説明

遊技機

【課題】 製造コストの増大を抑制することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 ガイドレ−ル50の一部である本体枠側構成部51が、払出装置19から払い出される遊技球を窓枠12の前面側に形成された前面通路へ案内するための貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成しているため、払出装置19と前面通路30とを連結する貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成する通路を別途製造する必要がなくなるため、遊技機の製造コストの増大を抑制することが可能となる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機等の遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機として、外部装置から供給される遊技球を貯留するタンク、および、遊技球の払出装置が設けられたものが知られている。(例えば、特許文献1参照)。
かかる構成によれば、タンクに貯留された遊技球のうち指定された数量だけを、払出装置により払い出すことが可能であった。払い出された遊技球は前面側に案内されて、遊技に使用される。
【特許文献1】特開2004−073719号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、近時、払出装置から払い出された遊技球を上皿に供給するための通路の一部または全部を、遊技機の前面側に設けるように構成された遊技機が提案されている。このような遊技機によれば、遊技機の背面側のスペ−スを広く確保することが可能となる。
このような遊技機の前面側に設けられた通路(前面通路)を設置する場合、必然的に、遊技機の背面側の払出装置から上記前面通路まで遊技機を貫通する通路を設ける必要がある。この遊技球を貫通する通路は、遊技球が滞留することなく上記前面通路まで滑落することができるように、傾斜を付けて設置する必要がある。
しかしながら、遊技機の窓枠や本体枠への打抜加工によりこのような傾斜した孔を設けることは困難であり、そのため、遊技球の通過面が傾斜した遊技機を貫通する通路を別途製造して設置する必要があり、このことが、遊技機の製造にかかるコストの増大の原因となってしまうという問題があった。
本発明は、上記課題にかんがみてなされたものであり、製造コストの増大を抑制することが可能な遊技機の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0004】
上記目的を達成するため、請求項1 にかかる発明では、遊技盤が設置される本体枠と、同本体枠の背面側に配置され、遊技に関する各種の動作を制御する制御基板が設置される機構板と、同機構板の背面側に設置され、上部に備えられた外部装置から遊技球が供給される供給部と、上記機構板の背面側に設置され、遊技球の払い出しを行う払出装置と、上記本体枠の前面側に同本体枠に対して開閉可能に取り付けられる窓枠と、同窓枠の前面側に設置され、上記払出装置から払い出された遊技球を皿貯留部に供給するための前面通路とを具備する遊技機において、上記遊技盤に取り付けられる遊技部材の一部が、上記払出装置と上記前面通路とを連結する貫通通路における上記本体枠の貫通部分を構成し、当該貫通部分における遊技球の通過面が、上記払出装置側から上記前面通路側に向かって下方に傾斜している構成としてある。
【0005】
上記のように構成した請求項1にかかる発明において、遊技機は、遊技盤が設置される本体枠と、同本体枠の背面側に配置され、遊技に関する各種の動作を制御する制御基板が設置される機構板と、同機構板の背面側に設置され、上部に備えられた外部装置から遊技球が供給される供給部と、上記機構板の背面側に設置され、遊技球の払い出しを行う払出装置と、上記本体枠の前面側に同本体枠に対して開閉可能に取り付けられる窓枠と、同窓枠の前面側に設置され、上記払出装置から払い出された遊技球を皿貯留部に供給するための前面通路とを具備している。この前面通路は、機構板背面側の払出装置から窓枠の前面側に導出された遊技球を皿貯留部に供給するために、同窓枠の前面側に形成されているものであり、この前面通路が設けられることにより、払出装置からの遊技球の通路を遊技機の背面側に設ける必要がなく、同背面側のスペ−スを広く確保することが可能となるのである。
【0006】
