説明

遊技媒体管理システム

【課題】カードの再発行がなされた場合であっても、保有遊技媒体価値を最新のカードに対して確実に貯蓄遊技媒体価値として関連付けること。
【解決手段】カード管理装置が、持玉情報を貯玉情報へ移行する場合に、持玉情報に含まれる識別子を移行元識別子としたうえで、移行元識別子と一致する会員用記録媒体の識別子を貯玉情報から検出するように指示し、会員管理装置が、検出を指示された会員用記録媒体の識別子が貯玉情報から検出された場合に、会員用記録媒体が発行された会員に対して最後に発行された会員用記録媒体の識別子を移行先識別子として取得し、移行元識別子に関連付けられた持玉価値を取得された移行先識別子へ貯玉価値として移行するように遊技媒体管理システムを構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技客が遊技台で獲得した保有遊技媒体価値を含んだ保有遊技媒体情報を管理する保有遊技媒体管理装置と、遊技店の会員が遊技店へ預け入れた貯蓄遊技媒体価値を含んだ貯蓄遊技媒体情報を管理する貯蓄遊技媒体管理装置とを有する遊技媒体管理システムに関し、特に、カードの再発行がなされた場合であっても、保有遊技媒体価値を最新のカードに対して確実に貯蓄遊技媒体価値として関連付けることができる遊技媒体管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、パチンコ店などの遊技店に設置されるパチンコ機やパチスロ機といった遊技機と並設され、紙幣や硬貨といった貨幣を受け付けてパチンコ玉やメダルといった遊技媒体を貸し出す貸出処理機(以下、「台間装置」と記載する)が知られている。また、遊技機において遊技客が獲得した遊技媒体の数量を各台間装置と接続された計数部が計数する、いわゆる各台計数方式も知られてきた(たとえば、特許文献1参照)。
【0003】
かかる各台計数方式に対応した台間装置では、計数部に投入された遊技媒体の数量(以下、「計数値」と記載する)を計数し、IC(Integrated Circuit)カードなどの情報記憶が可能なカードに対して計数値を関連付ける。ここで、カードに関連付けられた計数値のことを「保有遊技媒体価値」と呼ぶこととする。かかるカードを用いることで、遊技客は遊技媒体を持ち歩くことなく他の遊技台で遊技を継続することができる。
【0004】
ところで、遊技店には、上記した台間装置などの装置を管理する管理装置を設けることが一般的に行われている。また、管理の目的に応じて複数の管理装置を設ける場合も見受けられる。
【0005】
たとえば、管理装置としては、カードを識別するカードIDなどの識別子と保有遊技媒体価値とを対応付けた保有遊技媒体情報データベースを有するカード管理装置がある。かかる保有遊技媒体情報データベースには、会員に対して発行された会員カードおよび会員以外の一般遊技客へ発行される一般カードに関する情報が含まれる。
【0006】
また、他の管理装置としては、会員向けに用意される貯蓄遊技媒体サービス(いわゆる貯玉サービス)のために、会員によって遊技店へ預け入れされた「貯蓄遊技媒体価値」と会員カードのカードIDとを対応付けた貯蓄遊技媒体情報データベースを有する会員管理装置がある。
【0007】
そして、遊技店の閉店時などには、保有遊技媒体情報データベースから抽出した会員の保有遊技媒体価値を、貯蓄遊技媒体情報データベースの貯蓄遊技媒体価値へ移行する処理が行われる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2007−229111号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、従来は、貯蓄遊技媒体価値を貯蓄遊技媒体価値へ移行する処理に失敗する事例が多いという問題があった。これは、カードを紛失した遊技客に対してあらたなカードを再発行した場合などに、保有遊技媒体情報データベースと貯蓄遊技媒体情報データベースとの間でカードIDの不整合が発生しやすいためである。
【0010】
特に、あらたなカードを発行する際に、新IDを手作業で両データベースへ登録する運用を行っている場合には、作業ミスによる不整合が発生しやすい。そして、遊技客があらたなカードを連続して紛失してしまうと、不整合の発生確率はさらに高くなってしまう。また、両データベースを結ぶ回線が障害を起こした場合にも同様に、両データベース間の不整合が発生する。
【0011】
これらのことから、カードの再発行がなされた場合であっても、保有遊技媒体価値を最新のカードに対して確実に貯蓄遊技媒体価値として関連付けることができる遊技媒体管理システムをいかにして実現するかが大きな課題となっている。
【0012】
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであって、カードの再発行がなされた場合であっても、保有遊技媒体価値を最新のカードに対して確実に貯蓄遊技媒体価値として関連付けることができる遊技媒体管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明は、遊技客が遊技台で獲得した保有遊技媒体価値を含んだ保有遊技媒体情報を管理する保有遊技媒体管理装置と、遊技店の会員が遊技店へ預け入れた貯蓄遊技媒体価値を含んだ貯蓄遊技媒体情報を管理する貯蓄遊技媒体管理装置とを有する遊技媒体管理システムであって、前記保有遊技媒体情報は、前記保有遊技媒体価値が関連付けられた記録媒体の識別子を含んでおり、前記貯蓄遊技媒体情報は、遊技店の会員へ発行された前記記録媒体である会員用記録媒体の識別子を含んでおり、前記保有遊技媒体管理装置または前記貯蓄遊技媒体管理装置は、前記保有遊技媒体情報を前記貯蓄遊技媒体情報へ移行する場合に、当該保有遊技媒体情報に含まれる前記識別子を移行元識別子としたうえで、当該移行元識別子と一致する前記会員用記録媒体の識別子を前記貯蓄遊技媒体情報から検出するように指示する検出指示手段と、前記検出指示手段によって検出を指示された前記会員用記録媒体の識別子が前記貯蓄遊技媒体情報から検出された場合に、当該会員用記録媒体が発行された前記会員に対して最後に発行された前記会員用記録媒体の識別子を移行先識別子として取得する移行先識別子取得手段と、前記移行元識別子に関連付けられた前記保有遊技媒体価値を前記移行先識別子取得手段によって取得された前記移行先識別子へ前記貯蓄遊技媒体価値として移行する移行手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
