遊技台管理システム
【課題】遊技台の有利状態を管理者の立場から管理しやすい状態で特定する管理コンピュータを備える遊技台管理システムを提供する。
【解決手段】ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境界値、有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及び有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数を入力する設定情報入力部302と、ベースゲーム数の集計単位で、ベースを1又は複数のゲームごとに演算するベース算出部304と、ベースが開始境界値を上回った場合に、ゲーム態様が有利状態になったとして有利状態の開始を判定すると共に、ベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、ベースが終了境界値を下回った時点でゲーム態様が有利状態ではなくなったとして有利状態の終了を判定する開始/終了判定部305とを備える。
【解決手段】ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境界値、有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及び有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数を入力する設定情報入力部302と、ベースゲーム数の集計単位で、ベースを1又は複数のゲームごとに演算するベース算出部304と、ベースが開始境界値を上回った場合に、ゲーム態様が有利状態になったとして有利状態の開始を判定すると共に、ベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、ベースが終了境界値を下回った時点でゲーム態様が有利状態ではなくなったとして有利状態の終了を判定する開始/終了判定部305とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台を管理する遊技台管理システムに関し、特に通常モードにおける有利状態を判定して、遊技台のゲーム態様を特定する遊技台管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置されたスロットマシンは、投入枚数に対して払出枚数が少ない通常モードと、投入枚数に対して払出枚数が大幅に多くなる特賞モードとを有するのが一般的である。特賞モードにはビッグボーナス(以下、BBとする)、レギュラーボーナス(以下、RBとする)等のボーナスがあり、顧客はそれらのボーナスを引き当てることでメダル数を大幅に獲得することができる。しかし、無闇にボーナスを出すことは顧客の射幸心を煽る結果になるため、ボーナスの出現条件等には厳しい制限が課せられている。
【0003】
そのため、大きなボーナスではないが、通常モードにおいて遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合を若干大きめに設定するリプレイタイム(以下、RTとする)、アシストタイム(以下、ATとする)、アシストリプレイタイム(以下、ARTとする)等のゲーム態様を有する機種が多く流通しており、一日の獲得枚数がボーナスゲームにおける獲得枚数よりも多くなる機種がある。
【0004】
なお、本発明においては、上述した遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合について、1以上の所定のゲーム数における投入枚数に対する払出枚数の割合をベースとする。
【0005】
このようなゲーム態様を有する遊技台でプレイする顧客は、遊技台に表示される情報から特賞モードのボーナス回数についての情報を得ることができると共に、ART等の有利状態の情報を得ることができる技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に示す技術は、通常モード及び特賞モードでのゲーム態様を有し、当該通常モードにおいて有利状態及び通常状態のゲーム態様を有する遊技台の状態を出力する出力制御装置において、ゲームのモードを特定するモード特定部と、ベースを算出するベース算出部と、通常モードである場合にベース情報を含むゲーム情報を複数ゲームごとの集計単位で集計する集計部と、集計情報に基づいて通常モードにおけるゲームの状態を判定する判定部と、ゲームの状態、ベース情報及び集計したゲーム情報を所定の遊技台数ごとに出力する出力部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−154942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、遊技台でプレイする顧客に対してART等の有利状態を判定して出力するものであるが、遊技場の管理者に対して管理を行いやすい状態で情報を提供できるものではない。すなわち、遊技場の管理者は、ボーナス等の特賞モードに関する情報は管理することができるものの、遊技台からの信号が出力されないART等の有利状態に関する情報については、正確に管理できていないのが現状である。
【0008】
そこで、本発明は、遊技台の有利状態を管理者の立場から管理しやすい状態で特定する管理コンピュータを備える遊技台管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本願に開示する遊技台管理システムは、通常モード及び特賞モードでのゲーム態様を有し、当該通常モードにおいて有利状態及び通常状態のゲーム態様を有する遊技台の状態を、当該遊技台を管理する管理コンピュータが特定する遊技台管理システムであって、前記管理コンピュータが、ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、前記有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境界値、前記有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及び前記有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数を入力する情報入力手段と、前記入力されたベースゲーム数の集計単位で、前記遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合であるベースを、当該遊技台からの信号に基づいて1又は複数のゲーム間隔で1ゲームごとに演算するベース演算手段と、前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回った場合に、当該開始境界値を上回ったゲームをゲーム態様が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定する開始判定手段と、前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する終了判定手段とを備えるものである。
【0010】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ベースゲーム数、開始境界値、終了境界値、及び連続ゲーム数が入力され、それらの入力値とベース値とに基づいて通常モードにおける有利状態(例えば、ART状態等)の開始と終了とを判定し、特に有利状態の終了を判定する際には、ベースが終了境界値を下回ったゲーム数が連続ゲーム数を超えて連続した場合に、有利状態の終了を判定することで、遊技台の特徴を正確に把握しつつ、管理者が管理しやすい状態で有利状態を特定することができるという効果を奏する。
【0011】
すなわち、ベースが終了境界値を下回った時点で直ちに有利状態の終了を判定するのはなく、ベースが終了境界値を下回ったゲーム数が連続ゲーム数を超えた場合に、有利状態の終了を判定するため、ベースが終了境界値を数ゲームの間下回って、その後も有利状態が引き続くような特徴を有する遊技台に対しても、有利状態の連続性を的確に特定することができ、有利状態が継続する長さや今後どれくらいの有利状態が発生するか等の予測が立てやすく、管理者が遊技台の設定等を行いやすくなる。
【0012】
なお、ベースが終了境界値を下回った時点で直ちに有利状態の終了を判定してもよい。その場合は、連続ゲーム数がゼロに設定されている。
【0013】
(2)本願に開示する遊技台管理システムは、前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームの投入枚数と払出枚数とを集計し、当該集計した値に基づいて1ゲームごとにシフトしてベースを演算し、前記ベース及びゲーム態様の推移を1ゲームごとに出力する出力制御手段を備えるものである。
【0014】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームの投入枚数と払出枚数とを集計し、当該集計した値の割合を1ゲームごとにシフトしながらベースを演算し、演算された1ゲームごとのベースとゲーム態様との推移を出力するため、管理者が遊技台の状態を正確に把握することができ、管理が行いやすくなるという効果を奏する。
【0015】
(3)本願に開示する遊技台管理システムは、前記終了判定手段が、前記入力された連続ゲーム数が1以上である場合に、前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力
された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定部と、前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定部とを備え、前記出力制御手段が、前記第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、前記第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、前記有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力するものである。
【0016】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、ベースが終了境界値を下回ったゲームから有利状態ではなくなったと判定する第1の終了判定部と、ベースが終了境界値を下回った時点で、直ちにそのゲームから有利状態ではなくなったと判定する第2の終了判定部とを備え、第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力することで、有利状態の連続性を異なる基準で管理し、それを階層化して参照することができるため、管理者が遊技台の状態を管理し易くなるという効果を奏する。
【0017】
(4)本願に開示する遊技台管理システムは、前記情報入力手段が、前記開始判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、前記開始判定手段が、前記ゲーム態様の判定において、1ゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回ったゲームから、前記開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定するものである。
【0018】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、ベースが、開始境界値を上回ったゲームから、開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定するため、ベースゲーム数の集計単位でベースを演算することにより生じる、ゲーム状態の変化を特定するタイミングのズレが補正され、より正確に有利状態の開始を判定することができるという効果を奏する。
【0019】
(5)本願に開示する遊技台管理システムは、前記情報入力手段が、前記終了判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、前記終了判定手段が、前記ゲーム態様の判定において、1ゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームから、前記終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定するものである。
【0020】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、ベースが、終了境界値を下回ったゲームから、終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定するため、ベースゲーム数の集計単位でベースを演算することにより生じる、ゲーム状態の変化を特定するタイミングのズレが補正され、より正確に有利状態の終了を判定することができるという効果を奏する。
【0021】
(6)本願に開示する遊技台管理システムは、前記有利状態中にゲーム態様が特賞モードになった場合に、前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームに、ゲーム態様が特賞モードであ
るゲームが含まれているとき、当該特賞モード中のゲームにおける投入枚数と払出枚数とを除外して前記ベースを演算するものである。
