連結ブロック
【課題】擁壁背面の砕石層に滞留する余水の水抜きが有効に実施できる連結ブロックを提供すること。
【解決手段】隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙61が前記側面同士で形成されると共に、連結ブロックの左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設されて、前記連結ブロックを積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成される。そして、ブロック正面を立てた際の前記第一の間隙61及び前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口60より吐口62が狭いテーパー状に形成され、吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30〜60mmに形成されたこと。
【解決手段】隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙61が前記側面同士で形成されると共に、連結ブロックの左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設されて、前記連結ブロックを積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成される。そして、ブロック正面を立てた際の前記第一の間隙61及び前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口60より吐口62が狭いテーパー状に形成され、吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30〜60mmに形成されたこと。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、河川の堤防その他の擁壁に用いられる連結ブロックの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
河川の堤防や崖などの法面には、その法面に沿ってコンクリートブロックを積み上げ、擁壁を構成している。コンクリートブロックの擁壁は、その背面の土砂との間に砕石の層を設ける場合があり、一般には、JIS A5001のC−40、或いはRC−40の砕石(粒径が0〜40ミリの砕石)が、空積みの場合で約60cm厚の層(縦層)として、コンクリートブロックと背後の土砂との間に設けられてする。練り積みの場合は砕石の層が、一例として訳30cm厚程度となる。
【0003】
コンクリートブロックの背面に詰められた砕石層には、雨水などにより余水が滞留するので、その水抜きをする必要がある。擁壁が、崖ではなく河川の堤防に設けられる場合には、河川の水がしみ出して余水となるので量も多くなり、崖などの擁壁に較べると、余水の水抜きは一段と重要になる。この水抜きが成されないと、砕石層に滞留する余水が多量になり、最終的には水圧でコンクリートブロックを押し出して擁壁を破壊し、堤防自体も破壊されてしまう。
【0004】
従って例えば、コンクリートブロックに水抜き用の穴が設けられていたり、或いはパイプを擁壁の表裏に貫通させて水抜きをしている。パイプが貫通されている場合には、その背面側の開口が砕石の層に届いていて、余水の吸口となる開口が吸出防止材の布が覆われ、砕石層からの細粒の流出を防止している。吸出防止材とは、余水は通して土砂や細粒な砕石は通さないというフィルターの役割をする布状の部材である。
【0005】
例えばC−40という規格の砕石は、粒径が0〜40mmの砕石なので、その粒径は40mmの他に、30、20、10mmなどの砕石も含まれており、更に5mm、3mm、或いは砂のような小さな粒径の砕石も含まれ、これら細粒が混じって砕石層を形成させている。従って、単にパイプで水抜きをすると、砕石層中の細粒が余水とともに少しづつ流出してしまい、流出した分だけ砕石層の占有容積が減少してしまう。そしてこの様な細粒の流出が続くと、砕石層の占有容積は、最終的には当初の占有容積に較べると8割程度に減少するなどし、積み上げたコンクリートブロックは、その背面の支えが無くなり、擁壁が崩れるなどする危険が生じる。よって、パイプの吸口を吸出防止材で覆い、余水は流すが砕石層中の細粒は流さないようにしている。
【0006】
コンクリートブロックによっては水抜き穴がなく、パイプなども用いない場合がある。ただコンクリートブロックを積むと、自然と隙間ができるので、その間隙からその余水が流出して水抜きができている場合もある。余水の少ない場合には、特段の対応をしなくても、この様な隙間で対応できる場合もある。ただ大量の余水が想定される堤防の場所では、このような自然にできる隙間だけでは適当ではない。
【0007】
一方、連結ブロックなるものがある。これは、複数のブロックを鉄筋などにより連結したものであり、図11に示すように、何個か(例えば2個〜6個程)のコンクリートブロック1を連結させてある。このような大きな連結ブロック2の単位で積み上げ作業ができるので、1つ1つのブロックを積み上げるのに較べ、積み上げ作業の効率が上がる(特許文献1参照)。従って、連結ブロック2にせずに、最初からその連結ブロックと同じ大きさの1つのブロックにしておけば、鉄筋で複数のブロックを連結するような製造上の手間は省ける。それでもあえて複数のブロック1による連結ブロックにするのは、石積みの外観に似せる為という景観上の要請が、理由の1つとしてある。つまり個々のブロック1を、石積みの石の大きさ程度に似せたいのであり、その為に、大きな1つのブロックではなく、いくつものブロック1が連結された連結ブロック2にしている。
【0008】
この様な連結ブロックは、同じ縦幅の四角いコンクリートブロックを、何個か横に連設するのが一般であり、従って連結ブロックの全体形状は、正面からみて横長の四角い形状となるのが一般である。そして連結されたコンクリートブロック同士は、図12に示すように比較的広い空隙が、例えば2〜5cm程度幅の縦空隙が空けられているのことが多い。
【0009】
この様な大きな空隙が開いてしまう場合には、この空隙からこぼれでない様に、粒径50〜100mm程度の大きめの砕石が背面に詰められている。そして更にその背後には、C−40(0〜40mm)の砕石が詰めてある。そしてこれら50〜100mmの大きな砕石と、C−40の砕石との間には、吸出防止材の布を境界面のようにして介在させ、C−40の砕石層からの細粒の流出を防止している。
【特許文献1】特開2003−82638公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
水抜き用の穴やパイプを設けない場合、コンクリートブロック同士の隙間をもう少し拡げて積み上げれば、余水の流出量も増やすことができる。ただこの様にすると細粒も流出してしまう。これは単に隙間の大小を適切に選択すれば解消する問題ではなく、次の様な問題があるからである。
【0011】
つまり、左右に隣接するコンクリートブロックは、図13に示す様に、面ではなく点で接触(点接触)する様になっている(図13の符号4)。面で接触させようとしても、面全体での接触ができずに面の一部のみで接触し、他の面部分に隙間ができてしまうので、この様な問題の起きない点接触をさせているのである(なお点接触は、厳密には点ではなく、また接触しているのもなくて僅かに離れて隙間になっているのが通常であるが、ここではこれを点接触ということにする)。この点接触の場合、接触点の背面側は、大きくV字に開いているのが一般である。V字に開くことにより接触点が形成させやすいからでもある。ただこの様に開いていると、この背面に向かう開き部分には大きな砕石5が入ることとなり、接触点の直前まで、大きな砕石が入ってきてしまう。
