遊技機
【課題】 表示装置自体を動作させることなく、表示装置自体が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことのできる遊技機を提供することである。
【解決手段】 液晶表示装置の前面に、窓口が開設された表示用回転枠を回転可能に設ける。そして、演出制御用マイクロコンピュータは、液晶表示装置と、表示用回転枠とを制御し、回転する表示用回転枠に開設された窓口の状態に応じた画像を液晶表示装置に表示する。
【解決手段】 液晶表示装置の前面に、窓口が開設された表示用回転枠を回転可能に設ける。そして、演出制御用マイクロコンピュータは、液晶表示装置と、表示用回転枠とを制御し、回転する表示用回転枠に開設された窓口の状態に応じた画像を液晶表示装置に表示する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(たとえば、大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段を備えるものがあった。
【0003】
また、従来の遊技機においては、表示装置にリーチの出目が表示されているときに可動部材を動作させ、大当りのゾロ目が表示される直前に表示装置を動作させ傾斜状態にする演出を行なうもの(特許文献1)があった。
【0004】
また、上下移動式の表示装置を中心として4つの表示装置が配置された変動表示装置を有するパチンコ遊技機において、4つの表示装置のいずれか2つに同一数字等が停止すると、その2つ揃った表示装置の表示が緑色に変換されるとともに、ゾロ目が形成され得る位置に上下移動式の表示装置を移動させて演出を行なうもの(特許文献2)があった。
【特許文献1】特開平6−105952号公報
【特許文献2】特開平2−309985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、表示装置は、一般的に、当該表示装置を制御するための制御基板と電気的に接続されている。このため、表示装置自体を動作させる構造の従来の遊技機においては、演出が行なわれる毎に、制御基板と接続する表示装置側の配線接続部も動作するため、当該配線接続部が故障する原因となっていた。
【0006】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、表示装置自体を動作させることなく、表示装置自体が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことのできる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0007】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(「1」〜「9」の数字図柄、特別図柄)の変動表示(スクロール表示等)を含む画像(映像)を表示領域(表示画面、9つの図柄表示部)に表示する表示装置(液晶表示装置9a)を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(「777」等のゾロ目、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記表示装置の前側(遊技者側)において動作(回転、移動等)可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口(窓口、透明部38b)が開設された表示用可動枠(表示用回転枠18)と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段(駆動モータ38)と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御(図5、図9のSub53)と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態(たとえば、回転状態、第1表示状態、第2表示状態等)に応じた画像(図3)を前記表示領域に表示させる表示制御(図5、図8)とを行なう制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、演出制御用マイクロコンピュータ800)と、を備える。
【0008】
このような構成によれば、表示装置は、動作する表示用可動枠の状態に応じた画像を表示領域に表示することができる。このため、物理的に表示装置を動作させることなく、表示用可動枠の動作に合わせて表示装置が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができる。また、このような斬新な演出は、表示用可動枠を動作させる簡単な構造で、実現することができる。
【0009】
(2) 前記表示装置における識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否か決定する特定表示結果決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、大当り判定)と、
前記表示装置に識別情報の変動表示の表示結果を表示するまでの変動表示中に、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチ(リーチ状態)を発生させるか否か決定するリーチ発生決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、リーチ判定)と、
該リーチ発生決定手段により前記リーチを発生させると決定されたときに(大当りフラグまたはリーチフラグがオン状態にセットされているとき、図5のS40またはS42で「YES」のとき)、該決定されたリーチが発生しているときの前記表示領域における表示態様を特定するためのリーチパターン(変動パターン)を、前記特定表示結果決定手段により識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果としないと決定されたとき(リーチフラグがオン状態にセットされているとき、図5のS42で「YES」のとき)と前記特定表示結果決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすると決定されたとき(大当りフラグがオン状態にセットされているとき、図5のS40で「YES」のとき)とで選択される確率が異なるリーチパターン(スーパーリーチ、ミドルリーチ、ノーマルリーチ)を含む複数種類のリーチパターン(図6)から選択するリーチパターン選択手段(図5)と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記リーチが発生する変動表示中に前記駆動制御を行ない、前記リーチパターン選択手段が選択したリーチパターンの種類に応じて前記表示用可動枠を異なる態様で駆動させる(図9のSub53、図12)。
【0010】
このような構成によれば、特定遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を、表示用可動枠の動作状態により、異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
(3) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(「1」〜「9」の数字図柄、特別図柄)の変動表示(スクロール表示等)を含む画像(映像)を表示領域(表示画面、9つの図柄表示部)に表示する表示装置(液晶表示装置9a)を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(「777」等のゾロ目、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記表示装置の前側(遊技者側)において動作(回転、移動等)可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口(窓口、透明部38b)が開設された表示用可動枠(表示用回転枠18)と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段(駆動モータ38)と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御(図5、図9のSub53)と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態(たとえば、回転状態、第1表示状態、第2表示状態等)に応じた画像(図3)を前記表示領域に表示させる表示制御(図5、図8)とを行なう制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、演出制御用マイクロコンピュータ800)と、を備え、
前記制御手段は、さらに、前記表示装置を制御し、前記駆動制御が行なわれた後の前記表示用可動枠に開設されている前記窓口から視認可能となる新たな表示領域を作成する作成制御を行なう(図3(g)、最左列の左側に新たに作成された列の図柄表示部)。
【0012】
このような構成によれば、表示装置は、動作する表示用可動枠の状態に応じた画像を表示領域に表示することができる。このため、物理的に表示装置を動作させることなく、表示用可動枠の動作に合わせて表示装置が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができる。また、このような斬新な演出は、表示用可動枠を動作させる簡単な構造で、実現することができる。さらに、新たな表示領域において特定表示結果となり、特定遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、常に同じ表示領域において変動表示が行なわれる遊技機と比較し、変化に富んだ変動表示による演出を遊技者に提供することができる。
【0013】
(4) 前記制御手段は、前記作成制御が行なわれて新たな表示領域が作成された前記表示装置において、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチ(リーチ状態)を発生させるリーチ発生制御を行なう(図3(g)、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインでリーチ状態が発生)。
【0014】
このような構成によれば、新たな表示領域においてリーチが発生するため、特定遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感をより向上させることができ、より一層遊技の興趣を向上させることができる。また、表示用可動枠を動作させることにより、以後リーチが発生する可能性があることを予告できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機であればすべて対象となる。
【0016】
第1実施形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明にかかる遊技機の一例のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。遊技者が打球操作ハンドル5を操作すれば、打球供給皿3に貯溜されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤100の前面に形成されている遊技領域7内に打込まれる。遊技領域7の中央付近には、表示装置8が設けられている。
【0018】
表示装置8は、「1」〜「9」の数字図柄から構成される特別図柄を変動表示可能な液晶表示装置よりなる特別図柄表示装置9と、特別図柄表示装置9において変動表示を実行できる回数を点灯しているLEDの数により報知する始動入賞記憶表示器47と、当り図柄である○印と外れ図柄である×印から構成される普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置13と、普通図柄表示装置13において変動表示を実行できる回数を点灯しているLEDの数により報知するゲート通過記憶表示器46と、遊技盤100の前面側に取り付けられ表示装置8を装飾するための表飾り部材34と、を含んでいる。
【0019】
特別図柄表示装置9は、所定の画像を表示する液晶表示装置9aと、矩形状の窓口が開設された表示用回転枠18と、液晶表示装置9aと表示用回転枠18とを遊技盤100の裏面に取り付けるためのユニットベース35とから構成されている。本実施の形態における表示用回転枠18は、ユニットベース35の前面側において回転可能となるように装着されている。また、液晶表示装置9aは、ユニットベース35の後面側において、表示用回転枠18に開設された窓口を通して遊技者が当該液晶表示装置9aに表示された画像を視認可能となるように装着されている。なお、特別図柄表示装置9の詳細な構成は、図2を用いて後述する。また、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作および表示用回転枠18の回転動作については、図3等を用いて後述する。
【0020】
表示装置8の中央下方には、ソレノイド16によって開閉動作される始動入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球が検出された場合には、始動入賞記憶表示器47で表示される始動入賞記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、特別図柄表示装置9における変動表示の開始条件が成立した場合には、始動入賞記憶表示器47で表示される始動入賞記憶数を減算更新させるための制御が行なわれるとともに、特別図柄表示装置9において特別図柄の変動表示を開始させる制御が行なわれる。その始動入賞記憶数の上限値は、たとえば「4」に定められている。始動入賞記憶表示器47は、たとえば、始動入賞記憶数が変化したときに、図4を用いて後述する遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53から、始動入賞記憶数を特定するための始動入賞記憶数コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ800に出力され、演出制御用マイクロコンピュータ800により始動入賞記憶数コマンドから特定される数分の表示を行なう制御がなされる。
【0021】
始動入賞口14のさらに下方位置には、ソレノイド21により駆動される開閉板29の開閉動作により開閉される大入賞口20を有する可変入賞球装置30が設けられている。また、大入賞口20は後述する大当り遊技状態が発生したときに、開状態となる。大入賞口20が開状態であるときに入った球は、Vカウントスイッチ23もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤100の背面に導かれる。また、大入賞口20から可変入賞球装置30内に入った球のうち、Vカウントスイッチ23により検出された球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、大入賞口20から内部に入った球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0022】
始動入賞口14の左右には、それぞれ、通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、ゲート通過記憶表示器46で表示される普通始動記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、普通図柄表示装置13における変動表示の開始条件が成立した場合には、ゲート通過記憶表示器46で表示される普通始動記憶数を減算更新させるための制御が行なわれとともに、普通図柄表示装置13において普通図柄の変動表示を開始させる制御が行なわれる。ゲート通過記憶表示器46は、たとえば、普通始動記憶数が変化したときに、図4を用いて後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53から、普通始動記憶数を特定するための普通始動入賞記憶数コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ800に出力され、演出制御用マイクロコンピュータ800により普通始動入賞記憶数コマンドから特定される数分の表示を行なう制御がなされる。
【0023】
普通図柄表示装置13における普通図柄の変動表示は、「○」または「×」に対応するLEDを交互に点灯するよう所定時間間隔で点滅させることにより行なわれる。そして当り図柄(○印)が表示されると、始動入賞球装置15が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動入賞口14に打球が入賞しやすい状態となる。その後、始動入賞球装置15は、閉状態となる。
【0024】
始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、始動口スイッチ17から検出信号が出力され、特別図柄表示装置9の各図柄表示部において変動表示が開始される。本実施形態における特別図柄表示装置9には、通常時において液晶表示装置9aの映像によって3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロール表示する。液晶表示装置9aに形成されたマトリックスにより、水平方向の3本のラインと、垂直方向の3本のラインと、対角線の2本との合計8本の表示ラインが形成される。本実施の形態においては、この8つのラインのいずれも組合せ有効列(有効ライン)とされており、このライン上に特定表示結果が停止表示(本実施の形態の場合には、たとえば「777」等のゾロ目が停止表示、または、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示)されれば、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。
【0025】
大当り遊技状態においては、開閉板29の動作により、通常状態において閉状態とされている大入賞口20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し大入賞口20を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0026】
図示を省略するが、可変入賞球装置30の内部(大入賞口20内)においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、Vカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態と、Vカウントスイッチ23とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド33により駆動制御される。その場合、大入賞口20が1回開放されたとき(1ラウンド中)には、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出するまでは、振分部材がVカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されやすい状態にされ、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出した後は、振分部材がVカウントスイッチ23とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されにくい状態にされる。
【0027】
また、変動表示の停止時における液晶表示装置9aでの特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、このような場合には、予め定められた確率変動終了条件が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確率変動図柄の組合せとしては、たとえば、前述した8つの有効ラインのうち、2つ以上の有効ラインにおいて特定表示結果が停止表示される組合せや、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示される組合せ等であってもよい。
【0028】
また、確率変動状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞球装置15の開放時間と開放回数とが増加する。さらに、確率変動状態では、特別図柄および普通図柄についての図柄の変動表示開始から図柄の停止表示までの時間(変動時間)が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0029】
また、遊技盤100には、複数の入賞口19,24が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口19,24への入賞は、入賞口スイッチ19a,24aによってそれぞれ検出される。複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24毎に入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0030】
遊技領域7には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられている。
【0031】
次に、パチンコ遊技機1の裏面においては、上部に遊技球を貯留する遊技球タンクが設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンクに供給される。遊技球タンク内の遊技球は、誘導樋を通って、後述する球払出装置97に至る。入賞の発生により玉払出条件が成立した場合には、球払出装置97から景品玉としての賞球がパチンコ遊技機1の前面側に設けられた打球供給皿3または余剰球受皿4に払出される。
【0032】
入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびカウントスイッチ22によりそれぞれ入賞球が検出されると、スイッチに応じて予め定められた数の賞球(景品玉)の払出しが行なわれる。たとえば、始動口スイッチ17により入賞球が検出されると6個の賞球が払出される。また、カウントスイッチ22により入賞球が検出されると15個の賞球が払出される。また、入賞口スイッチ19a,24aにより入賞球が検出されると10個の賞球が払出される。
【0033】
図2は、特別図柄表示装置9の構造を説明するための分解斜視図である。
【0034】
特別図柄表示装置9は、遊技盤100の後面に取り付けるユニットベース35と、ユニットベース35の前面側に装着される表示用回転枠18と、ユニットベース35の後面側に装着される液晶表示装置9aとから構成されている。
【0035】
ユニットベース35の中央には、液晶表示装置9aの表示画面の領域よりも広い開口部35bが開設されている。液晶表示装置9aは、ユニットベース35の後面側であって、開口部35b内に液晶表示装置9aの表示画面の領域が収まる位置に固定される。これにより、ユニットベース35の前面側から、開口部35bを通して、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像を視認することができる。
【0036】
さらに、ユニットベース35の前面側には、開口部35bを中心として上方の左右と下方の左右との計4箇所に取付ボス35aが形成されている。取付ボス35aは、表示用回転枠18を保持するための保持部材42が回転できるように取り付け可能に構成されている。また、開口部35bの右側方には、表示用回転枠18を回転させるための駆動モータ38が搭載されている。駆動モータ38の回転軸には、平歯車39が取り付けられており、表示用回転枠18に駆動モータ38からの動力を伝達可能に構成されている。
【0037】
表示用回転枠18は、矩形状の窓口が開設された回転板38と、平歯車39と噛み合うピッチの歯車が内側に形成されたリング状の内歯車39とから構成されている。回転板38は、円形状の不透明部38aと、液晶表示装置9aの表示画面の領域よりも狭い矩形状の透明部38bとから構成されている。透明部38bは、当該透明部38bの対角線の長さが液晶表示装置9aの表示画面の縦と横のうち短い方(短辺)より短くなるように、回転板38の中心に開設されている。回転板38および内歯車39には、各々対応する箇所にビス穴38c、39cが設けられており、ビス止めすることにより、回転板38に内歯車39が取り付けられる。そして、表示用回転枠18は、ユニットベース35の取付ボス35aに取り付けられた保持部材42によって、平歯車39と内歯車39とが噛み合う位置で、回転可能に保持される。これにより、駆動モータ38からの動力が、平歯車39と内歯車39とを介して、表示用回転枠18に伝達され、表示用回転枠18を回転させることができる。
【0038】
前述したように、表示用回転枠18を保持する保持部材42は、開口部35bを中心として形成されている取付ボス35aに取り付けられている。また、表示用回転枠18の透明部38bは、回転板38の中心に配置されている。そして、液晶表示装置9aは、開口部35b内に当該液晶表示装置9aの表示画面の領域が収まる位置に固定される。このため、遊技者は、表示用回転枠18の前面側から、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像のうち、矩形状の透明部38bに対応する画像を視認することができる。