【0022】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、有利状態中にゲーム態様が特賞モードになった場合に、前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームに、ゲーム態様が特賞モードであるゲームが含まれているとき、当該特賞モード中のゲームにおける投入枚数と払出枚数とを除外して前記ベースを演算するため、特賞モードによるベースの増大が原因で生じる有利状態の判定の誤差を最小限に抑えて、有利状態を正確に把握することが可能になるという効果を奏する。
【0023】
すなわち、特賞モードでベースがはベースが非常に大きい値となるため、特賞モードにおけるベースを考慮してしまうと、特賞モードが終了している場合であってもベースが非常に大きい値となってしまい、有利状態を正確に判定できなくなってしまう。したがって、有利状態中に特賞モードになった場合には、特賞モードにおける投入枚数と払出枚数を無視してベースを演算し、特賞モードが終了した後もベースが終了境界値を上回っている場合は、有利状態が継続していると判断することで、有利状態を正確に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る遊技台管理システムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータのハードウェア構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける遊技台が出力するパルス信号の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第1のフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第2のフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図である。
【図8】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【図9】第2の実施形態に係る遊技台管理システムにおける有利状態の開始/終了の判定を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図である。
【図11】第3の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態の同じ要素には全体を通して同じ符号を付けている。以下の実施の形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータ
に記録することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る遊技台管理システムについて、図1ないし図8を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る遊技台管理システムのシステム構成図、図2は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータのハードウェア構成図、図3は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの機能ブロック図、図4は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける遊技台が出力するパルス信号の一例を示す図、図5は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第1のフローチャート、図6は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第2のフローチャート、図7は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図、図8は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【0027】
図1において、遊技台管理システム1は、遊技台が設置されているホール側とホール全体を管理する事務室内とに分かれる。ホール側には、顧客が遊技するための遊技台130と、遊技台130から出力される信号を受信する台情報基板110と、台情報基板110が受信した信号を島ごとに集計する島コンピュータ140とを備え、事務室内には、ホール内の全ての島コンピュータ140からの接続ケーブルを集線するハブ150と、ホール内の遊技台130の情報を集計して管理等を行う管理コンピュータ120とを備える。
【0028】
遊技台130は、スロットマシンであり、ゲームモード(特賞モード、通常モード)により投入枚数に対する払出枚数の割合(ベース)が変化するように調整されている。また、通常モードの場合であっても、通常状態と有利状態(RT、AT、ART等)とに区別されている。
【0029】
顧客が遊技台130にて遊技を行うと、遊技台130からの入力信号を受信した台情報基板110が遊技台130のゲーム情報を個々に出力する。また、台情報基板110が受信した入力信号に基づくゲーム情報は、島コンピュータ140、及びハブ150を介して管理コンピュータ120に送信される。ホールの管理者は、管理コンピュータ120を用いてゲーム情報の演算等の処理を行い、システム全体を管理する。その際に、必要に応じてプリンタ等を用いて紙に印刷を行う。
【0030】
なお、遊技台130と台情報基板110との間に、遊技台130ごとに当該遊技台130のゲームの情報を出力する出力制御装置を備えるようにしてもよい。また、管理コンピュータ120は、例えばデータベース処理を行うデータベースサーバ、トランザクション処理を行うトランザクションサーバ、ファイルを共有するファイルサーバ、プリンタを共有するプリンタサーバ等を備える構成であってもよい。さらに、管理コンピュータ120は、スロットマシン以外の例えばパチンコ機などの遊技台を管理するような他の管理機能を合わせ持ったコンピュータであってもよい。
【0031】
図2は、本実施形態に係る管理コンピュータのハードウェア構成図である。管理コンピュータ120は、システムプログラムや各種プログラム(例えば、遊技台管理プログラム、出力制御プログラム等)が格納されているROM23と、各種データ(例えば、設定情報、遊技台情報等)が格納されているHD(ハードディスク)24と、各種プログラム等が必要に応じて読み出され、CPU21の作業領域として用いられるRAM22と、読み出されたプログラム等に基づいて実際の演算を実行するCPU21と、他の装置(例えば、ネットワークを通じてオンラインとなっている他の端末等)と通信を行うためのインタ
フェースである通信I/F25と、キーボード、マウス等の入力機器からの入力を受け付けたり、ディスプレイ、プリンタ等にデータを出力するためのインタフェースである入出力I/F26とを備える。
【0032】
なお、上記ハードウェア構成はあくまで一例を示したものであり、使用環境に応じて構成要素の変更をすることができるものある。
【0033】
図3において、管理コンピュータ120は、信号入力部301と設定情報入力部302とモード特定部303とベース算出部304と開始/終了判定部305と出力制御部306とゲーム情報部320と設定情報部321とを備える。
【0034】
信号入力部301は、遊技台130から出力された信号を台情報基板110、島コンピュータ140、ハブ150を介して受信し、入力する処理を行う。
【0035】
ここで、遊技台130から出力される信号について説明する。遊技台130からは様々な信号が出力されており、それらの信号を解析することで、遊技台130のゲームモード、投入枚数及び払出枚数の情報を取得することができる。表1は、スロットマシンが出力する信号の特徴を示している。
【0036】
【表1】
表1において、INが投入枚数、OUTが払出枚数であり、コイン1枚に対して1パルス(信号幅30ms〜200ms)の信号が出力される。また、RB、及びBB信号は特賞モードを示す信号であり、その状態中は信号の立ち上がり後保持される。CT信号の形態は遊技台ごとの仕様で決められている。
【0037】
10ゲーム間のパルスの集計において、通常時はINのパルス数30(1ゲーム3枚で10ゲーム分)に対してOUTのパルス数がおよそ15〜24程度であり、RB時はINのパルス数10〜30に対してOUTのパルス数がおよそ100〜150程度であり、BB時はINのパルス数10〜30に対してOUTのパルス数がおよそ100〜150程度である。つまり、通常時は投入数に対して払出数が少なくなっているが、RB時やBB時の特賞モード状態では投入数に対して払出数が非常に多くなる。
【0038】
パルス信号の具体例を図4に示す。図4はスロットマシンの出力信号の一例を示す図である。図4において、INはコイン1枚につき1パルスであり、一般的に1ゲームで3枚のコインを投入するため、3つの連続パルスが発生している。ゲームとゲームの間は、4.1sの間隔を空ける必要があるため、次の連続パルスは、少なくとも4.1s後以降で発生する。OUTはゲームとゲームの間で払い出されるコイン数であり、INと同時、又は少し遅延して発生する。OUTについては、1ゲームにつき15枚以内にする必要があるため、ゲーム間で最大15パルスが発生する。RB、BBは、発生と同時にパルスが出力され、その状態の間、発生したパルスが立ち上がり後保持される。
【0039】
図3に戻って、設定情報入力部302は、管理者102が設定情報として入力した情報を設定情報部321に記憶する。設定情報には、ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、ART等の有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境
界値、ART等の有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及びART等の有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数が含まれ、これらの情報が設定情報部321に記憶される。
【0040】
モード特定部303は、信号入力部301が入力した信号に基づいてゲームのモードを特定し、それらの情報はゲーム情報部320に記憶される。つまり、図4に示すような、RB、BB等のパルス信号を受信した場合には、ゲームモードが特賞モードであると特定し、そうでなければ通常モードであると特定する。
【0041】
ベース算出部304は、信号入力部301が入力した信号に基づいて投入枚数(IN)に対する払出枚数(OUT)の割合を示すベースを算出し、それらの情報はゲーム情報部320に記憶される。ベースを算出する際には、設定情報入力部302で入力され、設定情報部321に記憶されたベースゲーム数の単位で集計されたベースが算出される。すなわち、例えばベースゲーム数が20ゲームで設定されているとすると、ベースを演算する対象となるゲームから直近の過去20ゲーム分の投入枚数と払出枚数とを集計し、その割合を算出してベースとする。つまり、例えば50ゲーム目のベースを演算する場合は、31ゲームから50ゲームまでの投入枚数と払出枚数とを集計し、その割合を算出する。
【0042】
このベースの算出は、ベースゲーム数単位で1ゲーム毎又は複数ゲーム間隔で1ゲーム毎にシフトして行われる。仮に1ゲーム間隔で演算する場合は、例えば40ゲーム時の処理では21ゲームから40ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出し、41ゲーム時の処理では22ゲームから41ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出する(ただし、ベースゲーム数が20ゲームで設定されているとする)。これを同様に42、43、44、・・・と1ゲーム間隔で1ゲームごとにシフトしながらベースゲーム数の単位で演算を行う。また、仮に複数ゲーム間隔で演算する場合は、例えば3ゲーム間隔で演算するとすると、40ゲーム時の処理では21ゲームから40ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出し、次に間に2ゲーム空けて43ゲーム時の処理を行う。43ゲーム時の処理では24ゲームから43ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出する。これを同様に、46、49、52、・・・と3ゲーム間隔で1ゲームごとにシフトしながらベースゲーム数の単位で演算を行う。より正確に有利状態を判定するためには1ゲーム間隔で処理を行うのが望ましいが、2ゲーム以上の複数ゲーム間隔で行っても有利状態を判定することは可能である。
【0043】
なお、ベースゲーム数は1以上のゲーム数であれば任意に設定することが可能であるが、1ゲームに設定するとベースの変動が大きいため判定が安定しなくなってしまう可能性がある。したがって、2以上の複数の値に設定することが望ましく、特に、有利状態が継続する最小のゲーム数に設定されることが望ましい。有利状態が継続する最小のゲーム数は遊技台130の機種ごとに異なるため、遊技台130の機種ごとに臨機応変に設定されることが望ましい。
【0044】
開始/終了判定部305は、モード特定部303の特定結果、ベース算出部304の算出結果、及び設定情報部321に記憶された設定情報に基づいて、通常モードにおける有利状態の開始、終了を判定する。有利状態の開始については、モード特定部303が通常モードと特定している状態で、ベース算出部304が算出したベースの値が、設定情報部321に記憶されている開始境界値以上である場合に、有利状態が開始されたと判定する。
