説明

遊技媒体貸出装置

【課題】 メダルの正確な払い出しを行うことができる遊技媒体貸出装置
【解決手段】 メダル貸機1は、ホッパー駆動モータ62aや、搬送ベルトモータ31などでは、始動時などに突入電力が生じノイズが発生する。このようなノイズが発生すると、メダル貸機1を構成する各部2〜6間を通信する通信信号その他にノイズが重畳する。そのため、このメダル貸機1は、電源部8にノイズ除去装置80を備え、さらに、S320で真券と判定されてから真券確認信号(OKRTN信号)を出力するまで80msタイムラグを設け、真券と判定されたら直ちにOKRTN信号を出力されるのではなく、ノイズの影響が薄まるまで待ってOKRTN信号を出力するなど処理を実行している。このようにすれば、前述した通信信号等にノイズが重畳しないので、メダル貸機1において、メダルの正確な払い出しを行うことができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチスロ機で使用するメダル等の遊技媒体を遊技者に貸し出す遊技媒体貸出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、メダル貸機その他の遊技媒体貸出装置、あるいは、この遊技媒体貸出装置を備えるパチンコ機やパチスロ機等の遊技機での異常を防止する出願は多数なされている。
異常判定を行う出願としては、例えば、パチンコ機制御ユニットとカードユニットを備えるパチンコ機において、パチンコ機制御ユニット側で異常が発生し、このパチンコ機制御ユニットが備えるパチンコ機制御装置がパチンコ機レディ信号をLからHにしたことを、カードユニット側のカードユニット制御装置が検出すると、カードユニット側において、パチンコ機制御ユニットで異常が発生したと判定する処理を行うパチンコ機が知られている(特許文献1)
また、賞球検出センサや、貸球検出センサなど、各種センサからの検出信号にノイズが混入すると異常な判定が行われるので、これを防止するため、制御装置と各種センサとの間に、ノイズ低減用のコンデンサを接続したパチンコ機が知られている(特許文献2)。
【0003】
さらに、外部からの異常電波によって、異常な制御が行われることがあるので、これを防止するため、制御装置と不正電波を検知する電波検知装置とを一体に構成し、電波検知装置で不正電波を検知すると、制御装置が遊技媒体貸機による遊技媒体の貸し出しを禁止する遊技媒体貸出装置が知られている(特許文献3)。
【特許文献1】特許第3087039号公報
【特許文献2】特開2001−190748号公報
【特許文献3】特開2001−259120号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の遊技媒体貸出装置等では、遊技媒体の貸出制御を行う信号若しくは情報を、雑音や信号干渉若しくは周辺装置の動作過程による影響から防護して、錯誤が無く効率的なメダルの貸出制御を実行することができなかった。
【0005】
そこで本発明では、遊技媒体の貸出制御を行う信号若しくは情報を、雑音や信号干渉若しくは周辺装置の動作過程による影響から防護して、錯誤が無く効率的なメダルの貸出制御を実行可能な遊技媒体貸出装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための本発明は、有価媒体の投入に基づいて遊技媒体が貸し出される遊技媒体貸出装置において、有価媒体の判別と移送若しくは格納および前記遊技媒体の供給と払出しとを司る遊技媒体貸出制御装置を備え、この遊技媒体貸出制御装置は、前記紙幣取扱部と前記メダル払出部とに設けられる各センサによって検出される遊技媒体貸出制御信号の有無、あるいは、遊技媒体貸出制御信号の有無の経過時間、複数種類の遊技媒体貸出制御信号の関係若しくは組合わせに基づいて、真正な遊技媒体貸出制御情報を生成する遊技媒体貸出制御情報形成手段を備えることを特徴とする。この遊技媒体貸出装置を用いると、遊技媒体の貸出動作の起動や進展に伴って当該遊技媒体貸出装置やメダル補給装置若しくは紙幣搬送装置などから発生するノイズや他の信号若しくは制御過程に干渉されず錯誤の無い効率的な遊技媒体の貸出制御を行うことができる。
【0007】
尚、真性とは、他の信号、他のセンサによる検出、他の信号との関係や組合わせによっては、遊技媒体の払出と有価媒体の収容制御を行えないものとするものである。
遊技媒体貸出制御手段とは、後述する主制御部と、紙幣取扱部と、メダル払出部とを少なくとも含むメダル貸機に設けられる複数の制御手段から構成される。
【0008】
各センサとは、後述する紙幣判別センサ、紙幣満杯センサ、位置決めセンサ、紙幣収納センサ、紙幣移動検出センサ、カウントセンサ、メダル有無センサなどを云う。
遊技媒体貸出制御情報形成手段は、後述する紙幣取扱部、メダル払出部、主制御部によって構成され、図15、図16、図18、図19、図20、図21の各フローチャートで例示された制御ステップが相当する。なお、図18のフローチャートのS451〜S464の処理はメダル払出し異常解除手段を構成する。
【発明の効果】
【0009】
有価媒体の投入に基づいて遊技媒体が貸し出される遊技媒体貸出装置において、有価媒体の判別と移送若しくは格納および前記遊技媒体の供給と払出しとを司る遊技媒体貸出制御装置を備え、この遊技媒体貸出制御装置は、前記紙幣取扱部と前記メダル払出部とに設けられる各センサによって検出される遊技媒体貸出制御信号の有無、あるいは、遊技媒体貸出制御信号の有無の経過時間、複数種類の遊技媒体貸出制御信号の関係若しくは組合わせに基づいて、真正な遊技媒体貸出制御情報を生成する遊技媒体貸出制御情報形成手段を備えるものであり、これによって遊技媒体貸出制御手段に設けられたセンサにより検出した信号や遊技媒体貸出制御手段の駆動信号をそのまま遊技媒体の貸出制御に使用することのほか、遊技媒体貸出制御手段を含む関連部材から誘起されるノイズや他の信号による干渉或いは遊技媒体貸出制御手段を構成する各部のレスポンスにも影響されない信頼性のある遊技媒体の貸出制御を行うことのできる遊技媒体貸出装置を提供することができる効果を生じる。
(1−1)
紙幣取扱部2は、投入された紙幣が真券であった場合、真券信号(VEND信号)を主制御部4に出力する手段を備え、主制御部4は、防護手段として、真券信号(VEND信号)が出力されてから予め定められた時間(80s)経過してから、真券を検出したことを示す制御信号である真券確認信号(OKRTN信号)を出力する手段を備えている(S340)。尚、真券信号(VEND信号)の出力を停止したら、直ちに真券確認信号(OKRTN信号)の出力を停止してもよい。
【0010】
このようにすれば、真券信号(VEND信号)が入力されてから所定時間経過してから真券確認信号(OKRTN信号)を出力しているので、他の信号データの干渉やノイズの影響のない真券確認信号(OKRTN信号)の授受を行うことができる。
(1−2)
図17(b)の売上出力の信号について示したように、遊技媒体貸出制御情報形成手段には、真券判定後、受入紙幣枚数を加算し、真券信号(VEND)判定後一定時間(2秒)後、外部の遊技場管理装置110に、投入された紙幣金額分の売り上げ信号を出力する、売上情報出力手段を設けるものとして構成してもよい。
【0011】
このようにすれば、真券信号(VEND)判定が確定された後に売り上げ信号が出力されることとなり、メダル貸機1によるメダルの貸出に伴って行われる入金処理を錯誤なく真正なものとして計上することができる。
(1−3)
遊技媒体貸出制御情報形成手段には、真券信号(VEND)を判定すると判定から一定(2秒後)時間後に売上出力を、リレー接点のオンオフによりパルス出力する売上信号出力手段を設けるものとして構成してもよい。図17(b)では、売上出力の信号について、100ms毎に信号を出力しているが、ここでは、この出力している信号を言う。
【0012】
このようにすれば、パルス入力をデジタル信号として演算処理をすることが行えるので信号変換に伴うエラーが発生することも無く、メダル貸機1と遊技場管理装置間における伝送もノイズに影響され難く、メダル貸機1によるメダルの貸出に伴って行われる入金処理を誤りの無い適正なものとすることができる。
【0013】
また、このようにすれば、計数演算に都合よいデジタル信号としてそのまま演算制御できるとともに遊技場管理装置は、メダル貸機から遠方に設置されることが多いので、売上信号をこのようにパルス信号化すれば、他の信号データの緩衝やノイズの影響のない売上信号の授受を行うことができる。
(1−4)
遊技媒体貸出制御情報形成手段には、メダル払出部6のホッパーに組み込まれたカウントセンサ60eによりカウントパルスを計数してメダルの払出枚数を判定し、所定のカウントパルスが計数された場合に(S416:YES)ホッパーを停止制御するとともに(S417)、ホッパーの停止は所定枚数のメダルカウントパルス波の立ち下がり毎を判定して実行するメダル払出し停止制御手段を設けて構成してもよい。(パルスの巾内であれば検出時間には巾とずれを生じる。波形の立ち下がりは瞬時に確定される)
これによりメダルの払出精度が高められるとともに、直ちに払出し動作を停止できる効果を生じる。
(1−5)
遊技媒体貸出制御情報形成手段には、メダルの計数判定は、ホッパー動作により形成されるメダルカウントパルス波のHIレベルが一定時間(10ms)以上継続した場合に(S414)、メダルが1枚正常に払出されたものとする、とともにメダルカウントパルス波の立ち下がり検出に基づいてホッパーの駆動信号をOFFし、ホッパー駆動モータ62aを停止する、メダル計数制御手段を設けるものとして構成してもよい。
【0014】
遊技媒体貸出制御情報形成手段により形成された遊技媒体貸出制御情報に基づいて、有価媒体の投入若しくは遊技媒体の供給制御に係わる異常を判定する貸出異常判別手段を設け、貸出異常判別手段により判別される異常の有無若しくは異常の種別により、有価媒体投入後における遊技媒体貸出制御による有価媒体若しくは遊技媒体についての制御内容を切り換える遊技媒体制御切換手段を設けるものとしてもよい。
【0015】
これにより、遊技媒体貸出制御情報形成手段により形成された制御情報に基づいて適正にメダルの貸出制御を切換えることができるので、メダル貸出動作が異常な貸出制御がなされることを防止することができる。
(2−1)
貸出異常判別手段には、紙幣取扱部2からの紙幣搬送動作中信号を一秒間継続して有り信号(HI)検出した後、搬送動作中信号(BUSY)と真券信号(VEND)とを同時に検出した場合(図17(a))にのみ真券信号有りと判定する、真券判定制御手段を設けるものとして構成してもよい。
【0016】
これによって真券の判定を正確に行うことができる効果を生じる。
(2−2)
貸出異常判別手段には、千円分のメダル払出し中に、所定時間(2秒)以上のカウントセンサ60e入力の空白が、所定回数(5回)発生した場合、或いは待機中にカウントセンサが所定枚数(5枚)メダル計数を行った場合には、不正発生と判定する不正判定制御手段(S671:YES)を構成するものとしてもよい。真券の判定を正確に行うことができる。
【0017】
これによって不正によるメダルの貸出供給がなされることを防止することができる。
(2−3)
貸出異常判別手段には、紙幣取扱部2において紙幣満杯信号が一定時間(100ms)以上検出された場合に紙幣満杯制御を実行する紙幣満杯制御手段(S530)が設けられるものとしてもよい。紙幣満杯状態が満杯に至らない状態を含む不確定な状態でのメダルの貸出処理が実行されることを防止することができる。
(2−4)
貸出異常判別手段には、メダル不足であって、メダル有無センサによるメダル無し検出と、 所定枚数の払出し判定とに基づいてメダル不足を判定し(S610)、メダル不足を表示する(S611)、メダル不足判定表示制御手段を有する構成としてもよい。
【0018】
これにより、メダルの有り無しとメダル量の充足とを格別に分けて表示し、メダル欠乏に対する遊技場側の的確な対応が行えるものとすることができる。
(2−5)
貸出異常判別手段には、メダル詰りであって、ホッパー起動中に一定時間(3秒間)カウントセンサ60eがLO、又はHIのまま変化無いことによりメダル詰りを判定するメダル詰り判定制御手段(S640)を設けてもよい。
【0019】
メダル詰まり判定制御手段を構成して、メダル詰りの判定を複数の条件それぞれにおいて判定することとしてメダル詰まり判定に洩れが生じることを防止することができることなる。
(2−6)
遊技媒体制御切換手段には、真券判定制御手段により真券の判定ができない場合、若しくは不正判定制御手段(S670、S671)によって不正が判定された場合、あるいは紙幣満杯制御手段によって紙幣満杯が判定された場合(S530)、メダル不足判定表示制御手段(S613,S614)によってメダル不足が判定された場合、メダル詰り判定制御手段(S640)によりメダル詰まりが判定された場合などの貸出異常判別手段より、何れかのメダルの貸出制御についての異常判定がされたことに基づいて入金禁止とする入金禁止手段を構成するものとしてもよい。
【0020】
これによって、偽札の使用や不正や障害が発生しているのにも係わらず、メダルの払出制御にも対応できない入金処理が実行されることを防止することができる効果を生じる。
(2−7)
遊技媒体制御切換手段には、貸出異常判定手段による異常判定がされた場合にも、投入された紙幣金額を遊技場管理装置110に売上出力することを許容する場合を認める売上出力手段を有する構成としてもよい。これによって不正が判定され若しくは真券信号が判定されない場合には、遊技場管理装置110に売上信号を出力せず、メダル不足が判定された場合には遊技場管理装置110にメダルの充足を待たずに売上信号をすることができ、効率的なメダルの貸出制御を実現することができるものとなる。
(2−8)
遊技媒体制御切換手段には、貸出異常判定手段による異常の判定に対応して復旧処理をする貸出制御復旧手段を設ける構成としてもよい。
(2−9)
貸出制御復旧手段には、リセットスイッチ45と、電源スイッチとの複数のリセット手段が設けられる構成としてもよい。このようにすれば、異常時にメダル貸機を初期の状態に戻すことがメダル貸機の障害の状況に対応可能な何れかの一を選択して復旧させることができる効果を生じる。
(2−10)
貸出制御復旧手段には、払出テストボタン60bを構成としてもよい。
【0021】
このようにすれば容易にメダルの払出動作についての正常異常が判別できるとともに異常の詳細を確認することもできるものとなる。
(2−11)
払出テストボタン60bによる払出しテストが予め設定された条件下においては、メダルの払い出しを禁止する払出しテスト禁止条件設定手段をメダル貸機1に設けてもよい。このようにすれば、払出テストの実行によって不必要なメダルが払い出されたり、正規の払出制御に障害が発生することを防止することができる。
(2−12)
払出テスト禁止条件設定手段によって設定される払出し禁止条件が、メダル貸機1における電源電圧の低下検出、メダル貸機1のイニシャル動作中(S200)、真券信号の判定から投入紙幣分のメダル払出が完了するまで(S300〜S400)、不正の判定などによる異常検出時(S500、S600)、メダル貸機1におけるリセット及びクリア処理中において払出しテストを禁止するものとするものとして構成してもよい。
【0022】
このようにすれば、払出テストが、他のメダル貸出しに関する制御工程に係わらず実行されることによる故障などの障害発生や、メダルの不正払出などにも繋がるメダルの供出がされることを防止することができる。
(2−13)
払出テストボタン60bによる払出しテストを、テスト払出しの回数とテスト時におけるメダル払出し枚数とを制限する、払出し動作制限手段を有する構成としてもよい。
【0023】
このようにすれば、払出テストの実行によって不必要なメダルが払出されたり、正規の払出制御に障害が発生することを防止することができる。
(2−14)
貸出制御復旧手段には、電源電圧の低下によって実行されなかった払出し制御信号を再出力する払出し信号再出力手段を設ける構成としてもよい。
【0024】
このようにすれば、予想の困難なあるいは抑制できない電源電圧の低下によってメダルの払出が起動されず払出途中で中断した場合においても、払出信号の再出力によって投入された紙幣(入金金額)に対応したメダルの払出が実行されるので、改めて紙幣投入とメダルの払出制御をリプレイする必要がなくなるとともに、紙幣を投入した遊技者とメダルを払出す遊技場側とにおけるトラブルの発生を防止することができる。
(2−15)
貸出制御復旧手段には、払出し途中の停電後の復旧に対応して記憶した残り枚数分の払出しメダルを払出す残りメダル払出制御手段を有してもよい。
【0025】
これにより、メダル貸機1の異常からの復旧時に、払出されるべきメダルが払出されず遊技者に不測の不利益が与えられトラブルが生じることを防止することができる。
(2−16)