【0039】
本実施の形態においては、駆動モータ38を回転駆動させる制御を行なうことにより、表示用回転枠18を回転させることができ、矩形状の窓口から遊技者が視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域を変化させることができる。
【0040】
そして、液晶表示装置9aは、遊技者が窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域が変化することに合わせて、画像を変化させて表示する。すなわち、液晶表示装置9aは、表示用回転枠18の回転状態(回転角度等)に合わせた画像を表示する。
【0041】
また、本実施の形態においては、駆動モータ38の回転を停止させる制御を行なうことにより、表示用回転枠18の回転を停止させ、窓口を横長状態と縦長状態とに変化させることができる。本実施の形態において、表示用回転枠18に開設された窓口が、縦長状態に制御されている状態を第1表示状態といい、横長状態に制御されている状態を第2表示状態という。たとえば、図1における表示用回転枠18の窓口は、縦長状態となっており、第1表示状態に制御されている。第1表示状態に制御されているときは、遊技者が窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域を縦長状態に制御することができる。そして、液晶表示装置9aは、窓口が縦長状態に制御されたことに合わせて、縦長状態の画像を表示する。また、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されているときは、遊技者が窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域を横長状態に制御することができる。そして、液晶表示装置9aは、窓口が横長状態に制御されたことに合わせて、横長状態の画像を表示する。
【0042】
また、本実施の形態における透明部38bは、当該透明部38bの対角線の長さが液晶表示装置9aの表示画面の短辺より短くなるように開設されている。このため、表示用回転枠18の窓口を通して視認できる範囲は、当該窓口がどのような状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面の領域内となる。これにより、遊技者は、表示用回転枠18の窓口がいかなる状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像を視認できる。
【0043】
次に、図3を参照し、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作について説明する。図3は、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を説明するための図である。なお、図3(a)〜(f)は、表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されているときの特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を示し、図3(g)〜(h)は、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されているときの特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を示している。
【0044】
図3(a)は、特別図柄表示装置9において特別図柄の変動表示が開始されたときの表示画面である。表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されているときには、液晶表示装置9aの映像によって3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の数字図柄を順次スクロール表示する。
【0045】
図3(b)は、スクロール表示が開始されてから所定時間の経過に基づいて、まず左上と右下の図柄表示部に表示される第1図柄が停止したときの表示画面である。
【0046】
図3(c)は、最左列の2段目(「左中」と称する)、次に中央列の第1段目および第3段目(それぞれ「中上」、「中下」と称する)、最右列の2段目(「右中」と称する)の4つの図柄表示部に表示される第2図柄が停止したときの表示画面である。
【0047】
図3(d)は、リーチ状態が発生した旨を報知する表示画面である。ここで、リーチ状態とは、第1、第2図柄が停止した時点、あるいは第1〜第3図柄が停止した時点で、次に図柄が停止したときに特定表示結果の組合せとなる条件を満たしている状態をいう。
【0048】
図3(d)では、第2図柄までが停止した時点で左上と左中との両方に「7」の図柄が表示されており、続く第3図柄のうち左下の停止時の図柄が「7」となれば大当りが発生することとなり、この左上から左下へのラインがリーチ状態となる。さらに、第2図柄までが停止した時点で左上と中上との両方に「7」の図柄が表示されており、続く第3図柄のうち右上の停止時の図柄が「7」となれば大当りが発生することとなり、この左上から右上へのラインがリーチ状態となる。また、図3(d)のように、2本の有効ラインでリーチ状態が発生している状態をダブルリーチ状態という。
【0049】
図3(e)は、最左列の3段目(「左下」と称する)、最右列の1段目(「右上」と称する)の2つの図柄表示部に表示される第3図柄が停止したときの表示画面である。左下に「5」の図柄が、右上に「3」の図柄が停止表示され、リーチ状態となっていた有効ラインにおいて特定表示結果とならなかった旨を示す「リーチはずれ」が表示されている。
【0050】
図3(f)は、中央列の2段目(「中中」と称する)の図柄表示部に表示される第4図柄が停止したときの表示画面である。この時点における表示結果が予め定められた特定表示結果になっていれば、可変入賞球装置30の開閉板29を開成させて遊技者にとって有利な第1の状態とし所定の遊技価値が付与可能な状態にする。図3(f)では、中中の図柄表示部に「3」の図柄が停止表示され、特定表示結果になっていない。
【0051】
次に、図3(g)および(h)を用いて、図3(f)で説明した第4停止が行なわれた後に、表示用回転枠18が回転し、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたときの、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を説明する。
【0052】
図3(g)は、表示用回転枠18の窓口が横長状態に変化したときの液晶表示装置9aに表示される画像を示している。液晶表示装置9aは、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたことに合わせて、最左列の左側に3つの新たな図柄表示部を作成し、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を表示する。すなわち、最左列の左側に新たな列を新たに作成している。そして、新たに作成した図柄表示部各々において、特別図柄の変動表示が行なわれている。
【0053】
このように、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に変化し、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を液晶表示装置9aに表示することにより、図3(g)における最左列の1段目(「最左上」と称する)の図柄表示部と左上と中上との図柄表示部からなる新第1有効ラインと、最左上と左中と中下との図柄表示部からなる新第2有効ラインと、最左列の2段目(「最左中」と称する)の図柄表示部と左中と中中との図柄表示部からなる新第3有効ラインと、最左列の3段目(「最左下」と称する)の図柄表示部と左中と中上との図柄表示部からなる新第4有効ラインと、最左下と左下と中下との図柄表示部からなる新第5有効ラインと、最左上と最左中と最左下との図柄表示部からなる新第6有効ラインと、が作成される。
【0054】
また、図3(g)では、左上と中上との図柄表示部と、左中と中上との図柄表示部とで「7」が停止表示されているため、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインでリーチ状態が発生している。これにより、図3(f)により第4停止が行なわれた後に、表示用回転枠18が回転し、さらに、その回転に合わせて液晶表示装置9aにおいて新たな図柄表示部が作成され、敗者復活的にリーチ状態が発生するため、特定表示結果となり大当り遊技状態に制御されるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0055】
図3(h)は、最左上の図柄表示部に「7」が停止し、新第1有効ラインにおいて特定表示結果が停止表示されたときの表示画面である。これにより、大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。最左上の図柄表示部に「3」が、最左下の図柄表示部に「5」が、各々停止しており、新第4有効ラインにおいて特定表示結果となっていない。なお、最左下の図柄表示部に「7」が停止したときには、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインにおいて特定表示結果が表示されるため、確率変動図柄の組合せとなり、大当り遊技状態が終了した後に、確率変動状態に制御される。
【0056】
なお、図3(g)において、最左上の図柄表示部と最左下の図柄表示部とに「3」が各々停止したときには、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインのいずれにおいても特定表示結果とならず、大当り遊技状態に制御されない。しかし、最左中の図柄表示部が変動表示しているときには、新第6有効ラインにおいてリーチ状態が発生している。このため、最左中の図柄表示部に「3」が停止すると、新第6有効ラインにおいて特定表示結果となり、大当り遊技状態に制御される。
【0057】
なお、表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されているときには、液晶表示装置9aに組合せ有効ラインが8ラインとなる画像が表示され、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されているときには、液晶表示装置9aに6ラインの組合せ有効ラインが追加された画像が表示される例について説明した。しかし有効ラインはこれには限定されず、たとえば1ラインでも、他の複数のラインでもよい。また、前述の実施の形態では特別図柄表示装置9の停止順序が第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄の順序で行なわれたが、これには限定されない。また、第1図柄として左上および右下、第2図柄として左中、中上、中下、右中、第3図柄として左下、右上、第4図柄として中中の図柄が選択されたが、前述の実施の形態には限定されない。また識別情報の表示方法は前述の実施の形態では各図柄ごとのスクロール表示となっているが、これをスクロールとせずに、切換表示としてもよい。
【0058】
また、特別図柄表示装置9を構成する液晶表示装置9aは、液晶表示装置に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、前述の実施の形態では、LEDにより構成される普通図柄表示装置13の説明をしたが、これに限らず、7セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を変動表示可能なものを普通図柄表示部に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。
【0059】
図4は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、制御基板として、遊技制御基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80が示されている。
【0060】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。スイッチ回路58は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ23、カウントスイッチ22、入賞口スイッチ19a,24a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れ検出スイッチ167、および、賞球カウントスイッチ301Aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。ソレノイド回路59は、始動入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口20の開閉板29を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内誘導板を動作させるソレノイド33を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する。
【0061】
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示装置9における変動表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報(有効始動情報)、確率変動が生じたことを示す確変情報、および、賞球数を示す賞球情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含んでいる。
【0062】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0063】
さらに、遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4においては省略されている。
【0064】
また、演出制御基板80には、表示制御、ランプ制御、モータ駆動制御、音制御、および、記憶表示制御の各制御手段として機能し、これらの制御により遊技の演出制御を行なうことが可能な演出制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。この演出制御用マイクロコンピュータ800の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0065】
遊技制御基板31から演出制御基板80には、演出制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である演出制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、このような演出制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0066】
そのため、演出制御コマンドには、特別図柄および普通図柄の変動表示制御内容についての表示制御コマンド、ランプおよびLED等の発光体(以下、ランプと総称する)の制御内容についてのランプ制御コマンド、可動部材の制御内容についての可動部材制御コマンド、ならびに、音の制御内容についての音制御コマンドが含まれている。
【0067】
具体的に、表示制御コマンドとしては、たとえば変動表示に用いる変動パターンを特定するための変動パターンコマンドや、変動表示の停止図柄を特定するための停止図柄コマンドや、変動表示の停止タイミングを特定するための変動停止コマンドや、大当り時の表示等の変動表示に関する各種指令が示される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、この表示制御コマンドに応じて、特別図柄表示装置9における変動表示等の表示制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されたROMには、変動パターンコマンド毎に、液晶表示装置9aに表示する画像データが記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに対応する画像データを読出し、当該画像データから作成される画像を液晶表示装置9aに表示する。よって、たとえば、図3で説明した表示画面に表示された画像は、演出制御用マイクロコンピュータ800により、受信した変動パターンコマンドに対応する画像データがROMから読出され、当該画像データから作成された画像である。演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されたROMには、変動パターンコマンド毎に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄を停止表示するタイミングを特定するためのデータも画像データとして記憶されている。
【0068】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、ランプ制御コマンドに応じて、遊技効果ランプ28a〜28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、役物飾りランプ40、および装飾ランプ25のような発光体の駆動制御(発光動作制御)を行なう。
【0069】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、変動パターンコマンドに応じて駆動モータ38を駆動させるための駆動電流を制御して表示用回転枠18のモータ駆動制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されたROMには、変動パターンコマンド毎に、駆動モータ38を駆動させる駆動パターンデータが記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに対応する駆動パターンデータを読出し、当該駆動パターンデータに従い駆動モータ38を駆動させるための駆動信号を出力する。よって、たとえば、図3(g)のように、第1表示状態から第2表示状態への変化は、演出制御用マイクロコンピュータ800により、受信した変動パターンコマンドに対応する駆動パターンデータがROMから読出され、当該駆動パターンデータに従い駆動信号が出力されたことにより、駆動モータ38が回転駆動した結果である。
【0070】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、始動入賞記憶数コマンドに応じて始動入賞記憶表示器47を構成するLEDを点灯させるための駆動電流を、また、普通始動入賞記憶数コマンドに応じてゲート通過記憶表示器46を構成するLEDを点灯させるための駆動電流を、制御して記憶表示制御を行なう。
【0071】
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技制御基板31から伝送される効果音等の音声制御に関する指令情報としての音制御コマンドに応じて、スピーカ27から出力される(発生される)音の制御を行なう。
【0072】
また、遊技制御基板31から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0073】
この実施の形態では、遊技制御基板31および払出制御基板37に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0074】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0075】
図4においては、変動表示制御機能、ランプ制御機能、モータ駆動制御機能、音制御機能、および、記憶表示制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませ、そのマイクロコンピュータ800が前述したような表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド、および、始動入賞記憶数コマンド等を受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにした例を示した。このような構成を採用することにより、このパチンコ遊技機1では、変動表示制御、ランプ制御、モータ駆動制御、音制御、および、記憶表示制御を同期させた演出を容易に行なうことができる。
【0076】
なお、このように変動表示制御機能、ランプ制御機能、モータ駆動制御機能、音制御機能、および、記憶表示制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませる構成に限らず、変動表示制御機能、ランプ制御機能、モータ駆動制御機能、音制御機能、および、記憶表示制御機能を複数個のそれぞれのマイクロコンピュータに分割構成したり、適宜組合せて複数個のマイクロコンピュータで構成し、各マイクロコンピュータ用に定められたコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0077】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0078】
遊技制御用マイクロコンピュータ53では、具体的に、パチンコ遊技機1において大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の変動表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の停止図柄の決定等の各種制御事項の決定のための処理が行なわれる。以下、その処理手順を簡単に説明する。
【0079】
大当りとするかはずれとするかの決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msec毎)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当りフラグがオン状態にセットされ、大当り状態の制御が行なわれる。なお、大当りフラグとは、今から開始される特別図柄の変動表示の表示結果を特定表示結果とするか否かの判断に用いるフラグである。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0080】
次に、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする決定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ判定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定され、リーチフラグががオン状態にセットされ、変動表示中にリーチ状態が発生する。なお、リーチフラグとは、今から開始される特別図柄の変動表示中にリーチ状態を発生させるか否かの判断に用いるフラグである。。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ決定用のランダムカウンタを用いた決定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0081】
また、特別図柄の変動表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的にランダムに決定される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、たとえば、「0」からカウントアップして上限値である「99」までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0082】
ここで、本実施の形態における変動パターンを設定するための変動パターン設定処理と、変動パターンを設定するために用いる変動パターン決定用テーブルを説明する。
【0083】
図5は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により定期的に行なわれる遊技制御メイン処理のうち、特別図柄表示装置9において特別図柄の変動表示が新たに開始される直前に行なわれる変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【0084】
まず、S40において、大当りを発生させるか否かを示す大当りフラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。S40において、大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、S41において図6を用いて後述する大当り時テーブルをルックアップし、S45に移行される。一方、S40において、大当りフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、S42においてリーチ状態を発生させるか否かを示すリーチフラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。
