遊技機の球払出装置
【課題】所定数の遊技球の払出を行う際に確実に遊技球の払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる遊技機の球払出装置を提供すること。
【解決手段】球払出装置1は、球流路21、下側ストッパー3、上側ストッパー4、スライド軸部5、駆動源55を備え、下側ストッパー3と上側ストッパー4とに係合するスライド軸部5を1つの駆動源55によって可動させる。下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、スライド軸部5の軸線を中心に回転するよう配設してある。球払出装置1は、スライド軸部5がスライド方向の下方位置501にあるときには、下側係合部51が、下側スクリュー3に係合して下側スクリュー3の回転を停止し、スライド軸部5がスライド方向の上方位置にあるときには、上側係合部52が、上側スクリュー4に係合して上側スクリュー4の回転を停止するよう構成されている。
【解決手段】球払出装置1は、球流路21、下側ストッパー3、上側ストッパー4、スライド軸部5、駆動源55を備え、下側ストッパー3と上側ストッパー4とに係合するスライド軸部5を1つの駆動源55によって可動させる。下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、スライド軸部5の軸線を中心に回転するよう配設してある。球払出装置1は、スライド軸部5がスライド方向の下方位置501にあるときには、下側係合部51が、下側スクリュー3に係合して下側スクリュー3の回転を停止し、スライド軸部5がスライド方向の上方位置にあるときには、上側係合部52が、上側スクリュー4に係合して上側スクリュー4の回転を停止するよう構成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機において賞球、貸球等の際に球皿へ遊技球の払出を行う球払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の球払出装置は、遊技において入賞があったときに、球皿へ所定数の遊技球を払い出すよう構成されている。球払出装置は、遊技球を保持する切欠部を周方向に複数設けた円盤状のスプロケットを用いて構成する場合、軸部の外周に螺旋状に設けた突起部によって遊技球を押し出すスクリューを用いて構成する場合等がある。
例えば、特許文献1のパチンコ球払出装置においては、パチンコ球供給樋の上流側に球止用ソレノイドを設けると共に、下流側に排出用ソレノイドを設け、球止用ソレノイドを作動させて後続のパチンコ球を球止めすると共に、排出用ソレノイドを作動させて球止用ソレノイドより下方のパチンコ球を排出することが開示されている。このパチンコ球払出装置においては、ソレノイドの消磁方向を、パチンコ球により球圧が加わる方向にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−14894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のパチンコ球払出装置においては、パチンコ球供給樋の上流側及び下流側において、いずれもソレノイドに設けたストッパーをパチンコ球供給樋内に対して突出・退避させて遊技球の流下・停止を制御する。そのため、ストッパーが突出するタイミングによっては、遊技球の流下を確実に停止できないおそれがある。
また、パチンコ球供給樋の上流側及び下流側において、それぞれソレノイドを配設しているため、ソレノイドが占めるスペースが増大し、パチンコ球払出装置の小型化を図るためには十分ではない。
なお、特許文献1においては、パチンコ球の流下を制御する一対のソレノイド以外にも、駆動モーター及びリードスクリューを用いた払出装置を用いている。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、所定数の遊技球の払出を行う際に確実に遊技球の払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる遊技機の球払出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技球が流下する球流路と、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の下流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる下側スクリューと、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の上流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる上側スクリューと、
上記下側スクリューに係合する下側係合部と上記上側スクリューに係合する上側係合部とを有するスライド軸部と、
該スライド軸部をスライドさせる駆動源とを備え、
上記下側スクリューと上記上側スクリューとは、上記スライド軸部の軸線を中心に回転するよう配設してあり、
上記スライド軸部がスライド方向の一方位置にあるときには、上記下側係合部が、上記下側スクリューに係合して該下側スクリューの回転を停止し、上記スライド軸部がスライド方向の他方位置にあるときには、上記上側係合部が、上記上側スクリューに係合して該上側スクリューの回転を停止することを特徴とする遊技機の球払出装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機の球払出装置においては、球流路から球皿等への遊技球の払出を行う状態と、球流路から球皿等への遊技球の払出を停止させる状態とを形成する際に、駆動源によってスライド軸部をスライドさせ、下側スクリューと上側スクリューの回転の許容及び停止を行う。
遊技球の払出を停止しているときには、スライド軸部がスライド方向の一方位置にあり、下側係合部が下側スクリューの回転を停止させて、下側スクリューが遊技球の流下を停止している。この状態においては、上側係合部が上側スクリューの回転を停止させておらず、上側スクリューが遊技球の球圧を受けて自由に回転して、球流路内に上流側から遊技球を貯留することができる。
【0008】
一方、遊技球の払出を行うときには、駆動源を動作させ、スライド軸部をスライド方向の他方位置にスライドさせることにより、下側スクリューに対する下側係合部の係合状態が解除され、下側スクリューが遊技球の球圧を受けて自由に回転可能になる。この状態においては、上側係合部が上側スクリューの回転を停止させて、上側スクリューが遊技球の流下を停止する。これにより、球流路内に貯留した所定数の遊技球を、その自重による落下を利用して極めて高速に払い出すことができる一方、所定数以上の遊技球が誤って払い出されてしまうことを防止することができる。
【0009】
本発明において、球流路内の遊技球の流下を停止するために下側スクリューを用いており、球流路内の遊技球が払い出されるときには、最も下流側の遊技球が下側スクリューに接触した状態にある。また、球流路内に下側スクリューが出入することがなく、下側スクリューの回転の許容及び回転の停止を行うだけで、遊技球の流下及び流下の停止を行うことができる。これにより、球流路内の所定数の遊技球の払出を行う途中において、この払出を停止させようとしたときには、下側スクリューが遊技球に引っ掛かってしまうことがなく(球がみを生じることなく)、確実に遊技球の払出を停止させることができる。
【0010】
本発明においては、下側スクリューと上側スクリューとは、スライド軸部の軸線を中心に回転するよう配設してある。これにより、球払出装置において各スクリュー及びスライド軸部が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置の小型化を図ることができる。
また、上記下側スクリューと上側スクリューとの回転の許容及び停止は、1つの駆動源によって、下側スクリューに係合する下側係合部と上側スクリューに係合する上側係合部とを設けたスライド軸部をスライドさせることによって行うことができる。これにより、球払出装置において駆動源が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置の小型化を図ることができる。
【0011】
それ故、本発明の遊技機の球払出装置によれば、所定数の遊技球の払出を行う際に確実に遊技球の払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における、球払出装置の全体を示す説明図。
【図2】実施例1における、球払出装置の下側スクリューの周辺を拡大して示す断面説明図。
【図3】実施例1における、球払出装置の下側スクリューの周辺を拡大して示す図で、駆動源が動作したときの状態を示す断面説明図。
【図4】実施例1における、球払出装置の上側スクリューの周辺を拡大して示す断面説明図。
【図5】実施例1における、球払出装置の上側スクリューの周辺を拡大して示す図で、駆動源が動作したときの状態を示す断面説明図。
【図6】実施例1における、球払出装置の上側スクリューの周辺を、図4の視認方向と直交する方向から見た状態で拡大して示す断面説明図。
【図7】実施例1における、球払出装置の下側スクリュー、上側スクリュー及びスライド軸部を、ケースを外した状態で示す説明図。
【図8】実施例1における、球払出装置を配設した本体枠を遊技機の裏面側から見た状態で示す説明図。
【図9】実施例2における、球払出装置の上側スクリュー及び上側係合部を、ケースを外した状態で示す説明図。
【図10】実施例2における、球払出装置の上側スクリュー及び上側係合部を、ケースを外した状態で示し、上側係止爪の先端が上側被係止爪の先端に当接した状態を示す説明図。
【図11】実施例2における、球払出装置の上側スクリュー及び上側係合部を、ケースを外した状態で示し、上側係止爪と上側被係止爪とが係合した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述した本発明の遊技機の球払出装置における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記スライド軸部は、上記下側係合部と上記上側係合部とを円柱状の連結シャフトに配設してなり、上記上側スクリューと上記下側スクリューとは、上記連結シャフトの外周に対して回転可能に配設してあり、上記スライド方向の一方位置は下方位置であり、上記スライド方向の他方位置は上方位置であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、各スクリューを連結シャフトに対して安定して回転させることができ、スライド軸部の自重と駆動源の駆動力とを利用してスライド軸部を上下にスライドさせることができる。
【0014】
また、上記駆動源は、上記スライド軸部を上記一方位置と上記他方位置とに交互にスライドさせるよう構成してあり、上記スライド軸部が上記一方位置と上記他方位置とにスライドする過程においては、上記上側係合部が上記上側スクリューに係合する状態と、上記下側係合部が上記下側スクリューに係合する状態とが同時に形成されることが好ましい(請求項3)。
この場合には、遊技球の払出を行う際に、下側スクリューに対して下側係合部が係合する状態が解除される瞬間に、下側スクリュー及び上側スクリューのいずれもが遊技球の流下を許容してしまう状態が形成されることを防止することができる。そのため、所定数以上の遊技球が球流路内に入ってしまい、所定数以上の遊技球を払い出してしまうことを確実に防止することができる。
【0015】
また、上記上側係合部は、上記スライド軸部に固定した筒形状の固定部に対して、圧縮バネを介して付勢されていると共に、上記上側スクリューに形成した被係合端部に係合する係合端部を有しており、上記スライド軸部が上記他方位置へスライドする際に、上記係合端部の先端が上記被係合端部の先端に当接してこれらが係合しない状態が発生したときには、上記圧縮バネが圧縮され、該圧縮された圧縮バネの弾性回復力によって上記係合端部を上記被係合端部に係合させることが好ましい(請求項4)。
この場合には、遊技球の払出を行う際に、仮に上側係合部が上側スクリューに適切に係合せず、払出に不具合が発生したとしても、圧縮バネが圧縮されてダンパ(緩衝)機能として働くように作用する。そのため、下側スクリューの係合状態が適切に解除されて、適切に遊技球の払出を行うことができる。
【0016】
また、上記駆動源は、コイルに通電したときに磁気吸引力を発生させるよう構成したプランジャ式のソレノイドであり、上記磁気吸引力によって上記スライド軸部を上方へ持ち上げるよう構成してあることが好ましい(請求項5)。
