説明

遊技機

【課題】 従来は、球タンク内の遊技球を検知するマイクロスイッチが破損し易かった。
【解決手段】 球タンク16a内に遊技球が貯留されている場合には、遊技球Tによって揺動部材19が下方に押圧されて、他端側が下方に移動している。発光素子65aから発光されて、揺動部材19の下面の反射部19bで反射された光は、受光素子65bにより受光される。このため、球タンク16a内に遊技球が有ると判別されている。球タンク16a内の遊技球が球切れになった場合には、揺動部材19への押圧が解かれて他端側が上方に移動する。このため、発光素子65aから発光されて、揺動部材19の下面の反射部19bで反射された光は、受光素子65bによって受光されない。このため、球タンク16a内に遊技球が無いと判別される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、球タンクにおける遊技球の貯留量を検知する検出手段を備える遊技機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の遊技機としては例えばパチンコ機がある。従来の一般的なパチンコ機では、遊技盤の盤面に打ち込まれたパチンコ球が、盤面を流下する途中で始動入賞口に入賞すると、乱数抽選によって大当たり判定が行われる。この判定結果に基づき、図柄表示装置に特別図柄を含む識別情報が変動表示されて特別図柄変動遊技が行われる。大当たり判定では、予め定められた所定の乱数値が抽選されると大当たり入賞になり、それ以外の乱数値が抽選されるとハズレになる。大当たり入賞になると、特別図柄変動遊技に引き続いて大当たり遊技が行われる。この大当たり遊技では、大入賞口が開放し、遊技者は多量の賞球を獲得することが出来る。賞球および貸球は、パチンコ機背部の上方に設けられた球タンクに貯留されており、球通路を通って払い出される。
【0003】
従来、パチンコ機には、例えば、特許文献1や特許文献2に開示されているように、球通路上流または球タンクの底部に設けられた揺動部材と、この揺動部材の揺動を検知するマイクロスイッチとで、球タンク内の遊技球の球切れ、つまり、貯留量を検知するものがある。球通路上の遊技球から押圧されて、または、球タンク底部の遊技球からの重みによる押圧が解けて、揺動部材が揺動する。この揺動がマイクロスイッチによって検出されて、遊技球の球切れが判断される。
【特許文献1】実開1993−82477号公報
【特許文献2】実開1994−5682号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記従来の検出手段では、揺動部材の揺動を検知する度にマイクロスイッチが繰り返し押圧されて作動するので、マイクロスイッチが破損し易かった。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明はこのような課題を解決するためになされたもので、遊技球を貯留する球タンクと、この球タンクまたはこの球タンクに貯留された遊技球が球タンクから遊技者に払い出されるまでの球通路に設けられ遊技球からの押圧力によって揺動可能な揺動部材と、この揺動部材に設けられた反射部と、発光素子と受光素子とから構成され、発光素子により発光された光が反射部で反射した反射光の受光素子での受光状態により、球タンクにおける遊技球の貯留量を検知する検出手段とを備えることを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、発光素子により発光された光が反射部で反射され、この反射光が受光素子で受光されて、または、この反射光が受光素子で受光されなくなって、球タンク内の遊技球の貯留量が検知される。このため、検出手段を構成する発光素子および受光素子には、遊技球の検知の際に揺動部材から外力が加えられることがない。この結果、遊技球の検出に伴う検出手段の破損を防止して、検出手段の耐久性を高めることができる。また、揺動部材と検出手段とを接触させる必要もないので、球タンクから遠い位置に検出手段を設けることができる。従って、設計上の自由度も高めることができる。
【0007】
また、本発明は、検出手段は、球タンクに貯留された遊技球が球タンクから遊技者に払い出されるまでの球通路を構成する部材とは異なる部材に設けられていることを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、球タンクに遊技球が捕給される際や、球通路上を遊技球が移動する際等に生じる振動が、発光素子や受光素子に伝わって誤検出が生じたり、検出手段の性能に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0009】
