説明

遊技場用システム

【課題】所謂分割発行を認める遊技場においても、適切に遊技移動状況を管理し得る遊技場用システムを提供する。
【解決手段】遊技装置3にて発行される持玉券を利用して、持玉券の発行端末と受付端末とが異なる場合に遊技移動(台移動)したことを判定して遊技移動を管理する場合に、発行端末と受付端末とが異なる場合であっても分割発行である場合には遊技移動と判定しないようにした。これにより、実質的に分割元の遊技者が遊技移動していない場合は遊技移動を特定することなく、精度良く遊技移動を管理出来るようになる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、持玉券の発行端末と受付端末とが異なる場合に遊技者の遊技移動と判定する遊技場用システムに関する。
【背景技術】
【0002】
遊技場の中には遊技者が遊技対象とする遊技機を変更後においても獲得した遊技媒体(出玉)を利用する所謂台移動(遊技移動)を認めている遊技場が多数あり、この遊技移動を容易とするために遊技機毎に対応した計数機である所謂各台計数機を導入する遊技場も多数ある。そして、例えば特許文献1では、各台計数機の導入効果測定として、各台計数機にて発行した計数値(出玉)を示す記録媒体に発行した遊技機台番を対応付け、他の遊技機にて記録媒体を受付けた場合に遊技移動を特定することで、各台計数機にて発行した記録媒体の内、遊技移動に利用された記録媒体の割合や、遊技移動元の遊技機と遊技移動先の遊技機との相関関係等を管理することを提案している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−125073号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、遊技場の中には遊技者が獲得した出玉の一部を知人へと渡し、その出玉を知人間で共有可能とするサービスを提供する遊技場もある。そして、このサービスを行う場合、各台計数機にて出玉の一部を分割して発行する分割発行を行えば、更に利便性が高くなる。
しかしながら、特許文献1に示すような従来の管理装置では、記録媒体を発行した遊技機台番と受付けた遊技機台番とが異なる場合に遊技移動を特定するので、分割発行を行っただけで分割元の遊技者は遊技移動していないにも関わらず、分割先の遊技者が他の遊技機にて記録媒体を受付けることで、分割元の遊技者が遊技移動したと特定してしまう虞がある。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、所謂分割発行を認める遊技場においても、適切に遊技移動状況を管理し得る遊技場用システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、遊技者が獲得した遊技価値を遊技者の所有価値として計数する計数処理を行う計数手段と、遊技者の所有価値による遊技を可能とする再遊技処理を行う再遊技手段と、遊技者の所有価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理であって、前記所有価値全てを特定可能な記録媒体を発行する全発行処理、及び前記所有価値の一部を特定可能な記録媒体を発行する分割発行処理を行う発行手段と、前記記録媒体を受付ける受付処理を行い、当該受付けた記録媒体により特定される所有価値を前記再遊技手段による再遊技処理の対象へと加える受付手段と、を1の遊技機に対応して設けた遊技場用システムであって、前記記録媒体が前記発行手段により発行された場合に、その発行手段に対応する遊技機を発行元遊技機として、当該記録媒体に対応付けて特定する発行元特定手段と、前記記録媒体が前記受付手段により受付けられた場合に、その受付手段に対応する遊技機と、前記発行元特定手段により特定される発行元遊技機とを比較して、遊技者により遊技対象を変更する遊技移動が行われたか否かを特定する遊技移動特定手段と、を備え、前記遊技移動特定手段は、前記分割発行処理により発行された記録媒体が前記受付手段により受付けられた場合に、当該記録媒体が前記全発行処理により発行された記録媒体であれば前記遊技移動が行われたことを特定する場合であっても、前記遊技移動が行われたことを特定しないものである(請求項1)。
【0006】
請求項1記載の遊技場用システムにおいて、
前記記録媒体を受付け、当該受付けた記録媒体により特定される前記所有価値を、貨幣、或いは景品と交換することで清算するための処理である清算処理を行う一方、前記所有価値を残して当該清算処理を行った場合に、その残りの所有価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理を行う清算手段を備え、前記発行元特定手段は、前記記録媒体が前記清算手段により発行された場合に、当該清算手段により受付けられた記録媒体を発行した前記発行手段に対応する遊技機を、前記発行元遊技機として当該清算手段により発行された記録媒体に対応付けるようにしても良い(請求項2)。
【0007】
請求項2記載の遊技場用システムにおいて、
遊技機をグループ分けするグループ手段と、前記所有価値に対する設定値であって、遊技者が一定量の遊技価値を所有している状態で前記遊技移動を行ったことを特定するための設定値である大箱設定値を設定する設定手段と、前記遊技移動特定手段による特定結果により特定される前記遊技移動の状況を管理する管理手段と、を備え、前記遊技移動特定手段は、前記記録媒体が前記受付手段により受付けられた場合に、その受付手段に対応する遊技機と前記発行元遊技機とが異なり、更に前記受付手段により受付けられた前記記録媒体により特定される前記所有価値と、前記大箱設定値とを照合することを条件として前記グループ単位で前記遊技移動を特定する一方、前記清算手段により前記記録媒体が受付けられ、当該記録媒体により特定される前記所有価値と、前記大箱設定値とを照合すること、及び前記残りの所有価値を特定可能な記録媒体を発行しないことを条件として遊技終了を特定し、前記管理手段は、前記発行元遊技機が属するグループを移動元グループとする一方、記録媒体を受付けた前記受付手段に対応する遊技機が属するグループを移動先グループとし、前記移動元グループ単位で、同一のグループ内での遊技移動も含めた前記移動先グループ毎の遊技移動の状況と、遊技終了の状況とを前記遊技移動の状況として管理するようにしても良い(請求項3)。
