説明

遊技機

【課題】 検査時に封印シールの文字等を容易に確認できる遊技機を提供する。
【解決手段】 蓋部71aと土台部71bとを一体化させると主基板ケース71となり、その主基板ケース71を封印シール79により封印した場合、個々の遊技機を識別するための記載である識別情報が印字された長方形の封印シール79は、識別情報が検査時に正面から容易に視認できるように、前面扉12を開いたときに遊技機本体11の開口から視認できる面上にある略三角形の領域Tの上に貼り付けられる。したがって、検査時に封印シールの文字等を容易に確認することができる。

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、遊技機に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、例えばスロットマシンを代表とする遊技機の内部に取り付けられた制御基板等に対する違法改造の検査が定期的に行われている。例えば、制御基板を収納する基板ケースの違法な分解があったか否かを確認するために、スロットマシン固有の文字等が書かれた脆性シールである封印シールを基板ケースを構成する蓋部と土台部とに跨って貼っておく方法がある。この場合、違法な基板ケースの分解があったとき脆性シールの剥がした痕跡が残るか封印シール自体が切断されていることになるため、違法行為に対しての確認ができる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、こうしたスロットマシンにおいて、封印シールは正面と正面から視認できにくい側面の2面に跨いで貼付しスロットマシン固有の文字等の一部が側面に達していたため、検査時にスロットマシン固有の文字等を確認するには側面をのぞき込むようにしなければならなかった。
【0004】本発明は、検査時に封印シールの文字等を容易に確認できる遊技機を提供する。
【0005】
【課題を解決するための手段およびその作用・効果】本発明の遊技機は、上述の目的を達成するために以下の手段を採った。
【0006】手段1.内部に取り付けられる第1部材と、前記第1部材と一体化される第2部材と、所定の識別情報を有し、前記識別情報が少なくとも検査時に正面から視認できるように貼付されて前記第1部材と前記第2部材とを一体化させたとき封印する封印シールとを備える遊技機。
【0007】この遊技機では、第1部材と第2部材とを一体化させた時に封印する封印シールは、識別情報が検査時に正面から視認できるように封印されているため、識別情報に印字された文字等を検査時に容易に確認できる。ここで、「第1部材」と「第2部材」は、例えば遊技機筐体がスロットマシンのように開閉可能な密閉体の場合にはその密閉体の内部に取り付けられる部材であり、遊技機筐体がパチンコ機のように枠体の場合にはその枠体の内側に取り付けられる部材である。また、「識別情報」は、文字、図形又は記号等であり、個々の遊技機を識別するため記載であればどのような記載であってもよい。更に、「封印シール」は、通常の封印シールを含むことは勿論、第1部材と第2部材とを封印することができる部材であればどのような部材であってもよい。更にまた、「検査時に正面から視認できる」における「正面」とは、例えば遊技機の内部又は内側を検査する際に遊技機を開いたとき、開いた部分から視認できる面をいう。
【0008】手段2.前記第1部材と前記第2部材とを一体化させたときの繋ぎ目部は多角形状に表れ、前記繋ぎ目部の少なくとも異なる2辺を跨ぐように貼付することにより前記第1部材と前記第2部材とを封印する封印シールである手段1に記載の遊技機。こうすれば、繋ぎ目部の少なくとも異なる2辺で封印するため繋ぎ目部の1辺で封印した場合における1箇所を切断するという封印の解除に比べて違法行為による封印の解除が困難であるため、遊技機の内部に対する違法行為を防止することができる。
【0009】手段3.内部に取り付けられる第1部材と、前記第1部材と一体化される第2部材と、前記第1部材と前記第2部材とを一体化させたときの繋ぎ目部は多角形状に表れ、前記繋ぎ目部の少なくとも異なる2辺を跨ぐように貼付することにより前記第1部材と前記第2部材とを封印する封印シールとを備える遊技機。
