説明

遊技機および遊技システム

【課題】遊技履歴媒体に記録されている遊技者毎に固有な遊技履歴情報に基づいて、通常遊技でも画像表示器に表示される遊技演出を選択できるようにする。
【解決手段】遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入した場合は、演出制御装置19が遊技履歴媒体20から入力された遊技履歴に基づき選択可能なキャラクタを特定し、選択手段22が特定された選択可能なキャラクタの中からキャラクタを選択し、演出制御装置19が上記選択されたキャラクタを含む画像による遊技演出を主制御装置18から入力された抽選結果に基づき表示するように演出表示器10を制御し、また、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入しない場合は、演出制御装置19が通常のキャラクタを含む画像による遊技演出を主制御装置18から入力された抽選結果に基づき表示するように演出表示器10を制御する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、外部情報により演出を変化させることができるパチンコ機、パチスロ機等の遊技機を用いた遊技機および遊技システムに関する。
【背景技術】
【0002】
スロットマシンやパチンコ遊技機などの遊技機は、遊技の始動に基づきスピーカーやLED等のランプ表示器、液晶表示装置に代表される画像表示器等、種々の演出手段を用いて、当たり予告や大当たりに代表される特別遊技状態における演出を含め遊技を盛り上げるための種々の演出を行っている。
【0003】
近年遊技機の演出を遊技機の外部からの情報入力により遊技者に合わせて変化させようとする試みがなされている。かかる先行技術としては、外部からの情報入力手段としてICカード等の情報記録媒体を用い、情報記録媒体を遊技者に持たせて遊技毎にその情報記録媒体に遊技者の遊技履歴情報を記録しておき、遊技者は遊技する際に遊技機にその情報記録媒体の遊技履歴情報を読み取らせ、大当たりとなって特別遊技状態に移行した際に表示される演出用画像を、遊技者の情報記録媒体に記録された遊技履歴情報に従って、遊技機に記憶されている複数の画像情報の中から1つを演出用画像として選択して表示装置に表示させることにより、遊技者の遊技履歴に応じて異なる演出をするものが公開されている。
【特許文献1】特開2004−229926
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記文献の技術では、特別遊技状態以外の通常の遊技状態においては従来通りの演出がなされるため、遊技におけるほとんどの時間は従来通りの遊技演出が行われるため、大当たりを引けない場合、通常遊技とその演出を繰り返すことによる飽きが生ずるおそれがあるという問題があった。
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、遊技機の演出を通常遊技においても変化に富んだものにすることができる遊技機および遊技システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は上記問題点を解決するために、請求項1記載の遊技機は、遊技媒体投入後に開始される遊技における所定条件の成立により行われる抽選の結果に関わる演出が実行されるとともに次の遊技に使用可能な遊技媒体の獲得が可能な場合もある通常遊技と、この通常遊技よりも前記遊技媒体の獲得可能性が増す状態に遊技状態が変化する特別遊技とを備えた遊技機において、書換え可能な情報を記録する情報記録媒体に蓄積記録されている特別遊技の回数に係る当たり情報を読み取る情報読取手段と、この情報読取手段が前記情報記録媒体から読み取った前記当たり情報に基づいて少なくとも通常遊技において実行する演出パターンの種類を選択する演出選択手段と、この演出選択手段により選択された演出パターンと遊技における抽選の結果とに基づき演出手段の演出を通常遊技の進行に従って制御する演出制御手段と、この演出制御手段の制御により演出が行なわれた前記遊技機による遊技の終了に基づき当該遊技において新たな当たりがある場合に当該新たな当たり情報を前記情報記録媒体に蓄積して記録する情報記録手段とを備えたことを特徴としている。
