説明

遊技媒体計数装置

【課題】利用者が遊技媒体毎に投入口を誤るおそれをなくし、投入した遊技媒体毎に振り分けてそれぞれの数量を計数することができる遊技媒体計数装置を提供する。
【解決手段】互いに形状の異なる第1遊技媒体と第2遊技媒体の両方を同時に投入可能とする投入口と、前記投入口に投入した第1遊技媒体と第2遊技媒体とを区別して振り分ける振り分け部と、前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体を計数する第1遊技媒体計数手段と、前記振り分け部により振り分けられた第2遊技媒体を計数する第2遊技媒体計数手段とを備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシン等の遊技機に用いられる遊技媒体の計数を行う遊技媒体計数装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機にはパチンコ球、スロットマシンにはメダルが遊技媒体として用いられている。近年の遊技場にあっては、パチンコ遊技機、スロットマシン等の両方の遊技機が設置されていることが多い。そうすると、遊技媒体の計数を行うに当たり、パチンコ球、メダルの遊技媒体毎に異なる計数装置を設置しており、施設内の場所の占有が問題となっていた。
【0003】
そこで、一台の装置にパチンコ球とメダルの双方の計数機能を持たせ、相互の遊技媒体同士の交換を可能とする装置が提案された(特許文献1参照)。この特許文献1の装置によると、確かに施設内の場所の問題解決には有効である。
【0004】
しかし、同装置はパチンコ球用とメダル用の投入口はそれぞれ別々に設けられており、本来定められている種類の投入口とは異なる投入口の側に誤った遊技媒体を投入してしまうおそれがあり、遊技媒体の計数を正しく行うことができない。そのため、現状では、装置の利用者に投入口を間違えないように注意を喚起するより他はなかった。
【特許文献1】特開2002−320760公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は上記の点に鑑みなされたものであり、利用者が遊技媒体毎に投入口を誤るおそれをなくし、投入した遊技媒体毎に振り分けてそれぞれの数量を計数することができる遊技媒体計数装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
すなわち、請求項1の発明は、互いに形状の異なる第1遊技媒体と第2遊技媒体の両方を同時に投入可能とする投入口と、前記投入口に投入した第1遊技媒体と第2遊技媒体とを区別して振り分ける振り分け部と、前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体を計数する第1遊技媒体計数手段と、前記振り分け部により振り分けられた第2遊技媒体を計数する第2遊技媒体計数手段とを備えることを特徴とする遊技媒体計数装置に係る。
【0007】
請求項2の発明は、前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体と第2遊技媒体とを各々異なる所定の位置に誘導する第1遊技媒体誘導部と第2遊技媒体誘導部とを備え、前記第1遊技媒体計数手段は前記第1遊技媒体誘導部に備えられると共に前記第2遊技媒体計数手段は前記第2遊技媒体誘導部に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0008】
請求項3の発明は、前記振り分け部により振り分けられ前記第1遊技媒体誘導部により誘導される第1遊技媒体を貯留する第1遊技媒体貯留部と、前記振り分け部により振り分けられ前記第2遊技媒体誘導部により誘導される第2遊技媒体を貯留する第2遊技媒体貯留部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0009】
請求項4の発明は、前記振り分け部が、前記投入口から第1遊技媒体を投入した場合に前記第2遊技媒体計数手段による計数を阻止すると共に、前記投入口から第2遊技媒体を投入した場合に前記第1遊技媒体計数手段による計数を阻止する阻止手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0010】
請求項5の発明は、前記阻止手段が、第1遊技媒体を前記第2遊技媒体誘導部への通過を不可能とすると共に第2遊技媒体を前記第2遊技媒体誘導部への通過を可能とする遊技媒体通過規制部を有することを特徴とする請求項4に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0011】
請求項6の発明は、第1遊技媒体は略球形状でありかつ第2遊技媒体は略円盤形状であり、前記阻止手段は複数の棒部材からなり、前記複数の棒部材の下向きに傾斜する先端に前記第1遊技媒体誘導部を備えていると共に前記複数の棒部材の直下に前記第2遊技媒体誘導部を備えており、前記遊技媒体通過規制部を構成する前記複数の棒部材同士の間隔を第1遊技媒体の直径よりも小さくすると共に前記複数の棒部材同士の間隔を第2遊技媒体の板厚さよりも大きくして略平行に配置していることを特徴とする請求項5に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0012】
請求項7の発明は、前記複数の棒部材の下向きに傾斜する先端に配置され、前記複数の棒部材と前記第1遊技媒体誘導部との連接部分に第1遊技媒体を通過可能とすると共に第2遊技媒体を通過不可能とする大きさを有する第1遊技媒体通過孔を設けていることを特徴とする請求項6に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0013】
請求項8の発明は、前記複数の棒部材のいずれもが、断面視で該棒部材の高さに対する最高点となる一点から水平とならずに下方向に向けて傾斜した傾斜辺を形成していることを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0014】
請求項9の発明は、互いに隣接して配置される前記複数の棒部材同士の高さが異なっていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0015】
請求項10の発明は、互いに隣接して配置される前記複数の棒部材同士の傾斜辺が同一直線上に位置して配置されていることを特徴とする請求項9に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0016】
請求項11の発明は、前記複数の棒部材は壁部によって囲まれた箱形状内に取り付けられており、前記複数の棒部材のうち並び方向の最端部に位置する棒部材を前記壁部に密接させると共に前記並び方向の最端部に位置する棒部材の取付け位置を上位側として配置していることを特徴とする請求項9又は10に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0017】