また、本発明は、上記の発明において、前記貯蓄遊技媒体情報は、前記会員用記録媒体の識別子ごとに、当該識別子に関連付けられた前記貯蓄遊技媒体価値と、当該識別子に対応する前記会員用記録媒体が発行された前記会員に対して次に発行された前記会員用記録媒体の識別子である新識別子とを含んでおり、前記移行先識別子取得手段は、前記新識別子を用いた前記識別子の検索を再帰的に行うことで前記移行先識別子を取得することを特徴とする。
【0015】
また、本発明は、上記の発明において、前記保有遊技媒体管理装置は、前記検出指示手段を備え、前記貯蓄遊技媒体管理装置は、前記移行先識別子取得手段と、前記移行手段と、前記移行手段による移行結果を前記保有遊技媒体管理装置へ通知する通知手段とを備えたことを特徴とする。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、保有遊技媒体情報は、保有遊技媒体価値が関連付けられた記録媒体の識別子を含んでおり、貯蓄遊技媒体情報は、遊技店の会員へ発行された記録媒体である会員用記録媒体の識別子を含んでおり、保有遊技媒体管理装置または貯蓄遊技媒体管理装置は、保有遊技媒体情報を貯蓄遊技媒体情報へ移行する場合に、保有遊技媒体情報に含まれる識別子を移行元識別子としたうえで、移行元識別子と一致する会員用記録媒体の識別子を貯蓄遊技媒体情報から検出するように指示し、検出を指示された会員用記録媒体の識別子が貯蓄遊技媒体情報から検出された場合に、会員用記録媒体が発行された会員に対して最後に発行された会員用記録媒体の識別子を移行先識別子として取得し、移行元識別子に関連付けられた保有遊技媒体価値を取得された移行先識別子へ貯蓄遊技媒体価値として移行することとしたので、カードの再発行がなされた場合であっても、保有遊技媒体価値を最新のカードに対して確実に貯蓄遊技媒体価値として関連付けることができるという効果を奏する。
【0017】
また、本発明によれば、貯蓄遊技媒体情報は、会員用記録媒体の識別子ごとに、識別子に関連付けられた貯蓄遊技媒体価値と、識別子に対応する会員用記録媒体が発行された会員に対して次に発行された会員用記録媒体の識別子である新識別子とを含んでおり、新識別子を用いた識別子の検索を再帰的に行うことで移行先識別子を取得することとしたので、新識別子を効率良く取得することができるという効果を奏する。
【0018】
また、本発明によれば、保有遊技媒体管理装置は、移行元識別子と一致する会員用記録媒体の識別子を貯蓄遊技媒体情報から検出するように指示し、貯蓄遊技媒体管理装置は、会員用記録媒体が発行された会員に対して最後に発行された会員用記録媒体の識別子を移行先識別子として取得し、移行元識別子に関連付けられた保有遊技媒体価値を取得された移行先識別子へ貯蓄遊技媒体価値として移行し、移行結果を保有遊技媒体管理装置へ通知することとしたので、保有遊技媒体管理装置が貯蓄遊技媒体移行処理を主導することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】図1は、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要を示す図である。
【図2】図2は、本実施例に係るカード管理装置および会員管理装置が接続されるネットワーク環境を示す図である。
【図3】図3は、台間装置の外観図である。
【図4】図4は、カード管理装置および会員管理装置の構成を示すブロック図である。
【図5】図5は、持玉情報の一例を示す図である。
【図6】図6は、貯玉情報の一例を示す図である。
【図7】図7は、カード管理装置および会員管理装置が実行する処理手順を示すフローチャートである。
【図8】図8は、最新ID検索処理の処理手順を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る遊技媒体管理手法の実施例を詳細に説明する。なお、以下では、管理対象とする遊技媒体がパチンコ玉である場合について説明する。このため、以下では、「保有遊技媒体」を「持玉」と、「貯蓄遊技媒体」を「貯玉」と、それぞれ記載することとする。これに伴い、たとえば、「保有遊技媒体情報DB(データベース)」や「貯蓄遊技媒体価値」のように「保有遊技媒体」や「貯蓄遊技媒体」という文言を含む名称等についても、「持玉情報DB(データベース)」や「貯玉価値」のように記載することとする。
【0021】
また、以下では、持玉情報DB(データベース)に接続されたカード管理装置と、貯玉情報DB(データベース)に接続された会員管理装置とを含んだ遊技媒体管理システムについて説明する。
【0022】
まず、実施例の詳細な説明に先立って、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要について図1を用いて説明する。図1は、本発明に係る遊技媒体管理手法の概要を示す図である。なお、同図の(A)には、会員カードの再発行状況の一例を、同図の(B)には、同図の(A)を前提とした場合の遊技媒体管理手順を、それぞれ示している。
【0023】
