説明

遊技機及びその遊技方法

【課題】周囲の雑音などにより騒々しい遊技環境の中でも遊技に関する音声を遊技者に正確に認識させることにより音声効果を大幅に向上させることができる遊技機及びその遊技方法を提供する。
【解決手段】骨伝導スピーカ46を収納部42から取り出して装着部46Aを遊技者の耳に装着することにより骨伝導スピーカ46を容易に身につけることができる。装着部46Aを耳に装着した状態で振動部46Bにより遊技者の頭部又はその近傍に振動を与えて遊技者に骨導音を伝播させることにより、周囲の雑音などにより騒々しい遊技環境の中でも遊技に関する音声を遊技者に確実に認識させることができる。この結果、音声効果を高めることができ、遊技者にとって遊技性を大幅に向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、いわゆるセブン機、羽根物、権利物又はアレンジボール等の弾球遊技機や、スロットマシン等の回胴式遊技機等の遊技機及びその遊技方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、弾球遊技機や回胴式遊技機等の各種の遊技機では、遊技の進行状況に応じた音声が気導音としてスピーカから出力されるようになっている。特に、最近の遊技機では、音声の種類が豊富で、音質も急速に向上していることから、音声が遊技興趣を高めるための重要な要素の一つとなっている。また、このような遊技機が設置されるホールでは、店内放送、多数の遊技客の声、島設備に搬送される遊技球や計数機で計数される遊技球の音など、遊技機自体から出力される音声以外にも様々な音が発生しており、この様々な音が当然に遊技者にも伝わることになる(従来技術1)。
【0003】
また、従来の遊技機の中には、いわゆる下皿が無いものが少なからず存在している。この種の遊技機では、大当り時等、賞球払出数が多い場合に、例えば音声により「発射が止まります。球を抜いてください。」などの音声ガイダンスが行われている。遊技者は、この音声ガイダンスに従って所定の操作をすることにより、遊技を円滑に進めることができる(従来技術2)。
【特許文献1】特開2001−96048号公報
【特許文献2】特開2003−340088号公報
【特許文献3】特開2004−243023号公報
【特許文献4】特開平8−265887号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記従来技術1においては、遊技機から出力される音声を遊技者に認識させることが非常に困難となり、最新の技術で音声の種類を増やしたりあるいは音質を向上させたりする遊技機であっても、その音声効果が十分に発揮できない問題がある。音声効果が十分に発揮できなければ、遊技機から出力されている音声も遊技者にとってはただの雑音にしかならず、遊技性が追求された遊技機で遊技をしているにもかかわらず遊技者が遊技に夢中になることができなくなる。さらに、ひどい場合には、遊技中の遊技者にストレスを与えてしまうおそれもある。
特に、聴覚障害をもつ遊技者は元来音声を正確に認識することが困難であるため、遊技機から出力される音声が遊技者にとってはただの雑音になる可能性が高く、遊技への集中力を低下させてしまうだけでなく、その場に居づらいといったストレスを与えてしまう可能性が高くなる。
【0005】
また、上記従来技術2においては、効果音を出力するスピーカと同じスピーカを用いて音声ガイダンスを出力しているため、効果音と音声ガイダンスとが干渉し合い遊技者にとって聞き取り難く、遊技者が遊技を円滑に進めることができない問題がある。特に、遊技機が設置されるホールのように、店内放送、多数の遊技客の声、島設備に搬送される遊技球や計数機で計数される遊技球の音など、遊技機自体から出力される音声以外にも様々な音が発生している環境では、効果音と音声ガイダンスとが干渉し合うと、音声ガイダンスを正確に認識することができず、遊技を楽しむどころか、遊技に支障を来たす恐れがある。特に、聴覚障害をもつ遊技者にとっては、その問題が深刻になる。
【0006】
そこで、本発明は、このような問題を解決するためになされたものであり、周囲の雑音などにより騒々しい環境の中でも、遊技に関する音声を遊技者に正確に認識させることにより、音声効果を大幅に向上させることができる遊技機及びその遊技方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明は、遊技機の前面部に設けられた収納部と、前記収納部に着脱自在に収納され遊技に関する音声を振動により骨導音として伝播する骨伝導装置と、を有する遊技機であって、前記骨伝導装置は、遊技者の耳に装着する装着部と、前記装着部に設けられ発振する振動部と、を有することを特徴とする。
【0008】
請求項1に記載の発明によれば、骨伝導装置を使用する場合には、骨伝導装置を収納部から取り出して、装着部を遊技者の耳に装着することにより骨伝導装置を容易に身につけることができる。ここで、装着部を耳に装着した状態で振動部により遊技者の頭部又はその近傍に振動を与えて遊技者に骨導音を伝播させることにより、遊技に関する音声を遊技者に確実に認識させることができる。これにより、周囲の雑音などにより騒々しい遊技環境の中でも、遊技に関する音声を遊技者に正確に認識させることができる。この結果、音声効果を高めることができ、遊技者にとって遊技性を大幅に向上させることができる。また、聴覚障害を持つ遊技者に対しても遊技に関する音声を確実に認識させることができるため、難聴者にとっても遊技性を大幅に向上させることができる。
また、骨伝導装置の不使用時には、遊技機本体に設けられた収納部に骨伝導装置を収納させることにより、遊技機に骨伝導装置を保持させておくことができる。
なお、本明細書において、「骨導音」とは、空気を介さず、鼓膜も関与しない人間の骨から直接蝸牛以降の聴覚神経に伝播する音を意味する。
【0009】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の遊技機において、前記装着部は、巻取可能な接続部材を有し、前記遊技機の前面部には、前記接続部材を巻き取るための巻取装置が設けられていることを特徴とする。
【0010】
請求項2に記載の発明によれば、遊技機の前面部には巻取装置が設けられているため、接続部材を巻取装置に巻き取らせることができる。このため、骨伝導装置の不使用時には、接続部材を巻取装置に巻き取らせることにより、接続部材が邪魔になることがない。
【0011】
請求項3に記載の発明は、請求項2に記載の遊技機において、前記巻取装置は、前記収納部の内部に設けられていることを特徴とする。
【0012】
請求項3に記載の発明によれば、巻取装置を収納部の内部に設けることにより、巻取装置が遊技機の外部に露出することがなく、遊技機の意匠性を向上させることができる。また、巻取装置を収納部の内部に設けることにより、外部から巻取装置に直接触れることができなくなるため、外部からの悪戯等により巻取装置が破損・故障してしまうことを防止できる。
【0013】
請求項4に記載の発明は、請求項2又は3に記載の遊技機において、前記巻取装置は、回転可能に設けられ前記接続部材を巻き取る回転軸と、前記回転軸の回転を制御するロック部材と、を有することを特徴とする。
【0014】
請求項4に記載の発明によれば、回転軸に巻き取られた接続部材を一定量だけ引き出してロック部材により回転軸の回転をロックさせることにより、接続部材の引き出した状態を保つことができる。また、ロック部材によるロックを解除させることにより、接続部材を回転軸に巻き取ることができる。このように、ロック部材により回転軸の回転を制御することにより、遊技者の姿勢に応じて接続部材の引き出し長さを変化させ、かつその長さを維持することができるとともに、骨伝導装置を使用しない場合には接続部材を巻き取ることができる。