この場合には、スライド移動方式のアクチュエータであるプランジャによりスライド軸部を駆動することにより、スライド軸部のスライド駆動の応答速度を速くすることができ、スライド軸部のスライドをより適切に制御することができる。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明の遊技機の球払出装置に係る実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例の遊技機の球払出装置1は、図1に示すごとく、遊技球Rが流下する球流路21と、外周に螺旋状突起32を形成してなる下側スクリュー3と、外周に螺旋状突起42を形成してなる上側スクリュー4と、下側スクリュー3に係合する下側係合部51と上側スクリュー4に係合する上側係合部52とを有するスライド軸部5と、スライド軸部5をスライドさせる駆動源55とを備えている。
【0018】
下側スクリュー3は、図2、図3に示すごとく、球流路21の下流位置において遊技球Rの自重落下による球圧を受けて回転可能な状態で配設されており、その回転を停止することによって遊技球Rの流下を停止させるよう構成されている。上側スクリュー4は、図4、図5に示すごとく、球流路21の上流位置において遊技球Rの自重落下による球圧を受けて回転可能な状態で配設されており、その回転を停止することによって遊技球Rの流下を停止させるよう構成されている。
下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、スライド軸部5の軸線を中心に回転するよう配設してある。球払出装置1は、図1、図2、図4に示すごとく、スライド軸部5がスライド方向の下方位置(一方位置)501にあるときには、下側係合部51が、下側スクリュー3に係合して下側スクリュー3の回転を停止し、図3、図5に示すごとく、スライド軸部5がスライド方向の上方位置(他方位置)502にあるときには、上側係合部52が、上側スクリュー4に係合して上側スクリュー4の回転を停止するよう構成されている。
【0019】
以下に、本例の遊技機の球払出装置1につき、図1〜図8を参照して詳説する。
図6に示すごとく、本例の球払出装置1は、遊技機において占める幅寸法を小さくするため、幅方向Wの形状が、遊技球Rの略1球分の幅に対して両側に一対の壁面を形成した幅に形成されている。球払出装置1によって払い出す遊技球Rは、遊技機の本体枠7の前面側に設けた球皿に導かれる。
なお、球払出装置1の幅方向Wとは、遊技機の左右方向に配置する方向をいい、球払出装置1の奥行方向Dとは、遊技機の前後方向に配置する方向をいう。また、球払出装置1の上下方向Hは遊技機の上下方向と同じである。
図1〜図7において、幅方向を矢印Wで示し、奥行方向を矢印Dで示し、上下方向を矢印Hで示す。
【0020】
図8に示すごとく、球払出装置1は、遊技機の本体枠7の裏面側に配設されている。本体枠7には、遊技盤と対向する領域に開口穴71が形成されている。本体枠7の裏面側においては、開口穴71に対する上方位置に、遊技球Rの貯留を行う球タンク72及びタンクレール73が配設されており、開口穴71に対する側方位置にタンクレール73に繋がる球流下部材74が配設されている。そして、球払出装置1は、球流下部材74の下端部に接続されている。
【0021】
図1に示すごとく、本例の球流路21は、樹脂製のケース2内に形成されており、球払出装置1を構成する下側スクリュー3、上側スクリュー4、スライド軸部5、駆動源55等は、ケース2内に収容されている。球流路21は、各遊技球R及び下側スクリュー3に加わる球圧を低減するために、奥行方向Dに蛇行して形成されている。球流路21は、遊技球Rを1列で流下させるよう1条の状態で形成されている。また、球流路21を形成するケース2の壁部の適宜箇所には、球流路21内での球詰り等を解消するためのメンテナンス穴が形成されている。
また、スライド軸部5は、下側係合部51と上側係合部52とを円柱状の連結シャフト53に配設してなる。スライド軸部5の連結シャフト53は、球流路21に対する奥行方向Dに隣接して、上下方向H(より詳しくは鉛直方向)に向けて配置されている。
【0022】
図2、図4に示すごとく、下側スクリュー3と上側スクリュー4との軸中心には、スライド軸部5の連結シャフト53を挿通するための挿通穴311、411が形成されている。そして、各スクリュー3、4は、連結シャフト53の外周に対して回転可能に配設されている。下側スクリュー3及び上側スクリュー4は、いずれもスライド軸部5と同軸状に配設されている。
また、下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、ケース2内に形成された適宜嵌合機構により、上下方向Hに移動しない状態で連結シャフト53の外周に対して回転可能に配設されている。
なお、図2、図3は、下側スクリュー3の周辺を示し、図4〜図6は、上側スクリュー4の周辺を示す。
【0023】
図1に示すごとく、スライド軸部5は、ケース2に対して上下方向Hにスライド可能に配設してある。下側係合部51は連結シャフト53の下端側に配設してあり、上側係合部52は連結シャフト53の上端側に配設してある。
下側係合部51は、下側スクリュー3に対して上側に対向する位置においてスライド軸部5に設けてあり、上側係合部52は、上側スクリュー4に対して下側に対向する位置においてスライド軸部5に設けてある。
【0024】
また、図2、図4に示すごとく、下側スクリュー3及び上側スクリュー4は、遊技球Rの球圧を受けた回転力の確保と球払出装置1の小型化との両立を図るため、螺旋状突起32、42を位相が180°ずれた状態で2条形成してなる。そして、各スクリュー3、4は、半回転するごとに1球ずつ遊技球Rを流下させる。
【0025】
ここで、螺旋状突起32、42を1条に形成すると、各スクリュー3、4の軸方向の長さを短く保つためには、その水平方向に対する螺旋状突起32、42が、2条に形成した場合と比較して、水平方向に近い傾斜角で形成されることとなる。これにより、水平方向に対する傾斜角があまり大きくとれなくなってしまう(鉛直方向の向きに大きく傾斜するように形成することができなくなる)ので、各スクリュー3、4を回転させるためには遊技球Rから各スクリュー3、4に対して加える球圧を過度に大きくする必要性が生じ、あまり適切ではない。
【0026】
一方、螺旋状突起32、42を3条に形成すると、螺旋状突起32、42同士の隙間に遊技球Rを入れる必要性により、条数が多くなることに比例して各スクリュー3、4の外周形状が大きくなる。これにより、球流路21を通過する遊技球Rと各スクリュー3、4(詳しくは各スクリュー3、4の中心部)との間の距離を大きくする必要が生じ、球払出装置1の寸法が大きくなってしまう。これらの理由より、螺旋状突起32、42を2条に形成することにより、各スクリュー3、4の回転力の確保と、球払出装置1の小型化との両立をバランスよく図ることができる。
【0027】
スライド軸部5は、図3、図5に示すごとく、駆動源55を動作させたときには、その磁気吸引力を受けて上方にスライドして上側係合部52を上側スクリュー4に係合させ、図2、図4に示すごとく、駆動源55の動作を解除したときには、当該スライド軸部5の自重、及び後述するねじりコイルばね57の付勢力によって、下方にスライドして下側係合部51を下側スクリュー3に係合させるよう構成されている。
【0028】
本例の駆動源55は、コイルに通電したときに磁気吸引力を発生させるよう構成したソレノイド55である。本例の球払出装置1は、ソレノイド55による磁気吸引力をその下方に配設した吸着回動部材56に作用させ、この吸着回動部材56を介してスライド軸部5を上下にスライドさせるよう構成されている。スライド軸部5は、図4、図5に示すごとく、その上端部に、吸着回動部材56に係合する端部材531を設けてなり、ソレノイド55の磁気吸引力を受けて吸着回動部材56が回動するときに、端部材531を介して持ち上げられる。
【0029】
図4、図5に示すごとく、ソレノイド55は、コイルの中心部に鉄心を配置し、コイルと鎖交する磁束を鉄心に作用させて磁気吸引力を生じさせるものである。また、ソレノイド55の下方には、磁気吸引力を強化するための磁石551が配設してある。吸着回動部材56は、幅方向Wに回動軸線を設けた回動支点部562によって回動可能に配設した本体部561に対し、ソレノイド55の磁気吸引力を受けて磁石551に吸着する金属配置部563と、スライド軸部5の端部材531に設けた係合突起532に係合する挟持係合部564とを設けてなる。挟持係合部564は、係合突起532を挟み込むように構成されている。
【0030】
図4に示すごとく、吸着回動部材56は、ねじりコイルばね57によって、ソレノイド55から離れる方向としての下方に回動付勢されている。
下側係合部51が下側スクリュー3に係合して、下側スクリュー3の回転が停止された原位置(下方位置501)においては、ソレノイド55が磁気吸引力を発生させておらず、吸着回動部材56は、ねじりコイルばね57によって付勢されて下方に回動した位置にある。
【0031】
図5に示すごとく、ソレノイド55におけるコイルに通電を行って、ソレノイド55が磁気吸引力を発生させたときには、吸着回動部材56が、ねじりコイルばね57の付勢力に抗してソレノイド55に吸着され、挟持係合部564によってスライド軸部5が持ち上げられる。
駆動源55は、スライド軸部5を、図2に示すごとく、下側係合部51が下側スクリュー3の回転を停止させる下方位置501と、図5に示すごとく、上側係合部52が上側スクリュー4の回転を停止させる上方位置502とに交互にスライドさせるよう構成してある。
【0032】
図2、図4に示すごとく、スライド軸部5の連結シャフト53は、ケース2に設けた軸受穴24によって支持されている。スライド軸部5の下側係合部51及び上側係合部52には、それぞれ回止め突起515、525が設けてあり、この回止め突起515、525は、図6に示すごとく、ケース2に設けたガイド25の間に配置されて回り止めが行われる。
【0033】
図2、図4に示すごとく、下側スクリュー3と上側スクリュー4とにおける螺旋状突起32、42の形成方向は互いに逆になっている。すなわち、下側スクリュー3の螺旋状突起32が、時計回りに回転して下方へ進む螺旋を形成しているのに対し、上側スクリュー4の螺旋状突起42は、反時計回りに回転して下方へ進む螺旋を形成している。
図2、図3に示すごとく、下側スクリュー3は、遊技球Rの自重落下による球圧を受けて、上から見て時計回りに回転するよう構成されており、下側係合部51は、スライド軸部5の下降によって、下側スクリュー3の下側被係止爪33を係止するよう構成されている。また、図4、図5に示すごとく、上側スクリュー4は、遊技球Rの自重落下による球圧を受けて、上から見て反時計回りに回転するよう構成されており、上側係合部52は、スライド軸部5の上昇によって、上側スクリュー4の上側被係止爪43に係合するよう構成されている。
【0034】
図2、図3に示すごとく、下側スクリュー3は、その上端部に下側被係止爪33を形成してなり、下側係合部51は、その下端部に下側被係止爪33に係合する下側係止爪511を形成してなる。図4、図5に示すごとく、上側スクリュー4は、その下端部に上側被係止爪43を形成してなり、上側係合部52は、その上端部に上側被係止爪43に係合する上側係止爪521を形成してなる。
球払出装置1は、図2、図4に示すごとく、スライド軸部5が下方へスライドしたときには、下側係合部51の下側係止爪511が上方から下側スクリュー3の下側被係止爪33を係止して、下側スクリュー3の回転を停止し、一方、図3、図5に示すごとく、スライド軸部5が上方へスライドしたときには、上側係合部52の上側係止爪521が下方から上側スクリュー4の上側被係止爪43を係止して、上側スクリュー4の回転を停止するよう構成されている。
【0035】
図2、図3に示すごとく、下側スクリュー3の下側被係止爪33は、軸部31の上端部において、2条の螺旋状突起32の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
下側係合部51の下側係止爪511は、連結シャフト53の下方位置において、2条の螺旋状突起32の形成及び2箇所の下側被係止爪33の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
【0036】
各下側被係止爪33は、周方向の一方側に、下側スクリュー3が回転するときに下側係合部51の下側係止爪511に引っ掛かる停止端面331を有し、周方向の他方側に、下側係止爪511を滑らせる傾斜面332を有している。下側係止爪511は、周方向の他方側に下側被係止爪33の停止端面331と対面する垂直端面512を有し、周方向の一方側に、下側被係止爪33を滑らせる傾斜面513を有している。
下側スクリュー3の回転が停止する回転停止位置は、下側スクリュー3における停止端面331が下側係合部51における垂直端面512に引っ掛かる位置として形成される。