【0010】この遊技機では、第1部材と第2部材とを一体化させ封印シールにより封印すると、第1部材と第2部材との繋ぎ目で多角形状となる繋ぎ目部の少なくとも異なる2辺の上に封印シールを貼付することになる。つまり、繋ぎ目部の少なくとも異なる2辺で封印するため、第1部材と第2部材とに跨って封印シールを貼り封印することができる箇所が1箇所である場合における1箇所を切断するという封印の解除に比べて違法行為による封印の解除が困難である。したがって、遊技機の内部に対する違法行為を防止することができる。
【0011】手段4.前記第1部材と前記第2部材とが一体化すると多面体となり、前記繋ぎ目部のうち封印される各辺は、いずれも前記多面体のうち前記遊技機を開いたときに開口から視認できる面にある手段1〜3のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、封印シールに表示されている識別情報が遊技機を開いたときに開口から視認できる面にくるように封印シールを貼ることができるため、識別情報を視認しやすく封印シールが不正に切断されたり剥がされたりしたことを容易に確認することができる。
【0012】手段5.前記第1部材と前記第2部材とが一体化すると多面体となり、前記繋ぎ目部のうち封印される各辺は、前記多面体の別々の面にある手段1〜3のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、繋ぎ目部のうち封印される各辺が異なる面にあり封印シールを切断する際に異なる面にわたって切断操作をしなければならないため、封印される各辺が同じ面にある時に封印シールを切断する場合に比べて封印シールを不正に切断することが困難である。
【0013】手段6.前記繋ぎ目のうち封印される各辺は、前記多角形状に表れる繋ぎ目部の隣り合う2辺である手段2〜5のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、繋ぎ目部の隣り合っていない2辺を封印するときに比べて、短い封印シールでも封印することができる。
【0014】手段7.前記第1部材と前記第2部材とが一体化すると多面体となり、前記封印シールは前記多面体の角となる箇所に貼り付けられる手段6に記載の遊技機。こうすれば、角以外の箇所で繋ぎ目部のうち隣り合う2辺を封印するときに比べて、より短い封印シールで封印することができる。
【0015】手段8.前記第1部材と前記第2部材とが一体化すると多面体となり、前記封印シールは前記多面体の少なくとも3面に跨って貼り付けられる手段1〜7のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、1面又は2面に跨って封印シールを貼り付けている場合に比べて、封印シールを不正に剥がすことが困難となる。
【0016】手段9.前記封印シールを貼付したとき前記識別情報は、前記繋ぎ目部の上に貼付される手段1〜8のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、封印シールを不正に切断したとき識別情報が切断されることになり、違法行為による痕跡をより容易に確認することができる。
【0017】手段10.前記繋ぎ目部は、立体的に多角形状になってもよい手段1〜9のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、繋ぎ目部が立体的に多角形状になっているため、単に1面又は2面に跨って封印シールを貼り付けている場合に比べて、封印シールによる封印を不正に解除することが困難となる。
【0018】手段11.前記第1部材と前記第2部材とを一体化するときに所定の結合箇所にて両部材を結合する結合部材を備え、前記結合箇所は、前記封印シールによって被覆されている手段1〜10のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、一体化している第1部材と第2部材とを分離するためには封印シールを剥がし結合部材を取らなければならないため、封印の解除がより困難となる。
【0019】手段12.手段1〜11のいずれかに記載の遊技機であって、前記第1部材又は前記第2部材の少なくとも一方の部材には、封印シールの貼り付け位置を明らかにする貼付位置明示部を備えている。こうすれば、貼付位置明示部により封印シールを貼り付ける位置を決定することが容易になる。
