説明

遊技台

【課題】本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関し、メンテナンス性を向上させた遊技台を提供することを目的とする。
【解決手段】パチンコ機100は、球タンク150の正面側側面150aを介して視認可能な球タンク150内の遊技球を特定の位置で遊技者から視認困難に遮蔽する前面枠扉106と、前面枠扉106を当該特定の位置から他の位置に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段188とを有している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、回胴遊技機(スロットマシン)や弾球遊技機(パチンコ機)に代表される遊技台に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の遊技台は、遊技者の興趣を向上させるために種々の機能や演出を有している(特許文献1)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−200302号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
従来、遊技台に何らかの異常が発生した場合には、異常の原因を特定する必要があるが、前面扉を開放した領域に異常があるのか、遊技台の背面の領域に問題があるのかは、実際に目視により確かめるまで特定ができないという問題があった。例えば、前面扉を開放し、該領域に異常が発見できなかった場合には、前面扉を閉鎖した後に内枠を開放し、内枠の背面に備えられた遊技部品を検査していたため、二度手間となり、遊技台のメンテナンス性が悪かった。また、1つの異常発生時において、内枠や前面扉の開閉動作を複数回行う必要性が高かったため、内枠および前面扉を支持するヒンジに頻繁に負担がかかり、金属疲労によりヒンジが破損・変形するといった副次的な問題が発生する可能性があった。
【0005】
本発明の目的は、メンテナンス性を向上させた遊技台を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的は、枠部材と、前記枠部材の裏面側に保持される遊技部品と、前記枠部材に設けられ、遊技の操作を行う操作者の側から前記遊技部品を視認可能とする視認手段と、を備えた遊技台であって、前記視認手段を介して視認可能な前記遊技部品を特定の位置で前記操作者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段を前記特定の位置から他の位置に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段と、を備えたことを特徴とする遊技台によって達成される。
【発明の効果】
【0007】
本発明によれば、遊技台のメンテナンス性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を正面側(遊技者側)から見た外観斜視図である。
【図2】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の外観斜視図であって、前面枠扉106を開放した状態を示す図である。
【図3】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を正面から見た略示正面図である。
【図4】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の分解斜視図である。
【図5】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100を背面側から見た外観図である。
【図6】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の本体104を背面側から見た外観図である。
【図7】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の遊技盤200の背面図である。
【図8】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100のフローティングコネクタの概略構成を示す斜視図である。
【図9】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の遊技盤200を正面から見た略示正面図である。
【図10】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の制御部の回路ブロック図である。
【図11】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。
【図12】本発明の一実施の形態によるパチンコ機100の主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。
【図13】本発明の一実施の形態の実施例1によるパチンコ機100の遊技盤200および球タンク150を正面側から見た外観斜視図である。
【図14】本発明の一実施の形態の実施例1によるパチンコ機100であって、球タンク150の正面側側面150aの構成を説明する図である。
【図15】本発明の一実施の形態の実施例2によるパチンコ機100の正面図であって、前面枠扉106を開放した状態を示す図である。
【図16】本発明の一実施の形態の実施例2によるパチンコ機100のタンクレール154の概略構成を示す図である。
【図17】本発明の一実施の形態の実施例3によるパチンコ機100の正面図であって、前面枠扉106を開放するとともに、遊技盤200を本体104から取り外した状態を示す図である。
【図18】本発明の一実施の形態の実施例3によるパチンコ機100であって、タンクレール154近傍の拡大図である。
【図19】本発明の一実施の形態の変形例による遊技台としてのスロットマシンを正面から見た略示正面図である。
【図20】本発明の一実施の形態の変形例による遊技台としてのカジノマシン2000を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、図面を用いて、本発明の一実施の形態に係る遊技台(例えば、パチンコ機100等の弾球遊技機やスロット機等の回胴遊技機)について詳細に説明する。まず、図1乃至図4を用いて、本発明の実施形態に係るパチンコ機100の全体構成について説明する。なお、図1はパチンコ機100を正面側(遊技の操作を行う操作者(遊技者)の側)から見た外観斜視図である。図2は、パチンコ機100の外観斜視図であって、前面枠扉106を開放した状態を示している。図3はパチンコ機100を正面から見た略示正面図である。図4はパチンコ機100の分解斜視図である。なお、図2では、外枠102の図示は省略されている。図1乃至図4に示すように、パチンコ機100は、外部的構造として、外枠102と、本体104と、前面枠扉106と、球貯留皿付扉108と、発射装置110と、遊技盤200と、をその前面に備える。
【0010】
外枠102は、遊技機設置営業店に設けられた設置場所(島設備等)へと固定させるための縦長方形状からなる木製の枠部材である。外枠102は、パチンコ機100を設置場所に保持させる保持枠として機能するようになっている。本体104は、内枠またはベースドアと呼ばれ、外枠102の内部に備えられ、ヒンジ部112を介して外枠102に回動自在に装着された縦長方形状の遊技機基軸体となる部材である。また、本体104は、枠状に形成され、内側に空間部114を有している。また、本体104が開放された場合、本体104の開放を検出する不図示の内枠開放センサを備える。詳細は後述するが、本体104は施錠手段118を用いて外枠102から開放されるようになっている。
【0011】
前面枠扉106は、ロック機能付きで且つ開閉自在となるようにパチンコ機100の前面側となる本体104の前面に対しヒンジ部112を介して装着され、枠状に構成されることでその内側を開口部116とした扉部材である。なお、前面枠扉106には、開口部116にガラス製又は樹脂製の透明板部材118が設けられ、前面側には、2つのスピーカ120や枠ランプ122が取り付けられている。前面枠扉106の後面と遊技盤200の前面とで遊技領域124を区画形成する。また、前面枠扉106が開放された場合、前面枠扉106の開放を検出する前面枠扉開放センサ111(図2参照)を備える。さらに、前面枠扉106は、球発射ハンドル134の上方に設けられ、後述の施錠手段118が挿入される施錠手段挿入部117を有している。
【0012】
図2に示すように、パチンコ機100は、本体104に設けられた施錠手段188と、施錠手段188の開錠動作および施錠動作に連動する前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cとを有している。施錠手段188は円筒形状を有している。施錠手段188の正面側には、所定のキー(鍵)を挿入するキー挿入口が設けられている。施錠手段188は、発射装置110の右隣に設けられている。図1および図3に示すように、施錠手段188は、前面枠扉116を本体104に装着した場合に、施錠手段挿入部117に挿入されるようになっている。施錠手段188が施錠手段挿入部117に挿入されると、キー挿入口は正面側に露出される。これにより、パチンコ機100は、前面枠扉106を本体104に装着した状態で、遊技店員が所定のキーを施錠手段188に挿入して前面枠扉106の開錠動作や施錠動作を実行できるようになっている。
【0013】
図2に示すように、前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cは、先端部が下方に向かって屈曲したL字形状をそれぞれ有している。施錠手段188が施錠状態の場合には、前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cの先端部は、前面枠扉106に設けられた前面枠扉開閉抑止用ヒンジ受け部115a、115b、115cにそれぞれ引っ掛かるようになっている。これにより、前面枠扉106は本体104に固定される。また、施錠手段188が施錠状態においてキー挿入口に挿入した所定のキーを例えば左回り(反時計回り)に回すと、施錠手段188は開錠状態になる。開錠状態になると、前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cは上方に移動するようになっている。これにより、前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cの先端部は前面枠扉開閉抑止用ヒンジ受け部115a、115b、115cに引っ掛からなくなり、前面枠扉106は、ヒンジ部112を回転軸として回動できるようになる。
【0014】
また、図示は省略するが、パチンコ機100は、図2に示す本体104の3箇所のα領域に、施錠手段188の開錠動作および施錠動作に連動する本体開閉抑止用ヒンジをそれぞれ有している。本体開閉抑止用ヒンジは、例えば前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cと同様に、先端部が下方に向かって屈曲したL字形状をそれぞれ有している。また、施錠手段188が施錠状態の場合には、本体開閉抑止用ヒンジの先端部は、3つのα領域にそれぞれ対向する外枠102の領域に設けられた本体抑止用ヒンジ受け部(不図示)にそれぞれ引っ掛かるようになっている。これにより、本体104は外枠102に固定される。また、施錠手段188が施錠状態においてキー挿入口に挿入した所定のキーを例えば右回り(時計回り)に回すと、施錠手段188は開錠状態になる。施錠手段188が開錠状態になると、本体開閉抑止用ヒンジは上方に移動するようになっている。これにより、本体開閉抑止用ヒンジの先端部は本体開閉抑止用ヒンジ受け部にそれぞれ引っ掛からなくなり、前面枠扉106とともに本体104は、ヒンジ部112を回転軸として回動できるようになる。
【0015】
図1乃至図3に示すように、球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が入賞等に基づいて払い出される払出通路121と、払い出された複数の遊技球が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206(詳細は後述)の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。
【0016】
図2に示すように、発射装置110は、本体104の下方に取り付けられ、球発射ハンドル134が遊技者に操作されることによって回動する発射杆146と、遊技球を発射杆の先端で打突する発射槌148と、を備える。
【0017】
遊技盤200は、前面に遊技領域124を有し、本体104の空間部114に臨むように、所定の固定部材を用いて本体104に着脱自在に装着されている。遊技盤200は、前方から本体104の空間部114に差し込むだけで装着と電気的な接続が完了するようになっている。なお、遊技領域124は、遊技盤200を本体104に装着した後、開口部116から観察することができる。
【0018】
詳細は後述するが、パチンコ機100は、本体104の上部に設けられた球タンク150を有している。球タンク150は、島設備から供給される遊技球を一時的に貯留するために設けられている。球タンク150は、外枠102側の側面に設けられた遊技球脱落防止部151を有している。遊技球脱落防止部151は、球タンク150の外枠102側の側面から突出して形成されている。遊技球脱落防止部151は、球タンク150に貯留された遊技球が島設備側等に脱落するのを防止するようになっている。
【0019】
次に、図5乃至図8を用いてパチンコ機100の背面側の構成について説明する。図5は、図1のパチンコ機100を背面側から見た外観図である。図5に示すように、パチンコ機100の背面上部には、上方に開口した開口部を有し、遊技球を一時的に貯留するための球タンク150と、球タンク150の下方に位置し、球タンク150の底部に形成した連通孔を通過して落下する球を背面右側に位置する球通路194および払出装置152に導くためのタンクレール154とを配設している。
【0020】
タンクレール154はツインレールとも称され、例えば第1副基板160(詳細は後述)と少なくとも一部が前後方向に重畳するように配置されている。本実施の形態によるパチンコ機100では、部材の配置領域を節約するため、制御基板にノイズを与える恐れのあるタンクレール154が第1副基板160に重畳して配置されている。しかしながら、パチンコ機100は、タンクレール154にノイズ対策(詳細は後述)が施されているので、タンクレール154と第1副基板160とが重畳して配置されていても、第1副基板160のノイズによる影響を軽減することができる場合がある。また、タンクレール154にはノイズ対策が施されているので、タンクレール154の側面を絶縁性の透明部材で形成することができる。これにより、タンクレール154がパチンコ機100に設置された場合に、パチンコ機100背面側に位置するタンクレール154の側面を透して、タンクレール154での遊技球の流下状況を目視により確認することができる場合がある。
【0021】
球通路194は、パチンコ機100を背面側から見て、本体104の右側部に上下方向に伸びて配置されている。球通路194の一端はタンクレール154に接続され、他端は払出装置152に接続されている。球通路194は直方体形状を有している。球通路194はタンクレール154を通過した遊技球を払出装置152に導くようになっている。球通路194の内部には、例えば払出装置152側に向かって傾斜する平板状部材が一対の対向側面に反ピッチずれて交互にそれぞれ形成された構造の遊技球案内通路(不図示)が形成されている。球通路194は、遊技球案内通路を備えることにより、当該案内通路を有さない空洞構造の場合と比較して、多くの遊技球を貯留できるようになっている。さらに、球通路194は、遊技球案内通路を備えることにより、払出装置152に遊技球を1個ずつ順次送出できるようになる。球通路194は、払出装置152の近傍にメカスイッチである球抜き手段197を有している。球通路194で遊技球の球詰まりが発生した場合に、遊技店員は、球抜き手段197を操作して、球詰まりした遊技球を球通路194の外部に排出できるようになっている。
【0022】
払出装置152は、筒状の部材からなり、その内部には、不図示の払出モータとスプロケットと払出センサとを備えている。スプロケットは、払出モータによって回転可能に構成されており、タンクレール154および球通路194を通過して払出装置152内に流下した遊技球を一時的に滞留させると共に、払出モータを駆動して所定角度だけ回転することにより、一時的に滞留した遊技球を払出装置152の下方へ1個ずつ送り出すように構成している。
【0023】
払出センサは、スプロケットが送り出した遊技球の通過を検知するためのセンサであり、遊技球が通過しているときにハイまたはローの何れか一方の信号を、遊技球が通過していないときはハイまたはローの何れか他方の信号を払出制御部600へ出力する。なお、この払出センサを通過した遊技球は、不図示の球レールを通過してパチンコ機100の表側に配設した払出通路121(図1参照)から上皿126に到達するように構成しており、パチンコ機100は、この構成により遊技者に対して球の払い出しを行う。
【0024】
球通路194および払出装置152の図中左側には、遊技全般の制御処理を行う主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158、主制御部300が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162、第1副制御部400が生成した処理情報に基づいて演出に関する制御処理を行う第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166、遊技球の払出に関する制御処理を行う払出制御部600を構成するとともに遊技店員の操作によってエラーを解除するエラー解除スイッチ168を備える払出基板170を収納する払出基板ケース172、遊技球の発射に関する制御処理を行う発射制御部630を構成する発射基板174を収納する発射基板ケース176、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を構成するとともに遊技店員の操作によって電源をオンオフする電源スイッチ178と電源投入時に操作されることによってRWMクリア信号を主制御部300に出力するRWMクリアスイッチ180とを備える電源基板182を収納する電源基板ケース184、および払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うCRインタフェース部186を配設している。発射基板ケース176は電源基板ケース184の下方に広がって設けられている。電源基板ケース184は、その背面側から見て、発射基板ケース176の一部に重なって配置されている。電源基板ケース184は払出基板ケース172の下方に広がって設けられている。払出基板ケース172は、背面側から見て、電源基板ケース184および発射基板ケース176のそれぞれの一部に重なって配置されている。CRインタフェース部186は、例えばD−sub(D−subminiature)コネクタで構成されたCRユニット接続部186aを有している。CRインタフェース部186は、CRユニット接続部186aを介して払出制御部600とカードユニットとの信号の送受信を行うようになっている。
【0025】
パチンコ機100は、その背面側から見て、球タンク150の右側であってタンクレール154の上方に外部端子基板196を有している。外部端子基板196はパチンコ機100とホールコンピュータとの電気的接続に用いられる。遊技盤200の交換を行う場合にパチンコ機100とホールコンピュータとの配線を変更する必要がないため、遊技盤200は、外部端子基板196を介して本体104とホールコンピュータとを接続したままで交換される。但し、機種によってはパチンコ機100からホールコンピュータに送信する信号の種類を変更する必要があるため、パチンコ機100は、遊技盤200の取り外し時に、パチンコ機100の正面(手前)側から外部端子基板196の接続状況が把握できるように構成されていてもよい。
同様に、外部と接続の必要がある他の構成(例えば後述の電源コード190)についても、本体104に備えておくことが好ましい。
【0026】
パチンコ機100は、その背面側から見て、外部端子基板196の右側に電源コネクタ191を有している。電源コネクタ191には、電源コード190が接続されるようになっている(図6参照)。
【0027】
図6は、本体104の略示背面図である。図6に示すように、本体104は、ほぼ中央に遊技盤200が装着される空間部114を有している。空間部114は、背面側から見て、長方形状を有している。
