説明

連続鋳造用浸漬ノズル

【課題】中厚スラブの高速鋳造において、鋳型内の溶鋼流の偏流及び湯面変動を少なくして、スラブ品質及び生産性の向上が図れる連続鋳造用浸漬ノズルを提供する。
【解決手段】浸漬ノズル10は、上端に流入口12を有する円筒状の上部11aと、扁平断面とされた下部11cと、上部11aと下部11cとを繋ぐテーパー部11bとを有し、流入口12から下方に延びる流路13が内部に形成された、底部20を有する管体11からなる。下部11cの短辺側側壁18には、流路13と連通する第一の吐出孔14が底部20に近接する位置に形成され、一対の第一の吐出孔14、14間には、流路13の長辺側内壁19から内方に突出する突条部15が形成されている。底部20には、流路13と連通する一対の第二の吐出孔16、16が形成され、第一の吐出孔14と第二の吐出孔16は、短辺側側壁18に形成された鉛直方向に延在するスリット17によって連通している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、タンディッシュから鋳型内に溶鋼を注湯する連続鋳造用浸漬ノズルに関し、特に中厚スラブの高速鋳造に使用する浸漬ノズルに関する。
【背景技術】
【0002】
生産性の向上を目指した連続鋳造の高速化に伴い、例えば特許文献1では、鋳片の高速引抜きに有利に適合する浸漬ノズルとして、底面に複数の細孔が設けられた浸漬ノズルの発明が開示されている。
【0003】
また、特許文献2には、連続鋳造鋳片内部の介在物欠陥等を減少させることを目的として、筒状体の下部側面に一対の吐出孔を有し、下向きに凸とされた底部にスリット状開口部が形成された連続鋳造用浸漬ノズルの発明が開示されている。
【0004】
また、特許文献3には、筒状体の下部側面を貫通する吐出孔が筒状体の軸方向に沿って複数設けられ、内方に突出する突設部が吐出孔間に形成された続鋳造用浸漬ノズルの発明が開示されている。
【0005】
【特許文献1】特開昭57−106456号公報
【特許文献2】特開平7−232247号公報
【特許文献3】国際公開第2005/049249号パンフレット
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に記載された浸漬ノズルは、鋳片の引抜き速度(鋳込み速度)を1〜1.5m/minとする連続鋳造条件下では、支障なく使用することができる。しかしながら、近年、後工程の省力化を目指してスラブ鋳片を薄肉化する傾向にあり、中厚スラブ(厚さ70〜150mm程度)の高速鋳造のような引抜き速度4m/min以上の厳しい条件下では、十分な溶鋼供給ができないだけでなく、細孔の流速が突出して鋳片の凝固層を破ってブレークアウトをおこす危険性がある。
【0007】
一方、特許文献2に記載された浸漬ノズルは、下向きに凸とされた底部全体にスリット状開口部が形成され、底部の開孔範囲が広くなっている。連続鋳造の操業では、溶鋼湯面の変動や鋳片の引抜き速度の変動等、浸漬ノズルを通過する溶鋼の流動形態の変動は避けられないが、特許文献2に記載された浸漬ノズルの場合、底部の開孔範囲が広いため、溶鋼の流動形態の変動により、底部のスリット状開口部から流出する溶鋼流の方向・流速等が大きく変化しやすい。即ち、溶鋼流の蛇行や特定方向にのみ下降流が生じる等の偏流が発生しやすく、スリット状開口部から鋳型内に均等に溶鋼を吐出させることは難しい。
【0008】
また、特許文献3に記載された浸漬ノズルの場合、製造が複雑になるだけでなく、吐出孔の閉塞や溶損により吐出流のバランスが崩れやすいという問題がある。
【0009】
従来の浸漬ノズルを用いて、中厚スラブ鋳型内で引抜き速度を4m/min以上として高速鋳造を実施する場合、吐出孔形状を縦長にせざるを得ず、吐出流速分布が不均一になっていた。また、引抜き速度や鋳型の長辺幅の増大に伴って、浸漬ノズルの側壁に形成された左右のノズル孔から吐出する吐出流の流れが非対称になっていた。その結果、鋳型内溶鋼の湯面変動やモールドパウダーの巻き込みによるスラブ品質の低下やブレークアウト等の操業阻害につながっていた。
【0010】
