説明

遊技媒体取扱システム及び各台対応装置

【課題】遊技者が獲得した遊技媒体や遊技に使用可能な価値情報の盗難を防止可能な遊技媒体取扱システム及び各台対応装置を提供する。
【解決手段】遊技者が獲得した遊技媒体を前記各台対応装置により計数処理された計数値情報に変換する変換手段と、計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体を出力する媒体出力手段と、遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段と、遊技者情報を記憶する情報記憶手段と、情報取得手段により遊技者情報が再取得された場合に、再取得された遊技者情報と、情報記憶手段に記憶されている遊技者情報とに対応する両人物が同一人物か否かを判定する同一人物判定手段と、同一人物判定手段により同一人物と判定された場合に、媒体出力手段に前記媒体の出力を許可する出力許可手段とを有する遊技媒体取扱システムとした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技媒体取扱システム及び各台対応装置に関するものであり、特に遊技者が獲得した遊技媒体や遊技に使用可能な価値情報の盗難を防止可能な遊技媒体取扱システム及び各台対応装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ台や所謂パチスロ機等の遊技台から払出された遊技媒体数を計数する計数装置として、各遊技台に併設され、対応する遊技台から払出された遊技媒体数をそれぞれ計数する各台計数機能を備えた計数装置が知られている(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
この種の計数装置(以下、「各台対応装置」という。)は、対応する遊技台から払出された遊技媒体を遊技台の受け皿から回収して計数し、その計数値を遊技者が獲得した遊技媒体数として記憶する。そして、各台対応装置は、遊技者により遊技媒体の返却ボタンが操作されると、遊技媒体を払出して遊技者へ返却し、記憶している計数値から返却した分の遊技媒体数を減算する。
【0004】
そして、各台対応装置は、遊技者が遊技を終了する際に、カード返却ボタンを操作すると、そのときに遊技者が獲得した遊技媒体数として記憶されている計数値が記憶された媒体(例えば、一般カード)を発行する。
【0005】
このような各台対応装置により遊技者が獲得した遊技媒体数を計数する遊技媒体計数システムを導入することにより、遊技者は、遊技中に獲得した遊技媒体を玉箱等に移す等の面倒な作業を行うことなく遊技を継続することができる。
【0006】
また、遊技者は、遊技を終了する際には、遊技媒体の現物を島端の計数機で計数しなくとも、計数値が記憶された媒体をカウンタ等に設置された景品交換装置に処理させることで容易に遊技媒体と景品とを交換することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2007−229111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、各台対応装置を導入した遊技媒体計数システムでは、各台対応装置を導入していない遊技媒体計数システムに比べて、遊技者が獲得した遊技媒体等が盗難される可能性が高くなるという問題があった。
【0009】
すなわち、各台対応装置を導入していない遊技媒体計数システムの場合、遊技者が獲得した遊技媒体は、その現物が玉箱等に詰められた状態で遊技台付近に置かれているため、仮に遊技者が離席している間に他人が遊技媒体を盗難しようとしても、その行為が店員等の目に付きやすく盗難されにくい。
【0010】
これに対して、各台対応装置を導入した遊技媒体計数システムの場合、遊技者が獲得した遊技媒体は、各台対応装置により計数値データとして記憶されるため、遊技者が離席している間に、他人がカード返却ボタンを操作して計数値データが関連付けられた媒体を発行させても、その行為が店員等の目に付き難く、遊技媒体が容易に盗難されてしまう。
【0011】
また、計数値データを関連付ける媒体に、遊技に使用可能な価値情報(例えば、プリペイド価値等の現金価値)が関連付けられていた場合には、その価値情報も盗難されるおそれがある。
【0012】
かかる問題に対処する技術として、離席する遊技者からの依頼を受けた店員等の操作によって、各台対応装置に離席処理(計数値データの持ち出禁止処理)を実行させる技術も考案されている。
【0013】
しかし、この技術では、離席する際に遊技者が店員等に離席処理を依頼する必要があり、その行為が遊技者にとっては面倒な作業となる。また、遊技者が止むを得ず急に離席しなければならない場合には、離席処理を依頼することができず、離席中に遊技媒体等が盗難される危険性が高くなる。
【0014】
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、遊技者が獲得した遊技媒体や遊技に使用可能な価値情報の盗難を防止可能な遊技媒体取扱システム及び各台対応装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本発明では、各遊技台のそれぞれに対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体の計数処理を行うことが可能な各台対応装置を備えた遊技媒体取扱システムであって、遊技者が獲得した遊技媒体を前記各台対応装置により計数処理された計数値情報に変換する変換手段と、前記計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体を出力する媒体出力手段と、遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段と、前記遊技者情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報取得手段により前記遊技者情報が再取得された場合に、当該再取得された遊技者情報と、前記情報記憶手段に記憶されている遊技者情報とに対応する両人物が同一人物か否かを判定する同一人物判定手段と、前記同一人物判定手段により同一人物と判定された場合に、前記媒体出力手段に前記媒体の出力を許可する出力許可手段とを有する遊技媒体取扱システムを提供することとした。
【0016】
また、本発明は、前記遊技媒体取扱システムにおいて、前記媒体出力手段に前記媒体を出力させるための出力操作を受付ける出力操作受付手段を備え、前記情報取得手段は、前記出力操作受付手段が出力操作を受付けた場合に、前記遊技者情報を再取得することを特徴とする。
【0017】
また、本発明は、前記遊技媒体取扱システムにおいて、前記同一人物判定手段により同一でないと判定された場合に、その旨を報知する報知手段を有することを特徴とする。
【0018】
また、本発明は、前記遊技媒体取扱システムにおいて、前記情報取得手段は、遊技者情報として遊技者の顔画像を撮像する撮像手段であることを特徴とする。
【0019】
また、本発明は、前記遊技媒体取扱システムにおいて、前記情報記憶手段は、少なくとも前記各台対応装置による遊技媒体の計数開始時もしくは計数中に、前記情報取得手段により取得された前記遊技者情報を記憶することを特徴とする。
【0020】
また、本発明は、前記遊技媒体取扱システムにおいて、前記情報取得手段による前記遊技者情報の取得結果に基づいて、遊技台からの遊技者の離席を判定する離席判定手段を更に備え、前記出力許可手段は、前記離席判定手段により遊技者が離席したと判定された場合に、前記媒体出力手段に前記媒体の出力を禁止することを特徴とする。
【0021】
また、本発明は、前記遊技媒体取扱システムにおいて、前記各台対応装置は、遊技店に予め会員登録した遊技者へ発行された会員用媒体の受付け及び返却を行う会員用媒体受付手段と、前記計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を前記会員用媒体に関連付ける情報関連付手段と、各会員用媒体に割当てられた固有の識別情報を入力する識別情報入力手段と、前記会員用媒体受付手段に前記会員用媒体の返却を行わせるための返却操作を受付ける返却操作受付手段とを備え、前記会員用媒体受付手段は、前記返却操作受付手段が前記返却操作を受付けた場合に、前記同一人物判定手段により同一人物と判定され、且つ受付中の会員用媒体に対応する前記識別情報が前記識別情報入力手段により入力された場合に、前記会員用媒体を返却することを特徴とする。