【0012】
一方、砕石5と砕石5との間にできる空間6(以下、「砕石空間6」という)の大きさは、砕石5の大きさに連動し、つまり大きな砕石が詰まると大きな砕石空間ができ、小さな砕石が詰まると小さな砕石空間ができるのである。従って、コンクリートブロックは、その接触点の背面がV字に開いていると、この開いた空間に大きな石も入ることができ、接触点の隙間の直前まで大きな砕石が迫ってくることとなる。この様に隙間の直前まで大きな砕石が入ってくると云うことは、その隙間の直前に大きな砕石空間ができることを意味する。そして更に、この様に隙間の直前に大きな砕石空間ができているということは、その砕石空間を流れてきた細粒が隙間の直前まで容易に流れてくることを意味するのである。そして、直前まで流れてきた細粒は、そのまま隙間からの流出してしまうのである。この様に隙間が流出の吐口となるのであるが、単にこの吐口の隙間幅の大小だけの問題ではなく、その吐口の背面にできる空間の形状や、吐口の背面にできる砕石空間がどの様な状況になるかに関わってくるのである。
【0013】
この様な問題から、左右のコンクリートブロックの隙間を調整するだけでは、細粒を州出させることなく余水を流出させるのには不十分である。
【0014】
また吸出防止材を用いれば細粒流出の問題か解決するものの、コンクリートブロックを積み上げる都度に吸出防止材を用いるのは面倒である。吸出防止材の耐久性が問題となる場合もあり、破損などすれば細粒が流出してしまう。
【0015】
本願発明は以上の課題に対して成されたものであり、コンクリートブロックによる擁壁の背面に砕石層が設けられている場合に、砕石層に滞留する余水の水抜きが良好になされ、その際には砕石層中の細粒の流出が防止される連結ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上の課題を解決するため、本願請求項1記載の連結ブロックの発明は、擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックである。即ち、隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙が前記側面同士で形成され、ブロック正面を立てた際の、前記第一の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設してある。そして、前記連結ブロックを上下左右に積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成されて、ブロック正面を立てた際の前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載された第一の間隙と、請求項2に記載された第二の間隙を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか記載の連結ブロックであって、この連結ブロックの両端のコンクリートブロックの背面に控えが設けられ、この控えは連結ブロックが上下に積み上げられることにより前記控えも上下に積み上げられる時に、上下の控えが相互に係止して前後方向へのズレ止めとなる係止部、を有することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1、3、4のいずれかに記載の連結ブロックであって、第一の隙間を吸口を形成するコンクリートブロックの両端部は、これら両端部の背面が布状の吸出防止材を架け渡して貼着するための略面一な貼着面に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上の手段により、本願請求項1〜3の記載の発明では、積み上げた連結ブロックの背面側に砕石を入れて突き固めると、第一及び第二の間隙には砕石が入るのであるが、この時、吸口幅〜吐口幅程度の粒径の砕石が詰まってゆくのである。また施工後にも、雨水などにより流され、すでに詰まっている砕石の隙間などに、より粒径の小さい砕石が入り込んで、順次、詰まってゆく。吸口から吐口まではある程度の長さになっているので、第一及び第二の間隙に詰まった砕石により濾過層ができ、余水は流出するが、砕石層中の細粒は流出させないようにする事ができるのである。この様な効果の得られる理由は、次の様な理由と考えられる。
【0022】
即ち、吸口幅と吐口幅は、第一及び第二の間隙の吸口付近と吐口付近とに詰まる砕石の、それぞれの最大粒径を規定している。またこれら間隙に詰まる砕石の大小は、砕石と砕石との間にできる空間(砕石空間)の大小を規定する。従って、第一及び第二の間隙の吸口及び吐口の幅は、最終的には、これら第一及び第二の間隙にできる砕石空間の大きさを間接的に規定していることになる。
【0023】
そしてこの砕石空間には、より小さい砕石が詰まり、砕石空間が更に小さくなり、この小さくなった砕石空間に、更に小さい砕石が詰まるという状態になる。この様にして、吸口及び吐口により規定される最大粒径の砕石から、順次、小さい砕石が詰まってゆき、砕石空間が最終的には、細粒の流出が困難な程度の小さな空間になる。そしてこのような、細粒の流出の困難な程度の小さな空間が、吸口から吐口までの長さ(吸口幅の数倍の長さ)だけ続くため、本願が課題としている、砕石層中の細粒の流出の防止となるような濾過が、可能になるものと考えられる。
【0024】
ただ最大粒径がどの様な大きさでも、上述の様な濾過層の形成が可能になるのではない。つまり、第一及び第二の間隙の吸口幅がより大きくなり、この間隙に詰まる砕石も大きくなると、砕石空間も大きくなるのであるが、この砕石空間が大き過ぎると、上述したように順次、小さい砕石が詰まっていって、濾過に必要な小さな砕石空間が得られるという現象が十分には生じないのである。このように第一及び第二の間隙に入る砕石の最大粒径は、ある程度小さくないと上述した様な現象がえられず、大きな砕石空間が残ってしまって細粒が流出してしまうのであり、つまり濾過層ができないのである。
【0025】
つまり砕石による濾過層が、第一及び第二の間隙の中に形成されるかどうかということは、吸口幅の選択と、吸口から吐口までの長さによるのである。また吸口幅にどの様な幅を選択すればいいか、即ち第一及び第二の間隙に詰まる砕石の最大粒径がどの程度であれば濾過層が得られるかは、背面の砕石層に用いられる砕石によってまちまちなので、各擁壁の施工現場に用いられる砕石ごとに、適切な大きさの最大粒径、即ち適切な吸口幅を選択することとなるが、本請求項はこれらを規定したものである。
【0026】
さらに説明すれば以下の様になる。即ち吸口幅を選択することは、間接的に吐口幅をも選択することとなる。即ち、吸口幅が8〜12mmと狭く、かつ吸口から吐口までの断面形状が先細りのテーパー状に形成されているので、吐口幅はより狭くなっている。しかし、余水の流出のためにはある程度の広さが吐口にも必要であり、その為、吐口幅と吸口幅とは比較的近接した幅になるのである。これは、吸口付近と吐口付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が近接することを意味する。
【0027】
