説明

連結部材及びこれを用いた軟弱地盤改良装置

【課題】現場作業の工数を減らすとともに漏気の危険もない連結部材を提供する。
【解決手段】地表から地中にかけて埋設されることにより地中の水分を地上へ導水するドレーン3が接続される複数の接続部20と、接続部20を介してドレーン3より導水された地中の水分を集水する集水部21と、先端が集水管4と接続され集水部21に集水された水分を集水管4へ導水する導水管22とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、地盤を軟弱化させている地盤中に含まれる水分等を排出し、軟弱地盤を改良するために用いられるドレーン装置の連結部材及びこの連結部材を用いた軟弱地盤改良装置に関する。
【背景技術】
【0002】
軟弱地盤中の水分や空気を排出することにより軟弱地盤を硬質地盤に改良する軟弱地盤の改良方法としては、軟弱地盤内に複数の鉛直ドレーンを打設するとともに、打設領域上を密封シートで覆い、真空ポンプで減圧することにより当該打設領域を大気圧にて押圧し、排水を促す大気圧工法が知られている。
【0003】
また、近年では、軟弱地盤の改良方法として、上端部より一定の長さ分だけ外周面からの透水を遮断する不透水部を設け、不透水部の下側を地盤中の水分が浸透する透水部とする鉛直ドレーンを用いた工法も提案されている。かかる鉛直ドレーンは、不透水部が所定深さに埋設されるとともに、上端が地表に臨まされ、集水管と連結された気密性のキャップが嵌合される。そして、集水管内を真空ポンプにて減圧することにより、密封シートを用いることなく排水を促す。
【0004】
このように、鉛直ドレーンは、鉛直ドレーンの上端に気密性キャップを取り付け、この気密性キャップを介して集水管と接続されている。気密性キャップは、一端に鉛直ドレーンの上端が挿入可能な大きさの開口部を有し、鉛直ドレーンの上端が挿入されると開口部をテープや接着剤等により封止することにより鉛直ドレーンと接続されている。
【0005】
また、気密性キャップは、他端に鉛直ドレーンが集水した地中の水分を集水管へ導水するホースが設けられ、ホース先端が施工現場に設置された集水管に接続されることにより、鉛直ドレーンが集水した地中の水分を集水管に導水する。
【0006】
気密性キャップと鉛直ドレーンとは、現場作業の工数削減の見地から、予め鉛直ドレーンの製造時に所定間隔毎に接続され、運搬等の都合からロール状に巻回されている。このように、気密性キャップが所定間隔毎に介在する鉛直ドレーンは、ロール状に巻回することが困難であり、また、施工現場における送り出しもスムーズに行うことができない場合があるなどの問題も生じ得る。
【0007】
また、気密性キャップのホースと集水管とを接続することから、鉛直ドレーンの数だけ集水管との接続作業が必要となり、現場での作業工数が増大するとともに、気密性キャップと集水管との接続箇所の数だけ漏気の危険があり、漏気の確認作業も繁雑となっていた。
【0008】
さらに、鉛直ドレーンの打設位置に応じて集水管を設置する必要があり、施工現場の土地形状に応じた集水管の設置の自由度がなく、効率化も図りにくい。例えば、狭小地が突出している施工現場において、当該狭小地に鉛直ドレーンを打設した場合、鉛直ドレーンが吸い上げた地中の水分を集水する集水管を当該鉛直ドレーンの近傍に設置する必要がある。かかる集水管は、施工現場の広大な領域に打設されている鉛直ドレーンとも接続可能な配置をとれるとは限らず、当該狭小地の地中の水分を集水するためだけに設置されるなど、非効率となる場合があった。
【特許文献1】特開2006−241872号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
そこで、本発明は、現場作業の工数を減らし、効率化を図ることができ、また漏気の危険もない連結部材及び、この連結部材を用いた軟弱地盤改良装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上述した課題を解決するために、本発明に係る連結部材は、地表から地中にかけて埋設されることにより地中の水分を地上へ導水するドレーンが接続される複数の接続部と、上記接続部を介して上記ドレーンより導水された地中の水分を集水する集水部と、先端が集水管と接続され上記集水部に集水された水分を上記集水管へ導水する導水管とを備えるものである。
【0011】