【0022】
また、本発明では、各遊技台のそれぞれに対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体の計数処理を行うことが可能な各台対応装置であって、遊技者が獲得した遊技媒体を前記各台対応装置により計数処理された計数値情報に変換する変換手段と、前記計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を記憶した媒体を出力する媒体出力手段と、遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段と、前記遊技者情報を記憶する情報記憶手段と、前記情報取得手段により前記遊技者情報が再取得された場合に、当該再取得された遊技者情報と、前記情報記憶手段に記憶されている遊技者情報とに対応する両人物が同一人物か否かを判定する同一人物判定手段と、前記同一人物判定手段により同一人物と判定された場合に、前記媒体出力手段に前記媒体の出力を許可する出力許可手段とを有する各台対応装置を提供することとした。
【発明の効果】
【0023】
本発明では、遊技者の離席中に他人は遊技媒体情報や価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体を各台対応装置に出力させることができないので、遊技者が獲得した遊技媒体や遊技に使用可能な価値情報の盗難を防止することができる。
【0024】
また、本発明では、遊技媒体情報や価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体の出力操作を行おうとした人物と、その各台対応装置に対応する遊技台で遊技していた遊技者とが同一人物か否かを的確に判定することができる。
【0025】
また、本発明では、遊技媒体情報や価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体が不正に出力されるおそれがあることについて注意を喚起することができる。
【0026】
また、本発明では、始めに遊技者情報が取得された遊技者と再度遊技者情報が取得された人物とが同一人物であるか否かを精度よく判定することができる。
【0027】
また、本発明では、少なくとも遊技者が遊技媒体を獲得する前に、その遊技者の遊技者情報を取得することができるので、その後に遊技者が獲得する遊技媒体が盗難されることを防止することができる。
【0028】
また、本発明では、遊技者の離席中に、他人が各台対応装置を操作しても、遊技媒体情報や価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体の出力が禁止されているため、その媒体が出力されることを確実に防止することができる。
【0029】
また、本発明では、同一人物判定手段により同一人物と判定され、且つ受付中の会員用媒体に対応する識別情報が識別情報入力手段により入力されなければ会員用媒体が出力されないので、会員用媒体の盗難を確実に防止することができる。
【0030】
また、本発明では、遊技者の離席中に遊技媒体情報や価値情報が関連付けられた媒体が盗難されることを防止することができると共に、遊技店に設置される多くの各台対応装置により取得された遊技者情報の管理や、同一人物判定を行うために他の装置を設ける必要がなく、設備投資に要するコストを低減することができる各台対応装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】図1は、第1実施形態に係るCRユニットの外観を示す説明図である。
【図2】図2は、第1実施形態に係る遊技媒体取扱システムの構成、及びカードの盗難行為を予見して、その旨を報知するまでの処理手順を示す説明図である。
【図3】図3は、第1実施形態に係るCRユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【図4】図4は、第1実施形態に係る管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図5】図5は、本実施形態に係るCRユニットの制御部で実行される処理を示すフローチャートである。
【図6】図6は、本実施形態に係る管理装置の制御部で実行される処理を示すフローチャートである。
【図7】図7は、第2実施形態に係るCRユニットの構成を示す機能ブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下、本発明に係る遊技媒体取扱システム及び各台対応装置の実施形態について、図面を参照して説明する。本実施形態では、パチンコ店などの遊技店に設置される複数の各パチンコ台に併設され、パチンコ玉の払出機能と対応するパチンコ台から払出されたパチンコ玉を計数する各台計数機能とを備えた各台対応装置(以下、「CRユニット」という。)と、遊技店内におけるパチンコ玉の流通状態等を統括管理する管理装置とを備えた遊技媒体取扱システムに対して、本発明を適用した場合を例に挙げて説明する。
【0033】
なお、本発明に係る遊技媒体取扱システムは、パチンコ玉以外に、所謂パチスロ機で使用されるメダル等、任意の遊技媒体を取り扱う遊技媒体取扱システムにも適用することができる。
【0034】
(第1実施形態)
まず、図1を参照して、第1実施形態に係るCRユニットの外観等について説明する。図1は、第1実施形態に係るCRユニット1の外観を示す説明図である。図1に示すように、CRユニット1は、各パチンコ台Pに対応して併設され、対応するパチンコ台Pへのパチンコ玉(以下、単に「玉」という。)の払出しや、パチンコ台Pの下皿から玉を受付けて玉の計数を行う装置である。
【0035】
このCRユニット1は、状態表示部2と、紙幣受付部3と、リモコン受光部4と、表示操作部5と、玉払出部6と、カード受付部7と、玉計数機構8と、カメラ部11とを備えている。なお、図1中の符号12は、パチンコ台P内部に設けられパチンコ玉を払出す玉投出部、符号13は、後述の一般カードや会員カードのプリペイド残高を表示する台側表示部、符号14は、パチンコ台Pに設けられたカード返却ボタン、符号15は、玉貸ボタンである。
【0036】
状態表示部2は、CRユニット1の上部に設けられたランプであり、このランプの点灯、消灯、点滅等によって、カード受付部7におけるカードの挿入状態や、CRユニット1のエラー発生状態等を報知する報知部として機能するものである。
【0037】
特に、状態表示部2は、遊技中の遊技者以外の人物が当該CRユニット1に挿入されている後述の会員カードや一般カードを出力させようとした場合に、特定の点灯パターンで点灯することによって、会員カードや一般カードが盗難されようとしていることを報知する。以下、会員カードと一般カードとを区別しない場合は、これらのカードをカードCと称する。
【0038】
紙幣受付部3は、遊技店から玉を借り受けるために遊技者が挿入する紙幣を受付ける。また、リモコン受光部4は、店員が持つリモコン装置からの赤外線を受光する。表示操作部5は、遊技者が玉払出部6に玉の払出しを行わせるために操作する払出ボタンとして機能するアイコン(以下、「払出ボタン」という。)等の各種画像を表示する。
【0039】
玉払出部6は、遊技者が遊技により獲得した玉(以下、「持玉」という。)の返却や、遊技者が遊技店に預けている玉(以下、「貯玉」という。)の払戻し(再プレイ)に基づく玉の払出しを行う。
【0040】
なお、遊技者により挿入されるカードCに関連付けられているプリペイド価値や紙幣に基づいて、玉貸ボタン15の操作により貸し出される玉は、パチンコ台Pの玉投出部12から払出される。また、大当たり時の賞玉も、この玉投出部12から払出される。
【0041】
カード受付部7は、遊技者から挿入されるカードCを受付ける。また、このカード受付部7は、内部に複数枚の一般カードを保留しており、現金で遊技を開始した遊技者が遊技を終了する際に、残ったプリペイド価値や持玉を関連付けて出力(排出)する。
【0042】
ここで、会員カードとは、予め遊技店に会員登録した遊技者(以下、「会員」という。)へ配布されるカードである。この会員カードには、会員が遊技により獲得した持玉数、会員が以前に獲得して遊技店に預け入れておいた貯玉数が関連付けられている。また、この会員カードには、各会員カードを一意に特定可能な識別情報(暗証番号等)が割当てられている。
【0043】