【0028】
また、本体104は、その背面側から見て、空間部114の上側に球タンク150およびタンクレール154を有し、空間部114の右側に球通路194および払出装置152を有している。球タンク150、タンクレール154、球通路194および払出装置152は、本体104の周縁に配置されている。島設備から供給された遊技球は、球タンク150、タンクレール154、球通路194、払出装置152および払出通路121(不図示)を通って上皿126に払い出されるようになっている。つまり、パチンコ機100は、島設備から供給されて上皿126に払い出される遊技球が本体104のこれらの所定部位を通るように構成されている。
【0029】
また、本体104は、その背面側から見て、空間部114の下側に払出基板170を収納する払出基板ケース172と、発射基板174を収納する発射基板ケース176と、各種電気的遊技機器に電源を供給する電源制御部660を備える電源基板182を収納する電源基板ケース184と、CRインタフェース部186とを有している。払出基板ケース172と、発射基板ケース176と、電源基板ケース184とは、互いに重畳し、本体104内の下方に配置されている。払出基板170、発射基板174、電源制御部660およびCRインタフェース部186は、遊技盤200の交換前後で共通して使用され、変更する必要がないため、本体104側に備えられている。
【0030】
さらに、本体104は、外部端子基板196と、電源コネクタ191とを有している。パチンコ機100は、外部端子基板196を本体104に備えることにより、上記の通り、本体104とホールコンピュータとを接続したままで遊技盤200の交換作業ができるようになっている。また、パチンコ機100は、商用電源(交流100V)を電源制御部660に供給する必要があるため、電源コード190を接続する電源コネクタ191が電源制御部660と同様に本体104に設けられている。
【0031】
また、本体104は、タンクレール154に一端が接続されたアース線192を有している。アース線192は、例えばタンクレール154を本体104の背面に締結させるために用いる締付ネジによりタンクレール154とともに、本体104の背面に締結されている。また、アース線192の他端はタンクレール154を介して接地されるようになっている。これにより、パチンコ機100は、アース線192を介してタンクレール154で発生するノイズを接地側に逃がし、第1副基板160などにノイズが影響するのを防止できるようになっている。
【0032】
図7は、遊技盤200の略示背面図である。遊技盤200は、主制御部300を構成する主基板156を収納する主基板ケース158と、第1副制御部400を構成する第1副基板160を収納する第1副基板ケース162と、第2副制御部500を構成する第2副基板164を収納する第2副基板ケース166とを有している。第1副基板ケース162は、第2副基板ケース166上に配置されている。遊技盤200の背面側から見て、第1副基板ケース162の右上角部と、第2副基板ケース166の右上角部とは一致されて遊技盤200に締付ネジにより締結されている。第2副基板ケース166は、遊技盤200の左上寄りに設けられている。第2副基板ケース166の下方には、主基板ケース158が設けられている。
【0033】
遊技盤200は、その背面側から見て、第2副基板ケース166の上側に設けられて台形状に形成された遮断領域203を有している。遊技盤200を本体104に装着した場合に、背面側からパチンコ機100を見ると、遮断領域203は、遊技球が通過するタンクレール154と重複するように配置される。また、遊技盤200を本体104に装着した場合に遊技者側(パチンコ機100の正面側)からパチンコ機100を見ると、遮断領域203はタンクレール154の手前側に配置される。これにより、遮断領域203は、遊技者からタンクレール154が見えないように遮蔽する遮蔽手段として機能するようになっている。このように、遮断領域203は、正面側から遊技者がタンクレール154を視認するのを防止できるようになっている。
【0034】
遊技盤200は、最外周に配置された取り付けベース201a、201b、201c、201dを有している。取り付けベース201aは、背面側から見て、遮蔽領域203の上側であって左右方向に伸びて形成されている。取り付けベース201bは、背面側から見て、第2副基板ケース166および主基板ケース158の右側であって上下方向に伸びて形成されている。取り付けベース201cは、背面側から見て、主基板ケース158の下側かつフローティングコネクタ209の右側であって左右方向に伸びて形成されている。取り付けベース201dは、背面側から見て、第2副基板ケース166の左側かつ取り付けベース201aとフローティングコネクタ205との間であって上下方向に伸びて形成されている。取り付けベース201a、201b、201c、201dは、遊技盤200を本体104の空間部114に取り付けるために用いられる。遊技盤200を本体104に取り付けると、取り付けベース201aは、遊技球が一時的に貯留される球タンク150と重複するように配置される。遊技盤200を本体104に装着した場合に遊技者側からパチンコ機100を見ると、取り付けベース201aは球タンク150の手前側に配置される。これにより、取り付けベース201aは、遊技者から球タンク150が見えないように遮蔽する遮蔽手段として機能するようになっている。このように、取り付けベース201aは、球タンク150を正面側から遊技者が視認するのを防止できるようになっている。
【0035】
また、遊技盤200は、背面側から見て、左下隅に3個のフローティングコネクタ205、207、209を有している。フローティングコネクタ205、207、209は、背面側から見て、主基板ケース158の左側に配置されている。フローティングコネクタ205が最も左端に配置され、その右隣にフローティングコネクタ207が配置され、その右隣にフローティングコネクタ209が配置されている。フローティングコネクタ205、207には、本体104の電源制御部660および払出制御部600と主基板156とを電気的に接続するための配線が集約されている。フローティングコネクタ209には、本体104の電源制御部660と第1および第2基板160、164とを電気的に接続するための配線が集約されている。本実施の形態によるパチンコ機100は、遊技盤200を本体104に装着する際にフローティングコネクタ205、207、209を本体104側に設けられたフローティングコネクタ(詳細は後述)に結合することにより、遊技盤200と本体104とが電気的に接続されるようになっている。また、パチンコ機100は、遊技盤200を本体104から取り外すとフローティングコネクタ205、207、209と、本体104側に設けられたフローティングコネクタとの結合が解除されて電気的接続が切断されるようになっている。このように、パチンコ機100は、遊技盤200を本体104に取り付けるだけで電気的接続が確保され、遊技盤200を本体104から取り外すだけで電気的接続が切断されるようになっている。
【0036】
図8は、フローティングコネクタの概略構成を示す斜視図である。図8(a)は、遊技盤200側に設けられるフローティングコネクタ205、207、209と、本体104側に設けられるフローティングコネクタ105、107、109とが分離した状態を示している。図8(b)は、フローティングコネクタ205、207、209と、フローティングコネクタ105、107、109とが結合した状態を示している。なお、図8では、遊技盤200および本体104の図示は省略されている。
【0037】
遊技盤200を本体104に装着するために遊技盤200を本体104に対向配置すると、図8(a)に示すように、フローティングコネクタ205、207、209と、本体104側に設けられたフローティングコネクタ105、107、109とがそれぞれ対向配置されるようになっている。フローティングコネクタ105、107には、電源制御部660および払出制御部600と遊技盤200の主基板156とを電気的に接続するための配線が集約されている。フローティングコネクタ109には、電源制御部660と遊技盤200の第1および第2基板160、164とを電気的に接続するための配線が集約されている。
【0038】
フローティングコネクタ205、207、209は、遊技盤200に固定した状態で実装されている。これに対し、フローティングコネクタ105、107、109は、本体104に半固定状態で実装されている。フローティングコネクタ105、107、109は、本体104に実装されているために本体104から落下してしまうことはないが、本体104上で所定量だけ上下左右に動くことができるようになっている。遊技盤200を本体104に装着する際に、フローティングコネクタ105、107、109を上下左右にずらしながら、フローティングコネクタ105、107、109の先端をフローティングコネクタ205、207、209の挿入口にそれぞれ挿入し、次いで、遊技盤200を正面側から押し込むと、図8(b)に示すように、フローティングコネクタ205、207、209とフローティングコネクタ105、107、109とを確実に結合することができる。このように、パチンコ機100は、遊技盤200を本体104側に押し込むだけでフローティングコネクタ205、207、209とフローティングコネクタ105、107、109とが接続され、遊技が可能な状態になる。
【0039】
図9は、遊技盤200を正面から見た略示正面図である。遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。本実施の形態のパチンコ機100は、遊技領域124に打ち出された遊技球の流下経路に、第一経路としての左打ちルート290と第二経路としての右打ちルート292とを有している。遊技者は、遊技球を発射させる発射装置110を球発射ハンドル134を介して操作することにより遊技球を左打ちルート290または右打ちルート292に打ち分けることができる。
【0040】
遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものであり、詳細については後述する。本実施の形態のパチンコ機100は、遊技盤200の下方に情報表示器250を有している。情報表示器250は、例えば32個のLEDで構成されている。詳細な説明は省略するが、情報表示器250は、当該32個のLEDのうちの所定のLEDにより普通図柄表示装置として、他の所定のLEDの組合せにより第1特別図柄表示装置として、また他のLEDの組合せにより第2特別図柄表示装置として、また他のLEDの組合せにより普通図柄保留ランプとして、また他のLEDの組合せにより第1特別図柄保留ランプとして、また他のLEDの組合せにより第2特別図柄保留ランプとして、また他のLEDの組合せにより状態表示(特別図柄抽選確率状態表示)ランプとして、また他のLEDの組合せにより大当り種別(大当りラウンド数)表示ランプとして、さらに残余のLEDの組合せにより打ち出し方向示唆ランプとして機能するようになっている。なお、以下、普通図柄を「普図」、特別図柄を「特図」、第1特別図柄を「特図1」、第2特別図柄を「特図2」と称する場合がある。
【0041】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施の形態では液晶表示装置(Liquid Crystal Display)によって構成する。装飾図柄表示装置208は、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cおよび演出表示領域208dの4つの表示領域に分割し、左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208bおよび右図柄表示領域208cはそれぞれ異なった装飾図柄を表示し、演出表示領域208dは演出に用いる画像を表示する。さらに、各表示領域208a、208b、208c、208dの位置や大きさは、装飾図柄表示装置208の表示画面内で自由に変更することを可能としている。なお、装飾図柄表示装置208として液晶表示装置を採用しているが、液晶表示装置でなくとも、種々の演出や種々の遊技情報を表示可能に構成されていればよく、例えば、ドットマトリクス表示装置、7セグメント表示装置、有機EL(ElectroLuminescence)表示装置、リール(ドラム)式表示装置、リーフ式表示装置、プラズマディスプレイ、プロジェクタを含む他の表示デバイスを採用してもよい。
【0042】
情報表示器250の複数のLEDの一部で構成される普図表示装置は、普図の表示を行うための表示装置である。情報表示器250の複数のLEDの一部で構成される特図1表示装置および特図2表示装置は、特図の表示を行うための表示装置である。
【0043】
また、演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234ととを配設している。
【0044】
一般入賞口226は、本実施形態では遊技盤200に複数配設しており、一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施形態では、遊技球には、入賞の対価として遊技者に払い出す球(以下、「賞球」と呼ぶ場合がある)と、遊技者に貸し出す球(以下、「貸球」呼ぶ場合がある)とが含まれる。
【0045】
普図始動口228は、ゲートやスルーチャッカーと呼ばれる、遊技領域124の所定の領域を球が通過したか否かを判定するための装置で構成しており、本実施形態では遊技盤200の左打ちルート290および右打ちルート292のそれぞれに1つずつ配設している。普図始動口228を通過した球は一般入賞口226に入球した球と違って、遊技島側に排出することはない。球が普図始動口228を通過したことを所定の球検出センサが検出した場合、パチンコ機100は、普図表示装置を構成する情報表示器250のLEDを点滅させる普図変動遊技を開始する。
【0046】
特図1始動口230は、本実施形態では遊技盤200の中央に1つだけ配設している。特図1始動口230への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、3個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図1表示装置を構成する情報表示器250のLEDを点滅させる特図変動遊技を開始する。なお、特図1始動口230に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0047】
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施形態では遊技盤200の右打ちルート292に1つだけ配設している。特図2始動口232は、通常状態では球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置停止表示した場合に所定の時間間隔、所定の回数で特図2始動口232への入球が可能になる。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126に排出するとともに、特図2表示装置による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0048】
可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカと呼ばれ、本実施の形態では特図2始動口232の下方であって右打ちルート292に配設している。可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図1または特図2特図表示装置を構成する情報表示器250のLEDの発光/非発光の組合せが所定の当りを示唆する状態で停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0049】
遊技盤200の中央部下方に配設される普図始動口228および特図1始動口230は、右打ちルート292と比較して左打ちルート290を通過する遊技球が相対的に進入し易いようになっている。また、遊技盤200の右打ちルート292に配置される普図始動口228、特図2始動口232および可変入賞口234は、右打ちルート292を通過する遊技球が相対的に進入し易いようになっている。また、見方を変えると、左打ちルート290の普図始動口228および特図1始動口230は、左打ちルート290と比較して右打ちルート292を通過する遊技球が相対的に進入し難いようになっており、右打ちルート292の普図始動口228、特図2始動口232および可変入賞口234は、左打ちルート290を通過する遊技球が進入し難いようになっている。左打ちルート290を通過する遊技球は特図1始動口230に相対的に入球し易く、右打ちルート292を通過する遊技球は特図2始動口232に相対的に入球し易いので、遊技者は、例えば後述の電サポでない非電サポ状態時には左打ちルート290を狙い、電サポ状態時には右打ちルート292を狙うというように遊技状態に応じて遊技球を打ち分けながら遊技を楽しむことができる。このように、本実施形態によるパチンコ機100では、特図2始動口232を特図1始動口230と同時に狙えない位置に配置している。
【0050】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘238を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0051】
パチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、左打ちルート290または右打ちルート292を通って、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(特図1始動口230、特図2始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。
【0052】
次に、パチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および不図示の遮蔽装置(以下、扉あるいはシャッタと称する場合がある)を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0053】
演出可動体224は、不図示の駆動機構で駆動されることにより、装飾図柄表示装置208の前方を上下方向に所定の可動範囲で移動する。演出可動体224は、可動範囲の上端では装飾図柄表示装置208の表示画面とは重ならず、可動範囲の下端では装飾図柄表示装置208の表示画面の略中央部に重なるようになっている。
【0054】
不図示の遮蔽装置は、例えば格子状の左扉および右扉からなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉および右扉の上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉および右扉は、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置は、左扉および右扉を閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉および右扉を開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉および右扉は、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉および右扉は、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0055】
次に、図10を用いて、パチンコ機100の制御部の回路構成について詳細に説明する。なお、同図は制御部の回路ブロック図を示したものである。パチンコ機100の制御部は、大別すると、遊技の中枢部分を制御する主制御部300と、主制御部300が送信するコマンド信号(以下、単に「コマンド」と呼ぶ)に応じて主に演出の制御を行う第1副制御部400と、第1副制御部400より送信されたコマンドに基づいて各種機器を制御する第2副制御部500と、主制御部300が送信するコマンドに応じて主に遊技球の払い出しに関する制御を行う払出制御部600と、遊技球の発射制御を行う発射制御部630と、パチンコ機100に供給される電源を制御する電源制御部660と、によって構成している。
【0056】
