説明

遊技媒体計数機

【課題】複数並設したホッパーのうち、遊技媒体を投入して計数可能なホッパー以外には遊技媒体が投入されないように閉塞すると共に、ホッパー間に遊技媒体がこぼれることなく計数可能なホッパーに遊技媒体が投入できる遊技媒体計数機の提供。
【解決手段】遊技媒体が投入されるホッパー2を1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパー2を有する筐体11をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパー2は同時に投入された遊技媒体がホッパー間21hからこぼれないように接続されており、各ホッパー2に対応して計数機構23を備え、各計数機構23がホッパー2に投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構23の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機1であって、各ホッパー2の上部を塞ぐ開閉手段3、6をホッパー2毎に配設可能に構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、計数機にかかり、詳細には、計数対象並びに計数部をそれぞれ2つ以上有する遊技媒体計数機に関する。
【背景技術】
【0002】
メダル形状の遊技媒体によってメダルを集めるメダル遊技機を設置した遊技ホールでは、メダル遊技機によって遊技客が獲得したメダルを計数するメダル計数機、即ち遊技媒体計数機が設置されている。
この遊技媒体計数機は、遊技を終了した顧客が遊技ホールのカウンターにメダル箱を持っていき計数する場合に用いられ、複数のメダル遊技機を設置している各島の端や中央に設置してある。
【0003】
この遊技媒体計数機は、一般に、上部に開口するホッパーと、ホッパー下部で高速回転する回転板によってメダルを1枚ずつ送出する送出部と、送出部から送出されたメダルを計数する計数部とを有している。そして遊技媒体計数機は、ホッパーへメダル群を投入し、ホッパーの下部に設けた送出部が回転板を高速回転させ、該回転板の遠心力によってメダルを1枚ずつ送出する。この送出されたメダルはメダル通路を経て計数部へ送出され、計数部が該メダルの通過を検知してカウントして計数するものである。
【0004】
メダル数を計数する店員は、この遊技媒体計数機へメダルの入ったメダル箱を持運びメダル箱のメダルを遊技媒体計数機のホッパーへ投入し計数させる。
しかしながら、メダルが詰る等して遊技媒体計数機が故障した際には、ホッパーに投入したメダルを排出すると共に、計数部等を修理する必要が生じる為、遊技ホール営業中でも遊技媒体計数機の使用を停止しなければならなかった。
また、遊技媒体計数機は短時間で計数できるように設計されてはいるが、それでもメダルの計数に時間を要する場合があり、特にメダル数が大量であった場合や閉店時などには、遊技媒体計数機の使用を待つために狭い遊技ホールに計数待ちの利用者が並んでしまう場合があった。
【0005】
そこで従来は、計数の能率化を計るため、あるいは、メダル詰り等の故障時に対応可能とするため、ホッパー及び回転板を夫々二つ並べ設置したものがあった。たとえは、『ダブル式メダル計数機におけるホッパー』(実公平7−6933号、以下従来例1という。)である。
【0006】
従来例1は、『(請求項1)1台の計数機本体に2個の回転板を備えるダブル式メダル計数機において、計数機本体の上部に配設するホッパー本体の中央を左右に分割すると共に、この分割ホッパー部を各々取り外し自在としてなるダブル式メダル計数機におけるホッパー。』にかかり、図14に表すように、計数対象であるメダルをホッパー本体104の分割されたホッパー部104a、104bそれぞれへ投入すると、該メダルが漏斗状に形成された分割ホッパー部104a、104bの下部に有するホッパー孔111から回転板102上に落下する。そして、該回転板102の高速回転に伴う遠心力でメダルを1枚ずつにして計数側通路に送出し、通路に設ける計数部が通路を運ばれてきたメダル数を計数するものである。
【0007】
そして従来例1では、仮に一方の回転板102がメダル咬み込み等で停止した場合でも、この詰りを修理しているときでも、上部のホッパー本体104は中央を分割した構成としてなるため、故障した側の一方の分割ホッパー部(たとえば分割ホッパー104a)を単に外して修理を行えばよく、残る分割ホッパー部104b側は正常に利用可能であるため、この分割ホッパー部104bに対しては今まで通りメダルを投入し計数を行うことが可能にできた。
【0008】
又、遊技媒体計数機内への遊技媒体の投入を阻止する従来例として『パチンコ玉計数機の玉投入口自動閉止装置』(特許第2593826号、以下、従来例2という。)を以下に説明する。
従来例2は、『(請求項1)パチンコ玉の投入口を開閉する機能を有しているシャッター板において、投入した玉を電気的に検出し、計数回路によって計数すると同時に、駆動制御回路で定められた監視時間内に計数回路による計数信号が継続か断絶かを判定し、監視時間内での断絶の場合には計数信号の終端信号と判定し、前記信号を前記計数回路と接続している駆動制御回路へ送り、さらに該回路に接続された駆動部を動作させ、この駆動部と接続しているシャッター板を玉計数後の短い時間を以て自動的に移動させ、シャッター板によって玉投入口を閉じるようにしたことを特徴とするパチンコ玉計数機の玉投入口自動閉止装置。』にかかる。
【0009】
従来例2はパチンコ玉の計数機に対して実施されている自動閉止装置であり、計数回路によって計数する際、監視時間内に計数回路にパチンコ玉を計数した信号が発生するか否かを監視し、計数信号が発生しなければ、駆動部を動作させてシャッター板を移動させ玉投入口を閉じるものである。
詳細には、図15及び図16に表すように、パチンコ玉計数機の玉投入口自動閉止装置は、パチンコ玉計数装置200内の底部側に設置されている。パチンコ玉計数装置200は、収納ケース201に投入されたパチンコ玉203を計数する装置であり、収納ケース201の下部には、計数部を備えており、レール231に沿って自然滑落するパチンコ玉203数を計数する。そして、玉投入自動閉止装置は投入されたパチンコ玉203の下方となるように、投入口202に設置され、シャッター板207を移動することで投入口202を閉状態にできる。
【0010】
シャッター板207は、投入したパチンコ玉203を電気的に検出して処理する計数回路によってパチンコ玉の計数が所定時間計カウントされない時に、シャッター板207をソレノイド210等からなる駆動部によって玉計数後の短い時間を以て自動的に移動させ、シャッター板207によって玉投入口202を閉じるようにしたものである。
このように従来例2には、パチンコ玉の計数装置ではあるが計数装置にシャッター板を設けてパチンコ玉の流入を阻止する構成が示されていた。
また、従来例1に表すダブル式メダル計数機のホッパーは、両ホッパーに備える計数機構により同時に計数可能であり且つ別個にも計数可能である。そして、従来例2に表す普通の1のホッパーを備えるシャッター付計数機を単にならべて置いただけでは遊技媒体を投入したとき計数機の間の隙間にこぼれてしまうので、ダブル式メダル計数機ではこの点を考慮して、1の筐体にホッパーをならべて配置し、2つのホッパー上部およびホッパー間の境目より高い胸壁によって囲み、メダル箱の横寸法より長くすることで、メダルを1枚もこぼさずにメダル箱の横方向の側面を胸壁に当接させてメダル箱を反転させ、多量のメダルを一斉に投入することができる。これにより同時に投入された2つのホッパーによって該ホッパーに備える各計数機構により高速に計数することが可能となり有効であった。
【特許文献1】実公平9−6933号公報
【特許文献2】特許第2593826号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
従来例1のようなダブル式メダル計数機では、ホッパー故障時には、詰り等の故障が生じた側のホッパーに既にメダルが投入されており、遊技客はメダル詰り等の故障に気づかずにそのまま更にメダルを投入してしまう場合が多く、いずれにしても詰り等の故障が生じた場合には故障下側のホッパー内に投入されてしまっているメダルを外へ取りだしてから故障の修理等の処置を行わなければならないので、速やかに利用できない側のホッパーへのメダル投入を阻止する必要がある。
