説明

連続フィルム基材の貼合せ装置および連続フィルム基材の貼合せ方法

【課題】異種材料からなるフィルム基材同士をラミネート加工を用いることなく容易かつ確実に接着する。
【解決手段】連続フィルム基材の貼合せ装置10は第1フィルム基材1を供給する第1フィルム基材供給部1Aと、第2フィルム基材2を供給する第2フィルム基材供給部2Aと、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2を積層して挟持する一対の挟持ローラ6、7とを備えている。一対の挟持ローラ6、7の上流側に、第1フィルム基材1と第2フィルム基材2の内面に対して電子線を照射する第1電子線照射装置3と第2電子線照射装置4とが設けられている。一対の挟持ローラ6、7、第1電子線照射装置3および第2電子線照射装置4は、いずれもカバー15、11、12により囲まれ、内部が窒素雰囲気となっている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、連続フィルム基材の貼合せ装置および連続フィルム基材の貼合せ方法に係り、とりわけラミネート加工等を行わずに異種材料からなるフィルム同士を接着する連続フィルム基材の貼合せ装置および連続フィルム基材の貼合せ方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フィルム等を袋状に加工した包装体が使用されている。このような包装体は、充填される内容物に応じて所望される機能を発現させるために、使用するフィルムとして種々の材料を積層した多機能フィルム等が使用されている。例えば、内容物の紫外線等による劣化を抑止するために、紫外線吸収機能を有するフィルムを用いたり、また、内容物が酸素により変質してしまうのを防ぐために、ガス非透過性のフィルムや酸素吸収機能を有するフィルム等が用いられている。
【0003】
包装体は、一般的に長尺状のフィルムを加工することより行われているが、袋状に加工するには、フィルム同士を重ね合わせてその端部を接着することが行われている。フィルム同士を接着する方法としては、ラミネート樹脂(接着剤)を接着しようとするフィルムの端部に塗布してフィルム同士を押圧してシールしたり、フィルム同士を重ね合わせて、その端部に熱を加えて融着させるいわゆるヒートシール加工が行われるのが一般的である。
【0004】
ヒートシール加工は、フィルム同士を接着する際にラミネート樹脂等を用いないため、簡易かつ簡便にフィルム同士を接着することができる。しかしながら、ヒートシール加工は、フィルムを部分的に溶融ないし半溶融させて、互いのフィルムを融着させて接着する方法であるため、異種のフィルム同士、例えば、ポリオレフィン系フィルムとポリエステル系フィルムとをヒートシール加工により接着することができない。また、ヒートシール加工においては、比較的低温で融着可能な樹脂からなるフィルムを用いる必要があるため、最表面層にポリオレフィン系樹脂等のヒートシール性樹脂層を設けた多層フィルムが用いられていた(例えば、特開昭55−107428号公報等)。
【0005】
一方、ラミネート加工によりフィルム同士を接着する場合には、使用するフィルムの種類(樹脂の種類)に応じてラミネート樹脂の成分を適宜選択することが行われている。
【0006】
例えば、ポリエステル系フィルムとナイロン系フィルムとを接着することにより袋状に加工する際には、ウレタン系接着剤が使用されていた(例えば、特開昭52−82594号公報等)。
【0007】
しかしながら、異種材料からなるフィルム同士をラミネート樹脂を介して接着し包装体としたものは、ラミネート樹脂成分が徐々に包装体内に溶出または揮発し、内容物を変質させる場合があり、特に、安全性やクリーン性が重視される医療用分野においては、ラミネート樹脂による内容物の汚染が問題となることがあった。また、包装体の長期使用によりラミネート樹脂自体が劣化することもあり、特に屋外等で使用される外装用途においては、ラミネート加工した包装体の耐候性が問題となることもあった。また、接着剤を用いたラミネート技術においては、一般的に溶剤に希釈した樹脂成分を塗布することが行われるため、ラミネートして包装体等のような最終製品となった後にも溶剤が残留してしまうことがあった。
【0008】
ところで、放射線や電子線を用いて材料の表面改質を行うことが従来から行われている。例えば、特開2003−119293号公報(特許文献3)には、フッ素系樹脂に放射線を照射することにより架橋複合フッ素系樹脂が得られることが提案されている。また、Journal of Photopolymer Science and Technology Vol.19, No. 1 (2006), pp123-127(非特許文献1)には、ポリテトラフルオロエチレンフィルムとポリイミドフィルムとを積層させて高温下で電子線(以下、EBと略す場合もある)を照射することにより、互いを接着することが提案されている。また、Material Transactions Vol.50, No.7 (2009), pp1859-1863(非特許文献2)には、ポリカーボネート樹脂の表面をナイロンフィルムで覆い、その上から電子線(以下、EBと略す場合もある)を照射することにより、ポリカーボネート樹脂表面にナイロンフィルムを接着する技術が提案されている。さらに、日本金属学会誌第72巻第7号(2008)、pp526−531(非特許文献3)には、シリコーンゴム上に置いたナイロンフィルムの上からEBを照射することにより、互いを接着できることが記載されている。
【0009】