またこのように、吸口付近と吐口付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が近接しているということは、吸口から吐口に亘って形成される砕石空間も比較的近接していることを意味し、結局は、その様な比較的同じ小ささの砕石空間が、吐口から離れた吸口まで続いていることを意味している。そしてその吸口から吐口までの長さは、30mm以上と吸口幅よりも長く形成されており、よって吸口から細粒が流れ込んでも、その細粒が吐口に届くまでにはいくつもの小さな砕石空間を通過しないければならない。しかしその通過して吐口から流出する途中で詰まってしまうのである。つまりこれは、第一及び第二の間隙に詰まる砕石が、余水は流出するが砕石層中の細粒は流出させない濾過層を成しているからである。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、次の様な効果が得られる。即ち、連結ブロックの両端のコンクリートブロックには背面には控えが設けられている。一般に控えは、連結ブロックが上下に積み上げられることにより控えも上下に積み上げられ、これにより連結ブロックの姿勢が予定通りに保持されるのである。また背面の控えは、連結ブロックの表面側(前側)へ押し出される土圧に対する重しになってもいる。
更には、上下の控えが相互に係止して前後方向へのズレ止めとなる係止部おり、これにより両端のブロックが擁壁背面からの土圧によっても押し出されるなどの動きが抑えられる。この様に両端のコンクリートブロックは動かないので第一の間隙も第二の隙間も変形することなく、その間隙形状が維持される。つまり、両端のコンクリートブロックのその両端に第一の間隙と第二の間隙が形成されているが、そのコンクリートブロックが動けばこれら間隙の間隔や形状も変形してしまい、良好な濾過効果で維持できないが、本請求項では、控えによりその様なことが避けられる。
また、両端のコンクリートブロックが控えにより押し出されるなどとないので、これら中央の控えのないコンクリートブロックは、これら両側のブロックに支持されて、安定する。
【0029】
請求項5記載の発明によると、第一の隙間の吸口に吸出防止材の貼着が容易になるので、仮に、現場の砕石と、搬入する連結ブロックの第一の間隙との相性に問題があり、砕石による濾過層の形成が困難な場合でも、臨時の対処としての、吸出防止材の貼着が容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に本願発明の連結ブロックの実施例を、図をもって説明する。
図1に示す連結ブロック10は、図2に示すように、3つの四角いコンクリートブロック(以下、単に「ブロック」ともいう。)20、40を横に並べ、これらを左右に貫くように埋設された2本の鉄筋11により、僅かに離間された状態で連結されている。これら3つのブロック20、40は、正面形状がほぼ同じ四角形を成しているが、左右両端のコンクリートブロック20(以下、「サイドブロック20」ともいう)は、背面に控え21が設けられ、中央のコンクリートブロック40(以下、「中央ブロック40」ともいう)は、板状に形成されて控えは設けられていない。またこの控え21は、連結ブロック10の両端から、連結ブロックの横方向長さLの1/4内方に控えの中心が位置するようにも設けられている。そのため、互い違いの布積にすると、例えば上のブロックの右の控え21aは、下のブロックの左の控え21bの上に載置されることとなり、つまり控え21は、一番下のブロックの控えから、一番上のブロックの控えまで、縦に連なるように上乗せされてゆくのである。その際、この控えは図3のサイドブロック20の断面図に示す様に、上方に凸部22が下方に凹部23が設けられており、上下に重ねたときに、上下の控えは凹部23に凸部22が係止して(後述の図8参照)、前後方向(ブロックの表裏方向)へのズレ止めになっており、これが例えば土圧に対するズレ止めになっている。
【0031】
中央ブロック40は、厚さDa(図1)が約80mmであり、裏面側の45mm厚部分が平板部分41を成し、表面側の約35mm厚部分が表面を石に見立てて成形された疑石部分42を成している。
【0032】
また両端のサイドブロック20は、控え21が中央ブロック40側に偏在して設けられており、図4に示すように、控え21から中央ブロック40寄りの部分は、中央ブロック40と同様に、45mm厚部分の平板部分24と約35mm厚部分の疑石部分25とに形成されている。
【0033】
よって中央ブロック40とサイドブロック20との連結箇所(図4参照)となる端部同士は、それらの裏面43、26が略面一な面に形成されて、後述する吸口60の開口をなしている。
【0034】
(第一の間隙):図4の鉄筋を省略して拡大した図5に示す様に、連結部分の対面しあう側面(27,44)同士は、平板部分24、41と疑石部分25、42との境界線を稜線28、45として、この稜線28、45からブロック20、40の表裏に向けて緩く傾斜した側面になっている。要するに、中央ブロック40とサイドブロック20と間の空間は、前述した稜線28、45の部分をボトルネックとして、表裏に緩く開いた空間を成している。そして稜線28、45から裏面側の空間(ボトルネックから後ろの空間)が、第一の間隙61を成しているのである。
【0035】
この第一の間隙61は、擁壁の背面の余水を擁壁の表面側に水抜きするためのものであり、第一の間隙61の背面側の開口が余水を吸い込む吸口60をなし、前述のボトルネックをなす稜線45、28の部分がその吐口62をなしている。そしてブロック正面を垂直に立てた際の、第一の間隙の水平断面の断面形状は、図5に示すように、吸口60から吐口62までの細長い形状で、且つ吐口62が吸口60よりも狭いテーパー状に形成されている。具体的には、吸口幅Waが10mm、吐口幅Wbが5mm、吸口60から吐口62までの長さLaが45mmである。
【0036】
この形状であると、吸口60を通過して第一の間隙61に入り、ここに詰まる砕石の最大粒径が、吸口幅Waの10mm以下に規制される。そして5mmを超える砕石は吐口62までに詰まるので、結局、吸口60付近と吐口62付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が10mmと5mmとになる。後述するように、砕石層には、一般にJIS A5001のC−40規格である0〜40mmの砕石が用いられるので、この粒径範囲と比較すると、上述の10mm〜5mmの砕石は、近接した粒径なのである。そしてこの粒径範囲で、吸口60から吐口62に至るまでの各位置の最大粒径が定まり、それら最大粒径以下の様々な大きさの砕石が詰まることとなる。
【0037】
(第二の間隙):サイドブロック20は等厚ではなく、図1(a)に示す様に、端部28から控え21に向けて厚みDbを増す様に形成されており、控え21から端部28までへの支えの為の強度を出している。この端部28付近は、図1(a)の破線円Kを拡大した図6に示す様に、40mm厚の裏面部分29と、表面側の約35mm厚の疑石部分25を成している。そして裏面部分29の側面30は、表面側から裏面側にかけて、控え側に2.5mm傾斜している。疑石部分25は、裏面部分29の端辺より4mm後退した位置から盛り上げて成形させてある。
【0038】
また裏面部分29の側面には、背面側から表面側に通る水抜き溝31が、深さEが3.2mmで凹設してあり、この側面の水抜き溝31が、図1の(d)と(e)とに示す様に、連結ブロックの右側サイドブロック20Rには3つ、左側サイドブロック20Lには2つが設けられている。その際、これら3つと2つとの各水抜き溝31は、図7に示す様に、連結ブロック同士を左右に隣接させたときには、互い違いとなって重ならないように配置されている。
(使用方法);次に、本願発明の連結ブロック10の使用方法を説明する。
【0039】
以上の連結ブロック10は、布積にて図8に示すように積み上げるのである。つまり、基礎コンクリート100を打ち、連結ブロック10を積み上げながら、この積み上げ作業と平行して背面に裏込めの砕石200を入れ、打ち固めてゆくのである。基礎コンクリート100を用いずに、単に砂利を敷いて打ち固めた基礎底面の場合もある。
【0040】
積み上げるときには、図7に示したように、左右に隣接する連結ブロック10の側面30同士が当接する。詳しくは図7のC−C断面を示す図9のように、側面30の表面側の辺32が互いに当接し、背面側は2.5mm内側に傾斜しているので、左右双方の側面の傾斜が合わさり、側面の背面側は、計5mmと開いている(図9の符号F)。