【0007】
請求項2記載の遊技機は、請求項1記載の遊技機において、所定条件の成立は、遊技開始操作の操作検知又は遊技媒体の所定の入賞口への入賞検知を含むことを特徴としている。
【0008】
請求項3記載の遊技機は、請求項1又は2記載の遊技機において、遊技者側から遊技終了を指示可能な指示手段を更に備え、情報記録手段は、新たな当たり情報を前記指示手段からの指示に基づき情報記録媒体に記録することを特徴としている。
【0009】
さらに、請求項4記載の遊技システムは、遊技媒体投入後に開始される遊技における所定条件の成立により行われる抽選の結果に関わる演出が実行されるとともに次の遊技に使用可能な遊技媒体の獲得が可能な場合もある通常遊技と、この通常遊技よりも前記遊技媒体の獲得可能性が増す状態に遊技状態が変化する特別遊技とを備えた遊技機を用いた遊技システムにおいて、前記特別遊技の遊技回数に係る当たり情報を書換え可能に記録した情報記録媒体を遊技者に所持させ、前記情報記録媒体に記録されている前記当たり情報をこれから遊技を行う遊技機に対応して設けられた情報読取手段で読み取り、この情報読取手段が読み取った当たり情報に基づき当該遊技機の通常遊技における演出パターンの種類を選択手段で選択し、この選択手段で選択された演出パターンと遊技における抽選の結果とに基づき当該遊技機の演出手段の演出を通常遊技に進行に従って演出制御制御手段で演出制御し、この演出制御手段で演出制御された前記遊技機の遊技の終了に基づき当該遊技において新たな当たりがある場合に情報記録手段により当該新たな当たり情報を前記情報記録媒体に蓄積して記録することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、遊技者が継続して遊技する事により情報記録媒体に特別遊技状態の回数に係る当たり情報が蓄積され、その情報により遊技機の通常遊技状態における演出を異ならせることができるという特典を設ける事で同じ遊技機への遊技者の複数回の挑戦を期待でき、当該遊技機の長期に渡る高稼動を可能にすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
図1および図2は、発明を実施するための最良の形態であって、遊技媒体としてメダルを使用するスロットマシンを遊技機として例示する。図1は、スロットマシンを示す。図2は、遊技演出処理の流れを示す。
【0012】
図1において、スロットマシンは、遊技機枠を構成する筐体1の前面に、演出視認部2、図柄視認部3、遊技開始操作部4、図柄停止操作部5、メダル投入部6、払出しメダルの受皿7、カード挿入口8、遊技終了の指示手段でもある清算操作部9、図外の放音部、図外の照明表示部を備え、筐体1の内部に、演出手段としての演出表示器10、図柄表示器11、遊技開始スイッチ12、図柄停止スイッチ13、清算スイッチ14、情報読取手段としての情報読取器15、情報記録手段としての情報記録器16、メダルの払出機構17、遊技制御手段としての主制御装置18、演出制御手段としての演出制御装置19、図外のスピーカ、図外の表示灯、図外の電源装置を備える。
【0013】
演出表示器10は、演出用の画像を表示する液晶表示器などの画像表示器により構成される。図柄表示器11は、回胴式に構成されており、例えば、3個の回胴ドラムまたは回胴リールと呼ばれる図柄表示体を3個のステップモータで個別に回転することによって、図柄表示体に表示された形の不変な複数の図柄を上から下に回転するように変動表示する。図柄停止操作部5は、図柄表示器11における各図柄表示体に対応して設けられる。図柄停止スイッチ13は、各図柄停止操作部5に対応して設けられる。主制御装置18および演出制御装置19が制御手段を構成する。主制御装置18は、主制御装置18に内蔵したコンピュータのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがいRAMを使用しながら動作することによって、入力検出処理、当たり外れ抽選処理、図柄制御処理、払出制御処理などの遊技全般の遊技処理を実行して、図柄表示器11および払出機構17を制御し、当たり外れ抽選処理の結果としての抽選結果を演出制御装置19に出力する。演出制御装置19は、演出制御装置19に内蔵したコンピュータのCPUがROMに格納されたプログラムにしたがいRAMを使用しながら動作することによって、入力検出処理、演出処理を実行し、演出表示器10、スピーカ、表示灯を制御する。