【0015】
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の遊技機において、前記ロック部材は、前記接続部材が所定量だけ引き出されたときに前記回転軸の回転をロックすることを特徴とする。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、接続部材が所定量だけ引き出されたときに、ロック部材により回転軸の回転が自動的にロックされるため、接続部材を所定量だけ引き出すだけで引き出された状態を維持することができる。
【0017】
請求項6に記載の発明は、請求項5に記載の遊技機において、前記ロック部材は、前記回転軸の回転がロックされた状態で前記接続部材が所定量だけ引き出されると前記回転軸の回転のロックを解除させることを特徴とする。
【0018】
請求項6に記載の発明によれば、回転軸の回転がロックされた状態で接続部材が所定量だけ引き出されると、ロック部材により回転軸の回転のロックが解除させられる。これにより、回転軸の回転がロックされた状態で接続部材を所定量だけ引き出すだけで、接続部材を回転軸に巻き取らせることができる。
【0019】
請求項7に記載の発明は、請求項4乃至6のいずれか1項に記載の遊技機において、前記接続部材が前記回転軸に巻き取られる方向に前記回転軸を付勢し回転させる回転力付与部材を備えたことを特徴とする。
【0020】
請求項7に記載の発明によれば、接続部材が回転軸に巻き取られる方向に、回転軸が回転力付与部材により付勢され回転させられる。これにより、回転軸に接続部材を自動的に巻き取らせることができる。
【0021】
請求項8に記載の発明は、請求項1乃至7のいずれか1項に記載の遊技機において、所定の効果音を出力する効果音出力装置と、所定の音声ガイダンスを出力する音声ガイダンス出力装置と、を有することを特徴とする。
【0022】
請求項8に記載の発明によれば、所定の効果音を出力する効果音出力装置と、所定の音声ガイダンスを出力する音声ガイダンス出力装置と、を別々に設けたことにより、効果音出力装置から出力される所定の効果音と音声ガイダンス出力装置から出力される所定の音声ガイダンスとが干渉することを防止できる。これにより、遊技者に音声ガイダンスを正確に認識させることができ、遊技を円滑に進めることができる。また、聴覚障害を持つ遊技者にとっても、音声ガイダンスを正確に認識させることができ、遊技環境が周囲の雑音により騒々しい場合でも、遊技を楽しむことができる。
なお、本明細書において、「音声ガイダンス」とは、例えば、遊技方法、遊技球の発射の強弱、遊技状態、その他操作に関する説明を意味する。
【0023】
請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の遊技機において、前記骨伝導装置が接続される接続端子を有し、前記骨伝導装置が前記接続端子に接続されているときには、前記音声ガイダンス出力装置から所定の音声ガイダンスが出力されないことを特徴とする。
【0024】
請求項9に記載の発明によれば、骨伝導装置が接続端子に接続されているときには、音声ガイダンス出力装置から所定の音声ガイダンスが出力されないため、音声ガイダンスの気導音と骨伝導装置から伝播される骨導音とが干渉することを防止できる。これにより、骨伝導装置から伝播される骨導音を遊技者に正確かつ確実に認識させることができる。
【0025】
請求項10に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遊技機において、遊技環境を制御する制御部を有し、前記骨伝導装置は遊技者の音声を入力する入力部を有し、前記入力部に入力された音声に基づいて前記制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする。
【0026】
請求項10に記載の発明によれば、入力部に遊技者の音声が入力されると、その入力部に入力された音声に基づいて制御部により遊技環境が変化させられる。これにより、遊技者の音声の入力により、自由に遊技環境を変化させることができ、遊技性を大幅に向上させることができる。
なお、本明細書において、「遊技環境」とは、特別図柄表示装置に表示される画像や、遊技機の各LED・ランプから発光される照明、遊技機の各スピーカから出力される音声などを意味する。
【0027】
請求項11に記載の発明は、請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遊技機において、遊技環境を制御する制御部を有し、前記骨伝導装置は遊技者の口の動きを認識する認識部を有し、前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする。
【0028】
請求項11に記載の発明によれば、遊技者が口を動かすと、骨伝導装置の認識部により遊技者の口の動きが認識される。そして、認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により遊技環境が変化させられる。これにより、遊技者が発声することなく、口の動きだけで自由に遊技環境を変化させることができ、遊技性を大幅に向上させることができる。特に、遊技者からの音声に基づいて遊技環境を変化させる場合には騒々しい遊技環境の中において遊技者からの音声を正確に認識することが困難となるが、遊技者の口の動きだけを認識して遊技環境を変化させるため、騒々しい遊技環境の中でも口の動きに忠実に遊技環境を変化させることができる。
【0029】
請求項12に記載の発明は、請求項11に記載の遊技機において、所定の動作を行う可動物を有し、前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により前記可動物を動作させることを特徴とする。
【0030】
請求項12に記載の発明によれば、認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて制御部により可動物が動作させられることにより、騒々しい遊技環境の中でも、例えば役物などの動作を口の動きに忠実かつ自由に変えることができ、遊技性をさらに向上させることができる。
なお、本明細書において、「可動物」とは、演出用の可動役物をいい、例えば普通電動役物や特別電動役物などの入賞用の可動物は除くものとする。
【0031】
請求項13に記載の発明は、遊技機の前面部に設けた収納部と、前記収納部に着脱自在に収納され遊技に関する音声を振動により骨導音として伝播する骨伝導装置と、を有する遊技機の遊技方法であって、前記骨伝導装置は、遊技者の耳に装着する装着部と、前記装着部に設けられ発振する振動部と、を有し、前記装着部を遊技者の耳に装着した状態で、前記振動部からの振動により遊技者に骨導音を伝播させることを特徴とする。
【0032】
請求項13に記載の発明によれば、骨伝導装置を使用する場合には、骨伝導装置を収納部から取り出して、装着部を遊技者の耳に装着することにより骨伝導装置を容易に身につけることができる。ここで、装着部を耳に装着した状態で振動部により遊技者の頭部又はその近傍に振動を与えて遊技者に骨導音を伝播させることにより、遊技に関する音声を遊技者に確実に認識させることができる。これにより、周囲の雑音などにより騒々しい遊技環境の中でも、遊技に関する音声を遊技者に正確に認識させることができる。この結果、音声効果を大幅に上げることができ、遊技者にとって遊技性を大幅に向上させることができる。また、聴覚障害を持つ遊技者に対しても遊技に関する音声を確実に認識させることができるため、難聴者にとっても遊技性を大幅に向上させることができる。
また、骨伝導装置の不使用時には、遊技機本体に設けられた収納部に骨伝導装置を収納させることにより、遊技機に骨伝導装置を保持させておくことができる。