【0037】
下側スクリュー3の回転を停止させるために、駆動源55の動作を解除して、スライド軸部5を自重、及びねじりコイルばね57の付勢力によって下方へスライドさせた際に、下側係合部51の下側係止爪511が一方の下側被係止爪33の傾斜面332又は上端部の表面に当接したときには、下側係合部51の下側係止爪511がこれらの表面を滑り、他方の下側被係止爪33の停止端面331に下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が当接するまで下側スクリュー3が回転して停止する。
【0038】
図4、図5に示すごとく、上側スクリュー4の上側被係止爪43は、軸部41の下端部において、2条の螺旋状突起42の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
上側係合部52の上側係止爪521は、連結シャフト53の上方位置において、2条の螺旋状突起42の形成及び2箇所の上側被係止爪43の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
【0039】
各上側被係止爪43は、周方向の他方側に、上側スクリュー4が回転するときに上側係合部52の上側係止爪521に引っ掛かる停止端面431を有し、周方向の一方側に、上側係止爪521を滑らせる傾斜面432を有している。上側係止爪521は、周方向の一方側に上側被係止爪43の停止端面431と対面する垂直端面522を有し、周方向の他方側に、上側被係止爪43を滑らせる傾斜面523を有している。
上側スクリュー4の回転が停止する回転停止位置は、上側スクリュー4における停止端面431が上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522に引っ掛かる位置として形成される。
【0040】
上側スクリュー4の回転を停止させるために駆動源55によってスライド軸部5を上方へ持ち上げるようにスライドさせた際に、上側係合部52の上側係止爪521が一方の上側被係止爪43の傾斜面432又は下端部の表面に当接したときには、上側係合部52の上側係止爪521がこれらの表面を滑り、他方の上側被係止爪43の停止端面431に上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522が当接するまで上側スクリュー4が回転して停止する。
また、下側スクリュー3の回転及び上側スクリュー4の回転を停止させる回転停止位置は、螺旋状突起32、42の上流側端部と球流路21の壁面とによって上流から流下してくる遊技球Rを挟み込むおそれがある回転位置(球がみを生ずるおそれがある回転位置)を避けた位置に設定してある。
【0041】
本例においては、各係合部51、52に形成された各係止爪511、521の形状、及び各スクリュー3、4に形成された各被係止爪33、43の形状に特徴を持たせることにより、各スクリュー3、4が遊技球Rを挟み込むおそれがある回転位置で停止しないようにしている。具体的には、各係止爪511、521の突出形状を各傾斜面513、523により、略山形状に(換言すれば略テーパー状に)変化させており、また、各被係止爪33、43の突出形状も各傾斜面332、432により、略山形状に(換言すれば略テーパー状に)変化させている。
【0042】
各係止爪511、521の各垂直端面512、522と、各被係止爪33、43の停止端面331、431とが係合(当接)するようにスライド軸部5をスライド移動させるときには、ソレノイド55の磁気吸引力、又は、スライド軸部5の自重及びねじりコイルばね57の付勢力という作用力(スライド移動力)がそれぞれに働く。
そして、各垂直端面512、522と各停止端面331、431とが係合(当接)する過程において、各スクリュー3、4の停止位置の状況によっては、各係止爪511、521の各傾斜面513、523と各被係止爪33、43の各傾斜面332、432とが上記作用力を受けて当接しながら係合するような場合が発生する。このときには、各係止爪511、521の各傾斜面513、523と各被係止爪33、43の各傾斜面332、432との当接により、各スクリュー3、4が強制的に若干回転移動することとなる。
【0043】
この若干の強制的な回転動作により、仮に各スクリュー3、4が本来目的とする正規の回転停止位置ではない位置(上記球がみが発生する危険性のある停止位置であり、上記状況として想定される停止位置)で停止していたとしても、各スクリュー3、4を、その位置から強制的に停止位置を変更させて正規の停止位置まで回転移動させることができる。
これにより、各スクリュー3、4が、上記球がみが発生する危険性のある領域で停止してしまうことを回避し、正規の回転停止位置まで回転移動した後、適切に停止するようにすることができる。
【0044】
なお、各係止爪511、521の各傾斜面513、523と、上記各被係止爪33、43の各傾斜面332、432とが当接しながら係合する構成は、スライド軸部5を上方へスライド移動させて下側スクリュー3の下側被係止爪33に対する下側係合部51の係合状態を解除して球流路21内の遊技球Rを払い出した後に、スライド軸部5を下方にスライド移動させて、再度、下側係合部51を下側スクリュー3の下側被係止爪33に対して係合させるときに特に有効である。
【0045】
すなわち、上記払出終了状態においては、下側スクリュー3は遊技球Rの自由落下によって回転する構造になっているので、球流路21内の全ての遊技球Rの払出が終わった後、どのような状態で下側スクリュー3が停止するのかが正確には認識(制御)されない構造になっている。これに対し、上記係合構造を用いることにより、下側係合部51との係合による下側スクリュー3の回転停止位置を適切な位置に規制することができる。これにより、球流路21内を下方へ流下する遊技球Rが、回転停止状態にある下側スクリュー3と不適切に嵌合(球がみ)することを確実に防止することができる。
【0046】
図7に示すごとく、球払出装置1は、スライド軸部5が下方位置501と上方位置502とにスライドする(切り換わる)過程において、下側係合部51が下側スクリュー3に係合する状態と、上側係合部52が上側スクリュー4に係合する状態とが同時に形成されるよう構成されている。
同図においては、このスライド軸部5が下方位置501と上方位置502とに切り換わる過程における下側係合部51と上側係合部52を示す。そして、球皿への遊技球Rの払出を行う際に、下側スクリュー3に対して下側係合部51が係合する状態が解除される瞬間に、下側スクリュー3及び上側スクリュー4のいずれもが遊技球Rの流下を許容してしまう状態が形成されることを防止する。
【0047】
図7に示すごとく、スライド軸部5の下方位置501において、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331に当接する状態で、駆動源55によってスライド軸部5が若干上昇したときには、上記当接が行われたままで、上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431への上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522の当接が開始する。詳しくは、上側係止爪521の垂直端面522が、上側被係止爪43の停止端面431に対向する位置(領域)に、停止端面431と若干の空隙を有して配置される。
すなわち、スライド軸部5が下方位置501と上方位置502との間で昇降する間においては、下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331への下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512の当接と、上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431への上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522の当接とが同時に行われるスライド軸部5の昇降範囲が設定されている。
【0048】
また、上記係合構造によって、上側スクリュー4が停止(静止)したスクリューの動きの安定状態において、その安定状態を利用して上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522を、上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431へ向けて進入させることができる。そのため、より確実に安定した係合動作を構築することができる。
【0049】
図2、図3に示すごとく、ケース2における球流路21の下端部には、下側スクリュー3を回転させて流下した遊技球Rを検出する払出検出スイッチ23が配設してある。
ケース2における球流路21の下端部近傍には、球流路21内の遊技球Rを球皿へ導かずに排出するための球抜き流路22が隣接して形成してある。また、球流路21と球抜き流路22との間の壁部には、開口部26が形成されており、開口部26の周辺には、開口部26を開放状態と閉鎖状態とに切り換える球抜き弁6が配設されている。球抜き弁6は、通常は、原位置(閉鎖位置)において球流路21の一部を形成している。
【0050】
また、本例の球抜き弁6は、幅方向Wにスライド可能であり、幅方向Wの一方位置(閉鎖位置)に固定したときに、流路形成部61によって球流路21の一部を形成し、幅方向Wの他方位置(開放位置)にスライドさせたときに、流路形成部61を開口部26から退避させて、別途球抜き弁6に形成された流下案内部62によって払出検出スイッチ23の上流側を閉じると共に遊技球Rの球抜き流路22への流下案内を行う。流下案内部62の上面は、球流路21の側から球抜き流路22の側に向けて下降傾斜して形成してあり、球抜き弁6を他方位置へとスライドさせたときには、流下案内部62が球流路21内に進入し、流下案内部62の上面によって球流路21から球抜き流路22へ遊技球Rが流下する経路を形成することができる。また、球抜き弁6には、作業者が操作する操作部63が設けてある。
【0051】
本例の球払出装置1は、球流路21内に貯留した所定数(本例では25球。この球数は、通常遊技球を貸球として払い出すときに一定数としてまとめて払い出される球数であり、一定数として払い出される頻度の高い球数である。)の遊技球Rを連続して払い出すよう構成されている。また、25球よりも多い数の遊技球Rを球皿へ払い出すときには、駆動源55によるスライド軸部5の上下方向Hへのスライド動作を繰り返すよう構成されている。
なお、球払出装置1を制御する制御装置は、球流路21内に貯留した所定数(25球)よりも少ない数の遊技球R(例えば3球、15球等。この球数は、入賞装置に遊技球が入賞したときに、賞球として払い出される球数である。)を球皿へ払い出すときには、払出検出スイッチ23による検出信号を受信し、適宜タイミングで駆動源55への通電状態を遮断して、下側スクリュー3の回転を停止させることができる。
【0052】
次に、本例の球払出装置1の動作につき説明する。
球流路21内に遊技球Rが貯留されていない初期段階においては、図2、図4に示すごとく、スライド軸部5が下方位置501にあり、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331を係止して、下側スクリュー3の回転が停止されている。一方、この下方位置501においては、上側係合部52の上側係止爪521が上側スクリュー4の上側被係止爪43から離れており、上側スクリュー4は遊技球Rの球圧を受けて自由に回転できる状態にある。そして、球流路21内に所定数の遊技球Rが貯留される。
【0053】
次いで、貸球又は賞球の際に、球皿へ所定数の遊技球Rを払い出すときには、図5に示すごとく、駆動源(ソレノイド)55を動作させ、吸着回動部材56を介してスライド軸部5を下方位置501から上方位置502へスライドさせる。このとき、スライド軸部5がスライドする過程において、一旦は、下側スクリュー3及び上側スクリュー4の両方の回転が停止される状態が形成された後、スライド軸部5が上方位置502に切り換わる。
そして、スライド軸部5が上方位置502に切り換わり、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331から離れ、下側スクリュー3が遊技球Rの球圧を受けて自由に回転できる状態になる。一方、この上方位置502においては、上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522が上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431を係止して、上側スクリュー4の回転が停止される。
【0054】
