遊技機
【課題】 電子部品の不正改造を容易に発見することが可能な遊技機を提供する。
【解決手段】 制御基板800には、封印シール900との間に施される割印910と重なるように格子状の模様810が印刷されており、その印刷には、割印910を消去可能な薬品によって除去されるインク材料が用いられている。したがって、封印シール900を剥がした後、制御基板800側に残った割印910を消去しようとすると、割印910と共に制御基板800上の模様810も消去されてしまうことになる。このため、制御基板800上のICチップ700が不正な部品に交換された後、偽造の封印シール900や割印910が施されたとしても、制御基板800上には正規の割印910が消された痕跡が残る。
【解決手段】 制御基板800には、封印シール900との間に施される割印910と重なるように格子状の模様810が印刷されており、その印刷には、割印910を消去可能な薬品によって除去されるインク材料が用いられている。したがって、封印シール900を剥がした後、制御基板800側に残った割印910を消去しようとすると、割印910と共に制御基板800上の模様810も消去されてしまうことになる。このため、制御基板800上のICチップ700が不正な部品に交換された後、偽造の封印シール900や割印910が施されたとしても、制御基板800上には正規の割印910が消された痕跡が残る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品によって遊技の進行が制御される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、ICチップなどの各種の電子部品が実装された制御基板によって、遊技の進行を電子的に制御する方式が採用されている。こうした遊技機においては、正規の電子部品を不正な電子部品に交換するといった不正改造によって、例えば大当たりが頻発するような不正な態様で遊技を進行させることが技術的には可能である。
【0003】
この様な不正改造を防止するための対策としては、電子部品と制御基板とに跨るように封印シールを貼付し、更に、封印シールと制御基板との間に割印を施すという対策が提案されている(例えば、特許文献1)。こうすれば、電子部品の不正改造を行う際に封印シールを剥がした形跡が残るため、不正改造を比較的発見しやすくなり、その結果、不正改造を防止する上で一定の効果が得られる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−15196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この様な方法を用いた場合でも、封印シールや割印が偽造されてしまえば、不正改造の発見が難しいという問題がある。なぜならば、封印シールを剥がして制御基板に残った割印を消去した後、電子部品を不正な部品に付けかえ、その上から偽造した封印シールと割印とが施されてしまえば、もはや、不正改造がされたか否かを識別することは困難となるからである。もちろん、特許文献1に記載されているように、割印をレーザー加工により刻むことによって割印の消去を困難とすることもできるが、そのためには更なる設備投資が必要となってしまう。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、電子部品の不正改造を発見することが更に容易な遊技機を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、簡単な構成で、不正改造を効果的に防止することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
電子部品によって遊技の進行が制御される遊技機であって、
前記電子部品が装着される制御基板と、
前記制御基板と前記電子部品とに跨るように貼付されて、該制御基板との間に割印が押印された封印シールと
を備え、
前記制御基板には、前記割印が押印される箇所の近傍に、該割印を消去すると少なくとも一部が消去される状態で、所定の模様が形成されていることを特徴としている。
【0008】
この様に本発明の遊技機の制御基板には、封印シールとの間に施された割印の近傍に所定の模様が形成されており、その模様は、割印を消去すると少なくとも一部が消去される状態で形成されている。したがって、正規の封印シールを剥がした後、制御基板側に残った割印を消去しようとすると、割印と共に制御基板上の模様も消去されてしまうことになる。このため、制御基板上の電子部品を不正な部品に交換後、偽造された封印シールや割印が施されたとしても、制御基板上には正規の割印が消された痕跡が残るので、不正改造を容易に発見することができ、延いては不正改造を効果的に防止することが可能となる。
【0009】
割印の近傍に形成する模様としては、例えば、縞模様、格子模様、幾何学模様などの復元が困難である細かい模様を採用することが望ましい。なぜなら、模様の復元が困難であるほど不正改造の隠滅が困難となるので、不正改造をより効果的に防止できるからである。
【0010】
こうした模様は、様々な方法によって形成することができるが、例えば、印刷によって形成しても良く、そうすれば簡便に模様を形成することができる。この場合、模様の印刷は、基板名や電子部品の搭載位置等の表示を印刷する所謂シンボル印刷工程と同時に行ってもよく、そうすれば更に簡便に模様を形成することができる。
【0011】
模様を印刷によって形成する場合には、割印を消去可能な薬品(例えば、有機溶剤など)によって除去されるインク材料を用いてもよい。そうすれば、薬品を用いて割印が消去されると、模様の少なくとも一部も消去されることになるため、不正改造が行われたことを容易に発見することができる。
【0012】
この場合、模様の印刷に用いられるインク材料と割印に用いられるインク材料とは、最も多く含まれている非揮発成分が同一成分であってもよく、そうすれば、これらのインク材料は共通の薬品によって除去されることになる。したがって、薬品を用いて割印を消去しようとすれば、模様の少なくとも一部も消去されることになるため、不正改造が行われたことを容易に発見することができる。
【0013】
かかる遊技機においては、上記の様に、印刷によって模様を形成してもよいが、制御基板の表面を凹凸状に構成することによって凹凸模様を形成しても良い。この場合、正規の割印を消去しようとすると凹凸が平滑化されるように模様を形成しておけば、割印が消された痕跡を残すことができる。このように、制御基板の表面に形成する模様を凹凸模様で構成すれば、復元をより困難にすることができるため、不正改造をより効果的に防止することができる。
【0014】
なお、割印は、少なくとも一部が模様の上に押印されていてもよく、そうすれば、模様を消すことなく割印だけを消去することがより困難となるため、不正改造の防止を更に効果的に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成
A−1.全体構成:
A−2.電気的構成:
B.制御の概要:
B−1.一般遊技状態における制御:
B−2.レギュラーボーナス遊技状態における制御:
B−3.ビッグボーナス遊技状態における制御:
C.電子部品の封印構造:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
C−4.第4変形例:
【0016】
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と記す。)の外観を示す斜視図である。図2は、遊技機1の前面構造を示す説明図である。この図1及び図2を参照しつつ、以下に、遊技機1の全体構成について説明する。図1及び図2に示すように、遊技機1の全体的形状は筐体3により構成されており、この筐体3の正面部には、表示窓5、操作パネル部7、遊技メダル払出口9などが設けられている。
【0017】
表示窓5は、遊技者に対して図柄を表示するための窓であり、遊技機1の上段部分に設けられている。この表示窓5は透明なパネルで覆われており、このため、この表示窓5を介して筐体3の内部を目視することが可能となっている。
【0018】
表示窓5の内側(筐体1の内部)には、回転可能な複数個(本実施例では3個)の回胴(リール)13L,13C,13Rが横一列に設けられている。各回胴13L〜13Rの外周面には、複数種類の図柄からなる図柄列が回転方向に沿って描かれているが、表示窓5を通して観察することができるのは、外周面の一部のみである。そのため、これらの回胴13L〜13Rを回転させれば、表示窓5内の複数の領域で図柄を変動表示させることができる。また、回胴13L〜13Rの回転を停止させれば、各領域で図柄を停止表示させることができる。なお、以下では左端の回胴13Lを「第1回胴13L」と記し、中央の回胴13Cを「第2回胴13C」と記し、右端の回胴13Rを「第3回胴13R」と記すこととする。また、これらを総称するときは、単に「回胴13」と記すものとする。
【0019】
表示窓5の左側には、1メダルラインランプ15a、2メダルラインランプ15b、3メダルラインランプ15c、遊技開始表示ランプ17が設けられている。1メダルラインランプ15bは、1枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が中央の入賞ラインL1の上で揃ったことを表示するランプである。次に、2メダルラインランプ15bは、2枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が上段または下段の入賞ラインL2の上で揃ったことを表示するランプである。また、3メダルラインランプ15cは、3枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が斜めの入賞ラインL3の上で揃ったことを表示するランプである。そして、遊技開始表示ランプ17は、回胴13L〜13Rの回転が開始可能となったことを示すランプである。
【0020】
表示窓5の右側には、打止め表示ランプ19、再遊技ランプ21、ビッグボーナス告知ランプ23a,23b,23c、遊技メダル投入ランプ25が設けられている。打止め表示ランプ19は、遊技機1がいわゆる打ち止め状態となったことを表示するランプである。次に、再遊技ランプ21は、遊技メダルを使用することなく実行可能な遊技(再遊技)が行われることを示すランプである。また、ビッグボーナス告知ランプ23a〜23cは、遊技機1がビッグボーナス遊技状態に移行したこと(すなわちビッグボーナス期間中であること)を示すランプである。そして、遊技メダル投入ランプ25は、遊技メダルのベットを受け入れ可能であることを示すランプである。
【0021】
表示窓5の下側には、役物回数表示器27、払出枚数表示器29、貯留枚数表示器31が設けられている。役物回数表示器27は、レギュラーボーナス役の入賞可能回数などを表示する。また、払出枚数表示器29は、遊技機1から払い出される遊技メダルの枚数を表示する。また、貯留枚数表示器31は、遊技機1に貯留されている遊技メダルの枚数を表示する。
【0022】
操作パネル部7は、遊技機1の中段部に設けられている。操作パネル部7は、手前に向かって突出した形状に形成されており、その上面部には、遊技メダル投入口33、1枚投入ボタン35、3枚投入ボタン37、精算ボタン39が設けられている。遊技メダル投入口33は、遊技メダルを遊技機1に投入するための投入口である。次に、1枚投入ボタン35は、遊技機1に貯留されている遊技メダルのうち1枚をベットするためのボタンであり、また、3枚投入ボタン37は、遊技機1に貯留されている遊技メダルのうち3枚をベットするためのボタンである。そして、精算ボタン39は、遊技機1に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に押されるボタンである。なお、遊技メダルは、遊技において入賞が成立した場合や、1回の遊技に必要な枚数(規定数)を超えて余分な枚数の遊技メダルが遊技メダル投入口33から投入された場合などには、遊技機1の内部に貯留される。尚、この貯留とは、後述する主制御基板101のRAM115に遊技メダルの数を記憶することであり、いわゆるクレジットのことである。本実施例では、貯留可能な枚数の上限が、50枚となっている。
【0023】
操作パネル7の前面部には、スタートレバー41、停止ボタン43L,43C,43R、返却ボタン45などが設けられている。スタートレバー41は、回胴13の回転を開始させるためのものである。停止ボタン43L〜43Rは、各回胴13に対応して複数個(本実施例では3個)設けられており、対応する回胴の回転を停止させるためのものである。返却ボタン45は、投入された遊技メダルが遊技機1内部で詰まった場合に、この詰まりを解消する際に押されるボタンである。なお、以下では、第1回胴13Lに対応する停止ボタン43Lを「第1停止ボタン43L」と記し、第2回胴13Cに対応する停止ボタン43Cを「第2停止ボタン43C」と記し、第3回胴13Rに対応する停止ボタン43Rを「第3停止ボタン43R」と記すこととする。また、これらを総称するときは、単に「停止ボタン43」と記すこととする。
【0024】
なお、遊技メダル払出口9は、遊技機1の下部に設けられている。遊技機1の下部には、遊技メダル払出口9のほか、遊技メダル払出口9から払い出される遊技メダルを受け止めるための受け皿部47が設けられている。
【0025】
A−2.電気的構成 :
図3は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。この図に示されているように、遊技機1には、主制御基板101を中心として、回胴基板103、副制御基板105、中央表示ランプ基板107、電源基板109等が設けられている。
【0026】
主制御基板101は、遊技機1で行われる遊技の進行・演出を司る基板である。この主制御基板101には、CPU111、ROM113、RAM115などをバス117で互いに接続して構成される周知のコンピュータが搭載されている。こうしたCPU111を中心として構成されるコンピュータが作動することによって、遊技機1における遊技の進行・演出が制御される。
【0027】
主制御基板101に接続された副制御基板105には、主制御基板101と同様にCPU、ROM、RAMなどが搭載され、更に、各種の照明用基板119、各種のスピーカ121などが接続されている。副制御基板105は、主制御基板101からの信号に基づき、各種のスピーカ121に音声信号を出力することによって、これらスピーカ121からの音声出力を制御する。また、副制御基板105からは、各種の照明用基板119に対しても信号が出力される。照明用基板119においては、この副制御基板105からの信号に基づいて、照明類123のOn/Offが行われる。
【0028】
中央表示ランプ基板107には、前述のように主制御基板101が接続されているほか、役物回数表示器27、払出枚数表示器29、貯留枚数表示器31、1枚投入ボタン35、3枚投入ボタン37、精算ボタン39、第1停止ボタン43L、第2停止ボタン43C、第3停止ボタン43Rなどが接続されている。これらの各ボタン35,37,39,43L〜43Rが遊技者によって操作されると、その操作結果を示す信号が、中央表示ランプ基板107を介して主制御基板101に入力される。主制御基板101においては、この入力信号に基づいて、各ボタン35、37,39,43L〜43Rに対する操作状態が判断される。
【0029】
中央表示ランプ基板107には、そのほか、左表示ランプ基板125、右表示ランプ基板127、スタートレバーユニット129、メダルセレクター131なども接続されている。
【0030】
左表示ランプ基板125は、表示窓5の左側に設けられた1メダルラインランプ15a、2メダルラインランプ15b、3メダルラインランプ15c、遊技開始表示ランプ17のOn/Off制御などを行うための基板である。それらのOn/Off制御は、主制御基板101から、中央表示ランプ基板107を介し、左表示ランプ基板125に対して所定の信号を入力することによって行われる。
【0031】
また、右表示ランプ基板127は、表示窓5の右側に設けられた打止め表示ランプ19、再遊技ランプ21、ビッグボーナス告知ランプ23a〜23c、遊技メダル投入ランプ25のOn/Off制御などを行うための基板である。それらのOn/Off制御は、主制御基板101から、中央表示ランプ基板107を介し、右表示ランプ基板127に所定の信号を入力することによって行われる。