【0085】
S42において、リーチフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、S43において図6を用いて後述するリーチ時テーブルをルックアップし、S45に移行される。一方、S42において、リーチフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、S44において図6を用いて後述するはずれ時テーブルをルックアップし、S45に移行される。
【0086】
S45においては、始動入賞口14に入賞したときに変動パターン決定用のランダムカウンタから抽出されたカウント値に応じて、S41、S43、S44のうちいずれかにおいてルックアップされているテーブルを用いて、変動パターンを決定する処理が行なわれる。
【0087】
そして、S46においては、S45で決定された変動パターンに基づき、特別図柄表示装置9において新たな変動表示を開始するために、特別図柄用プロセスフラグの値を特別図柄変動処理が行なわれる値に更新する処理を行ない、変動パターン設定処理を終了する。
【0088】
特別図柄変動処理においては、変動パターン設定処理において決定された変動パターンの内容に対応する変動パターンコマンドを、特別図柄表示装置9における変動表示の制御を指令するために演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信する処理がなされる。
【0089】
図6は、本実施の形態で用いる変動パターン決定用テーブルであって、変動表示の表示結果が大当り・リーチ・はずれのいずれになるかにより予め定められた振分率と、変動パターン決定用のランダムカウンタからの抽出値とに基づき、変動パターンを決定するために用いられるテーブル説明するための図である。
【0090】
大当りになると判定されたとき、すなわち、大当りフラグがオン状態にセットされているときには、「大当り時テーブル」を用いて、抽出値が0〜79の範囲内のときには「スーパーリーチ」が、抽出値が80〜94の範囲内のときには「ミドルリーチ」が、抽出値が95〜99の範囲内のときには「ノーマルリーチ」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
【0091】
リーチになると判定されたとき、すなわち、リーチフラグがオン状態にセットされているときには、「リーチ時テーブル」を用いて、抽出値が0〜19の範囲内のときには「スーパーリーチ」が、抽出値が20〜39の範囲内のときには「ミドルリーチ」が、抽出値が40〜99の範囲内のときには「ノーマルリーチ」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
【0092】
リーチを発生させないはずれになると判定されたときには、「はずれ時テーブル」を用いて、抽出値が0〜74の範囲内のときには「通常変動A」が、抽出値が75〜99の範囲内のときには「通常変動B」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
【0093】
以上のように、本実施形態における変動パターンの決定は、事前判定された判定結果に対応する変動パターン決定用テーブルのそれぞれに予め定められて記憶されている振分率にもとづいて変動表示に実行される変動パターンが決定される。
【0094】
また、それぞれのテーブルに記憶されている振分率が、大当りと判定されたときには高確率でスーパーリーチが変動パターンとして決定されるように、リーチと判定されたときには高確率でノーマルリーチが変動パターンとして決定されるように予め記憶されている。これにより、スーパーリーチになったときに大当りになる信頼度が最も高く、さらにミドルリーチになったときに大当りになる信頼度はノーマルリーチになったときに大当りになる信頼度よりも高くなるようにすることができ、実行される変動パターンによって遊技者の期待感を向上させることができる。
【0095】
本実施の形態では、変動パターンとして、「スーパーリーチ」、「ミドルリーチ」、「ノーマルリーチ」のいずれかがセットされたときに、変動表示中においてリーチ状態が発生した後に、表示用回転枠18が回転駆動する回転駆動演出が行なわれるとともに、回転駆動演出に合わせた画像を表示する回転表示演出が行なわれる。なお、リーチ状態が発生する変動パターンの変動時間は、「スーパーリーチ」がセットされているときが最も長く、「ノーマルリーチ」がセットされているときが最も短くなるように、設定されている。
【0096】
なお、本実施の形態において、リーチ状態が発生する変動パターンがセットされているときには、変動パターンの種類に関わらず、リーチ状態が発生した後に回転駆動演出および回転表示演出を行なう例について説明するが、これに限らず、リーチ状態が発生する変動パターンがセットされているときであっても、変動パターンの種類に応じて、リーチ状態が発生した後に回転駆動演出および回転表示演出を行なうようにしてもよい。たとえば、「スーパーリーチ」または「ミドルリーチ」がセットされているときに、回転駆動演出および回転表示演出を行ない、「ノーマルリーチ」がセットされているときに、回転駆動演出および回転表示演出を行なわないように設定してもよい。
【0097】
次に、特別図柄の変動表示における停止図柄を決定する処理手順を説明する。特別図柄の変動表示における停止図柄の決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、各図柄に対応する停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでランダムカウンタから抽出されたカウンタの値に基づいていずれの有効ラインに特定表示結果を表示するかが決定される。
【0098】
以上のように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、制御用マイクロコンピュータ53により、このような各種ランダムカウンタを用いて制御内容が決定され、その決定に従った制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、各種制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。次に、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信される各種制御コマンドのうち表示制御コマンドを例に挙げて制御コマンドの送信例を説明する。
【0099】
まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(変動表示時間を含む)を特定する変動パターンコマンドを送信する。変動パターンコマンドとしては、基本的に、リーチ状態が発生することなく表示結果がはずれとなる通常変動Aパターンコマンドおよび通常変動Bパターンコマンド、リーチ状態が発生し表示結果が表示されるスーパーリーチコマンド、ミドルリーチコマンド、および、ノーマルリーチコマンド等の各種コマンドが含まれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンについて認識することができる。
【0100】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。
【0101】
その後、特別図柄の変動表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した変動表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0102】
そして、変動表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0103】
演出制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御およびモータ駆動制御を実行する。
【0104】
図7は、(a)が演出制御メイン処理を示すフローチャートであり、(b)がタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。演出制御メイン処理においては、Sub1において、初期化処理が行なわれる。この初期化処理においては、演出制御基板80に搭載されているRAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(たとえば、「0」)が設定される。
【0105】
次に、Sub2においては、演出制御に用いるランダムカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理が行なわれる。本実施の形態においては、特に、表示用回転枠18が回転することを事前に予告するか否かの判定に用いる予告判定用のランダムカウンタ(以下、ランダムカウンタSR1という)のカウント値を更新する処理が行なわれる。このランダムカウンタSR1は、たとえば、0からカウントアップして上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(33msec毎)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタSR1のカウント値が抽出され、その抽出値が、複数種類予め定められた予告判定値のうちの一致するものに対応する駆動予告パターンとすることが決定される。この処理については、図10を用いて後述する。
【0106】
次に、Sub3においてタイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていなければSub2に戻り、タイマ割込フラグがセットされていれば、Sub4に進みタイマ割込フラグをクリアしてからSub5においてコマンド解析処理を行なう。
【0107】
Sub5のコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信されてきた各種コマンドを受信して、受信したコマンドがいかなるコマンドであるかを解析する処理が行なわれる。本実施の形態においては、特に、遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ800に変動パターンコマンドが伝送されたときには、当該変動パターンコマンドをRAMに記憶するとともに、特別図柄表示装置9において新たな変動表示を開始するための有効フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。
【0108】
次に、Sub6においては、表示制御プロセス処理が行なわれる。この表示制御プロセス処理は、液晶表示装置9aの表示画面に画像を表示させるための変動開始コマンド受信待ち処理、変動表示動作設定処理、図柄変動中処理、全図柄停止待ち処理、および、大当り表示処理等の処理が行なわれる。Sub7においては、モータ駆動制御処理が行なわれる。このモータ駆動制御処理は、変動パターンコマンド等に基づき、駆動モータ38を回転させるためのモータ駆動信号を出力し、駆動モータ38の回転駆動を制御する処理が行なわれる。
【0109】
Sub8においては、音・ランプ制御コマンド処理が行なわれる。この音・ランプ制御コマンド処理は、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ800に伝送されてきた各種コマンドに基づき、遊技音やランプ点灯パターンなどについてのコマンドの設定がなされ、それぞれ対応した音・ランプ駆動信号を制御対象機器に出力される。これにより、同期のとれた演出を行なうことができる。
【0110】
また、図7(b)においては、タイマ割込み処理が行なわれ、Sub9においてタイマ割込みフラグがセットされている。このタイマ割込みは、33msecごとに行なわれる。そして、Sub10において、タイマ割込み許可がなされてタイマ割込処理を終了する。
【0111】
図8は、表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。表示制御プロセス処理においては、Sub20において変動開始コマンド受信待ち処理が行なわれる。変動開始コマンド受信待ち処理においては、コマンド解析処理によって、変動パターンコマンドを受信したときにセットされる有効フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。有効フラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、変動表示動作設定処理に移行させるために、プロセスフラグの値を変動表示動作設定処理の値に更新する処理を行ない、変動開始コマンド受信待ち処理を終了する。なお、有効フラグがオン状態にセットされない状態が所定時間経過したときに、液晶表示装置9aにおいて客待ちデモ表示が行なわれる。
【0112】
次に、Sub21においては、変動表示動作設定処理が行なわれる。変動表示動作設定処理においては、変動パターンに対応したタイマをスタートさせ変動表示が開始されるように制御する。
【0113】
次に、Sub22においては、図柄変動中処理が行なわれる。図柄変動中処理においては、変動パターンを構成する各変動状態(図柄の変動速度、マトリクス)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。変動パターンを構成する各変動状態を特定するためのデータは、変動パターン毎に、演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されているROMに予め記憶されている。
【0114】
また、Sub23においては、全図柄停止待ち処理が行なわれる。全図柄停止待ち処理においては、変動時間の終了時に、図柄の変動を停止するための表示制御を行なう。また、Sub24においては大当り表示処理が行なわれる。大当り表示処理においては、変動時間の経過後、確変大当り表示または通常大当り表示するための制御を行ない、大当り遊技状態に制御されているときに液晶表示装置9aに大当り画像を表示する制御を行なう。
【0115】
図9は、モータ駆動制御処理を説明するためのフローチャートである。モータ駆動制御処理においては、まず、Sub50において、有効フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する処理が行なわれる。Sub50において、セットされていないと判断されたときにはSub53へ移行し、セットされていると判断されたときには、Sub50aにおいて有効フラグをオフ状態にセットし、Sub51において受信した変動パターンコマンドに対応する駆動パターンをセットする処理が行なわれる。
【0116】
Sub51では、たとえば、スーパーリーチの変動パターンコマンドに対応して「大回転駆動」が、ミドルリーチの変動パターンコマンドに対応して「傾斜駆動」が、ノーマルリーチの変動パターンコマンドに対応して「震動駆動」が、各々駆動パターンとしてセットする処理が行なわれる。なお、通常変動Aおよび通常変動Bの変動パターンコマンドであるときには、駆動パターンはセットされない。
【0117】
Sub52においては、駆動予告パターン設定処理が行なわれる。駆動予告パターン設定処理においては、表示用回転枠18が回転することを事前に予告するか否かの判定を行ない、駆動予告パターンをセットする処理が行なわれる。これについては、図10を用いて後述する。
【0118】
Sub53においては、Sub51においてセットされた駆動パターン、および、Sub52においてセットされた駆動予告パターンに応じて、駆動モータ38を駆動させるための、モータ駆動信号を出力する処理を行ない駆動モータ制御処理を終了する。なお、出力するモータ駆動信号や、出力タイミングを特定するためのデータは、駆動パターンおよび駆動予告パターン毎に、演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されているROMに予め記憶されている。
【0119】
図10は、駆動予告パターン設定処理を説明するためのフローチャートである。駆動予告パターン設定処理においては、まず、Sub60において、前述したランダムカウンタSR1からカウント値を抽出する処理が行なわれる。
【0120】
Sub61においては、図7のSub5で説明したコマンド解析処理により解析された変動パターンコマンドに対応する駆動予告テーブルをルックアップする処理が行なわれる。ここで駆動予告テーブルについて、図11を用いて説明する。
【0121】
図11は、本実施の形態で用いる駆動予告テーブルであって、受信した変動パターンコマンド毎に、予め定められた振分率とランダムカウンタSR1からの抽出値とに基づき、駆動予告パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
【0122】
スーパーリーチとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「スーパーリーチ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0〜6の範囲内のときには「大回転駆動予告」が、抽出値が7のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が8のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が9のときには、予告が行なわれない。
【0123】
次に、ミドルリーチとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「ミドルリーチ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0〜1の範囲内のときには「大回転駆動予告」が、抽出値が2〜6の範囲内のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が7のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が8〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0124】
次に、ノーマルリーチとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「ノーマルリーチ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0のときには「大回転駆動予告」が、抽出値が1〜2の範囲内のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が3〜7の範囲内のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が8〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0125】
次に、通常変動Aとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「通常変動A時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0のときには「震動駆動予告」が駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が1〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0126】
次に、通常変動Bとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「通常変動B時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が1のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が2〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0127】
図10の駆動予告パターン設定処理のSub62においては、Sub60においてランダムカウンタSR1からの抽出値と、Sub61においてルックアップされた駆動予告テーブルに予め定められた予告判定値と、を比較し駆動予告パターンをセットする処理を行ない、駆動予告パターン設定処理を終了する。なお、予告が行なわれない決定がなされたときには、いずれの駆動予告パターンもセットされない。
【0128】
以上のように、本実施形態における駆動予告パターンは、受信した変動パターンコマンドに対応する駆動予告テーブルのそれぞれに予め定められて記憶されている振分率に基づいて決定される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ800は、決定された駆動予告パターンに応じて、変動表示開始時に、当該駆動予告パターンに基づく表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに、3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させて画像を表示する制御を行なう。
【0129】
次に、駆動パターンまたは駆動予告パターンがセットされているときの、表示用回転枠18の回転状態を説明する。図12は、駆動パターンおよび駆動予告パターンの動作内容を説明するための図である。なお、図12で説明する動作内容等に限られるものでない。
【0130】
図12(a)を参照し、たとえば、変動パターンとしてスーパーリーチがセットされ、駆動パターンとして大回転駆動パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0131】
回転駆動演出としては、第4図柄が停止したときに(図3(f)参照)、表示用回転枠18が反時計回りに3回転した後に、さらに、反時計回りに4分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が大回転し、第2表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0132】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が反時計回りに回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する。そして、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたときに、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を液晶表示装置9aに表示し(図3(g)参照)、新たに作成された図柄表示部において変動表示を再開する演出が行なわれる。
【0133】
次に、変動パターンとしてミドルリーチがセットされ、駆動パターンとして傾斜駆動パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0134】
回転駆動演出としては、第4図柄が停止したときに(図3(f)参照)、表示用回転枠18が時計回りに4分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が傾斜する演出が行なわれ、第2表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0135】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が時計回りに回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する。そして、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたときに、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を液晶表示装置9aに表示し(図3(g)参照)、新たに作成された図柄表示部において変動表示を再開する演出が行なわれる。
【0136】
次に、変動パターンとしてノーマルリーチがセットされ、駆動パターンとして震動駆動パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0137】
回転駆動演出としては、第2図柄が停止したときに(図3(c)参照)、表示用回転枠18が時計回りに8分の1回転した後、反時計回りに4分の1回転し、さらに、時計回りに8分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が震動する演出が行なわれ、元通りの第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0138】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する。そして、表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されたときに、3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示し、回転駆動演出前と同様に、9つの図柄表示部において変動表示が行なわれる。