また、会員カードには、プリペイド価値も関連付けられる。この会員カードは、会員がCRユニット1に挿入した状態で現金を挿入し、プリペイド価値が残った状態でカード返却を行うと、そのプリペイド価値の残高が関連付けられて返却される。
【0044】
また、一般カードには、会員以外の一般の遊技者が玉を借り受けるために支払った金額から、借り受けた玉数分の価値が差引かれたプリペイド価値の残額と、遊技者が遊技により獲得した持玉数とが関連付けられている。具体的には、これらカードCには、プリペイド価値の残額や持玉数を特定可能な情報(例えば、カードIDや会員ID)等が記憶されており、後述の管理装置40は、これらカードIDや会員IDによって、各遊技者のプリペイド残高や持玉数を管理する。なお、プリペイド価値や持玉数を直接、カードCに記憶させるようにしてもよい。
【0045】
また、玉計数機構8は、玉貯留部9、玉計数部10等を備えている。そして、このCRユニット1は、会員カードがカード受付部7に挿入され、表示操作部5に表示される貯玉用の払出ボタン(貯玉再プレイボタン)が操作されると、玉払出部6からパチンコ台Pへ玉を払出す。なお、このとき貯玉数から払出された分と所定の手数料分の玉数が減算される。
【0046】
また、CRユニット1は、カードCがカード受付部7に挿入され、表示操作部5に表示される持玉用の払出ボタン(持玉返却ボタン)が操作されると、玉払出部6からパチンコ台Pへ玉を払出す。なお、このとき、持玉数から払出された分の玉数が減算される。
【0047】
そして、遊技者は、玉払出部6又はパチンコ台Pの玉投出部12から払出された玉を用いて遊技を行い、遊技により獲得された玉はパチンコ台Pの上皿へ払出され、上皿が一杯になると下皿へ貯留される。この下皿に貯留された玉は、遊技者が下皿に設けられたストッパを解除することによって、玉計数機構8の玉貯留部9へ導入される。
【0048】
玉貯留部9へ導入された玉は、玉貯留部9から玉計数部10へ導入されて自動的に計数される。そして、この計数結果は、表示操作部5に表示される。玉計数部10による計数結果(持玉数)は、遊技者が遊技を終了する際に、パチンコ台Pのカード返却ボタン14を押下すると、カード受付部7に挿入されているカードCに関連付けられ、カード受付部7からカードCが出力される。
【0049】
第1実施形態では、パチンコ台Pに設けられたカード返却ボタン14が、本発明における媒体出力手段(カード受付部7)に媒体(カードC)を出力させるための出力操作を受付ける出力操作受付手段として機能すると共に、会員用媒体受付手段(カード受付部7)に会員用媒体(会員カード)の返却を行わせるための返却操作を受付ける返却操作受付手段として機能する。
【0050】
カードCに関連付けられた持玉数を示す計数値情報や、貯玉数、プリペイド価値等の遊技に使用可能な価値情報は、所定の管理装置40(図2参照)により管理される。つまり、計数値情報や価値情報が関連付けられたカードCは、持玉や貯玉、プリペイド価値等と等価な媒体となる。
【0051】
この持玉や貯玉、プリペイド価値等と等価な媒体となったカードCが遊技者の離席中に他人に盗難されることを防止するために、第1実施形態に係るCRユニット1には、カメラ部11を設けている。
【0052】
このカメラ部11は、CRユニット1に対応するパチンコ台Pで遊技中の遊技者の顔を撮像するように撮像範囲が調整されたカメラを備えている。第1実施形態では、このカメラ部11が遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段として機能する。
【0053】
ここで、図2を参照して、カードCの盗難を防止を可能とした遊技媒体取扱システムの構成と、同システムによりカードCの盗難行為を予見して、その旨を報知するまでの処理手順について説明する。
【0054】
図2は、第1実施形態に係る遊技媒体取扱システムの構成、及びカードCの盗難行為を予見して、その旨を報知するまでの処理手順を示す説明図である。図2に示すように、第1実施形態に係る遊技媒体取扱システムは、CRユニット1と、管理装置40と、島端報知部50とを備えている。
【0055】
各CRユニット1と管理装置40と島端報知部50とは、それぞれ島コントローラ30を介して通信可能に接続されている。各パチンコ台Pも島コントローラ30を介して管理装置40と通信可能に接続されている。つまり、島コントローラ30は、各CRユニット1、パチンコ台P、管理装置40、島端報知部50との間で各種情報の中継を行う中継装置として機能する。
【0056】
管理装置40は、各CRユニット1及びパチンコ台Pから払出された玉数に関する情報や、各会員の貯玉数に関する情報、各カードCに関連付けられた持玉数やプリペイド価値に関する情報等を統括管理する装置である。この管理装置40は、パーソナルコンピュータ等の情報処理装置により構成している。
【0057】
また、この管理装置40は、各CRユニット1から送信される遊技者の顔が撮像された画像データ(以下、「顔データ」という。)と、その顔データを送信したCRユニット1に対応するパチンコ台Pの番号(以下、「台番号」という。)、顔データを受信した日時等とを対応付けて記憶している。
【0058】
島端報知部50は、複数のパチンコ台Pが設置された遊技コーナー(遊技島)の端に設けられた表示装置である。この島端報知部50は、通常消灯状態となっており、パチンコ台Pで大当たりが発生した場合や、パチンコ台Pにエラーが発生した場合、遊技者が店員を呼出す場合等に点灯状態となる。
【0059】
特に、この島端報知部50は、遊技者以外の人物がCRユニット1から不正にカードCを出力させようとした場合に、特定の点灯パターンで点灯(点滅)することにより、周辺の店員等に不正なカード出力が行われる危険性があることを報知して注意を喚起する。
【0060】
このように構成した遊技媒体取扱システムでは、以下のような手順で各装置が動作することにより、カードCの盗難行為を予見して、その旨を報知する。まず、CRユニット1は、玉計数部10により玉の計数が開始されると(1)、カメラ部11により、その時遊技中の遊技者の顔を撮像する(2)。
【0061】
次に、CRユニット1は、撮像した顔データを管理装置40へ向けて送信する(3)。このときCRユニット1は、顔データと自装置(CRユニット1)に対応するパチンコ台Pの台番号とを管理装置40へ向けて送信する。
【0062】
管理装置40は、CRユニット1から受信した顔データと台番号と、顔データを受信した日時とを対応付けて記憶管理する(4)。その後、CRユニット1は、カード返却ボタン14でカード返却操作が行われたことを検知すると(5)、カメラ部11により再度撮像を行う(6)。
【0063】
このとき、カメラ部11によって、カード返却操作を行った人物の顔が撮像される。次に、CRユニット1は、再撮像した顔データと台番号とを管理装置40へ向けて送信する(7)。
【0064】
管理装置40は、CRユニット1から再撮像された顔データを受信すると、その顔データと、該顔データと共に送信されてきた台番号に対応付けて既に記憶している顔データとに基づく顔照合を行う(8)。
【0065】
そして、管理装置40は、顔照合の結果、既に記憶している顔データと再撮像された顔データとに対応する人物が同一人物であるか否かを判定する。その後、管理装置40は、その判定結果を顔データの送信元のCRユニット1へ向けて返信する(9)。
【0066】
CRユニット1は、管理装置40から受信した判定結果を参照して、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物が同一人物であった場合に、カードCをカード受付部7から出力して返却する(10)。
【0067】
一方、CRユニット1は、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物とが別人であった場合には、カードCの返却を行わずに、状態表示部2を所定の点灯パターンで点灯(点滅)させて、遊技者とは別人がカード返却操作を行ったことを報知させる(11)。
【0068】
また、管理装置40は、顔照合の結果、既に記憶している顔データの人物と再撮像された顔データの人物とが別人であると判定した場合に、島端報知部50へ向けてエラー発生通知を送信する。
【0069】
島端報知部50は、このエラー発生通知を受信すると、所定の点灯パターンで点灯(点滅)して、遊技者とは別人がカード返却操作を行ったことを報知する(12)。
【0070】