【0020】手段13.前記第1部材は、遊技機の電子制御を司る制御装置を収納するケースの蓋となる部材であり、前記第2部材は、遊技機の電子制御を司る制御装置を収納するケースの土台となる部材である手段1〜12のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、遊技機の電子制御を司る制御装置をケースへ収納している状態を封印シールによって封印することができる。
【0021】手段14.前記第1部材は、遊技機の電子制御を司る制御装置を収納するケースであり、前記第2部材は、遊技機内部に固定設置されている部材である手段1〜12のいずれかに記載の遊技機。こうすれば、制御装置を収納するケースを遊技機の内部へ取り付けている状態を封印シールによって封印することができる。
【0022】手段15.手段1〜14のいずれかに記載の遊技機であって、前記遊技機はスロットマシンである遊技機。こうすれば、封印シールによってスロットマシンの内部に対する違法行為を防止することができる。なお、スロットマシンには、Aタイプ(ビッグボーナスゲームが子役ゲーム30回とJACゲーム3回のセットで構成されるタイプ)、Bタイプ(ビッグボーナスゲームが子役ゲーム30回とJACゲーム2回のセットで構成されるタイプ)、Cタイプ(シングルボーナスが頻繁に揃うタイプ)、AタイプとCタイプの複合機、BタイプとCタイプの複合機などがあるが、いずれのスロットマシンであってもよいし、これらのタイプ以外のスロットマシンであってもよい。
【0023】手段16.手段1〜14のいずれかに記載の遊技機であって、前記遊技機はパチンコ機である遊技機。こうした本発明の遊技機としてのパチンコ機の基本構成例としては、発射ハンドルを備えており、そのハンドル操作に応じて遊技球を所定の遊技領域に発射させ、遊技球が遊技領域内の所定の位置に配置された作動口に入賞することを必要条件として表示手段における図柄の変動表示が開始され、また、特別遊技状態発生中には遊技領域内の所定の位置に配置された入賞口が所定の態様で開放されて遊技球を入賞可能として、その入賞個数に応じた有価価値(景品球のみならず、磁気カードへの書き込み等も含む)が付与されるものを挙げることができる。こうしたパチンコ機において、少なくとも多数個の遊技球を取得できる遊技者に有利な状態である特別遊技状態(大当り状態)と、遊技球を消費する遊技者に不利な状態である通常遊技状態とが存在するものとすることもできる。この場合も封印シールによってパチンコ機の内部に対する違法行為を防止することができる。
【0024】手段17.手段1〜14のいずれかに記載の遊技機であって、前記遊技機はパチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機。このようなスロットマシンとパチンコ機とを融合させてなる遊技機(融合機)は、遊技媒体としてメダルの代わりに遊技球を用いるスロットマシンである。この場合も封印シールによって融合機の内部に対する違法行為を防止することができる。
【0025】なお、本発明の遊技機としては、スロットマシンやパチンコ機やパチンコ機とスロットマシンとを融合させてなる遊技機などを挙げることができるが、この他、種々の遊技機に適用することもできる。
【0026】
【発明の実施の形態】[第1実施形態]次に、本発明の好適な一実施形態を説明する。図1は、本発明の一実施形態であるスロットマシン10の前面扉を閉じた状態の斜視図、図2はスロットマシン10の前面扉を開いた状態の斜視図である。本実施形態のスロットマシン10は、前面扉12がその左辺を回動軸として本体11に回動可能に取り付けられ、前面扉12を閉じた状態で施錠装置20により前面扉12と本体11とを施錠可能である。前面扉12には、遊技の進行に伴い点灯したり点滅したりする上部ランプ13と、遊技の進行に伴い種々の効果音を鳴らしたり遊技者に遊技状態を報知したりするスピーカ14,14と、各種表示内容を表示する液晶ディスプレイ15と、左回胴Lと中回胴Mと右回胴Rをそれぞれ透視可能な遊技パネル30と、略中段付近にて各種ボタン51,53〜56,61〜63やスタートレバー52やメダル投入口57が設けられた操作部50と、機種名や遊技に関わるキャラクタなどが表示された下段プレート16と、メダル払出口17から払い出されたメダルを受けるメダル受け皿18とが装着されている。