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、中厚スラブの高速鋳造において、鋳型内の溶鋼流の偏流及び湯面変動を少なくして、スラブ品質及び生産性の向上が図れる連続鋳造用浸漬ノズルを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記目的を達成するため、本発明は、上端部が溶鋼の流入口とされ、該流入口から下方に延びる流路が内部に形成された、底部を有する管体の少なくとも下部が扁平断面とされ、前記下部の短辺側の両側壁に前記流路と連通する一対の第一の吐出孔が対向して形成されると共に、前記底部に前記流路と連通する一対の第二の吐出孔が形成されてなる連続鋳造用浸漬ノズルであって、前記流路の長辺側の両内壁から内方にそれぞれ突出する突条部が、前記一対の第一の吐出孔間に形成され、前記一対の第二の吐出孔は、該吐出孔の軸線が前記流路内で交差するように、前記管体の中心軸に関して対称に配置されていることを特徴としている。
【0012】
ここで、「短辺」は、扁平断面とされた前記管体断面の短辺であり、「長辺」は同管体断面の長辺である。
【0013】
管体の下部側面に一対の吐出孔を設けた従来の浸漬ノズルでは、吐出流が吐出孔の下部に偏り、不均一となる。引抜き速度の増大に伴い、その傾向は強まり、吐出孔の上部は負圧になり、溶鋼を吸い込む場合もある。このことによって、鋳型の短辺側側壁に衝突する溶鋼流は局部的に過大流速となり、側壁に衝突して反転する反転流の流速が増大して湯面変動が大きくなり、ひいては浸漬ノズルの左右の流れが非対称となっていた。
【0014】
本発明では、溶鋼が下方に流れる流路が内部に形成された管体の少なくとも下部を扁平断面とし、該下部の短辺側側壁に一対の吐出孔を設けると共に、流路の長辺側内壁から内方に突出する突条部を一対の吐出孔間に形成することにより、吐出孔下部の過大流速を減じると共に、吐出孔上部の吸い込み流も併せて大幅に減ずることができる。また、鋳型の短辺側側壁に衝突する溶鋼流の最大流速が緩和され、反転流の流速も減少する。その結果、湯面変動が少なくなり、浸漬ノズルの左右の流れをより対称に近づけることができる。
【0015】
また、本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルでは、前記第一の吐出孔の水平方向の幅をa’、鉛直方向の幅をb’とし、前記突条部の突出高さをa、鉛直方向の幅をbとすると、a/a’=0.10〜0.25、b/b’=0.15〜0.35であることが好ましい。なお、本明細書では、浸漬ノズルを鉛直に立てた状態について各方向を設定している。
【0016】
また、前記第二の吐出孔の短辺方向の幅をf、水平面に対する前記第二の吐出孔の軸線の角度をα、前記一対の第二の吐出孔間の最小内法をe、前記第一の吐出孔の直上位置における前記流路の長辺方向の幅をe’とすると、f/a’=0.75〜0.90、e/e’=0.10〜0.17、α=40°〜60°であることが好ましい。
【0017】
また、本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルでは、前記第一の吐出孔と前記第二の吐出孔とを連通するスリットが形成されていてもよく、これにより、吐出流をさらに均一化することができる。この際、前記スリットの幅をdとすると、d/a’=0.2〜1.0であることが好ましい。
【発明の効果】
【0018】
本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルでは、溶鋼が下方に流れる流路が内部に形成された管体の少なくとも下部を扁平断面とし、該下部の短辺側側壁に一対の吐出孔を設けると共に、流路の長辺側内壁から内方に突出する突条部を一対の吐出孔間に形成することにより、鋳型の短辺側側壁に衝突する溶鋼流の最大流速が緩和され、反転流の流速を減少させることができる。その結果、鋳型内の溶鋼流の偏流及び湯面変動が少なくなり、スラブ品質及び生産性を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
【0020】
図1に、本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用浸漬ノズル10を示す。
本実施の形態の浸漬ノズル10は、上端に流入口12を有する円筒状の上部11aと、扁平断面とされた下部11cと、円筒状の上部11aと扁平断面とされた下部11cとを繋ぐ、側面視でテーパー状とされたテーパー部11bとを有し、流入口12から下方に延びる流路13が内部に形成された、底部20を有する管体11からなる。
【0021】
扁平断面とされた下部11cの対向する短辺側側壁18には、流路13と連通する第一の吐出孔14が、底部20に近接する位置にそれぞれ形成されている。一対の第一の吐出孔14、14は縦方向に長い長孔とされ、対向配置されている。