【0014】
そして、主制御装置18および演出制御装置19が電源装置からの電力供給によって起動し、遊技者が遊技履歴の記憶された携帯可能なICカードなどの情報記録媒体としての遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入すると、情報読取器15が遊技履歴媒体20に記憶された遊技履歴を読み取って演出制御装置19に出力する。また、遊技者が遊技媒体としてのメダルをメダル投入部6に入れ、遊技者が遊技開始操作部4を操作すると、遊技開始スイッチ12が遊技開始信号を主制御装置18に出力する。遊技開始信号が主制御装置18に入力されると、主制御装置18が当たり外れ抽選処理および図柄制御処理を行うとともに、演出制御に関する遊技情報としての抽選結果を演出制御装置19に出力する。図柄制御処理によって、主制御装置18が図柄表示器11のステップモータを駆動すると、図柄表示器11の各図柄表示体が回転し、各図柄表示体における複数の図柄が変動表示され、その変動状態を遊技者が筐体1の前側から図柄視認部3を通して見ることができる。その状態において、遊技者が各図柄停止操作部5を個別に操作するごとに、各図柄停止スイッチ13が図柄停止信号を主制御装置18に出力する。図柄停止信号が主制御装置18に入力されるごとに、主制御装置18では図柄制御処理によって図柄表示器11のステップモータの停止を次のように行う。
【0015】
抽選結果として何等かの当たりが抽選されている場合、主制御装置18は図柄停止信号が抽選された当たりの種類に応じて主制御装置18の内部に設定された図柄停止範囲内に入力されたか否かを判定する。そして、図柄停止信号が設定された図柄停止範囲内に入力された場合、主制御装置18は当たりの種類に対応する図柄が図柄視認部3の入賞ライン上に停止するようにステップモータを制御する。
このように入賞ライン上に停止した図柄が抽選された当たりと同じ図柄で揃うと、当たりが確定、すなわち入賞する。当たりには、該当する図柄が入賞ライン上に揃うことによって、以後、所定回数の遊技に渡って遊技状態からこの通常遊技状態よりも遊技媒体の獲得可能性が増す状態である特定遊技状態に変化するビッグボーナス(BB)、レギュラーボーナス(RB)、チャレンジタイムボーナス(CT)等の大当たり、特定の図柄が入賞ラインに揃うことによって所定の個数のメダル(遊技媒体)が払い出される小当たり、該当する図柄が揃うことによって次回の遊技はメダルを投入することなく遊技を行うことができる再遊技当たり(単に「再遊技」とも言う)等がある。上記大当たりは、抽選で当選すると、以後の遊技でも該当する図柄が揃うまで当該当選が待ち越されて入賞の機会が与えられ、他の当たりや外れは当該遊技においてのみ有効となる。
入賞すると、大当たりの場合には、主制御装置18は、以後、その大当たり遊技の条件が満たされるまで所定回数の遊技に渡って遊技機をその大当たりの種類に対応した特定遊技状態に制御する。また、小当たり等によりメダルの払い出しがある場合には、主制御装置18が払出制御処理を実行して払出機構17を駆動し、払出機構17が賞品として遊技媒体であるメダルを受皿7に払い出す。抽選結果として外れが抽選されている場合、主制御装置18は、上記のような停止制御を実行せず、図柄停止信号が主制御装置18に入力された時点で、いずれの当たり図柄も入賞ライン上に停止しないように制御してステップモータを停止する。このようにいずれの当たり図柄も入賞ライン上に停止しないことによって、外れが確定する。
【0016】
当たり外れに対する確定結果が主制御装置18から演出制御装置19に入力されると、演出制御装置19が入力された確定結果に対応する演出データをメモリから抽出し、演出制御装置19が抽出された演出データで演出表示器10を制御し、演出表示器10が確定結果に対応する演出データによる遊技演出の画像を表示する。この演出表示器10で表示される画像による遊技演出の進行を遊技者が筐体1の前側から演出視認部2を通して見ることができる。