請求項12の発明は、前記第1遊技媒体計数手段あるいは前記第2遊技媒体計数手段により計数された計数値を所定個数の第1遊技媒体に対する所定個数の第2遊技媒体の予め定められた変換比率に基づいて演算する演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0018】
請求項13の発明は、前記演算手段により算出された算出値に基づき投入した第1遊技媒体の個数に相当する所定個数の第2遊技媒体に交換して払い出す第2遊技媒体払出手段と、前記演算手段により算出された算出値に基づき投入した第2遊技媒体の個数に相当する所定個数の第1遊技媒体に交換して払い出す第1遊技媒体払出手段とを含む遊技媒体変換手段とを備えることを特徴とする請求項12に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【0019】
請求項14の発明は、前記第1遊技媒体計数手段あるいは前記第2遊技媒体計数手段により計数された計数値に基づいて前記演算手段により算出された一方の遊技媒体の算出値が払い出すべき他方の遊技媒体の個数に対して同等でない場合、前記一方の遊技媒体の算出値と前記払い出すべき他方の遊技媒体の個数に相当する他方の遊技媒体との余剰分を一方の遊技媒体により払い出す余剰遊技媒体払出手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の遊技媒体計数装置に係る。
【発明の効果】
【0020】
請求項1の発明に係る遊技媒体計数装置によると、互いに形状の異なる第1遊技媒体と第2遊技媒体の両方を同時に投入可能とする投入口と、前記投入口に投入した第1遊技媒体と第2遊技媒体とを区別して振り分ける振り分け部と、前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体を計数する第1遊技媒体計数手段と、前記振り分け部により振り分けられた第2遊技媒体を計数する第2遊技媒体計数手段とを備えるため、少なくとも2種類の遊技媒体を投入した場合に、各遊技媒体毎に振り分けることが可能であると共に、各遊技媒体を計数する際にその計数値の誤差を極力抑制することが可能である。
【0021】
請求項2の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項1に記載の発明において、前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体と第2遊技媒体とを各々異なる所定の位置に誘導する第1遊技媒体誘導部と第2遊技媒体誘導部とを備え、前記第1遊技媒体計数手段は前記第1遊技媒体誘導部に備えられると共に前記第2遊技媒体計数手段は前記第2遊技媒体誘導部に備えられているため、第1遊技媒体及び第2遊技媒体を各々別の場所に誘導することができる。そして、第1遊技媒体と第2遊技媒体を区別して各遊技媒体毎に計数することが可能である。
【0022】
請求項3の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項2に記載の発明において、前記振り分け部により振り分けられ前記第1遊技媒体誘導部により誘導される第1遊技媒体を貯留する第1遊技媒体貯留部と、前記振り分け部により振り分けられ前記第2遊技媒体誘導部により誘導される第2遊技媒体を貯留する第2遊技媒体貯留部とを備えているため、第1遊技媒体及び第2遊技媒体を各遊技媒体毎に別々に貯留することが可能である。
【0023】
請求項4の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の発明において、前記振り分け部が、前記投入口から第1遊技媒体を投入した場合に前記第2遊技媒体計数手段による計数を阻止すると共に、前記投入口から第2遊技媒体を投入した場合に前記第1遊技媒体計数手段による計数を阻止する阻止手段を備えているため、第1遊技媒体及び第2遊技媒体が各々別の遊技媒体計数手段により計数されることを阻止することができ、結果として、各遊技媒体が計数される際の誤差の発生を抑制することが可能である。
【0024】
請求項5の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項4に記載の発明において、前記阻止手段が、第1遊技媒体を前記第2遊技媒体誘導部への通過を不可能とすると共に第2遊技媒体を前記第2遊技媒体誘導部への通過を可能とする遊技媒体通過規制部を有するため、第1遊技媒体を第2遊技媒体誘導部へ誘導することを阻止することができると共に、第2遊技媒体のみを第2遊技媒体誘導部へ誘導することが可能である。
【0025】
請求項6の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項5に記載の発明において、第1遊技媒体は略球形状でありかつ第2遊技媒体は略円盤形状であり、前記阻止手段は複数の棒部材からなり、前記複数の棒部材の下向きに傾斜する先端に前記第1遊技媒体誘導部を備えていると共に前記複数の棒部材の直下に前記第2遊技媒体誘導部を備えており、前記遊技媒体通過規制部を構成する前記複数の棒部材同士の間隔を第1遊技媒体の直径よりも小さくすると共に前記複数の棒部材同士の間隔を第2遊技媒体の板厚さよりも大きくして略平行に配置しているため、第1遊技媒体のみを第1遊技媒体誘導部へ誘導することが可能であると共に、第2遊技媒体誘導部への誘導を阻止することが可能であり、第2遊技媒体のみを分別して第2遊技媒体誘導部へ誘導することができる。
【0026】
請求項7の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項6に記載の発明において、前記複数の棒部材の下向きに傾斜する先端に配置され、前記複数の棒部材と前記第1遊技媒体誘導部との連接部分に第1遊技媒体を通過可能とすると共に第2遊技媒体を通過不可能とする大きさを有する第1遊技媒体通過孔を設けているため、第1遊技媒体のみを第1遊技媒体誘導部へ誘導可能であり、第2遊技媒体が第1遊技媒体誘導部へ誘導されることを阻止可能である。
【0027】
請求項8の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項6又は7に記載の発明において、前記複数の棒部材のいずれもが、断面視で該棒部材の高さに対する最高点となる一点から水平とならずに下方向に向けて傾斜した傾斜辺を形成しているため、略円盤形状の第2遊技媒体のみが棒部材により振り分けられることとなり、各遊技媒体は、目的としない誘導部へ誘導されるおそれは低減される。また、各遊技媒体が複数の棒部材上で停留する等のおそれをも低減される。結果として、各遊技媒体はスムーズに各々の遊技媒体誘導部へ誘導されることが可能である。
【0028】
請求項9の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項6ないし8のいずれか1項に記載の発明において、互いに隣接して配置される前記複数の棒部材同士の高さが異なっているため、スムーズに第2遊技媒体が第2遊技媒体誘導部へ誘導されることが可能である。
【0029】