まず、パチンコ機100の主制御部300について説明する。主制御部300は、主制御部300の全体を制御する基本回路302を備えており、基本回路302には、CPU304と、制御プログラムや各種データを記憶するためのROM306と、一時的にデータを記憶するためのRAM308と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O310と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ312と、プログラム処理の異常を監視するWDT314を搭載している。なお、ROM306やRAM308については他の記憶装置を用いてもよく、この点は後述する第1副制御部400および第2副制御部500についても同様である。基本回路302のCPU304は、水晶発振器316bが出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0057】
また、基本回路302には、水晶発振器316aが出力するクロック信号を受信する度に0〜65535の範囲で数値を変動させるハードウェア乱数カウンタとして使用している乱数値生成回路318(この回路には2つのカウンタを内蔵しているものとする)と、所定の球検出センサ、例えば各始動口、入賞口、可変入賞口を通過する遊技球を検出するセンサや、前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサを含む各種センサ320が出力する信号を受信し、増幅結果や基準電圧との比較結果を乱数値生成回路318および基本回路302に出力するためのセンサ回路322と、情報表示器250のうちの特図1表示装置や特図2表示装置を構成するLEDの発光/非発光の制御を行うための駆動回路324と、情報表示器250のうちの普図表示装置を構成するLEDの発光/非発光の制御を行うための駆動回路326と、情報表示器250のうちの各種状態表示部328(例えば、情報表示器250のうちの普図保留ランプ、特図1保留ランプ、特図2保留ランプ、状態表示ランプ、大当り種別表示ランプ、打ち出し方向示唆ランプをそれぞれ構成するLED等)の表示制御を行うための駆動回路330と、所定の可動部材、例えば特図2始動口232や可変入賞口234の扉部材234a等を開閉駆動する各種ソレノイド332を制御するための駆動回路334を接続している。
【0058】
なお、特図1始動口230に球が入賞したことを球検出センサ320が検出した場合には、センサ回路322は球を検出したことを示す信号を乱数値生成回路318に出力する。この信号を受信した乱数値生成回路318は、特図1始動口230に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。また、乱数値生成回路318は、特図2始動口232に球が入賞したことを示す信号を受信した場合も同様に、特図2始動口232に対応するカウンタのそのタイミングにおける値をラッチし、ラッチした値を、特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶する。
【0059】
さらに、基本回路302には、情報出力回路336を接続しており、主制御部300は、情報出力回路336を介して、外部のホールコンピュータ(図示省略)等が備える情報入力回路350にパチンコ機100の遊技情報(例えば、遊技状態)を出力する。
【0060】
また、主制御部300には、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値を監視する電圧監視回路338を設けており、電圧監視回路338は、電源の電圧値が所定の値(本実施例では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を基本回路302に出力する。
【0061】
また、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けており、CPU304は、起動信号出力回路340から起動信号を入力した場合に、遊技制御を開始する(後述する主制御部メイン処理を開始する)。
【0062】
また、主制御部300は、第1副制御部400にコマンドを送信するための出力インタフェースと、払出制御部600にコマンドを送信するための出力インタフェースをそれぞれ備えており、この構成により、第1副制御部400および払出制御部600との通信を可能としている。なお、主制御部300と第1副制御部400および払出制御部600との情報通信は一方向の通信であり、主制御部300は第1副制御部400および払出制御部600にコマンド等の信号を送信できるように構成しているが、第1副制御部400および払出制御部600からは主制御部300にコマンド等の信号を送信できないように構成している。
【0063】
次に、パチンコ機100の第1副制御部400について説明する。第1副制御部400は、主に主制御部300が送信したコマンド等に基づいて第1副制御部400の全体を制御する基本回路402を備えており、基本回路402には、CPU404と、一時的にデータを記憶するためのRAM408と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O410と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ412を搭載している。基本回路402のCPU404は、水晶発振器414が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0064】
また、基本回路402には、スピーカ120(およびアンプ)の制御を行うための音源IC416と、各種ランプ418(例えば、チャンスボタンランプ138)の制御を行うための駆動回路420と、遮蔽装置の駆動制御を行うための駆動回路432と、遮蔽装置の現在位置を検出する遮蔽装置センサ430と、チャンスボタン136の押下を検出するチャンスボタン検出センサ426と、遮蔽装置センサ430やチャンスボタン検出センサ426からの検出信号を基本回路402に出力するセンサ回路428と、制御プログラムや各種演出データを記憶するためのROM406と、CPU404からの信号に基づいてROM406に記憶された画像データ等を読み出してVRAM436のワークエリアを使用して表示画像を生成して装飾図柄表示装置208に画像を表示するVDP434(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサー)と、を接続している。なお、ROM406は、制御プログラムと各種演出データとを別々のROMに記憶させてもよい。
【0065】
次に、パチンコ機100の第2副制御部500について説明する。第2副制御部500は、第1副制御部400が送信した制御コマンドを入力インタフェースを介して受信し、この制御コマンドに基づいて第2副制御部500の全体を制御する基本回路502を備えており、基本回路502は、CPU504と、一時的にデータを記憶するためのRAM508と、各種デバイスの入出力を制御するためのI/O510と、時間や回数等を計測するためのカウンタタイマ512を搭載している。基本回路502のCPU504は、水晶発振器514が出力する所定周期のクロック信号をシステムクロックとして入力して動作する。
【0066】
また、基本回路502には、第2副制御部500の全体を制御するための制御プログラム及びデータ、画像表示用のデータ等が記憶されたROM506と、演出可動体224の駆動制御を行うための駆動回路516と、演出可動体224の現在位置を検出する演出可動体センサ424と、演出可動体センサ424からの検出信号を基本回路502に出力するセンサ回路518と、遊技盤用ランプ532の制御を行うための遊技盤用ランプ駆動回路530と、遊技台枠用ランプ542の制御を行うための遊技台枠用ランプ駆動回路540と、遊技盤用ランプ駆動回路530と遊技台枠用ランプ駆動回路540との間でシリアル通信による点灯制御を行うシリアル通信制御回路520と、を接続している。
【0067】
次に、パチンコ機100の払出制御部600、発射制御部630、電源制御部660について説明する。払出制御部600は、主に主制御部300が送信したコマンド等の信号に基づいて払出装置152の払出モータ602を制御すると共に、払出センサ604が出力する制御信号に基づいて賞球または貸球の払い出しが完了したか否かを検出すると共に、インタフェース部606を介して、パチンコ機100とは別体で設けられたカードユニット608との通信を行う。
【0068】
発射制御部630は、払出制御部600が出力する、発射許可または停止を指示する制御信号や、球発射ハンドル134内に設けた発射強度出力回路が出力する、遊技者による球発射ハンドル134の操作量に応じた発射強度を指示する制御信号に基づいて、発射杆および発射槌を駆動する発射モータ632の制御や、上皿126から発射装置110に球を供給する球送り装置634の制御を行う。
【0069】
電源制御部660は、パチンコ機100に外部から供給される交流電源を直流化し、所定の電圧に変換して主制御部300、第1副制御部400等の各制御部や払出装置152等の各装置に供給する。さらに、電源制御部660は、外部からの電源が断たれた後も所定の部品(例えば主制御部300のRAM308等)に所定の期間(例えば10日間)電源を供給するための蓄電回路(例えば、コンデンサ)を備えている。なお、本実施形態では、電源制御部660から払出制御部600と第2副制御部500に所定電圧を供給し、払出制御部600から主制御部300と第2副制御部500と発射制御部630に所定電圧を供給しているが、各制御部や各装置に他の電源経路で所定電圧を供給してもよい。図10の図中に示す破線の長方形枠で囲まれている払出制御部600、発射制御部630および電源制御部660等は本体104に備えられている。
【0070】
ここで、パチンコ機100の情報表示器250および装飾図柄表示装置208が停止表示する特図および普図の種類について説明する。情報表示器250は、大当りやはずれを遊技者に報知するための大当り図柄やはずれ図柄を特図1、特図2および普図表示装置を構成するそれぞれのLEDの発光/非発光の組合せで表すように構成されている。また、装飾図柄表示装置208は、所定の表示態様の装飾図柄を左中右図柄表示領域208a、208b、208cに停止表示することにより、実行された変動遊技の当否判定(大当りやはずれ)を遊技者に報知するように構成されている。特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、情報表示器250における特図1表示装置を構成する複数のLEDの全点灯(全発光)と全消灯(全非発光)とを繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、情報表示器250における特図2表示装置を構成する複数のLEDの全点灯(全発光)と全消灯(全非発光)とを繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本実施形態にいう図柄の変動表示の一例に相当する。そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図1表示装置は複数のLEDの発光/非発光の組合せに基づき特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本実施形態にいう変動時間が相当)が経過すると、特図2表示装置は複数のLEDの発光/非発光の組合せに基づき特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本実施形態にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。
【0071】
本実施の形態によるパチンコ機100は、特図の図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図を情報表示器250の複数のLEDの発光/非発光の組合せにより表示できるように構成されている。情報表示器250は、特図1表示装置および特図2表示装置のそれぞれで「特図A」から「特図J」を表示する必要があるため、特図1表示装置および特図2表示装置は、情報表示器250に備えられた複数のLEDのうちの少なくとも4個のLEDでそれぞれ構成される。「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当り図柄であり、「特図B」は15R大当り図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当り遊技終了後および15R大当り遊技終了後はいずれも電サポ状態(時短状態という場合もある)に移行する。電サポ状態については詳しくは後述するが、電サポ状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、電サポ状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当り図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当り図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に対する有利度が相対的に大きくなる図柄である。
【0072】
「特図C」は突然確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図A」と比べて、「特図C」は2Rである点が異なる。「特図D」は突然時短と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図高確率状態である。すなわち、15Rである「特図B」と比べて、「特図D」は2Rである点が異なる。「特図E」は隠れ確変と称される2R大当り図柄であり、特図高確率普図低確率状態である。「特図F」は突然通常と称される2R大当り図柄であり、特図低確率普図低確率状態である。これら「特図E」および「特図F」はいずれも、2Rであるとともに、電サポ状態に移行しない状態である。
【0073】
「特図G」は第1小当り図柄であり、「特図H」は第2小当り図柄であり、何れも特図低確率普図低確率状態である。ここにいう小当りは、2R電サポ無し大当りと同じものに相当する。すなわち、この「特図G」、「特図H」は「特図F」と同じ状態であるが、両者では装飾図柄表示装置208に表示される演出が異なり、あえて、同じ状態でも「特図G」、「特図H」と「特図F」を設けておくことで、遊技の興趣を高めている。
【0074】
また、「特図I」は第1はずれ図柄であり、「特図J」は第2はずれ図柄であり、遊技者に対する有利度が相対的に小さくなる図柄である。なお、本実施形態のパチンコ機100には、15R特別大当り図柄として「特図A」以外の図柄も用意されており、15R大当り図柄等の他の図柄についても同様である。
【0075】
本実施の形態によるパチンコ機100は、装飾図柄表示装置208に表示される装飾図柄として「装飾1」〜「装飾10」の10種類を有している。特図1始動口230または特図2始動口232に球が入賞したこと、すなわち、特図1始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したこと、あるいは特図2始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件にして、装飾図柄表示装置208の左図柄表示領域208a、中図柄表示領域208b、右図柄表示領域208cの各図柄表示領域に、「装飾1」→「装飾2」→「装飾3」→・・・・「装飾9」→「装飾10」→「装飾1」→・・・の順番で表示を切り替える「装飾図柄の変動表示」を行う。
【0076】
そして、「特図A」の15R特別大当りまたは「特図B」の15R大当りを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに同じ装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾1−装飾1−装飾1」や「装飾2−装飾2−装飾2」等)を停止表示する。「特図A」の15R特別大当りを明示的に報知する場合には、同じ奇数の装飾図柄が3つ並んだ図柄組合せ(例えば「装飾3−装飾3−装飾3」や「装飾7−装飾7−装飾7」等)を停止表示する。
【0077】
また、「特図E」の隠れ確変と称される2R大当り、「特図F」の突然通常と称される2R大当り、あるいは「特図G」の第1小当り、「特図H」の第2小当りを報知する場合には、「装飾1−装飾2−装飾3」を停止表示する。さらに、「特図C」の突然確変と称される2R大当り、あるいは「特図D」の突然時短と称される2R大当りを報知する場合には、「装飾1−装飾3−装飾5」を停止表示する。
【0078】
一方、「特図I」の第1はずれ、「特図J」の第2はずれを報知する場合には、図柄表示領域208a〜208cに、これらの図柄組合せ以外の図柄組合せを停止表示する。
【0079】
本実施の形態によるパチンコ機100は、普図の図柄変動停止表示における停止図柄態様として当り図柄である「普図A」と、はずれ図柄である「普図B」の2種類がある。情報表示器250は、普図表示装置で「普図A」および「普図B」を表示する必要があるため、普図表示装置は、情報表示器250に備えられた複数のLEDのうちの少なくとも1個のLEDで構成される。普図始動口228を球が通過したことを上述のゲートセンサが検出したことに基づいて、情報表示器250は、普図表示装置を構成するLEDの(全発光)と全消灯(全非発光)とを繰り返す「普図の変動表示」を行う。そして、普図変動遊技の当選を報知する場合には「普図A」を停止表示するためにLEDを発光状態に維持し、普図変動遊技のはずれを報知する場合には「普図B」を停止表示するためにLEDを非発光状態に維持する。
【0080】
次に、図11を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部メイン処理について説明する。なお、同図は主制御部メイン処理の流れを示すフローチャートである。上述したように、主制御部300には、電源が投入されると起動信号(リセット信号)を出力する起動信号出力回路(リセット信号出力回路)340を設けている。この起動信号を入力した基本回路302のCPU304は、リセット割込によりリセットスタートしてROM306に予め記憶している制御プログラムに従って図11に示す主制御部メイン処理を実行する。
【0081】
ステップS101では、初期設定1を行う。初期設定1では、CPU304のスタックポインタ(SP)へのスタック初期値の設定(仮設定)、割込マスクの設定、I/O310の初期設定、RAM308に記憶する各種変数の初期設定、WDT314への動作許可及び初期値の設定等を行う。なお、本実施形態では、WDT314に、初期値として32.8msに相当する数値を設定する。
【0082】
ステップS101の次のステップS103では、WDT314のカウンタの値をクリアし、WDT314による時間計測を再始動する。ステップS103の次のステップS105では、低電圧信号がオンであるか否か、すなわち、電圧監視回路338が、電源制御部660から主制御部300に供給している電源の電圧値が所定の値(本実施形態では9V)未満である場合に電圧が低下したことを示す低電圧信号を出力しているか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(CPU304が電源の遮断を検知した場合)にはステップS103に戻り、低電圧信号がオフの場合(CPU304が電源の遮断を検知していない場合)にはステップS107に進む。なお、電源が投入された直後で未だ上記所定の値(9V)に達しない場合にもステップS103に戻り、供給電圧がその所定の値以上になるまで、ステップS105は繰り返し実行される。
【0083】
ステップS107では、初期設定2を行う。初期設定2では、後述する主制御部タイマ割込処理を定期毎に実行するための周期を決める数値をカウンタタイマ312に設定する処理、I/O310の所定のポート(例えば試験用出力ポート、第1副制御部400への出力ポート)からクリア信号を出力する処理、RAM308への書き込みを許可する設定等を行う。
【0084】
ステップS107の次のステップS109では、電源の遮断前(電断前)の状態に復帰するか否かの判定を行い、電断前の状態に復帰しない場合(主制御部300の基本回路302を初期状態にする場合)には初期化処理(ステップS113)に進む。具体的には、最初に、電源基板に設けたRWMクリアスイッチ180を遊技店の店員などが操作した場合に送信されるRAMクリア信号がオン(操作があったことを示す)であるか否か、すなわちRAMクリアが必要であるか否かを判定し、RAMクリア信号がオンの場合(RAMクリアが必要な場合)には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進む。一方、RAMクリア信号がオフの場合(RAMクリアが必要でない場合)には、RAM308に設けた電源ステータス記憶領域に記憶した電源ステータスの情報を読み出し、この電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報であるか否かを判定する。そして、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報でない場合には、基本回路302を初期状態にすべくステップS113に進み、電源ステータスの情報がサスペンドを示す情報である場合には、RAM308の所定の領域(例えば全ての領域)に記憶している1バイトデータを初期値が0である1バイト構成のレジスタに全て加算することによりチェックサムを算出し、算出したチェックサムの結果が特定の値(例えば0)であるか否か(チェックサムの結果が正常であるか否か)を判定する。そして、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)の場合(チェックサムの結果が正常である場合)には電断前の状態に復帰すべくステップS111に進み、チェックサムの結果が特定の値(例えば0)以外である場合(チェックサムの結果が異常である場合)には、パチンコ機100を初期状態にすべくステップS113に進む。同様に電源ステータスの情報が「サスペンド」以外の情報を示している場合にもステップS113に進む。
