説明

遊技機の遊技領域構造

【課題】遊技演出領域又は遊技球転動領域に配設する各種部品の配設自由度を向上させ、遊技の趣向性を向上させることができる遊技機の遊技領域構造を提供すること。
【解決手段】遊技機の遊技領域構造1は、遊技領域Aにおける右側領域と左側領域とのいずれか一方の領域を、遊技の演出を行うための遊技演出領域A1とし、他方の領域を、遊技球Bを進入させて遊技を行うための遊技球転動領域A2としている。遊技演出領域A1は、遊技領域Aにおける中央領域の一部を含むように形成してある。遊技球転動領域A2には、遊技球Bを入賞させる入賞装置4と、入賞装置4よりも上方において入賞装置4への遊技球Bの入賞・非入賞を振り分ける球流下振分け機構3と、が設けてある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、遊技球を発射させて遊技を行う遊技機の遊技領域構造に関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ遊技機等の遊技機の遊技盤上に形成される遊技領域においては、その中央部分に画像表示装置、可動演出装置等の遊技演出領域を形成し、その周囲に釘等を設けた遊技球転動領域を形成している。遊技球転動領域には、通常、始動口等として遊技球を入賞させる入賞装置と、入賞装置よりも上方において、入賞装置への遊技球の入賞・非入賞を振り分ける球流下振分け機構とが設けられている。
例えば、特許文献1のパチンコ遊技機においては、遊技面の中央部に、液晶ディスプレイからなる可変図柄表示部を配置し、この可変図柄表示部の下側には、始動口(始動入賞口)と、始動口に遊技球を導くための打球誘導部と、開閉扉を有する大入賞口と、アウト玉を取り込むためのアウト口とを、略縦一列に配置することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2000−51450号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の遊技機においては、釘等を配設した遊技球転動領域によって、遊技演出領域が上下又は左右に分断され、まとまったサイズの遊技演出領域を遊技領域に形成することは行われていない。そのため、遊技領域内に遊技演出領域を形成する自由度が低く、遊技の趣向性を向上させる工夫が必要とされる。
【0005】
本発明は、かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので、遊技演出領域又は遊技球転動領域に配設する各種部品の配設自由度を向上させ、遊技の趣向性を向上させることができる遊技機の遊技領域構造を提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、遊技機の遊技領域の構造であって、
該遊技領域における右側領域と左側領域とのいずれか一方の領域を、遊技の演出を行うための遊技演出領域とし、他方の領域を、遊技球を進入させて遊技を行うための遊技球転動領域とし、
上記遊技演出領域は、上記遊技領域における中央領域の一部を含むように形成してあり、
上記遊技球転動領域には、遊技球を入賞させる入賞装置と、該入賞装置よりも上方において該入賞装置への遊技球の入賞・非入賞を振り分ける球流下振分け機構と、を設けたことを特徴とする遊技機の遊技領域構造にある(請求項1)。
【発明の効果】
【0007】
本発明の遊技機の遊技領域構造においては、遊技領域を右側領域と左側領域とに分け、いずれか一方の領域を遊技演出領域とし、他方の領域を遊技球転動領域としている。また、遊技演出領域は、遊技領域における中央領域の一部を含むように形成しており、遊技球転動領域には、入賞装置と球流下振分け機構とを設けている。
【0008】
これにより、遊技領域の中央下部に、ステージ等の球流下振分け機構、始動口、球流下障害物等を設けた遊技球転動領域を形成する必要がない。また、中央領域を含む右側領域と左側領域とのいずれか一方に、従来にない極めて大きな遊技演出領域を形成することができる。また、これと併せて、右側領域と左側領域との他方に、入賞装置及び球流下振分け機構を設けたまとまったサイズの遊技球転動領域を形成することができる。また、入賞装置の上方に球流下振分け機構を設けたことにより、入賞装置への入賞具合に適度な期待感が持てるように構成することができるので、趣向性を有する遊技球転動領域を形成することができる。
