遊技機、及び遊技情報管理装置
【課題】ハードウェア的なコスト増を招くことなく、更に保留数を管理対象としない管理装置の管理下において、従来と同様に始動入賞信号等に係る遊技情報を管理対象に出来るように保留数を示す信号を出力する遊技機、及びその遊技機に対応して保留数を管理する遊技情報管理装置を提供する。
【解決手段】遊技機は、遊技機側信号出力処理を実行し、遊技者による遊技に伴って始動入賞が発生した場合(A:YES)、保留数が上限値でなければ(A2:NO)、保留数を加算した後(A3)、加算後の保留数に対応する始動入賞信号を、遊技機設定情報に設定された保留数毎の出力期間(パルス幅)にて出力する(A4)。
【解決手段】遊技機は、遊技機側信号出力処理を実行し、遊技者による遊技に伴って始動入賞が発生した場合(A:YES)、保留数が上限値でなければ(A2:NO)、保留数を加算した後(A3)、加算後の保留数に対応する始動入賞信号を、遊技機設定情報に設定された保留数毎の出力期間(パルス幅)にて出力する(A4)。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、単位遊技を保留可能な遊技機、及びその遊技機を管理対象とする遊技情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機(以下、遊技機と称する)の遊技情報を管理する場合、図柄変動(単位遊技)の保留数を管理すれば、例えば保留数が無い状態、即ち図柄変動を行っていない期間や、保留数毎の図柄変動時間を管理出来、遊技者の不快度や、遊技機の遊技傾向等を把握出来、有意である。そして、例えば特許文献1では、遊技信号として始動口に入賞したことを示す始動入賞信号(始動入賞パルス)と、図柄変動が行われたことを示す図柄変動信号(図柄変動パルス。単位遊技信号)とを利用して保留数を管理し、図柄変動を開始するまでの期間を管理することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−253819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1のように遊技信号を組み合わせる等して間接的に保留数を管理する従来構成の管理装置の場合、例えば1回でも受信不良や大当たり終了時等により図柄変動の開始判定のタイムラグがあり、保留数が実際の保留数と相違してしまうと、その相違を修正することが大変難しい。かといって、保留数を示す信号端子等を別途設けると、遊技機側及び管理装置側のハードウェア改造等が必要となり、コスト面に影響が出る。更に始動入賞信号及び図柄変動信号を、保留数を示すシリアル信号にしてしまうと、それらの信号は他の遊技情報の管理にも利用するため、全ての管理装置にてシリアル信号を入力出来る仕様とする必要が生ずる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ハードウェア的なコスト増を招くことなく、更に保留数を管理対象としない管理装置の管理下において、従来と同様に始動入賞信号等に係る遊技情報を管理対象に出来るように保留数を示す信号を出力する遊技機、及びその遊技機に対応して保留数を管理する遊技情報管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技機の発明は、始動入賞することを条件として大当たりを発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を保留し、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機であって、始動入賞に応じて出力される遊技信号である始動入賞信号、及び前記単位遊技の実行に応じて出力される遊技信号である単位遊技信号の内、少なくとも一方である始動信号を出力する信号出力手段と、保留している前記単位遊技の数である保留数を管理する遊技機保留管理手段と、前記始動信号に関する遊技機設定情報であって、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数毎に区分けされた出力期間を特定可能な遊技機設定情報を設定する遊技機設定手段と、を備え、前記信号出力手段は、前記始動信号を出力する場合に、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数と前記遊技機設定情報とにより特定される出力期間を、当該始動信号の出力期間として前記始動信号を出力する。
【0007】
請求項2に記載した遊技機の発明は、前記遊技機設定情報は、前記始動信号を連続して出力する場合に、連続した前記始動信号を各々特定可能となるように、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間に対する遅延期間を特定可能に設定され、前記信号出力手段は、前記始動信号を連続して出力する場合に、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間が前記遅延期間未満とならないように前記始動信号を出力し、前記遊技機設定手段は、前記保留数毎に区分けされた出力期間の上限が、当該遅延期間を超過しないように前記遊技機設定情報を設定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した遊技情報管理装置の発明は、請求項1または2記載の遊技機を管理対象とした遊技情報管理装置であって、前記始動信号を入力する信号入力手段と、前記始動信号に関する設定情報であって、前記保留数毎に区分けされた出力期間に対応した期間範囲を前記保留数毎に特定可能な設定情報を設定する設定手段と、前記信号入力手段による前記始動信号の入力に応じて当該始動信号の入力期間を特定する期間特定手段と、前記期間特定手段により特定された入力期間と、前記設定情報により特定される期間範囲とを照合し、当該入力期間に対応した前記保留数を特定する保留数特定手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した遊技情報管理装置の発明は、前記保留数特定手段により特定される保留数を管理保留数として管理する一方、当該管理保留数により区分けされる遊技情報である保留情報を、その管理保留数に対応付けて管理する保留情報管理手段と、前記保留情報管理手段により管理される保留情報を主保留情報と補助保留情報とに区分けして記憶する記憶手段と、を備え、前記信号入力手段は、前記始動入賞信号及び前記単位遊技信号を入力し、前記保留数特定手段は、前記入力期間に対応した前記保留数を直接管理保留数として特定する一方、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を間接管理保留数として特定し、前記設定手段は、前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが相違することを示す相違条件と、当該相違条件の成立後にいずれの管理保留数を正しいとするかを判定するための判定条件とを設定し、前記保留情報管理手段は、前記保留数特定手段により特定される前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが一致する期間においては、前記保留情報を前記主保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記相違条件が成立したかを判定し、当該相違条件が成立した場合には、その成立後から前記判定条件が成立するまでの期間である判定期間における前記保留情報を前記補助保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記判定条件が成立したかを判定することで、いずれの管理保留数を正しいとするかを判定し、その判定条件の成立によりいずれの管理保留数を正しいとするかを特定した場合には、その正しいとする管理保留数を正管理保留数として、前記管理保留数により区分けされる前記補助保留情報を前記正管理保留数に対応付け、前記主保留情報に加算する加算更新処理を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した遊技情報管理装置の発明は、前記保留数特定手段は、前記相違条件が成立した場合に、当該相違条件が成立した時点における前記直接管理保留数を起点として、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を仮間接管理保留数として特定し、前記判定条件は、前記判定期間において前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致することで成立し、前記保留情報管理手段は、前記判定期間において、前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致するかを判定し、前記間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記間接管理保留数、前記仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記直接管理保留数を前記正管理保留数として前記加算更新処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した遊技機の発明によれば、遊技機保留管理手段により管理される保留数と遊技機設定情報とにより特定される出力期間にて当該始動信号を出力するので、始動信号の出力期間により保留数を直接的に特定出来る管理装置に十分対応しつつも、始動信号の入力数により保留数を管理する従来構成の管理装置に対して影響がでないようにシリアル信号とすることなく始動信号を出力出来る。従って、ハードウェア的なコスト増を招くことなく、従来と同様に遊技情報を管理対象にすることが出来る。
【0012】
請求項2に記載した遊技機の発明によれば、保留数毎に区分けされた出力期間の上限が遅延期間を超過しないように遊技機設定情報を設定するので、始動信号を連続して出力する場合であっても、連続した始動信号の出力期間が重なることなく保留数を示す出力期間とすることが出来る。
請求項3に記載した遊技情報管理装置の発明によれば、期間特定手段により特定された入力期間と、設定情報により特定される期間範囲とを照合し、当該入力期間に対応した保留数を特定するので、始動信号の入力期間により保留数を直接的に特定出来、間接的に保留数を特定する場合と比較して、1回の誤差で大きな誤差を引き起こす虞が無くなる。
【0013】
請求項4に記載した遊技情報管理装置の発明によれば、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合、いずれの管理保留数を正しいとするかを特定し、その正しいとする管理保留数を正管理保留数として主保留情報に加算する加算更新処理を実行するので、入力期間(遊技機からみた場合には出力期間)により保留数を判定する場合、ノイズ等により保留数を誤判定する虞が勿論あるが、その場合であっても、判定期間を設けて誤判定であるか否かを判定することで、判定期間における保留情報を適切に管理可能となる。
請求項5に記載した遊技情報管理装置の発明によれば、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合、直接管理保留数が間接管理保留数と設定回数一致した場合には間接管理保留数を正管理保留数とし、仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には直接管理保留数を正管理保留数として前記加算更新処理を実行するので、より正確に誤判定であるか否かを判定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態による管理装置を適用した遊技場用システムの構成を概略的に示す図
【図2】遊技機が設定する始動入賞信号設定を示す図
【図3】管理装置が設定する保留情報設定を示す図
【図4】遊技機による遊技機側信号出力処理を示すフローチャート
【図5】管理装置による始動入賞信号入力処理を示すフローチャート
【図6】管理装置による図柄変動信号入力処理を示すフローチャート
【図7】保留情報の活用例1を示す図
【図8】保留情報を対応時間毎に区分けした保留管理記憶領域を示す図
【図9】保留情報の活用例2を示す図
【図10】本発明の第2実施形態による図5相当図
【図11】第2実施形態による図6相当図
【図12】管理装置が管理する保留情報を記憶する保留管理記憶領域を示す図で、(A)は通常時、(B)は相違判定時、(C)は判定期間時、(D)は加算更新後の記憶領域を示す図
【図13】間接管理保留数が正しい場合における加算更新処理の概要を示す図
【図14】直接管理保留数が正しい場合における加算更新処理の概要を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による遊技機、及びその遊技機を管理対象とした情報管理装置の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による遊技機について、図1から図9を参照しながら説明する。
図1は、本発明による遊技機及び遊技情報管理装置を適用した遊技場用システム1の全体構成の概略を示している。遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出機3が設置されている。これら遊技機2及び貸出機3は、2台づつ中継装置4に接続されている。遊技機2や貸出機3等の遊技機2側の機器から出力される後述する遊技信号は、中継装置4によって遊技情報管理装置としての管理装置5等に送信される。管理装置5は、遊技場内の例えば事務所等に設置され、LAN6を介して各中継装置4と接続されており、遊技機2及び貸出機3等から出力される遊技信号に基づいて各種の後述する遊技情報を管理している。また、図示は省略するが、遊技場内には例えば数百台の遊技機2が設置されて管理対象となっている。尚、遊技場内には、図示しないスロットマシンや計数装置等も設置されている。
【0017】
遊技機2(信号出力手段、遊技機保留管理手段、遊技機設定手段に相当する)は、遊技媒体としてのパチンコ玉(遊技価値に相当する)を盤面に発射するためのハンドル2a、パチンコ玉を入賞させるための普図入賞口2b、第1始動口2c及び第2始動口2d、パチンコ玉の入賞に応じて表示図柄が変動する表示部2e、大当たり時に開放する大入賞口2f、受皿2g、及び保留数表示部2h等が設けられている。遊技機2は、第1始動口2c或いは第2始動口2dへのパチンコ玉の入賞(始動入賞に相当する)に応じて大当たり抽選を行い、その抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動(単位遊技に相当する)を表示部2eにて実行する。そして、表示部2eに停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりを発生させる。第1始動口2cは入賞率が変動しない所謂ヘソタイプの入賞口である一方、第2始動口2dは普図入賞口2bへの入賞に伴って行われる普図抽選の抽選結果により入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。
【0018】
遊技機2は、図柄変動中に発生した始動入賞に対応する図柄変動を予め設定された上限値(保留上限値。図2の「上限値」参照)まで保留可能である。本実施形態では上限値は4個に設定されており、第1始動口2c及び第2始動口2dへの始動入賞の保留数(「保留している前記単位遊技の数」に相当する)の合計が4個になるまで図柄変動を保留可能である。保留された図柄変動は、実行中の図柄変動の終了後に順次実行される。つまり、遊技機2が自身で管理している保留数は、始動入賞の発生により加算され、図柄変動の確定により減算される。尚、周知のように図柄変動時間は変動開始時の保留数に対応して変動する。即ち保留数が多い場合には図柄変動時間を短くなるようにして選択的に実行し、保留数が上限値にはなり難くなっている。この場合、無変動状態での始動入賞による場合も、図柄変動により保留数が減算され1となった場合も、開始される図柄変動については、ほぼ同様の図柄変動時間が選択されるようになっている。
【0019】
遊技機2の大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300で、その大当たりの内、大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)である。この確変は、次回の大当たりが発生するまで継続するため、大当たりが発生した後に通常状態(通常)となる通常大当たりが発生するまで継続する。遊技機2は、大当たりが発生すると、対応するラウンド数(R)に応じた回数分だけ大入賞口2fを開放する。本実施形態の場合、1Rで大入賞口2fにパチンコ玉が入賞する上限入賞数は8個で、大入賞口2fの上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合(大当たり終了条件が成立した場合)に1Rを終了する。また、大当たりに対応するRは5Rと16Rとが設けられており、その振り分け割合は5Rが25%(1/4)で、16Rが75%(3/4)である。遊技機2は、確変中には大当たり確率が1/30に向上すると共に、第2始動口2dへの入賞率が向上する時短状態(時短)になる。また、通常大当たりが発生した場合には、通常状態から発生した大当たりも含め、大当たりの終了後に100回の図柄変動を行うまで時短となり、その後、通常状態に戻る。
【0020】
遊技機2は、図示しない制御手段を備えており、上記した第1始動口2c及び第2始動口2dへの始動入賞の検知、図柄変動等の単位遊技の実行の特定、保留数の加算及び減算による保留情報の管理等を行っている。また、遊技機2及び遊技機2の周辺機器は、図示しない信号出力手段を備えており、遊技者による遊技の進行に伴って以下に示すような遊技信号を信号出力手段から信号出力する。
【0021】
アウト信号=使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用媒体数(アウト、使用価値)を特定可能な信号(稼動信号)。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルス出力されるため、アウト信号数×10を使用媒体数(アウト)として特定する。尚、遊技機2から直接出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機2から出力される払出媒体数(セーフ)を特定可能な信号。払出玉数10玉に対して1パルス出力されるため、セーフ信号×10を払出媒体数(セーフ、入賞付与価値)として特定する。尚、補給装置(図示せず)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
始動入賞信号=遊技機2から出力される各始動口への入賞(始動入賞)を特定可能な信号(始動信号に相当する)。第1始動口2c又は第2始動口2dへの入賞1回につき1パルス出力されるので、始動入賞信号の入力に応じて始動入賞を特定する。
【0022】
図柄変動信号=第1始動口2c或いは第2始動口2dへの始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動、単位遊技)を特定可能な信号(単位遊技信号、始動信号に相当する)。図柄確定時(図柄変動が終了して図柄が確定した時)に出力されるので、信号入力に応じて図柄変動を特定する。