請求項10の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項9に記載の発明において、互いに隣接して配置される前記複数の棒部材同士の傾斜辺が同一直線上に位置して配置されているため、第2遊技媒体は複数の棒部材の間で停留するおそれが低減されるため、スムーズに第2遊技媒体誘導部へ抵抗を受けずに第2遊技媒体誘導部へされることが可能である。
【0030】
請求項11の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項9又は10に記載の発明において、前記複数の棒部材は壁部によって囲まれた箱形状内に取り付けられており、前記複数の棒部材のうち並び方向の最端部に位置する棒部材を前記壁部に密接させると共に前記並び方向の最端部に位置する棒部材の取付け位置を上位側として配置しているため、壁部と棒部材の間で各遊技媒体が留まり、各遊技媒体誘導部へ誘導されなくなるおそれは低減される。結果として、スムーズに各遊技媒体は各遊技媒体誘導部へ誘導されることが可能である。
【0031】
請求項12の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項1ないし11のいずれか1項に記載の発明において、前記第1遊技媒体計数手段あるいは前記第2遊技媒体計数手段により計数された計数値を所定個数の第1遊技媒体に対する所定個数の第2遊技媒体の予め定められた変換比率に基づいて演算する演算手段を備えるため、少なくとも2種類の遊技媒体において、一方の所定個数の遊技媒体に相当する他方の遊技媒体の演算が可能となる。
【0032】
請求項13の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項12に記載の発明において、前記演算手段により算出された算出値に基づき投入した第1遊技媒体の個数に相当する所定個数の第2遊技媒体に交換して払い出す第2遊技媒体払出手段と、前記演算手段により算出された算出値に基づき投入した第2遊技媒体の個数に相当する所定個数の第1遊技媒体に交換して払い出す第1遊技媒体払出手段とを含む遊技媒体変換手段とを備えるため、少なくとも2種類の遊技媒体において、各遊技媒体相互間の交換を行うことが可能である。
【0033】
請求項14の発明に係る遊技媒体計数装置によると、請求項13に記載の発明において、前記第1遊技媒体計数手段あるいは前記第2遊技媒体計数手段により計数された計数値に基づいて前記演算手段により算出された一方の遊技媒体の算出値が払い出すべき他方の遊技媒体の個数に対して同等でない場合、前記一方の遊技媒体の算出値と前記払い出すべき他方の遊技媒体の個数に相当する他方の遊技媒体との余剰分を一方の遊技媒体により払い出す余剰遊技媒体払出手段を備えているため、一方の遊技媒体における遊技媒体計数手段により計数された計数値を演算手段により算出された算出値が払い出すべき他方の遊技媒体の個数に対して同等でない場合に、第1遊技媒体と第2遊技媒体の一方あるいは両方の合計数量により、投入したいずれか一方の遊技媒体と同等の価値の遊技媒体として払い出すことが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下添付の図面に従って本発明を詳細に説明する。図1は本発明の一実施例に係る遊技媒体計数装置の全体斜視図、図2は同遊技媒体計数装置の分解斜視図、図3は同遊技媒体計数装置の全体正面図、図4は図3のA−A線における断面図、図5は同遊技媒体計数装置の全体左側面図、図6は図5のB−B線における断面図、図7は図5のC−C線における断面図、図8は阻止手段を示す概略断面図、図9及び図10は遊技媒体通過規制部を示す概略断面図、図11は第1遊技媒体通過孔付近の概略図、図12は阻止手段の側面視による概念図、図13は別例に係る阻止手段の概略断面図、図14は同遊技媒体計数装置のシステム制御を簡略に示すブロック図である。
【0035】
図1及び図2を用い、実施例の遊技媒体計数装置を説明する。この遊技媒体計数装置10は、互いに形状の異なる遊技媒体として、パチンコ遊技機に用いられている遊技球(パチンコ球)及びスロットマシンに用いられているメダル(コインとも言う)の両方の投入数を計数し、互いの遊技媒体同士で交換可能とする計数装置である。本実施例において、第1遊技媒体とは遊技球であり、第2遊技媒体とはメダルであるものとして記載する。
【0036】
実施例の遊技媒体計数装置10は上段部10a、中断部10b、下段部10cの主に3つに区分される。遊技媒体計数装置10の上段部10aには、遊技球とメダルの両方を同時に投入可能とする投入口11と、投入口11に投入された遊技球とメダルとを区別して振り分ける振り分け部50が備えられる。符号12は表示操作部であり、適宜のタッチパネル式の液晶表示部からなり、装置の利用者は表示内容に指を触れることにより操作を可能としている。15は投入口を形成する壁部であり、振り分け部の周囲を取り囲んだ箱形状である。
【0037】
図2等からも理解されるように、遊技媒体計数装置10の中段部10bには、振り分け部50により振り分けられた遊技球は第1遊技媒体計数手段である遊技球投入計数スイッチ21により計数される。遊技球投入計数スイッチ21は透過光を検出する光学式や電磁式等のいずれの構成であっても良い。また、振り分け部50により振り分けられたメダルは第2遊技媒体計数手段であるメダルホッパ22により計数される。メダルホッパ22は、メダルの直径より若干大きな穴が形成されたターンテーブル状をしており、回転しながらメダルを一枚ずつ計数することができる。
【0038】
遊技媒体計数装置10の中段部10bには、投入口11に投入後振り分けられた遊技球を誘導する遊技球誘導空間13(第1遊技媒体誘導部)、その直下に遊技球貯留部31(第1遊技媒体貯留部)が形成される。遊技球貯留部31に貯留された遊技球は遊技球取り出し口35から取り出される。同じく、投入口11に投入後振り分けられたメダルを誘導するメダル誘導空間14(第2遊技媒体誘導部)、その直下にメダル貯留部32(第2遊技媒体貯留部)が形成される。メダル貯留部32に貯留されたメダルはメダル取り出し口36から取り出される。
【0039】
遊技媒体計数装置10の下段部10cには、排出用遊技球貯留部41と排出用メダル貯留部42が備えられている。符号43は遊技球排出口、44はメダル排出口、45は遊技球計数払出部(第1遊技媒体払出手段、余剰遊技媒体払出手段)、46はメダル計数払出部(第2遊技媒体払出手段)、48はメダル補給口である。
【0040】
図3のA−A線における断面を示した図4から把握されるように、投入口11に備えられた振り分け部50は、後述するように阻止手段として複数の棒部材51(図8ないし11参照)からなる。振り分け部50に当たる複数の棒部材の下向きに傾斜する先端位置に遊技球誘導空間13(第1遊技媒体誘導部)が備えられ、同時に複数の棒部材の直下にメダル誘導空間14(第2遊技媒体誘導部)が備えられる。
【0041】
遊技球誘導空間13は底面がすり鉢状(漏斗状)とされ、その最下部には遊技球貯留部31と連通する遊技球貯留部連通樋23が遊技球1個分の通過可能な大きさで形成されている。遊技球貯留部連通樋23の間には遊技球投入計数スイッチ21が設けられている。遊技球誘導空間13、遊技球貯留部連通樋23(遊技球投入計数スイッチ21)と通過してきた遊技球は遊技球貯留部31内に収容されている遊技球貯留箱33内に貯留される。