【0139】
次に、図12(b)を参照し、たとえば、駆動予告パターンとして、大回転駆動予告パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0140】
回転駆動演出としては、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動開始したときに(図3(a)参照)、表示用回転枠18が反時計回りに1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が大回転する可能性があることを予告し、再び第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0141】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が反時計回りに回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する演出が行なわれる。
【0142】
次に、駆動予告パターンとして、傾斜駆動予告パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0143】
回転駆動演出としては、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動開始したときに(図3(a)参照)、表示用回転枠18が時計回りに4分の1回転した後に、反時計回りに4分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が傾斜する可能性があることを予告し、再び第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0144】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する演出が行なわれる。
【0145】
次に、駆動予告パターンとして、震動駆動予告パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0146】
回転駆動演出としては、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動開始したときに(図3(a)参照)、表示用回転枠18が時計回りに8分の1回転した後に、反時計回りに8分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が震動する可能性があることを予告し、再び第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0147】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する演出が行なわれる。
【0148】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
【0149】
(1) 前述した実施形態においては、液晶表示装置9aは、その前面において回転可能に保持されている表示用回転枠18の窓口の状態に応じた画像を表示することができる。このため、物理的に液晶表示装置9aを回転させることなく、表示用回転枠18の回転に合わせて液晶表示装置9aが回転しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができる。また、このような斬新な演出は、図2を用いて説明したように表示用回転枠18を回転させる簡単な構造で、実現することができる。
【0150】
(2) 前述した実施形態においては、図6を用いて説明したように、たとえば、スーパーリーチおよびミドルリーチは、ノーマルリーチと比較し、リーチフラグがオン状態にセットされているときよりも、大当りフラグがオン状態にセットされているときの方が、変動パターンとして設定されやすい。また、駆動パターンは、設定された変動パターンから特定され、図12を用いて説明したように駆動パターンの種類に応じて、表示用回転枠18を異なるタイミング、内容で回転することができる。これにより、表示用回転枠18の回転タイミングや回転内容によって、大当り遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を、異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0151】
(3) 前述した実施形態においては、図12を用いて説明したように大回転駆動パターンおよび傾斜駆動パターンで表示用回転枠18を回転させた後は、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御される。そして、液晶表示装置9aでは、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたことに合わせて、図3(g)で説明したように、最左列の左側に新たに作成された列の図柄表示部が作成され表示される。これにより、新たな図柄表示部を含む有効ラインで特定表示結果となり、大当り遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、常に3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部において変動表示が行なわれるものと比較し、表示用回転枠18が回転することにより3行×4列のマトリックス状の配列された12の図柄表示部において変動表示を行なうことができるため、変化に富んだ変動表示による演出を遊技者に提供することができる。
【0152】
(4) 表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたことに合わせて、図3(g)で説明したように、最左列の左側に新たに作成された列の図柄表示部を含む新たな有効ラインでリーチ状態を発生させる制御が行なわれる。これにより、大当り遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感をより向上させることができ、より一層遊技の興趣を向上させることができる。また、表示用回転枠18が回転することにより、以後リーチが発生する可能性があることをその回転時点において予告できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0153】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。前述した第1実施形態では、表示用回転枠18を回転させることにより、当該表示用回転枠18に開設されている窓口の状態(たとえば、回転状態、第1表示状態、第2表示状態等)を変化させ、この窓口の状態の変化に応じた画像を液晶表示装置9aに表示する例について説明した。この第2実施形態においては、窓口が開設された表示用枠を移動させることにより、当該表示用枠に開設されている窓口の状態を上下左右方向に移動させたり拡大させたりすることができ、この窓口の状態の変化に応じた液晶表示装置9aの表示画面の位置に画像を表示する例について、図13および図14を用いて説明する。
【0154】
図13は、液晶表示装置9aの前面において、上下左右方向に移動可能となるように構成された、矩形状の窓口が開設された表示用移動枠118を説明するための図である。図13(a)に示す表示用移動枠118は、図13(b)および(c)に示すL字形状の不透明部材118a〜118dから構成されている。不透明部材118a〜118dは、液晶表示装置9aの前面に不透明部材118c、118dが設けられ、そのさらに前面に不透明部材118a、118bが設けられている。
【0155】
図13(b)に示すL字形状の不透明部材118a、118bは、液晶表示装置9aの表示画面の縦幅を調整するための部材である。L字形状の不透明部材118aの右側面には、駆動モータからの動力を伝達するための平歯車139aと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118aは、平歯車139aが駆動モータにより回転すると、上下方向に移動可能に構成されている。L字形状の不透明部材118bの右側面にも同様に、平歯車139bと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118bも同様に、平歯車139bが駆動モータにより回転すると、上下方向に移動可能に構成されている。
【0156】
図13(c)に示すL字形状の不透明部材118c、118dは、液晶表示装置9aの表示画面の横幅を調整するための部材である。L字形状の不透明部材118cの下側面には、駆動モータからの動力を伝達するための平歯車139cと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118cは、平歯車139cが駆動モータにより回転すると、左右方向に移動可能に構成されている。L字形状の不透明部材118dの下側面にも同様に、平歯車139dと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118dも同様に、平歯車139dが駆動モータにより回転すると、左右方向に移動可能に構成されている。
【0157】
以上のように、図13に示す表示用移動枠118を構成する不透明部材118a〜118dは、平歯車139a〜139dが駆動モータにより回転すると、各々移動するため、表示用移動枠118に開設される窓口の状態を上下左右方向に移動させたり拡大させたりすることができる。
【0158】
図14は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態を説明するための図である。図14(a)は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態が通常状態であるときの図である。通常状態では、窓口の中心が液晶表示装置9aの表示画面の中心となる位置で、最小の窓口が開設される。通常状態では、窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面において、たとえば、3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロールする画像を表示する。
【0159】
図14(b)は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態が左上状態であるときの図である。左上状態では、窓口の左上角が液晶表示装置9aの表示画面の左上角となる位置で、最小の窓口が開設される。左上状態では、液晶表示装置9aの表示画面において、通常状態と同様の画像を表示する。なお、通常状態から左上状態に窓口の位置が移動するときには、その移動に合わせた画像を表示する。
【0160】
図14(c)は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態が最拡大状態であるときの図である。最拡大状態では、窓口が液晶表示装置9aの表示画面の領域と一致する最大の窓口が開設される。
【0161】
通常状態から最拡大状態に窓口が拡大するときには、まず、不透明部材118bを下方向に移動させ、かつ不透明部材118dを左方向に移動させた拡大状態に変化させた後、さらに、不透明部材118aを上方向に移動させ、かつ不透明部材118cを右方向に移動させる。拡大状態では、窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面において、たとえば、4行×4列のマトリックス状に配列された16の図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロールする画像を表示する。最拡大状態では、窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面において、たとえば、5行×5列のマトリックス状に配列された25の図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロールする画像を表示する。なお、通常状態から拡大状態または最拡大状態に窓口が拡大するときには、その拡大に合わせた画像を表示する。
【0162】
なお、表示用移動枠118の窓口の状態(たとえば、通常状態、左上状態、拡大状態、最拡大状態等)は、第1実施形態で説明したように設定された変動パターンから特定される。そして、特定された窓口の状態に応じて、平歯車139a〜139dを回転させる駆動モータに駆動信号を出力する制御が行なわれる。
【0163】
また、図14を用いて説明したように拡大状態および最拡大状態に表示用移動枠118の窓口が制御された後は、液晶表示装置9aにおいて新たに作成された行および列の図柄表示部が表示される。
【0164】
さらに、表示用移動枠118の窓口が拡大状態または最拡大状態に制御されたことに合わせて、新たに作成された行および列の図柄表示部を含む新たな有効ラインでリーチ状態を発生させる制御が行なわれる。
【0165】
なお、本実施の形態においては、表示用移動枠118の窓口を通して視認できる範囲は、当該窓口がどのような状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面の領域内となるように、平歯車139a〜139dを回転させる駆動モータが制御される。これにより、遊技者は、表示用移動枠118の窓口がいかなる状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像を視認できる。
【0166】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
【0167】
前述した実施形態においては、物理的に液晶表示装置9aを移動させることや表示画面の領域を変化させることなく、表示用移動枠118の移動に合わせて液晶表示装置9aが移動しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができ、また、表示用移動枠118に開設される窓口の拡大・縮小に合わせて液晶表示装置9aが拡大・縮小しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができ、また、このような斬新な演出は、図13を用いて説明したように簡単な構造で、実現することができる。
【0168】
また、以上に示した第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
【0169】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0170】
(1) 前述した実施の形態においては、表示用回転枠18および表示用移動枠118の窓口が、矩形状に開設された例について説明したが、これに限らず、台形状や三角形状等その他、多角形状に開設されたものであってもよく、また、円形状に開設されたものであってもよい。なお、円形状の窓口が開設された表示用回転枠を回転させる場合においては、窓口を装飾するための装飾部材を窓口に設けるように構成してもよい。これにより、装飾部材も回転するため、表示用回転枠が回転していることを遊技者は認識することができ、液晶表示装置9aに装飾部材の回転に合わせた画像を表示することによる斬新な演出を遊技者に提供することができる。
【0171】
(2) 前述した実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から出力される変動パターンコマンドを含む表示制御コマンドに基づき、演出制御用マイクロコンピュータ800が、特別図柄表示装置9を構成する液晶表示装置9aの表示画面に表示する画像や、駆動モータ38の回転駆動を制御する例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、画像を制御するための制御信号を液晶表示装置9aに出力し、表示画面に表示する画像を直接制御するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、回転を制御するための制御信号を駆動モータ38に出力し、表示用回転枠18等の動作を直接制御するようにしてもよい。これにより、遊技制御基板31と液晶表示装置9aや駆動モータ38との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した制御基板等を設けて制御を行なう場合と比較して、遊技制御用マイクロコンピュータ53により処理され決定・判定された内容に基づき、確実に間違いなく液晶表示装置9aの表示画面に画像を表示でき、確実に間違いなく表示用回転枠18等を動作させることができる。
【0172】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、液晶表示装置9aの表示画面に表示する画像を直接制御するようにする場合においては、液晶表示装置9aに換え7セグメントLED表示器を用いるようにしてもよい。さらに、前述した実施形態において説明した斬新な演出を行なうための液晶表示装置(装飾図柄表示装置)は、演出制御用マイクロコンピュータ800により制御されるように構成してもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御負担を軽減させることができるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ800により制御される液晶表示装置の表示画面において多くのバリエーションの演出を行なうことができる。以上のように構成した場合には、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当り判定、変動パターン設定、停止図柄決定、リーチ判定等を行なうことにより、大当りにするか否か(確変大当りにするか否かも含む)を特定するための大当り判定コマンドと、変動時間を特定するための変動時間コマンドとを演出制御用マイクロコンピュータに出力する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した大当り判定コマンドと変動時間コマンドとに基づき、変動パターンと停止図柄と駆動パターンと駆動予告パターンとを独自に決定するようにしてもよい。
【0173】
(3) 前述した実施の形態においては、変動パターンとしてリーチ変動パターンを用いた変動表示が行なわれているときに、表示用回転枠18等を動作し、当該表示用回転枠18等の窓口の状態に応じた画像を液晶表示装置9aに表示する例について説明したが、これに限らず、客待ちデモ表示が行なわれているときにも、表示用回転枠18等を動作し、当該表示用回転枠18等の窓口の状態に応じた画像を液晶表示装置9aに表示するようにしてもよい。
【0174】
(4) 前述した実施の形態においては、駆動モータ38を回転駆動させることにより、表示用回転枠18等を動作する例について説明したが、これに限らず、ソレノイドで駆動することにより動作するようにしてもよい。また、たとえば(ステッピング)モータ等のアクチュエータで動作するようにしてもよい。
【0175】
(5) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】特別図柄表示装置の構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】特別図柄表示装置における特別図柄の変動表示動作を説明するための図である。
【図4】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図6】変動パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
【図7】演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】モータ駆動制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】駆動予告パターン設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】駆動予告パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
【図12】駆動パターンおよび駆動予告パターンの動作内容を説明するための図である。
【図13】第2実施形態における表示用移動枠を説明するための図である。
【図14】第2実施形態における表示用移動枠に開設される窓口の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0177】
1 パチンコ遊技機、9a 液晶表示装置、9 特別図柄表示装置、18 表示用回転枠、38 駆動モータ、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、118 表示用移動枠、800 演出制御用マイクロコンピュータ。
【技術分野】
【0001】
本発明は、パチンコ遊技機、コイン遊技機、スロットマシンなどで代表される遊技機に関する。詳しくは、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の遊技機として従来から一般的に知られているものに、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(たとえば、大当り図柄の組合せ)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段を備えるものがあった。
【0003】
また、従来の遊技機においては、表示装置にリーチの出目が表示されているときに可動部材を動作させ、大当りのゾロ目が表示される直前に表示装置を動作させ傾斜状態にする演出を行なうもの(特許文献1)があった。
【0004】
また、上下移動式の表示装置を中心として4つの表示装置が配置された変動表示装置を有するパチンコ遊技機において、4つの表示装置のいずれか2つに同一数字等が停止すると、その2つ揃った表示装置の表示が緑色に変換されるとともに、ゾロ目が形成され得る位置に上下移動式の表示装置を移動させて演出を行なうもの(特許文献2)があった。
【特許文献1】特開平6−105952号公報
【特許文献2】特開平2−309985号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、表示装置は、一般的に、当該表示装置を制御するための制御基板と電気的に接続されている。このため、表示装置自体を動作させる構造の従来の遊技機においては、演出が行なわれる毎に、制御基板と接続する表示装置側の配線接続部も動作するため、当該配線接続部が故障する原因となっていた。
【0006】
この発明はかかる実情に鑑み考え出されたものであり、その目的は、表示装置自体を動作させることなく、表示装置自体が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことのできる遊技機を提供することである。
【課題を解決するための手段の具体例およびその効果】
【0007】
(1) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(「1」〜「9」の数字図柄、特別図柄)の変動表示(スクロール表示等)を含む画像(映像)を表示領域(表示画面、9つの図柄表示部)に表示する表示装置(液晶表示装置9a)を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(「777」等のゾロ目、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記表示装置の前側(遊技者側)において動作(回転、移動等)可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口(窓口、透明部38b)が開設された表示用可動枠(表示用回転枠18)と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段(駆動モータ38)と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御(図5、図9のSub53)と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態(たとえば、回転状態、第1表示状態、第2表示状態等)に応じた画像(図3)を前記表示領域に表示させる表示制御(図5、図8)とを行なう制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、演出制御用マイクロコンピュータ800)と、を備える。
【0008】
このような構成によれば、表示装置は、動作する表示用可動枠の状態に応じた画像を表示領域に表示することができる。このため、物理的に表示装置を動作させることなく、表示用可動枠の動作に合わせて表示装置が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができる。また、このような斬新な演出は、表示用可動枠を動作させる簡単な構造で、実現することができる。