【0045】
有利状態の終了については、ゲームの状態が有利状態である場合に、ベース算出部304が算出したベースの値が、設定情報部321に記憶されている終了境界値以下である状
態が、設定情報部321に記憶された連続ゲーム数より多く継続した場合に、有利状態が終了したと判定する。すなわち、ベースの値が終了境界値以下であっても、その状態が連続ゲーム数以下しか継続しなかった場合には、有利状態が終了したと判定せずに、有利状態が継続していると判定する。
【0046】
なお、有利状態中にゲームモードが通常モードから特賞モードになる場合がある。その場合は、特賞モード中の投入枚数と払出枚数を除外してベースを算出する。すなわち、特賞モードではベースが非常に大きい値となるため、特賞モードにおけるベースを考慮してしまうと、特賞モードが終了している場合であってもベースが非常に大きい値となってしまい、有利状態を正確に判定できなくなってしまう。したがって、有利状態中に特賞モードになった場合には、特賞モードにおける投入枚数と払出枚数を無視してベースを演算し、特賞モードが終了した後もベースが終了境界値を上回っている場合は、有利状態が継続していると判断する。
【0047】
出力制御部306は、ゲーム情報部320に記憶された情報、及び開始/終了判定部305の判定結果に基づいて、遊技台130におけるゲーム態様の推移を遊技台130ごとに帳票に印刷したり、表示画面に表示して出力する。この出力結果については、詳細を後述する。
【0048】
次に、管理コンピュータ120の動作について図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。まず、設定情報入力部302が、管理者102により設定されたベースゲーム数、開始境界値、終了境界値、及び連続ゲーム数を設定情報として入力する(S501)。信号入力部301が遊技台130から受信した信号から、最初のゲームのゲーム情報を読み込む(S502)。入力された信号に基づいて、モード特定部303がゲームのモードを特定し(S503)、ベース算出部304がベースを演算する(S504)。ベースを演算する際には、過去ベースゲーム数の範囲内に特賞モードとなっているゲームがある場合、そのゲームにおける投入枚数と払出枚数は除外してベースを算出する。
【0049】
S503で特定されたゲームモードが特賞モードであるかどうかを判定し(S505)、特賞モードである場合は、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S506)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。S505でゲームモードが特賞モードでない、すなわち通常モードである場合は、前のゲームの状態が有利状態か通常状態かを判定し(S507)、前のゲームが通常状態である場合は、開始/終了判定部305が、ベースが開始境界値以上かどうかを判定し(S508)、ベースが開始境界値未満であれば、ゲームの状態が有利状態ではないと判断し、すなわちゲームの状態を通常状態と特定し(S509)、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S510)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。ベースが開始境界値以上であれば、有利状態が開始されたと判断し、ゲーム状態を有利状態と特定する(S511)。
【0050】
一方、S507の判定において、前のゲームの状態が有利状態である場合は、(1)の処理に進む。(1)の処理を図6に示す。まず、開始/終了判定部305が、ベースが終了境界値以下かどうかを判定し(S518)、ベースが終了境界値より大きい場合は、有利状態が継続していると判断して、ゲームの状態を有利状態と特定し(S521)、図5の(2)の処理に進む。ベースが終了境界値以下の場合は、ベースが終了境界値以下となった過去の直近のゲームから、その状態が連続ゲーム数より多く継続しているかどうかを判定し(S519)、連続ゲーム数より多く継続していない場合は、ベースが終了境界値以下であっても有利状態が継続していると判断して、ゲームの状態を有利状態と特定し(S521)、図5の(2)の処理に進む。連続ゲーム数より多く継続している場合は、ゲーム状態を通常状態と特定し(S520)、図5の(2)の処理に進む。
【0051】
図5の(2)の処理まで進むと、全てのゲームについて処理が終了したかどうかを判定し(S512)、全てのゲームについて処理が終了している場合は、ゲーム態様の推移を出力して(S513)、処理を終了する。全てのゲームについて処理が終了していない場合は、ゲーム態様の推移の出力指示があるかどうかを判定し(S514)、出力指示がなければ、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S515)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。出力指示があれば、ゲーム態様の推移を出力し(S516)、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S517)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。
【0052】
次に、ゲーム態様の推移の出力結果について説明する。図7はある遊技台の1日のゲーム態様の推移を示しており、領域61には1ゲームごとのベースの推移(ただし、ベース70以上、150以下の部分のみを表示しており、70未満は70、150を超える場合は150としている)をグラフで示すと共に、有利状態(ここでは、ARTに限定する)とRBを表示している。領域62には設定情報を入力するための入力欄62a(図中のシミュレーション設定欄に相当)と、出力情報を選択する選択欄62bと、ART状態の推移を表形式で出力する表出力欄62cとを有している。ここでは、開始境界値(図中の「開始判定」に相当)が120、終了境界値(図中の「終了判定」に相当)が100、連続ゲーム数(図中の「連荘判定」に相当)が40、ベースゲーム数(図中の「判定ゲーム回数」に相当)が20、補正値(図中の「戻しゲーム回数」に相当)が0に設定されている。なお、補正値については、第2の実施形態において詳細を説明する。また、選択欄62bにおいては「REG表示」が選択されており、ARTの情報に加えて、RBの情報が領域61及び表出力欄62cに付加的に出力される設定となっている。
【0053】
領域61において、1段につき700ゲームのベースの推移がグラフで示され、1日分のデータとして約9500ゲーム分の情報が示されている。その中で、背景がドットの部分がART状態を示し、背景が斜線の部分がRBの状態を示している。表出力欄62cからわかる通り、この日はARTが20回発生し、RBが5回発生していることがわかる。ARTの各回数を示す数値は、領域61のグラフにも示されており(ART状態を示す開始位置の左上部分に表示)、各ARTがどれくらい長く継続されたかを表及びグラフで確認することができるようになっている。領域61のグラフからわかるように、1回のARTにおいてベースが100以下となっている箇所があるにも関わらず、ART状態が継続していると判定している箇所が多数ある。これは、連続ゲーム数が40に設定されているためであり、すなわち、ART状態においてベースが100以下の状態が40ゲームより多く連続しなければ、ART状態が継続されていると判定しているためである。なお、ここでは、ART中に発生したRBの回数については、表出力欄62cでカウントしていない。
【0054】
図7に示すように、遊技台のゲーム態様の推移だけではなく、ゲーム数、時刻、時間、出玉数、ボーナス回数等、ゲームに関する様々な情報も併せて出力されている。これらの情報は、ゲーム情報部320に記憶されている情報であり、出力制御部306がゲーム情報部320から情報を読み込んで出力している。
【0055】
図8は、RBに加えてBBも示した場合の出力結果である。領域61における背景が網状線の部分がBBの状態を示している。また、ここでは連続ゲーム数が0に設定されている。すなわち、ベースが終了境界値以下となった時点で直ちにARTが終了した(通常状態が開始した)と判定する設定となっている。したがって、スペースの関係で全てが表示されていないが、ARTの回数が32回とかなり多く発生している結果となっている。また、領域61のグラフにおいて、BB中であってもベースが低い箇所が見受けられるが、これは上述したように、BBなど特賞モードでは、ベースが非常に高いので、特賞モード中のゲームについては投入枚数と払出枚数を除外してベースを演算しているためである。
【0056】
すなわち、(1)ベースを算出する際、ベースゲーム数遡って、ベースゲーム数に対応するゲーム範囲内で、BBなど特賞モードのゲームがあった場合には、BBなど特賞モード中のゲームは除外して、通常ゲームのみの投入枚数、払出し枚数及び通常ゲ―ム数からベースを演算しても良いし、(2)BBなど特賞モード中のゲームは除外してベースゲーム数遡って、通常ゲームのみのゲームを対象にして、投入枚数、払出し枚数及び通常ゲ―ム数からベース演算しても良い。本実施形態においては、(1)の処理によりベースを演算しているが、BBなど特賞モード中のゲーム数がベースゲーム以上続く等、遊技機の特性によっては、ベースゲーム数に対応するゲーム範囲内で演算対象の通常モードのゲーム数が0になってベースを演算できなくなったり、または、演算対象の通常モードのゲーム数が極端に少なくなり、演算結果であるベースの値が不安定になる場合がある。その場合には、(2)の演算方法を用いても良い。
【0057】
このように、遊技台の特徴に応じて設定情報を入力することで、その遊技台の特徴を正確に把握することができ、翌日の営業に向けて遊技台の設定を行いやすくなると共に、管理者が遊技台を管理し易くなる。
【0058】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る遊技台管理システムについて、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける有利状態の開始/終了の判定を示す図である。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と重複する説明については省略する。
【0059】
本実施形態に係る遊技台管理システムは、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、ゲーム態様の判定において、ベースが開始境界値を上回ったゲームから、開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定するものである。
【0060】
また、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、ゲーム態様の判定において、ベースが終了境界値を下回ったゲームから、終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定するものである。
【0061】
本実施形態における管理コンピュータの構成は、第1の実施形態の図3の構成において、設定情報入力部302で開始補正値と終了補正値とが入力されると共に設定情報部321に記憶され、開始/終了判定部305の処理において、開始補正値と終了補正値とに基づいて、有利状態の開始/終了が判定される点が異なる。この開始補正値及び終了補正値は、図7及び図8における入力欄62aの戻しゲーム回数に相当する。なお、図7及び図8では戻しゲーム回数の入力項目が1つしかないため、開始補正値=終了補正値となるが、別々の入力項目にして、それぞれの値を入力する構成としてもよい。
【0062】
開始補正値及び終了補正値に基づく有利状態(ここでは、ARTに限定する)の開始/終了判定について、図9を用いて説明する。図9(A)はARTの開始判定の処理を示す図である。図9(A)において、ゲームが216ゲーム〜253ゲームまで示されており、各ゲームのIN(投入枚数)とアウト(払出枚数)が示されている。ここで、ベースゲーム数が20、開始境界値が120、終了境界値が100に設定されているとする。また、1ゲームごとにベースを演算するものとする。
【0063】
216ゲームから1ゲーム毎に順次、過去20ゲームを集計したベースを演算すると、242ゲームが終了した時点でベースが開始境界値である120以上となる。すなわち、遊技台がART状態になっていると判断することができる。しかしながら、図9(A)のOUTの枚数が示す通り、実際には242ゲーム以前にARTが開始されていると判定さ
れたほうが、より遊技台の状態を正確に把握することができる。そこで、開始補正値を利用する。上記に示したように、ベースが開始境界値を上回ったゲームから、開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態がART状態になった有利状態開始ゲームと判定する。ここでは、開始補正値が5に設定されていたとすると、開始境界値を上回る直前の241ゲーム目から数えて開始補正値である5ゲーム数分遡った237ゲームをARTが開始した有利状態開始ゲームと判定する。
【0064】
なお、ここでは仮に開始補正値を5に設定しているが、より正確にART状態を判断するには、本遊技台においては開始補正値を15に設定し、227ゲームが有利状態開始ゲームと判定されることが本来望ましい。