しかしながら、従来のいずれの技術においても、異なる材料からなる連続する一対のフィルム基材同士を精度良くかつ確実に接着する装置および方法は開発されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開昭55−107428号公報
【特許文献2】特開昭52−82594号公報
【特許文献3】特開2003−119293号公報
【非特許文献】
【0011】
【非特許文献1】Journal of Photopolymer Science and Technology Vol.19, No. 1 (2006), pp123-127
【非特許文献2】Material Transactions Vol.50, No. 7(2009), pp1859-1863
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明はこのような点を考慮してなされたものであり、異種材料からなるフィルム同士を互いに貼合せる装置および方法において、ラミネート樹脂を用いることなく強固に接着でき、異物や残留溶剤等が滲出することがなく耐候性にも優れた連続フィルム基材の貼合せ装置および連続フィルム基材の貼合せ方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、異種材料からなる連続した一対のフィルム基材同士を接着する連続フィルム基材の貼合せ装置において、第1フィルム基材を供給する第1フィルム基材供給部と、第2フィルム基材を供給する第2フィルム基材供給部と、第1フィルム基材供給部からの第1フィルム基材と、第2フィルム基材供給部からの第2フィルム基材とを積層して挟持する一対の挟持ローラとを備え、一対の挟持ローラの上流に、一対の挟持ローラに進入する直前の第1フィルム基材と第2フィルム基材のいずれかの内面に対してエネルギ線を照射するエネルギ線照射装置を設け、エネルギ線が照射された部分を介して一対の挟持ローラにより一対のフィルム基材同士を接着することを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0014】
本発明は、一対の挟持ローラの第1フィルム基材供給部側上流に、第1フィルム基材を水平方向に案内する一対の第1案内ローラが設けられ、一対の挟持ローラの第2フィルム基材供給部側上流に、第2フィルム基材を水平方向に案内する一対の第2案内ローラが設けられ、エネルギ線照射装置は一対の第1案内ローラ間上方に設けられ、第1フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第1エネルギ線照射装置と、一対の第2案内ローラ間上方に設けられ、第2フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第2エネルギ線照射装置とからなることを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0015】
本発明は、エネルギ線照射装置は一方の挟持ローラ上方に設けられ第1フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第1エネルギ線照射装置と、他方の挟持ローラ上方に設けられ第2フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第2エネルギ線照射装置とからなることを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0016】
本発明は、一対の第1案内ローラおよび第1エネルギ線照射装置を囲んで第1エネルギ線照射用カバーが設けられ、一対の第2案内ローラおよび第2エネルギ線照射装置を囲んで第2エネルギ線照射用カバーが設けられ、これら第1エネルギ線照射用カバーおよび第2エネルギ線照射用カバーにはいずれも不活性ガス供給部が接続されていることを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0017】
本発明は、一対の挟持ローラを囲んで挟持ローラ用カバーが設けられ、この挟持ローラ用カバーに不活性ガス供給部が接続されていることを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0018】
本発明は、一対の挟持ローラおよびエネルギ線照射装置を囲んでエネルギ線照射用カバーが設けられ、エネルギ線照射用カバーに不活性ガス供給部が接続されていることを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0019】
本発明は、一対の挟持ローラ下流に、接着された一対のフィルム基材を加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置である。
【0020】
本発明は、異種材料からなる連続した一対のフィルム基材同士を接着する連続フィルム基材の貼合せ装置において、第1フィルム基材を供給する第1フィルム基材供給部と、第2フィルム基材を供給する第2フィルム基材供給部と、第1フィルム基材供給部からの第1フィルム基材と、第2フィルム基材供給部からの第2フィルム基材とを積層して挟持する一対の挟持ローラとを備え、一対の挟持ローラの上流に、一対の挟持ローラに進入する直前の第1フィルム基材と第2フィルム基材のいずれかの内面に対してエネルギ線を照射するエネルギ線照射装置を設け、エネルギ線が照射された部分を介して一対の挟持ローラにより一対のフィルム基材同士を接着する連続フィルム基材の貼合装置を用いた連続フィルム基材の貼合せ方法において、第1フィルム基材供給部から第1フィルム基材を供給する工程と、第2フィルム基材供給部から第2フィルム基材を供給する工程と、第1フィルム基材供給部からの第1フィルム基材と、第2フィルム基材供給部からの第2フィルム基材とを一対の挟持ローラにより積層して挟持する工程とを備え、一対の挟持ローラに進入する直前の第1フィルム基材と第2フィルム基材のいずれかの内面に対してエネルギ線照射装置によりエネルギ線を照射することを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ方法である。