【0041】
またこのとき、側面30に設けられた水抜き溝31は、図7に示したように互い違いになっているので、図7のB―B断面を示した図10の水抜き溝31のように、この水抜き溝31と相手方の側面30とにより、第二の間隙71が形成される。従ってこの第二の間隙71は、吸口70の吸口幅Wxが8.2mm(=5(F)+3.2(E))、吐口72の吐口幅Wyが3.2mm、吸口70から吐口72までの第二の間隙の長さLxが約40mmである。ただ積み上げ作業の時には、連結ブロック10をクレーンで吊りながら積み上げるのであるが、左右の連結ブロック10が完全にくっついた状態で積み上げられるわけではなく、多少の隙間はできるので、吸口幅Wxと吐口幅Wyは、実際にはもう少し広くなるのである。
【0042】
この様にして連結ブロック10を積み上げながら、この積み上げと平行して、図8に示したように、背面に裏込めの砕石200を入れてゆくのである。この砕石200には、一般にC−40規格の砕石を用いるが、RC−40(コンクリートを破砕したリサイクルの砕石。粒径はC−40と同じ0〜40mm。)を用いることもある。積み上げと砕石の投入とを順次に行い、砕石はその都度突き固めるのである。この過程で、第一の間隙61及び第二の間隙71には小小さめの砕石が入るのであり、吸口(60,70)付近と吐口(62,72)付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が8.2mmと3.2mmとになる。実際には左右の連結ブロック10が多少は離れているので、もう少しづつ大きな粒径が、間隙につまる砕石の最大粒径になる。
【0043】
また第一の間隙61には、吸口60付近では10mm弱の粒径の砕石が入り、吐口62付近では5mm弱の粒径の砕石が入るのである。
【0044】
そして、第一の間隙61及び第二の間隙71のいずれも、最大粒径に近い砕石により砕石空間ができるが、この砕石空間に更に小さい砕石が入るのである。また、後日の雨天時などには、余水が第一及び第二の間隙(の砕石空間)から流出するが、その際には、更に小さい細粒もこれら砕石空間に流れ込む。その際、多少の細粒は吐口(62,72)から流出するが、多くの細粒は途中で砕石空間に引っかかって止まり、これによりより更に砕石空間が小さくなって、最終的には、余水は流出するが砕石層中の細粒は流出させない濾過層を形成することができるのである。
【0045】
なお、上記実施例では、第一及び第二の間隙の吸口から吐口までの長さは30mm以上との条件に従っているが、「30mm以上」との範囲に対して上限を定めてもよく、例えば60mm(つまり30〜60mmの範囲)、或いは80mm、100mm、120mmなどの上限を決めてもよい。また下限は30mm以上であるが、砕石など現場の事情によっては、これを35mm(つまり35mm以上)、或いは40mm、45mmなどに定めもよい。またこれら下限値と上限値を組み合わせたものでもよい。
【0046】
本願発明では吸口幅を8〜12mmの範囲に定めているが、砕石など現場の事情によっては、この下限値が9mm(つまり9〜12mmの範囲)、或いは10mmでもよく、また本願発明の範囲ではなくなるが7mm、6mmでもよい。またこの吸口幅の上限は10mm(つまり8〜10mmの範囲)、或いは11mmでもよく、本願発明の範囲ではなくなるが13mm、14mm、15mmでもよい。またこれら下限値と上限値を組み合わせたものでもよい。
【0047】
また本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、どの様に実施されてもよい。連結ブロックは、実施例の様に3つのブロックの連結に限らず、何個の連結でもよい。中央ブロックも1つに限らす2つでもよく、例えば中央ブロック2つと、これを挟むサイドブロック2つの計4ブロックにより連結ブロックでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この図は、実施例の連結ブロックの図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が背面図、(d)が右側面図、(e)が左側面図である。
【図2】この図は、鉄筋で連結した様子の説明図である。
【図3】この図は、A−A断面図である。
【図4】この図は、第一の間隙の説明図である。
【図5】この図は、図4を鉄筋を省略して拡大した図である。
【図6】この図は、サイドブロックの端部の図である。
【図7】この図は、連結ブロック同士の合わせ目の図である。
【図8】この図は、連結ブロックを積み上げた様子の図である。
【図9】この図は、第二の間隙の説明図であり図7のC−C端面の図である。
【図10】この図は、第二の間隙の説明図であり図7のB−B端面の図である。
【図11】この図は、従来の連結ブロックの図である。
【図12】この図は、従来の連結ブロックの図である。
【図13】この図は、ブロック間の隙間の後方空間がV字状である場合の説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10 連結ブロック
11 鉄筋
20 サイドブロック
21 控え
31 水抜き溝
40 中央ブロック
60 第一の間隙の吸口
61 第一の間隙
62 第一の吐口
70 第二の間隙の吸口
71 第二の間隙
72 第二の吐口
【技術分野】
【0001】
この発明は、河川の堤防その他の擁壁に用いられる連結ブロックの改良に関する。
【背景技術】
【0002】
河川の堤防や崖などの法面には、その法面に沿ってコンクリートブロックを積み上げ、擁壁を構成している。コンクリートブロックの擁壁は、その背面の土砂との間に砕石の層を設ける場合があり、一般には、JIS A5001のC−40、或いはRC−40の砕石(粒径が0〜40ミリの砕石)が、空積みの場合で約60cm厚の層(縦層)として、コンクリートブロックと背後の土砂との間に設けられてする。練り積みの場合は砕石の層が、一例として訳30cm厚程度となる。
【0003】
コンクリートブロックの背面に詰められた砕石層には、雨水などにより余水が滞留するので、その水抜きをする必要がある。擁壁が、崖ではなく河川の堤防に設けられる場合には、河川の水がしみ出して余水となるので量も多くなり、崖などの擁壁に較べると、余水の水抜きは一段と重要になる。この水抜きが成されないと、砕石層に滞留する余水が多量になり、最終的には水圧でコンクリートブロックを押し出して擁壁を破壊し、堤防自体も破壊されてしまう。
【0004】
従って例えば、コンクリートブロックに水抜き用の穴が設けられていたり、或いはパイプを擁壁の表裏に貫通させて水抜きをしている。パイプが貫通されている場合には、その背面側の開口が砕石の層に届いていて、余水の吸口となる開口が吸出防止材の布が覆われ、砕石層からの細粒の流出を防止している。吸出防止材とは、余水は通して土砂や細粒な砕石は通さないというフィルターの役割をする布状の部材である。
【0005】
例えばC−40という規格の砕石は、粒径が0〜40mmの砕石なので、その粒径は40mmの他に、30、20、10mmなどの砕石も含まれており、更に5mm、3mm、或いは砂のような小さな粒径の砕石も含まれ、これら細粒が混じって砕石層を形成させている。従って、単にパイプで水抜きをすると、砕石層中の細粒が余水とともに少しづつ流出してしまい、流出した分だけ砕石層の占有容積が減少してしまう。そしてこの様な細粒の流出が続くと、砕石層の占有容積は、最終的には当初の占有容積に較べると8割程度に減少するなどし、積み上げたコンクリートブロックは、その背面の支えが無くなり、擁壁が崩れるなどする危険が生じる。よって、パイプの吸口を吸出防止材で覆い、余水は流すが砕石層中の細粒は流さないようにしている。