貸出異常判別手段による異常判別結果が、ホッパ駆動モータ62aのロック若しくはメダルの空払出し動作等によりメダル詰まり若しくは複数枚のメダルによってブリッジが生じたものと判定したものである場合に、メダル詰まり若しくはブリッジを解消するための、メダル払出し異常解除手段(S641)を有するメダル貸機1を構成してもよい。
【0026】
このようにすれば、手作業によってメダル払出部からメダルを取除く修理作業をしなくても、簡便にメダル払出障害を解除され効率的なメダル貸出制御を行うことのできる効果を生じる。
(2−17)
ホッパー駆動モータ62aの駆動を逆転し、停止し、正転し、この逆転と停止動作を含む払出し異常解消動作を複数回実行するメダル払出し異常解除手段(S451〜S454)をメダル貸機1に構成してもよい。このようにすれば、詰まったメダルに対する解除作用力が正逆複数の方向から付与されるとともに、一旦解除作用を停止した後、再び異なる方向より解除作用を附勢するものともなり、極めて困難なメダル詰りも容易に解除することができる効果を生じる。
(2−18)
払出モータとなるホッパ駆動モータ62aを、複数回(2回)実行してもメダル詰まりの解除がされない場合は(S460:NO)、メダル詰りの異常表示をするとともにホッパーを停止する、メダル詰り表示制御手段を設ける構成としてもよい。このようにすれば、解除不能なメダル詰りを迅速かつ的確に判断して、メダル払出部の修理若しくは交換をメダル貸機1の管理者に報知して、効率的なメダル払出装置6の保守作業を実行させる効果を生じる。
(2−19)
貸出異常判別手段には、メダル有無センサ64aによるメダル無し検出と、 所定枚数の払出し判定とに基づいてメダル不足を判定し(S610)、メダル不足を表示するとともにメダル補給装置130にメダル補給要求信号を出力するメダル不足判定制御手段を有する構成としてもよい。このようにすれば、メダル貸機1で払出用に待機されるメダルが欠乏する以前に実行される払出の動作に起因したメダル補給を要求することができ迅速かつ効率的なメダル補給が行えるとともに、仮にメダルが無くなった場合にあってもメダル貸機1で発生したメダルの補給要求をメダル補給装置130に出力することができ、併せてメダルの有無と不足とをメダル貸機1における表示手段で表示することもできる効果を生じる。
(2−20)
貸出異常判別手段には、紙幣の引抜きであって、真券信号(VEND信号)判定後メダル払出し終了までに、紙幣詰り信号(JAM信号)と真券信号(VEND信号)とを同時に検出した場合、或いは、紙幣詰り信号(JAM信号)と搬送動作中信号(BUSY信号)とを同時に検出した場合には(S523,S524)、紙幣引抜き異状と判定する、紙幣引抜き判定制御手段が設けられるメダル貸機1の構成としてもよい。このようにすれば、メダル貸出し装置よりの不正な紙幣の引抜き行為や、メダル貸機1への紙幣引抜き操作によるメダル貸機1における障害の発生を未然に阻止することのできる効果を生じる。
(3)
メダル貸機1に接続可能にされる紙幣搬送装置120の接続の有無により、メダル貸機1と紙幣搬送装置120間における制御内容を切換える接続タイプ別メダル貸出制御切換手段を設けるものとしてもよい。
【0027】
これによって、同一の当該メダル貸機1によって、紙幣搬送装置120に連係させて紙幣を遊技場の島に設けられた金庫121aに搬送して格納するメダルの貸出制御が行える遊技場設備システムを構成することができるとともに、メダル貸機1内において投入された紙幣を収容し手操作により金庫121aに格納する遊技場の紙幣取扱形態を構成することの何れの構成に対してもメダル貸機1によって遊技場側の遊技設備の形態と要望に応じて適宜設定変更できる効果を生じる。
(3−1)
メダル貸機1に接続可能にされる紙幣搬送装置120の接続の有無によりメダル貸機1と紙幣搬送装置120間における制御内容を切り換える接続タイプ別メダル貸出制御切換手段をディップスイッチ46の切り換え設定により変更するものとする構成としてもよい。これにより、簡便なディップスイッチ46への操作により、メダル貸機1内において投入された紙幣を収容し手操作により金庫に格納する遊技場の紙幣取扱形態を構成することの何れの構成に対してもメダル貸機1は遊技場設備の形態と要望に応じて迅速かつ容易に変更できる。
(3−2)
紙幣搬送装置120接続時には、真券信号(VEND信号)が入力された後、メダル払出し開始から完了までに紙幣詰まり信号(JAM信号)が入力された場合に(S504)、紙幣詰りと判定し、一方、紙幣搬送装置120未接続時には、真券信号(VEND信号)が入力された後、一定時間内に収金格納信号検出できないと(S503)紙幣詰りと判定する接続タイプ別メダル貸出制御切換手段を設けてもよい。これにより、紙幣搬送装置120がメダル貸機1に接続されて遊技場に設けられた金庫に自動搬送する場合にも、紙幣取扱部20が接続されずメダル貸機1の紙幣取扱部2において収納する場合にも、メダル貸機1における紙幣の移送態様に対応してそれぞれ紙幣詰りを判定することができる効果を生じる。
(3−3)
図7(b)に示すように、紙幣搬送装置120が接続されていない場合には、紙幣が真券と判定された後、メダル貸機1に収納されて収金確認信号(END信号)が検出されると直ちにホッパ駆動モータ62aを起動し、収金確認信号(END信号)の未検出の場合は、一定時間(2秒後)にホッパ駆動モータ62aを起動する一方、図7(a)に示すように、紙幣搬送装置120が接続されている場合には、紙幣が真券と判定された後直ちにホッパ駆動モータ62aを起動するメダル払出し開始制御手段を有する接続タイプ別メダル貸出制御切換手段の設けられたメダル貸機1を構成してもよい。このようにすれば、メダル貸機1に紙幣が投入されて真券であると判定されば、メダルの貸出制御が開始され、紙幣詰りなどによりメダル補給装置130内で紙幣が停留した場合にも遅れること無くメダルの払出を実行することができるので、遊技者のメダルを使用した遊戯が阻害されることがなくなる効果を生じる。
(4)
メダル貸機1にメダル補給装置130からのメダルを供給する通路が連通されるとともにメダル補給要求接点が信号出力可能側に切り換えられた場合には、メダル有無センサ64aが一定時間メダル無しを検出した場合にはメダル要求信号をメダル補給装置130に出力し、メダル補給要求接点が信号出力不能側に切換えられた場合にはメダル要求信号の出力が禁止され、メダル貸機1においてはメダル不足表示出力のみを行う接続タイプ別メダル貸出制御切換手段を有する構成としてもよく、接続タイプ別メダル貸出制御切換手段をディップスイッチの切り換え設定により、メダル補給装置130をメダル貸機1に連係させてメダルをメダル貸機1に自動補給する遊技場設備のシステム構成と、手操作によりメダルを補給してメダル貸機1からメダル補給装置130へのメダル要求信号を無効なものとする遊技場設備とに変更するものとする構成としてもよい。
【0028】
これによって、メダル貸機1は、メダル自動補給設備の設けられた遊技場にもメダルの自動補給設備の設けられない遊技場の何れにも設置することができるものとなり、また将来の遊技場におけるシステム構成にも対応できるメダル貸機1として当該遊技場に設置できる効果を生じる。
【0029】
なお、メダル貸機1にメダル補給装置130からのメダルを供給する通路が連通されるとともにメダル貸機1に設けられたメダル補給要求出力接点が信号出力可能に切り換えられた場合であって、メダル有無センサ64aが一定時間(2秒間)メダル無しを検出した場合には、メダル補給要求信号をメダル補給装置130に出力可能とする、接続タイプ別メダル貸出制御切換手段を有するメダル貸機1としてもよい。
(5)
メダル貸機1にメダル補給装置130からのメダルを供給する通路が連通されるとともにメダル有無センサ64aによりメダル不足が検出された場合には、メダル貸機1に設けられたメダル補給要求出力端から出力可能にされる信号形態を、接続する格別のメダル補給装置130の異なる信号の形態に適合する信号として出力するメダル要求信号切換設定手段(メダル補給要求出力回路56)を有する構成としてもよい。
【0030】
これにより、メダル貸機1が接続される遊技場のメダル補給装置130のそれぞれに対応した信号形式に切換え設定することにより、同一のメダル貸機1を異なるメダル補給装置130に接続してメダルの自動補給を行うことのできるメダル貸出システムを構成することができる。
(その他)
7セグメントLED41を用いて、中央制御装置50が、正常時には青、異常時には赤(S731)、メダル払出テスト時には黄(S458)でメダルの枚数を表示しているので、メダル貸機1がどのような状態であるか一目で分かる。
【0031】
中央制御装置50が、S741〜S761の処理により、投入された紙幣の枚数の表示を、表示を行ってから5秒経過し、操作がなかったら表示を消す処理を行っている。このように、投入された紙幣の枚数に関する表示を、一定の時間範囲で制限して表示することで、メダル貸し出しに関する遊技者のプライバシーが維持できるとともに、7セグメントLED41における電力消費を軽減して長時間に亙って遊技場で運転され続けるメダル貸機1の維持費を削減することができる。
【0032】
補給ランプ43は、メダル不足処理(S431〜S436)を実行しているときに点灯され、中止ランプ42も、補給ランプ43の点灯後の所定時間後に点灯される。そのためこのメダル貸機1は、メダル貸機1内での貸出用のメダルが不足し、メダルの貸し出しが停止した状態であることを案内表示することが可能となる。ゆえに、このメダル貸機1を用いると、メダルの貸し出しのタイミングがメダルの補給を行うために遅れても、なぜ遅れているかが店員及び遊戯者ともに確認できるので、メダル貸し出しの遅れのための苦情に対し適切に処理することができる。
【0033】
メダル貸機1は、メダル有無センサ64aが2秒間継続してメダル不足を検出すると補給ランプ43が点滅して点灯し、店員にメダルの補給を促す構成となっている(S411〜S431)。すなわち、このメダル貸機1は、単に補給ランプ43を点灯するだけでなく、点滅させているので、単に点灯するだけの場合に比べ、メダルが不足していることを報知する報知効果を上げることができる。
【0034】
メダル貸機1は、待機中に、JAM信号を一定時間(100ms)以上検出した場合(S510)、VEND信号を一定時間(451ms)以上検出した場合(S513)、あるいは、END信号を一定時間(100ms)以上検出した場合(S514)、紙幣判別異常と判別している。このようにすることで、メダル貸機1は、他の信号データの干渉やノイズの影響などから防護してメダル詰まりに関する信号を通信することが可能となり、その信号によるメダル詰まりの検出若しくは判定を適格に実行することができる。
【0035】
メダル貸機1は、紙幣取扱部2内に収納された紙幣が満杯になったことが紙幣収納センサ30eで検出され、紙幣が満杯であることを示すFULL信号が一定時間(100ms)以上出力した場合に紙幣満杯と判定している(S530)。
【0036】
メダル払出部6に紙幣取扱部2が接続された場合と接続されない場合とで、紙幣を収納する先を切り換えているので(S341)、紙幣取扱部2が設置されている店舗に対しても、設置されていない店舗に対しても設置することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0037】
以下、本発明が適用された最良の実施の形態について説明する。
[メダル貸機1]
ここで、図1は、本実施形態のメダル貸機の斜視図である。図2は、メダル貸機の分解斜視図である。
【0038】
本実施形態のメダル貸機1は、図2に示すように、このメダル貸機1の筐体10の前面部分が開口し、この開口部10aが、図1に示すように、上蓋11と中蓋12と下蓋13とで覆設されている。そして各蓋11〜13で覆われる部分の筐体10の内部には、図2に示すように、紙幣取扱部2、主制御部4、メダル払出部6が、この順に上から収納される。このうち、紙幣取扱部2は、上蓋11で覆われる部分に収納され、主制御部4は、中蓋12で覆われる部分に収納され、メダル払出部6は、下蓋13で覆われる部分に収納されている。また、各蓋11〜13には鍵穴αが設けられ、この鍵穴αを使って鍵をかけると、各蓋11〜13は筐体10に固定される。そして、これら各蓋11〜13が筐体10に固定されることによって、各部2〜6も筐体10内に固定される。
【0039】
上蓋11は、紙幣取扱部2が筐体10内に収納されたときに、紙幣取扱部2に備えられた投入口25及び案内庇26が対向する部分に、開口窓が設けられている。そして、本実施形態のメダル貸機1では、紙幣取扱部2を筐体10内に収納して上蓋11を取り付けると、案内庇26が上蓋11から前方側に向かって突出するとともに、投入口25が露出する。そのため、本実施形態の紙幣取扱部2では、上蓋11を閉じても、これら投入口25及び案内庇26を用いて紙幣取扱部2内に紙幣を投入することができる。
【0040】
中蓋12は、主制御部4が筐体10内に収納されたときに、主制御部4に備えられた7セグメントLED41、中止ランプ42、及び、補給ランプ43が対向する部分に、開口窓が設けられている。そして、本実施形態のメダル貸機1では、主制御部4を筐体10内に収納して中蓋12を取り付けると、7セグメントLED41、中止ランプ42、及び、補給ランプ43が露出する。そのため、本実施形態の紙幣取扱部2では、上蓋11を閉じても、これら7セグメントLED41、中止ランプ42、及び、補給ランプ43の表示を確認することができる。
【0041】
下蓋13は、メダル払出部6から排出されるメダルを貯留する受け皿13aを備えている。
筐体10は、開口部10a以外の5面は板状材で形成されている。このうち、各蓋11〜13が取り付けられる開口部10a側に対向する板状材の内壁には、図2に示すように、複数の通信用コネクタβが設置され、これらコネクタβは、各部2〜6が収納される部分に対向する各位置に設置されている。各部2〜6は、図示しない案内レールに案内され、筐体10内に収納されると、これらコネクタβに接続された状態で収納される。そして、前述した各蓋11〜13を筐体10に鍵を使って固定すると、各部2〜6は、コネクタβに接続された状態で筐体10内に固定される。また各部2〜6は、これらコネクタβに接続されることにより、各部2〜6の相互間で通信が可能となるとともに、外部とも通信可能な状態となる。また、各部2〜6は、各装置の筐体10への収納方向に沿った長さが異なるため、各コネクタβは、各部2〜6が筐体10内の収納位置に収納されたとき、各コネクタβに接続されるように、それぞれ高さの異なるコネクタ支持台γを用いて、高さ調整された状態で設置されている。
【0042】
またこのメダル貸機1は、商用電源から電力を取り込み、メダル貸機1に電力を供給する電源部8を備えている。この電源部8は、メダル払出部6が接続されるコネクタβを支持しているコネクタ支持台γの下方に設置される。この電源部8は、ノイズ除去装置80を備え、モータ等用のDC24Vと中央制御装置50等の電子回路用のAC5Vの2種類の電力を、このノイズ除去装置80を介して供給することができる。
【0043】
このように構成された本実施形態のメダル貸機1では、筐体10から、各部2〜6を取り出した後、再び筐体10内に収納する場合、各部2〜6を図示しないレールに案内させて個別に押し込み、そして蓋11〜13を閉じるだけで、各コネクタβに接続した状態で各部2〜6を筐体10内に固定した状態で収納することができる。従来、通信線は、一端が筐体10側に固定され、その固定部分である引出点から引き出された遊端側にコネクタが取り付けられていた。そのため、各部2〜6を筐体10内に収納する際、そのコネクタを開口部10a側に引き寄せ、各部2〜6とコネクタとをまず接続し、その後各部2〜6を筐体10に収納していた。このような構成の場合、通信線が、各部2〜6の収納位置に位置することがあるので、図示しないレールと各部2〜6との間に挟まるなどして断線することがあった。しかし、本実施形態のメダル貸機1ではコネクタβが固定されており、通信線は、コネクタβと筐体10の引出点との間に配線され、各部2〜6の収納位置に位置することがないので、各部2〜6とレールとの間に通信線を挟んで断線することがない。
[紙幣取扱部2]
次に、各部2〜6について説明する。
【0044】
尚、以下の説明において、筐体10の開口部10a側を前方として説明する。
ここで、図3及び図4は、共に紙幣取扱部2の斜視図であり、このうち図3は、前方蓋部21、後方蓋部22、および、上方蓋部23を開け、中央蓋部24を上方蓋部23から取り外した様子を示している。図4は、上方蓋部23を開けた図である。
{外部構成}