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、異種材料からなる連続する一対のフィルム基材同士、とりわけ、極性材料からなる樹脂フィルムと非極性材料からなる樹脂フィルムとを接着する場合、融点やガラス転移温度差が大きい樹脂フィルム同士を接着する場合、また、延伸樹脂フィルムと未延伸樹脂フィルムとを接着する場合などの異種フィルム同士を互いに接着して貼合せすることができる。この場合、連続する一対のフィルム基材同士をラミネート樹脂を用いることなく強固にかつ確実に接着でき、このため異物や残留溶剤等が滲出することなく一対のフィルム基材同士を貼合せることができる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】図1は本発明による連続フィルム基材の貼合せ装置および貼合せ方法の第1の実施形態を示す概略模式図である。
【図2】図2(a)は挟持ローラ用カバーを示す平面図、図2(b)はその底面図である。
【図3】図3は本発明による連続フィルム基材の貼合せ方法の基本原理を示す図である。
【図4】図4は本発明による連続フィルム基材の貼合せ方法の基本原理を示す図である。
【図5】図5は本発明による連続フィルム基材の貼合せ装置および貼合せ方法の第2の実施形態を示す概略図である。
【図6】図6(a)はエネルギ線照射カバーを示す平面図、図6(b)(c)はその側面図、図6(d)はその底面図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
第1の実施の形態
以下、図面を参照しながら、本発明による連続フィルム基材の貼合せ装置および連続フィルム基材の貼合せ方法について説明する。
【0024】
まず図3および図4により連続フィルム基材の貼合せ方法について、その基本原理を簡単に説明する。
【0025】
図3および図4は異種材料からなるフィルム基材同士を互いに接着する連続フィルム基材の貼合せ方法を示す図である。まず、異種材料からなる二種のフィルム基材1、2を準備する。フィルム基材1、2としては、特に制限さるものではなく、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、酢酸セルロース、ポリエチレンビニルアセテート、ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリ塩化ビニリデン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、フッ素樹脂、ポリプロピレン、ポリエチレン、アイオノマー等のプラスチックフィルム等が挙げられ、これら中から選択される二種のフィルム基材を組み合わせることができる。
【0026】
通常、上記したような異種材料からなるフィルム基材1、2同士は、接着剤を用いなければ互いを接着することができない。異種材料からなるフィルム基材1、2同士を接着する場合に、その間に接着剤を介在させると、接着剤(ラミネート樹脂)を介して水素結合やファンデルワールス力が形成されることにより、異種材料からなるフィルム基材1、2同士でも接着する。本発明においては、ラミネート樹脂等の接着剤を全く使用することなく、両フィルム基材どうしを接着するものである。
【0027】
本発明において、互いを接着するフィルム基材1、2の組み合わせとしては、ポリエチレンテレフタレート/ナイロン、ポリエチレンテレフタレート/ポリアミド、ポリエチレンテレフタレート/ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート/ポリプロピレン、ポリエチレン/ナイロン、ポリエチレン/ポリアミド、ポリプロピレン/ナイロン、ポリプロピレン/ポリアミド、エチレンビニルアセテート/ポリエチレン、エチレンビニルアセテート/ポリプロピレン、ポリビニルアルコール/ポリエチレン、ポリビニルアルコール/ポリプロピレン、エチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリエチレン、およびエチレン−ビニルアルコール共重合体/ポリプロピレン、から選択される組み合わせであることが好ましい。
【0028】
更にこのような異なる材料からなる一対のフィルム基材1、2としては、その他種々の材料の組合せを選択することができる。
【0029】
次に、準備した異種材料からなる一対のフィルム基材1、2を重ね合わせて、少なくとも一方のフィルム基材1または2の接着しようとするフィルム基材1、2の内面のある部分5に電子線照射装置3、4から電子線を照射する。その結果、図3に示すように、電子線が照射された部分5のみ、互いのフィルム基材1、2が接着される。この理由は定かではないが、以下のように考えられる。高分子からなる樹脂フィルムに電子線を照射すると、樹脂フィルムの表面にラジカルが発生する。異種材料からなる樹脂フィルムどうしであっても、両フィルムの表面に発生したラジカルが互いに結合して共有結合を形成したり、あるいは、ラジカルの発生により樹脂フィルムの表面に形成された官能基が水素結合を形成し、この水素結合と共有結合との組み合わせにより、異種材料からなる樹脂同士であっても互いに強固に結合するものと考えられる。