大当たり信号=遊技機2から出力される大当たりである期間を特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号であるため、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
特別状態信号=遊技機2から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口2dへの入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号受信中を特別状態として特定する。尚、大当たり確率が向上する確変中に出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当たり信号と特別状態のいずれも受信していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
ここで、遊技機2側から出力される始動入賞信号について詳細に説明する。始動入賞信号は、上記したように第1始動口2c又は第2始動口2dへの始動入賞に応じてパルス出力される信号である。遊技機2は、始動入賞信号の出力期間(以下、パルス幅とも称する)を、保留数に応じて変動する。具体的には、遊技機2は、図2に示すように、管理している保留数毎に区分けされた信号出力幅(出力期間に相当する)を設定及び記憶している。図2の場合、信号出力幅は、対応する保留数となった始動入賞時に出力する始動入賞信号のパルス幅を示している。そして、始動入賞信号の出力時における保留数に対応した信号出力幅にて当該始動入賞信号を出力する。この始動入賞信号は、その幅は保留数に応じて変動するものの、その数は変動しない。即ち、始動入賞信号は、シリアル出力ではなく、保留数に関わらず1パルスのみ出力される。
【0024】
本実施形態では、始動入賞信号の信号出力幅は、図2の始動入賞信号設定の信号出力幅(遊技機設定情報に相当する)に示すように、保留数が0(保留0)の場合には50ms、保留数が1(保留1)の場合には100ms、保留数が2(保留2)の場合には150ms、保留数が3(保留3)の場合には200ms、保留数が4(保留4)の場合には250ms、オーバーフロー(OF)の場合には300msに設定されている。尚、OFとは、保留数が上限に達した状態で発生した始動入賞に対応する。このため、例えば保留0の場合、即ち、始動入賞することにより保留0(変動状態)となった場合には、50msの信号出力幅を有する始動入賞信号を出力する。
【0025】
また、遊技機2は、出力タイマを2000ms(2秒)に設定している。この出力タイマは、始動入賞が連続した場合に、始動入賞信号が混同しないように始動入賞出力開始時に作動するタイマであり、出力タイマに設定された期間が遅延期間に相当する。この出力タイマの作動中には、新たな始動入賞があったとしても、その始動入賞に伴う始動入賞信号の出力は、出力タイマがタイムアップするまで遅延される。遊技機2は、保留数毎に設定した各出力信号幅の上限がこの出力タイマの設定値を超過しないように設定している。また、遊技機2は、先の始動入賞信号を出力してから次の始動入賞信号を出力するまでの期間がこの出力タイマの設定値未満とならないように、始動入賞信号を出力する。尚、連続して始動入賞が発生して始動入賞信号の出力が遅延される場合であっても、遊技そのものは遅延されない。
【0026】
貸出機3は、図1に示すように、遊技情報等を表示するタッチパネル式の液晶表示部3a、パチンコ玉が払出される玉払出口に設けられている払出ノズル3b、貨幣投入口3c、表示ランプ3d等から構成されている。遊技者が貨幣投入口3cに貨幣を投入すると、投入した貨幣に応じた数のパチンコ玉が払出ノズル3bから遊技機2の受皿2gに払出される。液晶表示部3aには、遊技機2の遊技データや遊技者個人の遊技データ等が表示される。表示ランプ3dは、貸出機3の作動状態を表示するランプであり、例えば異常が発生した場合等に点灯することで異常を報知する。
このような構成の貸出機3からは、以下のような遊技信号が出力される。
売上信号=遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルス出力されるため、売上信号×25を貸出玉(対価付与価値)として特定し、その貸出玉に貸出単価(例えば4円)を乗じた値を売上額(対価額)として特定する。
【0027】
管理装置5(遊技情報管理装置、信号入力手段、設定手段、期間特定手段、保留数特定手段、保留情報管理手段、記憶手段に相当する)は、図示しないCPUからなる制御部、図示しないROMやRAM或いはHDD等からなる記憶部、及び上記した遊技信号等の送受信を行う入力手段である図示しない入出力部を備えたコンピュータで構成されている。この管理装置5は、記憶部に記憶されている制御プログラムに従って作動し、入出力部に入力される遊技機2側の機器からの遊技信号により特定される遊技情報を集計及び管理する。管理装置5には、例えばモニタ7やプリンタ(図示せず)等の出力手段が接続されている。管理装置5は、遊技機2側の機器から入力される遊技信号に基づいて、稼動情報、出玉率、売上等の周知の遊技情報の集計及び管理を行っている。
【0028】
また、管理装置5は、図2の遊技機2側の始動入賞信号設定に対応させて、図3に示す保留情報設定を設定及び記憶している。管理装置5は、遊技機2を機種別にグループ分けする周知の機種設定も別途を行っており、遊技機2の機種別に図3の保留情報を設定する。保留情報設定に設定されている各項目の意味は、以下の通りである。
【0029】
上限値=保留数の上限値(保留上限値)。
特定期間=始動入賞信号の入力期間に対する設定範囲。この設定により始動入賞信号の入力毎に入力期間がいずれの範囲かにより対応する保留数である旨を特定する。「保留数毎に区分けされた出力期間に対応した期間範囲を保留数毎に特定可能な設定情報」に相当する。保留0に対しては1ms〜74msの範囲、保留1に対しては75ms〜124msの範囲、保留2に対しては125ms〜174msの範囲、保留3に対しては175ms〜224msの範囲、保留4に対しては225ms〜274msの範囲、OFに対しては275ms以上の範囲に設定されている。このため、例えば始動入賞信号の入力期間が150msであれば、125ms〜174msの範囲となるので、保留2であると特定する。尚、入力期間は入力開始から終了までの期間であり、途中で入力が途切れた期間もノイズが混入したとして入力期間に含んで特定する。
【0030】
入賞タイマ=始動入賞信号入力開始時に作動するタイマ。出力タイマ、及びノイズを考慮し、入賞タイマの作動中は始動入賞信号が途切れても同一の信号と判定する。本実施形態では2000ms(2秒)に設定されている。
稼動タイマ=アウト信号入力毎に作動し、その作動期間を稼動状態と判定するための周知の稼動タイマ(稼動設定期間)の作動期間。本実施形態では60秒に設定されている。アウト信号入力毎に初期化され、この稼動タイマの作動中を稼動状態(稼動中)として特定し、タイムアップにより非作動となっている期間を非稼動状態(非稼動中)として特定する。
一致特定数=詳細は第2実施形態にて説明するが、後述する直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合にいずれを正しいとするかを判定するための設定値(設定回数に相当する)で、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した時点から特定する仮間接管理保留数と直接管理保留数又は間接管理保留数との一致回数に対する閾値。一致回数がこの一致特定数に達した方を正しいとする。尚、本実施形態では利用しないが、図3を第2実施形態と兼用して説明するために記憶している。
【0031】
次に、上記した遊技機2及び管理装置5の作用について説明する。
遊技機2は、遊技者による遊技の進行に応じて上記した内部抽選や図柄変動を実行するとともに、図4に示す遊技機側信号出力処理を実行する。一方、管理装置5は、遊技機2側の機器から出力される上記の遊技信号に基づいて、周知の遊技情報の集計処理に加えて、図5に示す始動入賞信号入力処理及び図6に示す図柄変動信号入力処理を実行する。ここでは、説明の簡略化のために、まず遊技機2にて実行される処理について説明し、その後、当該遊技機2を管理対象とする管理装置5にて実行される処理について説明する。
遊技機2は、図4に示す遊技機側信号出力処理において、始動入賞を検出したか(A1)、及び図柄変動が確定したか(A5)を判定しており、いずれでもない場合には(A1:NO、且つ、A5:NO)、リターンする。つまり、遊技機2は、遊技者による遊技が行われていないときには、実質的な処理を行わない。
【0032】
これに対して、遊技機2は、始動入賞を検出した場合には(A1:YES)、保留数が上限値であるかを判定し(A2)、上限値でない場合には(A2:NO)、保留数を加算して(A3)、保留数に応じたパルス幅(図2の信号出力幅)の始動入賞信号を出力する(A4)。つまり、遊技機2は、遊技者により遊技が行われて始動入賞が発生した場合には、保留数を特定可能なパルス幅を有する始動入賞信号を出力する。一方、始動入賞が繰り返し発生して保留数が加算された結果、保留数が上限値になっている場合には(A2:YES)、保留数は加算しないが、OFに対応したパルス幅の始動入賞信号を出力する。尚、遊技機2は、始動入賞を連続して検出した場合には、始動入賞信号を各々特定可能となるように、先の始動入賞信号を出力してから次の始動入賞信号を出力するまでに上記した遅延期間をおいて次の始動入賞信号を出力する。
そして、遊技機2は、始動入賞に応じて内部抽選及び図柄変動を実行し、図柄が停止表示すると、即ち、図柄変動が確定すると(A5:YES)、保留数を減算し(A6)、図柄変動信号を出力する(A7)。つまり、本実施形態の場合、図柄変動信号は、図柄変動の確定時(図柄変動が終了したとき)に出力される。
【0033】
このように、遊技機2は、遊技者による遊技の進行に伴って、始動入賞の検出により保留数を加算し、図柄変動の確定により保留数を減算することにより、保留数を管理している。そして、始動入賞が発生した場合には、その時点における保留数を特定可能なパルス幅を有する始動入賞信号を出力する。このとき、始動入賞が連続した場合には、互いの始動入賞信号が重ならないように、始動入賞信号を遅延期間だけ遅延させて出力する。これにより、始動入賞信号が入力される管理装置5は、始動入賞信号のパルス幅によりを特定することにより、遊技機2側で管理している保留数を特定可能となる。具体的には、管理装置5は、以下のようにして保留数を特定している。
【0034】
管理装置5は、図5に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されたかを判定しており(B1)、始動入賞信号が入力されていない場合には(B1:NO)、リターンする。また、図6に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたか(C1)、累計期間の計時加算中であるか(C6)、稼動となったか(C9)を判定しており、いずれでも無い場合には(C1:NO、C6:NO、C9:NO)、リターンする。ここで、累計期間の加算計時とは、詳細は後述するが稼動状態で実行される処理である。
このように、管理装置5は、遊技機2で遊技が行われていない非稼動状態においては、実質的な処理は行わず、信号の入力を待機する。
さて、遊技者により遊技が開始されると、遊技機2側からはアウト信号が出力される。アウト信号が入力されると、管理装置5は、図6に示す図柄変動入力処理において、図柄変動信号の入力が無く(C1:NO)、累計期間の計時加算もしていない状態で(C6:NO)、稼動となったことから(C9:YES)、後述する図7における保留−1の回数を加算すると共に、累計期間の計時加算を開始する(C10)。尚、保留−1とは、稼動状態であるものの、図柄変動が行われていない無変動状態であることを意味している。
【0035】
管理装置5は、この状態で始動入賞が発生すると(B1:YES)、入賞タイマの作動を開始し(B2)、始動入賞信号の入力期間(始動入賞信号のパルス幅)を特定し(B3)、入賞タイマがタイムアップしたかを判定する(B4)。そして、入賞タイマがタイムアップしていない場合には(B4:NO)、ステップB3に移行して始動入賞信号の入力期間の特定を繰り返し、入賞タイマがタイムアップするまでの期間における始動入賞信号の最初の立ち上がりから最後の立ち下がりまでの期間を入力期間として特定する。このため、例えばノイズが混入して見かけ上始動入賞信号の入力が中断された場合であっても、始動入賞信号の入力期間を適切に特定可能となる。尚、遊技機2は始動入賞が連続した場合には遅延期間(=入賞タイマと同じ2秒)だけ出力を遅延させるので、入賞タイマの作動中に2以上の始動入賞信号が入力されることは無く、最後の立ち下がりを誤判定することは無い。
【0036】
管理装置5は、入賞タイマがタイムアップすると(B4:YES)、始動入賞数を加算する(B5)。この始動入賞数は、始動入賞が発生した回数を示す周知の遊技データ(いわゆるスタート回数)である。続いて、ステップB3にて特定した入力期間と図3の特定期間とを照合することによって、始動入賞信号の入力期間により保留数を更新する(B6)。例えば、遊技が開始されて初めての始動入賞に対応する始動入賞信号が入力された場合、その入力期間は保留0に対応する50msとなる(図2参照)。そのため、管理装置5は、保留数を0に更新する。そして、更新した保留数=OFでないので(B7:NO)、更新前の保留数(保留−1)に対する累計期間の計時加算を終了し(B8)、現保留数(保留0)の回数(後述する図7参照)を加算及び累計期間の計時加算を開始する(B9)。一方、図柄変動が入力される前に始動入賞信号が繰り返し入力され、OFとして特定されるパルス幅の始動入賞信号が入力された場合には(B7:YES)、OFの回数を加算する(B10)。
【0037】
さて、遊技機2は、始動入賞が発生するとそれに応じた図柄変動を実行し、図柄変動が確定したときに図柄変動信号を出力する。このとき、管理装置5は、図6に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されることから(C1:YES)、現保留数での累計期間の計時加算を終了し(C2)、保留数を減算し(C3)、非稼動状態で保留数が−1となったかを判定する(C4)。例えば、遊技が開始されて最初の始動入賞が発生し(保留0となり)、遊技が継続された状態で新たな始動入賞が発生することなく図柄変動が確定した場合(保留数が減算されて保留−1となった場合)には、アウト信号が出力されていることから非稼動状態ではないと判定し(C4:NO)、現保留数(保留−1)の回数を加算すると共に、累計期間の計時加算を開始する(C5)。或いは、図柄変動信号が入力される前に始動入賞信号の入力が繰り返された結果、今回ステップC3にて減算した保留数が−1にならない場合にも(C4:NO)、累計期間の計時加算を開始する(C5)。
【0038】
これに対して、管理装置5は、減算された保留数がアウト信号の入力が無い非稼動状態で−1となった場合には(C4:YES)、そのままリターンする。この状況は、例えば、持玉が無くなり遊技を終了しようとしている遊技者が保留されている図柄変動の実行結果を見守っている状況等に該当する。また、管理装置5は、累計期間の計時加算中に(C6:YES)、保留数が−1の状態で非稼動となった場合には(C7:YES)、遊技者が遊技を終了したものとして、累計期間の計時加算を終了する(C8)。
【0039】
このように、管理装置5は、遊技機2側から出力される遊技信号に基づいて、始動入賞信号のパルス幅により遊技機2の保留数を直接的に特定(直接管理保留数を特定)すると共に、図柄変動信号の入力により保留数を減算することで、各保留数になった回数及び当該保留数の状態が継続した累計期間の加算計時を行う。そして、それらのデータを、図7に示す保留情報として集計及び管理する。この保留情報は、例えばモニタ7等に出力される。保留情報として集計される各項目の意味は以下の通りである。
状態=始動入賞信号により特定した保留数を示し、保留−1は上記したように図柄変動を行っていない無変動状態、保留0〜4は図柄変動を行っている変動状態であって、各々対応する数値の保留数である状態期間に対応している。尚、OFはオーバーフローに対応する。
回数=対応する保留数となった回数を示す。
累計期間=対応する保留数となっている状態期間の合計期間(秒)を示す。この場合、保留−1の累計期間は、図柄変動が行われていない無変動状態の期間を示している。尚、計時対象は稼動中としている。
【0040】
平均期間=状態毎の滞在時間の平均を示す。累計期間÷回数で算出され、例えば保留1の場合には、22848÷714=32.0秒となる。
滞在率=状態毎の稼動時間の割合を示す。各状態の累計期間÷合計累計期間で算出され、例えば保留1の場合、22848÷(3376+10038+22848+15600+2752+800)=41.2%となる。
保留平均=稼動中の平均保留数を示す。各状態に対応した保留数×各状態の累計期間の合計÷合計累計期間で算出する。例えば図7の場合、(0×3376+0×10038+1×22848+2×15600+3×2752+4×800)÷(3376+10038+22848+15600+2752+800)=1.18となる。
【0041】
この図7からは、例えば、保留−1の場合には、滞在率が6.1%であることから、遊技中に6.1%の期間が無変動状態であり遊技者が不満を持って遊技している度合いが分かる。また、保留1の滞在率がもっとも高いこと及び保留平均が1.18であることから、保留1の状態で図柄変動していることが多い一方、保留4の滞在率が低く、ほとんど保留4(上限値)になっていない等、保留状態即ち遊技者が遊技中の保留数の傾向等を把握出来るようになる。
【0042】
この場合、保留数毎(状態毎)に、その保留数に滞在した期間、或いはその保留数における図柄変動時間を示す対応時間を、保留数の変動、或いは図柄変動に応じて特定し、その対応時間が予め設定されている複数の設定範囲期間のいずれに属するのかを振分、その振分回数を設定範囲期間毎に集計しても良い。具体的には、図8の保留管理記憶領域に示すように、対応時間の設定範囲期間を「0−20」、「20−40」、「40−60」、「60−80」、「80−100」、「100−120」、「120−」のように複数に区分けして設定し、保留数の変動毎にその時間が何れの範囲に属するかを集計及び記憶すればよい。この場合、保留数毎に区分けして対応時間を計時加算し、その時間が30秒であれば「20−40」の範囲に属するとして、その範囲の回数を1加算するという手順で対応時間毎の回数を保留数毎に区分けして計数することになる。例えば、対応する保留数が滞在した期間を対応時間とした図8の場合、保留0における「0−20」の85は、保留数が0になってから0〜20秒の間で保留数が変化した回数(保留数が1又は−1になった回数)が85回であることを示している。
【0043】
そして、図9に示すように回数と対応時間との割合を算出して表示し、対応時間を図柄変動時間とすれば、各保留数における図柄変動期間の傾向を把握することが出来、特に対応期間の長い範囲をリーチ範囲と設定し、その範囲に属した場合はリーチが発生したと判定することも出来、リーチの発生回数や発生率(リーチ数÷図柄変動数)等をも管理可能となる。