【0008】
請求項3記載の遊技場用システムにおいて、
前記遊技移動特定手段は、前記清算手段により発行された記録媒体に当該清算手段により受付けられた記録媒体を発行した発行手段に対応する遊技機が、前記発行元遊技機として対応付けされた記録媒体を前記受付手段が受付けた場合に、当該発行元遊技機により発行された記録媒体により特定される所有価値ではなく、前記清算手段により発行された記録媒体であり、当該受付手段により受付けられた記録媒体により特定される所有価値と、前記大箱設定値とを照合することを条件として前記遊技移動を判定するようにしても良い(請求項4)。
【0009】
請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用システムにおいて、
前記受付手段は、対応する遊技機の遊技者の所有価値が残存する場合であっても新たな記録媒体を受付可能であり、その状態で記録媒体を受付けた場合には、残存する所有価値に受付けた記録媒体により特定される所有価値を加算することで前記受付処理を行い、前記遊技移動特定手段は、前記受付手段により対応する遊技機の遊技者の所有価値が残存する状態で新たな記録媒体が受付けられた場合に、当該記録媒体が前記全発行処理により発行されたのか、前記分割発行処理で発行されたのかに関わらず前記遊技移動が行われたことを特定しないようにしても良い(請求項5)。
【発明の効果】
【0010】
請求項1の発明によれば、分割発行の場合には遊技移動を判定しないようになるので、実質的に分割元の遊技者が遊技移動していない場合は遊技移動を特定することなく、精度良く遊技移動を管理出来るようになる。
遊技者が遊技中に所有価値の一部を例えばタバコ等と交換する等して清算した場合、残りの所有価値を特定可能な記録媒体が発行されれば、同一の遊技機にて遊技を再開した場合であっても、発行端末と受付端末とが異なることになり、遊技移動判定の対象となりうるが、請求項2の発明によれば、そのような場合であっても遊技移動と判定することが無くなり、精度良く遊技移動を管理可能となる。
【0011】
請求項3の発明によれば、遊技機をグループ化したグループ単位間で遊技移動状況を管理することで、遊技者の遊技移動の傾向を管理出来るようになるが、大箱設定により、少数の所有価値による遊技移動を除いた管理、即ち、所有価値による制限を除外して長い間、遊技することが見込める遊技移動を対象としたいというニーズに十分に応えた遊技移動管理が可能になると共に、その状況で遊技終了したのかを管理可能となる。例えば遊技価値を得易いが多くの遊技価値は獲得出来ないような遊技機にて遊技価値を獲得してから、遊技価値を得難いが多くの遊技価値を獲得出来る遊技機へと遊技移動しているとか、単に同一グループ内で遊技移動を行っているだけなのか、或いは遊技移動を行わずに遊技終了しているのか等を移動元のグループ単位で管理出来るようになる。
【0012】
遊技者の中には遊技中に清算処理を行い、取得する景品等を確定した上で、残りの所有価値により遊技する遊技者もいる。このような遊技者は、残りの所有価値を使い果たした時点で遊技を終了する傾向がある。しかしながら、大箱設定値を設けた理由は上述した通りなので、そのニーズに見合わないが、請求項4の発明によれば、そのニーズに応えた遊技移動管理が可能となる。つまり、景品交換するにしても大箱設定値以上の持玉を残すということは、景品交換後においても遊技を継続する意思が強いと看なすことが出来ることから、遊技移動と同等に適切に管理することが出来る。
合算受付の場合は実質的に発行元の遊技者が遊技移動していないため、遊技移動を特定するべきでなく、請求項5の発明により精度良く遊技移動を管理出来るようになる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態における遊技場用システムの全体構成を示す概略図
【図2】持玉設定を示す図
【図3】機種設定を示す図
【図4】遊技装置の記憶領域を示す図
【図5】遊技移動表を示す図
【図6】持玉券の移動状態を示す図
【図7】持玉券の事象の履歴の変化を示す図(その1)
【図8】持玉券の事象の履歴の変化を示す図(その2)
【図9】持玉券の事象履歴を示す図(その1)
【図10】持玉券の事象履歴を示す図(その2)
【図11】持玉券の事象履歴を示す図(その3)
【図12】遊技装置の処理を示すフローチャート
【図13】管理装置の処理を示すフローチャート
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の一実施形態について図面を参照して説明する。
図1は、遊技場用システムの全体構成を示す概略図である。遊技機1に対応して貸出機2及び各台計数機(以下、遊技装置という)3(計数手段、再遊技手段、発行手段、受付手段に相当)が設置されており、2台の遊技機1、貸出機2及び遊技装置3に対応して中継装置4が接続されている。管理室には管理装置5(発行元特定手段、遊技移動特定手段、グループ手段、設定手段、管理手段に相当)が設置されている。管理装置5は、モニタ6及びキーボード7を備えており、LAN8を介して遊技機側の各装置との間で互いに情報及び信号を送受信可能に接続されている。尚、実際には遊技場には数百台の遊技機1、貸出機2及び遊技装置3が設置されている。また、LAN8には景品交換用の図示しないPOS端末(清算手段に相当)も接続されている。
【0015】
遊技機1は、発射装置を構成する操作ハンドル9に対する操作により盤面10に発射された玉(遊技媒体)が始動口11又は電動チューリップ式の始動口12に入賞(始動入賞)するのに応じて大当たり抽選を行い、抽選結果を液晶表示部(役物)13において行う図柄変動にて報知し、その変動結果に応じて大当たりを発生させる。大当たりが発生すると、例えば15ラウンド(15R)分だけ大入賞口14を開放する。入賞により払出された玉は上部受皿15にて受けられ、この上部受皿15が満杯状態となって溢れた玉は下部受皿16で受けられる。1Rの上限入賞数は10個で、上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間の何れかが満たされた場合に1Rを終了する。
【0016】
遊技機側からは次の各信号が出力される。