【0032】
スタートレバーユニット129は、前述のスタートレバー41と、このスタートレバー41の操作を検出するための回胴回転始動センサー基板(図示せず)とを備えている。スタートレバー41が遊技者により操作されると、その操作が回胴回転始動センサー基板によって検出され、更にこの検出結果を示す回胴回転始動信号が、中央表示ランプ基板107を介して主制御基板101に入力される。このような構成によって、主制御基板101上のコンピュータは、スタートレバー41に対する操作状態を判断することができる。
【0033】
メダルセレクター131は、遊技メダル投入口33より投入された遊技メダルを寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルのみを受け付けるための装置である。メダルセレクター131には、こうした遊技メダルを選別する機能のほか、投入された遊技メダルの通過をメダルセンサー基板(図示せず)によって検出する機能や、電磁ソレノイド(図示せず)によって作動するブロッカー(図示せず)によって遊技メダルを受け付けずに返却する機能なども設けられている。遊技メダルの通過がメダルセンサー基板により検出されると、その検出結果を示すメダル検出信号が、中央表示ランプ基板107を介し、メダルセレクター131から主制御基板101に対して送信されることになる。このような構成によって、主制御基板101上のコンピュータは、遊技メダル投入口33から遊技メダルが投入されたか否かを判断することができる。
【0034】
回胴基板103には、主制御基板101のほか、ステッピングモータ133L,133C,133Rや回胴センサー基板135L,135C,135Rなどが接続されている。
【0035】
ステッピングモータ133L〜133Rは、各回胴13の回転・停止を行うためのモータである。これらのステッピングモータ133L〜133Rは各回胴13L〜13Rに対応する個数(本実施例では3個)設けられていると共に、各ステッピングモータ133L〜133Rの軸は、対応する各回胴13の回転軸として用いられている。そして、これらのステッピングモータ133L〜133Rの回転・停止動作は、回胴基板103を介し、主制御基板101からステッピングモータ133L〜133Rに信号を送ることにより制御することができる。したがって、主制御基板101からの制御信号でステッピングモータ133L〜133Rを回転・停止させることによって、各回胴13を回転・停止させることができる。
【0036】
回胴センサー基板135L〜135Rは、各回胴13に設けられたインデックス部(図示せず)の通過を検出するためのものであり、各回胴13L〜13Rに対応する個数(本実施例では3個)設けられている。各回胴13のインデックス部が回胴センサー基板135L〜135Rを通過し、その通過が各回胴センサー基板133L〜133Rによって検出されると、この検出結果を示す回胴インデックス信号が、回胴基板103を介して、各回胴センサー基板133L〜133Rから主制御基板101に入力される。このため、各回胴13の回転角度(延いては、回胴13の外周面に描かれた図柄の位置)を、主制御基板101により管理することが可能となっている。なお、各回胴13のインデックス部は回胴13が1回転するたびに回胴センサー基板を通過するため、回胴インデックス信号は、回胴13が1回転するたびに、回胴センサー基板133L〜133Rから主制御基板101に向けて送信される。
【0037】
電源基板119には、主制御基板101のほか、メダル払出装置137などが接続されている。電源基板119は、主制御基板101を介して、回胴基板103、副制御基板105、中央表示ランプ基板107などへの電力供給を行うほか、メダル払出装置137への電力供給も行っている。
【0038】
また、電源基板119は、主制御基板101とメダル払出装置137との間で行われる信号の送受を中継する機能も担っている。遊技メダルを払い出す旨の信号が主制御基板101から出力されると、その信号は、電源基板119を介してメダル払出装置137に入力され、その結果、メダル払出装置137から前述の遊技メダル払出口9に、遊技メダルが排出される。そして、払い出された遊技メダルの数はメダル払出装置137により計数され、その結果を示す遊技メダル払出信号が、電源基板119を介して主制御基板101に入力される。この様な構成によって、CPU111は、遊技機1に貯留されている遊技メダルの枚数や、遊技者に払い出される遊技メダルの枚数などを管理することができる。
【0039】
B.制御の概要 :
上記の様に構成された遊技機1における遊技動作の基本的な流れは、以下の通りである。まず、遊技開始に先立って遊技メダルがベットされると、そのベット数に応じて、入賞ラインL1〜L3を有効化する。次に、遊技者によってスタートレバー41が操作されると、回胴13の回転を開始させることによって遊技を開始し、その後、遊技者によって停止ボタン43が操作されると、回胴13の回転を停止させることによって一回の遊技を終了する。こうした遊技が一回行われると、遊技機1は、有効な入賞ラインの上に、所定の入賞図柄組合せが揃ったか否かを判断する。その結果、有効な入賞ラインの上に所定の入賞図柄組合せが揃った(入賞が成立した)と判断すると、その入賞態様に応じて、遊技者への遊技メダルの払い出しなどが行われる。こうした遊技を実現するため、本実施例の遊技機1においては、前述のCPU111等からなるコンピュータが、以下の様な制御処理を実行する。
【0040】
B−1.一般遊技状態における制御:
図4は、本実施例の遊技機1において行われる一般遊技処理を示すフローチャートである。この一般遊技処理は、遊技機1に電源が投入され、さらにROMサムチェック、RAMクリアなどの処理が行われた後に実行される処理である。
【0041】
図4に示すように、一般遊技処理においては、まず、遊技メダルがベットされているか否かを判断する(ステップ10。以下「ステップ」を「S」と略記する。)すなわち、遊技メダル投入口33からの遊技メダルの投入、1枚投入ボタン35や3枚投入ボタン37の操作、或いは再遊技役の入賞成立に基づく自動再投入によって、遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S10)。
【0042】
S10の処理において、遊技メダルがベットされていないものと判断した場合には(S10:NO)、当該判断処理(S10)を繰り返し行うことによって、遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、遊技メダルがベットされると、以下に説明する一連の処理が開始される。まず、遊技メダルがベットされていると判断され(S10:YES)、その結果、図5に示す回胴回転始動処理が実行される(S20)。
【0043】
図5は、本実施例の遊技機1において行われる回胴回転始動処理を示すフローチャートである。この回胴回転始動処理は、所定の条件が成立した場合に、回胴13の回転を始動させる処理である。本実施例の回胴回転始動処理では、2つの条件が成立した場合、すなわち、スタートレバー41がONにされ、そして前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間(本実施例では、4.1秒)以上経過した場合に回胴13の回転を開始することとしている。
【0044】
回胴回転始動処理においては、図5に示されているように、先ず、スタートレバー41がONになっているか否かを判断する(S210)。スタートレバー41がONになっていないと判断した場合には(S210:NO)、当該判断処理(S210)を繰り返すことによって、スタートレバー41がONされるまで待機する。一方、スタートレバー41がONになっていると判断した場合には(S210:YES)、前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間経過したか否かを判断する(S220)。
【0045】
S220の処理において、前回の遊技における回胴13の回転始動から所定時間経過していないと判断した場合には(S220:NO)、当該判断処理(S220)を繰り返し実行することによって、その所定期間が経過するまで待機する。一方、前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間経過したと判断した場合には(S220:YES)、主制御基板101からステッピングモータ133L〜133Rに対して駆動信号を出力することによって回胴13の回転を開始し(S230)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0046】
図4に示す様に、一般遊技処理では、回胴回転始動処理に続いて(S20)、図6に示す一般遊技中抽選処理を行う(S30)。図6は、本実施例の遊技機1において行われる一般遊技中抽選処理を示すフローチャートである。この一般遊技中抽選処理は、図7に示す抽選テーブルを用いることによって、内部的な抽選処理(以下、「内部抽選」という)を行う処理である。すなわち、[00001]〜[16000]の範囲までの値をとりうる乱数を1つ取得し、この取得した乱数の値に基づいて図7の抽選テーブルを参照することによって、各種の"入賞態様(役)"または"ハズレ"のうちの何れか一つを選択するのである。なお、回胴式遊技機においては、抽選テーブルを用いた内部抽選によって所定の役に当選(以下「内部当選」という)しただけでは、当該役の入賞は成立(確定)しない。入賞が成立するためには、内部当選した役に対応する図柄組合せが有効ライン上で揃った状態で停止表示される必要がある。
【0047】
図7は、一般遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブルを示す説明図である。図7に示す様に、一般遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブルには、「一般遊技中抽選テーブル」、「内部当選中抽選テーブル」などがある。これらの抽選テーブルは、何れも、乱数値と役(または、ハズレ)との対応関係を記憶したテーブルである。例えば、「一般遊技中抽選テーブル」においては、"2521〜2574"の範囲の乱数値に、"スズの小役"が対応付けられている。
【0048】
このように抽選テーブル毎に乱数値と役との対応関係が定められているため、それぞれの役の当選確率は、図7の抽選テーブル毎にカッコで囲って示した値に設定されていることになる。このため、一の抽選テーブルを用いて内部抽選を行う場合と他の抽選テーブルを用いて内部抽選を行う場合とでは、当選確率が異なっている。例えば、「一般遊技中抽選テーブル」においては、上記の通り、"2521〜2574"の範囲の乱数値に"スズの小役"が対応付けられているが、これに対して、「内部当選中抽選テーブル」においては、"3121〜3620"の範囲の乱数値に"スズの小役"が対応付けられている。このため、「一般遊技中抽選テーブル」を用いて内部抽選を行う場合には、"スズの小役"の当選確率が「50/16000」となるが、これに対して、「内部当選中抽選テーブル」を用いて内部抽選を行う場合には、"スズの小役"の当選確率が「500/16000」となる。
【0049】
この様に抽選テーブルごとに役の当選確率を異ならせている理由は、抽選処理に用いる抽選テーブルを切り替えることにより、所定の役の当選確率を遊技機1の遊技状態に応じて変更するためである。本実施例では、以下に説明する様に、BB役またはRB役に内部当選中(後述する)であるか否かといった遊技状態の違いに応じて抽選テーブルを切り替え、これによって、所定の役の当選確率を変更する。
【0050】
そこで一般遊技中抽選処理においては、図6に示すように、まず、ビッグボーナス役(BB役)またはレギュラーボーナス役(RB役)に内部当選中か否かを判断する(S320)。「内部当選中」とは、過去の回に行われた遊技で内部当選したが、その内部当選した役に応じた図柄組合せが有効ライン上で未だ揃っていないため、その内部当選した状態が今回の遊技に持ち越された状態にあることをいう。例えば、前回の遊技においてBB役に内部当選したとしても、このBB役に対応する図柄組合せが有効ライン上で揃わなかった場合には、BB役に内部当選した状態が今回の遊技に持ち越されることとなる。なお、小役および再遊技役については、内部当選した状態が持ち越されることはない。
【0051】
BB役またはRB役に内部当選した状態(内部当選中)でない場合には(S320:NO)、図7に示した「一般遊技中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行う(S330)。すなわち、[00001]〜[16000]の値をとりうる乱数を一つ取得し、その取得した乱数の値に基づいて「一般遊技中抽選テーブル」を参照することによって、各種の入賞態様(役)、またはハズレのうちの何れか一つを選択する。この処理において、例えば[2550]の値の乱数を取得した場合、"スズの小役"が選択される(内部当選する)ことになる。
【0052】
このように「一般遊技中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行うと(S330)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、S320の処理において、BB役またはRB役に内部当選した状態であると判断した場合には(S320:YES)、「内部当選中抽選テーブル」に基づいて抽選を行い(S340)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0053】
以上の様にして一般遊技中抽選処理は行われるのであるが、図7に示す様に、本処理の中で用いられる「内部当選中抽選テーブル」は、「一般遊技中抽選テーブル」と比較すると、小役、再遊技役などの当選確率が高く設定されている。つまり、BB役またはRB役に内部当選中である場合には、BB役またはRB役の入賞が成立するまで、通常の一般遊技状態よりも、小役、再遊技役などの当選確率が高くなっている。
【0054】
前記の様に、ある役に内部当選しても、それだけでは、その内部当選した役の入賞は成立しない。本実施例の一般遊技において内部当選した役の入賞が成立するためには、その内部当選した役に応じた図柄の組合せが有効ライン上で停止表示される必要がある。図8は、一般遊技状態において、各入賞を成立させるために有効ライン上に停止表示させるべき図柄の組合せを示した説明図である。尚、図8では、各入賞の成立によって払い出される遊技メダルの枚数も表示されている。
【0055】
例えば"BB役"の入賞が成立するためには、この図8に示す様に、"7−7−7"または"火山−火山−火山"という図柄の組合せが有効ライン上で揃った状態となるように、第1回胴13L〜第3回胴13Rが停止する必要がある。また、"スズの小役"が成立するためには、"スズ−スズ−スズ"という図柄組合せが有効ライン上で揃った状態となるように、第1回胴13L〜第3回胴13Rが停止する必要がある。
【0056】
そこで図4に示す一般遊技処理では、一般遊技中抽選処理を終了すると、抽選結果を反映させるべく、図9に示す回胴回転停止処理を実行する(S40)。図9は、本実施例の遊技機1において行われる回胴回転停止処理を示すフローチャートである。この回胴回転停止処理は、所定の条件が成立した場合に、回胴13の回転を停止させる処理である。本実施例の回胴回転停止処理では、回胴13の回転が開始されて回転速度が一定となってから所定時間内(本実施例では、30秒)に停止ボタン43がONにされた場合、或いは、回胴13の回転が開始されて回転速度が一定となってから所定時間(本実施例では30秒)が経過した場合に、回胴13の回転を停止させることとしている。
【0057】