【0065】
一方、図9(B)はARTの終了判定の処理を示しており、ゲームが716ゲーム〜753ゲームまで示され、各ゲームのIN(投入枚数)とアウト(払出枚数)が示されている。ここで、ベースゲーム数が20、開始境界値が120、終了境界値が100、連続ゲーム数が40に設定されているとする。また、1ゲームごとにベースを演算するものとする。
【0066】
716ゲームから1ゲーム毎に順次、過去20ゲームを集計したベースを演算すると、740ゲーム終了時にベースが終了境界値である100以下となる。すなわち、遊技台がART状態から通常状態になったと判断することができる。しかしながら、図9(B)のOUTの枚数が示す通り、実際には740ゲーム以前にARTが終了していると判定されたほうが、より遊技台の状態を正確に把握することができる。そこで、終了補正値を利用する。上記に示したように、ベースが終了境界値を下回ったゲームから、終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態がART状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する。ここでは、終了補正値が5に設定されていたとすると、ベースが終了境界値を下回る直前の739ゲームから終了補正値である5ゲーム数分遡った735ゲームをARTが終了して通常状態が開始した通常状態開始ゲームと判定する。
【0067】
また、ここでは連続ゲーム数が40に設定されているため、実際には735ゲーム+40ゲーム=775ゲーム目の処理後に、735ゲーム以降が通常状態であると特定されることとなる。ただし、735ゲーム以降のゲームはベースが100未満であるとする。
【0068】
なお、開始補正値、終了補正値の設定については、機種や環境に応じて任意に行うことができるものとする。すなわち、ARTの状態におけるOUTの枚数やその期間は機種ごとに異なるため、機種に応じて適切な入力を行うようにするほうがよい。また、開始補正値及び終了補正値を設定する場合は、複数(2以上)で且つベースゲーム数未満の範囲に設定することが望ましい。そうすることで、ベースゲーム数の集計単位でベースを演算することによる演算のタイミングのズレを是正することができる。図9の例の場合は、開始補正値を15、終了補正値を5に設定するのが、最も正確に遊技台の状態を把握することができる。
【0069】
このように、ベースを安定的に演算するために、過去数ゲーム分の集計値に基づいて演算を行う(移動平均で演算を行う)ことで、有利状態の開始/終了時点にズレが生じてしまう場合があるが、補正値を入力することで、そのズレを最小限に抑えることができる。
【0070】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る遊技台管理システムについて、図10及び図11を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図、図11は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【0071】
なお、本実施形態において、前記各実施形態と重複する説明については省略する。
【0072】
本実施形態に係る遊技台管理システムは、連続ゲーム数が1以上である場合に、演算されたベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、ベースが終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定部と、ベースが終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定部とを備え、第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力するものである。
【0073】
本実施形態における管理コンピュータの構成は、第1の実施形態の図3の構成において、開始/終了判定部305が、ベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、その下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定処理を行うと共に、ベースが終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定処理を行い、出力制御部306が、第1の終了判定処理で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、第2の終了判定処理で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力する点が異なる。
【0074】
上記第1の判定処理、第2の判定処理、及び出力結果について図10を用いて説明する。図10において、連続ゲーム数が40に設定されている。すなわち、第1の実施形態で示したように、ベースが終了境界値(ここでは、100に設定されている)を下回ったゲームが40ゲームより多く継続した場合に、有利状態(ここでは、ARTに限定する)が終了したと判定する。この処理が、第1の判定処理に相当する。一方、第2の判定処理では、ベースが終了境界値を下回った時点で直ちにゲーム態様が有利状態ではなくなったと判定する。すなわち、連続ゲーム数が0に設定されている場合の判定処理と同じ処理が行われる。
【0075】
そして、第1の判定処理の判定結果を上位階層とし、第2の判定処理の判定結果を下位階層として出力する。その結果を図10の表出力欄62cに示す。ここでは、第1の判定処理により判定された第8回目のARTと第9回目のARTとの情報が表示されており、第1の判定処理による第8回目のARTの内訳として、第2の判定処理により判定されたART(第30回〜第48回)の情報が表示され、第1の判定処理による第9回目のARTの内訳として、第2の判定処理により判定されたART(図面の都合上開始時点は非表示〜第29回)の情報が表示されている。
【0076】
第2の判定処理においては、ベースが終了境界値を下回った場合に直ちにARTの終了を判定するため、1回のARTの時間が非常に短く、その代わり発生回数が非常に多くなるように判定処理が行われるのに対して、第1の判定処理においては、ベースが終了境界値を下回ったゲームが連続ゲーム数より多く継続した場合に、ARTの終了を判定するため、1回のARTの時間が長く、その代わり発生回数が少なくなるように判定処理が行われる。そして、出力制御部306は、それらのARTの発生状態を対応付けた上で、階層構造にして出力する。この表示は、図10の選択欄62bの「展開」をチェックすることで行うことができる。
【0077】
このように、有利状態の判定において異なる基準で終了の判定を行い、それらを階層的に表示することで、管理者が遊技台の状態を管理し易く、見易い出力結果を提供することができる。
【0078】
ここで、選択欄62bの「展開」をチェックした場合の他の出力結果を図11を用いて説明する。図11では連続ゲーム数が0に設定されているが、展開がチェックされており、第1の判定処理で判定されたARTの内訳が表示されている。これは、RB、BB等の特賞モードがART中に発生しているためである。
【0079】
ARTの途中にRBやBBが発生した場合には、第1の実施形態で記載したように、RBやBBにおけるOUTやINの枚数を除外してベースを演算し、特賞モードが終了した後もベースが終了境界値を上回っている場合は、ARTが継続している(特賞モードの前後のARTを1回とカウントする)ものである。しかしながら、管理者がART中に発生したRBやBBを確認したい場合があるため、特賞モードが終了した後にベースが終了境界値を上回っている状態であっても、その前後のARTを1回とカウントせずに、それぞれ1回ずつとカウントする。そうすることで、図10の表出力欄62cのようにARTの回数としては1回であるが、選択欄の62bの「展開」をチェックすることでARTの途中に発生した特賞モードの状態を把握することが可能となる。
【0080】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 遊技台管理システム
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 HD
25 通信I/F
26 入出力I/F
110 台情報基板
120 管理コンピュータ
130 遊技台
140 島コンピュータ
150 ハブ
301 信号入力部
302 設定情報入力部
303 モード特定部
304 ベース算出部
305 開始/終了判定部
306 出力制御部
320 ゲーム情報部
321 設定情報部
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技台を管理する遊技台管理システムに関し、特に通常モードにおける有利状態を判定して、遊技台のゲーム態様を特定する遊技台管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場に設置されたスロットマシンは、投入枚数に対して払出枚数が少ない通常モードと、投入枚数に対して払出枚数が大幅に多くなる特賞モードとを有するのが一般的である。特賞モードにはビッグボーナス(以下、BBとする)、レギュラーボーナス(以下、RBとする)等のボーナスがあり、顧客はそれらのボーナスを引き当てることでメダル数を大幅に獲得することができる。しかし、無闇にボーナスを出すことは顧客の射幸心を煽る結果になるため、ボーナスの出現条件等には厳しい制限が課せられている。
【0003】
そのため、大きなボーナスではないが、通常モードにおいて遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合を若干大きめに設定するリプレイタイム(以下、RTとする)、アシストタイム(以下、ATとする)、アシストリプレイタイム(以下、ARTとする)等のゲーム態様を有する機種が多く流通しており、一日の獲得枚数がボーナスゲームにおける獲得枚数よりも多くなる機種がある。
【0004】
なお、本発明においては、上述した遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合について、1以上の所定のゲーム数における投入枚数に対する払出枚数の割合をベースとする。
【0005】
このようなゲーム態様を有する遊技台でプレイする顧客は、遊技台に表示される情報から特賞モードのボーナス回数についての情報を得ることができると共に、ART等の有利状態の情報を得ることができる技術が特許文献1に開示されている。特許文献1に示す技術は、通常モード及び特賞モードでのゲーム態様を有し、当該通常モードにおいて有利状態及び通常状態のゲーム態様を有する遊技台の状態を出力する出力制御装置において、ゲームのモードを特定するモード特定部と、ベースを算出するベース算出部と、通常モードである場合にベース情報を含むゲーム情報を複数ゲームごとの集計単位で集計する集計部と、集計情報に基づいて通常モードにおけるゲームの状態を判定する判定部と、ゲームの状態、ベース情報及び集計したゲーム情報を所定の遊技台数ごとに出力する出力部とを備える。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2010−154942号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、特許文献1に示す技術は、遊技台でプレイする顧客に対してART等の有利状態を判定して出力するものであるが、遊技場の管理者に対して管理を行いやすい状態で情報を提供できるものではない。すなわち、遊技場の管理者は、ボーナス等の特賞モードに関する情報は管理することができるものの、遊技台からの信号が出力されないART等の有利状態に関する情報については、正確に管理できていないのが現状である。
【0008】
そこで、本発明は、遊技台の有利状態を管理者の立場から管理しやすい状態で特定する管理コンピュータを備える遊技台管理システムを提供する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
(1)本願に開示する遊技台管理システムは、通常モード及び特賞モードでのゲーム態様を有し、当該通常モードにおいて有利状態及び通常状態のゲーム態様を有する遊技台の状態を、当該遊技台を管理する管理コンピュータが特定する遊技台管理システムであって、前記管理コンピュータが、ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、前記有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境界値、前記有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及び前記有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数を入力する情報入力手段と、前記入力されたベースゲーム数の集計単位で、前記遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合であるベースを、当該遊技台からの信号に基づいて1又は複数のゲーム間隔で1ゲームごとに演算するベース演算手段と、前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回った場合に、当該開始境界値を上回ったゲームをゲーム態様が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定する開始判定手段と、前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する終了判定手段とを備えるものである。