図1の(A)に示したように、会員に対してカードIDが「500」の会員カードが発行されていたとする。この会員が「500」の会員カードを紛失した場合(同図の(A−1)参照)、景品カウンタの係員などに依頼すると、新たな会員カード(カードIDが「600」)が再発行される(同図の(A−2)参照)。
【0024】
また、同日のうちに、会員が「600」の会員カードを紛失した場合(同図の(A−3)参照)、同様の手続を行うことで、あらたな会員カード(カードIDが「700」が再発行される(同図の(A−4)参照)。
【0025】
以下では、図1の(A)に示した再発行状況を前提として、本発明に係る遊技媒体管理手順を説明する。図1の(B)に示したように、カード管理装置100は、持玉情報DB(データベース)100aと接続されており、会員管理装置200は、貯玉情報DB200aと接続されているものとする。
【0026】
そして、遊技店の閉店時などには、持玉情報DB100aに含まれる会員の持玉情報を、貯玉情報として貯玉情報DB200aへ移行する処理が行われる。
【0027】
図1の(B)に示したように、カードIDが「500」の会員カードを用いて会員が遊技を行って「2000」個の持玉を獲得した後に、かかる会員カードを紛失したとすると、持玉情報DB100aにおけるカードIDが「500」のレコードには、持玉数「2000」が登録されていることになる。
【0028】
しかし、図1の(A)で既に説明したように、カードIDが「500」の会員カードに対する紛失手続がなされており、再発行された会員カード(カードIDが「600」)に対する紛失手続もなされている。したがって、会員が有する最新の会員カードのカードIDは「700」である。
【0029】
このため、「2000」個の持玉は、貯玉情報DB200aにおけるカードIDが「700」のレコードへ移行されるべきである。しかしながら、従来は、貯玉情報DB200a内には、カードIDが「500」が使用不可である旨が記録されているにすぎなかった。したがって、「2000」個の持玉を、貯玉情報DB200aにおけるカードIDが「500」のレコードへの移行する際に、移行エラーが発生し、係員の手作業による移行手続を要していた。
【0030】
そこで、本発明に係る遊技媒体管理手法では、貯玉情報DB200a内の各レコードに設けられた「新カードID」項目を参照し、「新カードID」をたどることで、最新のカードID(以下、「最新カードID」と記載する)を取得することとした。そして、最新カードIDのレコードに対して持玉情報DB100aの持玉価値を移行することとした。
【0031】
具体的には、カードIDが「500」の会員カードが発行された場合には、貯玉情報DB200aには、「カードID」項目が「500」のレコードが追加される。そして、カードIDが「600」の会員カードが再発行された場合には、「カードID」項目が「600」のレコードがさらに追加されるとともに、「カードID」項目が「600」のレコードにおける「新カードID」項目には、新たなカードIDである「700」が登録される。
【0032】
そして、カード管理装置100から会員管理装置200に対して貯玉要求がなされた場合には(同図の(B−1)参照)、移行元のカードID(500)をキーとして、貯玉情報DB200aのレコードが検索される。
【0033】
ここで、カードIDが「500」のレコードの「新カードID」項目は「600」であるので、カードIDが「600」のレコードへ移動する。そして、このレコードの「新カードID」項目は「700」であるので、カードIDが「700」のレコードへ移動する。そして、このレコードの「新カードID」項目には、カードIDが登録されていないので検索を終了する。
【0034】
このようにして、最新カードID(同図では「700」)を検索し(同図の(B−2)参照)、最新カードIDのレコードにおける「貯玉数」項目に対して持玉情報DB100aの「持玉数」項目の値(同図では「2000」)を登録する(同図の(B−3)参照)。
【0035】
なお、同図では、説明を簡略化するために、貯玉情報DB200aにおける各レコードにおける「貯玉数」項目が「0」である場合について示したが、「貯玉数」項目が「0」ではない場合には、該当するレコードにおける「貯玉数」項目を、最新カードIDのレコードへ移行したうえで、「持玉数」をさらに加算するものとする。
【0036】
このように、本発明に係る遊技媒体管理手法では、特定の会員に対して発行された会員カードの発行履歴に基づいて貯玉情報DB200aから最新カードIDを取得し、取得した最新カードIDに対して持玉情報DB100aの持玉価値を貯玉価値として移行することとした。したがって、カードの再発行がなされた場合であっても、持玉データを最新のカードに対して確実に貯玉することができる。
【0037】
以下では、図1を用いて説明した遊技媒体管理手法を適用した遊技媒体管理システムについての実施例を詳細に説明する。なお、以下に示す実施例では、持玉情報DB100aに接続されたカード管理装置100と貯玉情報DB200aに接続された会員管理装置200とを含んだ遊技媒体管理システムについて説明することとする。
【実施例】
【0038】
図2は、本実施例に係るカード管理装置100および会員管理装置200が接続されるネットワーク環境を示す図である。同図に示すように、カード管理装置100および会員管理装置200は、店舗内LAN(Local Area Network)10などのネットワークへ接続されており、相互に通信することができる。なお、遊技媒体管理システムは、カード管理装置100と、会員管理装置200とを含んでいるものとする。
【0039】
ここで、カード管理装置100と接続される持玉情報DB100aは、カード(記録媒体)に関連付けられる持玉価値を、カードIDごとに管理するデータベースである。なお、持玉情報DB100aは、遊技店の会員に対して発行される会員カードおよび一般遊技客に対して発行される一般カードに関する情報を含むものとする。
【0040】