【0009】
(2) 前記表示装置における識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否か決定する特定表示結果決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、大当り判定)と、
前記表示装置に識別情報の変動表示の表示結果を表示するまでの変動表示中に、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチ(リーチ状態)を発生させるか否か決定するリーチ発生決定手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、リーチ判定)と、
該リーチ発生決定手段により前記リーチを発生させると決定されたときに(大当りフラグまたはリーチフラグがオン状態にセットされているとき、図5のS40またはS42で「YES」のとき)、該決定されたリーチが発生しているときの前記表示領域における表示態様を特定するためのリーチパターン(変動パターン)を、前記特定表示結果決定手段により識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果としないと決定されたとき(リーチフラグがオン状態にセットされているとき、図5のS42で「YES」のとき)と前記特定表示結果決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすると決定されたとき(大当りフラグがオン状態にセットされているとき、図5のS40で「YES」のとき)とで選択される確率が異なるリーチパターン(スーパーリーチ、ミドルリーチ、ノーマルリーチ)を含む複数種類のリーチパターン(図6)から選択するリーチパターン選択手段(図5)と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記リーチが発生する変動表示中に前記駆動制御を行ない、前記リーチパターン選択手段が選択したリーチパターンの種類に応じて前記表示用可動枠を異なる態様で駆動させる(図9のSub53、図12)。
【0010】
このような構成によれば、特定遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を、表示用可動枠の動作状態により、異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0011】
(3) 各々が識別可能な複数種類の識別情報(「1」〜「9」の数字図柄、特別図柄)の変動表示(スクロール表示等)を含む画像(映像)を表示領域(表示画面、9つの図柄表示部)に表示する表示装置(液晶表示装置9a)を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果(「777」等のゾロ目、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示)となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態(大当り遊技状態)に制御する特定遊技状態制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53)を備える遊技機(パチンコ遊技機1)であって、
前記表示装置の前側(遊技者側)において動作(回転、移動等)可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口(窓口、透明部38b)が開設された表示用可動枠(表示用回転枠18)と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段(駆動モータ38)と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御(図5、図9のSub53)と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態(たとえば、回転状態、第1表示状態、第2表示状態等)に応じた画像(図3)を前記表示領域に表示させる表示制御(図5、図8)とを行なう制御手段(遊技制御用マイクロコンピュータ53、演出制御用マイクロコンピュータ800)と、を備え、
前記制御手段は、さらに、前記表示装置を制御し、前記駆動制御が行なわれた後の前記表示用可動枠に開設されている前記窓口から視認可能となる新たな表示領域を作成する作成制御を行なう(図3(g)、最左列の左側に新たに作成された列の図柄表示部)。
【0012】
このような構成によれば、表示装置は、動作する表示用可動枠の状態に応じた画像を表示領域に表示することができる。このため、物理的に表示装置を動作させることなく、表示用可動枠の動作に合わせて表示装置が動作しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができる。また、このような斬新な演出は、表示用可動枠を動作させる簡単な構造で、実現することができる。さらに、新たな表示領域において特定表示結果となり、特定遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、常に同じ表示領域において変動表示が行なわれる遊技機と比較し、変化に富んだ変動表示による演出を遊技者に提供することができる。
【0013】
(4) 前記制御手段は、前記作成制御が行なわれて新たな表示領域が作成された前記表示装置において、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチ(リーチ状態)を発生させるリーチ発生制御を行なう(図3(g)、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインでリーチ状態が発生)。
【0014】
このような構成によれば、新たな表示領域においてリーチが発生するため、特定遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感をより向上させることができ、より一層遊技の興趣を向上させることができる。また、表示用可動枠を動作させることにより、以後リーチが発生する可能性があることを予告できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、本実施の形態においては、遊技機の一例としてパチンコ遊技機を示すが、本発明はこれに限らず、各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機であればすべて対象となる。
【0016】
第1実施形態
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明にかかる遊技機の一例のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。遊技者が打球操作ハンドル5を操作すれば、打球供給皿3に貯溜されているパチンコ玉が1つずつ遊技盤100の前面に形成されている遊技領域7内に打込まれる。遊技領域7の中央付近には、表示装置8が設けられている。
【0018】
表示装置8は、「1」〜「9」の数字図柄から構成される特別図柄を変動表示可能な液晶表示装置よりなる特別図柄表示装置9と、特別図柄表示装置9において変動表示を実行できる回数を点灯しているLEDの数により報知する始動入賞記憶表示器47と、当り図柄である○印と外れ図柄である×印から構成される普通図柄を変動表示可能な普通図柄表示装置13と、普通図柄表示装置13において変動表示を実行できる回数を点灯しているLEDの数により報知するゲート通過記憶表示器46と、遊技盤100の前面側に取り付けられ表示装置8を装飾するための表飾り部材34と、を含んでいる。
【0019】
特別図柄表示装置9は、所定の画像を表示する液晶表示装置9aと、矩形状の窓口が開設された表示用回転枠18と、液晶表示装置9aと表示用回転枠18とを遊技盤100の裏面に取り付けるためのユニットベース35とから構成されている。本実施の形態における表示用回転枠18は、ユニットベース35の前面側において回転可能となるように装着されている。また、液晶表示装置9aは、ユニットベース35の後面側において、表示用回転枠18に開設された窓口を通して遊技者が当該液晶表示装置9aに表示された画像を視認可能となるように装着されている。なお、特別図柄表示装置9の詳細な構成は、図2を用いて後述する。また、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作および表示用回転枠18の回転動作については、図3等を用いて後述する。
【0020】
表示装置8の中央下方には、ソレノイド16によって開閉動作される始動入賞球装置15(電動チューリップ役物)を兼用する始動入賞口14が設けられている。始動入賞口14を通過した遊技球の通路には、入賞した遊技球である入賞球(入賞玉)を検出する始動口スイッチ17が設けられており、始動口スイッチ17により遊技球が検出された場合には、始動入賞記憶表示器47で表示される始動入賞記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、特別図柄表示装置9における変動表示の開始条件が成立した場合には、始動入賞記憶表示器47で表示される始動入賞記憶数を減算更新させるための制御が行なわれるとともに、特別図柄表示装置9において特別図柄の変動表示を開始させる制御が行なわれる。その始動入賞記憶数の上限値は、たとえば「4」に定められている。始動入賞記憶表示器47は、たとえば、始動入賞記憶数が変化したときに、図4を用いて後述する遊技の進行を制御する遊技制御用マイクロコンピュータ53から、始動入賞記憶数を特定するための始動入賞記憶数コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ800に出力され、演出制御用マイクロコンピュータ800により始動入賞記憶数コマンドから特定される数分の表示を行なう制御がなされる。
【0021】
始動入賞口14のさらに下方位置には、ソレノイド21により駆動される開閉板29の開閉動作により開閉される大入賞口20を有する可変入賞球装置30が設けられている。また、大入賞口20は後述する大当り遊技状態が発生したときに、開状態となる。大入賞口20が開状態であるときに入った球は、Vカウントスイッチ23もしくはカウントスイッチ22に検出された後、遊技盤100の背面に導かれる。また、大入賞口20から可変入賞球装置30内に入った球のうち、Vカウントスイッチ23により検出された球は、その後、カウントスイッチ22に向けて誘導され、カウントスイッチ22により検出される。したがって、大入賞口20から内部に入った球は、結果的にすべてカウントスイッチ22により検出される。
【0022】
始動入賞口14の左右には、それぞれ、通過ゲート11が設けられている。通過ゲート11を通過した遊技球の通路には、通過した遊技球を検出するゲートスイッチ12が設けられており、ゲートスイッチ12が遊技球を検出した場合には、ゲート通過記憶表示器46で表示される普通始動記憶数を加算更新させるための制御が行なわれる。そして、普通図柄表示装置13における変動表示の開始条件が成立した場合には、ゲート通過記憶表示器46で表示される普通始動記憶数を減算更新させるための制御が行なわれとともに、普通図柄表示装置13において普通図柄の変動表示を開始させる制御が行なわれる。ゲート通過記憶表示器46は、たとえば、普通始動記憶数が変化したときに、図4を用いて後述する遊技制御用マイクロコンピュータ53から、普通始動記憶数を特定するための普通始動入賞記憶数コマンドが演出制御用マイクロコンピュータ800に出力され、演出制御用マイクロコンピュータ800により普通始動入賞記憶数コマンドから特定される数分の表示を行なう制御がなされる。
【0023】
普通図柄表示装置13における普通図柄の変動表示は、「○」または「×」に対応するLEDを交互に点灯するよう所定時間間隔で点滅させることにより行なわれる。そして当り図柄(○印)が表示されると、始動入賞球装置15が所定時間閉状態から開放状態に制御され、始動入賞口14に打球が入賞しやすい状態となる。その後、始動入賞球装置15は、閉状態となる。
【0024】
始動入賞口14に遊技球が入賞した場合には、始動口スイッチ17から検出信号が出力され、特別図柄表示装置9の各図柄表示部において変動表示が開始される。本実施形態における特別図柄表示装置9には、通常時において液晶表示装置9aの映像によって3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロール表示する。液晶表示装置9aに形成されたマトリックスにより、水平方向の3本のラインと、垂直方向の3本のラインと、対角線の2本との合計8本の表示ラインが形成される。本実施の形態においては、この8つのラインのいずれも組合せ有効列(有効ライン)とされており、このライン上に特定表示結果が停止表示(本実施の形態の場合には、たとえば「777」等のゾロ目が停止表示、または、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示)されれば、遊技者にとって有利な特定遊技状態である大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。
【0025】
大当り遊技状態においては、開閉板29の動作により、通常状態において閉状態とされている大入賞口20が、一定時間経過するまで、または、所定個数(たとえば10個)の打球が入賞するまで開放される制御が行なわれる。そして、大入賞口20の開放中に打球が特定入賞領域に入賞しVカウントスイッチ23で検出されると、継続権が発生し大入賞口20を開放させる制御が再度行なわれる。このような継続権の発生は、所定回数(たとえば15ラウンド)許容される。このような継続権の発生を繰り返す制御は、繰返し継続制御と呼ばれる。
【0026】
図示を省略するが、可変入賞球装置30の内部(大入賞口20内)においては、シーソー式の玉振分部材としての大入賞口内誘導板が設けられている。この大入賞口内誘導板は、Vカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態と、Vカウントスイッチ23とは逆の方向へ向けて傾斜した状態とのいずれかの状態に切換え可能となるようにソレノイド33により駆動制御される。その場合、大入賞口20が1回開放されたとき(1ラウンド中)には、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出するまでは、振分部材がVカウントスイッチ23の方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されやすい状態にされ、Vカウントスイッチ23が玉を1個検出した後は、振分部材がVカウントスイッチ23とは逆方向へ向けて傾斜した状態にされることにより、玉がVカウントスイッチ23により検出されにくい状態にされる。
【0027】
また、変動表示の停止時における液晶表示装置9aでの特別図柄の組合せが大当り発生の確率変動を伴う大当り図柄の組合せ(確率変動図柄の組合せともいう)である場合には、次に大当りとなる確率が高くなる。すなわち、このような場合には、予め定められた確率変動終了条件が成立するまで、特別遊技状態としての確率変動状態(以下、「確変」という。)という遊技者にとってさらに有利な状態となる。確率変動図柄の組合せとしては、たとえば、前述した8つの有効ラインのうち、2つ以上の有効ラインにおいて特定表示結果が停止表示される組合せや、「1」〜「9」の数字図柄全9種類すべてが9つの図柄表示部において停止表示される組合せ等であってもよい。
【0028】
また、確率変動状態では、普通図柄の停止図柄が当り図柄になる確率が高められるとともに、始動入賞球装置15の開放時間と開放回数とが増加する。さらに、確率変動状態では、特別図柄および普通図柄についての図柄の変動表示開始から図柄の停止表示までの時間(変動時間)が短縮される時短制御(変動時間短縮制御)が行なわれる。
【0029】
また、遊技盤100には、複数の入賞口19,24が通常入賞口として設けられている。遊技球の入賞口19,24への入賞は、入賞口スイッチ19a,24aによってそれぞれ検出される。複数の入賞口19,24それぞれに対応して入賞口スイッチ19a,24aが設けられているため、各入賞口19,24毎に入賞した球の検出が迅速に行なわれる。
【0030】
遊技領域7には、遊技中に点灯表示される装飾ランプ25が設けられている。また、遊技領域7の下部には、入賞しなかった打球を吸収するアウト口26が設けられている。
【0031】
次に、パチンコ遊技機1の裏面においては、上部に遊技球を貯留する遊技球タンクが設けられ、パチンコ遊技機1が遊技機設置島に設置された状態でその上方から遊技球が遊技球タンクに供給される。遊技球タンク内の遊技球は、誘導樋を通って、後述する球払出装置97に至る。入賞の発生により玉払出条件が成立した場合には、球払出装置97から景品玉としての賞球がパチンコ遊技機1の前面側に設けられた打球供給皿3または余剰球受皿4に払出される。
【0032】
入賞口スイッチ19a,24a、始動口スイッチ17およびカウントスイッチ22によりそれぞれ入賞球が検出されると、スイッチに応じて予め定められた数の賞球(景品玉)の払出しが行なわれる。たとえば、始動口スイッチ17により入賞球が検出されると6個の賞球が払出される。また、カウントスイッチ22により入賞球が検出されると15個の賞球が払出される。また、入賞口スイッチ19a,24aにより入賞球が検出されると10個の賞球が払出される。
【0033】
図2は、特別図柄表示装置9の構造を説明するための分解斜視図である。
【0034】
特別図柄表示装置9は、遊技盤100の後面に取り付けるユニットベース35と、ユニットベース35の前面側に装着される表示用回転枠18と、ユニットベース35の後面側に装着される液晶表示装置9aとから構成されている。
【0035】
ユニットベース35の中央には、液晶表示装置9aの表示画面の領域よりも広い開口部35bが開設されている。液晶表示装置9aは、ユニットベース35の後面側であって、開口部35b内に液晶表示装置9aの表示画面の領域が収まる位置に固定される。これにより、ユニットベース35の前面側から、開口部35bを通して、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像を視認することができる。
【0036】
さらに、ユニットベース35の前面側には、開口部35bを中心として上方の左右と下方の左右との計4箇所に取付ボス35aが形成されている。取付ボス35aは、表示用回転枠18を保持するための保持部材42が回転できるように取り付け可能に構成されている。また、開口部35bの右側方には、表示用回転枠18を回転させるための駆動モータ38が搭載されている。駆動モータ38の回転軸には、平歯車39が取り付けられており、表示用回転枠18に駆動モータ38からの動力を伝達可能に構成されている。
【0037】
表示用回転枠18は、矩形状の窓口が開設された回転板38と、平歯車39と噛み合うピッチの歯車が内側に形成されたリング状の内歯車39とから構成されている。回転板38は、円形状の不透明部38aと、液晶表示装置9aの表示画面の領域よりも狭い矩形状の透明部38bとから構成されている。透明部38bは、当該透明部38bの対角線の長さが液晶表示装置9aの表示画面の縦と横のうち短い方(短辺)より短くなるように、回転板38の中心に開設されている。回転板38および内歯車39には、各々対応する箇所にビス穴38c、39cが設けられており、ビス止めすることにより、回転板38に内歯車39が取り付けられる。そして、表示用回転枠18は、ユニットベース35の取付ボス35aに取り付けられた保持部材42によって、平歯車39と内歯車39とが噛み合う位置で、回転可能に保持される。これにより、駆動モータ38からの動力が、平歯車39と内歯車39とを介して、表示用回転枠18に伝達され、表示用回転枠18を回転させることができる。
【0038】
前述したように、表示用回転枠18を保持する保持部材42は、開口部35bを中心として形成されている取付ボス35aに取り付けられている。また、表示用回転枠18の透明部38bは、回転板38の中心に配置されている。そして、液晶表示装置9aは、開口部35b内に当該液晶表示装置9aの表示画面の領域が収まる位置に固定される。このため、遊技者は、表示用回転枠18の前面側から、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像のうち、矩形状の透明部38bに対応する画像を視認することができる。
【0039】
本実施の形態においては、駆動モータ38を回転駆動させる制御を行なうことにより、表示用回転枠18を回転させることができ、矩形状の窓口から遊技者が視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域を変化させることができる。
【0040】
そして、液晶表示装置9aは、遊技者が窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域が変化することに合わせて、画像を変化させて表示する。すなわち、液晶表示装置9aは、表示用回転枠18の回転状態(回転角度等)に合わせた画像を表示する。
【0041】
また、本実施の形態においては、駆動モータ38の回転を停止させる制御を行なうことにより、表示用回転枠18の回転を停止させ、窓口を横長状態と縦長状態とに変化させることができる。本実施の形態において、表示用回転枠18に開設された窓口が、縦長状態に制御されている状態を第1表示状態といい、横長状態に制御されている状態を第2表示状態という。たとえば、図1における表示用回転枠18の窓口は、縦長状態となっており、第1表示状態に制御されている。第1表示状態に制御されているときは、遊技者が窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域を縦長状態に制御することができる。そして、液晶表示装置9aは、窓口が縦長状態に制御されたことに合わせて、縦長状態の画像を表示する。また、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されているときは、遊技者が窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面の領域を横長状態に制御することができる。そして、液晶表示装置9aは、窓口が横長状態に制御されたことに合わせて、横長状態の画像を表示する。
【0042】
また、本実施の形態における透明部38bは、当該透明部38bの対角線の長さが液晶表示装置9aの表示画面の短辺より短くなるように開設されている。このため、表示用回転枠18の窓口を通して視認できる範囲は、当該窓口がどのような状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面の領域内となる。これにより、遊技者は、表示用回転枠18の窓口がいかなる状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像を視認できる。
【0043】
次に、図3を参照し、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作について説明する。図3は、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を説明するための図である。なお、図3(a)〜(f)は、表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されているときの特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を示し、図3(g)〜(h)は、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されているときの特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を示している。
【0044】
図3(a)は、特別図柄表示装置9において特別図柄の変動表示が開始されたときの表示画面である。表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されているときには、液晶表示装置9aの映像によって3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の数字図柄を順次スクロール表示する。
【0045】
図3(b)は、スクロール表示が開始されてから所定時間の経過に基づいて、まず左上と右下の図柄表示部に表示される第1図柄が停止したときの表示画面である。
【0046】
図3(c)は、最左列の2段目(「左中」と称する)、次に中央列の第1段目および第3段目(それぞれ「中上」、「中下」と称する)、最右列の2段目(「右中」と称する)の4つの図柄表示部に表示される第2図柄が停止したときの表示画面である。
【0047】
図3(d)は、リーチ状態が発生した旨を報知する表示画面である。ここで、リーチ状態とは、第1、第2図柄が停止した時点、あるいは第1〜第3図柄が停止した時点で、次に図柄が停止したときに特定表示結果の組合せとなる条件を満たしている状態をいう。