【0042】
メダル誘導空間14も底面がすり鉢状(漏斗状)とされ、その最下部にはメダルホッパ22が設けられメダル貯留部32に接続されている。メダル誘導空間14、メダルホッパ22と通過してきたメダルはメダル貯留部32内に収容されているメダル貯留箱34内に貯留される。
【0043】
遊技球貯留箱33及びメダル貯留箱34は共に中央部分になだらかな突状部33h、34hが設けられている。この突状部33h、34hにより上方から落下して貯留される遊技球やメダルが貯留箱の中央にのみ積もらず、貯留箱の縁に誘導されて貯留される。
【0044】
遊技球貯留箱33内に貯留された遊技球は遊技球取り出し口35により、遊技球貯留箱33を引き出して取り出すことができ、遊技球を回収して空になった遊技球貯留箱33は遊技球貯留部31に再び配置される。同様に、メダル貯留箱34内に貯留されたメダルもメダル取り出し口36により、メダル貯留箱34を引き出して取り出すことができ、メダルを回収して空になったメダル貯留箱34はメダル貯留部32に再び配置される。遊技球貯留箱33及びメダル貯留箱34に貯留された遊技球及びメダルが満杯量になった場合など所定量に達したことを報知するための報知手段を設けてもよい。
【0045】
図5のB−B線における断面図を示した図6及び図5のC−C線における断面図を示した図7から理解されるように、下段部10cには遊技球からメダルあるいはメダルから遊技球へ交換した遊技媒体を遊技者へ払い出すための遊技球を貯留する排出用遊技球貯留部41及び排出用メダル貯留部42を備えている。
【0046】
排出用遊技球貯留部41は底面が遊技球排出口43に向けて傾斜されており、遊技球が遊技球排出口43へ誘導されて排出される。遊技球排出口43付近には遊技球計数払出手段である遊技球計数払出部45が設けられる(図2参照)。排出用遊技球貯留部41には、遊技球補給口47から適宜遊技球が補給される。
【0047】
同様に、排出用メダル貯留部42も底面がメダル排出口44に向けて傾斜されており、メダルがメダル排出口44へ誘導されて排出される。メダル排出口44付近にはメダル計数払出手段であるメダル計数払出部46が設けられる(図2参照)。排出用メダル貯留部42には、メダル補給口48から適宜メダルが補給される。排出用遊技球貯留部41及び排出用メダル貯留部42内に貯留された遊技球及びメダルが残り少なくなった場合に、各遊技媒体の残量が一定量まで減少したことを報知するための報知手段を設けてもよい。
【0048】
実施例の遊技球計数払出部45及びメダル計数払出部46にあっては、図示はしないが各排出部を開閉可能な開閉扉が設けられており、遊技球及びメダルの排出が制御される。また、遊技媒体を交換するために遊技者へ払い出す遊技球及びメダルは、実施例において遊技媒体計数装置10の下段部10cに備えられる排出用遊技球貯留部41及び排出用メダル貯留部42に各々貯留される構成としているが、交換用の各遊技媒体を遊技施設側の設備へ接続して直接供給するようにしてもよい。
【0049】
次に、図8ないし12を用いて遊技球並びにメダル及び振り分け部50の関係等を説明する。遊技球1の直径はDであり、メダル2の板厚さはT、直径はKである(図9参照)。振り分け部50は阻止手段としての複数の棒部材51の組み合わせからなる。
【0050】
まず棒部材51は、図8に示すように、互いに隣接して配置される複数の棒部材51同士の高さが異なっている。また、壁部15によって囲まれた箱形状内に取り付けられており、複数の棒部材51のうち並び方向の最端部に位置する棒部材511を壁部15に密接させると共に並び方向の最端部に位置する棒部材511の取付位置を上位側(高さH1)として配置しており、下位側(高さH2)の棒部材512が隣接して備えられている。このような構成とすることによって、投入された遊技球1及びメダル2は振り分け部50の中央へ誘導され、壁部15付近において棒部材51との間に各遊技媒体が留まることを防止できる。
【0051】
複数の棒部材51のいずれもが、断面視で該棒部材の高さに対する最高点となる一点P1から水平とならずに下方向に向けた隣接する他点P2に下方向に向けて傾斜することによって傾斜辺53が形成されている。図示から自明なように、右傾斜辺531は右下に傾斜されている傾斜辺であり、左傾斜辺532は左下に傾斜されている傾斜辺である。
【0052】
互いに隣接して配置される複数の棒部材51同士の傾斜辺53は同一直線上に位置して配置される。本実施例において上位側の棒部材511の右傾斜辺531と隣接する下位側の棒部材512の右傾斜辺531は単一の直線L1を構成し、棒部材511及び棒部材512は、その直線L1上に配置される。一方、上位側の棒部材511の左傾斜辺532と隣接する下位側の棒部材512の左傾斜辺532も単一の直線L2を構成し、棒部材511及び棒部材512は、直線L2上に配置される。同様にして、いずれの棒部材においても、隣接する一の棒部材51と他の棒部材51の傾斜辺53が同一直線を構成し、その直線上に配置される。
【0053】
仮に、棒部材51を断面視で一辺が水平となるように構成した場合は、メダルが棒部材51の一辺上に留まって遊技媒体通過規制部52を塞いでしまうおそれがある。しかし、前記のように構成することによって、メダルが棒部材の断面視における一点P1上に留まることはなく、いずれかの方向に傾いて遊技媒体通過規制部52を通過し、振り分け部50の真下に位置するメダル誘導空間14へと誘導される。
【0054】
次に、図9及び図10を用いて、遊技球並びにメダル及び振り分け部50との関係を説明する。阻止手段としての複数の棒部材51によって、遊技球1及びメダル2が振り分け部50に投入された場合に、遊技球1(第1遊技媒体)をメダル誘導空間14(第2遊技媒体誘導部)への通過を不可能とすると共に、メダル2(第2遊技媒体)の通過を可能とする遊技媒体通過規制部52が構成されている。
【0055】
遊技媒体通過規制部52を構成する複数の棒部材51同士の間隔Qは、遊技球1の直径Dよりも小さくすると共に、メダル2の板厚さTよりも大きくして略平行に配置されている。すなわち、Q<D、Q>Tの関係が成り立っている。そのため、遊技球1がメダル誘導空間14へ通過できないようにすると共に、メダル2がメダル誘導空間14へ通過することができるようにしている。
【0056】
実施例において、遊技球1及びメダル2が振り分け部50に投入されると、遊技球1の直径Dは複数の棒部材51同士の間隔Qよりも大きいので、遊技媒体通過規制部52により振り分け部50の真下に位置するメダル誘導空間14への誘導が規制される。遊技球1は下向きに傾斜する複数の棒部材51に沿って、その先端に位置する後述の遊技球通過孔55を通過して遊技球誘導空間13へスムーズに誘導される。
【0057】