また、会員管理装置200と接続される貯玉情報DB200aは、遊技店の会員に対して発行される会員カードに付与された貯玉サービスを行うためのデータベースである。具体的には、この貯玉情報DB200aは、会員カードを利用した会員が獲得した持玉を、換金したり景品交換したりすることなく遊技店へ預け入れておくことを指す貯玉を管理するデータベースである。なお、貯玉情報DB200aは、会員カードを対象としており、一般カードに関する情報を含まない。
【0041】
ところで、店舗内LAN10には、島コントローラ経由で台間装置400が接続されており、各台間装置400には遊技台410がそれぞれ接続されている。また、店舗内LAN10には、精算機500、景品管理機600、カード処理機700といった各機器が接続されており、景品管理機600には景品払出機800が接続されている。
【0042】
島コントローラ300は、台間装置400および遊技台410が設置される遊技島ごとに設けられる中継装置であり、たとえば、カード管理装置100/台間装置400間、あるいは、カード管理装置100/遊技台410間などの通信データを中継する。
【0043】
そして、台間装置400がカードを返却した場合には、他の遊技台で遊技を継続する意志がない遊技客は、カードを精算機500へ挿入することで、プリペイド価値(プリペイド残額)に応じた貨幣を受け取る。また、遊技客は、景品交換コーナーへカードを持参し、カード処理機700にカードをかざしたり挿入したりする。そして、遊技店の従業員が景品管理機600や景品払出機800を操作することで、遊技客は、持玉価値に応じた景品を受け取ることになる。
【0044】
ここで、遊技店の閉店時などには、当日の営業によって会員が取得した持玉価値を持玉情報DB100aから抽出し、抽出した持玉価値を貯玉情報DB200aへ貯玉価値として移行する貯玉移行処理が行われる。なお、本実施例では、カード管理装置100が貯玉移行処理を主導する場合について説明するが、会員管理装置200あるいは他の装置(たとえば、景品管理機600などの端末装置)が貯玉移行処理を主導することとしてもよい。
【0045】
また、本実施例では、カード管理装置100には持玉情報DB100aが接続され、会員管理装置200には貯玉情報DB200aが接続される場合について説明するが、両DB(データベース)を単一の管理装置に接続することとしてもよい。
【0046】
次に、図2に示した台間装置400についてさらに詳細に説明しておく。図3は、台間装置400の外観図である。なお、同図には、台間装置400が併設された遊技台410を破線で示している。また、同図では、紙幣のみを受け付ける台間装置400を示しているが、硬貨受け付け用のユニットを備えることとしてもよい。
【0047】
図3に示すように、台間装置400は、台間装置400の装置状態を所定色のランプの点灯あるいは点滅で表示する状態表示部51と、遊技媒体貸し出しのための各種紙幣を受け付ける紙幣挿入部52と、遊技店の従業員が携帯するリモコン(携帯端末装置)からの指示を受け付けるリモコン受光部53と、ディスプレイなどの表示部およびテンキー、カード返却ボタン、持玉払出ボタンといった操作部を含んだ操作・表示部54とを備えている。
【0048】
また、台間装置400は、持玉等の遊技媒体を払い出すノズルを備えた持玉払出部55と、一般カードや会員カードといったカードを受け付けるとともに、持玉価値やプリペイド価値が関連付けられたカードを返却するカード挿入部56と、遊技客が獲得した遊技媒体(持玉)を計数する計数部57と、持玉(獲得玉)を貯留する玉貯留部58とを備えている。ここで、遊技台410の下皿410cから落下した遊技媒体は、玉貯留部58を経て計数部57へと導かれることになる。
【0049】
なお、遊技台410には、カードの残額や、貸し出された遊技媒体の数などを表示する表示部410aと、遊技媒体の貸し出しを指示する貸出ボタンやカード返却を指示するカード返却ボタンといった操作ボタン410bとが設けられる。
【0050】
台間装置400は、同図に示す遊技機410の下皿410cから落下した持玉(獲得玉)を玉貯留部58でいったん貯留し、貯留した持玉(獲得玉)を計数部57へ導く。そして、計数部57で持玉(獲得玉)の数量を計数する。なお、計数後の遊技媒体は、遊技島内に形成される図示しない遊技媒体回収経路へ排出される。
【0051】
そして、台間装置400に持玉が記憶された状態で、遊技客が持玉払出ボタンを押下した場合には、持玉(獲得玉)を持玉払出部55経由で遊技台410へ投出する。なお、紙幣挿入部52へ紙幣が挿入されたり、カード挿入部56へプリペイド価値が関連付けられたカードが挿入されたりして、遊技台410の貸出ボタンが押下された場合は、遊技台410に内蔵される玉払出部(図示せず)から貸玉が払い出される。
【0052】
次に、カード管理装置100および会員管理装置200の構成について図4を用いて説明する。図4は、カード管理装置100および会員管理装置200の構成を示すブロック図である。なお、同図には、カード管理装置100あるいは会員管理装置200の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示している。
【0053】
まず、カード管理装置100の構成について説明する。同図に示したように、カード管理装置100は、通信I/F(インタフェース)101と、制御部102と、記憶部103とを備えている。また、制御部102は、入力部102aと、会員抽出部102bと、貯玉指示部102cと、貯玉結果更新部102dとをさらに備えており、記憶部103は、持玉情報103aを記憶する。なお、持玉情報103aは、図2に示した持玉情報DB100aに相当する。
【0054】
通信I/F(インタフェース)101は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、図2に示した店舗内LAN10経由で、会員管理装置200とのデータ送受信を行う。