紙幣取扱部2は、図3に示すように、紙幣を収納する紙幣取扱部本体20と、この紙幣取扱部本体20の前方側を開閉する前方蓋部21と、紙幣取扱部本体20の後方側を開閉する後方蓋部22と、紙幣取扱部本体20の上方側を開閉する上方蓋部23とを備えている。また、上方蓋部23の中央部分には、紙幣が投入された様子を観察可能な観察窓23aが形成されており、その観察窓23aには、中央蓋部24が嵌め込まれている。この中央蓋部24は、上方蓋部23から取り外し可能に構成されている。さらに、この紙幣取扱部本体20の前方側側面の上よりには、紙幣の投入口25が開口するとともに、この投入口25の下方側の縁部から前方に向かって突設された案内庇26が備えられている。この紙幣取扱部2では、この案内庇26の上に紙幣をおいて、紙幣の先端を投入口25に向かって押すと、紙幣をスムーズに投入口25に投入することができる。
(仕切板27−検出部20a、収納部20b)
また、この紙幣取扱部2は、図4に示すように、紙幣取扱部本体20内の上よりに、この紙幣取扱部2を上下に分ける仕切板27が形成されている。以後、この仕切板27で区切られた部分のうち、上方側を検出部20a、下方側を収納部20b(図3参照)と呼ぶ。このうち、検出部20aは、前方側が、前述した投入口25が形成されることによって開口し、後方側が、仕切板27を貫通する送出口28(図3参照)によって下方の収納部20bに向かって開口している。そのため、紙幣は、投入口25から検出部20aに投入されると、この検出部20aを通過し、送出口28を介して収納部20bに収納される。また、こうして収納部20bに収納された紙幣は、前方蓋部21を開けることで外部に取り出すことができる。また、この紙幣取扱部2は、後述する紙幣搬送装置120に接続されることがあり、この紙幣搬送装置120が接続された場合は、検出部20aに投入された紙幣は、送出口28を通過した後、紙幣搬送装置120によって外部に搬送される。
【0045】
この仕切板27には、投入口25から検出部20aに挿入された紙幣を送出口28に送る一対の搬送ベルト29と、各種センサ30が設置されている。このうち搬送ベルト29は、具体的には、観察窓23aの窓枠に当る部分の上方蓋部23のうち、紙幣を送る搬送方向(投入口25から送出口28に向かう方向)に沿った部分23b、23cに対向する仕切板27上に、搬送方向に沿ってそれぞれ設置されている。また、この仕切板27に取り付けられているセンサ30は、3種類あり、中央蓋部24に対向する位置に設置され、2種類のセンサ(紙幣判別センサ30a、及び、位置決センサ30b)と、搬送ベルト29の近傍に、この搬送ベルト29の長手方向に沿った投入口25側に取り付けられている投入検出センサ30cである。
(前方蓋部21)
前方蓋部21は、紙幣取扱部本体20の前方側側面に設けられた開口であって収納部20bに通じる開口(以下「前方開口」という)を開閉可能な蓋部である。この前方開口は、案内庇26の下方で開口し、収納部20bに投入された複数枚の紙幣を一度に取り出し可能な大きさに形成されている。そして、前方蓋部21はこの前方開口を開閉可能な大きさに形成されている。また、この前方蓋部21は、その下端が、紙幣取扱部本体20の前方側側面の下端に対し回動可能に連結されている。そして、この前方蓋部21の上端には、指を引掛ける引掛口21aが形成されている。そのため、この前方蓋部21は、その引掛口21aに指をかけて手前に引くと、前方開口を開けることができる。
(後方蓋部22)
後方蓋部22は、紙幣取扱部本体20の後方側側面全体を覆う大きさに形成されている。また、この後方蓋部22は、その下端が、紙幣取扱部本体20の後方側側面の下端に対し回動可能に連結されている。また、収納部20bは後方側にも開口しており、後方蓋部22はこの開口を開閉することができる。送出口28で紙幣が紙詰まりをおこしたとき、この送出口28は後方側に設けられているので、この後方蓋部22を開ければ、送出口28で詰まった紙幣を収納部20b側から取り除くことができる。また、後述する紙幣搬送装置120を取り付けるときは、この後方蓋部22を開ければ、紙幣取扱部2の後方側から紙幣搬送装置120の端部を収納部20b内に接続することで、紙幣取扱部2と紙幣搬送装置120とを接続することができる。
(上方蓋部23)
上方蓋部23は、検出部20aのほぼ全体を上方に向かって開口可能な大きさに形成されている。この上方蓋部23は、後方側端部が、紙幣取扱部本体20の後方側に対し回動可能に連結されている。そのため、この上方蓋部23は、その前端側を上方に引くと、検出部20aを開放することができる。このように上方蓋部23を開くと、検出部20aで紙幣が詰まったときに、紙幣を直接取り除くことができる。
【0046】
また、この上方蓋部23の裏面には、搬送ベルト29に対向する位置に、搬送ローラ29aが回転可能に設置されている。この搬送ローラ29aは、搬送ベルト29の長手方向に沿って略等間隔に設置されている。この搬送ローラ29aは、上方蓋部23を閉じると搬送ベルト29と接触し、搬送ベルト29が動くとこれに従って回転する。そのため、観察窓23aから紙幣を挿入すると、紙幣は、搬送ベルト29と搬送ローラ29aとの間に挟まれ、送出口28に向かって搬送される。
(中央蓋部24)
中央蓋部24は、上方蓋部23に設けられた観察窓23aに対し着脱可能に取り付けられた蓋部である。前述した観察窓23aは、搬送ベルト29や搬送ローラ29aの間に設置されているので、この中央蓋部24を開けても、検出部20b内に投入された紙幣は搬送ベルト29と搬送ローラ29aに挟まれたままである。そのため、動作試験等のとき、この中央蓋部24を開けて搬送ベルト29を動作させると、検出部20aないで紙幣が搬送されている様子を観察することができる。また、観察窓23aは紙幣を取り出すには十分な大きさに形成されているので、この中央蓋部24をはずすことで、検出部20a内で紙幣の紙詰まりが発生しても、その紙幣を取り除くことができる。
【0047】
また、この中央蓋部24の検出部20a側にも、仕切板27に設けられた各紙幣判別センサ30aに対向する位置に、紙幣判別センサ30aが設けられている。
{内部構成}
次に、紙幣取扱部2の内部構成について説明する。
【0048】
ここで図5は、紙幣取扱部2、主制御部4、メダル払出部6の内部構成を示す模式的なブロック図である。尚、図5中、紙幣搬送装置120、メダル補給装置130、貯玉会員管理装置140については点線で示してあるが、これは、これらの装置120,130,140がメダル貸機1に接続されていなくても、メダル貸機1を利用できることを示している。
【0049】
紙幣取扱部2は、内部構成としては、図5に示すように、紙幣判別センサ30a、位置決センサ30b、投入検出センサ30c、紙幣満杯センサ30d、紙幣収納センサ30e、及び紙幣収納センサ30fを備えている。さらに、この紙幣取扱部2は、図示はしていないが、搬送ベルト29(図4参照)を駆動する搬送ベルトモータ31、コネクタ33、制御装置35とを備えている。そして、紙幣判別センサ30a、位置決センサ30b、投入検出センサ30c、紙幣満杯センサ30d、紙幣収納センサ30e、紙幣収納センサ30f、搬送ベルトモータ31、制御装置35は、バス39を介してコネクタ33に接続されている。
【0050】
紙幣判別センサ30aは、紙幣の真偽を判別するための磁気センサで、中央蓋部24と仕切板27とに設けられた互いに対向するもの同士が一組で機能する。この紙幣判別センサ30aを用いれば、これら中央蓋部24及び仕切板27に設けられた対になる紙幣判別センサ30aの間に紙幣を通過させると、紙幣の磁気インクによって、これらセンサ30aの間の磁気抵抗が変化するので、この磁気抵抗の変化により紙幣の磁気インクのパターンを読み取ることで、検出部20a内に投入された紙幣が真性なものか否かを判定することができる。
【0051】
位置決センサ30bは、紙幣判別センサ30aが磁気抵抗の変化を検出する適切な位置に達したか否かを主に検出するフォトセンサである。この位置決センサ30bは、搬送ベルト29の間であって、紙幣判別センサ30aよりもやや投入口25よりに設置されている。この位置決センサ30bは、上方に向かって検出光を照射して、その反射光を受光し、その受光量に応じた信号を出力する。紙幣が紙幣取扱部2に投入され、位置決センサ30bの上方に達すると、検出光は紙幣で反射する。すると、位置決センサ30bが受光する受光量は、検出光が紙幣で反射する場合と、他の場合とでは異なってくるので、その受光量の変化を検出することで、紙幣が位置決センサ30bの上方に到達したか否か等を判定する。
【0052】
投入検出センサ30cは、搬送ベルト29の投入口25側の先端に取り付けられており、投入口25から紙幣が投入されたか否かを主に検出するフォトセンサである。この投入検出センサ30cの動作原理は位置決センサ30bと同様である。
【0053】
紙幣満杯センサ30dは、紙幣取扱部2の収納部20bに設けられたレベルセンサで、収納部20b内に収納された紙幣が満杯になったか否かを検出するセンサである。
紙幣収納センサ30eは、紙幣取扱部2の収納部20bに設けられたフォトセンサで、収納部20bに紙幣が収納されたか否かを検出するセンサである。この紙幣収納センサ30eの動作原理は、位置決センサ30bと同様である。
【0054】
紙幣搬送センサ30fは、紙幣搬送装置120に取り付けられたフォトセンサで、紙幣取扱部2から紙幣搬送装置120に紙幣が移動しているか否かを検出するセンサである。この紙幣搬送センサ30fの動作原理は、位置決センサ30bと同様である。
【0055】
搬送ベルトモータ31は、搬送ベルト29を正転あるいは逆転させることができるモータである。この搬送ベルトモータ31は、正転信号、反転信号あるいは停止信号を受けると正転・反転あるいは停止して、搬送ベルト29を紙幣が収納させる方向、あるいは逆方向に回転させて紙幣を取り込んだり、排出したり、あるいは収納途中で停止させることができる。
【0056】
制御装置35は、この紙幣取扱部2を制御する制御装置であり、コンピュータ装置からなる。
コネクタ33は、紙幣取扱部2が筐体10内に収納されたときに、コネクタβに接続されるよう、紙幣取扱部本体20の背面側の後方蓋部22上に設置されている。
【0057】
[主制御部4]
ここで、図6は、主制御部4の説明図であり、(a)は正面図、(b)は裏面図である。図7は、主制御部4の内部構成を示すブロック図である。
【0058】
{外部構成}
主制御部4は、図6(a)に示すように、筐体40の前方側側面に、並列に設置された7セグメントLED41と、中止ランプ42と、補給ランプ43と、表示ボタン44と、リセットスイッチ45が設置されている。このうち7セグメントLED41が、筐体40の前方側側面のほぼ中央に設置され、中止ランプ42及び補給ランプ43が、7セグメントLED41の上方側に設置され、表示ボタン44及びリセットスイッチ45が7セグメントLED41の右方に設置されている。さらに言うと、中止ランプ42及び補給ランプ43は、中止ランプ42が向かって左側、補給ランプ43が向かって右側に配置されている。また、表示ボタン44及びリセットスイッチ45は、表示ボタン44が向かって上方側、リセットスイッチ45が向かって下方側に配置されている。
【0059】
7セグメントLED41には、メダル不足、メダル詰まり、紙幣詰まり、不正行為等が発生した場合などに、それらを表す予め決められた記号が表示されたり、払出されるメダルの枚数に関する数字が表示される。この7セグメントLED41より発せられた光は、7セグメントLED41の前方側に配置されたレンズカバーを介して外部に放光される。この7セグメントLED41は、赤、青、黄の3色の表示が可能であり、メダル詰まりなどのなんらかの異常が発生した異常時は赤、正常にメダルを払い出しているときなどの正常時は青、払出テスト時は黄で点灯する。
【0060】
中止ランプ42及び補給ランプ43は、発光ダイオードであり、中止ランプ42は、点灯すると、メダルの払い出しが停止していることを示し、補給ランプ43は、メダルの補給が必要であること示す。中止ランプ42は、メダル貸機1の電源電圧が低下した場合や、後述する通信確立処理(S100)、メカイニシャル処理時(S200)、メダル不足処理(S431〜S436)、メダル詰まり処理(S451〜464)等を実行している場合や、メダル貸機1においてなんらかの異常が発生した場合等、メダルの貸し出しを正常に行えないため、メダルの貸し出しを停止しているときに点灯される。補給ランプ43は、メダル不足処理(S431〜S436)を実行しているときに点滅して点灯される。
【0061】
表示ボタン44は、押下操作することによって、7セグメントLED41に表示される内容の切り替えを主制御部4に対し指示するものである。この表示ボタン44を押下すると、7セグメントLED41に表示される内容を次々に変更させることができる。
【0062】
リセットスイッチ45は、押下操作することによって、メダル貸機1の初期化を主制御部4に対し指示するものである。このリセットスイッチ45を押下すると、主制御部4に蓄積された様々なデータをリセットすることができる。
【0063】
尚、表示ボタン44及びリセットスイッチ45は、通常、中蓋12によって覆われているので、これらのボタン44,45を操作するときは、中蓋12を解錠して操作する。
また、主制御部4は、図6(b)に示すように、筐体40の裏面に、後述する2種類のディップスイッチ46を備えている。ディップスイッチ46は、操作可能な複数のスイッチからなり、それらスイッチの入り切りの組み合わせによって、メダル貸機1の機能を指定することができる。
【0064】
本実施形態では、各ディップスイッチ46を切り替えると、以下のようにメダル貸機1の機能を指定することができる。
本実施形態では、ディップスイッチ46は、2種類ある。
【0065】
ここで、表1は、ディップスイッチ46の一つであるDIPSW46aを構成する各スイッチを切り替えたときの機能を表にしたものである。
【0066】
【表1】

【0067】
本実施形態のメダル貸機1の主制御部4では、表1に示すように、4種類の抵抗値を設定することができる。
すなわち、主制御部4は、DIPSW46aの1番のみで1.8kΩ、2番のみで3.3kΩ、3番のみで10kΩ、1〜4番をすべてONすることで1kΩの抵抗値を設定することができる。このように、断線検知抵抗は、上述したようにディップスイッチ46aの切換操作によって、抵抗値を段階的に切換えて、遊技場管理装置に繋がるメダル貸機1における断線検知の精度を調整することができる。これによりメダル貸機1の設置環境や遊技場管理装置110と間における伝送系統の状況若しくは遠近に応じて断線検出レベルを適正に調整できる。このDISP46aは、図5中の売上信号出力部に相等する。
【0068】
次に、表2及び表3は、ディップスイッチ46の一つであるDIPSW46bを構成する各スイッチを切り替えたときの機能を表にしたものである。
このDIPSW46bは7つのスイッチからなっている。
【0069】
このうち1〜5番と6〜7番とは機能が異なっているので、別々に説明する。
DIPSW46bの1〜5番のスイッチを切り替えると、メダル貸機1の機能を下記の表2に示すように変更することができる。
【0070】
【表2】

【0071】
DIPSW46bの1番は、後述する監視処理(S500)で、紙幣引抜異常の判定方法を決めるスイッチで、ONにすると、中央制御装置50がJAM信号とVEND信号を同時に受信したときに(S523)、紙幣の引抜き異常と判定するよう設定することができる。一方、このスイッチをOFFにすると、中央制御装置50がJAM信号とBUSY信号を同時に受信したときに(S524)、紙幣の引抜き異常と判定するよう設定することができる。
【0072】
DIPSW46bの2番(46b−2)は、紙幣取扱部2内に投入された紙幣が真券であるか否かを示す信号の種類を決めるスイッチである。DIPSW46bの2番をOFFにすると、紙幣が真券である場合、短い10個のパルスが売上信号として外部に出力される。一方、DIPSW46bの2番をONにすると、紙幣が真券である場合、長い1個のパルスが売上信号として外部に出力される。
【0073】
DIPSW46bの3番は、メダル払出部6から払い出されるメダルの大きさ、すなわち、後述するカウントセンサ60eで検出されるメダルの大きさを設定するスイッチである。DIPSW46bの3番をOFFすると、直径25mmのメダルを検出するよう設定される。DIPSW46bの3番をONすると、直径30mmのメダルを検出するよう設定される。
【0074】
すなわち、メダル径が25mmの場合は、カウントパルスは、平均24msのパルス巾のHI信号(メダル検出)が、平均62ms間隔(メダル非検出LO)でメダル払出部6から入力されるので、このような信号を受信したときにメダルを計数できるようDIPSW46bの3番がOFF設定される。一方、メダル径が30mmの場合は、カウントパルスは、平均16msのパルス幅のHI信号が、平均106ms間隔で入力されるので、このような信号を受信したときにメダルを計数できるようDIPSW46bの3番がON設定される。
【0075】