一対の第一の吐出孔14、14間には、流路13の対向する長辺側内壁19からそれぞれ内方に突出する突条部15が水平方向に形成されている。突条部15は帯板状とされ、対向配置されている。短辺側側壁18サイドから第一の吐出孔14を見た場合、第一の吐出孔14は、中間部がくびれた形状となっている。
【0022】
また、管体11の底部20には、流路13と連通する一対の第二の吐出孔16、16が形成されている。一対の第二の吐出孔16、16は、吐出孔16、16の軸線が流路13内で交差するように、管体11の中心軸に関して対称に配置されている。管体11を長辺方向に縦断した場合、一対の第二の吐出孔16、16は「ハ」の字状に配置されている。
【0023】
さらに、本実施の形態の浸漬ノズル10では、第一の吐出孔14と第二の吐出孔16は、短辺側側壁18に形成された鉛直方向に延在するスリット17によって連通している。
【0024】
第一の吐出孔14、第二の吐出孔16、及びスリット17の最適形状を確定するため、上記構成からなる連続鋳造用浸漬ノズル10の模型を作製して水モデル試験を実施した。以下、実施した水モデル試験について説明する。
【0025】
ここで、第一の吐出孔14、第二の吐出孔16、及びスリット17の最適形状を確定するためのパラメータを定義しておく。第一の吐出孔14については、水平方向の幅をa’、鉛直方向の幅をb’とし、突条部15の突出高さをa、突条部15の鉛直方向の幅をbとする(図2参照)。第二の吐出孔16については、短辺方向の幅をf、水平面に対する第二の吐出孔16の軸線の角度をα、一対の第二の吐出孔16、16間の最小内法をe、第一の吐出孔14の直上位置における流路13の長辺方向の幅をe’とする(図3、図4参照)。また、スリット17の幅をdとする(図2、図4参照)。
【0026】
図5に、水モデル試験を説明するための模式図を示す。
鋳型21は、縮尺1/1とし、アクリル樹脂で作製した。鋳型21のサイズは、長辺方向の幅(図5では左右方向)を1300mm、短辺方向の幅(紙面に垂直な方向)を100mmとした。また、浸漬ノズル10から鋳型21に流入される水は、ポンプを用いて、引抜き速度が4.4m/minに相当するように、循環させた。
【0027】
浸漬ノズル10は、扁平断面の長辺方向が鋳型21の長辺方向と平行となるようにしたうえで、鋳型21の中央に配置した。また、鋳型21の短辺側側壁23から325mm(長辺方向の幅の1/4)、水面から30mmの位置に、プロペラ型の流速検出器22を設置し、反転流Frの流速を測定した。
【0028】
以下、水モデル試験結果について説明する。なお、試験に際しては、以下の諸元を有する基本モデルを設定し、試験項目以外の諸元については、基本モデルの値を使用している。
基本モデル諸元:a=5mm、a’=26mm、b=25mm、b’=115mm、f=23mm、e=26mm、e’=143mm、α=60°、d=10mm
【0029】
図6は、a/a’とΔσとの関係を示したものである。ここで、Δσは、図5に示す左右の反転流Frの流速を流速検出器22で3分間測定したデータの標準偏差の差であり、Δσが大きいほど、左右の反転流Frの流速が異なっていることを示している。本発明では、Δσが4.0もしくは2.0を基準とした。Δσが4.0未満の場合、水モデル試験において目視した際、左右の吐出流の角度がほぼ均等となる。また、Δσが2.0未満の場合、水モデル試験において目視した際、左右の吐出流の角度がほぼ均等となることに加えて、鋳型21の長辺側側壁と浸漬ノズル10との間に周期的に発生するカルマン渦が発生しなくなる。カルマン渦は、モールドパウダーの局部的な巻き込みを誘発し、トラブルの原因となる。
【0030】
同図より、a/a’が0.10〜0.25の範囲にあるとき、Δσが2.0以下となり、鋳型内の吐出流が均一であることがわかる。a/a’が0.10未満のときは、突条部の遮流効果が十分発揮されず、第一の吐出孔下部が過大流速となり、鋳型21内における左右の流れが著しく非対称となる。一方、a/a’が0.25を超えると、第一の吐出孔下部の流速が不足気味、即ち第一の吐出孔上部が過大流速となり、鋳型21表面の反転流Frの流速が増大し、モールドパウダー巻き込み等の悪影響がでる。
【0031】