【0006】
コンクリートブロックによっては水抜き穴がなく、パイプなども用いない場合がある。ただコンクリートブロックを積むと、自然と隙間ができるので、その間隙からその余水が流出して水抜きができている場合もある。余水の少ない場合には、特段の対応をしなくても、この様な隙間で対応できる場合もある。ただ大量の余水が想定される堤防の場所では、このような自然にできる隙間だけでは適当ではない。
【0007】
一方、連結ブロックなるものがある。これは、複数のブロックを鉄筋などにより連結したものであり、図11に示すように、何個か(例えば2個〜6個程)のコンクリートブロック1を連結させてある。このような大きな連結ブロック2の単位で積み上げ作業ができるので、1つ1つのブロックを積み上げるのに較べ、積み上げ作業の効率が上がる(特許文献1参照)。従って、連結ブロック2にせずに、最初からその連結ブロックと同じ大きさの1つのブロックにしておけば、鉄筋で複数のブロックを連結するような製造上の手間は省ける。それでもあえて複数のブロック1による連結ブロックにするのは、石積みの外観に似せる為という景観上の要請が、理由の1つとしてある。つまり個々のブロック1を、石積みの石の大きさ程度に似せたいのであり、その為に、大きな1つのブロックではなく、いくつものブロック1が連結された連結ブロック2にしている。
【0008】
この様な連結ブロックは、同じ縦幅の四角いコンクリートブロックを、何個か横に連設するのが一般であり、従って連結ブロックの全体形状は、正面からみて横長の四角い形状となるのが一般である。そして連結されたコンクリートブロック同士は、図12に示すように比較的広い空隙が、例えば2〜5cm程度幅の縦空隙が空けられているのことが多い。
【0009】
この様な大きな空隙が開いてしまう場合には、この空隙からこぼれでない様に、粒径50〜100mm程度の大きめの砕石が背面に詰められている。そして更にその背後には、C−40(0〜40mm)の砕石が詰めてある。そしてこれら50〜100mmの大きな砕石と、C−40の砕石との間には、吸出防止材の布を境界面のようにして介在させ、C−40の砕石層からの細粒の流出を防止している。
【特許文献1】特開2003−82638公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
水抜き用の穴やパイプを設けない場合、コンクリートブロック同士の隙間をもう少し拡げて積み上げれば、余水の流出量も増やすことができる。ただこの様にすると細粒も流出してしまう。これは単に隙間の大小を適切に選択すれば解消する問題ではなく、次の様な問題があるからである。
【0011】
つまり、左右に隣接するコンクリートブロックは、図13に示す様に、面ではなく点で接触(点接触)する様になっている(図13の符号4)。面で接触させようとしても、面全体での接触ができずに面の一部のみで接触し、他の面部分に隙間ができてしまうので、この様な問題の起きない点接触をさせているのである(なお点接触は、厳密には点ではなく、また接触しているのもなくて僅かに離れて隙間になっているのが通常であるが、ここではこれを点接触ということにする)。この点接触の場合、接触点の背面側は、大きくV字に開いているのが一般である。V字に開くことにより接触点が形成させやすいからでもある。ただこの様に開いていると、この背面に向かう開き部分には大きな砕石5が入ることとなり、接触点の直前まで、大きな砕石が入ってきてしまう。
【0012】
一方、砕石5と砕石5との間にできる空間6(以下、「砕石空間6」という)の大きさは、砕石5の大きさに連動し、つまり大きな砕石が詰まると大きな砕石空間ができ、小さな砕石が詰まると小さな砕石空間ができるのである。従って、コンクリートブロックは、その接触点の背面がV字に開いていると、この開いた空間に大きな石も入ることができ、接触点の隙間の直前まで大きな砕石が迫ってくることとなる。この様に隙間の直前まで大きな砕石が入ってくると云うことは、その隙間の直前に大きな砕石空間ができることを意味する。そして更に、この様に隙間の直前に大きな砕石空間ができているということは、その砕石空間を流れてきた細粒が隙間の直前まで容易に流れてくることを意味するのである。そして、直前まで流れてきた細粒は、そのまま隙間からの流出してしまうのである。この様に隙間が流出の吐口となるのであるが、単にこの吐口の隙間幅の大小だけの問題ではなく、その吐口の背面にできる空間の形状や、吐口の背面にできる砕石空間がどの様な状況になるかに関わってくるのである。
【0013】
この様な問題から、左右のコンクリートブロックの隙間を調整するだけでは、細粒を州出させることなく余水を流出させるのには不十分である。
【0014】
また吸出防止材を用いれば細粒流出の問題か解決するものの、コンクリートブロックを積み上げる都度に吸出防止材を用いるのは面倒である。吸出防止材の耐久性が問題となる場合もあり、破損などすれば細粒が流出してしまう。
【0015】
本願発明は以上の課題に対して成されたものであり、コンクリートブロックによる擁壁の背面に砕石層が設けられている場合に、砕石層に滞留する余水の水抜きが良好になされ、その際には砕石層中の細粒の流出が防止される連結ブロックを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
以上の課題を解決するため、本願請求項1記載の連結ブロックの発明は、擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックである。即ち、隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙が前記側面同士で形成され、ブロック正面を立てた際の、前記第一の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする。
【0017】
請求項2記載の発明は、擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設してある。そして、前記連結ブロックを上下左右に積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成されて、ブロック正面を立てた際の前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする。
【0018】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載された第一の間隙と、請求項2に記載された第二の間隙を有することを特徴としている。
【0019】
請求項4記載の発明は、請求項1〜3のいずれか記載の連結ブロックであって、この連結ブロックの両端のコンクリートブロックの背面に控えが設けられ、この控えは連結ブロックが上下に積み上げられることにより前記控えも上下に積み上げられる時に、上下の控えが相互に係止して前後方向へのズレ止めとなる係止部、を有することを特徴とする。
【0020】
請求項5記載の発明は、請求項1、3、4のいずれかに記載の連結ブロックであって、第一の隙間を吸口を形成するコンクリートブロックの両端部は、これら両端部の背面が布状の吸出防止材を架け渡して貼着するための略面一な貼着面に形成されたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0021】
以上の手段により、本願請求項1〜3の記載の発明では、積み上げた連結ブロックの背面側に砕石を入れて突き固めると、第一及び第二の間隙には砕石が入るのであるが、この時、吸口幅〜吐口幅程度の粒径の砕石が詰まってゆくのである。また施工後にも、雨水などにより流され、すでに詰まっている砕石の隙間などに、より粒径の小さい砕石が入り込んで、順次、詰まってゆく。吸口から吐口まではある程度の長さになっているので、第一及び第二の間隙に詰まった砕石により濾過層ができ、余水は流出するが、砕石層中の細粒は流出させないようにする事ができるのである。この様な効果の得られる理由は、次の様な理由と考えられる。