DIPSW46bの4番は、紙幣取扱部2内に投入された紙幣の回収についての設定を切り替えるためのスイッチである。このDIPSW46bの4番をOFFすると、手作業で回収するよう設定される。一方、DIPSW46bの4番をONすると、紙幣搬送装置120で自動的に紙幣を回収するよう設定される。
【0076】
DIPSW46bの5番は、紙幣取扱部2で2000円札の投入を許可するか否かを設定するためのスイッチである。このDIPSW46bの5番をONすると、2000円札の投入を許可し、OFFすると、2000円札の投入を受け付けない設定とすることができる。
【0077】
次に、6〜7番のDIPSW5について説明する。
DIPSW46bの6〜7番のスイッチを切り替えると、メダル貸機1の機能を下記の表3に示すように変更することができる。
【0078】
【表3】

【0079】
これらDIPSW6〜7は、1000円当たりのメダルの払出枚数を切り替えるものである。メダル単価や消費税率の変更対応してメダルの払出枚数を換える必要があるからである。
【0080】
本実施形態では、6番と7番共にON設定した場合は46枚、6番をOFF7番をON設定した場合は47枚、6番をON7番をOFF設定した場合は48枚、6番7番共にOFF設定した場合は50枚のメダルを払い出せるよう設定される。
【0081】
{内部構成}
次に、主制御部4の内部構成について説明する。
この主制御部4は、図5に示すように、前述した7セグメントLED41と、中止ランプ42と、補給ランプ43と、表示ボタン44と、リセットスイッチ45の他に、ディップスイッチ46、コネクタ47、及び中央制御装置50を備えている。そして、7セグメントLED41、中止ランプ42、補給ランプ43、表示ボタン44、リセットスイッチ45、ディップスイッチ46、貯玉会員切換部54、メダル補給要求出力回路56及び、中央制御装置50は、バス49を介してコネクタ47に接続されている。尚、この主制御部4は、不正改造ができない構造となっているが、その構造についての詳細な説明は省略する。
【0082】
中央制御装置50は、CPU50a、ROM50b、RAM50c等を備えるコンピュータ装置からなり、後述する各種制御を実行する。
この中央制御装置50は、後述する各種プログラムを専用に記憶するプログラムROM50aを備えており、このプログラムROM50aは、主制御部4に対し着脱可能に構成されている。そのため、この中央制御装置50は、このプログラムROM50aを取り替えるだけで、変更したプログラムによる制御を行うことができる。
【0083】
また、中央制御装置50は、紙幣の取扱に関するデータ(紙幣の取込み枚数や、格納した枚数、搬送した紙幣の枚数等に関するデータ)や、メダル払出部6で払い出したメダルの枚数などを記憶すると共に、電源が切れてもデータの保持が可能な記憶装置50dを備えている。この記憶装置50dは、不揮発性のメモリーなど、電源が切れてもデータの保持が可能なものであれば、どのようなものでもよい。
【0084】
メダル貸機1を貯玉会員管理装置140に接続して、貯玉会員管理装置140で記憶され認証された貯玉データによって、紙幣を投入すること無くメダルの貸出を受けることができる構成とする為に、メダル貸機1には、貯玉会員管理装置140との間で貯玉データの授受を可能とする貯玉会員切換部54が設けられている。
【0085】
貯玉会員切換部54の切換操作によって、貯玉会員管理装置140からのメダル貸出要求信号がメダル貸機1で受信されるとメダル貸出要求信号に対応した枚数のメダルがメダル払出部6より払出される。
【0086】
この場合、紙幣がメダル貸機1に投入されたことに基づいてメダルが貸出されるものではないので、メダル貸機1より売上演算手段ともなる遊技場管理装置110には売上信号は出力されない。
【0087】
この主制御部4は、紙幣搬送装置120が接続可能にされる図示しない出力回路を備えるとともに、メダル補給装置120が接続される場合に対応してメダル補給信号を出力するメダル補給要求出力回路56を有する。メダル補給要求出力回路56のスイッチ46b−2の切換操作によって、ノーマルクローズ接点とノーマルオープン接点とが変換され、補給要求時はHI若しくは補給要求時LOの二形態のメダル補給要求信号を当該メダル貸機に接続されるメダル補給装置の別に対応させ当該メダル貸機1に設定することができる。
[メダル払出部6]
{外部構成}
ここで、図7はメダル払出部6の斜視図で、(a)は、筐体10内への挿入方向側からメダル払出部6を見たときの左方側上方から斜めに見下ろした図で、(b)は、右方側上方側から斜めに見下ろした図である。図7(c)は、後述するメダル詰まり処理(S451〜464)を実行するときに、メダル送出モータを動作させるタイミングチャートである。
【0088】
メダル払出部6は、外部から補給されたメダルを一旦貯留し、その後に払い出す装置である。
このメダル払出部6は、図7に示すように、主に、土台部60、連結部62、メダルタンク64を備えている。このメダル払出部6では、短首状に形成された連結部62が、土台部60を土台としてメダルタンク64を土台部60の上方に支持している。また連結部62は、メダルタンク64で貯留されたメダルを一枚毎に分離するとともに繰出すホッパーが格納されている。また、土台部60の前方側(メダル貸機1の筐体10に収納されたときに、開口部を向く側)には、図8(a)に示すように、メダル放出口60aが形成されるとともに、払出テストボタン60bが設けられている。また、土台部60の後方側には、図3(b)に示すように、コネクタ60cが設けられている。このコネクタ60cは、筐体10側のコネクタβと連結することができる。このコネクタ60cは、コネクタβと連結すると、コネクタβと電気的に接続される。
【0089】
なお、払出テストボタン60bをメダル払出部6に設けず主制御部4の操作部に設けるものとすれば、メダル貸機1全体としての機能確認には都合よい構造のものとなる。図8参照。
{内部構成}
次に、このメダル払出部6の内部構成について説明する。
【0090】
図5に示すように、払出テストボタン60bの他に、ノイズキャンセラ60d、カウントセンサ60eを備えている。連結部62は、ホッパー駆動モータ62aを備え、メダルタンク64は、メダル有無センサ64aを備えている。そして、払出テストボタン60b、カウントセンサ60e、ホッパー駆動モータ62a、及び、メダル有無センサ64aは、バス69に接続され、コネクタ60cに接続されている。
【0091】
払出テストボタン60bは、押下されると、メダル払出部6が正常に動作するか否かを検査することを指令する信号を出力する。この信号は、コネクタ60cから主制御部4に送信される。
【0092】
カウントセンサ60eは、フォトセンサからなり、メダルタンク64からメダル放出口60aにメダルが送りだされるルート上に設置され、そのルートを通過するメダルを検出すると、検出したことを示す信号を出力する。この信号は、コネクタ60cから主制御部4に送信され、主制御部4において、このメダル払出部6によって払い出されたメダルの計数に用いられる。
【0093】
ホッパー駆動モータ62aは、ホッパーを用いて、メダルタンク64に貯留されたメダルをメダル放出口60aに送り出す装置である。ホッパー駆動モータ62aは、主制御部4から、コネクタ60c、ノイズキャンセラ60dを介してメダルの排出を開始することを指令する信号を受信すると、メダルを送り出す動作を実行し、メダルの排出を停止することを指令する信号を受信すると、メダルを送り出す動作を停止する。
【0094】
メダル有無センサ64aは、メダルタンク2内に設置され、シグナル電極板とグランド電極板とを備えている。このメダル有無センサ64aは、これらの間の接触抵抗値により、メダルタンク64内にメダルが無い、即ちメダルが貯留されていないことを検出すると、メダルをメダルタンク64に供給するよう指示する信号を出力する。この信号は、ノイズキャンセラ60dを通過し、コネクタ60cから主制御部4に送信され、主制御部4において、後述するメダル補給装置に対し、メダル貸機1にメダルを供給するよう指示する処理で用いられる。
[通信信号]
次に、メダル貸機1で通信される信号について説明する。以下の説明では、主な信号・情報(遊技媒体貸出制御情報に相等)のみを挙げているが、これらに限るものではない。
【0095】
ここで図8は、メダル貸機1内で通信される各種信号について模式的に示したブロック図である。また表1は、紙幣取扱部2が通信する信号の一覧表である。
紙幣取扱部2が通信する信号としては、表4に示すように、「JAM」「VEND1000」「VEND2000」「INH1000」「FULL」「END」「BUSY」「INH2000」「OKRTN」等がある。尚、以下では、紙幣取扱部2の制御装置35が実行する処理についても簡単に触れている。
【0096】
【表4】

【0097】
JAM信号は、位置決センサ30b、投入検出センサ30c等の紙幣の有無を検出可能なフォトセンサが予め定められた時間以上継続して紙幣が検出部20aに位置していること、すなわち紙幣が紙詰まりしたことを検出したら主制御部4に出力される信号である。この信号は、端子1を利用して、紙幣取扱部2から主制御部4に出力される。制御装置35は、紙幣詰まりが発生したと判定すると、JAM信号を主制御部4に送信するとともに、搬送ベルトモータ31を停止する。
【0098】
VEND1000信号は、紙幣判別センサ30aによって検出された磁気抵抗の変化パターンが真券の1000円札であると制御装置35が判定したときに、紙幣取扱部2から主制御部4に出力される信号である。この信号は、端子2を利用して、紙幣取扱部2から主制御部4に出力される。
【0099】
VEND2000端子で通信されるVEND2000信号は、紙幣判別センサ30aによって検出された磁気抵抗の変化パターンが真券の2000円札であると制御装置35が判定したときに、紙幣取扱部2から主制御部4に出力される信号である。この信号は、端子3を利用して、紙幣取扱部2から主制御部4に出力される。
【0100】
制御装置35は、位置決センサ30bが紙幣の投入を検出すると搬送ベルトモータ31を稼動して紙幣を検出部20a内に引きこませる。すると、その引きこみの際、紙幣判別センサ30aで紙幣の磁気インクのパターンが読み取られ、そのパターンが真券であれば、制御装置35はこのVEND1000あるいは2000の信号が主制御部4に出力される。
【0101】
INH1000端子で通信されるINH1000信号は、メダル貸機1の制御過程上や不正などにより障害が発生した場合に、1000円札の受付禁止時にはオープンされ、障害の無い受付許可時にはGND側に接続されて1000円札紙幣の受付禁止情報を紙幣取扱部に出力される受付禁止信号である。この信号は、端子5を利用して、主制御部4から紙幣取扱部2に出力される。
【0102】
INH2000端子で通信されるINH2000信号は、メダル貸機1の制御過程上や不正などにより障害が発生した場合に、2000円札の受付禁止時にはオープンされ、障害の無い受付許可時にはGND側に接続されて2000円札紙幣の受付禁止情報を紙幣取扱部に出力する受付禁止信号である。この信号は、端子8を利用して、主制御部4から紙幣取扱部2に出力される。
【0103】
紙幣取扱部2は、これらINH1000、2000の信号を受信すると、紙幣判別センサ30aで投入された紙幣が真券であると判定しても、搬送ベルトモータ31を反転させて、投入された紙幣を投入口25から排出する。
【0104】
FULL端子で通信されるFULL信号は、紙幣満杯センサ30dが収納部20bに収納された紙幣が満杯であることを検出したときに、紙幣取扱部2から主制御部4に出力される信号である。端子6を利用して通信される。
【0105】
END端子で通信されるEND信号は、紙幣収納センサ30eが紙幣搬送装置120を主制御部を有すメダル貸機に接続しない場合に、紙幣取扱部から主制御部に出力される信号である。端子7を利用して通信される。
【0106】
BUSY端子で通信されるBUSY信号は、紙幣搬送装置120を主制御部4と紙幣取扱部2を有すメダル貸機1に接続している場合に紙幣搬送動作がされていることを紙幣取扱部2より主制御部4に出力する信号である。END信号と同じく、端子7を利用して通信される。BUSY信号は、紙幣が紙幣取扱部2に投入され、紙幣搬送センサ30fで紙幣が検出されたら直ちに出力される。
【0107】
OKRTN信号は、紙幣取扱部2に投入されたお札が、1000円札2000円札のいずれかの真券のお札であったときに、主制御部4から紙幣取扱部2に出力される信号である。端子9を利用して通信される。
【0108】
端子4と10は、主制御部4から紙幣取扱部2に電源を供給するための端子として、利用されている。
次に、メダル払出部6は、主制御部4に対し、図8に示すように、カウントセンサ60e、メダル有無センサ64aから信号が送信される。また、払出テストボタン60bの操作信号も送信される。また、ホッパー駆動モータ62aの電源は、主制御部4からメダル払出部6に供給される。
【0109】
次に、貯玉会員管理装置140が店内に設置されている場合は、この貯玉会員管理装置140から主制御部4には、貯玉会員情報が入力され、主制御部4から貯玉会員管理装置140へは、貯玉会員情報が出力される。
【0110】
次に、遊技場管理装置110と主制御部4との間では、主制御部4から前述した売上信号と売上予備信号が出力される。
次に、メダル補給装置130と主制御部4との間では、主制御部4から後述するメダル補給要求信号が出力される。
【0111】
次に、紙幣搬送装置120と主制御部4との間では、主制御部4から、紙幣の搬送に関する信号(紙幣搬送信号)の入出力が行われる。
[エラー表示]
次に、7セグメントLED41に表示するエラーコードについて説明する。
【0112】
ここで、図9は、エラーコードの一覧表である。
主制御部4は、Enで表される10の記号、すなわち「E1」「E2」「E3」「E4」「E5」「E6」「E7」「E8」「E9」「E0」を、エラーが発生したときに、エラーコードとして表示する。
【0113】
E1は、メダル払出部6内のメダルが不足していることを示す。
E2は、メダル払出部6がコネクタβに接続されていないことを示す。
E3は、カウントセンサ60eが故障、あるいは、正常に機能しないことを示す。
【0114】
E4は、メダル払出部6でメダルが詰まったことを示す。
E5は、紙幣の判別が行えなかったことを示す。
E6は、紙幣取扱部2内に収納された紙幣が満杯になったことを示す。
【0115】
E7は、メダル払出部6が必要以上のメダルを払い出した過放出を示す。
E8は、紙幣取扱部2に対し、紙幣の破れや搬送位置ずれ等、紙幣を正常に収納できなかった収納異常を示す。
【0116】
E9は、紙幣搬送装置120が紙幣取扱部2から紙幣を抜き出すことに失敗した紙幣引抜異常を示す。
E0は、不正行為が発生したことを示す。
【0117】
ところで、E1、E2、E6の表示は、図11に示すように、表示ボタン44とリセットスイッチ45とを同時に押下するクリア操作をすると、これらの表示がされないようにすることができる。
【0118】
E1、E3、E4、E5、E6、E8、E0の表示は、メダル払出部6の払出テストボタン60bを押下すると、メダルを2枚試験的に排出する払出テストを行うことができるが、この払出テストを行うと、これらの表示がなされないようにすることができる。
【0119】
E3、E4、E6、E7、E8の表示は、電源をOFFすると、これらの表示を停止することができる。
E3、E4、E6、E7、E8、E0の表示は、リセットスイッチ45を押下すると、これらの表示を停止することができる。
【0120】
E1、E2、E9の表示は、以後に示す各種処理によって自動的に復帰した場合は、これらの表示が停止される。
E5は、紙幣取扱部に設けられた紙幣判別センサにおける異常時で、待機中にEND信号を100ms以上検出した場合に、リセットスイッチを操作すると復帰する。
[店舗内施設]
次に、上述したメダル貸機1が設置されるパチンコ店の店内設備について説明する。
【0121】
ここで、図10は、店内設備の模式図で、(A)は、紙幣搬送装置120もメダル補給装置130も取り付けていない島の模式図、(B)は、紙幣搬送装置120が取り付けられている島の模式図、(C)は、メダル補給装置130が取り付けられている島の模式図、(D)は、紙幣搬送装置120及びメダル補給装置130のいずれも取り付けられている島の模式図である。図11は、店内設備のブロック図である。
{概略構成}
本実施形態では、店内設備としては、図10に示すように、4本の島100を備えている。
【0122】
図5を用いて説明したように、本実施形態のメダル貸機1は、紙幣搬送装置120や、メダル搬送装置130等を備えていない場合でも利用することができる。そのため図10でも、これらを備えていない場合についても示しているが((A)〜(C))、以下の説明では、説明簡単のため、(D)紙幣搬送装置120及びメダル補給装置130のいずれも取り付けられている島に主について説明する。