・アウト信号=使用玉を回収するアウトBOXから出力される使用媒体数(アウト)を特定可能な信号。回収(使用、打込)玉10玉に対して1パルスが出力されるので、「アウト信号数×10」をアウトとして特定する。尚、遊技機1から出力される信号であっても良い。
・セーフ信号=遊技機1から出力される払出媒体数(セーフ)を特定可能な信号。払出10玉に対して1パルスが出力されるので、「セーフ信号数×10」をセーフとして特定する。尚、補給装置から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
・スタート信号=遊技機1から出力される図柄変動数(役物作動数、スタート)を特定可能な信号。始動口11又は始動口12への入賞により変動(作動)する液晶表示部(役物)における図柄変動(役物作動、スタート処理)1回につき1パルスが出力されるので、「スタート信号数×1」をスタートとして特定する。尚、始動口11又は始動口12への入賞に応じて出力される始動入賞信号をスタート信号としても良い。
【0017】
・大当たり信号=遊技機1から出力される大当たりを特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号なので大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
・特別状態信号=遊技機1から出力される特別状態を特定可能な信号。大当たり確率が向上する確変中等の大当たりを通常状態よりも発生させ易い状態である特別状態中にレベル出力される状態信号(確変信号)なので、特別状態信号受信中を特別状態中として特定する。尚、始動口11又は始動口12への入賞率が向上する時短中にレベル出力される状態信号(時短信号)であっても良い。また、大当たり信号、及び特別状態信号を受信していない期間を通常状態として特定する。
・売上信号=貸出機2から出力される売上情報(売上玉数、売上額)を特定可能な信号。遊技者に対する有価価値を対価とした貸出玉25玉毎に1パルスが出力されるので、「売上信号数×25」を売上玉数として特定し、売上玉数×貸単価を売上額として特定。
【0018】
貸出機2は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部等を備えた所謂CRユニットとして構成されており、以下の機能を備えている。
(1)固有のIDが記録されたICカードからなる残高券を残高券挿入口17にて受付け可能であり、残高券を受付けた状態で貨幣投入口18に貨幣が投入された場合に、そのIDに対応付けてその価値(有価価値)を記録する。
(2)ICカードからなる持玉券を所定数(5枚程度)ストック可能であり、残高券を受付けていない状態で貨幣を受付けると、ストックしているICカードに貨幣の有価価値を記録して、そのICカードを残高券として受付状態にする。
(3)有価価値が特定可能な状態で遊技機1に設けられた図示しない貸出釦が押下されると、その有価価値に基づき貸玉を遊技機1の図示しない払出口から払出す貸出処理を実行すると共に、売上信号を送信する。
(4)残高券を受付けた状態で返却釦19の押下を受付けると、受付中の残高券を排出する。
【0019】
遊技装置3は、CPUからなる制御部、CF(コンパクトフラッシュ(登録商標))、RAM、ROMからなる記憶部、信号を送受信するためのインターフェースからなる送受信部等を備え、中継装置4を介して管理装置5、及び貸出機2と接続されて各種情報の送受信が可能である。カード挿入口25の奥には、持玉券(記録媒体に相当)となるICカードを所定数(10枚程度)まで予めストック可能としており、ICカード非受付中に計数処理を行った場合には管理IDを発行し、ストックしているICカードを内部的に受付状態として持玉に対応付ける。
遊技装置3の最下部には受皿部20が旋回、或いは取外し可能に設けられており、遊技機1の下部受皿16から落下した玉を受皿部20で受けて内部の計数部を通過させることにより計数するようになっている。情報表示部21では貸出或いは貯玉関連情報を表示可能であり、会員カードを受付ける等の所定条件が成立すれば各種の対応する遊技機1に関する遊技情報等も表示可能となる。また、計数した持玉があれば、払戻釦22に対する操作により持玉を払出す(持玉払出、再遊技処理に相当)ことが可能である。
【0020】
図4は遊技装置3に設けられた記憶領域を示しており、次の各項目が設定されている。
・遊技機ID=端末ID(遊技機台番)
・管理ID=各端末にて発行される持玉券(記録媒体に相当)に対応したID→上3桁が端末ID、下3桁が発行ID
・共有管理ID=一部の持玉を発行する分割発行時に、その持玉券に対して発行する管理ID
・持玉券ID=現在受付けている、或いは発行対象となっている持玉券ID
・受付持玉=管理IDが発行されている状態で受付けた持玉券の持玉合算
・計数玉(所有価値に相当)=計数した玉数(遊技価値に相当)の合計
・払戻玉=持玉を対価として払出(再遊技処理に相当)した玉数の合計。即ち、払戻した持玉数
・分割玉=分割発行した持玉数
・持玉=遊技者の持玉数(受付持玉+計数玉−払戻玉−分割玉)。即ち、所有価値として計数した遊技価値の内、使用済み分や、発行済み分を除いた残りの発行対象となり得る所有価値
尚、図4に示す記憶領域は全発行処理時または遊技終了(持玉≦初期化持玉値)時に初期化され、管理IDも未発行状態となる。
【0021】
遊技装置3が管理IDを発行(更新)する条件は次の通りである。
(1)管理ID未発行の状態で、持玉が端玉設定値以上となった場合に発行する。
(2)分割発行する場合に分割先の持玉券に対して発行する。
(3)管理ID未発行の状態で持玉券を受付けた場合に、受付持玉券の管理IDに変更する。尚、管理ID発行済の状態で持玉券を受付けた場合は、そのまま発行済の管理IDを継続利用する。
遊技装置3は、持玉が端玉設定値以上となれば管理IDを発行し、情報表示部21にタッチ操作すること等の所定の操作により持玉を指定した上で発行釦24を押下すればその指定された持玉を対象とした分割発行、指定しなければ持玉全てを対象とした全発行処理を行う。
【0022】
管理装置5は、遊技機側から出力される上記各遊技信号に基づいて各遊技機の遊技情報を管理すると共に、持玉設定及び機種設定が設定されている。
図2は持玉設定を示しており、次の各項目が設定されている。
・端玉設定値=持玉に対する設定値で、持玉がこの設定値以上となった場合に管理IDを発行する。