そこで回胴回転停止処理においては、図9に示す様に、まず、停止ボタン43がONにされたか否かを判断する(S410)。S410の処理において、停止ボタン43がONにされていないと判断した場合には(S410:NO)、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過したか否かを判断する(S420)。その結果、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過したと判断した場合には(S420:YES)、第1回胴13L、第2回胴13C、および第3回胴13Rの停止位置(停止角度)を決定する(S430)。そして、その決定した停止位置に、第1回胴13L、第2回胴13C、および第3回胴13Rを、順次停止させる(S440)。一方、S420の処理において、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過していないと判断した場合には(S420:NO)、S410の処理を再び実行することによって、所定時間が経過するまで待機する。
【0058】
S410の処理において、停止ボタン43のうちの何れかがONにされたと判断した場合には(S410:YES)、ONにされた停止ボタン43に対応する回胴13の停止位置を決定する(S430)。停止位置の決定は、停止ボタン43の操作タイミングや内部抽選の結果に基づいて行われる。回胴13の停止位置を決定すると、その停止位置で回胴13を停止させる(S440)。
【0059】
S440の処理において所定の回胴13を停止させると、次に、全ての回胴13の回転が停止したか否かを判断する(S450)。その結果、全ての回胴13の回転が停止したと判断した場合には(S450:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、S450の処理の結果、全ての回胴13の回転が停止したと判断しなかった場合には(S450:NO)、S410の処理に戻り、停止ボタン43がONにされたか否かを判断する。その後、全ての回胴13の回転が停止したと判断した場合には(S450:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0060】
図4に示す様に、一般遊技処理では、回胴回転停止処理から復帰すると、次に、何れかの役への入賞が成立したか否かを判断する(S50)。入賞が成立したか否かについての判断は、内部当選した役に対応する図柄の組合せ(図8参照)が、有効ライン上で揃った状態で停止表示されたか否かを判断することによって行われる。その結果、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S50:NO)、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。一方、何れかの役への入賞が成立したと判断した場合には(S50:YES)、S60の処理を実行する。
【0061】
S60の処理では、入賞の成立した役が再遊技役であるか否かを判断する。その結果、入賞の成立した役が再遊技役であると判断した場合には(S60:YES)、自動再投入(今回の遊技において使用された枚数と同じ枚数の遊技メダルを自動的にベットすること)を行った後(S70)、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。
【0062】
一方、S60の処理の結果、入賞の成立した役が再遊技役ではないと判断した場合には(S60:NO)、メダル払出処理を実行する(S80)。メダル払出処理では、入賞の成立した役に対応する枚数の遊技メダル(図8参照)が、遊技者に払い出される。なお、本実施例の遊技機1では、入賞によって遊技者に払い出される遊技メダルは、遊技機1内に一旦貯留される。
【0063】
メダル払出処理(S80)を行うと、次に、入賞の成立した役がRB役であるか否かを判断する(S90)。この処理において、入賞の成立した役がRB役であると判断した場合には(S90:YES)、図10に示すレギュラーボーナス遊技処理を実行し(S100)、その後、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。なお、レギュラーボーナス遊技処理については、図10を参照しつつ後述する。
【0064】
入賞の成立した役がRB役ではない判断した場合には(S90:NO)、続いて、入賞の成立した役がBB役であるか否かを判断する(S110)。その結果、入賞の成立した役がBB役であると判断した場合には(S110:YES)、図12に示すビッグボーナス遊技処理を実行し(S120)、その後S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。なお、ビッグボーナス遊技処理については、図12を参照しつつ後述する。一方、入賞の成立した役がBB役ではないと判断した場合には(S110:NO)、S120の処理には移行することなくS10の処理に戻り、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
【0065】
B−2.レギュラーボーナス遊技状態における制御 :
図10は、本実施例の遊技機1において行われるレギュラーボーナス遊技処理(S100)を示すフローチャートである。前述の様に、RB役の入賞が成立すると、このレギュラーボーナス遊技処理(RB遊技処理)が実行される。なお、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)とは、RB役の入賞成立によってRB遊技処理が開始された後、RB遊技処理が終了するまでに行われる遊技のことであり、このRB遊技においては、所定の役(例えば一般遊技中において入賞とはならない図柄の組合せが入賞となる役、あるいは、そのような図柄の組合せと一般遊技中において入賞となる図柄の組合せの両方が入賞となる役)に高確率で当選する。
【0066】
図10に示す様に、RB遊技処理が開始されると、まず、遊技メダルがベットされたか否か判断する(S510)。この処理は、一般遊技処理におけるS10の処理と同様の処理である。この処理において、遊技メダルがベットされたと判断した場合には(S510)、回胴回転始動処理を実行する(S520)。この処理は、一般遊技処理で行う回胴回転始動処理(図5参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0067】
回胴回転始動処理を終了すると、次に、レギュラーボーナス抽選処理(RB抽選処理)を実行する(S530)。RB抽選処理では、RB遊技用の抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選を行う。
【0068】
RB抽選処理を終了すると、次に、回胴回転停止処理を実行する(S540)。この処理は、一般遊技処理で行う回胴回転停止処理(図9参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
S540の回胴回転停止処理において全ての回胴13が停止されると、次に何れかの役の入賞が成立したか否かを判断する(S550)。入賞が成立したか否かの判断は、内部入賞した役に対応して、図11に示す図柄組合せが有効ライン上に揃った状態で停止表示されたか否か、を判断することによって行われる。S550の処理の結果、何れかの役の入賞が成立したと判断した場合には(S550:YES)、所定枚数(図11参照)の遊技メダルを遊技者に払い出し(S560)、その後、S570の処理に移行する。一方、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S550:NO)、遊技メダルの払い出しを行うことなく、S570の処理に移行する。なお、図11は、RB遊技状態における賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【0070】
S570の処理においては、RB遊技処理を終了するか否かを判断する。例えば、現在実行中のRB遊技処理において行われた遊技の回数が所定回数(本実施例では、12回)に達した場合や、現在実行中のRB遊技処理において成立した入賞の回数が所定回数(本実施例では、8回)に達した場合などに、RB遊技処理を終了するものと判断する。こうした処理の結果、RB遊技処理を終了すると判断した場合には(S570:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、所定の終了条件が満たされておらず、RB遊技処理を終了しないと判断した場合には(S570:NO)、S510の処理に戻る。
【0071】
B−3.ビッグボーナス遊技状態における制御 :
図12は、本実施例の遊技機1において行われるビッグボーナス遊技処理(S120)を示すフローチャートである。前述の様に、BB役の入賞が成立すると、このビッグボーナス遊技処理(BB遊技処理)が実行される。なお、ビッグボーナス遊技(BB遊技)とは、BB役の入賞成立によってBB遊技処理が開始された後、BB遊技処理が終了するまでに行われる遊技をいう。
【0072】
図12に示す様に、BB遊技処理においては、先ず、遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S620)。この処理は、一般遊技処理におけるS10の処理と同様の処理である。この処理において、遊技メダルがベットされたと判断した場合には(S620:YES)、回胴回転始動処理を実行する(S630)。この処理も、一般遊技処理で行われる回胴回転始動処理(図5参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0073】
S630の回胴回転始動処理を終了すると、BB遊技中抽選処理を実行する(S640)。このBB遊技中抽選処理は、図13に示すビッグボーナス遊技用の抽選テーブルを用いて内部抽選を行う処理である。
【0074】
図13は、BB遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブル(BB遊技中抽選テーブル)を示す説明図である。このBB遊技中抽選テーブルは、乱数値と役(または、ハズレ)との対応関係を記憶したテーブルである。図13においてカッコ内に示している数値は、夫々の役の当選確率である。尚、図13に示すBB遊技中抽選テーブルからも明らかな通り、BB遊技中は、再遊技役に当選することはない。
【0075】
図12に示したBB遊技処理においては、上述のBB遊技中抽選処理(S640)から復帰すると、続いて回胴回転停止処理を行う(S650)。この処理は、図4の一般遊技処理において実行される回胴回転停止処理(図9参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0076】
S650の回胴回転停止処理において全ての回胴13を停止させると、次に、何れかの役の入賞が成立したか否かを判断する(S660)。入賞が成立したか否かの判断は、内部当選した役に対応して、図14に示す図柄組合せが有効ライン上に揃った状態で停止表示されたか否か、を判断することによって行われる。図14は、ビッグボーナス(BB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【0077】
S660の処理の結果、何れかの役の入賞が成立したと判断した場合には(S660:YES)、入賞の成立した役に対応する枚数(図14参照)の遊技メダルを遊技者に払い出し(S670)、その後、S680の処理に移行する。一方、S660の処理の結果、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S660:NO)、遊技メダルの払い出しを行うことなく、S680の処理に移行する。
【0078】
S680の処理においては、入賞の成立した役がRB役であるか否かを判断する。この結果、入賞の成立した役がRB役である場合には(S680:YES)、RB遊技処理を実行し(S690)、その後、S700の処理に移行する。なお、BB遊技状態においてRB役に入賞することを、一般にジャックイン入賞またはジャックインという。このBB遊技状態におけるRB遊技処理の内容は、一般遊技処理から呼び出されるRB遊技処理(図10参照)と同様の処理であるため、ここでは、その説明を省略する。一方、S680の処理において、入賞の成立した役がRB役でないと判断した場合には(S680:NO)、RB遊技処理を実行することなくS700の処理に移行する。
【0079】
なお、S660の処理の結果、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S660:NO)、S670〜S690の処理を行うことなく、S700に移行する。
【0080】
S700の処理では、BB遊技処理の終了条件が成立しているか否かを判断する。この判断は、BB期間中に遊技者に対して払い出された遊技メダルの枚数や、BB期間中に実行したRB遊技処理の回数などに基づいて行われる。例えば、BB期間中に遊技者に対して払い出された遊技メダルの枚数が上限数(例えば、465枚)に達した場合や、BB期間中に行われたRB遊技処理の回数が所定回数(例えば、3回)に達した場合には、BB遊技処理の終了条件が成立しているものと判断する。
【0081】
S700の処理の結果、BB遊技処理の終了条件が成立したと判断しなかった場合には(S700:NO)、S620の処理に戻る。一方、BB遊技処理の終了条件が成立していると判断した場合には(S700:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0082】
C.電子部品の封印構造 :
本実施例の遊技機1の動作は、上述の様に、CPU111やROM113などのICチップを初めとする各種の電子部品が実装された制御基板(例えば、主制御基板101や副制御基板105など)によって制御される。そのため、こうした電子部品を不正なものに交換する不正改造が行われると、例えばビッグボーナスの当選が頻発するなどの不正な態様で遊技機1が動作するおそれもある。そこで、本実施例では、以下に説明するような封印構造を採用することにより、不正改造の防止を図っている。なお、以下では、制御基板に装着されているICチップの封印構造を例にとって説明する。
【0083】
図15は、コンデンサ600やICチップ700などの電子部品が制御基板800に実装されている様子を示す説明図である。図示されている様に、ICチップ700には、制御基板800との間に跨るように封印シール900が貼付されており、ICソケット750からの脱着が禁止されている。更に、この様に貼付された封印シール900と制御基板800との間には、割印910が押印されている。したがって、封印シール900を剥がしてICチップ700の不正な交換が行われたとしても、割印910の形が崩れるなど、封印シール900が剥がされた形跡が残るため、不正改造を比較的容易に発見することが可能となっている。
【0084】
また本実施例の遊技機1においては、不正改造の発見を更に容易とするため、格子状の模様810が制御基板800の表面に印刷されていると共に、この模様810と重なるように割印910が押されている。模様810の印刷に用いられるインク材料は、最も多く含まれている非揮発成分が割印910に用いられる油性インク材料と同一成分であるため、割印910を消去可能な薬品によって溶解される性質を備えている。したがって、割印910を薬品で消去しようとすれば模様810の少なくとも一部も消えてしまうため、不正改造の痕跡が残り、その結果、不正改造を更に容易に発見することが可能となる。
【0085】
尚、模様810は、その一部を消去した際に復元が困難な細かい模様とすることが望ましく、例えば、線幅を0.2〜0.5mm、線間隔を0.5mm〜1mmとするのが良い。しかしながら、模様810をあまりに細かくし過ぎることは、その模様の印刷が困難になるばかりでなく、その模様の一部が消去され、その消去部分にインクが塗布されても、消去の痕跡が発見し難くなるので好ましくない。また、模様810は格子状以外の模様であってもよく、例えば、縞模様や幾何学模様など、復元が困難な模様であればよい。
【0086】
図16は、制御基板800の製造工程を示すフロー図であり、図17は、制御基板800の製造工程において、上述の模様810が形成される様子を示す説明図である。制御基板800の製造にあたっては、図17(a)に示されているように、先ず絶縁基板(基板用基材)820にスルーホール808や配線パターン部824を形成する工程が行われるので、その手順について以下に説明する。
【0087】
図16に示されているように、先ず、絶縁基板820の表裏面に銅箔を接着した後(S801)、NC多軸ボール盤等を用いて「孔あけ」が施される(S805)。孔あけは、絶縁基板820のうち、スルーホール808の形成部位や、制御基板800をケース等に取り付けるための取付孔の形成部位等に施される。
