説明

進入体検出装置及び同装置を備えた進入体威嚇装置

【課題】 有害鳥獣の進入を阻止したい特定の範囲に対して、有害鳥獣が進入してくる方向や位置が特定できないような条件においても、少ない台数の装置で有害鳥獣の進入と進入してくる方向を低コストで精度良く検出する。また、検出した有害鳥獣の居る方向に向けて威嚇刺激を与えることにより、威嚇に対する慣れを防止した装置を提供する。
【解決手段】 有害鳥獣が発する赤外線を検出して検出信号を出力する赤外線検出部を複数備え、複数の赤外線検出部の検出視野を一部重複させながらベース体の円周上に配置する。配置した赤外線検出部によりベース体の周囲に形成した赤外線検出視野のうち、どの検出視野で赤外線を検出したかを判断して有害鳥獣の存在する方向を判断する。また、有害鳥獣の存在する方向に向けて光・音・臭い等の威嚇刺激を発する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農作物等に被害を与えるカラス等の鳥類および猪等の獣類を検出し、それら有害鳥獣が特定の範囲内に寄せ付けないよう威嚇を行う威嚇装置に関する。
【背景技術】
【0002】
収穫前の農作物に深刻な被害を与える有害鳥獣を威嚇する手段として、所定時間おきに大音響の破裂音を発する装置や、鳥が警戒する鳴き声を発する装置(例えば特許文献1)、あるいはそれら音響と共に閃光を発する装置等が知られている。これら装置の内の所定時間おきに破裂音を発する方式のものは、比較的簡単な構造で広い範囲にわたって鳥獣を驚かせることが可能であり、田畑の作物に寄り付く雀等を追い払うのに古くから用いられてきた。しかしながらこの方式は、周囲に響き渡る大音響の破裂音を一定の時間間隔で自動的に発生させる為、周囲で生活する人間にとっては騒音公害となっていた。
【0003】
そこで、特許文献2に示すように赤外線センサで特定範囲内への有害鳥獣の進入を検出し、鳥獣が進入してきた時に爆発音と閃光とで威嚇する装置が提案されている。この提案によれば、有害鳥獣の存在有無に関係なく周期的に周囲へ爆音を発するという問題が解決され、また、カラスのように学習する鳥獣にとっての威嚇刺激への慣れという問題に対応できる。しかし同提案の装置では、鳥獣が進入してくる場所に赤外線センサを設置し、進入位置に合わせてスピーカと閃光ランプを配置する必要があり、鳥獣が進入してくる位置がある程度限られているような場所では効果が期待できるものの、進入してくる位置や方向が特定できないような条件で効果を得るには装置の設置台数を増やす等して対応する必要があった。その為、全周囲に対して鳥獣進入の可能性が考えられる田畑等では、全周囲を赤外線センサの検知範囲とするのは現実的に困難であり、仮に装置の配置間隔を粗くして設置したとしてもコストが嵩むという問題は避けられなかった。
【特許文献1】特開平06−343378号公報
【特許文献2】特開2004−73105号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明は上記先行例が抱える問題点に対処してなされたものであり、その課題とするところは、有害鳥獣の進入を阻止したい特定の範囲に対して、有害鳥獣が進入してくる方向や位置が特定できないような条件においても、少ない台数の装置で有害鳥獣の進入と進入してくる方向を低コストで精度良く検出することにある。また、検出した有害鳥獣の居る方向に向けて威嚇刺激を与えることにより、威嚇に対する慣れを防止した装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は上記課題を解決するために、有害鳥獣等の進入体が発する赤外線を受光して進入体の存在を検出する進入体検出装置において、赤外線を受光して検出信号を出力する赤外線検出部と、該赤外線検出部を円周上に複数配置するベース体と、該ベース体に配置した複数の赤外線検出部の内の赤外線検出信号を出力した赤外線検出部の配置位置に基づいて進入体の存在する方向を判断する方向検出部とを備え、前記ベース体の円周上に配置する複数の前記赤外線検出部の検出視野を、隣り合う前記赤外線検出部同士で互いに一部重複させ、検出視野が重複する複数の赤外線検出部からの赤外線検出信号を基にして進入体の存在する方向を判断することを特徴とする進入体検出装置を提案する。