しかしながら、従来例1に表すダブル式メダル計数機におけるホッパーでは、このような速やかな処理ができないため、故障等した直後では、故障した側のホッパーを取外すために係員等が直接メダル計数機まで行き、故障した側のホッパーを取外す必要がある。このため、故障した側のホッパーを取外すまでは、誤って故障した側のホッパーへ遊技媒体を投入してしまい、故障した側のホッパー内部から挿入された遊技媒体を取出さなければならず、この取出し作業は困難であった。
【0012】
一方、従来例2には計数機内への遊技媒体の投入を阻止するシャッター板を設ける構成が示されていた。
しかしながら、従来例2は、シングルホッパーであり、しかも投入されたパチンコ玉の下部に位置するシングルホッパーの投入口を閉状態とするものであり、計数機の故障等によって計数できない場合にシャッター板を閉状態としても、ホッパー内にはパチンコ玉の投入ができる状態であり、やはり故障時等に利用者が遊技媒体をホッパー内に投入可能であり修理の際に取出さなければならず、修理作業が速やかに行えず困難であった。
【0013】
更に、シングルホッパーの全体を覆うことのできるシャッターを、従来例1のようなダブルホッパー式の計数機に適用しても、ダブルホッパー全体を覆うことになり、ホッパーから遊技媒体を受入れて計数する計数機構や遊技媒体を計数機構へ搬送させるホッパー機構等が2つ共利用できなくなってしまう。これは、ダブルホッパー式の遊技媒体計数装置が一般的に詰まる等して故障する場合には一方のホッパーのみであるにも拘らず、両方のホッパーを利用できなくしてしまうのでダブルホッパー式の遊技媒体計数装置を有効に利用できないという問題点を有した。
【0014】
更に又、各ホッパーをそれぞれ覆うことのできるホッパー毎のシャッターを、従来例1のようなダブルホッパー式計数機に単に適用しても、シャッターを配設する位置を熟慮しなければならない。即ち、計数機構が故障した側のホッパーに設けたシャッターを閉とした場合、ホッパー間の境目とシャッターとの間に隙間があれば、他方のホッパーにメダルが誤って流入してしまうという問題点を有した。また、各ホッパーの外周を囲う胸壁の高さとシャッター最上部の高さが同じであれば、獲得したメダルを入れるメダル箱の長手方向側面を2つのホッパーに周囲に渡って設けてある胸壁に当接させ、メダル箱を反転させて一気に多量のメダルを投入して故障のない側のホッパーおよび計数機構によって計数させようとした場合、故障した側のホッパーに設けた閉状態のシャッター上面にメダルが載ってしまい、上面に載ったメダルは、胸壁より低くないので計数機外にこぼれてしまうといった問題が発生する。
【0015】
更に又、ホッパーの故障原因が動力用のモータの損傷であった場合には、速やかにモータを停止させなければ火災の虞があるが、ホッパーに遊技媒体を投入可能なままにしておいたのでは、モータへの電力の提供が続くため火災が発生してしまう危険があるという問題点を有した。
【0016】
この発明は、これら問題点に鑑み、複数備えるホッパーのうち、故障等によって使用できないホッパーに対し速やかに遊技媒体の投入ができない状態としたり、故障のない側のホッパーに対し計数機外や故障した側のホッパー内に誤って落としてしまうことがないようにすることが可能な遊技媒体計数機を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0017】
そこで発明者は、ホッパー故障時には、故障のない側のホッパーに対し計数機外や故障した側のホッパー内に遊技媒体を誤って落としてしまうことがないようにすることのできる遊技媒体計数機として、
【0018】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーの上部を塞ぐ開閉手段をホッパー毎に配設可能であることを特徴とする遊技媒体計数機、
【0019】
を提供する。なお、ホッパーとは、上方に大きな開口面積の開口部を有し、下方に小さい開口面積の開口部を有した漏斗形状のもので、例えば樹脂等で形成される。
また、この発明に於て言う遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないとは、以下の如くである。即ち、例えば、シングルホッパーの計数機を単に並べた場合、計数機相互が対面する側壁が湾曲していれば隙間が生じたり、例え各計数機の対面する側壁が密着可能な平面であっても、遊技客や店員の移動により計数機に人体が当れば隙間が生じるので、遊技媒体を投入する際にその隙間から遊技媒体がこぼれてしまう。また、獲得したメダルを入れるメダル箱の長手方向側面を各ホッパーの境界でない最上部の胸壁に当接して、メダル箱を反転させて一気に多量のメダルを投入する際、並べた計数機の筐体間の境目に投入メダルの一部が当って外部に落ちてしまう。このようにホッパー相互から遊技媒体であるメダルが溢れてしまうようなシングルホッパーの計数機を単に並べて置くといったものではなく、並べて置いたシングルホッパーの計数機では、遊技機相互間に隙間が無いように設置させることをいい、しかも各ホッパーは直接的あるいは間接的に連結させたものである。
【0020】
更に尚、開閉手段が閉としたホッパーでは、ホッパー間の境界と閉とした開閉手段の間を隙間のない状態にするとよい。即ち、故障したホッパーを開閉手段によって閉とする場合、投入される遊技媒体がホッパー間の境界と閉とした開閉手段の隙間に落ちてしまうことを防止でき、全て開閉手段を開としたホッパーへ投入できるので好ましい。
尚また、並べて置いたシングルホッパーの計数機は、2台、或いは4台をホッパー相互が密接して連結されるように設置してもよい。
更に発明者は、ホッパー故障時には、故障したホッパーのみを個別に閉状態とできる遊技媒体計数機として、
【0021】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーには、それぞれ個別に開閉駆動可能な開閉手段を設けることを特徴とする遊技媒体計数機、
【0022】
を提供する。従って、遊技媒体計数機では、開閉手段によってそれぞれのホッパーが個別に開閉駆動可能となる。
このように開閉手段を構成することで、たとえば、メダル計数機等の遊技媒体計数機が一般的に備えるエラー信号を連動させることで、故障した側のホッパーが備える開閉手段のみを閉状態となるように駆動させて閉状態とさせる。これにより故障した側のホッパーへは、故障後ただちに遊技媒体の投入ができなくすると共に、正常に駆動している側のホッパーはこれまで通りに利用できる。
尚、メダル計数機等の遊技媒体計数機では一般的に、故障時の装置の損壊等を防止するために自己監視を行っており、故障等により使用できない不具合が生じた場合にはエラー信号を発信し、遊技ホールの管理装置等への通知と同時に、自身のディスプレイ等表示装置に利用者へ故障発生メッセージを表示する。
更にまたこの発明では、遊技媒体計数機の開閉手段を固定できるものとして、
【0023】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーには、個別に鍵を備える開閉手段を設けることを特徴とする遊技媒体計数機、
【0024】
を提供する。これにより遊技媒体計数機では、各ホッパーが開閉手段を備え、その各開閉手段はそれぞれ個別に鍵を備える。そして、各ホッパー毎に鍵をかけることで任意のホッパーの開閉手段閉状態を維持する。この場合の鍵も、前記同様エラー信号等によって自動的に施錠可能に構成してもよい。
また更に、この発明では、遊技媒体計数機の開閉手段を取外せるものとして、
【0025】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーには、それぞれが個別に取外し可能な開閉手段を設けることを特徴とする遊技媒体計数機、
【0026】
を提供する。これにより遊技媒体計数機では、各ホッパー毎に開閉手段を備えると共に該開閉手段はそれぞれ個別に取外すことができる。