【0088】
次いで、この絶縁基板820に対して、触媒付与および無電解銅メッキを行い(S810)、更に、電解銅メッキを施すことによって(S815)、銅箔の上に更に銅メッキ層を形成する。そして、銅メッキ層が形成された絶縁基板820の表面にエッチングレジスト材料(例えば、ドライフィルム)を装着した上、露光・現像を行い、露光部分にエッチングレジスト膜(耐エッチング性被膜)を形成する(S820)。但し、露光されない部分にエッチングレジスト膜を形成するようなエッチングレジスト材料を用いてもよい。このように絶縁基板820の表面にエッチングレジスト膜を形成すると、次に、銅箔のうちエッチングレジスト膜(耐エッチング性被膜)で覆われていない部分をエッチング液で溶解する(S825)。このエッチング処理によって、銅箔のうちの不要な部分のみが溶解され、一方、必要な部分は溶解されずに残るため、絶縁基板820の表面には、配線パターン部824が形成されることになる。
【0089】
なお、エッチング処理の後はエッチングレジスト膜が不要となるので、所定の薬品を用いてエッチングレジスト膜を除去し、配線パターン部824、及び絶縁基板820を露出させる(S830)。以上の様な工程を経ることによって、図17(a)に示されているように、絶縁基板820にスルーホール808や配線パターン部824が形成される。
【0090】
絶縁基板820にスルーホール808および配線パターン部824が形成されると、続いて、図17(b)に示すように、絶縁基板820のうちの所定領域にソルダーレジスト層830を形成する(S835)。まず絶縁基板820をソルダーレジスト用(はんだレジスト用)マスクで覆い、このソルダーレジスト用マスクを通してソルダーレジストインクを転移させることによって、絶縁基板820にソルダーレジスト層830を形成する。ソルダーレジスト用マスクは孔付きの平板を用いて構成され、ソルダーレジストインクを通過させる部位を構成する通過孔部と、ソルダーレジストインクを通過させない部位を構成する島部(孔を開けられず、板状のままの部位)とを備えたマスクである。そのため、絶縁基板820には、ソルダーレジスト用マスクの通過孔部に覆われた領域に、ソルダーレジスト層830が形成されることになる。
【0091】
絶縁基板820にソルダーレジスト層830が形成されると、続いて、図17(c)に示されているように、電子部品の搭載位置等を示すシンボル832や、上述の模様810などをシルク印刷(シンボル印刷ともいう。)によって形成する(S840)。本実施例では、シンボル832の印刷と模様810の印刷とに同じインク材料が用いられているため、シンボル832と模様810とは同時に印刷することができる。もっとも、シンボル832の印刷に用いられるインク材料と、模様810の印刷に用いられるインク材料とを互いに異なるインク材料としてもよく、その場合には2回に分けて印刷すればよい。
【0092】
図18は、上述の工程によって、制御基板800に模様810やシンボル832などが形成された様子を示す説明図である。図示されているように、制御基板800には、電子部品の名称・搭載を示すシンボル832が所定位置に形成されているほか、割印910が押される位置の近傍には模様810が形成されている。
【0093】
模様810などをシルク印刷によって印刷すると(S840)、続いて、ソルダーレジスト層830が形成されていない部位に「はんだレベリング処理」が施され(S845)、これにより、スルーホール808の内周面やスルーホール808の開口部のランド部などに、はんだコーティングが施される。このはんだレベリング処理では、脱脂・脱錆処理、ソフトエッチング処理等の「前処理」の後に、「フラックス処理」、「はんだ浸せき」、「ホットエアーレベリング」等をこの順に行い、更に、フラックスの除去等の「後処理」が行われる。
【0094】
はんだレベリング処理が行われた後、その他の処理(例えば乾燥工程、外形仕上げ工程)を行い(S850)、更に、コンデンサ600、ICチップ700、ICソケット750などの各種電子部品の実装工程を経て(S860)、制御基板800が完成する。こうして完成した制御基板800において、ICチップ700の上から封印シール900を貼付し、更に封印シール900と制御基板800との間に割印910を施せば、図15に示されている様に、ICチップ700を封印することができる。
【0095】
以上のように、遊技機1の制御基板800には、少なくとも一部が割印910と重なるように格子状の模様810が印刷されており、その印刷には、割印910を消去可能な薬品によって除去されるインク材料が用いられている。したがって、封印シール900を剥がした後、制御基板800側に残った割印910を消去しようとすると、割印910と共に制御基板800上の模様810も一部が消去されてしまう。このため、制御基板800上のICチップ700が不正な部品に交換された後、偽造の封印シールや割印が施されたとしても、制御基板800上には割印910が消された痕跡が残るので、こうした不正改造を容易に発見することができ、延いては不正改造を効果的に防止することができる。
【0096】
また、本実施例では、シンボル832と同時に模様810の印刷を行うこととしているため、簡便に模様810を形成することができる。
【0097】
C−1.第1変形例 :
上記実施例においては、割印910が消去されると模様810の少なくとも一部も消えるようにするため、割印910を消去可能な薬品によって除去されるインク材料を用いて、模様810が印刷されている。しかし、本発明は、こうした態様に限定されるものではなく、以下に説明するように、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層を制御基板800の表面に形成し、この樹脂層の上に模様を印刷しても良い。
【0098】
図19は、第1変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。図示されているように、制御基板800の表面には、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層840が形成され、この樹脂層840の上に模様842が印刷されている。この様にしても、割印910を薬品で消去すると樹脂層840の表面が溶解され、その結果、模様842も少なくとも一部が消えるので、不正改造を容易に発見することができる。
【0099】
なお、こうした第1変形例に係る制御基板800を製造するには、図16を用いて上述した製造工程において、ソルダーレジスト形成工程(S835)とシルク印刷工程(S840)との間に樹脂層840の形成工程を行えばよい。
【0100】
C−2.第2変形例 :
上記の第1変形例では、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層840の表面に模様842が印刷されているが、これに限られるものではなく、この樹脂層840の表面を凹凸状に構成することによって、「梨地模様」や「すりガラス状のぼかし模様」など各種の凹凸模様を形成しても良い。
【0101】
図20は、第2変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。図示されているように、制御基板800の表面には、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層840が形成され、この樹脂層840の表面に凹凸状の模様(凹凸模様)844が形成されている。この様な構成においても、割印910を薬品で消去すると、樹脂層840の表面が溶解され、その結果、模様844も少なくとも一部が消えるので、不正改造を容易に発見することができる。また、模様844を凹凸状に構成すれば、凹凸模様844の復元が更に困難となるため、不正改造をより効果的に防止することができる。
【0102】
なお、こうした第2変形例に係る制御基板800を製造するには、樹脂層840の形成と同時に凹凸模様844を形成してもよいし、樹脂層840の形成後、サンドブラスタ装置や刻印装置などで加工することによって、凹凸模様844を付加しても良い。
【0103】
C−3.第3変形例 :
上述の第2変形例では、図20に示されている様に、ソルダーレジスト層830の上に積層された樹脂層840に凹凸模様844が形成されているが、これに限られるものではなく、ソルダーレジスト層に凹凸模様を形成してもよい。
【0104】
図21は、第3変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。本変形例のソルダーレジスト層850は、割印910を消去可能な薬品によって溶解されるソルダーレジストインクで形成されており、図示されているように、その表面には凹凸状の模様(凹凸模様)852が形成されている。この様な構成においても、割印910を薬品で消去すれば、ソルダーレジスト層850の表面が溶解され、その結果、凹凸模様852の少なくとも一部も消えるので、不正改造を容易に発見することができる。
【0105】
なお、こうした第3変形例に係る制御基板800を製造するには、ソルダーレジスト層850を形成する際に、併せて凹凸模様852を付加してもよいし、或いは、ソルダーレジスト層850の形成後、サンドブラスタや刻印装置などで加工することによって、模様852を形成しても良い。
【0106】
C−4.第4変形例 :
また上記実施例においては、図17等を用いて説明したように、ソルダーレジスト層830の表面に模様810が印刷されているが、これに限られるものではなく、ソルダーレジスト層の下に、模様を印刷しても良い。
【0107】
図22は、第4変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。本変形例のソルダーレジスト層860も、第3変形例と同様に、割印910を消去可能な薬品によって溶解されるソルダーレジストインクで形成されており、更に、ソルダーレジスト層860の下の模様862も、割印910を消去可能な薬品によって溶解されるインク材料を用いて印刷されている。このようにしても、割印910が薬品で消去されると、ソルダーレジスト層860が溶解されるので、模様862が消えるようにしておくことが可能である。
【0108】
なお、第4実施例に係る制御基板800を製造するには、図16を用いて上述したソルダーレジスト形成工程(S835)の前に、模様862の印刷を行えばよい。
【0109】
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0110】
例えば、上記実施例においては、本発明を回胴式遊技機に適用するものとして説明したが、これに限られず、例えばパチンコ遊技機やアレンジボール遊技機などの弾球式遊技機に対しても、本発明を適用することができる。
【0111】
また、上記実施例においては、割印を消去可能な薬品により模様が消えるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、摩擦によって消えやすい状態で模様が形成されていてもよく、そうすれば、割印が擦り消される場合でも、その際に模様が消えて不正改造の痕跡が残るようにすることができる。
【0112】
また、上記実施例においては、割印が押印される位置の近傍のみに模様を形成するものとして説明したが(図15,図18参照)、これに限られるものではなく、制御基板全体に模様を形成しても良い。
【0113】
また、上記実施例においては、ICチップを封印シールで封印する構成に対して本発明を適用しているが、これに限られるものではなく、その他の電子部品を封印シールで封印する場合にも、本発明を適用することができる。
【0114】
また、上記実施例においては、模様を印刷によって形成する場合の印刷方式として「シルク印刷」を採用しているが、これに限られるものではなく、各種の印刷方式を採用することが可能であり、例えば、インクジェット方式を採用しても良い。
【0115】
尚、主制御基板101や副制御基板105などの制御基板は基板ケースに収納されるが、不正改造の防止をより効果的に図るために、基板ケースにカシメ構造を採用したり、基板ケースに封印シールを貼付するなどして、制御基板を収納した基板ケースを密封状態とすることが望ましい。これにより、不正改造目的で基板ケースが開封された場合には、その開封の痕跡を残すことができる。
【0116】
更に、制御基板上にEPROMやフラッシュROMなど書き換え可能なROMを実装する場合には、例えばROMの書き込み用端子をコネクタ等で外部と接続しないようにして、基板上に実装した状態での電気的な書き換えを不可能とすることが望ましい。これにより、ROMが基板上に実装された状態で不正に書き換えられることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施例に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
【図2】実施例の回胴式遊技機の前面構造を示す説明図である。
【図3】実施例の回胴式遊技機の電気的構成を示す説明図である。
【図4】実施例の回胴式遊技機における一般遊技処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例の回胴式遊技機における回胴回転始動処理を示すフローチャートである。
【図6】実施例の回胴式遊技機における一般遊技中抽選処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例の回胴式遊技機の一般遊技中抽選処理で使用される抽選テーブルを示す説明図である。
【図8】実施例の回胴式遊技機の一般遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【図9】実施例の回胴式遊技機における回胴回転停止処理を示すフローチャートである。
【図10】実施例の回胴式遊技機におけるレギュラーボーナス(RB)遊技処理を示すフローチャートである。
【図11】実施例の回胴式遊技機のレギュラーボーナス(RB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【図12】実施例の回胴式遊技機におけるビッグボーナス(BB)遊技処理を示すフローチャートである。
【図13】実施例の回胴式遊技機におけるビッグボーナス(BB)遊技中抽選処理で使用される抽選テーブルを示す説明図である。
【図14】実施例の回胴式遊技機のビッグボーナス(BB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【図15】実施例の制御基板に実装されたICチップが封印シールによって封印されている様子を示す説明図である。
【図16】実施例の制御基板が製造される工程を示すフロー図である。
【図17】制御基板の製造工程において模様が形成される様子を示す説明図である。
【図18】実施例の制御基板に模様が形成された様子を示す説明図である。
【図19】第1変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【図20】第2変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【図21】第3変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【図22】第4変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0118】
1 …回胴式遊技機(遊技機)
700…ICチップ(電子部品)
750…ICソケット
800…制御基板
810,842,844,852,862…模様
830,850,860…ソルダーレジスト層
900…封印シール
910…割印
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子部品によって遊技の進行が制御される遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、パチンコ遊技機やスロットマシン等の遊技機においては、ICチップなどの各種の電子部品が実装された制御基板によって、遊技の進行を電子的に制御する方式が採用されている。こうした遊技機においては、正規の電子部品を不正な電子部品に交換するといった不正改造によって、例えば大当たりが頻発するような不正な態様で遊技を進行させることが技術的には可能である。