そして、請求項1の発明にかかる遊技機は、遊技盤に取り付けられる遊技部材の一部が、上記払出装置と上記前面通路とを連結する貫通通路における上記本体枠の貫通部分を構成し、同貫通部分における遊技球の通過面が、上記払出装置側から上記前面通路側に向かって下方に傾斜したものとなっている。すなわち、機構板の背面側に設けられている払出装置と、窓枠の前面側に設けられている前面通路とを連結し、同払出装置から払い出される遊技球を、遊技機の筐体を幅方向に貫通して同前面通路へと導出するための貫通通路における上記本体枠の貫通部分が、同本体枠に設置された遊技盤に取り付けられる遊技部材と一体的に形成されており、且つ、上記貫通部分における遊技球の通過面が、遊技球が滑落することができるように、前面側に向かって下方に傾斜するように形成されているのである。このように、遊技部材を、上記貫通通路の一部を構成するように一体形成しておくことにより、払出装置と前面通路とを連結する通路の本体枠部分を別途製造する必要がなくなるため、遊技機の製造コストの増大を抑制することが可能となる。
【0007】
なお、上記遊技盤に取り付けられる上記遊技部材は、例えば、遊技機が第一種のパチンコ遊技機(所謂、セブン機)、第二種のパチンコ遊技機(所謂、羽物)、または、第三種のパチンコ機(所謂、権利物)である場合には、発射装置から発射された遊技球を遊技盤面上部に案内するためのガイドレ−ルや、入賞口、始動口、風車、大入賞口(所謂、アタッカ)等が該当する。
【0008】
手段1
手段1にかかる発明は、上記請求項1に記載した発明において、
上記遊技部材は、上記遊技盤面に設置され、発射装置から発射された遊技球を、同遊技盤面の上部に案内するガイドレ−ルであり、
上記ガイドレ−ルの一部が、上記払出装置と上記前面通路とを連結する貫通通路における上記本体枠の貫通部分を構成したものとなっている。
すなわち、遊技盤面に設けられるガイドレ−ルの一部が、払出装置と前面通路とを連結する貫通通路における本体枠の貫通部分を構成している。このガイドレ−ルは、遊技者が前方から視認可能な遊技領域の略周縁部に沿って設けられるものであるため、このガイドレ−ルから遊技領域の外側に向かって貫通通路を一体形成することにより、遊技領域外に遊技球の通路を形成することが可能となる。
【0009】
手段2
手段2にかかる発明は、上記請求項1に記載した発明において、
上記遊技部材は、上記遊技盤面に突出した設けられる液晶表示器の上側に設置される装飾部材であり、
上記装飾部材の一部が、上記払出装置と上記前面通路とを連結する貫通通路における上記本体枠の貫通部分を構成したものとなっている。
すなわち、液晶表示器の上側に設置され、種々のキャラクタを模した可動式の人形体や、電飾が施される装飾部材を、上記貫通通路の本体枠の貫通部分に兼用することが可能となる。
【0010】
手段3
手段3にかかる発明は、上記手段2に記載した発明において、
上記装飾部材には、所定の駆動手段にて駆動される可動部材、および/または、電飾部材が設置されているとともに、
上記装飾部材における上記本体枠の貫通部分には、遊技球の通過を検知する遊技球検知センサが設置されており、
上記遊技球検知センサによる遊技球の検知に連動して、上記可動部材および/または上記電飾部材の駆動を行う構成としてある。
すなわち、払出装置から遊技機の前面側に向かってくる遊技球に合わせて、装飾部材による演出を行うように構成されているため、遊技球の払い出しと、遊技盤面での演出が渾然一体となった斬新な演出とすることができ、遊技の興趣が向上するとともに、遊技球が払い出されたときに、その達成感をより強く享受することが可能となる。
【0011】
手段4
手段4にかかる発明は、上記請求項1、または、上記手段1〜手段3のいずれかに記載した発明において、
上記遊技部材における上記本体枠の貫通部分は、上記本体枠および同本体枠に設置された遊技盤に所定の間隔をあけて遊嵌されている構成としてある。
すなわち、貫通通路を構成する上記遊技部材の一部が、上記本体枠および遊技盤に遊嵌されているため、例えば、木製の遊技盤が反ってしまった場合に、遊技盤への嵌合部分が破損してしまうことを防止することが可能となる。
【0012】
手段5
手段5にかかる発明は、上記請求項1、上記手段1〜手段4のいずれかに記載した発明において、上記前面通路における上記貫通通路の少なくとも手前側部分が透明部材により構成されており、
上記払出装置から払い出されて上記貫通通路内を前面側に進行する遊技球を視認可能である構成としてある。
すなわち、払出装置から払い出された遊技球が前面側に向かって進行する様子を、上記前面通路の透明部分を介して視認することができるため、進行する遊技球による装飾効果を奏することが可能となるとともに、遊技球が払い出されたことに対する達成感を強く享受することが可能となる。