また、スロットマシン10の内部には、オンされるとスロットマシン10の各部に電源を供給する電源スイッチ81や、スロットマシン10をリセットするときに操作するリセットスイッチ82や、図示しない設定キーを挿入することにより、スロットマシン10の設定状態を変更可能にする設定キー挿入孔83などを備えている電源ボックス85や、メダルを貯留する補助タンク87と補助タンク87内のメダルを払出用通路92に通じる開口93を介してメダル払出口17へ払い出す払出装置88とから構成されているホッパ86や、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており処理プログラムを記憶するROMや一時的にデータを記憶するRAMや入出力処理回路がバスによって接続されている主制御装置70や、主制御装置70を収納する主基板ケース71や、CPUを中心とするマイクロコンピュータとして構成されており主制御装置70からの出力信号による液晶ディスプレイ15の表示内容の制御を行う表示用制御装置94が装着されている。
【0027】遊技パネル30は、左回胴L、中回胴M、右回胴Rの停止中または回転中の様子を外部に露出する露出窓31L,31M,31Rを備え、露出窓31Lの左側に配設された5つのベットランプ32,33,33,34,34と、この露出窓31L,31M,31Rの下側に配設されている、スロットマシン内部に貯留されている枚数を表示するものであるクレジット枚数表示部35と、ビッグボーナス時にあと何回JAC(ジャック)インできるかとかJACゲーム時にあと何回JAC図柄成立が残っているかといった回数を表示するものであるゲーム数表示部36と、有効ライン上に同じ図柄が揃って入賞したときに払い出された枚数を表示するものである払出枚数表示部37とを備えている。
【0028】操作部50は、前面部に設けられたクレジットボタン51、スタートレバー52、左回胴用ストップボタン53、中回胴用ストップボタン54、右回胴用ストップボタン55、および返却ボタン56と、水平段部に設けられたメダル投入口57、1枚ベットボタン61、2枚ベットボタン62およびマックスベットボタン63とを備えている。
【0029】図3は、主制御装置70と主基板ケース71の組付斜視図である。図に示すように、主基板ケース71は、蓋となる蓋部71aと土台となる土台部71bとで構成されている。蓋部71aは、上部の左側と右側にそれぞれ2個ずつ合計4個の土台接合受け部5a,5a,5a,5aを備え、上部の左右両端にねじを挿通可能な挿通孔6a,6aを備え、上部の左右両角に封印シール79(図5(b)を参照)の貼付位置を明らかにするための凸状のシール枠76,76を備え、下部の一端から他端まで略均等な間隔で並ぶ9個の突起からなる蓋突起部4aを備えている。土台部71bは、上部に土台接合受け部5a,5a,5a,5aに対応する接合部5b,5b,5b,5bを備え、上部の略両端に雌ねじ部6c,6cを備え、下部に蓋突起部4aの9個の突起に対応する9個の差し込み口からなる蓋突起受け部4bを備えている。そして、主制御装置70を収納した土台部71bに対して蓋部71aが略垂直になるように蓋突起部4aを蓋突起受け部4bに嵌め込むと、蓋部71aが土台部71bに対して下辺を軸として回動可能になり、蓋部71aを回動させて土台部71bに合わせ閉じた状態にする。なお、蓋突起部4aと蓋突起受け部4bとは、蓋部71aと土台部71bとのなす角度が所定角度(ここでは約60°)を越えたときに着脱可能であり、所定角度以内の時には互いに噛み合って着脱できないような機構を採っている。
【0030】蓋部71aと土台部71bとが閉じた状態のとき、蓋部71aの下面を除く3側面は土台部71bの各々対応する3側面の内側に内包される状態となり、土台接合部5b,5b,5b,5bは各々に対応した土台接合受け部5a,5a,5a,5aの内側に内包される。また、蓋部71aの挿通孔6a,6aと主制御装置70の上部の略両端にある挿通孔6b,6bと土台部71bの雌ネジ部6c,6cとが整合する。このため、ねじを挿通孔6a,6aから挿通孔6b,6bを介して雌ネジ部6c,6cにねじ込むことにより、蓋部71aと土台部71bとが一体化されて主制御装置70が主基板ケース71の内部に密閉される。この時、主基板ケース71の下部は、蓋突起部4aと蓋突起受け部4bとが噛み合うことによって密閉されている。