【0033】
請求項14に記載の発明は、請求項13に記載の遊技機の遊技方法において、前記骨伝導装置は遊技者の音声を入力する入力部を有し、前記入力部に入力された音声に基づいて制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする。
【0034】
請求項14に記載の発明によれば、入力部に遊技者の音声が入力されると、その入力部に入力された音声に基づいて制御部により遊技環境が変化させられる。これにより、遊技者の音声の入力により、自由に遊技環境を変化させることができ、遊技性を大幅に向上させることができる。
【0035】
請求項15に記載の発明は、請求項13に記載の遊技機の遊技方法において、前記骨伝導装置は遊技者の口の動きを認識する認識部を有し、前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする。
【0036】
請求項15に記載の発明によれば、遊技者が口を動かすと、骨伝導装置の認識部により遊技者の口の動きが認識される。そして、認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により遊技環境が変化させられる。これにより、遊技者が発声することなく、口の動きだけで自由に遊技環境を変化させることができ、遊技性を大幅に向上させることができる。特に、遊技者からの音声に基づいて遊技環境を変化させる場合には騒々しい遊技環境の中において遊技者からの音声を正確に認識することが困難となるが、遊技者の口の動きだけを認識して遊技環境を変化させるため、騒々しい遊技環境の中でも口の動きに忠実に遊技環境を変化させることができる。
【0037】
請求項16に記載の発明は、請求項15に記載の遊技機の遊技方法において、所定の動作を行う可動物を有し、前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により前記可動物を動作させることを特徴とする。
【0038】
請求項16に記載の発明によれば、認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて制御部により所定の動作を行う可動物が動作させられることにより、騒々しい遊技環境の中でも、例えば役物などの動作を口の動きに忠実かつ自由に変えることができ、遊技性をさらに向上させることができる
【発明の効果】
【0039】
本発明によれば、周囲の雑音などにより騒々しい環境の中でも、遊技に関する音声を遊技者に正確に認識させることにより、音声効果を大幅に向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
次に、本発明の第1実施形態に係る遊技機について、図面を参照して説明する。
なお、本実施形態では本発明を弾球遊技機の一例であるパチンコ機に適用した構成を説明するが、弾球遊技機に限られるものではなく、回胴式遊技機に対しても本発明を容易に適用することができる。
【0041】
図1に示すように、第1実施形態に係る遊技機であるパチンコ機10の前面部は、主として外枠12と、中枠14と、前面枠16と、上皿部18と、下皿部20と、施錠装置22と、から構成されている。
【0042】
外枠12は、木製の板状体を略長方形の額縁状に組立て固着したものである。中枠14は、全体がブラスチック製で、外枠12に対して開閉可能に軸支されている。中枠14の右端中央には施錠装置22が設けられている。この施錠装置22は、前面枠16を閉鎖した場合に施錠するためのものである。
【0043】
前面枠16は、全体がプラスチック製であり、遊技盤24(図2参照)を前方から視認するべく、遊技盤24に形成された遊技領域26(図2参照)の形状に対応して略円形に形成された開口部28を有している。また、前面枠16の裏面には、ガラス板30がガラス枠(図示省略)によって取り付けられている。そして、遊技者M(図5参照)を基準とすれば、遊技盤24に形成された遊技領域26はガラス板30の後方に位置するようになっている。なお、本実施形態では、ガラス板30を前面枠16の裏面側に取り付けた構成を例にとり説明したが、例えば、前面枠16の前面側にガラス枠により取り付けてもよい。また、ガラス板30に替えて、透明な樹脂板を前面枠16に取り付けることができる。
【0044】
また、この前面枠16は、パチンコ機(遊技機)10の前面部全体の約2/3のサイズを占め、中枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。また、前面枠16の上端部中央には、2個の第1枠用LED32A、32Bがそれぞれ取り付けられている。この枠用LED32A、32Bの内側には、2個のエラーLED34A、34Bがそれぞれ取り付けられている。また、前面枠16の上方右側には、枠用右LED36が取り付けられている。また、また、前面枠16の上方左側には、枠用左LED38が取り付けられている。さらに、開口部28の周囲には、複数の第2枠用LED40がそれぞれ取り付けられている。
【0045】
また、上皿部18は、前面枠16の下側で、かつ中枠14の左端に開閉可能となるように軸支されている。前面枠16の下の左右両側には、収納部42がそれぞれ形成されている。図3に示すように、この収納部42は前面枠16の表面から突出するように形成されており、その収納部42には凹部44がそれぞれ形成されている。また、この凹部44の内部には、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46がそれぞれ収納されている。これにより、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を使用する場合には、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を収納部42の凹部44から取り出して使用することができ、また、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を使用しない場合には、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を収納部42の凹部44に収納させておくことができる。
【0046】
ここで、図3及び図4に示すように、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46は、遊技者M(図5参照)の耳に装着する装着部46Aと、装着部46Aに取り付けられ発振する振動部46Bと、を備えている。ここで、装着部46Aは、略L次状に形成されている。振動部46Bは、略球状に形成されており、装着部46Aの一方の端部に取り付けられている。これにより、図5に示すように、遊技者M(図5参照)が装着部46Aを耳に装着すると、振動部46Bが遊技者M(図5参照)の頭部又はその近傍に位置するように設定されている。
【0047】
また、装着部46Aの他方の端部には、コード(接続部材)48が接続されている。このコード46は、収納部42の内部に配置された巻取装置50により巻取自在に設けられている。ここで、図6に示すように、巻取装置50は、回転可能に設けられコード(接続部材)48を巻き取る回転軸50Aと、回転軸50Aをコード(接続部材)48を巻き取る方向に付勢し回転させる渦巻きバネ(回転力付与部材)50Bと、コード(接続部材)48が所定量だけ引き出されたときに回転軸50Aの回転を停止(ロック)するとともにコード(接続部材)48が所定量引き出された状態で再度、コード(接続部材)48を所定量引き出すと回転軸50Aの回転の停止を解除(ロック解除)するラチェット機構(ロック部材)50Cと、をそれぞれ備えている。この巻取装置50によれば、回転軸50Aに巻き取られたコード(接続部材)48を所定量だけ引き出すと、ラチェット機構(ロック部材)50Cにより回転軸50Aの回転が停止される。これにより、コード(接続部材)48を所定量引き出した状態を維持することができる。一方、コード(接続部材)48が所定量引き出された状態で、再度、コード(接続部材)48を所定量引き出すと、ラチェット機構(ロック部材)50Cにより回転軸50Aの回転の停止が解除される。これにより、回転軸50Aが渦巻きバネ(回転力付与部材)50Bの付勢力により回転し、コード(接続部材)48を回転軸50Aに巻き取らせることができる。なお、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46は、コード(接続部材)48を介してアンプ基板174(図8参照)に接続されている。