【0044】
以上説明した遊技機2及び管理装置5によれば、次のような効果を奏する。
遊技機2は、自身で管理している保留数と図2の遊技機設定情報とにより特定される出力期間(パルス幅)にて始動入賞信号を出力するので、始動入賞信号の出力期間により保留数を直接的に特定出来る管理装置5に十分対応することが出来る。
また、始動入賞信号をパルス幅にて保留数を特定可能な態様で出力するので、始動入賞信号が入力されたときに、始動信号の入力数によってのみ保留数を管理する従来構成の管理装置にも対応することが出来る。
【0045】
また、始動入賞信号をシリアル信号とすることなく、ソフトウェア的に始動入賞信号のパルス幅を変動させて出力するので、遊技機2側及び管理装置5側の双方においてハードウェアの改造等が不要となり、ハードウェア的なコストの増加を招くことなく、従来と同様に遊技機2にて始動入賞信号を出力出来、管理装置5にて遊技情報(保留情報)を管理対象とすることが出来る。
また、遊技機2は、保留数毎に区分けされた出力期間の上限が遅延期間を超過しないように遊技機設定情報を設定するので、始動入賞が連続して始動入賞信号を連続して出力する場合であっても、連続した始動信号の出力期間が重なることがない。これにより、確実に保留数を示す出力期間にて始動入賞信号を出力することが出来る。もって、管理装置5にて保留数を誤判定する虞を低減することが出来る。
【0046】
管理装置5は、始動入賞信号の入力期間と、図3の保留情報設定(設定情報)に設定された特定期間(期間範囲)とを照合し、当該入力期間に対応した保留数を特定するので、始動入賞信号の出力期間により保留数を直接的に特定することが出来、始動入賞信号が入力された数と図柄変動信号が入力された数とにより保留数を間接的に特定する従来構成の遊技情報管理装置と比較して、1回の誤判定により大きな誤差が引き起こされる虞を低減することが出来る。
【0047】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態による遊技情報管理装置について図7を参照して説明する。第2実施形態では、保留数を始動入賞信号と図柄変動信号とにより間接的にも特定し、両者が相違した場合にいずれの保留数が正しいか判定している点において第1実施形態と異なっている。遊技機と遊技情報管理装置の構成及び設定、並びに遊技機で実行される遊技機側信号出力処理は第1実施形態と共通であるため、図1から図4をも参照すると共に、それらの詳細な説明は省略する。
第2実施形態の遊技情報管理装置としての管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理及び図11に示す図柄変動信号入力処理を実行する。尚、図10及び図11では、便宜的に、後述する直接管理保留数を「直接」、間接管理保留数を「間接」、仮間接管理保留数を「仮間接」と記載し、後述する図12にて示すメイン記憶領域を「メイン」、サブ記憶領域を「サブ」と記載している。
【0048】
管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理において始動入賞信号が入力されたか(D1)を判定していると共に、図11に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたか(E1)、累計期間の計時加算中であるか(E12)、遊技機2が稼動となったか(E13)、を判定しており、いずれでも無い場合には(D1:NO、E1:NO、E12:NO、E13:NO)、リターンする。そして、遊技者による遊技の進行に応じて遊技機2からアウト信号が出力されると、遊技機2が稼動になった判定し(E13:YES)、保留−1の回数を加算すると共に、保留−1の累計期間及び今回の加算計時を開始する(E14)。ここで、「今回」とは、現在の状態(現在の保留数)における経過期間、即ち、保留数が現在の値になってから他の値になるまでの期間を意味し、その保留数における「今回」の合計(累計)が、当該保留数における「累計期間」に相当する。
【0049】
これらの回数、累計期間及び今回の各データは、図12に示すように保留管理記憶領域に記憶される。この保留管理記憶領域には、各保留数に対応させて、メイン記憶領域及びサブ記憶領域が設けられている。メイン記憶領域は、対応する保留数となった回数と、対応する保留数となっている状態期間の累計期間とを記憶する。回数は無変動状態(保留−1)になった回数、或いは各保留状態(保留0〜4、OF)となった回数を示し、累計期間はその合計期間(秒)を示す。よって、保留−1の累計期間は図柄変動(単位遊技)が行われていない非実行期間を示す。例えば、保留1の場合、保留数が1の状態に714回なり、その状態期間の合計が22848秒であることを示している。このメイン記憶領域に記憶される保留情報が主保留情報に相当する。また、後述するように、メイン記憶領域が更新対象となっている場合には、直接管理保留数を保留数として保留情報を管理する。
【0050】
一方、サブ記憶領域は、管理装置5が管理する保留数のうち始動入賞信号の入力により加算され、図柄変動信号の入力により減算される間接管理保留数と、始動入賞信号の入力期間(パルス幅)により特定される直接管理保留数とが相違する場合に、いずれが正しいかを特定出来るまでの判定期間において、一時的に保留情報(補助保留情報に相当する)を記憶するための記憶領域である。サブ記憶領域の回数や累計期間はメイン記憶領域と同義であり、後述する加算更新処理にて複数の態様にてメイン記憶領域に加算するための遊技情報を記憶する。また、後述するように、サブ記憶領域が更新対象となった場合には、間接管理保留数を保留数として保留情報を管理するようになる。
【0051】
さて、遊技者による遊技が継続されると、遊技機2は、図4に示す遊技機側信号出力処理を実行し、始動入賞が発生した場合には保留数を直接的に特定可能な出力期間を有する始動入賞信号を出力する。このとき、管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されたことから(D1:YES)、入賞タイマの作動を開始した後(D2)、第1実施形態と同様に入賞タイマがタイムアップするまで始動入賞信号の入力期間の特定を繰り返す(D3)。そして、入賞タイマがタイムアップすると(D4:YES)、始動入賞数を加算した後(D5)、ステップD3にて特定した始動入賞信号の入力期間により直接管理保留数を更新すると共に(D6)、間接管理保留数を加算する(D7)。
【0052】
続いて、管理装置5は、現在の更新対象がメイン記憶領域であるかサブ記憶領域であるかを判定する(D8)。後述するようにサブ記憶領域が更新対象となるのは直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した後の期間であるので、遊技開始の直後等においては、更新対象はメイン記憶領域となる(D8:メイン)。続いて、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違しているかを判定し(D9)、相違していない(一致している)場合には(D9:NO)、再度、更新対象がメイン記憶領域であるのかサブ記憶領域であるのかを判定し(D18)、メイン記憶領域であれば(D18:メイン)、更に直接管理保留数がOFであるか又は間接管理保留数が上限値であるかを判定する(D19)。この場合、更新対象はメイン記憶領域であり(D18:メイン)、ステップD6にて更新した直接管理保留数がOFではないときには(D19:NO)、累計期間及び今回の計時加算を終了し(D20)、今回のデータを初期化し(D21)、現保留数の回数の加算、及び累計期間と今回の計時加算を開始した後(D22)、リターンする。これに対して、直接管理保留数がOFの場合には(D19:YES)、OFの回数を加算して(D23)、リターンする。尚、本実施形態では保留情報を管理するための保留数として、メイン記憶領域が更新対象となっている場合には直接管理保留数を選択する一方、サブ記憶領域が更新対象となっている場合には間接管理保留数を選択するようにしている。
【0053】
そして、発生した始動入賞に応じた図柄変動が行われ、その図柄変動が確定すると、遊技機2は図柄変動信号を出力する。管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたことから(E1:YES)、累計期間及び今回の計時加算を終了し(E2)、全ての保留数(この場合、直接管理保留数及び間接管理保留数)を減算し(E3)、今回を初期化、即ち、図12(A)の「今回」のデータを初期化する(E4)。続いて、更新対象がメイン記憶領域であるので(E5:メイン)、非稼動状態でいずれかの保留数が−1となったかを判定し(E9)、非稼動状態でない場合及び保留数が−1でない場合には(E9:NO)現保留数の回数加算、及び累計期間と今回の計時加算をした後(E10)、リターンする。
【0054】
尚、非稼動状態で保留数が−1となった場合には(E9:YES)、遊技が終了したものとして、リターンする。また、累計期間の計時加算中に(E1:NO、E12:YES)、いずれかの保留数が−1で非稼動になった場合には(E15:YES)、累計期間の計時加算を終了し(E16)、今回のデータを初期化し(E17)、更新対象がメイン記憶領域であるので(E18:YES)、遊技者が遊技を終了したと判定してリターンする。
【0055】
このように、管理装置5は、始動入賞信号が入力されると、そのパルス幅に基づいて保留数を直接的に特定し、始動入賞信号の数に基づいて保留数を間接的に特定すると共に、直接管理保留数と間接管理保留数とが一致している場合(メイン記憶領域が更新対象となっている場合)には、それぞれの回数の加算や累計期間の計時加算、及び、図柄変動信号の入力に基づいて保留数を減算することにより、保留数を管理している。
ところで、始動入賞信号のパルス幅により特定する直接管理保留数は、例えばノイズの混入等により、ステップD3にて特定した保留数と遊技機2における実際の保留数とが異なる場合がある。一方、始動入賞信号の数により特定する間接管理保留数は、例えば大当たり状態の終了直後等、遊技状態によってはステップD7にて加算した保留数と遊技機2の実際の保留数とが異なる場合がある。つまり、管理装置5が管理する直接管理保留数及び間接管理保留数は、いずれも遊技機2の実際の保留数と相違する虞がある。
【0056】
そこで、管理装置5は、直接管理保留数及び間接管理保留数のいずれが正しいかを判定している。この場合、いずれの管理保留数が正しいかの判定(判定条件の成立)には複数のパターンが想定される。以下、説明の簡略化のため、判定条件の成立における複数のパターンについて個別に説明する。
【0057】
<<パターン1:始動入賞信号の入力に基づく判定>>
管理装置5は、図11に示す始動入賞信号処理において、始動入賞が発生したときの更新対象がメイン記憶領域である状態で(D1〜D7、且つD8:YES)、更新後の直接管理保留数と更新後の間接管理保留数とが相違した場合、即ち、相違条件が成立した場合には(D9:YES)、現保留数の回数を1回分、また、現保留数の累計期間を今回分サブ記憶領域に移動した後(D10)、仮間接管理保留数を直接管理保留数の値で更新し(D11)、更新対象をサブ記憶領域に移行する(D12)。具体的には、例えば直接管理保留数が保留0と特定され、間接管理保留数が保留1と特定された場合には、「今回」分(図12(A)の45秒)を現保留数(保留0)の累計期間(10038秒)から図12(B)のように保留0のサブ記憶領域の累計期間へと移動(メイン記憶領域が45秒分減算され9993秒、サブ記憶領域が45分加算され45秒)すると共に、保留0の回数(図12(A)の248回)が1回分サブ記憶領域の回数(1回)に移動する。また、メイン記憶領域の保留0の回数が減算されて247回となり、サブ記憶領域の保留1の回数が加算されて1となる。
【0058】
この状態は、図13に示すNO1に示す状態に相当し、管理装置5は、始動入賞により間接管理保留数を加算する一方、直接管理保留数をパルス幅により特定した結果、両者が不一致であるため、更新前の管理保留数である保留0の回数を1回分、累計時間を今回分サブ記憶領域へと移動する。更に、直接管理保留数が示す保留数を仮間接管理保留数として一時的に記憶する。尚、この図13は、直接管理保留数と間接管理保留数との相違した時点では、間接管理保留数が正しかった場合における各保留数の推移を示している。
【0059】
続いて、管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において図柄変動信号が入力されると(E1:YES)、上記したようにステップE2〜E4を実行した後、更新対象がサブ記憶領域であるので(E5:サブ)、いずれかの保留数が−2になったかを判定する(E6)。この場合、「いずれかの保留数」とは、間接管理保留数及び仮間接管理保留数を示している。例えば図13のNO1に示した状態から図柄変動信号が入力された場合には、図13のNO2に示すように間接管理保留数が保留0、仮間接管理保留数が保留−1となるので、いずれも−2ではなく(E6:NO)、非稼動状態でもないことから(E11:NO)、サブ記憶領域の現保留数の回数の加算、及び累計期間と今回の計時加算を開始して(E10)、リターンする。
【0060】
そして、この状態で新たな始動入賞が発生した場合、管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されることから(D1:YES)、ステップD2〜D7を実行し、更新対象がサブ記憶領域であることから(D8:サブ)、仮間接管理保留数を加算し(D13)、間接管理保留及び仮間接管理保留数の内、直接管理保留数と一致する方の一致回数を加算する(D14)。この場合、図13のNO3に示すように、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留1で(一致回数が1回目)、仮間接管理保留数が保留0の状態になる。つまり、間接管理保留数が直接管理保留数と一致している。そして、その一致回数が一致特定数(3回。図3参照)に達したかを判定し(D15)、まだ1回目であるので(D15:NO)、ステップD18に移行する。この場合、サブ記憶領域が更新対象となっているので(D18:サブ)、ステップD20に移行する。このように、サブ記憶領域を更新対象としている場合には、間接管理保留数がOFを示している場合であっても、回数や累計期間を区切って更新する。尚、図12ではOF(保留5)までを管理対象としているが、直接管理保留数と間接管理保留数との誤差の程度を考慮して、保留6以上を更新対象としてサブ記憶領域を設けても良い。
【0061】
続いて、図柄変動信号が入力される前に新たな始動入賞が発生すると、管理装置5は、上記したように図10に示す始動入賞信号入力処理を実行し、直接管理保留数の更新、間接管理保留数及び仮間接管理保留数の加算(D1:YES、D2〜D7、D8:サブ)、及び、仮間接管理保留数の加算(D13)、直接管理保留数と一致する方の一致回数の加算(D14)を行う。この場合、図13のNO4に示すように、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留2で(一致回数が2回目)、仮間接管理保留数が保留1になる。ただし、この時点では一致回数が一致特定数に達していないので(D15:NO)、ステップD18以降の処理を繰り返す。
【0062】
この状態で図柄変動信号が確定したとすると、管理装置5は、上記したように図11に示す図柄変動信号入力処理を実行し、ステップE3にて各保留数(この場合、直接管理保留数、間接管理保留数及び仮間接管理保留数)を減算することにより、図13のNO5に示すように間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留1になり、仮間接管理保留数が保留0になる。
そして、新たな始動入賞が発生すると、管理装置5は図10に示す始動入賞信号処理を同様に実行し、図13のNO6に示すように、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留2になり、仮間接管理保留数が保留1の状態になる。そして、直接管理保留数と一致する方の一致回数が加算(D14)されると、間接管理保留数と直接管理保留数との一致回数が一致特定数(3回)に達する。この一致回数が一致特定数に達することが、判定条件の成立に相当する。つまり、この時点で、判定可能な状態になる。
【0063】
図13に示す例では、NO1の始動入賞信号の入力時に直接管理保留数が例えばノイズにより誤判定され、間接管理保留数の方が正しい保留数を示していたものの、その時点(NO1の時点)ではいずれの管理保留数が正しいかを判定出来なかったが、間接管理保留数が直接管理保留数と一致した一致回数が一致特定数に達した(NO6の時点)ことから、間接管理保留数が正しいと判定可能になったことを示している。即ち、管理装置5は、一致回数が一致特定数に達した時点で、相違した管理保留数の内いずれが正しいのかを判定出来る状態になったといえる。
【0064】
そして、管理装置5は、管理装置5は、正しい保留数を判定出来る状態になると、即ち、一致回数が一致特定数に達した場合(D15:YES)、一致特定数に達した方(この場合は間接管理保留数)が正しいとして、加算更新処理を行う(D16)。この加算更新処理は、相違した管理保留数の内、正しいとする管理保留数を正管理保留数として、正管理保留数(この場合、サブ記憶領域に記憶されている保留数)に対応する保留情報を、メイン記憶領域の保留情報に加算する処理である。具体的には、一致回数が一致特定数に達した時点におけるサブ記憶領域の保留情報が、図12(C)に示すように保留0が2回、累計期間が92秒、保留1が2回、累計期間が106秒、保留2が1回、累計期間が24秒であるとする。この場合、サブ記憶領域を更新対象とした場合の保留情報を管理するための保留数である間接管理保留数が正管理保留数であるため、サブ記憶領域における各保留数を繰上げ、或いは繰り下げすることなく、その各保留数に対応する各回数及び累計期間を、図12(D)に示すように、メイン記憶領域の各保留数に対応付け、保留0の場合、回数が250回(248+2)、累計期間が10130秒(10038+92)、保留1の場合、回数が716回(714+2)、累計期間が22954秒(22848+106)、保留2の場合、回数が651回(650+1)、累計期間が15624秒(15600+24)としてメイン記憶領域の保留情報を加算更新する。これにより、相違が発生してからサブ記憶領域に記憶されていた保留情報を、正しい保留数に対応付けてメイン記憶領域にて管理することが可能となる。
【0065】
加算更新処理を実行すると、管理装置5は、更新対象をメイン記憶領域へ移行した後(D17)、保留数を直接管理保留数にて保留情報を管理してステップD18以降の処理を行う。これにより、再び相違が発生するまでの期間においては、メイン記憶領域にて保留情報が管理される。
尚、上記では間接管理保留数が正しい場合について説明したが、直接管理保留数が正しい場合も勿論起こり得る。例えば、図14に示すように、NO1の始動入賞の発生時に間接管理保留数を保留1と特定し、直接管理保留数を保留0と特定した場合、図13のNO1と同様に、両者が不一致であるため、更新前の管理保留数である保留0の回数を1回分、累計時間を今回分サブ記憶領域へと移動する。更に、直接管理保留数が示す保留数を仮間接管理保留数として一時的に記憶する。