【0055】
制御部102は、持玉情報103aから会員に係る持玉データを抽出するとともに、抽出した持玉データを貯玉するように会員管理装置200に対して指示する処理を行う処理部である。また、制御部102は、会員管理装置200から受信した貯玉結果を用いて持玉情報103aを更新する処理を併せて行う。
【0056】
入力部102aは、キーボードやマウスなどの図示しない入力デバイスから閉店処理指示を受け付ける処理を行う処理部である。また、この入力部102aは、閉店処理指示を受け付けた場合に、持玉の貯玉移行処理を開始するように会員抽出部102bに対して指示する処理を行う処理部でもある。
【0057】
会員抽出部102bは、入力部102aから貯玉移行処理の開始指示を受け付けた場合に、持玉情報103aから会員カードに係る持玉データを抽出するとともに、抽出した持玉データを貯玉指示部102cへ通知する処理を行う処理部である。
【0058】
貯玉指示部102cは、会員抽出部102bによって抽出された会員カードに係る持玉データを貯玉移行するように、通信I/F101経由で会員管理装置200に対して指示する処理を行う処理部である。また、貯玉結果更新部102dは、会員管理装置200から通信I/F101経由で受信した貯玉結果を用いて持玉情報103aを更新する処理を行う処理部である。
【0059】
なお、本実施例では、貯玉結果を受け取った貯玉結果更新部102dが持玉情報103aを更新する場合について説明する。しかしながら、これに限らず、貯玉に失敗した旨の貯玉結果を受け取った場合には、図示しないディスプレイなどに貯玉結果を表示したり、図示しないスピーカや警報ランプを用いて報知処理を行ったりすることとしてもよい。
【0060】
記憶部103は、ハードディスクドライブなどの記憶デバイスで構成される記憶部である。なお、記憶する情報の紛失を防止するために、ディスクアレイ装置などの記憶装置を用いることとしてもよい。
【0061】
持玉情報103aは、一般カードあるいは会員カードのカードIDごとに、持玉数などの持玉データを関連付けた情報である。ここで、持玉情報103aの例について図5を用いて説明しておく。図5は、持玉情報103aの一例を示す図である。なお、同図の(A)には、貯玉移行処理を行う前の例を、同図の(B)には、貯玉移行処理が行われた後の例を、それぞれ示している。
【0062】
まず、貯玉移行処理前の持玉情報103aについて説明する。図5の(A)に示したように、持玉情報103aは、「カードID」項目と、「カード種別」項目と、「日付」項目と、「口座」項目と、「持玉数」項目と、「貯玉結果」項目とを含んだ情報である。
【0063】
ここで、「カードID」項目は、一般カードあるいは会員カードのカードIDが格納される項目である。なお、同図に示した場合には、「12345」が格納されている。また、「カード種別」項目は、カードが会員カードであるか一般カードであるかの種別が格納される項目である。なお、同図に示した場合には、カードが会員カードである旨を示す「会員」が格納されている。
【0064】
「日付」項目は、西暦をあらわす4桁(同図では「YYYY」)、月をあらわす2桁(同図では「MM」)、日をあらわす2桁(同図では「DD」)からなる日付情報が格納される項目である。かかる日付情報は、「持玉数」が更新されるたびに更新される。なお、「日付」項目に対して時刻情報、たとえば、持玉数が最後に更新された時刻を付加することとしてもよい。
【0065】
「口座」項目は、持玉の交換レートが格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、パチンコ玉を1玉4円で取り扱う「4円」コーナーで持玉が取得されたことをあらわしている。なお、同一のカードIDを用いて異なる交換レートで持玉が取得された場合には、別途あらたなレコードが生成されることになる。
【0066】
「持玉数」項目は、「口座」項目に格納された交換レートで取得された遊技媒体数が格納される項目である。なお、「持玉数」項目は、台間装置400(図2参照)が、カードを返却する際などに最新の値に更新される。
【0067】
「貯玉結果」項目は、貯玉移行処理の結果が格納される項目である。たとえば、同図に示した場合には、貯玉移行処理が未だ行われていないことを示す「未」が格納されている。なお、「貯玉結果」項目の更新は、貯玉結果更新部102d(図4参照)によって行われる。
【0068】
次に、貯玉移行処理後の持玉情報103aについて説明する。図5の(B)に示したように、貯玉移行処理が成功した場合には、「貯玉結果」項目には、貯玉移行に成功した旨を示す「成功」と、貯玉の移行先となったカードID(同図では「67890」)とが格納される。なお、貯玉移行処理に失敗した場合には、貯玉移行に失敗した旨を示す「失敗」と、失敗理由とが格納される。
【0069】
ここで、失敗理由としては、該当するカードIDが会員の退会によって無効となった旨を示す「退会」、回線障害などによって会員管理装置200との通信が行えなかった旨を示す「回線断」、貯玉情報DB200aに該当するカードIDが登録されていない旨を示す「未登録」などがある。
【0070】
たとえば、失敗理由が「退会」である場合には、再度の貯玉移行指示を行うことなく放置することになる。また、失敗理由が「回線断」である場合には、たとえば、翌日の開店処理時などに再度の貯玉移行指示(リトライ)を行うことになる。また、失敗理由が「未登録」である場合には、貯玉情報DB200aに対して該当するカードIDを登録したうえでリトライを行うことになる。
【0071】