それ故、本発明の遊技機の遊技領域構造によれば、遊技演出領域又は遊技球転動領域に配設する各種部品の配設自由度を向上させ、遊技の趣向性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】実施例1にかかる、遊技機の遊技領域構造を示す前面図。
【図2】実施例1にかかる、球流下振分け機構を示す斜視図。
【図3】実施例2にかかる、遊技機の遊技領域構造を示す前面図。
【図4】実施例2にかかる、球流下振分け機構を示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
上述した本発明の遊技機の遊技領域構造における好ましい実施の形態につき説明する。
本発明において、上記遊技演出領域には、画像表示装置が配設してあり、上記遊技球転動領域に設けた上記入賞装置は、該入賞装置へ遊技球が入賞したことを契機として、所定の確率で当り又は外れの抽選を行うために用いるものであり、上記画像表示装置は、上記抽選の結果に基づいて、所定の画像を表示するよう構成してあることが好ましい(請求項2)。
この場合には、いわゆるデジパチタイプの遊技機において必要とされる特別な入賞装置(始動口)を配設し、また、その上方位置にこの入賞装置への入賞の可能性を振り分ける、いわゆるステージ的な球流下振分け機構を適切に配設することができる。これにより、入賞装置への入賞と、画像表示装置による表示とを関連付けて、遊技の趣向性をより向上させることができる。
【0011】
また、上記入賞装置と上記球流下振分け機構とを一部品としてユニット化し、該ユニット化した上記入賞装置及び上記球流下振分け機構を、上記遊技領域を構成する遊技盤に配設してなることが好ましい(請求項3)。
この場合には、入賞装置と球流下振分け機構とをユニット化することにより、遊技機における部品点数を低減させることができる。また、このユニット化により、入賞装置と球流下振分け機構との配置位置関係の精度を向上させることができる。これにより、球流下振分け機構の振分けの仕様に基づいて設定されている入賞装置への入賞確率の精度を向上、安定させることができる。
【実施例】
【0012】
以下に、本発明の遊技機の遊技領域構造にかかる実施例につき、図面を参照して説明する。
(実施例1)
本例の遊技機の遊技領域構造1は、図1に示すごとく、遊技領域Aにおける右側領域と左側領域とのいずれか一方の領域を、遊技の演出を行うための遊技演出領域A1とし、他方の領域を、遊技球Bを進入させて遊技を行うための遊技球転動領域A2としている。遊技演出領域A1は、遊技領域Aにおける中央領域の一部を含むように形成してある。遊技球転動領域A2には、遊技球Bが入球した時にこの遊技球Bを入賞とする入賞装置(始動口)4と、入賞装置4よりも上方において入賞装置4への遊技球Bの入賞・非入賞を振り分ける球流下振分け機構3と、が設けてある。
なお、遊技領域Aにおける左側領域とは、遊技機を前面から見たときの左右方向の左側に位置する領域のことをいい、右側領域とは、遊技機を前面から見たときの左右方向の右側に位置する領域のことをいう。
【0013】
以下に、本例の遊技機の遊技領域構造1につき、図1、図2を参照して詳説する。
図1に示すごとく、本例の遊技機はパチンコ遊技機であり、遊技領域構造1は、本体枠に配設する遊技盤11の前面に形成される。遊技盤11には、球発射装置から発射される遊技球Bを遊技領域Aへ導く外レール12が配設してあり、遊技領域Aは、外レール12の内側の領域として形成されている。また、外レール12の左側部の内側近傍には、外レール12に沿うように内レール13が配設されている。内レール13は、外レール12とともに、球発射装置から発射された遊技球Bを遊技領域Aへ向けて案内するよう形成されている。また、内レール13は、外レール12とともに、遊技盤11上に遊技領域Aを区画形成するための部材として配設されている。なお、内レール13の上端部には、遊技領域A内に流入した遊技球Bが再び球発射装置側へ向けて流下(逆流)することを防止するための戻り球防止弁が配設されている。