また、本発明に係る軟弱地盤改良装置は、地表から地中にかけて埋設されることにより地中の水分を地上へ導水するドレーンと、上記ドレーンから集水された地中の水分を集水する集水管と、上記ドレーンと上記集水管とを連結する連結部材と、上記集水管と連結され、上記ドレーン内を減圧する減圧手段とを備え、上記連結部材は、上記ドレーンが接続される複数の接続部と、上記接続部を介してドレーンより導水された地中の水分を集水する集水部と、先端が上記集水管と接続され上記集水部に集水された水分を上記集水管へ導水する導水管とを備えるものである。
【0012】
ここで、連結部材に接続されるドレーンには、地表に臨まされる先端部が不透水性の材料によって覆われた不透気部が形成されたものと、この不透気部が形成されていないものとが含まれる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、各ドレーンと集水管とを直接接続することなく、複数のドレーンと接続された連結部材を介して集水管と接続するため、集水管をドレーンの埋設位置にかかわらず最適な位置に設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明が適用された連結部材及び、軟弱地盤改良装置について、図面を参照しながら詳細に説明する。本発明が適用された軟弱地盤改良装置1は、図1に示すように、軟弱地盤2の地中に含まれる水分を吸い上げることにより圧密沈下を促進し、改良するものであり、軟弱地盤中に打設されるドレーン3と、ドレーン3から集水された地中の水分を集水する集水管4と、ドレーン3と集水管4とを連結する連結部材5と、集水管4と連結され、ドレーン3内部を減圧する減圧手段となる真空ポンプ8とを備える。
【0015】
そして、軟弱地盤改良装置1は、軟弱地盤2中に所定間隔でドレーン3を打設し、地表面に臨まされたドレーン3の先端と連結部材5とを連結するとともに連結部材5と集水管4とを接続する。連結部材5には導水管22が設けられ、導水管22と連結されたサクションホース6が集水管4に接続される。その後、集水管4内及びドレーン3内部が減圧されることにより、ドレーン3を介して地中の水分が吸い上げられ、集水管から排出される。
【0016】
ドレーン3は、図2に示すように、軟弱地盤2中の水分が通水するドレーン管12と、ドレーン管12の端部に設けられる不透気部13とを備える。ドレーン管12は、軟弱地盤2内の水分の通水路となる芯材10と、芯材10の周囲に設けられ軟弱地盤2内の水分が透過するフィルタ11とを有する。芯材10は、長尺体の両面に長手方向に亘る隔壁が幅方向に複数立設されることにより、長手方向に軟弱地盤2内の水分の通水路となる溝10aが複数形成されている。この芯材10は、運搬等の利便性を考慮してある程度の可撓性を有するとともに、軟弱地盤2への打設後においても十分な通水路を確保するための形状保持性を有する材料、例えば塩化ビニル、ポリエチレン、その他の樹脂材料を用いて形成される。また、芯材10は、例えば生分解性の樹脂材料で形成することにより、軟弱地盤2中に残置した場合にも環境負荷を低減させることができる。
【0017】
芯材10の周囲を覆うフィルタ11は、透水性を有する材料、例えばポリエステル製の不織布から形成されている。フィルタ11は、長尺状に形成されるとともに、芯材10の周囲に巻回され、熱溶着等によって接着されることにより芯材10の周囲を覆うようにしてもよい。
【0018】
また、ドレーン3は、ドレーン管12の地表から地下数十〜数百cmに至る先端部に、不透水性の材料によって覆われることにより、不透気部13が形成されている。不透気部13は、図3に示すように、塩化ビニルなどの不透水性の材料を用いてドレーン3を覆うことができる大きさの環状体14が形成され、ドレーン3の先端部を挿通させることにより形成される。なお、環状体14とドレーン3の先端部とは、ホッチキスやテープ等で固定される。
【0019】
また、不透気部13は、図4に示すように、不透水性の材料を用いてドレーン3を覆うことができる大きさの長尺体15をドレーン3の先端部に巻回するとともに、熱溶着等によって長尺体15の端部を接着することにより形成するようにしてもよい。
【0020】
軟弱地盤改良装置1は、ドレーン3の地表から地下数十〜数百cmに至る箇所が不透水性材料によって覆われることにより、軟弱地盤2を密封するシートで覆うことなく、軟弱地盤2を真空圧密による地盤改良工事を行うことができる。
【0021】
ドレーン3は、予め製造工場において、芯材10をフィルタ11及び不透水性材料で所定間隔ごとに覆うことにより製造されるとともに、ロール状に巻回された後、施工現場となる軟弱地盤2に搬入され、通常の鉛直ドレーン打設と同様の手順で、軟弱地盤2に所定間隔で打設される。次いで、ドレーン3は、地表に臨まされている先端部が連結部材5の接続部20に接続される。連結部材5の接続部20との接続は、ドレーン3の先端部を矩形開口部からなる接続部20内に挿通するとともに接続部20の周囲をテープで巻く等により行う。これにより、ドレーン3は、連結部材5を介して集水管4と連結され、減圧手段により内部が減圧されるとともに、軟弱地盤2中の水分を吸引し、集水管4に流すことができる。