【0048】
なお、巻取装置50は、上記構成に限られるものではなく、回転軸50Aの回転を停止させ、あるいは回転軸50Aの回転の停止を解除できるものであれば、別の構成を採用してもよい。具体的には、解除ボタン(図示省略)を設け、この解除ボタンを押すことにより、ラチェット機構(ロック部材)50Cによる回転軸50Aのロックが解除されるようにしてもよい。
【0049】
また、上皿部18の表面中央部には、所定の効果音を出力するスピーカ(効果音出力装置)52が設けられている。また、上皿部18の表面左側方部には、後述の特別図柄表示装置82に表示される画像、各LED32A、32B、36、38、40の発光パターン及びスピーカ(効果音出力装置)52から出力される効果音をそれぞれ変化させるためのスイッチ操作が設けられている。
【0050】
また、上皿部18の下側には、下皿部20が設けられている。この下皿部20の略中央には、パチンコ機(遊技機)10の内部から遊技球を排出するための排出口56が形成されている。また、下皿部20の左表面及び右表面には、スピーカ58がそれぞれ設けられている。また、下皿部20の右側には、発射装置ユニット(図示省略)を操作するための発射ハンドル60が設けられている。この発射ハンドル60には、発射レバー62と、遊技球の発射停止を一時的に指令する発射停止スイッチ64が設けられている。さらに、下皿部20の左側には、灰皿66が設けられている。
【0051】
さらに、上皿部18に形成された収納部42の近傍には、ヘッドホン端子(接続端子)68がそれぞれ設けられている。このヘッドホン端子(接続端子)68には、遊技者M(図5参照)が装着するヘッドホン(図示省略)が接続可能となるとともに、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の装着部46Aに取り付けられたコード(接続部材)48も接続可能となっている。
【0052】
次に、遊技盤24の表面構造について図2を参照して説明する。
【0053】
遊技盤24は、中枠14に保持されるとともに、裏機構盤(図示省略)よりその背面側が覆わされている。遊技盤24には、遊技盤24の表面に設けられた外レール70と内レール72とにより略円形状の遊技領域26が形成されている。遊技領域26の内部には、中央装置74と、始動口(普通電動役物)76と、ワープ入球口78と、多数の障害釘80と、風車83等と、がそれぞれ配設されている。
【0054】
中央装置74は、遊技領域26の略中央部に配置されており、特別図柄表示装置(演出表示装置)82と、センター役物84と、ランプ装置86と、を備えている。
【0055】
特別図柄表示装置(演出表示装置)82は、略長方形状の映像画面を有している。この映像画面上には、1又は複数の特別図柄を所定の方向に次々と変動させながら表示した後、停止表示する特別図柄表示領域が形成されている。すなわち、左特別図柄を表示する左特別図柄表示領域、中央特別図柄を表示する中央特別図柄表示領域、及び右特別図柄を表示する右特別図柄表示領域が、略横一列となる配置方向に沿って並んで形成されている(図示省略)。各特別図柄表示領域は、これらの表示領域の配置方向と略直交する方向(上下方向)に図柄変動方向が設定されており、その方向に複数の特別図柄が順次表示されていく。
【0056】
特別図柄表示装置(演出表示装置)82は、遊技球が始動口(普通電動役物)76に入球することにより、その映像画面の表示領域に表示される各特別図柄をそれぞれ変動させて停止表示させるものである。そして、例えば、図柄が「7、7、7」の3桁同一図柄で揃って停止表示(確定表示)すると、後述の変動入賞装置102に配設された後述の大入賞装置106の大入賞口108が開放される。本実施形態のパチンコ機(遊技機)10は、始動口76に遊技球が入球すると、各特別図柄がそれぞれ変動され、図柄が3桁同一図柄で揃うことにより、「大当り」という特定価値を付与するものである。
【0057】
センター役物84は、特別図柄表示装置(演出表示装置)82の前面周辺部に突設して装着されている。センター役物84は、可動する一対の翼片部84Aを有している。この翼片部84Aの可動によりワープ入球口78の開口面積が変化する。
【0058】
また、遊技領域の左下方側には、普通図柄表示装置88が配置されている。この普通図柄表示装置88は、7セグメント表示器90と、4個の普通図柄保留表示LED92と、4個の特別図柄保留表示LED94と、2個の状態表示LED96と、を有している。7セグメント表示器90は、1〜9の間の数字を変動表示させるもので、後述の普通図柄作動ゲート100を遊技球が通過することにより変動して、所定の時間経過後に1種類の数字が停止表示される。そして、所定の数字で停止表示すると、始動口(普通電動役物)76が所定時間だけ開放される。なお、普通図柄表示装置88は、後述するサイドランプ112Aに組み付けられている。
【0059】
また、特別図柄表示装置(演出表示装置)82の左側には、普通図柄作動ゲート100が配置されている。この普通図柄作動ゲート100の内部には、ゲートスイッチ134(図7参照)が配設されている。これにより、遊技球がゲートスイッチ134を通過すると、普通図柄表示装置88の7セグメント表示器90が変動表示される。
【0060】
各普通図柄保留表示LED92及び各特別図柄保留表示LED94は、4個の丸形の赤色LEDで構成されており、7セグメント表示器90の左右両側に近接して配置されている。これは、普通図柄作動ゲート100を通過した遊技球の数を4個まで普通図柄の保留とし、通過ごとに順次点灯しシフト表示するものである。また、始動口76に入球した遊技球の数も4個まで特別図柄の保留とし、入球ごとに順次点灯しシフト表示するものである。7セグメント表示器90の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の普通図柄保留表示LED92は消灯される。また、特別図柄も特別図柄表示装置82の変動表示が開始するたびに、未始動回数が消化され、1個の特別図柄保留表示LED94が消灯される。
【0061】
始動口(普通電動役物)76は、特別図柄表示装置(演出表示装置)82の下方に離れて配置されている。始動口76は、いわゆるチューリップ式で一対の翼片部76Aが開閉するように形成されている。その内部には、遊技球の通過を検知する始動口スイッチ130(図7参照)と、翼片部を作動させるための普通電動役物ソレノイド140(図7参照)と、がそれぞれ備えられている。この一対の翼片部76Aが左右に開くと遊技球の入球可能性が大きくなる開放状態となり、一対の翼片部が閉じその離間距離が小さくなると遊技球の入球の可能性が小さくなる通常状態となる。
【0062】
変動入賞装置102は、上記始動口(普通電動役物)76の下方に配置されており、基板104と、大入賞装置106と、を備えている。ここで、大入賞装置106は、略中央に配置されており、帯状に開口された大入賞口108と、この大入賞口106Aを開放・閉塞する開閉板110と、この開閉板110を開閉するための大入賞口ソレノイド142(図7参照)と、入賞球を検知するカウントスイッチ136(図7参照)と、を備えている。