【0123】
本実施形態の島100は、長手方向に沿った両側の面に、複数のスロット機101が、島100の長手方向に沿って並設されている。そして、各スロット機101に向かって左側に、各スロット機101で使用するメダルを貸し出すメダル貸機1が設置されている。そのため、各島100では、各島の長手方向の面に向かった左側から順にメダル貸機1、スロット機101、メダル貸機1、スロット機101の順に、メダル貸機1及びスロット機101が並設される。
[メダル補給装置130]
本願発明を構成する遊技媒体貸出装置の一例であるメダル貸出装置、即ちメダル貸機1は、メダル補給装置130より自動補給する構成とすることの他、蓋を解錠操作して回動開放し、メダルタンク64にメダルをジョッキ状の補給箱を使用して補給することができる構成となっていて、メダル貸機1を設置する遊技場のシステムに適合するメダル補給形態を構成することができるように成っている。
【0124】
またこの島100は、各メダル貸機1にメダルを供給するメダル補給装置130を備えている。このメダル補給装置130は、メダル補給制御装置131と、メダル補給路132と、メダル補給分配路133、分配杵134とで構成されている。
【0125】
メダル補給制御装置131は、島100の長手方向の一端に設けられている。そして、メダル補給路132は、島100の幅方向中央に、島100の長手方向に沿って設置され、メダル補給制御装置131から排出されたメダルを島100の長手方向に沿って送りだす。そしてこのメダル補給路132には、このメダル補給路132から分岐した複数のメダル補給分配路133が取り付けられており、各メダル補給分配路133は、このメダル補給路132によって送られてきたメダルを各メダル貸機1に供給する。さらに分配杵134(図12参照)は、メダル貸機1毎にメダル補給路132に設けられ、メダル補給路132によって送られてきたメダルの搬送方向をメダル補給分配路133に向くように切り換える。
【0126】
このメダル補給装置130は、メダル貸機1からメダル補給要求信号を受けると、メダル補給路132にメダルを供給し、また、そのメダルの供給指令を発信したメダル貸機1に対応する分配杵134を切り換える。すると、メダル補給装置130から送られてきたメダルがメダル貸機1に補給される。
【0127】
尚、メダル補給装置130は、遊技場で使用された後回収されたメダルを石鹸水を含浸したスポンジローラーで圧接などして浄化する図示しない洗浄ユニットを備えている。メダル貸機1に補給されるメダルは、この洗浄ユニットで洗浄された後に、メダル補給装置130によって搬送されたものである。
[紙幣搬送装置120]
本願発明を構成する遊技媒体貸出装置の一例であるメダル貸出装置、即ちメダル貸機1は、紙幣搬送装置120によりメダル貸機1に投入された紙幣等の有価媒体を島に設けられた金庫121aに自動回収する構成とすることの他、紙幣取扱部内に設けた収納部20bに紙幣を格納する一方、蓋を解錠操作して回動開放し、収納部20bに格納された紙幣を回収する構成とすることができ、メダル貸機1を設置する遊技場のシステムに適合する紙幣の回収形態を構成することができるように成っている。
【0128】
島100は紙幣搬送装置120を備えている。
この紙幣搬送装置120は、紙幣搬送制御装置121、紙幣搬送路122を備えている。
【0129】
紙幣搬送制御装置121は、島100の長手方向の一端であって、メダル補給装置130が取り付けられている側に設置されている。そして、紙幣搬送路122は、この紙幣搬送制御装置121からは、島100の長手方向に沿って延設されている。各メダル貸機1に投入された紙幣は、この紙幣搬送装置120で紙幣搬送制御装置121に搬送され、紙幣搬送制御装置121内に設けられた金庫121aに貯留される。
[遊技場管理装置110]
この店舗内には、上述したメダル補給装置130、紙幣搬送装置120の他に、これらの装置120、130及び各メダル貸機1及びスロット機101と通信可能に構成された遊技場管理装置110を備えている。この遊技場管理装置110は、各島100でのメダルの供給情報、売上情報などを集計管理したり、メダル貸機1で不正や異常があった場合に、これらの情報を店員が所有する無線装置に通信するなど、多くの情報を処理・管理する。
【0130】
本実施形態のメダル貸機1は、図11に示すように、インターフェイス部90を備えており、メダル貸機1はこのインターフェイス部90を介して、遊技場管理装置110、紙幣搬送装置120、メダル補給装置130と通信し、また貯玉会員管理装置140、外部に備えられた記憶媒体投入装置150を備える場合も同様である。
【0131】
尚、図10では、表示部、操作部との記載があるが、これらは、7セグメントLED41、中止ランプ42、補給ランプ43や、表示ボタン44、リセットスイッチ45等に相等し、主制御部は、中央制御装置50に相等する。
【0132】
また、メダル貯留部とメダル払出部は、それぞれ、メダルタンク64と、ホッパー駆動モータ62a等に相等する。
さらに、メダル貸機1が、記録媒体投入装置150を備えていてもよい。尚、ここで言う記録媒体とは、例えば,ICカード、ICコイン、プリペイドカード等である。
{接続部分の構成}
次に、店舗内設備とメダル貸機1との接続部分の構成について具体的に説明する。
【0133】
ここで、図12は、メダル貸機1と店内設備(100〜130)との接続部分の斜視図である。
図12に示すように、メダル補給装置130を構成するメダル補給路132には、複数の分配杵134が設置されている。そしてこの分配杵134は、具体的には、各メダル貸機1の裏面側に設置されている。また、各メダル貸機1の裏面側には、メダル補給路132の傍らから、各メダル貸機1のメダル払出部6にメダルを供給するためのメダル補給分配路133が設置されている。メダル補給装置130は、メダル貸機1からメダルの補給命令があると、分配杵134を図14のように稼動して、メダル補給路132を流れてくるメダルを、メダル補給路132の傍らで開口しているメダル補給分配路133の開口に導く。すると、メダルが、メダル補給分配路133を介してメダル払出部6に供給される。その後、メダル払出部6に対するメダルの補給が終了したら、分配杵134は、メダル補給路132を流れてくるメダルを下流側に流す位置に移動する。
【0134】
また、図12に示すように、メダル貸機1の紙幣取扱部2の裏面側から紙幣搬送装置120の紙幣搬送路122に向かって紙幣搬送分岐路123が設けられている。そして、紙幣搬送分岐路123が紙幣搬送路122に接続される部分には、紙幣取扱部2から送られてきた紙幣を保留する紙幣保留部124が設けられている。投入口25から紙幣取扱部2に投入された紙幣は、紙幣搬送分岐路123を介して紙幣保留部124に搬送してここで待機させ、この紙幣保留部124に保留された紙幣は紙幣搬送路122を紙幣搬送装置121によって搬送される。
[各種処理]
次に、メダル貸機1を構成する紙幣取扱部2の制御装置35、及び、主制御部4の中央制御装置50で実行される各種処理について以下説明する。尚、以下の説明では、特に処理の順番を示さない限り、ステップ番号の小さいものから大きいものを順に実行するものとして説明する。
[メイン制御]
まず、メイン制御について説明する。
【0135】
ここで図13は、メイン制御のフローチャートである。
このメイン制御(S1)では、図13に示すように、以下に示す4つの処理(S100〜S400)が実行される。
【0136】
S100では、中央制御装置50は、店舗内設備110〜150との通信を確立するための通信確立処理を実行し、S200では、メダルを払出すホッパーを駆動するホッパー駆動モータ62aや、搬送ベルトモータ31など電磁的な雑音をその起動時に多く発生する駆動手段の制御の乱れを、メダルの払出し若しくは紙幣の搬送動作を障害の無い安定した待機状態に初期化するとともに、場合によっては制御動作途上で停止した状態にある駆動手段と制御情報とを初期化し機構的なメダル貸出処理の準備を実行するメカイニシャル制御手段を構成している。その後、中央制御装置50は、S300では、紙幣取扱部2に投入される紙幣に対する投入紙幣処理を実行し、S400では、メダルの払出に関するメダル払出処理を実行した後、再びS300の処理を実行する。
【0137】
以下、各メイン制御の各ステップで行われる処理について詳細に説明する。
[S100]
S100の通信確立処理は、メダル貸機1と店舗内設備110〜150との通信を確立するための処理である。
【0138】
ここで図14は、通信確立処理のフローチャートである。
この通信確立処理(S100)は電源がONされたときに実行され、図14に示すように、メダル貸機1の中央制御装置50は、まず、S110の処理を実行する。
【0139】
S110では、中央制御装置50は、メダル補給装置130と通信が可能か否かを判定する。この判定で、通信が可能であると判定されるまでは待機し(S110:NO)、通信が可能であると判定されたら(S110:YES)、S111の処理を実行する。
【0140】
S111では、中央制御装置50は、補給セットアップ処理を実行する。この処理は、メダル補給装置130との間に、メダルの補給を行うための通信が正確に行われるか否かを試験するための通信を行う
S120では、中央制御装置50は、ディップスイッチ46のDIPSW46bのスイッチ4がONかOFFかを判定する。DIPSW46bのスイッチ4がOFFであればS130の処理を実行し、DIPSW46bのスイッチ4がONであれば、S121の処理を実行する。このS120では、紙幣の回収について、スイッチ4がON、すなわち紙幣搬送装置120により紙幣を自動的に回収するか、スイッチ4がOFF、すなわち紙幣取扱部2に収納された紙幣を手作業で回収するかによって、中央制御装置50で行う処理の設定を変更している。
【0141】
S121では、中央制御装置50は、紙幣搬送装置120と通信が可能か否かを判定する。この判定で、通信が可能であると判定されるまでは待機し(S121:NO)、通信が可能であると判定されたら(S121:YES)、S122の処理を実行する。
【0142】
S122では、中央制御装置50は、紙幣回収セットアップ処理を実行する。この処理では、紙幣搬送装置120との間で、紙幣の回収を行うための通信が正確に行われるか否かを試験するための通信を行う。そしてこのS122の処理により、紙幣を回収するための試験通信が終了したら、S130の処理を実行する。
【0143】
S130では、中央制御装置50は、遊技場管理装置110と通信が可能か否かを判定する。この判定で、通信が可能であると判定されるまでは待機し(S130:NO)、通信が可能であると判定されたら(S130:YES)、S131の処理を実行する。
【0144】
S131では、中央制御装置50は、セットアップ処理を実行する。この処理は、遊技場管理装置110との間に、売上データ等の授受が正確に行われるか否かを試験する処理である。そして、S131の処理が終了したら、メイン処理を実行する。
[S200]
S200のメカイニシャル制御手段は、既述した初期化処理の他、メダル貸機1のメカ的な機構が正常に動作するかチェックする処理も併せて行い、原則としてメダル貸機1の電源が投入されたときに実行されるものであるが、何らかの異常が発生した場合や、定期的にイニシャル制御をする構成としてもよいことは勿論である。
【0145】
ここで図15は、メカイニシャル処理のフローチャートの一変更例である。
このメカイニシャル処理(S200)を実行すると、図15に示すように、メダル貸機1の中央制御装置50は、まず、S201の処理を実行する。
【0146】
S201では、中央制御装置50は、7セグメントLED41に待機中であることを示す待機表示処理を実行する。具体的には、7セグメントLED41の各セグメントを一つずつ順次点灯する表示を実行する。
【0147】
S202では、中央制御装置50は、搬送ベルトモータ31、制御装置35は、ホッパー駆動モータ62aなどを動作させて初期動作を実行する。
S203では、中央制御装置50は、メダル貸機1や店内設備(110〜130)で、何らかのトラブルが生じていないか否かを判定する。この判定で、異常が発生していたら(S203:NO)、発生している異常を示す表示を7セグメントLED41に表示し(S204)、メイン制御を終了する。一方、異常が発生していなかったら(S203:YES)、メイン処理(S1)に戻る。
[S300]
S300の投入紙幣処理は、メダル貸機1に組込まれた紙幣取込装置の機構が正常に動作するかチェックするとともに紙幣を処理し表示と信号出力をする制御過程と手段とをフローチャート図で示した。
【0148】
ここで図16は、投入紙幣処理のフローチャートである。図17(a)は、紙幣搬送装置120が接続されている場合にS340〜S400までの処理を実行したときのタイミングチャート、図17(b)は、紙幣搬送装置120が接続されていない場合のタイミングチャートである。
【0149】
この投入紙幣処理(S300)を実行すると、図16に示すように、主制御部4の中央制御装置50は、まず、S310の処理を実行する。
S310では、中央制御装置50は、紙幣取扱部2への紙幣の投入が禁止されているか否かを判定する。紙幣の投入が禁止される場合とは、一つは、(a)メダル貸機1の電源電圧が所定値より低下している場合である。他には(b)払出テスト中であったり、(c)メカイニシャル処理(S200)が実行されていたり、(d)メダルが払い出されている途中であったり、(e)リセットやクリアの処理がなされている途中であったり、(f)紙幣取扱部2内に収納された紙幣が満杯であったり、(g)メダル不足であったり、(h)メダルの払出し完了後500msを経過していないときであったり、その他(i)異常があったときなどである。これらの場合、一部の動作が他の動作と重なったり、正常に動作しなかったりするなどして、メダル貸機1が正常に作動せず、投入された紙幣に対してメダルを正常に払い出しできない恐れがあるので、このS310では、上記のような(a)〜(h)のような場合でないか、判定している。この判定(S310)で入金が禁止されているときは(S310:YES)、この入金の禁止が解除されるまで待機し、入金が禁止されていないときは(S310:NO)、紙幣が投入されるのを待っている待機状態である旨を7セグメントLED41に表示する処理(S311)が実行された後、S320を実行する。
【0150】
S320では、紙幣取扱部2の制御装置35により、紙幣が紙幣取扱部2に投入されたか否かが判定される。具体的には、制御装置35は、紙幣が遊技者により投入口25から投入され、投入検出センサ30cが紙幣を検出したか否かが判定される。この判定では、紙片が投入されたことを検出していないと判定している間は(S320:NO)待機し、紙幣が投入されたことを検出したと判定すると(S320:YES)、S321の処理を実行する。
【0151】
S321では、制御装置35は、搬送ベルトモータ31を動作させ、搬送ベルト29と搬送ローラ29aとを回転させて、紙幣を検出部20a内に誘引する。そして、位置決センサ30bが位置するところまで紙幣を収納したら、紙幣判別センサ30aによる紙幣の真偽の判定を開始し、さらに、送出口28側に紙幣を送り、紙幣が位置決センサ30bが位置するところを通過したら搬送ベルトモータ31を一旦停止する処理を実行する。また。S320では、制御装置35は、S311による処理を実行することによって7セグメントLED41に表示されていた待機表示を停止する処理を実行して、S330を実行する。
【0152】
S330では、中央制御装置50は、信号が正常か否かを判定する。具体的には、JAM信号、FULL信号、または、END信号あるいはBUSY信号が、100ms以上であるか否か、VEND信号の場合は、80ms以上450ms以下であるか否かを判定する。この判定で、正常であると判定された場合は、S340の処理を実行し、正常でないと判定された場合は、メイン処理(S1)を終了する。
【0153】
ところで、S320において紙幣が投入されたと判定されS321の処理が実行されると、図17(a)に示すように、紙幣搬送装置120が紙幣取扱部2に接続されている場合には、紙幣搬送センサ30fによって紙幣が検出されて制御装置35からBUSY信号が出力され、また、図17(a)(b)に示すように、紙幣搬送装置120の接続の有無に関わらず、投入された紙幣が真券であると、制御装置35から真券信号であるVEND信号が出力される。
【0154】
S340では、中央制御装置50は、VEND信号を受信したか否かを判定し、VEND信号が入力されないときは待機し(S340:NO)、VEND信号が入力されたときは(S340:YES)、VEND信号が示す金額や、DIPSW46bの6、7番スイッチの設定に応じたコインの枚数を7セグメントLED41に表示する処理を実行し(S341)、そして、紙幣取扱部2内に投入された紙幣の枚数を累計する処理を実行する(S342)。