【0022】
ドレーン3内を流れる水分を集める集水管4は、軟弱地盤2上に所定間隔で設置される。集水管4は、外周部に後述する連結部材5と連結されたサクションホース6の先端が取り付けられる。一本の集水管4には、複数の連結部材5を介してさらに複数のドレーン3と連結され、各ドレーン3から吸引された軟弱地盤2中の水分が集水される。また、複数の集水管4は、排水管7に接続され、集められた水分は排水管7を通じて軟弱地盤2外へ排水される。
【0023】
集水管4は、施行現場となる軟弱地盤2に搬入され、所定位置に設置されると、連結部材5と連結されたサクションホース6が取り付けられる。サクションホース6との取り付けは、集水管4の外周部に形成され取付孔を備えた取付部に、サクションホース6が挿通され、周囲をテープで巻く等により行う。
【0024】
また、集水管4は、排水管7に取り付けられた真空ポンプ8等の減圧手段によって管内が減圧され、これによりドレーン3内に軟弱地盤2の地中にある水分を吸引させる。
【0025】
次いで、ドレーン3と集水管4とを連結する連結部材5について説明する。連結部材5は、図5に示すように、ドレーン3が接続される複数の接続部20と、接続部20を介して導水された水分を集水する集水部21と、集水部21に集まった水分を集水管4へ導水する導水管22とを有する。
【0026】
接続部20は、地表に臨まされているドレーン3の先端部が接続される箇所であり、ドレーン3の先端部が挿入される開口部23が形成されている。開口部23は、ドレーン3の形状に応じて例えば矩形状に形成されている。また、開口部23は集水部21に連続され、ドレーン3から流入した水分は集水部21へ集められる。接続部20は、一つの連結部材5につき、例えば4箇所設けられ、開口部23が四方に臨まされている。
【0027】
各接続部20の内部には、挿入されるドレーン3の先端部が当接し、ドレーン3の挿入位置を決める位置決めピン24が立設されている。位置決めピン24は、接続部20と集水部21との間に立設され、開口部23より挿入されたドレーン3の芯材10の先端が当接される。これにより、位置決めピン24は、芯材10の集水部21への進入を防止することができる。また、位置決めピン24は、連結部材5の上下面間に亘って立設されることにより、連結部材5の上下方向に亘る荷重に対する補強部材となる。
【0028】
接続部20は、開口部23にドレーン3の先端が挿入され、芯材10が位置決めピン24に当接されるまで差し込まれると、開口部23の外周をテープ等によって巻回されることにより、固定される。ドレーン3の先端部は不透気部とされているため、開口部23にテープ等で巻回されることにより、ドレーン3及び連結部材5は密閉される。
【0029】
集水部21は、接続部20に固定されたドレーン3から導水された水分を集める箇所であり、連結部材5の中央に設けられ、複数の接続部20と連続されている。集水部21は、導水管22と連続されており、集められた水分は、導水管22に流出する。
【0030】
導水管22は、集水部21から連結部材5の外方に導出され、先端にサクションホース6が連結されるとともに、サクションホース6を介して集水管4に接続される。導水管22は、先端がサクションホース6を挿通可能な形状及び大きさを有し、サクションホース6が挿通されるとともに先端部がテープ等で巻回されることによりサクションホース6と連結される。導水管22は、1つの連結部材5に1又は複数形成される。導水管22が複数形成された場合には、サクションホース6を介して複数の連結部材5を連結することができる。サクションホース6は、可撓性を有するホースであり、一端を連結部材5の導水管22に連結され、他端を集水管4の取付部に取り付けられる。
【0031】
かかる連結部材5は、接続部20、集水部21及び導水管22が、略同一平面上に設けられ、全体として扁平状に形成されている。したがって、図6に示すように、連結部材5は、各接続部20にドレーン3の先端部が接続されるとともに、導水部22にサクションホース6が連結された状態で、軟弱地盤2上に盛土9を行う盛土併用工法にも対応することができる。
【0032】
また、連結部材5は、ポリ塩化ビニル等の合成樹脂を用いて、接続部20、集水部21及び導水管22が、一体に形成され、接続箇所がない。したがって、連結部材5は、漏気の危険が無く、また漏気の検査に要する作業が不要となり、作業効率が向上される。
【0033】