【0063】
また、中央装置74の左側下方部には、風車83が配置されている。さらに、遊技領域の左側下方部及び右側下方には、一対のサイドランプ112A、112Bがそれぞれ配置されている。
【0064】
また、遊技盤24の下方にはアウト口114が設けられており、このアウト口114の下部にはバック球防止部材116が設けられている。このバック球防止部材116は、遊技領域26に到達せず戻ってきた遊技球が再び発射位置に戻ることを防止している。また、内レール72の先端部には、ファール球防止部材118が取り付けられている。
【0065】
次に、パチンコ機10を構成する電子制御装置118について説明する。
【0066】
図7乃至図9に示すように、電子制御装置118は、主制御基板120と、払出制御基板122と、サブ制御基板(制御部)124と、発射制御基板126と、を備えている。主制御基板120は、CPU120AとRAM120BとROM120Cとを備えており、中継端子板128を介して、始動口スイッチ130と、大入賞口スイッチ132と、ゲートスイッチ134と、カウントスイッチ136と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、主制御基板120は、中継端子板138を介して、普通電動役物ソレノイド140と、大入賞口ソレノイド142と、特別図柄表示装置144と、にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、サブ制御基板(制御部)124は、ヘッドホン端子(接続端子)68に電気的に接続されている。
【0067】
払出制御基板122は、いわゆる貸球や賞球の払い出しに関する各種の制御を司っている。払出制御基板122は、中継端子板146を介して、ガラス枠スイッチ148と、外部タンクスイッチ150と、タンクスイッチ152と、にそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板154を介して、エラーLED34A、34Bに電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、下皿満タンスイッチ156に電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板156を介して、球貸表示基板158と、球貸装置(台間機)160と、にそれぞれ電気的に接続されている。なお、球貸表示基板158には、球貸スイッチ162と、返却スイッチ164とがそれぞれ電気的に接続されている。また、払出制御基板122は、中継端子板166を介して、払出モータ168と、払出スイッチ170と、にそれぞれ電気的に接続されている。さらに、払出制御基板122は、主制御基板120と発射制御基板126とにそれぞれ電気的に接続されている。
【0068】
サブ制御基板124は、主制御基板から各種演出コマンドを受け取るとコマンドの内容を解釈して、演出表示装置22での具体的表示内容や各種スピーカで出力する効果音、更には、各種LEDやランプ類の点灯もしくは点滅の具体的な態様を決定する。また、サブ制御基板(制御部)124は、所定の効果音がデータとして格納されている第1ROM124Aと、所定の音声ガイダンスがデータとして格納されている第2ROM124Bと、所定の音声を振動部46Bの振動に変換させるための振動数変換プログラムと振動数変換データが格納されている第3ROM124Cと、をそれぞれ備えている。この音声ガイダンスのデータとしては、例えば、球抜きのアナウンス以外に、遊技方法、遊技球の発射の強弱、遊技状態(予告、リーチ、発展、大当たり、ラウンド数、出球率、確変、時短等)、その他操作に関する説明のデータが該当する。
【0069】
また、図8に示すように、サブ制御基板(制御部)124は、演出表示基板172と、アンプ基板174と、装飾駆動基板176と、演出ボタン基板178と、にそれぞれ電気的に接続されている。ここで、演出表示基板172には、演出表示装置180と、演出表示ROM182と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、アンプ基板174には、所定の効果音を出力する各種スピーカ184(52)と、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46と、所定の音声ガイダンスを出力する音声ガイダンス用スピーカ(図1では図示省略、音声ガイダンス出力装置)186と、がそれぞれ電気的に接続されている。また、装飾駆動基板176には、各種LED・ランプ188が電気的に接続されている。また、演出ボタン基板178には、操作スイッチ190が電気的に接続されている。なお、サブ制御基板(制御部)124には、主制御基板120が電気的に接続されている。
【0070】
さらに、図9に示すように、発射制御基板126には、発射駆動基板192を介して、発射モータ194と、発射停止スイッチ196と、タッチスイッチ198とがそれぞれ電気的に接続されている。また、発射制御基板126には、球送りソレノイド200が電気的に接続されている。
【0071】
次に、本実施形態に係る遊技機であるパチンコ機10の作用について説明する。
なお、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46と接続するコード(接続部材)48が巻取装置50により巻き取られ骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46が収納部42の凹部44に収納された状態を初期状態として作用を説明する。
【0072】
図1、図3乃至図5に示すように、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を使用する場合には、遊技者M(図5参照)により骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の装着部46Aが収納部42の凹部44から引き出される。このとき、回転軸50Aが渦巻きバネ(回転力付与部材)50Bの付勢力に対抗して回転するとともに、コード(接続部材)48が所定量だけ引き出されると、ラチェット機構(ロック部材)50Cにより回転軸50Aの回転が停止され、ロックされる。これにより、コード(接続部材)48が所定量引き出された状態を維持することができる。コード(接続部材)48が引き出されると、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の装着部46Aが遊技者M(図5参照)の耳に装着される。装着部46Aが遊技者M(図5参照)の耳に装着されると、振動部46Bが遊技者M(図5参照)に頭部又はその近傍に位置された状態となる。このように、本実施形態では、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を遊技者M(図5参照)に容易に装着させることができる。また、コード(接続部材)48が所定量だけ引き出されたときに、ラチェット機構(ロック部材)50Cにより回転軸50Aの回転が自動的にロックされるため、コード(接続部材)48を所定量だけ引き出すだけで引き出された状態を維持することができ、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を使い易くすることができる。
【0073】