【発明の効果】
【0013】
以上説明したように、請求項1にかかる発明によれば、遊技機の製造コストの増大を抑制することが可能となる。
手段1にかかる発明によれば、遊技領域外に遊技球の通路を形成することが可能となる。
手段2にかかる発明によれば、装飾部材を、上記貫通通路の本体枠の貫通部分に兼用することが可能となる。
手段3にかかる発明によれば、遊技球の払い出しと、遊技盤面での演出が渾然一体となった斬新な演出とすることができ、遊技の興趣が向上するとともに、遊技球が払い出されたときに、その達成感をより強く享受することが可能となる。
手段4にかかる発明によれば、木製の遊技盤が反ってしまった場合に、遊技盤への嵌合部分が破損してしまうことを防止することが可能となる。
手段5にかかる発明によれば、進行する遊技球による装飾効果を奏することが可能となるとともに、遊技球が払い出されたことに対する達成感を強く享受することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
ここでは、下記の順序に従って本発明の実施形態について説明する。
(1)第一の実施形態:
(2)第二の実施形態:
(3)各種変形例:
(4)まとめ:
【0015】
(1)第一の実施形態:
図1は、本発明の第一の実施形態にかかる遊技機(パチンコ遊技機)を斜めから見て示している。なお、本実施形態においては、遊技盤上に各種の役物が設置されるパチンコ遊技機を本発明に適用する場合について説明するが、本発明の遊技機はこれに限定されるものではなく、遊技領域において回転するドラムを具備し、所定の操作に応じて回転するドラムの停止を行って遊技を進行させる所謂パチロットであってもよい。
【0016】
同図において、パチンコ遊技機10は、木材で矩形枠状に形成された外枠11を有しており、同外枠11をホ−ル等に固定することにより正立した状態で設置される。外枠11には、合成樹脂等で形成された矩形枠状の本体枠24が嵌め込まれている。また、外枠11の前面側には、窓枠12が本体枠24に対して回動可能に枢支されている。この本体枠24は、窓枠12が閉じた状態で、窓枠12の背面側が略密着している状態となっている。窓枠12の略中央部には、透明保持枠としてのガラス枠13が枢支されている。ガラス枠13は、略中央部に円形の窓穴13dを有しており、この窓穴13dから透明板としてのガラス13aが露出するように保持されている。
【0017】
カラス13aは透視可能であり、ガラス13aの内側を視認することが可能となっている。そして、前面側からガラス13aを透視することにより、本体枠24に保持された遊技盤16の盤面に設けられた各種の役物(入賞口、始動口、大入賞口、液晶表示器等)の様子を視認することが可能となっている。なお、遊技盤16におけるガラス13aを介して視認可能な領域が遊技領域である。発射装置18から発射された遊技球は、この遊技領域内を落下する。遊技者は、発射装置18から発射された遊技球が遊技領域内を落下する様子や、同遊技球が各種の入賞口に入る様子や、液晶表示器にて表示される識別情報のカ可変表示や各種の演出画像を見ながら遊技を楽しむことができる。
【0018】
ガラス枠13の下方には、上皿14が前面側に向かって突設されており、さらにその下方には、下皿15が前面側に向かって突設されている。なお、この上皿14および下皿15は、上記皿貯留部を構成するものである。上皿14および下皿15は、所定の深みを有する皿状に形成されているため、遊技球を貯留しておくことができる。
なお、本発明の遊技機は、この実施形態のように上皿および下皿の両方を具備している必要はなく、例えば、上皿のみを具備していてもよい。
【0019】
ガラス枠13の前面側の左端部には、パチンコ遊技機10の背面側に設置された後述する払出装置19(図示せず)から払い出された遊技球を上皿14に供給するための前面通路30が設置されている。この前面通路30は、ガラス枠13の左端上部から上皿14の直上まで垂下するとともに、そこから上皿14における遊技球を貯留するための窪み部まで直角に折れ曲がるように設けられている。上述した払出装置19から払い出された遊技球は、パチンコ遊技機10の筐体を前後に貫通する貫通通路(図示せず)内を通過してガラス枠13の前面まで導出された後、前面通路30内を落下して上皿14に供給される。この前面通路30は、全部が透明部材で構成されており、内部を通過する遊技球を視認可能であるとともに、パチンコ遊技機10の筐体内を、前面通路30に向かって滑落してくる遊技球をも視認可能となっている。このようにすることにより、前面通路30の内部を通過する遊技球による装飾効果を奏するとともに、遊技球が払い出されたことに対する達成感を強く享受することが可能となる。また、払出装置19から払い出された遊技球の通路(払出通路)を前面側に設けることにより、本体部の背面側のスペ−スを広く確保することが可能となり、同スペ−スを有効利用することができる。