・初期化持玉値=持玉に対する設定値で、持玉がこの設定値以下となった場合に管理IDの対応付けを解消(初期化)する。
・大箱設定=持玉に対する設定値で、持玉を多数所持している状態であっても台移動(遊技移動)を行ったと判定するための設定値。
【0023】
図3は機種設定を示している。この機種設定は、遊技機1を機種毎にグループ化すると共に、タイプを対応付けることで、遊技機1をタイプ別にグループ化する周知の設定であり、タイプはミニマム、ライト、ライトミドル、ミドル、マックスの5区分から大当たり確率等により想定される投資金額の大きさ、即ち遊び易さにより、換言すると大当たりした際に獲得が期待出来る出玉の大きさにより、適当であるタイプを選択して設定する。
【0024】
さて、遊技者が台移動(遊技移動)する場合は、遊技装置3から持玉券を発行し、その持玉券を移動先の遊技装置3に挿入して持玉を払戻すことにより遊技することから、発行した持玉券の発行端末と受付端末とが異なる場合は遊技移動と判定することにより遊技者の遊技移動を特定することが可能となる。しかしながら、遊技者が持玉券を分割発行し、その持玉券を知人に手渡した場合は、その持玉券を知人が他の遊技装置3に挿入して遊技するようになる。この場合、分割発行元の遊技者は遊技移動せず、しかも分割発行先の知人も移動先の遊技機での初めての遊技であるにも関わらず遊技移動したと判定することになり、遊技移動を正しく管理することが出来なくなる。
そこで、管理装置5は、持玉移動の判定は休憩等を考慮して最新の持玉券の発行端末と受付端末とが異なる場合に行うが、両者が異なる場合であっても、分割発行した持玉券を受付けた場合は、遊技移動と判定しないようになっている。
【0025】
このような動作を実現するための遊技装置3及び管理装置5の動作について、図5ないし図13も参照して説明する。図12は遊技装置3の処理を示すフローチャート、図13は管理装置5の処理を示すフローチャートである。また、図6は分割発行及び全発行された持玉券の移動の一例を示しており、遊技装置3及び管理装置5の動作を図6に示した持玉券の移動を参照しながら説明する。つまり、遊技者Aに関しては、端末ID002の遊技装置3から分割発行した持玉券を遊技者Bに手渡してから持玉券を全発行し、遊技移動先の端末ID369の遊技装置3に挿入してから分割発行した持玉券を遊技者Cに手渡し、一旦、休憩のため持玉券を全発行した後、休憩から戻り端末ID369の遊技装置3に持玉券を挿入し、その後、遊技移動のため持玉券を全発行した後、端末ID123の遊技装置3に持玉券を挿入し、景品交換のため全発行した持玉券にてPOS端末1で景品交換した後、POS端末1から発行した持玉券を端末ID123の遊技装置3に挿入してから、遊技者B,Cが分割発行した持玉券を合算受付し、POS端末2で景品交換した。遊技者Bに関しては、遊技者Aから分割発行により受取った持玉券を端末ID258の遊技装置3の挿入し、全発行した持玉券をPOS端末1で景品交換してから、POS端末1から発行した持玉券を端末ID149の遊技装置3に挿入し、遊技移動先の端末ID078から分割発行した持玉券を遊技者Aに手渡してから遊技終了した。遊技者Cに関しては、遊技者Aから分割発行により受取った持玉券を端末ID002の遊技装置3に挿入してから、2回ほど休憩のため全発行を行い、その後、分割発行した持玉券を遊技者Aに手渡してから遊技を継続している。尚、図中に()で示した数字が遊技装置3或いはPOS端末が発行した持玉券IDを示している。一方、図7及び図8は、図6に示すように順に移動する持玉券の事象履歴が変化する状態を示し、図9は、図6に示すように移動した結果作成された持玉券の事象履歴を示している。また、上述した説明では省略したが、遊技装置3での持玉券を挿入後は遊技を行うことにより、計数玉や使用玉(持出払出)によって持玉が増減している。
【0026】
遊技装置3は、図12に示すように、玉計数か(S1:NO)、発行釦24押下げか(S7:NO)、払戻釦22押下げか(S12:NO)、持玉券受付か(S17:NO)を判定している。遊技者Aが、図6に示すように遊技機台番002の遊技機1の下部受皿16から獲得玉を落下すると、端末ID002の遊技装置3は、落下した玉を受皿部20で受けて内部に取り込むことにより計数して計数玉を更新してから(S2)、管理IDが未特定かを判定する(S3)。この場合、遊技開始であり管理IDは未特定であることから、持玉が端玉設定値以上かを判定し(S4)、計数により持玉が端玉設定値以上となったときは(S4:YES)、管理IDを発行してから(S5)、ID発行情報を送信する(S6)。このID発行情報は、事象、管理ID、端末ID,及び持玉券IDを特定可能な情報である。
【0027】
管理装置5は、図13に示すように、発行情報を受信したか(T1:NO)、ID発行情報を受信したか(T9:NO)、通常受付情報を受信したか(T12:NO)、合算受付情報を受信したか(T20:NO)、景品交換情報を受信したか(T23:NO)、終了情報を受信したか(T28:NO)を判定している。ID発行情報を受信したときは(T9:YES)、該当管理IDの記憶領域を作成し(T10:YES)、「事象」に遊技中を記憶する。
図7(a)に示す例では、管理ID=002001の記憶領域を作成し、NO.1レコードの「端末ID」に002、「事象」に遊技中を記憶する。このとき、管理ID=002001の遊技装置3にストックされている最新の持玉券の持玉券IDが00391であり、当該持玉券が発行対象となるので、その情報も管理装置5に送信され、「持玉券ID」に00391が記憶される。
【0028】
遊技者Aが多数の持玉を計数したところで、知人の遊技者Bに持玉の一部を貸すために持玉券を分割発行する場合は、持玉を指定してから発行釦24を押下げる。
遊技装置3は、管理IDが特定済であることを条件として発行釦24が押下げられたときは(S7:YES)、持玉指定が有るかを判定する(S8)。この場合は持玉指定が有ることから(S8:YES)、分割発行処理を実行してから(S10)、発行情報を送信する(S11)。分割発行処理では、持玉指定された分割玉を記憶した持玉券を発行すると共に持玉から分割玉を減算する。また、発行情報は、受付持玉、計数玉、使用玉、分割玉、及び持玉を特定可能な情報で、遊技装置3から管理装置5に送信される他の情報も同様である。
【0029】