【0155】
S350では、中央制御装置50は、紙幣搬送装置120が接続されている場合は、図17(a)に示すように、VEND信号が入力されてから80msが経過したか否か、また、BUSY信号の受信を開始してから1秒以上経過しているか否かを判定し、紙幣搬送装置120が接続されていない場合は、図17(b)に示すように、紙幣収納センサ30eにより紙幣が収納部20bに収納され、制御装置35からEND信号が出力されるので、END信号を受信したか否かを判定する。そして、この判定で、中央制御装置50は、肯定判定されるまで待機し(S350:NO)、肯定判定されたら(S350:YES)、紙幣搬送装置120が接続されている場合は、S360の処理を実行し、接続されていない場合は、本処理(S300)を終了して、メイン処理に戻る。
【0156】
S360では、中央制御装置50は、真券確認信号(OKRTN信号)を紙幣取扱部2に送信する。すると、このOKRTN信号を受信した紙幣取扱部2の制御装置35は、VEND信号の送信を停止する。
【0157】
S361では、主制御部4は、VEND信号の入力が停止されたか否かを判定し、VEND信号が入力されるときは待機し(S361:NO)、VEND信号の入力が停止されたら(S361:YES)、本処理(S300)を終了して、メイン処理に戻る。
【0158】
尚、中央制御装置50は、紙幣搬送装置120が接続されていない場合に、S340でVEND信号が入力されたら、その2秒後に、メイン処理とは別に、END信号の入力の如何に関わらず、100msのパルス巾で100ms間隔の売上信号を遊技場管理装置110に出力する処理を実行する。本実施形態では、DIPSW46bのスイッチ2をOFFすることにより、1000円あたり10パルス出力し、2千円投入時は20パルス出力する。売上信号波、リレー接点のオンオフによりパルス出力するものである。
【0159】
収金確認信号ENDが検出されない場合は、紙幣搬送装置120がメダル貸機1に接続されていると判定して、BUSY信号を確認した場合にメダル貸機1より紙幣搬送装置120にメダルを受け渡す制御を実行してもよい。
【0160】
真券信号VENDが検出されたら、メダル払出部6のホッパー駆動モータ62aを起動してメダルの払出し制御に移動する。
収金確認信号ENDが検出された場合は、紙幣搬送装置120がメダル貸機1に接続されていないものと判定して、メダル貸機1内において紙幣の判別と収容処理を実行してもよい。
【0161】
真券信号VEND検出から2秒経過したことが判定されたら、メダル払出部6のホッパー駆動モータ62aを起動してメダルの払出し制御を行っても良い。
紙幣のメダル貸機1における紙幣の格納処理若しくは紙幣搬送装置120への紙幣の繰出し処理に併行してメダルの払出し制御が実行される。
【0162】
ホッパー駆動モータ62aによるメダルの払出し動作をメダル払出部6に設けられたカウントセンサ64aが計数し、投入された紙幣に応じたメダル払出し個数分よりメダル減算され設定個数分のメダル払出しが完了したら処理を終了する。
【0163】
併せて、投入された紙幣が複数枚である場合には投入された紙幣枚数の加算処理が行われ、演算された紙幣金額に対応したメダル個数の払出しが実行される。
同時に、投入された紙幣枚数に対応する売上データが当該メダル貸機1より遊技場管理装置110に出力される。
【0164】
一方、メダルの払出し途中においてメダル詰まりが判定され、若しくは紙幣満杯がなどの異常が判定された場合には、該当するエラーコードがメダル貸機1の表示部(7セグメントLED41)において表示される。異常が検出されてメダルの払出しが停止した場合には、未払いのメダル数が点滅表示される。
[S400]
S400は、メダルを払い出すための払出処理である。
(S400)
ここで、図18は、払出処理のフローチャートである。
【0165】
この払出処理(S400)ではまず、メダル有無センサ64aの接触抵抗値が80kΩ以下であるか否かを判定する(S411)。この判定で、中央制御装置50が接触抵抗値が80kΩ以下でないと判定したら(S411:NO)、後述するメダル不足処理(S431〜S436)を実行する。一方、この判定で、接触抵抗値が80kΩより大きいと判定したら(S411:YES)、S411の判定を開始してから30ms以上経過したか否かを判定して(S412)、未経過の場合は待機し(S412:NO)、経過した場合は、メダルがあると判定して、ホッパー駆動モータ62aを動作させる(S413)。すると、メダルがメダルタンク64からメダル払出部6に排出されるので、次に、この排出されるメダルをカウントセンサ60eで検出する(S414)。カウントセンサ60eはメダルを検出すると、出力信号がHIレベルになる。そのためこのS414では、そのHIレベルの出力信号が、約10msのHIレベル信号の信号を検出したか、あるいは、3秒以上継続するLOレベル、あるいはHIレベルの信号を検出したかを判定する。そして、この判定で、約10msのHIレベル信号を検出したと判定したら(S414:HIレベル)、7セグメントLED41に表示されているメダルの払い出し枚数の表示を「1」減らした数字に変更する処理(S415)を実行し、メダルを払いだす残数が「0」か否かを判定して(S416)、「0」でなければ(S416:NO)、再びS414の処理を実行する。一方、S416の判定で「0」であると判定されたら(S416:YES)、ホッパー駆動モータ62aを停止し(S417)、S416の処理から5秒が経過したか否かを判定し(S418)、5秒が停止したら「0」の表示を停止して(S419)、メイン処理(S1)に戻る。一方、3秒以上LOレベル、あるいはHIレベルの信号を検出したと判定したら(S414:LOレベル)、メダル詰まりであると判定して、メダル詰まり処理(S451〜464)を実行する。尚、S416の判定は、払い出したメダルの数を計数して、払いだすべきメダルのうち最後のメダルをカウントするパルス波が立ち下がったか否かを判定してもよい。
(メダル不足処理)
払出処理(S400)の中で行われるメダル不足処理(S431〜S436)について説明する。
【0166】
メダル不足処理(S431〜S436)は、S411でメダルタンク64の中にメダルが収納されていないと判定されたときに(S411:NO)実行される処理である。
このメダル不足処理(S431〜S436)を開始すると、まず、2秒間待機する(S431)。次に、メダル不足である旨を示す「E1」の表示を7セグメントLED41を使って行うとともに、補給ランプ43の点灯を行い(S432)、メダル補給装置130内では、メダルの補給を準備する処理が実行される(S433)。具体的には、メダル補給路132を流れてきたメダルが、メダル補給分配路133に向かうように分配杵134などを配置する動作が実行される。そして、中央制御装置50は、メダル補給装置130にメダルを補給するよう指令する信号を送信する(S434)。するとメダル補給装置130からメダルが補給されるので、メダル補給装置130からメダルの補給が完了したことを知らせる補給完了信号を受信したか否かを判定し(S435)、その補給完了信号を受信するまで待機する(S435:YES)。一方、この判定(S435)で、補給完了信号を受信したら、メダル不足であることを表示(E1の表示と補給ランプ43)する処理を停止し(S436)、再びS411の処理を実行して、メダル不足処理(S431〜S436)を終了する。
(メダル詰まり処理)
払出メイン処理(S410)の中で行われるメダル詰まり処理(S451〜464)について説明する。
【0167】
メダル詰まり処理(S451〜464)は、S414で、HIレベルの信号が3秒以上続いた場合に実行される処理である。
このメダル詰まり処理(S451〜464)を開始すると、中央制御装置50は、図7(c)に示すように、まず、正転しているホッパー駆動モータ62aを1秒間停止し(S451)、1秒間反転させた後(S452)、再び停止させ(S453)、さらに3秒間正転させる(S454)。そして中央制御装置50は、これら一連の動作(S451〜S454)を2回行ったか否かを判定し(S455)、2回行っていなければ(S455:NO)、再び(S451〜S454)の動作を実行して、2回行っていたら(S455:YES)、メダルの詰まりが解消したか否かを判定する(S460)。すなわち、このS460では、中央制御装置50は、S460の判定で、20ms以上LOレベルになったかを判定する。この判定でメダル詰まりが解消したら(S460:YES)、再びS411の処理を実行する。一方、メダル詰まりが解消しなかったら(S460:NO)、メダル詰まりが発生したことを示す「E4」の表示を、7セグメントLED41に対して行う(S461)。そして、ホッパー駆動モータ62aを停止する(S462)。その後、メダル詰まりを解消する操作が作業員の手で行われ(S463)、メダル詰まりが解消したことを示す操作が、メダル貸機1に対してなされ、カウントセンサ60eから出力される信号が20ms以上LOで維持されたら(S464)、再びS411の処理を実行する。
【0168】
尚、メダル詰まりを解消する操作としては、払出テストボタン60bを押下して行う払出テストがある。この払出テストとは、試験的にメダルを払い出すテストのことで、この払出テストを行うため作業員によって払出テストボタン60bが押下されると、7セグメントLED41に黄色で2の表示がなされ、ホッパー駆動モータ62aが動作して、2枚のメダルが払い出される。このときカウントセンサ60eでメダルが検出されると7セグメントLED41に表示されたメダルの数を1ずつ減らしていく処理をここでも行われるため、この払出テストによりメダルが払い出されることで、メダル払出部6はメダルが詰まっておらず、しかもカウントセンサ60eを用いて払い出されるメダルをきちんと数えることを確認できる。
[監視処理(S500)]
次に、メイン制御(S100)と平行して実行される紙幣取扱部2の監視処理(S500)について説明する。
【0169】
ここで、図19は、紙幣取扱部2の監視処理(S500)のフローチャートである。
この紙幣取扱部2の監視処理(S500)は、メダル貸機1の電源が投入されると開始される。
【0170】
この監視処理(S500)を開始すると、まず、図19に示すように、紙幣を紙幣取扱部2に収納するよう設定されているか否かを判定する処理を実行する(S501)。この処理は、DIPSW46aのスイッチ4番がONかOFFを検出することにより判定することができる。この判定で、紙幣取扱部2に収納されるタイプと判定された場合(S501:YES)、紙幣をメダル貸機1の紙幣取扱部2で収容する構成の場合には、真券信号を判定してから3秒以内にEND信号が検出できない場合は、紙幣収納異状と判定され(S503)、7セグメントLED41に「E8」を表示する。一方、紙幣取扱部2に収納されるタイプではないと判定された場合(S501:NO)、VEND信号が入力されてから、メダルの払い出しが終了するまでにJAM信号を入力したか否かを判定する(S504)。そして、この判定で、JAM信号が検出された場合は(S504:YES)、紙幣収納異常であると判定し、一方、JAM信号が検出されなかった場合は、S510の処理を実行する。
【0171】
S510では、中央制御装置50は、VEND信号を入力してから、メダル払出終了までを除く待機中にJAM信号を100ms以上連続して入力したか否かを判定する。この判定(S510)で、JAM信号を100ms以上連続して入力したと判定したら(S510:YES)、紙幣判別異常と判定し、一方、JAM信号を入力していないと判定したら(S510:NO)、S512の判定を実行する。
【0172】
S512では、2000円を返却する2000円返却モードか否かを判定する。この判定はディップスイッチDIPSW46bの5番がOFFされているか否かにより判定されると、2000円紙幣は当該メダル貸機においては使用できず1000円のみが当該メダル貸機において使用できる構成として設定できる。このデップスイッチの切り換え設定によって複数種類の紙幣を使用可能状態と不可能状態とに当該メダル貸機を設定することができる構成とすることができる。例えば、5000円紙幣の投入を可能状態に若しくは不可能状態に、或いは、1万円紙幣を投入可能状態と投入不可能状態とに、表2で表したデップスイッチの5番ピンをON、OFF切換えることにより設定することができる。この場合には、紙幣取扱部の紙幣判別手段となる紙幣判別センサが5000円若しくは10000円についての真券識別機能を搭載していることより可能とすることができる。この判定により(S512)、2000円返却モードであると判定された場合は(S512:YES)、S514の判定を実行し、2000円返却モードでないと判定された場合は(S512:NO)、S513の判定を実行する。
【0173】
S513では、VEND信号を451ms以上入力したか否かを判定する。この判定S513において、VEND信号を451ms以上検出で異常の判定を行い450msより80msの範囲内でVED信号を正常なものとして判定する。これにより真券信号を所定の検出時間内において検出された場合にのみ真券信号を真正なものとして制御上で取扱うこととなり、VEND信号がノイズなど他の信号の干渉を受けて紙幣判別手段を有する紙幣取扱部より主制御部に入力されることを防止することができる。
【0174】
この判定(S513)で、VEND信号を451ms以上検出していないと判定したら(S513:NO)、紙幣判別異常であると判定して7セグメントLED41に「E5」を表示し、VEND信号を451ms以上検出したと判定したら(S513:YES)、S514の判定を実行する。
【0175】
S514の判定では、VEND信号を検出してから、メダル払出終了までを除く待機中にJAM信号を100ms以上連続して検出したか否かを判定する。この判定(S514)で、JAM信号を100ms以上連続して入力したと判定したら(S514:YES)、紙幣判別異常と判定し、一方、JAM信号を入力していないと判定したら(S514:NO)、S520の判定を実行する。
【0176】
S520の判定では、VEND信号を入力してからメダル払出終了までの期間かを判定する。この判定で、この期間ではないと判定したら(S520:NO)、S530の判定を実行し、一方、この期間であると判定したら(S520:YES)、DIPSW46bの1番スイッチがONか否かを判定する(S521)。
【0177】
S521の判定で、DIPSW46bの1番がONではないと判定されたら(S521:NO)、次にこのDIPSW46bの一番がOFFか否かを判定し(S522)、一方、DIPSW46bの1番がONであると判定されたら(S521:YES)、S523の判定を実行する。
【0178】
S522の判定では、DIPSW46bの一番がOFFであると判定したら(S522:YES)、S524の判定を実行し、一方、DIPSW46bの一番がOFFでないと判定したら(S522:NO)、S530の判定を実行する。
【0179】
S523の判定では、紙幣詰まり信号(JAM信号)と真券信号(VEND信号)を同時に検出したか否かを判定し、同時に検出したと判定したら(S523:YES)、紙幣の引抜き操作が行われた、すなわち紙幣の引抜き異常と判定して7セグメントLED41に「E9」を表示し、一方、同時に検出していないと判定したら、S524の処理を実行する。
【0180】
S524の判定では、紙幣詰まり信号(JAM信号)と紙幣搬送装置120が動作中であることを示す信号(BUSY信号)とを同時に検出したか否かを示す判定し、同時に検出したと判定したら(S524:YES)、紙幣の引抜き異常であると判定し、一方、同時に検出していないと判定したら、S530の処理を実行する。
【0181】
S530の判定では、待機中に紙幣取扱部2内に収納された紙幣が満杯になったか否かを判定する。この判定で、中央制御装置50が紙幣取扱部2からFULL信号を受信して、収納部20bが満杯になったと判定されたら(S530:YES)、紙幣が満杯になったと判定して、7セグメントLED41に「E6」を表示し、満杯になっていないと判定されたら(S530:NO)、本監視処理(S500)を繰り返し実行する。
[メダル払出部6の監視処理]
次に、メダル払出部6を監視する監視処理(S600)について説明する。
【0182】
ここで、図20は、メダル払出部6の監視処理(S600)のフローチャートである。
このメダル払出部6の監視処理(S600)は、メダル貸機1の電源が投入されたとき、及び、以下に示す各種の異常が発生してリセットされたときに開始される。
【0183】
この監視処理(S600)を開始すると、まず、図20に示すように、S610の判定を実行する。