次いで、この連結部材5を用いた軟弱地盤改良装置1の設置例について説明する。ドレーン3は、予め工場において、ドレーン管12に不透水性材料で覆われた不透気部13を所定の間隔ごとに形成し、この不透気部13が所定間隔毎に形成されたドレーン管12をリールに巻きとった状態で施工現場に搬入される。そして、軟弱地盤改良装置1は、公知の打ち込み装置を用いて施工現場となる軟弱地盤2にドレーン3を所定間隔毎に鉛直に打設する。打設後は、軟弱地盤2に形成した打設用の孔を埋め戻す。このとき、ドレーン3は、先端の不透気部13が地表から地下数十〜数百cmに至る箇所に埋設され、不透気部13が形成された先端部が地表に突出され、連結部材5の接続部20に接続可能とされている。
【0034】
次いで、4箇所に打設されたドレーン3の略中心位置に連結部材5を設置し、連結部材5の接続部20に各ドレーン3の先端部を接続するとともに、連結部材5の導水管22にサクションホース6を連結する。このように、4つのドレーン3と1つの連結部材5が接続されたユニット30を形成し、複数のユニット30間に集水管4を設置する。そして、複数のユニット30から延設されたサクションホース6を集水管4の取付部に取り付けていく。
【0035】
複数ユニット30とサクションホース6を介して連結された集水管4は、他の集水管4とともに排水管7に接続される。また、排水管7には真空ポンプ8が取り付けられる。そして、真空ポンプ8が起動されると、集水管4及び連結部材5を介してドレーン3の内部が減圧され、軟弱地盤2の地中の水分が透気部を介してドレーン3内に吸引される。ドレーン3に吸引された水分は、連結部材5の集水部21に集水され、導水管22に導水され、サクションホース6を介して集水管4に流れ、排水管7より排水される。
【0036】
なお、工場等で連結部材5の導水管22に予めサクションホース6を連結して一体化しておくと、現場での作業が減り、効率がよい。
【0037】
このような軟弱地盤改良装置1によれば、各ドレーン3と集水管4とを直接接続することなく、複数のドレーン3と接続された連結部材5を介して集水管4と接続しているため、集水管4をドレーン3の埋設位置にかかわらず最適な位置に設置することができる。すなわち、図1に示すように、集水管4が設置できる程度に広さを有しない狭小地31にドレーン3を埋設した場合でも、連結部材5及びサクションホース6を介して水分を導水することができるため、集水管4を、他のユニット30とも接続可能な箇所に設置させることができる。このように、軟弱地盤改良装置1は、軟弱地盤2の土地形状により無駄な集水管4を設置する必要が無く集水管の数を減らすことができ、また、集水管4を適当な箇所に設置することができる。
【0038】
また、軟弱地盤改良装置1は、ドレーン3と集水管4とが直接接続されず、連結部材5と連結されたサクションホース6が集水管4に接続されるため、ドレーン3の数に比して集水管4の接続箇所の数が少ない。したがって、集水管4の取付部への取付作業の工数を減らすことができるとともに、集水管4の取付部における漏気の危険や漏気検査の工数を減らし、作業効率を改善することができる。
【0039】
なお、各ドレーン3は、連結部材5の各接続部20と接続されるが、かかる工数は、従来と同様に必要となる。しかし、軟弱地盤改良装置1では、ドレーン3と集水管4とを直接接続するものではないため、ドレーン3の埋設位置にかかわらず、集水管4の設置位置を選択することができ、また、設置位置に制約のある集水管4に接続する場合に比して、設置の自由度が高い連結部材5の接続部20に接続するため、作業も効率よく行うことができる。
【0040】
さらに、軟弱地盤改良装置1は、ドレーンを集水管に直接接続するものではないため、集水管にドレーンとの接続部をドレーンの数だけ設け、ドレーンを接続しながら移動する作業が不要となる。すなわち、軟弱地盤改良装置1は、4つのドレーン3を1つの連結部材5に連結するため、4つドレーン3の接続作業を連結部材5が設置される一箇所で行うことができる。したがって、ドレーンを集水管に直接接続しながら移動していく作業に比して作業効率を向上させることができる。また、軟弱地盤改良装置1は、サクションホース6を集水管4に取り付けるが、取り付け箇所はドレーン3の数に比して少なくて済む。
【0041】
また、図1に示すように、軟弱地盤改良装置1は、ユニット30を、他のユニット30を介して集水管4に接続することもできる。すなわち、一方の連結部材5aは、複数の導水管22が形成されているため、各導水管22に取り付けられるサクションホース6の一方を他方の連結部材5bの導水管22に取り付け、他方のサクションホース6を集水管4の取付部に取り付けることもできる。一方のサクションホース6が取り付けられる連結部材5bは、当該サクションホース6が取り付けられない方の導水管22をテープやキャップ等で塞ぐ。このように、軟弱地盤改良装置1は、複数のユニット30を連結して集水管4に接続することで、地中の水分を吸引する必要のあるドレーン3の埋設箇所にかかわらず、集水管4の設置箇所を選択することができる。