このように、第1実施形態の遊技媒体取扱システムでは、玉の計数が行われ、その後にカード返却操作が行われた場合、カード返却操作を行った人物の顔データと、先に撮像しておいた遊技者の顔データとに基づき、両者が同一人物と判定された場合にCRユニット1からカードCを出力させる。
【0071】
これにより、この遊技媒体取扱システムでは、遊技中の遊技者が離席している間に、他人がその遊技者の持玉や貯玉、プリペイド価値等が関連付けられたカードCをCRユニット1から取出そうとカード返却操作を行っても、CRユニット1は、カードCの出力を行わないので、カードに関連付けられた遊技者の持玉や貯玉、プリペイド価値等が盗難されることを防止することができる。
【0072】
そのため、この遊技媒体取扱システムでは、遊技者はパチンコ台Pを離席する際に、カードCが盗難されないように一旦カードCをCRユニット1から出力させる作業や、離席する旨を店員等に伝える等の面倒な作業を行う必要がないので利便性が向上する。
【0073】
また、この遊技媒体取扱システムは、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物とが別人であった場合に、CRユニット1の状態表示部2と、島端報知部50とにより、不正なカード返却操作が行われたことを報知するため、不正行為が行われたCRユニット1の近辺にいる店員等に加え、そのCRユニット1から離れた場所にいる店員等に対しても、不正行為の発生に関する注意を喚起することができる。
【0074】
次に、図3を参照して、第1実施形態に係るCRユニット1の構成について説明する。図3は、第1実施形態に係るCRユニット1の構成を示す機能ブロック図である。同図では、第1実施形態のCRユニット1における特徴的構成要件と関係ない構成要件については、一部図示を省略している。
【0075】
図3に示すように、CRユニット1は、状態表示部2と、紙幣識別部3aと、リモコン受光部4と、表示操作部5と、玉払出部6と、カードリーダライタ部(カードR/W部)7aと、玉計数機構8と、カメラ部11と、通信I/F部17と、計時部18と、メモリ部19と、電源部20と、台I/F部21と、制御部16とを備えている。
【0076】
状態表示部2は、制御部16の制御に従って点灯と消灯とを行うランプにより構成している。この状態表示部2は、ランプの点灯、消灯、点滅のパターンの違いによって、カード受付部7におけるカードの挿入状態や、CRユニット1のエラー発生状態等を報知する。特に、この状態表示部2は、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物が別人であった場合に、特定の点灯パターンによる点灯を行う。
【0077】
紙幣識別部3aは、紙幣受付部3内部に設けられる識別装置である。この紙幣識別部3aは、遊技者から挿入された紙幣を識別して、その紙幣の金額に対応する金額情報(プリペイド価値)を制御部16へ出力する。
【0078】
このプリペイド価値が入力されると制御部16は、カード受付部7に挿入されているカードCにプリペイド価値を関連付ける処理を行う。このとき制御部16は、遊技者により挿入された紙幣のプリペイド価値を管理装置40へ送信することによって、管理装置40にプリペイド価値の管理を行わせる。つまり、第1実施形態では、この制御部16が遊技に使用可能な価値情報をカードCに関連付ける情報関連付手段として機能する。
【0079】
リモコン受光部4は、店員等が持つ所定のリモコン装置からの赤外線を受光するものである。店員は、リモコン装置を操作して、CRユニット1との間で赤外線通信を行わせることにより、CRユニット1の開店処理や閉店処理等といった所定の初期化処理、CRユニット1のエラー解除等を行う。なお、通常、開店処理や閉店処理の処理要求は、管理装置40から店内の全てのCRユニット1へ送信される。
【0080】
表示操作部5は、タッチパネル機能を備えた表示装置により構成している。この表示操作部5は、玉計数部10による計数結果を示す情報や、玉払出部6に持玉や貯玉の払出を行わせるために遊技者が操作する払出ボタン等の各種操作ボタンとして機能する画像(アイコン)等を表示する。
【0081】
そして、表示操作部5は、表示中のアイコンが触れられると、そのアイコンに対応する操作信号を制御部16へ出力する。制御部16は、表示操作部5から入力される操作信号に基づいて、たとえば、玉払出部6にパチンコ玉の払出等を行わせる制御等を行う。
【0082】
玉払出部6は、制御部16による制御に従って、カード受付部7に挿入されているカードCに関連付けられている持玉や貯玉をパチンコ台Pへ払出す処理部である。なお、プリペイド価値を使って貸し出される玉(貸玉)は、パチンコ台Pの玉投出部12から払出される。
【0083】
カードR/W部7aは、カード受付部7の内部に設けられたリーダ/ライタ装置である。このカードR/W部7aは、玉払出部6や玉投出部12により玉の払出が行われた場合に、制御部16の制御に従って、カードCの記録情報を読取ったり、カードCに記録されている持玉数やプリペイド価値の書換え処理を行う。
【0084】
このように第1実施形態では、制御部16が持玉数である計数値情報をカードCに関連付ける情報関連付け手段として機能する。なお、制御部16は、持玉数やプリペイド価値をカードに書き込むだけでなく、その情報を管理装置40へ送信して管理装置40に管理させる。
【0085】
また、このカードR/W部7aを備えたカード受付部7は、本発明における計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を記憶した媒体(カードC)を出力する媒体出力手段として機能すると共に、遊技店に予め会員登録した遊技者へ発行された会員用媒体(会員カード)の受付及び返却を行う会員用媒体受付手段として機能する。
【0086】
玉計数機構8は、玉貯留部9と玉計数部10とを備えている。この玉計数機構8は、玉貯留部9へパチンコ玉が導入されると、玉計数部10が自動的に計数処理を開始する。玉計数部10により計数された計数結果は、持玉数としてメモリ部19に記憶される。
【0087】
本実施形態では、この玉計数機構8が、遊技者が獲得した遊技媒体を各台対応装置により計数処理された計数値情報に変換する変換手段として機能する。なお、メモリ部19に記憶された持玉数は、カードCの返却操作があった場合に、管理装置40へ送信され、返却されたカードCに対応する持玉データとして管理される。
【0088】
また、この玉計数機構8は、玉計数部10が計数処理を開始すると、その旨を示す信号を制御部16へ出力する。制御部16は、この信号が入力されると、カメラ部11に撮像要求を出力する。この撮像要求を受けてカメラ部11は、遊技中の遊技者の顔を撮像する。撮像された顔データは、制御部16へ出力され、通信I/F部17から管理装置40へ向けて送信される。
【0089】
通信I/F部17は、このCRユニット1と島コントローラ30を介して接続された管理装置40や島コントローラ30との間で情報通信を行うための通信インターフェースである。この通信I/F部17は、カメラ部11により撮像された顔データや台番号、カードCに関連付ける持玉数、貯玉数、プリペイド価値等の情報を管理装置40へ向けて送信する。
【0090】
計時部18は、玉計数部10により玉の計数が開始された後、遊技が中断されたときに計時を開始し、その後、遊技が再開されないまま所定時間(例えば、1時間)が経過した場合に、その旨を示す信号を制御部16へ出力する。
【0091】
制御部16は、この信号を受信すると、状態表示部2を点灯させて持玉が残っている状態で離席した遊技者が戻ってこない恐れがあることを店員に報知する。この報知は、店員が持つリモコン装置により停止させることができる。この報知が停止された場合、CRユニット1は、計数開始時に撮像した顔データ、持玉データ等を管理装置40へ送信する。これらのデータはその他のデータ(日時、台番号等)と共に管理装置40で管理される。メモリ部19は、玉計数部10により計数された計数結果等を一時記憶する記憶部である。電源部20は、外部からCRユニット1への電力の入力部である。
【0092】
台I/F部21は、CRユニット1とパチンコ台Pとの間で情報通信を行うための通信インターフェースである。この台I/F部21は、パチンコ台Pから玉貸ボタン15が操作されたことを示す操作信号やカード返却ボタン14が操作されたことを示す操作信号等を受信して、制御部16へ入力する。
【0093】
また、台I/F部21は、玉貸ボタン15の操作に基づいて玉が払出された場合に、度数が減算されたカードCの残度数(プリペイド価値の残度数)を示す情報をパチンコ台Pへ送信する。この情報を受信すると、パチンコ台Pは、台側表示部13にプリペイド価値の残度数を表示させる。