そしてこの発明では、前記各遊技媒体計数機における各ホッパー毎に設けた開閉手段を、
【0027】
ホッパー故障時に閉状態とし、ホッパーへの遊技媒体の投入を阻止可能、
【0028】
とすることで、故障時等に任意のホッパーを開閉手段を閉状態にすることで遊技媒体の投入を阻止し、故障したホッパーへの遊技媒体の投入を阻止する。
同様に前記各遊技媒体計数機における各ホッパー毎に設けた開閉手段を、
【0029】
ホッパー故障時に閉状態とすると共に施錠可能であり、ホッパーへの遊技媒体の投入を阻止可能
【0030】
とすることで、故障時等に任意のホッパーを開閉手段を閉状態にすることで遊技媒体の投入を阻止し、故障したホッパーへの遊技媒体の投入を阻止するのに加え、該ホッパーの開閉手段を施錠することで、容易に閉状態を解除できない。
更にまた、前記各ホッパーに設けた開閉手段がそれぞれ個別に取外し可能な遊技媒体計数機において、取外し可能な開閉手段を、
【0031】
スライド式であり、開閉手段相互を重ねて配設可能、
【0032】
とすることで、一方の開閉手段を開状態としたときに、他方の開閉手段が重ねて配設され、一方の開状態とする際に邪魔にならない。
更にまた、前記各ホッパーに設けた開閉手段が、
【0033】
前記各開閉手段は巻いて収納可能、
【0034】
とすることで、開閉手段を開状態としたときにロール状に巻取るので、コンパクトに収納される。
更にまた、前記各ホッパーに設けた開閉手段を、
【0035】
シャッターおよびシャッター収納部からなり、シャッターおよびシャッター収納部が着脱自在
【0036】
とする遊技媒体計数機を提供することで、開閉手段をコンパクトに収納されるのに加え、更に既存の遊技媒体計数機に後付けして開閉手段によるホッパーの開閉が可能となる。
更に、前記遊技媒体計数機は、
【0037】
前記各ホッパー間には開閉手段収納部を設け、開閉手段を該収納部へ収納可能、
【0038】
とすることで、ホッパー間に開閉手段を収納可能となる。
同様に、前記遊技媒体計数機は、
【0039】
前記各ホッパー間には開閉手段立設係止部を設け、開閉手段を該係止部へ立設配置可能、
【0040】
とすることで、開閉手段をホッパー間に立設配置可能となる。
そして更に、上記各遊技媒体計数装置が、上記のような遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれない構成として、
【0041】
前記並設されたホッパー全体の周囲部が胸壁によって各ホッパー間より高くなるよう構成され、前記開閉手段を前記胸壁より下方に配置可能である、
【0042】
遊技媒体計数機を提供するので、全ホッパーの周囲上部をホッパー相互間より高くなるように囲って、例えば一体的となるようにして複数のホッパーがあたかも1の筐体に取付けられて並べられたように構成する胸壁を設ける。そして、該胸壁に対して各ホッパー間が低く構成されるためホッパー内に遊技媒体を投入した際に、ホッパー間に遊技媒体が溢れないのに増して全ホッパーの外へ溢れることもない。尚、全ホッパーを囲繞するように設ける胸壁は、個々のホッパーに一体的に形成しても良いし、全ホッパーあるいは幾つかのホッパーを一体的に形成する場合に胸壁も一体的に形成しても良い。また、個々のホッパーは漏斗状の既存の形状のものを用いこれらのホッパーに設置可能に別体として構成しても良く、全部あるいは幾つかのホッパーが一体的に形成されている場合には、これら一体的に形成されたホッパーに取付け可能に別体として構成しても良い。従って、何れの場合も胸壁はホッパー間より高いことが要件であり、ホッパーへの取付けは適宜選択すれば足りる。このように従来からの漏斗状のホッパーに別体として取付け可能にすることで、従来のホッパーに対しても胸壁を設置可能となり汎用できるので経済的である。
そして、上記胸壁は、ホッパーの周囲部がホッパー間より高くなるようホッパーと一体的に構成してもよく、ホッパー間とホッパー周囲部とが同じ程度の高さとなるホッパーに別体として係止可能に構成し、ホッパーに係止するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0043】
従ってこの発明で提供する遊技媒体計数機では、ホッパーを複数並設された各ホッパーが、同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続させ、各ホッパーには上部を閉塞する開閉手段を配設可能にして構成するので、ホッパー故障時には、故障したホッパーの開閉手段を閉状態とすることができる。これにより、遊技媒体計数機へメダル等の遊技媒体を投入した際には、故障したホッパーでは開閉手段によって該ホッパー内へ遊技媒体が入り込むのを防いで該ホッパーに設けられた計数機が計数しない。そして、故障のないホッパーにのみ投入された遊技媒体が供給されて該ホッパーに設けられた計数機でのみ計数することが可能となる。また遊技媒体投入時には、並設された各ホッパー間に遊技媒体が誤落することを防止できるという効果を有する。
更に前記遊技媒体計数機を、前記並設されたホッパー全体の周囲部に、並設されたホッパー間より高くなるように胸壁を設けて構成し、且つ、前記開閉手段を前記胸壁より下方に配置可能とするので、胸壁によってカバーされるので遊技媒体がホッパー間からこぼれることが無く、しかも開閉手段が開となったホッパーに全ての遊技媒体が投入可能となる。また、全ホッパーの周囲上部をホッパー相互間より高くなるように囲って、例えば一体的となるようにして複数のホッパーがあたかも1の筐体に取付けられて並べられたように構成する胸壁を設ける。そして、該胸壁に対して各ホッパー間が低く構成されるためホッパー内に遊技媒体を投入した際に、ホッパー間に遊技媒体が溢れないのに増して全ホッパーの外へ溢れることがないという本願特有の効果を有する。
【0044】
また、遊技媒体計数機の各ホッパーそれぞれに開閉駆動可能な開閉手段を設けるので、ホッパー故障時等必要に応じ必要なホッパーを閉状態とすることが可能となり、遊技媒体を投入しては困るときには遊技媒体の投入を阻止できるという効果を有する。より具体的には、各ホッパーを独立して開閉駆動できることで、故障を検知したホッパーが発信するエラー信号等に合わせて該ホッパーの開閉手段を閉状態にでき、該ホッパーへの遊技媒体の投入を強制的に阻止可能である。これにより、ホッパー故障時のホッパー回復を早くすることが出来、利用者の利便を損わず、遊技ホール経営の安定が図れる。
同様に、各ホッパーに設ける開閉手段に鍵を設けることで独立して施錠可能とし、閉状態とした開閉手段を容易に開状態にできないので、故障等によって閉状態となったホッパーを、利用者が該ホッパーの開閉手段を誤って或はわざと開けて遊技媒体を投入してしまうというような重度の故障に繋がるような事故を未然に防止可能である。
【0045】
又、開閉手段を個別に取外し可能とすることやホッパー故障時に閉状態とすることで、閉塞手段は故障した側のみを閉状態とし、故障しない側を閉状態としないあるいは取外しておくことができ、閉状態となっていない閉塞手段がホッパーへの遊技媒体の投入を邪魔しない。
更に又、ホッパー故障時に閉状態とする開閉手段に鍵を設けて施錠可能とすることで、故障したホッパー側の閉状態を容易に開状態とできなくさせ、開閉手段を利用者が勝手に開状態として遊技媒体を投入することを防止できる。
【0046】
更に又、開閉手段をスライド式で且つ相互に重ねて配設可能とすることで、一方の開閉手段であるスライドドアを開状態とする場合に他方の開閉手段であるスライドドアが邪魔にならない。
更に又、開閉手段を巻取り収納可能とすることで、開状態とした際にロール状に巻取ることができ、収納スペースをコンパクトにできる。
更に又、開閉手段をシャッター及びシャッター収納部から構成し、シャッター及びシャッター収納部を着脱自在とすることで、閉状態でシャッターがシャッター収納部へ収納可能とすることで、巻取って収納する際に、巻取ったシャッターが他の部材等に接触して開閉がスムーズに行かなかったり故障したりすることを防止できる。更にはシャッターを収納した状態でシャッター収納部が着脱自在なので、開閉手段を付属しない製品と開閉手段を付属した製品とを同一筐体で販売可能となるので、筐体等開閉手段に関する部品の汎用が可能となる。更に、開閉手段を付属しない製品を購入後に、後付で開閉手段を取付け可能なので、開閉手段を付属しない製品を買い換えることなく低コストで開閉手段を付属した製品へのグレードアップが可能となる。