一方、振り分け部50に投入されたメダル2の板厚さはTであり、複数の棒部材51同士の間隔Qよりも小さいので、遊技媒体通過規制部52を通過して、メダル誘導空間14へ誘導される。前述の通り、棒部材51はいずれも、隣接する一の棒部材51と他の棒部材51の傾斜辺53が同一直線を構成し、その直線上に配置されているため、仮にメダル2が水平方向に平行に投入されても、棒部材51の最高点P1に接触していずれかの方向に傾いて斜辺53に沿うなどしてメダル誘導空間14へ誘導される。
【0058】
次に、図11及び図12を用いて、遊技球通過孔55(第1遊技媒体通過孔)付近の構成について説明する。棒部材51はいずれも下向きに傾斜しており、その先端に遊技球誘導空間13(第1遊技媒体誘導部)を備えていると共に、複数の棒部材51の直下には、メダル誘導空間14(第2遊技媒体誘導部)を備えている。さらに、棒部材51の下向きに傾斜する先端には、遊技球誘導空間13との連接部分であるメダル通過規制板56が備えられ、遊技球通過孔55が形成されている。なお、遊技球通過孔55は、遊技球を通過可能とし、メダルを通過不可能とする大きさに形成されている。
【0059】
遊技球通過孔55が備えられるため、遊技球は遊技球通過孔55を通過して、遊技球誘導空間13へ誘導される。それに対して、メダルは遊技球通過規制部52を通過してメダル誘導空間14へ誘導されるが、仮に下向きに傾斜する複数の棒部材51に沿ってその先端に配置される遊技球通過孔55に到達しても、メダルは通過できないため、棒部材51上でいずれかの方向に傾いてメダル誘導空間14へ誘導される。
【0060】
このように、メダル通過規制板56(遊技球通過孔55)により、遊技球とメダルは確実に振り分けられることが可能である。なお、本実施例において、棒部材51は断面視で略長方形としているが、図13に示すように略扇形51A、逆V字形51Bなどでもよく、また円や楕円形でもよい。また、振り分け部50上において、遊技球を遊技球通過孔(第1遊技媒体通過孔)55側に押し進めて、棒部材51上をスライドする遊技媒体押出部材を設けてもよい。
【0061】
主制御部80は、図14から理解されるように、CPU、ROM、RAM等を備えたコンピューターからなる。CPUは、実施例において、演算手段、遊技媒体変換手段、余剰遊技媒体払出手段に相当し、前記列記した各手段に係る処理は同主制御部80内のRAM、ROM等と連携して適式に各種演算されることにより、遊技媒体計数装置10における各遊技媒体の計数処理等が制御されている。
【0062】
次に、実施例の遊技媒体計数装置10の重要な処理を詳述する。図15のフローチャートから理解されるように、主制御処理MSにおいては、遊技媒体投入総数計数処理(S10)、遊技媒体交換演算処理(S20)、払出口開閉制御処理(S40)、遊技媒体払出総数計数処理(S60)が行われる。
【0063】
遊技媒体投入総数計数処理(S10)では、図16のフローチャートから理解されるように、遊技球投入計数スイッチ21検出の有無が確認され(S11)、遊技球投入計数スイッチ21の検出がある場合には、遊技球投入カウンタC1に1毎加算される(S12)。続いて、メダル投入計数スイッチ22(メダルホッパ)検出の有無が確認され(S13)、メダル投入計数スイッチ22検出がある場合には、メダル投入カウンタC2に1毎加算され(S14)、S10の遊技媒体投入総数計数処理を終了する。
【0064】
S11において遊技球投入計数スイッチ21の検出がない場合、及びS13においてメダル投入計数スイッチ22の検出がない場合には、直後のカウンタ加算は行われない。本実施例においては、前記遊技媒体投入総数計数処理では、投入口11から投入された遊技球及びメダルの総数が計数されるが、投入口には遊技球のみを投入したり、あるいはメダルのみを投入することも当然に可能である。
【0065】
遊技媒体交換演算処理(S20)では、図17及び図18のフローチャートから理解されるように、電源投入時などの初期設定時の有無が確認され(S21)、初期設定時であることが確認された場合、遊技球投入カウンタC1及びメダル投入カウンタC2は0にセットされる(S22,S23)。続いて、メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否か確認される(S24)。なお、前記S21において初期設定時でない場合は、S22及びS23の処理は省略される。
【0066】
次に、メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否か確認される(S24)。 フラグF4が1でない場合、つまりメダルから遊技球へ交換中ではない場合、遊技球→メダル交換中フラグF3が1であるか否か確認される(S25)。フラグF3が1でない場合、つまり遊技球からメダルへ交換中ではない場合、遊技球→メダル交換操作の有無について判断され(S26)、遊技球からメダルへの交換操作がある場合には、遊技媒体投入総数計数処理(S10)で記憶した遊技球投入カウンタC1が読み出される(S27)。
【0067】
そして遊技球からメダルへの変換の計算(遊技球投入カウンタC1の計数値÷変換比率)が行われる。つまり、「C1/5=a・・・b」の演算を行い、演算結果が設定される(S28)。なお、本実施例では遊技球5個にメダル1枚の変換比率とされている。aは払い出されるメダルの枚数、bは払い出される余り遊技球の個数である。その後、遊技球投入カウンタC1は0に設定され(S29)、遊技球→メダル交換中フラグF3は1にセットされる(S30)。S24及びS25において、メダル→遊技球交換中フラグF4が1である場合、あるいは遊技球→メダル交換中フラグF3が1である場合、または、S26で遊技球からメダルへの交換操作がない場合には、S27ないし30は省略され、以降のS31に続く。
【0068】
ここで、例えば、遊技球からメダルに変換される際において、メダルのみに交換される場合、メダル及び余り遊技球に交換される場合、及び1枚のメダルに満たない場合が考えられる。例えば、遊技球40個投入した際には、40÷5=8より、メダルのみ8枚に変換される。また、遊技球47個投入した際には、47÷5=9・・・2より、メダル9枚及び余り遊技球2個に変換される。そして、遊技球3個投入した際には、1枚のメダルに満たないので、余り遊技球3個として払い出されることとなる。
【0069】
次に、メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否か確認され(S31)、該フラグF4が1でない場合、つまりメダルから遊技球へ交換中ではない場合、遊技球→メダル交換中フラグF3が1であるか否か確認される(S32)。フラグF3が1でない場合、つまり遊技球からメダルへ交換中ではない場合、メダル→遊技球交換操作の有無について確認される(S33)。遊技球からメダルへの交換操作がある場合には、遊技媒体投入総数計数処理(S10)により前記制御部80のRAM内に記憶されているメダル投入カウンタC2が読み出される(S34)。
【0070】
そして、メダルから遊技球への変換の計算(メダル投入カウンタC2の計数値×変換比率)が行われる。つまり、「C2×5=c」の演算を行い、演算結果cが設定される(S35)。本実施例では前述の通り、メダル1枚は遊技球5個に相当する。ここで、cは払い出される遊技球の個数を表す。その後、メダル投入カウンタC2は0に設定される(S36)。メダルから遊技球に変換する場合に、例えば、メダル10枚投入した際には遊技球50個に変換されることとなる。