【0094】
また、台I/F部21は、玉貸が指示されると、パチンコ台Pの玉投出部P1に対して投出信号を送信する。そして、台I/F部21は、玉貸が行われると、減算後のプリペイド価値を台側表示部13に表示させる。
【0095】
また、制御部16は、台I/F部21からカード返却ボタン14が操作されたことを示す操作信号が入力されると、カメラ部11に再撮像要求を出力する。この再撮像要求を受けてカメラ部11は、カード返却ボタン14を操作している人物の顔を撮像する。撮像された顔データは、制御部16へ出力され、通信I/F部17から管理装置40へ向けて送信される。
【0096】
カメラ部11は、上記のように、制御部16の制御にしたがって、CRユニット1を操作する人物の顔や、このCRユニット1に対応するパチンコ台Pを操作する人物の顔を撮像するカメラを備えており、玉計数部10による計数開始時とカード返却ボタン14の操作時に撮像した顔データを制御部16へ出力する。第1実施形態では、このカメラ部11が遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段として機能する。
【0097】
制御部16は、CPU(Central Processing Unit)とROM(Read Only Memory)とRAM(Random Access Memory)とを有する情報処理装置を備えており、CPUがROMから各種プログラムを読出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより、CRユニット1全体の動作を統括制御する。このCPUが実行する処理については後に詳述する。
【0098】
特に、この制御部16は、玉計数部10による計数開始時、及びカード返却ボタン14の操作時にカメラ部11に撮像させた顔データを管理装置40へ送信する。そして、制御部16は、管理装置40から、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物とが同一人物であったことを示す照合結果を受信した場合に、カード受付部7からカードCを出力させる。
【0099】
一方、制御部16は、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物とが別人であったことを示す照合結果を受信した場合に、カード受付部7からのカードC出力を禁止する制御を行う。
【0100】
第1実施形態において、この制御部16は、同一人物判定手段として機能する管理装置40により、計数開始時に撮像した顔データの人物と、カード返却操作時に撮像した顔データの人物とが同一人物と判定された場合に、出力手段(カード受付部7)に媒体(カードC)の出力を許可する出力許可手段として機能する。
【0101】
次に、図4を参照して、第1実施形態に係る管理装置40の構成について説明する。図4は、第1実施形態に係る管理装置40の構成を示す機能ブロック図である。同図では、第1実施形態の管理装置40における特徴的構成要件と関係ない構成要件については、一部図示を省略している。
【0102】
図4に示すように、管理装置40は、記憶部41と、通信I/F部42と、表示部43と、制御部44とを備えている。記憶部41は、各CRユニット1から受信した顔データ41a、持玉データ41b、貯玉データ41c、プリペイド価値データ41d等を記憶している。第1実施形態では、この記憶部41が遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を記憶する情報記憶手段として機能する。
【0103】
通信I/F部42は、管理装置40とCRユニット1及び島端報知部50との間で情報通信を行うための通信インターフェースである。この通信I/F部42は、CRユニット1から持玉データ41b、顔データ41a、プリペイド価値データ41d等を受信して制御部44へ出力する。また、通信I/F部42は、制御部44からエラー発生通知が入力された場合に、そのエラー発生通知を島端報知部50へ送信する。
【0104】
表示部43は、各種情報を表示するディスプレイにより構成している。この表示部43は、制御部44による顔データの管理中(セキュリティ機能作動中)に、その旨を示す表示を行うことによって、不正容疑者の牽制を行う。
【0105】
制御部44は、CPUとROMとRAMとを有する情報処理装置を備えており、CPUがROMから各種プログラムを読出し、RAMを作業領域として使用して実行することにより、顔照合部44a、持玉管理部44b、貯玉管理部44c、プリペイド価値管理部44d等として機能して、管理装置40全体の動作を統括制御する。このCPUが実行する処理については後に詳述する。
【0106】
この制御部44は、各CRユニット1から持玉データ41bを受信した場合に、持玉管理部44bとして機能して、その持玉データ41bを各カードCに関連付けて記憶部41に記憶させることにより、各遊技者の持玉数を管理する。
【0107】
また、制御部44は、各CRユニット1から貯玉データ41cを受信した場合に、貯玉管理部44cとして機能して、そのプリペイド価値データ41dを会員カードに関連付けて記憶部41に記憶させることにより、各会員の貯玉数を管理する。
【0108】
また、制御部44は、各CRユニット1からプリペイド価値データ41dを受信した場合に、プリペイド価値管理部44dとして機能して、そのプリペイド価値データ41dを各カードCに関連付けて記憶部41に記憶させることにより、各遊技者のプリペイド価値を管理する。
【0109】
特に、この制御部44は、各CRユニット1から計数開始時に撮像された顔データ41aを受信した場合、その顔データ41aと、顔データ41aと共に送られてきた台番号と、顔データ41aの受信日時とを対応付けて記憶部41に記憶させて管理する。
【0110】
そして、制御部44は、各CRユニット1からカード返却ボタン14の操作時に撮像された顔データ41aを受信した場合、顔照合部44aとして機能して、受信した顔データ41aと、その顔データ41aと共に送信されてきた台番号に対応付けて記憶部41に記憶している顔データ41aとを用いて顔照合を行う。
【0111】
第1実施形態では、この顔照合部44aが情報取得手段(CRユニット1のカメラ部11)により遊技者情報(顔データ41a)が再取得された場合に、当該再取得された遊技者情報と、情報記憶手段(記憶部41)に記憶されている遊技者情報とに対応する両人物が同一人物か否かを判定する同一人物判定手段として機能する。
【0112】
そして、顔照合部44aは、顔照合に用いた両顔データ41aに対応する人物が同一人物であるか否かの判定結果を、通信I/F部42を介してカード返却ボタン14の操作時に撮像された顔データ41aの送信元のCRユニット1へ送信する。
【0113】
なお、この顔照合部44aは、CRユニット1がカード返却ボタン14の操作時に撮像した顔データ41aを正常に取得できなかった場合にも、顔照合に用いた両顔データ41aに対応する人物を別人と判定する。
【0114】
これにより、カメラ部11の死角から不正にCRユニット1やパチンコ台Pを操作しようとする行為や、カメラ部11を覆った状態で不正にCRユニット1やパチンコ台Pを操作しようとする行為によってカードCが盗難されることを防止することができる。
【0115】
また、顔照合部44aは、顔照合に用いた両顔データ41aに対応する人物が別人であると判定した場合には、その旨を表示部43に表示させることによって、管理装置40のオペレータに対して、不正行為の発生を報知する。
【0116】
さらに、顔照合部44aは、顔照合に用いた両顔データ41aに対応する人物が別人であると判定した場合に、その旨を示すエラー発生通知を通信I/F部42を介して島端報知部50へ送信する。
【0117】
また、顔照合部44aは、遊技者ではないと判定した人物の顔データ41a(特に、カード返却ボタン14の操作時に撮像された顔データ)を記憶部41に記憶させ、不正容疑者のブラックリスト41eとして管理する。これにより、万一カードCの盗難が発生した場合にも、このブラックリスト41eに登録されている顔データを不正容疑者の捜索に役立てることができる。
【0118】
次に、本実施形態に係るCRユニット1の制御部16が備えるCPUが実行する処理について、図5を参照して説明する。図5は、本実施形態に係るCRユニット1の制御部16で実行される処理を示すフローチャートである。