【0017】
更にスロットマシンは、演出制御装置19のメモリとしてのROM21、選択手段22、主制御装置18および演出制御装置19からなる制御手段を備える。ROM21には選択演出データテーブル23および通常演出データテーブル24が設けられる。選択演出データテーブル23には、選択演出データ25が格納される。選択演出データ25は、遊技履歴としての当たり回数と選択可能な画像や遊技演出としてのキャラクタとが対応付けられデータを構成する。通常演出データテーブル24には、通常演出データ26が格納される。通常演出データ26は、遊技履歴に無関係な通常の画像や遊技演出を表示するためのデータを構成する。
【0018】
そして、主制御装置18および演出制御装置19が図外の電源装置からの電力供給によって起動した状態において、遊技者が遊技履歴の記憶された携帯可能な遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入すると、情報読取器15が遊技履歴媒体20に記憶された遊技履歴を読み取って演出制御装置19に出力し、演出制御装置19が入力された遊技履歴を選択演出データテーブル23に照合し、入力された遊技履歴に相当する遊技履歴に対応する選択可能なキャラクタを選択演出データ25から特定する。例えば、カード挿入口8に挿入された遊技履歴媒体20に大当たり回数として「0乃至5」までの数値を表す情報が記憶されている場合、選択可能なキャラクタとして「A」が特定される。カード挿入口8に挿入された遊技履歴媒体20に当たり回数として「25」の数値を表す情報が記憶されている場合、選択可能なキャラクタとして「A;B;C;D;E」の5つのキャラクタが特定される。その状態において、選択手段22が特定された選択可能なキャラクタの中から1つを選択する。この選択手段22による選択には、遊技者による場合と演出制御装置19による場合とがある。
【0019】
選択手段22による選択が遊技者による場合について説明する。選択手段22としては、筐体1または演出表示器10に設けられるかまたは筐体1に接続される機器または携帯電話により構成される。選択手段22が筐体1に設けられる場合、遊技者が選択を操作するための操作部が筐体1の前面に設けられ、操作部によってオンまたはオフするスイッチが筐体1の内部に設けられるか、または、選択手段22が赤外線のような光を利用した構造物として筐体1の内部に設けられる。赤外線のような光を利用した構造物の場合、筐体1の内部に設けた発光部が光を筐体1の前面を前側に透過し、遊技者が手を筐体1の前面に接触するかまたは接触する程度に近づけ、手で筐体1の前側に透過した光を筐体1の内部に向けて反射し、この反射光を筐体1の内部に設けた発光部が受信する構造として設けられる。選択手段22が演出表示器10に設けられる場合、タッチパネルまたはタッチスクリーンとして設けられる。選択手段22が筐体1に接続される機器により構成される場合、筐体1に接続される機器からの配線の接続部が筐体1に設けられる。選択手段22が携帯電話により構成される場合、携帯電話からの電波を受信する受信部が筐体1に設けられる。そして、情報読取器15から入力された遊技履歴に基づき特定した選択可能なキャラクタが演出表示器10に表示された状態において、遊技者が選択手段22を操作し、選択手段22から選択信号が演出制御装置19に入力されると、演出制御装置19が選択可能な複数のキャラクタの中から1つが選択されたことを演出表示器10に表示させる。
【0020】
選択手段22による選択が演出制御装置19による場合について説明する。選択手段22としては、演出制御装置19におけるCPUを動作するプログラムによる選択抽選処理により構成される。つまり、演出制御装置19が入力された遊技履歴に基づき選択可能な複数のキャラクタを特定した後、その特定された選択可能な複数のキャラクタの中から1つを抽選によって選択し、その選択されたことを演出表示器10に表示させる。
【0021】