本例においては、遊技領域Aにおける左側領域を遊技演出領域A1として形成しており、右側領域を遊技球転動領域A2として形成している。
【0014】
遊技演出領域A1は、樹脂成形品からなる演出領域形成部材2を遊技盤11に配設して形成されている。演出領域形成部材2は、遊技球Bの流路を形成する流路区画壁22をその周囲に形成し、流路区画壁22の適宜箇所に、遊技盤11に取り付けるための取付部23を形成してなる。流路区画壁22は、遊技盤11の表面よりも遊技球1球分以上突出する高さに形成されており、遊技球Bを接触させて下方へ流下させるものである。
【0015】
遊技演出領域A1に配設した画像表示装置21は、大型の液晶モニター等から構成され、図柄等の所定の画像を表示するよう構成されている。画像表示装置21は、遊技球Bが始動口(入賞装置)4に入賞したことを契機として制御手段によって大当たり抽選がなされた際の抽選の結果に基づいて、表示する図柄等の画像を可変させるよう構成されている。本例の画像表示装置21は、遊技領域Aを左右に仕切った左側領域から、中央領域の上方部及び中央部に亘ってできるだけ大きな範囲に配設するため、縦長形状に配設してある。本例においては、遊技演出領域A1は、遊技領域Aにおける左側の側端部付近から、中央領域のほぼ全域に亘って極めて広い範囲に形成されており、遊技領域Aの約2/3を占めるように形成されている。
【0016】
図1に示すごとく、画像表示装置21は、演出領域形成部材2の後方から配設してあり、演出領域形成部材2に形成した開口穴から表示画面が視認できる状態で配設してある。
演出領域形成部材2の左側面部分に形成された流路区画壁22Aは、内レール13と併せて、遊技球転動領域A2に到達しない遊技球Bを遊技盤11の中央下部に形成されたアウト口14へ導く流路を形成している。本例では、遊技演出領域A1が形成された遊技領域Aにおける左側領域の一部にも遊技球Bが流下する流路24が形成されている。なお、この流路24は流入した遊技球Bをアウト口14へ導くためにのみ形成されたものであり、その流路24内には始動口(入賞装置)4や球流下振分け機構3は配設されていない。本例のように、遊技演出領域A1が形成される領域内に必要に応じて遊技球Bが流下する流路24を形成してもよい。
【0017】
演出領域形成部材2の右側面部分に形成された流路区画壁22Bは、遊技演出領域A1と遊技球転動領域A2とを仕切る境界壁として形成されている。
また、遊技演出領域A1には、画像表示装置21以外にも、又は画像表示装置21と併せて、適宜駆動装置により可動する可動演出装置、LED等により発光する電気的装飾装置等を配設することができる。
【0018】
図1、図2に示すごとく、本例の遊技球転動領域A2における球流下振分け機構3は、上方から流下する遊技球Bを受け入れる入口部31と、入口部31から下方(鉛直方向)に向けて直線状に形成した入口流路部32と、入口流路部32から流れ込む遊技球Bを回転させる円筒状の球回遊部33とを形成してなる。入口流路部32及び球回遊部33は、遊技球Bが流下する遊技盤11の前面から後方側に後退した位置に形成されている。入口流路部32の前面側は、内部が視認可能なように透明板等により閉鎖されている。
そして、球回遊部33の前面側は開口穴34として開口されており、球回遊部33を回遊した遊技球Bは、球回遊部33の前面における開口穴34の下方の適宜位置から前面側へ排出流下する。
【0019】
このとき、入口部31から流れ込んだ遊技球Bは、入口流路部32内を鉛直方向に向けて直線的に流下(落下)することにより、勢いが付与されつつ流下するよう構成されている。そして、その流下の勢いを利用して、遊技球Bは球回遊部33内を上下方向に高い自由度で回動するよう構成されている。これにより、遊技球Bの動きに面白味を与えることができ、趣向性を有する球流下振分け機構3を形成することができる。また、球回遊部33の前面側は開口穴34として開口しているので、遊技球転動領域A2を流下する遊技球Bが、遊技球転動領域A2に配設された釘等によってその流下方向が変化して、開口穴34を介して球回遊部33内へと直接進入することもできる。そして、球回遊部33の開口穴34から前面側へ遊技球Bが排出流下するときに、この遊技球Bが始動口4へ入賞するか否か(入賞しやすい流下領域へ排出されるかどうか)の振り分けが行われる。