【0066】
この状態で図柄変動信号が入力された場合には、図14のNO2に示すように、図柄変動信号の入力に伴い各管理保留数がそれぞれ減算され、間接管理保留数が保留0、直接管理保留数が保留−1、仮間接管理保留数が保留−1となる。そして、新たな始動入賞が発生すると、図14のNO3に示すように、間接管理保留数が加算されて保留1となる一方、直接管理保留数及び仮間接管理保留数が共に保留0になる(一致回数が1回目)。そして、図14のNO4の始動入賞のときに、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留1となり(一致回数が2回目)、NO5の図柄変動を経て、NO6の始動入賞により直接管理保留数と仮間接管理保留数とが保留1(一致回数が3回目)となる。
【0067】
この場合、管理装置5は、直接管理保留数と仮間接管理保留数との一致回数が一致到達数に達したことから、仮間接管理保留数に対応する直接管理保留数が正しいと判定し、図10に示す始動入賞信号入力処理において、一致回数が一致特定数に達し(D15:YES)、一致特定数に達した直接管理保留数が正しいとして、加算更新処理を行う(D16)。この場合、管理装置5は、正しいと判定した時点における仮間接管理保留数と間接管理保留数との差分をサブ記憶領域の状態にて繰上げ、或いは繰下げした上で、メイン記憶領域へと記憶する。具体的には、図14の場合、NO6にて直接管理保留数が正しいと判定し、間接管理保留数と仮間接管理保留数の差分は−1(=1−2)なので、サブ記憶領域の状態を−1分ずらして、即ち、保留0を保留−1に保留1を保留0へとずらしてメイン記憶領域へと加算する。この場合、繰上げ、或いは繰下げした結果、仮にOF(保留5)に対応した保留情報があれば、回数については、他と同様にOFに加算する一方、そのOFに加算した回数を保留4から減算し、累計期間については、サブ記憶領域における保留4とOFとの合計値をメイン記憶領域における保留4に加算すれば良い。
【0068】
このように、管理装置5は、始動入賞信号の入力に伴って、直接管理保留数、間接管理保留数及び仮間接管理保留数のうち、間接管理保留数又は仮間接管理保留数と直接管理保留数とが一致する一致回数を管理し、一致回数が一致特定数に達した管理保留数を正しいと判定する。換言すると、管理装置5は、始動入賞信号のパルス幅により直接的に特定した直接管理保留数、及び始動入賞信号の入力により加算される間接管理保留数の確かさを検証している。
【0069】
<<パターン2:図柄変動信号の入力に基づく判定その1>>
判定条件の成立は、図柄変動信号の入力によっても判定することが出来る。このパターン2では、説明の簡略化のため、直接管理保留数と間接管理保留数との相違が発生した以降の状態、即ち、図10の始動入賞信号処理のステップD9において直接管理保留数と間接管理保留数とが相違し(D9:YES)、更新対象がサブ記憶領域に移行した(D12)以降の状態から説明する。
管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、サブ記憶領域を更新対象となった状態で図柄変動信号が入力されると(E1:YES)、累計期間及び今回の計時加算を終了し(E2)、全ての保留数を減算し(E3)、今回のデータを初期化する(E4)。そして、更新対象がサブ記憶領域であるので(E5:サブ)、いずれかの保留数(この場合、間接管理保留数又は仮間接管理保留数)が−2になったかを判定する(E6)。
【0070】
ここで、間接管理保留数或いは仮間接管理保留数が−2になる状況を検討してみる。間接管理保留数及び仮間接管理保留数は、上記したように始動入賞信号の入力により加算され、図柄変動信号の入力により減算されるため、それらが各信号の入力により正確に管理されている場合には、−1(非実行状態)〜4(上限値)、及びOFのいずれかになる。このため、間接管理保留数又は間接管理保留数が−2という通常は発生し得ない値になるのは、図柄変動が全て実行されたと判定している状態(保留−1)において、始動入賞信号が入力されること無く新たな図柄変動信号が入力された状態である。この場合、間接管理保留数が−2になるのは、始動入賞信号の入力に伴う加算、或いは図柄変動信号の入力に伴う減算のいずれかが誤って行われた状態であると考えられる。また、仮間接管理保留数が−2になるのは、仮間接管理保留数の初期値、即ち、相違が発生した時点における直接管理保留数が誤りであったと考えられる。
【0071】
そのため、管理装置5は、いずれかの管理保留数が−2になった場合には(E6:YES)、−2では無い保留数を正しいとした加算更新処理を実行する(E7)。この場合、間接管理保留数が−2になったときには、仮間接管理保留数が正しい、即ち、直接管理保留数が正しいとして、図14にて説明したのと同様の加算更新処理を行う。一方、仮間接管理保留数が−2になったときには、間接管理保留数が正しい、即ち、直接管理保留数が誤りであるとして、図13にて説明したのと同様の加算更新処理を行う。そして、加算更新処理を行った後、更新対象をメイン記憶領域に移行し(E8)、ステップE9へ移行する。その後、再びメイン記憶領域を更新対象として保留情報を管理する。
このように、管理装置5は、間接管理保留数及び仮間接管理保留数のうちいずれかが−2になった場合には、−2でない保留数を正しいと判定する(判定条件が成立する)。
【0072】
<<パターン3:図柄変動信号の入力に基づく判定その2>>
パターン3では、説明の簡略化のため、上記したパターン2と同様に直接管理保留数と間接管理保留数との相違が発生し、更新対象がサブ記憶領域に移行した以降の状態から説明する。
管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、サブ記憶領域を更新対象とした状態で図柄変動信号が入力されると(E1:YES)、パターン2と同様にステップE2〜E4の処理を行い、更新対象がサブ記憶領域であるので(E5:サブ)、いずれかの保留数(この場合、間接管理保留数又は仮間接管理保留数)が−2になったかを判定し(E6)、いずれも−2では無い場合には(E6:NO)、非稼動状態でいずれかの保留数が−1になったかを判定する(E11)。
【0073】
本実施形態の場合、遊技機2が非稼動状態になるのは稼動タイマ(60秒)がタイムアップした時点であり、その時点では遊技者が遊技を終了或いは一時的に離席して遊技を行っていない状況であると考えられる。そのため、今回入力された図柄変動信号が遊技者による遊技によって発生した最後の図柄変動信号であると考えられる。即ち、いずれの保留数も−2ではない状態では、非稼動状態が判定され、いずれかの保留数が−1になると、間接管理保留数及び仮間接管理保留数がそれ以上更新(加算、或いは減算)されない状態であると言える。
そのため、管理装置5は、非稼動状態でいずれかの保留数が−1になった場合には(E11:YES)、−1となった保留数を正とする加算更新処理を行い(E19)、更新対象をメイン記憶領域に移行し(E20)、その後は再びメイン記憶領域を更新対象として保留情報を管理する。
【0074】
このように、管理装置5は、図柄変動信号の入力後に非稼動状態でいずれかの保留数が−1になった状態、即ち、間接管理保留数及び仮間接管理保留数がそれ以上更新されないことが確定されたと判定した場合には、−1の保留数を正管理保留数と判定する。
【0075】
<<パターン4:非稼動状態の特定に基づく判定その2>>
パターン4では、説明の簡略化のため、上記したパターン2、3と同様に直接管理保留数と間接管理保留数との相違が発生し、更新対象がサブ記憶領域に移行した以降の状態から説明する。
管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号の入力が無いものの(E1:NO)累計期間の計時加算は行っている状態で(E12:YES)、いずれかの保留数(この場合、間接管理保留数又は仮間接管理保留数)が−1で非稼動になったと判定すると(E15:YES)、累計期間の計時加算を終了し(E16)、今回のデータを初期化する(E18)。そして、更新対象がサブ記憶領域であるので(E18:サブ)、−1となった保留数を正とする加算更新処理を行い(E19)、更新対象をメイン記憶領域に移行する(E20)。
つまり、このパターン4では、非稼動状態且つ更新対象がサブ記憶領域である場合にいずれかの保留数が−1になったときには、間接管理保留数及び仮間接管理保留数がそれ以上更新されないことが確定されたと判定し、−1の保留数を正管理保留数と判定する。
【0076】
このように、管理装置5は、始動入賞信号及び図柄変動信号の入力により直接管理保留数と間接管理保留数とを更新し、それらが相違した場合には、間接管理保留数及び仮間接管理保留数の値から、いずれが正しい保留数であるかを特定する。これにより、相違が発生した以降の保留情報を、始動入賞信号及び図柄変動信号に基づいて適切に管理することが可能となる。
この場合、第1実施形態と同様に、図7から図9に示すように遊技情報を集計してもお勿論良い。
以上説明した管理装置5によれば、次のような効果を奏する。
【0077】
管理装置5は、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違したときには、いずれの管理保留数を正しいとするかを特定し、その正しいとする管理保留数を正管理保留数としてメイン保留情報に加算する加算更新処理を実行する。入力期間(始動入賞信号のパルス幅。遊技機2側からみると始動入賞信号の出力期間)により保留数を直接的に判定する場合(直接管理保留数を特定する場合)、ノイズ等により直接管理保留数を誤判定する虞が勿論あるが、その場合であっても、相違が発生した以降の期間を判定期間とし、その間の保留数の変動を仮間接管理保留数として集計して誤判定であるか否かを判定することで、判定期間における保留情報を適切に管理することが出来る。
また、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合、直接管理保留数が間接管理保留数と設定回数一致した場合には間接管理保留数を正管理保留数とし、仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には直接管理保留数を正管理保留数として加算更新処理を実行するので、より正確に誤判定であるか否かを判定可能となる。
【0078】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張出来る。
保留数に応じて出力期間を変動させる遊技信号を始動入賞信号としたが、図柄変動信号としても良い。この場合、何れか一方のみを対象としても双方を対象としても良い。また、始動入賞後の保留数により出力期間を変動させたが、始動入賞前の保留数により変動させても良い。図柄変動信号についても同様に更新前後のいずれの保留数により変動させても良い。更に、情報量として不足する恐れはあるが、始動入賞信号と図柄変動信号との内、いずれか一方のみを出力するようにし、その信号により保留情報を管理するようにしても良い。
【0079】
第2実施形態にて仮間接管理保留数を用いて間接管理保留数、直接管理保留数のいずれが正しいかを判定したが、間接管理保留数を仮間接管理保留数に置き換え、仮間接管理保留数と直接管理保留数とを照合して一致特定数分一致すれば直接を正とした加算更新処理、一致特定数分不一致であれば間接管理保留数を正とした加算更新処理を行う様にする等、正しいかの判定方法はどのような方法であっても良い。即ち、必ずしも3つの管理保留数を管理する必要は無い。
この場合、直接管理保留数と間接管理保留数との相違の判定時に差分を特定する必要が有る。尚、サブ記憶領域を更新する際の保留情報を管理するための保留数は間接管理保留数だけでなく、直接管理保留数や仮間接管理保留数等を採用しても勿論良い。この場合、必要に応じて第2実施形態と異なる加算更新処理を行えば良い。
【0080】
各実施形態では、図柄変動確定時に出力される図柄変動信号により図柄変動を特定したが、図柄変動開始時に出力される図柄変動信号により図柄変動を特定しても良い。この場合、無変動状態から図柄変動信号を受信した場合には保留数を減算せず、保留数0の状態で図柄変動信号を受信してから図柄変動時間に対応したタイマを作動させ、そのタイムアップに応じて図柄変動が終了したとして無変動状態を特定すれば良い。
保留情報として対応する保留数である状態期間を管理対象とすることを例示したが、管理保留数に対応した図柄変動期間や、アウト、セーフ等の遊技情報を管理する等、他の保留情報を管理しても勿論良い。
【0081】
第1始動口2c及び第2始動口2dへの入賞を区別することなく保留数の上限値を定めて保留数を管理する遊技機2を対象としたが、区別して保留数の上限を各々定めて管理する遊技機を対象としても良い。この場合、始動入賞信号が第1始動口2c及び第2始動口2dで区別して出力する必要がある。
単位遊技として図柄変動を例示したが例えば役物の開放動作等も大当たりを発生されるために作動すれば単位遊技となる。また、例えば所謂封入式のパチンコ遊技機等、これら以外の遊技機を管理対象としても良い。
【0082】
図3の保留情報設定を機種別に区分けしているが、遊技機2に対する設定情報を特定出来れば、遊技機2別に設定しても良いし、詳細に設定する必要が無ければ全ての遊技機2に共通した設定としても良い。また、機種に限らず、設置される遊技島単位で設定する等、グループ単位で設定しても良い。この場合、機種設定のようにグループを特定可能な設定を行う必要が勿論ある。
例示した全ての遊技情報について遊技信号から直接的、或いは間接的に特定する等どのように特定しても良い。また、各実施形態で示した数値や項目等は全て例示であり、どのような数値や項目等を採用しても良い。また、管理装置5が行う情報処理の一部を中継装置4等にて行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0083】
図面中、2は遊技機(信号出力手段、遊技機保留管理手段、遊技機設定手段)、5は管理装置(遊技情報管理装置、信号入力手段、設定手段、期間特定手段、保留数特定手段、保留情報管理手段、記憶手段)を示す。
【技術分野】
【0001】
本発明は、単位遊技を保留可能な遊技機、及びその遊技機を管理対象とする遊技情報管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機(以下、遊技機と称する)の遊技情報を管理する場合、図柄変動(単位遊技)の保留数を管理すれば、例えば保留数が無い状態、即ち図柄変動を行っていない期間や、保留数毎の図柄変動時間を管理出来、遊技者の不快度や、遊技機の遊技傾向等を把握出来、有意である。そして、例えば特許文献1では、遊技信号として始動口に入賞したことを示す始動入賞信号(始動入賞パルス)と、図柄変動が行われたことを示す図柄変動信号(図柄変動パルス。単位遊技信号)とを利用して保留数を管理し、図柄変動を開始するまでの期間を管理することが提案されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2002−253819号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記した特許文献1のように遊技信号を組み合わせる等して間接的に保留数を管理する従来構成の管理装置の場合、例えば1回でも受信不良や大当たり終了時等により図柄変動の開始判定のタイムラグがあり、保留数が実際の保留数と相違してしまうと、その相違を修正することが大変難しい。かといって、保留数を示す信号端子等を別途設けると、遊技機側及び管理装置側のハードウェア改造等が必要となり、コスト面に影響が出る。更に始動入賞信号及び図柄変動信号を、保留数を示すシリアル信号にしてしまうと、それらの信号は他の遊技情報の管理にも利用するため、全ての管理装置にてシリアル信号を入力出来る仕様とする必要が生ずる。
【0005】
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、その目的は、ハードウェア的なコスト増を招くことなく、更に保留数を管理対象としない管理装置の管理下において、従来と同様に始動入賞信号等に係る遊技情報を管理対象に出来るように保留数を示す信号を出力する遊技機、及びその遊技機に対応して保留数を管理する遊技情報管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載した遊技機の発明は、始動入賞することを条件として大当たりを発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を保留し、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機であって、始動入賞に応じて出力される遊技信号である始動入賞信号、及び前記単位遊技の実行に応じて出力される遊技信号である単位遊技信号の内、少なくとも一方である始動信号を出力する信号出力手段と、保留している前記単位遊技の数である保留数を管理する遊技機保留管理手段と、前記始動信号に関する遊技機設定情報であって、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数毎に区分けされた出力期間を特定可能な遊技機設定情報を設定する遊技機設定手段と、を備え、前記信号出力手段は、前記始動信号を出力する場合に、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数と前記遊技機設定情報とにより特定される出力期間を、当該始動信号の出力期間として前記始動信号を出力する。
【0007】
請求項2に記載した遊技機の発明は、前記遊技機設定情報は、前記始動信号を連続して出力する場合に、連続した前記始動信号を各々特定可能となるように、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間に対する遅延期間を特定可能に設定され、前記信号出力手段は、前記始動信号を連続して出力する場合に、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間が前記遅延期間未満とならないように前記始動信号を出力し、前記遊技機設定手段は、前記保留数毎に区分けされた出力期間の上限が、当該遅延期間を超過しないように前記遊技機設定情報を設定することを特徴とする。
【0008】