また、本発明は、検出手段による検知信号に基づく制御を行う制御回路が構成された制御基板を備え、検出手段はこの制御基板に設けられていることを特徴とする。
【0010】
この構成によれば、制御基板に検出手段が設けられているので、検出手段と制御基板とを接続する配線が不要となる。このため、設計上の自由度を高めることができると共に、製造コストも削減できる。
【0011】
また、本発明は、検出手段による検知信号に基づく制御を行う制御回路が構成された制御基板と、検出手段による検知信号を制御基板に中継する中継基板とを備え、検出手段はこの中継基板に設けられていることを特徴とする。
【0012】
この構成によれば、中継基板に検出手段が設けられているので、検出手段と中継基板とを接続する配線が不要となる。このため、設計上の自由度を高めることができると共に、製造コストも削減できる。
【発明の効果】
【0013】
このような本発明によれば、上記のように、球タンク上の遊技球の有無を検知する検出手段の耐久性を高めることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は本発明を実施するための最良の実施形態によるパチンコ機1を示す正面からの斜視図である。パチンコ機1は、前面の中央部に透明遊技盤12が設けられており、その盤面から、透明遊技盤12の背後に設けられた液晶表示装置13cが透けて観察される。透明遊技盤12の下方には、上部受皿11b及び下部受皿11bからなる皿ユニット11bが設けられている。下部受皿11bの右方には発射ハンドル13aが設けられている。また、透明遊技盤12の箇所12aには液晶表示装置13cに表示される特別図柄が視認される。液晶表示装置13cに表示された特別図柄が所定の大当たり組み合わせで揃うと、いわゆる大当たりが発生する。
【0015】
透明遊技盤12における特別図柄が視認される箇所12aの左右には図示しない通過孔が設けられている。また、透明遊技盤12の下部には始動入賞口12bが設けられている。発射ハンドル13aの操作によって盤面に撃ち出された遊技球が始動入賞口12bに入賞すると、液晶表示装置13cに特別図柄が変動表示されて特別図柄ゲームが開始される。また、始動入賞口12bの左右には、遊技球が入賞すると所定個数例えば10個の賞球が払い出される一般入賞口12cが設けられている。賞球は皿ユニット11bの上部受皿11bに払い出されるが、上部受皿11bが満杯のときは下部受皿11bに払い出される。また、始動入賞口12bの下方には、大当たり入賞が発生すると行われる大当たり遊技において扉が開閉する大入賞口12dが設けられている。大入賞口12dの下方には、始動入賞口12b等に入賞しなかった遊技球が入球するアウト口12eが設けられている。
【0016】
大当たり遊技は、特別図柄の大当たり組み合わせが特別図柄ゲームの終了時に停止表示してから行われ、大入賞口12dに所定個数例えば10個の遊技球が入賞するまで、または所定時間例えば30秒が経過するまで、大入賞口12dが開放したままになる遊技が最大で例えば15ラウンド行われる。ラウンド中に、大入賞口12dへ入賞した遊技球が大入賞口12dの内部に設けられたVゾーンと呼ばれる特定の領域に入賞すると、次のラウンドへ継続して進むことが出来るが、ラウンド中にVゾーンに入賞しなかった場合はいわゆるパンクとなり、15ラウンド到達以前であっても、大当たり遊技はそのラウンドで打ち切られて終了となる。遊技中には、透明遊技盤12の盤面上方に設けられた電飾LED11aの点灯や、放音孔11aからのスピーカ音により演出が行われる。また、賞球の球切れ等のエラーが生じたときは、電飾LED11aの両脇にあるエラーLED64,64の点灯等による報知が行われる。
【0017】
図2はパチンコ機1の背面からの斜視図である。
【0018】
パチンコ機1は、四角枠状の木枠14の前面に図示しない中枠が取り付けられて構成される。中枠は、木枠14の前面で開閉し得るように、木枠14に軸支されている。中枠の前面中央部には上述した透明遊技盤12や液晶表示装置13c等が取り付けられている。中枠の背面中央部には、基板ケースユニット15および球払出ユニット16が取り付けられている。パチンコ機1の背面から見て、基板ケースユニット15は中枠の左側部に軸支され、球払出ユニット16は中枠の右側部に軸支されている。基板ケースユニット15は、ユニット本体15aをケース15bで覆って構成されている。
【0019】
図3はユニット本体15aからケース15bを取り外した状態でのパチンコ機1の背面図である。なお、同図では、後述する球タンク16aの側壁下方の一部を取り除いた状態を示している。また、同図において図2と同一部分には同一符号を付してその説明は省略する。
【0020】