【0048】
図3(d)では、第2図柄までが停止した時点で左上と左中との両方に「7」の図柄が表示されており、続く第3図柄のうち左下の停止時の図柄が「7」となれば大当りが発生することとなり、この左上から左下へのラインがリーチ状態となる。さらに、第2図柄までが停止した時点で左上と中上との両方に「7」の図柄が表示されており、続く第3図柄のうち右上の停止時の図柄が「7」となれば大当りが発生することとなり、この左上から右上へのラインがリーチ状態となる。また、図3(d)のように、2本の有効ラインでリーチ状態が発生している状態をダブルリーチ状態という。
【0049】
図3(e)は、最左列の3段目(「左下」と称する)、最右列の1段目(「右上」と称する)の2つの図柄表示部に表示される第3図柄が停止したときの表示画面である。左下に「5」の図柄が、右上に「3」の図柄が停止表示され、リーチ状態となっていた有効ラインにおいて特定表示結果とならなかった旨を示す「リーチはずれ」が表示されている。
【0050】
図3(f)は、中央列の2段目(「中中」と称する)の図柄表示部に表示される第4図柄が停止したときの表示画面である。この時点における表示結果が予め定められた特定表示結果になっていれば、可変入賞球装置30の開閉板29を開成させて遊技者にとって有利な第1の状態とし所定の遊技価値が付与可能な状態にする。図3(f)では、中中の図柄表示部に「3」の図柄が停止表示され、特定表示結果になっていない。
【0051】
次に、図3(g)および(h)を用いて、図3(f)で説明した第4停止が行なわれた後に、表示用回転枠18が回転し、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたときの、特別図柄表示装置9における特別図柄の変動表示動作を説明する。
【0052】
図3(g)は、表示用回転枠18の窓口が横長状態に変化したときの液晶表示装置9aに表示される画像を示している。液晶表示装置9aは、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたことに合わせて、最左列の左側に3つの新たな図柄表示部を作成し、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を表示する。すなわち、最左列の左側に新たな列を新たに作成している。そして、新たに作成した図柄表示部各々において、特別図柄の変動表示が行なわれている。
【0053】
このように、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に変化し、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を液晶表示装置9aに表示することにより、図3(g)における最左列の1段目(「最左上」と称する)の図柄表示部と左上と中上との図柄表示部からなる新第1有効ラインと、最左上と左中と中下との図柄表示部からなる新第2有効ラインと、最左列の2段目(「最左中」と称する)の図柄表示部と左中と中中との図柄表示部からなる新第3有効ラインと、最左列の3段目(「最左下」と称する)の図柄表示部と左中と中上との図柄表示部からなる新第4有効ラインと、最左下と左下と中下との図柄表示部からなる新第5有効ラインと、最左上と最左中と最左下との図柄表示部からなる新第6有効ラインと、が作成される。
【0054】
また、図3(g)では、左上と中上との図柄表示部と、左中と中上との図柄表示部とで「7」が停止表示されているため、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインでリーチ状態が発生している。これにより、図3(f)により第4停止が行なわれた後に、表示用回転枠18が回転し、さらに、その回転に合わせて液晶表示装置9aにおいて新たな図柄表示部が作成され、敗者復活的にリーチ状態が発生するため、特定表示結果となり大当り遊技状態に制御されるかもしれないといった期待感を遊技者に抱かせることができる。
【0055】
図3(h)は、最左上の図柄表示部に「7」が停止し、新第1有効ラインにおいて特定表示結果が停止表示されたときの表示画面である。これにより、大当り遊技状態が発生し、通常遊技状態からその大当り遊技状態に移行する制御が行なわれる。最左上の図柄表示部に「3」が、最左下の図柄表示部に「5」が、各々停止しており、新第4有効ラインにおいて特定表示結果となっていない。なお、最左下の図柄表示部に「7」が停止したときには、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインにおいて特定表示結果が表示されるため、確率変動図柄の組合せとなり、大当り遊技状態が終了した後に、確率変動状態に制御される。
【0056】
なお、図3(g)において、最左上の図柄表示部と最左下の図柄表示部とに「3」が各々停止したときには、新第1有効ラインおよび新第4有効ラインのいずれにおいても特定表示結果とならず、大当り遊技状態に制御されない。しかし、最左中の図柄表示部が変動表示しているときには、新第6有効ラインにおいてリーチ状態が発生している。このため、最左中の図柄表示部に「3」が停止すると、新第6有効ラインにおいて特定表示結果となり、大当り遊技状態に制御される。
【0057】
なお、表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されているときには、液晶表示装置9aに組合せ有効ラインが8ラインとなる画像が表示され、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されているときには、液晶表示装置9aに6ラインの組合せ有効ラインが追加された画像が表示される例について説明した。しかし有効ラインはこれには限定されず、たとえば1ラインでも、他の複数のラインでもよい。また、前述の実施の形態では特別図柄表示装置9の停止順序が第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄の順序で行なわれたが、これには限定されない。また、第1図柄として左上および右下、第2図柄として左中、中上、中下、右中、第3図柄として左下、右上、第4図柄として中中の図柄が選択されたが、前述の実施の形態には限定されない。また識別情報の表示方法は前述の実施の形態では各図柄ごとのスクロール表示となっているが、これをスクロールとせずに、切換表示としてもよい。
【0058】
また、特別図柄表示装置9を構成する液晶表示装置9aは、液晶表示装置に限らず、CRT(Cathode Ray Tube)、FED(Field Emission Display)、PDP(Plasma Display Panel)、ドットマトリクス、7セグメントLED等のLED(Light Emitting Diode)、エレクトロルミネッセンス、蛍光表示管等のその他の画像表示式の表示装置により構成されてもよい。また、前述の実施の形態では、LEDにより構成される普通図柄表示装置13の説明をしたが、これに限らず、7セグメント表示器など、数字等のそのほかの図柄を変動表示可能なものを普通図柄表示部に使用してもよい。つまり、普通図柄としては、何らかの形で特別図柄と区別して認識できるようなものであればよい。
【0059】
図4は、パチンコ遊技機1における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。なお、図4には、制御基板として、遊技制御基板31、払出制御基板37、および、演出制御基板80が示されている。
【0060】
遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53と、スイッチ回路58と、ソレノイド回路59とが含まれている。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、プログラムに従ってパチンコ遊技機1を制御する。スイッチ回路58は、ゲートスイッチ12、始動口スイッチ17、Vカウントスイッチ23、カウントスイッチ22、入賞口スイッチ19a,24a、満タンスイッチ48、球切れスイッチ187、球切れ検出スイッチ167、および、賞球カウントスイッチ301Aからの信号を遊技制御用マイクロコンピュータ53に与える。ソレノイド回路59は、始動入賞球装置15を開閉するソレノイド16、大入賞口20の開閉板29を開閉するソレノイド21、および、大入賞口内誘導板を動作させるソレノイド33を遊技制御用マイクロコンピュータ53からの指令に従って駆動する。
【0061】
また、遊技制御基板31は、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるデータに従って、大当りの発生を示す大当り情報、特別図柄表示装置9における変動表示開始(始動)に利用された始動入賞球の個数を示す始動情報(有効始動情報)、確率変動が生じたことを示す確変情報、および、賞球数を示す賞球情報をホール管理コンピュータ等のホストコンピュータに対して出力する情報出力回路64を含んでいる。
【0062】
遊技制御用マイクロコンピュータ53は、遊技制御用のプログラム等を記憶する記憶手段の一例であるROM54、ワークメモリとして使用される記憶手段の一例であるRAM55、制御用プログラムに従って制御動作を行なうCPU56およびI/Oポート部57を含む遊技制御用のマイクロコンピュータである。この実施の形態ではROM54,RAM55はCPU56に搭載されている。すなわち、CPU56は、1チップマイクロコンピュータである。なお、CPU56とROM54,RAM55とは1チップ化されていなくてもよい。つまり、ROM54、RAM55およびI/Oポート部57は外付けであっても内蔵されていてもよい。また、I/Oポート部57は、マイクロコンピュータにおける情報入出力可能な端子である。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、接続された各種スイッチ(検出器)からの信号を受け、接続された制御対象の機器を駆動する制御を行なう。
【0063】
さらに、遊技制御基板31には、遊技制御用マイクロコンピュータ53から与えられるアドレス信号をデコードしてI/Oポート部57のうちいずれかのI/Oポート部を選択するための信号を出力するアドレスデコード回路67が設けられている。なお、球払出装置97から遊技制御基板31に入力されるスイッチ情報もあるが、図4においては省略されている。
【0064】
また、演出制御基板80には、表示制御、ランプ制御、モータ駆動制御、音制御、および、記憶表示制御の各制御手段として機能し、これらの制御により遊技の演出制御を行なうことが可能な演出制御用マイクロコンピュータ800が搭載されている。この演出制御用マイクロコンピュータ800の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。
【0065】
遊技制御基板31から演出制御基板80には、演出制御基板80により制御が行なわれる機器の制御のための指令情報である演出制御コマンド等の情報が伝送される。演出制御用マイクロコンピュータ800は、このような演出制御コマンドに応じて制御対象機器を駆動する制御を行なう。
【0066】
そのため、演出制御コマンドには、特別図柄および普通図柄の変動表示制御内容についての表示制御コマンド、ランプおよびLED等の発光体(以下、ランプと総称する)の制御内容についてのランプ制御コマンド、可動部材の制御内容についての可動部材制御コマンド、ならびに、音の制御内容についての音制御コマンドが含まれている。
【0067】
具体的に、表示制御コマンドとしては、たとえば変動表示に用いる変動パターンを特定するための変動パターンコマンドや、変動表示の停止図柄を特定するための停止図柄コマンドや、変動表示の停止タイミングを特定するための変動停止コマンドや、大当り時の表示等の変動表示に関する各種指令が示される。演出制御用マイクロコンピュータ800では、この表示制御コマンドに応じて、特別図柄表示装置9における変動表示等の表示制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されたROMには、変動パターンコマンド毎に、液晶表示装置9aに表示する画像データが記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに対応する画像データを読出し、当該画像データから作成される画像を液晶表示装置9aに表示する。よって、たとえば、図3で説明した表示画面に表示された画像は、演出制御用マイクロコンピュータ800により、受信した変動パターンコマンドに対応する画像データがROMから読出され、当該画像データから作成された画像である。演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されたROMには、変動パターンコマンド毎に、第1図柄、第2図柄、第3図柄、第4図柄を停止表示するタイミングを特定するためのデータも画像データとして記憶されている。
【0068】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、ランプ制御コマンドに応じて、遊技効果ランプ28a〜28c、賞球ランプ51、球切れランプ52、役物飾りランプ40、および装飾ランプ25のような発光体の駆動制御(発光動作制御)を行なう。
【0069】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、変動パターンコマンドに応じて駆動モータ38を駆動させるための駆動電流を制御して表示用回転枠18のモータ駆動制御を行なう。演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されたROMには、変動パターンコマンド毎に、駆動モータ38を駆動させる駆動パターンデータが記憶されている。演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した変動パターンコマンドに対応する駆動パターンデータを読出し、当該駆動パターンデータに従い駆動モータ38を駆動させるための駆動信号を出力する。よって、たとえば、図3(g)のように、第1表示状態から第2表示状態への変化は、演出制御用マイクロコンピュータ800により、受信した変動パターンコマンドに対応する駆動パターンデータがROMから読出され、当該駆動パターンデータに従い駆動信号が出力されたことにより、駆動モータ38が回転駆動した結果である。
【0070】
また、演出制御用マイクロコンピュータ800では、始動入賞記憶数コマンドに応じて始動入賞記憶表示器47を構成するLEDを点灯させるための駆動電流を、また、普通始動入賞記憶数コマンドに応じてゲート通過記憶表示器46を構成するLEDを点灯させるための駆動電流を、制御して記憶表示制御を行なう。
【0071】
さらに、演出制御用マイクロコンピュータ800では、遊技制御基板31から伝送される効果音等の音声制御に関する指令情報としての音制御コマンドに応じて、スピーカ27から出力される(発生される)音の制御を行なう。
【0072】
また、遊技制御基板31から払出制御基板37には、払出制御基板37により駆動制御される球払出装置97による賞球の払出制御に関する指令情報としての払出制御コマンド等の情報が伝送される。この払出制御コマンドは、入賞球の発生に応じた賞球の払出数等を指令するコマンドである。払出制御基板37では、払出制御用マイクロコンピュータ370(払出制御手段)が搭載されており、この払出制御用マイクロコンピュータ370が、払出制御コマンドに応じて賞球の払出制御を行なう。この払出制御用マイクロコンピュータ370の構成は、前述した遊技制御用マイクロコンピュータ53と同様である。また、払出制御用マイクロコンピュータ370では、カードユニット50と相互に情報通信することにより、カードユニット50からの指令に応じた貸球の払出制御も行なわれる。
【0073】
この実施の形態では、遊技制御基板31および払出制御基板37に設けられたRAMが、バックアップ電源でバックアップされている。すなわち、パチンコ遊技機1に対する電力供給が停止しても、所定期間はRAMの内容が保存される。そして、各制御基板におけるCPUは、電源電圧の低下を検出すると、所定の処理を行なった後に電源復旧待ちの状態になる。また、電源投入時に、各制御基板におけるCPUは、RAMにデータが保存されている場合には、保存データに基づいて電源断前の状態を復元する。
【0074】
遊技制御基板31(遊技制御用マイクロコンピュータ53)から各制御基板へ送信される情報には、制御の指令内容を示す制御コマンドと、該コマンドの取込みタイミングを示すINT信号とが含まれる。ここで、コマンドは、1コマンドが2バイトのデータで構成されており、制御モードの種類を指令する1バイトのMODEデータと、MODEデータで指令された制御モードにおける具体的な制御内容を指令する1バイトのEXTデータとにより構成される。遊技制御用マイクロコンピュータ53は、このような2バイトのデータを、指令先の各制御基板へ順次送信することにより、制御内容を指令する。
【0075】
図4においては、変動表示制御機能、ランプ制御機能、モータ駆動制御機能、音制御機能、および、記憶表示制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませ、そのマイクロコンピュータ800が前述したような表示制御コマンド、ランプ制御コマンド、音制御コマンド、および、始動入賞記憶数コマンド等を受信し、そのコマンドに応じて各種制御を行なうようにした例を示した。このような構成を採用することにより、このパチンコ遊技機1では、変動表示制御、ランプ制御、モータ駆動制御、音制御、および、記憶表示制御を同期させた演出を容易に行なうことができる。
【0076】
なお、このように変動表示制御機能、ランプ制御機能、モータ駆動制御機能、音制御機能、および、記憶表示制御機能のすべてを1つのマイクロコンピュータ800に含ませる構成に限らず、変動表示制御機能、ランプ制御機能、モータ駆動制御機能、音制御機能、および、記憶表示制御機能を複数個のそれぞれのマイクロコンピュータに分割構成したり、適宜組合せて複数個のマイクロコンピュータで構成し、各マイクロコンピュータ用に定められたコマンドに応じて各種制御を行なうようにしてもよい。
【0077】
次に、遊技制御用マイクロコンピュータ53のCPU56により実行される制御を説明する。遊技制御用マイクロコンピュータ53では、遊技の進行を制御するための処理である遊技制御のメイン処理およびタイマ割込み処理が実行され、これらの処理により、各種制御用のサブルーチンプログラムが呼び出されて実行されることにより、各種の遊技制御が行なわれる。
【0078】
遊技制御用マイクロコンピュータ53では、具体的に、パチンコ遊技機1において大当りとするかはずれとするかの決定(大当り判定ともいう)、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)、特別図柄の変動表示における変動パターンの決定、および、特別図柄の停止図柄の決定等の各種制御事項の決定のための処理が行なわれる。以下、その処理手順を簡単に説明する。
【0079】
大当りとするかはずれとするかの決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、大当り判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当りを発生させるか否かをランダムに決定するためのものであり、たとえば、0からカウントアップして所定の上限値までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(2msec毎)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタのカウント値が抽出され、その抽出値が、予め定められた大当り判定値と一致するか否かの判断がなされる。抽出されたランダムカウンタの値と大当り判定値とが一致した場合は、大当りを発生させることが決定され、大当りフラグがオン状態にセットされ、大当り状態の制御が行なわれる。なお、大当りフラグとは、今から開始される特別図柄の変動表示の表示結果を特定表示結果とするか否かの判断に用いるフラグである。確率変動状態以外の通常の確率状態においては、大当り判定値がたとえば1つの数値に設定される。確率変動状態においては、大当り判定値が複数の数値に設定されることにより、確率変動状態の場合には大当りの発生確率が向上するのである。
【0080】
次に、リーチ状態とするか否かの決定(リーチ判定ともいう)は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ判定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、大当り判定においてはずれとする決定がされた場合にリーチ状態を発生させるか否かをランダムに決定するためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が予め定められたリーチ判定値と一致する場合に、リーチ状態とすることが決定され、リーチフラグががオン状態にセットされ、変動表示中にリーチ状態が発生する。なお、リーチフラグとは、今から開始される特別図柄の変動表示中にリーチ状態を発生させるか否かの判断に用いるフラグである。。一方、大当り判定において大当りとする決定がされた場合には、リーチ決定用のランダムカウンタを用いた決定は行なわれず、すべての場合にリーチ状態となる。
【0081】
また、特別図柄の変動表示においてリーチ状態となる決定がされた場合(大当りとする決定が行なわれた場合と、はずれとする決定が行なわれた場合との両方を含む)には、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、リーチ状態の変動パターンが複数種類の変動パターンのうちから選択的にランダムに決定される。このような変動パターンの決定は、変動パターン決定用のランダムカウンタのカウント値を用いて行なわれる。このランダムカウンタは、変動パターンをランダムに決定するためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段であり、たとえば、「0」からカウントアップして上限値である「99」までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで抽出されたカウンタの値が、複数種類予め定められた変動パターン決定値のうちの一致するものに対応する変動パターンとすることが決定される。
【0082】
ここで、本実施の形態における変動パターンを設定するための変動パターン設定処理と、変動パターンを設定するために用いる変動パターン決定用テーブルを説明する。
【0083】
図5は、遊技制御用マイクロコンピュータ53により定期的に行なわれる遊技制御メイン処理のうち、特別図柄表示装置9において特別図柄の変動表示が新たに開始される直前に行なわれる変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【0084】
まず、S40において、大当りを発生させるか否かを示す大当りフラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。S40において、大当りフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、S41において図6を用いて後述する大当り時テーブルをルックアップし、S45に移行される。一方、S40において、大当りフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、S42においてリーチ状態を発生させるか否かを示すリーチフラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。
【0085】
S42において、リーチフラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、S43において図6を用いて後述するリーチ時テーブルをルックアップし、S45に移行される。一方、S42において、リーチフラグがオン状態にセットされていないと判断されたときには、S44において図6を用いて後述するはずれ時テーブルをルックアップし、S45に移行される。
【0086】
S45においては、始動入賞口14に入賞したときに変動パターン決定用のランダムカウンタから抽出されたカウント値に応じて、S41、S43、S44のうちいずれかにおいてルックアップされているテーブルを用いて、変動パターンを決定する処理が行なわれる。
【0087】
そして、S46においては、S45で決定された変動パターンに基づき、特別図柄表示装置9において新たな変動表示を開始するために、特別図柄用プロセスフラグの値を特別図柄変動処理が行なわれる値に更新する処理を行ない、変動パターン設定処理を終了する。
【0088】
特別図柄変動処理においては、変動パターン設定処理において決定された変動パターンの内容に対応する変動パターンコマンドを、特別図柄表示装置9における変動表示の制御を指令するために演出制御用マイクロコンピュータ800へ送信する処理がなされる。