請求項3に記載した遊技情報管理装置の発明は、請求項1または2記載の遊技機を管理対象とした遊技情報管理装置であって、前記始動信号を入力する信号入力手段と、前記始動信号に関する設定情報であって、前記保留数毎に区分けされた出力期間に対応した期間範囲を前記保留数毎に特定可能な設定情報を設定する設定手段と、前記信号入力手段による前記始動信号の入力に応じて当該始動信号の入力期間を特定する期間特定手段と、前記期間特定手段により特定された入力期間と、前記設定情報により特定される期間範囲とを照合し、当該入力期間に対応した前記保留数を特定する保留数特定手段とを備えたことを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載した遊技情報管理装置の発明は、前記保留数特定手段により特定される保留数を管理保留数として管理する一方、当該管理保留数により区分けされる遊技情報である保留情報を、その管理保留数に対応付けて管理する保留情報管理手段と、前記保留情報管理手段により管理される保留情報を主保留情報と補助保留情報とに区分けして記憶する記憶手段と、を備え、前記信号入力手段は、前記始動入賞信号及び前記単位遊技信号を入力し、前記保留数特定手段は、前記入力期間に対応した前記保留数を直接管理保留数として特定する一方、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を間接管理保留数として特定し、前記設定手段は、前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが相違することを示す相違条件と、当該相違条件の成立後にいずれの管理保留数を正しいとするかを判定するための判定条件とを設定し、前記保留情報管理手段は、前記保留数特定手段により特定される前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが一致する期間においては、前記保留情報を前記主保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記相違条件が成立したかを判定し、当該相違条件が成立した場合には、その成立後から前記判定条件が成立するまでの期間である判定期間における前記保留情報を前記補助保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記判定条件が成立したかを判定することで、いずれの管理保留数を正しいとするかを判定し、その判定条件の成立によりいずれの管理保留数を正しいとするかを特定した場合には、その正しいとする管理保留数を正管理保留数として、前記管理保留数により区分けされる前記補助保留情報を前記正管理保留数に対応付け、前記主保留情報に加算する加算更新処理を実行することを特徴とする。
【0010】
請求項5に記載した遊技情報管理装置の発明は、前記保留数特定手段は、前記相違条件が成立した場合に、当該相違条件が成立した時点における前記直接管理保留数を起点として、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を仮間接管理保留数として特定し、前記判定条件は、前記判定期間において前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致することで成立し、前記保留情報管理手段は、前記判定期間において、前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致するかを判定し、前記間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記間接管理保留数、前記仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記直接管理保留数を前記正管理保留数として前記加算更新処理を実行することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
請求項1に記載した遊技機の発明によれば、遊技機保留管理手段により管理される保留数と遊技機設定情報とにより特定される出力期間にて当該始動信号を出力するので、始動信号の出力期間により保留数を直接的に特定出来る管理装置に十分対応しつつも、始動信号の入力数により保留数を管理する従来構成の管理装置に対して影響がでないようにシリアル信号とすることなく始動信号を出力出来る。従って、ハードウェア的なコスト増を招くことなく、従来と同様に遊技情報を管理対象にすることが出来る。
【0012】
請求項2に記載した遊技機の発明によれば、保留数毎に区分けされた出力期間の上限が遅延期間を超過しないように遊技機設定情報を設定するので、始動信号を連続して出力する場合であっても、連続した始動信号の出力期間が重なることなく保留数を示す出力期間とすることが出来る。
請求項3に記載した遊技情報管理装置の発明によれば、期間特定手段により特定された入力期間と、設定情報により特定される期間範囲とを照合し、当該入力期間に対応した保留数を特定するので、始動信号の入力期間により保留数を直接的に特定出来、間接的に保留数を特定する場合と比較して、1回の誤差で大きな誤差を引き起こす虞が無くなる。
【0013】
請求項4に記載した遊技情報管理装置の発明によれば、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合、いずれの管理保留数を正しいとするかを特定し、その正しいとする管理保留数を正管理保留数として主保留情報に加算する加算更新処理を実行するので、入力期間(遊技機からみた場合には出力期間)により保留数を判定する場合、ノイズ等により保留数を誤判定する虞が勿論あるが、その場合であっても、判定期間を設けて誤判定であるか否かを判定することで、判定期間における保留情報を適切に管理可能となる。
請求項5に記載した遊技情報管理装置の発明によれば、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合、直接管理保留数が間接管理保留数と設定回数一致した場合には間接管理保留数を正管理保留数とし、仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には直接管理保留数を正管理保留数として前記加算更新処理を実行するので、より正確に誤判定であるか否かを判定可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の第1実施形態による管理装置を適用した遊技場用システムの構成を概略的に示す図
【図2】遊技機が設定する始動入賞信号設定を示す図
【図3】管理装置が設定する保留情報設定を示す図
【図4】遊技機による遊技機側信号出力処理を示すフローチャート
【図5】管理装置による始動入賞信号入力処理を示すフローチャート
【図6】管理装置による図柄変動信号入力処理を示すフローチャート
【図7】保留情報の活用例1を示す図
【図8】保留情報を対応時間毎に区分けした保留管理記憶領域を示す図
【図9】保留情報の活用例2を示す図
【図10】本発明の第2実施形態による図5相当図
【図11】第2実施形態による図6相当図
【図12】管理装置が管理する保留情報を記憶する保留管理記憶領域を示す図で、(A)は通常時、(B)は相違判定時、(C)は判定期間時、(D)は加算更新後の記憶領域を示す図
【図13】間接管理保留数が正しい場合における加算更新処理の概要を示す図
【図14】直接管理保留数が正しい場合における加算更新処理の概要を示す図
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明による遊技機、及びその遊技機を管理対象とした情報管理装置の複数の実施形態について図面を参照しながら説明する。複数の実施形態において実質的に同一の構成部位には同一の符号を付し、説明を省略する。
【0016】
(第1実施形態)
本発明の第1実施形態による遊技機について、図1から図9を参照しながら説明する。
図1は、本発明による遊技機及び遊技情報管理装置を適用した遊技場用システム1の全体構成の概略を示している。遊技場内には、複数台の遊技機2が設置されており、各遊技機2に対応して貸出機3が設置されている。これら遊技機2及び貸出機3は、2台づつ中継装置4に接続されている。遊技機2や貸出機3等の遊技機2側の機器から出力される後述する遊技信号は、中継装置4によって遊技情報管理装置としての管理装置5等に送信される。管理装置5は、遊技場内の例えば事務所等に設置され、LAN6を介して各中継装置4と接続されており、遊技機2及び貸出機3等から出力される遊技信号に基づいて各種の後述する遊技情報を管理している。また、図示は省略するが、遊技場内には例えば数百台の遊技機2が設置されて管理対象となっている。尚、遊技場内には、図示しないスロットマシンや計数装置等も設置されている。
【0017】
遊技機2(信号出力手段、遊技機保留管理手段、遊技機設定手段に相当する)は、遊技媒体としてのパチンコ玉(遊技価値に相当する)を盤面に発射するためのハンドル2a、パチンコ玉を入賞させるための普図入賞口2b、第1始動口2c及び第2始動口2d、パチンコ玉の入賞に応じて表示図柄が変動する表示部2e、大当たり時に開放する大入賞口2f、受皿2g、及び保留数表示部2h等が設けられている。遊技機2は、第1始動口2c或いは第2始動口2dへのパチンコ玉の入賞(始動入賞に相当する)に応じて大当たり抽選を行い、その抽選結果に基づき所謂特別図柄(特図)による図柄変動(単位遊技に相当する)を表示部2eにて実行する。そして、表示部2eに停止表示された図柄が大当たり図柄の場合に大当たりを発生させる。第1始動口2cは入賞率が変動しない所謂ヘソタイプの入賞口である一方、第2始動口2dは普図入賞口2bへの入賞に伴って行われる普図抽選の抽選結果により入賞率が変動する所謂電チュータイプの入賞口である。
【0018】
遊技機2は、図柄変動中に発生した始動入賞に対応する図柄変動を予め設定された上限値(保留上限値。図2の「上限値」参照)まで保留可能である。本実施形態では上限値は4個に設定されており、第1始動口2c及び第2始動口2dへの始動入賞の保留数(「保留している前記単位遊技の数」に相当する)の合計が4個になるまで図柄変動を保留可能である。保留された図柄変動は、実行中の図柄変動の終了後に順次実行される。つまり、遊技機2が自身で管理している保留数は、始動入賞の発生により加算され、図柄変動の確定により減算される。尚、周知のように図柄変動時間は変動開始時の保留数に対応して変動する。即ち保留数が多い場合には図柄変動時間を短くなるようにして選択的に実行し、保留数が上限値にはなり難くなっている。この場合、無変動状態での始動入賞による場合も、図柄変動により保留数が減算され1となった場合も、開始される図柄変動については、ほぼ同様の図柄変動時間が選択されるようになっている。
【0019】
遊技機2の大当たり抽選の当選確率(大当たり確率)は1/300で、その大当たりの内、大当たり後に確変状態(確変)となる大当たりの割合は66.6%(2/3)である。この確変は、次回の大当たりが発生するまで継続するため、大当たりが発生した後に通常状態(通常)となる通常大当たりが発生するまで継続する。遊技機2は、大当たりが発生すると、対応するラウンド数(R)に応じた回数分だけ大入賞口2fを開放する。本実施形態の場合、1Rで大入賞口2fにパチンコ玉が入賞する上限入賞数は8個で、大入賞口2fの上限開放時間は30秒であり、上限入賞数又は上限開放時間のいずれかが満たされた場合(大当たり終了条件が成立した場合)に1Rを終了する。また、大当たりに対応するRは5Rと16Rとが設けられており、その振り分け割合は5Rが25%(1/4)で、16Rが75%(3/4)である。遊技機2は、確変中には大当たり確率が1/30に向上すると共に、第2始動口2dへの入賞率が向上する時短状態(時短)になる。また、通常大当たりが発生した場合には、通常状態から発生した大当たりも含め、大当たりの終了後に100回の図柄変動を行うまで時短となり、その後、通常状態に戻る。
【0020】
遊技機2は、図示しない制御手段を備えており、上記した第1始動口2c及び第2始動口2dへの始動入賞の検知、図柄変動等の単位遊技の実行の特定、保留数の加算及び減算による保留情報の管理等を行っている。また、遊技機2及び遊技機2の周辺機器は、図示しない信号出力手段を備えており、遊技者による遊技の進行に伴って以下に示すような遊技信号を信号出力手段から信号出力する。
【0021】
アウト信号=使用玉を回収するアウトBOX(図示せず)から出力される使用媒体数(アウト、使用価値)を特定可能な信号(稼動信号)。回収玉(使用玉、打込玉)10玉に対して1パルス出力されるため、アウト信号数×10を使用媒体数(アウト)として特定する。尚、遊技機2から直接出力される信号でも良い。
セーフ信号=遊技機2から出力される払出媒体数(セーフ)を特定可能な信号。払出玉数10玉に対して1パルス出力されるため、セーフ信号×10を払出媒体数(セーフ、入賞付与価値)として特定する。尚、補給装置(図示せず)から出力される補給信号をセーフ信号としても良い。
始動入賞信号=遊技機2から出力される各始動口への入賞(始動入賞)を特定可能な信号(始動信号に相当する)。第1始動口2c又は第2始動口2dへの入賞1回につき1パルス出力されるので、始動入賞信号の入力に応じて始動入賞を特定する。
【0022】
図柄変動信号=第1始動口2c或いは第2始動口2dへの始動入賞により変動(作動)を開始する図柄変動(役物作動、単位遊技)を特定可能な信号(単位遊技信号、始動信号に相当する)。図柄確定時(図柄変動が終了して図柄が確定した時)に出力されるので、信号入力に応じて図柄変動を特定する。
大当たり信号=遊技機2から出力される大当たりである期間を特定可能な信号。大当たり中にレベル出力される状態信号であるため、大当たり信号受信中を大当たり中として特定する。
特別状態信号=遊技機2から出力される特別状態(甘中)を特定可能な信号。第2始動口2dへの入賞率が向上する特別状態中(時短中)にレベル出力される状態信号なので、特別状態信号受信中を特別状態として特定する。尚、大当たり確率が向上する確変中に出力される状態信号(確変信号)であっても良い。また、大当たり信号と特別状態のいずれも受信していない期間を通常状態として特定する。
【0023】
ここで、遊技機2側から出力される始動入賞信号について詳細に説明する。始動入賞信号は、上記したように第1始動口2c又は第2始動口2dへの始動入賞に応じてパルス出力される信号である。遊技機2は、始動入賞信号の出力期間(以下、パルス幅とも称する)を、保留数に応じて変動する。具体的には、遊技機2は、図2に示すように、管理している保留数毎に区分けされた信号出力幅(出力期間に相当する)を設定及び記憶している。図2の場合、信号出力幅は、対応する保留数となった始動入賞時に出力する始動入賞信号のパルス幅を示している。そして、始動入賞信号の出力時における保留数に対応した信号出力幅にて当該始動入賞信号を出力する。この始動入賞信号は、その幅は保留数に応じて変動するものの、その数は変動しない。即ち、始動入賞信号は、シリアル出力ではなく、保留数に関わらず1パルスのみ出力される。
【0024】
本実施形態では、始動入賞信号の信号出力幅は、図2の始動入賞信号設定の信号出力幅(遊技機設定情報に相当する)に示すように、保留数が0(保留0)の場合には50ms、保留数が1(保留1)の場合には100ms、保留数が2(保留2)の場合には150ms、保留数が3(保留3)の場合には200ms、保留数が4(保留4)の場合には250ms、オーバーフロー(OF)の場合には300msに設定されている。尚、OFとは、保留数が上限に達した状態で発生した始動入賞に対応する。このため、例えば保留0の場合、即ち、始動入賞することにより保留0(変動状態)となった場合には、50msの信号出力幅を有する始動入賞信号を出力する。
【0025】
また、遊技機2は、出力タイマを2000ms(2秒)に設定している。この出力タイマは、始動入賞が連続した場合に、始動入賞信号が混同しないように始動入賞出力開始時に作動するタイマであり、出力タイマに設定された期間が遅延期間に相当する。この出力タイマの作動中には、新たな始動入賞があったとしても、その始動入賞に伴う始動入賞信号の出力は、出力タイマがタイムアップするまで遅延される。遊技機2は、保留数毎に設定した各出力信号幅の上限がこの出力タイマの設定値を超過しないように設定している。また、遊技機2は、先の始動入賞信号を出力してから次の始動入賞信号を出力するまでの期間がこの出力タイマの設定値未満とならないように、始動入賞信号を出力する。尚、連続して始動入賞が発生して始動入賞信号の出力が遅延される場合であっても、遊技そのものは遅延されない。
【0026】
貸出機3は、図1に示すように、遊技情報等を表示するタッチパネル式の液晶表示部3a、パチンコ玉が払出される玉払出口に設けられている払出ノズル3b、貨幣投入口3c、表示ランプ3d等から構成されている。遊技者が貨幣投入口3cに貨幣を投入すると、投入した貨幣に応じた数のパチンコ玉が払出ノズル3bから遊技機2の受皿2gに払出される。液晶表示部3aには、遊技機2の遊技データや遊技者個人の遊技データ等が表示される。表示ランプ3dは、貸出機3の作動状態を表示するランプであり、例えば異常が発生した場合等に点灯することで異常を報知する。
このような構成の貸出機3からは、以下のような遊技信号が出力される。
売上信号=遊技者に対する貸出玉25玉毎に1パルス出力されるため、売上信号×25を貸出玉(対価付与価値)として特定し、その貸出玉に貸出単価(例えば4円)を乗じた値を売上額(対価額)として特定する。
【0027】
管理装置5(遊技情報管理装置、信号入力手段、設定手段、期間特定手段、保留数特定手段、保留情報管理手段、記憶手段に相当する)は、図示しないCPUからなる制御部、図示しないROMやRAM或いはHDD等からなる記憶部、及び上記した遊技信号等の送受信を行う入力手段である図示しない入出力部を備えたコンピュータで構成されている。この管理装置5は、記憶部に記憶されている制御プログラムに従って作動し、入出力部に入力される遊技機2側の機器からの遊技信号により特定される遊技情報を集計及び管理する。管理装置5には、例えばモニタ7やプリンタ(図示せず)等の出力手段が接続されている。管理装置5は、遊技機2側の機器から入力される遊技信号に基づいて、稼動情報、出玉率、売上等の周知の遊技情報の集計及び管理を行っている。
【0028】
また、管理装置5は、図2の遊技機2側の始動入賞信号設定に対応させて、図3に示す保留情報設定を設定及び記憶している。管理装置5は、遊技機2を機種別にグループ分けする周知の機種設定も別途を行っており、遊技機2の機種別に図3の保留情報を設定する。保留情報設定に設定されている各項目の意味は、以下の通りである。
【0029】
上限値=保留数の上限値(保留上限値)。
特定期間=始動入賞信号の入力期間に対する設定範囲。この設定により始動入賞信号の入力毎に入力期間がいずれの範囲かにより対応する保留数である旨を特定する。「保留数毎に区分けされた出力期間に対応した期間範囲を保留数毎に特定可能な設定情報」に相当する。保留0に対しては1ms〜74msの範囲、保留1に対しては75ms〜124msの範囲、保留2に対しては125ms〜174msの範囲、保留3に対しては175ms〜224msの範囲、保留4に対しては225ms〜274msの範囲、OFに対しては275ms以上の範囲に設定されている。このため、例えば始動入賞信号の入力期間が150msであれば、125ms〜174msの範囲となるので、保留2であると特定する。尚、入力期間は入力開始から終了までの期間であり、途中で入力が途切れた期間もノイズが混入したとして入力期間に含んで特定する。
【0030】
入賞タイマ=始動入賞信号入力開始時に作動するタイマ。出力タイマ、及びノイズを考慮し、入賞タイマの作動中は始動入賞信号が途切れても同一の信号と判定する。本実施形態では2000ms(2秒)に設定されている。
稼動タイマ=アウト信号入力毎に作動し、その作動期間を稼動状態と判定するための周知の稼動タイマ(稼動設定期間)の作動期間。本実施形態では60秒に設定されている。アウト信号入力毎に初期化され、この稼動タイマの作動中を稼動状態(稼動中)として特定し、タイムアップにより非作動となっている期間を非稼動状態(非稼動中)として特定する。