【0020】
このような構造により、遊技球Bは、球回遊部33内を高い自由度で回遊した後、その自由度を有する流下を利用して、前面側へ向けて振り分けられながら排出流下することとなる。これにより始動口4へ入賞するか否かについてアットランダム性が発生し、遊技者に対して期待感を持たせる球流下振分け機構3を構成することができる。
また、図1に示すごとく、入口流路部32の側方と球回遊部33の上方には、上方から流下する遊技球Bを衝突させて流下させるためのガイド部35を形成することができる。なお、このガイド部35を用いて流下する遊技球Bを、遊技球転動領域A2の適宜領域へ向けて誘導して流下させることができる。この場合、遊技球Bの流下方向には、後述するゲート61や入賞装置等の遊技部品を配設することができる。
【0021】
本例の入賞装置4は、始動口4として、遊技球転動領域A2における球回遊部33の下方に配設してある。始動口4は、この始動口4へ遊技球Bが入賞したことを契機として、所定の確率で当り又は外れの抽選を行うために用いるものである。始動口4に遊技球Bが入賞したときには、遊技機の制御手段が入賞を検知して、当り又は外れの抽選を行う。そして、制御手段は、画像表示装置21に表示する図柄等の指令信号を画像表示装置21の制御部に対して送信する。その後、画像表示装置21においては、その指令信号に基づいて適宜図柄変動表示がなされた後、当り又は外れの抽選結果が表示される。
【0022】
図1に示すごとく、始動口4の下方には、本例における他の入賞装置としての電動チューリップ5が配設してある。また、遊技球転動領域A2の適宜箇所には、電動チューリップ5の開閉を開始させる契機となるゲート61が配設してある。
電動チューリップ5は、通常は、一対の開閉翼51を閉じた状態にあって、始動口4によって遮られて入賞しないようになっている。これに対し、遊技球Bがゲート61を通過したときには、この通過を契機として、別途抽選が行われ、この抽選で当りとなったときには、電動チューリップ5の一対の開閉翼51が所定時間の間、開閉動作を行う。そして、開閉翼51が開放状態にあるときは、遊技球Bの電動チューリップ5への入賞を可能にする。
【0023】
また、電動チューリップ5への遊技球Bの入賞によっても、始動口4への入賞と同様に、所定の確率で当り又は外れの抽選が行われる。このとき、球回遊部33の開口穴34から前面側へと流下する遊技球Bが、その流下の方向によっては開放状態にある電動チューリップ5へと入賞する可能性を有している。つまり、開放状態にある電動チューリップ5へ遊技球Bが入賞するかどうか(入賞しやすい流下領域へ排出されるかどうか)の振り分けが、始動口4のときと同様に電動チューリップ5に対しても球回遊部33によって行われることとなる。つまり、本例においては、球回遊部33は、始動口4と電動チューリップ5との2つの入賞装置に対して、遊技球Bが入賞するかどうかを振り分ける球振り分け機能を有していることとなる。
【0024】
また、遊技球転動領域A2においては、始動口4又は電動チューリップ5に入賞した際の抽選によって当りが発生したときに、開閉扉621を開閉させて遊技球Bを入賞させるアタッカー62が配設してある。本例のアタッカー62は、遊技球転動領域A2における下方位置に配設してある。
また、遊技盤11における遊技球転動領域A2には、風車63、釘64等の球流下障害物が適宜箇所に配設されている。また、始動口4の直上位置に釘64を配設することにより、球回遊部33によって始動口4への入賞流路(領域)へと振り分け排出された遊技球Bが、始動口4へ入賞するように遊技球Bの流下に所定の規制を加えることができる。
【0025】