こうして、球流路21内に貯留された所定数の遊技球Rを高速で球皿へ払い出すことができると共に、この払出を行う最中に、球流路21内へ他の遊技球Rが流下してしまうことを防止することができる。また、上側スクリュー4によって球流路21内へ遊技球Rが流下することを防止することにより、払出の停止を行うタイミング(駆動源55によってスライド軸部5をスライドさせるタイミング)を考慮することなく、極めて迅速に球流路21内の遊技球Rを払い出すことができる。
また、仮に、遊技球Rの払出を行う最中に、駆動源55の故障等によってスライド軸部5を上方へスライドさせることができなくなったときでも、スライド軸部5の自重、及びねじりコイルばね57の付勢力によってスライド軸部5が下方へスライド移動する(下方位置501に位置される)ので、下側スクリュー3の回転が停止されることとなり、不要な数の遊技球Rが誤って球皿へ流下してしまうことを防止することができる。
【0055】
次いで、球流路21内の遊技球Rの払出を行った後には、図4に示すごとく、駆動源55の動作を解除する。これにより、吸着回動部材56が、スライド軸部5の自重及びねじりコイルばね57の付勢力を受けて下方へ回動し、スライド軸部5が上方位置502から下方位置501へスライドする。このとき、スライド軸部5がスライドする過程において、一旦は、下側スクリュー3及び上側スクリュー4の両方の回転が停止される状態が形成された後、スライド軸部5が下方位置501に切り換わる。
【0056】
そして、図4に示すごとく、スライド軸部5が下方位置501に切り換わり、上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522が上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431から離れ、上側スクリュー4が遊技球Rの球圧を受けて自由に回転できる状態になる。一方、この下方位置501においては、図2に示すごとく、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331を係止して、下側スクリュー3の回転が停止される。
これにより、上側スクリュー4が遊技球Rの球圧を受けて自由に回転し、球払出装置1の上流側から球流路21へ所定数の遊技球Rを貯留することができる。
【0057】
上述したように、本例の遊技機の球払出装置1においては、球流路21から球皿への遊技球Rの払出を行う状態と、球流路21から球皿への遊技球Rの払出を停止させる状態とを形成する際に、駆動源55によってスライド軸部5を回動させ、下側スクリュー3及び上側スクリュー4の自由回転の許容及び停止の制御を行う。
そして、下側スクリュー3は、球流路21内の遊技球Rが払い出されるときには、最も下流側の遊技球Rが下側スクリュー3に接触した状態にある。また、下側スクリュー3は同じ位置で回転するため、球流路21内に下側スクリュー3が出入することがなく、下側スクリュー3の回転の許容及び回転の停止を行うだけで、遊技球Rの流下及び流下の停止を行うことができる。これにより、球流路21内の所定数の遊技球Rの払出を行う途中において、この払出を停止させようとしたときには、下側スクリュー3が遊技球Rに引っ掛かってしまうことがなく(球がみを生じることなく)、確実に遊技球Rの払出を停止させることができる。
【0058】
また、上記上側スクリュー4と下側スクリュー3の状態の変化は、1つの駆動源55によって、下側スクリュー3に係合する下側係合部51と上側スクリュー4に係合する上側係合部52とを設けたスライド軸部5を可動させることによって行うことができる。これにより、球払出装置1において駆動源55が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置1の小型化を図ることができる。
【0059】
また、上述したように、下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、スライド軸部5の軸線を中心に回転するよう配設してある。これにより、球払出装置1において各スクリュー3、4及びスライド軸部5が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置1の小型化を図ることができる。
また、下側スクリュー3と上側スクリュー4との回転の許容及び停止は、1つの駆動源55によって、下側係合部51と上側係合部52とを設けたスライド軸部5をスライドさせることによって行うことができる。これにより、球払出装置1において駆動源55が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置1の小型化を図ることができる。
【0060】
また、本例の球払出装置1は、下側スクリュー3及び上側スクリュー4のいずれもをスクリューから構成し、これらに対してスライド軸部5の下側係合部51及び上側係合部52を係合させる構造にした。また、球流路21を1条に形成し、この1条の幅の球流路21の幅寸法の範囲内に、各スクリュー3、4、スライド軸部5、駆動源55等の各構成部品を収容している。これにより、球払出装置1の幅寸法(幅方向Wの寸法)を縮小し、本体枠7の開口穴71を拡大して、遊技盤における遊技領域として使用するスペースを拡大することができる。
【0061】
それ故、本例の遊技機の球払出装置1によれば、所定数の遊技球Rの払出を行う際に確実に遊技球Rの払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる。
【0062】
なお、上下の各スクリュー3、4と係合するスライド軸部5の形状及びその係合構造は、本例のような連結シャフト53とその上下に形成された爪形状を有する各係合部51、52との構造以外にも、上下の各スクリュー3、4が、交互に遊技球Rの流下の許容及び停止を行うことが可能な構成であれば、どのような形状及び係合構造にすることもできる。
また、上下の各スクリュー3、4は、螺旋状突起32、42を1条で形成することができ、また、3条以上で形成することもできる。
【0063】
駆動源55としては、本例のような吸着回動部材56を用いたソレノイドの他にも、スライド移動方式のアクチュエータを有するプランジャ式のソレノイドを用いることができる。また、駆動源55として、ソレノイドを用いる以外にも、モータ等の他の駆動機構を用いることもできる。
また、連結シャフト53は、上下方向Hに向けて配置する以外にも、斜め方向(鉛直方向に対して、30〜45°傾いた方向等)に向けて配置することもできる。この場合、この連結シャフト53の傾斜に合わせて、下側スクリュー3と上側スクリュー4との中心軸線の方向も斜め方向に向くようにすることができる。
【0064】
(実施例2)
本例の球払出装置1は、上側スクリュー4の回転を停止させる上側係合部52の構造が上記実施例1とは異なる例である。
図9に示すごとく、本例の上側スクリュー4の上側被係止爪43は、上側スクリュー4の下端部において、周方向に等間隔に複数形成してある。また、各上側被係止爪43は、周方向の両側に傾斜面434を有する山形形状に形成してある。
また、本例の上側係合部52の上側係止爪521は、円筒形状に形成した上側係合部52の上端部において、周方向に等間隔に複数形成してある。また、各上側係止爪521は、周方向の両側に傾斜面524を有する山形形状に形成してある。
【0065】
上側係合部52は、スライド軸部5(連結シャフト53)に固定した固定部58に対して、圧縮バネ59を介してスライド可能に配置されていると共に、その上端部に、上側スクリュー4に形成した上側被係止爪(被係合端部)43に係合する上側係止爪(係合端部)521を有している。
本例の圧縮バネ59は、連結シャフト53に固定した固定部58の上側に配置してあり、固定部58及び圧縮バネ59は、上側係合部52の中心に形成した中空穴526内に配置されている。円柱形状に形成した固定部58には、外周側へ突出する鍔部581が形成してあり、上側係合部52には、鍔部581に係止される被係止部527が設けてある。
また、図示は省略するが、固定部58と上側係合部52とに設けた形状によって、連結シャフト53及び固定部58に対する上側係合部52の回り止めが行われている。
【0066】
本例においては、遊技球Rの払出を行う際に、駆動源55によってスライド軸部5を上方位置502へスライドさせるときに、図10に示すごとく、上側係止爪521の先端が上側被係止爪43の先端に当接してこれらが係合しない状態が発生したとしても、圧縮バネ59が圧縮されて、スライド軸部5の連結シャフト53の上方位置502へのスライドが許容される。
つまり、圧縮バネ59がダンパ(緩衝)機能として働くように構成されている。これにより、上側係止爪521と上側被係止爪43とが適切に係合しない状態が発生したとしても、下側スクリュー3の係合状態が適切に解除され、遊技球Rの払出が行われる。そして、遊技球Rの払出により、最終的には、流下する遊技球Rによって上側スクリュー4の回転が開始されることとなり、その結果、上記不適切な係合しない状態が解除される。その後、この不適切な係合しない状態が解除された瞬間に、図11に示すごとく、圧縮された圧縮バネ59の弾性回復力によって、上側係止爪521を強制的に上側被係止爪43に係合させることができる。
【0067】
これにより、遊技球Rの払出を行う際に、上側係合部52が上側スクリュー4に適切に係合せず、払出に不具合が発生しようとしたとしても、下側スクリュー3の係合状態が適切に解除され、遊技球Rの払出を行うことができる。
本例においても、球払出装置1のその他の構成は、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 球払出装置
2 ケース
21 球流路
3 下側スクリュー
31 軸部
32 螺旋状突起
33 下側被係止爪
4 上側スクリュー
41 軸部
42 螺旋状突起
43 上側被係止爪(被係合端部)
5 スライド軸部
501 下方位置
502 上方位置
51 下側係合部
511 下側係止爪
52 上側係合部
521 上側係止爪(係合端部)
53 連結シャフト
55 駆動源(ソレノイド)
56 吸着回動部材
57 ねじりコイルばね
R 遊技球
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技機において賞球、貸球等の際に球皿へ遊技球の払出を行う球払出装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技機の球払出装置は、遊技において入賞があったときに、球皿へ所定数の遊技球を払い出すよう構成されている。球払出装置は、遊技球を保持する切欠部を周方向に複数設けた円盤状のスプロケットを用いて構成する場合、軸部の外周に螺旋状に設けた突起部によって遊技球を押し出すスクリューを用いて構成する場合等がある。
例えば、特許文献1のパチンコ球払出装置においては、パチンコ球供給樋の上流側に球止用ソレノイドを設けると共に、下流側に排出用ソレノイドを設け、球止用ソレノイドを作動させて後続のパチンコ球を球止めすると共に、排出用ソレノイドを作動させて球止用ソレノイドより下方のパチンコ球を排出することが開示されている。このパチンコ球払出装置においては、ソレノイドの消磁方向を、パチンコ球により球圧が加わる方向にしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−14894号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のパチンコ球払出装置においては、パチンコ球供給樋の上流側及び下流側において、いずれもソレノイドに設けたストッパーをパチンコ球供給樋内に対して突出・退避させて遊技球の流下・停止を制御する。そのため、ストッパーが突出するタイミングによっては、遊技球の流下を確実に停止できないおそれがある。
また、パチンコ球供給樋の上流側及び下流側において、それぞれソレノイドを配設しているため、ソレノイドが占めるスペースが増大し、パチンコ球払出装置の小型化を図るためには十分ではない。
なお、特許文献1においては、パチンコ球の流下を制御する一対のソレノイド以外にも、駆動モーター及びリードスクリューを用いた払出装置を用いている。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、所定数の遊技球の払出を行う際に確実に遊技球の払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる遊技機の球払出装置を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技球が流下する球流路と、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の下流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる下側スクリューと、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の上流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる上側スクリューと、