【0047】
更に又、開閉手段をホッパー間に収納可能とするので、開閉手段によってホッパーを閉状態としていない時には、開閉手段がスマートに収納でき装置の外観をすっきりさせることができる。
更に又、開閉手段をホッパー間に立設配置可能とすることで、ホッパーに遊技媒体を投入する際に、ホッパー相互で遊技媒体が混入することを防止でき、各ホッパーをそれぞれ別の利用者が利用できる。これにより各ホッパーが計数できる遊技媒体を別種とした場合に混入が起こると異種遊技媒体の混入による装置の故障等の原因となるが、これを防止可能である。、
【発明を実施するための最良の形態】
【0048】
遊技媒体計数装置は、左右に連設され投入される遊技媒体を受領するホッパー部を備える。また、各ホッパー部の下部には、下方から順次送られる遊技媒体をホッパー部毎にカウント可能な計数部を設ける。計数部は、計数した際に信号を発生し、カウント信号として出力する。従って、各ホッパー部はそれぞれが独立して遊技媒体をカウントされる。
更に、各計数部の計数した結果を表示可能な表示部を備え、且つ、各計数部が計数した値をそれぞれのホッパー部毎に集計して表示させるかそれぞれのホッパー部毎の計数値を別々に表示させるかを設定によって選択処理し、それぞれに仕様に従って表示部に表示させる制御部を備える。また、各計数部の計数した結果を加算して表示させるように設定によって選択処理することもできる。この制御部は、更にホッパー部の異常を検出するセンサーからの異常信号に基づいて、エラー信号を出力可能である。そして遊技媒体計数装置は、このエラー信号によって遊技媒体計数装置の表示部に表示させることも可能であり、更にはホールコンピュータ等のシステムに対して出力し、遊技媒体計数装置を管理させるための信号としても利用される。
【0049】
左右に連設するホッパー部は、それぞれ漏斗状に形成されるホッパー本体がホッパー部から取り外し可能である。従って、ホッパー本体は左右独立して取り外せる。
ホッパー本体は、それぞれ隣合うホッパー側の側縁が他の3辺の側縁より低く構成され、隣合うホッパー側の側縁を除く3辺の側縁が立設された胸壁を構成するので、連設された2つのホッパー全体では、全ホッパーの外縁を胸壁が囲繞した状態で、この胸壁より低い位置にホッパー相互が隣接している側縁が位置されている。ホッパー部には、ホッパー本体の漏斗状中央に位置するように高速回転可能な回転板が設けられている。回転板は駆動モータによって高速で回転され、ホッパー本体に投入された遊技媒体であるメダルをはじくと共にその遠心力で、ホッパー本体中央下部に開口するメダル通路へ送る。そして、このメダル通路にはメダルを搬送する搬送ベルトとこれを駆動する駆動部が組み込まれている。搬送ベルトの搬送端にはメダル排出口が設けられている。従って、回転板によって1枚ずつメダル通路へ送り込まれたメダルは搬送ベルトによってメダル排出口へ排出される。
そして、このメダル排出口の手前には、搬送されて排出されるメダルの数を計数する計数部が設けられており計数可能である。従って、前記の通りこの計数部によって左右それぞれのホッパー部毎にメダル数を計数可能である。
【0050】
また、ホッパー本体の上部には左右それぞれに独立して開閉手段を設ける。開閉手段は引き戸からなり、左右ホッパーが引き違いの引き戸となるように設置する。この引き違いの引き戸を以下、引違戸という。そして、遊技媒体計数機本体のホッパー部上部側面には、この引違戸の摺動ガイドとなるレールを設置してある。このレールは、引違戸のうち上部となる側のホッパー部に設置し、下側となるホッパー部では漏斗状のホッパー本体側面に段差を設けてレールとしている。また、左右方向へ引き違える引違戸の前後側面には、遊技媒体計数機本体と係止して引き違い移動できないようにされるための係止孔が穿設されている。
一方、ホッパー部には、閉状態の引違戸の係止孔に対向する上部位置に、ホッパー部から引違戸の係止孔内へ進退自在な閉状態係止手段を設ける。この閉状態係止手段は、遊技媒体計数機本体の前面に設ける鍵と連動し、鍵を掛けることで進出して引違戸と係止し、引違戸が閉状態から開状態をとれないようにするので、鍵および閉状態係止手段が施錠手段を構成する。
【0051】
更に、左右ホッパー部の中央には、引違戸を収納可能な収納部を設ける。収納部は、左右ホッパー部の中央で遊技媒体計数機本体内部に設けてあり、左右ホッパー部を使用している通常使用時には、使用していない引違戸を取り外して該収納部へ収納できるように引違戸2枚分の幅で設けてあり、且つ、引違戸を収納した状態では収納した引違戸の上面がホッパー部の上面と丁度同じになるように設けてある。
更に引違戸は、自動的に開閉移動可能な移動手段によって開閉可能に構成する。移動手段は、モータからなる駆動部とモータによって移動されるチェーンからなり、該チェーンが左右ホッパー部それぞれの左右端に設けたプーリー等によってガイドされるように遊技媒体計数機本体に設けてある。そして、チェーンは引違戸の左右移動側側面の前後端それぞれに、駆動部およびプーリを経由してり取り付けられ、モータの駆動によって引違戸を左右方向へ移動可能に、引違戸の左右移動側側面のそれぞれ上下端に固定される。従って、駆動部を駆動することで、左右の引違戸はそれぞれ独立して自動的に開閉可能である。
【0052】
このように構成する遊技媒体計数機本体では、左右の引違戸を独立して開閉制御可能に構成する。即ち、計数機本体のホッパー部上部制御部の制御により種々な動作を行うことが可能である。即ち、制御部では、計数部が計数異常を来す等した際にエラー信号を発信するとともにエラーを発生した側のホッパー部を利用不能とさせるために該ホッパー部側の引違戸を、該引違戸を移動させる駆動部を駆動させて該引違戸を閉状態とするように移動制御可能である。これにより、使用不能となったホッパー部への遊技媒体の投入を阻止できる。
更に、前記施錠手段をソレノイド装置によって制御可能とし、使用不能となったホッパー部を、引違戸を移動させることで閉状態にするとともに施錠手段の閉状態係止手段を引違戸の係止孔へ挿入するように移動させるように移動し、閉状態となった引違戸が遊技者によって無理矢理開状態とされないようにしてもよい。
【実施例1】
【0053】
以下に、この発明の実施例1を図面に基づき説明する。図1はこの発明の実施例1を表す斜視説明図であり、図2は同ホッパー本体を取外した状態を表す斜視説明図であり、図3は同一方の開閉手段を開状態とした状態を表す斜視説明図であり、図4はホッパー本体及び開閉手段を取外した状態を表す斜視説明図であり、図5は図1を背面側から見た背面斜視説明図であり、図6は開閉手段を表す斜視説明図であり、図7は実施例1の開閉駆動手段を図示した斜視説明図であり、図8は観音扉上の開閉手段を表す断面説明図であり、図9は実施例2を表す斜視説明図であり、図10は実施例2のホッパー本体を表す斜視説明図であり、図11は開閉手段をホッパー本体中央に立設した状態を表す斜視説明図であり、図12はホッパー本体一体型の胸壁を表す説明図であり、図13は別体型の胸壁を表す説明図である。
【0054】
1は、遊技媒体計数装置である。遊技媒体計数装置1は、左右にホッパー部2を連接してなる。ホッパー部2は、単体の遊技媒体計数機であり、図2や図3に表すように、ホッパー部2に投入される遊技媒体を計数可能である。ホッパー部2は、遊技媒体であるメダルが投入されると、投入されたメダルの枚数を計数する計数機である。尚、計数する対象である遊技媒体は、メダルの場合もあればパチンコ玉の場合もあり、それぞれを計数可能な計数装置であればよい。この実施例では、左右両側のホッパー部2がメダル計数機である場合を説明するが、図4に表すように、左右のホッパー部2を一方はメダル用他方はパチンコ玉用というように異なる遊技媒体用として使用してもよく、あるいは、左右のホッパー部2ともにメダル計数機ではあるが異なる径や形状のメダルを計数可能な異なるホッパー部2としてもよい。
【0055】