【0006】
上記提案の進入体検出装置は、前記ベース体の円周上に配置する前記赤外線検出部を、それぞれ検出視野角度をα(rad)としてN個配置し、前記ベース体の周囲2π(rad)にわたって形成する検出視野を所定の単位角度θ1(rad)で複数に区分したとき、以下(1)(2)(3)の関係を満たすことで進入体の存在する方向を方位検出分解能θ1(rad)で判断することが望ましい。(1)ベース体の円周上で隣り合う前記赤外線検出部同士で重複する検出視野角度がα−(2×θ1) (2)α/θ1=nとした場合に、n=3以上の奇数 (3)θ1=π/N(rad)
【0007】
また、有害鳥獣等の進入体が発する赤外線を受光して進入体の存在を検出し、検出した進入体に向けて威嚇動作を行う装置において、上記提案の進入体検出装置と、進入体の感覚器官に刺激動作を与える威嚇部と、該威嚇部から出力する刺激の出力方向を可変する威嚇方向可変部と、前記進入体検出装置で検出した進入体の存在する方向に合わせて前記威嚇方向可変部を可変動作させる威嚇方向制御部とを備え、進入体に向けて音、光、臭い等の威嚇刺激を出力することを特徴とする進入体威嚇装置を提案する。
【発明の効果】
【0008】
本発明の進入体検出装置によれば、有害鳥獣が発する赤外線を検出して検出信号を出力する赤外線検出部を複数備え、複数の赤外線検出部の検出視野を一部重複させながらベース体の円周上に配置して、検出視野が重なる赤外線検出部の検出信号に基づいて有害鳥獣の居る方向を判断する。赤外線検出部の検出視野を一部重ねながらベース体の円周上に配置することで、各赤外線検出部の検出視野がベース体の円周を含む水平面内の周囲へ放射状に設定され、その中のどの検出視野で有害鳥獣を捕らえたかを判断してその存在する方向を知ることができる。特に本発明では、隣接して配置される赤外線検出部の検出視野を一部重複させることにより、赤外線検出部に比較的広い検出視野を備える市販の汎用赤外線焦電センサを用いたとしても、その赤外線焦電センサの検出視野を複数に区分してそれぞれの区分ごとに検出することが可能になり、実際に配置する赤外線検出部の個数に対応する分解能よりも高い分解能で有害鳥獣を検出することができる。具体的には、ある赤外線検出部Aのみが赤外線を検出した時には赤外線検出部Aの略正面に鳥獣が存在すると判断し、赤外線検出部Aとその右隣に位置する赤外線検出部Bとの両方が赤外線を検出した時には赤外線検出部AとBとで重複している検出視野に鳥獣が存在すると判断し、赤外線検出部Aとその左隣に位置する赤外線検出部Cとの両方が赤外線を検出した時には赤外線検出部AとCとで重複している検出視野に鳥獣が存在すると判断することができる。従って、隣り合う赤外線検出部同士で検出視野を重複させた領域を、機能的に1つの独立した赤外線検出部として活用することが可能になり、実際に配列する赤外線検出部の数の2倍の検出分解能を得ることができ、優れた費用対効果が得られる。更に、隣接する赤外線検出部の検出視野が重複することにより、隣り合う赤外線検出部の間に死角が生じるのを防ぐことができ、検出視野に関する赤外線検出部の個体差や、ベース体に対する取り付け精度に対して多少のばらつきを許容することができる。
【0009】
また、例えば本発明による赤外線検出部1個あたりの検出視野角度αを3π/10ラジアンとしてこれをπ/10ラジアンずつ3等分し、隣り合う赤外線検出部同士で3等分した検出視野角度を3分の1ずつ重複させ、ベース体の円周上に10個の赤外線検出部を配置することにより、検出視野を重複させない方式であれば2πラジアンを10分割した分解能(1つの視野角がπ/5ラジアン)に留まるところを、2πラジアンを20分割した分解能(1つの視野角がπ/10ラジアン)に引き上げることが可能になる。従って、10個の赤外線検出部を使用して、水平面内の周囲2πラジアンに対してπ/10ラジアンという十分な分解能で鳥獣の在否及び存在する方向を検出することができる。
【0010】
また、進入体検出装置によって有害鳥獣の居る方向を検出し、音、光、臭い等の威嚇刺激を有害鳥獣に向けて与えるので、農作物の周囲といった特定範囲内へ有害鳥獣が進入してきた時のみ威嚇刺激を鳥獣に対して直接与えることができる。従って、学習能力を備えた有害鳥獣にも慣れがおきることなく有効に威嚇を行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