【0003】
この様な不正改造を防止するための対策としては、電子部品と制御基板とに跨るように封印シールを貼付し、更に、封印シールと制御基板との間に割印を施すという対策が提案されている(例えば、特許文献1)。こうすれば、電子部品の不正改造を行う際に封印シールを剥がした形跡が残るため、不正改造を比較的発見しやすくなり、その結果、不正改造を防止する上で一定の効果が得られる。
【0004】
【特許文献1】特開平10−15196号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、この様な方法を用いた場合でも、封印シールや割印が偽造されてしまえば、不正改造の発見が難しいという問題がある。なぜならば、封印シールを剥がして制御基板に残った割印を消去した後、電子部品を不正な部品に付けかえ、その上から偽造した封印シールと割印とが施されてしまえば、もはや、不正改造がされたか否かを識別することは困難となるからである。もちろん、特許文献1に記載されているように、割印をレーザー加工により刻むことによって割印の消去を困難とすることもできるが、そのためには更なる設備投資が必要となってしまう。
【0006】
本発明は、こうした課題に鑑みてなされたものであり、電子部品の不正改造を発見することが更に容易な遊技機を提供することを目的とする。また、本発明の他の目的は、簡単な構成で、不正改造を効果的に防止することが可能な遊技機を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題の少なくとも一部を解決するために、本発明の遊技機は次の構成を採用した。すなわち、
電子部品によって遊技の進行が制御される遊技機であって、
前記電子部品が装着される制御基板と、
前記制御基板と前記電子部品とに跨るように貼付されて、該制御基板との間に割印が押印された封印シールと
を備え、
前記制御基板には、前記割印が押印される箇所の近傍に、該割印を消去すると少なくとも一部が消去される状態で、所定の模様が形成されていることを特徴としている。
【0008】
この様に本発明の遊技機の制御基板には、封印シールとの間に施された割印の近傍に所定の模様が形成されており、その模様は、割印を消去すると少なくとも一部が消去される状態で形成されている。したがって、正規の封印シールを剥がした後、制御基板側に残った割印を消去しようとすると、割印と共に制御基板上の模様も消去されてしまうことになる。このため、制御基板上の電子部品を不正な部品に交換後、偽造された封印シールや割印が施されたとしても、制御基板上には正規の割印が消された痕跡が残るので、不正改造を容易に発見することができ、延いては不正改造を効果的に防止することが可能となる。
【0009】
割印の近傍に形成する模様としては、例えば、縞模様、格子模様、幾何学模様などの復元が困難である細かい模様を採用することが望ましい。なぜなら、模様の復元が困難であるほど不正改造の隠滅が困難となるので、不正改造をより効果的に防止できるからである。
【0010】
こうした模様は、様々な方法によって形成することができるが、例えば、印刷によって形成しても良く、そうすれば簡便に模様を形成することができる。この場合、模様の印刷は、基板名や電子部品の搭載位置等の表示を印刷する所謂シンボル印刷工程と同時に行ってもよく、そうすれば更に簡便に模様を形成することができる。
【0011】
模様を印刷によって形成する場合には、割印を消去可能な薬品(例えば、有機溶剤など)によって除去されるインク材料を用いてもよい。そうすれば、薬品を用いて割印が消去されると、模様の少なくとも一部も消去されることになるため、不正改造が行われたことを容易に発見することができる。
【0012】
この場合、模様の印刷に用いられるインク材料と割印に用いられるインク材料とは、最も多く含まれている非揮発成分が同一成分であってもよく、そうすれば、これらのインク材料は共通の薬品によって除去されることになる。したがって、薬品を用いて割印を消去しようとすれば、模様の少なくとも一部も消去されることになるため、不正改造が行われたことを容易に発見することができる。
【0013】
かかる遊技機においては、上記の様に、印刷によって模様を形成してもよいが、制御基板の表面を凹凸状に構成することによって凹凸模様を形成しても良い。この場合、正規の割印を消去しようとすると凹凸が平滑化されるように模様を形成しておけば、割印が消された痕跡を残すことができる。このように、制御基板の表面に形成する模様を凹凸模様で構成すれば、復元をより困難にすることができるため、不正改造をより効果的に防止することができる。
【0014】
なお、割印は、少なくとも一部が模様の上に押印されていてもよく、そうすれば、模様を消すことなく割印だけを消去することがより困難となるため、不正改造の防止を更に効果的に図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.回胴式遊技機の装置構成
A−1.全体構成:
A−2.電気的構成:
B.制御の概要:
B−1.一般遊技状態における制御:
B−2.レギュラーボーナス遊技状態における制御:
B−3.ビッグボーナス遊技状態における制御:
C.電子部品の封印構造:
C−1.第1変形例:
C−2.第2変形例:
C−3.第3変形例:
C−4.第4変形例:
【0016】
A.回胴式遊技機の装置構成 :
A−1.全体構成 :
図1は、回胴式遊技機1(以下、「遊技機1」と記す。)の外観を示す斜視図である。図2は、遊技機1の前面構造を示す説明図である。この図1及び図2を参照しつつ、以下に、遊技機1の全体構成について説明する。図1及び図2に示すように、遊技機1の全体的形状は筐体3により構成されており、この筐体3の正面部には、表示窓5、操作パネル部7、遊技メダル払出口9などが設けられている。
【0017】
表示窓5は、遊技者に対して図柄を表示するための窓であり、遊技機1の上段部分に設けられている。この表示窓5は透明なパネルで覆われており、このため、この表示窓5を介して筐体3の内部を目視することが可能となっている。
【0018】
表示窓5の内側(筐体1の内部)には、回転可能な複数個(本実施例では3個)の回胴(リール)13L,13C,13Rが横一列に設けられている。各回胴13L〜13Rの外周面には、複数種類の図柄からなる図柄列が回転方向に沿って描かれているが、表示窓5を通して観察することができるのは、外周面の一部のみである。そのため、これらの回胴13L〜13Rを回転させれば、表示窓5内の複数の領域で図柄を変動表示させることができる。また、回胴13L〜13Rの回転を停止させれば、各領域で図柄を停止表示させることができる。なお、以下では左端の回胴13Lを「第1回胴13L」と記し、中央の回胴13Cを「第2回胴13C」と記し、右端の回胴13Rを「第3回胴13R」と記すこととする。また、これらを総称するときは、単に「回胴13」と記すものとする。
【0019】
表示窓5の左側には、1メダルラインランプ15a、2メダルラインランプ15b、3メダルラインランプ15c、遊技開始表示ランプ17が設けられている。1メダルラインランプ15bは、1枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が中央の入賞ラインL1の上で揃ったことを表示するランプである。次に、2メダルラインランプ15bは、2枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が上段または下段の入賞ラインL2の上で揃ったことを表示するランプである。また、3メダルラインランプ15cは、3枚の遊技メダルがベットされたことや、その後、入賞組合せの図柄が斜めの入賞ラインL3の上で揃ったことを表示するランプである。そして、遊技開始表示ランプ17は、回胴13L〜13Rの回転が開始可能となったことを示すランプである。
【0020】
表示窓5の右側には、打止め表示ランプ19、再遊技ランプ21、ビッグボーナス告知ランプ23a,23b,23c、遊技メダル投入ランプ25が設けられている。打止め表示ランプ19は、遊技機1がいわゆる打ち止め状態となったことを表示するランプである。次に、再遊技ランプ21は、遊技メダルを使用することなく実行可能な遊技(再遊技)が行われることを示すランプである。また、ビッグボーナス告知ランプ23a〜23cは、遊技機1がビッグボーナス遊技状態に移行したこと(すなわちビッグボーナス期間中であること)を示すランプである。そして、遊技メダル投入ランプ25は、遊技メダルのベットを受け入れ可能であることを示すランプである。
【0021】
表示窓5の下側には、役物回数表示器27、払出枚数表示器29、貯留枚数表示器31が設けられている。役物回数表示器27は、レギュラーボーナス役の入賞可能回数などを表示する。また、払出枚数表示器29は、遊技機1から払い出される遊技メダルの枚数を表示する。また、貯留枚数表示器31は、遊技機1に貯留されている遊技メダルの枚数を表示する。
【0022】
操作パネル部7は、遊技機1の中段部に設けられている。操作パネル部7は、手前に向かって突出した形状に形成されており、その上面部には、遊技メダル投入口33、1枚投入ボタン35、3枚投入ボタン37、精算ボタン39が設けられている。遊技メダル投入口33は、遊技メダルを遊技機1に投入するための投入口である。次に、1枚投入ボタン35は、遊技機1に貯留されている遊技メダルのうち1枚をベットするためのボタンであり、また、3枚投入ボタン37は、遊技機1に貯留されている遊技メダルのうち3枚をベットするためのボタンである。そして、精算ボタン39は、遊技機1に貯留されている遊技メダルを外部に払い出す際に押されるボタンである。なお、遊技メダルは、遊技において入賞が成立した場合や、1回の遊技に必要な枚数(規定数)を超えて余分な枚数の遊技メダルが遊技メダル投入口33から投入された場合などには、遊技機1の内部に貯留される。尚、この貯留とは、後述する主制御基板101のRAM115に遊技メダルの数を記憶することであり、いわゆるクレジットのことである。本実施例では、貯留可能な枚数の上限が、50枚となっている。
【0023】
操作パネル7の前面部には、スタートレバー41、停止ボタン43L,43C,43R、返却ボタン45などが設けられている。スタートレバー41は、回胴13の回転を開始させるためのものである。停止ボタン43L〜43Rは、各回胴13に対応して複数個(本実施例では3個)設けられており、対応する回胴の回転を停止させるためのものである。返却ボタン45は、投入された遊技メダルが遊技機1内部で詰まった場合に、この詰まりを解消する際に押されるボタンである。なお、以下では、第1回胴13Lに対応する停止ボタン43Lを「第1停止ボタン43L」と記し、第2回胴13Cに対応する停止ボタン43Cを「第2停止ボタン43C」と記し、第3回胴13Rに対応する停止ボタン43Rを「第3停止ボタン43R」と記すこととする。また、これらを総称するときは、単に「停止ボタン43」と記すこととする。
【0024】
なお、遊技メダル払出口9は、遊技機1の下部に設けられている。遊技機1の下部には、遊技メダル払出口9のほか、遊技メダル払出口9から払い出される遊技メダルを受け止めるための受け皿部47が設けられている。
【0025】
A−2.電気的構成 :
図3は、本実施例に係る遊技機1の電気的構成を示す説明図である。この図に示されているように、遊技機1には、主制御基板101を中心として、回胴基板103、副制御基板105、中央表示ランプ基板107、電源基板109等が設けられている。
【0026】
主制御基板101は、遊技機1で行われる遊技の進行・演出を司る基板である。この主制御基板101には、CPU111、ROM113、RAM115などをバス117で互いに接続して構成される周知のコンピュータが搭載されている。こうしたCPU111を中心として構成されるコンピュータが作動することによって、遊技機1における遊技の進行・演出が制御される。
【0027】
主制御基板101に接続された副制御基板105には、主制御基板101と同様にCPU、ROM、RAMなどが搭載され、更に、各種の照明用基板119、各種のスピーカ121などが接続されている。副制御基板105は、主制御基板101からの信号に基づき、各種のスピーカ121に音声信号を出力することによって、これらスピーカ121からの音声出力を制御する。また、副制御基板105からは、各種の照明用基板119に対しても信号が出力される。照明用基板119においては、この副制御基板105からの信号に基づいて、照明類123のOn/Offが行われる。
【0028】
中央表示ランプ基板107には、前述のように主制御基板101が接続されているほか、役物回数表示器27、払出枚数表示器29、貯留枚数表示器31、1枚投入ボタン35、3枚投入ボタン37、精算ボタン39、第1停止ボタン43L、第2停止ボタン43C、第3停止ボタン43Rなどが接続されている。これらの各ボタン35,37,39,43L〜43Rが遊技者によって操作されると、その操作結果を示す信号が、中央表示ランプ基板107を介して主制御基板101に入力される。主制御基板101においては、この入力信号に基づいて、各ボタン35、37,39,43L〜43Rに対する操作状態が判断される。
【0029】
中央表示ランプ基板107には、そのほか、左表示ランプ基板125、右表示ランプ基板127、スタートレバーユニット129、メダルセレクター131なども接続されている。
【0030】
左表示ランプ基板125は、表示窓5の左側に設けられた1メダルラインランプ15a、2メダルラインランプ15b、3メダルラインランプ15c、遊技開始表示ランプ17のOn/Off制御などを行うための基板である。それらのOn/Off制御は、主制御基板101から、中央表示ランプ基板107を介し、左表示ランプ基板125に対して所定の信号を入力することによって行われる。
【0031】
また、右表示ランプ基板127は、表示窓5の右側に設けられた打止め表示ランプ19、再遊技ランプ21、ビッグボーナス告知ランプ23a〜23c、遊技メダル投入ランプ25のOn/Off制御などを行うための基板である。それらのOn/Off制御は、主制御基板101から、中央表示ランプ基板107を介し、右表示ランプ基板127に所定の信号を入力することによって行われる。
【0032】
スタートレバーユニット129は、前述のスタートレバー41と、このスタートレバー41の操作を検出するための回胴回転始動センサー基板(図示せず)とを備えている。スタートレバー41が遊技者により操作されると、その操作が回胴回転始動センサー基板によって検出され、更にこの検出結果を示す回胴回転始動信号が、中央表示ランプ基板107を介して主制御基板101に入力される。このような構成によって、主制御基板101上のコンピュータは、スタートレバー41に対する操作状態を判断することができる。
【0033】
メダルセレクター131は、遊技メダル投入口33より投入された遊技メダルを寸法に基づいて選別し、規格寸法に適合した遊技メダルのみを受け付けるための装置である。メダルセレクター131には、こうした遊技メダルを選別する機能のほか、投入された遊技メダルの通過をメダルセンサー基板(図示せず)によって検出する機能や、電磁ソレノイド(図示せず)によって作動するブロッカー(図示せず)によって遊技メダルを受け付けずに返却する機能なども設けられている。遊技メダルの通過がメダルセンサー基板により検出されると、その検出結果を示すメダル検出信号が、中央表示ランプ基板107を介し、メダルセレクター131から主制御基板101に対して送信されることになる。このような構成によって、主制御基板101上のコンピュータは、遊技メダル投入口33から遊技メダルが投入されたか否かを判断することができる。
【0034】
回胴基板103には、主制御基板101のほか、ステッピングモータ133L,133C,133Rや回胴センサー基板135L,135C,135Rなどが接続されている。
【0035】
ステッピングモータ133L〜133Rは、各回胴13の回転・停止を行うためのモータである。これらのステッピングモータ133L〜133Rは各回胴13L〜13Rに対応する個数(本実施例では3個)設けられていると共に、各ステッピングモータ133L〜133Rの軸は、対応する各回胴13の回転軸として用いられている。そして、これらのステッピングモータ133L〜133Rの回転・停止動作は、回胴基板103を介し、主制御基板101からステッピングモータ133L〜133Rに信号を送ることにより制御することができる。したがって、主制御基板101からの制御信号でステッピングモータ133L〜133Rを回転・停止させることによって、各回胴13を回転・停止させることができる。