同図に示すように、基板ケースユニット15を構成するユニット本体15aには、透明遊技盤12の盤面での遊技動作等を制御するための後述する主制御回路30が構成された主基板15a、液晶表示装置13c等を用いた遊技演出を制御するための後述する演出制御回路40が構成された演出基板15a、遊技球の払出や発射等を制御するための後述する払出・発射制御回路60が構成された払出・発射制御基板15a等が取り付けられている。
【0021】
球払出ユニット16は、入賞結果に応じた数の遊技球Tを上述した上部受皿11b及び下部受皿11bに供給する。球払出ユニット16は、図2および図3に示すように、遊技球を貯留する球タンク16aと、この球タンク16aの遊技球流出口から流出した遊技球Tを上部受皿11b及び下部受皿11bに供給する球通路16bとを備える。球タンク16aの遊技球流出口と球通路16bとの間には、球タンク16a内の遊技球Tを球通路16bに導く2条の誘導路16cが設けられている。誘導路16cは、球通路16bに向けて下降傾斜しており、誘導路16c上の遊技球Tが自重によって球通路16bに移動するようになっている。誘導路16cの先端は、球通路16bの上端部に接続されている。図2に示すように、誘導路16cと球通路16bとの接続部分の近傍における誘導路16cの上方には、誘導路16c上の遊技球Tを上方から抑さえ込んで誘導路16cの幅方向に2列に整列させる整列部材16dが設けられている。また、この整列部材16dの下方の遊技機背面には、各基板間の中継に用いられる回路が構成された枠中継基板18が設けられている。
【0022】
図4は、枠中継基板18および誘導路16cを示す部分拡大図である。
【0023】
同図に示すように、球タンク16aの遊技球T流出口近傍の誘導路16cには切欠部16eが形成されており、この切欠部16eには揺動部材19が設けられている。揺動部材19は、切欠部16eの上端側の縁部に一端19aが軸支されており、切欠部16eの上縁から下縁にかけてを覆うように掛け渡されて、誘導路16cの一部を構成している。揺動部材19の下面は鏡面加工が施されており、照射された光を反射する反射部19bとなっている。揺動部材19は、図示しない付勢手段によって他端が誘導路16cの上方(図中の矢印方向)に向けて付勢されている。
【0024】
誘導路16cの下方には機構板20が設けられている。機構板20の上縁部における揺動部材19の下方の位置には、球切れ検知スイッチ65が取り付けられている。球切れ検知スイッチ65は、発光素子65aと受光素子65bとから一体に構成されており、発光素子56aは揺動部材19の下面に形成された反射部19bに向けて発光し、受光素子65bは揺動部材19の反射部19bで反射した光を受光するように機構板20に取り付けられている。球切れ検知スイッチ65は、枠中継基板18と配線65cで接続されている。配線65cは、コネクタ18aによって枠中継基板18と接続されている。球切れ検知スイッチ65は、発光素子65aにより発光された光が反射部19bで反射した反射光の受光素子65bでの受光状態により、球タンク16aにおける遊技球Tの貯留量を検知する検出手段を構成している。
【0025】
図5は、本実施形態によるパチンコ機1の遊技動作を処理制御する電子回路の主な構成を示すブロック図である。この電子回路は、遊技処理を制御する主制御回路30や、この主制御回路30からの指示に従って遊技の演出を行う演出制御回路40、賞球等の払い出しや遊技球Tの発射を制御する払出・発射制御回路60等から構成されている。
【0026】
主制御回路30には、メインCPU31や初期リセット回路32、シリアル通信用IC33といった電子部品が実装されている。また、主制御回路30には、メインCPU31がパチンコ機1の遊技動作を処理制御するためのプログラムが記憶格納された図示しないメインROM(リード・オンリー・メモリ)や、処理制御時にデータが一時的に記憶される図示しないメインRAM(ランダム・アクセス・メモリ)も実装されている。初期リセット回路32は、主制御回路30の起動時にメインRAMに記憶されている遊技状態の内容を消去すると共に、メインROMに記憶されているプログラムに従った遊技処理を開始させるリセット信号を発生する。また、シリアル通信用IC33は、メインCPU31から送出される制御信号を各制御回路40,60へシリアルに送信する。
【0027】
主制御回路30には、上述した通過孔の内側に設けられ、遊技球Tが通過孔を通過するのを検知するゲートスイッチ20Sや、始動入賞口12bに入賞した遊技球Tを検知する始動入賞球センサ21Sが接続されている。また、大入賞口12dに入賞した遊技球Tを検知するカウントスイッチ22S、大入賞口12d内部のVゾーンを通過した遊技球Tを検知するVカウントスイッチ22V、一般入賞口12cへ入賞した遊技球Tを検知する一般入賞球センサ23Sが接続されている。また、主制御回路30には、アクチュエータとして、始動入賞口12bの球受入口を拡張する始動入賞口ソレノイド24、大入賞口12dの扉を開閉する大入賞口ソレノイド25、大入賞口12d内部のVゾーンに遊技球Tが入賞した後に遊技球TをVゾーン以外へ誘導するVゾーン誘導装置34等が接続されている。