図4の説明に戻り、会員管理装置200の構成について説明する。同図に示したように、会員管理装置200は、通信I/F(インタフェース)201と、制御部202と、記憶部203とを備えている。また、制御部202は、貯玉受付部202aと、最新ID取得部202bと、貯玉移行部202cと、貯玉結果通知部202dとをさらに備えており、記憶部203は、貯玉情報203aを記憶する。なお、貯玉情報203aは、図2に示した貯玉情報DB200aに相当する。
【0072】
通信I/F(インタフェース)201は、LAN(Local Area Network)ボードなどの通信デバイスで構成され、図2に示した店舗内LAN10経由で、カード管理装置100とのデータ送受信を行う。
【0073】
制御部202は、カード管理装置100から貯玉指示を受け付けた場合に、同一の会員に対して最後に発行された会員カードのカードID(最新ID)を貯玉情報203aから検索し、検索された最新IDに対して持玉の貯玉移行を行う処理部である。また、制御部202は、貯玉移行の結果をカード管理装置100に対して通知する処理を併せて行う。
【0074】
貯玉受付部202aは、カード管理装置100からの貯玉指示を通信I/F201経由で受け付け、受け付けた貯玉指示を最新ID取得部202bへ通知する処理を行う処理部である。
【0075】
最新ID取得部202bは、貯玉受付部202aから通知された貯玉指示に含まれる各持玉データのカードIDをキーとして貯玉情報203aを検索することで、同一の会員に対して最後に発行された会員カードのカードID(最新ID)を取得する処理を行う処理部である。なお、かかる最新ID取得処理の詳細については、図6を用いて後述する。
【0076】
また、この最新ID取得部202bは、貯玉指示に含まれる各持玉データのカードIDが最新IDである場合および各持玉データのカードID以外の最新IDを取得した場合には、最新IDとともに、貯玉受付部202aから通知された貯玉指示を、貯玉移行部202cへ渡す処理を行う。なお、最新ID取得部202bは、貯玉指示に含まれる各持玉データのカードIDが貯玉情報203aから見つからなかった場合には、その旨を貯玉結果通知部202dへ通知する。
【0077】
貯玉移行部202cは、最新ID取得部202bによって取得された最新IDのレコードにおける「貯玉数」項目に対し、貯玉指示に含まれる「持玉数」項目を加算することによって、持玉の貯玉移行処理を行う処理部である。なお、この貯玉移行部202cは、貯玉移行先となった最新IDを貯玉に成功した旨とともに貯玉結果通知部202dへ通知する処理を併せて行う。
【0078】
貯玉結果通知部202dは、最新ID取得部202bから受け取った貯玉に失敗した旨の通知、貯玉移行部202cから受け取った貯玉に成功した旨の通知に基づいて貯玉結果を生成する処理を行う処理部である。また、この貯玉結果通知部202dは、生成した貯玉結果を通信I/F201経由でカード管理装置100へ通知する処理を併せて行う。
【0079】
記憶部203は、ハードディスクドライブなどの記憶デバイスで構成される記憶部である。なお、記憶する情報の紛失を防止するために、ディスクアレイ装置などの記憶装置を用いることとしてもよい。
【0080】
貯玉情報203aは、会員カードのカードIDごとに、貯玉数などの貯玉データを関連付けた情報である。ここで、貯玉情報203aの例について図6を用いて説明しておく。図6は、貯玉情報203aの一例を示す図である。なお、同図の(A)には、貯玉移行処理を行う前の例を、同図の(B)には、貯玉移行処理が行われた後の例を、同図の(C)には、会員が退会した場合の例を、それぞれ示している。
【0081】
まず、貯玉移行処理前の貯玉情報203aについて説明する。図6の(A)に示したように、貯玉情報203aは、「会員カードID」項目と、「口座」項目および「貯玉数」項目からなる「貯玉」項目の繰り返しと、「新会員カードID」項目とを含んだ情報である。
【0082】
ここで、「会員カードID」項目は、会員カードのカードIDが格納される項目である。なお、この「会員カードID」項目は、図5に示した持玉情報103aの「カードID」項目とは異なり、一般カードのカードIDを含まない。
【0083】
「貯玉」項目(同図では、「貯玉A」および「貯玉B」)は、交換レートごとに区分けされた「口座」項目と、口座ごとの「貯玉数」項目とを含んだ項目である。そして、この「貯玉」項目は、「口座」の種別数に対応して繰り返される。
【0084】
「新会員カードID」項目は、あらたに発行された会員カードのカードIDが格納される項目である。なお、あらたな会員カードが未だ発行されていない場合、すなわち、現在の会員カードが最新ものである場合には、同図に示すように「未」などの値が格納されるものとする。
【0085】
たとえば、「会員カードID」項目が「12345」であるレコードの場合、「貯玉A」の「貯玉数」は「0」であり、「貯玉B」の「貯玉数」も「0」である。そして、「新会員カードID」は、「67890」である。すなわち、「会員カードID」が「12345」のカードについて紛失手続などがなされ、「会員カードID」項目が「67890」のカードが再発行されたことをあらわしている。
【0086】
また、カードの再発行に伴い、「会員カードID」項目が「67890」であるレコードが追加される。同図では、「貯玉A」の「貯玉数」は「0」であり、「貯玉B」の「貯玉数」も「0」である。そして、「新会員カードID」には、あらたなカードが未発行である旨を示す「未」が格納されている。すなわち、「会員カードID」が「67890」のカードが最新のカードであることをあらわしている。
【0087】
次に、貯玉移行処理後の貯玉情報203aについて説明する。なお、貯玉移行の移行元となるデータは、図5の(A)に示した持玉情報103aにおける「カードID」項目が「12345」のレコードであるものとする。ここで、かかるレコードの「口座」は、「4円」であり、「持玉数」は、「2000」である。
【0088】