上記下側スクリューに係合する下側係合部と上記上側スクリューに係合する上側係合部とを有するスライド軸部と、
該スライド軸部をスライドさせる駆動源とを備え、
上記下側スクリューと上記上側スクリューとは、上記スライド軸部の軸線を中心に回転するよう配設してあり、
上記スライド軸部がスライド方向の一方位置にあるときには、上記下側係合部が、上記下側スクリューに係合して該下側スクリューの回転を停止し、上記スライド軸部がスライド方向の他方位置にあるときには、上記上側係合部が、上記上側スクリューに係合して該上側スクリューの回転を停止することを特徴とする遊技機の球払出装置にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機の球払出装置においては、球流路から球皿等への遊技球の払出を行う状態と、球流路から球皿等への遊技球の払出を停止させる状態とを形成する際に、駆動源によってスライド軸部をスライドさせ、下側スクリューと上側スクリューの回転の許容及び停止を行う。
遊技球の払出を停止しているときには、スライド軸部がスライド方向の一方位置にあり、下側係合部が下側スクリューの回転を停止させて、下側スクリューが遊技球の流下を停止している。この状態においては、上側係合部が上側スクリューの回転を停止させておらず、上側スクリューが遊技球の球圧を受けて自由に回転して、球流路内に上流側から遊技球を貯留することができる。
【0008】
一方、遊技球の払出を行うときには、駆動源を動作させ、スライド軸部をスライド方向の他方位置にスライドさせることにより、下側スクリューに対する下側係合部の係合状態が解除され、下側スクリューが遊技球の球圧を受けて自由に回転可能になる。この状態においては、上側係合部が上側スクリューの回転を停止させて、上側スクリューが遊技球の流下を停止する。これにより、球流路内に貯留した所定数の遊技球を、その自重による落下を利用して極めて高速に払い出すことができる一方、所定数以上の遊技球が誤って払い出されてしまうことを防止することができる。
【0009】
本発明において、球流路内の遊技球の流下を停止するために下側スクリューを用いており、球流路内の遊技球が払い出されるときには、最も下流側の遊技球が下側スクリューに接触した状態にある。また、球流路内に下側スクリューが出入することがなく、下側スクリューの回転の許容及び回転の停止を行うだけで、遊技球の流下及び流下の停止を行うことができる。これにより、球流路内の所定数の遊技球の払出を行う途中において、この払出を停止させようとしたときには、下側スクリューが遊技球に引っ掛かってしまうことがなく(球がみを生じることなく)、確実に遊技球の払出を停止させることができる。
【0010】
本発明においては、下側スクリューと上側スクリューとは、スライド軸部の軸線を中心に回転するよう配設してある。これにより、球払出装置において各スクリュー及びスライド軸部が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置の小型化を図ることができる。
また、上記下側スクリューと上側スクリューとの回転の許容及び停止は、1つの駆動源によって、下側スクリューに係合する下側係合部と上側スクリューに係合する上側係合部とを設けたスライド軸部をスライドさせることによって行うことができる。これにより、球払出装置において駆動源が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置の小型化を図ることができる。
【0011】
それ故、本発明の遊技機の球払出装置によれば、所定数の遊技球の払出を行う際に確実に遊技球の払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施例1における、球払出装置の全体を示す説明図。
【図2】実施例1における、球払出装置の下側スクリューの周辺を拡大して示す断面説明図。
【図3】実施例1における、球払出装置の下側スクリューの周辺を拡大して示す図で、駆動源が動作したときの状態を示す断面説明図。
【図4】実施例1における、球払出装置の上側スクリューの周辺を拡大して示す断面説明図。
【図5】実施例1における、球払出装置の上側スクリューの周辺を拡大して示す図で、駆動源が動作したときの状態を示す断面説明図。
【図6】実施例1における、球払出装置の上側スクリューの周辺を、図4の視認方向と直交する方向から見た状態で拡大して示す断面説明図。
【図7】実施例1における、球払出装置の下側スクリュー、上側スクリュー及びスライド軸部を、ケースを外した状態で示す説明図。
【図8】実施例1における、球払出装置を配設した本体枠を遊技機の裏面側から見た状態で示す説明図。
【図9】実施例2における、球払出装置の上側スクリュー及び上側係合部を、ケースを外した状態で示す説明図。
【図10】実施例2における、球払出装置の上側スクリュー及び上側係合部を、ケースを外した状態で示し、上側係止爪の先端が上側被係止爪の先端に当接した状態を示す説明図。
【図11】実施例2における、球払出装置の上側スクリュー及び上側係合部を、ケースを外した状態で示し、上側係止爪と上側被係止爪とが係合した状態を示す説明図。
【発明を実施するための形態】
【0013】
上述した本発明の遊技機の球払出装置における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記スライド軸部は、上記下側係合部と上記上側係合部とを円柱状の連結シャフトに配設してなり、上記上側スクリューと上記下側スクリューとは、上記連結シャフトの外周に対して回転可能に配設してあり、上記スライド方向の一方位置は下方位置であり、上記スライド方向の他方位置は上方位置であることが好ましい(請求項2)。
この場合には、各スクリューを連結シャフトに対して安定して回転させることができ、スライド軸部の自重と駆動源の駆動力とを利用してスライド軸部を上下にスライドさせることができる。
【0014】
また、上記駆動源は、上記スライド軸部を上記一方位置と上記他方位置とに交互にスライドさせるよう構成してあり、上記スライド軸部が上記一方位置と上記他方位置とにスライドする過程においては、上記上側係合部が上記上側スクリューに係合する状態と、上記下側係合部が上記下側スクリューに係合する状態とが同時に形成されることが好ましい(請求項3)。
この場合には、遊技球の払出を行う際に、下側スクリューに対して下側係合部が係合する状態が解除される瞬間に、下側スクリュー及び上側スクリューのいずれもが遊技球の流下を許容してしまう状態が形成されることを防止することができる。そのため、所定数以上の遊技球が球流路内に入ってしまい、所定数以上の遊技球を払い出してしまうことを確実に防止することができる。
【0015】
また、上記上側係合部は、上記スライド軸部に固定した筒形状の固定部に対して、圧縮バネを介して付勢されていると共に、上記上側スクリューに形成した被係合端部に係合する係合端部を有しており、上記スライド軸部が上記他方位置へスライドする際に、上記係合端部の先端が上記被係合端部の先端に当接してこれらが係合しない状態が発生したときには、上記圧縮バネが圧縮され、該圧縮された圧縮バネの弾性回復力によって上記係合端部を上記被係合端部に係合させることが好ましい(請求項4)。
この場合には、遊技球の払出を行う際に、仮に上側係合部が上側スクリューに適切に係合せず、払出に不具合が発生したとしても、圧縮バネが圧縮されてダンパ(緩衝)機能として働くように作用する。そのため、下側スクリューの係合状態が適切に解除されて、適切に遊技球の払出を行うことができる。
【0016】
また、上記駆動源は、コイルに通電したときに磁気吸引力を発生させるよう構成したプランジャ式のソレノイドであり、上記磁気吸引力によって上記スライド軸部を上方へ持ち上げるよう構成してあることが好ましい(請求項5)。
この場合には、スライド移動方式のアクチュエータであるプランジャによりスライド軸部を駆動することにより、スライド軸部のスライド駆動の応答速度を速くすることができ、スライド軸部のスライドをより適切に制御することができる。
【実施例】
【0017】
以下に、本発明の遊技機の球払出装置に係る実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例の遊技機の球払出装置1は、図1に示すごとく、遊技球Rが流下する球流路21と、外周に螺旋状突起32を形成してなる下側スクリュー3と、外周に螺旋状突起42を形成してなる上側スクリュー4と、下側スクリュー3に係合する下側係合部51と上側スクリュー4に係合する上側係合部52とを有するスライド軸部5と、スライド軸部5をスライドさせる駆動源55とを備えている。
【0018】
下側スクリュー3は、図2、図3に示すごとく、球流路21の下流位置において遊技球Rの自重落下による球圧を受けて回転可能な状態で配設されており、その回転を停止することによって遊技球Rの流下を停止させるよう構成されている。上側スクリュー4は、図4、図5に示すごとく、球流路21の上流位置において遊技球Rの自重落下による球圧を受けて回転可能な状態で配設されており、その回転を停止することによって遊技球Rの流下を停止させるよう構成されている。
下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、スライド軸部5の軸線を中心に回転するよう配設してある。球払出装置1は、図1、図2、図4に示すごとく、スライド軸部5がスライド方向の下方位置(一方位置)501にあるときには、下側係合部51が、下側スクリュー3に係合して下側スクリュー3の回転を停止し、図3、図5に示すごとく、スライド軸部5がスライド方向の上方位置(他方位置)502にあるときには、上側係合部52が、上側スクリュー4に係合して上側スクリュー4の回転を停止するよう構成されている。
【0019】
以下に、本例の遊技機の球払出装置1につき、図1〜図8を参照して詳説する。
図6に示すごとく、本例の球払出装置1は、遊技機において占める幅寸法を小さくするため、幅方向Wの形状が、遊技球Rの略1球分の幅に対して両側に一対の壁面を形成した幅に形成されている。球払出装置1によって払い出す遊技球Rは、遊技機の本体枠7の前面側に設けた球皿に導かれる。
なお、球払出装置1の幅方向Wとは、遊技機の左右方向に配置する方向をいい、球払出装置1の奥行方向Dとは、遊技機の前後方向に配置する方向をいう。また、球払出装置1の上下方向Hは遊技機の上下方向と同じである。
図1〜図7において、幅方向を矢印Wで示し、奥行方向を矢印Dで示し、上下方向を矢印Hで示す。
【0020】
図8に示すごとく、球払出装置1は、遊技機の本体枠7の裏面側に配設されている。本体枠7には、遊技盤と対向する領域に開口穴71が形成されている。本体枠7の裏面側においては、開口穴71に対する上方位置に、遊技球Rの貯留を行う球タンク72及びタンクレール73が配設されており、開口穴71に対する側方位置にタンクレール73に繋がる球流下部材74が配設されている。そして、球払出装置1は、球流下部材74の下端部に接続されている。
【0021】
図1に示すごとく、本例の球流路21は、樹脂製のケース2内に形成されており、球払出装置1を構成する下側スクリュー3、上側スクリュー4、スライド軸部5、駆動源55等は、ケース2内に収容されている。球流路21は、各遊技球R及び下側スクリュー3に加わる球圧を低減するために、奥行方向Dに蛇行して形成されている。球流路21は、遊技球Rを1列で流下させるよう1条の状態で形成されている。また、球流路21を形成するケース2の壁部の適宜箇所には、球流路21内での球詰り等を解消するためのメンテナンス穴が形成されている。
また、スライド軸部5は、下側係合部51と上側係合部52とを円柱状の連結シャフト53に配設してなる。スライド軸部5の連結シャフト53は、球流路21に対する奥行方向Dに隣接して、上下方向H(より詳しくは鉛直方向)に向けて配置されている。
【0022】
図2、図4に示すごとく、下側スクリュー3と上側スクリュー4との軸中心には、スライド軸部5の連結シャフト53を挿通するための挿通穴311、411が形成されている。そして、各スクリュー3、4は、連結シャフト53の外周に対して回転可能に配設されている。下側スクリュー3及び上側スクリュー4は、いずれもスライド軸部5と同軸状に配設されている。
また、下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、ケース2内に形成された適宜嵌合機構により、上下方向Hに移動しない状態で連結シャフト53の外周に対して回転可能に配設されている。