出来るだけ少ない個数の赤外線検出部(赤外線焦電センサ)を使用しながら、それぞれの赤外線検出部の検出視野を一部重複させて配置することにより、出来るだけ高い検出分解能で水平面内の周囲2πラジアンに存在する有害鳥獣の存在を検出する。そして、検出した有害鳥獣に向けて直接的に威嚇刺激を与える。
【実施例】
【0012】
以下、図面に基づいて本発明の好適な実施形態を説明する。図1は本発明実施例に係る進入体検出装置を示す外観図であり、図2は同進入体検出装置の検出視野を表す説明図である。本発明の進入体検出装置1は、赤外線検出部たる赤外線焦電センサ2を具備するベース体3と、このベース体を所定高さの空間に保持する脚4と、脚4を設置面に安定した状態で垂設させる支持板5とで構成されている。ベース体3は円筒状の外観形状を備えており、その外側面の円周上に沿って10個の赤外線焦電センサ2−1〜2−10が等間隔で同じ高さ位置に配置されている。
【0013】
これら10個の赤外線焦電センサ2による検出視野を図2に示す。図2はベース体3を上方より見たときの10個の赤外線焦電センサ2による検出視野を模式的に示した説明図である。図中の放射状に広がる実線が赤外線焦電センサの検出視野を表しており、扇形の領域が赤外線を検出可能な領域となる。丸付き番号1〜10を付した扇形の領域が個々の赤外線焦電センサの検出視野であり、それぞれの検出視野は扇型の中心角α(検出視野角度)を単位角度θ1ずつ3等分し、その3等分した単位角度θ1の検出視野を隣り合う赤外線焦電センサ同士で重複させながら円周上に配置している。これにより、赤外線焦電センサの検出視野を単位角度θ1ずつ重複させながら、ベース体3の円周2πラジアンに対して丁度10個の赤外線焦電センサを配置することができる。また、単位角度θ1の扇型で表される最小単位の検出視野を、ベース体3の円周2πラジアンに対して20個形成することができる。即ち、各赤外線焦電センサの検出視野角度αが3π/10ラジアン(54°)であり、最小単位の検出視野角度θ1がπ/10ラジアン(18°)となる。
【0014】
次に、本発明実施例による進入体検出動作について説明する。この検出動作は、装置内部に具備される方向検出部(図示しない)において処理される動作であり、赤外線焦電センサ2からの赤外線検出信号を受けて図3に示す原理によって検出動作が実行される。図3では、個々の赤外線焦電センサの赤外線検出結果と、その検出結果から判断する進入体(有害鳥獣)の存在方向の関係を表している。なお説明の都合上、赤外線焦電センサ2−10、2−1、2−2、2−3、2−4についてのみ説明する。表中の「○」は赤外線を検出したことを表しており、「−」は赤外線を検出していないことを表している。表に表すように、進入体の存在方向についての判断は次のようにして行う。
●赤外線焦電センサ2−10と2−1が赤外線を検出したときには、それら両センサの検出視野を重複させた領域である図2に示す検出視野aに有害鳥獣が存在すると判断。
●赤外線焦電センサ2−1のみが赤外線を検出したときには、検出視野bに有害鳥獣が存在すると判断。
●赤外線焦電センサ2−1と2−2が赤外線を検出したときには、それら両センサの検出視野を重複させた領域である検出視野cに有害鳥獣が存在すると判断。
●赤外線焦電センサ2−2のみが赤外線を検出したときには、検出視野dに有害鳥獣が存在すると判断。
●赤外線焦電センサ2−2と2−3が赤外線を検出したときには、それら両センサの検出視野を重複させた領域である検出視野eに有害鳥獣が存在すると判断。
●赤外線焦電センサ2−3のみが赤外線を検出したときには、検出視野fに有害鳥獣が存在すると判断。
●赤外線焦電センサ2−3と2−4が赤外線を検出したときには、それら両センサの検出視野を重複させた領域である検出視野gに有害鳥獣が存在すると判断。
【0015】