図6の(B)に示したように、持玉情報103aにおける2000個の持玉数は、「会員カードID」が「12345」のレコードではなく、「会員カードID」が「67890」のレコードに格納される。
【0089】
具体的には、持玉情報103aにおける「カードID」は、「12345」であるので、まず、貯玉情報203aにおける「会員カードID」が「12345」のレコードへ移動する。ここで、「新会員カードID」項目には、「67890」が格納されているので、「会員カードID」が「67890」のレコードへ移動する。
【0090】
そして、「会員カードID」が「67890」のレコードにおける「新会員カードID」には、新たなカードが未発行である旨を示す「未」が格納されているので、最新カードIDが「67890」であると決定する。つづいて、「会員カードID」が「67890」のレコードにおける「貯玉A」の「4円」の「口座」に対し、2000個の持玉数を加算する。なお、同図に示した場合には、加算前の「貯玉数」が「0」であるので、加算後の「貯玉数」は「2000」となっている。
【0091】
なお、持玉情報103aにおける「持玉数」を、貯玉情報203aにおける「貯玉数」に加算する際に、手数料として所定の個数を差し引くこととしてもよい。
【0092】
次に、会員が退会した場合の例について説明する。図6の(C)に示したように、「会員カードID」が「12345」の会員カードを発行された会員が退会した場合には、「新会員カードID」には、この会員カードを発行された会員が退会した旨を示す「退会」が格納される。なお、同図では、「新会員カードID」項目に対して「退会」を格納する場合について示したが、各レコードに対して退会の有無をあらわす項目を追加し、追加した項目に対して退会の有無を格納することとしてもよい。
【0093】
次に、カード管理装置100および会員管理装置200が実行する処理手順について図7を用いて説明する。図7は、カード管理装置100および会員管理装置200が実行する処理手順を示すフローチャートである。同図に示すように、カード管理装置100の入力部102aが閉店処理開始受付を行ったならば(ステップS101)、会員抽出部102bは、持玉情報DB100aから会員の持玉情報103aを抽出する(ステップS102)。なお、各持玉情報103aは、カードID、交換レート、玉数といった情報を含んでおり、通常は、当日に持玉登録された複数件が抽出される。
【0094】
そして、カード管理装置100の貯玉指示部102cは、ステップS102で抽出された持玉情報103aを含んだ貯玉要求を会員管理装置200に対して送信する(ステップS103)。つづいて、会員管理装置200の貯玉受付部202aが、貯玉要求を受信したならば(ステップS104)、複数の貯玉要求のうち最初の貯玉要求を最新ID取得部202bへ通知する(ステップS105)。
【0095】
最新ID取得部202bは、貯玉要求に含まれるカードIDが貯玉情報DB200a内に存在するか否かを判定し(ステップS106)、カードIDが貯玉情報DB200a内に存在する場合には(ステップS106,Yes)、最新ID検索処理を行う(ステップS107)。なお、この最新ID検索処理の内容については図8を用いて後述する。
【0096】
つづいて、ステップS107において最新IDが取得されたならば、貯玉移行部202cは、最新IDに対して貯玉を実行する(ステップS108)。そして、貯玉結果通知部202dは、成功メッセージを生成する(ステップS109)。一方、ステップS106の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS106,No)、貯玉結果通知部202dは、失敗メッセージを生成する(ステップS110)。
【0097】
つづいて、未処理の貯玉要求があるか否かを判定し(ステップS111)、未処理の貯玉要求がある場合には(ステップS111,Yes)、次の貯玉要求をセットしたうえで(ステップS112)、ステップS106以降の処理を繰り返す。
【0098】
一方、ステップS111の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS111,No)、貯玉結果通知部202dは、貯玉結果をカード管理装置100に対して送信し(ステップS113)、処理を終了する。また、カード管理装置100の貯玉結果更新部102dは、貯玉結果を受信したならば(ステップS114)、持玉情報103aを更新したうえで処理を終了する。
【0099】
なお、図7では、カード管理装置100が、複数の貯玉要求をまとめて会員管理装置200へ指示する場合について示したが、貯玉要求を1つずつ会員管理装置200へ指示することとしてもよい。
【0100】
次に、図7に示した最新ID検索処理(図7のステップS107参照)の詳細な処理手順について図8を用いて説明する。図8は、最新ID検索処理の処理手順を示すフローチャートである。図8に示すように、会員管理装置200の最新ID取得部202bは、貯玉情報203aについて、貯玉要求のカードIDと一致する会員カードIDのレコードへ移動する(ステップS201)。
【0101】
つづいて、「新会員カードID」項目にカードIDが格納されているか否かを判定する(ステップS202)。そして、新会員カードIDがある場合には(ステップS202,Yes)、新会員カードIDと一致する会員カードIDのレコードへ移動したうえで(ステップS203)、ステップS202以降の処理を繰り返す。
【0102】
一方、ステップS202の判定条件を満たさなかった場合には(ステップS202,No)、現在のレコードにおける会員カードIDを最新IDとしたうえで(ステップS204)、処理を終了する。
【0103】