なお、図2、図3は、下側スクリュー3の周辺を示し、図4〜図6は、上側スクリュー4の周辺を示す。
【0023】
図1に示すごとく、スライド軸部5は、ケース2に対して上下方向Hにスライド可能に配設してある。下側係合部51は連結シャフト53の下端側に配設してあり、上側係合部52は連結シャフト53の上端側に配設してある。
下側係合部51は、下側スクリュー3に対して上側に対向する位置においてスライド軸部5に設けてあり、上側係合部52は、上側スクリュー4に対して下側に対向する位置においてスライド軸部5に設けてある。
【0024】
また、図2、図4に示すごとく、下側スクリュー3及び上側スクリュー4は、遊技球Rの球圧を受けた回転力の確保と球払出装置1の小型化との両立を図るため、螺旋状突起32、42を位相が180°ずれた状態で2条形成してなる。そして、各スクリュー3、4は、半回転するごとに1球ずつ遊技球Rを流下させる。
【0025】
ここで、螺旋状突起32、42を1条に形成すると、各スクリュー3、4の軸方向の長さを短く保つためには、その水平方向に対する螺旋状突起32、42が、2条に形成した場合と比較して、水平方向に近い傾斜角で形成されることとなる。これにより、水平方向に対する傾斜角があまり大きくとれなくなってしまう(鉛直方向の向きに大きく傾斜するように形成することができなくなる)ので、各スクリュー3、4を回転させるためには遊技球Rから各スクリュー3、4に対して加える球圧を過度に大きくする必要性が生じ、あまり適切ではない。
【0026】
一方、螺旋状突起32、42を3条に形成すると、螺旋状突起32、42同士の隙間に遊技球Rを入れる必要性により、条数が多くなることに比例して各スクリュー3、4の外周形状が大きくなる。これにより、球流路21を通過する遊技球Rと各スクリュー3、4(詳しくは各スクリュー3、4の中心部)との間の距離を大きくする必要が生じ、球払出装置1の寸法が大きくなってしまう。これらの理由より、螺旋状突起32、42を2条に形成することにより、各スクリュー3、4の回転力の確保と、球払出装置1の小型化との両立をバランスよく図ることができる。
【0027】
スライド軸部5は、図3、図5に示すごとく、駆動源55を動作させたときには、その磁気吸引力を受けて上方にスライドして上側係合部52を上側スクリュー4に係合させ、図2、図4に示すごとく、駆動源55の動作を解除したときには、当該スライド軸部5の自重、及び後述するねじりコイルばね57の付勢力によって、下方にスライドして下側係合部51を下側スクリュー3に係合させるよう構成されている。
【0028】
本例の駆動源55は、コイルに通電したときに磁気吸引力を発生させるよう構成したソレノイド55である。本例の球払出装置1は、ソレノイド55による磁気吸引力をその下方に配設した吸着回動部材56に作用させ、この吸着回動部材56を介してスライド軸部5を上下にスライドさせるよう構成されている。スライド軸部5は、図4、図5に示すごとく、その上端部に、吸着回動部材56に係合する端部材531を設けてなり、ソレノイド55の磁気吸引力を受けて吸着回動部材56が回動するときに、端部材531を介して持ち上げられる。
【0029】
図4、図5に示すごとく、ソレノイド55は、コイルの中心部に鉄心を配置し、コイルと鎖交する磁束を鉄心に作用させて磁気吸引力を生じさせるものである。また、ソレノイド55の下方には、磁気吸引力を強化するための磁石551が配設してある。吸着回動部材56は、幅方向Wに回動軸線を設けた回動支点部562によって回動可能に配設した本体部561に対し、ソレノイド55の磁気吸引力を受けて磁石551に吸着する金属配置部563と、スライド軸部5の端部材531に設けた係合突起532に係合する挟持係合部564とを設けてなる。挟持係合部564は、係合突起532を挟み込むように構成されている。
【0030】
図4に示すごとく、吸着回動部材56は、ねじりコイルばね57によって、ソレノイド55から離れる方向としての下方に回動付勢されている。
下側係合部51が下側スクリュー3に係合して、下側スクリュー3の回転が停止された原位置(下方位置501)においては、ソレノイド55が磁気吸引力を発生させておらず、吸着回動部材56は、ねじりコイルばね57によって付勢されて下方に回動した位置にある。
【0031】
図5に示すごとく、ソレノイド55におけるコイルに通電を行って、ソレノイド55が磁気吸引力を発生させたときには、吸着回動部材56が、ねじりコイルばね57の付勢力に抗してソレノイド55に吸着され、挟持係合部564によってスライド軸部5が持ち上げられる。
駆動源55は、スライド軸部5を、図2に示すごとく、下側係合部51が下側スクリュー3の回転を停止させる下方位置501と、図5に示すごとく、上側係合部52が上側スクリュー4の回転を停止させる上方位置502とに交互にスライドさせるよう構成してある。
【0032】
図2、図4に示すごとく、スライド軸部5の連結シャフト53は、ケース2に設けた軸受穴24によって支持されている。スライド軸部5の下側係合部51及び上側係合部52には、それぞれ回止め突起515、525が設けてあり、この回止め突起515、525は、図6に示すごとく、ケース2に設けたガイド25の間に配置されて回り止めが行われる。
【0033】
図2、図4に示すごとく、下側スクリュー3と上側スクリュー4とにおける螺旋状突起32、42の形成方向は互いに逆になっている。すなわち、下側スクリュー3の螺旋状突起32が、時計回りに回転して下方へ進む螺旋を形成しているのに対し、上側スクリュー4の螺旋状突起42は、反時計回りに回転して下方へ進む螺旋を形成している。
図2、図3に示すごとく、下側スクリュー3は、遊技球Rの自重落下による球圧を受けて、上から見て時計回りに回転するよう構成されており、下側係合部51は、スライド軸部5の下降によって、下側スクリュー3の下側被係止爪33を係止するよう構成されている。また、図4、図5に示すごとく、上側スクリュー4は、遊技球Rの自重落下による球圧を受けて、上から見て反時計回りに回転するよう構成されており、上側係合部52は、スライド軸部5の上昇によって、上側スクリュー4の上側被係止爪43に係合するよう構成されている。
【0034】
図2、図3に示すごとく、下側スクリュー3は、その上端部に下側被係止爪33を形成してなり、下側係合部51は、その下端部に下側被係止爪33に係合する下側係止爪511を形成してなる。図4、図5に示すごとく、上側スクリュー4は、その下端部に上側被係止爪43を形成してなり、上側係合部52は、その上端部に上側被係止爪43に係合する上側係止爪521を形成してなる。
球払出装置1は、図2、図4に示すごとく、スライド軸部5が下方へスライドしたときには、下側係合部51の下側係止爪511が上方から下側スクリュー3の下側被係止爪33を係止して、下側スクリュー3の回転を停止し、一方、図3、図5に示すごとく、スライド軸部5が上方へスライドしたときには、上側係合部52の上側係止爪521が下方から上側スクリュー4の上側被係止爪43を係止して、上側スクリュー4の回転を停止するよう構成されている。
【0035】
図2、図3に示すごとく、下側スクリュー3の下側被係止爪33は、軸部31の上端部において、2条の螺旋状突起32の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
下側係合部51の下側係止爪511は、連結シャフト53の下方位置において、2条の螺旋状突起32の形成及び2箇所の下側被係止爪33の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
【0036】
各下側被係止爪33は、周方向の一方側に、下側スクリュー3が回転するときに下側係合部51の下側係止爪511に引っ掛かる停止端面331を有し、周方向の他方側に、下側係止爪511を滑らせる傾斜面332を有している。下側係止爪511は、周方向の他方側に下側被係止爪33の停止端面331と対面する垂直端面512を有し、周方向の一方側に、下側被係止爪33を滑らせる傾斜面513を有している。
下側スクリュー3の回転が停止する回転停止位置は、下側スクリュー3における停止端面331が下側係合部51における垂直端面512に引っ掛かる位置として形成される。
【0037】
下側スクリュー3の回転を停止させるために、駆動源55の動作を解除して、スライド軸部5を自重、及びねじりコイルばね57の付勢力によって下方へスライドさせた際に、下側係合部51の下側係止爪511が一方の下側被係止爪33の傾斜面332又は上端部の表面に当接したときには、下側係合部51の下側係止爪511がこれらの表面を滑り、他方の下側被係止爪33の停止端面331に下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が当接するまで下側スクリュー3が回転して停止する。
【0038】
図4、図5に示すごとく、上側スクリュー4の上側被係止爪43は、軸部41の下端部において、2条の螺旋状突起42の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
上側係合部52の上側係止爪521は、連結シャフト53の上方位置において、2条の螺旋状突起42の形成及び2箇所の上側被係止爪43の形成に合わせて周方向に180°ずれた位置に2箇所形成されている。
【0039】
各上側被係止爪43は、周方向の他方側に、上側スクリュー4が回転するときに上側係合部52の上側係止爪521に引っ掛かる停止端面431を有し、周方向の一方側に、上側係止爪521を滑らせる傾斜面432を有している。上側係止爪521は、周方向の一方側に上側被係止爪43の停止端面431と対面する垂直端面522を有し、周方向の他方側に、上側被係止爪43を滑らせる傾斜面523を有している。
上側スクリュー4の回転が停止する回転停止位置は、上側スクリュー4における停止端面431が上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522に引っ掛かる位置として形成される。
【0040】
上側スクリュー4の回転を停止させるために駆動源55によってスライド軸部5を上方へ持ち上げるようにスライドさせた際に、上側係合部52の上側係止爪521が一方の上側被係止爪43の傾斜面432又は下端部の表面に当接したときには、上側係合部52の上側係止爪521がこれらの表面を滑り、他方の上側被係止爪43の停止端面431に上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522が当接するまで上側スクリュー4が回転して停止する。
また、下側スクリュー3の回転及び上側スクリュー4の回転を停止させる回転停止位置は、螺旋状突起32、42の上流側端部と球流路21の壁面とによって上流から流下してくる遊技球Rを挟み込むおそれがある回転位置(球がみを生ずるおそれがある回転位置)を避けた位置に設定してある。
【0041】
本例においては、各係合部51、52に形成された各係止爪511、521の形状、及び各スクリュー3、4に形成された各被係止爪33、43の形状に特徴を持たせることにより、各スクリュー3、4が遊技球Rを挟み込むおそれがある回転位置で停止しないようにしている。具体的には、各係止爪511、521の突出形状を各傾斜面513、523により、略山形状に(換言すれば略テーパー状に)変化させており、また、各被係止爪33、43の突出形状も各傾斜面332、432により、略山形状に(換言すれば略テーパー状に)変化させている。
【0042】
各係止爪511、521の各垂直端面512、522と、各被係止爪33、43の停止端面331、431とが係合(当接)するようにスライド軸部5をスライド移動させるときには、ソレノイド55の磁気吸引力、又は、スライド軸部5の自重及びねじりコイルばね57の付勢力という作用力(スライド移動力)がそれぞれに働く。
そして、各垂直端面512、522と各停止端面331、431とが係合(当接)する過程において、各スクリュー3、4の停止位置の状況によっては、各係止爪511、521の各傾斜面513、523と各被係止爪33、43の各傾斜面332、432とが上記作用力を受けて当接しながら係合するような場合が発生する。このときには、各係止爪511、521の各傾斜面513、523と各被係止爪33、43の各傾斜面332、432との当接により、各スクリュー3、4が強制的に若干回転移動することとなる。
【0043】
この若干の強制的な回転動作により、仮に各スクリュー3、4が本来目的とする正規の回転停止位置ではない位置(上記球がみが発生する危険性のある停止位置であり、上記状況として想定される停止位置)で停止していたとしても、各スクリュー3、4を、その位置から強制的に停止位置を変更させて正規の停止位置まで回転移動させることができる。