【0022】
即ち、吸口幅と吐口幅は、第一及び第二の間隙の吸口付近と吐口付近とに詰まる砕石の、それぞれの最大粒径を規定している。またこれら間隙に詰まる砕石の大小は、砕石と砕石との間にできる空間(砕石空間)の大小を規定する。従って、第一及び第二の間隙の吸口及び吐口の幅は、最終的には、これら第一及び第二の間隙にできる砕石空間の大きさを間接的に規定していることになる。
【0023】
そしてこの砕石空間には、より小さい砕石が詰まり、砕石空間が更に小さくなり、この小さくなった砕石空間に、更に小さい砕石が詰まるという状態になる。この様にして、吸口及び吐口により規定される最大粒径の砕石から、順次、小さい砕石が詰まってゆき、砕石空間が最終的には、細粒の流出が困難な程度の小さな空間になる。そしてこのような、細粒の流出の困難な程度の小さな空間が、吸口から吐口までの長さ(吸口幅の数倍の長さ)だけ続くため、本願が課題としている、砕石層中の細粒の流出の防止となるような濾過が、可能になるものと考えられる。
【0024】
ただ最大粒径がどの様な大きさでも、上述の様な濾過層の形成が可能になるのではない。つまり、第一及び第二の間隙の吸口幅がより大きくなり、この間隙に詰まる砕石も大きくなると、砕石空間も大きくなるのであるが、この砕石空間が大き過ぎると、上述したように順次、小さい砕石が詰まっていって、濾過に必要な小さな砕石空間が得られるという現象が十分には生じないのである。このように第一及び第二の間隙に入る砕石の最大粒径は、ある程度小さくないと上述した様な現象がえられず、大きな砕石空間が残ってしまって細粒が流出してしまうのであり、つまり濾過層ができないのである。
【0025】
つまり砕石による濾過層が、第一及び第二の間隙の中に形成されるかどうかということは、吸口幅の選択と、吸口から吐口までの長さによるのである。また吸口幅にどの様な幅を選択すればいいか、即ち第一及び第二の間隙に詰まる砕石の最大粒径がどの程度であれば濾過層が得られるかは、背面の砕石層に用いられる砕石によってまちまちなので、各擁壁の施工現場に用いられる砕石ごとに、適切な大きさの最大粒径、即ち適切な吸口幅を選択することとなるが、本請求項はこれらを規定したものである。
【0026】
さらに説明すれば以下の様になる。即ち吸口幅を選択することは、間接的に吐口幅をも選択することとなる。即ち、吸口幅が8〜12mmと狭く、かつ吸口から吐口までの断面形状が先細りのテーパー状に形成されているので、吐口幅はより狭くなっている。しかし、余水の流出のためにはある程度の広さが吐口にも必要であり、その為、吐口幅と吸口幅とは比較的近接した幅になるのである。これは、吸口付近と吐口付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が近接することを意味する。
【0027】
またこのように、吸口付近と吐口付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が近接しているということは、吸口から吐口に亘って形成される砕石空間も比較的近接していることを意味し、結局は、その様な比較的同じ小ささの砕石空間が、吐口から離れた吸口まで続いていることを意味している。そしてその吸口から吐口までの長さは、30mm以上と吸口幅よりも長く形成されており、よって吸口から細粒が流れ込んでも、その細粒が吐口に届くまでにはいくつもの小さな砕石空間を通過しないければならない。しかしその通過して吐口から流出する途中で詰まってしまうのである。つまりこれは、第一及び第二の間隙に詰まる砕石が、余水は流出するが砕石層中の細粒は流出させない濾過層を成しているからである。
【0028】
請求項4記載の発明によれば、次の様な効果が得られる。即ち、連結ブロックの両端のコンクリートブロックには背面には控えが設けられている。一般に控えは、連結ブロックが上下に積み上げられることにより控えも上下に積み上げられ、これにより連結ブロックの姿勢が予定通りに保持されるのである。また背面の控えは、連結ブロックの表面側(前側)へ押し出される土圧に対する重しになってもいる。
更には、上下の控えが相互に係止して前後方向へのズレ止めとなる係止部おり、これにより両端のブロックが擁壁背面からの土圧によっても押し出されるなどの動きが抑えられる。この様に両端のコンクリートブロックは動かないので第一の間隙も第二の隙間も変形することなく、その間隙形状が維持される。つまり、両端のコンクリートブロックのその両端に第一の間隙と第二の間隙が形成されているが、そのコンクリートブロックが動けばこれら間隙の間隔や形状も変形してしまい、良好な濾過効果で維持できないが、本請求項では、控えによりその様なことが避けられる。
また、両端のコンクリートブロックが控えにより押し出されるなどとないので、これら中央の控えのないコンクリートブロックは、これら両側のブロックに支持されて、安定する。
【0029】
請求項5記載の発明によると、第一の隙間の吸口に吸出防止材の貼着が容易になるので、仮に、現場の砕石と、搬入する連結ブロックの第一の間隙との相性に問題があり、砕石による濾過層の形成が困難な場合でも、臨時の対処としての、吸出防止材の貼着が容易に行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に本願発明の連結ブロックの実施例を、図をもって説明する。
図1に示す連結ブロック10は、図2に示すように、3つの四角いコンクリートブロック(以下、単に「ブロック」ともいう。)20、40を横に並べ、これらを左右に貫くように埋設された2本の鉄筋11により、僅かに離間された状態で連結されている。これら3つのブロック20、40は、正面形状がほぼ同じ四角形を成しているが、左右両端のコンクリートブロック20(以下、「サイドブロック20」ともいう)は、背面に控え21が設けられ、中央のコンクリートブロック40(以下、「中央ブロック40」ともいう)は、板状に形成されて控えは設けられていない。またこの控え21は、連結ブロック10の両端から、連結ブロックの横方向長さLの1/4内方に控えの中心が位置するようにも設けられている。そのため、互い違いの布積にすると、例えば上のブロックの右の控え21aは、下のブロックの左の控え21bの上に載置されることとなり、つまり控え21は、一番下のブロックの控えから、一番上のブロックの控えまで、縦に連なるように上乗せされてゆくのである。その際、この控えは図3のサイドブロック20の断面図に示す様に、上方に凸部22が下方に凹部23が設けられており、上下に重ねたときに、上下の控えは凹部23に凸部22が係止して(後述の図8参照)、前後方向(ブロックの表裏方向)へのズレ止めになっており、これが例えば土圧に対するズレ止めになっている。
【0031】
中央ブロック40は、厚さDa(図1)が約80mmであり、裏面側の45mm厚部分が平板部分41を成し、表面側の約35mm厚部分が表面を石に見立てて成形された疑石部分42を成している。
【0032】
また両端のサイドブロック20は、控え21が中央ブロック40側に偏在して設けられており、図4に示すように、控え21から中央ブロック40寄りの部分は、中央ブロック40と同様に、45mm厚部分の平板部分24と約35mm厚部分の疑石部分25とに形成されている。
【0033】
よって中央ブロック40とサイドブロック20との連結箇所(図4参照)となる端部同士は、それらの裏面43、26が略面一な面に形成されて、後述する吸口60の開口をなしている。
【0034】