【0010】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ベースゲーム数、開始境界値、終了境界値、及び連続ゲーム数が入力され、それらの入力値とベース値とに基づいて通常モードにおける有利状態(例えば、ART状態等)の開始と終了とを判定し、特に有利状態の終了を判定する際には、ベースが終了境界値を下回ったゲーム数が連続ゲーム数を超えて連続した場合に、有利状態の終了を判定することで、遊技台の特徴を正確に把握しつつ、管理者が管理しやすい状態で有利状態を特定することができるという効果を奏する。
【0011】
すなわち、ベースが終了境界値を下回った時点で直ちに有利状態の終了を判定するのはなく、ベースが終了境界値を下回ったゲーム数が連続ゲーム数を超えた場合に、有利状態の終了を判定するため、ベースが終了境界値を数ゲームの間下回って、その後も有利状態が引き続くような特徴を有する遊技台に対しても、有利状態の連続性を的確に特定することができ、有利状態が継続する長さや今後どれくらいの有利状態が発生するか等の予測が立てやすく、管理者が遊技台の設定等を行いやすくなる。
【0012】
なお、ベースが終了境界値を下回った時点で直ちに有利状態の終了を判定してもよい。その場合は、連続ゲーム数がゼロに設定されている。
【0013】
(2)本願に開示する遊技台管理システムは、前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームの投入枚数と払出枚数とを集計し、当該集計した値に基づいて1ゲームごとにシフトしてベースを演算し、前記ベース及びゲーム態様の推移を1ゲームごとに出力する出力制御手段を備えるものである。
【0014】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームの投入枚数と払出枚数とを集計し、当該集計した値の割合を1ゲームごとにシフトしながらベースを演算し、演算された1ゲームごとのベースとゲーム態様との推移を出力するため、管理者が遊技台の状態を正確に把握することができ、管理が行いやすくなるという効果を奏する。
【0015】
(3)本願に開示する遊技台管理システムは、前記終了判定手段が、前記入力された連続ゲーム数が1以上である場合に、前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力
された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定部と、前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定部とを備え、前記出力制御手段が、前記第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、前記第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、前記有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力するものである。
【0016】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、ベースが終了境界値を下回ったゲームから有利状態ではなくなったと判定する第1の終了判定部と、ベースが終了境界値を下回った時点で、直ちにそのゲームから有利状態ではなくなったと判定する第2の終了判定部とを備え、第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力することで、有利状態の連続性を異なる基準で管理し、それを階層化して参照することができるため、管理者が遊技台の状態を管理し易くなるという効果を奏する。
【0017】
(4)本願に開示する遊技台管理システムは、前記情報入力手段が、前記開始判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、前記開始判定手段が、前記ゲーム態様の判定において、1ゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回ったゲームから、前記開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定するものである。
【0018】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、ベースが、開始境界値を上回ったゲームから、開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定するため、ベースゲーム数の集計単位でベースを演算することにより生じる、ゲーム状態の変化を特定するタイミングのズレが補正され、より正確に有利状態の開始を判定することができるという効果を奏する。
【0019】
(5)本願に開示する遊技台管理システムは、前記情報入力手段が、前記終了判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、前記終了判定手段が、前記ゲーム態様の判定において、1ゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームから、前記終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定するものである。
【0020】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、ベースが、終了境界値を下回ったゲームから、終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定するため、ベースゲーム数の集計単位でベースを演算することにより生じる、ゲーム状態の変化を特定するタイミングのズレが補正され、より正確に有利状態の終了を判定することができるという効果を奏する。
【0021】
(6)本願に開示する遊技台管理システムは、前記有利状態中にゲーム態様が特賞モードになった場合に、前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームに、ゲーム態様が特賞モードであ
るゲームが含まれているとき、当該特賞モード中のゲームにおける投入枚数と払出枚数とを除外して前記ベースを演算するものである。
【0022】
このように、本願に開示する遊技台管理システムにおいては、有利状態中にゲーム態様が特賞モードになった場合に、前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームに、ゲーム態様が特賞モードであるゲームが含まれているとき、当該特賞モード中のゲームにおける投入枚数と払出枚数とを除外して前記ベースを演算するため、特賞モードによるベースの増大が原因で生じる有利状態の判定の誤差を最小限に抑えて、有利状態を正確に把握することが可能になるという効果を奏する。
【0023】
すなわち、特賞モードでベースがはベースが非常に大きい値となるため、特賞モードにおけるベースを考慮してしまうと、特賞モードが終了している場合であってもベースが非常に大きい値となってしまい、有利状態を正確に判定できなくなってしまう。したがって、有利状態中に特賞モードになった場合には、特賞モードにおける投入枚数と払出枚数を無視してベースを演算し、特賞モードが終了した後もベースが終了境界値を上回っている場合は、有利状態が継続していると判断することで、有利状態を正確に判定することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】第1の実施形態に係る遊技台管理システムのシステム構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータのハードウェア構成図である。
【図3】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの機能ブロック図である。
【図4】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける遊技台が出力するパルス信号の一例を示す図である。
【図5】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第1のフローチャートである。
【図6】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第2のフローチャートである。
【図7】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図である。
【図8】第1の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【図9】第2の実施形態に係る遊技台管理システムにおける有利状態の開始/終了の判定を示す図である。
【図10】第3の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図である。
【図11】第3の実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、本発明の実施の形態を説明する。本実施形態の同じ要素には全体を通して同じ符号を付けている。以下の実施の形態では、主にシステムについて説明するが、所謂当業者であれば明らかな通り、本発明は方法、及び、コンピュータを動作させるためのプログラムとしても実施できる。また、本発明はハードウェア、ソフトウェア、または、ハードウェア及びソフトウェアの実施形態で実施可能である。プログラムは、ハードディスク、CD−ROM、DVD−ROM、光記憶装置、または、磁気記憶装置等の任意のコンピュータ可読媒体に記録できる。さらに、プログラムはネットワークを介した他のコンピュータ
に記録することができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
(本発明の第1の実施形態)
本実施形態に係る遊技台管理システムについて、図1ないし図8を用いて説明する。図1は、本実施形態に係る遊技台管理システムのシステム構成図、図2は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータのハードウェア構成図、図3は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの機能ブロック図、図4は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける遊技台が出力するパルス信号の一例を示す図、図5は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第1のフローチャート、図6は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの動作を示す第2のフローチャート、図7は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図、図8は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【0027】
図1において、遊技台管理システム1は、遊技台が設置されているホール側とホール全体を管理する事務室内とに分かれる。ホール側には、顧客が遊技するための遊技台130と、遊技台130から出力される信号を受信する台情報基板110と、台情報基板110が受信した信号を島ごとに集計する島コンピュータ140とを備え、事務室内には、ホール内の全ての島コンピュータ140からの接続ケーブルを集線するハブ150と、ホール内の遊技台130の情報を集計して管理等を行う管理コンピュータ120とを備える。
【0028】
遊技台130は、スロットマシンであり、ゲームモード(特賞モード、通常モード)により投入枚数に対する払出枚数の割合(ベース)が変化するように調整されている。また、通常モードの場合であっても、通常状態と有利状態(RT、AT、ART等)とに区別されている。
【0029】
顧客が遊技台130にて遊技を行うと、遊技台130からの入力信号を受信した台情報基板110が遊技台130のゲーム情報を個々に出力する。また、台情報基板110が受信した入力信号に基づくゲーム情報は、島コンピュータ140、及びハブ150を介して管理コンピュータ120に送信される。ホールの管理者は、管理コンピュータ120を用いてゲーム情報の演算等の処理を行い、システム全体を管理する。その際に、必要に応じてプリンタ等を用いて紙に印刷を行う。
【0030】
なお、遊技台130と台情報基板110との間に、遊技台130ごとに当該遊技台130のゲームの情報を出力する出力制御装置を備えるようにしてもよい。また、管理コンピュータ120は、例えばデータベース処理を行うデータベースサーバ、トランザクション処理を行うトランザクションサーバ、ファイルを共有するファイルサーバ、プリンタを共有するプリンタサーバ等を備える構成であってもよい。さらに、管理コンピュータ120は、スロットマシン以外の例えばパチンコ機などの遊技台を管理するような他の管理機能を合わせ持ったコンピュータであってもよい。
【0031】
