と目的地位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、経路検索装置200から取得する変更経路算出部1500と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路を案内する経路案内装置540に前記第1経路又は前記第2経路を最終経路として案内させる経路判定部1600と、を備える。
この構成により、予め定められた条件を満たす設備群の位置を抽出し、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0115】
また、経路判定部1600は、出発地位置から前記第1経路に沿って目的地位置まで移動するのに必要と見積もられた第1予想時間と、出発地位置から前記第2経路に沿って目的地位置まで移動するのに必要と見積もられた第2予想時間と、を比較し、前記第1予想時間に対する前記第2予想時間の増分が上限値(閾値)以下である場合、前記第2経路を表す情報を経路案内装置540に出力装置900を介して出力し、経路案内装置540に前記第2経路を最終経路として案内させる。
この構成により、前記第1予想時間に対する前記第2予想時間の増分が上限値(閾値)以下である場合、経路案内装置540に前記第2経路を最終経路として案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0116】
また、経路判定部1600は、前記第1経路の距離と、前記第2経路の距離と、を比較し、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が上限値(閾値)以下である場合、経路案内装置540に前記第2経路を案内させる。
この構成により、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が上限値(閾値)以下である場合、経路案内装置540に前記第2経路を案内させるので、これにより、通過点指定装置は、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0117】
また、変更経路算出部1500は、前記予め定められた条件に基づいて、優先順位の高い前記設備の位置を抽出し、変更経路算出部1500は、前記優先順位の高い設備群の始点及び終点の位置を、経路検索装置200に指定する。
この構成により、前回の監視(データ収集など)から所定の日数が経過しているなどの理由により優先順位の高い設備群の始点及び終点の位置を、経路検索装置200に指定するので、これにより、通過点指定装置は、データを収集する頻度に設備毎のばらつきを無くすことができる。
【0118】
また、変更経路算出部1500は、複数の前記設備からなる設備群毎に、前記抽出された設備(設備群の始点及び終点)の位置を経路検索装置200に指定する。
この構成により、設備群の始点及び終点の位置を、経路検索装置に指定するので、これにより、通過点指定装置は、車両の走行経路が必要以上に複雑にならないようにすることができる。
【0119】
また、経路管理システムは、出発地位置から第3位置を通過して目的地位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置200と、経路を案内する経路案内装置540を有し、案内された経路に沿って出発地位置から目的地位置まで移動する営業車両500と、経路に沿って配置された設備の位置を経路検索装置200に指定する通過点指定装置1000と、を備え、通過点指定装置1000は、出発地位置から目的地位置までを結ぶ第1経路(例えば、基本経路)の周辺に在る設備のうち、前回の監視(データ収集など)から所定の日数が経過しているなど予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する周辺設備抽出部1300及び対象設備抽出部1400と、経路検索装置200に、前記抽出された設備群の始点及び終点の位置を前記第3位置として指定する変更経路算出部1500と、出発地位置と前記抽出された設備群の始点及び終点の位置と目的地位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、経路検索装置200から取得する変更経路算出部1500と、前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置540に前記第1経路又は前記第2経路を最終経路として案内させる経路判定部1600と、を備える。
この構成により、予め定められた条件を満たす設備群の位置を抽出し、第1経路と第2経路とを比較した結果に基づいて、経路案内装置に第1経路又は第2経路を案内させるので、これにより、経路管理システムは、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、データ収集装置を搭載した車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0120】
また、営業車両500は、前記設備からデータを収集するデータ収集装置530を有する。
この構成により、設備からデータを収集するデータ収集装置530を営業車両が有するので、これにより、経路管理システムは、設備を保全することが本来の目的ではない営業車両を用いて、データを収集する頻度に設備毎のばらつきが無く、且つ、その車両の走行経路が過度に変更されないようにすることができる。
【0121】
以上、この発明の実施形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。
【0122】
例えば、通過点指定装置は、予め定められた期間(例えば、150日間)内にデータ収集されなかった設備の位置等を表す情報を、設備を保全するための車両である設備保全車両に搭載された経路案内装置に、まとめて通知してもよい。これにより、設備保全車両に搭載されたデータ収集装置は、データ収集されなかった各設備を巡回して、それらの設備からデータを収集することができる。
【0123】
また、例えば、設備保全データ収集システムは、複数の営業車両を備えてもよい。
【0124】
なお、上記の通過点指定装置、及び経路管理システムを実現するためのプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に記録し、そのプログラムをコンピュータシステムに読み込ませて実行するようにしてもよい。なお、ここでいう「コンピュータシステム」とは、OSや周辺機器等のハードウェアを含むものとする。また、「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、フレキシブルディスク、光磁気ディスク、ROM、CD−ROM等の可搬媒体、コンピュータシステムに内蔵されるハードディスク等の記憶装置のことをいう。さらに「コンピュータ読み取り可能な記録媒体」とは、インターネット等のネットワークや電話回線等の通信回線を介してプログラムが送信された場合のサーバやクライアントとなるコンピュータシステム内部の揮発性メモリ(RAM)のように、一定時間プログラムを保持しているものも含むものとする。また、上記プログラムは、このプログラムを記憶装置等に格納したコンピュータシステムから、伝送媒体を介して、あるいは、伝送媒体中の伝送波により他のコンピュータシステムに伝送されてもよい。ここで、プログラムを伝送する「伝送媒体」は、インターネット等のネットワーク(通信網)や電話回線等の通信回線(通信線)のように情報を伝送する機能を有する媒体のことをいう。また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【符号の説明】
【0125】
200…経路検索装置、300…設備データベース、400…設備保全装置、410…設備保全データベース、500…営業車両(移動体)、510…通信装置、520…撮像装置、530…データ収集装置、540…経路案内装置、600−1〜600−48,600−a〜600−j…設備、610…センサ、620…記憶部、630…通信部、700−1〜700−16,700−a〜700−c…設備群、710−a〜710−c…始点、720−a〜720−c…終点、800…入力装置、900…出力装置、1000…通過点指定装置、1100…監視対象設備管理データベース、1200…基本経路算出部、1250…基本経路テーブル部、1300…周辺設備抽出部、1350…周辺設備テーブル部、1400…対象設備抽出部、1450…対象設備テーブル部、1500…変更経路算出部(通過点指定部、経路取得部)、1550…変更経路テーブル部、1600…経路判定部(比較部)、1650…最終経路テーブル部、1700…監視対象設備更新部、1750…タイマ、2000…経路管理システム