【0085】
ステップS111では、復電時処理を行う。この復電時処理では、電断時にRAM308に設けられたスタックポインタ退避領域に記憶しておいたスタックポインタの値を読み出し、スタックポインタに再設定(本設定)する。また、電断時にRAM308に設けられたレジスタ退避領域に記憶しておいた各レジスタの値を読み出し、各レジスタに再設定した後、割込許可の設定を行う。以降、CPU304が、再設定後のスタックポインタやレジスタに基づいて制御プログラムを実行する結果、パチンコ機100は電源断時の状態に復帰する。すなわち、電断直前にタイマ割込処理(後述)に分岐する直前に行った(ステップS115内の所定の)命令の次の命令から処理を再開する。また、図4に示す主制御部300における基本回路302に搭載されているRAM308には、送信情報記憶領域が設けられている。このステップS111では、その送信情報記憶領域に、復電コマンドをセットする。この復電コマンドは、電源断時の状態に復帰したことを表すコマンドであり、後述する、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0086】
ステップS113では、初期化処理を行う。この初期化処理では、割込禁止の設定、スタックポインタへのスタック初期値の設定(本設定)、RAM308の全ての記憶領域の初期化などを行う。さらにここで、主制御部300のRAM308に設けられた送信情報記憶領域に正常復帰コマンドをセットする。この正常復帰コマンドは、主制御部300の初期化処理(ステップS113)が行われたことを表すコマンドであり、復電コマンドと同じく、主制御部300のタイマ割込処理におけるステップS233において、第1副制御部400へ送信される。
【0087】
ステップS113の次のステップS115では、割込禁止の設定を行った後、基本乱数初期値更新処理を行う。この基本乱数初期値更新処理では、大当りか否かの当否判定で大当りと判定された場合に、特図変動遊技での停止図柄を決定する抽選に用いる大当り時用特図決定用乱数値を生成する大当り時用特図決定用乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」と称する。)を更新する。また、普図変動遊技の当否判定に用いる普図当選乱数値を生成する普図当選乱数カウンタの初期値を生成するための初期値生成用乱数カウンタ(以下、「普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ」という。)を更新する。例えば、大当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタ記憶領域から値を取得し、取得した値に1を加算してから元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の乱数カウンタ記憶領域に記憶する。普図当選乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタも同様に更新する。なお、大当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタに対応するそれぞれの初期値生成用乱数カウンタは、後述するステップS207でも更新する。主制御部300は、所定の周期ごとに開始するタイマ割込処理を行っている間を除いて、ステップS115の処理を繰り返し実行する。
【0088】
次に、図12を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。主制御部300は、所定の周期(本実施形態では約2msに1回)でタイマ割込信号を発生するカウンタタイマ312を備えており、このタイマ割込信号を契機として主制御部タイマ割込処理を所定の周期で開始する。
【0089】
ステップS201では、タイマ割込開始処理を行う。このタイマ割込開始処理では、CPU304の各レジスタの値をスタック領域に一時的に退避する処理などを行う。ステップS201の次のステップS203では、WDT314のカウント値が初期設定値(本実施形態では32.8ms)を超えてWDT割込が発生しないように(処理の異常を検出しないように)、WDTを定期的に(本実施形態では、主制御部タイマ割込の周期である約2msに1回)リスタートを行う。
【0090】
ステップS203の次のステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。
【0091】
また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、ステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図10に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。ステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、特図1始動口230、および特図2始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。
【0092】
ステップS205の次のステップS207およびその次のステップS209では、基本乱数初期値更新処理および基本乱数更新処理を行う。ステップS207の基本乱数初期値更新処理では、上記ステップS115で行った、大当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタにそれぞれ対応する初期値生成用乱数カウンタの更新を行い、次のステップS209の基本乱数更新処理では、主制御部300で使用する、大当り時用特図決定用乱数カウンタおよび普図当選乱数カウンタが更新される。例えば、大当り時用特図決定用乱数値として取り得る数値範囲が0〜99とすると、大当り時用特図決定用乱数値を生成するためにRAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算してから元の大当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。このとき、取得した値に1を加算した結果が100であれば0を元の大当り時用特図決定用乱数カウンタに記憶する。また、取得した値に1を加算した結果、大当り時用特図決定用乱数カウンタが一周していると判定した場合には大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタの値を取得し、大当り時用特図決定用乱数カウンタにセットする。例えば、0〜99の数値範囲で変動する大当り時用特図決定用乱数カウンタから値を取得し、取得した値に1を加算した結果が、RAM308に設けた所定の初期値記憶領域に記憶している前回設定した初期値と等しい値(例えば7)である場合に、大当り時用特図決定用乱数カウンタに対応する初期値生成用乱数カウンタから値を初期値として取得し、大当り時用特図決定用乱数カウンタにセットすると共に、大当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するために、今回設定した初期値を上述の初期値記憶領域に記憶しておく。
また、大当り時用特図決定用乱数カウンタが次に1周したことを判定するための上述の初期値記憶領域とは別に、普図当選乱数カウンタが1周したことを判定するための初期値記憶領域をRAM308に設けている。大当り時用特図決定用乱数カウンタは、特図1用の乱数値を取得するためのカウンタと特図2用の乱数値を取得するためのカウンタとを別に設けてもよいし、あるいは、同一のカウンタを用いてもよい。
【0093】
ステップS209の次のステップS211では、演出乱数更新処理を行う。この演出乱数更新処理では、主制御部300で使用する演出用乱数値を生成するための乱数カウンタを更新する。具体的には、特図変動遊技での図柄変動時間を決めるための特図タイマ番号決定用乱数値を生成する特図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。また、普図変動遊技での図柄変動時間を決めるための普図タイマ番号決定用乱数値を生成する普図タイマ番号決定用乱数カウンタを更新する。
【0094】
ステップS211の次のステップS213では、タイマ更新処理を行う。このタイマ更新処理では、情報表示器250における普図表示装置を構成するLEDの発光/非発光の組合せにより表される図柄を変動・停止表示する時間を計時するための普図表示図柄更新タイマ、情報表示器250における特図1表示装置を構成するLEDの発光/非発光の組合せにより表される図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図1表示図柄更新タイマ、情報表示器250における特図2表示装置を構成するLEDの発光/非発光の組合せにより表される図柄を変動・停止表示する時間を計時するための特図2表示図柄更新タイマ、所定の入賞演出時間、所定の開放時間、所定の閉鎖時間、所定の終了演出期間などを計時するためのタイマなどを含む各種タイマを更新する。
【0095】
ステップS213の次のステップS215では、入賞口カウンタ更新処理を行う。この入賞口カウンタ更新処理では、入賞口226、234や始動口230、232、228に入賞があった場合に、RAM308に各入賞口ごと、あるいは各始動口ごとに設けた賞球数記憶領域の値を読み出し、1を加算して、元の賞球数記憶領域に設定する。
【0096】
また、ステップS215の次のステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、特図1始動口230、特図2始動口232、普図始動口228および可変入賞口234への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS205における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。
【0097】
特図1始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図1保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路(ハード乱数回路)318の特図1始動口230に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図1乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図1乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図1乱数値の組」と略称する)は、特図1保留数記憶領域に記憶された特図1保留数と同数分だけ格納される。特図1乱数値記憶領域内では、特図1保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位(最先であり最も過去に記憶されている)の特図1乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図1乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図1保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位(最後)の特図1乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図1乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0098】
特図2始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する特図2保留数記憶領域が満タン(本例では、保留数4で満タンとなる)でない場合、乱数値生成回路318の特図2始動口232に対応する内蔵のカウンタ値記憶用レジスタに記憶された値に所定の加工を施して生成した大当り判定用乱数値を取得するとともに、RAM308に設けた大当り時用特図決定用乱数カウンタから大当り時用特図決定用乱数値を取得して特図2乱数値記憶領域に取得順に格納する。特図2乱数値記憶領域内の大当り判定用乱数値および大当り時用特図決定用乱数値の組(以下、「特図2乱数値の組」と略称する)は、特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数と同数分だけ格納される。特図2乱数値記憶領域内では、特図2保留数が1つ減るごとに保留順位が最上位の特図2乱数値の組のデータが消去されるとともに、残余の特図2乱数値の組のデータの保留順位が1ずつ繰り上がるように処理される。また、特図2保留数が1つ増えるごとに、保留順位が最下位の特図2乱数値の組のデータの次の保留順位に新たな特図2乱数値の組のデータが書き込まれる。
【0099】
普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する普図乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。
【0100】
ステップS217の次のステップS219では、払出要求数送信処理を行う。なお、払出制御部600に出力する出力予定情報および払出要求情報は、例えば1バイトで構成しており、ビット7にストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット6に電源投入情報(オンの場合、電源投入後一回目のコマンド送信であることを示す)、ビット4〜5に暗号化のための今回加工種別(0〜3)、およびビット0〜3に暗号化加工後の払出要求数を示すようにしている。
【0101】
ステップS219の次のステップS221では、普図状態更新処理を行う。この普図状態更新処理は、普図の状態に対応する複数の処理のうちの1つの処理を行う。例えば、普図変動表示の途中(上述する普図表示図柄更新タイマの値が1以上)における普図状態更新処理では、情報表示器250の普図表示装置を構成するLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、当該普図表示装置は普図の変動表示(普図変動遊技)を行う。
【0102】
また、普図変動表示時間が経過したタイミング(普図表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、普図当りフラグがオンの場合には、当り図柄の表示態様となるように当該普図表示装置を構成するLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、普図当りフラグがオフの場合には、はずれ図柄の表示態様となるように当該普図表示装置を構成するLEDの点灯・消灯駆動制御を行う。また、主制御部300のRAM308には、普図状態更新処理に限らず各種の処理において各種の設定を行う設定領域が用意されている。ここでは、上記点灯・消灯駆動制御を行うとともに、その設定領域に普図停止表示中であることを示す設定を行う。この制御を行うことで、当該普図表示装置は、LEDの発光/非発光により当り図柄およびはずれ図柄いずれか一方の図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ミリ秒(ms)間)、その表示を維持するためにRAM308に設けた普図停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された図柄が所定期間停止表示され、普図変動遊技の結果が遊技者に報知される。
【0103】
また、普図変動遊技の結果が当りであれば、後述するように、普図当りフラグがオンにされる。この普図当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図作動中を設定するとともに、所定の開放期間(例えば2秒間)、特図2始動口232の開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、羽根部材232aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた羽根開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。
【0104】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(特図2始動口開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば500m秒間)、特図2始動口232の開閉駆動用のソレノイド332に、特図2始動口を閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた特図2始動口閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。
【0105】
また、所定の閉鎖期間が終了したタイミング(特図2始動口閉鎖時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する普図状態更新処理では、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。さらに、普図変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、普図当りフラグがオフにされる。この普図当りフラグがオフの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(普図停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における普図状態更新処理でも、RAM308の設定領域に普図非作動中を設定する。普図非作動中の場合における普図状態更新処理では、何もせずに次のステップS223に移行するようにしている。
【0106】
ステップS223では、普図関連抽選処理を行う。この普図関連抽選処理では、普図変動遊技および特図2始動口232の開閉制御を行っておらず(普図の状態が非作動中)、且つ、保留している普図変動遊技の数が1以上である場合に、上述の乱数値記憶領域に記憶している普図当選乱数値に基づいた乱数抽選により普図変動遊技の結果を当選とするか、不当選とするかを決定する当り判定を行い、当選とする場合にはRAM308に設けた普図当りフラグにオンを設定する。不当選の場合には、普図当りフラグにオフを設定する。また、当り判定の結果に関わらず、次に上述の普図タイマ乱数値生成用の乱数カウンタの値を普図タイマ乱数値として取得し、取得した普図タイマ乱数値に基づいて複数の変動時間のうちから情報表示器250の普図表示装置を構成するLEDによる普図を変動表示する時間を1つ選択し、この変動表示時間を、普図変動表示時間として、RAM308に設けた普図変動時間記憶領域に記憶する。なお、保留している普図変動遊技の数は、RAM308に設けた普図保留数記憶領域に記憶するようにしており、当り判定をするたびに、保留している普図変動遊技の数から1を減算した値を、この普図保留数記憶領域に記憶し直すようにしている。また当り判定に使用した乱数値を消去する。
【0107】
次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の複数(本例では9つ)の処理のうちの1つの処理を行う。
【0108】
例えば、特図2変動開始のタイミングにおける特図2状態更新処理では、RAM308に設けた特図2保留数記憶領域に記憶された特図2保留数の値を1だけ減算した値を特図2保留数記憶領域に記憶し直す。それとともに、情報表示器250に設けられた特図2保留ランプの点滅を制御する。
【0109】