選択手段22による選択が行われ、遊技者が遊技媒体としてのメダルをメダル投入部6に入れた状態において、遊技者が遊技開始操作部4を操作し、主制御装置18が遊技開始スイッチ12からの遊技開始信号の入力を契機とした当たり外れ抽選の結果を演出制御装置19に出力すると、演出制御装置19は、選択されたキャラクタを含む画像による遊技演出を、主制御装置18から入力された抽選結果に基づき表示するように、演出表示器10を制御する。これによって、主制御装置18は、演出表示器10で表示される選択されたキャラクタを含む画像による遊技演出の進行下で遊技の始動を行う。つまり、主制御装置18は、上記遊技開始信号の入力に伴い図柄表示器11のステップモータを駆動した後、各図柄停止スイッチ13から入力される図柄停止信号と当たり外れ抽選の結果とによってステップモータを停止し、図柄視認部3の当たりライン上に停止した図柄が同じ図柄で揃うと払出機構17を駆動する。そして、払出機構17が賞品としてのメダルを受皿7に払い出す。上記主制御装置18から当たり外れ抽選の結果として大当たりが演出制御装置19に出力されると、演出制御装置19は、主制御装置18から入力された大当たりを大当たりの回数を積算してメモリに記憶する。その後、遊技者が清算操作部9を操作し、清算スイッチ14が清算信号を主制御装置18に出力し、主制御装置18が清算信号を演出制御装置19に出力すると、演出制御装置19は、メモリに記憶された大当たりの回数を遊技履歴媒体20に記録するように、情報記録器16を制御する。これによって、情報記録器16が遊技履歴媒体20に積算された回数を新たな大当たり情報として遊技履歴媒体20に蓄積するように記録する。
【0022】
図2を参照し、演出制御装置19による演出表示器10に対する遊技演出処理の流れについて説明する。演出制御装置19が電力供給によって起動し、演出処理が始まると、ステップ101において、遊技履歴が入力されたか否かを判定する。遊技履歴が入力された場合、ステップ101がYESになり、ステップ102に進む。遊技履歴が入力されない場合、ステップ101がNOになり、ステップ107に進む。ステップ102では、入力された遊技履歴に基づき、選択演出データテーブル23の選択演出データ25から選択可能なキャラクタを特定し、ステップ103に進む。ステップ103では、1つのキャラクタが選択されたか否かを判定する。キャラクタが選択された場合、ステップ103がYESになり、ステップ104に進む。キャラクタが選択されない場合、ステップ103がNOになり、ステップ103に戻る。
【0023】
ステップ104では、遊技履歴に基づき選択演出データテーブル23から選択された1つのキャラクタを含む遊技演出が主制御装置18から入力された当たり外れ抽選の結果に基づき演出表示器10で表示されるように、演出表示器10を制御するとともに、主制御装置18から入力された当たり外れ抽選の結果が大当たりである場合に大当たりの回数を積算してメモリに記憶し、ステップ105に進む。ステップ105では、清算信号が入力されたか否かを判定する。遊技者が清算操作部9を操作すると、清算スイッチ14が清算信号を主制御装置18に出力し、主制御装置18が清算信号を演出制御装置19に出力する。よって、清算信号が主制御装置18から演出制御装置19に入力された場合、ステップ105がYESになり、ステップ106に進む。清算信号が主制御装置18から演出制御装置19に入力されていない場合、ステップ105がNOになり、コンピュータによる演出処理の1サイクルを終了し、ステップ101にジャンプする。ステップ106では、メモリに記憶された大当たりの回数の積算値を遊技履歴として入力された大当たりの回数値として遊技履歴媒体20に書き込むように、情報読取器15を制御し、コンピュータによる演出処理の1サイクルを終了し、ステップ101にジャンプする。主制御装置18では、清算スイッチ14から清算信号が入力されると、メダル投入部6から筐体1の内部に予納されたメダルの個数に相当する個数のメダルを受皿7に払い出すように、払出機構17を制御する。
【0024】