S610では、中央制御装置50は、電源投入時にメダル有無センサ64aが2秒間連続してメダルがないことを検出したか否か、すなわちメダルが不足しているか否かを判定する。この判定は、具体的には、メダル有無センサ64aが接触抵抗値が80kΩ以下となっている時間が2秒間続いているか否かにより判定する。この判定により、2秒間続いていると判定された場合(S610:YES)、メダルが不足していると判定し、一方、2秒間の間にメダルがあると判定された場合は(S610:NO)、S612の判定を実行する。
【0184】
S612では、中央制御装置50は、メダル有無センサ64aが2秒間連続してメダルなしを検知してから、350枚のメダルを払い出したか否かを判定する。この判定で、350枚を払い出していないと判定したら(S612:NO)、S613の判定を実行し、払い出していると判定したら(S612:YES)、S614の判定を実行する。
【0185】
S613では、中央制御装置50は、S610と同様の方法で、メダル有無センサ64aが2秒間連続してメダルがないことを検出したか否か、すなわちメダルが不足しているか否かを判定する。この判定により、2秒間続いていると判定された場合(S613:YES)、メダルが不足していると判定し、一方、2秒間の間にメダルがあると判定された場合は(S613:YES)、S620の判定を実行する。
【0186】
S614では、中央制御装置50は、S610と同様の方法で、メダル有無センサ64aが2秒間連続してメダルがないことを検出したか否か、すなわちメダルが不足しているか否かを判定する。この判定により、2秒間続いていると判定された場合(S614:YES)、メダルが不足していると判定して7セグメントLED41に「E1」を表示し、一方、2秒間の間にメダルがあると判定された場合は(S614:NO)、再びS612の判定を実行する。これによって、メダル貸機1に設けられたメダル払出部6におけるメダルが欠乏したことを2秒間の経過時間を持って判定しているので、メダル貸機1で貯留されているメダルがブリッジなどの現象によりメダル間に間隙を生じた為にメダル無し若しくはメダル不足信号が出力されてしまったり、ノイズや他からの干渉により不正にメダル不足信号が形成されて、不要なメダル補給制御が実行されることを防止することができる。
【0187】
S620では、中央制御装置50は、メダル払い出し中を除く待機中に100ms以上、カウントセンサ60eが正常に動作していることを示す確認信号の入力がないか否かを判定し、確認信号の入力がない場合は(S620:YES)、接続異常と判定して7セグメントLED41に「E2」を表示し、一方、確認信号の入力がある場合は(S620:NO)、S630の処理を実行する。これによって、メダル貸機1を構成する電気部品が接続されておらず断線が発生していることを、所定の経過時間を確認時間としてもって判定するものとしているので、ノイズや他からの干渉などによる不正な断線情報が形成され、不必要な組付け作業が指示されたり表示される不具合を解消することができる。
【0188】
S630では、中央制御装置50は、メダル払出しが行われた後、50ms以上経過し500msが経過する間に、カウントセンサ60eがメダルを検出したか否かを判定する。この判定の結果、その間にメダルを検出したら(S630:YES)、メダルの過放出であると判定し、7セグメントLED41に「E7」を表示する。一方、その間にメダルの検出されなかったら(S630:NO)、S640の処理を実行する。これによって、予め設定された所定の経過時間(50ms〜500ms)、即ち通常設定されたメダルの払出時間内において、メダルの払出が完了しないことにより、ノイズや他からの干渉若しくは故障の発生などによりメダルが不必要に払出されたことが判定でき、不正の判定やメダル払出部の故障の有無を確実に判定制御させることができるものとなる。
【0189】
S640では、中央制御装置50は、ホッパー駆動モータ62aの動作中に、カウントセンサ60eが3秒間以上LO又はHIレベルのまま変化がないか否かを判定する。この判定で、3秒間変化がないと判定したら(S640:YES)、S452〜S455と同じメダル詰まり解消処理を2回実行して、この処理が終了したか否かを判定し(S641)、終了していなければ(S641:NO)、再びS641の処理を実行して待機し、メダル詰まり解消処理が2回行われたと判定されたら(S641:YES)、メダル払出部6でメダル詰まりが発生したと判定し、7セグメントLED41に「E4」を表示する。一方、S640の判定で、3秒以内に変化があったと判定したら(S640:NO)、メダル払出部6におけるメダル詰まりが解消したとして、S650の処理を実行する。これによって、メダル貸機1におけるメダル詰りの判定とメダル詰りに対応してメダル詰り解消処理とメダル詰り解消の判定との一連のメダル払出障害解除制御が、ホッパー駆動モータ62aの動作信号とカウントセンサ60eによる検出の経過時間とによって、ノイズや他からの信号干渉などにより不正に障害されること無く錯誤なく効率的に実行することができる。
【0190】
S650では、中央制御装置50は、ホッパー駆動モータ62aの動作中に、カウントセンサ60eがHIレベルの信号を200ms以上連続して出力したか否かを判定する。この判定で200ms以上連続して出力したと判定したら(S650:YES)、カウントセンサ60eに異常があると判定し、7セグメントLED41に「E3」を表示する。一方、200ms以上連続して出力していないと判定したら(S650:NO)、S660の処理を実行する。
【0191】
S660では、中央制御装置50は、メダルの払出中か否かを判定し、メダルの払出中でなければ(S660:NO)、本処理(S600)を終了し、メダルの払出中であれば(S660:YES)、S670の処理を実行する。
【0192】
S670では、中央制御装置50は、2秒以上カウントセンサ60eから検出信号の入力の空白が5回以上発生したか否かを判定し、発生したと判定したら(S670:YES)、不正が発生したと判定し、発生していないと判定したら(S670:NO)、S671の処理を実行する。S671では、中央制御装置50は、待機中にカウントセンサ60eが5枚のメダルを計数したか否かを判定し、5枚のメダルの計数したら不正が発生したと判定し、7セグメントLED41に「E0」を表示して、計数しなかったら(S671:NO)、再び本処理(S600)を実行し、計数したら(S671:YES)、この場合も不正が発生したと判定する。これによって、検出信号の組み合わせの一態様であるセンサによる検出信号の検出回数が所定値以上で、センサによる検出信号の検出時間が所定値以上であることに基づいて不正を判定する構成としているので、ノイズや他からの信号干渉などにより正常なメダルの払出制御を不正なものとして判定する錯誤あるメダルの貸出制御が実行されることを防止することができる。
[異常表示処理]
次に、異常が発生したことを表示ボタン44を使って7セグメントLED41に表示させる異常表示処理について説明する。
【0193】
ここで図21は、異常表示処理のフローチャートである。
この異常表示処理は、電源が投入されると開始され、まずS710の処理を実行する。
S710では、中央制御装置50は、表示ボタン44が1回押下されたか否かを判定する。この判定で、押下されていないと判定したら(S710:NO)待機し、押下されたと判定したら(S710:YES)、S720の処理を実行する。
【0194】
S720では、中央制御装置50は、なんらかの異常が発生していないか否かを判定し、異常があればS730の処理を実行し、異常がなければ、所定時間「待機」を示す点滅表示を7セグメントLED41に対して行う(S721)。
【0195】
S730では、中央制御装置50は、メダルの未払いだしがあるか否かを判定する。この判定で、メダルの未払い出しがあれば(S730:YES)、未払出枚数を7セグメントLED41に点滅表示する処理を実行して(S731)、S740の処理を実行する。一方、未払い出しがなければ(S730:NO)、S740の処理を実行する。
【0196】
S740では、中央制御装置50は、S710で表示ボタン44への操作が行われた後、5秒以内にもう一度表示ボタン44の操作が行われたか否かを判定する。そして、この判定で、操作が行われていないと判定された場合は、紙幣取扱部2に投入された紙幣の枚数を7セグメントLED41に表示して(S741)、S760の処理を実行する。
一方、操作が行われていないと判定された場合は、S750の処理を実行する。
【0197】
S750では、中央制御装置50は、メダル未払いだし以外の他の異常を示すフラグ(E1〜E0に相当する分)が立っているか否かを判定する。そして、この判定で異常があると判定されたら(S750:NO)、紙幣取扱部2に投入された紙幣の枚数を7セグメントLED41に表示して(S741)、S770の処理を実行する。一方、異常がないと判定されたら(S750:YES)、Enで示される異常表示のうちいずれかを7セグメントLED41に表示し(S751)、再びS740の判定を実行する。そして、S740からS751の判定を繰り返す際、S751では、ENで示される異常表示のうち、nで示される数字が小さいものから順に7セグメントLED41に表示し、n=0まで表示したときに、再びS740で表示ボタン44の押下がなされたときは、最も小さいnの異常表示を行う。
【0198】
S760では、中央制御装置50は、紙幣取扱部2内に収納された紙幣の枚数を7セグメントLED41に表示する処理を実行し、このS760での表示処理の後、前回表示ボタン44が操作されてから5秒以内にもう一度表示ボタン44の操作が行われたか否かを判定する(S761)。そして、この判定で、操作が行われていないと判定された場合は(S761:NO)、7セグメントLED41の表示を停止して(S762)、再びS710の処理を実行する。一方、この判定で、操作が行われていると判定された場合は(S761:YES)、再びS730の処理を実行する。これによって、表示ボタンが操作された後、一定時間内に再度表示ボタンが操作されるか否かにより他の異常と、メダル払出数(実施例においては払出しされてない残りのメダル枚数)を切換表示することが可能にされている。
[その他の制御]
(1)メダルの払出し途中において停電が発生した場合は、メダル払出部6の駆動は停止される。このような場合に備え、本実施形態では、未払いだしのメダルの枚数は、例えば記憶装置50dなどに常時記憶する処理を実行するとよい。そしてこの場合、メダル貸機1が停電から復旧して電源の再投入があった場合には、中央制御装置50に記憶された未払い分のメダル払出しデータが読み出し、メダル払出部6が起動し、メダルが払い出すよう構成すればよい。
【0199】
尚、停電時のメダルの払い出しは、一回に限り実行するよう設定するのが好ましい。また、停電が終了した後、2秒間に限り実行することが好ましい。これによっても異常が解除されない場合には、メダル払出部6の駆動を停止することが好ましい。これによって、停電に際して行われるメダルの払出を極めて限られたメダル払出枚数内に留めることができ、停電に伴って行われるかも知れない不正な行為による損害を軽減するとともに、迅速なメダル貸機の復旧を可能とする。
(2)中央制御装置50は、メダル払出部6において、払出テストボタン60bが操作されると、メダルを2枚払出すメダル払出し動作を実行する。ただし、この払出テストボタン60bの操作は、5回までのみ許容されている。この払出テストボタン60bを用いた、5回目以降のメダルの払い出しは、メダル貸機1の電源を再投入しないと行うことができないよう設定されている。これによって、迅速なメダル貸機の復旧と迅速な修理作業への誘導が行えることとなる。この払出テストボタン60bを操作して行う払出しテストは、以下の場合は実行することができないよう、本実施形態のメダル貸機1は設定されている。以下の場合とは、メダル貸機1における電源電圧が低下した場合と、メダル貸機1がメカイニシャル動作中であるときと、真券信号であることが判定されメダル払出し完了まで(S340〜S417)と、クリア操作を含むリセット処理中である。このようなメダル貸機における制御が不安定な状況下でメダル払出テストを実行することによるメダル払出部を含むメダル貸機の故障の誘発を防止する。
【0200】
以上本発明の一実施形態ついて説明したが、本発明はこの実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において、種々なる態様で実施し得ることは勿論である。
【0201】
(1)上記実施形態では7セグメントLED41が取り付けられた表示基板と、中央制御装置50その他の装置が取り付けら得た本体基板とは、平板を直角に組付けられた構造であってもよりが、フレキシブル基板を利用して表示基板と本体基板とを一枚の回路基板上に構成しても良い。
【0202】
(2)上記実施形態では7セグメントLED41を用いたが、カラー液晶表示パネルを用いてもよい。このカラー液晶表示パネルを用いた場合、メダル貸機1における異常を含む各種の制御状況を動画像表示(検出された異常を話し言葉によって報知する等)しても良い。この液晶式の画面を用いれば、詳細で明確な、しかも遊技者や店員に対する注意惹起機能が高まり、表示機能が向上したものとすることができる。また、7セグメントLED41及び表示ボタン44、リセットスイッチ45に替えて、タッチパネルを用いてもよい。
【0203】
(3)中央制御装置50は、上記実施形態のメダル貸機1の上記各種制御によって利用されるデータを記憶する他に、磁気センサで検出された信号、その他の不正信号を、計時的に記憶する処理を行ってもよい。
【0204】
(4)メカイニシャル処理のS201において、待機中であることを表示するため、上記実施形態では、7セグメントLED41の各セグメントを一つずつ順次点灯する表示を実行したが、7セグメントLED41に替えて液晶表示パネルを用い、例えば、「紙幣を投入を準備して下さい」などという表示を行ってもよい。
【0205】
(5)本実施形態のメダル貸機1は、表示ボタン44とリセットスイッチ45とが同時に操作された場合には、入金データ(投入された紙幣の枚数や金額に関するデータなど)をクリアして0値とする処理を実行するよう構成してもよい。また、本実施形態のメダル貸機1は、リセットスイッチ45の操作の後の2秒以内に表示ボタン44を操作すると、払出しデータ(払出したメダル枚数)を表示するよう構成してもよい。このように複数の操作ボタンを組合わせて操作することに、上記のような表示を行えるよう構成すれば、単独の操作ボタンへの夫々の操作により上記のような表示を行うよう構成する場合に比べて、メダル貸機1の操作パネルの面積をコンパクトに構成でき、スイッチの部品点数を減らすことができ、また製造コストも軽減できる
尚、リセットスイッチ45の操作は、メダル不足処理(S431〜S436)を実行しているとき、メダル払出部6の接続異常時、紙幣取扱部2に収納された紙幣が満杯である時において受け付けることができ、一方、カウントセンサ60eの異状時、メダル詰まりが発生したとき、紙幣が判別できなかったとき、メダルが過放出されたとき、紙詰まりなどにより紙幣が収納されなかったとき、紙幣搬送装置120による紙幣の引抜きがうまくいかなかった時、不正発生時は、受け付けられないようにしてもよい。
【0206】
(6)メダル貸機1は、主制御部4で実行される各種の検出や判定で、制御障害や不正発生、メダル不足等が検出あるいは判定された場合、これら検出・判定に関するデータを異常データとして記録したり解析する異常処理や、異常データに関するログを蓄積する記憶処理を主制御部4で実行する構成としても良い。
【0207】
(7)メダル貸機1に紙幣搬送装置120が接続されている場合には、主制御部4を介して紙幣取扱部2やメダル払出部6からのメダル貸出に関する制御情報や制御信号であるメダル貸出制御情報や、メダル貸出制御信号等がメダル貸機1から紙幣搬送装置120に出力されるが、必要に応じて紙幣搬送装置120からのメダルの貸し出しに関する遊技媒体貸出制御情報を主制御部4に入力する構成としてもよい。
【0208】
(8)上記実施形態のメダル貸機1は、紙幣取扱部2を備えているが、これに変えて、あるいは、この装置2とともに設置され、ICカードやICコイン若しくはプリペイカード等を投入すると、それらのカードに記憶された金銭情報を真券情報の替わりに送信する記憶媒体投入装置を備えていてもよいことはもちろんである。この場合、金銭情報に基づいて、メダルの貸出が行われる。図11参照。
【0209】
(9)上記実施形態のメダル貸機1は、紙幣取扱部2を備えているが、これに変えて、ID情報を記録したICカードを投入したり、所定のIDコードを入力するなど、ID情報を入力可能な会員貸出装置を備えていてもよい。この場合、会員貸出装置からは、IDコードが主制御部4に送られ、主制御部4からは、店内設備として設置された貯玉会員管理装置140に送信されるようメダル貸機1は構成される。貯玉会員管理装置140は、スロット機等の遊戯機における遊技を終了する際に、遊技の結果、賞として取得したメダル数を貯玉データとして蓄積記憶する装置である。図11において記憶媒体投入装置150は会員用のICカードを受付ける構成となる。