また例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、情報表示器250に設けられた特図2表示装置を構成する複数のLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、当該特図2表示装置は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。
【0110】
また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当りフラグ、第1小当りフラグ、第2小当りフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオフの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当りフラグがオンの場合には特図G、第2小当りフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Jそれぞれの態様となるように、情報表示器250に設けられた特図2表示装置を構成する複数のLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、当該特図2表示装置は、15R特別大当り図柄(特図A)、15R大当り図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当り図柄(特図G)、第2小当り図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500ms間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた電サポ(詳細は後述)回数記憶部に記憶された電サポ回数が1以上であれば、その電サポ回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフにする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフにする。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転停止設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶するとともに、変動表示を停止する図柄が特図2であることを示す特図2識別情報を、後述するコマンドデータに含める情報としてRAM308に追加記憶してから処理を終了する。
【0111】
また、特図2変動遊技の結果が大当りであれば、後述するように、大当りフラグがオンにされる。この大当りフラグがオンの場合には、所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2作動中を設定するとともに、所定の入賞演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを開始することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するためにRAM308に設けた特図2待機時間管理用タイマの記憶領域に入賞演出期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で入賞演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0112】
また、所定の入賞演出期間が終了したタイミング(特図2待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の開放期間(例えば29秒間、または可変入賞口234に所定球数(例えば10球)の遊技球の入賞を検出するまで)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを開放状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉開放時間管理用タイマの記憶領域に開放期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口開放設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0113】
また、所定の開放期間が終了したタイミング(扉開放時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、所定の閉鎖期間(例えば1.5秒間)可変入賞口234の扉部材234aの開閉駆動用のソレノイド(各種ソレノイド332の一部)に、扉部材234aを閉鎖状態に保持する信号を出力するとともに、RAM308に設けた扉閉鎖時間管理用タイマの記憶領域に閉鎖期間を示す情報を設定する。また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で大入賞口閉鎖設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0114】
また、この扉部材の開放・閉鎖制御を所定回数(本実施形態では15ラウンドか2ラウンド)繰り返し、終了したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、所定の終了演出期間(例えば3秒間)すなわち装飾図柄表示装置208による大当りを終了することを遊技者に報知する画像を表示している期間待機するように設定するためにRAM308に設けた演出待機時間管理用タイマの記憶領域に演出待機期間を示す情報を設定する。また、普図確率変動フラグがオンに設定されていれば、この大当り遊技の終了と同時に、RAM308に設けられた電サポ回数記憶部に電サポ回数(例えば、100回)をセットするともに、RAM308に設けられた時短フラグをオンにする。なお、その普図確率変動フラグがオフに設定されていれば、電サポ回数記憶部に電サポ回数をセットすることもなく、また時短フラグをオンにすることもない。ここでの電サポ状態とは、特図変動遊技における大当りを終了してから、次の大当りを開始するまでの時間を短くするため、パチンコ機が遊技者にとって有利な状態になることをいう。この時短フラグがオンに設定されていると、普図高確率(普図確変)状態である。普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、普図変動遊技で当りになる確率が高い。また、普図高確率状態の方が、普図低確率状態に比べて普図変動遊技の変動時間および特図変動遊技の変動時間は短くなる(普図変短)。さらに、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232の1回の開放における開放時間が長くなり易い(電チュー開延)。加えて、普図高確率状態では普図低確率状態に比べて、特図2始動口232は多く開き易い。これらの普図確変、普図変短、電チュー開延による制御状態をまとめて、電サポ(電動チューリップによる始動口入賞サポート)状態と呼ぶ。
【0115】
また、上述のごとく、時短フラグは、大当り遊技中(特別遊技状態中)にはオフに設定される。したがって、大当り遊技中には、普図低確率状態が維持される。これは、大当り遊技中に普図高確率状態であると、大当り遊技中に可変入賞口234に所定の個数、遊技球が入球するまでの間に特図2始動口232に多くの遊技球が入球し、大当り中に獲得することができる遊技球の数が多くなってしまい射幸性が高まってしまうという問題があり、これを解決するためのものである。
さらに、コマンド設定送信処理(ステップS233)で終了演出設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶する。
【0116】
また、所定の終了演出期間が終了したタイミング(演出待機時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。さらに、特図2変動遊技の結果がはずれであれば、後述するように、はずれフラグがオンにされる。このはずれフラグがオンの場合には、上述した所定の停止表示期間が終了したタイミング(特図2停止時間管理用タイマの値が1から0になったタイミング)における特図2状態更新処理でも、RAM308の設定領域に特図2非作動中を設定する。特図2非作動中の場合における特図2状態更新処理では、何もせずに次のステップS227に移行するようにしている。
【0117】
続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。
【0118】
ステップS225およびステップS227における特図状態更新処理が終了すると、今度は、特図1および特図2それぞれについての特図関連抽選処理を行う。ここでも先に、特図2についての特図関連抽選処理(特図2関連抽選処理)を行い(ステップS229)、その後で、特図1についての特図関連抽選処理(特図1関連抽選処理)を行う(ステップS231)。これらの特図関連抽選処理についても、主制御部300が特図2関連抽選処理を特図1関連抽選処理よりも先に行うことで、特図2変動遊技の開始条件と、特図1変動遊技の開始条件が同時に成立した場合でも、特図2変動遊技が先に変動中となるため、特図1変動遊技は変動を開始しない。また、特図2変動遊技の保留数が0より多い場合には、特図1変動遊技の保留に関する抽選処理や変動遊技は行われない。装飾図柄表示装置208による、特図変動遊技の大当り判定の結果の報知は、第1副制御部400によって行われ、特図2始動口232への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知が、特図1始動口230への入賞に基づく抽選の抽選結果の報知よりも優先して行われる。
【0119】
特図2関連抽選処理(ステップS229)の場合には、特図2乱数値記憶領域内の最先の(最も過去に記憶された)保留位置から特図2乱数値の組を取得し、不図示の判定用テーブルを用いて大当りとするか否かの決定、小当りとするか否かの決定、特図2の変動表示を開始してから停止表示するまでの時間の決定(特図タイマ番号の決定)、特図2の変動表示後に停止表示する図柄(停止図柄)の決定などを行う。特図2乱数値記憶領域から最先の特図2乱数値の組を取り出した後、特図2乱数値記憶領域における当該特図2乱数値の組の記憶はクリアされるとともに、特図2保留数を1減算する。このとき特図2乱数値記憶領域から取り出した特図2乱数値の組をRAM308に設けた一時領域(第2の始動情報記憶手段の一例)に当該特図2乱数値の組を記憶し、この一時領域に記憶している当該特図2乱数値の組に基づいて上述の決定を行うようにしてもよい。
【0120】
特図1関連抽選処理(ステップS231)の場合も、特図2関連抽選処理(ステップS229)と同様であるのでその説明は省略する。
【0121】
ステップS231の次のステップS233では、コマンド設定送信処理を行い、各種のコマンドが第1副制御部400に送信される。なお、第1副制御部400に送信する出力予定情報は例えば16ビットで構成しており、ビット15はストローブ情報(オンの場合、データをセットしていることを示す)、ビット11〜14はコマンド種別(本実施形態では、基本コマンド、図柄変動開始コマンド、図柄変動停止コマンド、入賞演出開始コマンド、終了演出開始コマンド、大当りラウンド数指定コマンド、復電コマンド、FRAMクリアコマンドなどコマンドの種類を特定可能な情報)、ビット0〜10はコマンドデータ(コマンド種別に対応する所定の情報)で構成している。
【0122】
具体的には、ストローブ情報は上述のコマンド送信処理でオンまたはオフになるようにしている。また、コマンド種別が図柄変動開始コマンドの場合であればコマンドデータに、主制御部300のRAM308に格納されている15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図関連抽選処理で選択した特図タイマ番号を含み、図柄変動停止コマンドの場合であれば、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを含み、入賞演出コマンドおよび終了演出開始コマンドの場合であれば、特図確率変動フラグの値などを含み、大当りラウンド数指定コマンドの場合であれば特図確率変動フラグの値、大当りラウンド数などを含むようにしている。コマンド種別が基本コマンドを示す場合は、コマンドデータにデバイス情報、特図1始動口230への入賞の有無、特図2始動口232への入賞の有無、可変入賞口234への入賞の有無などを含む。
【0123】
また、上述の回転開始設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値、特図1関連抽選処理および特図2関連抽選処理で選択した特図タイマ番号、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の回転停止設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している、15R大当りフラグや2R大当りフラグの値、特図確率変動フラグの値などを示す情報を設定する。上述の入賞演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、入賞演出期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の終了演出設定送信処理では、コマンドデータに、RAM308に記憶している、演出待機期間中に装飾図柄表示装置208・各種ランプ418・スピーカ120に出力する演出制御情報、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口開放設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。上述の大入賞口閉鎖設定送信処理では、コマンドデータにRAM308に記憶している大当りラウンド数、特図確率変動フラグの値、保留している特図1変動遊技または特図2変動遊技の数などを示す情報を設定する。また、このステップS233では一般コマンド特図保留増加処理も行われる。この一般コマンド特図保留増加処理では、コマンドデータにRAM308の送信用情報記憶領域に記憶している特図識別情報(特図1または特図2を示す情報)、予告情報(事前予告情報、偽事前予告情報、または事前予告無情報のいずれか)を設定する。第1副制御部400では、受信した出力予定情報に含まれるコマンド種別により、主制御部300における遊技制御の変化に応じた演出制御の決定が可能になるとともに、出力予定情報に含まれているコマンドデータの情報に基づいて、演出制御内容を決定することができるようになる。
【0124】
ステップS233の次のステップS235では、外部出力信号設定処理を行う。この外部出力信号設定処理では、RAM308に記憶している遊技情報を、情報出力回路336を介してパチンコ機100とは別体の情報入力回路350に出力する。
【0125】
ステップS235の次のステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、払出装置エラー等の所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して特図2始動口232や、可変入賞口234の開閉を制御したり、駆動回路324、326、330を介して情報表示器250に設けられた普図表示装置、特図1表示装置、特図2表示装置、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。
【0126】
ステップS237のデバイス監視処理において、例えば払い出し要求に対して実際に払い出された球が不足していると、払出装置エラーが検出される。この場合、第1副制御部400が装飾図柄表示装置208に「E1エラー係員をお呼びください」を表示させたり、スピーカ120から「係員をお呼びください」という音声を出力させたり、枠ランプ122を全点滅させたりできるように、払出装置エラー有りを示すデバイス情報が設定される。パチンコ機100は、払出装置エラーの検出中も払出動作を継続するようになっている。パチンコ機100では、球タンク150、タンクレール154、球通路194および払出装置152のいずれかで球が詰まった場合、払出装置エラーが発生するように構成されている。パチンコ機100は、エラーの発生に応じて装飾図柄表示装置208やスピーカ120を用いて球が足りない旨のエラー報知が行われるため、遊技者にエラーの概要を報知することをできるようになっている。ただし、エラーの検出および報知は電源投入中のみ実施可能なものであるため、遊技盤200の着脱作業を行っている最中は行われない。なお、作業完了後の初電源投入時にエラー報知が行われるため、再度前面枠扉106または本体104を開放し、エラーに対する作業を行う必要が生じるため、二度手間になる場合もある。
【0127】
ステップS237の次のステップS239では、低電圧信号がオンであるか否かを監視する。そして、低電圧信号がオンの場合(電源の遮断を検知した場合)にはステップS243に進み、低電圧信号がオフの場合(電源の遮断を検知していない場合)にはステップS240に進む。
【0128】
ステップS239の次のステップS240では、磁石検出フラグがオンであるか否かを監視し、磁石検出フラグがオンの場合には、図11に示す主制御部メイン処理に復帰し、電源検出フラグがオフの場合には、ステップS241に進む。
【0129】
一方、ステップS239の次のステップS243では、復電時に電断時の状態に復帰するための特定の変数やスタックポインタを復帰データとしてRAM308の所定の領域に退避し、入出力ポートの初期化等の電断処理を行い、その後、図11に示す主制御部メイン処理に復帰する。パチンコ機100に電源投入された状態で遊技盤200が取り外された場合には、ステップS243における正常な電断処理は実行されない。この場合には、電源制御部660に設けられたコンデンサの充電状態に基づいて電断処理が実行される。
【0130】
ステップS240の次のステップS241では、タイマ割込終了処理を行う。このタイマ割込終了処理では、ステップS201で一時的に退避した各レジスタの値を元の各レジスタに設定したり、割込許可の設定などを行い、その後、図11に示す主制御部メイン処理に復帰する。
【0131】
次に、本実施の形態の実施例1によるパチンコ機100について図13および図14を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、施錠手段188を用いて前面枠扉106を開放状態とすることにより、球タンク150内の遊技球の貯留状況を正面側から視認可能になる点に特徴を有している。図13は、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200および球タンク150を正面側(遊技の操作を行う操作者(遊技者)の側)から見た外観斜視図である。図13では、球タンク150を備える本体104の図示が省略されている。
【0132】
本実施例によるパチンコ機100は、遊技盤200の盤面構成および球タンク150の構成が異なる点を除いて図1乃至図12を用いて説明したパチンコ機100とほぼ同様の構成を有している。すなわち、本実施例によるパチンコ機100は、本体104(例えば、図2参照)と、本体104の正面側の反対側であって島設備側である裏面側に保持される遊技部品(例えば、球タンク150や球タンク150に貯留された遊技球、各種基板(電源基板182、発射基板174、払出基板170)(例えば、図6参照))とを備えている。
【0133】
ここで、本実施例によるパチンコ機100に備えられた遊技盤200について説明する。図13に示すように、遊技盤200には、外レール202と内レール204とを配設し、遊技球が転動可能な遊技領域124を区画形成している。遊技領域124の略中央には、演出装置206を配設している。演出装置206には、略中央に装飾図柄表示装置208を配設し、その周囲に、普図表示装置(不図示)と、特図1表示装置(不図示)と、特図2表示装置(不図示)と、普図保留ランプ(不図示)と、特図1保留ランプ(不図示)と、特図2保留ランプ(不図示)と、高確中ランプ(不図示)を配設している。演出装置206は、演出可動体224を動作して演出を行うものである。
【0134】
装飾図柄表示装置208は、装飾図柄ならびに演出に用いる様々な表示を行うための表示装置であり、本実施例では液晶表示装置によって構成する。本実施例による装飾図柄表示装置208は、図9に示す装飾図柄表示装置208と同様の構成を有し、同様の機能を発揮するようになっている。
【0135】
演出装置206の周囲には、所定の球進入口、例えば、一般入賞口226と、普図始動口228と、特図1始動口230と、特図2始動口232と、可変入賞口234を配設している。なお、本実施例によるパチンコ機100に備えられた一般入賞口226、普図始動口228、特図1始動口230および可変入賞口234はそれぞれ、図9に示す一般入賞口226、普図始動口228、特図1始動口230および可変入賞口234と同様の作用・機能を奏するため説明は省略する。