【0028】
上記各センサ及び各スイッチが遊技球Tを検知すると、その検知信号は主制御回路30のメインCPU31に入力され、入力される検知信号に応じて、メインCPU31は上記各アクチュエータ24,25,34をそれぞれ駆動制御する。
【0029】
演出制御回路40は、液晶表示装置13cにおける画像表示を行う画像表示制御、スピーカ13b,13bから効果音を放音させる音制御、及び遊技状態に応じて電飾LED11aの発光を制御する電飾制御を行う。この演出制御回路40には、サブCPU41、プログラムROM42、ワークRAM43が実装されている。サブCPU41は、主制御回路30から受信した制御指令の解釈や、VDP(ビデオ・ディスプレイ・プロセッサ)44のパラメータ設定を行う。プログラムROM42には、サブCPU41が液晶表示装置(LCD)13cや、スピーカ13b、電飾LED11aの各動作を処理制御するための制御プログラムが記憶格納されている。ワークRAM43は、サブCPU41が上記制御プログラムに従って処理制御を行う際の一時的な記憶手段となる。
【0030】
また、演出制御回路40には、画像データROM45、VDP44、及び初期リセット回路46が実装されている。画像データROM45は、液晶表示装置13cに表示する画像を形成するためのドットデータを記憶格納する。VDP44は、サブCPU41で設定されたパラメータに応じて画像データROM45内のドットデータを読み込み、液晶表示装置13cに表示するための画像データを生成する。初期リセット回路46は、演出制御回路40をリセットするリセット信号を発生する。
【0031】
メインCPU31は、始動入賞口12bへ遊技球Tが入賞して始動入賞が発生すると大当たり判定を行う。演出制御回路40は、この大当たり判定の結果に対応する態様で液晶表示装置13cに特別図柄を順次停止表示させ、左図柄と右図柄とが同一図柄で揃って停止表示されるリーチ状態になると、液晶表示装置13cに特別図柄および演出画を用いてリーチ演出を行う。
【0032】
スピーカ駆動回路は、効果音の原信号を生成する音源IC48と、これに接続され効果音が記憶されている音源データROM49と、音源IC48から出力された原信号を増幅するアンプ(AMP)50と、3段階の中から1段階の音量出力レベルを指定する音量切換スイッチ51とから構成されており、サブCPU41からの駆動信号により、スピーカ13bを駆動制御する。ドライブ回路52は、サブCPU41からの駆動信号により、パチンコ機1の遊技状態に応じて電飾LED11aの発光を制御する。
【0033】
払出・発射制御回路60には、払出・発射制御CPU、プログラムや各種テーブルが格納されたプログラムROM(図示せず)、処理制御時にデータが一時的に記憶される制御RAM(図示せず)といった電子部品が実装されている。この払出・発射制御回路60には、遊技球を上述した透明遊技盤12の盤面に打ち出す発射装置61、賞球などを払い出す払出装置62が接続されている。払出・発射CPUは、各種入賞等に応じて主制御回路30から出力される払出コマンドに応じて払出装置62を駆動制御し、賞球や貸球を払い出させる。また、払出装置62には、枠中継基板18を介して、上述したエラーLED64や球切れ検知スイッチ65、払い出される賞球を検知する賞球検知スイッチ66、および貸球を検知する球貸し検知スイッチ67が接続されている。上述した球払出ユニット16の球通路16bは、賞球用の球通路と貸球用の球通路とに分離しており、賞球検知スイッチ66が賞球用の球通路に、球貸し検知スイッチ67が貸球用の球通路に、それぞれ設けられている。払出・発射制御回路60の払出・発射制御CPUは、球切れ検知スイッチ65での検知結果に基づいて球タンク16aが球切れと判断された場合等に、エラーLED64を点灯する。
【0034】
次に、本実施形態によるパチンコ機1での球タンク16aに貯留された遊技球の球切れ検知動作について説明する。
【0035】
球タンク16a内に遊技球Tが貯留されており、誘導路16c上に遊技球Tが整列している場合には、揺動部材19は、図4に実線で示すように、誘導路16c上の遊技球Tの重みによって下方に押圧されている。このため、揺動部材19は、図示しない付勢手段の付勢力に抗して他端側が下方に移動して、その他端が切欠部16eの下縁部と当接した状態となっている。この状態では、球切れ検知スイッチ65の発光素子65aから発光されて、揺動部材19の下面の反射部19bで反射された光は、受光素子65bで受光される。このため、球切れ検知スイッチ65からは検知信号が出力され、払出・発射制御回路60では、球タンク16a内に遊技球Tが有ると判別されている。