以上のようにして、表には表していない赤外線焦電センサ2−5から2−9についても同様に判断を行い、ベース体3の周囲2πラジアンを20区分の検出視野で監視する(即ち方位検出分解能θ1=π/10ラジアン)。ちなみに、図1と図2に示す赤外線焦電センサ2−1から2−10の最大検出距離を15mに設定したとすると、ベース体3に配置する各赤外線焦電センサから15m離れた場所において、単位角度θ1の検出視野が形成する扇型の弧の長さが約4.7mとなり、大型の猪に対しても十分な精度で存在方向を検出することができる。
【0016】
尚、ここまでの説明では、単位角度θ1をπ/10ラジアンとした例について説明したが、図4に示すように他の単位角度θ1や検出視野角度αでも実施可能である。一例として、図4(a)に示すように赤外線焦電センサの配置個数を4個、赤外線焦電センサの各検出視野角度αを3π/4ラジアンとしても、方位検出分解能θ1をπ/4ラジアンとして実施可能である。また、図4(b)に示すように赤外線焦電センサの配置個数を8個、赤外線焦電センサの各検出視野角度αを5π/8ラジアンとしても、方位検出分解能θ1をπ/8ラジアンとして実施可能である。更に、図4(c)に示すように赤外線焦電センサの配置個数を10個、赤外線焦電センサの各検出視野角度αを5π/10ラジアンとしても、方位検出分解能θ1をπ/10ラジアンとして実施可能である。要は、次の(1)(2)(3)の関係を満たすときに角度θ1ラジアンの方位検出分解能で有害鳥獣を検出することができる。

個々の赤外線焦電センサの検出視野角度をα、ベース体3の円周上に配置する赤外線焦電センサの個数をNとしたとき、
(1)ベース体3の円周上で隣り合う赤外線焦電センサ同士で重複する検出視野角度がα−(2×θ1)
(2)α/θ1=nとした場合に、n=3以上の奇数
(3)θ1=π/N(rad)
【0017】
また、上記実施例ではベース体3の周囲全周に2πラジアンにわたって検出を行っているが、これに限定される必要はない。例えば、πラジアン、あるいは3π/2ラジアンに対応する部分的な範囲を検出対象としてもよい。その場合は、検出対象としない範囲に該当する赤外線焦電センサを配置しなければよい。
【0018】
以上のように構成する進入体検出装置を用いた進入体威嚇装置について、図5、図6を基に説明する。図5は進入体威嚇装置の外観を示しており、図6はその内部構成を示す制御ブロック図である。
6−1はスピーカであり、例えば鋭いビーム状の可聴範囲を持つ周知の超音波パラメトリックスピーカ等を採用し、有害鳥獣に対して警戒を起こさせる種類の威嚇音声を狭い可聴範囲で遠方まで放射するようにしている。なお、超音波パラメトリックスピーカとは、可聴音信号等で変調された超音波を空気中へ放射した際に、超音波に対する空気の非線形特性の結果、超音波伝搬路に沿って変調信号が可聴音として復調されるパラメトリックアレイ効果を利用したスピーカであり、可聴音に極めて鋭い指向性を与えることができる点が大きな特徴である。但し、その詳細な原理・構造については説明を省略する。6−2はストロボ発光器であり、有害鳥獣に対して威嚇の為の閃光を発光する。6−3は回転アームであり、ストロボ発光器6−2を一体的に固定保持するスピーカ6−1を2点で回転可能に支持し、スピーカ6−1及びストロボ発光器6−2の威嚇刺激出力方向を垂直方向に可変可能にしている。これらスピーカ6−1、ストロボ発光器6−2、及び回転アーム6−3により威嚇部6を構成する。7は威嚇方向可変部たるモータであり、このモータの回転動作により回転アーム6−3を水平方向に回転変位させる。8はロータリーエンコーダであり、モータ7の回転に伴う機械的変位量を電気信号に変換することで、この信号を基にして回転アーム6−3の回転位置を検出する。9は威嚇方向制御部であり、ロータリーエンコーダ8の出力に基づいて威嚇部6の向きを把握し、上記進入体検出装置で判断した有害鳥獣の存在する方向にスピーカ6−1及びストロボ6−2の威嚇刺激出力方向を向けるよう制御を行うものである。10は装置全体の動作を司る制御部である。
【0019】