図2は、本実施形態に係る管理コンピュータのハードウェア構成図である。管理コンピュータ120は、システムプログラムや各種プログラム(例えば、遊技台管理プログラム、出力制御プログラム等)が格納されているROM23と、各種データ(例えば、設定情報、遊技台情報等)が格納されているHD(ハードディスク)24と、各種プログラム等が必要に応じて読み出され、CPU21の作業領域として用いられるRAM22と、読み出されたプログラム等に基づいて実際の演算を実行するCPU21と、他の装置(例えば、ネットワークを通じてオンラインとなっている他の端末等)と通信を行うためのインタ
フェースである通信I/F25と、キーボード、マウス等の入力機器からの入力を受け付けたり、ディスプレイ、プリンタ等にデータを出力するためのインタフェースである入出力I/F26とを備える。
【0032】
なお、上記ハードウェア構成はあくまで一例を示したものであり、使用環境に応じて構成要素の変更をすることができるものある。
【0033】
図3において、管理コンピュータ120は、信号入力部301と設定情報入力部302とモード特定部303とベース算出部304と開始/終了判定部305と出力制御部306とゲーム情報部320と設定情報部321とを備える。
【0034】
信号入力部301は、遊技台130から出力された信号を台情報基板110、島コンピュータ140、ハブ150を介して受信し、入力する処理を行う。
【0035】
ここで、遊技台130から出力される信号について説明する。遊技台130からは様々な信号が出力されており、それらの信号を解析することで、遊技台130のゲームモード、投入枚数及び払出枚数の情報を取得することができる。表1は、スロットマシンが出力する信号の特徴を示している。
【0036】
【表1】
表1において、INが投入枚数、OUTが払出枚数であり、コイン1枚に対して1パルス(信号幅30ms〜200ms)の信号が出力される。また、RB、及びBB信号は特賞モードを示す信号であり、その状態中は信号の立ち上がり後保持される。CT信号の形態は遊技台ごとの仕様で決められている。
【0037】
10ゲーム間のパルスの集計において、通常時はINのパルス数30(1ゲーム3枚で10ゲーム分)に対してOUTのパルス数がおよそ15〜24程度であり、RB時はINのパルス数10〜30に対してOUTのパルス数がおよそ100〜150程度であり、BB時はINのパルス数10〜30に対してOUTのパルス数がおよそ100〜150程度である。つまり、通常時は投入数に対して払出数が少なくなっているが、RB時やBB時の特賞モード状態では投入数に対して払出数が非常に多くなる。
【0038】
パルス信号の具体例を図4に示す。図4はスロットマシンの出力信号の一例を示す図である。図4において、INはコイン1枚につき1パルスであり、一般的に1ゲームで3枚のコインを投入するため、3つの連続パルスが発生している。ゲームとゲームの間は、4.1sの間隔を空ける必要があるため、次の連続パルスは、少なくとも4.1s後以降で発生する。OUTはゲームとゲームの間で払い出されるコイン数であり、INと同時、又は少し遅延して発生する。OUTについては、1ゲームにつき15枚以内にする必要があるため、ゲーム間で最大15パルスが発生する。RB、BBは、発生と同時にパルスが出力され、その状態の間、発生したパルスが立ち上がり後保持される。
【0039】
図3に戻って、設定情報入力部302は、管理者102が設定情報として入力した情報を設定情報部321に記憶する。設定情報には、ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、ART等の有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境
界値、ART等の有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及びART等の有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数が含まれ、これらの情報が設定情報部321に記憶される。
【0040】
モード特定部303は、信号入力部301が入力した信号に基づいてゲームのモードを特定し、それらの情報はゲーム情報部320に記憶される。つまり、図4に示すような、RB、BB等のパルス信号を受信した場合には、ゲームモードが特賞モードであると特定し、そうでなければ通常モードであると特定する。
【0041】
ベース算出部304は、信号入力部301が入力した信号に基づいて投入枚数(IN)に対する払出枚数(OUT)の割合を示すベースを算出し、それらの情報はゲーム情報部320に記憶される。ベースを算出する際には、設定情報入力部302で入力され、設定情報部321に記憶されたベースゲーム数の単位で集計されたベースが算出される。すなわち、例えばベースゲーム数が20ゲームで設定されているとすると、ベースを演算する対象となるゲームから直近の過去20ゲーム分の投入枚数と払出枚数とを集計し、その割合を算出してベースとする。つまり、例えば50ゲーム目のベースを演算する場合は、31ゲームから50ゲームまでの投入枚数と払出枚数とを集計し、その割合を算出する。
【0042】
このベースの算出は、ベースゲーム数単位で1ゲーム毎又は複数ゲーム間隔で1ゲーム毎にシフトして行われる。仮に1ゲーム間隔で演算する場合は、例えば40ゲーム時の処理では21ゲームから40ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出し、41ゲーム時の処理では22ゲームから41ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出する(ただし、ベースゲーム数が20ゲームで設定されているとする)。これを同様に42、43、44、・・・と1ゲーム間隔で1ゲームごとにシフトしながらベースゲーム数の単位で演算を行う。また、仮に複数ゲーム間隔で演算する場合は、例えば3ゲーム間隔で演算するとすると、40ゲーム時の処理では21ゲームから40ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出し、次に間に2ゲーム空けて43ゲーム時の処理を行う。43ゲーム時の処理では24ゲームから43ゲームまでの20ゲーム分の投入枚数と払出枚数の集計値からベースを算出する。これを同様に、46、49、52、・・・と3ゲーム間隔で1ゲームごとにシフトしながらベースゲーム数の単位で演算を行う。より正確に有利状態を判定するためには1ゲーム間隔で処理を行うのが望ましいが、2ゲーム以上の複数ゲーム間隔で行っても有利状態を判定することは可能である。
【0043】
なお、ベースゲーム数は1以上のゲーム数であれば任意に設定することが可能であるが、1ゲームに設定するとベースの変動が大きいため判定が安定しなくなってしまう可能性がある。したがって、2以上の複数の値に設定することが望ましく、特に、有利状態が継続する最小のゲーム数に設定されることが望ましい。有利状態が継続する最小のゲーム数は遊技台130の機種ごとに異なるため、遊技台130の機種ごとに臨機応変に設定されることが望ましい。
【0044】
開始/終了判定部305は、モード特定部303の特定結果、ベース算出部304の算出結果、及び設定情報部321に記憶された設定情報に基づいて、通常モードにおける有利状態の開始、終了を判定する。有利状態の開始については、モード特定部303が通常モードと特定している状態で、ベース算出部304が算出したベースの値が、設定情報部321に記憶されている開始境界値以上である場合に、有利状態が開始されたと判定する。
【0045】
有利状態の終了については、ゲームの状態が有利状態である場合に、ベース算出部304が算出したベースの値が、設定情報部321に記憶されている終了境界値以下である状
態が、設定情報部321に記憶された連続ゲーム数より多く継続した場合に、有利状態が終了したと判定する。すなわち、ベースの値が終了境界値以下であっても、その状態が連続ゲーム数以下しか継続しなかった場合には、有利状態が終了したと判定せずに、有利状態が継続していると判定する。
【0046】
なお、有利状態中にゲームモードが通常モードから特賞モードになる場合がある。その場合は、特賞モード中の投入枚数と払出枚数を除外してベースを算出する。すなわち、特賞モードではベースが非常に大きい値となるため、特賞モードにおけるベースを考慮してしまうと、特賞モードが終了している場合であってもベースが非常に大きい値となってしまい、有利状態を正確に判定できなくなってしまう。したがって、有利状態中に特賞モードになった場合には、特賞モードにおける投入枚数と払出枚数を無視してベースを演算し、特賞モードが終了した後もベースが終了境界値を上回っている場合は、有利状態が継続していると判断する。
【0047】
出力制御部306は、ゲーム情報部320に記憶された情報、及び開始/終了判定部305の判定結果に基づいて、遊技台130におけるゲーム態様の推移を遊技台130ごとに帳票に印刷したり、表示画面に表示して出力する。この出力結果については、詳細を後述する。
【0048】
次に、管理コンピュータ120の動作について図5及び図6のフローチャートを用いて説明する。まず、設定情報入力部302が、管理者102により設定されたベースゲーム数、開始境界値、終了境界値、及び連続ゲーム数を設定情報として入力する(S501)。信号入力部301が遊技台130から受信した信号から、最初のゲームのゲーム情報を読み込む(S502)。入力された信号に基づいて、モード特定部303がゲームのモードを特定し(S503)、ベース算出部304がベースを演算する(S504)。ベースを演算する際には、過去ベースゲーム数の範囲内に特賞モードとなっているゲームがある場合、そのゲームにおける投入枚数と払出枚数は除外してベースを算出する。
【0049】
S503で特定されたゲームモードが特賞モードであるかどうかを判定し(S505)、特賞モードである場合は、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S506)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。S505でゲームモードが特賞モードでない、すなわち通常モードである場合は、前のゲームの状態が有利状態か通常状態かを判定し(S507)、前のゲームが通常状態である場合は、開始/終了判定部305が、ベースが開始境界値以上かどうかを判定し(S508)、ベースが開始境界値未満であれば、ゲームの状態が有利状態ではないと判断し、すなわちゲームの状態を通常状態と特定し(S509)、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S510)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。ベースが開始境界値以上であれば、有利状態が開始されたと判断し、ゲーム状態を有利状態と特定する(S511)。
【0050】
一方、S507の判定において、前のゲームの状態が有利状態である場合は、(1)の処理に進む。(1)の処理を図6に示す。まず、開始/終了判定部305が、ベースが終了境界値以下かどうかを判定し(S518)、ベースが終了境界値より大きい場合は、有利状態が継続していると判断して、ゲームの状態を有利状態と特定し(S521)、図5の(2)の処理に進む。ベースが終了境界値以下の場合は、ベースが終了境界値以下となった過去の直近のゲームから、その状態が連続ゲーム数より多く継続しているかどうかを判定し(S519)、連続ゲーム数より多く継続していない場合は、ベースが終了境界値以下であっても有利状態が継続していると判断して、ゲームの状態を有利状態と特定し(S521)、図5の(2)の処理に進む。連続ゲーム数より多く継続している場合は、ゲーム状態を通常状態と特定し(S520)、図5の(2)の処理に進む。
【0051】
図5の(2)の処理まで進むと、全てのゲームについて処理が終了したかどうかを判定し(S512)、全てのゲームについて処理が終了している場合は、ゲーム態様の推移を出力して(S513)、処理を終了する。全てのゲームについて処理が終了していない場合は、ゲーム態様の推移の出力指示があるかどうかを判定し(S514)、出力指示がなければ、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S515)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。出力指示があれば、ゲーム態様の推移を出力し(S516)、次のゲームのゲーム情報を読み込み(S517)、(3)に戻って次のゲームの処理を行う。
【0052】
次に、ゲーム態様の推移の出力結果について説明する。図7はある遊技台の1日のゲーム態様の推移を示しており、領域61には1ゲームごとのベースの推移(ただし、ベース70以上、150以下の部分のみを表示しており、70未満は70、150を超える場合は150としている)をグラフで示すと共に、有利状態(ここでは、ARTに限定する)とRBを表示している。領域62には設定情報を入力するための入力欄62a(図中のシミュレーション設定欄に相当)と、出力情報を選択する選択欄62bと、ART状態の推移を表形式で出力する表出力欄62cとを有している。ここでは、開始境界値(図中の「開始判定」に相当)が120、終了境界値(図中の「終了判定」に相当)が100、連続ゲーム数(図中の「連荘判定」に相当)が40、ベースゲーム数(図中の「判定ゲーム回数」に相当)が20、補正値(図中の「戻しゲーム回数」に相当)が0に設定されている。なお、補正値については、第2の実施形態において詳細を説明する。また、選択欄62bにおいては「REG表示」が選択されており、ARTの情報に加えて、RBの情報が領域61及び表出力欄62cに付加的に出力される設定となっている。