【0030】
本発明においては、フィルム基材1、2に電子線照射装置3、4から電子線を照射した直後に、図3および図4に示すように一対の挟持ローラ6、7を用いて重ね合わせたフィルム基材1、2を押圧する。フィルム基材1、2の表面は、図3に示すようにミクロレベルで凹凸があるため、互いのフィルム基材を重ね合わせても完全に密着しておらず、両フィルム基材1、2の接触界面5での接触面積が小さい。本発明においては、後述のように電子線照射装置3、4から電子線を照射した直後に一対の挟持ローラ6、7によりフィルム基材1、2を押圧することによって、フィルム基材1、2の界面5での接触面積が増加するため、密着性が向上する。
【0031】
フィルム基材1、2を重ね合わせた後フィルム基材1、2を押圧する際には、加熱しながら両フィルム基材1、2を押圧することが好ましい。加熱しながら押圧することにより、フィルム基材の柔軟性が向上し、フィルム基材界面での接触面積をより増加させることができるため、密着性がより向上する。加熱する温度は、用いるフィルム基材1、2の組み合わせにもよるが、樹脂フィルムが熱変形できる温度であればよく、例えば、フィルム基材1、2を構成する樹脂のガラス転移温度以上に加熱することができる。例えば、異種材料からなるフィルム基材1、2の組み合わせとして、ポリエチレンテレフタレートフィルムとポリエチレンフィルムとを重ね合わせる場合には、加熱温度は80〜180℃、好ましくは130〜160℃とする。加熱温度を高くしすぎると、発生したラジカルが失活してしまい、強固な結合を実現できなくなる。なお、押圧の力(接圧)を高くしてもよく、接圧を高くすることにより、加熱温度を低くすることができる。
【0032】
重ね合わせたフィルム基材1、2を押圧するためには、上述のように一対の挟持ローラ6、7が用いられる。この場合、一対の挟持ローラ6、7は、ヒートローラ6と支持ローラ7とからなる。
【0033】
図4に示すように、電子線照射装置3、4によって、電子線の照射が、フィルム基材1、2を重ね合わせる前にフィルム基材1、2の内面に対して行われる。すなわち、供給されてきた一対のフィルム基材1、2は、両フィルム基材1、2が重ね合わされる前に、電子線照射装置3、4により、フィルム基材1、2の内面へ電子線Bが照射される。図4に示すように、フィルム基材1、2の電子線照射側の面同士が対向するように両フィルム基材1、2を重ね合わせる。このように、フィルム基材1の電子線を照射した側の面に他方のフィルム基材2を重ね合わせることにより、フィルム基材の厚みによらず、電子線の照射エネルギーをより小さくすることができ、その結果、フィルム基材の電子線照射による劣化をより低減することができる。
【0034】
また、図4において、一対の電子線照射装置3,4により両方のフィルム基材1、2へそれぞれ電子線B、Bを照射する。このことにより、よりフィルム基材1、2の劣化を少なくして接着強度を向上させることができる。
【0035】
電子線照射装置3、4から照射される電子線の照射エネルギーは、上記したようにフィルム基材1、2の材質や厚みに応じて適宜調整する必要がある。本発明においては、20〜750keV、好ましくは25〜400keV、より好ましくは30〜300keV程度の照射エネルギー範囲で電子線を照射するが、より低い照射エネルギーとすることが好ましく、20〜200keVとすることができる。このように低い照射エネルギーとすることにより、フィルムの劣化を抑制できるだけでなく、フィルム表面のラジカル発生がより効率的におこるため、より強固な結合を実現することができる。また、電子線の加速電圧は、30〜300keV、好ましくは30〜200keVの範囲で行う。
【0036】
このような電子線照射装置3、4としては、従来公知のものを使用でき、例えばカーテン型電子照射装置(LB1023、株式会社アイ・エレクトロンビーム社製)やライン照射型低エネルギー電子線照射装置(EB−ENGINE、浜松フォトニクス株式会社製)等を好適に使用することができる。
【0037】
電子線を照射する際には、酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。酸素存在下で電子線を照射するとオゾンが発生するため環境に悪影響を及ぼすとともにフィルム基材の表面がオゾンと反応してフィルム特性が変化してしまう場合があるからである。酸素濃度を100ppm以下とするには、真空下または窒素やアルゴン等の不活性ガス雰囲気下において、フィルム基材に電子線を照射すればよく、例えば、電子線照射装置内を窒素充填することにより、酸素濃度100ppm以下を達成することができる。
【0038】
上記した接着方法によって、異種材料からなるフィルム基材1、2同士を接着すると、従来のラミネート樹脂を用いた接着と同等またはそれ以上の接着強度を実現できる。また、ラミネート樹脂等を全く用いていないため、積層フィルムを使用する際にも異物や残留溶剤等が滲出することがなく、また耐候性にも優れるものとなる。
【0039】
異種材料からなる基材フィルム1、2を貼り合わせて積層フィルムを製造する場合に限らず、多層積層フィルムにように表と裏とが異種材料フィルム基材からなる場合に、多層積層フィルムの表面と裏面とを貼り合わせて袋状とする場合にも、本発明による接着方法が好適に適用できる。特に、医療分野で使用されている包装体、例えばシリンジ包装袋や粉末あるいは顆粒状の医薬品を充填包装するための包装体等は、上記のような機能性多層フィルムが使用されており、これら機能性多層フィルムから包装体を製造する際に本発明による接着方法を用いれば、ラミネート樹脂等を全く使用することなく包装体を製造することができるため、充填物である医薬品の品質を保持することができる。