【0119】
ここでは、カードCの盗難防止に関する処理について説明することとし、それ以外に一般的なCRユニットで実行される処理については説明を省略する。
【0120】
図5に示すように、CRユニット1の制御部16が備えるCPU(以下、単に「CPU」という。)は、CRユニット1に電源が投入されると、まず、玉計数部10によりパチンコ玉の計数が開始されたか否かの判定を行う(ステップS101)。具体的には、計数センサが玉を検知したか否かを監視する。
【0121】
そして、CPUは、計数が開始されたと判定した場合に(ステップS101:Yes)、カメラ部11に遊技者の顔を撮像させ(ステップS102)、その後、撮像した顔データを管理装置40へ向けて送信させる(ステップS103)。
【0122】
このとき、CPUは、顔データと共に自装置(CRユニット1)に対応するパチンコ台Pの台番号とを管理装置40へ送信して処理をステップS104へ移す。一方、CPUは、計数が開始されていないと判定した場合(ステップS101:No)、処理を終了して、再度ステップS101から処理を開始する。
【0123】
ステップS104において、CPUは、カード返却操作があったか否かの判定を行い、カード返却操作があったと判定した場合に(ステップS104:Yes)、カメラ部11に再撮像させ(ステップS105)その後、処理をステップS106へ移す。一方、CPUは、カード返却操作がなかったと判定した場合(ステップS104:No)、カード返却操作があるまでステップS104の判定処理を繰り返し実行する。
【0124】
ステップS106において、CPUは、ステップS105で再撮像した顔データを管理装置40へ向けて送信させる。このとき、CPUは、顔データと共に自装置(CRユニット1)に対応するパチンコ台Pの台番号とを管理装置40へ送信して、処理をステップS107へ移す。
【0125】
ステップS107において、CPUは、管理装置40から照合結果を受信したか否かの判定を行い、照合結果を受信したと判定した場合に(ステップS107:Yes)、処理をステップS108へ移す。一方、CPUは、照合結果を受信していないと判定した場合(ステップS107:No)、照合結果を受信するまでステップS107の判定処理を繰り返し実行する。
【0126】
ステップS108において、CPUは、受信した照合結果から計数開始時に撮像した遊技者と、カード返却操作検知時に撮像した人物とが同一人物であるか否かの確認を行い、同一人物であると判定されていた場合に(ステップS108:Yes)、カードCを出力して遊技者へ返却し(ステップS109)、処理を終了する。その後、CPUは、再度ステップS101から処理を開始する。このとき、CPUは、正常にカードCが返却された旨を示す情報を管理装置40へ送信する。
【0127】
一方、CPUは、計数開始時に撮像した遊技者と、カード返却操作検知時に撮像した人物とが別人と判定されていた場合(ステップS108:No)、状態表示部2を所定の点灯パターンで点灯(点滅)させて、カード盗難の可能性があることを示すエラー報知を行わせ(ステップS110)、その後、処理を終了して再度ステップS101から処理を開始する。なお、このエラー警告は、店員によるリモコン装置の操作によって解除される。
【0128】
上記した処理では、カメラ部11が玉計数部10の計数開始時と、カード返却ボタン14が操作された時とに撮像を行う場合を例に説明したが、カメラ部11に継続的、又は所定時間間隔(例えば、30秒間隔)で撮像を行わせるように処理を変更してもよい。
【0129】
このように処理を変更する場合、制御部16は、計数開始時とカード返却ボタン14の操作時との間にカメラ部11により撮像された撮像結果に基づいて、遊技者の離席を判定する。
【0130】
このとき、制御部16は、撮像画像中に人物が存在しなくなったことを検知した場合に、遊技者が離席したと判定してCRユニット1の全機能を不能動化させる制御を行う。ここでの全機能とは、例えば、カードCの返却処理、玉貸処理、貨幣の挿入受付処理、カードCの挿入受付処理等である。
【0131】
そして、制御部16は、その後、カメラ部11による撮像画像中に人物が再び検知された場合に、CRユニット1の全処理に関する不能動化を解除する。ただし、制御部16は、全処理の不能動化を解除した後に、図5のフローチャートに示すステップS104〜S109の処理を実行することにより、他人が不正にカードCの返却を行えないようにする。
【0132】
つまり、制御部16は、CRユニット1の全処理に関する不能動化を解除した後、カード返却ボタン14が操作されたことを検知すると、カメラ部11にカード返却ボタン14を操作した人物の顔を撮像させ、その顔データを管理装置40へ送信する。
【0133】
そして、制御部16は、計数開始時に撮像した遊技者とカード返却操作を行った人物とが同一人物であった場合にカードCの返却を許可する一方、別人であった場合には、状態表示部2によるエラー報知を行う。
【0134】
このように処理を変更した場合、制御部16は、情報取得手段(カメラ部11)による遊技者情報(顔データ)の取得結果に基づいて、遊技台からの遊技者の離席を判定する離席判定手段として機能すると共に、出力許可手段として機能して、離席判定手段により遊技者が離席したと判定された場合に、出力手段(カード受付部7)に媒体(カードC)の出力を禁止する。
【0135】
これにより、例えば、遊技者の離席中にカメラ部11の死角から他人がCRユニット1を不正に操作しても、CRユニット1は、全処理が不能動化されているため、カードCの返却処理、玉貸処理、貨幣の挿入受付処理、カードCの挿入受付処理等を行うことがないので、カードCの盗難だけでなく、遊技者の持玉やプリペイド価値等が不正に使用されることを防止することができる。
【0136】
次に、本実施形態に係る管理装置40の制御部44が備えるCPUが実行する処理について、図6を参照して説明する。図6は、本実施形態に係る管理装置40の制御部44で実行される処理を示すフローチャートである。
【0137】
ここでは、持玉数が関連付けられたカードCの盗難防止に関する処理について説明することとし、それ以外に一般的な管理装置で実行される処理については説明を省略する。
【0138】
図6に示すように、管理装置40の制御部44が備えるCPU(以下、単に「CPU」という。)は、管理装置40に電源が投入されると、まず、各CRユニット1から顔データを受信したか否かの判定を行う(ステップS201)。
【0139】
そして、CPUは、顔データを受信したと判定した場合に(ステップS201:Yes)、受信した顔データと、その顔データと共に送信されてきた台番号とを関連付けて記憶部41に記憶させて管理し(ステップS202)、その後、処理をステップS203へ移す。一方、CPUは、顔データを受信しなかったと判定した場合(ステップS201:No)、処理を終了して、再度ステップS201から処理を開始する。
【0140】
ステップS203において、CPUは、顔データ管理解除条件が成立したか否かの判定を行う。ここで、CPUは、顔データの照合で同一人物と判定され、CRユニット1から正常にカード返却が行われたことを示す情報を受信した場合や、CRユニット1から持玉による遊技の結果、持玉が0個又は所定個数以下になったことを示す情報を受信した場合、店員が持つリモコン装置から顔データのクリア要求を受信した場合、管理装置40の操作部により顔データをクリアする操作が行われた場合等である。
【0141】
また、CRユニット1に挿入されているカードに持玉データやプリペイド価値が関連付けられている状態で、遊技者が戻ってこない場合は、店員の操作によってセキュリティ(CRユニット1の監視処理)は解除されるが、顔データ、持玉データ、プリペイド価値は、その他の情報(日時、台番号等)と関連付けられて別管理される。
【0142】
そして、CPUは、顔データ管理解除条件が成立したと判定した場合に(ステップS203:Yes)、記憶部41から成立した顔データ管理解除条件に対応する顔データをクリアし(ステップS208)、その後、処理を終了して再度ステップS201から処理を開始する。
【0143】
一方、CPUは、顔データ管理解除条件が成立していないと判定した場合(ステップS203:No)、顔データを再受信したか否かの判定を行い(ステップS204)、顔データを再受信したと判定した場合に(ステップS204:Yes)、処理をステップS205へ移す。一方、CPUは、顔データを再受信していないと判定した場合(ステップS204:No)、処理をステップS203へ移す。