まず、ホッパー部2を説明する。図4は、ホッパー部2を分解した状態を説明する斜視図であり、左側のホッパー部2はパチンコ玉計数機として機能し、右側のホッパー部2はメダル計数機として機能するよう、左右異なる遊技媒体をそれぞれ計数可能とした遊技媒体計数装置1の説明図である。メダル計数機としてのホッパー部2は、図4に表すように、右側のホッパー部2であり、ホッパー部2の上部に位置して取り外し可能に形成されるホッパー本体21と、ホッパー本体21の下部に位置するように計数部であるホッパーメダル送り部22と、ホッパーメダル送り部22から送られてくるメダルを計数する計数部23とからなる。
ホッパー本体21は、この実施例では、左右のホッパー部2それぞれのホッパー本体21を一体的に連続して形成する。ホッパー本体21は、図2に表すように、下方が狭く形成された漏斗形状を成す右ホッパー本体21aと左ホッパー本体21bとを連設し、漏斗状の下部中心には、ホッパーメダル送り部22へ投入されたメダルを滑落させる孔21iを開口する。
ホッパーメダル送り部22は、図4に表すように、中央に高速で回転する回転板22aを有し、回転板22aと同軸で回転板から上方へ突出されて回転板22aと同様に高速で回転する攪拌部22bを立設する。この攪拌部22bは、ホッパー本体21の孔21iに位置し、ホッパー本体21に投入されたメダルを孔21i位置で攪拌し、下方の回転板22aへスムーズに流れるようにしている。更に、回転板22aが設けられた一端には、メダル通路22cを設ける。メダル通路22cは、計数対象であるメダルが通過できる厚さおよび幅で形成される。この実施例では、右ホッパー本体21aは直径25mmのメダルを計数するので、25mmより稍広い幅に設ける。更に、該通路22cの先には計数部23が設けられている。メダル通路22cは、詳述しないが、横に寝た状態のメダルの下側両端を支持するとともに、上方よりメダル方向に付勢された搬送ベルトによって搬送されて計数部23へ送られる。メダル通路22cは、メダルの直径がメダル通路22cのメダル下側両端を支持する寸法に満たない場合規定寸法25mmに満たない例えば硬貨などは下方に落下するように形成されている。メダル通路22cは、詳述しないが、横に寝た状態のメダルを上下に挟んで搬送する搬送ベルトによって計数部23へ送られる。
【0056】
計数部23は、メダル通路22cを搬送されて計数部23を通過する際に通過したメダルをカウントする。従って、メダルが通過するたびにカウントして計数可能である。このカウントは、計数部23がカウントするたびにカウント信号を出力し、別途設ける制御部14がこのカウント信号を入力して積算計数してもよいが、この実施例では計数部23が積算計数する。尚、制御部14は、ホッパー部2が備えるエラーセンサー(図示せず)等が出力するエラー信号を入力し該エラー信号によって適宜エラー処理を行う。例えば、ホッパー本体21bがメダル詰まりを起こし、ホッパー本体21b内にメダルがあることを関知していながら所定時間計数部23が計数しなかった場合には異常が発生していると判断し、係員に通知したり、あるいは引違戸3に開閉手段を設けた場合には左ホッパー本体21bの左引き戸3bを閉じて鍵を掛ける等の所定の処置をとらせる。
ホッパーメダル送り部22および計数部23は一体的に形成されており、ホッパー本体21を含めホッパー部2を形成する。そしてホッパー部2は、ホッパー本体21を上方に移動して分離可能に構成する。そしてこのように構成するホッパー部2は遊技媒体計数装置1の筐体11内に収納される。即ち、遊技媒体計数装置1は、ホッパー部2を収納する収納部を開口して形成する筐体11と、筐体11の前方に位置して操作および表示を行う操作部12とからなり、操作部12は筐体11に固定され、表示部13および操作ボタン16を表面に露出してなる。
【0057】
このように形成する遊技媒体計数装置1の筐体11に、ホッパー部2が左右に連設して設けられている。即ち、図2に表すように、右側のホッパー部2と左側のホッパー部2とは左右に連設され、ホッパー本体21をホッパーメダル送り部22上部にかぶせた状態に設置されている。この状態でホッパー本体21は筐体11から上方へ取外し可能である。また、一体的に構成されたホッパーメダル送り部22及び計数部23は投入されたメダルを計数可能なホッパーユニット2aを構成する。そしてホッパーユニット2aは、図5に表すように、ホッパー本体21を取外した状態で筐体11背面に設ける背面扉15を開いて筐体背面から筐体外部へ取外し可能である。このホッパーユニット2aの取外しは予めホッパー本体21を遊技媒体計数装置1の上方へ取外した状態で行う。
ホッパーユニット2aは、メダルを計数可能なユニットであるが、図4中の下部左に表すように、パチンコ玉の計数が可能な計数ユニット2bを用いることもできる。計数ユニット2bは、メダル用のホッパーユニット2aと同じ形状の筺体2b1内を、傾斜する複数のレーン2b2によって仕切り、各レーン2b2の下部にはゲート状に計数部23を設ける。このように傾斜した複数のレーン2b2を設けることで、筺体2b1内に投入されるパチンコ玉は、レーン2b2の傾斜に沿って計数部23側へ移動し、ゲート状の計数部23を通過し、筺体2b1背面に設ける排出口(図示せず)からパチンコ玉が排出される。計数部23は、パチンコ玉が通過するたびにその数をカウントする。
【0058】
このようにパチンコ玉用の計数ユニット2bをメダル用ホッパーユニット2aと同形状に構成することで遊技媒体計数装置1の左右のホッパー部2は、カセット式に背面扉15から交換可能となり、交換して取り付けたホッパーユニット2aあるいは計数ユニット2bはいずれもホッパー本体21を上方から被せることで計数するパチンコ玉あるいはメダルの遊技媒体を投入可能となる。従って、遊技媒体計数装置1は両方のホッパー部をメダル用の計数機としても利用可能であり、一方のホッパー部2をパチンコ玉用の計数機として他方のホッパー部2をメダル用の計数機としても利用可能であり、または、いずれのホッパー部2もパチンコ玉の計数機としても利用可能となる。
次いで、ホッパー本体21の上部でホッパー本体21上面を閉塞する開閉手段について説明する。開閉手段は、実施例1では引違戸3からなる。引違戸3は、図1に表すように、右ホッパー本体21a上面を覆う引き戸3aと左ホッパー本体21bの上面を覆う引き戸3bとからなり、左引き戸3bが右引き戸3aの上部となり引き違い可能である。従って、左引き戸3bを右引き戸3a側へ移動すると、左引き戸3bは右引き戸3aの上部に位置し、左ホッパー本体21bの上面が開口し、遊技媒体であるメダルを投入可能となる。また、右引き戸3aを左引き戸3b側へ移動すると、右ホッパー本体21a上面が開口し、遊技媒体であるメダルを投入可能となる。
【0059】
引違戸3は、図6に表すように、表面に開閉のために手を掛ける取っ手部32を設けた板状体からなる扉本体31からなる。扉本体31の幅および長さは、それぞれ扉本体31がホッパー本体21上面を閉塞可能な大きさからなる。また、扉本体31には、図6中矢印で表す引き違い方向と交差する側面、即ち前後側面に係止孔33を穿設する。係止孔33は、この実施例では、前後それぞれの側面に2カ所ずつ穿設してなる。図6に表す引違戸3は、左引き戸3bであるが、右引き戸3aも同様に左右対称に形成する。
そこで、筺体11のホッパー部2上部に設けるホッパー本体21は、それぞれ引違戸3を載置可能に形成する。即ち、左右ホッパー本体21の上部は、図2に表すように、上面を右引き戸3aが引き違える幅であり、図1に表すように右引き戸3aを直接載置して引き違い可能である。また、左ホッパー本体21bの上面周囲部の前後壁部21cには引き戸レール24を設ける。引き戸レール24は、引違戸3を閉状態としたときに左引き戸3bが右引き戸3aの上側となって左ホッパー本体21b上部に位置していられるように左引き戸3bの左右方向への摺動をガイドするレールである。更に、閉状態とした引違戸3の左右引き戸3a、3bに穿設した係止孔33と対向する位置には、閉状態係止手段21dを設ける。この閉状態係止手段21dは、左右のホッパー部2それぞれを使用しているときには筺体11内に位置し、ホッパー本体21を閉状態とするときには引違戸3側へ進出するように引違戸3側へ進退可能である。そして、閉状態係止手段21dは、引違戸3を閉状態とするときには引違戸3側へ進出し、引違戸3に穿設した係止孔33内に進入して引違戸3を開状態へできないよう閉状態を維持可能とさせる。