管理装置5は、発行情報を受信したときは(T1:YES)、分割発行かを判定する(T2)。この場合は分割発行であるので(T2:YES)、「事象」に分元発行を記憶する(T3)。このとき同時に、発行情報が示す受付持玉、計数玉、使用玉、分割玉、及び持玉を記憶すると共に、分割発行された持玉券を管理するために「共有管理ID」を記憶する。
図7(b)に示す例では、遊技者Aが遊技で獲得した6000玉計数し、そのうちの2000玉を使用(持玉払出)することにより持玉が4000玉の状態で2000玉を指定して発行したことから、遊技装置3にストックされている持玉券ID=00391の持玉券に2000玉の分割玉を記憶して分割発行したことを示している。また、共有管理IDとして002002が記憶される。
【0030】
管理装置5は、次のレコードとしてNO.2レコードを作成し(T4)、当該レコードの「事象」に遊技中を記憶してから(T5)、分割発行に対応する管理IDの記憶領域を作成し、その記憶領域の「事象」に分先発行を記憶する(T7)。
図8(a)に示す例では、管理ID=002002の記憶領域が作成され、NO.1レコードの「事象」に分先発行が記憶される。この時点では分割発行された持玉券が使用される遊技装置3は未定だが、いずれかの遊技装置3で使用され、その持玉券に記憶されている持玉券ID、共有管理ID、分割玉、及び持玉(=分割玉)は決定しているので、それらの情報が同時に記憶される。
【0031】
遊技者Aが分割発行した持玉券を知人の遊技者Bに手渡し、遊技者Bが端末ID258の遊技装置3に挿入すると、当該遊技装置3は、持玉券を受付け(S17:YES)、図4に示す記憶領域の「受付持玉」を更新し、管理IDが未特定かを判定する(S19)。この場合、遊技者Bによる遊技開始であり管理IDは未特定であることから(S19:YES)、管理IDを002002へと更新してから(S20)通常受付情報を送信する(S21)。
【0032】
管理装置5は、通常受付情報を受信したときは(T12:YES)、端末IDを遊技装置3とする最新レコードの事象を判定する(T13)。図8(b)に示す例では、端末IDを遊技装置3とする最新レコードはNO.1レコードであり、当該NO.1レコードの「事象」は分先発行であることから(T13:分先発行)、次のNO.2レコードを作成し(T18)、当該レコードの「事象」に遊技中を記憶する(T19)。このとき、NO.2レコードの「端末ID」に258を記憶する。
【0033】
遊技装置3は、遊技者Aが持玉を指定することなく発行釦24を押下げたときは(S8:NO)、全発行処理を実行してから(S9)、発行情報を送信する(S11)。この全発行処理では、持玉の全てを記憶した持玉券を発行する。管理装置5は、発行情報を受信した場合に(T1:YES)、分割発行でないことから(T2:NO)、「事象」に全発行を記憶する(T8)。
図7(c)に示す例では、NO.2レコードは全発行であることを示している。この場合、端末ID002の遊技装置3にストックされている最新の持玉券の持玉券ID=49527であり、当該持玉券に現在の持玉である4000玉の全てが記憶されて発行されたことを示している。
【0034】
遊技者Aは、持玉券ID=49527を持って遊技移動し、当該持玉券を端末ID369の遊技装置3に挿入すると、遊技装置3は、持玉券を受付けてストックし(S17:YES)、受付持玉を更新する(S18)。これにより、遊技者Aは持玉である4000玉の範囲内で払戻玉の払戻しを受けて遊技することができる。遊技装置3は、次に管理IDが未特定かを判定する(S19)。この場合、管理IDは未特定であることから(S19:YES)、管理IDを更新し(S20)、通常受付情報を送信する(S21)。
【0035】
管理装置5は、通常受付情報を受信したときに(S12:YES)、図7(d)に示すように端末IDを遊技装置3とする最新レコードであるNO.2レコードの「事象」が全発行であることから(T13:全発行)、端末IDを遊技装置3とする最新レコードの端末IDと受付端末IDが同じかを判定する(T14)。図7(d)に示す例では、最新レコードの端末ID=369、受付端末ID=002で一致しないことから(T14:NO)、遊技移動を特定する(T15)。つまり、NO.2レコードとNO.3レコードとを遊技移動であることを示す2重線で区切る。次に受付持玉が大箱設定以上かを判定し(T16)、大箱設定以上の場合は(T16:YES)、大箱台移動を特定する(T17)。つまり、遊技者が多数の持玉を有していながら遊技移動しているということは、遊技の継続を意図した積極的な遊技移動であることから、その移動元グループと移動先グループの遊技機1のタイプを分析することにより遊技者の行動パターンを把握することで設置する遊技機1のタイプの参考とすることが可能となる。
【0036】
遊技機台番369へと遊技移動した遊技者Aが遊技による獲得玉を14500玉計数すると共に6000玉の持玉払出しにて使用し、持玉が12500玉の状態で6000玉を分割発行操作すると、端末ID369の遊技装置3から持玉券が分割発行される。このとき、端末ID369の遊技装置3には最新の持玉券として持玉券ID=49527の持玉券がストックされているので、持玉券ID=49527の持玉券に6000玉の分割玉が記憶されて発行されると共に、管理装置5に対して発行情報が送信されるので、管理装置5は、分割元となる遊技者Aに対応した管理ID002001の記憶領域に、図7(e)のように「事象」を分元発行とするなど、そのときの情報を記憶する一方、分割先となる遊技者Cへと手渡される持玉券に対応した管理ID369006に対応した記憶領域を図11のように作成し、NO.1レコードの「事象」を分先発行とするなど、そのときの情報を記憶する。
【0037】
遊技者Aが持玉券ID=49527の持玉券を遊技者Cに手渡し、1000玉を計数したところで全発行操作すると、端末ID369の遊技装置3は、図9のNO.4レコードに示すように次にストックされている持玉券ID06523の持玉券に7500玉を記憶して発行する。そして、例えば休憩した遊技者が遊技移動することなく同一の遊技装置3に全発行された持玉券を挿入して遊技し、再び全発行操作すると、NO.5レコードに示すように持玉券ID06523の持玉券に11500玉の持玉が記憶されて発行される。
【0038】