【0136】
特図2始動口232は、電動チューリップ(電チュー)と呼ばれ、本実施例では特図1始動口230の真下に1つだけ配設している。特図2始動口232は、左右に開閉自在な羽根部材232aを備え、羽根部材232aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、普図変動遊技に当選し、普図表示装置が当り図柄を停止表示した場合に羽根部材232aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉する。特図2始動口232への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152(図5参照)を駆動し、所定の個数(例えば、4個)の球を賞球として上皿126(図1参照)に排出するとともに、特図2表示装置による特図変動遊技を開始する。なお、特図2始動口232に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。
【0137】
さらに、これらの入賞口や始動口の近傍には、風車と呼ばれる円盤状の打球方向変換部材236や、遊技釘(不図示)を複数個、配設していると共に、内レール204の最下部には、いずれの入賞口や始動口にも入賞しなかった球をパチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出するためのアウト口240を設けている。
【0138】
次に、本実施例のパチンコ機100の演出装置206について説明する。演出装置206の前面側には、遊技球の転動可能な領域にワープ装置242およびステージ244を配設し、遊技球の転動不可能な領域に演出可動体224を配設している。また、演出装置206の背面側には、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246を配設している。すなわち、演出装置206において、装飾図柄表示装置208および遮蔽装置246は、ワープ装置242、ステージ244、および演出可動体224の後方に位置することとなる。ワープ装置242は、演出装置206の左上方に設けたワープ入口242aに入った遊技球を演出装置206の前面下方のステージ244にワープ出口242bから排出する。ステージ244は、ワープ出口242bから排出された球や遊技盤200の釘などによって乗り上げた球などが転動可能であり、ステージ244の中央部には、通過した球が特図1始動口230へ入球し易くなるスペシャルルート244aを設けている。
【0139】
演出可動体224は、不図示の駆動機構で駆動されることにより、装飾図柄表示装置208の前方を上下方向に所定の可動範囲で移動する。演出可動体224は、可動範囲の上端では装飾図柄表示装置208の表示画面とは重ならず、可動範囲の下端では装飾図柄表示装置208の表示画面の略中央部に重なるようになっている。
【0140】
遮蔽装置246は、格子状(不図示)の左扉246aおよび右扉246bからなり、装飾図柄表示装置208および前面ステージ244の間に配設する。左扉246aおよび右扉246bの上部には、不図示の2つのプーリに巻き回したベルトをそれぞれ固定している。すなわち、左扉246aおよび右扉246bは、モータによりプーリを介して駆動するベルトの動作に伴って左右にそれぞれ移動する。遮蔽装置246は、左扉246aおよび右扉246bを閉じた状態ではそれぞれの内側端部が重なり、遊技者が装飾図柄表示装置208を視認し難いように遮蔽する。左扉246aおよび右扉246bを開いた状態ではそれぞれの内側端部が装飾図柄表示装置208の表示画面の外側端部と若干重なるが、遊技者は装飾図柄表示装置208の表示の全てを視認可能である。また、左扉246aおよび右扉246bは、それぞれ任意の位置で停止可能であり、例えば、表示した装飾図柄がどの装飾図柄であるかを遊技者が識別可能な程度に、装飾図柄の一部だけを遮蔽するようなことができる。なお、左扉246aおよび右扉246bは、格子の孔から後方の装飾図柄表示装置208の一部を視認可能にしてもよいし、格子の孔の障子部分を半透明のレンズ体で塞ぎ、後方の装飾図柄表示装置208による表示を漠然と遊技者に視認させるようにしてもよいし、格子の孔の障子部分を完全に塞ぎ(遮蔽し)、後方の装飾図柄表示装置208を全く視認不可にしてもよい。
【0141】
球タンク150は、遊技盤200を本体104(不図示)に装着して固定すると遊技盤200の上部に配置されるようになっている。球タンク150は、島設備から供給される遊技球を一時的に貯留するために設けられている。
【0142】
図14は、遊技盤200および球タンク150の正面図である。図14では、遊技盤200の外形と遊技領域124のみが示され、遊技盤200が備える他の構成の図示は省略されている。図14に示すように、球タンク150は、遊技球の貯留状況を正面側から見ることができるように、正面側側面150aが透明部材で形成されている。これにより、球タンク150あるいは正面側側面150aは、正面側から遊技部品(本例では、遊技球700)を視認可能とする視認手段としての機能を発揮するようになっている。球タンク150は、正面側側面150aに設けられて遊技球700の貯留状況を示唆する貯留状況示唆部150bを有している。貯留状況示唆部150bは、遊技球700の貯留状況の判断を補助するように貯留量を段階的に判断可能な構成を有している。貯留状況示唆部150bは、下方から順に、遊技球700の貯留量が不足していることを示す「不足」、貯留量が正常であることを示す「正常」、および、貯留量が過剰であることを示す「過剰」の文字を有している。さらに、貯留状況示唆部150bは、遊技球700の貯留量を示すこれらの文字に隣接して平行な直線で表されたメモリ部を有している。遊技店員は、前面枠扉106を開放するだけで、正面側側面150aを透して球タンク150内の遊技球の貯留状況を視認することができ、さらに、貯留状況示唆部150bを用いて遊技球700の貯留状況が正常か否かを判断できる。
【0143】
ところで、従来のパチンコ機は、島設備から球タンクへと遊技球の供給が行われるようになっており、センサが検出するまで球タンクの上方から遊技球を供給する構成を有している。このため、従来のパチンコ機では、球タンクの上端部よりも貯留された球が上方に位置して遊技球がこんもりと盛られてしまう場合がある。従来のパチンコ機は本体を外枠から開放しないと球タンクの貯留状況を確認できない。このため、遊技球が球タンクにこんもりと盛られている場合に本体を開放すると、本体に遊技球が接触し、球タンクから遊技球がこぼれる恐れがあったり、遊技球が本体の周縁に引っかかってしまい、本体が開かなくなってしまったり、最悪の場合、球タンクまたは本体の何れか一方または両方が破損する恐れがある。また、本体の開閉頻度が増加すると、本体を外枠に取り付けるためのヒンジ部に掛かる負担が大きくなり、当該ヒンジ部がへたってしまう恐れや、本体の開放時の遠心力で球タンクから遊技球が脱落し、パチンコ機の近辺の作業者や遊技者に遊技球が接触する恐れがある。さらに、本体の背面には、遊技の利益に関する情報の保持や、制御を行う装置が備えられており、これらの装置の詳細(配置・型番等)を把握されると不正行為が行なわれる可能性を高める恐れがある。このため、可能な限り本体の開放頻度を低下させたいという要望がある。
【0144】
本実施例によるパチンコ機100は、払出装置エラー等の所定のエラーが検出されていない正常な遊技中では前面枠扉106が本体104に固定された閉状態にあり、前面枠扉106が本体104に固定された位置である特定の位置に配置される。前面枠扉106は、当該特定の位置に配置されると、遊技者側から見て、球タンク150の前面に配置される。このため、球タンク150の正面側側面150aが透過性を有していても、前面枠扉106は、正常な遊技中では、視認手段として機能する球タンク150あるいは正面側側面150aを介して視認可能な遊技部品の1つである、球タンク150内の遊技球700を当該特定の位置で遊技者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段として機能する。また、前面枠扉106は、所定の鍵により開錠可能な施錠手段188を用いて開状態とすることにより、当該特定の位置から他の位置に移動するようになっている。前面枠扉106は、当該他の位置に移動すると、遊技者側から見て、球タンク150の前面に配置されなくなる。球タンク150の正面側側面150aは透過性を有しているので、前面枠扉106を開放するだけで球タンク150内の遊技球700の貯留状況を遊技店員が確認できるようになる。これにより、本実施例によるパチンコ機100は、本体104を外枠102から開放せずに前面枠扉106を開放しただけで球タンク150における遊技球700の貯留状況を把握することができる場合がある。
【0145】
このように、本実施例によるパチンコ機100は、本体104を開放せずに球タンク150における遊技球700の貯留状況を確認できるので、重量のある本体104の開放頻度を抑えることにより、ヒンジ部112の強度低下を抑止することができる場合がある。
【0146】
遊技機の背面や島設備内部を遊技者に詳細に知られると不正行為が行なわれる可能性が高まってしまう。本実施例によるパチンコ機100は、本体104の開放頻度を抑えることにより、パチンコ機100の背面および島設備内部が遊技者に見られてしまう頻度を低下させることができるので、不正行為を抑止することができる場合がある。
【0147】
また、本実施例によるパチンコ機100は、本体104の開放頻度を抑えることにより、配線の挟み込みや、遊技球の挟み込み等による本体104の半ドアの発生を抑止したり、配線の断線等を抑止したりすることができる場合がある。
【0148】
同じエラーが連続して発生すると遊技者の感情を逆なでてしまう場合がある。これに対し、本実施例によるパチンコ機100は、発生した異常の詳細な内容をあえて遊技者に伝えないことで、同一の異常が連続して発生した場合であっても遊技者の感情を逆なで難かったり遊技意欲を減退させ難かったりする場合がある。
【0149】
本実施例によるパチンコ機100は、前面枠扉106を開放することにより球タンク150における遊技球700の貯留状況を視認できるようになっているが、これに限られない。例えば、パチンコ機100は、施錠手段188を用いた開錠による前面枠扉106の開閉に関わらず、例えば、前面枠扉106に設けられた開閉可能な所定の扉部を有し、当該扉部の開閉動作が錠により規制され、当該錠を所定の鍵を用いて開錠し、当該扉部を開いた場合に前方(遊技者側)から遊技球の貯留状況が確認可能となるような構成を有していてもよい。
【0150】
本実施例によるパチンコ機100は、遊技球700の貯留状況を段階的に判断可能に構成された貯留状況示唆部150bを有しているが、これに限られない。例えば、本実施例によるパチンコ機100は、少なくとも遊技球の貯留量が不足していることを示す貯留状況示唆部を有していればよい。
【0151】
次に、本実施の形態の実施例2によるパチンコ機100について、図2および図3を参照しつつ、図15および図16を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、施錠手段188を用いることにより、タンクレール154内の遊技球の貯留状況を正面側から視認可能になる点に特徴を有している。図15は、本実施例によるパチンコ機100の正面図であって、前面枠扉106を開放した状態を示している。図15では、開放された前面枠扉106の図示が省略されている。
【0152】
本実施例によるパチンコ機100の一部は、図1乃至図12を用いて説明したパチンコ機100の一部とほぼ同様の構成を有している。図15に示すように、本実施例によるパチンコ機100は、本体104と、本体104の正面側の反対側であって島設備側である裏面側に保持される遊技部品(例えば、タンクレール154やタンクレール154に貯留された遊技球)と、本体104に設けられ、遊技の操作を行う操作者(遊技者)の側(正面側)から当該遊技部品を視認可能とする視認手段としてのタンクレール取り付け孔123とを備えている。また、パチンコ機100は、本体104に回動自在に支持され、タンクレール取り付け孔123を介して視認可能な当該遊技部品を本体104に固定された位置である特定の位置で操作者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段としての前面枠扉106(例えば、図2参照)と、前面枠扉106を当該特定の位置から他の位置(例えば、前面枠扉106を開放状態としてタンクレール取り付け孔123が視認できる状態になる位置)に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段188とを備えている。施錠手段188は、前面枠扉106が閉鎖された状態で前面枠扉106を本体104に対して回動不能に固定するようになっている。
【0153】
タンクレール取り付け孔123は、タンクレール154に形成されたタンクレール装着用爪部154a(詳細は後述)を挿入して本体104にタンクレール154を装着するために用いられる。タンクレール取り付け孔123は、正面側から臨む矩形の覗き孔としても機能するようになっている。タンクレール取り付け孔123は、少なくともいずれか一辺の長さが遊技球700の直径よりも短く形成されている。これにより、本実施例によるパチンコ機100は、タンクレール154に遊技球700が存在するか否かをタンクレール取り付け孔123を介して視認可能としつつ、タンクレール取り付け孔123を最低限の開口面積とすることで、遊技球700がタンクレール取り付け孔123から落下するのを防止できる場合がある。また、該覗き孔に進入した遊技球が一方から他方へと通過することを防ぐことで、遊技球による部位破損を防いでいる。
【0154】
また、パチンコ機100は、本体104の空間部114(例えば、図6参照)に保持され、発射された遊技球が転動する遊技領域124を有する遊技盤200を有している。本体104の空間部114は遊技盤200を保持する遊技盤保持部としての機能を発揮するようになっている。なお、本実施例によるパチンコ機100の遊技盤200の遊技領域124における構成は、図9に示す遊技盤200と同様であるため、説明は省略する。
【0155】
遊技盤200は、施錠手段188を開錠して前面枠扉106を本体104から開放状態とすること契機にして、本体104の空間部114への着脱が可能となり、施錠手段188を施錠して前面枠扉106を本体104に固定して閉鎖状態とすることを契機にして、空間部114への着脱が不能となるようになっている。
【0156】
遊技盤200は、本体104に保持された状態であっても前面枠扉106を開放することにより、正面側からタンクレール154の一部が視認できるように設けられた視認可能部223を有している。視認可能部223は、遊技盤200の外周枠の角部を外レール202に近付けて形成されている。視認可能部223の一部は、外レール202の形状に沿って形成されている。遊技盤200は、視認可能部223を有しているので、本体104に保持させた場合に、本体104に形成されたタンクレール取り付け孔123を避けて配置できるようになっている。
【0157】
また、パチンコ機100は、本体104に遊技盤200を保持した場合に、本体104と遊技盤200とが重ならない場所にもタンクレール取り付け孔123を有している。本実施例では、本体104と遊技盤200とが重ならない場所のタンクレール取り付け孔123は、正面側から見て、遊技領域124の右上側であって外レール202近傍に設けられている。
【0158】
図15に示すように、タンクレール154に貯留されている遊技球700は、タンクレール取り付け孔123から視認することができるようになっている。これにより、本実施例によるパチンコ機100は、遊技盤200を本体104から取り外さなくても前面枠扉106を開放しただけで、遊技球700の貯留状況を確認することができる場合がある。
【0159】
次に、本実施例によるパチンコ機100に備えられたタンクレール154について図16を用いて説明する。図16は、本実施例によるパチンコ機100に備えられたタンクレール154の概略構成を示す図である。図16の図中中央には、タンクレール154の正面図が示され、図中上方には、タンクレール154の平面図が示され、図中左側にはタンクレール154の右側面図が示されている。
【0160】
図16に示すように、タンクレール154の正面側側面154bおよび背面側側面154cは楔形状を有している。正面側側面154bは本体104と対面して配置される。タンクレール154は、正面側側面154bから突出して形成された複数(本例では、6個)のタンクレール装着用爪部154aを有している。図16の図中上方の平面図に示すように、タンクレール装着用爪部154aは、断面L字状に形成されている。これにより、タンクレール154は、本体104のタンクレール取り付け孔123にタンクレール装着用爪部154aを挿入するとともに、タンクレール154をタンクレール装着用爪部154aの先端側にずらすことにより、タンクレール154を本体104に装着できるようになっている。
【0161】
タンクレール154は、平面154fであって右側面154e側に設けられた開口部157を有している。また、タンクレール154は、開口部157の左側面154d側および右側面154e側にそれぞれ設けられた球タンク接続部159を有している。図16では、図示は省略されているが、球タンク150は、連通孔を球タンク接続部159に対向させて接続されるとともに、開口部157を塞いで設置される。これにより、球タンク150に貯留された遊技球は、連通孔から開口部157を通ってタンクレール154に進入できる。タンクレール154は、左側面154dに形成された球通路接続部155を有している。タンクレール154の正面側側面154bおよび背面側側面154cは、楔形状を有し、右側面154eから左側面154dに向かって下り傾斜している。このため、タンクレール154における遊技球の流下方向は、左側面154d側から右側面154e側に向けての方向になる。これにより、開口部157から進入した遊技球は、タンクレール154を流下して球通路接続部155に至り、その後球通路194(図16では不図示)に進入するようになっている。
【0162】
図16に示すように、タンクレール154は、その内部に形成され、正面側側面154bおよび背面側側面154cの延伸方向に伸びる球ならし部材154gを有している。球ならし部材154gは、球流下方向のほぼ中央部分に設けられている。これにより、タンクレール154の内部には、球ならし部材154gと正面側側面154bおよび背面側側面154cとの間のそれぞれに遊技球整列通路154hが形成される。遊技球整列通路154hは、球ならし部材154gとほぼ平行に形成されている。遊技球整列通路154hは、球通路194への進入時の球詰まりを防止するために予め遊技球を整列させるようになっている。また、タンクケース154は、複数(本例では、2つ)の遊技球整列通路154hを備えることにより、一の遊技球整列通路154hに掛かる遊技球の重さを分散させることができ、下部に備えられた払出装置152が作動した際の負担を軽減できるようになっている。
【0163】
本実施例によるパチンコ機100では、遊技盤200およびタンクレール154は透過性を有さない材料で形成されているが、これに限られない。例えば、遊技盤200は、基材が透過性を有し、透明遊技盤であり、タンクレール154も透過性を有する部材で成型されていてもよい。この場合、施錠手段188を用いて前面枠扉106を開くだけで前方(正面側)から遊技盤200およびタンクレール154の正面側側面154bを介して遊技盤200の背面側に備えられたタンクレール154内の遊技球の流下状況を目視により確認することができる場合がある。この場合には、遊技盤200およびタンクレール154の正面側側面154bは透視窓(透視手段の一例)としての機能を発揮する。また、意匠を施したセルを遊技盤200に貼り付けることにより、エラー検査時に確認する必要のある部分以外の背面が透視できないようにしてもよい。なお、正面側側面154bとタンクレール装着用爪部154aとは一体的に成型されるため、タンクレール装着用爪部154aも透明性を有する材料で形成される。
【0164】
本実施例によるパチンコ機100は、タンクレール取り付け孔123を利用してタンクレール154内の遊技球の流下状況を視認できるようになっているが、当該流下状況を視認するための専用の切り欠きや覗き孔が本体104や遊技盤200に設けられていてもよい。
【0165】
前面枠扉106に視認手段として機能する視認窓を設け、パチンコ機100の背面に設置された装置の状況を視認可能にすると、遊技者が遊技に集中できない場合がある。本実施例によるパチンコ機100は、前面枠扉106には視認窓を設けていないので、遊技者に遊技を集中させることができる場合がある。
【0166】