【0020】
本実施形態では、この前面通路30が窓枠12に取り付けられている場合について説明したが、この前面通路30の設置場所としては、窓枠12の前面側であれば特に限定されるものではない。窓枠12の前面側に設置されるのであれば、本体部の背面側のスペ−スを広く確保することができるという効果を享受することができるからである。また、前面通路30は、払出装置19からの遊技球を上皿14に供給するように形成されているが、本発明においては、下皿15に遊技球を供給するように前面通路30が形成されていてもよく、上皿14および下皿15の両方に遊技球を供給するように形成されていてもよい。さらに、図1では、払出装置から上皿14または下皿15に遊技球を供給するための払出通路の全部が前面通路30となっているが、本発明においては、払出通路の一部のみを前面通路30とするようにしてもよい。さらにまた、図1では、前面通路30の全部が透明部材により構成されている場合について説明したが、一部のみが透明になるようにしてもよく、例えば、パチンコ遊技機10の筐体内を貫通する貫通通路内を滑落してくる遊技球のみを視認可能なように、前面通路30における同貫通通路の前面側のみを透明にしてもよい。
【0021】
図2は、第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機を背面側から見て示している。同図において、略矩形状に形成された外枠11の内側に本体枠24が嵌め込まれており、本体枠24と外枠11とは回動可能とされている。また、図2には示していないが、本体枠24の内側に形成された開口には、矩形板状の木製の遊技盤16が嵌め込まれている。
【0022】
一方、本体枠24の背面側(図2においては紙面手前側)には、本体枠24に嵌め込まれる遊技盤16を背面側から覆うように機構板17が設けられている。この機構板17は、本体枠24に対して回動可能に枢支されている。機構板17に対して本体枠24が閉じられているときには、本体枠24は、機構板17の前面側に略密接した状態となる。
機構板17の背面側には、パチンコ遊技機10における各種の動作を制御する各種の基板が取り付けられるとともに、機構板17の背面側の上部には、遊技球を貯留しておく上記供給部としてのタンク14も取り付けられている。タンク14に貯留された遊技球は、下方に流下させられ、後述する球抜き装置20、払出装置19を通過した後、パチンコ遊技機10の筐体を前後に貫通する貫通通路を通過し、その後、図1に示した前面通路30内を落下して上皿14に供給される。上皿14に供給された遊技球は、順次、遊技球の発射装置18(図1参照)に案内される。タンク14から発射装置18に案内されるまでの遊技球の経路に、払出装置19が備えられることにより、遊技球の計数を行いつつ、意図した数だけ遊技球を上皿14に供給することが可能となっている。
【0023】
また、払出装置19の上流には、タンク14とタンクレ−ル14aを介して接続される球抜き装置20が備えられている。球抜き装置20は、タンク14からの遊技球の流路における払出装置19の手前側に設置され、タンク14からの遊技球を払出装置19に導出する経路を形成するか、または、パチンコ遊技機10の外部へ導出する経路を形成するかについて、切換レバ−25の操作により切り換えることが可能となっている。すなわち、この球抜き装置20により、タンク14からの遊技球を払出装置19またはパチンコ遊技機10の外部に選択的に導くことが可能となるのである。このようにすることにより、払出装置19等が故障した場合等に、切換レバ−25を操作して遊技球をパチンコ遊技機10の外部へ導出させることにより、払出装置19等の修理点検作業の邪魔となる遊技球を外部に排出することができる。
【0024】