次に遊技者Aは、遊技移動し、全発行した持玉券を端末ID123の遊技装置3に挿入し、NO.6レコードに示すように15500玉の持玉を全発行してから、NO.7レコードに示すようにPOS端末1で持玉券に記憶されている持玉の内の75玉を例えばタバコと景品交換した。このとき、POS端末1は、挿入された持玉券ID06523の持玉券に残りの15425玉を記憶して発行した。この場合、貸出装置5は、POS端末1から景品交換情報を受信するので(T23:YES)、NO.7レコードを作成し(T24)、「事象」を景品交換として(T25).受付持玉が大箱設定以上であるかと使用持玉と受付持玉とが一致するかを判定する(T26、T27)。NO.7レコードでは受付持玉が15500である一方(T26:YES)、使用持玉と受付持玉は一致せず(T27:NO)、全ての持玉を景品交換していないので、まだ遊技する意欲があるとして、大箱景品交換を特定しない。遊技者Aは持玉券を端末ID123に挿入し、景品交換前と同一の遊技機1で遊技を再開した。この場合、管理装置5は、NO.8レコードを作成したときに、発行端末がPOS端末1であり、発行端末と受付端末とが異なることから、本来は遊技移動判定の対象となりうるが、POS端末が発行した持玉券を受付けた場合は、POS端末1の受付前に持玉券を発行した端末ID123、即ち遊技機台番123の遊技機1を発行元遊技機として特定するので、遊技移動と判定することはない。
【0039】
一方、遊技者Aから持玉券を受け取った遊技者Bが端末ID258の遊技装置3に持玉券ID=00391の持玉券を挿入すると、管理装置5は、図8(b)に示すようにNO.2レコードの「事象」に遊技中を記憶する。遊技者Bが6000玉の持玉を有した状態で全発行操作すると、ストックされている持玉券ID00391の持玉券に6000玉の持玉が記憶されて発行されるので、管理装置5は、図8(c)に示すように発行情報を記憶する。
遊技者Bが全発行した持玉券でPOS端末1にて6000玉の持玉の内の2000玉を景品交換すると、POS端末1は4000玉の持玉が記憶された持玉券を発行するので、管理装置5は、図8(d)に示すように景品交換情報を記憶する。
【0040】
さて、遊技者BがPOS端末1から発行された持玉券を端末ID149の遊技装置3に挿入すると、管理装置5は、図8(e)に示すようにNO.4レコードを作成するが、このとき、POS端末1の受付前に持玉券を発行した端末ID258の遊技装置3を発行元遊技装置として特定するので、発行端末と受付端末とが異なり、遊技移動と判定する。つまり、NO.3レコードとNO.4レコードとの間を2重線で区切る。
【0041】
遊技者Bが8000玉の持玉券を全発行してから、遊技機台番078の遊技機1に遊技移動して遊技装置3に持玉券を挿入すると、発行端末と受付端末とが異なることから、遊技移動を特定し、図10のNO.4レコードとNO.5レコードとの間を2重線で区切る。遊技者Bが9500玉の持玉のときに2000玉を分割発行し、遊技を継続する上で、遊技装置3にて払戻釦22を押下して(S12:YES)、持玉を払戻玉として払出させると(S13)、遊技装置3は図4の払戻玉を更新する(S14)。この払出を繰返し、持玉が初期化持玉値以下となれば遊技終了と判断して(S15:YES)、終了情報を管理装置5に対して送信する(S16)。管理装置5は、終了情報を受信すると(T29)、図10のNO.6レコードに示すように「事象」に遊技終了を記憶する(T30)。ここで、遊技者Bは、分割発行した持玉券ID00391の持玉券を分割玉の返却として遊技者Aに手渡す。
【0042】
また、遊技者Aから分割発行された持玉券を受け取った遊技者Cが端末ID029の遊技装置3に挿入して遊技し、7000玉の持玉を全発行してから、例えば休憩した遊技者Cが遊技移動することなく全発行した持玉券を同じ端末ID029の遊技装置3に挿入し、10000玉を全発行し、さらに持玉券を同じ端末ID029の遊技装置3に挿入し、150000玉の持玉のうち6000玉を分割発行して遊技中の場合は、管理装置5は、図11に示すように発行情報を管理する。ここで、遊技者Cは、分割発行した持玉券を分割玉の返却として遊技者Aに手渡す。
【0043】
遊技者Aが、遊技者Bから受取った持玉券ID00391の持玉券を端末ID123の遊技装置3に挿入すると(S17:YES)、管理装置5は、図9のNO.8レコードに示すように受付持玉である2000玉を「持玉」に加算する(S18)。この場合、管理IDは特定済であるため(S19:NO)、合算受付を特定して合算受付情報を送信する(S22)。管理装置5は、合算受付情報を受信すると(T20:YES)、図示しない管理ID078003の最新レコードの「事象」に合算終了を記憶し(T21)、図9のNO.8レコードに示すように受付端末にて受付中の持玉券の「事象」に合算受付を記憶し(T22)、レコード作成すると共に(T18)、その「事象」に遊技中を記憶する(T19)。同様に、遊技者Cから受取った持玉券ID49527の持玉券を端末ID123の遊技装置3に挿入すると、受付持玉である6000玉を「持玉」に加算する。そして、遊技者Aが23000玉を全発行し、全ての持玉を景品交換すると、管理装置5は、NO.10レコードに示すように全発行情報を記憶すると共に、NO.11レコードに示すように景品交換情報を記憶する。この場合、持玉が大箱設定以上であると共に(T26:YES)、全ての持玉を景品交換し、使用持玉と受付持玉とが一致するから(T27:YES)、大箱景品交換を特定し(T28)、NO.10レコードの「持玉」を白抜きで識別表示している。また、通常受付情報の受信時と異なり、合算受付情報の受信時には遊技移動を判定しない。
【0044】
以上のようにして、全発行された持玉券が挿入された遊技装置3の端末IDの履歴を管理することで図9に示すように遊技者Aの遊技移動を特定することが可能となると共に、分割発行された持玉券が挿入された遊技装置3の端末ID、及び以後において全発行された持玉券が挿入された遊技装置3の端末IDの履歴を管理することで図10及び図11に示すように遊技者B,Cの遊技移動を特定することが可能となる。
図9に示す例では、遊技者Aは、端末IDが002→369→123と2回遊技移動し、POS端末2にて景品交換して遊技終了したと判定することができる。また、図10に示す例では、遊技者Bは、端末IDが258→149→078と2回遊技移動し、078にて持玉を使用し尽くして遊技終了と判定することができる。そして、図11に示す例では、端末IDが029のみで遊技移動無しで遊技中と判定することができる。