【0031】蓋部71aと土台部71bとで主制御装置70を密閉する構成を採ったあと、土台接合部5b,5b,5b,5bと土台接合受け部5a,5a,5a,5aとが整合した構成を採るかしめ部5,5,5,5のうち両端にある2つのかしめ部5,5をかしめて封印する。図4は、かしめ部5の断面図である。図4(a)は、1個のかしめ部5をかしめ金具3によってかしめる前の断面図であり、この図に示すように、土台接合受け部5aは土台接合部5bを内包するように整合している。このとき、整合した土台接合受け部5aから土台接合部5bにわたってかしめ金具3を差し込むための差込口5dが通じている。図4(b)は、1個のかしめ部5をかしめ金具3によってかしめたときの断面図であり、この図に示すように、かしめ金具3にはかしめ枝3aがあり、かしめ金具3は一度かしめ部5の差込口5dに差し込むとかしめ枝3aが邪魔することにより2度と抜けない構造となっている。主制御装置70の検査等で主基板ケース71の封印を解除するときにはかしめ部5を切断線5cに沿って切断して封印を解除する。なお、かしめ部5を切断線5cに沿って切断すると、土台接合受け部5aの切断された部分が封印解除の痕跡として土台接合部5bにくっついたままで残る。その後再び主基板ケース71を封印するときには、残りの2つのかしめ部5,5をかしめて主基板ケース71を封印するため、合計2回封印することができる。
【0032】図5は、主基板ケース71の上部右角部の貼付箇所75の拡大斜視図である。図5(a)は、蓋部71aと土台部71bとを一体化させる前の各々の右角隅の拡大斜視図である。この図に示すように、蓋部71aと土台部71bとは、蓋部71aの蓋周面F1が土台部71bの土台周面F2の内側に入り込み嵌合する形状となっている。また、蓋前面F3の右上部角には、凸状のシール枠76を斜辺とする略三角形の領域Tが形成されている。この略三角形の領域Tは、封印シール79(図5(b)を参照)の貼付箇所75(図5(b)を参照)の一部をなすと共にネジを挿通可能な挿通孔6aを有している。
【0033】図5(b)は、蓋部71aと土台部71bとが一体化したときの貼付箇所75の拡大斜視図である。この図に示すように、蓋部71aと土台部71bとを一体化させると、前面扉12を開いたときに遊技機本体11の開口から視認できる面である蓋前面F3と土台前面F4とが同一平面となる。また、蓋前面F3と土台前面F4との繋ぎ目部77は、全体形状が略四角形状を呈しているため4つの辺から成っているが、図5(b)にはそのうちの上辺77aと右辺77bが表れている。そして、管理番号等が印字された長方形の封印シール79は、長辺をシール枠76に沿わせつつ、略三角形の領域Tを中心として、繋ぎ目部77の上辺77aのうち略三角形の領域Tの一辺をなす部分と繋ぎ目部77の右辺77bのうち略三角形の領域Tの一辺をなす部分とを跨ぐようにして貼り付けられる。
【0034】図5(c)は、封印シール79を貼付した貼付箇所75の拡大斜視図である。この図に示すように、貼り付けられた封印シール79は、略四角形状に表れる繋ぎ目部77のうち隣り合う2辺である上辺77aと右辺77bとを跨ぐように貼り付けられ、これにより主基板ケース71の蓋部71aと土台部71bとを封印している。また、貼り付けられた封印シール79のうち管理番号等が印字されている部分は、前面扉12を開いたときに遊技機本体11の開口から視認できる面(同一平面化した蓋前面F3及び土台前面F4)上にある。更に、封印シール79は主基板ケース71の上部右角にて、挿通孔6aに挿通されたネジ6の頭部を被覆し、主基板ケース71の前面S1と上面S2と右側面S3との3面に跨って貼付されている。なお、主基板ケース71の左上部角も同様の構成を採る。
【0035】図6は、主基板ケース71を構成する蓋部71aと土台部71bとの封印を不正に解除したときの拡大斜視図である。この図に示すように、封印シール79によって封印された主基板ケース71の封印を不正に解除するときには、例えば封印シール79を繋ぎ目部77のうち上辺77aと右辺77bとに沿って切断する。したがって、封印シール79の上辺77aに沿った上切断跡80aと右辺77bに沿った右切断跡80bとが前面S1上に表れることになる。その後、主基板ケース71を蓋部71aと土台部71bとに離間させたいときには、切断した封印シール79の貼付箇所75に貼付されている部分を剥がし、挿通孔6aにねじ込まれているネジ6を外し、封印されている2つのかしめ部5,5の切断線5c、5cに沿って切断したあと蓋部71aと土台部71bとを離間させる。