一致特定数=詳細は第2実施形態にて説明するが、後述する直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合にいずれを正しいとするかを判定するための設定値(設定回数に相当する)で、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した時点から特定する仮間接管理保留数と直接管理保留数又は間接管理保留数との一致回数に対する閾値。一致回数がこの一致特定数に達した方を正しいとする。尚、本実施形態では利用しないが、図3を第2実施形態と兼用して説明するために記憶している。
【0031】
次に、上記した遊技機2及び管理装置5の作用について説明する。
遊技機2は、遊技者による遊技の進行に応じて上記した内部抽選や図柄変動を実行するとともに、図4に示す遊技機側信号出力処理を実行する。一方、管理装置5は、遊技機2側の機器から出力される上記の遊技信号に基づいて、周知の遊技情報の集計処理に加えて、図5に示す始動入賞信号入力処理及び図6に示す図柄変動信号入力処理を実行する。ここでは、説明の簡略化のために、まず遊技機2にて実行される処理について説明し、その後、当該遊技機2を管理対象とする管理装置5にて実行される処理について説明する。
遊技機2は、図4に示す遊技機側信号出力処理において、始動入賞を検出したか(A1)、及び図柄変動が確定したか(A5)を判定しており、いずれでもない場合には(A1:NO、且つ、A5:NO)、リターンする。つまり、遊技機2は、遊技者による遊技が行われていないときには、実質的な処理を行わない。
【0032】
これに対して、遊技機2は、始動入賞を検出した場合には(A1:YES)、保留数が上限値であるかを判定し(A2)、上限値でない場合には(A2:NO)、保留数を加算して(A3)、保留数に応じたパルス幅(図2の信号出力幅)の始動入賞信号を出力する(A4)。つまり、遊技機2は、遊技者により遊技が行われて始動入賞が発生した場合には、保留数を特定可能なパルス幅を有する始動入賞信号を出力する。一方、始動入賞が繰り返し発生して保留数が加算された結果、保留数が上限値になっている場合には(A2:YES)、保留数は加算しないが、OFに対応したパルス幅の始動入賞信号を出力する。尚、遊技機2は、始動入賞を連続して検出した場合には、始動入賞信号を各々特定可能となるように、先の始動入賞信号を出力してから次の始動入賞信号を出力するまでに上記した遅延期間をおいて次の始動入賞信号を出力する。
そして、遊技機2は、始動入賞に応じて内部抽選及び図柄変動を実行し、図柄が停止表示すると、即ち、図柄変動が確定すると(A5:YES)、保留数を減算し(A6)、図柄変動信号を出力する(A7)。つまり、本実施形態の場合、図柄変動信号は、図柄変動の確定時(図柄変動が終了したとき)に出力される。
【0033】
このように、遊技機2は、遊技者による遊技の進行に伴って、始動入賞の検出により保留数を加算し、図柄変動の確定により保留数を減算することにより、保留数を管理している。そして、始動入賞が発生した場合には、その時点における保留数を特定可能なパルス幅を有する始動入賞信号を出力する。このとき、始動入賞が連続した場合には、互いの始動入賞信号が重ならないように、始動入賞信号を遅延期間だけ遅延させて出力する。これにより、始動入賞信号が入力される管理装置5は、始動入賞信号のパルス幅によりを特定することにより、遊技機2側で管理している保留数を特定可能となる。具体的には、管理装置5は、以下のようにして保留数を特定している。
【0034】
管理装置5は、図5に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されたかを判定しており(B1)、始動入賞信号が入力されていない場合には(B1:NO)、リターンする。また、図6に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたか(C1)、累計期間の計時加算中であるか(C6)、稼動となったか(C9)を判定しており、いずれでも無い場合には(C1:NO、C6:NO、C9:NO)、リターンする。ここで、累計期間の加算計時とは、詳細は後述するが稼動状態で実行される処理である。
このように、管理装置5は、遊技機2で遊技が行われていない非稼動状態においては、実質的な処理は行わず、信号の入力を待機する。
さて、遊技者により遊技が開始されると、遊技機2側からはアウト信号が出力される。アウト信号が入力されると、管理装置5は、図6に示す図柄変動入力処理において、図柄変動信号の入力が無く(C1:NO)、累計期間の計時加算もしていない状態で(C6:NO)、稼動となったことから(C9:YES)、後述する図7における保留−1の回数を加算すると共に、累計期間の計時加算を開始する(C10)。尚、保留−1とは、稼動状態であるものの、図柄変動が行われていない無変動状態であることを意味している。
【0035】
管理装置5は、この状態で始動入賞が発生すると(B1:YES)、入賞タイマの作動を開始し(B2)、始動入賞信号の入力期間(始動入賞信号のパルス幅)を特定し(B3)、入賞タイマがタイムアップしたかを判定する(B4)。そして、入賞タイマがタイムアップしていない場合には(B4:NO)、ステップB3に移行して始動入賞信号の入力期間の特定を繰り返し、入賞タイマがタイムアップするまでの期間における始動入賞信号の最初の立ち上がりから最後の立ち下がりまでの期間を入力期間として特定する。このため、例えばノイズが混入して見かけ上始動入賞信号の入力が中断された場合であっても、始動入賞信号の入力期間を適切に特定可能となる。尚、遊技機2は始動入賞が連続した場合には遅延期間(=入賞タイマと同じ2秒)だけ出力を遅延させるので、入賞タイマの作動中に2以上の始動入賞信号が入力されることは無く、最後の立ち下がりを誤判定することは無い。
【0036】
管理装置5は、入賞タイマがタイムアップすると(B4:YES)、始動入賞数を加算する(B5)。この始動入賞数は、始動入賞が発生した回数を示す周知の遊技データ(いわゆるスタート回数)である。続いて、ステップB3にて特定した入力期間と図3の特定期間とを照合することによって、始動入賞信号の入力期間により保留数を更新する(B6)。例えば、遊技が開始されて初めての始動入賞に対応する始動入賞信号が入力された場合、その入力期間は保留0に対応する50msとなる(図2参照)。そのため、管理装置5は、保留数を0に更新する。そして、更新した保留数=OFでないので(B7:NO)、更新前の保留数(保留−1)に対する累計期間の計時加算を終了し(B8)、現保留数(保留0)の回数(後述する図7参照)を加算及び累計期間の計時加算を開始する(B9)。一方、図柄変動が入力される前に始動入賞信号が繰り返し入力され、OFとして特定されるパルス幅の始動入賞信号が入力された場合には(B7:YES)、OFの回数を加算する(B10)。
【0037】
さて、遊技機2は、始動入賞が発生するとそれに応じた図柄変動を実行し、図柄変動が確定したときに図柄変動信号を出力する。このとき、管理装置5は、図6に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されることから(C1:YES)、現保留数での累計期間の計時加算を終了し(C2)、保留数を減算し(C3)、非稼動状態で保留数が−1となったかを判定する(C4)。例えば、遊技が開始されて最初の始動入賞が発生し(保留0となり)、遊技が継続された状態で新たな始動入賞が発生することなく図柄変動が確定した場合(保留数が減算されて保留−1となった場合)には、アウト信号が出力されていることから非稼動状態ではないと判定し(C4:NO)、現保留数(保留−1)の回数を加算すると共に、累計期間の計時加算を開始する(C5)。或いは、図柄変動信号が入力される前に始動入賞信号の入力が繰り返された結果、今回ステップC3にて減算した保留数が−1にならない場合にも(C4:NO)、累計期間の計時加算を開始する(C5)。
【0038】
これに対して、管理装置5は、減算された保留数がアウト信号の入力が無い非稼動状態で−1となった場合には(C4:YES)、そのままリターンする。この状況は、例えば、持玉が無くなり遊技を終了しようとしている遊技者が保留されている図柄変動の実行結果を見守っている状況等に該当する。また、管理装置5は、累計期間の計時加算中に(C6:YES)、保留数が−1の状態で非稼動となった場合には(C7:YES)、遊技者が遊技を終了したものとして、累計期間の計時加算を終了する(C8)。
【0039】
このように、管理装置5は、遊技機2側から出力される遊技信号に基づいて、始動入賞信号のパルス幅により遊技機2の保留数を直接的に特定(直接管理保留数を特定)すると共に、図柄変動信号の入力により保留数を減算することで、各保留数になった回数及び当該保留数の状態が継続した累計期間の加算計時を行う。そして、それらのデータを、図7に示す保留情報として集計及び管理する。この保留情報は、例えばモニタ7等に出力される。保留情報として集計される各項目の意味は以下の通りである。
状態=始動入賞信号により特定した保留数を示し、保留−1は上記したように図柄変動を行っていない無変動状態、保留0〜4は図柄変動を行っている変動状態であって、各々対応する数値の保留数である状態期間に対応している。尚、OFはオーバーフローに対応する。
回数=対応する保留数となった回数を示す。
累計期間=対応する保留数となっている状態期間の合計期間(秒)を示す。この場合、保留−1の累計期間は、図柄変動が行われていない無変動状態の期間を示している。尚、計時対象は稼動中としている。
【0040】
平均期間=状態毎の滞在時間の平均を示す。累計期間÷回数で算出され、例えば保留1の場合には、22848÷714=32.0秒となる。
滞在率=状態毎の稼動時間の割合を示す。各状態の累計期間÷合計累計期間で算出され、例えば保留1の場合、22848÷(3376+10038+22848+15600+2752+800)=41.2%となる。
保留平均=稼動中の平均保留数を示す。各状態に対応した保留数×各状態の累計期間の合計÷合計累計期間で算出する。例えば図7の場合、(0×3376+0×10038+1×22848+2×15600+3×2752+4×800)÷(3376+10038+22848+15600+2752+800)=1.18となる。
【0041】
この図7からは、例えば、保留−1の場合には、滞在率が6.1%であることから、遊技中に6.1%の期間が無変動状態であり遊技者が不満を持って遊技している度合いが分かる。また、保留1の滞在率がもっとも高いこと及び保留平均が1.18であることから、保留1の状態で図柄変動していることが多い一方、保留4の滞在率が低く、ほとんど保留4(上限値)になっていない等、保留状態即ち遊技者が遊技中の保留数の傾向等を把握出来るようになる。
【0042】
この場合、保留数毎(状態毎)に、その保留数に滞在した期間、或いはその保留数における図柄変動時間を示す対応時間を、保留数の変動、或いは図柄変動に応じて特定し、その対応時間が予め設定されている複数の設定範囲期間のいずれに属するのかを振分、その振分回数を設定範囲期間毎に集計しても良い。具体的には、図8の保留管理記憶領域に示すように、対応時間の設定範囲期間を「0−20」、「20−40」、「40−60」、「60−80」、「80−100」、「100−120」、「120−」のように複数に区分けして設定し、保留数の変動毎にその時間が何れの範囲に属するかを集計及び記憶すればよい。この場合、保留数毎に区分けして対応時間を計時加算し、その時間が30秒であれば「20−40」の範囲に属するとして、その範囲の回数を1加算するという手順で対応時間毎の回数を保留数毎に区分けして計数することになる。例えば、対応する保留数が滞在した期間を対応時間とした図8の場合、保留0における「0−20」の85は、保留数が0になってから0〜20秒の間で保留数が変化した回数(保留数が1又は−1になった回数)が85回であることを示している。
【0043】
そして、図9に示すように回数と対応時間との割合を算出して表示し、対応時間を図柄変動時間とすれば、各保留数における図柄変動期間の傾向を把握することが出来、特に対応期間の長い範囲をリーチ範囲と設定し、その範囲に属した場合はリーチが発生したと判定することも出来、リーチの発生回数や発生率(リーチ数÷図柄変動数)等をも管理可能となる。
【0044】
以上説明した遊技機2及び管理装置5によれば、次のような効果を奏する。
遊技機2は、自身で管理している保留数と図2の遊技機設定情報とにより特定される出力期間(パルス幅)にて始動入賞信号を出力するので、始動入賞信号の出力期間により保留数を直接的に特定出来る管理装置5に十分対応することが出来る。
また、始動入賞信号をパルス幅にて保留数を特定可能な態様で出力するので、始動入賞信号が入力されたときに、始動信号の入力数によってのみ保留数を管理する従来構成の管理装置にも対応することが出来る。
【0045】
また、始動入賞信号をシリアル信号とすることなく、ソフトウェア的に始動入賞信号のパルス幅を変動させて出力するので、遊技機2側及び管理装置5側の双方においてハードウェアの改造等が不要となり、ハードウェア的なコストの増加を招くことなく、従来と同様に遊技機2にて始動入賞信号を出力出来、管理装置5にて遊技情報(保留情報)を管理対象とすることが出来る。
また、遊技機2は、保留数毎に区分けされた出力期間の上限が遅延期間を超過しないように遊技機設定情報を設定するので、始動入賞が連続して始動入賞信号を連続して出力する場合であっても、連続した始動信号の出力期間が重なることがない。これにより、確実に保留数を示す出力期間にて始動入賞信号を出力することが出来る。もって、管理装置5にて保留数を誤判定する虞を低減することが出来る。
【0046】
管理装置5は、始動入賞信号の入力期間と、図3の保留情報設定(設定情報)に設定された特定期間(期間範囲)とを照合し、当該入力期間に対応した保留数を特定するので、始動入賞信号の出力期間により保留数を直接的に特定することが出来、始動入賞信号が入力された数と図柄変動信号が入力された数とにより保留数を間接的に特定する従来構成の遊技情報管理装置と比較して、1回の誤判定により大きな誤差が引き起こされる虞を低減することが出来る。
【0047】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態による遊技情報管理装置について図7を参照して説明する。第2実施形態では、保留数を始動入賞信号と図柄変動信号とにより間接的にも特定し、両者が相違した場合にいずれの保留数が正しいか判定している点において第1実施形態と異なっている。遊技機と遊技情報管理装置の構成及び設定、並びに遊技機で実行される遊技機側信号出力処理は第1実施形態と共通であるため、図1から図4をも参照すると共に、それらの詳細な説明は省略する。
第2実施形態の遊技情報管理装置としての管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理及び図11に示す図柄変動信号入力処理を実行する。尚、図10及び図11では、便宜的に、後述する直接管理保留数を「直接」、間接管理保留数を「間接」、仮間接管理保留数を「仮間接」と記載し、後述する図12にて示すメイン記憶領域を「メイン」、サブ記憶領域を「サブ」と記載している。
【0048】
管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理において始動入賞信号が入力されたか(D1)を判定していると共に、図11に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたか(E1)、累計期間の計時加算中であるか(E12)、遊技機2が稼動となったか(E13)、を判定しており、いずれでも無い場合には(D1:NO、E1:NO、E12:NO、E13:NO)、リターンする。そして、遊技者による遊技の進行に応じて遊技機2からアウト信号が出力されると、遊技機2が稼動になった判定し(E13:YES)、保留−1の回数を加算すると共に、保留−1の累計期間及び今回の加算計時を開始する(E14)。ここで、「今回」とは、現在の状態(現在の保留数)における経過期間、即ち、保留数が現在の値になってから他の値になるまでの期間を意味し、その保留数における「今回」の合計(累計)が、当該保留数における「累計期間」に相当する。
【0049】
これらの回数、累計期間及び今回の各データは、図12に示すように保留管理記憶領域に記憶される。この保留管理記憶領域には、各保留数に対応させて、メイン記憶領域及びサブ記憶領域が設けられている。メイン記憶領域は、対応する保留数となった回数と、対応する保留数となっている状態期間の累計期間とを記憶する。回数は無変動状態(保留−1)になった回数、或いは各保留状態(保留0〜4、OF)となった回数を示し、累計期間はその合計期間(秒)を示す。よって、保留−1の累計期間は図柄変動(単位遊技)が行われていない非実行期間を示す。例えば、保留1の場合、保留数が1の状態に714回なり、その状態期間の合計が22848秒であることを示している。このメイン記憶領域に記憶される保留情報が主保留情報に相当する。また、後述するように、メイン記憶領域が更新対象となっている場合には、直接管理保留数を保留数として保留情報を管理する。
【0050】
一方、サブ記憶領域は、管理装置5が管理する保留数のうち始動入賞信号の入力により加算され、図柄変動信号の入力により減算される間接管理保留数と、始動入賞信号の入力期間(パルス幅)により特定される直接管理保留数とが相違する場合に、いずれが正しいかを特定出来るまでの判定期間において、一時的に保留情報(補助保留情報に相当する)を記憶するための記憶領域である。サブ記憶領域の回数や累計期間はメイン記憶領域と同義であり、後述する加算更新処理にて複数の態様にてメイン記憶領域に加算するための遊技情報を記憶する。また、後述するように、サブ記憶領域が更新対象となった場合には、間接管理保留数を保留数として保留情報を管理するようになる。
【0051】
さて、遊技者による遊技が継続されると、遊技機2は、図4に示す遊技機側信号出力処理を実行し、始動入賞が発生した場合には保留数を直接的に特定可能な出力期間を有する始動入賞信号を出力する。このとき、管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されたことから(D1:YES)、入賞タイマの作動を開始した後(D2)、第1実施形態と同様に入賞タイマがタイムアップするまで始動入賞信号の入力期間の特定を繰り返す(D3)。そして、入賞タイマがタイムアップすると(D4:YES)、始動入賞数を加算した後(D5)、ステップD3にて特定した始動入賞信号の入力期間により直接管理保留数を更新すると共に(D6)、間接管理保留数を加算する(D7)。
【0052】
続いて、管理装置5は、現在の更新対象がメイン記憶領域であるかサブ記憶領域であるかを判定する(D8)。後述するようにサブ記憶領域が更新対象となるのは直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した後の期間であるので、遊技開始の直後等においては、更新対象はメイン記憶領域となる(D8:メイン)。続いて、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違しているかを判定し(D9)、相違していない(一致している)場合には(D9:NO)、再度、更新対象がメイン記憶領域であるのかサブ記憶領域であるのかを判定し(D18)、メイン記憶領域であれば(D18:メイン)、更に直接管理保留数がOFであるか又は間接管理保留数が上限値であるかを判定する(D19)。この場合、更新対象はメイン記憶領域であり(D18:メイン)、ステップD6にて更新した直接管理保留数がOFではないときには(D19:NO)、累計期間及び今回の計時加算を終了し(D20)、今回のデータを初期化し(D21)、現保留数の回数の加算、及び累計期間と今回の計時加算を開始した後(D22)、リターンする。これに対して、直接管理保留数がOFの場合には(D19:YES)、OFの回数を加算して(D23)、リターンする。尚、本実施形態では保留情報を管理するための保留数として、メイン記憶領域が更新対象となっている場合には直接管理保留数を選択する一方、サブ記憶領域が更新対象となっている場合には間接管理保留数を選択するようにしている。