また、図1に示すごとく、本例の入賞装置である始動口4、電動チューリップ5及び球流下振分け機構3は、一部品としてユニット化してある。そして、このユニット化した始動口4、電動チューリップ5及び球流下振分け機構3は、遊技領域Aを構成する遊技盤11に配設してある。
始動口4、電動チューリップ5及び球流下振分け機構3をユニット化することにより、遊技機における部品点数を低減させることができる。また、このユニット化により、始動口4、電動チューリップ5及び球流下振分け機構3の配置位置関係の精度を向上させることができる。これにより、球流下振分け機構3の振分けの仕様に基づいて適宜設定されている、始動口4と電動チューリップ5との入賞装置への入賞確率の精度を向上、安定させることができる。
【0026】
本例の遊技機におけるパチンコ遊技は、例えば、次のようにして行うことができる。
パチンコ遊技を開始するときには、遊技者は、遊技球転動領域A2における球流下振分け機構3の入口部31を狙って遊技球Bを発射させる。そして、球流下振分け機構3の球回遊部33からの振り分け排出等によって始動口4に遊技球Bが入賞したときには、入賞の検知が行われるとともに、制御手段によって当り又は外れの抽選が行われ、画像表示装置21における図柄等によって当り又は外れの表示が行われる。そして、抽選の結果、当りが発生したときには、制御手段は、アタッカー62の開閉扉621を開閉させ、大当りのラウンド遊技を開始させる。
【0027】
そして、アタッカー62の開閉扉621が、所定時間又は所定数の遊技球Bが入球するまで開放することを、1回のラウンド遊技として、所定回数のラウンド遊技が行われる。これにより、アタッカー62への遊技球Bの入球ごとに所定数の遊技球Bが賞球として払い出され、遊技者は多くの遊技球Bを獲得することができる。
大当りのラウンド遊技の終了後は、特別な遊技モード(当り確率が上昇する、いわゆる確変モードや、電動チューリップ5の一対の開閉翼51が開放し易くなる、いわゆる時短モード)へと移行する。
【0028】
上記特別な遊技モードのときには、ゲート61に遊技球Bが入賞したときに行われる上記別途抽選による当りの確率が、通常時と比較して飛躍的に上昇するように構成されている。これにより、通常時と比較して、特別な遊技モードのときには、電動チューリップ5の一対の開閉翼51の開放動作が頻繁に発生するように構成されている。
そして、上述したように電動チューリップ5へ遊技球Bが入賞したときには、始動口4へ遊技球Bが入賞したときと同様に当り又は外れの抽選が行われる。なお、上記特別な遊技モードは、次の当りに当選するまで、又は遊技球Bの入賞によって発生する当りか外れかを抽選する回数が所定回数(例えば100回)行われるまで、継続されるように構成されている。
【0029】
本例の遊技機の遊技領域構造1においては、上記のごとく、遊技領域Aにおける左側領域、及び遊技領域Aにおける中央領域の一部(上方部、中央部)を含むように遊技演出領域A1を形成し、遊技領域Aにおける右側領域に、遊技球転動領域A2を形成している。
これにより、遊技領域Aの中央下部に、いわゆるステージ(球流下振分け機構)、始動口、球流下障害物等を設けた従来の遊技球転動領域を形成する必要がない。また、中央領域を含む左側領域に、従来にない極めて大きな遊技演出領域A1を形成することができる。また、これと併せて、右側領域に、始動口4、電動チューリップ5及び球流下振分け機構3を設けたまとまったサイズの遊技球転動領域A2を形成することができる。
それ故、本例の遊技機の遊技領域構造1によれば、遊技演出領域A1又は遊技球転動領域A2に配設する各種部品の配設自由度を向上させ、遊技の趣向性を向上させることができる。
【0030】
(実施例2)
本例は、図3に示すごとく、遊技演出領域A1を遊技領域Aの中央領域の一部を含む右側領域に形成し、遊技球転動領域A2を、残りの左側領域に形成した例を示す。
本例の画像表示装置21は、遊技演出領域A1において横長状に配設してあり、遊技演出領域A1は、画像表示装置21を配設した中央領域における上下方向の中央部が、遊技球転動領域A2へ膨らむよう、遊技演出領域A1の一部として拡大形成されている。
【0031】