【0036】
回胴センサー基板135L〜135Rは、各回胴13に設けられたインデックス部(図示せず)の通過を検出するためのものであり、各回胴13L〜13Rに対応する個数(本実施例では3個)設けられている。各回胴13のインデックス部が回胴センサー基板135L〜135Rを通過し、その通過が各回胴センサー基板133L〜133Rによって検出されると、この検出結果を示す回胴インデックス信号が、回胴基板103を介して、各回胴センサー基板133L〜133Rから主制御基板101に入力される。このため、各回胴13の回転角度(延いては、回胴13の外周面に描かれた図柄の位置)を、主制御基板101により管理することが可能となっている。なお、各回胴13のインデックス部は回胴13が1回転するたびに回胴センサー基板を通過するため、回胴インデックス信号は、回胴13が1回転するたびに、回胴センサー基板133L〜133Rから主制御基板101に向けて送信される。
【0037】
電源基板119には、主制御基板101のほか、メダル払出装置137などが接続されている。電源基板119は、主制御基板101を介して、回胴基板103、副制御基板105、中央表示ランプ基板107などへの電力供給を行うほか、メダル払出装置137への電力供給も行っている。
【0038】
また、電源基板119は、主制御基板101とメダル払出装置137との間で行われる信号の送受を中継する機能も担っている。遊技メダルを払い出す旨の信号が主制御基板101から出力されると、その信号は、電源基板119を介してメダル払出装置137に入力され、その結果、メダル払出装置137から前述の遊技メダル払出口9に、遊技メダルが排出される。そして、払い出された遊技メダルの数はメダル払出装置137により計数され、その結果を示す遊技メダル払出信号が、電源基板119を介して主制御基板101に入力される。この様な構成によって、CPU111は、遊技機1に貯留されている遊技メダルの枚数や、遊技者に払い出される遊技メダルの枚数などを管理することができる。
【0039】
B.制御の概要 :
上記の様に構成された遊技機1における遊技動作の基本的な流れは、以下の通りである。まず、遊技開始に先立って遊技メダルがベットされると、そのベット数に応じて、入賞ラインL1〜L3を有効化する。次に、遊技者によってスタートレバー41が操作されると、回胴13の回転を開始させることによって遊技を開始し、その後、遊技者によって停止ボタン43が操作されると、回胴13の回転を停止させることによって一回の遊技を終了する。こうした遊技が一回行われると、遊技機1は、有効な入賞ラインの上に、所定の入賞図柄組合せが揃ったか否かを判断する。その結果、有効な入賞ラインの上に所定の入賞図柄組合せが揃った(入賞が成立した)と判断すると、その入賞態様に応じて、遊技者への遊技メダルの払い出しなどが行われる。こうした遊技を実現するため、本実施例の遊技機1においては、前述のCPU111等からなるコンピュータが、以下の様な制御処理を実行する。
【0040】
B−1.一般遊技状態における制御:
図4は、本実施例の遊技機1において行われる一般遊技処理を示すフローチャートである。この一般遊技処理は、遊技機1に電源が投入され、さらにROMサムチェック、RAMクリアなどの処理が行われた後に実行される処理である。
【0041】
図4に示すように、一般遊技処理においては、まず、遊技メダルがベットされているか否かを判断する(ステップ10。以下「ステップ」を「S」と略記する。)すなわち、遊技メダル投入口33からの遊技メダルの投入、1枚投入ボタン35や3枚投入ボタン37の操作、或いは再遊技役の入賞成立に基づく自動再投入によって、遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S10)。
【0042】
S10の処理において、遊技メダルがベットされていないものと判断した場合には(S10:NO)、当該判断処理(S10)を繰り返し行うことによって、遊技メダルがベットされるまで待機する。一方、遊技メダルがベットされると、以下に説明する一連の処理が開始される。まず、遊技メダルがベットされていると判断され(S10:YES)、その結果、図5に示す回胴回転始動処理が実行される(S20)。
【0043】
図5は、本実施例の遊技機1において行われる回胴回転始動処理を示すフローチャートである。この回胴回転始動処理は、所定の条件が成立した場合に、回胴13の回転を始動させる処理である。本実施例の回胴回転始動処理では、2つの条件が成立した場合、すなわち、スタートレバー41がONにされ、そして前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間(本実施例では、4.1秒)以上経過した場合に回胴13の回転を開始することとしている。
【0044】
回胴回転始動処理においては、図5に示されているように、先ず、スタートレバー41がONになっているか否かを判断する(S210)。スタートレバー41がONになっていないと判断した場合には(S210:NO)、当該判断処理(S210)を繰り返すことによって、スタートレバー41がONされるまで待機する。一方、スタートレバー41がONになっていると判断した場合には(S210:YES)、前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間経過したか否かを判断する(S220)。
【0045】
S220の処理において、前回の遊技における回胴13の回転始動から所定時間経過していないと判断した場合には(S220:NO)、当該判断処理(S220)を繰り返し実行することによって、その所定期間が経過するまで待機する。一方、前回の遊技における回胴13の回転開始から所定時間経過したと判断した場合には(S220:YES)、主制御基板101からステッピングモータ133L〜133Rに対して駆動信号を出力することによって回胴13の回転を開始し(S230)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0046】
図4に示す様に、一般遊技処理では、回胴回転始動処理に続いて(S20)、図6に示す一般遊技中抽選処理を行う(S30)。図6は、本実施例の遊技機1において行われる一般遊技中抽選処理を示すフローチャートである。この一般遊技中抽選処理は、図7に示す抽選テーブルを用いることによって、内部的な抽選処理(以下、「内部抽選」という)を行う処理である。すなわち、[00001]〜[16000]の範囲までの値をとりうる乱数を1つ取得し、この取得した乱数の値に基づいて図7の抽選テーブルを参照することによって、各種の"入賞態様(役)"または"ハズレ"のうちの何れか一つを選択するのである。なお、回胴式遊技機においては、抽選テーブルを用いた内部抽選によって所定の役に当選(以下「内部当選」という)しただけでは、当該役の入賞は成立(確定)しない。入賞が成立するためには、内部当選した役に対応する図柄組合せが有効ライン上で揃った状態で停止表示される必要がある。
【0047】
図7は、一般遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブルを示す説明図である。図7に示す様に、一般遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブルには、「一般遊技中抽選テーブル」、「内部当選中抽選テーブル」などがある。これらの抽選テーブルは、何れも、乱数値と役(または、ハズレ)との対応関係を記憶したテーブルである。例えば、「一般遊技中抽選テーブル」においては、"2521〜2574"の範囲の乱数値に、"スズの小役"が対応付けられている。
【0048】
このように抽選テーブル毎に乱数値と役との対応関係が定められているため、それぞれの役の当選確率は、図7の抽選テーブル毎にカッコで囲って示した値に設定されていることになる。このため、一の抽選テーブルを用いて内部抽選を行う場合と他の抽選テーブルを用いて内部抽選を行う場合とでは、当選確率が異なっている。例えば、「一般遊技中抽選テーブル」においては、上記の通り、"2521〜2574"の範囲の乱数値に"スズの小役"が対応付けられているが、これに対して、「内部当選中抽選テーブル」においては、"3121〜3620"の範囲の乱数値に"スズの小役"が対応付けられている。このため、「一般遊技中抽選テーブル」を用いて内部抽選を行う場合には、"スズの小役"の当選確率が「50/16000」となるが、これに対して、「内部当選中抽選テーブル」を用いて内部抽選を行う場合には、"スズの小役"の当選確率が「500/16000」となる。
【0049】
この様に抽選テーブルごとに役の当選確率を異ならせている理由は、抽選処理に用いる抽選テーブルを切り替えることにより、所定の役の当選確率を遊技機1の遊技状態に応じて変更するためである。本実施例では、以下に説明する様に、BB役またはRB役に内部当選中(後述する)であるか否かといった遊技状態の違いに応じて抽選テーブルを切り替え、これによって、所定の役の当選確率を変更する。
【0050】
そこで一般遊技中抽選処理においては、図6に示すように、まず、ビッグボーナス役(BB役)またはレギュラーボーナス役(RB役)に内部当選中か否かを判断する(S320)。「内部当選中」とは、過去の回に行われた遊技で内部当選したが、その内部当選した役に応じた図柄組合せが有効ライン上で未だ揃っていないため、その内部当選した状態が今回の遊技に持ち越された状態にあることをいう。例えば、前回の遊技においてBB役に内部当選したとしても、このBB役に対応する図柄組合せが有効ライン上で揃わなかった場合には、BB役に内部当選した状態が今回の遊技に持ち越されることとなる。なお、小役および再遊技役については、内部当選した状態が持ち越されることはない。
【0051】
BB役またはRB役に内部当選した状態(内部当選中)でない場合には(S320:NO)、図7に示した「一般遊技中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行う(S330)。すなわち、[00001]〜[16000]の値をとりうる乱数を一つ取得し、その取得した乱数の値に基づいて「一般遊技中抽選テーブル」を参照することによって、各種の入賞態様(役)、またはハズレのうちの何れか一つを選択する。この処理において、例えば[2550]の値の乱数を取得した場合、"スズの小役"が選択される(内部当選する)ことになる。
【0052】
このように「一般遊技中抽選テーブル」に基づいて内部抽選を行うと(S330)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、S320の処理において、BB役またはRB役に内部当選した状態であると判断した場合には(S320:YES)、「内部当選中抽選テーブル」に基づいて抽選を行い(S340)、その後、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0053】
以上の様にして一般遊技中抽選処理は行われるのであるが、図7に示す様に、本処理の中で用いられる「内部当選中抽選テーブル」は、「一般遊技中抽選テーブル」と比較すると、小役、再遊技役などの当選確率が高く設定されている。つまり、BB役またはRB役に内部当選中である場合には、BB役またはRB役の入賞が成立するまで、通常の一般遊技状態よりも、小役、再遊技役などの当選確率が高くなっている。
【0054】
前記の様に、ある役に内部当選しても、それだけでは、その内部当選した役の入賞は成立しない。本実施例の一般遊技において内部当選した役の入賞が成立するためには、その内部当選した役に応じた図柄の組合せが有効ライン上で停止表示される必要がある。図8は、一般遊技状態において、各入賞を成立させるために有効ライン上に停止表示させるべき図柄の組合せを示した説明図である。尚、図8では、各入賞の成立によって払い出される遊技メダルの枚数も表示されている。
【0055】
例えば"BB役"の入賞が成立するためには、この図8に示す様に、"7−7−7"または"火山−火山−火山"という図柄の組合せが有効ライン上で揃った状態となるように、第1回胴13L〜第3回胴13Rが停止する必要がある。また、"スズの小役"が成立するためには、"スズ−スズ−スズ"という図柄組合せが有効ライン上で揃った状態となるように、第1回胴13L〜第3回胴13Rが停止する必要がある。
【0056】
そこで図4に示す一般遊技処理では、一般遊技中抽選処理を終了すると、抽選結果を反映させるべく、図9に示す回胴回転停止処理を実行する(S40)。図9は、本実施例の遊技機1において行われる回胴回転停止処理を示すフローチャートである。この回胴回転停止処理は、所定の条件が成立した場合に、回胴13の回転を停止させる処理である。本実施例の回胴回転停止処理では、回胴13の回転が開始されて回転速度が一定となってから所定時間内(本実施例では、30秒)に停止ボタン43がONにされた場合、或いは、回胴13の回転が開始されて回転速度が一定となってから所定時間(本実施例では30秒)が経過した場合に、回胴13の回転を停止させることとしている。
【0057】
そこで回胴回転停止処理においては、図9に示す様に、まず、停止ボタン43がONにされたか否かを判断する(S410)。S410の処理において、停止ボタン43がONにされていないと判断した場合には(S410:NO)、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過したか否かを判断する(S420)。その結果、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過したと判断した場合には(S420:YES)、第1回胴13L、第2回胴13C、および第3回胴13Rの停止位置(停止角度)を決定する(S430)。そして、その決定した停止位置に、第1回胴13L、第2回胴13C、および第3回胴13Rを、順次停止させる(S440)。一方、S420の処理において、回胴13の回転速度が一定となってから所定時間が経過していないと判断した場合には(S420:NO)、S410の処理を再び実行することによって、所定時間が経過するまで待機する。
【0058】
S410の処理において、停止ボタン43のうちの何れかがONにされたと判断した場合には(S410:YES)、ONにされた停止ボタン43に対応する回胴13の停止位置を決定する(S430)。停止位置の決定は、停止ボタン43の操作タイミングや内部抽選の結果に基づいて行われる。回胴13の停止位置を決定すると、その停止位置で回胴13を停止させる(S440)。
【0059】
S440の処理において所定の回胴13を停止させると、次に、全ての回胴13の回転が停止したか否かを判断する(S450)。その結果、全ての回胴13の回転が停止したと判断した場合には(S450:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、S450の処理の結果、全ての回胴13の回転が停止したと判断しなかった場合には(S450:NO)、S410の処理に戻り、停止ボタン43がONにされたか否かを判断する。その後、全ての回胴13の回転が停止したと判断した場合には(S450:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0060】
図4に示す様に、一般遊技処理では、回胴回転停止処理から復帰すると、次に、何れかの役への入賞が成立したか否かを判断する(S50)。入賞が成立したか否かについての判断は、内部当選した役に対応する図柄の組合せ(図8参照)が、有効ライン上で揃った状態で停止表示されたか否かを判断することによって行われる。その結果、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S50:NO)、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。一方、何れかの役への入賞が成立したと判断した場合には(S50:YES)、S60の処理を実行する。
【0061】