(第一の間隙):図4の鉄筋を省略して拡大した図5に示す様に、連結部分の対面しあう側面(27,44)同士は、平板部分24、41と疑石部分25、42との境界線を稜線28、45として、この稜線28、45からブロック20、40の表裏に向けて緩く傾斜した側面になっている。要するに、中央ブロック40とサイドブロック20と間の空間は、前述した稜線28、45の部分をボトルネックとして、表裏に緩く開いた空間を成している。そして稜線28、45から裏面側の空間(ボトルネックから後ろの空間)が、第一の間隙61を成しているのである。
【0035】
この第一の間隙61は、擁壁の背面の余水を擁壁の表面側に水抜きするためのものであり、第一の間隙61の背面側の開口が余水を吸い込む吸口60をなし、前述のボトルネックをなす稜線45、28の部分がその吐口62をなしている。そしてブロック正面を垂直に立てた際の、第一の間隙の水平断面の断面形状は、図5に示すように、吸口60から吐口62までの細長い形状で、且つ吐口62が吸口60よりも狭いテーパー状に形成されている。具体的には、吸口幅Waが10mm、吐口幅Wbが5mm、吸口60から吐口62までの長さLaが45mmである。
【0036】
この形状であると、吸口60を通過して第一の間隙61に入り、ここに詰まる砕石の最大粒径が、吸口幅Waの10mm以下に規制される。そして5mmを超える砕石は吐口62までに詰まるので、結局、吸口60付近と吐口62付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が10mmと5mmとになる。後述するように、砕石層には、一般にJIS A5001のC−40規格である0〜40mmの砕石が用いられるので、この粒径範囲と比較すると、上述の10mm〜5mmの砕石は、近接した粒径なのである。そしてこの粒径範囲で、吸口60から吐口62に至るまでの各位置の最大粒径が定まり、それら最大粒径以下の様々な大きさの砕石が詰まることとなる。
【0037】
(第二の間隙):サイドブロック20は等厚ではなく、図1(a)に示す様に、端部28から控え21に向けて厚みDbを増す様に形成されており、控え21から端部28までへの支えの為の強度を出している。この端部28付近は、図1(a)の破線円Kを拡大した図6に示す様に、40mm厚の裏面部分29と、表面側の約35mm厚の疑石部分25を成している。そして裏面部分29の側面30は、表面側から裏面側にかけて、控え側に2.5mm傾斜している。疑石部分25は、裏面部分29の端辺より4mm後退した位置から盛り上げて成形させてある。
【0038】
また裏面部分29の側面には、背面側から表面側に通る水抜き溝31が、深さEが3.2mmで凹設してあり、この側面の水抜き溝31が、図1の(d)と(e)とに示す様に、連結ブロックの右側サイドブロック20Rには3つ、左側サイドブロック20Lには2つが設けられている。その際、これら3つと2つとの各水抜き溝31は、図7に示す様に、連結ブロック同士を左右に隣接させたときには、互い違いとなって重ならないように配置されている。
(使用方法);次に、本願発明の連結ブロック10の使用方法を説明する。
【0039】
以上の連結ブロック10は、布積にて図8に示すように積み上げるのである。つまり、基礎コンクリート100を打ち、連結ブロック10を積み上げながら、この積み上げ作業と平行して背面に裏込めの砕石200を入れ、打ち固めてゆくのである。基礎コンクリート100を用いずに、単に砂利を敷いて打ち固めた基礎底面の場合もある。
【0040】
積み上げるときには、図7に示したように、左右に隣接する連結ブロック10の側面30同士が当接する。詳しくは図7のC−C断面を示す図9のように、側面30の表面側の辺32が互いに当接し、背面側は2.5mm内側に傾斜しているので、左右双方の側面の傾斜が合わさり、側面の背面側は、計5mmと開いている(図9の符号F)。
【0041】
またこのとき、側面30に設けられた水抜き溝31は、図7に示したように互い違いになっているので、図7のB―B断面を示した図10の水抜き溝31のように、この水抜き溝31と相手方の側面30とにより、第二の間隙71が形成される。従ってこの第二の間隙71は、吸口70の吸口幅Wxが8.2mm(=5(F)+3.2(E))、吐口72の吐口幅Wyが3.2mm、吸口70から吐口72までの第二の間隙の長さLxが約40mmである。ただ積み上げ作業の時には、連結ブロック10をクレーンで吊りながら積み上げるのであるが、左右の連結ブロック10が完全にくっついた状態で積み上げられるわけではなく、多少の隙間はできるので、吸口幅Wxと吐口幅Wyは、実際にはもう少し広くなるのである。
【0042】
この様にして連結ブロック10を積み上げながら、この積み上げと平行して、図8に示したように、背面に裏込めの砕石200を入れてゆくのである。この砕石200には、一般にC−40規格の砕石を用いるが、RC−40(コンクリートを破砕したリサイクルの砕石。粒径はC−40と同じ0〜40mm。)を用いることもある。積み上げと砕石の投入とを順次に行い、砕石はその都度突き固めるのである。この過程で、第一の間隙61及び第二の間隙71には小小さめの砕石が入るのであり、吸口(60,70)付近と吐口(62,72)付近とに詰まる砕石のそれぞれの最大粒径が8.2mmと3.2mmとになる。実際には左右の連結ブロック10が多少は離れているので、もう少しづつ大きな粒径が、間隙につまる砕石の最大粒径になる。
【0043】
また第一の間隙61には、吸口60付近では10mm弱の粒径の砕石が入り、吐口62付近では5mm弱の粒径の砕石が入るのである。
【0044】
そして、第一の間隙61及び第二の間隙71のいずれも、最大粒径に近い砕石により砕石空間ができるが、この砕石空間に更に小さい砕石が入るのである。また、後日の雨天時などには、余水が第一及び第二の間隙(の砕石空間)から流出するが、その際には、更に小さい細粒もこれら砕石空間に流れ込む。その際、多少の細粒は吐口(62,72)から流出するが、多くの細粒は途中で砕石空間に引っかかって止まり、これによりより更に砕石空間が小さくなって、最終的には、余水は流出するが砕石層中の細粒は流出させない濾過層を形成することができるのである。
【0045】
なお、上記実施例では、第一及び第二の間隙の吸口から吐口までの長さは30mm以上との条件に従っているが、「30mm以上」との範囲に対して上限を定めてもよく、例えば60mm(つまり30〜60mmの範囲)、或いは80mm、100mm、120mmなどの上限を決めてもよい。また下限は30mm以上であるが、砕石など現場の事情によっては、これを35mm(つまり35mm以上)、或いは40mm、45mmなどに定めもよい。またこれら下限値と上限値を組み合わせたものでもよい。
【0046】
本願発明では吸口幅を8〜12mmの範囲に定めているが、砕石など現場の事情によっては、この下限値が9mm(つまり9〜12mmの範囲)、或いは10mmでもよく、また本願発明の範囲ではなくなるが7mm、6mmでもよい。またこの吸口幅の上限は10mm(つまり8〜10mmの範囲)、或いは11mmでもよく、本願発明の範囲ではなくなるが13mm、14mm、15mmでもよい。またこれら下限値と上限値を組み合わせたものでもよい。
【0047】
また本願発明は上記実施例に限定されるものではなく、どの様に実施されてもよい。連結ブロックは、実施例の様に3つのブロックの連結に限らず、何個の連結でもよい。中央ブロックも1つに限らす2つでもよく、例えば中央ブロック2つと、これを挟むサイドブロック2つの計4ブロックにより連結ブロックでもよい。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】この図は、実施例の連結ブロックの図であり、(a)が平面図、(b)が正面図、(c)が背面図、(d)が右側面図、(e)が左側面図である。