【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1位置から第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、
前記第1位置から第3位置を通過して前記第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、
前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、
前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路を案内する経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、
を備えることを特徴とする通過点指定装置。
【請求項2】
前記比較部は、前記第1位置から前記第1経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第1時間と、前記第1位置から前記第2経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第2時間と、を比較し、前記第1時間に対する前記第2時間の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする請求項1に記載の通過点指定装置。
【請求項3】
前記比較部は、前記第1経路の距離と、前記第2経路の距離と、を比較し、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする請求項1に記載の通過点指定装置。
【請求項4】
前記抽出部は、前記予め定められた条件に基づいて、優先順位の高い前記設備の位置を抽出し、
前記通過点指定部は、前記優先順位の高い設備の位置を、前記経路検索装置に指定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通過点指定装置。
【請求項5】
前記通過点指定部は、複数の前記設備からなる設備群毎に、前記抽出された設備の位置を前記経路検索装置に指定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の通過点指定装置。
【請求項6】
第1位置から第3位置を通過して第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置と、
経路を案内する経路案内装置を有し、案内された経路に沿って前記第1位置から前記第2位置まで移動する移動体と、
経路に沿って配置された設備の位置を前記経路検索装置に指定する通過点指定装置と、
を備え、
前記通過点指定装置は、
前記第1位置から前記第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、
前記経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、
前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、
前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、前記経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、
を備えることを特徴とする経路管理システム。
【請求項7】
前記移動体は、前記設備からデータを収集するデータ収集装置を有することを特徴とする請求項6に記載の経路管理システム。
【請求項1】
第1位置から第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、
前記第1位置から第3位置を通過して前記第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、
前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、
前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、経路を案内する経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、
を備えることを特徴とする通過点指定装置。
【請求項2】
前記比較部は、前記第1位置から前記第1経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第1時間と、前記第1位置から前記第2経路に沿って前記第2位置まで移動するのに必要と見積もられた第2時間と、を比較し、前記第1時間に対する前記第2時間の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする請求項1に記載の通過点指定装置。
【請求項3】
前記比較部は、前記第1経路の距離と、前記第2経路の距離と、を比較し、前記第1経路の距離に対する前記第2経路の距離の増分が閾値以下である場合、前記経路案内装置に前記第2経路を案内させることを特徴とする請求項1に記載の通過点指定装置。
【請求項4】
前記抽出部は、前記予め定められた条件に基づいて、優先順位の高い前記設備の位置を抽出し、
前記通過点指定部は、前記優先順位の高い設備の位置を、前記経路検索装置に指定することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の通過点指定装置。
【請求項5】
前記通過点指定部は、複数の前記設備からなる設備群毎に、前記抽出された設備の位置を前記経路検索装置に指定することを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1つに記載の通過点指定装置。
【請求項6】
第1位置から第3位置を通過して第2位置までを結ぶ経路を検索する経路検索装置と、
経路を案内する経路案内装置を有し、案内された経路に沿って前記第1位置から前記第2位置まで移動する移動体と、
経路に沿って配置された設備の位置を前記経路検索装置に指定する通過点指定装置と、
を備え、
前記通過点指定装置は、
前記第1位置から前記第2位置までを結ぶ第1経路の周辺に在る設備のうち、予め定められた条件を満たす前記設備の位置を抽出する抽出部と、
前記経路検索装置に、前記抽出された設備の位置を前記第3位置として指定する通過点指定部と、
前記第1位置と前記抽出された設備の位置と前記第2位置とを結ぶ第2経路を表す情報を、前記経路検索装置から取得する経路取得部と、
前記第1経路と前記第2経路とを比較した結果に基づいて、前記経路案内装置に前記第1経路又は前記第2経路を案内させる比較部と、
を備えることを特徴とする経路管理システム。
【請求項7】
前記移動体は、前記設備からデータを収集するデータ収集装置を有することを特徴とする請求項6に記載の経路管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
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【図10】
【図11】
【図12】
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【図15】
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【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【公開番号】特開2012−189494(P2012−189494A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54229(P2011−54229)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(000003687)東京電力株式会社 (2,580)
【Fターム(参考)】
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