【0036】また、例えば前面S1と上面S2と右側面S3との3面に跨って貼付されている封印シール79を全て剥がすことによって、主基板ケース71の封印を解除することもできる。この場合は、封印シール79は脆性シールであるために、前面S1上に封印シール79を剥がした痕跡が表れることになる。
【0037】以上詳述した本実施形態のスロットマシン10によれば、以下の効果が得られる。
【0038】■蓋部71aと土台部71bとを一体化させて封印する封印シール79は、管理番号等が印字されている部分が前面扉12の開口から視認できる面にくるように貼付されている。したがって、検査時に管理番号等を容易に確認できる。
【0039】■蓋部71aと土台部71bとを一体化させ封印シール79により封印するとき、全体形状が略四角形状を呈す繋ぎ目77のうち上辺77aと右辺77bを跨いで封印シール79を貼付することとなる。つまり、繋ぎ目部77のうち異なる2辺を封印するため1辺の繋ぎ目で封印した場合に比べて違法行為による封印の解除が困難である。したがって、スロットマシン10の内部に対する違法行為を防止することができる。
【0040】■封印される上辺77aと右辺77bとは、主基板ケース71のうち前面扉12を開いたときに開口から視認できる前面S1にあり、封印シール79に表示されている文字等が前面扉12を開いたときに開口から視認できる面にくるように封印シール79を貼ることができる。したがって、封印シール79に記載された文字等を視認しやすく封印シール79が不正に切断されたり剥がされたりしたことを容易に確認することができる。
【0041】■全体形状が略四角形状を呈している繋ぎ目部77の隣り合う2辺である上辺77aと右辺77bとが封印されるため、繋ぎ目部77の隣り合っていない2辺を封印するときに比べて、短いシールでも封印することができる。
【0042】■封印シール79は、主基板ケース71の右上部角に貼り付けられるため、角以外の箇所で繋ぎ目部のうち隣り合う2辺である上辺77aと右辺77bとを封印するときに比べて、より短いシールで封印することができる。
【0043】■封印シール79は、主基板ケース71の前面S1と上面S2と右側面S3との3面に跨って貼付されており、1面又は2面に跨って封印シール79を貼り付けている場合に比べて、封印シール79を不正に剥がすことが困難となる。
【0044】■封印シール79を貼付したとき管理番号等が印字された部分は、繋ぎ目部77の上に貼付されており、封印シール79を不正に切断したとき管理番号等が切断されることになり、違法行為による切断跡をより容易に確認することができる。
【0045】■封印シール79を貼付する貼付箇所75の一部をなす領域Tは、蓋部71aと土台部71bとを一体化するときにネジ6をねじ込む挿通孔6aを有するため、封印シール79を貼付して封印すると封印シール79によって被覆される。したがって、一体化している蓋部71aと土台部71bとを分離するためには封印シール79を剥がしネジ6を外さなければならないため、封印の解除がより困難となる。
【0046】■貼付箇所75には封印シール79の貼り付け位置を明らかにするシール枠76を備えており、シール枠76に沿わせて封印シール79を貼ると貼付箇所75に封印シール79を貼付することが容易である。
【0047】[第2実施形態]本実施形態は、繋ぎ目部177以外は、第1実施形態と同様である。このため、以下には、第1実施形態と相違する点だけを説明する。なお、第1実施形態と同じ構成要素については同じ符号を使って説明する。
【0048】図7は、封印シール79を貼付した貼付箇所75の拡大斜視図である。この図に示すように本実施形態では、蓋部71aと土台部71bとの繋ぎ目である繋ぎ目部177が主基板ケース71の周面P上に全体形状が略四角形状を呈して4つの辺から成るように表れるが、図7にはそのうち上辺177aと右辺177bが表れている。そして、管理番号等が印字された長方形の封印シール79の長辺をシール枠76に沿わせて、管理番号等を正面から視認できるだけでなく前面S1と上面S2と右側面S3とに跨るように封印シール79を貼付箇所75に斜めに貼る。この時、封印シール79は、主基板ケース71の上面S2にある上辺177aと右側面S3にある右辺177bとを覆って貼付される。つまり、繋ぎ目部177のうち主基板ケース71の異なる面にある2辺に跨って封印シール79が貼付される。この結果、蓋部71aと土台部71bとにより構成される主基板ケース71は封印シール79により封印される。また、主基板ケース71の左上部角も同様の構成を採る。