図4に示すごとく、本例の遊技球転動領域A2における球流下振分け機構3は、遊技球Bが入る入口部31よりも下方に、遊技球Bを回転させる球回遊部33を上下方向に複数配設して形成してある。本例の球回遊部33は、上下に3段に形成してある。上段の球回遊部33Aは、遊技盤11の表面のすぐ後ろに位置する前側回遊部分X1と、前側回遊部分X1の後方側に位置する中間回遊部分X2とを連続して形成してなる。上段の球回遊部33Aは、入口部31から通路部36を介して前側回遊部分X1に遊技球Bを受け、中間回遊部分X2へ遊技球Bを回遊させながら流下させるよう構成してある。
【0032】
中段の球回遊部33Bは、遊技盤11の表面のすぐ後ろに位置する前側回遊部分Y1と、前側回遊部分Y1の後方側に位置する中間回遊部分Y2と、中間回遊部分Y2の後方側に位置する後側回遊部分Y3とを連続して形成してなる。中段の球回遊部33Bは、上段の球回遊部33Aの中間回遊部分X2から通路部36を介して中間回遊部分Y2に遊技球Bを受け、後側回遊部分Y3へ遊技球Bを回遊させながら流下させるよう構成してある。
【0033】
下段の球回遊部33Cは、遊技盤11の表面のすぐ後ろに位置する前側回遊部分Z1と、前側回遊部分Z1の後方側に位置する中間回遊部分Z2と、中間回遊部分Z2の後方側に位置する後側回遊部分Z3とを連続して形成してなる。下段の球回遊部33Cは、中段の球回遊部33Bの後側回遊部分Y3から通路部36を介して後側回遊部分Z3に遊技球Bを受け、中間回遊部分Z2及び前側回遊部分Z1へ遊技球Bを回遊させながら流下させるよう構成してある。
下段の球回遊部33Cは、前側回遊部分Z1の前面側が開口穴34として開口している。そして、本例の球流下振分け機構3の入口部31に入った遊技球Bは、上段の球回遊部33A、中段の球回遊部33B及び下段の球回遊部33Cを回遊した後、下段の球回遊部33Cの開口穴34から前方へ向けて、その排出される方向を遊技球Bの流下の勢いによって高い自由度で振り分けられて流下する。
【0034】
上段の球回遊部33A及び中段の球回遊部33Bは、その底部分が後方に向けて下降傾斜する傾斜面状に形成されており、下段の球回遊部33Cは、その底部分が前方に向けて下降傾斜する傾斜面上に形成されている。また、上段の球回遊部33A及び中段の球回遊部33Bは、前面側の端部が開口されていてもよく、また、内部が視認可能なように透明板等により閉塞されていてもよい。
また、上段の球回遊部33Aの前面側の端部と、中段の球回遊部33Bの前面側の端部とを開口した場合は、回遊部分Zの底部分の適宜箇所に前方に向けて下降傾斜する傾斜面を形成することができる。そして、下段の球回遊部33Cよりも上方の位置に形成された上段の球回遊部33A及び中段の球回遊部33Bからも、流下の具合によって遊技球Bが排出流下するようにしてもよい。この場合は、下段の球回遊部33Cのみならず、上段の球回遊部33A及び中段の球回遊部33Bの前方からも遊技球Bが振り分けられて流下することとなる。
【0035】
本例においても、球流下振分け機構3の下方には、入賞装置として始動口4及び電動チューリップ5が配設されている。また、本例の遊技球転動領域A2においては、球流下振分け機構3よりも上流側にゲート61が配設してあり、球流下振分け機構3よりも下流側にアタッカー62が配設してある。
本例の遊技機においても、その他の構成及び各構成部品の動作は上記実施例1と同様であり、上記実施例1と同様の作用効果を得ることができる。
【0036】
球流下振分け機構3の構造は、本例のような遊技球Bに対して回転回遊的な動きを与える構造以外にも、次の構造にすることができる。すなわち、球流下振分け機構3は、遊技球Bが左右方向(幅方向)に往復移動可能となるように横長状に形成し、その左右方向の適宜箇所から遊技球Bを排出流下させるように、遊技球Bの流下方向を振り分ける構造とすることができる。
【0037】
また、球回遊部33等の複数の球振分け部は、縦方向(上下方向)に並ぶように配設する以外にも、斜め方向や、階段状に前後方向に配設することもできる。また、球回遊部33等の複数の球振分け部を複数設ける場合の数は、3つとする以外に、2つ又は4つ以上とすることもできる。