ステップ107では、通常演出データテーブル24の通常演出データ26から抽出された通常のキャラクタを含む遊技演出が主制御装置18から入力された抽選結果に基づき演出表示器10で表示されるように演出表示器10を制御するとともに、主制御装置18から入力された当たり外れ抽選の結果が大当たりである場合に大当たりの回数を積算してメモリに記憶し、ステップ108に進む。ステップ108では、清算信号が入力されたか否かを判定する。遊技者が清算操作部9を操作すると、清算スイッチ14が清算信号を主制御装置18に出力し、主制御装置18が清算信号を演出制御装置19に出力する。よって、清算信号が主制御装置18から演出制御装置19に入力された場合、ステップ108がYESになり、ステップ109に進む。清算信号が主制御装置18から演出制御装置19に入力されていない場合、ステップ108がNOになり、コンピュータによる演出処理の1サイクルを終了し、ステップ101にジャンプする。ステップ109では、遊技履歴媒体20がカード挿入口8に挿入されたか否かを判定する。遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入し、情報読取器15が遊技履歴を演出制御装置19に出力された場合、ステップ109がYESになり、ステップ110に進む。遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入しておらず、情報読取器15が遊技履歴を演出制御装置19に出力していない場合、ステップ109がNOになり、コンピュータによる演出処理の1サイクルを終了し、ステップ101にジャンプする。ステップ110では、メモリに記憶された大当たりの回数の積算値を遊技履歴として入力された大当たりの回数値として遊技履歴媒体20に書き込むように、情報読取器15を制御し、コンピュータによる演出処理の1サイクルを終了し、ステップ101にジャンプする。
【0025】
最良の形態では、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入し、演出制御装置19が遊技履歴媒体20から入力された遊技履歴に基づき選択可能なキャラクタを特定し、選択手段22が特定された選択可能なキャラクタの中からキャラクタを選択し、遊技媒体としてのメダルがメダル投入部6に入れられた状態において、遊技者が遊技開始操作部4を操作すると、主制御装置18が遊技開始スイッチ12からの遊技開始信号の入力を契機とした当たり外れ抽選の結果を演出制御装置19に出力し、演出制御装置19が上記選択されたキャラクタを含む画像による遊技演出を主制御装置18から入力された抽選結果に基づき表示するように演出表示器10を制御する。つまり、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入した場合、遊技履歴媒体20に記録されている遊技者毎に固有な遊技履歴情報に基づいて、通常遊技でも演出表示器10に表示される遊技演出を選択できるという利点がある。
【0026】
最良の形態では、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入せずに、遊技媒体としてのメダルがメダル投入部6に入れられた状態において、遊技者が遊技開始操作部4を操作すると、主制御装置18が遊技開始スイッチ12からの遊技開始信号の入力を契機とした当たり外れ抽選の結果を演出制御装置19に出力し、演出制御装置19が通常のキャラクタを含む画像による遊技演出を主制御装置18から入力された抽選結果に基づき表示するように演出表示器10を制御する。よって、演出表示器10が選択されたキャラクタまたは通常のキャラクタを含む画像による遊技演出の進行下で、主制御装置18はスロットマシンによる遊技の始動を行うことができるという利点がある。
【0027】