S60の処理では、入賞の成立した役が再遊技役であるか否かを判断する。その結果、入賞の成立した役が再遊技役であると判断した場合には(S60:YES)、自動再投入(今回の遊技において使用された枚数と同じ枚数の遊技メダルを自動的にベットすること)を行った後(S70)、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。
【0062】
一方、S60の処理の結果、入賞の成立した役が再遊技役ではないと判断した場合には(S60:NO)、メダル払出処理を実行する(S80)。メダル払出処理では、入賞の成立した役に対応する枚数の遊技メダル(図8参照)が、遊技者に払い出される。なお、本実施例の遊技機1では、入賞によって遊技者に払い出される遊技メダルは、遊技機1内に一旦貯留される。
【0063】
メダル払出処理(S80)を行うと、次に、入賞の成立した役がRB役であるか否かを判断する(S90)。この処理において、入賞の成立した役がRB役であると判断した場合には(S90:YES)、図10に示すレギュラーボーナス遊技処理を実行し(S100)、その後、S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。なお、レギュラーボーナス遊技処理については、図10を参照しつつ後述する。
【0064】
入賞の成立した役がRB役ではない判断した場合には(S90:NO)、続いて、入賞の成立した役がBB役であるか否かを判断する(S110)。その結果、入賞の成立した役がBB役であると判断した場合には(S110:YES)、図12に示すビッグボーナス遊技処理を実行し(S120)、その後S10の処理に戻って、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。そして、ベットされたことが確認されると(S10:YES)、上述の一連の処理を再度実行する。なお、ビッグボーナス遊技処理については、図12を参照しつつ後述する。一方、入賞の成立した役がBB役ではないと判断した場合には(S110:NO)、S120の処理には移行することなくS10の処理に戻り、再び遊技メダルがベットされるまで待機する。
【0065】
B−2.レギュラーボーナス遊技状態における制御 :
図10は、本実施例の遊技機1において行われるレギュラーボーナス遊技処理(S100)を示すフローチャートである。前述の様に、RB役の入賞が成立すると、このレギュラーボーナス遊技処理(RB遊技処理)が実行される。なお、レギュラーボーナス遊技(RB遊技)とは、RB役の入賞成立によってRB遊技処理が開始された後、RB遊技処理が終了するまでに行われる遊技のことであり、このRB遊技においては、所定の役(例えば一般遊技中において入賞とはならない図柄の組合せが入賞となる役、あるいは、そのような図柄の組合せと一般遊技中において入賞となる図柄の組合せの両方が入賞となる役)に高確率で当選する。
【0066】
図10に示す様に、RB遊技処理が開始されると、まず、遊技メダルがベットされたか否か判断する(S510)。この処理は、一般遊技処理におけるS10の処理と同様の処理である。この処理において、遊技メダルがベットされたと判断した場合には(S510)、回胴回転始動処理を実行する(S520)。この処理は、一般遊技処理で行う回胴回転始動処理(図5参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0067】
回胴回転始動処理を終了すると、次に、レギュラーボーナス抽選処理(RB抽選処理)を実行する(S530)。RB抽選処理では、RB遊技用の抽選テーブル(図示せず)を用いて内部抽選を行う。
【0068】
RB抽選処理を終了すると、次に、回胴回転停止処理を実行する(S540)。この処理は、一般遊技処理で行う回胴回転停止処理(図9参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0069】
S540の回胴回転停止処理において全ての回胴13が停止されると、次に何れかの役の入賞が成立したか否かを判断する(S550)。入賞が成立したか否かの判断は、内部入賞した役に対応して、図11に示す図柄組合せが有効ライン上に揃った状態で停止表示されたか否か、を判断することによって行われる。S550の処理の結果、何れかの役の入賞が成立したと判断した場合には(S550:YES)、所定枚数(図11参照)の遊技メダルを遊技者に払い出し(S560)、その後、S570の処理に移行する。一方、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S550:NO)、遊技メダルの払い出しを行うことなく、S570の処理に移行する。なお、図11は、RB遊技状態における賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【0070】
S570の処理においては、RB遊技処理を終了するか否かを判断する。例えば、現在実行中のRB遊技処理において行われた遊技の回数が所定回数(本実施例では、12回)に達した場合や、現在実行中のRB遊技処理において成立した入賞の回数が所定回数(本実施例では、8回)に達した場合などに、RB遊技処理を終了するものと判断する。こうした処理の結果、RB遊技処理を終了すると判断した場合には(S570:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。一方、所定の終了条件が満たされておらず、RB遊技処理を終了しないと判断した場合には(S570:NO)、S510の処理に戻る。
【0071】
B−3.ビッグボーナス遊技状態における制御 :
図12は、本実施例の遊技機1において行われるビッグボーナス遊技処理(S120)を示すフローチャートである。前述の様に、BB役の入賞が成立すると、このビッグボーナス遊技処理(BB遊技処理)が実行される。なお、ビッグボーナス遊技(BB遊技)とは、BB役の入賞成立によってBB遊技処理が開始された後、BB遊技処理が終了するまでに行われる遊技をいう。
【0072】
図12に示す様に、BB遊技処理においては、先ず、遊技メダルがベットされたか否かを判断する(S620)。この処理は、一般遊技処理におけるS10の処理と同様の処理である。この処理において、遊技メダルがベットされたと判断した場合には(S620:YES)、回胴回転始動処理を実行する(S630)。この処理も、一般遊技処理で行われる回胴回転始動処理(図5参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0073】
S630の回胴回転始動処理を終了すると、BB遊技中抽選処理を実行する(S640)。このBB遊技中抽選処理は、図13に示すビッグボーナス遊技用の抽選テーブルを用いて内部抽選を行う処理である。
【0074】
図13は、BB遊技中抽選処理で用いられる抽選テーブル(BB遊技中抽選テーブル)を示す説明図である。このBB遊技中抽選テーブルは、乱数値と役(または、ハズレ)との対応関係を記憶したテーブルである。図13においてカッコ内に示している数値は、夫々の役の当選確率である。尚、図13に示すBB遊技中抽選テーブルからも明らかな通り、BB遊技中は、再遊技役に当選することはない。
【0075】
図12に示したBB遊技処理においては、上述のBB遊技中抽選処理(S640)から復帰すると、続いて回胴回転停止処理を行う(S650)。この処理は、図4の一般遊技処理において実行される回胴回転停止処理(図9参照)と同様であるため、ここでは説明を省略する。
【0076】
S650の回胴回転停止処理において全ての回胴13を停止させると、次に、何れかの役の入賞が成立したか否かを判断する(S660)。入賞が成立したか否かの判断は、内部当選した役に対応して、図14に示す図柄組合せが有効ライン上に揃った状態で停止表示されたか否か、を判断することによって行われる。図14は、ビッグボーナス(BB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【0077】
S660の処理の結果、何れかの役の入賞が成立したと判断した場合には(S660:YES)、入賞の成立した役に対応する枚数(図14参照)の遊技メダルを遊技者に払い出し(S670)、その後、S680の処理に移行する。一方、S660の処理の結果、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S660:NO)、遊技メダルの払い出しを行うことなく、S680の処理に移行する。
【0078】
S680の処理においては、入賞の成立した役がRB役であるか否かを判断する。この結果、入賞の成立した役がRB役である場合には(S680:YES)、RB遊技処理を実行し(S690)、その後、S700の処理に移行する。なお、BB遊技状態においてRB役に入賞することを、一般にジャックイン入賞またはジャックインという。このBB遊技状態におけるRB遊技処理の内容は、一般遊技処理から呼び出されるRB遊技処理(図10参照)と同様の処理であるため、ここでは、その説明を省略する。一方、S680の処理において、入賞の成立した役がRB役でないと判断した場合には(S680:NO)、RB遊技処理を実行することなくS700の処理に移行する。
【0079】
なお、S660の処理の結果、何れの役への入賞も成立していないと判断した場合には(S660:NO)、S670〜S690の処理を行うことなく、S700に移行する。
【0080】
S700の処理では、BB遊技処理の終了条件が成立しているか否かを判断する。この判断は、BB期間中に遊技者に対して払い出された遊技メダルの枚数や、BB期間中に実行したRB遊技処理の回数などに基づいて行われる。例えば、BB期間中に遊技者に対して払い出された遊技メダルの枚数が上限数(例えば、465枚)に達した場合や、BB期間中に行われたRB遊技処理の回数が所定回数(例えば、3回)に達した場合には、BB遊技処理の終了条件が成立しているものと判断する。
【0081】
S700の処理の結果、BB遊技処理の終了条件が成立したと判断しなかった場合には(S700:NO)、S620の処理に戻る。一方、BB遊技処理の終了条件が成立していると判断した場合には(S700:YES)、図4に示す一般遊技処理に戻る。
【0082】
C.電子部品の封印構造 :
本実施例の遊技機1の動作は、上述の様に、CPU111やROM113などのICチップを初めとする各種の電子部品が実装された制御基板(例えば、主制御基板101や副制御基板105など)によって制御される。そのため、こうした電子部品を不正なものに交換する不正改造が行われると、例えばビッグボーナスの当選が頻発するなどの不正な態様で遊技機1が動作するおそれもある。そこで、本実施例では、以下に説明するような封印構造を採用することにより、不正改造の防止を図っている。なお、以下では、制御基板に装着されているICチップの封印構造を例にとって説明する。
【0083】
図15は、コンデンサ600やICチップ700などの電子部品が制御基板800に実装されている様子を示す説明図である。図示されている様に、ICチップ700には、制御基板800との間に跨るように封印シール900が貼付されており、ICソケット750からの脱着が禁止されている。更に、この様に貼付された封印シール900と制御基板800との間には、割印910が押印されている。したがって、封印シール900を剥がしてICチップ700の不正な交換が行われたとしても、割印910の形が崩れるなど、封印シール900が剥がされた形跡が残るため、不正改造を比較的容易に発見することが可能となっている。
【0084】
また本実施例の遊技機1においては、不正改造の発見を更に容易とするため、格子状の模様810が制御基板800の表面に印刷されていると共に、この模様810と重なるように割印910が押されている。模様810の印刷に用いられるインク材料は、最も多く含まれている非揮発成分が割印910に用いられる油性インク材料と同一成分であるため、割印910を消去可能な薬品によって溶解される性質を備えている。したがって、割印910を薬品で消去しようとすれば模様810の少なくとも一部も消えてしまうため、不正改造の痕跡が残り、その結果、不正改造を更に容易に発見することが可能となる。
【0085】
尚、模様810は、その一部を消去した際に復元が困難な細かい模様とすることが望ましく、例えば、線幅を0.2〜0.5mm、線間隔を0.5mm〜1mmとするのが良い。しかしながら、模様810をあまりに細かくし過ぎることは、その模様の印刷が困難になるばかりでなく、その模様の一部が消去され、その消去部分にインクが塗布されても、消去の痕跡が発見し難くなるので好ましくない。また、模様810は格子状以外の模様であってもよく、例えば、縞模様や幾何学模様など、復元が困難な模様であればよい。
【0086】
図16は、制御基板800の製造工程を示すフロー図であり、図17は、制御基板800の製造工程において、上述の模様810が形成される様子を示す説明図である。制御基板800の製造にあたっては、図17(a)に示されているように、先ず絶縁基板(基板用基材)820にスルーホール808や配線パターン部824を形成する工程が行われるので、その手順について以下に説明する。
【0087】
図16に示されているように、先ず、絶縁基板820の表裏面に銅箔を接着した後(S801)、NC多軸ボール盤等を用いて「孔あけ」が施される(S805)。孔あけは、絶縁基板820のうち、スルーホール808の形成部位や、制御基板800をケース等に取り付けるための取付孔の形成部位等に施される。
【0088】
次いで、この絶縁基板820に対して、触媒付与および無電解銅メッキを行い(S810)、更に、電解銅メッキを施すことによって(S815)、銅箔の上に更に銅メッキ層を形成する。そして、銅メッキ層が形成された絶縁基板820の表面にエッチングレジスト材料(例えば、ドライフィルム)を装着した上、露光・現像を行い、露光部分にエッチングレジスト膜(耐エッチング性被膜)を形成する(S820)。但し、露光されない部分にエッチングレジスト膜を形成するようなエッチングレジスト材料を用いてもよい。このように絶縁基板820の表面にエッチングレジスト膜を形成すると、次に、銅箔のうちエッチングレジスト膜(耐エッチング性被膜)で覆われていない部分をエッチング液で溶解する(S825)。このエッチング処理によって、銅箔のうちの不要な部分のみが溶解され、一方、必要な部分は溶解されずに残るため、絶縁基板820の表面には、配線パターン部824が形成されることになる。
【0089】
なお、エッチング処理の後はエッチングレジスト膜が不要となるので、所定の薬品を用いてエッチングレジスト膜を除去し、配線パターン部824、及び絶縁基板820を露出させる(S830)。以上の様な工程を経ることによって、図17(a)に示されているように、絶縁基板820にスルーホール808や配線パターン部824が形成される。
【0090】
絶縁基板820にスルーホール808および配線パターン部824が形成されると、続いて、図17(b)に示すように、絶縁基板820のうちの所定領域にソルダーレジスト層830を形成する(S835)。まず絶縁基板820をソルダーレジスト用(はんだレジスト用)マスクで覆い、このソルダーレジスト用マスクを通してソルダーレジストインクを転移させることによって、絶縁基板820にソルダーレジスト層830を形成する。ソルダーレジスト用マスクは孔付きの平板を用いて構成され、ソルダーレジストインクを通過させる部位を構成する通過孔部と、ソルダーレジストインクを通過させない部位を構成する島部(孔を開けられず、板状のままの部位)とを備えたマスクである。そのため、絶縁基板820には、ソルダーレジスト用マスクの通過孔部に覆われた領域に、ソルダーレジスト層830が形成されることになる。
【0091】
絶縁基板820にソルダーレジスト層830が形成されると、続いて、図17(c)に示されているように、電子部品の搭載位置等を示すシンボル832や、上述の模様810などをシルク印刷(シンボル印刷ともいう。)によって形成する(S840)。本実施例では、シンボル832の印刷と模様810の印刷とに同じインク材料が用いられているため、シンボル832と模様810とは同時に印刷することができる。もっとも、シンボル832の印刷に用いられるインク材料と、模様810の印刷に用いられるインク材料とを互いに異なるインク材料としてもよく、その場合には2回に分けて印刷すればよい。
【0092】