ここで、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46が装着されると、サブ制御基板(制御部)124により第3ROM124Cに格納された振動数変換プログラム及び振動数変換データに基づいて骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の振動部46Bが制御される。これにより、振動部46Bが発振され遊技者M(図5参照)に振動を与えられ遊技者M(図5参照)に骨導音として伝播される。この結果、音声効果を高めることができ、遊技に関する音声を遊技者M(図5参照)に確実に認識させることができる。特に、周囲の雑音などにより騒々しい遊技環境の中でも、遊技に関する音声を遊技者M(図5参照)に正確に認識させることができる。このように音声効果を高めることにより、遊技性を大幅に向上させることができるとともに、聴覚障害を持つ遊技者M(図5参照)に対しても遊技に関する音声を確実に認識させることができるため、難聴者にとっても遊技性を大幅に向上させることができる。
【0074】
一方、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の不使用時には、コード(接続部材)48が引き出された状態で再度、コード(接続部材)48を所定量だけ引き出されることにより、ラチェット機構(ロック部材)50Cによる回転軸50Aの回転停止が解除され、ロックが解除される。ロックが解除されると、回転軸50Aは渦巻きバネ(回転力付与部材)50Bの付勢力によりコード(接続部材)48が引き出されたときとは逆方向に回転する。これにより、コード(接続部材)48が回転軸50Aに巻き取られ、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46を収納部42の凹部44に収納することができる。このように、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の不使用時には、コード(接続部材)48を回転軸50Aに巻き取らせることにより、コード(接続部材)48が邪魔になることがない。また、回転軸50Aの回転がロックされた状態でコード(接続部材)48が所定量だけ引き出されると、ラチェット機構(ロック部材)50Cによるロックが解除され、渦巻きバネ(回転力付与部材)50Bにより回転軸50Aが回転させられて回転軸50Aにコード48が巻き取られることにより、コード(接続部材)48を回転軸50Aに自動的に巻き取らせることができる。
【0075】
また、巻取装置50は収納部42の内部に設けられていることにより、巻取装置50がパチンコ機(遊技機)10の外部(表面)に露出することがないため、パチンコ機(遊技機)10の意匠性を向上させることができる。また、巻取装置50を収納部42の内部に設けることにより、外部から巻取装置50に直接触れることができなくなるため、外部からの悪戯等により巻取装置50が破損・故障してしまうことを防止できる。
【0076】
また、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46がヘッドホン端子(接続端子)68に接続されているときには、サブ制御基板(制御部)124による制御により、音声ガイダンス用スピーカ(音声ガイダンス出力装置)186から所定の音声ガイダンスが出力されないため、気導音としての音声ガイダンスと骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46から伝播される骨導音とが干渉することを防止できる。これにより、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46から伝播される骨導音を遊技者M(図5参照)に正確かつ確実に認識させることができる。
【0077】
次に、本発明の第2実施形態に係る遊技機であるパチンコ機10について説明する。
なお、第1実施形態のパチンコ機10と重複する構成には同符号を付し、その説明を適宜省略する。
【0078】
図10に示すように、本実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46は、装着部46Aにマイク(入力部)46Cが接続されている。この骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46は、装着部46Aが遊技者M(図5参照)の耳に装着されると、振動部46Bが遊技者M(図5参照)の頭部又はその近傍に位置すると共に、マイク(入力部)46Cが咽頭部又は口元に位置するように設定されている。なお、マイク(入力部)46Cは、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46に組み付けられる構成に限られるものではなく、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46と分離させて設けてもよい。
【0079】
図11に示すように、サブ制御基板(制御部)124には、第4ROM124Dが設けられている。この第4ROM124Dには、マイク(入力部)46Cに入力された遊技者M(図5参照)からの音声と遊技状態の変化との対応を示したデータが格納されている。これにより、マイク(入力部)46Cに入力された遊技者M(図5参照)からの音声に基づいて遊技状態を変化させるようにサブ制御基板(制御部)124により制御することができる。例えば、遊技者M(図5参照)から所定の音声がマイク(入力部)46Cに入力されると、サブ制御基板(制御部)124により制御されて、第4ROM124Dに格納されたデータに基づいて各種スピーカ184(図8参照)から出力される効果音が所定の効果音に変化したり、各種LED・ランプ188(図8参照)からの発光パターンが所定の発光パターンに変化したり、特別図柄表示装置82(図2参照)に表示される画像が所定の画像に変化したりする。
【0080】
以上のように、本実施形態の遊技機であるパチンコ機10によれば、マイク(入力部)46Cに遊技者M(図5参照)の音声が入力されると、そのマイク(入力部)46Cに入力された音声に基づいてサブ制御基板(制御部)124により遊技環境が変化させられる。これにより、遊技者M(図5参照)の音声の入力により、自由に遊技環境を変化させることができ、遊技性を大幅に向上させることができる。
【0081】
次に、本発明の第3実施形態に係る遊技機であるパチンコ機10について説明する。
なお、第1実施形態のパチンコ機10と重複する構成には同符号を付し、その説明を適宜省略する。なお、本実施形態では、遊技者M(図5参照)の口の動きに基づいて遊技環境を変化させるようにしたものである。
【0082】
図12に示すように、本実施形態に係るパチンコ機(遊技機)10の骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の装着部46Aには、遊技者M(図5参照)の口の周りの画像を取得する画像取得部(例えばカメラ、認識部)46Dが取り付けられている。この骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46は、装着部46Aが遊技者M(図5参照)の耳に装着されると、振動部46Bが遊技者M(図5参照)の頭部又はその近傍に位置すると共に、画像取得部(認識部)46Dが遊技者M(図5参照)の口元の画像を取得できる位置にくるように設定されている。なお、画像取得部(認識部)46Dは、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46に組み付けられる構成に限られるものではなく、骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46とは分離して設けられていてもよい。
【0083】