次に、本実施の形態の実施例3によるパチンコ機100について、図2および図9を参照しつつ、図17および図18を用いて説明する。本実施例によるパチンコ機100は、遊技盤200を本体104から取り外すことにより、タンクレール154、球通路194および発射装置152の少なくともいずれか1つの遊技球の状況を視認可能になる点に特徴を有している。図17は、本実施例によるパチンコ機100の正面図であって、遊技盤200を本体104から取り外した状態を示している。図17では、開放された前面枠扉106の図示は省略されている。
【0167】
本実施例によるパチンコ機100の一部は、図1乃至図12を用いて説明したパチンコ機100の一部とほぼ同様の構成を有している。すなわち、図17に示すように、本実施例によるパチンコ機100は、本体104と、本体104の正面側の反対側であって島設備側である裏面側に保持される遊技部品と、本体104に設けられ、遊技の操作を行う操作者(遊技者)の側(正面側)から当該遊技部品を視認可能とする視認手段としてのタンクレール取り付け孔123および球通路取り付け孔125とを備えている。また、パチンコ機100は、本体104に回動自在に支持され、タンクレール取り付け孔123および球通路取り付け孔125を介して視認可能な当該遊技部品を本体104に固定された位置である特定の位置で操作者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段としての前面枠扉106(例えば、図2参照)および遊技盤200(例えば、図9参照)と、前面枠扉106を当該特定の位置から他の位置(例えば、前面枠扉106を開放状態としてタンクレール取り付け孔123およびタンクレール154が視認できる状態になる位置)に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段188とを備えている。施錠手段188は、前面枠扉106が閉鎖された状態で前面枠扉106を本体104に対して回動不能に固定するようになっている。
【0168】
また、パチンコ機100は、本体104の空間部114に保持され、発射された遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤200(例えば、図9参照)を有している。本体104の空間部114は遊技盤200を保持する遊技盤保持部としての機能を発揮するようになっている。
【0169】
遊技盤200は、施錠手段188を開錠して前面枠扉106を本体104から開放状態とすること契機にして、本体104の空間部114への着脱が可能となり、施錠手段188を施錠して前面枠扉106を本体104に固定して閉鎖状態とすることを契機にして、空間部114への着脱が不能となるようになっている。さらに、遊技盤200は、空間部114に保持されている状態において当該遊技部品を視認困難に遮蔽するようになっている。
【0170】
本実施例では、当該遊技部品は例えば、供給された遊技球を貯留する球貯留手段としての球タンク150と、遊技球を遊技台外部に向けて払い出す払出手段としての払出装置152と、球タンク150に貯留された遊技球を払出装置152に案内する球案内手段としてのタンクレール154および球通路194とを含んでいる。本実施例では、タンクレール154には内部を透視可能な透視部である正面側側面154bが設けられ、球通路194には内部を透視可能な透視部である正面側側面194bが設けられている。遊技盤200は、空間部114に保持されると、遊技者側から見て、タンクレール154の正面側側面154bおよび球通路194の正面側側面194bの前面に配置されるので、タンクレール154および球通路194を視認困難に遮蔽することができる場合がある。本実施例によるパチンコ機100は、当該透視部をタンクレール154および球通路194の一部に有しているが、これに限られず、当該透視部をタンクレール154および球通路194の全部、球タンク150の一部または全部、あるいは、払出装置152の一部または全部に有していてもよい。
【0171】
タンクレール取り付け孔123は、タンクレール154の正面側側面154bに対応する特定の位置(例えば、遊技球の通過する位置)に設けられ、正面側を臨む覗き孔としての機能を発揮するようになっている。また、球通路取り付け孔125は、球通路194の正面側側面194bに対応する特定の位置(例えば、遊技球の通過する位置)に設けられ、正面側を臨む覗き孔としての機能を発揮するようになっている。
【0172】
図17に示すように、本実施例では、タンクレール取り付け孔123は、タンクレール154の正面側側面154bに対応する特定の位置として、例えばタンクレール154内を遊技球700が流下する経路に沿うように、正面側側面154b内の下方に4個設けられている。4個のタンクレール取り付け孔123は、例えば一直線上に配置されている。図17では、例えば当該4個のタンクレール取り付け孔123のうち、左から数えて1、2および4個目のタンクレール取り付け孔123には視認され、3個目のタンクレール取り付け孔123には、遊技球700が視認されていない。3個目のタンクレール取り付け孔123から遊技球700が視認できないのに4個目のタンクレール取り付け孔123から遊技球700が視認できるため、遊技店員は3個目および4個目のタンクレール取り付け孔123の間で遊技球700の球詰まりが発生していると判断できる場合がある。さらに、タンクレール取り付け孔123は、タンクレール154の正面側側面154bに対応する特定の位置として、例えば正面側側面154b内の上方に2個設けられている。これにより、パチンコ機100は、タンクレール154内に過剰に遊技球が流下されているか否かを判断できるようになっている。例えば、タンクレール154内を遊技球が正常に流下している場合には、当該2個のタンクレール取り付け孔123から遊技球を視認できないが、遊技球の流下量が増加して当該2個のタンクレール取り付け孔123から遊技球が視認されると、遊技店員はタンクレール154内に過剰に遊技球が流下していると判断できる場合がある。タンクレール装着用爪部154aは、正面側側面154bと同一の形成材料で一体的に成形されるので、透過性を有する。このため、遊技店員は、本体104を外枠102から開放せずに遊技盤200を取り外しただけで、タンクレール154内で整列した状態の遊技球700を正面側から視認することができる場合がある。
【0173】
このように、タンクレール取り付け孔123は、タンクレール装着用爪部154aの取り付け部としての機能と、タンクレール154内の遊技球の流下異常の有無を確認するための視認窓としての機能とを兼ねるように構成されている。なお、タンクレール取り付け孔123は、タンクレール154内の複数の通路が視認可能となるように形成されていてももちろんよい。
【0174】
図17に示すように、本実施例では、球通路取り付け孔125は、球通路194の正面側側面194bに対応する特定の位置として、例えば球通路194内を遊技球700が通過する経路に沿うように、正面側側面194b内の右方に2個設けられている。2個の球通路取り付け孔125は、一直線上に形成されている。図17では、2個の球通路取り付け孔125から遊技球700が視認できるので、遊技店員は球通路194内の遊技球の通過異常は発生していないと判断できる場合がある。また、球通路取り付け孔125は、球通路194に形成された球通路装着用爪部194aを引っ掛けるための開口であるため、例えば、球通路194が本体104に正常に取り付けられているか否か、取り付けが緩んでいないか否かを目視により確認することができる場合がある。このように、球通路取り付け孔125は、球通路装着用爪部194aの取り付け部としての機能と、球通路194内の遊技球の通過異常の有無を確認するための視認窓としての機能とを兼ねるように構成されている。
【0175】
図18は、遊技盤200を取り外した本体104を正面側から見た図であって、タンクレール154近傍を拡大して示している。図18(a)は、タンクレール154の法線方向に対して右斜め45°の角度から見た図であり、図18(b)は、当該法線方向に対して左斜め45°の角度から見た図である。
【0176】
図18(a)に示すように、パチンコ機100は、本体104の開放時に隙間が発生する右斜め45°の角度から全てのタンクレール取り付け孔(本例では、4個のタンクレール取り付け孔123a、123b、123c、123d)を視認可能に構成されている。これに対し、図18(b)に示すように、パチンコ機100は、ヒンジ部112(図18では不図示)等が設けられている左斜め45°の角度からは、例えば本体104の側壁によりタンクレール取り付け孔の一部(本例では、タンクレール取り付け孔123a)を視認不能となるように構成されている。なお、図18(b)では、左斜め45°の角度から本来見ることのできるタンクレール取り付け孔123dの図示は省略されている。ところで、遊技店員等の作業者が本体104開放時にパチンコ機100に向かって右方で作業している場合に、例えばパチンコ機100の左方側にいる遊技者(不正行為者)が左方から遊技機の中身を覗きこむ場合がある。本実施例によるパチンコ機100は、見る角度によってタンクレール取り付け孔を見え難くすることにより、不正行為を未然に防ぐことができる場合がある。
【0177】
図17に戻って、パチンコ機100では、遊技球が背面側を通過するため、遊技球同士の接触によりノイズが発生する場合がある。遊技盤200の取り付け作業時に、当該ノイズが遊技盤200の背面に備えられた主基板156、第1副基板160または第2副基板164等を有する各種制御装置に影響を与える恐れがある。このため、本実施例によるパチンコ機100は、ノイズを防ぐために、炭素等の導電性を有するとともに透過性を有さない部材により本体104は成型されている。また、タンクレール取り付け孔123aの開口面積が広いと、ノイズによる影響が出易くなる恐れがあるので、タンクレール取り付け孔123aの縦横の長さは、例えば遊技球の直径(11mm)よりも短く形成されている。
【0178】
タンクレール154の正面側側面154bは、透過性を有する材料により形成されており、例えば絶縁性を有している。このため、タンクレール154内で発生する静電気等が溜まり易く、ノイズ源となる場合がある。このため、本実施例によるパチンコ機100は、本体104とともにタンクレール154をアース線192で接地することにより、各種制御装置へのノイズの影響が出に難くなるように構成されている。
【0179】
次に、以上説明した本実施の形態によるパチンコ機100の特徴的構成について再度図1乃至図18を参照しつつ説明する。
(1)パチンコ機100は、
枠部材(例えば、本体104)と、
前記枠部材の裏面側に保持される遊技部品(例えば、球タンク150、タンクレール154、球通路194、払出装置152およびこれらに貯留する遊技球、各種基板(電源基板182、発射基板174、払出基板170等))と、
前記枠部材に設けられ、遊技の操作を行う操作者の側(例えば、正面側)から前記遊技部品を視認可能とする視認手段(例えば、球タンク150、球タンク150の正面側側面150a、タンクレール154、タンクレール154の正面側側面154b、球通路194の正面側側面194b、タンクレール取り付け孔123、球通路取り付け孔125)と、
を備えた遊技台であって、
前記視認手段を介して視認可能な前記遊技部品を特定の位置(例えば、前面枠扉106を本体104に取り付けた状態の位置)で前記操作者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段(例えば、前面枠扉106、遊技盤200)と、
前記遮蔽手段を前記特定の位置から他の位置(例えば、前面枠扉106を開放状態にした位置)に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段(例えば、施錠手段188)と、
を備えたことを特徴とする。
【0180】
このように、パチンコ機100は、パチンコ機100の背面に備えられた遊技部品をパチンコ機100の手前から目視するための透視手段を備え、当該透視手段からの視認状態を切り替えるための施錠手段を備えている。
【0181】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、メンテナンス性の向上を図ることができる。また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、枠部材を開放せずに遊技部品を確認できるので、重量のある枠部材の開放頻度を抑えることにより、ヒンジ部の強度低下を抑止することができる場合がある。
【0182】
遊技機の背面や島設備内部を遊技者に詳細に知られると不正行為が行なわれる可能性が高まってしまう。本実施例によるパチンコ機100は、枠部材の開放頻度を抑えることにより、パチンコ機100の背面および島設備内部が遊技者に見られてしまう頻度を低下させることができるので、不正行為を抑止することができる場合がある。
【0183】
また、本実施例によるパチンコ機100は、枠部材の開放頻度を抑えることにより、配線の挟み込みや、遊技球の挟み込み等による枠部材の半ドアの発生を抑止したり、配線の断線等を抑止したりすることができる場合がある。
【0184】
同じエラーが連続して発生すると遊技者の感情を逆なでてしまう場合がある。これに対し、本実施例によるパチンコ機100は、発生した異常の詳細な内容をあえて遊技者に伝えないことで、同一の異常が連続して発生した場合であっても遊技者の感情を逆なで難かったり遊技意欲を減退させ難かったりする場合がある。
【0185】
(2)上記パチンコ機100において、
前記枠部材に回動自在に支持される前面扉(例えば、前面枠扉106)と、
発射された遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤(例えば、遊技盤200)と、
前記遊技盤を保持する遊技盤保持部(例えば、本体104の空間部114)と、
を備え、
前記遮蔽手段は、前記遊技盤(例えば、遊技盤200)からなり、
前記枠部材(例えば、本体104)は、前記遊技盤保持部(例えば、空間部114)を有し、
前記遊技盤は、前記前面扉(例えば、前面枠扉106)の開放(例えば、前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cの開状態)を契機にして、前記遊技盤保持部への着脱が可能となり、前記前面扉(例えば、前面枠扉106)の閉鎖(例えば、前面枠扉開閉抑止用ヒンジ113a、113b、113cの閉状態)を契機にして、前記遊技盤保持部への着脱が不能となり、且つ前記遊技盤保持部に保持されている状態において前記遊技部品(例えば、タンクレール154、球通路194、各種基板(電源基板182、発射基板174、払出基板170))を視認困難に遮蔽し、
前記施錠手段(例えば、施錠手段188)は、前記前面扉(例えば、前面枠扉106)が閉鎖された状態で、前記前面扉を回動不能に固定すること
を特徴とする。
【0186】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、遮蔽手段は、前面扉の開放によりパチンコ機100の前方から着脱可能となる場合がある。
【0187】
遊技盤を着脱するためには前面扉を大きく開放する必要があるため、遊技盤を着脱している動作に気づき易く、不正に遊技盤の着脱を行い、背面の遊技装置の状況を確認しようとする不正行為者を発見し易い。これにより、遊技者による背面の視認は確実に抑止しつつも店員には背面状況を確認可能とすることができる場合がある。
【0188】
従来のパチンコ機では、枠部材に遊技盤を設置した状態で運搬すると総重量が大きくなってしまうため、それぞれを別々に運搬することが一般的であり、特に島設備への設置や撤去を行う場合には、必ず枠部材から遊技盤を取り外していた。当該構成を備えたパチンコ機100によれば、遊技盤がパチンコ機100の前方から着脱できるとともに、当該遊技盤を取り外した状態において、パチンコ機100の背面に備えられた遊技装置の状況を確認できるため、設置時には球タンクへの球の供給や、ハーネスの接続等の作業が実施済みか否かを判別でき、撤去時には球抜きやハーネスの取り外しといった枠を開放する必要のある作業が行われているか否かを枠部材を開放することなく確認することができる場合がある。
【0189】
パチンコ機の設定や撤去時は、複数人数が分担して作業を行うため、枠部材を開放する必要のある作業が実施済みか否かを前方から判別できないと、当該作業が実施済みでも再度枠部材を開放するといった無駄な作業が行なわれる可能性がある。当該構成を備えたパチンコ機100によれば、遊技盤交換時の作業において、当該無駄な作業を省き、メンテナンス性を向上させることができる場合がある。
【0190】
(3)上記パチンコ機100において、
前記遊技部品は、供給された遊技球を貯留する球貯留手段(例えば、球タンク150)と、遊技球を遊技台外部に向けて払い出す払出手段(例えば、払出装置152)と、前記球貯留手段に貯留された遊技球を前記払出手段に案内する球案内手段(例えば、タンクレール154、球通路194)と、を含み、
前記球貯留手段、前記払出手段および前記球案内手段のいずれか一つは、少なくともその一部または全部に、内部を透視可能な透視部(例えば、球タンク150の正面側側面150a、タンクレール154の正面側側面154b、球通路194の正面側側面194b)が設けられ、
前記視認手段は、前記透視部に対応する特定の位置(例えば、遊技球が流下したり通過したりする位置)に設けられ、前記遊技者側を臨む覗き孔(例えば、タンクレール取り付け孔123、球通路取り付け孔125)からなること
を特徴とする。
【0191】
当該パチンコ機100は、遊技球が通過する部位が視認手段により視認されるように構成されている。
【0192】
球供給装置が故障し、球タンク上に過剰に遊技球が供給された場合、当該過剰に供給された遊技球の重量により、タンクレール等で球詰まりが発生する恐れがある。その場合に、球詰まりを解消するために枠部材を開放すると、枠部材の回転による遠心力により、球タンク上の遊技球が島設備外へと飛び散る恐れがある。その場合には、操作を行っている店員に限らず、枠部材の回転軸とは反対方向に座って遊技を行っている遊技者に遊技球が接触する可能性がある。当該構成を備えたパチンコ機100によれば、枠部材の開放前に、球タンク上に過剰に遊技球が供給されていないかを枠部材の開放なしに行うことができるので、遊技球が店員や遊技者に接触するのを防止できる場合がある。
【0193】
また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、パチンコ機100の背面で発生する球詰まり等をパチンコ機100の前面側から把握することができるとともに、パチンコ機100の背面に払い出される遊技球が貯留されている状態を遊技者からは視認困難にできるので、むやみに遊技者の射幸心を煽ることがないという効果が得られる場合がある。
【0194】
(4)上記パチンコ機100において、
前記枠部材(例えば、本体104)を接地するアース手段(例えば、アース線192)をさらに備え、
前記透視部(例えば、タンクレール154の正面側側面154b)は、透過性を有する材料により形成され、
前記枠部材は、導電性を有すると共に、透過性を有さない部材により形成され、
前記覗き孔は、前記枠部材に設けられている(例えば、タンクレール取り付け孔123)こと
を特徴とする。
【0195】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、枠部材は透過性を有さずにタンクレール154で生じるノイズを遮断することができる場合がある。また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、遊技球の接触により生じるノイズによる制御装置の異常動作を防ぎつつ、遊技盤を取り外した場合に、遊技球の貯留状況を目視により確認することができる。例えば、遊技盤200を交換する場合に本体104が揺すられてタンクレール154内の遊技球同士が衝突してノイズが発生しても、本体104はアース線192により設置されているので、当該ノイズが各種制御装置に影響することを防止できる。このように、当該構成を備えたパチンコ機100は特に、遊技盤200のみを交換する場合に効果を奏する場合がある。
【0196】
(5)上記パチンコ機100において、
前記視認手段は、前記操作者側を臨む矩形の覗き孔(例えば、タンクレール取り付け孔123、球通路取り付け孔125)からなり、該覗き孔を構成する少なくともいずれか一辺の長さが遊技球の直径よりも短いこと
を特徴とする。
【0197】
当該構成を備えたパチンコ機100における視認手段は孔からなり、当該孔の少なくとも一辺の長さは遊技球の直径よりも短く形成されている。当該構成を備えたパチンコ機100によれば、遊技球が存在するか否かは当該視認手段を介して視認可能としつつも、最低限の開口面積とすることで、遊技球同士の接触により生じるノイズによる影響を極力抑えることができる場合がある。
【0198】
(6)上記パチンコ機100であって、