【0045】
尚、図10のNO.5レコードの管理ID078003と、図11のNO.4レコードの管理ID029004については、分割発行後、そのまま端末ID123にて受付けているので遊技移動無しと判定している。また、遊技移動と判定した場合は2重線で区切っているが、2重線で区切っている内、前(過去のレコードの内、端末IDが遊技装置3である最新)レコードが分先発行の場合は、遊技移動と判定していないが2重線にて区切っている。さらに、大箱設定以上の持玉で遊技移動または景品交換したと判定したレコードの持玉を白抜きとし識別している。また、使用玉は遊技装置3では払戻玉、POS端末では景品交換玉が対象となる。また、持玉は分先発行のみ分割玉を加算(受付持玉+計数玉−使用玉+分割玉)している。
【0046】
管理装置5は、図3に示したグループ間の遊技移動を示す遊技移動表を作成するが、その際に、持玉を多数有した状態での遊技移動、つまり遊技者が遊技終了を見越して遊技終了するのではなく、遊技を継続するために積極的に遊技移動したことを前提とした遊技移動表を作成する。
図5は、図9ないし図11のようにして遊技移動または景品交換した回数を集計した遊技移動表を示している。この場合、景品交換も含め、持玉が大箱設定以上かの照合対象となるのは上述したように発行持玉ではなく、大箱設定以上の持玉での遊技移動等による受付持玉が対象となる。即ち、全発行時の持玉が大箱設定以上(例えば図10のNO.2レコード)であっても、POS端末にて景品交換する等して受付持玉が大箱設定未満となれば(例えば図10のNO.3レコード)、その後に遊技装置3にて持玉券を受け付けても(例えば図10のNO.4レコード)、遊技移動の対象としない。また、POS端末での景品交換は受付持玉が大箱設定以上であって、その持玉全てを景品交換した場合、即ち、遊技終了と判定出来る状態となった場合を対象とする。よって、上述した場合には景品交換も遊技移動も集計対象にならないことになる。これは、景品交換する等して遊技を可能とする条件(持玉≦大箱設定)を低くして遊技する場合は、その条件が成立してからの遊技を見込むことが難しく、大箱移動から除外するべきとのニーズに基づくものである。勿論、大箱設定を参照せずに全ての遊技移動等を対象として集計しても良い。また、遊技移動等の判定をリアルタイムに行うことを例示したが、図9ないし図11のような履歴の作成をリアルタイムに行えば、その履歴に基づいて遊技移動等の判定を閉店後等に行うことも可能となる。
【0047】
図5に示す例では、縦列が移動元を示し横列が移動先を示す。即ち、ミニマムであれば、同タイプのミニマム内での遊技移動が1回、ライトへは20回、ライトミドル及びミドルへは各4回、マックスへは9回移動し、更に景品交換したのは26回であることを示す。また、図5の集計は延べ回数を示しており、図9に示すように同一の管理ID(遊技者)が複数回台移動した場合でも複数回カウントし、遊技移動等を行った遊技者が何人いるかでは無く、遊技移動等の回数が何回かを示している。勿論、最初の遊技移動等のみを対象として何人が持玉移動し、何人が遊技移動せずに景品交換したかを集計しても良い。
【0048】
このような実施形態によれば、次のような効果を奏することができる。
遊技装置3にて発行される持玉券を利用して、持玉券の発行端末と受付端末とが異なる場合に遊技移動(台移動)したことを判定して遊技移動を管理する場合に、発行端末と受付端末とが異なる場合であっても分割発行である場合には遊技移動と判定しないようにしたので、実質的に分割元の遊技者が遊技移動していない場合は遊技移動を特定することなく、精度良く遊技移動を管理出来るようになる。
【0049】
POS端末にて景品交換後、持玉が残った場合には、POS端末前に持玉券を発行した遊技機1を発行元遊技機として特定するようにしたので、遊技者が遊技中に所有価値の一部を例えばタバコ等と交換する等して清算し、残りの所有価値を特定可能な持玉券が発行された場合において、同一の遊技機にて遊技を再開した場合であっても、分割した持玉券を発行した遊技装置と当該持玉券を受付たPOS端末とが異なることになり、遊技移動判定の対象となりうるが、そのような場合であっても遊技移動と判定することが無くなり、精度良く遊技移動を管理可能となる。
【0050】
図5のように大箱移動を対象とした遊技移動表を管理するようにしたので、少数の所有価値による遊技移動を除いた管理、即ち、所有価値による制限を除外して長い間、遊技することが見込める遊技移動を対象としたいというニーズに十分に応えた遊技移動管理が可能になると共に、その状況で遊技終了したのかを管理可能となる。
【0051】
POS端末を介して持玉券が発行された場合に、発行元は、POS端末にて受付けた記録媒体を発行した遊技装置3とする一方、大箱設定値との比較対象はPOS端末にて発行した持玉数としたので、遊技中に清算処理を行い、取得する景品等を確定した上で、大箱設定値以上の残りの所有価値により遊技する遊技者は遊技を継続する意思が強いと看なすことが出来ることから、遊技移動と同等に適切に管理することが出来る。
持玉券を合算する合算受付の場合は、遊技移動を特定しないようにしたので、精度良く遊技移動を管理出来るようになる。
【0052】
(その他の実施形態)
本発明は、上記実施形態に限定されることなく、次のように変更或いは拡張しても良い。
遊技機1のグループ分けは図3のような機種に限定されず、例えば製造元メーカやスペックが近似する等の他の条件にてグループ分けしても良い。
図5にて移動回数のみを集計対象としたが、遊技移動時の平均持玉数等を集計対象としても良い。
規則等により持玉券等に持玉等を記録させられないこともあるので、管理装置5にて管理する図9等にて持玉を特定しても良い。即ち、持玉を特定可能であれば必ずしも持玉券に直接持玉を記録しなくとも良い。
管理IDの代わりに、持玉券IDにより図9等を管理しても勿論良い。また、持玉券はカード状の記録媒体だけでなく、例えばコイン型の記録媒体等であっても良い。
持玉の更新を直接的に行ったが、(売上玉+セーフ−アウト)等の演算式にて間接的に更新しても良い。勿論、他の遊技情報等についても同様である。また、例示した全ての数値、桁数、項目等は例示であり、どのような数値を採用しても良い。
【0053】