【0040】
なお、異種材料からなる一対の基材フィルム1、2同士を接着するため、各基材フィルム1、2の内面に電子線を照射する例を示したが、電子線以外のエネルギ線、例えばUV線を各基材フィルム1、2の内面に照射してもよい。
【0041】
次に上述した連続フィルム基材の貼合せ方法の基本原理を利用した連続フィルム基材の貼合せ装置の第1の実施の形態について、図1および図2(a)(b)により説明する。
【0042】
図1および図2(a)(b)に示すように、連続フィルム基材の貼合装置10は異種材料からなる連続する一対のフィルム基材同士を接着するものである。このような一対のフィルム基材としては、上述した材料の中から選択することができる。
【0043】
このような連続フィルム基材の貼合装置10は、第1フィルム基材1が巻取られ、この第1フィルム基材1を供給する第1フィルム基材供給部1Aと、第2フィルム基材2が巻取られ、この第2フィルム基材2を供給する第2フィルム基材供給部2Aと、第1フィルム基材供給部1Aからの第1フィルム基材1と第2フィルム基材供給部2Aからの第2フィルム基材2とを積層して挟持する一対の挟持ローラ6、7とを備えている。
【0044】
このうち第1フィルム基材1と第2フィルム基材2は、互いに異なる材料からなり、ヒートシールにより接合することは困難なフィルム基材となっている。
【0045】
また一対の挟持ローラ6、7は、加熱用のヒートローラ6と、支持ローラ7とからなっている。
【0046】
さらに第1フィルム基材供給部1Aと一対の挟持ローラ6、7との間には、第1フィルム基材1を水平方向に案内する一対の第1案内ローラ13a、13bが設けられている。また一対の第1案内ローラ13a、13bの上方には、一対の挟持ローラ6、7に進入する直前の第1フィルム基材1のうち第2フィルム基材2に接する面に電子線を照射する第1電子線照射装置3が設けられている。
【0047】
また第2フィルム基材供給部2Aと一対の挟持ローラ6、7との間には、第2フィルム基材2を水平方向に案内する一対の第2案内ローラ14a、14bが設けられている。また一対の第2案内ローラ14a、14bの上方には、一対の挟持ローラ6、7に進入する直前の第2フィルム基材2のうち第1フィルム基材1に接する面に電子線を照射する第2電子線照射装置4が設けられている。
【0048】
また、一対の挟持ローラ6、7の下方には(下流には)、一対の挟持ローラ6、7によって接着された一対のフィルム基材1、2を更に加熱する複数のハロゲンランプ9が設けられ、この複数のハロゲンランプ9は搬送される一対のフィルム基材1、2の搬送方向に沿って設けられるとともに、複数のハロゲンランプ9を囲んでハロゲンランプ用カバー17が設置されている。
【0049】
さらに、ハロゲンランプ9の下方には(下流側には)、一対のフィルム基材1、2を冷却する冷却ロール18が設けられ、一対のフィルム基材1、2をこの冷却ロール18により冷却することができる。
【0050】
冷却ロール18により冷却された一対のフィルム基材1、2は、その後巻取部10Aに導びかれて巻取られる。
【0051】
ところで、一対の第1案内ローラ13a、13bおよび第1電子線照射装置3を囲んで第1電子線照射用カバー11が設けられ、一対の第2案内ローラ14a、14bおよび第2電子線照射装置4を囲んで第2電子線照射用カバー12が設けられている。
【0052】
そして第1電子線照射用カバー11には、不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する窒素ガス供給部11Aが設けられ、第1電子線照射用カバー11内の気体は排気部11Bから排出される。
【0053】
また第2電子線照射用カバー12には、窒素ガス供給部12Aが設けられ、第2電子線照射用カバー12内の気体は排気部12Bから排出される。
【0054】
さらに一対の挟持ローラ6、7を囲んで、挟持ローラ用カバー15が設けられ、この挟持ローラ用カバー15には窒素供給部15Aが設けられ、挟持ローラ用カバー15内の気体は排気部15Bから排出される。
【0055】
次に図2(a)(b)により、挟持ローラ用カバー15について述べる。
【0056】
挟持ローラ用カバー15の上面には、第1電子線照射用カバー11から延び第1フィルム基材1が通過する排出部11aと、第2電子線照射用カバー12から延び第2フィルム基材2が通過する排出部11bとが接続されている。さらに挟持ローラ用カバー15の底面には、一対の挟持ローラ6、7により接着された一対のフィルム基材1、2が通過するスリット15aが設けられている。
【0057】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0058】
まず第1フィルム基材供給部1Aから第1フィルム基材1が供給され、この第1フィルム基材1は第1電子線照射用カバー11内に進入し、第1電子線用カバー11内において一対の第1案内ローラ13a、13bにより水平方向に案内される。この間、第1案内ローラ13a、13bにより案内される第1フィルム基材1に対して第1電子線照射装置3から電子線が照射される。
【0059】
同時に第2フィルム基材供給部2Aから第2フィルム基材2が供給され、この第2フィルム基材2は第2電子線照射用カバー12内に進入し、第2電子線用カバー12内において一対の第2案内ローラ14a、14bにより案内される。この間、第2案内ローラ14a、14bにより案内される第2フィルム基材2に対して第2電子線照射装置4から電子線が照射される。
【0060】