【0210】
このような装置を備える場合、ICカード等が投入され、特定のボタンの操作されるなどして、会員貸出装置から貯玉会員管理装置140にメダル貸出要求信号が発信され、その信号に対する応答信号をメダル貸機1が受信すると、メダル貸出要求信号に対応した枚数のメダルがメダル払出部6より払い出される。このようにすれば、メダル貸機1を貯玉会員管理装置140に接続して、貯玉会員管理装置140で記憶された貯玉データによって、紙幣を投入すること無くメダルの貸出を受けることができる。
【0211】
この場合、紙幣がメダル貸機1に投入されたことに基づいてメダルが貸出されるものではないので、メダル貸機1より遊技場管理装置110には売上信号は出力されない。
(10)このメダル貸機1では、異状が検出されても、表示ボタン44が操作されない場合にあっては、エラーの種別を示さないエラー表示をしてもよい。例えば7セグメントLED41にはEnを表示してもよい。そして、複数種類の異状が検出されている場合には、Enの表示を点滅して表示してもよい。
【0212】
(11)このメダル貸機1の中央制御装置50は、待機中に100ms以上カウントセンサ60eの信号を主制御部4が確認できない場合、メダル払出部6の接続異状と判定する。この接続異常は、電源と信号線の復帰に呼応してメダル払出部6の接続異常表示を消灯する。
【0213】
(12)メダル貸機1では、メダル詰まりが発生した場合、7セグメントLED41に「E4」を表示される(S461)が、メダル払出部6で、メダル詰りが検出された場合に、払出テストボタン60bを操作してメダル払出部6を動作させてメダル詰りを解消したら(S463)、メダル詰まりの表示を消灯するよう構成してもよい。
(13)メダル払出部6に詰まったメダルを処置した後、リセットスイッチ45或いは払出テストボタン60bを操作し若しくは電源の再投入を行うことによりメダル払出部6を3秒間起動した後、カウントセンサ60eに基づくメダルの計数が判定できれば、復旧処理が成功したものとして、未払い分のメダルがあれば、残ったメダルの払出し制御を実行するようにしてもよい。カウントセンサに処置した後、リセットスイッチか払出テストボタンを操作し或いは電源の再投入を行うことによりメダル払出部6を2秒間起動しカウントセンサの信号入力が20ms以上LOで維持されれば、復旧処理が成功したものとして、未払い分のメダルがあれば残ったメダル払出しを実行してもよい。
【0214】
(14)カウントセンサ60eが故障、あるいは、正常に機能しないなど、カウントセンサ60eの異常が検出され、その旨を示す「E3」の表示が7セグメントLED41でなされた場合、メダルの払出が行われていないのに払い出したと判定されたり、メダルの払い出しが行われたのに払い出していないと主制御部4において判定さえる場合がある。そのような場合、紙幣取扱部2に収納された紙幣に対し、払いだされるべきメダルの数と、実際に払いだされたメダルの数とに不一致が生じる。そのため、本実施形態では、このような場合、計数されたメダル枚数に関するデータをデリートできるよう構成してもよい。
【0215】
(15)紙幣取扱部2内に収納された紙幣が満杯で、7セグメントLED41にE6と表示された場合、紙幣取扱部2から紙幣を取除いて、リセットスイッチ45を押下するか、あるいは電源スイッチを切って、再投入すると、主制御部4に記憶されたデータのうち、紙幣取扱部2に収納された紙幣の枚数に関するデータを0値とする処理を行うよう、主制御部4を設定してもよい。
【0216】
このように設定することにより、満杯になった紙幣を取り除いても、正常な入金処理を再開させることができる。
(16)カウントセンサ60eに異常が発生した場合、メダル払出部6内でメダルが詰まった場合、メダル貸機1で不正が検出された場合には、7セグメントLED41には、E3、E4、E0が表示されるが、これらの表示は、リセットスイッチ45あるいは払出テストボタン60bを操作することによって、表示しないようにしてもよい。
【0217】
(17)メダル払出部6の断線が判定されても直ちにはメダル払出部6接続の異常は判定されずメダル払出部6待機中に一定時間(100ms)以上カウントセンサの信号入力を主制御部4が確認しないとメダル払出部6の接続異常は判定しない構成として、また、メダル払出部6の接続があっても、メダル払出部6待機中に一定時間(100ms)以上継続してカウントセンサ60eから信号が検出がされないと、メダル払出部6の接続が完了したとはしない構成としてもよい。このようにすることで、メダル貸機1は、他の信号データの干渉やノイズの影響などから防護してメダル払出部6の断線や接続に関する信号を通信することが可能となり、その信号によるメダル詰まりの検出若しくは判定を適格に実行することができる。
【0218】
(18)メダル貸機1で発生する不正としては、紙幣の投入が無いにもかかわらずメダルの払出しが行われた場合や、メダル貸機1に投入された紙幣についての不正な抜取りがあった場合、メダル払出部6からメダルが抜き取られた場合等がある。ここに例示した不正は、各蓋11〜13や鍵穴αを開けないと行うことができない。しかし、不正行為が行われるときは、メダル貸機1を破壊するなど、何らかの方法でメダル貸機1を開けたり、あるいは、メダル貸機1の蓋11〜13を開けなくても、外部から何らかの操作をすることにより、紙幣の抜き取り等が行われる。そのため、メダル貸機1は、各蓋11〜13の開放や、鍵穴αの操作が検出されなかったときに、メダル若しくは紙幣についての抜き取りの信号が検出されたときは不正が発生したと判定して、7セグメントLEDに「E0」を表示するよう設定してもよい。
【0219】
また、メダル貸機1は、紙幣が投入された旨の信号が無くメダルが払出された場合、投入紙幣に対して設定されたメダル払出し枚数を超えるメダルの払出しが行われた場合、あるいは、投入された紙幣が偽紙幣として判別された場合などに、不正が発生したと判定して、「E0」を7セグメントLED41において表示するよう設定してもよいことはもちろんである。
【0220】
不正の判定の表示に関しては、メダル貸機1のリセットスイッチ44若しくは払出テストボタン60bを押下するか、あるいは図示しない電源スイッチを操作して、電源を再投入することにより表示が行われないようにするとよい。
【0221】
(19)メダル貸機1の紙幣取扱部2の検出部20aから収納部20bに至る経路上に、紙幣引抜き操作が行われたことを判定するセンサを備えていても良い。このセンサを備えていれば、不正な紙幣の引抜きを検出することができる。
【0222】
(20)メダル補給装置130が接続されていない場合は、店員が直接メダル払出部6にメダルを補給する。このときメダル有無センサ64aは、下蓋13が鍵穴αにより施錠されると、中央制御装置50がメダル有無センサ64aから出力されるメダルの充足を検出するよう構成してもよい。
【0223】
(21)S751では、中央制御装置は、番号の小さいものからエラー表示を行っているが、予め定められた優先順位に従って、優先度の高いものから表示してもよいし、エラーが発生した順次と逆の順序で表示してもよい。
【0224】
(22)投入口25に紙幣を投入可能とする開閉蓋を設け、入金が禁止されているときは(S310:YES)、投入口25を開閉蓋で閉じるよう制御してもよい。この場合、入金禁止が解かれ(S310:NO)た場合に、開閉蓋を開けることができるよう構成するとよい。
【0225】
(23)メダルが払出されている最中に、異常が検出された場合には、異状の発生前に払い出されていないメダルの残枚数を、異常が解除されるまで7セグメントLED41に表示してもよい。この場合、7セグメントLED41以外の表示手段を用いて、メダルの残枚数を表示してもよい。
【0226】
異状が判定された場合に、蓄積した当日分のデータ(紙幣枚数データなど)をメダル貸機1においてストアする構成を備えていても良い。
メダル貸機1で記憶した紙幣枚数データと、遊技場管理装置110で記憶した売上データとを照合可能とする構成を備えていても良い。
【0227】
遊技場管理装置110は、遊技場の閉店終了時には、当日分の各メダル貸機1の売上データを累計して記憶し、一定時間経過後(閉店終了後3時間、閉店後3日間)においては、売上データをメダル貸機1より消去する構成を備えていてもよい。このようにすれば、複数日に亙って売上データを遊技場管理装置110でバックアップすることができるので、休日が介在しても、バックアップ後におけるリストアを適正なものとする。
【0228】
遊技場管理装置110は、遊技場の閉店終了時には当日分の各メダル貸し機の売上データを累計して記憶する一方所定時刻に(午前1時、午前06時)において、当該売上データをメダル貸機1より消去する構成を備えていてもよい。
【0229】
また、メダル貸機1は、遊技場管理装置110に売上データを送信したら、異常時の(紙幣)受入枚数を0値に戻したり、メダル払出部6内に停留されたメダルを払出す払出しテストを行うよう構成してもよい。
(1)本実施形態のメダル貸機1を用いると、前述したように、他の信号データの干渉やノイズの影響から防護する防護手段を備えているので、メダル貸機1が備える装置間での正確な信号の伝達や、各装置で行われる各種の検出による正確な検出信号の生成を行うことが可能となる。従って、本実施形態のメダル貸機1を用いると、ノイズが発生しても正確な制御が行われるので、メダルの正確な払い出しを行うことができる。
【0230】
防護手段としては、具体的には、電源部8に備えられたノイズ除去装置80や、ノイズキャンセラ60dや、S320で真券と判定されてから真券確認信号(OKRTN信号)を出力するまで80msタイムラグを設けている処理、S510やS540で待機中にJAM信号、END信号が検出されたら直ちに紙幣判別異常と判定するのではなく、JAM信号、END信号が検出されてから100ms経過してから紙幣判別異常と判定する処理など、ノイズによる影響が薄らぐ分のタイムラグを設けて各種の判定を行う処理を実行する中央制御装置50が該当する。
【0231】
尚、メダル貸機1としては、投入された紙幣を収納、あるいは外部に搬送する紙幣投入手段(搬送ベルト29等)と、その投入された紙幣の真偽を検出する紙幣判定手段(紙幣判別センサ30a等)とを備える紙幣取扱部2、メダルの払い出しを行うメダル払出部6、紙幣取扱部2に投入された紙幣の金額等の有価情報に応じて、メダル払出部6からその有価情報に対応する数のメダルを払い出させる処理(S300〜S400)を実行する主制御部4を備えているものが好ましい。
【0232】
有価媒体と、有価媒体の投入に基づいて貸出される遊技媒体とについて、前記有価媒体の判別と移送若しくは格納および前記遊技媒体の供給と払出しとを司る遊技媒体貸出制御情報を遊技媒体貸出制御手段の紙幣取扱部とメダル払出部に設けられる各センサが取得する遊技媒体貸出制御信号の有無と、遊技媒体貸出制御信号有り無しの経過時間および複数種類の遊技媒体貸出制御信号の関係若しくは組合わせに基づいて、真正な遊技媒体貸出制御情報として紙幣取扱部とメダル払出部および主制御部において形成する遊技媒体貸出制御情報形成手段を有することを特徴とする遊技媒体貸出装置における遊技媒体貸出制御情報形成方法。
【0233】
遊技媒体の貸出制御を行う信号若しくは情報を、雑音や信号干渉若しくは周辺装置の動作過程による影響から防護して、錯誤が無く効率的なメダルの貸出制御を実行する。
【図面の簡単な説明】
【0234】
【図1】本実施形態のメダル貸機の斜視図である。
【図2】本実施形態のメダル貸機の分解斜視図である。
【図3】紙幣取扱部2の斜視図であり、前方蓋部21、後方蓋部22、および、上方蓋部23を開け、中央蓋部24を取り外した様子を示している。
【図4】紙幣取扱部2の斜視図であり、上方蓋部23を開けた様子を示している。
【図5】紙幣取扱部2、主制御部4、メダル払出部6の内部構成を示す模式的なブロック図である。
【図6】主制御部4の説明図であり、(a)は正面図、(b)は裏面図である。
【図7】メダル払出部6の斜視図で、(a)は、筐体10内への挿入方向側からメダル払出部6を見たときの左方側上方から斜めに見下ろした図で、(b)は、右方側上方側から斜めに見下ろした図で、(c)は、後述するメダル詰まり処理(S451〜464)を実行するときに、メダル送出モータを動作させるタイミングチャートである。
【図8】信号の説明図である。
【図9】エラーコードの一覧表である。
【図10】店内設備の模式図である。
【図11】店内設備のブロック図である。
【図12】メダル貸機1と店内設備(100〜130)との接続部分の斜視図である。
【図13】メイン制御のフローチャートである。
【図14】通信確立処理(S100)のフローチャートである。
【図15】メカイニシャル処理(S200)のフローチャートである。
【図16】投入紙幣処理(S300)のフローチャートである。
【図17】(a)紙幣搬送装置120が接続されている場合に、S340〜S400までの処理を実行したときに通信される信号のタイミングチャート及び、(b)紙幣搬送装置120が接続されていない場合に、S340〜S400までの処理を実行したときに通信される信号のタイミングチャートである。
【図18】メダル払出処理(S400)のフローチャートである。
【図19】紙幣取扱部2の監視処理(S500)のフローチャートである。
【図20】メダル払出部6の監視処理(S600)のフローチャートである。
【図21】異常表示処理(S700)のフローチャートである。
【符号の説明】
【0235】
1…メダル貸機、
10…筐体、10a…開口部、11…上蓋、12…中蓋、13…下蓋、13a… 受け皿、
2…紙幣取扱部、
20…紙幣取扱部本体、20a…検出部、20b…収納部、21…前方蓋部、2 1a…引掛口、22…後方蓋部、23…上方蓋部、23a…観察窓、24…中央 蓋部、25…投入口、26…案内庇、27…仕切板、28…送出口、29…搬送 ベルト、29a…搬送ローラ、30…センサ、30a…紙幣判別センサ、30b …位置決センサ、30c…投入検出センサ、30d…紙幣満杯センサ、30e… 紙幣収納センサ、30f…紙幣搬送センサ、31…搬送ベルトモータ、33…コ ネクタ、35…制御装置、39…バス、
4…主制御部、
40…筐体、42…中止ランプ、43…補給ランプ、44…表示ボタン、45… リセットスイッチ、46…ディップスイッチ、46a…ディップスイッチ、47 …コネクタ、49…バス、50…中央制御装置、50d…記憶装置、54…貯玉 会員切換部、56…紙幣搬送装置接続時切換スイッチ、
6…メダル払出部、
60…土台部、60a…メダル放出口、60b…払出テストボタン、60c…コ ネクタ、60d…ノイズキャンセラ、60e…カウントセンサ、62…連結部、 62a…ホッパー駆動モータ、64…メダルタンク、64a…メダル有無センサ 、69…バス、
8…電源部、
80…ノイズ除去装置、
90…インターフェイス部、
100…島、101…スロット機、
110…遊技場管理装置、
120…紙幣搬送装置、121…紙幣搬送制御装置、121a…金庫、122…紙幣搬送路、123…紙幣搬送分岐路、124…紙幣保留部、
130…メダル補給装置、131…メダル補給制御装置、132…メダル補給路、133…メダル補給分岐路、134…分配杵、
140…貯玉会員管理装置、
150…記憶媒体投入装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有価媒体の投入に基づいて遊技媒体が貸し出される遊技媒体貸出装置において、
有価媒体の判別と移送若しくは格納および前記遊技媒体の供給と払出しとを司る遊技媒体貸出制御装置を備え、
この遊技媒体貸出制御装置は、
前記紙幣取扱部と前記メダル払出部とに設けられる各センサによって検出される遊技媒体貸出制御信号の有無、あるいは、遊技媒体貸出制御信号の有無の経過時間、複数種類の遊技媒体貸出制御信号の関係若しくは組合わせに基づいて、真正な遊技媒体貸出制御情報を生成する遊技媒体貸出制御情報形成手段を備えることを特徴とする遊技媒体貸出装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図6】
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【公開番号】特開2007−151949(P2007−151949A)
【公開日】平成19年6月21日(2007.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−353861(P2005−353861)
【出願日】平成17年12月7日(2005.12.7)
【出願人】(591006508)株式会社メイセイ (14)
【Fターム(参考)】