【0144】
ステップS205において、CPUは、再受信した顔データと共に送信されてきた台番号と関連付けて記憶部41に記憶している顔データとを用いて、顔照合を行い(ステップS205)、その後、処理をステップS206へ移す。
【0145】
ステップS206において、CPUは、ステップS205で行った顔照合の結果、計数開始時に撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが同一人物であるか否かの判定を行う。
【0146】
そして、CPUは、計数開始時に撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが同一人物であると判定した場合に(ステップS206:Yes)、その旨を示す照合結果をCRユニット1へ送信して(ステップS207)、処理を終了し再度ステップS201から処理を開始する。
【0147】
一方、CPUは、計数開始時に撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが同一人物でないと判定した場合(ステップS206:No)、島端報知部50へエラー発生通知を送信することにより、島端報知部50にカード盗難の可能性があることを示すエラー警告を行わせ(ステップS209)、その後、同一人物でなかったことを示す照合結果をCRユニット1へ送信して(ステップS207)、処理を終了し再度ステップS201から処理を開始する。
【0148】
このとき、CPUは、計数開始時に撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが別人と判定されたことを示す情報を表示部43に表示させると共に、遊技者とは別人と判定された顔データを記憶部41内のブラックリスト41eに登録する。
【0149】
(第2実施形態)
次に、本発明に係る各台対応装置の第2実施形態について説明する。第1実施形態では、計数開始時に撮像した人物と、カードCの返却操作時に撮像した人物とが同一人物であるか否かの同一人物判定を管理装置40で行う場合について説明したが、第2実施形態では、この同一人物判定を各台対応装置(以下、「CRユニット1a」という。)が行う場合について説明する。
【0150】
図7は、第2実施形態に係るCRユニット1aの構成を示す機能ブロック図である。以下、図7に示すCRユニット1aの構成要素に関して、図3に示したCRユニット1と同様の構成要素については同一の符号を付することにより、その説明を省略する。
【0151】
図7に示すように、このCRユニット1aは、制御部16が顔照合部23を備えている点と、メモリ部19に顔データ22が記憶される点を除けば、図3に示す第1実施形態のCRユニット1と同様の構成をしている。なお、このCRユニット1aは、第1実施形態のCRユニット1と同様に、島コントローラ30を介して、管理装置40及び島端報知部50と情報通信可能に接続されている。
【0152】
このCRユニット1aでは、制御部16が玉計数部10により玉の計数が開始されたときに、カメラ部11により遊技者を撮像させる。そして、制御部16は、撮像された顔データをメモリ部19に記憶させる。
【0153】
その後、制御部16は、パチンコ台Pからカード返却ボタン14が押下されたことを示す信号を受信すると、カメラ部11にカード返却ボタン14を操作した人物を撮像させる。その後、制御部16は、メモリ部19に記憶している顔データ22(計数開始時に撮像された顔データ)と、カード返却ボタン14が操作されたときに撮像された顔データとを照合することにより、両顔データに対応する人物が同一人物であるか否かを判定する。
【0154】
そして、制御部16は、計数開始時に撮像された人物と、カード返却ボタン14が操作されたときに撮像された人物とが同一人物であると判定した場合に、カード受付部7にカードCの返却を許可して、カードCを返却させる。
【0155】
一方、制御部16は、計数開始時に撮像された人物と、カード返却ボタン14が操作されたときに撮像された人物とが別人であると判定した場合、カード受付部7によるカードCの返却を禁止する制御を行う。
【0156】
そのため、このCRユニット1aによれば、遊技者の離席中に他人は持玉数や貯玉数、プリペイド価値等が関連付けられたカードCを出力させることができないので、遊技者が獲得した玉や遊技に使用可能なプリペイド価値の盗難を防止することができる。
【0157】
しかも、このCRユニット1aは、計数開始時に撮像された人物と、カード返却ボタン14が操作されたときに撮像された人物とが同一人物であるか否かを判定することができるので、CRユニット1aから管理装置40へ顔データの送信を行う必要がないので、CRユニット1aにかかる通信負荷を低減することができる。
【0158】
また、遊技店に設置される多くのCRユニット1aにより撮像された各顔データの管理や、CRユニット1a毎の同一人物判定を行うために他の装置を設ける必要がないので、設備投資に要するコストを低減することができる。
【0159】
また、このCRユニット1aは、計数開始時に撮像された人物と、カード返却ボタン14が操作されたときに撮像された人物とが別人であると判定した場合に、その照合結果と共に、カード返却ボタン14を操作した人物の顔データを管理装置40へ送信する。
【0160】
管理装置40は、この照合結果と顔データとをCRユニット1aから受信すると、受信した顔データを不正容疑者として記憶部41に記憶させ、ブラックリスト41eとして管理する。これにより、万一カードCの盗難が発生した場合にも、そのブラックリスト41eに登録されている顔データを不正容疑者の捜索に役立てることができる。
【0161】
以上、説明したように、本実施形態に係る有価媒体取扱システム、及びCRユニット1、1aによれば、計数開始時にカメラ部11により撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが別人であった場合には、CRユニット1、1aからカードCの返却を行わないので、遊技者の離席中に、持玉や貯玉、プリペイド価値等が関連付けられたカードCがCRユニット1、1aから盗難されることを防止することができる。
【0162】
また、上記した実施形態では、玉計数部10により玉の計数が開始されたときに、カメラ部11により1回目の撮像を行う場合について説明したが、1回目の撮像を行わせるタイミングは、玉計数部10による玉の計数中に行わせてもよい。
【0163】
この場合、例えば、玉計数部10による玉の計数値が所定の値(例えば、100個)に達したときに撮像させる。計数した玉は、すぐにパチンコ台Pに吸い込まれる可能性が高いため、計数を開始する都度、撮像しても無駄になることが多い。そこで、ある程度まとまって、しかも、盗まれると遊技者の被害が大きくなりそうなときに撮像する。
【0164】
また、玉計数機構8にシャッタが設けられ、このシャッタを開放するために操作する計数開始ボタンを有するCRユニットの場合には、計数開始ボタンが押下されたときに、カメラ部11に1回目の撮像を行わせてもよい。これは、遊技者が計数開始ボタンを押下する際には、遊技者がある一定個数以上の玉を獲得していると予想されるためである。
【0165】
また、上記したタイミング以外にも、遊技者がCRユニット1、1aに紙幣やカード(会員カード、一般カード)を挿入したとき等、遊技者が遊技を開始しようとするときで、遊技者が玉を獲得する以前の任意のタイミングでカメラ部11に1回目の撮像を行わせてもよい。この他、パチンコ台Pで大当たりが発生したとき等に1回目の撮像を行わせてもよい。
【0166】
また、本実施形態では、カメラ部11をCRユニット1、1aに設けたが、カメラ部11の配設位置は、CRユニット1、1aに限定するものではなく、遊技中の遊技者の顔を撮像することができる位置であれば、任意の位置に設けてもよい。
【0167】
例えば、カメラ部11は、パチンコ台Pやパチンコ台Pが設置される膳板上、パチンコ台P上方に設けられる店員呼び出し用の呼出ランプ付近、パチンコ台P上方の幕板、各パチンコ台Pの大当たり履歴を示すグラフ(パチンコ台情報)を表示する表示部付近等に設けてもよい。また、遊技店の天井に設置されている監視カメラと連動させ、この管理カメラを本実施形態におけるカメラ部11として機能させてもよい。
【0168】