図13に示すように、サブ制御基板(制御部)124には、画像取得部(認識部)46Dで取得された画像に基づいて速度ベクトルを算出する速度ベクトル演算部(認識部)124Fが設けられている。また、サブ制御基板(制御部)124には、第5ROM124Eが設けられている。この第5ROM124Eには、速度ベクトルと遊技状態の変化との対応を示したデータが格納されている。これにより、算出された速度ベクトルに基づいて遊技状態を変化させるようにサブ制御基板(制御部)124により制御することができる。例えば、遊技者M(図5参照)の口の動きが変化すると、サブ制御基板(制御部)124により制御されることにより、画像取得部(認識部)46Dで取得された画像に基づいて速度ベクトルが速度ベクトル演算部(認識部)124Fにより算出される。そして、速度ベクトルと第5ROM124Eに格納されたデータに基づいて各種スピーカ184(図8参照)から出力される効果音が所定の効果音に変化したり、各種LED・ランプ188(図8参照)からの発光パターンが所定の発光パターンに変化したり、特別図柄表示装置82(図2参照)に表示される画像が所定の画像に変化したりする。
【0084】
以上のように、本実施形態では、遊技者M(図5参照)が発声することなく、口の動きだけで自由に遊技環境を変化させることができ、遊技性を大幅に向上させることができる。特に、遊技者M(図5参照)の口の動き(例えば、「動け」と口を動かすと)に基づいて風車(可動物)83などの役物の動作を自由に変化させることにより、遊技性をさらに向上させることができる。
このように、遊技者M(図5参照)からの音声に基づいて遊技環境を変化させる場合には騒々しい遊技環境の中において遊技者M(図5参照)からの音声を正確に認識することが困難となるが、遊技者M(図5参照)の口の動きだけを認識して遊技環境を変化させるため、騒々しい遊技環境の中でも口の動きに忠実に遊技環境を変化させることができる。また、遊技者M(図5参照)が発声するわけではないため、周囲に迷惑をかけてしまうことを防止できる。さらに、上記骨伝導スピーカ(骨伝導装置)46の骨伝導機能と併用することにより、聴覚障害者にとっても、遊技に関する音声を正確に認識することができるとともに、自ら発声せずに遊技環境を自由に変えることができるため、遊技を十分に楽しむことができる。
【0085】
次に、上記各実施形態のパチンコ機に骨伝導装置を接続して遊技する遊技方法について説明する。
【0086】
例えば、パチンコ機(遊技機)10のヘッドホン端子(接続端子)68(図1参照)に骨伝導スピーカ付き携帯電話装置(図示省略)を接続するとともに、遊技状態を骨伝導スピーカ付き携帯電話装置から骨導音として遊技者M(図5参照)に伝播させて遊技することもできる。例えば、各図柄保留表示LED92、94の点灯につき、「保留1点灯」や「保留4点灯」などを骨導音として伝播させ、あるいは、特別図柄表示装置82に表示されている画像の変化(例えば、「可動役物のサルが腕をぐるぐる回している」など)を骨導音として伝播させるようにしてもよい。これにより、聴覚障害を持つ遊技者M(図5参照)にとっても遊技状態を正確に認識させることができ、遊技性を格段に向上させることができる。また、携帯電話装置のスピーカから単純に音声を出力させる場合と比較して、骨伝導スピーカから骨導音として出力させることにより、騒々しい環境の中でも、遊技状態を遊技者M(図5参照)に正確に認識させることができる。さらに、骨伝導スピーカ付き携帯電話装置を用いることにより、既存の骨伝導スピーカ付き携帯電話装置をそのまま利用することができる。
【0087】
次に、上記各実施形態のパチンコ機10で遊技する際に用いられる肘掛椅子について説明する。
【0088】
図14に示すように、肘掛椅子200は、座板部202と、座板部202に一体形成された背もたれ部204と、座板部202の下方に接続されて支柱部206と、をそれぞれ備えている。また、座板部202の左側方には、肘掛部208が回動可能となるように取り付けられている。この肘掛部208は、座板部202に対して回動可能かつ着脱可能に設けられ、回動により座板部202の前方及び後方に移動するアーム部210と、アーム部210の先端に取り付けられた肘掛部本体212と、を備えている。
【0089】
ここで、肘掛部本体212の上部表面には、所定の弾力性を有する硬質素材のクッション部材214が取り付けられている。また、図15に示すように、このクッション部材214の表面には、遊技者M(図5参照)の左手の肘を置くことができるように溝部216が形成されている。この溝部216に左手の肘を置くことにより、クッション部材214上で左手の位置が安定するとともに、クッション部材214の弾力性により肘に負担がかかることがない。
【0090】
また、肘掛部208の高さ(位置)は、遊技者M(図5参照)の左手に持った骨伝導スピーカ付き携帯電話(図示省略)を遊技者M(図5参照)の耳に当てたときに肘掛部本体212が左手の肘の近傍に位置するように設定されている。また、肘掛部本体212は、アーム部210に対して上下移動させることにより位置調整することができるようにしてもよい。
【0091】
以上のように、骨伝導スピーカ付き携帯電話装置(図示省略)により遊技状態を骨導音として出力させる場合には、遊技者M(図5参照)の右手が発射ハンドル60(図1参照)を握っているため、骨伝導スピーカ付き携帯電話装置(図示省略)を左手に持つことになるが、座板部202の左側方に肘掛部208を設けたことにより、その肘掛部本体212の上部のクッション部材214に左手の肘を載せると骨伝導スピーカ付き携帯電話装置(図示省略)をそのまま耳に当てることができる。これにより、遊技中に骨伝導スピーカ付き携帯電話装置(図示省略)を用いた場合でも、クッション部材214の弾性力により遊技者M(図5参照)の左手に生じる負担や疲労を軽減させることができ、長時間の遊技も難なく続行することができる。
【0092】
なお、肘掛部208が不要であれば、肘掛部208を座板部202に対して回動させることにより後方に位置させることができ、さらに座板部202から肘掛部208を取り外すことができる。
【0093】
また、上記各実施形態では、図1に示すように、パチンコ機(遊技機)10に左右2つの骨伝導スピーカ46を設けた構成を例にとり説明したが、左側の骨伝導スピーカ46を球貸装置(台間機)160に設けてもよい。ここで、図16に示すように、球貸装置(台間機)160は、球貸制御基板160Aと、音声制御基板160Bと、を有している。また、球貸制御基板160AはCR接続161を介して払出制御基板122に電気的に接続されている。また、音声制御基板160Bは、アンプ基板174と骨伝導スピーカ46と電気的に接続されている。また、球貸装置(台間機)160は、ホール音声装置220と電気的に接続されている。ホール音声装置220は、マイク220Aと、音声制御基板220Bと、ホール用スピーカ220Cと、を有している。ホール音声装置220を構成する音声制御基板220Bは、球貸装置(台間機)160を構成する音声制御基板160Bと電気的に接続されている。
【0094】
上記構成によれば、球貸装置(台間機)160を構成する音声制御基板160Bにより、遊技状態に応じて、アンプ基板174又はホール音声装置220を構成する音声制御基板220Bのいずれか一方を選択して制御することができる。これにより、パチンコ機(遊技機)10から出力される音声だけでなく、ホール音声装置220からホール内に出力される音声を骨伝導スピーカ46を介して遊技者Mに伝達させることができる。この結果、聴覚障害を持つ遊技者Mにとっても、パチンコ機(遊技機)10から出力される音声だけでなく、ホール内に出力される音声(例えば、イベント情報など)も、効果的に認識させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0095】