【0042】
なお、軟弱地盤改良装置1は、連結部材5の接続部20の数は4箇所に限られず、2以上であればよく、また、ドレーン3が接続されない接続部20は、テープやキャップ等で閉塞され、気密とされる。
【0043】
また、軟弱地盤改良装置1は、ドレーン3の先端部を連結部材5の接続部20に直接接続させる他、ドレーン3の先端部に公知のキャップ部材を接続し、このキャップ部材を介して接続部20に接続してもよい。キャップ部材は、気密性を有し、一端に接続部20に接続されるホースが形成され、他端にドレーン3の先端部が嵌合する嵌合部が形成されている。キャップ部材は、予め工場で所定長さに切断されたドレーン3の先端部に嵌合され、キャップ部材付きのドレーン3がロール状に巻装されて搬入される。また、キャップ部材は、施工現場で所定長さに切断されたドレーン3の先端部に取り付けられる。
【0044】
かかるキャップ部材を介在させることにより、ドレーン3と接続部20との接続作業を容易かつ迅速に行うとともに気密性を確保することができる。
【0045】
また、本発明が適用された連結部材及び軟弱地盤改良装置は、上述したドレーン管12に不透気部13を設けたドレーン3のみならず、不透気部を設けないドレーンを用い、従来の軟弱地盤を密封シートで覆う大気圧工法に適用することもできる。この場合、不透気部13が設けられていないドレーン管12が軟弱地盤2中に打設され、連結部材5は、地表に臨まされているドレーン管12の先端と接続部20とが接続される。
【図面の簡単な説明】
【0046】
【図1】軟弱地盤改良装置の構成を示す平面図である。
【図2】ドレーンの構成を示す斜視図である。
【図3】不透気部が形成されるドレーンを示す斜視図である。
【図4】不透気部が形成されるドレーンを示す斜視図である。
【図5】連結部材を示す斜視図である。
【図6】盛土併用工法に適用された連結部材を示す断面図である。
【符号の説明】
【0047】
1 軟弱地盤改良装置、2 軟弱地盤、3 ドレーン、4 集水管、5 連結部材、6 サクションホース、7 排水管、8 真空ポンプ、10 芯材、11 フィルタ、12 ドレーン管、13 不透気部、20 接続部、21 集水部、22 導水管、23 開口部、24 位置決めピン、30 ユニット

【特許請求の範囲】
【請求項1】
地表から地中にかけて埋設されることにより地中の水分を地上へ導水するドレーンが接続される複数の接続部と、
上記接続部を介して上記ドレーンより導水された地中の水分を集水する集水部と、
先端が集水管と接続され上記集水部に集水された水分を上記集水管へ導水する導水管とを備える連結部材。
【請求項2】
上記各接続部、上記集水部及び上記導水管は略同一平面上に設けられ、略扁平状に形成された請求項1記載の連結部材。
【請求項3】
上記各接続部、上記集水部及び上記導水管は一体成型されている請求項1記載の連結部材。
【請求項4】
地表から地中にかけて埋設されることにより地中の水分を地上へ導水するドレーンと、
上記ドレーンから集水された地中の水分を集水する集水管と、
上記ドレーンと上記集水管とを連結する連結部材と、
上記集水管と連結され、上記ドレーン内を減圧する減圧手段とを備え、
上記連結部材は、
上記ドレーンが接続される複数の接続部と、
上記接続部を介してドレーンより導水された地中の水分を集水する集水部と、
先端が上記集水管と接続され上記集水部に集水された水分を上記集水管へ導水する導水管とを備える軟弱地盤改良装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−127055(P2010−127055A)
【公開日】平成22年6月10日(2010.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−306460(P2008−306460)
【出願日】平成20年12月1日(2008.12.1)
【出願人】(000219406)東亜建設工業株式会社 (177)
【出願人】(303056368)東急建設株式会社 (225)
【出願人】(390001993)みらい建設工業株式会社 (26)
【出願人】(000182030)若築建設株式会社 (39)
【出願人】(000109233)チカミミルテック株式会社 (19)
【出願人】(502080047)キャドテック株式会社 (10)
【Fターム(参考)】