貸出媒体としては現金を対価とした売上玉だけでなく、遊技者毎に遊技者が獲得した遊技価値の内、遊技場へと預けた遊技価値である所謂貯玉等の有価価値を対価として貸出された再プレイ玉等を含めても良い。更に遊技装置3やPOS端末にて持玉を貯玉へと移行する貯玉処理を行っても良く、この場合に景品交換同様に図5のカウントに反映させても良い。尚、POS端末にて景品の代わりに貨幣を交換対象としても良い。
対象となる遊技機としては遊技媒体をデータのみで管理する所謂封入式等の例示したパチンコ遊技機以外のスロットマシン等も採用できる。尚、封入式を考慮して遊技媒体は必要に応じて遊技価値と表現する。
遊技装置3が行う処理の一部を中継装置4や、貸出機2や、管理装置5にて行う構成としても良い。同様に管理装置5が行う情報処理の一部を中継装置4等にて行っても良い。
【符号の説明】
【0054】
図面中、1は遊技機、2は貸出機、3は遊技装置(計数手段、再遊技手段、発行手段、受付手段)、5は管理装置(発行元特定手段、遊技移動特定手段、グループ手段、設定手段、管理手段)である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技者が獲得した遊技価値を遊技者の所有価値として計数する計数処理を行う計数手段と、
遊技者の所有価値による遊技を可能とする再遊技処理を行う再遊技手段と、
遊技者の所有価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理であって、前記所有価値全てを特定可能な記録媒体を発行する全発行処理、及び前記所有価値の一部を特定可能な記録媒体を発行する分割発行処理を行う発行手段と、
前記記録媒体を受付ける受付処理を行い、当該受付けた記録媒体により特定される所有価値を前記再遊技手段による再遊技処理の対象へと加える受付手段と、を1の遊技機に対応して設けた遊技場用システムであって、
前記記録媒体が前記発行手段により発行された場合に、その発行手段に対応する遊技機を発行元遊技機として、当該記録媒体に対応付けて特定する発行元特定手段と、
前記記録媒体が前記受付手段により受付けられた場合に、その受付手段に対応する遊技機と、前記発行元特定手段により特定される発行元遊技機とを比較して、遊技者により遊技対象を変更する遊技移動が行われたか否かを特定する遊技移動特定手段と、を備え、
前記遊技移動特定手段は、前記分割発行処理により発行された記録媒体が前記受付手段により受付けられた場合に、当該記録媒体が前記全発行処理により発行された記録媒体であれば前記遊技移動が行われたことを特定する場合であっても、前記遊技移動が行われたことを特定しないことを特徴とする遊技場用システム。
【請求項2】
前記記録媒体を受付け、当該受付けた記録媒体により特定される前記所有価値を、貨幣、或いは景品と交換することで清算するための処理である清算処理を行う一方、前記所有価値を残して当該清算処理を行った場合に、その残りの所有価値を特定可能な記録媒体を発行する発行処理を行う清算手段を備え、
前記発行元特定手段は、前記記録媒体が前記清算手段により発行された場合に、当該清算手段により受付けられた記録媒体を発行した前記発行手段に対応する遊技機を、前記発行元遊技機として当該清算手段により発行された記録媒体に対応付けることを特徴とする請求項1記載の遊技場用システム。
【請求項3】
遊技機をグループ分けするグループ手段と、
前記所有価値に対する設定値であって、遊技者が一定量の遊技価値を所有している状態で前記遊技移動を行ったことを特定するための設定値である大箱設定値を設定する設定手段と、
前記遊技移動特定手段による特定結果により特定される前記遊技移動の状況を管理する管理手段と、を備え、
前記遊技移動特定手段は、前記記録媒体が前記受付手段により受付けられた場合に、その受付手段に対応する遊技機と前記発行元遊技機とが異なり、更に前記受付手段により受付けられた前記記録媒体により特定される前記所有価値と、前記大箱設定値とを照合することを条件として前記グループ単位で前記遊技移動を特定する一方、前記清算手段により前記記録媒体が受付けられ、当該記録媒体により特定される前記所有価値と、前記大箱設定値とを照合すること、及び前記残りの所有価値を特定可能な記録媒体を発行しないことを条件として遊技終了を特定し、
前記管理手段は、前記発行元遊技機が属するグループを移動元グループとする一方、記録媒体を受付けた前記受付手段に対応する遊技機が属するグループを移動先グループとし、前記移動元グループ単位で、同一のグループ内での遊技移動も含めた前記移動先グループ毎の遊技移動の状況と、遊技終了の状況とを前記遊技移動の状況として管理することを特徴とする請求項2記載の遊技場用システム。
【請求項4】
前記遊技移動特定手段は、
前記清算手段により発行された記録媒体に当該清算手段により受付けられた記録媒体を発行した発行手段に対応する遊技機が、前記発行元遊技機として対応付けされた記録媒体を前記受付手段が受付けた場合に、当該発行元遊技機により発行された記録媒体により特定される所有価値ではなく、前記清算手段により発行された記録媒体であり、当該受付手段により受付けられた記録媒体により特定される所有価値と、前記大箱設定値とを照合することを条件として前記遊技移動を判定することを特徴とする請求項3記載の遊技場用システム。
【請求項5】
前記受付手段は、対応する遊技機の遊技者の所有価値が残存する場合であっても新たな記録媒体を受付可能であり、その状態で記録媒体を受付けた場合には、残存する所有価値に受付けた記録媒体により特定される所有価値を加算することで前記受付処理を行い、
前記遊技移動特定手段は、前記受付手段により対応する遊技機の遊技者の所有価値が残存する状態で新たな記録媒体が受付けられた場合に、当該記録媒体が前記全発行処理により発行されたのか、前記分割発行処理で発行されたのかに関わらず前記遊技移動が行われたことを特定しないことを特徴とする請求項1ないし4の何れかに記載の遊技場用システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−249931(P2012−249931A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126249(P2011−126249)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】