前記視認手段は、どの部位で異常が発生したかを判定できるように前記枠部材(例えば、本体104)の複数位置(例えば、図19に示す本体104に設けられた6個のタンクレール取り付け孔123)に設けられている
ことを特徴とする。
【0199】
(7)上記パチンコ機100であって、
前記視認手段は、前記球案内手段(例えば、タンクレール154)の上流から下流に渡って複数位置に設けられ、特に遊技球の流れに変化が生じる整列部(幅が遊技球1球分の幅に絞られる部分)や、払出通路入口(タンクレール154からの遊技球の進行方向が切り替わる部分)に設けられていること
を特徴とする。
【0200】
これらの特徴を備えたパチンコ機100によれば、異常個所を容易に特定することができる場合がある。また、これらの特徴を備えたパチンコ機100によれば、異常の発生を把握できるとともに、発生した異常に関する詳細な情報をさらに得ることができるため、異常への対応を迅速に行うことができる場合がある。
【0201】
(8)上記パチンコ機100であって、
前記遊技盤は、前記枠部材から取り外すことにより電源基板との接続が絶たれることで、次回電源投入時は初期化されること
を特徴とする。
【0202】
当該構成を備えたパチンコ機100によれば、遊技盤により視認手段の遮蔽が行われているため、例えば遊技者が遊技中に強引に遊技盤を外し、視認手段を視認した場合には、ペナルティとして遊技機を確実に初期化させることができる。また、当該構成を備えたパチンコ機100によれば、本来は特定の人間(例えば店員)にしか視認できない部分を不正に視認しようとする遊技者がいた場合には、当該遊技者による不正行為を気づき易くしつつ、当該遊技者が継続して遊技を行う場合には、強制的に遊技機を初期状態にして最も不利な状態に移行させることができる場合がある。
【0203】
(9)上記パチンコ機100であって
前記視認手段(例えば、覗き孔)から視認できる領域は、前記操作者側とは反対側の背面から見た場合であっても視認できない領域であること
を特徴とする。
【0204】
(10)上記パチンコ機100であって、
当該領域は、主基板ケースのカシメや係合部、主基板ケース内に配置されたメインROMの端子の配置領域、遊技盤背面に備えられた主制御基板及び副制御基板並びに本体104に備えられた払出制御基板および電源基板とを接続するフローティングコネクタの配置領域であること
を特徴とする。
【0205】
これらの構成を備えたパチンコ機100によれば、遊技盤200を取り外さない限り視認できない領域に遊技機にとって重要な構成を配置することで、重要な情報を不正行為者に見られに難くすることができる場合がある。パチンコ機100は、遊技盤200を外さない限り当該領域を視認できないように構成されている。主基板からの信号が伝送されるコネクタ形状が把握されると、どの端子でどの信号が送信されているのかが把握されてしまい、不正行為に繋がる恐れがある。このため、パチンコ機100は、フローティングコネクタの接続部が遊技盤200を取り付けることにより隠されるように構成されている。
【0206】
(11)上記パチンコ機100であって、
前記遊技盤(例えば、遊技盤200)は、遊技を制御する第一の遊技制御手段(例えば、主制御部300)と、前記遊技盤の裏面側に設けられると共に、前記第一の遊技制御手段と電気的に接続された第一のコネクタ(例えば、フローティングコネクタ205、207)と、を備え
前記枠部材は、遊技を制御する第二の遊技制御手段(例えば、発射制御部630)と、前記遊技盤保持部の、前記第一のコネクタと対応する所定の位置に設けられるとともに、前記第二の遊技制御手段と電気的に接続された第二のコネクタ(例えば、フローティングコネクタ105、107)と、
を備え、
前記第一のコネクタおよび第二のコネクタは、前記遊技盤が前記遊技盤保持部に保持されたことに基づいて電気的に接続され、前記第一の遊技制御手段および前記第二の遊技制御手段による遊技の制御が可能となり、
前記第一のコネクタおよび第二のコネクタは、前記遊技盤保持部による前記遊技盤の保持が解除されたことに基づいて電気的な接続が解除され、前記第一の遊技制御手段および前記第二の遊技制御手段による制御が不能となること
を特徴とする。
【0207】
当該構成を備えたパチンコ機100は、遊技盤200を前方(正面側)から本体104に取り付けただけで電気的な接続が完了するように構成されている。これにより、遊技盤200の着脱時において、配線やコネクタの着脱を行う必要がない。
【0208】
当該構成を備えたパチンコ機100において、遊技店の店員が盤面の交換を行う場合には、島設備によるパチンコ機100への電源供給を停止した状態で、前面枠扉106を開放し、前方から遊技盤200の交換を行った後、島設備からパチンコ機100への電源供給を復帰するだけで遊技盤200の交換を行うことができる。従来は、枠部材(本体)を開放し、背面のハーネスを外すとともに、遊技球が貯留タンクに正常に供給されているか否かを確認する必要があった。これに対し、当該構成を備えたパチンコ機100であれば、前面枠扉を開放するだけで遊技盤200の交換と背面に備えられた遊技装置の状況を確認することができる場合がある。
【0209】
遊技盤200を取り外すことで、遊技盤200に備えられた主制御部300と本体104に備えられた発射制御部630との接続が解除され、遊技球の発射が不能となる。これにより、本体104に設けられた視認手段を介してパチンコ機100の背面に備えられた遊技装置の状況を確認している最中に誤操作により発射された遊技球が作業者に当り、ケガをする可能性を抑止することができる。
【0210】
ところで従来、球タンクおよび球通路が遊技台本体の前面側から視認可能な遊技台が知られている。当該遊技台によれば、発生した異常の原因を迅速に特定することができ、復旧作業を容易に行うことができる。当該遊技台は、遊技台の前面側から遊技台背面に備えられた装置の状況を視認可能とする。また、当該遊技台は、球タンクおよび球通路における遊技球の貯留状況を目視で確認することができる。さらに、当該遊技台は、発生した異常を解消するためには枠部材を開放する必要がある。
【0211】
これに対し、上記本実施の形態によるパチンコ機100は、遊技者には開錠できない施錠手段を有することで、遊技者には遊技台背面に備えられた装置の状況を視認させないように構成されている点において従来の遊技台とは相違する。
【0212】
また、本実施の形態によるパチンコ機100は、従来の遊技台では問題視されていない、枠部材(本体104)の開放による遊技者の不正行為の実行も問題視している点において従来の遊技台とは相違する。
【0213】
一般に、遊技者を前にして枠部材を開放したくない。そこで、遊技中に所定のエラーが発生した場合には、従来の遊技台では、扉を開放することなく、背面の状況を把握することができるように構成されている。これに対し、本実施の形態によるパチンコ機100は、背面の状況を把握するために、背面とは直接的に関係のない前面枠扉106を開放し、および/または、遊技盤200を取り外すように構成されている点において従来の遊技台とは相違する。
【0214】
従来の遊技台では、遊技中における所定のエラー対応に限定されている。これに対し、上記実施の形態によるパチンコ機100では、遊技中に加え、非遊技中の遊技店員におけるメンテナンス性の向上を図っている点において従来の遊技台とは相違する。
【0215】
上記実施の形態によるパチンコ機100は、店員が前面扉を開けて行うメンテナンス作業(例えば釘調整、遊技盤の交換等)のついでに背面の状況を前方から確認することができ、異常の発生を未然に防ぐことができる点において従来の遊技台と相違する。
【0216】
従来の遊技台は常時遊技球が視認可能であるため、上述したように、遊技中に遊技者の集中を妨げる恐れがある。また、従来の遊技台では、遊技者に遊技利益として付与される直前の遊技球が遊技者に視認される位置に貯留されていることが明確に報知されるため、遊技者の射幸心を煽る恐れがある。例えば、大当りになれば貯留された分だけ遊技球を手に入れられると勘違いさせてしまう恐れがある。このように、基本的に遊技領域以外の領域で遊技球が遊技者に視認されることは好ましくない。これに対し、上記実施の形態によるパチンコ機100は、遊技中に遊技者に視認されることなく例えば球タンク150内の遊技球の貯留状況を確認することができる場合がある。
【0217】
また、従来の遊技台では、背面の装置の状態を視認するための領域を前面扉・遊技盤・内枠に渡って設ける必要があるため、各構成の設計の自由度が低下する恐れがある。
【0218】
上記実施例によるパチンコ機100によれば、特定の人間のみが遊技機背面に備えられた遊技装置の状況を遊技機の前方から確認でき、遊技者の射幸心を煽ることなく、異常の原因を特定することができる場合がある。
【0219】
本発明は、上記実施の形態に限らず、種々の変形が可能である。
例えば、パチンコ機100は、遊技球の供給・払出の異常を検出し、少なくとも遊技球に関する異常が発生したことを遊技者に報知するための構成を有していてもよい。これにより、遊技者が透明板部材を繰り返し叩き続ける、いわゆるドツキ等を防ぎつつ、異常の解消方法を判断するための情報は、所定の鍵を用いて視認可能となった視認手段から得ることができる場合がある。
【0220】
パチンコ機100は、遊技装置を取り付けるための係止部を成型する際にできる押し切り孔により視認孔が構成されていてもよい。係止部を成型する際に自然とできる押し切り孔を視認孔として使用することで、開口された孔部を無駄にすることなく使うことができる場合がある。
【0221】
パチンコ機100は視認孔から、外部端子基板、電源中継基板(電源スイッチが備えられた基板)、払出基板その他の各基板の接続状態を示すモニタLED等が視認できるように構成されていてもよい。
【0222】
上記実施の形態によるパチンコ機100は、本体104を開放するための鍵と、前面枠扉106を開放するための鍵とは同一であり、施錠手段188に挿入した当該鍵の回す方向によって開放する対象が切り替わるように構成されているが、本発明はこれに限られない。例えば、パチンコ機100は、本体104を開放する鍵と前面枠扉106を開放する鍵とが異なるように構成されていてもよい。本体104は、遊技機背面に電源スイッチやRAMクリアスイッチ等の重要な操作部を備えているので、前面枠扉106よりも重要度が高いとみなされるので、重要度の相対的に低い前面枠扉106と鍵を異ならせていてもよい。
【0223】
透過性を有する部材であれば、前面側および背面側のいずれからも目視により確認ができるため、不正部材等の取り付けに気づき易く不正行為を抑止できる場合がある。
【0224】
パチンコ機100は、タンクレール154の他に本体104の少なくとも遊技球が通過する近辺においてノイズ対策が施されていてもよい。例えば、遊技球が通過する領域の全域にわたって導電性を有する金属プレートを配置し、該金属プレートをアースすることで、遊技機外部のノイズや静電気を逃がしたり、成型する際に導電性を有する炭素素材を組み込むことで、本体104自体に導電性をもたせたりしてもよい。
【0225】
視認窓は、遊技球が当該視認窓から落下しなければ、工具の挿入が可能な大きさに形成されていてもよい。これにより、視認窓から当該工具を挿入して着脱作業を行うことができる場合がある。
【0226】
パチンコ機100は、遊技球の貯留状況に限られず、視認窓を介して、本体104の背面に備えられた電気的な制御部(電源基板・払出基板・外部端子基板等)に異常がないか目視により確認することができるように構成されていてもよい。
【0227】
また、上記実施の形態によるパチンコ機100は、島設備に設置される遊技台であるが、本発明はこれに限られない。例えば、パチンコ機100は、封入式遊技台であっても、上記実施の形態によるパチンコ機100と同様の効果が得られる。
【0228】
上記実施の形態では、遊技台の例としてパチンコ機を用いたが本発明はこれに限られない。本発明は、図19に示すようなスロットマシン1000にも適用可能である。
本発明に係る遊技台は、図19に示す「複数種類の図柄が施され、回転駆動される複数のリール1002と、リールの回転を指示するためのスタートレバー1004と、各々のリールに対応して設けられ、リールの回転を個別に停止させるための停止ボタン1006と、複数種類の役の内部当選の当否を抽選により判定する抽選手段(入賞役内部抽選)と、抽選手段の抽選結果に基づいてリールの回転の停止に関する停止制御を行うリール停止制御手段(リール停止制御処理)と、抽選手段の抽選結果に基づいて停止されたリールによって表示される図柄組合せが、内部当選した役に対応して予め定めた図柄組合せであるか否かの判定をする判定手段(入賞判定処理)と、図柄の停止態様が所定の入賞態様である場合、所定の入賞態様に対応する遊技媒体を払出す遊技媒体払出処理を行う払出制御手段(メダル払出処理1008)と、に加え、抽選手段の抽選結果に基づいて演出を実行する演出手段1010を備え、この演出手段が、所定の遊技領域1012に球を発射する発射装置1014と、発射装置から発射された球を入球可能に構成された入賞口1016と、入賞口1016に入球した球を検知する検知手段1018と、検知手段1018が球を検知した場合に球を払出す払出手段1020と、所定の図柄(識別情報)を変動表示する可変表示装置1022と、可変表示装置1022を遮蔽する位置に移動可能なシャッタ1024と、所定動作態様で動作する可動体1026と、を備え、入賞口に遊技球が入って入賞することを契機として、可変表示装置1022が図柄を変動させた後に停止表示させて、遊技を演出するような演出装置1010、であるスロットマシン1000」にも好適である。
【0229】
本発明に係る遊技台は図20に示す、「紙幣投入口2002に紙幣を投入し、ベット2004およびスタート2006操作に基づいて抽選を実行し、抽選結果を抽選結果表示装置2008で表示し、当選時には特典コイン数を残クレジット数に加算し、キャッシュアウト2009が選択された場合には、レシート発行機2010から残クレジット数に対応するコードが記載されたレシートを発行するカジノマシン2000」であってもよい。
【0230】
さらに、本発明は、遊技台としてパチンコ機およびスロットマシンを例にあげたが、これに限るものではなく、アレンジボール遊技機や、雀球遊技機、スマートボール等に適用してもよい。
【0231】
上記実施の形態の遊技台は、例えば以下のように表現される。
(付記1)枠部材と、前記枠部材の裏面側に保持される遊技部品と、前記枠部材に設けられ、遊技の操作を行う操作者の側から前記遊技部品を視認可能とする視認手段と、を備えた遊技台であって、前記視認手段を介して視認可能な前記遊技部品を特定の位置で前記操作者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段と、前記遮蔽手段を前記特定の位置から他の位置に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段と、を備えたことを特徴とする遊技台。
【0232】
(付記2)付記1記載の遊技台において、前記枠部材に回動自在に支持される前面扉と、発射された遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、前記遊技盤を保持する遊技盤保持部と、を備え、前記遮蔽手段は、前記遊技盤からなり、前記枠部材は、前記遊技盤保持部を有し、前記遊技盤は、前記前面扉の開放を契機にして、前記遊技盤保持部への着脱が可能となり、前記前面扉の閉鎖を契機にして、前記遊技盤保持部への着脱が不能となり、且つ前記遊技盤保持部に保持されている状態において前記遊技部品を視認困難に遮蔽し、前記施錠手段は、前記前面扉が閉鎖された状態で、前記前面扉を回動不能に固定することを特徴とする遊技台。
【0233】
(付記3)付記1または2に記載の遊技台において、前記遊技部品は、供給された遊技球を貯留する球貯留手段と、遊技球を遊技台外部に向けて払い出す払出手段と、前記球貯留手段に貯留された遊技球を前記払出手段に案内する球案内手段と、を含み、前記球貯留手段、前記払出手段および前記球案内手段のいずれか一つは、少なくともその一部または全部に、内部を透視可能な透視部が設けられ、前記視認手段は、前記透視部に対応する特定の位置に設けられ、前記遊技者側を臨む覗き孔からなることを特徴とする遊技台。
【0234】
(付記4)付記3記載の遊技台において、前記枠部材を接地するアース手段をさらに備え、前記透視部は、透過性を有する材料により形成され、前記枠部材は、導電性を有すると共に、透過性を有さない部材により形成され、前記覗き孔は、前記枠部材に設けられていることを特徴とする遊技台。
【0235】
(付記5)付記1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台において、前記視認手段は、前記操作者側を臨む矩形の覗き孔からなり、該覗き孔を構成する少なくともいずれか一辺の長さが遊技球の直径よりも短いことを特徴とする遊技台。
【符号の説明】
【0236】
100 パチンコ機
102 外枠
104 本体
106 前面枠扉
114 空間部
123 タンクレール取り付け孔
125 球通路取り付け孔
136 チャンスボタン
150 球タンク
150a、154b、194b 正面側側面
152 払出装置
154 タンクレール
154a タンクレール装着用爪部
160 第1副基板
162 第1副基板ケース
188 施錠手段
192 アース線
194 球通路
194a 球通路装着用爪部
200 遊技盤
208 装飾図柄表示装置
208a 左図柄表示領域
208b 中図柄表示領域
208c 右図柄表示領域
208d 演出表示領域
223 視認可能部
226 一般入賞口
228 普図始動口
230 特図1始動口
232 特図2始動口
234 可変入賞口
300 主制御部
400 第1副制御部
500 第2副制御部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
枠部材と、
前記枠部材の裏面側に保持される遊技部品と、
前記枠部材に設けられ、遊技の操作を行う操作者の側から前記遊技部品を視認可能とする視認手段と、
を備えた遊技台であって、
前記視認手段を介して視認可能な前記遊技部品を特定の位置で前記操作者から視認困難に遮蔽する遮蔽手段と、
前記遮蔽手段を前記特定の位置から他の位置に移動可能にするために所定の鍵により開錠可能な施錠手段と、
を備えたことを特徴とする遊技台。
【請求項2】
請求項1記載の遊技台において、
前記枠部材に回動自在に支持される前面扉と、
発射された遊技球が転動する遊技領域を有する遊技盤と、
前記遊技盤を保持する遊技盤保持部と、
を備え、
前記遮蔽手段は、前記遊技盤からなり、
前記枠部材は、前記遊技盤保持部を有し、
前記遊技盤は、前記前面扉の開放を契機にして、前記遊技盤保持部への着脱が可能となり、前記前面扉の閉鎖を契機にして、前記遊技盤保持部への着脱が不能となり、且つ前記遊技盤保持部に保持されている状態において前記遊技部品を視認困難に遮蔽し、
前記施錠手段は、前記前面扉が閉鎖された状態で、前記前面扉を回動不能に固定すること
を特徴とする遊技台。
【請求項3】
請求項1または2に記載の遊技台において、
前記遊技部品は、供給された遊技球を貯留する球貯留手段と、遊技球を遊技台外部に向けて払い出す払出手段と、前記球貯留手段に貯留された遊技球を前記払出手段に案内する球案内手段と、を含み、
前記球貯留手段、前記払出手段および前記球案内手段のいずれか一つは、少なくともその一部または全部に、内部を透視可能な透視部が設けられ、
前記視認手段は、前記透視部に対応する特定の位置に設けられ、前記遊技者側を臨む覗き孔からなること
を特徴とする遊技台。
【請求項4】
請求項3記載の遊技台において、
前記枠部材を接地するアース手段をさらに備え、
前記透視部は、透過性を有する材料により形成され、
前記枠部材は、導電性を有すると共に、透過性を有さない部材により形成され、
前記覗き孔は、前記枠部材に設けられていること
を特徴とする遊技台。
【請求項5】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の遊技台において、
前記視認手段は、前記操作者側を臨む矩形の覗き孔からなり、該覗き孔を構成する少なくともいずれか一辺の長さが遊技球の直径よりも短いこと
を特徴とする遊技台。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2013−52091(P2013−52091A)
【公開日】平成25年3月21日(2013.3.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−191962(P2011−191962)
【出願日】平成23年9月2日(2011.9.2)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.FRAM
【出願人】(597044139)株式会社大都技研 (1,470)
【Fターム(参考)】