【0053】
そして、発生した始動入賞に応じた図柄変動が行われ、その図柄変動が確定すると、遊技機2は図柄変動信号を出力する。管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号が入力されたことから(E1:YES)、累計期間及び今回の計時加算を終了し(E2)、全ての保留数(この場合、直接管理保留数及び間接管理保留数)を減算し(E3)、今回を初期化、即ち、図12(A)の「今回」のデータを初期化する(E4)。続いて、更新対象がメイン記憶領域であるので(E5:メイン)、非稼動状態でいずれかの保留数が−1となったかを判定し(E9)、非稼動状態でない場合及び保留数が−1でない場合には(E9:NO)現保留数の回数加算、及び累計期間と今回の計時加算をした後(E10)、リターンする。
【0054】
尚、非稼動状態で保留数が−1となった場合には(E9:YES)、遊技が終了したものとして、リターンする。また、累計期間の計時加算中に(E1:NO、E12:YES)、いずれかの保留数が−1で非稼動になった場合には(E15:YES)、累計期間の計時加算を終了し(E16)、今回のデータを初期化し(E17)、更新対象がメイン記憶領域であるので(E18:YES)、遊技者が遊技を終了したと判定してリターンする。
【0055】
このように、管理装置5は、始動入賞信号が入力されると、そのパルス幅に基づいて保留数を直接的に特定し、始動入賞信号の数に基づいて保留数を間接的に特定すると共に、直接管理保留数と間接管理保留数とが一致している場合(メイン記憶領域が更新対象となっている場合)には、それぞれの回数の加算や累計期間の計時加算、及び、図柄変動信号の入力に基づいて保留数を減算することにより、保留数を管理している。
ところで、始動入賞信号のパルス幅により特定する直接管理保留数は、例えばノイズの混入等により、ステップD3にて特定した保留数と遊技機2における実際の保留数とが異なる場合がある。一方、始動入賞信号の数により特定する間接管理保留数は、例えば大当たり状態の終了直後等、遊技状態によってはステップD7にて加算した保留数と遊技機2の実際の保留数とが異なる場合がある。つまり、管理装置5が管理する直接管理保留数及び間接管理保留数は、いずれも遊技機2の実際の保留数と相違する虞がある。
【0056】
そこで、管理装置5は、直接管理保留数及び間接管理保留数のいずれが正しいかを判定している。この場合、いずれの管理保留数が正しいかの判定(判定条件の成立)には複数のパターンが想定される。以下、説明の簡略化のため、判定条件の成立における複数のパターンについて個別に説明する。
【0057】
<<パターン1:始動入賞信号の入力に基づく判定>>
管理装置5は、図11に示す始動入賞信号処理において、始動入賞が発生したときの更新対象がメイン記憶領域である状態で(D1〜D7、且つD8:YES)、更新後の直接管理保留数と更新後の間接管理保留数とが相違した場合、即ち、相違条件が成立した場合には(D9:YES)、現保留数の回数を1回分、また、現保留数の累計期間を今回分サブ記憶領域に移動した後(D10)、仮間接管理保留数を直接管理保留数の値で更新し(D11)、更新対象をサブ記憶領域に移行する(D12)。具体的には、例えば直接管理保留数が保留0と特定され、間接管理保留数が保留1と特定された場合には、「今回」分(図12(A)の45秒)を現保留数(保留0)の累計期間(10038秒)から図12(B)のように保留0のサブ記憶領域の累計期間へと移動(メイン記憶領域が45秒分減算され9993秒、サブ記憶領域が45分加算され45秒)すると共に、保留0の回数(図12(A)の248回)が1回分サブ記憶領域の回数(1回)に移動する。また、メイン記憶領域の保留0の回数が減算されて247回となり、サブ記憶領域の保留1の回数が加算されて1となる。
【0058】
この状態は、図13に示すNO1に示す状態に相当し、管理装置5は、始動入賞により間接管理保留数を加算する一方、直接管理保留数をパルス幅により特定した結果、両者が不一致であるため、更新前の管理保留数である保留0の回数を1回分、累計時間を今回分サブ記憶領域へと移動する。更に、直接管理保留数が示す保留数を仮間接管理保留数として一時的に記憶する。尚、この図13は、直接管理保留数と間接管理保留数との相違した時点では、間接管理保留数が正しかった場合における各保留数の推移を示している。
【0059】
続いて、管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において図柄変動信号が入力されると(E1:YES)、上記したようにステップE2〜E4を実行した後、更新対象がサブ記憶領域であるので(E5:サブ)、いずれかの保留数が−2になったかを判定する(E6)。この場合、「いずれかの保留数」とは、間接管理保留数及び仮間接管理保留数を示している。例えば図13のNO1に示した状態から図柄変動信号が入力された場合には、図13のNO2に示すように間接管理保留数が保留0、仮間接管理保留数が保留−1となるので、いずれも−2ではなく(E6:NO)、非稼動状態でもないことから(E11:NO)、サブ記憶領域の現保留数の回数の加算、及び累計期間と今回の計時加算を開始して(E10)、リターンする。
【0060】
そして、この状態で新たな始動入賞が発生した場合、管理装置5は、図10に示す始動入賞信号入力処理において、始動入賞信号が入力されることから(D1:YES)、ステップD2〜D7を実行し、更新対象がサブ記憶領域であることから(D8:サブ)、仮間接管理保留数を加算し(D13)、間接管理保留及び仮間接管理保留数の内、直接管理保留数と一致する方の一致回数を加算する(D14)。この場合、図13のNO3に示すように、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留1で(一致回数が1回目)、仮間接管理保留数が保留0の状態になる。つまり、間接管理保留数が直接管理保留数と一致している。そして、その一致回数が一致特定数(3回。図3参照)に達したかを判定し(D15)、まだ1回目であるので(D15:NO)、ステップD18に移行する。この場合、サブ記憶領域が更新対象となっているので(D18:サブ)、ステップD20に移行する。このように、サブ記憶領域を更新対象としている場合には、間接管理保留数がOFを示している場合であっても、回数や累計期間を区切って更新する。尚、図12ではOF(保留5)までを管理対象としているが、直接管理保留数と間接管理保留数との誤差の程度を考慮して、保留6以上を更新対象としてサブ記憶領域を設けても良い。
【0061】
続いて、図柄変動信号が入力される前に新たな始動入賞が発生すると、管理装置5は、上記したように図10に示す始動入賞信号入力処理を実行し、直接管理保留数の更新、間接管理保留数及び仮間接管理保留数の加算(D1:YES、D2〜D7、D8:サブ)、及び、仮間接管理保留数の加算(D13)、直接管理保留数と一致する方の一致回数の加算(D14)を行う。この場合、図13のNO4に示すように、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留2で(一致回数が2回目)、仮間接管理保留数が保留1になる。ただし、この時点では一致回数が一致特定数に達していないので(D15:NO)、ステップD18以降の処理を繰り返す。
【0062】
この状態で図柄変動信号が確定したとすると、管理装置5は、上記したように図11に示す図柄変動信号入力処理を実行し、ステップE3にて各保留数(この場合、直接管理保留数、間接管理保留数及び仮間接管理保留数)を減算することにより、図13のNO5に示すように間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留1になり、仮間接管理保留数が保留0になる。
そして、新たな始動入賞が発生すると、管理装置5は図10に示す始動入賞信号処理を同様に実行し、図13のNO6に示すように、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留2になり、仮間接管理保留数が保留1の状態になる。そして、直接管理保留数と一致する方の一致回数が加算(D14)されると、間接管理保留数と直接管理保留数との一致回数が一致特定数(3回)に達する。この一致回数が一致特定数に達することが、判定条件の成立に相当する。つまり、この時点で、判定可能な状態になる。
【0063】
図13に示す例では、NO1の始動入賞信号の入力時に直接管理保留数が例えばノイズにより誤判定され、間接管理保留数の方が正しい保留数を示していたものの、その時点(NO1の時点)ではいずれの管理保留数が正しいかを判定出来なかったが、間接管理保留数が直接管理保留数と一致した一致回数が一致特定数に達した(NO6の時点)ことから、間接管理保留数が正しいと判定可能になったことを示している。即ち、管理装置5は、一致回数が一致特定数に達した時点で、相違した管理保留数の内いずれが正しいのかを判定出来る状態になったといえる。
【0064】
そして、管理装置5は、管理装置5は、正しい保留数を判定出来る状態になると、即ち、一致回数が一致特定数に達した場合(D15:YES)、一致特定数に達した方(この場合は間接管理保留数)が正しいとして、加算更新処理を行う(D16)。この加算更新処理は、相違した管理保留数の内、正しいとする管理保留数を正管理保留数として、正管理保留数(この場合、サブ記憶領域に記憶されている保留数)に対応する保留情報を、メイン記憶領域の保留情報に加算する処理である。具体的には、一致回数が一致特定数に達した時点におけるサブ記憶領域の保留情報が、図12(C)に示すように保留0が2回、累計期間が92秒、保留1が2回、累計期間が106秒、保留2が1回、累計期間が24秒であるとする。この場合、サブ記憶領域を更新対象とした場合の保留情報を管理するための保留数である間接管理保留数が正管理保留数であるため、サブ記憶領域における各保留数を繰上げ、或いは繰り下げすることなく、その各保留数に対応する各回数及び累計期間を、図12(D)に示すように、メイン記憶領域の各保留数に対応付け、保留0の場合、回数が250回(248+2)、累計期間が10130秒(10038+92)、保留1の場合、回数が716回(714+2)、累計期間が22954秒(22848+106)、保留2の場合、回数が651回(650+1)、累計期間が15624秒(15600+24)としてメイン記憶領域の保留情報を加算更新する。これにより、相違が発生してからサブ記憶領域に記憶されていた保留情報を、正しい保留数に対応付けてメイン記憶領域にて管理することが可能となる。
【0065】
加算更新処理を実行すると、管理装置5は、更新対象をメイン記憶領域へ移行した後(D17)、保留数を直接管理保留数にて保留情報を管理してステップD18以降の処理を行う。これにより、再び相違が発生するまでの期間においては、メイン記憶領域にて保留情報が管理される。
尚、上記では間接管理保留数が正しい場合について説明したが、直接管理保留数が正しい場合も勿論起こり得る。例えば、図14に示すように、NO1の始動入賞の発生時に間接管理保留数を保留1と特定し、直接管理保留数を保留0と特定した場合、図13のNO1と同様に、両者が不一致であるため、更新前の管理保留数である保留0の回数を1回分、累計時間を今回分サブ記憶領域へと移動する。更に、直接管理保留数が示す保留数を仮間接管理保留数として一時的に記憶する。
【0066】
この状態で図柄変動信号が入力された場合には、図14のNO2に示すように、図柄変動信号の入力に伴い各管理保留数がそれぞれ減算され、間接管理保留数が保留0、直接管理保留数が保留−1、仮間接管理保留数が保留−1となる。そして、新たな始動入賞が発生すると、図14のNO3に示すように、間接管理保留数が加算されて保留1となる一方、直接管理保留数及び仮間接管理保留数が共に保留0になる(一致回数が1回目)。そして、図14のNO4の始動入賞のときに、間接管理保留数と直接管理保留数とが共に保留1となり(一致回数が2回目)、NO5の図柄変動を経て、NO6の始動入賞により直接管理保留数と仮間接管理保留数とが保留1(一致回数が3回目)となる。
【0067】
この場合、管理装置5は、直接管理保留数と仮間接管理保留数との一致回数が一致到達数に達したことから、仮間接管理保留数に対応する直接管理保留数が正しいと判定し、図10に示す始動入賞信号入力処理において、一致回数が一致特定数に達し(D15:YES)、一致特定数に達した直接管理保留数が正しいとして、加算更新処理を行う(D16)。この場合、管理装置5は、正しいと判定した時点における仮間接管理保留数と間接管理保留数との差分をサブ記憶領域の状態にて繰上げ、或いは繰下げした上で、メイン記憶領域へと記憶する。具体的には、図14の場合、NO6にて直接管理保留数が正しいと判定し、間接管理保留数と仮間接管理保留数の差分は−1(=1−2)なので、サブ記憶領域の状態を−1分ずらして、即ち、保留0を保留−1に保留1を保留0へとずらしてメイン記憶領域へと加算する。この場合、繰上げ、或いは繰下げした結果、仮にOF(保留5)に対応した保留情報があれば、回数については、他と同様にOFに加算する一方、そのOFに加算した回数を保留4から減算し、累計期間については、サブ記憶領域における保留4とOFとの合計値をメイン記憶領域における保留4に加算すれば良い。
【0068】
このように、管理装置5は、始動入賞信号の入力に伴って、直接管理保留数、間接管理保留数及び仮間接管理保留数のうち、間接管理保留数又は仮間接管理保留数と直接管理保留数とが一致する一致回数を管理し、一致回数が一致特定数に達した管理保留数を正しいと判定する。換言すると、管理装置5は、始動入賞信号のパルス幅により直接的に特定した直接管理保留数、及び始動入賞信号の入力により加算される間接管理保留数の確かさを検証している。
【0069】
<<パターン2:図柄変動信号の入力に基づく判定その1>>
判定条件の成立は、図柄変動信号の入力によっても判定することが出来る。このパターン2では、説明の簡略化のため、直接管理保留数と間接管理保留数との相違が発生した以降の状態、即ち、図10の始動入賞信号処理のステップD9において直接管理保留数と間接管理保留数とが相違し(D9:YES)、更新対象がサブ記憶領域に移行した(D12)以降の状態から説明する。
管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、サブ記憶領域を更新対象となった状態で図柄変動信号が入力されると(E1:YES)、累計期間及び今回の計時加算を終了し(E2)、全ての保留数を減算し(E3)、今回のデータを初期化する(E4)。そして、更新対象がサブ記憶領域であるので(E5:サブ)、いずれかの保留数(この場合、間接管理保留数又は仮間接管理保留数)が−2になったかを判定する(E6)。
【0070】
ここで、間接管理保留数或いは仮間接管理保留数が−2になる状況を検討してみる。間接管理保留数及び仮間接管理保留数は、上記したように始動入賞信号の入力により加算され、図柄変動信号の入力により減算されるため、それらが各信号の入力により正確に管理されている場合には、−1(非実行状態)〜4(上限値)、及びOFのいずれかになる。このため、間接管理保留数又は間接管理保留数が−2という通常は発生し得ない値になるのは、図柄変動が全て実行されたと判定している状態(保留−1)において、始動入賞信号が入力されること無く新たな図柄変動信号が入力された状態である。この場合、間接管理保留数が−2になるのは、始動入賞信号の入力に伴う加算、或いは図柄変動信号の入力に伴う減算のいずれかが誤って行われた状態であると考えられる。また、仮間接管理保留数が−2になるのは、仮間接管理保留数の初期値、即ち、相違が発生した時点における直接管理保留数が誤りであったと考えられる。
【0071】
そのため、管理装置5は、いずれかの管理保留数が−2になった場合には(E6:YES)、−2では無い保留数を正しいとした加算更新処理を実行する(E7)。この場合、間接管理保留数が−2になったときには、仮間接管理保留数が正しい、即ち、直接管理保留数が正しいとして、図14にて説明したのと同様の加算更新処理を行う。一方、仮間接管理保留数が−2になったときには、間接管理保留数が正しい、即ち、直接管理保留数が誤りであるとして、図13にて説明したのと同様の加算更新処理を行う。そして、加算更新処理を行った後、更新対象をメイン記憶領域に移行し(E8)、ステップE9へ移行する。その後、再びメイン記憶領域を更新対象として保留情報を管理する。
このように、管理装置5は、間接管理保留数及び仮間接管理保留数のうちいずれかが−2になった場合には、−2でない保留数を正しいと判定する(判定条件が成立する)。
【0072】
<<パターン3:図柄変動信号の入力に基づく判定その2>>
パターン3では、説明の簡略化のため、上記したパターン2と同様に直接管理保留数と間接管理保留数との相違が発生し、更新対象がサブ記憶領域に移行した以降の状態から説明する。
管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、サブ記憶領域を更新対象とした状態で図柄変動信号が入力されると(E1:YES)、パターン2と同様にステップE2〜E4の処理を行い、更新対象がサブ記憶領域であるので(E5:サブ)、いずれかの保留数(この場合、間接管理保留数又は仮間接管理保留数)が−2になったかを判定し(E6)、いずれも−2では無い場合には(E6:NO)、非稼動状態でいずれかの保留数が−1になったかを判定する(E11)。
【0073】
本実施形態の場合、遊技機2が非稼動状態になるのは稼動タイマ(60秒)がタイムアップした時点であり、その時点では遊技者が遊技を終了或いは一時的に離席して遊技を行っていない状況であると考えられる。そのため、今回入力された図柄変動信号が遊技者による遊技によって発生した最後の図柄変動信号であると考えられる。即ち、いずれの保留数も−2ではない状態では、非稼動状態が判定され、いずれかの保留数が−1になると、間接管理保留数及び仮間接管理保留数がそれ以上更新(加算、或いは減算)されない状態であると言える。
そのため、管理装置5は、非稼動状態でいずれかの保留数が−1になった場合には(E11:YES)、−1となった保留数を正とする加算更新処理を行い(E19)、更新対象をメイン記憶領域に移行し(E20)、その後は再びメイン記憶領域を更新対象として保留情報を管理する。
【0074】
このように、管理装置5は、図柄変動信号の入力後に非稼動状態でいずれかの保留数が−1になった状態、即ち、間接管理保留数及び仮間接管理保留数がそれ以上更新されないことが確定されたと判定した場合には、−1の保留数を正管理保留数と判定する。
【0075】
<<パターン4:非稼動状態の特定に基づく判定その2>>