図18は、上述の工程によって、制御基板800に模様810やシンボル832などが形成された様子を示す説明図である。図示されているように、制御基板800には、電子部品の名称・搭載を示すシンボル832が所定位置に形成されているほか、割印910が押される位置の近傍には模様810が形成されている。
【0093】
模様810などをシルク印刷によって印刷すると(S840)、続いて、ソルダーレジスト層830が形成されていない部位に「はんだレベリング処理」が施され(S845)、これにより、スルーホール808の内周面やスルーホール808の開口部のランド部などに、はんだコーティングが施される。このはんだレベリング処理では、脱脂・脱錆処理、ソフトエッチング処理等の「前処理」の後に、「フラックス処理」、「はんだ浸せき」、「ホットエアーレベリング」等をこの順に行い、更に、フラックスの除去等の「後処理」が行われる。
【0094】
はんだレベリング処理が行われた後、その他の処理(例えば乾燥工程、外形仕上げ工程)を行い(S850)、更に、コンデンサ600、ICチップ700、ICソケット750などの各種電子部品の実装工程を経て(S860)、制御基板800が完成する。こうして完成した制御基板800において、ICチップ700の上から封印シール900を貼付し、更に封印シール900と制御基板800との間に割印910を施せば、図15に示されている様に、ICチップ700を封印することができる。
【0095】
以上のように、遊技機1の制御基板800には、少なくとも一部が割印910と重なるように格子状の模様810が印刷されており、その印刷には、割印910を消去可能な薬品によって除去されるインク材料が用いられている。したがって、封印シール900を剥がした後、制御基板800側に残った割印910を消去しようとすると、割印910と共に制御基板800上の模様810も一部が消去されてしまう。このため、制御基板800上のICチップ700が不正な部品に交換された後、偽造の封印シールや割印が施されたとしても、制御基板800上には割印910が消された痕跡が残るので、こうした不正改造を容易に発見することができ、延いては不正改造を効果的に防止することができる。
【0096】
また、本実施例では、シンボル832と同時に模様810の印刷を行うこととしているため、簡便に模様810を形成することができる。
【0097】
C−1.第1変形例 :
上記実施例においては、割印910が消去されると模様810の少なくとも一部も消えるようにするため、割印910を消去可能な薬品によって除去されるインク材料を用いて、模様810が印刷されている。しかし、本発明は、こうした態様に限定されるものではなく、以下に説明するように、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層を制御基板800の表面に形成し、この樹脂層の上に模様を印刷しても良い。
【0098】
図19は、第1変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。図示されているように、制御基板800の表面には、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層840が形成され、この樹脂層840の上に模様842が印刷されている。この様にしても、割印910を薬品で消去すると樹脂層840の表面が溶解され、その結果、模様842も少なくとも一部が消えるので、不正改造を容易に発見することができる。
【0099】
なお、こうした第1変形例に係る制御基板800を製造するには、図16を用いて上述した製造工程において、ソルダーレジスト形成工程(S835)とシルク印刷工程(S840)との間に樹脂層840の形成工程を行えばよい。
【0100】
C−2.第2変形例 :
上記の第1変形例では、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層840の表面に模様842が印刷されているが、これに限られるものではなく、この樹脂層840の表面を凹凸状に構成することによって、「梨地模様」や「すりガラス状のぼかし模様」など各種の凹凸模様を形成しても良い。
【0101】
図20は、第2変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。図示されているように、制御基板800の表面には、割印910を消去可能な薬品によって溶解される樹脂層840が形成され、この樹脂層840の表面に凹凸状の模様(凹凸模様)844が形成されている。この様な構成においても、割印910を薬品で消去すると、樹脂層840の表面が溶解され、その結果、模様844も少なくとも一部が消えるので、不正改造を容易に発見することができる。また、模様844を凹凸状に構成すれば、凹凸模様844の復元が更に困難となるため、不正改造をより効果的に防止することができる。
【0102】
なお、こうした第2変形例に係る制御基板800を製造するには、樹脂層840の形成と同時に凹凸模様844を形成してもよいし、樹脂層840の形成後、サンドブラスタ装置や刻印装置などで加工することによって、凹凸模様844を付加しても良い。
【0103】
C−3.第3変形例 :
上述の第2変形例では、図20に示されている様に、ソルダーレジスト層830の上に積層された樹脂層840に凹凸模様844が形成されているが、これに限られるものではなく、ソルダーレジスト層に凹凸模様を形成してもよい。
【0104】
図21は、第3変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。本変形例のソルダーレジスト層850は、割印910を消去可能な薬品によって溶解されるソルダーレジストインクで形成されており、図示されているように、その表面には凹凸状の模様(凹凸模様)852が形成されている。この様な構成においても、割印910を薬品で消去すれば、ソルダーレジスト層850の表面が溶解され、その結果、凹凸模様852の少なくとも一部も消えるので、不正改造を容易に発見することができる。
【0105】
なお、こうした第3変形例に係る制御基板800を製造するには、ソルダーレジスト層850を形成する際に、併せて凹凸模様852を付加してもよいし、或いは、ソルダーレジスト層850の形成後、サンドブラスタや刻印装置などで加工することによって、模様852を形成しても良い。
【0106】
C−4.第4変形例 :
また上記実施例においては、図17等を用いて説明したように、ソルダーレジスト層830の表面に模様810が印刷されているが、これに限られるものではなく、ソルダーレジスト層の下に、模様を印刷しても良い。
【0107】
図22は、第4変形例に係る制御基板800の積層構造を示す説明図である。本変形例のソルダーレジスト層860も、第3変形例と同様に、割印910を消去可能な薬品によって溶解されるソルダーレジストインクで形成されており、更に、ソルダーレジスト層860の下の模様862も、割印910を消去可能な薬品によって溶解されるインク材料を用いて印刷されている。このようにしても、割印910が薬品で消去されると、ソルダーレジスト層860が溶解されるので、模様862が消えるようにしておくことが可能である。
【0108】
なお、第4実施例に係る制御基板800を製造するには、図16を用いて上述したソルダーレジスト形成工程(S835)の前に、模様862の印刷を行えばよい。
【0109】
以上、本発明について各種の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、各請求項に記載した範囲を逸脱しない限り、各請求項の記載文言に限定されず、当業者がそれらから容易に置き換えられる範囲にも及び、かつ、当業者が通常有する知識に基づく改良を適宜付加することができる。
【0110】
例えば、上記実施例においては、本発明を回胴式遊技機に適用するものとして説明したが、これに限られず、例えばパチンコ遊技機やアレンジボール遊技機などの弾球式遊技機に対しても、本発明を適用することができる。
【0111】
また、上記実施例においては、割印を消去可能な薬品により模様が消えるものとして説明したが、これに限られるものではない。例えば、摩擦によって消えやすい状態で模様が形成されていてもよく、そうすれば、割印が擦り消される場合でも、その際に模様が消えて不正改造の痕跡が残るようにすることができる。
【0112】
また、上記実施例においては、割印が押印される位置の近傍のみに模様を形成するものとして説明したが(図15,図18参照)、これに限られるものではなく、制御基板全体に模様を形成しても良い。
【0113】
また、上記実施例においては、ICチップを封印シールで封印する構成に対して本発明を適用しているが、これに限られるものではなく、その他の電子部品を封印シールで封印する場合にも、本発明を適用することができる。
【0114】
また、上記実施例においては、模様を印刷によって形成する場合の印刷方式として「シルク印刷」を採用しているが、これに限られるものではなく、各種の印刷方式を採用することが可能であり、例えば、インクジェット方式を採用しても良い。
【0115】
尚、主制御基板101や副制御基板105などの制御基板は基板ケースに収納されるが、不正改造の防止をより効果的に図るために、基板ケースにカシメ構造を採用したり、基板ケースに封印シールを貼付するなどして、制御基板を収納した基板ケースを密封状態とすることが望ましい。これにより、不正改造目的で基板ケースが開封された場合には、その開封の痕跡を残すことができる。
【0116】
更に、制御基板上にEPROMやフラッシュROMなど書き換え可能なROMを実装する場合には、例えばROMの書き込み用端子をコネクタ等で外部と接続しないようにして、基板上に実装した状態での電気的な書き換えを不可能とすることが望ましい。これにより、ROMが基板上に実装された状態で不正に書き換えられることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本発明の実施例に係る回胴式遊技機の外観を示す斜視図である。
【図2】実施例の回胴式遊技機の前面構造を示す説明図である。
【図3】実施例の回胴式遊技機の電気的構成を示す説明図である。
【図4】実施例の回胴式遊技機における一般遊技処理を示すフローチャートである。
【図5】実施例の回胴式遊技機における回胴回転始動処理を示すフローチャートである。
【図6】実施例の回胴式遊技機における一般遊技中抽選処理を示すフローチャートである。
【図7】実施例の回胴式遊技機の一般遊技中抽選処理で使用される抽選テーブルを示す説明図である。
【図8】実施例の回胴式遊技機の一般遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【図9】実施例の回胴式遊技機における回胴回転停止処理を示すフローチャートである。
【図10】実施例の回胴式遊技機におけるレギュラーボーナス(RB)遊技処理を示すフローチャートである。
【図11】実施例の回胴式遊技機のレギュラーボーナス(RB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【図12】実施例の回胴式遊技機におけるビッグボーナス(BB)遊技処理を示すフローチャートである。
【図13】実施例の回胴式遊技機におけるビッグボーナス(BB)遊技中抽選処理で使用される抽選テーブルを示す説明図である。
【図14】実施例の回胴式遊技機のビッグボーナス(BB)遊技状態における入賞図柄組合せおよび遊技メダルの払出枚数を示す説明図である。
【図15】実施例の制御基板に実装されたICチップが封印シールによって封印されている様子を示す説明図である。
【図16】実施例の制御基板が製造される工程を示すフロー図である。
【図17】制御基板の製造工程において模様が形成される様子を示す説明図である。
【図18】実施例の制御基板に模様が形成された様子を示す説明図である。
【図19】第1変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【図20】第2変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【図21】第3変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【図22】第4変形例に係る制御基板の積層構造を示す説明図である。
【符号の説明】
【0118】
1 …回胴式遊技機(遊技機)
700…ICチップ(電子部品)
750…ICソケット
800…制御基板
810,842,844,852,862…模様
830,850,860…ソルダーレジスト層
900…封印シール
910…割印
【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子部品によって遊技の進行が制御される遊技機であって、
前記電子部品が装着される制御基板と、
前記制御基板と前記電子部品とに跨るように貼付されて、該制御基板との間に割印が押印された封印シールと
を備え、
前記制御基板には、前記割印が押印される箇所の近傍に、該割印を消去すると少なくとも一部が消去される状態で、所定の模様が形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記制御基板には、前記模様が印刷によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記模様の印刷に用いられるインク材料は、前記割印を消去可能な薬品によって除去されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記模様の印刷に用いられるインク材料と前記割印に用いられるインク材料とは、最も多く含まれている非揮発成分が同一成分であることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記制御基板の表面には、前記模様として凹凸模様が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記割印は、少なくとも一部が前記模様の上に押印されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【請求項1】
電子部品によって遊技の進行が制御される遊技機であって、
前記電子部品が装着される制御基板と、
前記制御基板と前記電子部品とに跨るように貼付されて、該制御基板との間に割印が押印された封印シールと
を備え、
前記制御基板には、前記割印が押印される箇所の近傍に、該割印を消去すると少なくとも一部が消去される状態で、所定の模様が形成されていることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記制御基板には、前記模様が印刷によって形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記模様の印刷に用いられるインク材料は、前記割印を消去可能な薬品によって除去されることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記模様の印刷に用いられるインク材料と前記割印に用いられるインク材料とは、最も多く含まれている非揮発成分が同一成分であることを特徴とする請求項3に記載の遊技機。
【請求項5】
前記制御基板の表面には、前記模様として凹凸模様が形成されていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項6】
前記割印は、少なくとも一部が前記模様の上に押印されていることを特徴とする請求項1ないし請求項5のいずれかに記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【公開番号】特開2006−6422(P2006−6422A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−184351(P2004−184351)
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月23日(2004.6.23)
【出願人】(000204262)タイヨーエレック株式会社 (1,095)
【Fターム(参考)】
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