【図1】本発明の第1実施形態に係る遊技機の正面図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る遊技機の遊技盤の正面図である。
【図3】図1のA−A間の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る遊技機に取り付けられる骨伝導装置の構成図である。本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板を説明するための説明図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係る遊技機に取り付けられる骨伝導装置が遊技者に装着された状態を示す状態図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る遊技機に取り付けられる骨伝導装置が接続される巻取装置の構成を示すブロック図である。
【図7】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置の一部の構成を示すブロック図である。
【図8】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板を説明するための説明図である。
【図9】本発明の第1実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成する発射制御基板を説明するための説明図である。
【図10】本発明の第2実施形態に係る遊技機に取り付けられる骨伝導装置の構成図である。
【図11】本発明の第2実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板の構成を示すブロック図である。
【図12】本発明の第3実施形態に係る遊技機に取り付けられる骨伝導装置の構成図である。
【図13】本発明の第3実施形態に係る遊技機の電子制御装置を構成するサブ制御基板の構成を示すブロック図である。
【図14】本発明の遊技機で遊技をする際に用いられる肘掛椅子の構成図である。
【図15】図14の肘掛椅子を構成するクッション部材の斜視図である。
【図16】本発明の第1実施形態に係る遊技機を構成する球貸装置とホール音声装置との構成を示したブロック図である。
【符号の説明】
【0096】
10 パチンコ機(遊技機)
42 収納部
46 骨伝導スピーカ(骨伝導装置)
46A 装着部
46B 振動部
46C マイク(入力部)
46D 画像取得部(認識部)
48 コード(接続部材)
50 巻取装置
50A 回転軸
50B 渦巻きバネ(回転力付与部材)
50C ラチェット機構(ロック部材)
52 スピーカ(効果音出力装置)
68 ヘッドホン端子(接続端子)
83 風車
124 サブ制御基板(制御部)
124F 速度ベクトル演算部(認識部)
186 音声ガイダンス用スピーカ(音声ガイダンス出力装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技機の前面部に設けられた収納部と、前記収納部に着脱自在に収納され遊技に関する音声を振動により骨導音として伝播する骨伝導装置と、を有する遊技機であって、
前記骨伝導装置は、遊技者の耳に装着する装着部と、前記装着部に設けられ発振する振動部と、を有することを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記装着部は、巻取可能な接続部材を有し、
前記遊技機の前面部には、前記接続部材を巻き取るための巻取装置が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記巻取装置は、前記収納部の内部に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記巻取装置は、回転可能に設けられ前記接続部材を巻き取る回転軸と、前記回転軸の回転を制御するロック部材と、を有することを特徴とする請求項2又は3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記ロック部材は、前記接続部材が所定量だけ引き出されたときに前記回転軸の回転をロックすることを特徴とする請求項4に記載の遊技機。
【請求項6】
前記ロック部材は、前記回転軸の回転がロックされた状態で前記接続部材が所定量だけ引き出されると前記回転軸の回転のロックを解除させることを特徴とする請求項5に記載の遊技機。
【請求項7】
前記接続部材が前記回転軸に巻き取られる方向に前記回転軸を付勢し回転させる回転力付与部材を備えたことを特徴とする請求項4乃至6のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項8】
所定の効果音を出力する効果音出力装置と、所定の音声ガイダンスを出力する音声ガイダンス出力装置と、を有することを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項9】
前記骨伝導装置が接続される接続端子を有し、
前記骨伝導装置が前記接続端子に接続されているときには、前記音声ガイダンス出力装置から所定の音声ガイダンスが出力されないことを特徴とする請求項8に記載の遊技機。
【請求項10】
遊技環境を制御する制御部を有し、
前記骨伝導装置は遊技者の音声を入力する入力部を有し、
前記入力部に入力された音声に基づいて前記制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項11】
遊技環境を制御する制御部を有し、
前記骨伝導装置は遊技者の口の動きを認識する認識部を有し、
前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項に記載の遊技機。
【請求項12】
所定の動作を行う可動物を有し、
前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により前記可動物を動作させることを特徴とする請求項11に記載の遊技機。
【請求項13】
遊技機の前面部に設けた収納部と、前記収納部に着脱自在に収納され遊技に関する音声を振動により骨導音として伝播する骨伝導装置と、を有する遊技機の遊技方法であって、
前記骨伝導装置は、遊技者の耳に装着する装着部と、前記装着部に設けられ発振する振動部と、を有し、
前記装着部を遊技者の耳に装着した状態で、前記振動部からの振動により遊技者に骨導音を伝播させることを特徴とする遊技機の遊技方法。
【請求項14】
前記骨伝導装置は遊技者の音声を入力する入力部を有し、
前記入力部に入力された音声に基づいて制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする請求項13に記載の遊技機の遊技方法。
【請求項15】
前記骨伝導装置は遊技者の口の動きを認識する認識部を有し、
前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて制御部により前記遊技環境を変化させることを特徴とする請求項13に記載の遊技機の遊技方法。
【請求項16】
所定の動作を行う可動物を有し、
前記認識部で認識された遊技者の口の動きに基づいて前記制御部により前記可動物を動作させることを特徴とする請求項15に記載の遊技機の遊技方法。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−246911(P2006−246911A)
【公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−63202(P2005−63202)
【出願日】平成17年3月7日(2005.3.7)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】