図3は、図1、図2に示したパチンコ遊技機において、本体枠に対して窓枠を回動させた状態を斜めから見て示している。同図において、窓枠12が本体枠24に対して開いた状態となっており、本体枠24に遊技盤16が嵌め込まれている様子が示されている。遊技盤16の盤面には、液晶表示器45が設けられており、この液晶表示器45には、入賞態様に応じて、複数の識別情報の可変表示を行ったり、大当たり時の演出画像等が表示される。また、液晶表示器45の直上には、装飾部材40が設けられている。この装飾部材40には、種々の絵柄が施されるとともに、ランプ等が設置され、このランプが点灯または点滅することにより遊技盤16の盤面の装飾効果を奏するものである。また、遊技盤16の盤面には、遊技球の入賞口や始動口(所謂スタ−トチャッカ)等の各種の役物が設置される。
【0025】
また、遊技盤16の盤面には、発射装置18から発射された遊技球を、遊技盤16の盤面の上方にまで案内するガイドレ−ル50が設置されている。このガイドレ−ル50は、発射装置18から、遊技盤16の遊技領域における左側上部まで延設しているとともに、そこから略円形の遊技領域の周縁部に沿うように延設している。これにより、発射装置18から発射された遊技球は、ガイドレ−ル50が設置されている部分(遊技領域の周縁部)に沿って移動することとなる。
【0026】
ガイドレ−ル50は、樹脂製であり、上述した遊技盤16の遊技領域内に配置されるレ−ル部52と、レ−ル部52の左側上部から、左上側に向かって延びた本体枠側構成部51とが一体成形されたものとなっている。なお、ガイドレ−ル50の構成部材としては、図3に示したような形状に一体的に形成することが可能であれば樹脂に限定されず、例えば、金属製であってもよい。本体枠側構成部51は、略円筒形状を有しているとともに、遊技球の直径よりも大きい内径を有しており、内部を遊技球が通過可能である。この本体枠側構成部51は、図2に示した払出装置19からの遊技球を前面通路30に案内するために、パチンコ遊技機10の筐体を前後に貫通して設けられた貫通通路55(図示せず)の一部を構成するものである。具体的には、本体枠側構成部51は、貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成しており、本体枠24および本体枠24に嵌め込まれた遊技盤を貫通して設けられる。
【0027】
図4は、パチンコ遊技機10における貫通通路55が取り付けられている部分を示す縦断面図である。同図において、窓枠12が本体枠24に対して、本体枠24が機構板17に対してそれぞれ閉じた状態となっており、窓枠12の背面側に本体枠24が略密着し、本体枠24の背面側に機構板17が略密着した状態となっている。また、同図には、本体枠24に遊技盤16が嵌め込まれて固定された状態が示されている。なお、同図において、遊技盤16の盤面に設けられる液晶表示器や各種の役物については図示していない。
【0028】
機構板17の背面側に設置された払出装置19から払い出された遊技球は、図中に示すように、機構板17、本体枠24、本体枠24に嵌め込まれた遊技盤16および窓枠12を貫通して形成される貫通通路55内を通過し、窓枠12の前面側に突出して形成された前面通路30に導出される。
貫通通路55は、機構板17に形成された機構板側構成部52と、図3に示したガイドレ−ル50の一部を構成し、本体枠24を貫通するように設けられた本体枠側構成部51と、窓枠12に形成された窓枠側構成部53とからなる。図4において、機構板側構成部52と窓枠側構成部53とは、それぞれ機構板17と窓枠12とに遊技球が通過可能な貫通孔を形成したものであるが、本体枠側構成部51と同様に、遊技球が通過可能な通路が形成された部材を嵌め込むことにより構成してもよい。
【0029】
本体枠側構成部51は、図3に示したようにガイドレ−ル50の一部を構成し、本体枠24と本体枠24に嵌め込まれた遊技盤16とを貫通して設けられており、その内側を遊技球が通過可能となっている。本体枠側構成部51における遊技球の通過面51aは、機構板17側から窓枠23側に向かって(図中、左方向に向かって)下方に傾斜して形成されており、遊技球を滑落させることができるようになっている。したがって、払出装置19から払い出される遊技球が貫通通路55内を通過中に、遊技球が滞留してしまうことがない。また、窓枠側構成部53における遊技球の通過面53aは、本体枠側構成部51の通過面51aよりも下側に形成されており、これにより本体枠側構成部51と窓枠側構成部53とが段差となっているため、遊技球が引っ掛かってしまうことがなく、遊技球をスム−ズに前面通路30に導出することが可能となる。なお、本体枠側構成部51は、図4に示すように本体枠24および遊技盤16に対して所定間隔があくように遊嵌されており、木製の遊技盤16が反ったりしたときに、本体枠側構成部51の位置がずれたりしないようになっている。
【0030】