【0053】
領域61において、1段につき700ゲームのベースの推移がグラフで示され、1日分のデータとして約9500ゲーム分の情報が示されている。その中で、背景がドットの部分がART状態を示し、背景が斜線の部分がRBの状態を示している。表出力欄62cからわかる通り、この日はARTが20回発生し、RBが5回発生していることがわかる。ARTの各回数を示す数値は、領域61のグラフにも示されており(ART状態を示す開始位置の左上部分に表示)、各ARTがどれくらい長く継続されたかを表及びグラフで確認することができるようになっている。領域61のグラフからわかるように、1回のARTにおいてベースが100以下となっている箇所があるにも関わらず、ART状態が継続していると判定している箇所が多数ある。これは、連続ゲーム数が40に設定されているためであり、すなわち、ART状態においてベースが100以下の状態が40ゲームより多く連続しなければ、ART状態が継続されていると判定しているためである。なお、ここでは、ART中に発生したRBの回数については、表出力欄62cでカウントしていない。
【0054】
図7に示すように、遊技台のゲーム態様の推移だけではなく、ゲーム数、時刻、時間、出玉数、ボーナス回数等、ゲームに関する様々な情報も併せて出力されている。これらの情報は、ゲーム情報部320に記憶されている情報であり、出力制御部306がゲーム情報部320から情報を読み込んで出力している。
【0055】
図8は、RBに加えてBBも示した場合の出力結果である。領域61における背景が網状線の部分がBBの状態を示している。また、ここでは連続ゲーム数が0に設定されている。すなわち、ベースが終了境界値以下となった時点で直ちにARTが終了した(通常状態が開始した)と判定する設定となっている。したがって、スペースの関係で全てが表示されていないが、ARTの回数が32回とかなり多く発生している結果となっている。また、領域61のグラフにおいて、BB中であってもベースが低い箇所が見受けられるが、これは上述したように、BBなど特賞モードでは、ベースが非常に高いので、特賞モード中のゲームについては投入枚数と払出枚数を除外してベースを演算しているためである。
【0056】
すなわち、(1)ベースを算出する際、ベースゲーム数遡って、ベースゲーム数に対応するゲーム範囲内で、BBなど特賞モードのゲームがあった場合には、BBなど特賞モード中のゲームは除外して、通常ゲームのみの投入枚数、払出し枚数及び通常ゲ―ム数からベースを演算しても良いし、(2)BBなど特賞モード中のゲームは除外してベースゲーム数遡って、通常ゲームのみのゲームを対象にして、投入枚数、払出し枚数及び通常ゲ―ム数からベース演算しても良い。本実施形態においては、(1)の処理によりベースを演算しているが、BBなど特賞モード中のゲーム数がベースゲーム以上続く等、遊技機の特性によっては、ベースゲーム数に対応するゲーム範囲内で演算対象の通常モードのゲーム数が0になってベースを演算できなくなったり、または、演算対象の通常モードのゲーム数が極端に少なくなり、演算結果であるベースの値が不安定になる場合がある。その場合には、(2)の演算方法を用いても良い。
【0057】
このように、遊技台の特徴に応じて設定情報を入力することで、その遊技台の特徴を正確に把握することができ、翌日の営業に向けて遊技台の設定を行いやすくなると共に、管理者が遊技台を管理し易くなる。
【0058】
(本発明の第2の実施形態)
本実施形態に係る遊技台管理システムについて、図9を用いて説明する。図9は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける有利状態の開始/終了の判定を示す図である。なお、本実施形態において、前記第1の実施形態と重複する説明については省略する。
【0059】
本実施形態に係る遊技台管理システムは、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、ゲーム態様の判定において、ベースが開始境界値を上回ったゲームから、開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定するものである。
【0060】
また、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、ゲーム態様の判定において、ベースが終了境界値を下回ったゲームから、終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定するものである。
【0061】
本実施形態における管理コンピュータの構成は、第1の実施形態の図3の構成において、設定情報入力部302で開始補正値と終了補正値とが入力されると共に設定情報部321に記憶され、開始/終了判定部305の処理において、開始補正値と終了補正値とに基づいて、有利状態の開始/終了が判定される点が異なる。この開始補正値及び終了補正値は、図7及び図8における入力欄62aの戻しゲーム回数に相当する。なお、図7及び図8では戻しゲーム回数の入力項目が1つしかないため、開始補正値=終了補正値となるが、別々の入力項目にして、それぞれの値を入力する構成としてもよい。
【0062】
開始補正値及び終了補正値に基づく有利状態(ここでは、ARTに限定する)の開始/終了判定について、図9を用いて説明する。図9(A)はARTの開始判定の処理を示す図である。図9(A)において、ゲームが216ゲーム〜253ゲームまで示されており、各ゲームのIN(投入枚数)とアウト(払出枚数)が示されている。ここで、ベースゲーム数が20、開始境界値が120、終了境界値が100に設定されているとする。また、1ゲームごとにベースを演算するものとする。
【0063】
216ゲームから1ゲーム毎に順次、過去20ゲームを集計したベースを演算すると、242ゲームが終了した時点でベースが開始境界値である120以上となる。すなわち、遊技台がART状態になっていると判断することができる。しかしながら、図9(A)のOUTの枚数が示す通り、実際には242ゲーム以前にARTが開始されていると判定さ
れたほうが、より遊技台の状態を正確に把握することができる。そこで、開始補正値を利用する。上記に示したように、ベースが開始境界値を上回ったゲームから、開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態がART状態になった有利状態開始ゲームと判定する。ここでは、開始補正値が5に設定されていたとすると、開始境界値を上回る直前の241ゲーム目から数えて開始補正値である5ゲーム数分遡った237ゲームをARTが開始した有利状態開始ゲームと判定する。
【0064】
なお、ここでは仮に開始補正値を5に設定しているが、より正確にART状態を判断するには、本遊技台においては開始補正値を15に設定し、227ゲームが有利状態開始ゲームと判定されることが本来望ましい。
【0065】
一方、図9(B)はARTの終了判定の処理を示しており、ゲームが716ゲーム〜753ゲームまで示され、各ゲームのIN(投入枚数)とアウト(払出枚数)が示されている。ここで、ベースゲーム数が20、開始境界値が120、終了境界値が100、連続ゲーム数が40に設定されているとする。また、1ゲームごとにベースを演算するものとする。
【0066】
716ゲームから1ゲーム毎に順次、過去20ゲームを集計したベースを演算すると、740ゲーム終了時にベースが終了境界値である100以下となる。すなわち、遊技台がART状態から通常状態になったと判断することができる。しかしながら、図9(B)のOUTの枚数が示す通り、実際には740ゲーム以前にARTが終了していると判定されたほうが、より遊技台の状態を正確に把握することができる。そこで、終了補正値を利用する。上記に示したように、ベースが終了境界値を下回ったゲームから、終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態がART状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する。ここでは、終了補正値が5に設定されていたとすると、ベースが終了境界値を下回る直前の739ゲームから終了補正値である5ゲーム数分遡った735ゲームをARTが終了して通常状態が開始した通常状態開始ゲームと判定する。
【0067】
また、ここでは連続ゲーム数が40に設定されているため、実際には735ゲーム+40ゲーム=775ゲーム目の処理後に、735ゲーム以降が通常状態であると特定されることとなる。ただし、735ゲーム以降のゲームはベースが100未満であるとする。
【0068】
なお、開始補正値、終了補正値の設定については、機種や環境に応じて任意に行うことができるものとする。すなわち、ARTの状態におけるOUTの枚数やその期間は機種ごとに異なるため、機種に応じて適切な入力を行うようにするほうがよい。また、開始補正値及び終了補正値を設定する場合は、複数(2以上)で且つベースゲーム数未満の範囲に設定することが望ましい。そうすることで、ベースゲーム数の集計単位でベースを演算することによる演算のタイミングのズレを是正することができる。図9の例の場合は、開始補正値を15、終了補正値を5に設定するのが、最も正確に遊技台の状態を把握することができる。
【0069】
このように、ベースを安定的に演算するために、過去数ゲーム分の集計値に基づいて演算を行う(移動平均で演算を行う)ことで、有利状態の開始/終了時点にズレが生じてしまう場合があるが、補正値を入力することで、そのズレを最小限に抑えることができる。
【0070】
(本発明の第3の実施形態)
本実施形態に係る遊技台管理システムについて、図10及び図11を用いて説明する。図10は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第1の図、図11は、本実施形態に係る遊技台管理システムにおける管理コンピュータの出力結果の一例を示す第2の図である。
【0071】
なお、本実施形態において、前記各実施形態と重複する説明については省略する。
【0072】
本実施形態に係る遊技台管理システムは、連続ゲーム数が1以上である場合に、演算されたベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、ベースが終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定部と、ベースが終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定部とを備え、第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力するものである。
【0073】
本実施形態における管理コンピュータの構成は、第1の実施形態の図3の構成において、開始/終了判定部305が、ベースが終了境界値を連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、その下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定処理を行うと共に、ベースが終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定処理を行い、出力制御部306が、第1の終了判定処理で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、第2の終了判定処理で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力する点が異なる。
【0074】
上記第1の判定処理、第2の判定処理、及び出力結果について図10を用いて説明する。図10において、連続ゲーム数が40に設定されている。すなわち、第1の実施形態で示したように、ベースが終了境界値(ここでは、100に設定されている)を下回ったゲームが40ゲームより多く継続した場合に、有利状態(ここでは、ARTに限定する)が終了したと判定する。この処理が、第1の判定処理に相当する。一方、第2の判定処理では、ベースが終了境界値を下回った時点で直ちにゲーム態様が有利状態ではなくなったと判定する。すなわち、連続ゲーム数が0に設定されている場合の判定処理と同じ処理が行われる。
【0075】
そして、第1の判定処理の判定結果を上位階層とし、第2の判定処理の判定結果を下位階層として出力する。その結果を図10の表出力欄62cに示す。ここでは、第1の判定処理により判定された第8回目のARTと第9回目のARTとの情報が表示されており、第1の判定処理による第8回目のARTの内訳として、第2の判定処理により判定されたART(第30回〜第48回)の情報が表示され、第1の判定処理による第9回目のARTの内訳として、第2の判定処理により判定されたART(図面の都合上開始時点は非表示〜第29回)の情報が表示されている。
【0076】
第2の判定処理においては、ベースが終了境界値を下回った場合に直ちにARTの終了を判定するため、1回のARTの時間が非常に短く、その代わり発生回数が非常に多くなるように判定処理が行われるのに対して、第1の判定処理においては、ベースが終了境界値を下回ったゲームが連続ゲーム数より多く継続した場合に、ARTの終了を判定するため、1回のARTの時間が長く、その代わり発生回数が少なくなるように判定処理が行われる。そして、出力制御部306は、それらのARTの発生状態を対応付けた上で、階層構造にして出力する。この表示は、図10の選択欄62bの「展開」をチェックすることで行うことができる。