最良の形態では、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入したままスロットマシンの遊技を行った後、遊技者が清算操作部9を操作すると、遊技履歴媒体20のカード挿入口8への挿入から清算操作部9の操作までの間に実行された遊技中の大当たり回数が遊技履歴媒体20に積算された回数として書き込まれる。また、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入せずに、スロットマシンの遊技を行った後、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入するとともに清算操作部9を操作すると、図2のステップ102における遊技履歴の入力されない判定から清算操作部9の操作までの間に実行された遊技中の大当たり回数が遊技履歴媒体20に積算された回数として書き込まれる。このように、遊技者がスロットマシンによる遊技を行うことによって、遊技履歴媒体20に書き込まれた遊技履歴としての大当たり回数が増加するという利点がある。
【0028】
最良の形態の選択演出データ25は大当たり回数が増加すると、選択可能なキャラクタの個数が増加するよう構成されているので、遊技履歴媒体20に書き込まれた遊技履歴としての大当たり回数が増加すればするほど、選択可能なキャラクタの個数が増加するという利点がある。
【産業上の利用可能性】
【0029】
大当たり回数により選択される遊技演出の種類として、キャラクタとともに遊技演出の場面またはキャラクタに代えて遊技演出の場面を選択してもよい。
【0030】
遊技履歴媒体20に遊技履歴を記憶させる代わりに遊技者を識別するためのパスワードを記憶しておき、遊技履歴媒体20がカード挿入口8に挿入されると、情報読取器15が遊技履歴媒体20のパスワードを読み取って演出制御装置19に入力し、演出制御装置19が演出制御装置19のメモリにパスワードと対応付けて記憶された遊技履歴として積算された大当たり回数に対応する選択可能なキャラクタを選択演出データ25から特定してもよい。
【0031】
選択手段22が、演出制御装置19のROMに格納されたプログラムの実行によって、演出表示器10を利用して構築してよい。この場合、演出制御装置19が電力供給によって起動した後、遊技者が遊技履歴媒体20をカード挿入口8に挿入すると、演出制御装置19が遊技履歴媒体20から入力された遊技履歴に基づき選択演出データ25から選択可能なキャラクタを特定し、演出制御装置19が特定された選択可能なキャラクタを選択入力画面として演出表示器10に表示される。選択入力画面では、選択可能なキャラクタと選択釦および決定釦が演出表示器10に表示される。そして、遊技者が選択釦に手を触れて選択可能なキャラクタからキャラクタを選択した後に決定釦に手を触れることによって、演出制御装置19が遊技履歴に基づき選択演出データテーブル23から選択された1つのキャラクタを含む遊技演出が主制御装置18から入力された当たり外れ抽選の結果に基づき演出表示器10で表示されるように、演出表示器10を制御する。
【0032】
遊技履歴媒体20の情報読取器15、情報記録器16を遊技機と併設される公知のプリペイドカードや現金処理用のカードサンドに設け、そのカード挿入口8を当該カードサンドの前面に設けてもよい。
【0033】
遊技履歴媒体20への当たり回数情報の記憶は、上述の最良の形態で示したような大当たり回数に限らず、例えば小当たり等の回数を含めて記憶させるものであってもよい。情報読取器15を筐体1と別体に構成し、筐体1の前面に情報読取器15を接続する接続口を設け、筐体1と別体に構成した情報読取器15の配線におけるコネクタを筐体1の前側から接続口に接続するようにしてもよい。
【0034】
清算操作部9に代わる遊技履歴媒体返却部を設け、清算スイッチ14に代わる遊技履歴媒体返却スイッチを設けてもよい。
【0035】
情報記録器16を筐体1と別体に構成し、筐体1の前面に情報記録器16を接続する接続口を設け、筐体1と別体に構成した情報記録器16の配線におけるコネクタを筐体1の前側から接続口に接続するようにしてもよい。
【0036】
キャラクタ選択による演出の変更は、通常遊技だけでなく、大当たりの確定後に発生する特別遊技の演出においても変更されるようにしてもよい。遊技履歴の記憶された携帯可能な遊技履歴媒体20としては、ICカード、磁気カード、SDメモリ、スティックメモリ、携帯電話機などが適用可能である。遊技履歴の記憶された携帯可能な遊技履歴媒体20が携帯電話機で構成される場合、情報読取器15は、携帯電話機から送信される遊技履歴の受信可能な受信機と、実行された遊技中の大当たり回数を受信可能な携帯電話機に送信可能な発信機とによって構成される。