図7は、b/b’とΔσとの関係を示したものである。同図より、b/b’が0.15〜0.35の範囲にあるとき、Δσが4.0以下となる。b/b’が0.15未満の場合、突条部の遮流効果が十分発揮されず、第一の吐出孔下部が過大流速となり、鋳型21内における左右の流れが著しく非対称となる。一方、b/b’が0.35を超えると、第一の吐出孔下部の流速が不足気味、即ち第一の吐出孔上部が過大流速となり、鋳型21表面の反転流Frの流速が増大し、モールドパウダー巻き込み等の悪影響がでる。
なお、第一の吐出孔からの流速バランスを均等にするため、長孔を上下に二等分する位置に突条部を設けることが望ましい。
【0032】
図8は、f/a’とΔσとの関係を示したものである。同図より、f/a’が0.75〜0.90の範囲にあるとき、Δσが2.0以下となる。f/a’が0.75未満の場合、絞りすぎにより、第二の吐出孔からの吐出流量が不足し、鋳型21表面の反転流Frの流速が過大になり、モールドパウダー巻き込み等の悪影響がでる。一方、f/a’が0.90を超えると、第二の吐出孔からの吐出流量が過大、即ち第一の吐出孔からの吐出流量が不足気味となり、鋳型21全体の流れが不安定になる。その結果、湯面変動や左右の流れが非対称となる。
【0033】
図9は、e/e’とΔσとの関係を示したものである。同図より、e/e’が0.10〜0.17の範囲にあるとき、Δσが4.0以下となる。e/e’が0.10未満の場合、第二の吐出孔からの吐出流量が過大、即ち第一の吐出孔からの吐出流量が不足気味となり、鋳型21全体の流れが不安定になる。その結果、湯面変動や左右の流れが非対称となる。一方、e/e’が0.17を超えると、絞りすぎにより、第二の吐出孔からの吐出流量が不足し、鋳型21表面の反転流Frの流速が過大になり、モールドパウダー巻き込み等の悪影響がでる。
【0034】
なお、水平面に対する第二の吐出孔の軸線の角度αの試験結果については、図示していないが、αが40°〜60°の範囲にあるとき、Δσが最も小さくなる。αが40°未満の場合、第一の吐出孔の吐出流と同調し、鋳型21表面の反転流Frの流速が過大になり、モールドパウダー巻き込み等の悪影響がでる。また、第二の吐出孔が相対的に小さくなるため、吐出流速の増大に伴って反転流速Frも増大し、湯面の変動幅が極端に大きくなる。一方、αが60°を超えると、一対の第二の吐出孔から吐出した流れが合流し、振子のような不安定な流れとなり、結果的にΔσが4.0を超え、望ましくない。
【0035】
図10は、d/a’とLσ+Rσとの関係を示したものである。ここで、Lσは左側の反転流Frの流速の標準偏差、Rσは右側の反転流Frの流速の標準偏差であり、Lσ+Rσは左右の反転流Frの標準偏差の和である。本試験では、実施した試験体全てにおいてΔσが2.0未満に収束したため、Lσ+Rσを評価指標とした。
同図より、d/a’が0.2〜1.0の範囲にあるとき、Lσ+Rσが30以下となる。d/a’が0.2未満の場合、反転流Frの流速が過大になり、モールドパウダー巻き込み等の悪影響がでる。一方、d/a’が1.0を超えると、浸漬ノズル下端部の強度不足による欠け等の問題が発生する。
【0036】
次に、本発明に係る連続鋳造用浸漬ノズルと従来の連続鋳造用浸漬ノズルの吐出量について、それぞれ実施した流体解析について説明する。
【0037】
流体解析には、フルーエント・アジア・パシフィック(株)製のFLUENT(流体解析ソフトウェア)を使用した。図11に流体解析に使用した解析モデルを示す。同図において(a)が実施例、(b)が従来例である(図12〜図14においても同様)。本解析では、従来例として、管体の少なくとも下部が扁平断面とされ、下部の短辺側の両側壁に流路と連通する一対の第一の吐出孔が対向して形成されると共に、底部全体に流路と連通する第二の吐出孔が形成された浸漬ノズルを用いた。表1に各解析モデルの諸元を示す。
一方、鋳型は、長辺方向1300mm、短辺方向100mmとし、引抜き速度が4.0m/min(図12)、4.4m/min(図13)、4.8m/min(図14)の3ケースについて解析を実施した。なお、浸漬ノズルの浸漬深さは303mmとした。
【0038】
【表1】

【0039】
図12〜図14に解析結果を示す。これらの図より以下のことがわかる。
従来例の場合、左右の流れが非対称であるだけでなく、反転流速が大きいため、モールドパウダーの巻き込みや湯面変動の懸念がある。これに対し、実施例の場合は、左右の流れがほぼ対称であり、反転流速も望ましい範囲内であった。その結果、湯面変動が小さくなり、スラブ品質及び生産性の向上が可能となる。
【0040】