以上、説明したように、第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機10によれば、ガイドレ−ル50の一部である本体枠側構成部51が、払出装置19から払い出される遊技球を窓枠12の前面側に形成された前面通路へ案内するための貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成しているため、払出装置19と前面通路30とを連結する貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成する通路を別途製造する必要がなくなるため、遊技機の製造コストの増大を抑制することが可能となる。
【0031】
(2)第二の実施形態:
上述した第一の実施形態においては、遊技盤に設置される遊技部材が発射装置から発射された遊技球を案内するガイドレ−ルであり、このガイドレ−ルの一部が貫通通路の一部を構成している場合について説明したが、以下に説明する第二の実施形態においては、上記遊技部材が、液晶表示器の上側に設置される装飾部材であり、この装飾部材が上記貫通通路の一部を構成している場合について説明する。
【0032】
図5は、第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機において、本体枠に対して窓枠を回動させた状態を斜めから見て示している。同図において、窓枠112が本体枠124に対して開いた状態となっており、本体枠124に遊技盤116が嵌め込まれている様子が示されている。遊技盤16の盤面には、液晶表示器145が設けられており、液晶表示器145の直上には、装飾部材140が設けられている。この装飾部材140には、種々の絵柄が施されるとともに後述するランプ142や、モ−タ等の駆動装置により駆動される人形体143等が設置されている。
【0033】
装飾部材140は、上述したランプ142や人形体143が取り付けられ、絵柄が施された装飾部146と、装飾部146の左側上部から、左上側に向かって延びた本体枠側構成部141と、装飾部146および本体枠側構成部141とを連結する連結部144とが、一体成形されたものとなっている。装飾部材140における上記ランプ142や人形体143以外の部分は、樹脂等により一体成形により製造することが可能である。本体枠側構成部141は、略円筒形状を有しているとともに、遊技球の直径よりも大きい内径を有しており、内部を遊技球が通過可能である。この本体枠側構成部141は、本体枠124を貫通するように設置され、第一の実施形態にて示した本体枠側構成部51と同様、パチンコ遊技機の筐体を前後に貫通して設けられた貫通通路における本体枠124の貫通部分を構成するものである。なお、図5において、装飾部146と本体枠側構成部141との連結部144は、ガイドレ−ル150を跨ぐようにガイドレ−ル150の前面側に設けられているため、発射装置118により発射されてガイドレ−ル150に案内される遊技球が、この連結部144に衝突することはない。
【0034】
図6は、図5に示した装飾部材を示す正面図であり、図7は、図6におけるA−A線断面図である。図6において、装飾部材140における装飾部146の下側中央部分には、魚を模した人形体143が設けられている。この人形体143は、駆動装置としてのモ−タ(図示せず)と、モ−タの回転運動を人形体143の左右の揺動に変換する機構(図示せず)により駆動される。また、人形体143の左右の両側には、ランプ142が設けられている。
【0035】
図7に示すように、装飾部材140における本体枠側構成部141は、遊技球が通過可能な内径を有しているとともに、遊技球の通過面141aは、本体枠側構成部141が本体枠124に取り付けられたときに、前面側に向かって下方に傾斜しており、遊技球が滑落することができるようになっている。遊技球の通過面141aの中程には、遊技球を検知する遊技球検知センサ141bが嵌め込まれるように設けられている。第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機では、払出装置115により払い出された遊技球が、本体枠側構成部141の内部を通過中にこの遊技球検知センサ141bにより検知されたことを受けて、装飾部146に設けられた人形体143およびランプ142による演出動作が行われるのである。具体的には、例えば、遊技球検知センサ141bにより遊技球が検知される毎に、人形体143が接続された駆動装置(モ−タ等)により駆動されて図6中、白抜きの矢印にて示すように左右に揺動するとともに、2つのランプ142が点灯することにより演出動作が行われる。なお、遊技球検知センサ141bには、種々のセンサを適用することが可能であり、例えば、赤外線センサや、近接式センサや、接触式センサ等を用いることが可能である。