【0077】
このように、有利状態の判定において異なる基準で終了の判定を行い、それらを階層的に表示することで、管理者が遊技台の状態を管理し易く、見易い出力結果を提供することができる。
【0078】
ここで、選択欄62bの「展開」をチェックした場合の他の出力結果を図11を用いて説明する。図11では連続ゲーム数が0に設定されているが、展開がチェックされており、第1の判定処理で判定されたARTの内訳が表示されている。これは、RB、BB等の特賞モードがART中に発生しているためである。
【0079】
ARTの途中にRBやBBが発生した場合には、第1の実施形態で記載したように、RBやBBにおけるOUTやINの枚数を除外してベースを演算し、特賞モードが終了した後もベースが終了境界値を上回っている場合は、ARTが継続している(特賞モードの前後のARTを1回とカウントする)ものである。しかしながら、管理者がART中に発生したRBやBBを確認したい場合があるため、特賞モードが終了した後にベースが終了境界値を上回っている状態であっても、その前後のARTを1回とカウントせずに、それぞれ1回ずつとカウントする。そうすることで、図10の表出力欄62cのようにARTの回数としては1回であるが、選択欄の62bの「展開」をチェックすることでARTの途中に発生した特賞モードの状態を把握することが可能となる。
【0080】
以上の前記各実施形態により本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は実施形態に記載の範囲には限定されず、これら各実施形態に多様な変更又は改良を加えることが可能である。
【符号の説明】
【0081】
1 遊技台管理システム
21 CPU
22 RAM
23 ROM
24 HD
25 通信I/F
26 入出力I/F
110 台情報基板
120 管理コンピュータ
130 遊技台
140 島コンピュータ
150 ハブ
301 信号入力部
302 設定情報入力部
303 モード特定部
304 ベース算出部
305 開始/終了判定部
306 出力制御部
320 ゲーム情報部
321 設定情報部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
通常モード及び特賞モードでのゲーム態様を有し、当該通常モードにおいて有利状態及び通常状態のゲーム態様を有する遊技台の状態を、当該遊技台を管理する管理コンピュータが特定する遊技台管理システムであって、
前記管理コンピュータが、
ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、前記有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境界値、前記有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及び前記有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数を入力する情報入力手段と、
前記入力されたベースゲーム数の集計単位で、前記遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合であるベースを、当該遊技台からの信号に基づいて1又は複数のゲーム間隔で1ゲームごとに演算するベース演算手段と、
前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回った場合に、当該開始境界値を上回ったゲームをゲーム態様が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定する開始判定手段と、
前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する終了判定手段とを備えることを特徴とする遊戯台管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台管理システムにおいて、
前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームの投入枚数と払出枚数とを集計し、当該集計した値に基づいて1ゲームごとにシフトしてベースを演算し、
前記ベース及びゲーム態様の推移を1ゲームごとに出力する出力制御手段を備えることを特徴とする遊戯台管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技台管理システムにおいて、
前記終了判定手段が、
前記入力された連続ゲーム数が1以上である場合に、
前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定部と、
前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定部とを備え、
前記出力制御手段が、
前記第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、前記第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、前記有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力することを特徴とする遊技台管理システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技台管理システムにおいて、
前記情報入力手段が、
前記開始判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、
前記開始判定手段が、
前記ゲーム態様の判定において、1又は複数のゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回ったゲームから、前記開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム
状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定することを特徴とする遊技管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の遊技台管理システムにおいて、
前記情報入力手段が、
前記終了判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、
前記終了判定手段が、
前記ゲーム態様の判定において、1又は複数のゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームから、前記終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定することを特徴とする遊技管理システム。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれかに記載の遊技台管理システムにおいて、
前記有利状態中にゲーム態様が特賞モードになった場合に、
前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームに、ゲーム態様が特賞モードであるゲームが含まれているとき、当該特賞モード中のゲームにおける投入枚数と払出枚数とを除外して前記ベースを演算することを特徴とする遊技台管理システム。
【請求項1】
通常モード及び特賞モードでのゲーム態様を有し、当該通常モードにおいて有利状態及び通常状態のゲーム態様を有する遊技台の状態を、当該遊技台を管理する管理コンピュータが特定する遊技台管理システムであって、
前記管理コンピュータが、
ベースを演算する集計単位となるベースゲーム数、前記有利状態の開始を判定する基準となるベースの境界値である開始境界値、前記有利状態の終了を判定する基準となるベースの境界値である終了境界値、及び前記有利状態の連続性を判定する基準となる連続ゲーム数を入力する情報入力手段と、
前記入力されたベースゲーム数の集計単位で、前記遊技台への投入枚数に対する払出枚数の割合であるベースを、当該遊技台からの信号に基づいて1又は複数のゲーム間隔で1ゲームごとに演算するベース演算手段と、
前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回った場合に、当該開始境界値を上回ったゲームをゲーム態様が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定する開始判定手段と、
前記ベース演算手段で演算された1ゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する終了判定手段とを備えることを特徴とする遊戯台管理システム。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技台管理システムにおいて、
前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームの投入枚数と払出枚数とを集計し、当該集計した値に基づいて1ゲームごとにシフトしてベースを演算し、
前記ベース及びゲーム態様の推移を1ゲームごとに出力する出力制御手段を備えることを特徴とする遊戯台管理システム。
【請求項3】
請求項2に記載の遊技台管理システムにおいて、
前記終了判定手段が、
前記入力された連続ゲーム数が1以上である場合に、
前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力された終了境界値を、前記入力された連続ゲーム数を超えて連続して下回った場合に、前記ベースが前記終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第1の終了判定部と、
前記ベース演算手段で演算されたベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームをゲーム態様が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定する第2の終了判定部とを備え、
前記出力制御手段が、
前記第1の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を上位階層とし、前記第2の終了判定部で判定された有利状態に関する情報を下位階層として、前記有利状態におけるゲームに関する情報を階層構造で出力することを特徴とする遊技台管理システム。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の遊技台管理システムにおいて、
前記情報入力手段が、
前記開始判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態になった時点を補正する開始補正値を入力し、
前記開始判定手段が、
前記ゲーム態様の判定において、1又は複数のゲームごとのベースが、前記入力された開始境界値を上回ったゲームから、前記開始補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム
状態が有利状態になった有利状態開始ゲームと判定することを特徴とする遊技管理システム。
【請求項5】
請求項1ないし4のいずれかに記載の遊技台管理システムにおいて、
前記情報入力手段が、
前記終了判定手段におけるゲーム態様の判定において、ゲーム態様が有利状態ではなくなった時点を補正する終了補正値を入力し、
前記終了判定手段が、
前記ゲーム態様の判定において、1又は複数のゲームごとのベースが、前記入力された終了境界値を下回ったゲームから、前記終了補正値のゲーム数分遡ったゲームを、ゲーム状態が有利状態ではなくなった通常状態開始ゲームと判定することを特徴とする遊技管理システム。
【請求項6】
請求項2ないし5のいずれかに記載の遊技台管理システムにおいて、
前記有利状態中にゲーム態様が特賞モードになった場合に、
前記ベース演算手段が、前記ベースを演算する対象となっているゲームから前記ベースゲーム数分遡った範囲内にあるゲームに、ゲーム態様が特賞モードであるゲームが含まれているとき、当該特賞モード中のゲームにおける投入枚数と払出枚数とを除外して前記ベースを演算することを特徴とする遊技台管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−187303(P2012−187303A)
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−54191(P2011−54191)
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(397003091)株式会社明和エレクトロン (7)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年10月4日(2012.10.4)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月11日(2011.3.11)
【出願人】(397003091)株式会社明和エレクトロン (7)
【Fターム(参考)】
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