【0089】
図6は、本実施の形態で用いる変動パターン決定用テーブルであって、変動表示の表示結果が大当り・リーチ・はずれのいずれになるかにより予め定められた振分率と、変動パターン決定用のランダムカウンタからの抽出値とに基づき、変動パターンを決定するために用いられるテーブル説明するための図である。
【0090】
大当りになると判定されたとき、すなわち、大当りフラグがオン状態にセットされているときには、「大当り時テーブル」を用いて、抽出値が0〜79の範囲内のときには「スーパーリーチ」が、抽出値が80〜94の範囲内のときには「ミドルリーチ」が、抽出値が95〜99の範囲内のときには「ノーマルリーチ」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
【0091】
リーチになると判定されたとき、すなわち、リーチフラグがオン状態にセットされているときには、「リーチ時テーブル」を用いて、抽出値が0〜19の範囲内のときには「スーパーリーチ」が、抽出値が20〜39の範囲内のときには「ミドルリーチ」が、抽出値が40〜99の範囲内のときには「ノーマルリーチ」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
【0092】
リーチを発生させないはずれになると判定されたときには、「はずれ時テーブル」を用いて、抽出値が0〜74の範囲内のときには「通常変動A」が、抽出値が75〜99の範囲内のときには「通常変動B」が、それぞれ変動パターンとして決定される。
【0093】
以上のように、本実施形態における変動パターンの決定は、事前判定された判定結果に対応する変動パターン決定用テーブルのそれぞれに予め定められて記憶されている振分率にもとづいて変動表示に実行される変動パターンが決定される。
【0094】
また、それぞれのテーブルに記憶されている振分率が、大当りと判定されたときには高確率でスーパーリーチが変動パターンとして決定されるように、リーチと判定されたときには高確率でノーマルリーチが変動パターンとして決定されるように予め記憶されている。これにより、スーパーリーチになったときに大当りになる信頼度が最も高く、さらにミドルリーチになったときに大当りになる信頼度はノーマルリーチになったときに大当りになる信頼度よりも高くなるようにすることができ、実行される変動パターンによって遊技者の期待感を向上させることができる。
【0095】
本実施の形態では、変動パターンとして、「スーパーリーチ」、「ミドルリーチ」、「ノーマルリーチ」のいずれかがセットされたときに、変動表示中においてリーチ状態が発生した後に、表示用回転枠18が回転駆動する回転駆動演出が行なわれるとともに、回転駆動演出に合わせた画像を表示する回転表示演出が行なわれる。なお、リーチ状態が発生する変動パターンの変動時間は、「スーパーリーチ」がセットされているときが最も長く、「ノーマルリーチ」がセットされているときが最も短くなるように、設定されている。
【0096】
なお、本実施の形態において、リーチ状態が発生する変動パターンがセットされているときには、変動パターンの種類に関わらず、リーチ状態が発生した後に回転駆動演出および回転表示演出を行なう例について説明するが、これに限らず、リーチ状態が発生する変動パターンがセットされているときであっても、変動パターンの種類に応じて、リーチ状態が発生した後に回転駆動演出および回転表示演出を行なうようにしてもよい。たとえば、「スーパーリーチ」または「ミドルリーチ」がセットされているときに、回転駆動演出および回転表示演出を行ない、「ノーマルリーチ」がセットされているときに、回転駆動演出および回転表示演出を行なわないように設定してもよい。
【0097】
次に、特別図柄の変動表示における停止図柄を決定する処理手順を説明する。特別図柄の変動表示における停止図柄の決定は、遊技制御用マイクロコンピュータ53において、各図柄に対応する停止図柄決定用のランダムカウンタのそれぞれのカウント値を用いて行なわれる。この各ランダムカウンタは、対応する特別図柄の停止図柄をランダムに決定するためのものであって、大当り判定用のランダムカウンタと同様に機能する数値データ更新手段である。複数種類の停止図柄のそれぞれには図柄決定用の数値データが対応付けられており、はずれとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングで各ランダムカウンタから抽出されたカウンタの値と一致する数値データに対応する図柄が停止図柄として決定される。一方、大当りとする決定がされた場合には、特別図柄の変動開始時等の所定のタイミングでランダムカウンタから抽出されたカウンタの値に基づいていずれの有効ラインに特定表示結果を表示するかが決定される。
【0098】
以上のように、本実施の形態におけるパチンコ遊技機1は、制御用マイクロコンピュータ53により、このような各種ランダムカウンタを用いて制御内容が決定され、その決定に従った制御が実行される。そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、各種制御コマンドを演出制御用マイクロコンピュータ800に送信する。次に、演出制御用マイクロコンピュータ800に送信される各種制御コマンドのうち表示制御コマンドを例に挙げて制御コマンドの送信例を説明する。
【0099】
まず、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動パターン(変動表示時間を含む)を特定する変動パターンコマンドを送信する。変動パターンコマンドとしては、基本的に、リーチ状態が発生することなく表示結果がはずれとなる通常変動Aパターンコマンドおよび通常変動Bパターンコマンド、リーチ状態が発生し表示結果が表示されるスーパーリーチコマンド、ミドルリーチコマンド、および、ノーマルリーチコマンド等の各種コマンドが含まれる。これにより、演出制御用マイクロコンピュータ800は、変動パターンコマンドを受信すると、変動パターンについて認識することができる。
【0100】
そして、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、変動パターンコマンドの送信に引続き、特別図柄の予定停止図柄を指定する停止図柄コマンドを送信する。
【0101】
その後、特別図柄の変動表示が開始されてから変動パターンコマンドにより指定した変動表示時間が経過した時に、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、特別図柄の変動表示の停止を指示するための変動停止コマンドを送信する。
【0102】
そして、変動表示の結果として大当りとなった場合、遊技制御用マイクロコンピュータ53では、大当り制御時の表示制御内容を指定するコマンド等の各種コマンドを送信する制御が行なわれる。
【0103】
演出制御用マイクロコンピュータ800では、前述したような各種表示制御コマンドを受信した場合に、そのコマンドにより指定される表示制御およびモータ駆動制御を実行する。
【0104】
図7は、(a)が演出制御メイン処理を示すフローチャートであり、(b)がタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。演出制御メイン処理においては、Sub1において、初期化処理が行なわれる。この初期化処理においては、演出制御基板80に搭載されているRAMに記憶されている記憶内容すべてが消去され、新たに各パラメータの初期値(たとえば、「0」)が設定される。
【0105】
次に、Sub2においては、演出制御に用いるランダムカウンタのカウント値を更新する乱数更新処理が行なわれる。本実施の形態においては、特に、表示用回転枠18が回転することを事前に予告するか否かの判定に用いる予告判定用のランダムカウンタ(以下、ランダムカウンタSR1という)のカウント値を更新する処理が行なわれる。このランダムカウンタSR1は、たとえば、0からカウントアップして上限値である9までカウントアップした後再度0からカウントアップし直す数値データ更新手段である。このカウント動作は、所定周期(33msec毎)で1ずつ加算されることとなる。始動口スイッチ17により始動入賞が検出されると、それに応じてこのランダムカウンタSR1のカウント値が抽出され、その抽出値が、複数種類予め定められた予告判定値のうちの一致するものに対応する駆動予告パターンとすることが決定される。この処理については、図10を用いて後述する。
【0106】
次に、Sub3においてタイマ割込フラグがセットされているか否かが判別される。タイマ割込フラグがセットされていなければSub2に戻り、タイマ割込フラグがセットされていれば、Sub4に進みタイマ割込フラグをクリアしてからSub5においてコマンド解析処理を行なう。
【0107】
Sub5のコマンド解析処理においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から送信されてきた各種コマンドを受信して、受信したコマンドがいかなるコマンドであるかを解析する処理が行なわれる。本実施の形態においては、特に、遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ800に変動パターンコマンドが伝送されたときには、当該変動パターンコマンドをRAMに記憶するとともに、特別図柄表示装置9において新たな変動表示を開始するための有効フラグをオン状態にセットする処理が行なわれる。
【0108】
次に、Sub6においては、表示制御プロセス処理が行なわれる。この表示制御プロセス処理は、液晶表示装置9aの表示画面に画像を表示させるための変動開始コマンド受信待ち処理、変動表示動作設定処理、図柄変動中処理、全図柄停止待ち処理、および、大当り表示処理等の処理が行なわれる。Sub7においては、モータ駆動制御処理が行なわれる。このモータ駆動制御処理は、変動パターンコマンド等に基づき、駆動モータ38を回転させるためのモータ駆動信号を出力し、駆動モータ38の回転駆動を制御する処理が行なわれる。
【0109】
Sub8においては、音・ランプ制御コマンド処理が行なわれる。この音・ランプ制御コマンド処理は、前述したように、遊技制御用マイクロコンピュータ53から演出制御用マイクロコンピュータ800に伝送されてきた各種コマンドに基づき、遊技音やランプ点灯パターンなどについてのコマンドの設定がなされ、それぞれ対応した音・ランプ駆動信号を制御対象機器に出力される。これにより、同期のとれた演出を行なうことができる。
【0110】
また、図7(b)においては、タイマ割込み処理が行なわれ、Sub9においてタイマ割込みフラグがセットされている。このタイマ割込みは、33msecごとに行なわれる。そして、Sub10において、タイマ割込み許可がなされてタイマ割込処理を終了する。
【0111】
図8は、表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。表示制御プロセス処理においては、Sub20において変動開始コマンド受信待ち処理が行なわれる。変動開始コマンド受信待ち処理においては、コマンド解析処理によって、変動パターンコマンドを受信したときにセットされる有効フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。有効フラグがオン状態にセットされていると判断されたときには、変動表示動作設定処理に移行させるために、プロセスフラグの値を変動表示動作設定処理の値に更新する処理を行ない、変動開始コマンド受信待ち処理を終了する。なお、有効フラグがオン状態にセットされない状態が所定時間経過したときに、液晶表示装置9aにおいて客待ちデモ表示が行なわれる。
【0112】
次に、Sub21においては、変動表示動作設定処理が行なわれる。変動表示動作設定処理においては、変動パターンに対応したタイマをスタートさせ変動表示が開始されるように制御する。
【0113】
次に、Sub22においては、図柄変動中処理が行なわれる。図柄変動中処理においては、変動パターンを構成する各変動状態(図柄の変動速度、マトリクス)の切替タイミングを制御するとともに、変動時間の終了を監視する。変動パターンを構成する各変動状態を特定するためのデータは、変動パターン毎に、演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されているROMに予め記憶されている。
【0114】
また、Sub23においては、全図柄停止待ち処理が行なわれる。全図柄停止待ち処理においては、変動時間の終了時に、図柄の変動を停止するための表示制御を行なう。また、Sub24においては大当り表示処理が行なわれる。大当り表示処理においては、変動時間の経過後、確変大当り表示または通常大当り表示するための制御を行ない、大当り遊技状態に制御されているときに液晶表示装置9aに大当り画像を表示する制御を行なう。
【0115】
図9は、モータ駆動制御処理を説明するためのフローチャートである。モータ駆動制御処理においては、まず、Sub50において、有効フラグがオン状態にセットされているか否かを判別する処理が行なわれる。すなわち、変動パターンコマンドを受信したか否かを判別する処理が行なわれる。Sub50において、セットされていないと判断されたときにはSub53へ移行し、セットされていると判断されたときには、Sub50aにおいて有効フラグをオフ状態にセットし、Sub51において受信した変動パターンコマンドに対応する駆動パターンをセットする処理が行なわれる。
【0116】
Sub51では、たとえば、スーパーリーチの変動パターンコマンドに対応して「大回転駆動」が、ミドルリーチの変動パターンコマンドに対応して「傾斜駆動」が、ノーマルリーチの変動パターンコマンドに対応して「震動駆動」が、各々駆動パターンとしてセットする処理が行なわれる。なお、通常変動Aおよび通常変動Bの変動パターンコマンドであるときには、駆動パターンはセットされない。
【0117】
Sub52においては、駆動予告パターン設定処理が行なわれる。駆動予告パターン設定処理においては、表示用回転枠18が回転することを事前に予告するか否かの判定を行ない、駆動予告パターンをセットする処理が行なわれる。これについては、図10を用いて後述する。
【0118】
Sub53においては、Sub51においてセットされた駆動パターン、および、Sub52においてセットされた駆動予告パターンに応じて、駆動モータ38を駆動させるための、モータ駆動信号を出力する処理を行ない駆動モータ制御処理を終了する。なお、出力するモータ駆動信号や、出力タイミングを特定するためのデータは、駆動パターンおよび駆動予告パターン毎に、演出制御用マイクロコンピュータ800に搭載されているROMに予め記憶されている。
【0119】
図10は、駆動予告パターン設定処理を説明するためのフローチャートである。駆動予告パターン設定処理においては、まず、Sub60において、前述したランダムカウンタSR1からカウント値を抽出する処理が行なわれる。
【0120】
Sub61においては、図7のSub5で説明したコマンド解析処理により解析された変動パターンコマンドに対応する駆動予告テーブルをルックアップする処理が行なわれる。ここで駆動予告テーブルについて、図11を用いて説明する。
【0121】
図11は、本実施の形態で用いる駆動予告テーブルであって、受信した変動パターンコマンド毎に、予め定められた振分率とランダムカウンタSR1からの抽出値とに基づき、駆動予告パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
【0122】
スーパーリーチとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「スーパーリーチ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0〜6の範囲内のときには「大回転駆動予告」が、抽出値が7のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が8のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が9のときには、予告が行なわれない。
【0123】
次に、ミドルリーチとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「ミドルリーチ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0〜1の範囲内のときには「大回転駆動予告」が、抽出値が2〜6の範囲内のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が7のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が8〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0124】
次に、ノーマルリーチとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「ノーマルリーチ時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0のときには「大回転駆動予告」が、抽出値が1〜2の範囲内のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が3〜7の範囲内のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が8〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0125】
次に、通常変動Aとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「通常変動A時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0のときには「震動駆動予告」が駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が1〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0126】
次に、通常変動Bとなる変動パターンコマンドを受信したときには、「通常変動B時テーブル」を用いて、ランダムカウンタSR1からの抽出値が0のときには「傾斜駆動予告」が、抽出値が1のときには「震動駆動予告」が、それぞれ駆動予告パターンとして決定される。なお、ランダムカウンタSR1からの抽出値が2〜9の範囲内のときには、予告が行なわれない。
【0127】
図10の駆動予告パターン設定処理のSub62においては、Sub60においてランダムカウンタSR1からの抽出値と、Sub61においてルックアップされた駆動予告テーブルに予め定められた予告判定値と、を比較し駆動予告パターンをセットする処理を行ない、駆動予告パターン設定処理を終了する。なお、予告が行なわれない決定がなされたときには、いずれの駆動予告パターンもセットされない。
【0128】
以上のように、本実施形態における駆動予告パターンは、受信した変動パターンコマンドに対応する駆動予告テーブルのそれぞれに予め定められて記憶されている振分率に基づいて決定される。なお、演出制御用マイクロコンピュータ800は、決定された駆動予告パターンに応じて、変動表示開始時に、当該駆動予告パターンに基づく表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに、3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させて画像を表示する制御を行なう。
【0129】
次に、駆動パターンまたは駆動予告パターンがセットされているときの、表示用回転枠18の回転状態を説明する。図12は、駆動パターンおよび駆動予告パターンの動作内容を説明するための図である。なお、図12で説明する動作内容等に限られるものでない。
【0130】
図12(a)を参照し、たとえば、変動パターンとしてスーパーリーチがセットされ、駆動パターンとして大回転駆動パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0131】
回転駆動演出としては、第4図柄が停止したときに(図3(f)参照)、表示用回転枠18が反時計回りに3回転した後に、さらに、反時計回りに4分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が大回転し、第2表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0132】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が反時計回りに回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する。そして、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたときに、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を液晶表示装置9aに表示し(図3(g)参照)、新たに作成された図柄表示部において変動表示を再開する演出が行なわれる。
【0133】
次に、変動パターンとしてミドルリーチがセットされ、駆動パターンとして傾斜駆動パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0134】
回転駆動演出としては、第4図柄が停止したときに(図3(f)参照)、表示用回転枠18が時計回りに4分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が傾斜する演出が行なわれ、第2表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0135】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が時計回りに回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する。そして、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたときに、3行×4列のマトリックス状の配列に変化させた画像を液晶表示装置9aに表示し(図3(g)参照)、新たに作成された図柄表示部において変動表示を再開する演出が行なわれる。
【0136】
次に、変動パターンとしてノーマルリーチがセットされ、駆動パターンとして震動駆動パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0137】
回転駆動演出としては、第2図柄が停止したときに(図3(c)参照)、表示用回転枠18が時計回りに8分の1回転した後、反時計回りに4分の1回転し、さらに、時計回りに8分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が震動する演出が行なわれ、元通りの第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0138】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する。そして、表示用回転枠18の窓口が第1表示状態に制御されたときに、3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示し、回転駆動演出前と同様に、9つの図柄表示部において変動表示が行なわれる。
【0139】
次に、図12(b)を参照し、たとえば、駆動予告パターンとして、大回転駆動予告パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0140】
回転駆動演出としては、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動開始したときに(図3(a)参照)、表示用回転枠18が反時計回りに1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が大回転する可能性があることを予告し、再び第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0141】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が反時計回りに回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する演出が行なわれる。
【0142】
次に、駆動予告パターンとして、傾斜駆動予告パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0143】
回転駆動演出としては、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動開始したときに(図3(a)参照)、表示用回転枠18が時計回りに4分の1回転した後に、反時計回りに4分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が傾斜する可能性があることを予告し、再び第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0144】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する演出が行なわれる。