【0060】
この閉状態係止手段21dは、筺体11の正面に設ける鍵4と連動し、鍵4を施錠側へ回転すると閉状態係止手段21dが引違戸3側へ進出して係止孔33と係止して引違戸3をロックする。鍵4は、右引き戸3aおよび左引き戸3bそれぞれの施錠用に設けられている。
尚、閉状態係止手段21dは、ソレノイド装置(図示せず)によって進退可能に構成してもよい。
また、引違戸3は、開閉駆動手段5によって自動的に開閉可能に構成し、制御部14がエラーを検知して左右いずれかあるいは両方のホッパー本体21を閉状態とするために、所望のホッパー本体21の左右いずれかの右引き戸3a、3bあるいは両方の引き戸3a、3bを開閉駆動手段5を駆動させて開閉させる。この場合には、開閉駆動手段5は動力を得る駆動部51と、駆動部51の動力により引違戸3を移動させるチェーン52と、筺体11内で稼働自在に固定され、チェーン52をガイドするプーリー53とから構成する。そして、左引き戸3bを開閉する開閉駆動手段5を説明すると、左引き戸3bの摺動側両端に、チェーン52の両端を固定し、筺体11の左右内部にはプーリー53を回動自在に固定する。そして、チェーン52をプーリー53に掛け渡すことでそれぞれの両端が張った状態となるように掛け渡す。この掛け渡されたチェーン52の中間部のいずれか位置に駆動部51を設置固定し、チェーン52を送るように駆動可能とさせる。このように開閉駆動手段5を設け、駆動部51の駆動制御を制御部14が行うことで、チェーン52が移動することにより左引き戸3bが左右いずれの方向へも移動可能となる。制御部14による駆動部51の制御は、右引き戸3aの上方に位置して開状態となっている左引き戸3bを、例えば左ホッパー本体21b内がメダル詰まりを起こしてエラーとなったことを制御部14が検知して、左引き戸3bとチェーン52に歯合するギヤとを接続させて回転運動を左引き戸3bのスライド運動に変換し、駆動部51を駆動させ、左ホッパー本体21bを閉状態となるように移動させる。これにより左引き戸3bは左ホッパー本体21bの上面を閉塞し、左ホッパー本体21b内へのメダルの投入を阻止可能となる。また、右ホッパー本体21a内がメダル詰まりを起こしてエラーとなった場合も同様に右引き戸3aを駆動させる。
【0061】
更に、閉状態係止手段21dを移動させるためのソレノイド(図示せず)を筺体11内部の閉状態係止手段21d位置に設け、閉状態係止手段21dをこのソレノイドにより引違戸3側へと進退可能に構成する。この場合に、ソレノイド(図示せず)は、制御部14により制御され、左引き戸3bが開閉駆動手段5によって左ホッパー本体21bを閉状態とした後に左引き戸3b側の閉状態係止手段21dを左引き戸3b側へ突出するように移動させることで、閉状態となった左引き戸3bを閉状態係止手段21dによって施錠し、開状態へ移動できないようにすることができる。
このような開閉駆動手段5およびソレノイドを右引き戸3aにも設け、制御部14によって開閉制御することで、それぞれ左右ホッパー部2を独立して開閉制御可能とするとともに施錠可能とする。
【0062】
また、ホッパー本体21の右ホッパー本体21aおよび左ホッパー本体21b中間部には、収納スリット21eを穿設する。収納スリット21eは、引違戸3をホッパー本体21の上方へ取り外し左右ホッパー部2のいずれかあるいは両方を使用可能にしたときに、引違戸3の右引き戸3aおよび左ホッパー本体21bあるいはいずれか一方を遊技媒体計数装置1内に収納するための収納口であり、図2中左右方向へ扉本体31の2枚分よりやや大きな幅で、ホッパー本体21の前後方向に扉本体31の幅よりやや大きな長さに開口する。また、遊技媒体計数装置1の内部にも、扉本体31を収納可能なスペースを設ける。即ち、ホッパー本体21に設けた収納スリット21eと対向する遊技媒体計数装置1内部には、収納した扉本体31の長さに相当する深さにスペースを設け、扉本体31収納時に該収納した扉本体31の上面側側面がホッパー本体21表面の収納スリット21e高さとなるようにスペースがとられている。また、収納時に扉本体31をガイドするように、筺体11内部の収納スリット21eの長さ側両端には、断面コ字状のガイドレール(図示せず)をそれぞれコ字状開口部が対向するように両端に設置する。そして、収納する扉本体31は、このガイドレール(図示せず)の対向するコ字状凹部に両端が入り込みガイドされながら筺体11内部に収納可能である。この蓋は、扉31の片側のみを収納スリット21eに収納する場合に対応して、他方の片側の扉31のスペース分ずつ収納スリット21eを覆うことができるよう収納スリット21eの短手側の寸法の半分ずつの寸法で2つの蓋を設けてなる。
【0063】
また、この実施例では、収納スリット21eを扉本体31が2枚とも収納できる幅に設け、扉本体31を2枚収納できるように構成したが、図11に表すように、収納スリット21eを、扉本体31を1枚収納可能な幅に設け、収納スリット21eと並べて開閉手段立設係止部である扉本体立設部21fを設けてもよい。この場合には、扉本体立設部21fは前記収納スリット21eを設置した際に筺体11内部に対向設置したコ字状のガイドレール(図示せず)の対向する1対を扉本体立設部21fとして立設保持する高さとなる筺体11内部まで、例えば、収納スリット21eから下方へ7cm程度とする場合には7cm程度の深さまで設ける。更に扉本体立設部21fは、該深さ以上には落ち込まないようコ字状に立設した扉本体立設部21fの下方に壁体(図示せず)を設けて扉本体31がこれ以上下方へ移動しないように構成する。このように扉本体立設部21fを設けることで、左右ホッパー部2の両方をメダルあるいはパチンコ玉の計数装置として使用した場合に、左右それぞれのホッパー部2を独立構成でき、それぞれ隣り合うホッパー部2へ投入するメダルあるいはパチンコ玉の混入を防止可能である。
尚、実施例1では、開閉手段を引違戸3としたが、図8に表すように、それぞれホッパー本体部2の中央側を支点に上方へ観音扉状に開閉可能な開閉扉3cとしてもよい。
【0064】
21gは胸壁である。胸壁21gは、ホッパー本体21に構成される。胸壁21gは、図1および図4に表すように、複数連設された全てのホッパー本体21周囲を囲むように立設される。この時胸壁21gの高さは、隣合う右ホッパー本体21aおよび左ホッパー本体21bの境目であるホッパー中間部21hより高くなるように設ける。このように胸壁21gをホッパー中間部21hより高く設けることで、全てのホッパーが同じ種類の遊技媒体であるメダルを引受可能な時に、同時にホッパー本体21内に大量のメダルを投入しても、胸壁21gによってホッパー本体21外部へ投入メダルが溢れることを防止すると共に、投入されたメダルは利用可能なホッパー本体21へ投入されることとなる。また、何れかのホッパー本体21がホッパー本体21が同じ種類の遊技媒体であるメダルを引受可能であり且つ引違戸3あるいはシャッター6によって一部のホッパー本体21が利用できないように上部を閉状態としてあった場合に、投入されたメダルが閉状態の引違戸3あるいはシャッター6上に乗っても、引違戸3あるいはシャッター6上に乗った投入されたメダルは、ホッパー中間部21hが胸壁21gより低いので胸壁21gによってホッパー本体21外部へ溢れることを防止できる。そして、引違戸3あるいはシャッター6上に位置されたメダルは、利用者等が利用可能な隣のホッパー本体21へ掻き出して投入すればよい。
【0065】
また、この実施例では図4に表すように、ホッパー本体21は全てのホッパー部を1つの遊技媒体引受部として一体的に形成させたが、各ホッパー本体21を図12に表すように別体に構成してもよい。即ち、左側に位置させる胸壁21g一体型のホッパー本体21は図12(a)のように左側縁にも胸壁21gを設け且つ右側縁には胸壁21gより低い位置となる中間部21hを設けたものを用い、右側に位置させる胸壁21g一体型のホッパー本体21は図12(b)のように右側縁にも胸壁21gを設け且つ左側縁には胸壁21gより低い位置となる中間部21hを設けたものを用いればよい。更に、ホッパー本体21を3つ以上連設して用いる場合には、図12(c)のように左右両側の縁部が胸壁21gより低いホッパー中間部21hとなるように構成する胸壁21g一体型のホッパー本体21を用いればよく、この中間部用ホッパー本体21を複数用いればいくつでも連設して構成可能となる。