その後、第1フィルム基材1は第1電子線照射用カバー11から排出部11aを経て挟持ローラ用カバー15内の挟持ローラ6、7へ送られ、第2フィルム基材2は第2電子線照射用カバー12から排出部12aを経て挟持ローラ用カバー15内の挟持ローラ6、7へ送られる。その後、第1フィルム基材1と第2フィルム基材2は、一対の挟持ローラ6、7において積層されて挟持される。
【0061】
この間、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2に対して、第1電子線照射装置3および第2電子線照射装置4から電子線が照射されると、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2の表面にラジカルが発生する。このことにより第1フィルム基材1および第2フィルム基材2が異種材料からなっていても、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2の表面に発生したラジカルが互いに結合して共有結合を形成したり、あるいはラジカルの発生により第1フィルム基材1および第2フィルム基材2の表面に形成された官能基が水素結合を形成する。この水素結合と共有結合との組合せにより、第1フィルム基材1と第2フィルム基材2とが互いに強固に結合される。
【0062】
ところで、フィルム基材1、2の表面は、図3に示すようにミクロレベルで凹凸があるため、互いのフィルム基材1、2を重ね合わせても完全に密着しておらず、フィルム基材1、2の接触界面5での接触面積は小さい。
【0063】
このためフィルム基材1、2をヒートローラ6と支持ローラ7とからなる一対の挟持ローラ6、7により挟持するとともに、ヒートローラ6により加熱することにより、フィルム基材1、2の柔軟性を向上させ、フィルム基材1、2の接触界面5での接触面積を増加させる。このことによりフィルム基材1、2の密着性をより向上させることができる。
【0064】
その後一対の挟持ローラ6、7により接着されたフィルム基材1、2は、ハロゲンランプ9により更に加熱され密着反応が促進される。次にフィルム基材1、2は冷却ローラ18により冷却された後、巻取部10Aにおいて巻取られる。
【0065】
ところで、上述のようにフィルム基材1、2に電子線を照射する際には酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。これは酸素存在下で電子線を照射するとオゾンが発生するため環境に悪影響を及ぼすとともにフィルム基材1、2の表面がオゾンと反応してフィルム特性が変化してしまうからである。
【0066】
本発明においては、第1案内ローラ13a、13bおよび第1電子線照射装置3を囲んで第1電子線照射用カバー11が設けられ、第2案内ローラ14a、14bおよび第2電子線照射装置4を囲んで第2電子線照射用カバー12が設けられている。また一対の挟持ローラ6、7を囲んで挟持ローラ用カバー15が設けられている。さらに第1電子線照射用カバー11、第2電子線照射用カバー12および挟持ローラ用カバー15に窒素ガス供給部11A、12A、15Aが接続され、第1電子線照射用カバー11内、第2電子線照射用カバー12内および挟持ローラ用カバー15内を窒素ガス雰囲気とすることにより、電子線によりオゾンが発生して環境に悪影響を与えることはなく、フィルム基材1、2の表面がオゾンと反応してフィルム特性が変化してしまうような不具合を抑えることができる。
【0067】
なお、上記実施の形態において、フィルム基材1、2に電子線照射装置3、4により電子線を照射する例を示したが、これに限らずフィルム基材1、2に他のエネルギ線、例えばUV線等のエネルギ線を照射してもよい。
【0068】
さらにフィルム基材1、2の双方に電子線を照射する例を示したが、これに限らず一方のフィルム基材、例えば第1フィルム基材1の内面のみに電子線を照射してもよい。
【0069】
第2の実施の形態
次に上述した連続フィルム基材の貼合せ方法の基本原理を利用した連続フィルム基材の貼合せ装置の第2の実施の形態について、図5および図6(a)(b)(c)により説明する。
【0070】
図5および図6(a)(b)(c)に示すように、連続フィルム基材の貼合装置は異種材料からなる連続する一対のフィルム基材同士を接着するものである。このような一対のフィルム基材としては、上述した材料の中から選択することができる。
【0071】
このような連続フィルム基材の貼合装置10は、第1フィルム基材1が巻取られ、この第1フィルム基材1を供給する第1フィルム基材供給部1Aと、第2フィルム基材2が巻取られ、この第2フィルム基材2を供給する第2フィルム基材供給部2Aと、第1フィルム基材供給部1Aからの第1フィルム基材1と第2フィルム基材供給部2Aからの第2フィルム基材2とを積層して挟持する一対の挟持ローラ6、7とを備えている。
【0072】
このうち第1フィルム基材1と第2フィルム基材2は、互いに異なる材料からなり、ヒートシールにより接合することは困難なフィルム基材となっている。
【0073】
また一対の挟持ローラ6、7は、加熱用のヒートローラ6と、支持ローラ7とからなっている。
【0074】
また一方の挟持ローラ6の上方には、挟持ローラ6に進入する直前の第1フィルム基材1のうち第2フィルム基材2に接する面に電子線を照射する第1電子線照射装置3が設けられている。
【0075】
また他方の挟持ローラ7の上方には、挟持ローラ7に進入する直前の第2フィルム基材2のうち第1フィルム基材1に接する面に電子線を照射する第2電子線照射装置4が設けられている。
【0076】