上述してきたように、本実施例では、カード管理装置が、持玉情報を貯玉情報へ移行する場合に、持玉情報に含まれる識別子を移行元識別子としたうえで、移行元識別子と一致する会員用記録媒体の識別子を貯玉情報から検出するように指示し、会員管理装置が、検出を指示された会員用記録媒体の識別子が貯玉情報から検出された場合に、会員用記録媒体が発行された会員に対して最後に発行された会員用記録媒体の識別子を移行先識別子として取得し、移行元識別子に関連付けられた持玉価値を取得された移行先識別子へ貯玉価値として移行するように遊技媒体管理システムを構成した。したがって、カードの再発行がなされた場合であっても、持玉データを最新のカードに対して確実に貯玉することができる。
【0104】
ところで、上述した実施例では、持玉情報DB(データベース)に接続されたカード管理装置と、貯玉情報DB(データベース)に接続された会員管理装置とを含んだ遊技媒体管理システムについて説明した。しかしながら、カード管理装置の制御部に含まれる各処理部および会員管理装置の制御部に含まれる各処理部を、カード管理装置のみ、あるいは、会員管理装置のみにまとめて配置することとしてもよい。また、各処理部のうち一部の処理部のみを他方の管理装置に配置することとしてもよい。
【0105】
また、上述した実施例では、カード管理装置が貯玉移行処理を主導する場合について説明したが、会員管理装置が貯玉移行処理を主導することとしてもよく、図2に示した景品管理機が貯玉移行処理を主導することとしてもよい。
【0106】
また、上述した実施例では、パチンコ玉に適用した遊技媒体管理システムについて説明したが、メダルにも適用することができる。そして、1枚の会員カードに関連付けられた持玉と持メダルとをまとめて貯玉移行することとしてもよい。
【0107】
また、上述した実施例の遊技媒体管理システムを、会員カードの代わりに遊技客が保有する携帯電話へ持玉や貯玉を関連付ける会員システムへ適用することとしてもよい。この場合、会員カードのカードIDの代わりに、携帯電話の識別情報が検索キーとして用いられることになる。
【産業上の利用可能性】
【0108】
以上のように、本発明に係る遊技媒体管理システムは、保有遊技媒体データを確実に貯蓄遊技媒体データへ移行したい場合に有用であり、特に、同日中に複数枚のカードを再発行する運用を行っている遊技店システムへの適用に適している。
【符号の説明】
【0109】
10 店舗内LAN
51 状態表示部
52 紙幣挿入部
53 リモコン受光部
54 操作・表示部
55 持玉払出部
56 カード挿入部
57 計数部
58 玉貯留部
100 カード管理装置
100a 持玉情報DB(データベース)
101 通信I/F(インタフェース)
102 制御部
102a 入力部
102b 会員抽出部
102c 貯玉指示部
102d 貯玉結果更新部
103 記憶部
103a 持玉情報
200 会員管理装置
201 通信I/F(インタフェース)
202 制御部
202a 貯玉受付部
202b 最新ID取得部
202c 貯玉移行部
202d 貯玉結果通知部
203 記憶部
203a 貯玉情報
300 島コントローラ
400 台間装置
410 遊技台
410a 表示部
410b 操作ボタン
410c 下皿
500 精算機
600 景品管理機
700 カード処理機
800 景品払出機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技客が遊技台で獲得した保有遊技媒体価値を含んだ保有遊技媒体情報を管理する保有遊技媒体管理装置と、遊技店の会員が遊技店へ預け入れた貯蓄遊技媒体価値を含んだ貯蓄遊技媒体情報を管理する貯蓄遊技媒体管理装置とを有する遊技媒体管理システムであって、
前記保有遊技媒体情報は、
前記保有遊技媒体価値が関連付けられた記録媒体の識別子を含んでおり、
前記貯蓄遊技媒体情報は、
遊技店の会員へ発行された前記記録媒体である会員用記録媒体の識別子を含んでおり、
前記保有遊技媒体管理装置または前記貯蓄遊技媒体管理装置は、
前記保有遊技媒体情報を前記貯蓄遊技媒体情報へ移行する場合に、当該保有遊技媒体情報に含まれる前記識別子を移行元識別子としたうえで、当該移行元識別子と一致する前記会員用記録媒体の識別子を前記貯蓄遊技媒体情報から検出するように指示する検出指示手段と、
前記検出指示手段によって検出を指示された前記会員用記録媒体の識別子が前記貯蓄遊技媒体情報から検出された場合に、当該会員用記録媒体が発行された前記会員に対して最後に発行された前記会員用記録媒体の識別子を移行先識別子として取得する移行先識別子取得手段と、
前記移行元識別子に関連付けられた前記保有遊技媒体価値を前記移行先識別子取得手段によって取得された前記移行先識別子へ前記貯蓄遊技媒体価値として移行する移行手段と
を備えたことを特徴とする遊技媒体管理システム。
【請求項2】
前記貯蓄遊技媒体情報は、
前記会員用記録媒体の識別子ごとに、当該識別子に関連付けられた前記貯蓄遊技媒体価値と、当該識別子に対応する前記会員用記録媒体が発行された前記会員に対して次に発行された前記会員用記録媒体の識別子である新識別子とを含んでおり、
前記移行先識別子取得手段は、
前記新識別子を用いた前記識別子の検索を再帰的に行うことで前記移行先識別子を取得することを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体管理システム。
【請求項3】
前記保有遊技媒体管理装置は、
前記検出指示手段
を備え、
前記貯蓄遊技媒体管理装置は、
前記移行先識別子取得手段と、
前記移行手段と、
前記移行手段による移行結果を前記保有遊技媒体管理装置へ通知する通知手段と
を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の遊技媒体管理システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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