以上のように構成される進入体威嚇装置の動作について説明する。田畑の作物近辺に設置された進入体威嚇装置に有害鳥獣が近寄ると、まず進入体検出装置1において、赤外線焦電センサ2の赤外線検出結果を基にして進入体威嚇装置に対する有害鳥獣の存在方向を判断する。次に、制御部10はロータリーエンコーダ8の出力信号を受けてモータ7の回転軸に関する位置情報を取得し、取得した位置情報を威嚇方向制御部9に引き渡してモータ7の回転動作を開始する。威嚇方向制御部9のモータ回転制御により、威嚇部6を構成するスピーカ6−1及びストロボ6−2の威嚇刺激出力方向が有害鳥獣の存在する方向と一致すると、制御部10はスピーカ6−1及びストロボ6−2に威嚇刺激を出力するよう指示を与え、有害鳥獣に向けて威嚇音声やキセノン光等の閃光を発する。なお、この場合の威嚇音声としては、例えば、人間の叫び声、犬の鳴き声、ピンクノイズ、所定周波数可聴音のバースト波などを用いることができる。
【0020】
本発明は以上のように構成するものであるが、特許請求の範囲を逸脱しない範囲で上記実施例の他にも種々の実施が可能である。例えば、威嚇部6を構成する威嚇手段として、刺激臭を発生させる臭い発生手段や、高圧水等を放水する手段、カプサイシン等の刺激物を噴霧あるいは放出する手段などを用いることも可能である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明実施例の進入体検出装置を示す外観図である。
【図2】本発明実施例に係る進入体検出装置の検出視野を表す説明図である。
【図3】本発明実施例に係る進入体検出動作原理を示す説明図である。
【図4】赤外線検出部の配置に関する別実施例を示す説明図である。
【図5】本発明実施例の進入体威嚇装置を示す外観図である。
【図6】本発明実施例に係る進入体威嚇装置の内部構成を示す制御ブロック図である。
【符号の説明】
【0022】
1 進入体検出装置
2 赤外線検出部たる赤外線焦電センサ
2−1〜2−10 赤外線検出部たる赤外線焦電センサ
3 ベース体
6 威嚇部
6−1 威嚇部を構成するスピーカ
6−2 威嚇部を構成するストロボ発光器
6−3 威嚇部を構成する回転アーム
7 威嚇方向可変部たるモータ
8 ロータリーエンコーダ
9 威嚇方向制御部
10 制御部
11 方向検出部
N 赤外線検出部の配置個数
α 赤外線焦電センサの検出視野角度
θ1 方位検出分解能

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有害鳥獣等の進入体が発する赤外線を受光して進入体の存在を検出する進入体検出装置において、
赤外線を受光して検出信号を出力する赤外線検出部と、該赤外線検出部を円周上に複数配置するベース体と、該ベース体に配置した複数の赤外線検出部の内の赤外線検出信号を出力した赤外線検出部の配置位置に基づいて進入体の存在する方向を判断する方向検出部とを備え、
前記ベース体の円周上に配置する複数の前記赤外線検出部の検出視野を、隣り合う前記赤外線検出部同士で互いに一部重複させ、検出視野が重複する複数の赤外線検出部からの赤外線検出信号を基にして進入体の存在する方向を判断することを特徴とする進入体検出装置。
【請求項2】
前記ベース体の円周上に配置する前記赤外線検出部を、それぞれ検出視野角度をα(rad)としてN個配置し、前記ベース体の周囲2π(rad)にわたって形成する検出視野を所定の単位角度θ1(rad)で複数に区分したとき、以下(1)(2)(3)の関係を満たすことで進入体の存在する方向を方位検出分解能θ1(rad)で判断することを特徴とする請求項1記載の進入体検出装置。
(1)ベース体の円周上で隣り合う前記赤外線検出部同士で重複する検出視野角度がα−(2×θ1)
(2)α/θ1=nとした場合に、n=3以上の奇数
(3)θ1=π/N(rad)
【請求項3】
有害鳥獣等の進入体が発する赤外線を受光して進入体の存在を検出し、検出した進入体に向けて威嚇動作を行う装置において、
請求項1または請求項2に記載の進入体検出装置と、進入体の感覚器官に刺激動作を与える威嚇部と、該威嚇部から出力する刺激の出力方向を可変する威嚇方向可変部と、前記進入体検出装置で検出した進入体の存在する方向に合わせて前記威嚇方向可変部を可変動作させる威嚇方向制御部とを備え、
進入体に向けて音、光、臭い等の威嚇刺激を出力することを特徴とする進入体威嚇装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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