【0036】
以上説明したように、第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機においては、遊技部材としての装飾部材140の一部が、払出装置と前面通路とを連結する貫通通路における本体枠の貫通部分である本体枠側構成部141を構成しており、更に、この本体枠側構成部141に設けられた遊技球検知センサ141bにより遊技球が検知されたことに連動して装飾部材140の装飾部146において演出動作が行われるように構成されているため、遊技球の払い出しと、遊技盤面での演出が渾然一体となった斬新な演出とすることができ、遊技の興趣が飛躍的に向上するとともに、遊技球が払い出されたときに、その達成感をより強く享受することが可能となる。
【0037】
(3)各種変形例:
上述した第一、第二の実施形態においては、遊技部材(ガイドレ−ル50および装飾部材140)の一部を構成する本体枠側構成部(本体枠側構成部51、141)が、本体枠の貫通部分のみを構成している場合について説明したが、本発明においては、少なくとも本体枠の貫通部分のみを構成していればよく、上記本体枠側構成部が、本体枠の前面側の窓枠、および/または、本体枠の背面側の機構板を貫通するように設けられていてよい。例えば、上述した図4において、本体枠側構成部51が、窓枠12および機構板17をも貫通するように設けられていてもよい。
【0038】
(4)まとめ:
以上説明したように本発明によれば、ガイドレ−ル50の一部である本体枠側構成部51が、払出装置19から払い出される遊技球を窓枠12の前面側に形成された前面通路へ案内するための貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成しているため、払出装置19と前面通路30とを連結する貫通通路55における本体枠24の貫通部分を構成する通路を別途製造する必要がなくなるため、遊技機の製造コストの増大を抑制することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機の斜視図である。
【図2】第一の実施形態にかかるパチンコ遊技機の背面図である。
【図3】図1、図2に示したパチンコ遊技機における窓枠を開放状態としたときの様子を示す斜視図である。
【図4】図1〜図3に示したパチンコ遊技機における貫通通路が取り付けられている部分の縦断面図である。
【図5】第二の実施形態にかかるパチンコ遊技機における窓枠を開放状態としたときの様子を示す斜視図である。
【図6】図5に示した装飾部材を示す正面図である。
【図7】図6のA−A線断面図である。
【符号の説明】
【0040】
10…パチンコ遊技機
11…外枠
12…窓枠
13…ガラス枠
13a…ガラス
14…上皿
15…下皿
17…機構板
18…発射装置
14…タンク
14a…タンクレ−ル
15…払出装置
20…球抜き装置
24…本体枠
25…切換えレバ−
30…前面通路
40、140…装飾部材
45、145…液晶表示器
50…ガイドレ−ル
51…本体枠側構成部
51a…通過面
52…レ−ル部
55…貫通通路
53…窓枠側構成部
141…本体枠側構成部
142…ランプ
143…人形体
146…装飾部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技盤が設置される本体枠と、同本体枠の背面側に配置され、遊技に関する各種の動作を制御する制御基板が設置される機構板と、同機構板の背面側に設置され、上部に備えられた外部装置から遊技球が供給される供給部と、上記機構板の背面側に設置され、遊技球の払い出しを行う払出装置と、上記本体枠の前面側に同本体枠に対して開閉可能に取り付けられる窓枠と、同窓枠の前面側に設置され、上記払出装置から払い出された遊技球を皿貯留部に供給するための前面通路とを具備する遊技機において、
上記遊技盤に取り付けられる遊技部材の一部が、上記払出装置と上記前面通路とを連結する貫通通路における上記本体枠の貫通部分を構成しつつ、
当該貫通部分における遊技球の通過面が、上記払出装置側から上記前面通路側に向かって下方に傾斜していることを特徴とする遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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