これにより、各スクリュー3、4が、上記球がみが発生する危険性のある領域で停止してしまうことを回避し、正規の回転停止位置まで回転移動した後、適切に停止するようにすることができる。
【0044】
なお、各係止爪511、521の各傾斜面513、523と、上記各被係止爪33、43の各傾斜面332、432とが当接しながら係合する構成は、スライド軸部5を上方へスライド移動させて下側スクリュー3の下側被係止爪33に対する下側係合部51の係合状態を解除して球流路21内の遊技球Rを払い出した後に、スライド軸部5を下方にスライド移動させて、再度、下側係合部51を下側スクリュー3の下側被係止爪33に対して係合させるときに特に有効である。
【0045】
すなわち、上記払出終了状態においては、下側スクリュー3は遊技球Rの自由落下によって回転する構造になっているので、球流路21内の全ての遊技球Rの払出が終わった後、どのような状態で下側スクリュー3が停止するのかが正確には認識(制御)されない構造になっている。これに対し、上記係合構造を用いることにより、下側係合部51との係合による下側スクリュー3の回転停止位置を適切な位置に規制することができる。これにより、球流路21内を下方へ流下する遊技球Rが、回転停止状態にある下側スクリュー3と不適切に嵌合(球がみ)することを確実に防止することができる。
【0046】
図7に示すごとく、球払出装置1は、スライド軸部5が下方位置501と上方位置502とにスライドする(切り換わる)過程において、下側係合部51が下側スクリュー3に係合する状態と、上側係合部52が上側スクリュー4に係合する状態とが同時に形成されるよう構成されている。
同図においては、このスライド軸部5が下方位置501と上方位置502とに切り換わる過程における下側係合部51と上側係合部52を示す。そして、球皿への遊技球Rの払出を行う際に、下側スクリュー3に対して下側係合部51が係合する状態が解除される瞬間に、下側スクリュー3及び上側スクリュー4のいずれもが遊技球Rの流下を許容してしまう状態が形成されることを防止する。
【0047】
図7に示すごとく、スライド軸部5の下方位置501において、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331に当接する状態で、駆動源55によってスライド軸部5が若干上昇したときには、上記当接が行われたままで、上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431への上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522の当接が開始する。詳しくは、上側係止爪521の垂直端面522が、上側被係止爪43の停止端面431に対向する位置(領域)に、停止端面431と若干の空隙を有して配置される。
すなわち、スライド軸部5が下方位置501と上方位置502との間で昇降する間においては、下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331への下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512の当接と、上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431への上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522の当接とが同時に行われるスライド軸部5の昇降範囲が設定されている。
【0048】
また、上記係合構造によって、上側スクリュー4が停止(静止)したスクリューの動きの安定状態において、その安定状態を利用して上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522を、上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431へ向けて進入させることができる。そのため、より確実に安定した係合動作を構築することができる。
【0049】
図2、図3に示すごとく、ケース2における球流路21の下端部には、下側スクリュー3を回転させて流下した遊技球Rを検出する払出検出スイッチ23が配設してある。
ケース2における球流路21の下端部近傍には、球流路21内の遊技球Rを球皿へ導かずに排出するための球抜き流路22が隣接して形成してある。また、球流路21と球抜き流路22との間の壁部には、開口部26が形成されており、開口部26の周辺には、開口部26を開放状態と閉鎖状態とに切り換える球抜き弁6が配設されている。球抜き弁6は、通常は、原位置(閉鎖位置)において球流路21の一部を形成している。
【0050】
また、本例の球抜き弁6は、幅方向Wにスライド可能であり、幅方向Wの一方位置(閉鎖位置)に固定したときに、流路形成部61によって球流路21の一部を形成し、幅方向Wの他方位置(開放位置)にスライドさせたときに、流路形成部61を開口部26から退避させて、別途球抜き弁6に形成された流下案内部62によって払出検出スイッチ23の上流側を閉じると共に遊技球Rの球抜き流路22への流下案内を行う。流下案内部62の上面は、球流路21の側から球抜き流路22の側に向けて下降傾斜して形成してあり、球抜き弁6を他方位置へとスライドさせたときには、流下案内部62が球流路21内に進入し、流下案内部62の上面によって球流路21から球抜き流路22へ遊技球Rが流下する経路を形成することができる。また、球抜き弁6には、作業者が操作する操作部63が設けてある。
【0051】
本例の球払出装置1は、球流路21内に貯留した所定数(本例では25球。この球数は、通常遊技球を貸球として払い出すときに一定数としてまとめて払い出される球数であり、一定数として払い出される頻度の高い球数である。)の遊技球Rを連続して払い出すよう構成されている。また、25球よりも多い数の遊技球Rを球皿へ払い出すときには、駆動源55によるスライド軸部5の上下方向Hへのスライド動作を繰り返すよう構成されている。
なお、球払出装置1を制御する制御装置は、球流路21内に貯留した所定数(25球)よりも少ない数の遊技球R(例えば3球、15球等。この球数は、入賞装置に遊技球が入賞したときに、賞球として払い出される球数である。)を球皿へ払い出すときには、払出検出スイッチ23による検出信号を受信し、適宜タイミングで駆動源55への通電状態を遮断して、下側スクリュー3の回転を停止させることができる。
【0052】
次に、本例の球払出装置1の動作につき説明する。
球流路21内に遊技球Rが貯留されていない初期段階においては、図2、図4に示すごとく、スライド軸部5が下方位置501にあり、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331を係止して、下側スクリュー3の回転が停止されている。一方、この下方位置501においては、上側係合部52の上側係止爪521が上側スクリュー4の上側被係止爪43から離れており、上側スクリュー4は遊技球Rの球圧を受けて自由に回転できる状態にある。そして、球流路21内に所定数の遊技球Rが貯留される。
【0053】
次いで、貸球又は賞球の際に、球皿へ所定数の遊技球Rを払い出すときには、図5に示すごとく、駆動源(ソレノイド)55を動作させ、吸着回動部材56を介してスライド軸部5を下方位置501から上方位置502へスライドさせる。このとき、スライド軸部5がスライドする過程において、一旦は、下側スクリュー3及び上側スクリュー4の両方の回転が停止される状態が形成された後、スライド軸部5が上方位置502に切り換わる。
そして、スライド軸部5が上方位置502に切り換わり、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331から離れ、下側スクリュー3が遊技球Rの球圧を受けて自由に回転できる状態になる。一方、この上方位置502においては、上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522が上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431を係止して、上側スクリュー4の回転が停止される。
【0054】
こうして、球流路21内に貯留された所定数の遊技球Rを高速で球皿へ払い出すことができると共に、この払出を行う最中に、球流路21内へ他の遊技球Rが流下してしまうことを防止することができる。また、上側スクリュー4によって球流路21内へ遊技球Rが流下することを防止することにより、払出の停止を行うタイミング(駆動源55によってスライド軸部5をスライドさせるタイミング)を考慮することなく、極めて迅速に球流路21内の遊技球Rを払い出すことができる。
また、仮に、遊技球Rの払出を行う最中に、駆動源55の故障等によってスライド軸部5を上方へスライドさせることができなくなったときでも、スライド軸部5の自重、及びねじりコイルばね57の付勢力によってスライド軸部5が下方へスライド移動する(下方位置501に位置される)ので、下側スクリュー3の回転が停止されることとなり、不要な数の遊技球Rが誤って球皿へ流下してしまうことを防止することができる。
【0055】
次いで、球流路21内の遊技球Rの払出を行った後には、図4に示すごとく、駆動源55の動作を解除する。これにより、吸着回動部材56が、スライド軸部5の自重及びねじりコイルばね57の付勢力を受けて下方へ回動し、スライド軸部5が上方位置502から下方位置501へスライドする。このとき、スライド軸部5がスライドする過程において、一旦は、下側スクリュー3及び上側スクリュー4の両方の回転が停止される状態が形成された後、スライド軸部5が下方位置501に切り換わる。
【0056】
そして、図4に示すごとく、スライド軸部5が下方位置501に切り換わり、上側係合部52の上側係止爪521の垂直端面522が上側スクリュー4の上側被係止爪43の停止端面431から離れ、上側スクリュー4が遊技球Rの球圧を受けて自由に回転できる状態になる。一方、この下方位置501においては、図2に示すごとく、下側係合部51の下側係止爪511の垂直端面512が下側スクリュー3の下側被係止爪33の停止端面331を係止して、下側スクリュー3の回転が停止される。
これにより、上側スクリュー4が遊技球Rの球圧を受けて自由に回転し、球払出装置1の上流側から球流路21へ所定数の遊技球Rを貯留することができる。
【0057】
上述したように、本例の遊技機の球払出装置1においては、球流路21から球皿への遊技球Rの払出を行う状態と、球流路21から球皿への遊技球Rの払出を停止させる状態とを形成する際に、駆動源55によってスライド軸部5を回動させ、下側スクリュー3及び上側スクリュー4の自由回転の許容及び停止の制御を行う。
そして、下側スクリュー3は、球流路21内の遊技球Rが払い出されるときには、最も下流側の遊技球Rが下側スクリュー3に接触した状態にある。また、下側スクリュー3は同じ位置で回転するため、球流路21内に下側スクリュー3が出入することがなく、下側スクリュー3の回転の許容及び回転の停止を行うだけで、遊技球Rの流下及び流下の停止を行うことができる。これにより、球流路21内の所定数の遊技球Rの払出を行う途中において、この払出を停止させようとしたときには、下側スクリュー3が遊技球Rに引っ掛かってしまうことがなく(球がみを生じることなく)、確実に遊技球Rの払出を停止させることができる。
【0058】
また、上記上側スクリュー4と下側スクリュー3の状態の変化は、1つの駆動源55によって、下側スクリュー3に係合する下側係合部51と上側スクリュー4に係合する上側係合部52とを設けたスライド軸部5を可動させることによって行うことができる。これにより、球払出装置1において駆動源55が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置1の小型化を図ることができる。
【0059】
また、上述したように、下側スクリュー3と上側スクリュー4とは、スライド軸部5の軸線を中心に回転するよう配設してある。これにより、球払出装置1において各スクリュー3、4及びスライド軸部5が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置1の小型化を図ることができる。
また、下側スクリュー3と上側スクリュー4との回転の許容及び停止は、1つの駆動源55によって、下側係合部51と上側係合部52とを設けたスライド軸部5をスライドさせることによって行うことができる。これにより、球払出装置1において駆動源55が占めるスペースを縮小することができ、球払出装置1の小型化を図ることができる。
【0060】