また、この実施例では、胸壁21gはホッパー本体21と一体的に形成された構成するが、例えば図13に表すように、ホッパー本体21とは別体として胸壁21gを構成してもよい。この場合、1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機を、例えば、3台ホッパーが連続するよう複数併設させる場合に対応して、ホッパー上部に胸壁21gである(a)(b)(c)を取り付ける。このようにすることで、各計数機のホッパー間の高さより胸壁部を高くでき、複数の店員が1の遊技客について複数の箇所から同時に投入しても外部にメダルがこぼれてしまうことなく、非常に早く計数作業を終えることができる。更に詳述する。即ち、図13(a)に表すものが、左側に設けるホッパー本体21に係止させて左側縁の胸壁21gを構成する左側縁胸壁21gユニットであり、同図13(b)に表すものが、右側に設けるホッパー本体21に係止させて右側縁の胸壁21gを構成する右側縁胸壁21gユニットであり、同図13(c)に表すものが中間部に設けるホッパー本体21に係止させて中間部の胸壁21gを構成する中間部胸壁21gユニットである。この場合には、胸壁21gを全てのホッパー本体21周囲部を囲繞するような1つの胸壁21gから構成しても良く、また図13に表すように、図12に表した各ホッパー本体21の構成と同様に左右それぞれの構成のものおよび中間部のものを設け、連設されるそれぞれのホッパー本体21上部に、予めホッパー本体21に設けた係止部と係止させて用いるように構成してもよい。勿論、胸壁21gは、連設されたホッパー部2全体を囲繞するように、図13に表す左右及び中央用の胸壁21gを一体に構成して連設された全てのホッパー部2上部の周囲部を囲繞するようにしても良い。
【0066】
この場合には、ホッパー本体21は、胸壁21gを構成していなくともよいので、計数部23等を備えた単体として計数可能なホッパー本体21を備えた計数ユニットを用いることができるので、単体として用いていた既存の計数ユニットを複数並設させ、図12に表すような胸壁21gをそれぞれの計数ユニットのホッパー本体21へ係止させ、連設した複数のホッパー部21を備えた遊技媒体計数装置1を構成することができる。
なお、図12および図13においては、3連にてホッパーを連結したものを例示したが、2連続のホッパー1対に、もう1対の2連続のホッパーを対面させて、ホッパー同士が隣接するよう設けて、合計4連続ホッパーを隣接させてもよい。この場合、これら各ホッパーの最上部を更に高くするために図13で示す胸壁21gを、上記4連続ホッパーの外周に設けるようにすると、投入したメダルがホッパー間に当り外部にこぼれてしまうこともない。
また、これら胸壁21gを設けたホッパー本体21にもやはり収納スリット21e、扉本体立設部21f等を設けて構成する。
更に勿論これらの場合でも、それぞれ胸壁21gを備えるホッパー本体21は、パチンコ玉に対応したものとメダルに対応したもの等、利用したい計数ユニットによって適宜選択可能である。
【実施例2】
【0067】
ついで、実施例2を説明する。
実施例2は、図4および図9に表すように、実施例1では引違戸3であった開閉手段を、巻き取り式のシャッター6とした例である。
図9に表すようなシャッター6は、巻き取り可能に巻き簀状に揺動可能に連続される細長い板状からなるシャッター片61aが複数巻き簀状に巻き取り可能に連接されて形成するシャッター本体61と、シャッター本体61を移動させるシャッターチェーン62と、シャッターチェーン62を移動可能なシャッター駆動部63と、シャッター本体61を収納可能なシャッター収納部65、シャッターチェーン62を案内するシャッタープーリー66と、これらを取り付けられ、シャッター6を形作るシャッターフレーム67とからなる。そして、シャッター6はホッパー本体21の下部に位置され、ホッパー本体21の上面をシャッター本体61が閉塞可能である。
【0068】
シャッター6を設けるホッパー本体21は、ホッパー本体21上部側のうち遊技媒体計数装置1設置時に奥側(操作部12側)および手前側(操作部12とは反対側)並びに右ホッパー本体21aと左ホッパー本体21bとの間を切欠してシャッター移動スペース7をH字状に穿設する。H字状に設けたシャッター移動スペース7のうち、『H』の横棒に相当するスペース71が左右ホッパー本体21の中間に位置する中間スペース部71を形成し、それ以外のスペースがシャッターガイドスペース72を形成する。
このようにホッパー本体21にシャッター移動スペース7を形成することで、シャッター6をホッパー本体21の下部に位置させてもシャッター6をホッパー本体21の上面を覆うように移動可能にできる。
即ち、遊技媒体計数装置1は、図4および図9に表すように、シャッター6をホッパー本体21の下部に位置するように設ける。
【0069】
シャッター6は、骨組みによってホッパー本体21よりやや小さな薄い箱形状をなすフレーム67によって形作られ、ホッパー本体21下部に収納された状態において、隣り合う右ホッパー本体21a、ホッパー本体21bの中間部下方に位置するようにシャッター収納部65をそれぞれのホッパー本体21a、21bに設ける。尚、シャッター6は左右ホッパー本体21a、21b下方においては左右対称に設置されるため、以下には左ホッパー本体21b下部に位置される部分のシャッター6を説明するが、右ホッパー本体21a下部に位置される部分のシャッター6も左ホッパー本体21b下部に位置される部分と同様の構成であるので説明を省略する。
シャッターフレーム67の略中央部には遊技媒体計数装置1の手前から奥方向に掛けてシャッター収納部65を固定する。シャッター収納部65は、内部にシャッター本体61を巻き取り収納可能である。
【0070】
シャッター本体61は、幅狭な細長い板状体からなるシャッター片61を複数連結してなる。そして連結されたシャッター片61は相互に連結部を支点に巻き簀状に回動自在である。このシャッター本体61は、基端部がシャッター収納部65内部に固定され、畳んである自由端がシャッター収納部65から引き出される。このとき引き出されるシャッター本体61は、シャッター本体61側のシャッタープーリー66aに案内される。このシャッタープーリー66aは、シャッター移動スペース7の中間スペース部71下部に位置されて、シャッター本体61の移動側先端を、左ホッパー本体21b上面開状態では上方の中間スペース部71間に位置させている。また、シャッター本体61の遊技媒体計数装置1手前側および奥側の両端部はシャッターチェーン62に係止されてシャッターチェーン62とともに移動される。シャッターチェーン62は、シャッターガイドスペース72の内側に位置するように、各シャッタープーリー66によって支持されているので、シャッター本体61は、シャッターチェーン62とともに中間スペース部71およびシャッターガイドスペース72の内側で支持・移動されることとなる。また、シャッターチェーン62は、左ホッパー本体21bの左側下部に設置されるシャッター駆動部63によって移動される。従って、シャッター駆動部63が駆動されると、シャッター駆動部63の駆動に伴いシャッターチェーン62が移動されることとなり、シャッターチェーン62に係止されているシャッター本体61もこれに伴い移動される。そして、このシャッター本体61の移動は、シャッター移動スペース7内側に駆動系を有して行われ、外部にはシャッター本体61が見えるのみで行える。
【0071】
シャッター駆動部63の駆動制御は、操作部12に設ける所定の操作ボタンの操作によって、左ホッパー本体21b上面を覆っている状態のシャッター本体61を巻き取ってシャッター収納部65に収納させたり、あるいは収納状態のシャッター本体61を引き出して左ホッパー本体21b上面を覆うように閉状態となるよう移動させる。また、手動操作ではなく自動制御も可能である。即ち、制御部14がホッパー部2から左右いずれかあるいは両方の計数異常等のエラーを検知したときに、エラーを検知したホッパー本体21上面を閉塞するようにエラーが発生したホッパー本体21側のシャッター駆動部63を開状態から閉状態へと移動するように駆動する。これにより、シャッター本体61によって当該ホッパー本体21上面を閉塞できる。また、計数が所定時間なされなかった場合にシャッターを閉とするようにしてもよい。