【0037】
遊技機としては、図柄始動入賞に伴う動画による演出表示機能を有するパチンコ遊技機でも適用できる。このパチンコ遊技機に適用した場合、図1の遊技開始スイッチ12、図柄停止スイッチ13は削除され、図柄始動入賞部品および図柄始動入賞部品に入った球を検出する球検出器が用いられ、球検出器から出力される球検出信号が図柄始動信号として主制御装置18に入力され、主制御装置18では図柄始動信号の入力を契機として当たり外れの抽選処理が行われるようにすればよい。また、図柄表示器11としては、回胴式以外に、液晶表示器またはデジタル表示器などの画像表示器、点灯や消灯の状態を使い分ける複数の表示灯で構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】スロットマシンの模式図(最良の形態)。
【図2】遊技演出処理のフローチャート(最良の形態)。
【符号の説明】
【0039】
9 精算操作部(指示手段)
10 演出表示器
15 情報読取器(情報読取手段)
16 情報記録器(情報記録手段)
19 演出制御装置(演出制御手段)
20 遊技履歴媒体(情報記録媒体)
22 選択手段
23 選択演出データテーブル
24 通常演出データテーブル

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技媒体投入後に開始される遊技における所定条件の成立により行われる抽選の結果に関わる演出が実行されるとともに次の遊技に使用可能な遊技媒体の獲得が可能な場合もある通常遊技と、この通常遊技よりも前記遊技媒体の獲得可能性が増す状態に遊技状態が変化する特別遊技とを備えた遊技機において、書き換え可能な情報を記憶する遊技履歴媒体に蓄積記録されている特別遊技の回数に係る当たり情報を読み取る情報読取手段と、この情報読取手段が前記情報記録媒体から読み取った前記当たり情報に基づいて少なくとも通常遊技において実行する演出パターンの種類を選択する演出選択手段と、この演出選択手段により選択された演出パターンと遊技における抽選の結果とに基づき演出手段の演出を通常遊技の進行に従って制御する演出制御手段と、この演出制御手段の制御により演出が行なわれた前記遊技機による遊技の終了に基づき当該遊技において新たな当たりがある場合に当該新たな当たり情報を前記情報記録媒体に蓄積して記録する情報記録手段とを備えた遊技機。
【請求項2】
所定条件の成立は、遊技開始操作の操作検知又は遊技媒体の所定の入賞口への入賞検知を含むことを特徴とする請求項1記載の遊技機。
【請求項3】
遊技者側から遊技終了を指示可能な指示手段を更に備え、情報記録手段は、新たな当たり情報を前記指示手段から指示に基づき情報記録媒体に記録することを特徴とする請求項1又は2記載の遊技機。
【請求項4】
遊技媒体投入後に開始される遊技における所定条件の成立により行われる抽選の結果に関わる演出が実行されるとともに次の遊技に使用可能な遊技媒体の獲得が可能な場合もある通常遊技と、この通常遊技よりも前記遊技の獲得可能性が増す状態に遊技状態が変化する特別遊技とを備えた遊技機を用いた遊技システムにおいて、前記特別遊技の遊技回数に係る当たり情報を書き換え可能に記録した情報記録媒体を遊技者に所持させ、前記情報記録媒体に記録されている前記当たり情報をこれから遊技を行う遊技機に対応して設けられた情報読取手段で読み取り、この情報読取手段が読み取った当たり情報に基づき当該遊技機の通常遊技における演出パターンの種類を選択手段で選択し、この選択手段で選択された演出パターンと遊技における抽選の結果とに基づき当該遊技機の演出手段の演出を通常遊技の進行に従って演出制御手段で演出制御し、この演出制御手段で演出制御された前記遊技機の遊技終了に基づき当該遊技において新たな当たりがある場合に情報記録手段により当該新たな当たり情報を前記情報記録媒体に蓄積して記録することを特徴とする遊技システム。

【図1】
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【図2】
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