また、本例の球払出装置1は、下側スクリュー3及び上側スクリュー4のいずれもをスクリューから構成し、これらに対してスライド軸部5の下側係合部51及び上側係合部52を係合させる構造にした。また、球流路21を1条に形成し、この1条の幅の球流路21の幅寸法の範囲内に、各スクリュー3、4、スライド軸部5、駆動源55等の各構成部品を収容している。これにより、球払出装置1の幅寸法(幅方向Wの寸法)を縮小し、本体枠7の開口穴71を拡大して、遊技盤における遊技領域として使用するスペースを拡大することができる。
【0061】
それ故、本例の遊技機の球払出装置1によれば、所定数の遊技球Rの払出を行う際に確実に遊技球Rの払出を停止させることができると共に、装置の小型化を図ることができる。
【0062】
なお、上下の各スクリュー3、4と係合するスライド軸部5の形状及びその係合構造は、本例のような連結シャフト53とその上下に形成された爪形状を有する各係合部51、52との構造以外にも、上下の各スクリュー3、4が、交互に遊技球Rの流下の許容及び停止を行うことが可能な構成であれば、どのような形状及び係合構造にすることもできる。
また、上下の各スクリュー3、4は、螺旋状突起32、42を1条で形成することができ、また、3条以上で形成することもできる。
【0063】
駆動源55としては、本例のような吸着回動部材56を用いたソレノイドの他にも、スライド移動方式のアクチュエータを有するプランジャ式のソレノイドを用いることができる。また、駆動源55として、ソレノイドを用いる以外にも、モータ等の他の駆動機構を用いることもできる。
また、連結シャフト53は、上下方向Hに向けて配置する以外にも、斜め方向(鉛直方向に対して、30〜45°傾いた方向等)に向けて配置することもできる。この場合、この連結シャフト53の傾斜に合わせて、下側スクリュー3と上側スクリュー4との中心軸線の方向も斜め方向に向くようにすることができる。
【0064】
(実施例2)
本例の球払出装置1は、上側スクリュー4の回転を停止させる上側係合部52の構造が上記実施例1とは異なる例である。
図9に示すごとく、本例の上側スクリュー4の上側被係止爪43は、上側スクリュー4の下端部において、周方向に等間隔に複数形成してある。また、各上側被係止爪43は、周方向の両側に傾斜面434を有する山形形状に形成してある。
また、本例の上側係合部52の上側係止爪521は、円筒形状に形成した上側係合部52の上端部において、周方向に等間隔に複数形成してある。また、各上側係止爪521は、周方向の両側に傾斜面524を有する山形形状に形成してある。
【0065】
上側係合部52は、スライド軸部5(連結シャフト53)に固定した固定部58に対して、圧縮バネ59を介してスライド可能に配置されていると共に、その上端部に、上側スクリュー4に形成した上側被係止爪(被係合端部)43に係合する上側係止爪(係合端部)521を有している。
本例の圧縮バネ59は、連結シャフト53に固定した固定部58の上側に配置してあり、固定部58及び圧縮バネ59は、上側係合部52の中心に形成した中空穴526内に配置されている。円柱形状に形成した固定部58には、外周側へ突出する鍔部581が形成してあり、上側係合部52には、鍔部581に係止される被係止部527が設けてある。
また、図示は省略するが、固定部58と上側係合部52とに設けた形状によって、連結シャフト53及び固定部58に対する上側係合部52の回り止めが行われている。
【0066】
本例においては、遊技球Rの払出を行う際に、駆動源55によってスライド軸部5を上方位置502へスライドさせるときに、図10に示すごとく、上側係止爪521の先端が上側被係止爪43の先端に当接してこれらが係合しない状態が発生したとしても、圧縮バネ59が圧縮されて、スライド軸部5の連結シャフト53の上方位置502へのスライドが許容される。
つまり、圧縮バネ59がダンパ(緩衝)機能として働くように構成されている。これにより、上側係止爪521と上側被係止爪43とが適切に係合しない状態が発生したとしても、下側スクリュー3の係合状態が適切に解除され、遊技球Rの払出が行われる。そして、遊技球Rの払出により、最終的には、流下する遊技球Rによって上側スクリュー4の回転が開始されることとなり、その結果、上記不適切な係合しない状態が解除される。その後、この不適切な係合しない状態が解除された瞬間に、図11に示すごとく、圧縮された圧縮バネ59の弾性回復力によって、上側係止爪521を強制的に上側被係止爪43に係合させることができる。
【0067】
これにより、遊技球Rの払出を行う際に、上側係合部52が上側スクリュー4に適切に係合せず、払出に不具合が発生しようとしたとしても、下側スクリュー3の係合状態が適切に解除され、遊技球Rの払出を行うことができる。
本例においても、球払出装置1のその他の構成は、上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【符号の説明】
【0068】
1 球払出装置
2 ケース
21 球流路
3 下側スクリュー
31 軸部
32 螺旋状突起
33 下側被係止爪
4 上側スクリュー
41 軸部
42 螺旋状突起
43 上側被係止爪(被係合端部)
5 スライド軸部
501 下方位置
502 上方位置
51 下側係合部
511 下側係止爪
52 上側係合部
521 上側係止爪(係合端部)
53 連結シャフト
55 駆動源(ソレノイド)
56 吸着回動部材
57 ねじりコイルばね
R 遊技球
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球が流下する球流路と、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の下流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる下側スクリューと、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の上流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる上側スクリューと、
上記下側スクリューに係合する下側係合部と上記上側スクリューに係合する上側係合部とを有するスライド軸部と、
該スライド軸部をスライドさせる駆動源とを備え、
上記下側スクリューと上記上側スクリューとは、上記スライド軸部の軸線を中心に回転するよう配設してあり、
上記スライド軸部がスライド方向の一方位置にあるときには、上記下側係合部が、上記下側スクリューに係合して該下側スクリューの回転を停止し、上記スライド軸部がスライド方向の他方位置にあるときには、上記上側係合部が、上記上側スクリューに係合して該上側スクリューの回転を停止することを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機の球払出装置において、上記スライド軸部は、上記下側係合部と上記上側係合部とを円柱状の連結シャフトに配設してなり、
上記上側スクリューと上記下側スクリューとは、上記連結シャフトの外周に対して回転可能に配設してあり、
上記スライド方向の一方位置は下方位置であり、上記スライド方向の他方位置は上方位置であることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機の球払出装置において、上記駆動源は、上記スライド軸部を上記一方位置と上記他方位置とに交互にスライドさせるよう構成してあり、
上記スライド軸部が上記一方位置と上記他方位置とにスライドする過程においては、上記上側係合部が上記上側スクリューに係合する状態と、上記下側係合部が上記下側スクリューに係合する状態とが同時に形成されることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機の球払出装置において、上記上側係合部は、上記スライド軸部に固定した筒形状の固定部に対して、圧縮バネを介して付勢されていると共に、上記上側スクリューに形成した被係合端部に係合する係合端部を有しており、
上記スライド軸部が上記他方位置へスライドする際に、上記係合端部の先端が上記被係合端部の先端に当接してこれらが係合しない状態が発生したときには、上記圧縮バネが圧縮され、該圧縮された圧縮バネの弾性回復力によって上記係合端部を上記被係合端部に係合させることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機の球払出装置において、上記駆動源は、コイルに通電したときに磁気吸引力を発生させるよう構成したプランジャ式のソレノイドであり、上記磁気吸引力によって上記スライド軸部を上方へ持ち上げるよう構成してあることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項1】
遊技球が流下する球流路と、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の下流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる下側スクリューと、
外周に螺旋状の突起を形成してなると共に上記球流路の上流位置において遊技球の球圧を受けて回転可能な状態で配設され、該回転を停止することによって遊技球の流下を停止させる上側スクリューと、
上記下側スクリューに係合する下側係合部と上記上側スクリューに係合する上側係合部とを有するスライド軸部と、
該スライド軸部をスライドさせる駆動源とを備え、
上記下側スクリューと上記上側スクリューとは、上記スライド軸部の軸線を中心に回転するよう配設してあり、
上記スライド軸部がスライド方向の一方位置にあるときには、上記下側係合部が、上記下側スクリューに係合して該下側スクリューの回転を停止し、上記スライド軸部がスライド方向の他方位置にあるときには、上記上側係合部が、上記上側スクリューに係合して該上側スクリューの回転を停止することを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機の球払出装置において、上記スライド軸部は、上記下側係合部と上記上側係合部とを円柱状の連結シャフトに配設してなり、
上記上側スクリューと上記下側スクリューとは、上記連結シャフトの外周に対して回転可能に配設してあり、
上記スライド方向の一方位置は下方位置であり、上記スライド方向の他方位置は上方位置であることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機の球払出装置において、上記駆動源は、上記スライド軸部を上記一方位置と上記他方位置とに交互にスライドさせるよう構成してあり、
上記スライド軸部が上記一方位置と上記他方位置とにスライドする過程においては、上記上側係合部が上記上側スクリューに係合する状態と、上記下側係合部が上記下側スクリューに係合する状態とが同時に形成されることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項4】
請求項1〜3のいずれか一項に記載の遊技機の球払出装置において、上記上側係合部は、上記スライド軸部に固定した筒形状の固定部に対して、圧縮バネを介して付勢されていると共に、上記上側スクリューに形成した被係合端部に係合する係合端部を有しており、
上記スライド軸部が上記他方位置へスライドする際に、上記係合端部の先端が上記被係合端部の先端に当接してこれらが係合しない状態が発生したときには、上記圧縮バネが圧縮され、該圧縮された圧縮バネの弾性回復力によって上記係合端部を上記被係合端部に係合させることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【請求項5】
請求項1〜4のいずれか一項に記載の遊技機の球払出装置において、上記駆動源は、コイルに通電したときに磁気吸引力を発生させるよう構成したプランジャ式のソレノイドであり、上記磁気吸引力によって上記スライド軸部を上方へ持ち上げるよう構成してあることを特徴とする遊技機の球払出装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2012−11130(P2012−11130A)
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−153204(P2010−153204)
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(500077959)株式会社MRD (150)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年1月19日(2012.1.19)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年7月5日(2010.7.5)
【出願人】(500077959)株式会社MRD (150)
【Fターム(参考)】
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