また、本実施形態では、遊技者を一意に特定可能な遊技者情報として、遊技者の顔を撮像した顔データを用いているが、この遊技者情報として、顔データに限定するものではなく、遊技者の指紋、掌紋、網膜、静脈等の各遊技者毎に固有の生体情報を用いてもよい。
【0169】
この場合、カメラ部11に代えて、各遊技者の生体情報を取得可能な生体情報取得手段をCRユニット1、1aに設ける。
【0170】
また、本実施形態では、計数開始時にカメラ部11により撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが同一人物であった場合に、CRユニット1、1aからカードCを出力させるようにしたが、カード受付部7に挿入されているカードCが会員カードであった場合には、会員カードの出力条件を更に厳しく設定するようにCRユニット1、1aを構成してもよい。
【0171】
例えば、カード受付部7に挿入されているカードCが会員カードであった場合、その会員カードを返却する際には、本実施形態で説明した同一人物判定に加えて、各会員カードの暗証番号を入力させて暗証番号照合に成功した場合に、会員カードの出力(返却)を許可するように構成する。
【0172】
かかる構成とした場合、暗証番号を入力させる表示操作部5が各会員用媒体(会員カード)に割当てられた固有の識別情報(暗証番号)を入力する識別情報入力手段として機能する。かかる構成とすれば、CRユニット1、1aからの会員カードの盗難を確実に防止することができる。
【0173】
また、本実施形態では、計数開始時にカメラ部11により撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが別人であった場合に、そのことをCRユニット1、1aの状態表示部2、管理装置40の表示部43、島端報知部50により報知させたが、これ以外にも、例えば、同一人物判定の結果、別人であると判定されたことを管理装置40を経由して各店員が持つリモコン装置等の携帯端末や、各店員が装着しているインカム(無線通信装置)へ通知するようにしてもよい。
【0174】
また、計数開始時にカメラ部11により撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが別人であった場合、CRユニット1に、通常のカードCの返却時よりもゆっくり時間をかけてカードCの返却を行わせ、店員が駆けつけるまでの時間を稼ぐようにしてもよい。
【0175】
これ以外にも、例えば、カードCに、計数開始時にカメラ部11により撮像された遊技者と、カード返却ボタン14の操作時に撮像された人物とが別人であったことを示すフラグを付加して、CRユニット1、1aにカードCの返却を行わせ、当該カードCが他のCRユニット1、1aに挿入された場合や、カウンタに持ち込まれた際に発報して、店員に対応させるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0176】
1、1a CRユニット
2 状態表示部
3 紙幣受付部
4 リモコン受光部
5 表示操作部
6 玉払出部
7 カード受付部
8 玉計数機構
9 玉貯留部
10 玉計数部
11 カメラ部
12 玉投出部
13 台側表示部
14 カード返却ボタン
15 玉貸ボタン
16 制御部
17 通信I/F部
18 計時部
19 メモリ部
20 電源部
21 台I/F部
22 顔データ
23 顔照合部
30 島コントローラ
40 管理装置
41 記憶部
41a 顔データ
41e ブラックリスト
42 通信I/F部
43 表示部
44 制御部
44a 顔照合部
50 島端報知部
P パチンコ台

【特許請求の範囲】
【請求項1】
各遊技台のそれぞれに対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体の計数処理を行うことが可能な各台対応装置を備えた遊技媒体取扱システムであって、
遊技者が獲得した遊技媒体を前記各台対応装置により計数処理された計数値情報に変換する変換手段と、
前記計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を特定可能な情報を記憶した媒体を出力する媒体出力手段と、
遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段と、
前記遊技者情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報取得手段により前記遊技者情報が再取得された場合に、当該再取得された遊技者情報と、前記情報記憶手段に記憶されている遊技者情報とに対応する両人物が同一人物か否かを判定する同一人物判定手段と、
前記同一人物判定手段により同一人物と判定された場合に、前記媒体出力手段に前記媒体の出力を許可する出力許可手段と
を有することを特徴とする遊技媒体取扱システム。
【請求項2】
前記媒体出力手段に前記媒体を出力させるための出力操作を受付ける出力操作受付手段を備え、
前記情報取得手段は、前記出力操作受付手段が出力操作を受付けた場合に、前記遊技者情報を再取得することを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体取扱システム。
【請求項3】
前記同一人物判定手段により同一でないと判定された場合に、その旨を報知する報知手段を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の遊技媒体取扱システム。
【請求項4】
前記情報取得手段は、遊技者情報として遊技者の顔画像を撮像する撮像手段であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の遊技媒体取扱システム。
【請求項5】
前記情報記憶手段は、少なくとも前記各台対応装置による遊技媒体の計数開始時もしくは計数中に、前記情報取得手段により取得された前記遊技者情報を記憶することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の遊技媒体取扱システム。
【請求項6】
前記情報取得手段による前記遊技者情報の取得結果に基づいて、遊技台からの遊技者の離席を判定する離席判定手段を更に備え、
前記出力許可手段は、前記離席判定手段により遊技者が離席したと判定された場合に、前記媒体出力手段に前記媒体の出力を禁止することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技媒体取扱システム。
【請求項7】
前記各台対応装置は、
遊技店に予め会員登録した遊技者へ発行された会員用媒体の受付け及び返却を行う会員用媒体受付手段と、
前記計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報を前記会員用媒体に関連付ける情報関連付手段と、
各会員用媒体に割当てられた固有の識別情報を入力する識別情報入力手段と、
前記会員用媒体受付手段に前記会員用媒体の返却を行わせるための返却操作を受付ける返却操作受付手段とを備え、
前記会員用媒体受付手段は、前記返却操作受付手段が前記返却操作を受付けた場合に、前記同一人物判定手段により同一人物と判定され、且つ受付中の会員用媒体に対応する前記識別情報が前記識別情報入力手段により入力された場合に、前記会員用媒体を返却することを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の遊技媒体取扱システム。
【請求項8】
各遊技台のそれぞれに対応して設けられ、遊技者が獲得した遊技媒体の計数処理を行うことが可能な各台対応装置であって、
遊技者が獲得した遊技媒体を前記各台対応装置により計数処理された計数値情報に変換する変換手段と、
前記計数値情報及び/又は遊技に使用可能な価値情報が関連付けられた媒体を出力する媒体出力手段と、
遊技中の遊技者を一意に特定可能な遊技者情報を取得する情報取得手段と、
前記遊技者情報を記憶する情報記憶手段と、
前記情報取得手段により前記遊技者情報が再取得された場合に、当該再取得された遊技者情報と、前記情報記憶手段に記憶されている遊技者情報とに対応する両人物が同一人物か否かを判定する同一人物判定手段と、
前記同一人物判定手段により同一人物と判定された場合に、前記媒体出力手段に前記媒体の出力を許可する出力許可手段と
を有することを特徴とする各台対応装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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