【図2】この図は、鉄筋で連結した様子の説明図である。
【図3】この図は、A−A断面図である。
【図4】この図は、第一の間隙の説明図である。
【図5】この図は、図4を鉄筋を省略して拡大した図である。
【図6】この図は、サイドブロックの端部の図である。
【図7】この図は、連結ブロック同士の合わせ目の図である。
【図8】この図は、連結ブロックを積み上げた様子の図である。
【図9】この図は、第二の間隙の説明図であり図7のC−C端面の図である。
【図10】この図は、第二の間隙の説明図であり図7のB−B端面の図である。
【図11】この図は、従来の連結ブロックの図である。
【図12】この図は、従来の連結ブロックの図である。
【図13】この図は、ブロック間の隙間の後方空間がV字状である場合の説明図である。
【符号の説明】
【0049】
10 連結ブロック
11 鉄筋
20 サイドブロック
21 控え
31 水抜き溝
40 中央ブロック
60 第一の間隙の吸口
61 第一の間隙
62 第一の吐口
70 第二の間隙の吸口
71 第二の間隙
72 第二の吐口
【特許請求の範囲】
【請求項1】
擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、
隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙が前記側面同士で形成され、
ブロック正面を立てた際の前記第一の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、
吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする連結ブロック。
【請求項2】
擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設してあり、
前記連結ブロックを上下左右に積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成されて、
ブロック正面を立てた際の前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、
吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする連結ブロック。
【請求項3】
擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、
隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙が前記側面同士で形成されると共に、
連結ブロックの左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設されて、前記連結ブロックを積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成され、
ブロック正面を立てた際の前記第一の間隙及び前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、
吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする連結ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の連結ブロックであって、この連結ブロックの両端のコンクリートブロックの背面に控えが設けられ、
この控えは連結ブロックが上下に積み上げられることにより前記控えも上下に積み上げられる時に、上下の控えが相互に係止して前後方向へのズレ止めとなる係止部、を有することを特徴とする連結ブロック。
【請求項5】
第一の隙間を吸口を形成するコンクリートブロックの両端部は、これら両端部の背面が布状の吸出防止材を架け渡して貼着するための略面一な貼着面に形成されたことを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の連結ブロック。
【請求項1】
擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、
隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙が前記側面同士で形成され、
ブロック正面を立てた際の前記第一の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、
吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする連結ブロック。
【請求項2】
擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設してあり、
前記連結ブロックを上下左右に積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成されて、
ブロック正面を立てた際の前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、
吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする連結ブロック。
【請求項3】
擁壁の背面に砕石層を設けた擁壁を構成するための、コンクリートブロック同士を連結した連結ブロックであって、
隣接する前記コンクリートブロックの側面同士を離間させて連結することにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第一の間隙が前記側面同士で形成されると共に、
連結ブロックの左右の側面には背面側から表面側に連通する連通溝が凹設されて、前記連結ブロックを積み上げた際の、左右に隣接する連結ブロックの一方に形成されている前記連通溝と、この連接溝と対面する他方の連結ブロックの側面とにより、擁壁背面の余水を擁壁面側に排水する第二の間隙が形成され、
ブロック正面を立てた際の前記第一の間隙及び前記第二の間隙の水平断面の断面形状は、吸口より吐口が狭いテーパー状に形成され、
吸口幅が8〜12mm、吸口から吐口までの長さが30mm以上に形成されたことを特徴とする連結ブロック。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか記載の連結ブロックであって、この連結ブロックの両端のコンクリートブロックの背面に控えが設けられ、
この控えは連結ブロックが上下に積み上げられることにより前記控えも上下に積み上げられる時に、上下の控えが相互に係止して前後方向へのズレ止めとなる係止部、を有することを特徴とする連結ブロック。
【請求項5】
第一の隙間を吸口を形成するコンクリートブロックの両端部は、これら両端部の背面が布状の吸出防止材を架け渡して貼着するための略面一な貼着面に形成されたことを特徴とする請求項1、3、4のいずれかに記載の連結ブロック。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2009−144358(P2009−144358A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−320633(P2007−320633)
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(591043950)揖斐川工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月12日(2007.12.12)
【出願人】(591043950)揖斐川工業株式会社 (12)
【Fターム(参考)】
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