【0145】
次に、駆動予告パターンとして、震動駆動予告パターンがセットされているときの回転駆動演出および回転表示演出について説明する。
【0146】
回転駆動演出としては、特別図柄表示装置9において特別図柄が変動開始したときに(図3(a)参照)、表示用回転枠18が時計回りに8分の1回転した後に、反時計回りに8分の1回転するように駆動モータ38を駆動するための駆動信号が出力され、表示用回転枠18の窓口が震動する可能性があることを予告し、再び第1表示状態に制御する演出が行なわれる。
【0147】
また、回転表示演出としては、表示用回転枠18が回転中のときに、その回転している表示用回転枠18の窓口の状態に合わせた向きに3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部を回転させる画像を液晶表示装置9aに表示する演出が行なわれる。
【0148】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
【0149】
(1) 前述した実施形態においては、液晶表示装置9aは、その前面において回転可能に保持されている表示用回転枠18の窓口の状態に応じた画像を表示することができる。このため、物理的に液晶表示装置9aを回転させることなく、表示用回転枠18の回転に合わせて液晶表示装置9aが回転しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができる。また、このような斬新な演出は、図2を用いて説明したように表示用回転枠18を回転させる簡単な構造で、実現することができる。
【0150】
(2) 前述した実施形態においては、図6を用いて説明したように、たとえば、スーパーリーチおよびミドルリーチは、ノーマルリーチと比較し、リーチフラグがオン状態にセットされているときよりも、大当りフラグがオン状態にセットされているときの方が、変動パターンとして設定されやすい。また、駆動パターンは、設定された変動パターンから特定され、図12を用いて説明したように駆動パターンの種類に応じて、表示用回転枠18を異なるタイミング、内容で回転することができる。これにより、表示用回転枠18の回転タイミングや回転内容によって、大当り遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を、異ならせることができ、遊技の興趣を向上させることができる。
【0151】
(3) 前述した実施形態においては、図12を用いて説明したように大回転駆動パターンおよび傾斜駆動パターンで表示用回転枠18を回転させた後は、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御される。そして、液晶表示装置9aでは、表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたことに合わせて、図3(g)で説明したように、最左列の左側に新たに作成された列の図柄表示部が作成され表示される。これにより、新たな図柄表示部を含む有効ラインで特定表示結果となり、大当り遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感を向上させることができ、遊技の興趣を向上させることができる。また、常に3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部において変動表示が行なわれるものと比較し、表示用回転枠18が回転することにより3行×4列のマトリックス状の配列された12の図柄表示部において変動表示を行なうことができるため、変化に富んだ変動表示による演出を遊技者に提供することができる。
【0152】
(4) 表示用回転枠18の窓口が第2表示状態に制御されたことに合わせて、図3(g)で説明したように、最左列の左側に新たに作成された列の図柄表示部を含む新たな有効ラインでリーチ状態を発生させる制御が行なわれる。これにより、大当り遊技状態に制御されることに対し遊技者が抱く期待感をより向上させることができ、より一層遊技の興趣を向上させることができる。また、表示用回転枠18が回転することにより、以後リーチが発生する可能性があることをその回転時点において予告できるため、遊技の興趣を向上させることができる。
【0153】
第2実施形態
次に、第2実施形態を説明する。前述した第1実施形態では、表示用回転枠18を回転させることにより、当該表示用回転枠18に開設されている窓口の状態(たとえば、回転状態、第1表示状態、第2表示状態等)を変化させ、この窓口の状態の変化に応じた画像を液晶表示装置9aに表示する例について説明した。この第2実施形態においては、窓口が開設された表示用枠を移動させることにより、当該表示用枠に開設されている窓口の状態を上下左右方向に移動させたり拡大させたりすることができ、この窓口の状態の変化に応じた液晶表示装置9aの表示画面の位置に画像を表示する例について、図13および図14を用いて説明する。
【0154】
図13は、液晶表示装置9aの前面において、上下左右方向に移動可能となるように構成された、矩形状の窓口が開設された表示用移動枠118を説明するための図である。図13(a)に示す表示用移動枠118は、図13(b)および(c)に示すL字形状の不透明部材118a〜118dから構成されている。不透明部材118a〜118dは、液晶表示装置9aの前面に不透明部材118c、118dが設けられ、そのさらに前面に不透明部材118a、118bが設けられている。
【0155】
図13(b)に示すL字形状の不透明部材118a、118bは、液晶表示装置9aの表示画面の縦幅を調整するための部材である。L字形状の不透明部材118aの右側面には、駆動モータからの動力を伝達するための平歯車139aと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118aは、平歯車139aが駆動モータにより回転すると、上下方向に移動可能に構成されている。L字形状の不透明部材118bの右側面にも同様に、平歯車139bと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118bも同様に、平歯車139bが駆動モータにより回転すると、上下方向に移動可能に構成されている。
【0156】
図13(c)に示すL字形状の不透明部材118c、118dは、液晶表示装置9aの表示画面の横幅を調整するための部材である。L字形状の不透明部材118cの下側面には、駆動モータからの動力を伝達するための平歯車139cと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118cは、平歯車139cが駆動モータにより回転すると、左右方向に移動可能に構成されている。L字形状の不透明部材118dの下側面にも同様に、平歯車139dと噛み合うピッチのラックが形成されている。よって、不透明部材118dも同様に、平歯車139dが駆動モータにより回転すると、左右方向に移動可能に構成されている。
【0157】
以上のように、図13に示す表示用移動枠118を構成する不透明部材118a〜118dは、平歯車139a〜139dが駆動モータにより回転すると、各々移動するため、表示用移動枠118に開設される窓口の状態を上下左右方向に移動させたり拡大させたりすることができる。
【0158】
図14は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態を説明するための図である。図14(a)は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態が通常状態であるときの図である。通常状態では、窓口の中心が液晶表示装置9aの表示画面の中心となる位置で、最小の窓口が開設される。通常状態では、窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面において、たとえば、3行×3列のマトリックス状に配列された9つの図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロールする画像を表示する。
【0159】
図14(b)は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態が左上状態であるときの図である。左上状態では、窓口の左上角が液晶表示装置9aの表示画面の左上角となる位置で、最小の窓口が開設される。左上状態では、液晶表示装置9aの表示画面において、通常状態と同様の画像を表示する。なお、通常状態から左上状態に窓口の位置が移動するときには、その移動に合わせた画像を表示する。
【0160】
図14(c)は、表示用移動枠118に開設される窓口の状態が最拡大状態であるときの図である。最拡大状態では、窓口が液晶表示装置9aの表示画面の領域と一致する最大の窓口が開設される。
【0161】
通常状態から最拡大状態に窓口が拡大するときには、まず、不透明部材118bを下方向に移動させ、かつ不透明部材118dを左方向に移動させた拡大状態に変化させた後、さらに、不透明部材118aを上方向に移動させ、かつ不透明部材118cを右方向に移動させる。拡大状態では、窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面において、たとえば、4行×4列のマトリックス状に配列された16の図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロールする画像を表示する。最拡大状態では、窓口を通して視認できる液晶表示装置9aの表示画面において、たとえば、5行×5列のマトリックス状に配列された25の図柄表示部が形成され、各図柄表示部において「1」〜「9」の全9種類の数字図柄を順次スクロールする画像を表示する。なお、通常状態から拡大状態または最拡大状態に窓口が拡大するときには、その拡大に合わせた画像を表示する。
【0162】
なお、表示用移動枠118の窓口の状態(たとえば、通常状態、左上状態、拡大状態、最拡大状態等)は、第1実施形態で説明したように設定された変動パターンから特定される。そして、特定された窓口の状態に応じて、平歯車139a〜139dを回転させる駆動モータに駆動信号を出力する制御が行なわれる。
【0163】
また、図14を用いて説明したように拡大状態および最拡大状態に表示用移動枠118の窓口が制御された後は、液晶表示装置9aにおいて新たに作成された行および列の図柄表示部が表示される。
【0164】
さらに、表示用移動枠118の窓口が拡大状態または最拡大状態に制御されたことに合わせて、新たに作成された行および列の図柄表示部を含む新たな有効ラインでリーチ状態を発生させる制御が行なわれる。
【0165】
なお、本実施の形態においては、表示用移動枠118の窓口を通して視認できる範囲は、当該窓口がどのような状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面の領域内となるように、平歯車139a〜139dを回転させる駆動モータが制御される。これにより、遊技者は、表示用移動枠118の窓口がいかなる状態であっても、液晶表示装置9aの表示画面に表示された画像を視認できる。
【0166】
次に、この実施の形態により得られる主な効果をまとめて説明する。
【0167】
前述した実施形態においては、物理的に液晶表示装置9aを移動させることや表示画面の領域を変化させることなく、表示用移動枠118の移動に合わせて液晶表示装置9aが移動しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができ、また、表示用移動枠118に開設される窓口の拡大・縮小に合わせて液晶表示装置9aが拡大・縮小しているかのような印象を抱かせる斬新な演出を行なうことができ、また、このような斬新な演出は、図13を用いて説明したように簡単な構造で、実現することができる。
【0168】
また、以上に示した第2実施形態については、前述した第1実施形態と共通する技術思想による構成について、前述した第1実施形態の場合と同様の技術的効果を得ることができる。
【0169】
次に、以上説明した実施の形態の変形例や特徴点を以下に列挙する。
【0170】
(1) 前述した実施の形態においては、表示用回転枠18および表示用移動枠118の窓口が、矩形状に開設された例について説明したが、これに限らず、台形状や三角形状等その他、多角形状に開設されたものであってもよく、また、円形状に開設されたものであってもよい。なお、円形状の窓口が開設された表示用回転枠を回転させる場合においては、窓口を装飾するための装飾部材を窓口に設けるように構成してもよい。これにより、装飾部材も回転するため、表示用回転枠が回転していることを遊技者は認識することができ、液晶表示装置9aに装飾部材の回転に合わせた画像を表示することによる斬新な演出を遊技者に提供することができる。
【0171】
(2) 前述した実施の形態においては、遊技制御用マイクロコンピュータ53から出力される変動パターンコマンドを含む表示制御コマンドに基づき、演出制御用マイクロコンピュータ800が、特別図柄表示装置9を構成する液晶表示装置9aの表示画面に表示する画像や、駆動モータ38の回転駆動を制御する例について説明した。しかし、これに限らず、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、画像を制御するための制御信号を液晶表示装置9aに出力し、表示画面に表示する画像を直接制御するようにしてもよい。また、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、回転を制御するための制御信号を駆動モータ38に出力し、表示用回転枠18等の動作を直接制御するようにしてもよい。これにより、遊技制御基板31と液晶表示装置9aや駆動モータ38との間にドライバ回路やマイクロコンピュータを搭載した制御基板等を設けて制御を行なう場合と比較して、遊技制御用マイクロコンピュータ53により処理され決定・判定された内容に基づき、確実に間違いなく液晶表示装置9aの表示画面に画像を表示でき、確実に間違いなく表示用回転枠18等を動作させることができる。
【0172】
また、遊技制御用マイクロコンピュータ53が、液晶表示装置9aの表示画面に表示する画像を直接制御するようにする場合においては、液晶表示装置9aに換え7セグメントLED表示器を用いるようにしてもよい。さらに、前述した実施形態において説明した斬新な演出を行なうための液晶表示装置(装飾図柄表示装置)は、演出制御用マイクロコンピュータ800により制御されるように構成してもよい。これにより、遊技制御用マイクロコンピュータ53の制御負担を軽減させることができるとともに、演出制御用マイクロコンピュータ800により制御される液晶表示装置の表示画面において多くのバリエーションの演出を行なうことができる。以上のように構成した場合には、たとえば、遊技制御用マイクロコンピュータ53は、大当り判定、変動パターン設定、停止図柄決定、リーチ判定等を行なうことにより、大当りにするか否か(確変大当りにするか否かも含む)を特定するための大当り判定コマンドと、変動時間を特定するための変動時間コマンドとを演出制御用マイクロコンピュータに出力する。そして、演出制御用マイクロコンピュータ800は、受信した大当り判定コマンドと変動時間コマンドとに基づき、変動パターンと停止図柄と駆動パターンと駆動予告パターンとを独自に決定するようにしてもよい。
【0173】
(3) 前述した実施の形態においては、変動パターンとしてリーチ変動パターンを用いた変動表示が行なわれているときに、表示用回転枠18等を動作し、当該表示用回転枠18等の窓口の状態に応じた画像を液晶表示装置9aに表示する例について説明したが、これに限らず、客待ちデモ表示が行なわれているときにも、表示用回転枠18等を動作し、当該表示用回転枠18等の窓口の状態に応じた画像を液晶表示装置9aに表示するようにしてもよい。
【0174】
(4) 前述した実施の形態においては、駆動モータ38を回転駆動させることにより、表示用回転枠18等を動作する例について説明したが、これに限らず、ソレノイドで駆動することにより動作するようにしてもよい。また、たとえば(ステッピング)モータ等のアクチュエータで動作するようにしてもよい。
【0175】
(5) 今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0176】
【図1】遊技機の一例のパチンコ遊技機を正面から見た正面図である。
【図2】特別図柄表示装置の構造を説明するための分解斜視図である。
【図3】特別図柄表示装置における特別図柄の変動表示動作を説明するための図である。
【図4】パチンコ遊技機における各種制御基板を含む制御回路の構成の一例を示すブロック図である。
【図5】変動パターン設定処理のサブルーチンプログラムを説明するためのフローチャートである。
【図6】変動パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
【図7】演出制御メイン処理およびタイマ割込み処理を説明するためのフローチャートである。
【図8】表示制御プロセス処理を説明するためのフローチャートである。
【図9】モータ駆動制御処理を説明するためのフローチャートである。
【図10】駆動予告パターン設定処理を説明するためのフローチャートである。
【図11】駆動予告パターンを決定するために用いられるテーブルを説明するための図である。
【図12】駆動パターンおよび駆動予告パターンの動作内容を説明するための図である。
【図13】第2実施形態における表示用移動枠を説明するための図である。
【図14】第2実施形態における表示用移動枠に開設される窓口の状態を説明するための図である。
【符号の説明】
【0177】
1 パチンコ遊技機、9a 液晶表示装置、9 特別図柄表示装置、18 表示用回転枠、38 駆動モータ、53 遊技制御用マイクロコンピュータ、118 表示用移動枠、800 演出制御用マイクロコンピュータ。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機であって、
前記表示装置の前側において動作可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口が開設された表示用可動枠と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態に応じた画像を前記表示領域に表示させる表示制御とを行なう制御手段と、を備えることを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記表示装置における識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否か決定する特定表示結果決定手段と、
前記表示装置に識別情報の変動表示の表示結果を表示するまでの変動表示中に、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチを発生させるか否か決定するリーチ発生決定手段と、
該リーチ発生決定手段により前記リーチを発生させると決定されたときに、該決定されたリーチが発生しているときの前記表示領域における表示態様を特定するためのリーチパターンを、前記特定表示結果決定手段により識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果としないと決定されたときと前記特定表示結果決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすると決定されたときとで選択される確率が異なるリーチパターンを含む複数種類のリーチパターンから選択するリーチパターン選択手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記リーチが発生する変動表示中に前記駆動制御を行ない、前記リーチパターン選択手段が選択したリーチパターンの種類に応じて前記表示用可動枠を異なる態様で駆動させることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機であって、
前記表示装置の前側において動作可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口が開設された表示用可動枠と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態に応じた画像を前記表示領域に表示させる表示制御とを行なう制御手段と、を備え、
前記制御手段は、さらに、前記表示装置を制御し、前記駆動制御が行なわれた後の前記表示用可動枠に開設されている前記窓口から視認可能となる新たな表示領域を作成する作成制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記作成制御が行なわれて新たな表示領域が作成された前記表示装置において、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチを発生させるリーチ発生制御を行なうことを特徴とする、請求項3に記載の遊技機。
【請求項1】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機であって、
前記表示装置の前側において動作可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口が開設された表示用可動枠と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態に応じた画像を前記表示領域に表示させる表示制御とを行なう制御手段と、を備えることを特徴とする、遊技機。
【請求項2】
前記表示装置における識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果とするか否か決定する特定表示結果決定手段と、
前記表示装置に識別情報の変動表示の表示結果を表示するまでの変動表示中に、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチを発生させるか否か決定するリーチ発生決定手段と、
該リーチ発生決定手段により前記リーチを発生させると決定されたときに、該決定されたリーチが発生しているときの前記表示領域における表示態様を特定するためのリーチパターンを、前記特定表示結果決定手段により識別情報の変動表示の表示結果を前記特定表示結果としないと決定されたときと前記特定表示結果決定手段により表示結果を前記特定表示結果とすると決定されたときとで選択される確率が異なるリーチパターンを含む複数種類のリーチパターンから選択するリーチパターン選択手段と、をさらに備え、
前記制御手段は、前記リーチが発生する変動表示中に前記駆動制御を行ない、前記リーチパターン選択手段が選択したリーチパターンの種類に応じて前記表示用可動枠を異なる態様で駆動させることを特徴とする、請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
各々が識別可能な複数種類の識別情報の変動表示を含む画像を表示領域に表示する表示装置を有し、該表示装置における識別情報の変動表示の表示結果が予め定められた特定表示結果となったときに遊技者にとって有利な特定遊技状態に制御する特定遊技状態制御手段を備える遊技機であって、
前記表示装置の前側において動作可能に装着される可動枠であって、該枠の前側から前記表示装置の表示領域を視認可能とする窓口が開設された表示用可動枠と、
該表示用可動枠を駆動させる駆動手段と、
該駆動手段を制御し前記表示用可動枠を駆動させる駆動制御と、前記表示装置を制御し前記駆動制御による前記表示用可動枠の駆動状態に応じた画像を前記表示領域に表示させる表示制御とを行なう制御手段と、を備え、
前記制御手段は、さらに、前記表示装置を制御し、前記駆動制御が行なわれた後の前記表示用可動枠に開設されている前記窓口から視認可能となる新たな表示領域を作成する作成制御を行なうことを特徴とする、遊技機。
【請求項4】
前記制御手段は、前記作成制御が行なわれて新たな表示領域が作成された前記表示装置において、前記識別情報が前記特定表示結果の一部を構成している状態であるリーチを発生させるリーチ発生制御を行なうことを特徴とする、請求項3に記載の遊技機。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2006−6560(P2006−6560A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−186811(P2004−186811)
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【出願日】平成16年6月24日(2004.6.24)
【出願人】(000144153)株式会社三共 (5,148)
【Fターム(参考)】
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