また、球流下振分け機構3において形成する球回遊部33等の複数の球振分け部の中には、極めて高い確率で遊技球Bを始動口4へと導く球振分け部を形成することができる。
【0038】
上記実施例1、2においては、次の種々の構造を採用することもできる。
球流下振分け機構3の内部には、駆動機構により可動する可動体を設けることができる。この場合、可動体により遊技球Bの流下方向を振り分けることができる。また、球流下振分け機構3の内部には、風車等の球流下方向変更部材を配設することもできる。この場合、球流下方向変更部材により遊技球Bの流下方向を振り分けることができる。
また、遊技演出領域A1の一部(例えば、画像表示装置21の周囲に位置する枠部の一部)には、遊技球Bが流入する球入口と、球入口に流入した遊技球Bを流下案内する球流路と、球流路内を流下する遊技球Bを遊技球転動領域A2に向けて排出する球出口とを形成することができる。また、この場合、球流路内には、ゲート61等の遊技部品を配設することができる。
【0039】
また、上記実施例1、2においては、アウト口14を遊技領域Aの中央下端部に設けた。これ以外にも、アウト口14は、遊技球転動領域A2を右側領域に形成する場合には、右側領域の適宜下端部に設けることができ、遊技球転動領域A2を左側領域に形成する場合には、左側領域の適宜下端部に設けることができる。
また、上記実施例1、2においては、球流下振分け機構3の下方に配設する入賞装置を始動口4とした。これ以外にも、球流下振分け機構3の下方に配設する入賞装置は、アタッカー62等とすることができる。
【0040】
また、上記実施例1、2においては、遊技演出領域A1として形成される中央領域の一部を、中央領域における上方部、及び中央部とした。これ以外にも、遊技演出領域A1として形成される中央領域の一部は、中央領域における下方部とすることもできる。また、中央領域のすべての部分を遊技演出領域A1として形成することもできる。
さらに、上記実施例1、2において、遊技盤11は、透明樹脂等で成形された透明板によって形成することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 遊技領域構造
11 遊技盤
2 演出領域形成部材
21 画像表示装置
3 球流下振分け機構
31 入口部
32 入口流路部
33 球回遊部
4 始動口(入賞装置)
5 電動チューリップ
61 ゲート
62 アタッカー
A 遊技領域
A1 遊技演出領域
A2 遊技球転動領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の遊技領域の構造であって、
該遊技領域における右側領域と左側領域とのいずれか一方の領域を、遊技の演出を行うための遊技演出領域とし、他方の領域を、遊技球を進入させて遊技を行うための遊技球転動領域とし、
上記遊技演出領域は、上記遊技領域における中央領域の一部を含むように形成してあり、
上記遊技球転動領域には、遊技球を入賞させる入賞装置と、該入賞装置よりも上方において該入賞装置への遊技球の入賞・非入賞を振り分ける球流下振分け機構と、を設けたことを特徴とする遊技機の遊技領域構造。
【請求項2】
請求項1に記載の遊技機の遊技領域構造において、上記遊技演出領域には、画像表示装置が配設してあり、
上記遊技球転動領域に設けた上記入賞装置は、該入賞装置へ遊技球が入賞したことを契機として、所定の確率で当り又は外れの抽選を行うために用いるものであり、
上記画像表示装置は、上記抽選の結果に基づいて、所定の画像を表示するよう構成してあることを特徴とする遊技機の遊技領域構造。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の遊技機の遊技領域構造において、上記入賞装置と上記球流下振分け機構とを一部品としてユニット化し、該ユニット化した上記入賞装置及び上記球流下振分け機構を、上記遊技領域を構成する遊技盤に配設してなることを特徴とする遊技機の遊技領域構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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