【0071】
次に、メダル→遊技球交換中フラグF4を1にセットされ(S37)、当該S20の遊技媒体交換演算処理を終了する。なお、S31及びS32において、メダル→遊技球交換中フラグF4が1である場合、及び遊技球→メダル交換中フラグF3が1である場合、並びにS33においてメダル→遊技球交換操作がない場合には、S34ないしS37の処理は省略され、S20の遊技媒体交換演算処理を終了する。
【0072】
前記遊技媒体交換演算処理(S20)においては、メダルから遊技球へ、あるいは遊技球からメダルへ交換する際に、各遊技媒体の価値が同等となるように交換可能な演算がされる。実施例では、一方の遊技媒体の個数が他方の遊技媒体の個数の整数倍となる比率(メダル1枚は遊技球5個に相当する)として演算式が設定されているが、一方の遊技媒体の個数が他方の遊技媒体の個数の整数倍とならない比率として演算式を設定してもよい。一例として、メダル2枚は遊技球5個に相当するとして演算式を設定することも可能である。
【0073】
前記一例において、メダルから遊技球に変換する場合において、メダル20枚を投入した際には、遊技球50個に変換される。また、メダル23枚を投入した際には、遊技球57個及び余りメダル1枚として変換される。そして、メダル1枚を投入した際には、余りメダル1枚として払い出されることとなる。
【0074】
一方、遊技球からメダルに交換される場合においては、遊技球50個投入した際には、メダル20枚に変換される。また、遊技球53個投入した際には、メダル20枚及び遊技球3個に変換される。そして、遊技球3個投入した際には、余り遊技球3個として払い出されることとなる。
【0075】
次に、払出口開閉制御処理(S40)では、図19のフローチャートから理解されるように、遊技球→メダル交換中フラグF3が1であるか否か確認される(S41)。なお、フローチャート上では示さないが、初期設定時にはメダル払出口開放フラグF5及び遊技球払出口開放フラグF6は0にセットされており、双方の払出口は閉鎖されている。ここで、F3=1である場合には、メダル及び余り遊技球の両方、あるいは一方が払い出しとして想定されるため、各遊技媒体の排出口43、44の両方あるいは一方を、開放あるいは閉鎖することとなる。フラグF3が1である場合、つまり遊技球からメダルへ交換中である場合、a≦0(aは払い出されるメダルの枚数)であるか否かが判断される(S42)。
【0076】
aが0以下でない場合、つまり払い出すべきメダルがある場合、メダル払出口開放フラグF5は1にセットされ(S43)、メダル払出口開放フラグF5が0であるか否かが判断される(S44)。なお、S42において、aが0以下である場合、つまり払い出すべきメダルがない場合、メダル払出口は閉鎖した状態とされ、S43の処理は省略される。
【0077】
メダル払出口開放フラグF5が0でない場合、b≦0(bは払い出される余り遊技球の個数)であるか否かが判断される(S45)。bが0以下でない場合には、払い出すべき余り遊技球があることから、遊技球払出口開放フラグF6が1にセットされる(S46)。そして、遊技球払出口開放フラグF6が0であるか否かが判断され(S47)、該フラグF6が0である場合、遊技球払出口が閉鎖され(S48)、払出口開閉制御処理S40を終了する。
【0078】
また、S47において、遊技球払出口開放フラグF6が0でない場合、メダル払出口開放フラグF5が0であるか否かが判断され(S51)、該フラグF5が0である場合、メダル払出口が閉鎖され(S52)、S51においてメダル払出口開放フラグF5が0でない場合には、そのまま当該払出口開閉制御処理S40は終了する。
【0079】
一方、S41において、遊技球→メダル交換中フラグF3が1でない場合、つまり遊技球からメダルへ交換中でない場合、メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否かが判断される(S49)。ここで、F4=1であることは、払い出しとして遊技球のみが考えられるため、遊技球排出口43のみが開放あるいは閉鎖することとなる。フラグF4が1である場合、つまりメダルから遊技球へ交換中である場合、c≦0(cは払い出される遊技球の個数)であるか否かが判断される(S50)。cが0以下でない場合には、払い出すべき遊技球があることから、直接遊技球払出口開放フラグF6が1にセットされ(S46)、S47以降の処理に続く。
【0080】
また、S44においてメダル払出口開放フラグF5が0である場合、つまりメダル払出口が開放されていない場合、S45においてb≦0である場合、つまり払い出すべき余り遊技球がない場合、S49においてメダル→遊技球交換中フラグF4が1でない場合、つまりメダルから遊技球へ交換中でない場合、S50においてc≦0である場合、つまり払い出すべき遊技球がない場合には、直接遊技球払出口開放フラグF6が0であるか否かが判断される(S47)。
【0081】
払出計数処理(S60)では、遊技媒体交換演算処理(S20)により計数された遊技媒体a(払い出されるメダルの枚数),b(払い出される余り遊技球の個数),c(払い出される遊技球の個数)の払出数の計数がされる。図20及び図21のフローチャートから理解されるように、遊技球→メダル交換中フラグF3が1であるか否か確認される(S61)。フラグF3が1である場合、つまり遊技球からメダルへ交換中である場合、メダル払出口開放フラグF5が0であるか否かが判断され(S62)、該フラグF5が0でない場合、メダル払出検出の有無が確認される(S63)。
【0082】
メダル払出検出がある場合、払出メダル数aから1ずつ減算される(S64)。つまり、メダル排出口からメダル1枚が払い出される毎に1枚ずつ減算される。次にa≦0(aは払い出されるメダルの枚数)であるか否かが確認され(S65)、aが0以下である場合は、メダルが全て払い出されたことになるので、メダル払出口開放フラグF5が0にセットされ(S66)、メダル排出口は閉鎖される(S67)。
【0083】
続いて、メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否かが確認される(S68)。フラグF4が1である場合、つまりメダルから遊技球へ交換中である場合、c≦0(cは払い出される遊技球の個数)であるか否かが判断される(S69)。cが0以下でない場合、払い出すべき遊技球があることから、遊技球払出検出の有無が判断され(S70)、遊技球払出検出がある場合には、払い出し遊技球数cから1ずつ減算される(S71)。すなわち、遊技球払出口から遊技球1個が払い出される毎に1減算され、払出計数処理S60は終了する。
【0084】
なお、S61において、遊技球→メダル交換中フラグF3が1でない場合、S63において、メダル払出検出がない場合、S65において、aが0以下でない場合は、直接にメダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否かが判断され(S68)、以降の処理が行われる。
【0085】