【0036】
球タンク16a内の遊技球Tが空になって球切れになり、誘導路16c上に整列している遊技球Tが無くなった場合には、遊技球Tの重みによる揺動部材19への押圧が解かれる。このため、揺動部材19は、図示しない付勢手段の付勢力によって他端側が上方に移動して、図4に一点鎖線で示すように、切欠部16eの下縁部と離間した状態となる。この状態では、球切れ検知スイッチ65の発光素子65aから発光されて、揺動部材19の下面の反射部19bで反射された光は、受光素子65bで受光されない。このため、球切れ検知スイッチ65からは検知信号が出力されず、払出・発射制御回路60では、球タンク16a内に遊技球Tが無いと判別され、エラーLED64が点灯する。
【0037】
このような本実施形態によるパチンコ機1では、上述したように、球タンク16a内に遊技球が貯留されている場合には、誘導路16c上の遊技球に押圧された揺動部材19の反射部19bによって、発光素子65aで発光された光が反射され、この反射光が受光素子65bで受光される状態によって、払出・発射制御回路60で球タンク16a内の遊技球の貯留量が判別される。このため、球切れ検知スイッチ65を構成する発光素子65aおよび受光素子65bには、遊技球の検知の際に揺動部材19から従来のように外力が加えられることがない。この結果、遊技球の検出に伴う球切れ検知スイッチ65の破損を防止して、球切れ検知スイッチ65の耐久性を高めることができる。また、揺動部材19と球切れ検知スイッチ65とを接触させる必要もないので、球タンク16aから遠い位置に球切れ検知スイッチ65を設けることができる。従って、設計上の自由度も高めることができる。
【0038】
また、球タンク16aからの遊技球が流れる球通路16bや誘導路16cを構成する部材とは異なる部材である機構板20に球切れ検知スイッチ65が設けられているので、球タンク16aに遊技球が補給される際や、球通路16b,誘導路16c上を遊技球が移動する際等に生じる振動が、球切れ検知スイッチ65を構成する発光素子65aや受光素子65bに伝わって、誤検出が生じたり、球切れ検知スイッチ65の性能に悪影響を及ぼすことを防止できる。
【0039】
なお、上記実施の形態では、枠中継基板18とは別の機構板20に球切れ検知スイッチ65設け、枠中継基板18と球切れ検知スイッチ65とを配線65cで接続した場合について説明した。しかし、図6に示すように、球切れ検知スイッチ65を枠中継基板18に設ける構成や、払出装置62を制御する払出・発射制御回路60が構成される基板15a等の他の基板に球切れ検知スイッチ65を設ける構成としてもよい。なお、同図において図4と同一または相当する部分には同一符号を付してその説明は省略する。この構成によれば、球切れ検知スイッチ65が基板上に設けられているので、球切れ検知スイッチ65とこれらの基板とを接続する配線が不要となる。このため、設計上の自由度を高めることができると共に、製造コストも削減できる。
【0040】
また、上記実施形態では、発光素子65aと受光素子65bとが球切れ検知スイッチ65として一体に形成され、同じ位置に配置されている場合について説明した。しかし、発光素子65aと受光素子65bとが同じ位置に配置されている必要はなく、発光素子65aと受光素子65bとを別部品として異なる位置に配置してもよい。
【0041】
また、上記実施の形態では、発光素子65aから発光した光が、揺動部材19の反射部19bで直接反射して、受光素子65bで受光される場合について説明した。しかし、図7(a)に示すように、発光素子65aから発光した光が反射板68aで反射し、この反射光が揺動部材19の反射部19bで反射して、さらに反射板68bで反射されるように構成してもよい。この場合、球タンク16aに遊技球が貯留されていて揺動部材19が遊技球に押圧されている状態では、反射板68bで反射された光は、揺動部材19の反射部19bに照射され、さらに反射板68aで反射されて、同一光路を戻って受光素子65bで受光される。このため、払出・発射制御回路60で球タンク16aが球切れでないと判別されている。球タンク16aの遊技球が球切れになって遊技球から揺動部材19への押圧が解けると、揺動部材19が上方へ移動するため、反射板68bで反射された光は、揺動部材19の反射部19b,反射板68aの順で反射されるが、同一光路を戻らず、受光素子65bで受光されない。このため、払出・発射制御回路60で球タンク16aが球切れと判別される。
【0042】