パターン4では、説明の簡略化のため、上記したパターン2、3と同様に直接管理保留数と間接管理保留数との相違が発生し、更新対象がサブ記憶領域に移行した以降の状態から説明する。
管理装置5は、図11に示す図柄変動信号入力処理において、図柄変動信号の入力が無いものの(E1:NO)累計期間の計時加算は行っている状態で(E12:YES)、いずれかの保留数(この場合、間接管理保留数又は仮間接管理保留数)が−1で非稼動になったと判定すると(E15:YES)、累計期間の計時加算を終了し(E16)、今回のデータを初期化する(E18)。そして、更新対象がサブ記憶領域であるので(E18:サブ)、−1となった保留数を正とする加算更新処理を行い(E19)、更新対象をメイン記憶領域に移行する(E20)。
つまり、このパターン4では、非稼動状態且つ更新対象がサブ記憶領域である場合にいずれかの保留数が−1になったときには、間接管理保留数及び仮間接管理保留数がそれ以上更新されないことが確定されたと判定し、−1の保留数を正管理保留数と判定する。
【0076】
このように、管理装置5は、始動入賞信号及び図柄変動信号の入力により直接管理保留数と間接管理保留数とを更新し、それらが相違した場合には、間接管理保留数及び仮間接管理保留数の値から、いずれが正しい保留数であるかを特定する。これにより、相違が発生した以降の保留情報を、始動入賞信号及び図柄変動信号に基づいて適切に管理することが可能となる。
この場合、第1実施形態と同様に、図7から図9に示すように遊技情報を集計してもお勿論良い。
以上説明した管理装置5によれば、次のような効果を奏する。
【0077】
管理装置5は、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違したときには、いずれの管理保留数を正しいとするかを特定し、その正しいとする管理保留数を正管理保留数としてメイン保留情報に加算する加算更新処理を実行する。入力期間(始動入賞信号のパルス幅。遊技機2側からみると始動入賞信号の出力期間)により保留数を直接的に判定する場合(直接管理保留数を特定する場合)、ノイズ等により直接管理保留数を誤判定する虞が勿論あるが、その場合であっても、相違が発生した以降の期間を判定期間とし、その間の保留数の変動を仮間接管理保留数として集計して誤判定であるか否かを判定することで、判定期間における保留情報を適切に管理することが出来る。
また、直接管理保留数と間接管理保留数とが相違した場合、直接管理保留数が間接管理保留数と設定回数一致した場合には間接管理保留数を正管理保留数とし、仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には直接管理保留数を正管理保留数として加算更新処理を実行するので、より正確に誤判定であるか否かを判定可能となる。
【0078】
(その他の実施形態)
本発明は、上記した各実施形態にて例示したものに限定されることなく、次のように変形又は拡張出来る。
保留数に応じて出力期間を変動させる遊技信号を始動入賞信号としたが、図柄変動信号としても良い。この場合、何れか一方のみを対象としても双方を対象としても良い。また、始動入賞後の保留数により出力期間を変動させたが、始動入賞前の保留数により変動させても良い。図柄変動信号についても同様に更新前後のいずれの保留数により変動させても良い。更に、情報量として不足する恐れはあるが、始動入賞信号と図柄変動信号との内、いずれか一方のみを出力するようにし、その信号により保留情報を管理するようにしても良い。
【0079】
第2実施形態にて仮間接管理保留数を用いて間接管理保留数、直接管理保留数のいずれが正しいかを判定したが、間接管理保留数を仮間接管理保留数に置き換え、仮間接管理保留数と直接管理保留数とを照合して一致特定数分一致すれば直接を正とした加算更新処理、一致特定数分不一致であれば間接管理保留数を正とした加算更新処理を行う様にする等、正しいかの判定方法はどのような方法であっても良い。即ち、必ずしも3つの管理保留数を管理する必要は無い。
この場合、直接管理保留数と間接管理保留数との相違の判定時に差分を特定する必要が有る。尚、サブ記憶領域を更新する際の保留情報を管理するための保留数は間接管理保留数だけでなく、直接管理保留数や仮間接管理保留数等を採用しても勿論良い。この場合、必要に応じて第2実施形態と異なる加算更新処理を行えば良い。
【0080】
各実施形態では、図柄変動確定時に出力される図柄変動信号により図柄変動を特定したが、図柄変動開始時に出力される図柄変動信号により図柄変動を特定しても良い。この場合、無変動状態から図柄変動信号を受信した場合には保留数を減算せず、保留数0の状態で図柄変動信号を受信してから図柄変動時間に対応したタイマを作動させ、そのタイムアップに応じて図柄変動が終了したとして無変動状態を特定すれば良い。
保留情報として対応する保留数である状態期間を管理対象とすることを例示したが、管理保留数に対応した図柄変動期間や、アウト、セーフ等の遊技情報を管理する等、他の保留情報を管理しても勿論良い。
【0081】
第1始動口2c及び第2始動口2dへの入賞を区別することなく保留数の上限値を定めて保留数を管理する遊技機2を対象としたが、区別して保留数の上限を各々定めて管理する遊技機を対象としても良い。この場合、始動入賞信号が第1始動口2c及び第2始動口2dで区別して出力する必要がある。
単位遊技として図柄変動を例示したが例えば役物の開放動作等も大当たりを発生されるために作動すれば単位遊技となる。また、例えば所謂封入式のパチンコ遊技機等、これら以外の遊技機を管理対象としても良い。
【0082】
図3の保留情報設定を機種別に区分けしているが、遊技機2に対する設定情報を特定出来れば、遊技機2別に設定しても良いし、詳細に設定する必要が無ければ全ての遊技機2に共通した設定としても良い。また、機種に限らず、設置される遊技島単位で設定する等、グループ単位で設定しても良い。この場合、機種設定のようにグループを特定可能な設定を行う必要が勿論ある。
例示した全ての遊技情報について遊技信号から直接的、或いは間接的に特定する等どのように特定しても良い。また、各実施形態で示した数値や項目等は全て例示であり、どのような数値や項目等を採用しても良い。また、管理装置5が行う情報処理の一部を中継装置4等にて行う構成としても良い。
【符号の説明】
【0083】
図面中、2は遊技機(信号出力手段、遊技機保留管理手段、遊技機設定手段)、5は管理装置(遊技情報管理装置、信号入力手段、設定手段、期間特定手段、保留数特定手段、保留情報管理手段、記憶手段)を示す。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
始動入賞することを条件として大当たりを発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を保留し、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機であって、
始動入賞に応じて出力される遊技信号である始動入賞信号、及び前記単位遊技の実行に応じて出力される遊技信号である単位遊技信号の内、少なくとも一方である始動信号を出力する信号出力手段と、
保留している前記単位遊技の数である保留数を管理する遊技機保留管理手段と、
前記始動信号に関する遊技機設定情報であって、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数毎に区分けされた出力期間を特定可能な遊技機設定情報を設定する遊技機設定手段と、を備え、
前記信号出力手段は、前記始動信号を出力する場合に、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数と前記遊技機設定情報とにより特定される出力期間を、当該始動信号の出力期間として前記始動信号を出力することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技機設定情報は、前記始動信号を連続して出力する場合に、連続した前記始動信号を各々特定可能となるように、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間に対する遅延期間を特定可能に設定され、
前記信号出力手段は、前記始動信号を連続して出力する場合に、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間が前記遅延期間未満とならないように前記始動信号を出力し、
前記遊技機設定手段は、前記保留数毎に区分けされた出力期間の上限が、当該遅延期間を超過しないように前記遊技機設定情報を設定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
請求項1または2記載の遊技機を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
前記始動信号を入力する信号入力手段と、
前記始動信号に関する設定情報であって、前記保留数毎に区分けされた出力期間に対応した期間範囲を前記保留数毎に特定可能な設定情報を設定する設定手段と、
前記信号入力手段による前記始動信号の入力に応じて当該始動信号の入力期間を特定する期間特定手段と、
前記期間特定手段により特定された入力期間と、前記設定情報により特定される期間範囲とを照合し、当該入力期間に対応した前記保留数を特定する保留数特定手段とを備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
【請求項4】
前記保留数特定手段により特定される保留数を管理保留数として管理する一方、当該管理保留数により区分けされる遊技情報である保留情報を、その管理保留数に対応付けて管理する保留情報管理手段と、
前記保留情報管理手段により管理される保留情報を主保留情報と補助保留情報とに区分けして記憶する記憶手段と、を備え、
前記信号入力手段は、前記始動入賞信号及び前記単位遊技信号を入力し、
前記保留数特定手段は、前記入力期間に対応した前記保留数を直接管理保留数として特定する一方、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を間接管理保留数として特定し、
前記設定手段は、前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが相違することを示す相違条件と、当該相違条件の成立後にいずれの管理保留数を正しいとするかを判定するための判定条件とを設定し、
前記保留情報管理手段は、
前記保留数特定手段により特定される前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが一致する期間においては、前記保留情報を前記主保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記相違条件が成立したかを判定し、
当該相違条件が成立した場合には、その成立後から前記判定条件が成立するまでの期間である判定期間における前記保留情報を前記補助保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記判定条件が成立したかを判定することで、いずれの管理保留数を正しいとするかを判定し、
その判定条件の成立によりいずれの管理保留数を正しいとするかを特定した場合には、その正しいとする管理保留数を正管理保留数として、前記管理保留数により区分けされる前記補助保留情報を前記正管理保留数に対応付け、前記主保留情報に加算する加算更新処理を実行することを特徴とする請求項3記載の遊技情報管理装置。
【請求項5】
前記保留数特定手段は、前記相違条件が成立した場合に、当該相違条件が成立した時点における前記直接管理保留数を起点として、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を仮間接管理保留数として特定し、
前記判定条件は、前記判定期間において前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致することで成立し、
前記保留情報管理手段は、前記判定期間において、前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致するかを判定し、前記間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記間接管理保留数、前記仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記直接管理保留数を前記正管理保留数として前記加算更新処理を実行することを特徴とする請求項4記載の遊技情報管理装置。
【請求項1】
始動入賞することを条件として大当たりを発生させるための単位遊技を実行し、その単位遊技の実行中に始動入賞した場合には、その始動入賞に対応する前記単位遊技を保留し、当該実行中の単位遊技の終了に応じて保留している前記単位遊技を順次実行する遊技機であって、
始動入賞に応じて出力される遊技信号である始動入賞信号、及び前記単位遊技の実行に応じて出力される遊技信号である単位遊技信号の内、少なくとも一方である始動信号を出力する信号出力手段と、
保留している前記単位遊技の数である保留数を管理する遊技機保留管理手段と、
前記始動信号に関する遊技機設定情報であって、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数毎に区分けされた出力期間を特定可能な遊技機設定情報を設定する遊技機設定手段と、を備え、
前記信号出力手段は、前記始動信号を出力する場合に、当該始動信号出力時において前記遊技機保留管理手段により管理される前記保留数と前記遊技機設定情報とにより特定される出力期間を、当該始動信号の出力期間として前記始動信号を出力することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記遊技機設定情報は、前記始動信号を連続して出力する場合に、連続した前記始動信号を各々特定可能となるように、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間に対する遅延期間を特定可能に設定され、
前記信号出力手段は、前記始動信号を連続して出力する場合に、先の前記始動信号を出力してから次の前記始動信号を出力するまでの期間が前記遅延期間未満とならないように前記始動信号を出力し、
前記遊技機設定手段は、前記保留数毎に区分けされた出力期間の上限が、当該遅延期間を超過しないように前記遊技機設定情報を設定することを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
請求項1または2記載の遊技機を管理対象とした遊技情報管理装置であって、
前記始動信号を入力する信号入力手段と、
前記始動信号に関する設定情報であって、前記保留数毎に区分けされた出力期間に対応した期間範囲を前記保留数毎に特定可能な設定情報を設定する設定手段と、
前記信号入力手段による前記始動信号の入力に応じて当該始動信号の入力期間を特定する期間特定手段と、
前記期間特定手段により特定された入力期間と、前記設定情報により特定される期間範囲とを照合し、当該入力期間に対応した前記保留数を特定する保留数特定手段とを備えたことを特徴とする遊技情報管理装置。
【請求項4】
前記保留数特定手段により特定される保留数を管理保留数として管理する一方、当該管理保留数により区分けされる遊技情報である保留情報を、その管理保留数に対応付けて管理する保留情報管理手段と、
前記保留情報管理手段により管理される保留情報を主保留情報と補助保留情報とに区分けして記憶する記憶手段と、を備え、
前記信号入力手段は、前記始動入賞信号及び前記単位遊技信号を入力し、
前記保留数特定手段は、前記入力期間に対応した前記保留数を直接管理保留数として特定する一方、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を間接管理保留数として特定し、
前記設定手段は、前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが相違することを示す相違条件と、当該相違条件の成立後にいずれの管理保留数を正しいとするかを判定するための判定条件とを設定し、
前記保留情報管理手段は、
前記保留数特定手段により特定される前記直接管理保留数と前記間接管理保留数とが一致する期間においては、前記保留情報を前記主保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記相違条件が成立したかを判定し、
当該相違条件が成立した場合には、その成立後から前記判定条件が成立するまでの期間である判定期間における前記保留情報を前記補助保留情報として記憶させることで管理すると共に、前記判定条件が成立したかを判定することで、いずれの管理保留数を正しいとするかを判定し、
その判定条件の成立によりいずれの管理保留数を正しいとするかを特定した場合には、その正しいとする管理保留数を正管理保留数として、前記管理保留数により区分けされる前記補助保留情報を前記正管理保留数に対応付け、前記主保留情報に加算する加算更新処理を実行することを特徴とする請求項3記載の遊技情報管理装置。
【請求項5】
前記保留数特定手段は、前記相違条件が成立した場合に、当該相違条件が成立した時点における前記直接管理保留数を起点として、前記始動入賞信号の入力により加算され、前記単位遊技信号の入力により減算される前記保留数を仮間接管理保留数として特定し、
前記判定条件は、前記判定期間において前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致することで成立し、
前記保留情報管理手段は、前記判定期間において、前記直接管理保留数が、前記間接管理保留数及び前記仮間接管理保留数のいずれかと設定回数一致するかを判定し、前記間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記間接管理保留数、前記仮間接管理保留数と設定回数一致した場合には前記直接管理保留数を前記正管理保留数として前記加算更新処理を実行することを特徴とする請求項4記載の遊技情報管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
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【図6】
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【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2012−249933(P2012−249933A)
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−126251(P2011−126251)
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年12月20日(2012.12.20)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年6月6日(2011.6.6)
【出願人】(000108937)ダイコク電機株式会社 (893)
【Fターム(参考)】
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