次に、S62において、メダル払出口開放フラグF5が0である場合には、F6が0であるか否かが確認される(S72)。フラグF6が0でない場合には、余り遊技球払出検出の有無が確認される(S73)。余り遊技球払出検出がある場合、払い出し余り遊技球数bから1ずつ減算される(S74)。すなわち、遊技球払出口から遊技球1個が払い出される毎に1個ずつ減算される。
【0086】
続いて、b≦0(bは払い出される余り遊技球の個数)であるか否かが確認される(S75)。bが0以下である場合には、遊技球払出口から払い出される余り遊技球が全て払い出されたことになるので、遊技球払出口開放フラグF6が0にセットされ(S76)、遊技球払出口が閉鎖され(S77)、メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否かが判断される(S68)。
【0087】
なお、S72において遊技球払出口開放フラグF6が0である場合、遊技球→メダル交換中フラグF3が0にセットされ(S81)、直接S68の処理に続く。また、S73において、余り遊技球払出検出がない場合、S75において、bが0以下でない場合にも、直接メダル→遊技球交換中フラグF4が1であるか否かが判断される(S68)。すなわち、遊技球からメダル及び余り遊技球の交換及び払出が終了したことを意味する。本実施例では、上述の通り、遊技球からメダル及び余り遊技球の払出は、メダルを先に払いだし、その後余り遊技球を払い出す構成としているが、この実施例に限られず、余り遊技球をメダルより先に払い出したり、メダル及び余り遊技球を同時に払い出してもよい。
【0088】
また、S68において、フラグF4が1でない場合、つまりメダルから遊技球へ交換中でない場合及びS70において遊技球払出検出がされない場合、そのまま払出計数処理S60は終了する。一方、S69においてcが0以下である場合、遊技球払出口から払い出される遊技球が全て払い出されたことになるので、メダル→遊技球交換中フラグF4は0にセットされる(S78)。また、遊技球払出口開放フラグF6も0にセットされ(S79)、遊技球払出口を閉鎖して(S80)、払出計数処理S60は終了する。
【0089】
このように、遊技球投入計数スイッチ21(第1遊技媒体計数手段)あるいはメダルホッパ22(第2遊技媒体計数手段)により計数された計数値に基づいて算出された一方の遊技媒体の算出値は、払い出すべき他方の遊技媒体の個数に相当する他方の遊技媒体との余剰分を一方の遊技媒体により払い出される。
【0090】
上述の実施例に基づいて、遊技球及びメダルの両方を遊技媒体計数装置に投入してメダルに交換する場合を想定して以下に説明する。通常、遊技者が獲得した遊技球はいわゆる遊技媒体貯留箱に一時的に貯留されるが、例えば、遊技者が遊技機で獲得した遊技球2309個をメダルに交換する場合において、その遊技媒体貯留箱には、遊技球の他にメダルも5枚入っていたものとする。
【0091】
遊技者は、遊技媒体貯留箱に収納された遊技球2309個及びメダル5枚を投入口11から投入する。すると、投入された遊技球及びメダルは、振り分け部50により、遊技球は遊技球誘導空間13へ、メダルはメダル誘導空間14へ誘導される。振り分け部50には棒部材51(阻止手段)が備えられるので、遊技球はメダル誘導空間14への誘導が阻止されると共に、メダルが遊技球誘導空間へ移動することも阻止される。
【0092】
遊技球誘導空間13及びメダル誘導空間14へ誘導された遊技球及びメダルは、1つずつ遊技球投入計数スイッチ21あるいはメダルホッパ22により計数される。遊技球の総数2309個及びメダルの総数5枚が計数された後、各遊技媒体ごとに貯留部31、32へ貯留される。
【0093】
続いて、遊技者がタッチパネル式の液晶表示部からなる表示操作部12にある遊技球→メダル操作部を操作すると、上記の通り、計数された計数値を用いて、所定個数の遊技球に対するメダルの予め定められた変換比率に基づいて演算される。そして、算出された算出値に基づき投入した遊技球の個数に相当する所定個数のメダルに交換されて払い出される。メダルから遊技球へ交換する場合も同様である。
【0094】
ここでは、遊技球5個がメダル1枚に相当するとして、交換比率を設定し、以下の演算が行われるものとする。2309÷5=461・・・4と算出されて、初めにメダル排出口44が開放され、461枚のメダルの払い出しが行われる。ここで、払い出しメダルがメダル計数払出部46を通過することにより、1枚ずつ払い出しメダル数が計数され、461枚から減算して0になった際に、メダル排出口44が閉鎖される。
【0095】
この実施例のように、変換比率に基づいて算出された遊技球の算出値が払い出すべきメダルの個数に対して同等でない場合は、遊技球の算出値と払い出すべきメダルの個数に相当する遊技球との余剰分が遊技球により払い出される。具体的には、遊技球排出口43が開放し、余り遊技球4個が払い出される。ここで、払い出し余り遊技球が遊技球計数払出部45を通過することにより、1個ずつ払い出し余り遊技球数が計数され、4個から減算して0になった際に、遊技球排出口43が閉鎖される。
【0096】
一方、遊技者が表示操作部12にあるメダル→遊技球操作部を操作すると、上述のように、5(枚)×5(比率)=25(個)が演算されて、遊技球排出口43が開放され、遊技球25個が払い出される。ここで、払い出し遊技球が遊技球計数払出部45を通過することにより、1個ずつ払い出し余り遊技球数が計数され、25個から減算して0になった際に、遊技球排出口43が閉鎖される。
【0097】
本発明は、上述の実施例に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて構成の一部を適宜変更することができる。例えば、投入口から投入した遊技球及びメダルは、遊技球からメダルへあるいはメダルから遊技球へ交換することなしにそのまま払い出す構成としてもよい。また、振り分け部を備えた上段部を公知のメダルホッパー等に設けて本実施例の構成としてもよい。加えて、本実施例では、遊技球とメダルの各遊技媒体の交換比率を設定し、余り遊技球や余りメダルを払い出す構成としているが、余り分は切り捨ててその分は払い出さない構成としてもよい。なお、本実施例における上述の演算式についても適宜設定変更可能である。また、本発明では第1遊技媒体として遊技球を、第2遊技媒体としてメダルを用いたが、互いに形状の異なる遊技媒体であれば、どのような遊技媒体でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0098】
【図1】図1は本発明の一実施例に係る遊技媒体計数装置の全体斜視図である。
【図2】同遊技媒体計数装置の分解斜視図である。
【図3】同遊技媒体計数装置の全体正面図である。
【図4】図3のA−A線における断面図である。
【図5】同遊技媒体計数装置の全体左側面図である。
【図6】図5のB−B線における断面図である。
【図7】図5のC−C線における断面図である。
【図8】阻止手段を示す概略断面図である。
【図9】遊技媒体通過規制部を示す第1概略断面図である。
【図10】遊技媒体通過規制部を示す第2概略断面図である。