以上、本発明の一実施の形態について説明してきたが、本発明は何ら上記した実施の形態に記載の構成に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載されている事項の範囲内で考えられるその他の実施の形態や変形例も含むものである。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施の形態に係る連続鋳造用浸漬ノズルを示す形状図である。
【図2】同連続鋳造用浸漬ノズルの部分側面図である。
【図3】同連続鋳造用浸漬ノズルを長辺方向に縦断した部分縦断面図である。
【図4】同連続鋳造用浸漬ノズルの底面図である。
【図5】水モデル試験を説明するための模式図である。
【図6】a/a’とΔσとの関係を示すグラフである。
【図7】b/b’とΔσとの関係を示すグラフである。
【図8】f/a’とΔσとの関係を示すグラフである。
【図9】e/e’とΔσとの関係を示すグラフである。
【図10】d/a’とLσ+Rσとの関係を示すグラフである。
【図11】流体解析に使用した解析モデルの説明図であって、(a)は実施例、(b)は従来例である。
【図12】流速4.0m/minのときの流体解析結果の説明図であって、(a)は実施例、(b)は従来例である。
【図13】流速4.4m/minのときの流体解析結果の説明図であって、(a)は実施例、(b)は従来例である。
【図14】流速4.8m/minのときの流体解析結果の説明図であって、(a)は実施例、(b)は従来例である。
【符号の説明】
【0042】
10:浸漬ノズル、11:管体、11a:上部、11b:テーパー部、11c:下部、12:流入口、13:流路、14:第一の吐出孔、15:突条部、16:第二の吐出孔、17:スリット、18:短辺側側壁、19:長辺側内壁、20:底部、21:鋳型、22:流速検出器、23:短辺側側壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
上端部が溶鋼の流入口とされ、該流入口から下方に延びる流路が内部に形成された、底部を有する管体の少なくとも下部が扁平断面とされ、前記下部の短辺側の両側壁に前記流路と連通する一対の第一の吐出孔が対向して形成されると共に、前記底部に前記流路と連通する一対の第二の吐出孔が形成されてなる連続鋳造用浸漬ノズルであって、
前記流路の長辺側の両内壁から内方にそれぞれ突出する突条部が、前記一対の第一の吐出孔間に形成され、
前記一対の第二の吐出孔は、該吐出孔の軸線が前記流路内で交差するように、前記管体の中心軸に関して対称に配置されていることを特徴とする連続鋳造用浸漬ノズル。
【請求項2】
請求項1記載の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記第一の吐出孔の水平方向の幅をa’、鉛直方向の幅をb’とし、前記突条部の突出高さをa、鉛直方向の幅をbとすると、a/a’=0.10〜0.25、b/b’=0.15〜0.35である連続鋳造用浸漬ノズル。
【請求項3】
請求項2記載の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記第二の吐出孔の短辺方向の幅をf、水平面に対する前記第二の吐出孔の軸線の角度をα、前記一対の第二の吐出孔間の最小内法をe、前記第一の吐出孔の直上位置における前記流路の長辺方向の幅をe’とすると、f/a’=0.75〜0.90、e/e’=0.10〜0.17、α=40°〜60°である連続鋳造用浸漬ノズル。
【請求項4】
請求項2及び3のいずれか1項に記載の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記第一の吐出孔と前記第二の吐出孔とを連通するスリットが形成されている連続鋳造用浸漬ノズル。
【請求項5】
請求項4記載の連続鋳造用浸漬ノズルにおいて、前記スリットの幅をdとすると、d/a’=0.2〜1.0である連続鋳造用浸漬ノズル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2009−233717(P2009−233717A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−84166(P2008−84166)
【出願日】平成20年3月27日(2008.3.27)
【出願人】(000170716)黒崎播磨株式会社 (314)
【Fターム(参考)】