【0072】
また、実施例2では、シャッター6を閉状態で係止させる閉状態係止手段21dは、筺体11側に固定されシャッターチェーン62に対して進退自在であり、進退することで、シャッターチェーン62と係止あるいは係止解除可能である。そして閉状態係止手段21dは鍵4と連動され、鍵4の操作により、シャッターチェーン62と係止することで、シャッターチェーン62の移動を阻害し、シャッターチェーン62にとともに移動するシャッター本体61の移動を阻止する。尚、この閉状態係止手段21dも実施例1同様に制御部14の制御によって操作することで、ホッパー本体21内でのメダル詰まり等のエラー時には自動的に閉状態に移動させたシャッター本体61をロックして無理矢理開状態とすることを阻止可能である。
このように構成するシャッター6は、シャッターフレーム67を筺体11の内側にて着脱自在に係止できるよう、簡単な操作、即ち数本のボルト締めや、シャッターフレーム67に設ける凸部突起と筺体11側に設ける凹部溝とを数カ所で嵌合させて着脱自在に取り付ける構成とすることで、シャッター6を設けない構成の従来型の遊技媒体計数装置1に対して、予め筺体11に該凹部溝を設けておけば、後々該筺体11にシャッター6を後付けすることも可能となる。
尚、開閉手段は上記各実施例のような引違戸やシャッター形状の他、複数のシャッター板からなり、ホッパー本体21上面を閉塞するように移動したシャッター板が順次隣り合うシャッター板を引き出してホッパー本体21上面を閉塞し、開状態とするときも、開状態とする方向へ移動されたシャッター板が隣り合うシャッター板と係止して順次隣り合うシャッター板を開状態とするように移動するような開閉手段でもよい。更にまた、いずれの実施例でも開閉手段は左右方向へ移動するように説明したが、奥側から手前側、あるいは手前側から奥側へと開閉移動するように設けてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0073】
この発明は遊技媒体を計数可能な遊技媒体計数装置に実施可能であり、遊技媒体計数装置を用いて構成するパチンコホールあるいはメダルゲームホールのシステム全体の一部として利用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】実施例1を表す斜視説明図
【図2】実施例1のホッパー本体を取外した状態を表す斜視説明図
【図3】実施例1の一方の開閉手段を開状態とした状態を表す斜視説明図
【図4】ホッパー本体及び開閉手段を取外した状態を表す斜視説明図
【図5】図1を背面側から見た背面斜視説明図
【図6】実施例1を開閉手段を表す斜視説明図
【図7】実施例1の開閉駆動手段を図示した斜視説明図
【図8】観音扉上の開閉手段を表す断面説明図
【図9】実施例2を表す斜視説明図
【図10】実施例2のホッパー本体を表す斜視説明図
【図11】開閉手段をホッパー本体中央に立設した状態を表す斜視説明図
【図12】ホッパー本体一体型の胸壁を表す説明図
【図13】別体型の胸壁を表す説明図
【図14】従来例1を表す断面説明図
【図15】従来例2を表す斜視説明図
【図16】従来例2の部分を表す斜視説明図
【符号の説明】
【0075】
1 遊技媒体計数装置
11 筐体
12 操作部
13 表示部
14 制御部
15 背面扉
16 操作ボタン
2 ホッパー部
2a ホッパーユニット
2b 計数ユニット
21 ホッパー本体
21a 右ホッパー本体
21b 左ホッパー本体
21c 前後壁部
21d 閉状態係止手段
21e 収納スリット
21f 扉本体立設部
21g 胸壁
21h ホッパー中間部
21i 孔
22 ホッパーメダル送り部
22a 回転板
22b 攪拌部
22c メダル通路
23 計数部
24 引き戸レール
3 引違戸
3a 右引き戸
3b 左引き戸
31 扉本体
32 取っ手部
33 係止孔
4 鍵
5 開閉駆動手段
51 駆動部
52 チェーン
53 プーリー
6 シャッター
61 シャッター本体
61a シャッター片
62 シャッターチェーン
63 シャッター駆動部
65 シャッター収納部
66 シャッタープーリー
67 シャッターフレーム
7 シャッター移動スペース
71 中間スペース部
72 シャッターガイドスペース

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーの上部を塞ぐ開閉手段をホッパー毎に配設可能であることを特徴とする遊技媒体計数機。
【請求項2】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーには、それぞれ個別に開閉駆動可能な開閉手段を設けることを特徴とする遊技媒体計数機。
【請求項3】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーには、個別に鍵を備える開閉手段を設けることを特徴とする遊技媒体計数機。
【請求項4】
遊技媒体が投入されるホッパーを1の筐体に複数並設させるか、または1のホッパーを有する筐体をホッパーが連続するよう複数並設させ、並設させた各ホッパーは同時に投入された遊技媒体がホッパー間からこぼれないように接続されており、各ホッパーに対応して計数機構を備え、各計数機構がホッパーに投入された遊技媒体をそれぞれ計数すると共に各計数機構の計数を別個または同一に取扱い可能な遊技媒体計数機であって、
各ホッパーには、それぞれが個別に取外し可能な開閉手段を設けることを特徴とする遊技媒体計数機。
【請求項5】
前記各ホッパーに設ける各開閉手段は、ホッパー故障時に閉状態とし、ホッパーへの遊技媒体の投入を阻止可能な請求項1乃至請求項4のいずれかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項6】
前記各ホッパーに設ける各開閉手段は、ホッパー故障時に閉状態とすると共に施錠可能であり、ホッパーへの遊技媒体の投入を阻止する請求項1乃至請求項5のいずれかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項7】
各ホッパーに設ける個別に取外し可能な開閉手段は、スライド式であり、開閉手段相互を重ねて配設可能である請求項1、請求項2、または、請求項4の何れかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項8】
前記開閉手段は、巻いて収納可能な請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項9】
前記開閉手段は、シャッターおよびシャッター収納部からなり、シャッターおよびシャッター収納部が着脱自在である請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項10】
前記各ホッパー間には開閉手段収納部を設け、開閉手段を該収納部へ収納可能である請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項11】
前記各ホッパー間には開閉手段立設係止部を設け、開閉手段を該係止部へ立設配置可能である請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の遊技媒体計数機。
【請求項12】
前記並設されたホッパー全体の周囲部が胸壁によって各ホッパー間より高くなるよう構成され、前記開閉手段を前記胸壁より下方に配置可能であることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体計数機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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