【図11】第1遊技媒体通過孔付近の概略図である。
【図12】阻止手段の側面視による概念図である。
【図13】別例に係る阻止手段の概略断面図である。
【図14】同遊技媒体計数装置のシステム制御を簡略に示すブロック図である。
【図15】全体処理に関するフローチャートである。
【図16】遊技媒体投入総数計数処理に関するフローチャートである。
【図17】遊技媒体交換演算処理に関する第1フローチャートである。
【図18】遊技媒体交換演算処理に関する第2フローチャートである。
【図19】払出口開閉制御処理に関するフローチャートである。
【図20】払出計数処理に関する第1フローチャートである。
【図21】払出計数処理に関する第2フローチャートである。
【符号の説明】
【0099】
1 遊技球
2 メダル
10 遊技媒体計数装置
11 投入口
13 遊技球誘導空間
14 メダル誘導空間
21 遊技球投入計数スイッチ
22 メダルホッパ
31 遊技球貯留部
32 メダル貯留部
50 振り分け部
51 棒部材(阻止手段)
52 遊技球通過規制部
55 遊技球通過孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
互いに形状の異なる第1遊技媒体と第2遊技媒体の両方を同時に投入可能とする投入口と、
前記投入口に投入した第1遊技媒体と第2遊技媒体とを区別して振り分ける振り分け部と、
前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体を計数する第1遊技媒体計数手段と、
前記振り分け部により振り分けられた第2遊技媒体を計数する第2遊技媒体計数手段と
を備えることを特徴とする遊技媒体計数装置。
【請求項2】
前記振り分け部により振り分けられた第1遊技媒体と第2遊技媒体とを各々異なる所定の位置に誘導する第1遊技媒体誘導部と第2遊技媒体誘導部とを備え、前記第1遊技媒体計数手段は前記第1遊技媒体誘導部に備えられると共に前記第2遊技媒体計数手段は前記第2遊技媒体誘導部に備えられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項3】
前記振り分け部により振り分けられ前記第1遊技媒体誘導部により誘導される第1遊技媒体を貯留する第1遊技媒体貯留部と、前記振り分け部により振り分けられ前記第2遊技媒体誘導部により誘導される第2遊技媒体を貯留する第2遊技媒体貯留部とを備えていることを特徴とする請求項2に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項4】
前記振り分け部が、前記投入口から第1遊技媒体を投入した場合に前記第2遊技媒体計数手段による計数を阻止すると共に、前記投入口から第2遊技媒体を投入した場合に前記第1遊技媒体計数手段による計数を阻止する阻止手段を備えていることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項5】
前記阻止手段が、第1遊技媒体を前記第2遊技媒体誘導部への通過を不可能とすると共に第2遊技媒体を前記第2遊技媒体誘導部への通過を可能とする遊技媒体通過規制部を有することを特徴とする請求項4に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項6】
第1遊技媒体は略球形状でありかつ第2遊技媒体は略円盤形状であり、前記阻止手段は複数の棒部材からなり、前記複数の棒部材の下向きに傾斜する先端に前記第1遊技媒体誘導部を備えていると共に前記複数の棒部材の直下に前記第2遊技媒体誘導部を備えており、前記遊技媒体通過規制部を構成する前記複数の棒部材同士の間隔を第1遊技媒体の直径よりも小さくすると共に前記複数の棒部材同士の間隔を第2遊技媒体の板厚さよりも大きくして略平行に配置していることを特徴とする請求項5に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項7】
前記複数の棒部材の下向きに傾斜する先端に配置され、前記複数の棒部材と前記第1遊技媒体誘導部との連接部分に第1遊技媒体を通過可能とすると共に第2遊技媒体を通過不可能とする大きさを有する第1遊技媒体通過孔を設けていることを特徴とする請求項6に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項8】
前記複数の棒部材のいずれもが、断面視で該棒部材の高さに対する最高点となる一点から水平とならずに下方向に向けて傾斜した傾斜辺を形成していることを特徴とする請求項6又は7に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項9】
互いに隣接して配置される前記複数の棒部材同士の高さが異なっていることを特徴とする請求項6ないし8のいずれか1項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項10】
互いに隣接して配置される前記複数の棒部材同士の傾斜辺が同一直線上に位置して配置されていることを特徴とする請求項9に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項11】
前記複数の棒部材は壁部によって囲まれた箱形状内に取り付けられており、前記複数の棒部材のうち並び方向の最端部に位置する棒部材を前記壁部に密接させると共に前記並び方向の最端部に位置する棒部材の取付け位置を上位側として配置していることを特徴とする請求項9又は10に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項12】
前記第1遊技媒体計数手段あるいは前記第2遊技媒体計数手段により計数された計数値を所定個数の第1遊技媒体に対する所定個数の第2遊技媒体の予め定められた変換比率に基づいて演算する演算手段を備えることを特徴とする請求項1ないし11のいずれか1項に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項13】
前記演算手段により算出された算出値に基づき投入した第1遊技媒体の個数に相当する所定個数の第2遊技媒体に交換して払い出す第2遊技媒体払出手段と、前記演算手段により算出された算出値に基づき投入した第2遊技媒体の個数に相当する所定個数の第1遊技媒体に交換して払い出す第1遊技媒体払出手段とを含む遊技媒体変換手段とを備えることを特徴とする請求項12に記載の遊技媒体計数装置。
【請求項14】
前記第1遊技媒体計数手段あるいは前記第2遊技媒体計数手段により計数された計数値に基づいて前記演算手段により算出された一方の遊技媒体の算出値が払い出すべき他方の遊技媒体の個数に対して同等でない場合、前記一方の遊技媒体の算出値と前記払い出すべき他方の遊技媒体の個数に相当する他方の遊技媒体との余剰分を一方の遊技媒体により払い出す余剰遊技媒体払出手段を備えていることを特徴とする請求項13に記載の遊技媒体計数装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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