【0049】以上詳述した本実施形態によれば、繋ぎ目部177のうち封印される2辺は上辺177aが上面S2に、右辺177bが右側面S3にある。したがって、封印される2辺が異なる面にあり封印シール79を切断する際に2面にわたって切断操作をしなければならないため、封印される2辺が同じ面にある時に封印シール79を切断する場合に比べて封印シール79を不正に切断することが困難である。また、前述した第1実施形態の■,■〜■の効果も得られる。
【0050】なお、本発明は上述した各実施形態に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。上述した各実施形態では、主基板ケース71を構成する蓋部71aと土台部71bとに利用したが本体11の内部に取り付けられる部材であればどのような部材であってもよい。例えば、主基板ケース71と、本体10に固定されている主基板ケース71を取り付けるための土台となるベースとの封印に利用してもよい。
【0051】また、上述した実施形態では、繋ぎ目77は略四角形状に表れていたが、立体的な多角形状として表れていてもよい。例えば図8に示すように、蓋部101と土台部102とを一体化させたときの繋ぎ目となる繋ぎ目部103が側面M上において一直線状に表れず階段状となる段部110を有し、段部110を被覆するように封印シール79を貼付していてもよい。ここで、側面Mは検査時に容易に視認できる面である正面に相当する。
【0052】更に、上述した実施形態では、封印シール79を用いて封印したが、主基板ケース71を構成する蓋部71aと土台部71bとを封印することができる部材であればどのような部材であってもよい。例えば、樹脂等でできた封印板を貼付箇所75に貼付することによって主基板ケース71を封印してもよい。
【0053】更にまた、上述した各実施形態では、本発明をスロットマシンに適用した場合を説明したが、本発明をパチンコ機に適用してもよいし、スロットマシンとパチンコ機とを融合させてなる融合機に適用してもよい。いずれの場合も上述した実施形態と同様の作用効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】スロットマシンの前面扉を閉じた状態の斜視図である。
【図2】スロットマシンの前面扉を開いた状態の斜視図である。
【図3】主基板ケースと主制御装置の組付斜視図である。
【図4】かしめ部の断面図である。
【図5】第1実施形態の主基板ケースの貼付箇所の拡大斜視図である。
【図6】第1実施形態の主基板ケースの封印を解除したときの貼付箇所の拡大斜視図である。
【図7】第2実施形態の主基板ケースの貼付箇所の拡大斜視図である。
【図8】別の実施形態の主基板ケースの斜視図である。
【符号の説明】
3…かしめ金具、3a…かしめ枝、4a…蓋突起部、4b…蓋突起受け部、5…かしめ部、5a…土台接合受け部、5b…土台接合部、5c…切断線、5d…差込口、6…ネジ、6a…挿通孔、6b…挿通孔、6c…雌ネジ部、7a…ケース接合受け部、7b…ケース接合部、8a…ケース突起部、8b…ケース突起受け部、9a…爪受け部、9b…取付爪、9c…矢尻部、9d…段部、10…スロットマシン、11…本体、70…主制御装置、71…主基板ケース、71a…蓋部、71b…土台部、72…取付ベース、75…貼付箇所、76…シール枠、77…繋ぎ目部、77a…上辺、77b…右辺、79…封印シール、80a…上切断跡、80b…右切断跡、101…蓋部、102…土台部、103…繋ぎ目部、110…段部、177…繋ぎ目部、177a…上辺、177b…右辺、F1…蓋周面、F2…土台周面、F3…蓋前面、F4…土台前面、M…側面、P…周面、S1…前面、S2…上面、S3…右側面、T…領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】 内部に取り付けられる第1部材と、前記第1部材と一体化される第2部材と、所定の識別情報を有し、前記識別情報が少なくとも検査時に正面から視認できるように貼付されて前記第1部材と前記第2部材とを一体化させたとき封印する封印シールとを備える遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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