また、発光素子65aと受光素子65bとは同図(a)に示すように同じ位置に配置されている必要はなく、同図(b)に示すように、異なる位置に配置されていてもよい。この場合、球タンク16aに遊技球が貯留されていて揺動部材19が遊技球に押圧されている状態では、発光素子65aから発光された光が反射板68aで反射されて揺動部材19の反射部19bに照射され、さらに反射板68aで反射されて、受光素子65bで受光される。このため、払出・発射制御回路60で球タンク16aが球切れでないと判別されている。球タンク16aの遊技球が球切れになって遊技球から揺動部材19への押圧が解けると、揺動部材19が上方へ移動するため、発光素子65aから発光されて反射板68a,揺動部材19の反射部19b,反射板68aの順で照射された光が、受光素子65bとは異なる方向に反射されて、受光素子65bで受光されない。このため、払出・発射制御回路60で球タンク16aが球切れと判別される。
【0043】
また、上記実施形態では、球タンク16aの下部の誘導路16cに揺動部材19が設けられている場合について説明した。しかし、球タンク16aの底部に揺動部材19を設け、遊技球の重みで揺動部材19が揺動するように構成してもよい。また、球タンク16aの側部に揺動部材19を設けて、遊技球によって側方から加えられる押圧力で揺動部材19が揺動するように構成してもよい。球タンク16aの底部に揺動部材19が設けられている場合には、球タンク16aの側部に設けられている場合よりも、広い範囲に揺動部材19を設置できるので、球切れ検知スイッチ65の配置の自由度が高められる。一方、球タンク16aの側部に揺動部材19が設けられている場合には、球タンク16aの底部に設けられている場合に比べて、球タンク16a内のゴミ等によって揺動部材19の揺動が妨げられるのを防止することができる。
【産業上の利用可能性】
【0044】
上記実施形態においては、本発明による遊技機をパチンコ機に適用した場合について説明したが、球タンク内の遊技球の貯留量を検知する検出手段を備える他の遊技機に本発明を適用することも可能である。このような遊技機に本発明を適用した場合においても上記実施形態と同様な作用効果が奏される。
【図面の簡単な説明】
【0045】
【図1】本発明の一実施形態によるパチンコ機の正面からの斜視図である。
【図2】本発明の一実施形態によるパチンコ機の背面からの斜視図である。
【図3】図2に示す基板ケースユニットのユニット本体からケースを取り外した状態でのパチンコ機の背面図である。
【図4】枠中継基板および誘導路を示す部分拡大図である。
【図5】本発明の一実施形態によるパチンコ機の遊技動作を処理制御する電子回路の主な構成を示すブロック図である。
【図6】本発明の他の例によるパチンコ機の枠中継基板および誘導路を示す部分拡大図である。
【図7】球切れ検知スイッチと揺動部材との配置関係の変形例を説明する図である。
【符号の説明】
【0046】
1…パチンコ機
30…主制御回路
31…メインCPU
41…サブCPU
60…払出・発射制御回路
62…払出装置
64…エラーLED
65…球切れ検知スイッチ
66…賞球検知スイッチ
67…球貸し検知スイッチ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技球を貯留する球タンクと、この球タンクまたはこの球タンクに貯留された遊技球が前記球タンクから遊技者に払い出されるまでの球通路に設けられ遊技球からの押圧力によって揺動可能な揺動部材と、この揺動部材に設けられた反射部と、発光素子と受光素子とから構成され、前記発光素子により発光された光が前記反射部で反射した反射光の前記受光素子での受光状態により、前記球タンクにおける遊技球の貯留量を検知する検出手段とを備えることを特徴とする遊技機。
【請求項2】
前記検出手段は、前記球タンクに貯留された遊技球が前記球タンクから遊技者に払い出されるまでの球通路を構成する部材とは異なる部材に設けられていることを特徴とする請求項1に記載の遊技機。
【請求項3】
前記検出手段による検知信号に基づく制御を行う制御回路が構成された制御基板を備え、
前記検出手段はこの制御基板に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。
【請求項4】
前記検出手段による検知信号に基づく制御を行う制御回路が構成された制御基板と、前記検出手段による検知信号を前記制御基板に中継する中継基板とを備え、
前記検出手段はこの中継基板に設けられていることを特徴とする請求項2に記載の遊技機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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