なお、第1電子線照射装置3および第2電子線照射装置4を設ける代わりに単一の電子線照射装置を設け、この電子線照射装置により、第1フィルム基材1と第2フィルム基材2に電子線を照射してもよい。
【0077】
また、一対の挟持ローラ6、7の下方には(下流には)、一対の挟持ローラ6、7によって接着された一対のフィルム基材1、2を更に加熱する複数のハロゲンランプ9が設けられ、この複数のハロゲンランプ9は搬送される一対のフィルム基材1、2の搬送方向に沿って設けられるとともに、複数のハロゲンランプ9を囲んでハロゲンランプ用カバー17が設置されている。
【0078】
さらに、ハロゲンランプ9の下方には(下流側には)、一対のフィルム基材1、2を冷却する冷却ロール18が設けられ、一対のフィルム基材1、2をこの冷却ローラ18により冷却することができる。
【0079】
冷却ロール18により冷却された一対のフィルム基材1、2は、その後巻取部10Aに導かれて巻取られる。
【0080】
ところで、一対の挟持ローラ6、7、第1電子線照射装置3および第2電子線照射装置4を囲んで電子線照射用カバー21が設けられている。
【0081】
そして電子線照射用カバー21には、不活性ガス、例えば窒素ガスを供給する窒素ガス供給部21Aが設けられ、電子線照射用カバー21内の気体は排気部21Bから排出される。
【0082】
次に図6(a)(b)(c)により、電子線照射用カバー21について述べる。
【0083】
電子線照射用カバー21の一対の側面には、第1フィルム基材1が通過するスリット21aと、第2フィルム基材2が通過するスリット21bとが設けられている。さらに電子線照射用カバー21の底面には、一対の挟持ローラ6、7により接着された一対のフィルム基材1、2が通過するスリット21cが設けられている。
【0084】
次にこのような構成からなる本実施の形態の作用について説明する。
【0085】
まず第1フィルム基材供給部1Aから第1フィルム基材1が供給され、この第1フィルム基材1は電子線照射用カバー21内に進入し、電子線照射用カバー21内において一対の挟持ローラ6、7側に案内される。この間、挟持ローラ6上の第1フィルム基材1に対して第1電子線照射装置3から電子線が照射される。
【0086】
同時に第2フィルム基材供給部2Aから第2フィルム基材2が供給され、この第2フィルム基材2は電子線照射用カバー21内に進入し、電子線照射用カバー21内において一対の挟持ローラ6、7側へ案内される。この間、挟持ローラ7上の第2フィルム基材2に対して第2電子線照射装置4から電子線が照射される。
【0087】
その後、第1フィルム基材1と第2フィルム基材2は、一対の挟持ローラ6、7において積層されて挟持される。
【0088】
この間、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2に対して、第1電子線照射装置3および第2電子線照射装置4から電子線が照射されると、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2の表面にラジカルが発生する。このことにより第1フィルム基材1および第2フィルム基材2が異種材料からなっていても、第1フィルム基材1および第2フィルム基材2の表面に発生したラジカルが互いに結合して共有結合を形成したり、あるいはラジカルの発生により第1フィルム基材1および第2フィルム基材2の表面に形成された官能基が水素結合を形成する。この水素結合と共有結合との組合せにより、第1フィルム基材に第2フィルム基材2とが互いに強固に結合される。
【0089】
ところで、フィルム基材1、2の表面は、図3に示すようにミクロレベルで凹凸があるため、互いのフィルム基材1、2を重ね合わせても完全に密着しておらず、フィルム基材1、2の接触界面5での接触面積は小さい。
【0090】
このためフィルム基材1、2をヒートローラ6と支持ローラ7とからなる一対の挟持ローラ6、7により挟持するとともに、ヒートローラ6により加熱することにより、フィルム基材1、2の柔軟性を向上させ、フィルム基材1、2の接触界面5での接触面積を増加させる。このことによりフィルム基材1、2の密着性をより向上させることができる。
【0091】
その後一対の挟持ローラ6、7により接着されたフィルム基材1、2は、ハロゲンランプ9により更に加熱され密着反応が促進される。次にフィルム基材1、2は冷却ローラ18により冷却された後、巻取部10Aにおいて巻取られる。
【0092】
ところで、上述のようにフィルム基材1、2に電子線を照射する際には酸素濃度を100ppm以下とすることが好ましい。これは酸素存在下で電子線を照射するとオゾンが発生するため環境に悪影響を及ぼすとともにフィルム基材1、2の表面がオゾンと反応してフィルム特性が変化してしまうからである。
【0093】
本発明においては、一対の挟持ローラ6、7、第1電子線照射装置3および第2電子線照射装置4を囲んで電子線照射用カバー21が設けられている。また電子線照射用カバー21に、窒素ガス供給部21Aが接続され、電子線照射用カバー21内を窒素ガス雰囲気とすることにより、電子線によりオゾンが発生して環境に悪影響を与えることはなく、フィルム基材1、2の表面がオゾンと反応してフィルム特性が変化してしまうような不具合を抑えることができる。
【符号の説明】
【0094】
1 第1フィルム基材
1A 第1フィルム基材供給部
2 第2フィルム基材
2A 第2フィルム基材供給部
3 第1電子線照射装置
4 第2電子線照射装置
5 接触界面
6 挟持ローラ
7 挟持ローラ
9 ハロゲンランプ
10 連続フィルム基材の貼合せ装置
11 第1電子線照射用カバー
11A 窒素ガス供給部
12 第2電子線照射用カバー
12A 窒素ガス供給部
13a、13b 第1案内ローラ
14a、14b 第2案内ローラ
15 挟持ローラ用カバー
21 電子線照射用カバー
21A 窒素ガス供給部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
異種材料からなる連続した一対のフィルム基材同士を接着する連続フィルム基材の貼合せ装置において、
第1フィルム基材を供給する第1フィルム基材供給部と、
第2フィルム基材を供給する第2フィルム基材供給部と、
第1フィルム基材供給部からの第1フィルム基材と、第2フィルム基材供給部からの第2フィルム基材とを積層して挟持する一対の挟持ローラとを備え、
一対の挟持ローラの上流に、一対の挟持ローラに進入する直前の第1フィルム基材と第2フィルム基材のいずれかの内面に対してエネルギ線を照射するエネルギ線照射装置を設け、エネルギ線が照射された部分を介して一対の挟持ローラにより一対のフィルム基材同士を接着することを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項2】
一対の挟持ローラの第1フィルム基材供給部側上流に、第1フィルム基材を水平方向に案内する一対の第1案内ローラが設けられ、
一対の挟持ローラの第2フィルム基材供給部側上流に、第2フィルム基材を水平方向に案内する一対の第2案内ローラが設けられ、
エネルギ線照射装置は一対の第1案内ローラ間上方に設けられ、第1フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第1エネルギ線照射装置と、一対の第2案内ローラ間上方に設けられ、第2フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第2エネルギ線照射装置とからなることを特徴とする請求項1記載の連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項3】
エネルギ線照射装置は一方の挟持ローラ上方に設けられ第1フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第1エネルギ線照射装置と、他方の挟持ローラ上方に設けられ第2フィルム基材の内面に対してエネルギ線を照射する第2エネルギ線照射装置とからなることを特徴とする請求項1記載の連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項4】
一対の第1案内ローラおよび第1エネルギ線照射装置を囲んで第1エネルギ線照射用カバーが設けられ、一対の第2案内ローラおよび第2エネルギ線照射装置を囲んで第2エネルギ線照射用カバーが設けられ、これら第1エネルギ線照射用カバーおよび第2エネルギ線照射用カバーにはいずれも不活性ガス供給部が接続されていることを特徴とする請求項2記載の連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項5】
一対の挟持ローラを囲んで挟持ローラ用カバーが設けられ、この挟持ローラ用カバーに不活性ガス供給部が接続されていることを特徴とする請求項4記載の連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項6】
一対の挟持ローラおよびエネルギ線照射装置を囲んでエネルギ線照射用カバーが設けられ、エネルギ線照射用カバーに不活性ガス供給部が接続されていることを特徴とする請求項3記載の連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項7】
一対の挟持ローラ下流に、接着された一対のフィルム基材を加熱する加熱装置が設けられていることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか記載の連続フィルム基材の貼合せ装置。
【請求項8】
異種材料からなる連続した一対のフィルム基材同士を接着する連続フィルム基材の貼合せ装置において、
第1フィルム基材を供給する第1フィルム基材供給部と、
第2フィルム基材を供給する第2フィルム基材供給部と、
第1フィルム基材供給部からの第1フィルム基材と、第2フィルム基材供給部からの第2フィルム基材とを積層して挟持する一対の挟持ローラとを備え、
一対の挟持ローラの上流に、一対の挟持ローラに進入する直前の第1フィルム基材と第2フィルム基材のいずれかの内面に対してエネルギ線を照射するエネルギ線照射装置を設け、エネルギ線が照射された部分を介して一対の挟持ローラにより一対のフィルム基材同士を接着する連続フィルム基材の貼合装置を用いた連続フィルム基材の貼合せ方法において、
第1フィルム基材供給部から第1フィルム基材を供給する工程と、
第2フィルム基材供給部から第2フィルム基材を供給する工程と、
第1フィルム基材供給部からの第1フィルム基材と、第2フィルム基材供給部からの第2フィルム基材とを一対の挟持ローラにより積層して挟持する工程とを備え、
一対の挟持ローラに進入する直前の第1フィルム基材と第2フィルム基材のいずれかの内面に対してエネルギ線照射装置によりエネルギ線を照射することを特徴とする連続フィルム基材の貼合せ方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2012−250359(P2012−250359A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−122243(P2011−122243)
【出願日】平成23年5月31日(2011.5.31)
【出願人】(000002897)大日本印刷株式会社 (14,506)
【Fターム(参考)】